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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】基板付きシールドフラットケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/08 20060101AFI20250415BHJP
   H01R 12/62 20110101ALI20250415BHJP
【FI】
H01B7/08
H01R12/62
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021089356
(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公開番号】P2022182050
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松田 龍男
(72)【発明者】
【氏名】山本 正道
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/208247(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/08
H01R 12/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドフラットケーブルと、
前記シールドフラットケーブルの端部が接続された基板と、
を有し、
前記シールドフラットケーブルは、
互いに平行な第1信号線及び第2信号線を含む第1差動信号線対と、
前記第1差動信号線対に平行な第1グランド線と、
前記第1差動信号線対に平行であるとともに、前記第1グランド線との間に前記第1差動信号線対を配置する第2グランド線と、
前記第1差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線を覆う絶縁層と、
前記絶縁層の第1面を覆う第1シールド層と、
前記第1面と反対の面であって、前記絶縁層の第2面を覆う第2シールド層と、
を有し、
前記第1グランド線を露出する第1開口が前記絶縁層の前記第1面の側に形成され、
前記第1シールド層は、前記第1開口を介して前記第1グランド線に接続され、
前記第1グランド線の幅は、前記第1信号線の幅及び前記第2信号線の幅よりも大きく、
前記端部において前記絶縁層から露出する前記第1グランド線、前記第2グランド線及び前記第1差動信号線対を覆う樹脂を有し、
前記樹脂の比誘電率は2.0以上2.6以下である基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項2】
前記第2面の側において、前記第1グランド線は全体的に、前記絶縁層を介して前記第2シールド層と重畳する請求項1に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項3】
前記第2グランド線を露出する第2開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、
前記第2シールド層は、前記第2開口を介して前記第2グランド線に接続され、
前記第1面の側において、前記第2グランド線は全体的に、前記絶縁層を介して前記第1シールド層と重畳する請求項1または請求項2に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項4】
前記第1グランド線を露出する第3開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、前記第2シールド層は、前記第3開口を介して前記第1グランド線に接続される請求項1に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項5】
前記第2グランド線を露出する第2開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、
前記第2シールド層は、前記第2開口を介して前記第2グランド線に接続され、
前記第1面の側において、前記第2グランド線は全体的に、前記絶縁層を介して前記第1シールド層と重畳し、
前記第1グランド線を露出する第3開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、前記第2シールド層は、前記第3開口を介して前記第1グランド線に接続される請求項1に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項6】
長手方向に垂直な断面視において、前記第1シールド層及び前記第2シールド層は前記絶縁層の少なくとも一端側からはみ出しており、はみ出した部分で互いに接合されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項7】
前記第1グランド線の幅は、前記第1差動信号線対の幅よりも大きい請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項8】
前記第1差動信号線対と前記第1グランド線との間の距離は、前記第1信号線と前記第2信号線との間の距離よりも大きい請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項9】
前記第1差動信号線対の幅は、前記第1差動信号線対と前記第1グランド線との間の距離よりも大きい請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項10】
前記第1グランド線の幅は、前記第1差動信号線対と前記第1グランド線との間の距離よりも大きい請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項11】
前記第1シールド層と前記絶縁層との間に、前記第1差動信号線対に平行、かつ平面視で前記第1差動信号線対と重なる介在を有し、
前記第1グランド線の幅は、前記介在の幅よりも小さい請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項12】
前記第1差動信号線対に平行な第3信号線及び第4信号線を含む第2差動信号線対を有し、
前記絶縁層は前記第2差動信号線対を覆い、
前記第1グランド線は、前記第1差動信号線対と前記第2差動信号線対との間に配置される請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項13】
シールドフラットケーブルと、
前記シールドフラットケーブルの端部が接続された基板と、
を有し、
前記シールドフラットケーブルは、
互いに平行な第1信号線及び第2信号線を含む第1差動信号線対と、
前記第1差動信号線対に平行な第3信号線及び第4信号線を含む第2差動信号線対と、
前記第1差動信号線対に平行な第1グランド線と、
前記第1差動信号線対に平行な第2グランド線と、
前記第1差動信号線対、前記第2差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線を覆う絶縁層と、
前記絶縁層を覆うシールド層と、
を有し、
前記第1差動信号線対、前記第2差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線は仮想平面上に並び、
前記第1グランド線は、前記第1差動信号線対と前記第2差動信号線対との間に配置され、
前記第1差動信号線対は、前記第1グランド線と前記第2グランド線との間に配置され、
前記絶縁層に、前記第1グランド線に達する第1開口と、前記第2グランド線に達する第2開口と、が形成され、
前記第1開口は、前記第1グランド線の前記仮想平面に垂直な第1方向側のみに形成され、
前記第1グランド線の前記第1方向側とは反対の第2方向側の面は全体的に前記絶縁層に覆われ、
前記第2開口は、前記第2グランド線の前記第2方向側のみに形成され、
前記第2グランド線の前記第1方向側の面は全体的に前記絶縁層に覆われ、
前記シールド層は、前記第1開口を通じて前記第1グランド線に接続され、前記第2開口を通じて前記第2グランド線に接続され、
前記第1グランド線の幅及び前記第2グランド線の幅は、前記第1信号線の幅、前記第2信号線の幅、前記第3信号線の幅及び前記第4信号線の幅よりも大きく、
前記端部において前記絶縁層から露出する前記第1グランド線、前記第2グランド線及び前記第1差動信号線対を覆う樹脂を有し、
前記樹脂の比誘電率は2.0以上2.6以下である基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項14】
記基板は、
前記第1グランド線が電気的に接続された第1グランドパターンと、
前記第2グランド線が電気的に接続された第2グランドパターンと、
前記第1差動信号線対が電気的に接続された第1信号パターン及び第2信号パターンと、
を備える請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項15】
前記絶縁層から露出する第1差動信号線対は一直線状に第1信号パターン及び第2信号パターンに接続される請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【請求項16】
前記絶縁層から露出する第1グランド線は一直線状に第1グランドパターンに接続される請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の基板付きシールドフラットケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板付きシールドフラットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
外部ノイズ及びクロストークの影響を受けにくくすることを目的としたシールドフラットケーブルが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/208247号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシールドフラットケーブルによれば、所期の目的は達成されるものの、近年では伝送される信号の周波数が高まっており、外部ノイズの影響を受けたり、クロストークが生じたりするおそれがある。
【0005】
本開示は、高周波領域においても外部ノイズの影響及びクロストークを抑制できる基板付きシールドフラットケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシールドフラットケーブルは、互いに平行な第1信号線及び第2信号線を含む第1差動信号線対と、前記第1差動信号線対に平行な第1グランド線と、前記第1差動信号線対に平行であるとともに、前記第1グランド線との間に前記第1差動信号線対を配置する第2グランド線と、前記第1差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線を覆う絶縁層と、前記絶縁層の第1面を覆う第1シールド層と、前記第1面と反対の面であって、前記絶縁層の第2面を覆う第2シールド層と、を有し、前記第1グランド線を露出する第1開口が前記絶縁層の前記第1面の側に形成され、前記第1シールド層は、前記第1開口を介して前記第1グランド線に接続され、前記第1グランド線の幅は、前記第1信号線の幅及び前記第2信号線の幅よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、高周波領域においても外部ノイズの影響及びクロストークを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。
図3図3は、各部の寸法を示す断面図である。
図4図4は、シールドフラットケーブルが接続された基板を示す平面図である。
図5図5は、シールドフラットケーブルが接続された基板を示す断面図(その1)である。
図6図6は、シールドフラットケーブルが接続された基板を示す断面図(その2)である。
図7図7は、シールドフラットケーブルが接続された基板を示す断面図(その3)である。
図8図8は、第2実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。
図9図9は、第3実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。
図10図10は、第4実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。
図11図11は、第5実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。
図12図12は、第6実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
〔1〕 本開示の一態様に係るシールドフラットケーブルは、互いに平行な第1信号線及び第2信号線を含む第1差動信号線対と、前記第1差動信号線対に平行な第1グランド線と、前記第1差動信号線対に平行であるとともに、前記第1グランド線との間に前記第1差動信号線対を配置する第2グランド線と、前記第1差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線を覆う絶縁層と、前記絶縁層の第1面を覆う第1シールド層と、前記第1面と反対の面であって、前記絶縁層の第2面を覆う第2シールド層と、を有し、前記第1グランド線を露出する第1開口が前記絶縁層の前記第1面の側に形成され、前記第1シールド層は、前記第1開口を介して前記第1グランド線に接続され、前記第1グランド線の幅は、前記第1信号線の幅及び前記第2信号線の幅よりも大きい。
【0011】
第1グランド線の幅が、第1信号線の幅及び第2信号線の幅よりも大きい。従って、第1グランド線のグランド電位が安定し、高周波領域においても第1差動信号線対への外部ノイズの影響及びクロストークを抑制できる。
【0012】
〔2〕 〔1〕において、前記第2面の側において、前記第1グランド線は全体的に、前記絶縁層を介して前記第2シールド層と重畳してもよい。この場合、開口を形成するための工数及びコストを低減できる。
【0013】
〔3〕 〔1〕又は〔2〕において、前記第2グランド線を露出する第2開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、前記第2シールド層は、前記第2開口を介して前記第2グランド線に接続され、前記第1面の側において、前記第2グランド線は全体的に、前記絶縁層を介して前記第1シールド層と重畳してもよい。この場合、第1差動信号線対への外部ノイズの影響及びクロストークを抑制しやすい。
【0014】
〔4〕 〔1〕において、前記第1グランド線を露出する第3開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、前記第2シールド層は、前記第3開口を介して前記第1グランド線に接続されてもよい。この場合、第1差動信号線対への外部ノイズの影響及びクロストークを抑制しやすい。
【0015】
〔5〕 〔1〕において、前記第2グランド線を露出する第2開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、前記第2シールド層は、前記第2開口を介して前記第2グランド線に接続され、前記第1面の側において、前記第2グランド線は全体的に、前記絶縁層を介して前記第1シールド層と重畳し、前記第1グランド線を露出する第3開口が前記絶縁層の前記第2面の側に形成され、前記第2シールド層は、前記第3開口を介して前記第1グランド線に接続されてもよい。この場合、第1差動信号線対への外部ノイズの影響及びクロストークを抑制しやすい。
【0016】
〔6〕 〔1〕~〔5〕において、長手方向に垂直な断面視において、前記第1シールド層及び前記第2シールド層は前記絶縁層の少なくとも一端側からはみ出しており、はみ出した部分で互いに接合されていてもよい。この場合、第1シールド層及び第2シールド層を絶縁層から剥離しにくくできる。
【0017】
〔7〕 〔1〕~〔6〕において、前記第1グランド線の幅は、前記第1差動信号線対の幅よりも大きくてもよい。この場合、第1グランド線のグランド電位を安定させやすく、第1差動信号線対への外部ノイズの影響及びクロストークを抑制しやすい。また、シールドフラットケーブルの製造の際に、第1シールド層を第1グランド線に接触させやすい。
【0018】
〔8〕 〔1〕~〔7〕において、前記第1差動信号線対と前記第1グランド線との間の距離は、前記第1信号線と前記第2信号線との間の距離よりも大きくてもよい。この場合、シールドフラットケーブルの製造の際に、第1シールド層を第1グランド線に接触させやすい。
【0019】
〔9〕 〔1〕~〔8〕において、前記第1差動信号線対の幅は、前記第1差動信号線対と前記第1グランド線との間の距離よりも大きくてもよい。この場合、第1差動信号線対への外部ノイズの影響及びクロストークを抑制しやすい。
【0020】
〔10〕 〔1〕~〔9〕において、前記第1グランド線の幅は、前記第1差動信号線対と前記第1グランド線との間の距離よりも大きくてもよい。この場合、第1グランド線のグランド電位を安定させやすく、外部ノイズの影響及びクロストークを抑制しやすい。また、シールドフラットケーブルの製造の際に、第1シールド層を第1グランド線に接触させやすい。
【0021】
〔11〕 〔1〕~〔10〕において、前記第1シールド層と前記絶縁層との間に、前記第1差動信号線対に平行、かつ平面視で前記第1差動信号線対と重なる介在を有し、前記第1グランド線の幅は、前記介在の幅よりも小さくてもよい。この場合、第1差動信号線対のインピーダンスを調整しやすい。
【0022】
〔12〕 〔1〕~〔11〕において、前記第1差動信号線対に平行な第3信号線及び第4信号線を含む第2差動信号線対を有し、前記絶縁層は前記第2差動信号線対を覆い、前記第1グランド線は、前記第1差動信号線対と前記第2差動信号線対との間に配置されてもよい。この場合、高周波領域においても第1差動信号線対と第2差動信号線対との間のクロストークを抑制できる。
【0023】
〔13〕 本開示の他の一態様に係るシールドフラットケーブルは、互いに平行な第1信号線及び第2信号線を含む第1差動信号線対と、前記第1差動信号線対に平行な第3信号線及び第4信号線を含む第2差動信号線対と、前記第1差動信号線対に平行な第1グランド線と、前記第1差動信号線対に平行な第2グランド線と、前記第1差動信号線対、前記第2差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線を覆う絶縁層と、前記絶縁層を覆うシールド層と、を有し、前記第1差動信号線対、前記第2差動信号線対、前記第1グランド線及び前記第2グランド線は仮想平面上に並び、前記第1グランド線は、前記第1差動信号線対と前記第2差動信号線対との間に配置され、前記第1差動信号線対は、前記第1グランド線と前記第2グランド線との間に配置され、前記絶縁層に、前記第1グランド線に達する第1開口と、前記第2グランド線に達する第2開口と、が形成され、前記第1開口は、前記第1グランド線の前記仮想平面に垂直な第1方向側のみに形成され、前記第1グランド線の前記第1方向側とは反対の第2方向側の面は全体的に前記絶縁層に覆われ、前記第2開口は、前記第2グランド線の前記第2方向側のみに形成され、前記第2グランド線の前記第1方向側の面は全体的に前記絶縁層に覆われ、前記シールド層は、前記第1開口を通じて前記第1グランド線に接続され、前記第2開口を通じて前記第2グランド線に接続され、前記第1グランド線の幅及び前記第2グランド線の幅は、前記第1信号線の幅、前記第2信号線の幅、前記第3信号線の幅及び前記第4信号線の幅よりも大きい。
【0024】
第1グランド線の幅及び第2グランド線の幅が第1信号線の幅、第2信号線の幅、第3信号線の幅及び第4信号線の幅よりも大きい。従って、高周波領域においても第1差動信号線対への外部ノイズの影響、第2差動信号線対への外部ノイズの影響、及び第1差動信号線対と第2差動信号線対との間のクロストークを抑制できる。
【0025】
〔14〕 本開示の更に他の一態様に係る基板付きシールドフラットケーブルは、〔1〕~〔12〕のいずれかに記載のシールドフラットケーブルと、前記シールドフラットケーブルの端部が接続された基板と、を有し、前記基板は、前記第1グランド線が電気的に接続された第1グランドパターンと、前記第2グランド線が電気的に接続された第2グランドパターンと、前記第1差動信号線対が電気的に接続された第1信号パターン及び第2信号パターンと、を備え、前記端部において前記絶縁層から露出する前記第1グランド線、前記第2グランド線及び前記第1差動信号線対を覆う樹脂を有し、前記樹脂の比誘電率は2.0以上2.6以下である。この場合、インピーダンスの乱れを抑制できる。
【0026】
〔15〕 〔14〕において、前記絶縁層から露出する第1差動信号線対は一直線状に第1信号パターン及び第2信号パターンに接続されてもよい。この場合、接続部における特性インピーダンスの乱れを小さくでき、この結果、反射ロスを低減して信号の劣化を少なくできる。
【0027】
〔16〕 〔14〕又は〔15〕において、前記絶縁層から露出する第1グランド線は一直線状に第1グランドパターンに接続されてもよい。この場合、接続部における特性インピーダンスの乱れを小さくすることができ、この結果、反射ロスを低減して信号の劣化を少なくできる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本明細書及び図面において、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY平面とし、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ平面とし、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX平面とする。便宜上、Z1方向を上方向、Z2方向を下方向とする。また、本開示において平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいう。
【0029】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す平面図である。図2は、第1実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。図3は、各部の寸法を示す断面図である。
【0030】
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係るシールドフラットケーブル1は、第1差動信号線対11と、第2差動信号線対12と、第1グランド線210と、第2グランド線220と、第3グランド線230とを有する。第1差動信号線対11、第2差動信号線対12、第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230は、Y1-Y2方向に延び、X1-X2方向に並ぶ。Y1-Y2方向は、シールドフラットケーブル1の長手方向であり、第1差動信号線対11、第2差動信号線対12、第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230の長手方向である。例えば、第1差動信号線対11、第2差動信号線対12、第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230は、XY平面に平行な仮想平面10上に並ぶ。
【0031】
第2グランド線220は第1グランド線210のX2側にあり、第3グランド線230は第1グランド線210のX1側にある。従って、第1グランド線210は第2グランド線220と第3グランド線230との間にある。第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230は、表面に錫めっき層が形成された軟銅から構成される。
【0032】
第1グランド線210は、例えば平角導体である。第1グランド線210は、第1面211と、第2面212と、第3面213と、第4面214とを有する。第1面211及び第2面212はXY平面に平行であり、第3面213及び第4面214はYZ平面に平行である。第2面212は第1面211のZ2側にあり、第4面214は第3面213のX2側にある。第1グランド線210の幅WG1は、例えば2.0mm以上4.0mm以下である。幅WG1は、第3面213と第4面214との間の距離である。第1グランド線210の厚さTG1は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTG1は、第1面211と第2面212との間の距離である。
【0033】
第2グランド線220は、例えば平角導体である。第2グランド線220は、第1面221と、第2面222と、第3面223と、第4面224とを有する。第1面221及び第2面222はXY平面に平行であり、第3面223及び第4面224はYZ平面に平行である。第2面222は第1面221のZ2側にあり、第4面224は第3面223のX2側にある。第2グランド線220の幅WG2は、例えば2.0mm以上4.0mm以下である。幅WG2は、第3面223と第4面224との間の距離である。第2グランド線220の厚さTG2は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTG2は、第1面221と第2面222との間の距離である。
【0034】
第3グランド線230は、例えば平角導体である。第3グランド線230は、第1面231と、第2面232と、第3面233と、第4面234とを有する。第1面231及び第2面232はXY平面に平行であり、第3面233及び第4面234はYZ平面に平行である。第2面232は第1面231のZ2側にあり、第4面234は第3面233のX2側にある。第3グランド線230の幅WG3は、例えば2.0mm以上4.0mm以下である。幅WG3は、第3面233と第4面234との間の距離である。第3グランド線230の厚さTG3は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTG3は、第1面231と第2面232との間の距離である。
【0035】
第1差動信号線対11は第1グランド線210と第2グランド線220と間にあり、第2差動信号線対12は第1グランド線210と第3グランド線230と間にある。第1差動信号線対11は、第1信号線110と、第2信号線120とを有し、差動信号を伝送する。第2信号線120は第1信号線110のX1側にある。第2差動信号線対12は、第3信号線130と、第4信号線140とを有し、差動信号を伝送する。第4信号線140は第3信号線130のX1側にある。第1信号線110、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140は、めっき層が形成されていないめっきレスの軟銅から構成される。第1信号線110、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140が、表面に錫めっき層が形成された軟銅から構成されてもよい。
【0036】
第1信号線110は、例えば平角導体である。第1信号線110は、第1面111と、第2面112と、第3面113と、第4面114とを有する。第1面111及び第2面112はXY平面に平行であり、第3面113及び第4面114はYZ平面に平行である。第2面112は第1面111のZ2側にあり、第4面114は第3面113のX2側にある。第1信号線110の幅WS1は、例えば0.10mm以上0.50mm以下である。幅WS1は、第3面113と第4面114との間の距離である。第1信号線110の厚さTS1は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTS1は、第1面111と第2面112との間の距離である。第1信号線110が丸型導体であってもよい。
【0037】
第2信号線120は、例えば平角導体である。第2信号線120は、第1面121と、第2面122と、第3面123と、第4面124とを有する。第1面121及び第2面122はXY平面に平行であり、第3面123及び第4面124はYZ平面に平行である。第2面122は第1面121のZ2側にあり、第4面124は第3面123のX2側にある。第2信号線120の幅WS2は、例えば0.10mm以上0.50mm以下である。幅WS2は、第3面123と第4面124との間の距離である。第2信号線120の厚さTS2は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTS2は、第1面121と第2面122との間の距離である。第2信号線120が丸型導体であってもよい。
【0038】
第1信号線110と第2信号線120との間の距離LSS1は、例えば0.10mm以上2.00mm以下である。距離LSS1は、第1信号線110の第3面113と第2信号線120の第4面124との間の距離である。
【0039】
第3信号線130は、例えば平角導体である。第3信号線130は、第1面131と、第2面132と、第3面133と、第4面134とを有する。第1面131及び第2面132はXY平面に平行であり、第3面133及び第4面134はYZ平面に平行である。第2面132は第1面131のZ2側にあり、第4面134は第3面133のX2側にある。第3信号線130の幅WS3は、例えば0.10mm以上0.50mm以下である。幅WS3は、第3面133と第4面134との間の距離である。第3信号線130の厚さTS3は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTS3は、第1面131と第2面132との間の距離である。第3信号線130が丸型導体であってもよい。
【0040】
第4信号線140は、例えば平角導体である。第4信号線140は、第1面141と、第2面142と、第3面143と、第4面144とを有する。第1面141及び第2面142はXY平面に平行であり、第3面143及び第4面144はYZ平面に平行である。第2面142は第1面141のZ2側にあり、第4面144は第3面143のX2側にある。第4信号線140の幅WS4は、例えば0.10mm以上0.50mm以下である。幅WS4は、第3面143と第4面144との間の距離である。第4信号線140の厚さTS4は、例えば0.02mm以上0.20mm以下である。厚さTS4は、第1面141と第2面142との間の距離である。第4信号線140が丸型導体であってもよい。
【0041】
第3信号線130と第4信号線140との間の距離LSS2は、例えば0.10mm以上2.00mm以下である。距離LSS2は、第3信号線130の第3面133と第4信号線140の第4面144との間の距離である。
【0042】
第1グランド線210の幅WG1、第2グランド線220の幅WG2及び第3グランド線230の幅WG3が、第1信号線110の幅WS1、第2信号線120の幅WS2、第3信号線130の幅WS3、第4信号線140の幅WS4よりも大きい。
【0043】
シールドフラットケーブル1は、第1差動信号線対11、第2差動信号線対12、第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230を覆う絶縁層20を有する。絶縁層20は、仮想平面10を間に挟む第1絶縁層21と、第2絶縁層22とを有する。第1絶縁層21は仮想平面10のZ1側にあり、第2絶縁層22は仮想平面10のZ2側にある。絶縁層20は、Z1方向を向く第1面と、Z2方向を向く第2面とを有する。第1面は第1絶縁層21により構成され、第2面は第2絶縁層22により構成される。
【0044】
第1絶縁層21は、外側から基材21Bと、接着層21Aとを有し、第2絶縁層22は、外側から基材22Bと、接着層22Aとを有する(図5図7参照)。基材21B及び22Bの材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂等が挙げられる。なお、これらの樹脂のうち、電気的特性、機械的特性、コスト等の観点からは、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。接着層21A及び22Aの材料としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。第1絶縁層21及び第2絶縁層22は単層構造を有していてもよい。例えば、第1絶縁層21及び第2絶縁層22を、押出成形によって樹脂のみで形成してもよい。
【0045】
シールドフラットケーブル1は、絶縁層20の外側に設けられたシールド層30を有する。シールド層30は絶縁層20を覆う。シールド層30は、第1絶縁層21のZ1側の第1シールド層31と、第2絶縁層22のZ2側の第2シールド層32とを有する。第1シールド層31は、金属箔31Bと、導電性接着剤層31Aとを有する(図5図7参照)。金属箔31Bは、例えば銅箔又はアルミニウム箔である。第2シールド層32は、金属箔32Bと、導電性接着剤層32Aとを有する(図5図7参照)。金属箔32Bは、例えば銅箔又はアルミニウム箔である。第1シールド層31では、導電性接着剤層31Aが金属箔31Bと第1絶縁層21との間に配置される。第2シールド層32では、導電性接着剤層32Aが金属箔32Bと第2絶縁層22との間に配置される。第1シールド層31及び第2シールド層32の厚さは、例えば、0.02mm以上0.05mm以下である。
【0046】
シールドフラットケーブル1は、第1介在41と、第2介在42と、第3介在43と、第4介在44とを有する。第1介在41、第2介在42、第3介在43及び第4介在44はY1-Y2方向に延びる。第1介在41、第2介在42、第3介在43及び第4介在44の材料は、例えば、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。例えば、第1絶縁層21の厚さと第1介在41又は第3介在43の厚さとの和は0.4mm以下であり、第2絶縁層22の厚さと第2介在42又は第4介在44の厚さとの和は0.4mm以下である。第1介在41、第2介在42、第3介在43及び第4介在44が設けられていなくてもよい。
【0047】
第1介在41は、第1絶縁層21と第1シールド層31との間に設けられている。第1介在41は、平面視で、第1グランド線210と第2グランド線220との間にあり、第1差動信号線対11と重なる。平面視で、第1介在41のX1側の端部41Aは第1差動信号線対11と第1グランド線210との間にあり、第1介在41のX2側の端部41Bは第1差動信号線対11と第2グランド線220との間にある。第1介在の幅WI1は、例えば、3.0mm以上5.0mm以下である。幅WI1は、端部41Aと端部41Bとの間の距離である。
【0048】
第2介在42は、第2絶縁層22と第2シールド層32との間に設けられている。第2介在42は、第1介在41と同様に、平面視で、第1グランド線210と第2グランド線220との間にあり、第1差動信号線対11と重なる。平面視で、第2介在42のX1側の端部42Aは第1差動信号線対11と第1グランド線210との間にあり、第2介在42のX2側の端部42Bは第1差動信号線対11と第2グランド線220との間にある。第2介在の幅WI2は、例えば、3.0mm以上5.0mm以下である。幅WI2は、端部42Aと端部42Bとの間の距離である。
【0049】
第3介在43は、第1絶縁層21と第1シールド層31との間に設けられている。第3介在43は、平面視で、第1グランド線210と第3グランド線230との間にあり、第2差動信号線対12と重なる。平面視で、第3介在43のX1側の端部43Aは第2差動信号線対12と第3グランド線230との間にあり、第3介在43のX2側の端部43Bは第2差動信号線対12と第1グランド線210との間にある。第3介在の幅WI3は、例えば、3.0mm以上5.0mm以下である。幅WI3は、端部43Aと端部43Bとの間の距離である。
【0050】
第4介在44は、第2絶縁層22と第2シールド層32との間に設けられている。第4介在44は、第3介在43と同様に、平面視で、第1グランド線210と第3グランド線230との間にあり、第2差動信号線対12と重なる。平面視で、第4介在44のX1側の端部44Aは第2差動信号線対12と第3グランド線230との間にあり、第4介在44のX2側の端部44Bは第2差動信号線対12と第1グランド線210との間にある。第4介在の幅WI4は、例えば、3.0mm以上5.0mm以下である。幅WI4は、端部44Aと端部44Bとの間の距離である。
【0051】
第1絶縁層21に、第1グランド線210に達する第1開口51が形成されている。第1開口51は、Y1-Y2方向に延び、溝状に形成されている。第1開口51から第1グランド線210の第1面211が露出する。第1シールド層31は、第1開口51を通じて第1グランド線210に接続されている。第1シールド層31の導電性接着剤層31Aが第1グランド線210に接する。第1グランド線210の第2面212は全体的に第2絶縁層22により覆われている。
【0052】
第2絶縁層22に、第2グランド線220に達する第2開口52が形成されている。第2開口52は、Y1-Y2方向に延び、溝状に形成されている。第2開口52から第2グランド線220の第2面222が露出する。第2シールド層32は、第2開口52を通じて第2グランド線220に接続されている。第2シールド層32の導電性接着剤層32Aが第2グランド線220に接する。第2グランド線220の第1面221は全体的に第1絶縁層21により覆われている。
【0053】
第2絶縁層22に、第3グランド線230に達する第4開口54が形成されている。第4開口54は、Y1-Y2方向に延び、溝状に形成されている。第4開口54から第3グランド線230の第2面232が露出する。第2シールド層32は、第4開口54を通じて第3グランド線230に接続されている。第2シールド層32の導電性接着剤層32Aが第グランド線20に接する。第3グランド線230の第1面231は全体的に第1絶縁層21により覆われている。
【0054】
シールドフラットケーブル1は、シールド層30の外側に設けられた絶縁保護層70を有する。絶縁保護層70はシールド層30を覆う。絶縁保護層70は、第1シールド層31のZ1側の第1絶縁保護層71と、第2シールド層32のZ2側の第2絶縁保護層72とを有する。
【0055】
シールドフラットケーブル1は、例えば基板に接続されて使用される。ここで、シールドフラットケーブル1と基板との接続について説明する。図4は、シールドフラットケーブル1が接続された基板を示す平面図である。図5図7は、シールドフラットケーブル1が接続された基板を示す断面図である。図5は、図4中のV-V線に沿った断面図に相当し、図6は、図4中のVI-VI線に沿った断面図に相当し、図7は、図4中のVII-VII線に沿った断面図に相当する。基板が接続されたシールドフラットケーブル1は、基板付きシールドフラットケーブルの一例である。
【0056】
シールドフラットケーブル1が接続される基板の一例である基板900は、第1絶縁層910と、グランド層920と第2絶縁層930と、を有する。第1絶縁層910の上にグランド層920が設けられ、グランド層920の上に第2絶縁層930が設けられている。第2絶縁層930の縁にシールドフラットケーブル1の一部を収納する溝が形成されており、溝内に接着剤990が設けられている。
【0057】
第2絶縁層930の上に、第1信号パターン941と、第2信号パターン942と、第3信号パターン943と、第4信号パターン944と、第1グランドパターン951と、第2グランドパターン952と、第3グランドパターン953とが設けられている。第2グランドパターン952、第1信号パターン941、第2信号パターン942、第1グランドパターン951、第3信号パターン943、第4信号パターン944及び第3グランドパターン953は、X2側からX1側に向けてこの順で、溝が形成された縁に沿って配置されている。図5に示すように、第1グランドパターン951は、第2絶縁層930内に設けられた導電ビア921を介してグランド層920に電気的に接続されている。図7に示すように、第3グランドパターン953は、第2絶縁層930内に設けられた導電ビア923を介してグランド層920に電気的に接続されている。同様に、第2グランドパターン952は、第2絶縁層930内に設けられた導電ビア(図示せず)を介してグランド層920に電気的に接続されている。
【0058】
シールドフラットケーブル1の一端において、絶縁保護層70、シールド層30、第1介在41、第2介在42、第3介在43、第4介在44及び絶縁層20が剥がされる。これにより、第1グランド線210、第2グランド線220、第3グランド線230、第1信号線110、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140の各端部が露出する。また、絶縁保護層70が更に剥がされ、第1シールド層31及び第2シールド層32の各端部も露出する。
【0059】
そして、第2シールド層32がグランド層920に接続される。また、第1信号線110が第1信号パターン941に接続され、第2信号線120が第2信号パターン942に接続され、第3信号線130が第3信号パターン943に接続され、第4信号線140が第4信号パターン944に接続される。更に、第1グランド線210が第1グランドパターン951に接続され、第2グランド線220が第2グランドパターン952に接続され、第3グランド線230が第3グランドパターン953に接続される。
【0060】
シールドフラットケーブル1と基板900との接続は、はんだ又は導電性接着剤等の接合材を用いて行われる。例えば、図5及び図7に示すように、第1グランド線210は接合材971によって第1グランドパターン951に接合され、第3グランド線230は接合材973によって第3グランドパターン953に接合されている。同様に、第2グランド線220は接合材(図示せず)によって第2グランドパターン952に接合されている。また、図6に示すように、第1信号線110は接合材961によって第1信号パターン941に接合されている。同様に、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140は、それぞれ接合材(図示せず)によって第2信号パターン942、第3信号パターン943及び第4信号パターン944に接合されている。なお、図4では、接合材961、971及び973並びに樹脂980も図示を省略している。
【0061】
第1信号線110、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140は、それぞれ第1信号パターン941、第2信号パターン942、第3信号パターン943及び第4信号パターン944に、一直線状に接続されることが好ましい。第1信号線110、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140の絶縁保護層70から露出した部分に、屈曲した部分が含まれないことが好ましい。第1差動信号線対11に含まれる第1信号線110及び第2信号線120がそれぞれ第1信号パターン941及び第2信号パターン942に一直線状に接続されることにより、接続部における特性インピーダンスの乱れを小さくでき、この結果、反射ロスを低減して信号の劣化を少なくできる。同様に、第2差動信号線対12に含まれる第3信号線130及び第4信号線140がそれぞれ第3信号パターン943及び第4信号パターン944に一直線状に接続されることにより、接続部における特性インピーダンスの乱れを小さくでき、この結果、反射ロスを低減して信号の劣化を少なくできる。
【0062】
また、第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230は、それぞれ第1グランドパターン951、第2グランドパターン952及び第3グランドパターン953に、一直線状に接続されることが好ましい。第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230の絶縁保護層70から露出した部分に、屈曲した部分が含まれないことが好ましい。第1グランド線210、第2グランド線220及び第3グランド線230がそれぞれ第1グランドパターン951、第2グランドパターン952及び第3グランドパターン953に一直線状に接続されることにより、接続部における特性インピーダンスの乱れを小さくでき、この結果、反射ロスを低減して信号の劣化を少なくできる。
【0063】
図6に示すように、第1信号線110の絶縁保護層70から露出した部分と、接合材961とが、低誘電率の樹脂980により覆われる。樹脂980の比誘電率は、例えば2.0以上2.6以下であり、好ましくは2.1以上2.5以下である。樹脂980は、例えば、アクリル系の紫外線硬化樹脂又はビスマレイミド系の紫外線硬化樹脂である。このような構成により、インピーダンスの乱れを抑制できる。図示しないが、第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140も同様である。なお、図4では、樹脂980も図示を省略している。
【0064】
また、図5及び図7に示すように、第1グランド線210の絶縁保護層70から露出した部分と、第3グランド線230の絶縁保護層70から露出した部分と、接合材971及び973とが、低誘電率の樹脂980により覆われる。このような構成により、インピーダンスの乱れを抑制できる。図示しないが、第2グランド線220も同様である。
【0065】
第1グランド線210に発生した電位は第1グランドパターン951に逃がされ、第2グランド線220に発生した電位は第2グランドパターン952に逃がされ、第3グランド線230に発生した電位は第3グランドパターン953に逃がされる。
【0066】
第1介在41及び第2介在42により、第1差動信号線対11のインピーダンスが調整される。また、第3介在43及び第4介在44により、第2差動信号線対12のインピーダンスが調整される。
【0067】
シールドフラットケーブル1では、第1グランド線210の幅WG1が、第1信号線110の幅WS1、第2信号線120の幅WS2、第3信号線130の幅WS3、第4信号線140の幅WS4よりも大きい。従って、第1グランド線210のグランド電位が安定し、高周波領域においても第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制できる。
【0068】
また、第2グランド線220の幅WG2が、第1信号線110の幅WS1及び第2信号線120の幅WS2よりも大きい。従って、第2グランド線220のグランド電位が安定し、高周波領域においても第1差動信号線対11への外部ノイズの影響を抑制できる
【0069】
また、第3グランド線230の幅WG3が、第3信号線130の幅WS3及び第4信号線140の幅WS4よりも大きい。従って、第3グランド線230のグランド電位が安定し、高周波領域においても第2差動信号線対12への外部ノイズの影響を抑制できる。
【0070】
シールドフラットケーブル1では、第1グランド線210には、第1開口51を通じて第1シールド層31が接続されている。このため、第2シールド層32を第1グランド線210に接触させずとも、第1グランド線210のグランド電位を安定させられる。そして、第2シールド層32を第1グランド線210に接続するための第2絶縁層22の加工が不要であるため、工数及びコストを低減できる。
【0071】
また、第2グランド線220には、第2開口52を通じて第2シールド層32が接続されている。このため、第1シールド層31を第2グランド線220に接触させずとも、第2グランド線220のグランド電位を安定させられる。そして、第1シールド層31を第2グランド線220に接続するための第1絶縁層21の加工が不要であるため、工数及びコストを低減できる。
【0072】
同様に、第3グランド線230には、第4開口54を通じて第2シールド層32が接続されている。このため、第1シールド層31を第3グランド線230に接触させずとも、第3グランド線230のグランド電位を安定させられる。そして、第1シールド層31を第3グランド線230に接続するための第1絶縁層21の加工が不要であるため、工数及びコストを低減できる。
【0073】
第1グランド線210の幅WG1及び第2グランド線220の幅WG2は、第1差動信号線対11の幅WT1よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1グランド線210及び第2グランド線220のグランド電位を安定させやすい。このため、第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制しやすく、第1差動信号線対11への外部ノイズの影響を抑制しやすい。また、シールドフラットケーブル1の製造の際に、第1シールド層31を第1グランド線210に接触させやすく、第2シールド層32を第2グランド線220に接触させやすい。第1差動信号線対11の幅WT1は、第1信号線110の第4面114と第2信号線120の第3面123との間の距離である。
【0074】
同様に、第1グランド線210の幅WG1及び第3グランド線230の幅WG3は、第2差動信号線対12の幅WT2よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1グランド線210及び第3グランド線230のグランド電位を安定させやすい。このため、第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制しやすく、第2差動信号線対12への外部ノイズの影響を抑制しやすい。また、シールドフラットケーブル1の製造の際に、第1シールド層31を第1グランド線210に接触させやすく、第2シールド層32を第3グランド線230に接触させやすい。第2差動信号線対12の幅WT2は、第3信号線130の第4面134と第4信号線140の第3面143との間の距離である。
【0075】
第1差動信号線対11と第1グランド線210との間の距離LTG1及び第1差動信号線対11と第2グランド線220との間の距離LTG2は、第1信号線110と第2信号線120との間の距離LSS1よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、シールドフラットケーブル1の製造の際に、第1シールド層31を第1グランド線210に接触させやすく、第2シールド層32を第2グランド線220に接触させやすい。第1差動信号線対11と第1グランド線210との間の距離LTG1は、第2信号線120の第3面123と第1グランド線210の第4面214との間の距離である。第1差動信号線対11と第2グランド線220との間の距離LTG2は、第1信号線110の第4面114と第2グランド線220の第3面223との間の距離である。
【0076】
また、第2差動信号線対12と第1グランド線210との間の距離LTG3及び第2差動信号線対12と第3グランド線230との間の距離LTG4は、第3信号線130と第4信号線140との間の距離LSS2よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、シールドフラットケーブル1の製造の際に、第1シールド層31を第1グランド線210に接触させやすく、第2シールド層32を第3グランド線230に接触させやすい。第2差動信号線対12と第1グランド線210との間の距離LTG3は、第3信号線130の第4面134と第1グランド線210の第3面213との間の距離である。第2差動信号線対12と第3グランド線230との間の距離LTG4は、第4信号線140の第3面143と第3グランド線230の第4面234との間の距離である。
【0077】
第1差動信号線対11の幅WT1は、第1差動信号線対11と第1グランド線との間の距離LTG1及び第1差動信号線対11と第2グランド線220との間の距離LTG2よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制しやすく、第1差動信号線対11への外部ノイズの影響を抑制しやすい。
【0078】
同様に、第2差動信号線対12の幅WT2は、第2差動信号線対12と第1グランド線との間の距離LTG3及び第2差動信号線対12と第3グランド線230との間の距離LTG4よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制しやすく、第2差動信号線対12への外部ノイズの影響を抑制しやすい。
【0079】
第1グランド線210の幅WG1は、第1差動信号線対11と第1グランド線210との間の距離LTG1よりも大きいことが好ましく、第2グランド線220の幅WG2は、第1差動信号線対11と第2グランド線220との間の距離LTG2よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1グランド線210及び第2グランド線220のグランド電位を安定させやすい。このため、第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制しやすく、第1差動信号線対11への外部ノイズの影響を抑制しやすい。また、シールドフラットケーブル1の製造の際に、第1シールド層31を第1グランド線210に接触させやすく、第2シールド層32を第2グランド線220に接触させやすい。幅WG1は、より好ましくは距離LTG1の1.4倍以上であり、幅WG2は、より好ましくは距離LTG2の1.4倍以上である。
【0080】
第1グランド線210の幅WG1は、第2差動信号線対12と第1グランド線210との間の距離LTG3よりも大きいことが好ましく、第3グランド線230の幅WG3は、第2差動信号線対12と第3グランド線230との間の距離LTG4よりも大きいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1グランド線210及び第3グランド線230のグランド電位を安定させやすい。このため、第1差動信号線対11と第2差動信号線対12との間のクロストークを抑制しやすく、第2差動信号線対12への外部ノイズの影響を抑制しやすい。また、シールドフラットケーブル1の製造の際に、第1シールド層31を第1グランド線210に接触させやすく、第2シールド層32を第3グランド線230に接触させやすい。幅WG3は、より好ましくは距離LTG3の1.4倍以上である。
【0081】
第1グランド線210の幅WG1及び第2グランド線220の幅WG2は、第1介在41の幅WI1及び第2介在42の幅WI2よりも小さいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第1差動信号線対11のインピーダンスを調整しやすい。
【0082】
第1グランド線210の幅WG1及び第3グランド線230の幅WG3は、第3介在43の幅WI3及び第4介在44の幅WI4よりも小さいことが好ましい。この関係が成り立つ場合、第2差動信号線対12のインピーダンスを調整しやすい。
【0083】
なお、所望のインピーダンスが得られる場合には、第1介在41、第2介在42、第3介在43及び第4介在44が設けられていなくてもよい。
【0084】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。図8は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0085】
図8に示すように、第2実施形態に係るシールドフラットケーブル2では、第2絶縁層22に、第2開口52及び第4開口54に加えて、第1グランド線210に達する第3開口53が形成されている。第3開口53は、Y1-Y2方向に延び、溝状に形成されている。第3開口53から第1グランド線210の第2面212が露出する。第2シールド層32は、第3開口53を通じて第1グランド線210に接続されている。第2シールド層32の導電性接着剤層32Aが第1グランド線210に接する。
【0086】
第1絶縁層21に、第1開口51に加えて、第2グランド線220に達する第5開口55と、第3グランド線230に達する第6開口56とが形成されている。第5開口55及び第6開口56は、Y1-Y2方向に延び、溝状に形成されている。第5開口55から第2グランド線220の第1面221が露出する。第1シールド層31は、第5開口55を通じて第2グランド線220に接続されている。第1シールド層31の導電性接着剤層31Aが第2グランド線220に接する。第6開口56から第3グランド線230の第1面221が露出する。第1シールド層31は、第6開口56を通じて第3グランド線230に接続されている。第1シールド層31の導電性接着剤層31Aが第3グランド線230に接する。
【0087】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0088】
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、高周波領域においても外部ノイズの影響及びクロストークを抑制できる。
【0089】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。図9は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0090】
図9に示すように、第3実施形態に係るシールドフラットケーブル3では、第1シールド層31及び第2シールド層32がX1-X2方向で絶縁層20の両端からはみ出しており、はみ出した部分で互いに接合されている。また、第1絶縁保護層71及び第2絶縁保護層72がX1-X2方向でシールド層30の両端からはみ出しており、はみ出した部分で互いに接合されている。
【0091】
他の構成は第2実施形態と同様である。
【0092】
第3実施形態によっても、第2実施形態と同様に、高周波領域においても外部ノイズの影響及びクロストークを抑制できる。また、第3実施形態によれば、第2実施形態よりも高いシールド性が得られる。
【0093】
なお、第1実施形態と同様に、第1絶縁層21に第5開口55及び第6開口56が形成されていなくてもよく、第2絶縁層22に第3開口53が形成されていなくてもよい。
【0094】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。図10は、第4実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。図10は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0095】
図10に示すように、第4実施形態に係るシールドフラットケーブル4は、第2差動信号線対12及び第3グランド線230を含まず、その分だけX1-X2方向の寸法が小さくなっている。
【0096】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0097】
第4実施形態では、シールドフラットケーブル4内でクロストークは生じない。また、第1実施形態と同様に、第1差動信号線対11への外部ノイズの影響を抑制できる。
【0098】
なお、第2実施形態と同様に、第1絶縁層21に第2グランド線220に達する開口が形成されていてもよく、第2絶縁層22に第1グランド線210に達する開口が形成されていてもよい。
【0099】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。図11は、第5実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。図11は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0100】
図11に示すように、第5実施形態に係るシールドフラットケーブル5は、第1電力線310と、第2電力線320と、第3電力線330とを有する。第1電力線310、第2電力線320及び第3電力線330は、Y1-Y2方向に延び、仮想平面10上でX1-X2方向に並ぶ。
【0101】
第1電力線310は第3グランド線230のX1側にあり、第2電力線320は第1電力線310のX1側にあり、第3電力線330は第2電力線320のX1側にある。第1電力線310、第2電力線320及び第3電力線330は、表面に錫めっき層が形成された軟銅から構成される。第1電力線310、第2電力線320及び第3電力線330は、例えば平角導体である。第1電力線310、第2電力線320及び第3電力線330は、電力の伝送に用いられる。
【0102】
第1電力線310、第2電力線320及び第3電力線330は、絶縁層20に覆われている。シールド層30及び絶縁保護層70は第1電力線310、第2電力線320及び第3電力線330を覆わなくてもよい。
【0103】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0104】
第5実施形態によっても、第1実施形態と同様に、高周波領域においても外部ノイズの影響及びクロストークを抑制できる。
【0105】
なお、第2実施形態と同様に、第1絶縁層21に第5開口55及び第6開口56が形成されていてもよく、第2絶縁層22に第3開口53が形成されていてもよい。
【0106】
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。図12は、第6実施形態に係るシールドフラットケーブルを示す断面図である。図12は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0107】
図12に示すように、第6実施形態に係るシールドフラットケーブル6では、シールド層30が単一の第3シールド層33から構成されている。第3シールド層33は、第1絶縁層21及び第2絶縁層22のX2側の端部を経由して、第1絶縁層21のZ1側の面と、第2絶縁層22のZ2側の面とを覆う。また、第1絶縁保護層71及び第2絶縁保護層72は、第3シールド層33からX2側ではみ出しており、はみ出した部分で互いに接合されている。
【0108】
他の構成は第5実施形態と同様である。
【0109】
第6実施形態によっても、第5実施形態と同様の効果が得られる。また、第6実施形態によれば、X2側の端部において、より優れたシールド性が得られる。
【0110】
なお、いずれの実施形態においても、信号線の基板900への接続形態は、上記のものに限定されない。
【0111】
例えば、第1信号線110のZ1側では、第1絶縁保護層71の一部がシールドフラットケーブル1の先端に残ってもよい。また、第1信号線110のZ2側では、第2絶縁保護層72が剥がされずに残っていてもよい。第2信号線120、第3信号線130及び第4信号線140についても同様である。
【0112】
本開示において、グランド線及び信号線は、平角導体又は丸型導体に限定されない。例えば、グランド線及び信号線の長手方向に垂直な断面の形状が楕円であってもよく、他の多角形等であってもよい。
【0113】
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1、2、3、4、5、6:シールドフラットケーブル
10:仮想平面
11:第1差動信号線対
12:第2差動信号線対
20:絶縁層
21:第1絶縁層
22:第2絶縁層
21A、22A:接着層
21B、22B:基材
30:シールド層
31:第1シールド層
32:第2シールド層
31A、32A:導電性接着剤層
31B、32B:金属箔
33:第3シールド層
41:第1介在
42:第2介在
43:第3介在
44:第4介在
41A、41B、42A、42B、43A、43B、44A、44B:端部
51:第1開口
52:第2開口
53:第3開口
54:第4開口
55:第5開口
56:第6開口
70:絶縁保護層
71:第1絶縁保護層
72:第2絶縁保護層
110:第1信号線
120:第2信号線
130:第3信号線
140:第4信号線
111、121、131、141、211、221、231:第1面
112、122、132、142、212、222、232:第2面
113、123、133、143、213、223、233:第3面
114、124、134、144、214、224、234:第4面
210:第1グランド線
220:第2グランド線
230:第3グランド線
310:第1電力線
320:第2電力線
330:第3電力線
900:基板
910:第1絶縁層
930:第2絶縁層
920:グランド層
921、923:導電ビア
941:第1信号パターン
942:第2信号パターン
943:第3信号パターン
944:第4信号パターン
951:第1グランドパターン
952:第2グランドパターン
953:第3グランドパターン
961、971、973:接合材
980:樹脂
990:接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12