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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20250415BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20250415BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q30/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021024464
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126409
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】中森 悠太
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-222114(JP,A)
【文献】特開2004-139471(JP,A)
【文献】特開2020-086562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
データの送受信を行う場合に、
前記データに紐づけられており、前記データの送信先を示す情報および前記データの送受信の回数を含む利用履歴情報を取得し、
前記データの送受信の回数が多いほど、前記データの価値を下げ、
前記データの送信先が互いに関連する複数の送信先である場合に、前記データの送信先が互いに関連しない複数の送信先である場合よりも、前記データの価値の下げ幅を大きくする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、更に、
前記データを取得して提供するまでの契約条件に順守している場合に当該データの価値を上げ、前記契約条件に遵守していない場合に当該データの価値を下げる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記データの利用履歴情報から当該データの利用状況として当該データの送信に関する情報を得る
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記データの最初の送信先に応じて当該データの価値の変え幅を異ならせる
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
データの送受信を行う場合に、
前記データに紐づけられており、前記データの送信先を示す情報および前記データの送受信の回数を含む利用履歴情報を取得し、
前記データの送受信の回数が多いほど、前記データの価値を下げ、
前記データの送信先が互いに関連する複数の送信先である場合に、前記データの送信先が互いに関連しない複数の送信先である場合よりも、前記データの価値の下げ幅を大きくする、
ように動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、投稿されたコンテンツに対する評価者の評価の信頼性を高めるシステムが記載されている。
【0003】
特許文献2には、アフィリエイトプログラムとの連携を行うことで回答者のインセンティブを高めるシステムが記載されている。
【0004】
特許文献3には、ユーザによるSNSへのコンテンツ投稿をトランザクションとみなし、ユーザによるコンテンツ投稿の内容の真正性を担保すると共に、データ改ざんに対する耐性を有するシステムが記載されている。
【0005】
特許文献4には、ユーザECサイトで商品を購入し又はサービス提供を受けたとき、アフィリエイトデータサービスに記憶する分配比率に基づいて、報酬額全額を投稿者データベース又は紹介者データベースのいずれか一方に加算する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-174912号公報
【文献】特開2012-141782号公報
【文献】特許第6762057号公報
【文献】国際公開第2011/007721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、データの価値を評価することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、データの送受信を行う場合に、前記データに紐づけられており、前記データの送信先を示す情報および前記データの送受信の回数を含む利用履歴情報を取得し、前記データの送受信の回数が多いほど、前記データの価値を下げ、前記データの送信先が互いに関連する複数の送信先である場合に、前記データの送信先が互いに関連しない複数の送信先である場合よりも、前記データの価値の下げ幅を大きくする、情報処理装置である。
【0011】
請求項に係る発明は、前記プロセッサは、更に、前記データを取得して提供するまでの契約条件に順守している場合に当該データの価値を上げ、前記契約条件に遵守していない場合に当該データの価値を下げる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項に係る発明は、前記プロセッサは、前記データの利用履歴情報から当該データの利用状況として当該データの送信に関する情報を得る、ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項に係る発明は、前記プロセッサは、前記データの最初の送信先に応じて当該データの価値の変え幅を異ならせる、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
【0019】
請求項に係る発明は、コンピュータが、データの送受信を行う場合に、前記データに紐づけられており、前記データの送信先を示す情報および前記データの送受信の回数を含む利用履歴情報を取得し、前記データの送受信の回数が多いほど、前記データの価値を下げ、前記データの送信先が互いに関連する複数の送信先である場合に、前記データの送信先が互いに関連しない複数の送信先である場合よりも、前記データの価値の下げ幅を大きくする、ように動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1,に係る発明によれば、データの価値を評価することができる。
【0022】
請求項に係る発明によれば、データの契約履行に応じた価値が得られる。
【0023】
請求項に係る発明によれば、データの送信の履歴に応じた評価が得られる。
【0024】
請求項に係る発明によれば、データの送信先に応じた評価が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】サーバの構成を示すブロック図である。
図3】端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
図5】利用履歴情報を示す図である。
図6】サーバ及び端末装置を示すブロック図である。
図7】サーバ及び端末装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。
【0031】
本実施形態に係る情報処理システムは、一例として、サーバ10と、N個(Nは1以上の整数)の端末装置とを含む。図1に示す例では、本実施形態に係る情報処理システムは、端末装置12A,12B,12C,・・・,12Nを含む。図1に示されている端末装置の数は一例に過ぎず、1又は複数の端末装置が、本実施形態に係る情報処理システムに含まれていればよい。以下では、端末装置12A,12B,12C,・・・,12Nを区別する必要がない場合には、これらを「端末装置12」と称することとする。本実施形態に係る情報処理システムは、サーバ10及び端末装置12以外の他の装置を含んでもよい。
【0032】
サーバ10及び各端末装置12は、他の装置と通信する機能を有する。その通信は、ケーブルを利用する有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。つまり、各装置は、他の装置とケーブルによって物理的に接続されて、情報を送受信してもよいし、無線通信によって情報を送受信してもよい。無線通信は、例えば、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等である。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identifier)やNFC等である。例えば、各装置は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信経路Nを介して他の装置と通信してもよい。
【0033】
サーバ10は、通信経路Nを介してオンラインサービスを提供する。ユーザは、端末装置12を用いてオンラインサービスを利用することができる。
【0034】
オンラインサービスは、例えば、オンラインストレージを提供するサービス、オンライン会議を提供するサービス、コンテンツをオンラインで提供するサービス、オンラインゲームを提供するサービス、オンラインショッピングを提供するサービス、ソーシャルネットワークサービス(SNS)、又は、これらの中の少なくとも2つの組み合わせ等である。オンライン会議は、Web会議、リモート会議又はビデオ会議等と称されることがある。コンテンツは、例えば、エンターテイメント(例えば、コンサート、演劇、映画、動画、音楽等)やスポーツやeスポーツ等である。例えば、動画配信サービスや音楽配信サービスが、コンテンツをオンラインで提供するサービスの一例である。ユーザは、オンラインでエンターテイメントを鑑賞したり、スポーツやeスポーツを観戦したりすることができる。
【0035】
オンラインサービスは、仮想空間を利用するサービスであってもよいし、仮想空間を利用しないサービスであってもよい。仮想空間は、現実空間に対比される概念であり、例えば、コンピュータによって実現される仮想的な空間、インターネット等のネットワーク上に形成される仮想的な空間、VR(Virtual Reality)技術によって実現される仮想的な空間、又は、サイバースペース等である。例えば、仮想的な3次元の空間又は2次元の空間が、仮想空間の一例に相当する。
【0036】
サーバ10は、オンラインサービスを提供しない装置であってもよい。サーバ10は、端末装置12からサーバ10に送信されたデータを受信して格納してもよいし、端末装置12からサーバ10に送信されたデータを他の端末装置12に送信してもよいし、サーバ10に格納されているデータを端末装置12に送信してもよい。サーバ10は、ファイルサーバであってもよいし、データベースを構築する機能を有してもよい。
【0037】
端末装置12は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、ウェアラブルデバイス(例えばAR(Augmented Reality:拡張現実)グラス、VR(Virtual Reality:仮想現実)グラス、MR(Mixed Reality:複合現実)グラス、ヒアラブルデバイス等)又は携帯電話等である。
【0038】
本実施形態では、データの利用履歴に応じて当該データの価値が変えられる。例えば、データの利用履歴に基づいて当該データの価値が定められる。データの価値を定める処理、及び、データの価値を変える処理は、サーバ10によって行われてもよいし、端末装置12によって行われてもよい。例えば、データが送信される場合、これらの処理は、データの送信元の装置によって行われてもよいし、データの送信先の装置によって行われてもよい。
【0039】
データは、特に限定されるものではなく、例えば、画像データ、動画データ、音データ(例えば、音声データや音楽データ等)、文字列データ(例えばメッセージ等)、文書データ、図面データ、生体に関するデータ(例えば、生物から得られる様々なデータ)、その他五感のいずれかによって知覚されるデータ(例えば、触覚のデータ、味覚のデータ、嗅覚のデータ等)、機器を制御するための制御データ、又は、これらの中の少なくとも2つの組み合わせ等である。もちろん、これらは一例に過ぎず、本実施形態にて用いられるデータは、ここに記載したデータ以外のデータであってもよい。また、データの形式も特に限定はない。データの概念の範疇に、プログラムが含まれてもよい。
【0040】
データの利用は、例えば、データの移動、データの送信、データの投稿、データのアップロード、データの受信、データのダウンロード、データの取得、データの複製、データの編集、又は、データに対するその他の操作や処理等である。
【0041】
データの移動の例として、装置や記憶媒体から別の装置や別の記憶媒体へのデータの移動や、フォルダから別のフォルダへのデータの移動等が挙げられる。
【0042】
データの送信の例として、電子メールによるデータの送信や、SNSを利用したデータの送信や、インターネットや他の通信経路を利用したデータの送信等が挙げられる。
【0043】
データの投稿の例として、SNSへのデータの投稿や、Webサイト(例えば、動画配信サイトや音楽配信サイトや掲示板を提供するWebサイト等)へのデータの投稿等が挙げられる。
【0044】
データのアップロードの例として、オンラインストレージへのデータのアップロードや、サーバ等の装置へのデータのアップロード等が挙げられる。
【0045】
データの受信の例として、電子メールによるデータの受信や、SNSを利用したデータの受信や、インターネットや他の通信経路を利用したデータの受信等が挙げられる。
【0046】
データのダウンロードの例として、SNSを利用したデータのダウンロードや、Webサイトからのデータのダウンロードや、オンラインストレージからのデータのダウンロードや、サーバ等の装置からのデータのダウンロード等が挙げられる。
【0047】
ここで説明した受信やダウンロード以外の方法によって、データが取得されてもよい。
【0048】
データの編集の例として、データの内容の変更や、データの内容の削除や、データの内容の追加等が挙げられる。例えば、文書や画像や動画像や音楽の編集等が、データの編集の一例である。
【0049】
その他の操作や処理の例として、データの名称の変更、データの圧縮、圧縮されたデータの解凍、データの暗号化、暗号化されたデータの復号、データの形式の変換、データの分割、又は、データの結合等が挙げられる。
【0050】
データの利用履歴は、例えば、データの利用の回数(例えば、データの利用の全回数、予め定められた期間内の利用の回数、利用の頻度等)、データを利用したユーザ、データの利用の日時、又は、これらの中の少なくとも2つの組み合わせ等を含む。これら以外にも、データの利用に関する処理や事項、契約等が、データの利用履歴に含まれてもよい。
【0051】
データには、当該データの利用履歴を示す利用履歴情報が紐付けられる。データが利用されると、当該データに紐付けられている利用履歴情報が更新され、当該利用を示す情報が更新後の利用履歴情報に含まれる。例えば、データが送信や投稿された場合、当該データが送信や投稿されたことを示す情報が、当該データに紐付けられている利用履歴情報に含まれる。例えば、送信先や投稿先を示す情報、送信や投稿の日時を示す情報、及び、送信や投稿したユーザを識別するための情報等が、利用履歴情報に含まれる。
【0052】
例えば、利用履歴情報はデータに付随する。データが移動させられる場合、利用履歴情報は、当該データの移動に伴って、当該データに付随して当該データと共に移動させられる。
【0053】
別の例として、各データの利用履歴情報が、データに紐付けられてサーバ等のような管理装置に記憶されて管理され、データの移動に伴ってデータに付随して移動させられなくてもよい。
【0054】
ブロックチェーン等のようにデータを同期して記録する技術を用いることで、データの利用履歴が管理されてもよい。こうすることで、データの発生から流通、廃棄、削除までを時系列に沿って厳格に管理することができる。
【0055】
データには、当該データを分類するために用いられる分類情報が紐付けられてもよい。分類情報は、データの分類に用いることができる情報であれば特に限定されるものではなく、例えば、データの作成日時を示す情報、データの更新日時を示す情報、データの種類を示す情報、データの容量を示す情報、データの名前を示す情報、データにアクセスした日時を示す情報、データによって表現される内容のジャンルやカテゴリーや分野を示す情報、データの作成者の属性を示す情報、データが作成された場所(例えば、国や地方等)を示す情報、又は、これらの中の少なくとも2つの組み合わせを含む。作成者の属性を示す情報は、例えば、作成者を識別するための情報(例えば、氏名、ユーザID、アカウント情報等)、作成者の性別を示す情報、作成者の年齢を示す情報、作成者の住所又は居所を示す情報、作成者の出身地(例えば、国や地方等)を示す情報、作成者の身体的特徴を示す情報、作成者の趣味を示す情報、作成者の思想を示す情報、作成者の好みを示す情報、又は、これらの中の少なくとも2つの組み合わせを含む。分類情報は、データに付随するメタ情報やタグ情報であってもよい。分類情報は、データの検索に用いられてもよい。分類情報を用いることで、データが分類されてもよいし、データが検索されてもよい。
【0056】
データの価値は、例えば、当該データの利用履歴に基づいて、予め定められた基準に従って定められる。例えば、データの利用の回数が多いほど、当該データの価値は下げられる。換言すると、データの利用の回数が少ないほど、当該データの価値は上げられる。具体的には、データの投稿の回数や送信の回数等が多いほど、当該データの価値は下げられる。なお、データの価値は、段階的に変えられてもよい。また、データの価値は、データを利用するユーザに応じて変えられてもよいし、データが送信や投稿される場面では送信先や投稿先に応じて変えられてもよいし、データの利用目的に応じて変えられてもよい。
【0057】
データの価値は、データの利用の種類や態様に応じて変えられてもよい。つまり、データの利用の種類や態様に応じて、データの価値の消耗が異なってもよい。例えば、データを送信や投稿や移動することと、データを複製することとでは、データの価値の変化が異なってもよい。具体的には、データが他の装置に送信や投稿や移動させられた場合、データが複製された場合と比べて、データの価値がより下げられてもよい。もちろん、これとは逆の処理が行われてもよい。
【0058】
データの価値は、例えば、ポイントやランキングや金額等で表現される。例えば、ポイントが多いデータほど、価値の高いデータであり、ランキングが上位のデータほど、価値の高いデータであり、金額が高いデータほど、価値の高いデータである。例えば、データの利用の回数が多いほど、データのランキングや金額が低くなる。
【0059】
データの価値は、例えば、データを取得して提供するまでの契約条件の順守によって変動してもよい。すなわち、違法にデータを取得した場合や、合法的に契約を締結した上で取得して管理したデータであることを証明する履歴情報がデータに紐付けられていない場合、そのデータの価値を下げてもよい。もちろん、合法性を証明できる情報が多いほど、データの価値を上げてもよい。また、契約に期限が定められている場合、データの価値の判断を、その価値を判断する時点において可変するようにしてもよい。
【0060】
データの価値を示す価値情報は、当該データに紐付けられる。価値情報は、利用履歴情報に含まれてもよいし、分類情報に含まれてもよい。価値情報を参照することで、当該データを利用する者は、当該データの価値を認識することができる。例えば、データが売買される場合等に、当該データの売主及び買主は、当該データに紐付けられている価値情報を参照することで、当該データの価値を認識し、当該価値に基づいて、当該データの売買の価格等が定められる。当該価値が、売買の交渉の材料として用いられてもよい。
【0061】
以下、図2を参照して、サーバ10のハードウェアの構成について説明する。図2には、サーバ10のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0062】
サーバ10は、例えば、通信装置14と、UI16と、メモリ18と、プロセッサ20とを含む。
【0063】
通信装置14は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信装置14は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置14は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよい。
【0064】
UI16はユーザインターフェースであり、ディスプレイ及び入力装置の中の少なくとも1つを含む。ディスプレイは、液晶ディスプレイ又はELディスプレイ等である。入力装置は、キーボード、マウス、入力キー又は操作パネル等である。UI16は、ディスプレイと入力装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。
【0065】
メモリ18は、データを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ18は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAM、DRAM又はROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ18がサーバ10に含まれている。
【0066】
プロセッサ20は、サーバ10の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ20は、メモリを有してもよい。例えば、プロセッサ20は、オンラインサービスをユーザに提供する。プロセッサ20は、オンラインサービスを提供しなくてもよい。
【0067】
以下、図3を参照して、端末装置12のハードウェアの構成について説明する。図3には、端末装置12のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0068】
端末装置12は、例えば、通信装置22と、UI24と、メモリ26と、プロセッサ28とを含む。
【0069】
通信装置22は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から送信されてきた情報を受信する機能を有する。通信装置22は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置22は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよい。
【0070】
UI24はユーザインターフェースであり、ディスプレイ及び入力装置の中の少なくとも1つを含む。ディスプレイは、液晶ディスプレイ又はELディスプレイ等である。入力装置は、キーボード、マウス、入力キー又は操作パネル等である。UI24は、ディスプレイと入力装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。UI24は、マイクやスピーカを含んでもよい。また、端末装置12は、カメラ等の撮像装置を含んでもよい。
【0071】
メモリ26は、データを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ26は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ26が端末装置12に含まれている。
【0072】
プロセッサ28は、端末装置12の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ28は、メモリを有してもよい。
【0073】
以下、本実施形態について詳しく説明する。サーバ10のプロセッサ20、又は、端末装置12のプロセッサ28が、本実施形態に係る処理を実行してもよいし、プロセッサ20とプロセッサ28が協働することで、本実施形態に係る処理を実行してもよい。ある処理の一部分がプロセッサ20によって実行され、当該処理の他の部分がプロセッサ28によって実行されてもよい。なお、サーバ10、端末装置12、又は、これらの組み合わせが、本実施形態に係る情報処理装置の一例に相当する。
【0074】
図4を参照して、本実施形態に係る処理の基本的な流れについて説明する。図4は、その処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、本実施形態では、データの利用履歴に応じて当該データの価値が変えられる。図4には、データの価値を変える処理の流れの一例が示されているが、図4に示されている処理の流れは一例に過ぎず、ここで示されている処理の流れ以外の流れに沿って、データの価値が変えられてもよい。
【0075】
まず、特定の条件を満たすデータの提供が要求された場合、当該特定の条件に合致するデータが検索される(S01)。例えば、サーバ10から端末装置12Aに対して、特定の条件を満たすデータの提供が要求された場合、端末装置12Aのプロセッサ28は、当該特定の条件に合致するデータを検索する。そのデータは、端末装置12Aに記憶されていてもよいし、端末装置12A以外の他の装置に記憶されていてもよい。
【0076】
当該特定の条件に合致するデータが検索された場合、その検索されたデータが過去に利用されたことがあるか否かが判断される(S02)。例えば、当該データが、過去に送信や投稿等が行われたことがあるか否かが判断される。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、当該データに紐付けられている利用履歴情報を参照することで、その判断を行う。
【0077】
検索されたデータが過去に利用されたことがある場合(S02,Yes)、端末装置12Aのプロセッサ28は、当該データの価値を下げて(S03)、当該データを、データの要求元(例えばサーバ10)に提供する(S04)。例えば、当該データが、端末装置12Aからサーバ10に送信されたり、サーバ10が提供するSNSに投稿されたり、サーバ10が提供するオンラインストレージにアップロードされたりする。なお、データの価値を下げる処理は、要求元(例えばサーバ10)によって行われてもよい。
【0078】
検索されたデータが過去に利用されたことがない場合(S02,No)、端末装置12Aのプロセッサ28は、当該データを新規のデータとして、データの要求元(例えばサーバ10)に提供する(S05)。つまり、端末装置12Aのプロセッサ28は、当該データの価値を下げずに、当該データを要求元に提供する。
【0079】
例えば、データの価値に基づいてデータの報酬額が定められ、その報酬額が、データの要求元から、データを提供した者に支払われてもよい。
【0080】
以下、本実施形態について具体例を挙げて更に詳しく説明する。
【0081】
図5を参照して、利用履歴情報の一例について説明する。図5には、利用履歴情報の一例が示されている。
【0082】
データ30には、データ30の利用履歴情報32が紐付けられている。図5に示す例では、データ30の投稿の履歴、データ30の複製の履歴を示す情報、データ30の取得の経路、データ30の操作の履歴、及び、データ30の種類等が、利用履歴情報32に示されている。図5に示されている利用履歴情報32は一例に過ぎず、他の利用に関する情報が利用履歴情報32に含まれてもよいし、図5に示されている全部又は一部の情報が利用履歴情報32に含まれなくてもよい。
【0083】
データ30の投稿の履歴として、例えば、データ30の投稿元(例えば、データ30を投稿したユーザや、データ30の投稿に用いらえた装置等)を識別するための情報、データ30の投稿先(例えば、投稿先のユーザや装置やWebサイトやSNS等)を識別するための情報、投稿の日時を示す情報、投稿に用いられたアプリケーションソフトウェア(例えば、SNSを利用するためのアプリケーションソフトウェア等)を識別するための情報、及び、投稿の回数を示す情報等が、利用履歴情報32に含まれる。
【0084】
データ30の複製の履歴として、例えば、データ30を複製した回数を示す情報、データ30を複製したユーザを識別するための情報、及び、データ30の複製に用いられた装置を識別するための情報等が、利用履歴情報32に含まれる。
【0085】
データ30の取得の経路は、例えば、インターネット、SNS、電子メール、又は、記憶媒体等である。
【0086】
データ30の操作の履歴として、例えば、データ30を操作したユーザを識別するための情報、データ30の操作に用いられた装置を識別するための情報、その操作の内容を示す情報、及び、データ30が操作された日時を示す情報等が、利用履歴情報32に含まれる。
【0087】
なお、データ30を分類するための分類情報が紐付けられてもよい。図4には、データ30の分類情報の一例である、データの種類を示す情報が示されている。ここでは一例として、データ30の種類を示す情報が、利用履歴情報32に含まれているが、利用履歴情報32とは別にデータ30に紐付けられていてもよい。また、データ30の種類を示す情報以外の分類情報が、データ30に紐付けられてもよい。図4に示す例では、データ30の種類は、商品の購入の履歴である。つまり、データ30は、商品の購入の履歴を表すデータである。
【0088】
以下、図6を参照して、本実施形態の具体例について説明する。図6には、サーバ10及び端末装置12A,12B,12Cが示されている。
【0089】
例えば、データ30が、端末装置12Aのメモリ26に記憶されている。ユーザAが端末装置12Aを利用してデータ30の投稿を指示する。例えば、データ30が、ユーザAの指示に従って、端末装置12Aからサーバ10及び端末装置12B,12Cに投稿される。具体的には、データ30は、ユーザAの指示に従って、端末装置12Aからサーバ10に最初に投稿され(図6中の「1回目投稿」)、1回目投稿の後、端末装置12Aから端末装置12Bに投稿され(図6中の「2回目投稿」)、2回目投稿の後、端末装置12Aから端末装置12Cに投稿される(図6中の「3回目投稿」)。利用履歴情報32は、データ30の投稿に伴って、データ30に付随して投稿先に送られる。なお、図6に示す例では、データ30の利用の一例として投稿が挙げられているが、その投稿はデータの送信であってもよい。
【0090】
端末装置12Aのプロセッサ28は、1回目投稿のときにデータ30の価値を下げず、2回目投稿のときにデータ30の価値を1つ下げ、3回目投稿のときにデータ30の価値を更に1つ下げる。例えば、データの価値が、価値の高い順からランクA,B,C,・・・と表現される場合、1回目投稿のときのデータ30の価値は、ランクAであり、2回目投稿のときのデータ30の価値は、ランクAより1つ下のランクBであり、3回目投稿のときのデータ30の価値は、ランクBより1つ下のランクCである。
【0091】
このように、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の利用の回数(例えば投稿の回数)に応じてデータ30の価値を変える。具体的には、端末装置12Aのプロセッサ28は、データの利用の回数(例えば投稿の回数)が多いほど、データ30の価値を下げる。
【0092】
詳しく説明すると、1回目の投稿が行われると、端末装置12Aのプロセッサ28は、1回目の投稿の履歴を示す情報を、利用履歴情報32に含める。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の利用回数(ここでは一例として投稿回数)が1回目であること、投稿先がサーバ10であること、投稿の日時、及び、投稿したユーザがユーザAであること等を示す情報を、利用履歴情報32に含める。また、サーバ10への投稿が1回目の投稿であるため、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の価値を下げずに、データ30の価値を示す情報(例えばランクAを示す情報)を、利用履歴情報32に含める。その利用履歴情報32は、データ30に付随してデータ30と共にサーバ10に送られる。なお、ここでは一例として、データ30が他の装置に投稿されても、データ30は、端末装置12Aに記憶されているものとする。端末装置12Aに記憶されているデータ30にも、データ30の利用に応じた利用履歴情報32が紐付けられている。
【0093】
1回目投稿の後、2回目の投稿が行われると、端末装置12Aのプロセッサ28は、2回目の投稿の履歴を示す情報を、利用履歴情報32に含める。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の利用回数(ここでは一例として投稿回数)が2回目であること、投稿先が端末装置12Bであること、投稿の日時、及び、投稿したユーザがユーザAであること等を示す情報を、利用履歴情報32に含める。また、端末装置12Bへの投稿が2回目の投稿であるため、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の価値を1つ下げて、データ30の価値を示す情報(例えばランクBを示す情報)を、利用履歴情報32に含める。その利用履歴情報32は、データ30に付随してデータ30と共に端末装置12Bに送られる。
【0094】
2回目投稿の後、3回目の投稿が行われると、端末装置12Aのプロセッサ28は、3回目の投稿の履歴を示す情報を、利用履歴情報32に含める。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の利用回数(ここでは一例として投稿回数)が3回目であること、投稿先が端末装置12Cであること、投稿の日時、及び、投稿したユーザがユーザAであること等を示す情報を、利用履歴情報32に含める。また、端末装置12Cへの投稿が3回目の投稿であるため、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の価値を更に1つ下げて、データ30の価値を示す情報(例えばランクCを示す情報)を、利用履歴情報32に含める。その利用履歴情報32は、データ30に付随してデータ30と共に端末装置12Cに送られる。
【0095】
また、データ30を受けた端末装置12Bのプロセッサ28が、データ30を他の装置(例えば、図6に示す例ではサーバ10)に投稿すると(図6中の再投稿)、端末装置12Bのプロセッサ28は、データ30の価値は1つ下げて、データ30の価値を示す情報(例えばランクCを示す情報)を利用履歴情報32に含める。
【0096】
なお、データ30の投稿先の装置によって、データ30の価値が定められてもよい。例えば、サーバ10や端末装置12B,12Cによって、データ30の価値が定められてもよい。
【0097】
データ30の価値に基づいてデータの報酬額が定められ、その報酬額が、データを提供したユーザに支払われてもよい。ランクA,B,C,・・・に基づいて報酬額が定められる。ランクAの報酬額は1番高く、ランクBの報酬額は2番目に高く、ランクCの報酬額が3番目に高い。以降のランクにおいても同様である。
【0098】
例えば、データを提供したユーザに報酬を与えてデータを収集する企業が、サーバ10を用いてデータを収集し、データを提供したユーザに報酬額を支払う。図6に示す例では、1回目の投稿においては、データ30のランクはランクAであるため、1回目の投稿を行ったユーザAには、ランクAに応じた報酬額が支払われる。その報酬額がユーザAに通知されてもよい。再投稿においては、データ30のランクはランクCであるため、再投稿を行ったユーザ(例えばユーザB)には、ランクCに応じた報酬額が支払われる。ランクCに応じた報酬額は、ランクAに応じた報酬額よりも低い。このように、データ30の利用の回数(例えば投稿の回数)が増えるほど、データ30の価値が下がり、それに伴って、データ30を提供したユーザに与えられる報酬額が低くなる。
【0099】
端末装置12Aのプロセッサ28は、同じ回数の投稿が行われた場合であっても、各投稿先が同一である場合と、各投稿先が異なる場合とで、データ30の価値を異ならせてもよい。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、同一の投稿先にデータ30が複数回投稿された場合、投稿の回数が同じであっても互いに異なる複数の投稿先にデータ30が投稿された場合よりも、データ30の価値をより下げる。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、各投稿先が同一である場合、各投稿先が異なる場合と比べて、各投稿における価値の下げ幅を大きくしてデータ30の価値を下げる。具体例を挙げて説明すると、データ30のランクがランクAである場合において、端末装置12Aからサーバ10に同じデータ30が2回投稿された場合、2回目の投稿の後におけるデータ30のランクはランクDに下げられる。端末装置12Aからサーバ10にデータ30が投稿され(1回目投稿)、その後、端末装置12Aから端末装置12Bにデータ30が投稿された場合(2回目投稿)、2回目の投稿の後におけるデータ30のランクはランクCに下げられる。このように、同じデータ30が同じ回数投稿された場合であっても、各投稿先が同一であるか、異なるかによって、データ30の価値が変えられてもよい。
【0100】
端末装置12Aのプロセッサ28は、互いに関連する複数の送信先にデータ30が送信された場合と、互いに関連しない複数の送信先にデータ30が送信された場合とで、データの評価を異ならせてもよい。互いに関連する複数の送信先は、例えば、互いに競業する複数の企業(例えば、同一又は類似の事業を行う企業)であり、互いに関連しない複数の送信先は、例えば、互いに競業しない企業(例えば、同一又は類似の事業を行わない企業)である。端末装置12Aのプロセッサ28は、互いに関連する複数の送信先にデータ30が送信された場合、互いに関連しない複数の送信先にデータ30が送信された場合と比べて、データ30の価値をより下げる。例えば、データ30のランクがランクAである場合において、互いに関連する複数の送信先にデータ30を送信した場合、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30のランクをランクAからランクCに下げる。互いに関連しない複数の送信先にデータ30が送信された場合、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30のランクをランクAからランクBに下げる。例えば、互いに競業する複数の企業に同じデータ30が送信された場合、互いに競業しない複数の企業に同じデータ30が送信された場合と比べて、そのデータ30の価値はより低くなる。なお、この場合においても、データ30の送信先の装置によって、データ30の評価が定められてもよい。
【0101】
端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の最初の送信先に応じてデータ30の評価を変えてもよい。例えば、データ30のランクがランクAである場合において、データ30の最初の送信先が第1企業である場合、データ30のランクは、ランクAからランクBに下げられ、最初の送信先が第2企業である場合、データ30のランクは、ランクAからランクCに下げられる。第1企業として、例えば、ベンチャー企業等のように小規模な企業が考えられ、第2企業として、大規模な企業等が考えられる。第1企業及び第2企業は、ユーザや情報処理システムの管理者やサービスの提供者(例えば企業)等によって定められる。
【0102】
データ30が送信された後に更に送信された場合、データ30を先に送信したユーザAが評価されてもよい。例えば、ユーザAに報酬が与えられてもよい。サーバ10がデータを収集している場合、サーバ10のプロセッサ20は、データ30を先に送信したユーザAを評価し、ユーザAに報酬を与える。この処理について、図6を参照して説明する。図6に示す例では、データ30は、ユーザAの指示に従って端末装置12Aから端末装置12Bに送信されている。その後、データ30は、ユーザBの指示に従って端末装置12Bからサーバ10に送信されている。この場合、サーバ10のプロセッサ20は、データ30を先に送信したユーザA(つまり、最初に送信したユーザA)を評価し、ユーザAに報酬を与える。また、サーバ10のプロセッサ20は、データ30を受信する度に、ユーザAを評価してユーザAに報酬を与えてもよい。なお、データ30をサーバ10に送信した端末装置12Bのプロセッサ28が、ユーザAを評価し、ユーザAに報酬を与えてもよい。
【0103】
端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の分類情報の取得の要求に応じて、当該分類情報を要求元に提供してもよい。分類情報を要求元に提供することで、データ30が評価されたり、当該分類情報を提供したユーザ(例えばユーザA)が評価されたりしてもよい。図7を参照して、この処理について説明する。図7には、サーバ10及び端末装置12Aが示されている。例えば、サーバ10のプロセッサ20は、分類情報の取得を端末装置12Aに要求する。端末装置12Aのプロセッサ28は、その要求を受け、ユーザAが分類情報の提供を許可すると、その要求に合致する分類情報34をサーバ10に送信し、ユーザAが分類情報の提供を許可しないと、分類情報をサーバ10に送信しない。図7に示す例では、データ30は、端末装置12Aからサーバ10に送信されないが、データ30は、分類情報34と共に端末装置12Aからサーバ10に送信されてもよい。例えば、データ30の種類を示す分類情報の取得が要求された場合、端末装置12Aのプロセッサ28は、ユーザAがその情報の提供を許可すると、データ30の種類を示す分類情報をサーバ10に送信する。ユーザAは、要求の一部を許可し、それ以外の部分を許可しなくてもよい。例えば、サーバ10のプロセッサ20が、分類情報に含まれる複数の項目の情報の取得を端末装置12Aに要求した場合において、ユーザAが、当該複数の項目の中の一部の項目の取得を許可し、それ以外の項目の取得を許可しない場合、端末装置12Aのプロセッサ28は、分類情報の中でユーザAが許可した項目に該当する情報をサーバ10に送信し、ユーザAが許可しなかった項目に該当する情報をサーバ10に送信しない。また、他のユーザに公開されていない分類情報は、サーバ10に送信されなくてもよい。
【0104】
分類情報を取得したサーバ10のプロセッサ20は、当該分類情報が紐付けているデータ30を評価してもよいし、当該分類情報を提供したユーザAを評価してもよい。例えば、サーバ10のプロセッサ20は、当該分類情報が紐付いているデータ30の価値を上げてもよいし、ユーザAの評価を上げてもよい。この場合、サーバ10のプロセッサ20は、当該分類情報の価値に応じて、データ30の価値やユーザAの評価を変えてもよい。例えば、サーバ10のプロセッサ20は、当該分類情報の量が多い場合(例えば、当該分類情報に含まれる項目が多い場合)や、当該分類情報が希少な場合、それ以外の場合よりも、データ30やユーザAの価値を上げる。サーバ10のプロセッサ20は、当該分類情報の評価を定めてもよい。また、サーバ10のプロセッサ20は、当該分類情報が紐付けられているデータ30やユーザAの価値を上げ、その価値に応じて報酬をユーザAに与えてもよい。
【0105】
なお、分類情報をサーバ10に送信した端末装置12Aのプロセッサ28が、当該分類情報やデータ30やユーザAを評価してもよい。また、端末装置12が、他の端末装置12やサーバ10から分類情報を取得してもよい。
【0106】
端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30の利用履歴とデータ30の利用目的とに応じて、データ30の評価を変えてもよい。上述したように、利用回数(例えば投稿回数)の少ないデータほど価値が高いことがあるが、これとは逆に、データ30の利用目的によっては、利用回数(例えば投稿回数)が多いほど、データ30の価値が高い場合がある。例えば、同じデータ30が複数回投稿された場合、その投稿の回数が多いほど、データ30は価値が高いと推定され、データ30の価値が上げられてもよい。その利用目的は、例えば、データ30の提供を受けるユーザや企業等によって定められる。同じデータ30が、企業Aが利用するサーバ10に複数回投稿された場合、その投稿の回数が多いほど、企業Aが定めた利用目的によっては、企業Aにとってデータ30の価値が高い場合がある。この場合、サーバ10へのデータ30の投稿の回数が多いほど、データ30の価値が上がられる。端末装置12Aのプロセッサ28が、データ30の価値を変えてもよいし、データ30を受けたサーバ10のプロセッサ20が、データ30の価値を変えてもよい。その価値に応じて、データ30をサーバ10に提供したユーザが評価され、ユーザに報酬が与えられてもよい。なお、最初にデータ30を投稿したユーザAが評価され、ユーザAに報酬が与えられてもよい。また、投稿の回数が多いほど、より多くの報酬がユーザに与えられてもよい。
【0107】
また、端末装置12Aのプロセッサ28は、データ30を利用したユーザの属性に応じて、データ30の評価を変えてもよい。例えば、端末装置12Aのプロセッサ28は、他のユーザへの影響力が強いユーザがデータ30を利用した場合、その影響力が弱いユーザがデータ30を利用した場合と比べて、データ30の価値をより上げる。例えば、影響力が強いユーザAがデータ30を利用した場合、データ30のランクはランクAに定められ、より影響力が弱いユーザBがデータ30を利用した場合、データ30のランクはランクBに定められる。なお、影響力は、オンラインサービスを提供するサーバ10によって定められてもよいし、SNS上の評価等によって定められてもよい。
【0108】
データ30の価値が評価された後、データ30が再評価されてもよい。データ30を提供するユーザや、その提供を受けるユーザの要求に応じて、データ30が再評価される。例えば、データ30の価値が評価された後、データ30の売買が行われる場合において、データ30の売主又は買主から再評価の指示が与えられた場合、データ30の価値が再評価され、その再評価の結果が売主及び買主に通知される。例えば、再評価の結果が、データ30の売買の交渉に利用される。データ30の評価が妥当ではないと考えている当事者が、再評価を指示することが考えられる。
【0109】
例えば、評価を受けたデータ30を有しているユーザ(例えばユーザA)が、データ30の売主であり、他のユーザや企業等が買主である。売主であるユーザAが、データ30の評価が不当に低いと考えている場合、端末装置12Aを利用して再評価を指示することが考えられる。また、買主が、データ30の再評価を指示することもあり得る。再評価の指示が与えられた場合、売主の端末装置12Aのプロセッサ28や、サーバ10のプロセッサ20や、買主の端末装置12のプロセッサ28は、売主や買主が提供した証拠に関する情報(例えば、現在の価値の算定の基準となる市場動向を示す情報や、データ30の取引履歴を示す情報や、データの価値の変動を示す情報等)を受け付け、その証拠に関する情報に基づいて、データ30の価値を再評価する。なお、証拠に関する情報は、相手に電子メールやSNS等によって通知されてもよい。再評価の結果が、売主及び買主に通知される。例えば、再評価の結果を示す情報が、売主及び買主宛に送信され、売主及び買主のそれぞれの端末装置12のディスプレイに表示される。売主及び買主は、通知された再評価の結果を交渉の材料として用いて、データ30の売買の交渉を行うことが考えられる。売主と買主との間で売買が合意された場合、データ30が売主から買主に送られ、売買の合意がなされなかった場合、データ30は売主から買主に送られない。例えば、サーバ10のプロセッサ20によって、データを売買するサービスが提供され、売主及び買主はそれぞれ自身の端末装置12を用いて当該サービスを利用することで、データを売買する。つまり、サーバ10は、データの売買を仲介するサービスを提供してもよい。なお、売買が成立しなかった場合、売主及び買主は、新たな証拠に関する情報を提供して、データ30の評価を指示してもよい。
【0110】
なお、データの売買は一例であり、売買以外の取引が行われる場合にも、データが再評価されてもよい。
【0111】
上記のサーバ10及び端末装置12の各部の機能は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。例えば、各装置のプロセッサが、各装置のメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、各装置の機能が実現される。プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、メモリに記憶される。
【0112】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 サーバ、12 端末装置、20,28 プロセッサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7