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特許7666057異常検出装置、異常検出方法および異常検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】異常検出装置、異常検出方法および異常検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20250415BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021051381
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022149300
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2024-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】エフサステクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 広樹
(72)【発明者】
【氏名】小西 勝
(72)【発明者】
【氏名】大谷 圭次
(72)【発明者】
【氏名】山野 大偉治
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-095859(JP,A)
【文献】特開平07-072921(JP,A)
【文献】特開2002-032112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場に設置された機器を用いて所定の期間に生産される製品の生産量であって、事前に計画された製品の生産量を示す計画生産量と、前記所定の期間に実際に生産された製品の生産量を示す実績生産量と前記機器が稼働する予定の時間を示す稼働予定時間と、前記機器が実際に稼働した時間を示す稼働実績時間とを取得する取得部と、
前記稼働実績時間から前記稼働予定時間を減算した時間が所定の時間よりも大きい場合、製品の生産計画に変更があるか否かを特定し、前記生産計画に変更がない場合に、前記計画生産量を前記製品の歩留まり率によって補正し、補正した計画生産量と、前記実績生産量とを基にして、前記工場の異常を検出する検出部と、
を有することを特徴とする異常検出装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記補正した計画生産量が前記実績生産量以下となり、かつ、前記稼働実績時間を前記稼働予定時間によって除算した値が所定値よりも大きい場合に、前記機器の不正稼働を検出することを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記補正した計画生産量が前記実績生産量よりも大きくなり、かつ、前記稼働実績時間が前記稼働予定時間よりも小さい場合に、前記機器の故障を検出することを特徴とする請求項に記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記補正した計画生産量が前記実績生産量よりも大きくなり、かつ、前記稼働実績時間が前記稼働予定時間以上となり、かつ、前記実績生産量を前記計画生産量で除算した値が所定値よりも小さい場合に、製品の中抜きを検出することを特徴とする請求項に記載の異常検出装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する異常検出方法であって、
工場に設置された機器を用いて所定の期間に生産される製品の生産量であって、事前に計画された製品の生産量を示す計画生産量と、前記所定の期間に実際に生産された製品の生産量を示す実績生産量と前記機器が稼働する予定の時間を示す稼働予定時間と、前記機器が実際に稼働した時間を示す稼働実績時間とを取得し、
前記稼働実績時間から前記稼働予定時間を減算した時間が所定の時間よりも大きい場合、製品の生産計画に変更があるか否かを特定し、前記生産計画に変更がない場合に、前記計画生産量を前記製品の歩留まり率によって補正し、補正した計画生産量と、前記実績生産量とを基にして、前記工場の異常を検出する
処理を実行することを特徴とする異常検出方法。
【請求項6】
コンピュータに、
工場に設置された機器を用いて所定の期間に生産される製品の生産量であって、事前に計画された製品の生産量を示す計画生産量と、前記所定の期間に実際に生産された製品の生産量を示す実績生産量と前記機器が稼働する予定の時間を示す稼働予定時間と、前記機器が実際に稼働した時間を示す稼働実績時間とを取得し、
前記稼働実績時間から前記稼働予定時間を減算した時間が所定の時間よりも大きい場合、製品の生産計画に変更があるか否かを特定し、前記生産計画に変更がない場合に、前記計画生産量を前記製品の歩留まり率によって補正し、補正した計画生産量と、前記実績生産量とを基にして、前記工場の異常を検出する
処理を実行させることを特徴とする異常検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
製造工場では、生産計画を基にして製品を生産しているが、日々、様々な異常が発生する場合があり、生産計画通りに製品を生産できない場合もある。このような異常の発生による影響を抑えるために、複数の製造工場の間で、各種の情報を共有しながら、生産量の調整を行う等の対応を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-178465号公報
【文献】特開2005-050176号公報
【文献】特開2005-092689号公報
【文献】特開2002-373012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、生産計画通りに製品を生産できていない場合には、何らかの異常が発生したものと推定されるが、生産計画通りに生産できない原因を特定することが難しく、管理者の対応が遅れる場合がある。
【0005】
たとえば、生産計画通りに生産できない原因には、製造工場の機器の故障の他に、従業員による製品の中抜き、製造工場の不正稼働等が原因となる場合もあり得る。
【0006】
1つの側面では、本発明は、製造工場の異常を検出することができる異常検出装置、異常検出方法および異常検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、異常検出装置は、取得部と、検出部とを有する。取得部は、工場に設置された機器を用いて所定の期間に生産される製品の生産量であって、事前に計画された製品の生産量を示す計画生産量と、所定の期間に実際に生産された製品の生産量を示す実績生産量とを取得する。検出部は、計画生産量を製品の歩留まり率によって補正し、補正した計画生産量と、実績生産量とを基にして、工場の異常を検出する。
【発明の効果】
【0008】
製造工場の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例に係る異常検出システムを示す図である。
図2図2は、管理DBのデータ構造の一例を示す図である。
図3図3は、本実施例に係る異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、勤務テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、本実施例に係る異常検出装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。
図6図6は、本実施例に係る異常検出装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。
図7図7は、異常検出装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する異常検出装置、異常検出方法および異常検出プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例
【0011】
図1は、本実施例に係る異常検出システムを示す図である。図1に示すように、このシステムは、製造工場3、管理者端末10、サーバ20、異常検出装置100を有する。サーバ20は、製造工場3(製造工場3に設置された端末装置<図示略>)に接続される。管理者端末10、サーバ20、異常検出装置100は、ネットワーク5を介して相互に接続される。なお、異常検出装置100は、ネットワーク5を介さずにサーバ20に直接接続する形態もある。
【0012】
製造工場3は、機器が設置され、従業員は、かかる機器を操作して、製品を生産する工場である。製造工場3には、端末装置が設置され、端末装置は、所定の期間毎に実際に生産された生産量を記録する。以下の説明では、所定の期間に実際に生産された製品の生産量を「実績生産量」と表記する。製造工場3の端末装置は、1日毎に実績生産量を記録し、日付を付与した実績生産量の情報を、サーバ20に送信する。
【0013】
また、製造工場3の端末装置は、所定の期間毎に、機器が実際に稼働した時間を記録する。以下の説明では、所定の期間に実際に稼働した時間を「稼働実績時間」と表記する。製造工場3の端末装置は、1日毎に稼働実績時間を記録し、日付を付与した稼働実績時間の情報を、サーバ20に送信する。
【0014】
管理者端末10は、製造工場3の管理者が利用する端末装置である。管理者は、管理者端末10を操作して、計画生産量を入力する。計画生産量は、所定の期間に生産される製品の生産量であって、事前に計画された製品の生産量を示す。たとえば、管理者は、1日毎の計画生産量を入力する。管理者端末10は、日付を付与した計画生産量を、サーバ20に送信する。また、計画生産量に変更があった場合には、日付と、計画生産量に変更があった旨とを含む情報を、サーバ20に通知する。
【0015】
また、管理者は、管理者端末10を操作して、稼働予定時間を入力する。稼働予定時間は、事前に予定された機器の1日の稼働時間である。管理者端末10は、日付を付与した稼働予定時間を、サーバ20に送信する。
【0016】
サーバ20は、製造工場3の端末装置、管理者端末10から受信した情報を、管理DB141に登録する。サーバ20は、管理DB141の情報を、異常検出装置100に送信する。
【0017】
図2は、管理DBのデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、この管理DB141は、項番、日付、計画生産量、稼働予定時間、実績生産量、稼働実績時間、計画変更フラグを有する。
【0018】
項番は、管理DBのレコードを識別する番号である。日付は、レコードに該当する日付である。計画生産量、稼働予定時間は、管理者端末10から送信される情報であり、日付に対応付けられる。実績生産量、稼働実績時間は、製造工場3の端末装置から送信される情報であり、日付に対応付けられる。
【0019】
計画変更フラグは、該当する日付において、計画生産量に変更があったか否かを示す。たとえば、計画生産量に変更があった場合には「オン」となり、計画生産量に変更がない場合には「オフ」となる。
【0020】
異常検出装置100は、サーバ20から管理DB141を受信し、管理DB141を基にして、製造工場3の異常を検出する。異常検出装置100は、異常を検出した場合に、警告画面を、管理者端末10に表示させることで、製造工場3に異常が検出されたことを、管理者に通知する。
【0021】
たとえば、異常検出装置100は、計画生産量を製品の歩留まり率によって補正し、補正した計画生産量と、実績生産量とを基にして、製造工場3の異常を検出する。また、異常検出装置100は、稼働実績時間が稼働予定時間よりも大きく、かつ、該当する日時において、生産計画に変更がない場合には、製造工場3の異常を検出する。
【0022】
異常検出装置100が、上記処理を実行することで、製造工場3の異常を検出できる。また、異常検出装置100は、異常発生を管理者に通知するので、管理者は、異常に対応するための対応を効率的に実行することができる。
【0023】
次に、図1に示した異常検出装置100の構成の一例について説明する。図3は、本実施例に係る異常検出装置の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、異常検出装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0024】
通信部110は、ネットワーク5を介して、管理者端末10、サーバ20との間で、データ通信を実行する処理部である。通信部110は、通信装置の一例である。通信部110は、図示しない他の外部装置からデータを受信してもよい。
【0025】
入力部120は、異常検出装置100の制御部150に各種の情報を入力する入力装置である。入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。
【0026】
表示部130は、制御部150から出力される情報を表示する表示装置である。たとえば、表示部130は、各種競技の技認定、採点結果等の画面情報を表示する。表示部130は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、タッチパネル等に対応する。
【0027】
記憶部140は、管理DB141、勤務テーブル142、歩留まり情報143を有する。記憶部140は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0028】
管理DB141は、サーバ20から受信する情報である。管理DB141のデータ構造は、図2に説明した管理DB141のデータ構造と同様である。
【0029】
勤務テーブル142は、各従業員の勤務情報を保持するテーブルである。図4は、勤務テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、この勤務テーブル142は、従業員IDと、勤務情報とを対応付ける。従業員IDは、製造工場3で働く従業員を一意に識別する情報である。勤務情報は、各日付の出社時刻、退社時刻が設定される。たとえば、出社時刻と退社時刻とが設定されていない従業員の日付は、従業員が休んでいることを示す。何らかの原因により、出社時刻が記録され、退社時刻が記録されない場合もあり得る。
【0030】
歩留まり情報143は、製造工場3の機器で生成される製品の歩留まり率の情報である。本実施例における歩留まり率を、製造工場3の機器で生成される製品が、適切に生産される割合であり、歩留まり率が1に近づくほど、実績生産量が、計画生産量に近づく。
【0031】
制御部150は、取得部151、検出部152、警告部153を有する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジック等によって実現される。
【0032】
取得部151は、サーバ20から、管理DB141の情報を取得する。取得部151は、取得した管理DB141の情報を、記憶部140に格納する。また、取得部151は、サーバ20または、他の外部装置から、各従業員IDに対応する勤務情報を取得し、勤務テーブル142を更新する。
【0033】
検出部152は、管理DB141を基にして、製造工場3の異常を検出する。以下において、検出部152の処理の一例について説明する。
【0034】
検出部152から、同一の日付に対応する計画生産量、稼働予定時間、実績生産量、稼働実績時間、計画変更フラグのレコードを取得して、次の処理を実行する。検出部152は、最新の日付を優先して選択してもよいし、日付の昇順にレコードを選択して、次の処理を実行してもよい。
【0035】
検出部152は、計画生産量を、歩留まり情報143を基にして補正する。たとえば、検出部152は、計画生産量に、歩留まり情報143に設定した歩留まり率を乗算することで、計画生産量を補正する。以下の説明では、補正した計画生産量を、「補正生産量」と表記する。
【0036】
検出部152は、下記の条件の組合せを基にして、製造工場3の異常の有無、異常の内容を検出する。検出部152は、異常を検出した場合には、検出結果を、警告部153に出力する。検出結果には、日付と、異常の内容とが含まれる。閾値th1、th2、th3は、予め管理者が設定しておく。
【0037】
補正生産量≦実績生産量・・・(条件1)
稼働実績時間/稼働予定時間>閾値th1・・・(条件2)
稼働率実績時間<稼働予定時間・・・(条件3)
実績生産量/補正生産量<閾値th2・・・(条件4)
稼働実績時間-稼働予定時間>閾値th3・・・(条件5)
計画変更フラグが「オフ」・・・・(条件6)
【0038】
検出部152は、条件1と、条件2とを満たす場合、製造工場3の異常を検出する。この場合、検出部152は、製造工場3の異常の内容「製造工場の不正稼働」を検出する。
【0039】
検出部152は、条件1と、条件3とを満たす場合、製造工場3の異常を検出する。この場合、検出部152は、製造工場3の異常の内容「機器故障」を検出する。
【0040】
検出部152は、条件1と、条件4とを満たし、条件3を満たさない場合、製造工場3の異常を検出する。この場合、検出部152は、製造工場3の異常の内容「製品の中抜き」を検出する。
【0041】
検出部152は、条件5と、条件6とを満たす場合には、製造工場3の異常を検出する。この場合、検出部152は、製造工場3の異常の内容「工場の不正稼働」を検出する。また、検出部152は、選択中のレコードの日付をキーにして、勤務テーブル142の勤務情報を走査し、キーにした日付において、出社時刻が記録され、かつ、退社時刻が記録されていない、従業員IDが存在するか否かを判定する。
【0042】
検出部152は、キーにした日付において、出社時刻が記録され、かつ、退社時刻が記録されていない、従業員IDが存在する場合には、かかる従業員IDを検出する。検出部152は、検出した従業員IDを、「未退社者の従業員ID」として、警告部153に出力する。
【0043】
検出部152は、管理DB141に含まれる各日付のレコード(計画生産量、稼働予定時間、実績生産量、稼働実績時間、計画変更フラグ)について、上記処理を繰り返し実行し、検出結果を、警告部153に出力する。
【0044】
警告部153は、検出部152からの検出結果を基にして、警告を管理者端末10に対して実行する。たとえば、警告部153は、異常の内容を示す警告画面の情報を、管理者端末10に送信して、表示させる。警告部153は、検出結果に、未退社者の従業員IDが含まれている場合には、未退社者の従業員IDを、警告画面に設定する。
【0045】
次に、本実施例に係る異常検出装置100の処理手順の一例について説明する。図5は、本実施例に係る異常検出装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。異常検出装置100の取得部151は、サーバ20から管理DB141の情報を取得し、記憶部140に記憶する(ステップS101)。
【0046】
異常検出装置100の検出部152は、管理DB141から、ある日付の計画生産量、実績生産量、稼働予定時間、稼働実績時間を取得する(ステップS102)。
【0047】
検出部152は、歩留まり率によって、計画生産量を補正する(ステップS103)。検出部152は、条件1(補正生産量≦実績生産量)を満たす場合には(ステップS104,Yes)、ステップS105に移行する。一方、検出部152は、条件1を満たさない場合には(ステップS104,No)、ステップS107に移行する。
【0048】
ステップS105以降の説明を行う。検出部152は、条件2(稼働実績時間/稼働予定時間>閾値th1)を満たすか否かを判定する(ステップS105)。検出部152は、条件2を満たす場合には(ステップS105,Yes)、工場の不正稼働を検出し、警告部153は管理者端末10に警告を行う(ステップS106)。一方、検出部152は、条件2を満たさない場合には(ステップS105,No)、処理を終了する。
【0049】
ステップS107以降の説明を行う。検出部152は、条件3(稼働率実績時間<稼働予定時間)を満たすか否かを判定する(ステップS107)。検出部152は、条件3を満たす場合には(ステップS107,Yes)、機器故障を検出し、警告部153は管理者端末10に警告を行う(ステップS108)。一方、検出部152は、条件3を満たさない場合には(ステップS107,No)、ステップS109に移行する。
【0050】
ステップS109以降の説明を行う。検出部152は、条件4(実績生産量/補正生産量<閾値th2)を満たすか否かを判定する(ステップS109)。検出部152は、条件4を満たす場合には(ステップS109,Yes)、製品の中抜きを検出し、警告部153は管理者端末10に警告を行う(ステップS110)。一方、検出部152は、条件4を満たさない場合には(ステップS109,No)、処理を終了する。
【0051】
図6は、本実施例に係る異常検出装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。異常検出装置100の検出部152は、管理DB141から、稼働予定時間、稼働実績時間、計画変更フラグを取得する(ステップS201)。検出部152は、条件5(稼働実績時間-稼働予定時間>閾値th3)を満たすか否かを判定する(ステップS202)。検出部152は、条件5を満たさない場合には(ステップS202,No)、処理を終了する。一方、検出部152は、条件5を満たす場合には(ステップS202,Yes)、ステップS203に移行する。
【0052】
検出部152は、条件6を満たすか否かを判定する(ステップS203)。検出部152は、条件6を満たさない場合には(ステップS203,No)、処理を終了する。一方、検出部152は、条件6を満たす場合には(ステップS203,Yes)、勤務テーブル142を参照し、該当する日付において未退出者がいるか否かを判定する(ステップS204)。
【0053】
検出部152は、未退出者ありの場合には(ステップS205,Yes)、製造工場の不正稼働、未退出者の従業員IDを検出し、警告部153は、警告を行う(ステップS206)。一方、検出部152は、未退出者なしの場合には(ステップS205,No)、製造工場の不正稼働を検出し、警告部153は、警告を行う(ステップS207)。
【0054】
次に、本実施例に係る異常検出装置の効果について説明する。異常検出装置100は、管理DB141から、計画生産量および実績生産量を取得し、計画生産量を歩留まりによって補正する。異常検出装置100は、補正した計画生産量と、実績生産量とを基にして、製造工場3の異常を検出する。これによって、製造工場3において、生産計画通りに製品を生産できていない場合の異常を検出することができる。
【0055】
異常検出装置100は、管理DB141から、稼働予定時間および稼働実績時間を取得し、実績稼働時間が、稼働予定時間よりも大きい場合、製品の生産計画に変更があるか否かを特定し、生産計画に変更がない場合に、異常を検出する。これによって、製造工場3に発生し得る複数の異常の内容から、不正稼働を検出することができる。
【0056】
異常検出装置100は、補正した計画生産量が実績生産量以下となり、かつ、稼働実績時間を稼働予定時間によって除算した値が所定値よりも大きい場合に、製造工場3の機器の不正稼働を検出する。これによって、製造工場3に発生し得る複数の異常の内容から、不正稼働を検出することができる。
【0057】
異常検出装置100は、補正した計画生産量が実績生産量よりも大きくなり、かつ、稼働実績時間が稼働予定時間よりも小さい場合に、機器の故障を検出する。これによって、製造工場3に発生し得る複数の異常の内容から、機器の故障を検出することができる。
【0058】
異常検出装置100は、補正した計画生産量が実績生産量よりも大きくなり、かつ、稼働実績時間が稼働予定時間以上となり、かつ、実績生産量を計画生産量で除算した値が所定値よりも小さい場合に、製品の中抜きを検出する。これによって、製造工場3に発生し得る複数の異常の内容から、製品の中抜きを検出することができる。
【0059】
また、異常検出装置100は、異常検出装置100は、異常を検出した場合に、検出結果を管理者端末10に通知するため、管理者は、異常に対応するための対応を効率的に実行することができる。
【0060】
次に、上記実施例に示した異常検出装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図7は、異常検出装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0061】
図7に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、サーバ20からのデータを受信する通信装置204と、各種の装置と接続するインタフェース装置205とを有する。コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0062】
ハードディスク装置207は、取得プログラム207a、検出プログラム207b、警告プログラム207cを有する。CPU201は、取得プログラム207a、検出プログラム207b、警告プログラム207cを読み出してRAM206に展開する。
【0063】
取得プログラム207aは、取得プロセス206aとして機能する。検出プログラム207bは、検出プロセス206bとして機能する。警告プログラム207cは、警告プロセス206cとして機能する。
【0064】
取得プロセス206aの処理は、取得部151の処理に対応する。検出プロセス206bの処理は、検出部152の処理に対応する。警告プロセス206cの処理は、警告部153の処理に対応する。
【0065】
なお、各プログラム207a~207cについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207cを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 異常検出装置
110 通信部
120 入力部
130 表示部
140 記憶部
141 管理DB
142 勤務テーブル
143 歩留まり情報
150 制御部
151 取得部
152 検出部
153 警告部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7