IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図1
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図2
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図3
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図4
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図5
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図6
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図7
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図8
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図9
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図10
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図11
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図12
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図13
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図14
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図15
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図16
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図17
  • 特許-半導体装置およびパッケージ 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】半導体装置およびパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/04 20060101AFI20250415BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
H01L23/04 E
H01L23/02 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021109174
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006531
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 晴寿
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-188652(JP,A)
【文献】特開2008-109122(JP,A)
【文献】特開2003-007884(JP,A)
【文献】特開2003-007901(JP,A)
【文献】特開2004-349302(JP,A)
【文献】特開昭64-025444(JP,A)
【文献】特開平05-235188(JP,A)
【文献】特開2011-171576(JP,A)
【文献】特開平03-263897(JP,A)
【文献】特開平11-317491(JP,A)
【文献】特開平03-195049(JP,A)
【文献】特開平02-005448(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0117239(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/02-23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性であるベース基板と、
前記ベース基板に搭載され、信号パッドを有する半導体チップと、
前記半導体チップを囲み前記ベース基板上に搭載され、平面視において内側の第1上面と前記第1上面より高い外側の第2上面とを有する段差を有し、前記第1上面に設けられた第1導電体パターンが前記ベース基板に電気的に接続された枠体と、
前記第1導電体パターン上に搭載された容量性部品と、
前記枠体の前記第2上面上に搭載された信号端子と、
前記信号パッドと前記容量性部品の上面とを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、
前記容量性部品の上面と前記信号端子とを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、
前記枠体の前記第2上面と接合し、前記半導体チップを空隙に封止する蓋と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第2ボンディングワイヤは前記信号端子に接合する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記容量性部品の上面と前記信号端子の上面との高さの差は、前記容量性部品の厚さと前記信号端子の厚さとの差より小さい請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記蓋は、前記枠体の前記第2上面に接合する側部と、前記半導体チップの上方に設けられる上部と、を備え、
前記側部は、平面視において前記第2ボンディングワイヤが前記信号端子に接合する箇所より外側で、前記信号端子の上面に接合される請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記段差は、平面視において前記第1上面と前記第2上面との間に、前記第1上面より高く前記第2上面より低い第3上面を有し、前記第3上面上に前記信号端子と電気的に接続された第2導電体パターンが設けられ、
前記第2ボンディングワイヤは、前記第2導電体パターンを介し前記信号端子に接続される請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記容量性部品の上面と前記第2導電体パターンの上面との高さの差は、前記容量性部品の厚さと、前記第1上面と前記第2上面との高さの差と、の差より小さい請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記蓋は、前記枠体の前記第2上面に接合する側部と、前記半導体チップの上方に設けられる上部と、を備え、
前記側部は、前記第2上面と接合し、前記第3上面とは接合しない請求項5または請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体チップは、トランジスタを備え、前記信号パッドは、前記トランジスタに高周波信号を入力する入力パッドと前記トランジスタから高周波信号を出力する出力パッドとの少なくとも一方である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1導電体パターンと前記ベース基板とは、前記枠体を貫通する貫通電極または前記枠体の内側の側面に設けられた別の導電体層により電気的に接続される請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
導電性であり、半導体チップが搭載可能な第1領域を有するベース基板と、
前記半導体チップを囲み前記ベース基板上に搭載され、平面視において内側の第1上面と前記第1上面より高い外側の第2上面とを有する段差を有し、前記第1上面は容量性部品を搭載可能な第2領域を有し、前記第2上面は前記ベース基板から電気的に分離された枠体と、
前記容量性部品の上面とボンディングワイヤによって接合されるための上面を有し、前記枠体の前記第2上面上に搭載された信号端子と、を備え、
前記容量性部品が搭載可能な前記第2領域は、前記ベース基板と同電位となるように、前記枠体を貫通する貫通電極または前記枠体の内側の側面に設けられた別の導電体層を介して、前記ベース基板と接続されている、パッケージ。
【請求項11】
前記容量性部品の上面と前記信号端子の上面との高さの差は、前記容量性部品の厚さと前記信号端子の厚さとの差より小さい請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびパッケージに関し、例えば半導体チップと容量性部品とを搭載する半導体装置およびパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ、容量性部品および枠体がベース基板上に搭載され、半導体チップ上のパッドと容量性部品の上面をボンディングワイヤにより接続し、容量性部品の上面と枠体上の信号端子とをボンディングワイヤにより接続することが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-530202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベース基板と枠体との接合強度確保のため、枠体の幅を所定以上とすることが求められている。このため、ベース基板上の枠体内に半導体チップと容量性部品とを搭載すると、半導体装置が大型化してしまう。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、導電性であるベース基板と、前記ベース基板に搭載され、信号パッドを有する半導体チップと、前記半導体チップを囲み前記ベース基板上に搭載され、平面視において内側の第1上面と前記第1上面より高い外側の第2上面とを有する段差を有し、前記第1上面に設けられた第1導電体パターンが前記ベース基板に電気的に接続された枠体と、前記第1導電体パターン上に搭載された容量性部品と、前記枠体の前記第2上面上に搭載された信号端子と、前記信号パッドと前記容量性部品の上面とを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記容量性部品の上面と前記信号端子とを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記枠体の前記第2上面と接合し、前記半導体チップを空隙に封止する蓋と、を備える半導体装置である。
【0007】
本開示の一実施形態は、導電性であり、半導体チップが搭載可能な領域を有するベース基板と、前記半導体チップを囲み前記ベース基板上に搭載され、平面視において内側の第1上面と前記第1上面より高い外側の第2上面とを有する段差を有し、前記第1上面は前記ベース基板の上面に電気的に接続され前記第2上面は前記ベース基板から電気的に分離された容量性部品が搭載可能な領域を有する枠体と、を備えるパッケージである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、図2の半導体チップおよび容量性部品付近の拡大図である。
図4図4は、実施例1に係る半導体装置の回路図である。
図5図5は、比較例1に係る半導体装置の拡大断面図である。
図6図6は、比較例2に係る半導体装置の拡大断面図である。
図7図7は、実施例1の変形例1に係る半導体装置の拡大断面図である。
図8図8は、実施例1の変形例2に係る半導体装置の拡大断面図である。
図9図9は、実施例1の変形例3に係る半導体装置の拡大断面図である。
図10図10は、実施例1の変形例4に係る半導体装置の拡大断面図である。
図11図11は、実施例1の変形例5に係る半導体装置の平面図である。
図12図12は、実施例1の変形例6に係る半導体装置の平面図である。
図13図13は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。
図14図14は、実施例2における半導体チップおよび容量性部品付近の拡大図である。
図15図15は、実施例2の変形例1に係る半導体装置の拡大断面図である。
図16図16は、実施例2の変形例2に係る半導体装置の拡大断面図である。
図17図17は、実施例2の変形例3に係る半導体装置の拡大断面図である。
図18図18は、実施例2の変形例4に係る半導体装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、導電性であるベース基板と、前記ベース基板に搭載され、信号パッドを有する半導体チップと、前記半導体チップを囲み前記ベース基板上に搭載され、平面視において内側の第1上面と前記第1上面より高い外側の第2上面とを有する段差を有し、前記第1上面に設けられた第1導電体パターンが前記ベース基板に電気的に接続された枠体と、前記第1導電体パターン上に搭載された容量性部品と、前記枠体の前記第2上面上に搭載された信号端子と、前記信号パッドと前記容量性部品の上面とを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記容量性部品の上面と前記信号端子とを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記枠体の前記第2上面と接合し、前記半導体チップを空隙に封止する蓋と、を備える半導体装置である。これにより、小型化することができる。
(2)前記第2ボンディングワイヤは前記信号端子に接合することが好ましい。
(3)前記容量性部品の上面と前記信号端子の上面との高さの差は、前記容量性部品の厚さと前記信号端子の厚さとの差より小さいことが好ましい。
(4)前記蓋は、前記枠体の前記第2上面に接合する側部と、前記半導体チップの上方に設けられる上部と、を備え、前記側部は、平面視において前記第2ボンディングワイヤが前記信号端子に接合する箇所より外側で、前記信号端子の上面に接合されることが好ましい。
(5)前記段差は、平面視において前記第1上面と前記第2上面との間に、前記第1上面より高く前記第2上面より低い第3上面を有し、前記第3上面上に前記信号端子と電気的に接続された第2導電体パターンが設けられ、前記第2ボンディングワイヤは、前記第2導電体パターンを介し前記信号端子に接続されることが好ましい。
(6)前記容量性部品の上面と前記第2導電体パターンの上面との高さの差は、前記容量性部品の厚さと、前記第1上面と前記第2上面との高さの差と、の差より小さいことが好ましい。
(7)前記蓋は、前記枠体の前記第2上面に接合する側部と、前記半導体チップの上方に設けられる上部と、を備え、前記側部は、前記第2上面と接合し、前記第3上面とは接合しないことが好ましい。
(8)前記半導体チップは、トランジスタを備え、前記信号パッドは、前記トランジスタに高周波信号を入力する入力パッドと前記トランジスタから高周波信号を出力する出力パッドとの少なくとも一方であることが好ましい。
(9)前記第1導電体パターンと前記ベース基板とは、前記枠体を貫通する貫通電極または前記枠体の内側の側面に設けられた別の導電体層により電気的に接続されることが好ましい。
(10)本開示の一実施形態は、導電性であり、半導体チップが搭載可能な領域を有するベース基板と、前記半導体チップを囲み前記ベース基板上に搭載され、平面視において内側の第1上面と前記第1上面より高い外側の第2上面とを有する段差を有し、前記第1上面は前記ベース基板の上面に電気的に接続され前記第2上面は前記ベース基板から電気的に分離された容量性部品が搭載可能な領域を有する枠体と、を備えるパッケージである。
【0011】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかる半導体装置およびパッケージの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
[実施例1]
図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。図2は、図1のA-A断面図である。図1は蓋18を取り外した平面図である。ベース基板11の上面の法線方向をZ方向、入力リード22から出力リード20の方向をX方向、X方向およびZ方向に直交する方向をY方向とする。
【0013】
図1および図2に示すように、実施例1の半導体装置100では、パッケージ10は、主にベース基板11、枠体12および蓋18を有している。ベース基板11は例えば銅とモリブデンの積層基板等の導電性である。ベース基板11には、グランド電位等の基準電位が供給される。枠体12および蓋18は例えばFR-4(Flame Retardant Type 4)等の樹脂またはセラミックからなる誘電体層である。±X側の辺では、枠体12は内側の上面13bは外側の上面13aより低い段差となっている。上面13aには導電体パターン14aが設けられ、上面13bには導電体パターン14bが設けられている。+X側の導電体パターン14bは貫通電極16を介しベース基板11と電気的に接続されている。すなわち、導電体パターン14bとベース基板11とは略同電位である。導電体パターン14aはベース基板11と電気的に分離されている。導電体パターン14a、14bおよび貫通電極16は、例えば金層または銅層等の金属層であり、例えばめっき金属である。-X側の導電体パターン14a上に入力リード22が搭載され、+X側の導電体パターン14b上に出力リード20が搭載されている。入力リード22および出力リード20は、例えば銅リードに金めっきされた金属リードである。ベース基板11上は半導体チップ30が搭載可能な領域を有し、枠体12の薄膜部12bの上面13bは容量性部品40が搭載可能な領域を有する。
【0014】
ベース基板11上に半導体チップ30および容量性部品45が搭載されている。半導体チップ30は、半導体基板31、半導体基板31の上面に設けられた電極32および33、並びに半導体基板31の下面に形成された電極34(図3参照)を備えている。電極32、33および34はそれぞれゲート電極、ドレイン電極およびソース電極であり、電極32および33はそれぞれ入力パッドおよび出力パッド等の信号パッドである。電極32、33および34は例えば金層等の金属層である。電極34はベース基板11に電気的に接続され短絡されている。容量性部品45は、誘電体基板46、誘電体基板46の上面に設けられた電極47、および誘電体基板46の下面に設けられた電極48を備えている。電極48はベース基板11に電気的に接続され短絡されている。上面13bに設けられた導電体パターン14b上に容量性部品40が搭載されている。容量性部品40は、誘電体基板41、誘電体基板41の上面に設けられた電極42、および誘電体基板41の下面に設けられた電極43を備えている。電極43は貫通電極16を介しベース基板11に電気的に接続され短絡されている。電極43とベース基板11とは同電位である。誘電体基板41および46は例えば比誘電率が30以上の高誘電率系セラミック材料であり、電極42、43、47および48は金層等の金属層である。
【0015】
ボンディングワイヤ24は出力リード20と容量性部品40の電極42とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ25は容量性部品40の電極42と半導体チップ30の電極33とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ26は半導体チップ30の電極32と容量性部品45の電極47とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ27は容量性部品45の電極47と入力リード22とを電気的に接続する。蓋18は、枠体12の上面13aに接合する側部18aと、半導体チップ30、容量性部品40および45の上方に設けられた上部18bと、を有する。蓋18は半導体チップ30、容量性部品40および45を気体である空隙21に封止する。
【0016】
図3は、図2の半導体チップ30および容量性部品40付近の拡大図である。図3に示すように、枠体12は厚膜部12aと厚膜部12aより薄い薄膜部12bを有している。厚膜部12aと薄膜部12bの下面は略平坦である。厚膜部12aと薄膜部12bの上面とにより段差が形成される。厚膜部12aおよび薄膜部12bの上面はそれぞれ上面13aおよび13bである。枠体12の下面には導電体パターン15が設けられ、導電体パターン15とベース基板11とは接合部材17により接合されている。接合部材17は例えば導電性のろう材である。半導体チップ30の電極34とベース基板11とは接合部材35により接続されている。容量性部品40の電極43と導電体パターン14bとは接合部材44により接合されている。接合部材35および44は、例えば銀ペースト等の金属ペーストを焼結させた導電性部材である。枠体12の上面13aおよび出力リード20と蓋18の側部18aとは接合部材19により接合されている。接合部材19は例えば絶縁性樹脂接着剤である。
【0017】
実施例1の図3では、ベース基板11の上面から枠体12の上面13aおよび13bまでの高さをそれぞれH1およびH2とする。導電体パターン14a、14b、15および接合部材17は枠体12に比べ十分薄いため、高さH1およびH2はほぼ厚膜部12aおよび薄膜部12bの厚さである。出力リード20の上面から蓋18の上部18bの下面までの高さをH4、枠体12とベース基板11との接合の幅をD1、側部18aと枠体12および出力リード20との接合の幅をD2、枠体12と半導体チップ30との距離をD3、厚膜部12aと容量性部品40との距離をD4、蓋18の下面とボンディングワイヤ25との距離をD5、側部18aの幅をD6とする。一例として、H1、H2、H4、D1、D2、D3、D4、D5およびD6は、それぞれ、0.5mm、0.25mm、0.8mm、1.25mm、0.55mm、0.3mm、0.2mm、0.43mmおよび0.6mmである。
【0018】
図4は、実施例1に係る半導体装置の回路図である。図4に示すように、半導体装置100は、高出力増幅回路であり、増幅器50、出力整合回路52および入力整合回路54を備えている。増幅器50は、例えばFET等のトランジスタQ1を備えている。トランジスタQ1は、例えばGaN HEMT(Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor)またはLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)である。トランジスタQ1のソースSはグランドに接続され、ゲートGは入力整合回路54を介し入力端子Tinに接続され、ドレインDは出力整合回路52を介し出力端子Toutに接続されている。増幅器50は半導体チップ30に対応しソースS、ゲートGおよびドレインDはそれぞれ電極34、32および33に対応する。
【0019】
出力整合回路52は、インダクタL1、L2およびキャパシタC1を備えている。インダクタL1およびL2は、ドレインDと出力端子Toutとの間に直列接続されている。キャパシタC1の一端は、インダクタL1とL2との間のノードに接続され、他端はグランドに接続される。インダクタL1、L2およびキャパシタC1は、それぞれボンディングワイヤ25、24および容量性部品40に対応する。出力整合回路52は増幅器50の出力インピーダンスを出力端子Toutの出力インピーダンスに整合させる。
【0020】
入力整合回路54は、インダクタL3、L4およびキャパシタC2を備えている。インダクタL3およびL4は、ゲートGと入力端子Tinとの間に直列接続されている。キャパシタC2の一端は、インダクタL3とL4との間のノードに接続され、他端はグランドに接続される。インダクタL3、L4およびキャパシタC2は、それぞれボンディングワイヤ27、26および容量性部品45に対応する。入力整合回路54は増幅器50の入力インピーダンスを入力端子Tinの入力インピーダンスに整合させる。
【0021】
増幅回路は、例えば3.3GHz~3.8GHzの電力増幅回路であり、入力端子Tinから入力した高周波信号は増幅器50により増幅され出力端子Toutから出力される。
【0022】
[比較例1]
図5は、比較例1に係る半導体装置の拡大断面図である。図5に示すように、容量性部品40はパッケージ内に設けられていない。すなわち、内部出力整合回路は設けられていない。枠体12は階段状には形成されておらず、枠体12の上面13aに出力リード20が設けられている。ボンディングワイヤ25は半導体チップ30の電極33と出力リード20とを電気的に接続する。接合部材17によるベース基板11と枠体12との接合を確保するため、設計ルールでは幅D1を所定以上とすることが求められている。一方、側部18aと枠体12および出力リード20との接合の幅D2はD1ほど大きくすることは求められていない。これは、接合部材19には樹脂系の絶縁性接着剤を用いることができるのに対し、接合部材17は導電性のろう材等を用いるためである。また、ベース基板11は例えば金属層であり枠体12は絶縁体であるため、熱膨張係数の差が大きくなりやすく、ベース基板11と枠体12との間に熱応力が加わりやすいためである。一設計ルールでは、D1は1.55mmである。H1、H4、D2およびD3は、例えば0.5mm、0.8mm、0.6mmおよび0.3mmである。
【0023】
比較例1では、半導体チップ30と出力リード20とがボンディングワイヤ25を用い接続されている。半導体チップ30の出力インピーダンスは非常に低いため、比較例1では、出力リード20の出力インピーダンスが低くなってしまう。このため、増幅回路の特性を向上させることが難しい。半導体チップ30と出力リード20との間に内部整合回路を設けることが好ましい。しかしながら、内部整合回路をベースパッケージ内に設けるためには、容量性部品40をベース基板11上に搭載することになり、半導体装置が大型化する。
【0024】
[比較例2]
図6は、比較例2に係る半導体装置の拡大断面図である。図6に示すように、比較例2では、枠体12上に導電体パターン14bが設けられている。導電体パターン14bは導電体パターン14aとは電気的に分離されている。導電体パターン14bは貫通電極16を介しベース基板11に電気的に接続されている。比較例1では、容量性部品40を枠体12上に搭載することで、ベース基板11のX方向の幅を広げなくとも容量性部品40をパッケージ内に搭載できる。ボンディングワイヤ24および25を設けることで、図4の出力整合回路52をパッケージ内に搭載できる。これにより、半導体装置を小型化できる。容量性部品40を枠体12上に搭載できるのは、蓋18の側部18aと枠体12との接合の幅D2は枠体12とベース基板11との接合の幅D1より狭くてもよいためである。
【0025】
3.3GHz~3.8GHz帯の増幅回路の場合、図4における出力整合回路52のインダクタL1のインダクタンスおよびキャパシタC1のキャパシタンスの一例は、それぞれ0.387nHおよび8pFである。インピーダンスの整合が主にインダクタL1およびキャパシタC1により行われる場合、インダクタL2のインダクタンスを0.15nHと小さくする。インダクタL1における0.387nHのインダクタンスは、ボンディングワイヤ25の長さを1.76mm、本数を16本、ボンディングワイヤ25の間隔を0.25mmとすることで実現できる。なお、インダクタンスはボンディングワイヤ25の長さだけでなくボンディングワイヤ25の形状も影響する。キャパシタC1における8pFのキャパシタンスは、誘電体基板41の比誘電率を250、厚さを0.25mm、誘電体基板41の外形を3.5mm×0.4mm、電極42の形状を3.4mm×0.3mmとすることで実現できる。インダクタL2のインダクタンスを小さくするため、ボンディングワイヤ24の長さを短くし、本数を多くする。
【0026】
半導体装置の小型化のため、半導体チップ30と枠体12との距離D3を設計ルール上最も小さくし、インダクタL1として所望のインダクタンスが得られるようにボンディングワイヤ25の長さを例えば1.76mmに設定すると、ボンディングワイヤ25と蓋18の上部18bの下面との距離D5は例えば0.2mmと小さくなる。ボンディングワイヤ25を形成した後、蓋18を枠体12上に接合する。このとき、ボンディングワイヤ25と上部18bの下面とが干渉(例えば接触)すると、ボンディングワイヤ25の形状が変化する。これにより、インダクタL1のインダクタンスが変わってしまう。これにより、出力整合回路52の特性が変化してしまい、所望の増幅回路の性能が得られなくなる可能性がある。
【0027】
ボンディングワイヤ25と蓋18の上部18bの下面との干渉を抑制するため、上部18bの下面のベース基板11からの高さを大きくすることが考えられる。しかし、パッケージの高さが大きくなり、半導体装置が大型化してしまう。枠体12を薄くすることが考えられる。しかし、枠体12を薄くすると出力リード20とグランド電位が供給されるベース基板11との距離が短くなり、出力リード20の高周波信号の伝搬特性に影響してしまう。
【0028】
さらに、比較例2において、容量性部品40の電極42が出力リード20の上面より高くなると、ボンディングワイヤ24を短くするため、蓋18の側部18aと容量性部品40との距離D4を短くする。距離D4は例えば0.14mmである。容量性部品40の搭載時および蓋18を枠体12に接合するときのマージンとして距離D4の設計ルールは例えば0.2mmであり、設計ルールを満足することができない。
【0029】
実施例1によれば、図3のように、電極33(信号パッド)を有する半導体チップ30がベース基板11に搭載されている。枠体12は、半導体チップ30を囲みベース基板11上に搭載されている。枠体12は、平面視において内側の上面13b(第1上面)と上面13bより高い外側の上面13a(第2上面)とを有する段差を有している。上面13b上に設けられた導電体パターン14b(第1導電体パターン)はベース基板11に電気的に接続されている。容量性部品40は、導電体パターン14b上に搭載され、出力リード20および導電体パターン14aは枠体12の上面13a上に搭載されている。ボンディングワイヤ25(第1ボンディングワイヤ)は、電極33と容量性部品40の上面とを電気的に接続し、ボンディングワイヤ24(第2ボンディングワイヤ)は、容量性部品40の上面と出力リード20とを電気的に接続する。蓋18は、枠体12の上面13aと接合し、半導体チップ30を空隙21に封止する。
【0030】
これにより、容量性部品40が比較例2よりベース基板11に近い高さの位置に配置される。よって、蓋18の上部18bの下面とボンディングワイヤ25との距離D5を大きくできる。例えばD5を0.43mm程度にできる。よって、蓋18がボンディングワイヤ25に干渉せず、出力整合回路52の特性が変化せず、かつ半導体装置を小型化できる。
【0031】
ボンディングワイヤ24は出力リード20の上面に直接接合する。これにより、ボンディングワイヤ24を短くできる。また、上面13bの高さH2を適切に設定することで、容量性部品40の電極42の上面と出力リード20の上面との高さの差H5を、比較例2の容量性部品40の電極42と出力リード20の上面との高さの差H5aより小さくできる。これにより、容量性部品40と側部18aとの距離D4を設計ルールである例えば0.2mmとしてもボンディングワイヤ24の長さを比較例2の図6と同程度とすることができる。導電体パターン14a、14bおよび接合部材44は容量性部品40および出力リード20に比べ十分に薄い。このとき、実施例1における図3の高さの差H5を比較例2における高さの差H5aより小さくするためには、高さの差H5は容量性部品40の厚さT1と出力リード20の厚さT2との差よりと小さいことが好ましい。高さの差H5は厚さT1とT2との差の1/2以下がより好ましい。
【0032】
[実施例1の変形例1]
図7は、実施例1の変形例1に係る半導体装置の拡大断面図である。図7に示すように、蓋18の側部18aの幅D6は実施例1の図3と同じである。側部18aの外側の側面は枠体12の外側の側面より距離D8外側に位置する。距離D8は例えば0.2mmである。これにより、厚膜部12aの内側の端面と側部18aの内側の側面との距離D7を大きくできる。距離D7は例えば0.25mmである。側部18aが枠体12および出力リード20と接合する幅D2は実施例2より小さくなる。側部18aと枠体12との接合強度が十分の場合、幅D2を短くしてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0033】
実施例1の図3では、側部18aの内側の側面とボンディングワイヤ24との距離が小さく、蓋18を枠体12および出力リード20上に接合するときに、ボンディングワイヤ24が潰れる可能性がある。実施例1の変形例1では、側部18aを実施例1より外側に配置するため、距離D7を広くすることができる。すなわち、出力リード20上のボンディングワイヤ24を接合する領域を広くすることができる。これにより、ボンディングワイヤ24の潰れを抑制できる。また、側部18aの幅D6を実施例1の図3と同じとすることで、側部18aの強度を維持できる。
【0034】
[実施例1の変形例2]
図8は、実施例1の変形例2に係る半導体装置の拡大断面図である。図8に示すように、実施例1の変形例2では、実施例1の変形例1に比べて、側部18aの幅D6を幅D2と同じ大きさまで薄くしている。その他の構成は実施例1の変形例1と同じであり、説明を省略する。実施例1の変形例2では、実施例1の変形例1と同様にボンディングワイヤ24の潰れを抑制できる。さらに、側部18aの外側の側面と枠体12の外側の側面が略一致する。これにより、実施例1の変形例1の図7に比べ、半導体装置の外形を実施例1と同程度に小型化できる。
【0035】
[実施例1の変形例3]
図9は、実施例1の変形例3に係る半導体装置の拡大断面図である。実施例1の変形例3では、実施例1の変形例2に比べ、出力リード20の内側の端面の位置と蓋18の側部18aの内側の側面の位置が略同じになるように、出力リード20の位置を外側に移動させている。その結果、図9に示すように、ボンディングワイヤ24は導電体パターン14aに接合されている。その他の構成は実施例1の変形例2と同じであり、説明を省略する。実施例1の変形例3のように、ボンディングワイヤ24は導電体パターン14aに接合されていてもよい。導電体パターン14aと出力リード20が出力端子として機能する。
【0036】
実施例1およびその変形例1~3では、ボンディングワイヤ24は出力リード20または導電体パターン14a(すなわち信号端子)に接合する。これにより、容量性部品40と出力端子とを電気的に接続できる。蓋18の側部18aは、平面視においてボンディングワイヤ24が出力リード20または導電体パターン14aに接合する箇所より外側において、出力リード20に接合される。これにより、蓋18を枠体12に接合するときにボンディングワイヤ24を潰してしまうことを抑制できる。実施例1の変形例1~3のように、厚膜部12aの内側の端面と側部18aの内側の側面との距離D7は、厚膜部12aの幅の1/4以上が好ましい。これにより、ボンディングワイヤ24が出力リード20または導電体パターン14aに接合する領域を確保できる。
【0037】
[実施例1の変形例4]
図10は、実施例1の変形例4に係る半導体装置の拡大断面図である。図10に示すように、貫通電極16が設けられておらず、導電体層16aが薄膜部12bの内側の側面に設けられている。導電体層16aは導電体パターン14aと導電体パターン15とを電気的に接続する。その他の構成は実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0038】
実施例1およびその変形例1~4のように、導電体パターン14bとベース基板11とは、枠体12の薄膜部12bを貫通する貫通電極16または枠体12の薄膜部12bの内側の側面に設けられた別の導電体層16aにより電気的に接続されている。これにより、導電体パターン14bとベース基板11を簡単に電気的に接続することができる。その結果、枠体12の薄膜部12b上に搭載された容量性部品40の下面の電極43を、接合部材44を介しベース基板11に簡単に電気的に接続することができる。
【0039】
[実施例1の変形例5]
図11は、実施例1の変形例5に係る半導体装置の平面図である。図11に示すように、容量性部品45は、入力リード22(-X)側の枠体12の上面13b上に搭載されている。容量性部品45の電極48(不図示)は、導電体パターン14bおよび枠体12を貫通する貫通電極を介しベース基板11に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例5のように、入力整合回路54のキャパシタC2に対応する容量性部品45も上面13b上に搭載されていてもよい。このように、容量性部品40または45の接続される半導体チップ30の信号パッドは、トランジスタに高周波信号を入力する電極32(入力パッド)と、トランジスタから高周波信号を出力する電極33(出力パッド)の少なくとも一方である。
【0040】
[実施例1の変形例6]
図12は、実施例1の変形例6に係る半導体装置の平面図である。図12に示すように、ベース基板11上に2つの半導体チップ30および2つの容量性部品45が搭載され、枠体12の薄膜部12bの上面13b上に2つの容量性部品40が搭載されている。枠体12の厚膜部12aの上面13a上に2つの入力リード22および2つの出力リード20が設けられている。2つの半導体チップ30は、例えばドハティ増幅回路のキャリアアンプとピークアンプに相当する。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。半導体装置には、半導体チップ30、容量性部品40等が複数設けられていてもよい。
【0041】
[実施例2]
図13は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。図14は、実施例4にける半導体チップ30および容量性部品40付近の拡大図である。図13および図14に示すように、半導体装置102では、枠体12は、薄膜部12bと厚膜部12aの間に中間部12cを有している。中間部12cは薄膜部12bより厚く厚膜部12aより薄い。中間部12cの上面13cには導電体パターン14cが設けられている。導電体パターン14cは厚膜部12a内に延伸している。導電体パターン14aと14cとは厚膜部12a内の内部配線16bにより電気的に接続され短絡している。導電体パターン14aと14cとは同電位である。ボンディングワイヤ24は、導電体パターン14cに接合されている。中間部12cの上面13cのベース基板11からの高さはH3である。H1、H2およびH3は、例えば0.5mm、0.125mmおよび0.375mmである。厚膜部12aの内側の側面と中間部12cの内側の側面との距離D9は例えば0.2mmである。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0042】
実施例2によれば段差は、平面視における厚膜部12aの上面13aと薄膜部12bの上面13bとの間に、上面13bより高く上面13aより低い、中間部12cの上面13c(第3上面)を有している。中間部12cの上面13c上に導電体パターン14c(第2導電体パターン)が設けられている。導電体パターン14cは内部配線16bを介し出力リード20(信号端子)に電気的に接続されている。ボンディングワイヤ24は、導電体パターン14cに接合し、導電体パターン14c、内部配線16b、そして導電体パターン14aを介し、出力リード20に電気的に接続される。
【0043】
これにより、実施例1の図3に比べ、容量性部品40が搭載される位置をより低くできる。これにより、蓋18の上部18bの下面とボンディングワイヤ25との距離D5を長くできる。よって、蓋18の上部18bとボンディングワイヤ25との干渉を抑制できる。
【0044】
また、容量性部品40が搭載される薄膜部12bの上面13bの高さH2が実施例1より低くなっても、容量性部品40の電極42の上面と導電体パターン14cの上面との高さの差H5bを小さくできる。これにより、ボンディングワイヤ24の長さを比較例2と同程度としても容量性部品40の側面と中間部12cの内側の側面との距離D4を確保できる。よって、半導体装置を小型化できる。導電体パターン14a~14cおよび接合部材44は枠体12、容量性部品40および出力リード20に比べ十分に薄い。このとき、実施例2における図14の高さの差H5bを実施例1における高さの差H5より小さくするためには、高さの差H5bは容量性部品40の厚さT1と、薄膜部12bの上面13bと厚膜部12aの上面13aとの高さの差H1-H2と、の差よりと小さいことが好ましい。高さの差H5bは厚さT1と差H1-H2との差の1/2以下がより好ましい。
【0045】
[実施例2の変形例1]
図15は、実施例2の変形例1に係る半導体装置の拡大断面図である。図15に示すように、蓋18の側部18aの幅D6は実施例1の図3と同じである。側部18aの外側の側面は枠体12の外側の側面より距離D8外側に位置する。距離D8は例えば0.15mmである。これにより、中間部12cの端面と側部18aの内側の側面との距離D7を大きくできる。側部18aと枠体12との接合強度が十分の場合、幅D2を短くしてもよい。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。
【0046】
実施例2の変形例1では、側部18aを実施例2より外側に配置するため、距離D7を広くすることができる。これにより、ボンディングワイヤ24の潰れを抑制できる。また、側部18aの幅D6を実施例2の図14と同じとすることで、側部18aの強度を維持できる。
【0047】
[実施例2の変形例2]
図16は、実施例2の変形例2に係る半導体装置の拡大断面図である。図16に示すように、側部18aの幅D6は側部18aと出力リード20との接合の幅D2と同じである。その他の構成は実施例2の変形例1と同じであり、説明を省略する。実施例2の変形例2では、実施例2の変形例1と同様にボンディングワイヤ24の潰れを抑制できる。さらに、側部18aの外側の側面と枠体12の外側の側面が略一致する。これにより、実施例2の変形例1の図15に比べ、半導体装置の外形を実施例2と同程度に小型化できる。
【0048】
[実施例1の変形例3]
図17は、実施例2の変形例3に係る半導体装置の拡大断面図である。図17に示すように、側部18aと出力リード20との接合の幅D2と側部18aの幅D6は略同じである。D2およびD6は例えば0.25mmである。側部18aの内側の側面は厚膜部12aの内側の側面から例えば0.2mm外側に位置する。これにより、中間部12cの内側の側面と側部18aとの距離D7を広くできる。その他の構成は実施例2の変形例2と同じであり説明を省略する。
【0049】
実施例2の変形例3では、実施例2の変形例2よりボンディングワイヤ24の潰れを抑制できる。さらに、側部18aの外側の側面と枠体12の外側の側面が略一致する。これにより、半導体装置の外形を実施例2と同程度に小型化できる。
【0050】
実施例2およびその変形例のように、側部18aは、上面13aと接合し、上面13cとは接合しない。これにより、蓋18を枠体12に接合するときにボンディングワイヤ24を潰してしまうことを抑制できる。
【0051】
[実施例2の変形例4]
図18は、実施例2の変形例4に係る半導体装置の拡大断面図である。図18に示すように、実施例2の変形例4では、貫通電極16の代わりに薄膜部12bの端部の側面に導電体層16aが設けられている。導電体層16aは導電体パターン14bと15とを電気的に接続し短絡する。内部配線16bの代わりに上面13aと13cとの間における厚膜部12aの内側の側面に導電体層16cが設けられている。導電体層16cは導電体パターン14aと14cとを電気的に接続し短絡する。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。実施例2の変形例4では、枠体12内に導電体パターン14cを延伸しなくてもよい。このため、枠体12の製造が容易となる。
【0052】
実施例2およびその変形例1~4のように、導電体パターン14cと出力リード20とは、枠体12内の内部配線16bにより電気的に接続されてもよく、厚膜部12aの側面に設けられた導電体層16cにより電気的に接続されてもよい。実施例1,2およびその変形例において、枠体12は、複数の部材として成形し、その後接合してもよいし、一体に樹脂成形してもよい。
【0053】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
10 パッケージ
11 ベース基板
12 枠体
12a 厚膜部
12b 薄膜部
12c 中間部
13a 上面(第2上面)
13b 上面(第1上面)
13c 上面(第3上面)
14b 導電体パターン(第1導電体パターン)
14c 導電体パターン(第2導電体パターン)
14a~14c、15 導電体パターン
16 貫通電極
16a、16c 導電体層
16b 内部配線
17、19、35、44 接合部材
18 蓋
18a 側部
18b 上部
20 出力リード(信号端子)
21 空隙
22 入力リード
24 ボンディングワイヤ(第2ボンディングワイヤ)
25 ボンディングワイヤ(第1ボンディングワイヤ)
26、27 ボンディングワイヤ
30 半導体チップ
31 半導体基板
32、33電極(信号パッド)
34、42、43、47、48 電極
40、45 容量性部品
41、46 誘電体基板
50 増幅器
52 出力整合回路
54 入力整合回路
Q1 トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18