(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】自律走行装置、自律走行管理システム、自律走行管理方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/42 20060101AFI20250415BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20250415BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250415BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20250415BHJP
B60L 50/64 20190101ALI20250415BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20250415BHJP
H02J 50/05 20160101ALN20250415BHJP
【FI】
H01M10/42 A
H01M50/244 Z
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
H02J7/00 301D
B60L53/80
B60L50/64
B60K1/04 A
H02J50/05
(21)【出願番号】P 2022105083
(22)【出願日】2022-06-29
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐基
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘幸
【審査官】山口 大
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-093719(JP,A)
【文献】中国実用新案第211335928(CN,U)
【文献】特開平5-207611(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108352721(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
H01M 50/244
H02J 7/00
B60L 53/80
B60L 50/64
B60K 1/04
H02J 50/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行管理システム(1)の充電ステーション(CS)において充電を受けた充電状態で自律走行する自律走行装置であって、
自律走行するための給電を受ける走行ユニット(DU)と、
前記充電状態、且つ前記走行ユニット上への結合状態で前記走行ユニットに給電可能なバッテリユニット(BU)と、
前記走行ユニットに対して前記バッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する構造であって、前記自律走行管理システムにおいて前記走行ユニットと前記充電ステーション側との間で前記バッテリユニットを案内する案内レール(131,132,5190)が進退可能な嵌合隙間(44)を、当該結合箇所に形成する脱着構造(RS)と、
前記バッテリユニットから前記走行ユニットへ前記嵌合隙間を介して非接触給電するための給電構造(SS)とを、備える自律走行装置。
【請求項2】
前記自律走行管理システムのピッキングステーション(PS)において荷物(9)が収納された収納状態、且つ前記バッテリユニット上への結合状態で当該荷物を搬送する収納搬送ユニット(RTU)を、さらに備え、
前記脱着構造は、
前記走行ユニットに対して前記バッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する結合部であって、前記案内レールとしての第一案内レール(131,132,5190)が進退可能な前記嵌合隙間である第一嵌合隙間(44)を、当該結合箇所に形成する第一結合部(RS1)と、
前記走行ユニットに結合した前記バッテリユニットに対して前記収納搬送ユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する結合部であって、前記自律走行管理システムにおいて前記バッテリユニットと前記ピッキングステーション側との間で前記収納搬送ユニットを案内する第二案内レール(141,142,5190)が進退可能な第二嵌合隙間(54)を、当該結合箇所に形成する第二結合部(RS2)とを、有する請求項1に記載の自律走行装置。
【請求項3】
前記脱着構造は、
脱着可能な凹凸嵌合対象の一方を他方に対して、前記案内レールの進退側とは反対側から係止する係止部(45A,46A,55A,56A,2045A,2055A)を、有する請求項1又は2に記載の自律走行装置。
【請求項4】
前記脱着構造は、
前記案内レールの進退側から反対側へ向かって延伸する凸条部(41,42,51,52,3041,3051,4041,4051)と、前記案内レールの進退側から反対側へ向かって延伸する凹溝部(40,43,50,53,3040,3050,4043,4053)とにより、脱着可能な凹凸嵌合を構築する請求項1又は2に記載の自律走行装置。
【請求項5】
前記脱着構造は、
前記走行ユニットの前後方向(Y)に沿って延伸する前記凸条部及び前記凹溝部と、
脱着可能な凹凸嵌合対象の一方を他方に対して、前記走行ユニットの前記前後方向に位置決めする位置決め部(PP1,PP2)とを、有する請求項4に記載の自律走行装置。
【請求項6】
前記給電構造は、
前記バッテリユニット及び前記走行ユニットの各々において前記嵌合隙間を挟む箇所に設けられ、前記バッテリユニットから前記走行ユニットへ非接触給電する電極部(47,48,3047,3048)を、有する請求項1又は2に記載の自律走行装置。
【請求項7】
プロセッサ(120B)を有し、請求項1に記載の自律走行装置(10)に対する、前記充電ステーションでの充電を管理する自律走行管理システムであって、
前記プロセッサは、
前記走行ユニットから前記バッテリユニットを受け取る受取フェーズ(AP1)において、前記嵌合隙間に対する前記案内レールの進退を管理することと、
前記走行ユニットから受け取った前記バッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電した前記バッテリユニットを前記走行ユニットへ受け渡す受渡フェーズ(DP1)において、前記嵌合隙間に対する前記案内レールの進退を管理することとを、実行するように構成される自律走行管理システム。
【請求項8】
前記案内レールの進退を管理することは、
前記受取フェーズ及び前記受渡フェーズにおいて各別な前記案内レールの、共通な前記嵌合隙間への進退を管理することを、含む請求項7に記載の自律走行管理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記受取フェーズ及び前記受渡フェーズの順で、それら各フェーズにおける走行位置が走行ルート(DR)上に割り当てられる請求項7又は8に記載の自律走行管理システム。
【請求項10】
プロセッサ(120B)を有し、請求項2に記載の自律走行装置(10)に対する、前記充電ステーションでの充電及び前記ピッキングステーションでの前記荷物の収納を管理する自律走行管理システムであって、
前記プロセッサは、
前記走行ユニットから前記バッテリユニットを受け取る第一受取フェーズ(AP1)において、前記第一嵌合隙間に対する前記第一案内レールの進退を管理することと、
前記走行ユニットから受け取った前記バッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電した前記バッテリユニットを前記走行ユニットへ受け渡す第一受渡フェーズ(DP1)において、前記第一嵌合隙間に対する前記第一案内レールの進退を管理することと
前記走行ユニット上の前記バッテリユニットから前記収納搬送ユニットを受け取る第二受取フェーズ(AP2)において、前記第二嵌合隙間に対する前記第二案内レールの進退を管理することと、
前記走行ユニットから受け取った前記収納搬送ユニットに前記荷物を収納する収納フェーズ(RP)において、当該収納を管理することと、
前記荷物を収納した前記収納搬送ユニットを前記走行ユニット上の前記バッテリユニットへ受け渡す第二受渡フェーズ(DP2)において、前記第二嵌合隙間に対する前記第二案内レールの進退を管理することとを、実行するように構成される自律走行管理システム。
【請求項11】
前記第一案内レールの進退を管理することは、
前記第一受取フェーズ及び前記第一受渡フェーズにおいて各別な前記第一案内レールの、共通な前記第一嵌合隙間への進退を管理することを、含み、
前記第二案内レールの進退を管理することは、
前記第二受取フェーズ及び前記第二受渡フェーズにおいて各別な前記第二案内レールの、共通な前記第二嵌合隙間への進退を管理することを、含む請求項10に記載の自律走行管理システム。
【請求項12】
前記第二受取フェーズ、前記第一受取フェーズ、前記第一受渡フェーズ、及び前記第二受渡フェーズの順で、それら各フェーズにおける走行位置が走行ルート(DR)上に割り当てられる請求項10又は11に記載の自律走行管理システム。
【請求項13】
プロセッサ(120B)により実行され、請求項1に記載の自律走行装置(10)に対する、前記充電ステーションでの充電を管理する自律走行管理方法であって、
前記走行ユニットから前記バッテリユニットを受け取る受取フェーズ(AP1)において、前記嵌合隙間に対する前記案内レールの進退を管理することと、
前記走行ユニットから受け取った前記バッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電した前記バッテリユニットを前記走行ユニットへ受け渡す受渡フェーズ(DP1)において、前記嵌合隙間に対する前記案内レールの進退を管理することとを、含む自律走行管理方法。
【請求項14】
プロセッサ(120B)により実行され、請求項2に記載の自律走行装置(10)に対する、前記充電ステーションでの充電及び前記ピッキングステーションでの前記荷物の収納を管理する自律走行管理方法であって、
前記走行ユニットから前記バッテリユニットを受け取る第一受取フェーズ(AP1)において、前記第一嵌合隙間に対する前記第一案内レールの進退を管理することと、
前記走行ユニットから受け取った前記バッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電した前記バッテリユニットを前記走行ユニットへ受け渡す第一受渡フェーズ(DP1)において、前記第一嵌合隙間に対する前記第一案内レールの進退を管理することと
前記走行ユニット上の前記バッテリユニットから前記収納搬送ユニットを受け取る第二受取フェーズ(AP2)において、前記第二嵌合隙間に対する前記第二案内レールの進退を管理することと、
前記走行ユニットから受け取った前記収納搬送ユニットに前記荷物を収納する収納フェーズ(RP)において、当該収納を管理することと、
前記荷物を収納した前記収納搬送ユニットを前記走行ユニット上の前記バッテリユニットへ受け渡す第二受渡フェーズ(DP2)において、前記第二嵌合隙間に対する前記第二案内レールの進退を管理することとを、含む自律走行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電状態で自律走行する自律走行技術に、関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される自律走行装置では、自律走行するための給電を受ける走行ユニット上に、当該給電を与えるバッテリユニットが、脱着可能に結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される自律走行装置では、脱着可能バッテリユニットが走行ユニット上にボルトで結合されている。そのため、例えば荷物搬送用等の自律走行装置では、放電されたバッテリユニットの交換をタイムリーに短時間で実現して当該交換の効率化を図ることが、困難であった。
【0005】
そこで本開示の課題は、バッテリユニットの交換を効率化する自律走行装置を、提供することにある。また本開示の課題は、バッテリユニットの交換を効率化する自律走行管理システムを、提供することにある。さらに本開示の課題は、バッテリユニットの交換を効率化する自律走行管理方法を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、
自律走行管理システム(1)の充電ステーション(CS)において充電を受けた充電状態で自律走行する自律走行装置であって、
自律走行するための給電を受ける走行ユニット(DU)と、
充電状態、且つ走行ユニット上への結合状態で走行ユニットに給電可能なバッテリユニット(BU)と、
走行ユニットに対してバッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する構造であって、自律走行管理システムにおいて走行ユニットと充電ステーション側との間でバッテリユニットを案内する案内レール(131,132,5190)が進退可能な嵌合隙間(44)を、当該結合箇所に形成する脱着構造(RS)と、
バッテリユニットから走行ユニットへ嵌合隙間を介して非接触給電するための給電構造(SS)とを、備える。
【0008】
このように第一態様では、走行ユニットに対してバッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する脱着構造での、当該結合箇所に形成される嵌合隙間を介してバッテリユニットから走行ユニットへ非接触給電するために、給電構造が備えられる。そこで第一態様による嵌合隙間には、自律走行管理システムにおいて走行ユニットと充電ステーション側との間でバッテリユニットを案内する案内レールが、進退可能となっている。これによれば自律走行管理システムは、給電先の走行ユニット上から案内レールにより案内されるバッテリユニットを受け取る一方、充電ステーションで充電したバッテリユニットを案内レールにより走行ユニット上へ受け渡すことができる。故に、放電されたバッテリユニットは、充電されたバッテリユニットへとタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化が可能となる。
【0009】
本開示の第二態様は、
プロセッサ(120B)を有し、第一態様の自律走行装置(10)に対する、充電ステーションでの充電を管理する自律走行管理システムであって、
プロセッサは、
走行ユニットからバッテリユニットを受け取る受取フェーズ(AP1)において、嵌合隙間に対する案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取ったバッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電したバッテリユニットを走行ユニットへ受け渡す受渡フェーズ(DP1)において、嵌合隙間に対する案内レールの進退を管理することとを、実行するように構成される。
【0010】
本開示の第三態様は、
プロセッサ(120B)により実行され、第一態様の自律走行装置(10)に対する、充電ステーションでの充電を管理する自律走行管理方法であって、
走行ユニットからバッテリユニットを受け取る受取フェーズ(AP1)において、嵌合隙間に対する案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取ったバッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電したバッテリユニットを走行ユニットへ受け渡す受渡フェーズ(DP1)において、嵌合隙間に対する案内レールの進退を管理することとを、含む。
【0011】
このような第二及び第三態様による自律走行管理システムは、受取フェーズに走行ユニット上から案内レールにより案内されるバッテリユニットを受け取る一方、充電フェーズで充電したバッテリユニットを受渡フェーズには案内レールにより走行ユニット上へ受け渡すことができる。故に、走行ユニットへの給電により放電されたバッテリユニットは、充電ステーションにおいて充電されたバッテリユニットへと、タイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化が可能となる。
【0012】
本開示の第四態様は、第一態様において、
自律走行管理システムのピッキングステーション(PS)において荷物(9)が収納された収納状態、且つバッテリユニット上への結合状態で当該荷物を搬送する収納搬送ユニット(RTU)を、さらに備え、
脱着構造は、
走行ユニットに対してバッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する結合部であって、案内レールとしての第一案内レール(131,132,5190)が進退可能な嵌合隙間である第一嵌合隙間(44)を、当該結合箇所に形成する第一結合部(RS1)と、
走行ユニットに結合したバッテリユニットに対して収納搬送ユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する結合部であって、自律走行管理システムにおいてバッテリユニットとピッキングステーション側との間で収納搬送ユニットを案内する第二案内レール(141,142,5190)が進退可能な第二嵌合隙間(54)を、当該結合箇所に形成する第二結合部(RS2)とを、有する。
【0013】
このように第四態様による脱着構造では、走行ユニットに対してバッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する第一結合部での、当該結合箇所に形成される第一嵌合隙間を介して給電構造によりバッテリユニットから走行ユニットへの非接触給電が実現される。そこで第四態様による第一嵌合隙間には、自律走行管理システムにおいて走行ユニットと充電ステーション側との間でバッテリユニットを案内する第一案内レールが、進退可能となっている。これによれば自律走行管理システムは、給電先の走行ユニットから第一案内レールにより案内されるバッテリユニットを受け取る一方、充電ステーションで充電したバッテリユニットを案内レールにより走行ユニット上へ受け渡すことができる。故に、放電されたバッテリユニットは、充電されたバッテリユニットへとタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化が可能となる。
【0014】
さらに第四態様による脱着構造では、走行ユニットに結合したバッテリユニットに対して収納搬送ユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する第二結合部での、当該結合箇所に第二嵌合隙間が形成される。そこで第四態様による第二嵌合隙間には、自律走行管理システムにおいてバッテリユニットとピッキングステーション側との間で収納搬送ユニットを案内する第二案内レールが、進退可能となっている。これによれば自律走行管理システムは、走行ユニットに結合のバッテリユニット上から第二案内レールにより案内される収納搬送ユニットを受け取る一方、ピッキングステーションで荷物を収納した収納搬送ユニットを第二案内レールにより当該バッテリユニット上へ受け渡すことができる。故に、荷物の搬送後に収納搬送ユニットは、荷物の収納された収納搬送ユニットへとタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化も可能となる。
【0015】
本開示の第五態様は、
プロセッサ(120B)を有し、第四態様の自律走行装置(10)に対する、充電ステーションでの充電及びピッキングステーションでの荷物の収納を管理する自律走行管理システムであって、
プロセッサは、
走行ユニットからバッテリユニットを受け取る第一受取フェーズ(AP1)において、第一嵌合隙間に対する第一案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取ったバッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電したバッテリユニットを走行ユニットへ受け渡す第一受渡フェーズ(DP1)において、第一嵌合隙間に対する第一案内レールの進退を管理することと
走行ユニット上のバッテリユニットから収納搬送ユニットを受け取る第二受取フェーズ(AP2)において、第二嵌合隙間に対する第二案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取った収納搬送ユニットに荷物を収納する収納フェーズ(RP)において、当該収納を管理することと、
荷物を収納した収納搬送ユニットを走行ユニット上のバッテリユニットへ受け渡す第二受渡フェーズ(DP2)において、第二嵌合隙間に対する第二案内レールの進退を管理することとを、実行するように構成される。
【0016】
本開示の第六態様は、
プロセッサ(120B)により実行され、第四態様の自律走行装置(10)に対する、充電ステーションでの充電及びピッキングステーションでの荷物の収納を管理する自律走行管理方法であって、
走行ユニットからバッテリユニットを受け取る第一受取フェーズ(AP1)において、第一嵌合隙間に対する第一案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取ったバッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電したバッテリユニットを走行ユニットへ受け渡す第一受渡フェーズ(DP1)において、第一嵌合隙間に対する第一案内レールの進退を管理することと
走行ユニット上のバッテリユニットから収納搬送ユニットを受け取る第二受取フェーズ(AP2)において、第二嵌合隙間に対する第二案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取った収納搬送ユニットに荷物を収納する収納フェーズ(RP)において、当該収納を管理することと、
荷物を収納した収納搬送ユニットを走行ユニット上のバッテリユニットへ受け渡す第二受渡フェーズ(DP2)において、第二嵌合隙間に対する第二案内レールの進退を管理することとを、含む。
【0017】
このような第五及び第六態様による自律走行管理システムは、第一受取フェーズに走行ユニット上から第一案内レールにより案内されるバッテリユニットを受け取る一方、充電フェーズで充電したバッテリユニットを第一受渡フェーズには第一案内レールにより走行ユニット上へ受け渡すことができる。故に、走行ユニットへの給電により放電されたバッテリユニットは、充電ステーションにおいて充電されたバッテリユニットへと、タイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化が可能となる。
【0018】
さらに第五及び第六態様による自律走行管理システムは、第二受取フェーズに走行ユニット上に結合のバッテリユニットから案内レールにより案内されるバッテリユニットを受け取る一方、収納フェーズで荷物を収納した収納搬送ユニットを第二受渡フェーズには第二案内レールにより当該バッテリユニット上へ受け渡すことができる。故に、荷物の搬送後に収納搬送ユニットは、ピッキングステーションにおいて荷物の収納された収納搬送ユニットへとタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第一実施形態による自律走行管理システムを示す構成図である。
【
図2】第一実施形態による自律走行装置を示す構成図である。
【
図3】第一実施形態による自律走行装置を示すブロック図である。
【
図4】第一実施形態による自律走行装置の制御ユニットを示すブロック図である。
【
図5】第一実施形態による自律走行装置を示す縦断面図である。
【
図6】第一実施形態による自律走行装置を示す側面図である。
【
図7】第一実施形態による自律走行装置を示す斜視図である。
【
図8】第一実施形態による自律走行装置を示す斜視図である。
【
図9】第一実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図10】第一実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図11】第一実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図12】第一実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図13】第一実施形態による自律走行管理システムを示すブロック図である。
【
図14】第一実施形態による自律走行管理システムの処理装置を示すブロック図である。
【
図15】第一実施形態による管理フローを示すフローチャートである。
【
図16】第二実施形態による自律走行装置を示す側面図である。
【
図17】第二実施形態の変形例による自律走行装置を示す側面図である。
【
図18】第二実施形態の変形例による自律走行装置を示す側面図である。
【
図19】第三実施形態による自律走行装置を示す縦断面図である。
【
図20】第四実施形態による自律走行装置を示す縦断面図である。
【
図21】第四実施形態による自律走行装置を示す縦断面図である。
【
図22】第四実施形態の変形例による自律走行装置を示す縦断面図である。
【
図23】第四実施形態の変形例による自律走行装置を示す縦断面図である。
【
図24】第五実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図25】第五実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図26】第五実施形態の変形例による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図27】第五実施形態の変形例による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図28】第六実施形態による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【
図29】第六実施形態の変形例による自律走行管理システム及び自律走行装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0021】
(第一実施形態)
図1に示す第一実施形態の自律走行管理システム1は、複数の自律走行装置10に対する、充電ステーションCSでの充電及びピッキングステーションPSでの荷物9の収納を管理する。自律走行管理システム1が管理の対象とする自律走行装置10は、充電ステーションCSにおいて充電を受けた充電状態下、当該管理に従って前後左右の任意方向に自律走行可能な、車両乃至はロボットである。自律走行装置10は、道路を自律走行して荷物9を配送先へ運搬する、配送車両であってもよい。自律走行装置10は、倉庫内外を自律走行して荷物9を運搬する、物流車両であってもよい。自律走行装置10は、災害地を自律走行して物資としての荷物9を運搬する、災害支援ロボットであってもよい。自律走行装置10は、これら以外の種別であっても、勿論よい。
【0022】
図1~3に示すように自律走行装置10は、走行ユニットDU、バッテリユニットBU、収納搬送ユニットRTU、及び制御ユニットCUを備えている。尚、以下の説明では断り書きがない限り、前(f)、後(r)、上(u)、下(l)、及び横は、水平面上の自律走行装置10と、自律走行管理システム1が設置される水平面上の管理センタとを、基準に定義される。
【0023】
図2,3に示すように走行ユニットDUは、ボディ2、駆動系3、センサ系4、通信系5、地図データベース6、及び情報提示系7を含んで構成されている。ボディ2は、例えば金属等により、中空状に形成されている。ボディ2は、走行ユニットDUの他の構成要素を、内部に又は内部から外部に跨って保持している。ボディ2は、制御ユニットCUも内部に保持している。
【0024】
駆動系3には、車輪3A及び電動アクチュエータ3Bが設けられている。複数の車輪3Aは、それぞれ独立して回転可能に構成されている。複数車輪3Aのうち、ボディ2の左右に一つずつを対として一対設けられる駆動輪3Adは、それぞれ個別の電動アクチュエータ3Bにより独立して駆動される。特に本実施形態では、これら各駆動輪3Ad間での回転速度差(即ち、単位時間当たりの回転数差)に応じて、自律走行装置10の駆動状態が直進駆動と旋回駆動とのいずれかに切り替わる。
【0025】
具体的には、左右の駆動輪3Ad間での回転速度差が零値、又は零値と擬制可能な範囲では、自律走行装置10が直進駆動される。一方、左右の駆動輪3Ad間での回転速度差が増大する範囲では、自律走行装置10の旋回駆動される旋回半径が、当該回転速度差の増大に応じて縮小する。ここで旋回半径とは、ボディ2の鉛直中心線と旋回駆動の旋回中心との平面視における距離を意味することから、旋回半径が実質0に縮小される旋回駆動が、点旋回駆動となる。尚、
図2に示すように複数車輪3Aには、駆動輪3Adに従動して回転する少なくとも一つの従動輪が、含まれていてもよい。
【0026】
一対の電動アクチュエータ3Bは、それぞれ個別の電動モータを主体に構成されている。各電動アクチュエータ3Bは、それぞれ対応する駆動輪3Adを独立して回転駆動する。各電動アクチュエータ3Bは、対応する駆動輪3Adの回転中に制動を与える、ブレーキユニットを備えていてもよい。各電動アクチュエータ3Bは、対応する駆動輪3Adを停止中にロックする、ロックユニットを備えていてもよい。
【0027】
駆動系3には、予備バッテリ3Cがさらに設けられている。予備バッテリ3Cは、例えばリチウムイオン電池等の蓄電池を主体に、構成されている。予備バッテリ3Cは、後述するように走行ユニットDUと結合されたバッテリユニットBUからの供給電力を、当該バッテリユニットBUよりも小容量に蓄える。予備バッテリ3Cは、例えばワイヤハーネス等を介して、各電動アクチュエータ3B、センサ系4、通信系5、地図データベース6、情報提示系7、及び制御ユニットCUと接続されている。そこで、後述するように走行ユニットDUからバッテリユニットBUの離脱した状態下、これらの接続先に対して予備バッテリ3Cは、バッテリユニットBUに代替して電力供給可能となる。換言すれば、ユニットBU,DUとの結合解除状態下において走行ユニットDUの各電装品及び制御ユニットCUは、予備的に充電された予備バッテリ3Cから自律走行するための給電を、受けることが可能である。
【0028】
センサ系4は、自律走行装置10の自律走行に利用可能なセンシング情報を、自律走行装置10における内界及び外界のセンシングにより取得する。具体的にセンサ系4としては、内界センサ4A及び外界センサ4Bが設けられている。内界センサ4Aは、自律走行装置10の内部環境となる内界から、センシング情報としての内界情報を取得する。内界センサ4Aは、自律走行装置10の内界において特定の運動物理量を検知することで、内界情報を取得する運動検知タイプであってもよい。運動検知タイプの内界センサ4Aは、例えば速度センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサ等のうち、少なくとも一種類である。
【0029】
外界センサ4Bは、自律走行装置10の周辺環境となる外界から、センシング情報としての外界情報を取得する。外界センサ4Bは、自律走行装置10の外界に存在する物体を検知することで、外界情報を取得する物体検知タイプであってもよい。物体検知タイプの外界センサ4Bは、例えばカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、及びソナー等のうち、少なくとも一種類である。外界センサ4Bは、自律走行装置10の外界に存在するGNSS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星から測位信号を受信することで、外界情報を取得する測位タイプであってもよい。測位タイプの外界センサ4Bは、例えばGNSS受信機等である。
【0030】
通信系5は、自律走行装置10の自律走行に関連する通信情報を、自律走行装置10の外界との間における無線通信により送受信する。通信系5は、自律走行装置10の外界に存在するV2Xシステムとの間において通信情報を送受信する、V2Xタイプであってもよい。V2Xタイプの通信系5は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信機、及びセルラV2X(C-V2X)通信機等のうち、少なくとも一種類である。通信系5は、自律走行装置10の外界に存在する移動端末との間において通信情報を送受信する端末通信タイプであってもよい。端末通信タイプの通信系5は、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)機器、Wi-Fi(登録商標)機器、及び赤外線通信機器等のうち、少なくとも一種類である。
【0031】
地図データベース6は、自律走行装置10の自律走行に利用可能な地図情報を、自律走行管理システム1から通信系5を通じて取得し、記憶する。地図データベース6は、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、地図情報を記憶可能な少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を主体に、構成されている。地図データベース6に記憶される地図情報は、自律走行装置10の走行環境を表す情報として、二次元又は三次元にデータ化されている。地図情報は、例えば道路自体の位置、形状、及び路面状態等のうち、少なくとも一種類を表した道路情報を含んでいてもよい。地図情報は、例えば道路に付属する標識及び区画線の位置並びに形状等のうち、少なくとも一種類を表した標示情報を含んでいてもよい。地図情報は、例えば道路に面する建造物及び信号機の位置並びに形状等のうち、少なくとも一種類を表した構造物情報を含んでいてもよい。
【0032】
情報提示系7は、自律走行装置10の外界へ向けた報知情報を、自律走行装置10のナビゲート及び自律走行に関して提示する。情報提示系7は、自律走行装置10の外界に存在する人間の視覚を刺激することで、報知情報を提示してもよい。視覚刺激タイプの情報提示系7は、例えばモニタユニット、及び発光ユニット等のうち、少なくとも一種類である。情報提示系7は、自律走行装置10の外界に存在する人間の聴覚を刺激することで、報知情報を提示してもよい。聴覚刺激タイプの情報提示系7は、例えばスピーカ、ブザー、及びバイブレーションユニット等のうち、少なくとも一種類である。
【0033】
バッテリユニットBUは、走行ユニットDU上に機械的且つ電気的に脱着可能に、構築されている。バッテリユニットBUは、バッテリケース20、及びバッテリパック21を含んで構成されている。バッテリケース20は、例えば金属等により、中空状に形成されている。バッテリケース20は、バッテリパック21を内部に保持している。
【0034】
バッテリパック21は、例えばリチウムイオン電池等の蓄電池を主体に、構成されている。バッテリパック21は、放電により自律走行装置10の電装品へと供給可能な電力を、自律走行管理システム1における充電ステーションCS(
図1参照)の電力供給源からの充電により蓄える。バッテリパック21は、バッテリユニットBUと走行ユニットDUとの結合状態下、電動アクチュエータ3Bからの回生電力を、蓄えてもよい。バッテリユニットBUが走行ユニットDUに結合された状態下、駆動系3、センサ系4、通信系5、地図データベース6、情報提示系7、及び制御ユニットCUに対して、バッテリパック21は電力供給可能となる。換言すれば、ユニットBU,DUとの結合状態下において走行ユニットDUの各電装品及び制御ユニットCUは、充電状態のバッテリユニットBUから自律走行するための給電を、受けることが可能である。
【0035】
収納搬送ユニットRTUは、バッテリユニットBU上に機械的且つ電気的に脱着可能に、構築されている。収納搬送ユニットRTUは、搬送ボックス30を主体に構成されている。搬送ボックス30は、例えば金属又は合成樹脂等により、中空状に形成されている。搬送ボックス30には、自律走行管理システム1におけるピッキングステーションPS(
図1参照)に集められた複数荷物9の中から、各自律走行装置10別に搬送する荷物9が、同ステーションPSにおいて収納される。搬送ボックス30に荷物9の収納された収納搬送ユニットRTUは、走行ユニットDU上のバッテリユニットBU上への結合状態となることで、当行ユニットDUの自律走行により当該収納荷物9を搬送する。その結果として収納搬送ユニットRTUでは、搬送先への荷物9の運搬完了により搬送ボックス30が空状態となる。
【0036】
制御ユニットCUは、少なくとも一つの専用コンピュータを主体に構成されている。制御ユニットCUを構成する専用コンピュータは、メモリ8A及びプロセッサ8Bを、少なくとも一つずつ有している。メモリ8Aは、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。プロセッサ8Bは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも一種類をコアとして含んでいる。
【0037】
制御ユニットCUは、例えばLAN(Local Area Network)回線、ワイヤハーネス、及び内部バス等のうち少なくとも一種類を介して、駆動系3、センサ系4、通信系5、地図データベース6、及び情報提示系7に接続されている。制御ユニットCUは、それを内部に保持する走行ユニットDUとの結合状態下でのバッテリユニットBUに対して、例えばワイヤハーネス等を介して受電可能に接続される。
【0038】
制御ユニットCUは、メモリ8Aに記憶された制御プログラムの複数命令をプロセッサ8Bにより実行することで、自律走行管理システム1の管理に従いながら自律走行装置10の自律走行を制御する走行制御処理を、遂行する。このような制御系8では、走行制御処理を遂行するための機能ブロックが、複数構築される。こうして構築される機能ブロックには、
図4に示すようにバッテリ管理ブロック80、及び走行制御ブロック81が含まれている。
【0039】
バッテリ管理ブロック80は、バッテリユニットBUの充放電状態を、管理する。特にバッテリ管理ブロック80は、バッテリユニットBUの充電容量が荷物9の搬送に必要な容量下限値を下回る、充電不足状態を監視する。
【0040】
走行制御ブロック81は、自律走行装置10の自律走行として、荷物9の搬送先への運搬走行を制御する。また走行制御ブロック81は、自律走行装置10の自律走行として、自律走行管理システム1によるバッテリユニットBUの交換に必要な第一交換走行を制御する。さらに走行制御ブロック81は、自律走行装置10の自律走行として、自律走行管理システム1による収納搬送ユニットRTUの交換に必要な第二交換走行を制御する。
【0041】
ここまで説明した構成の自律走行装置10には、
図5,6に示すようにさらに、脱着構造RS及び給電構造SSが設けられている。特に脱着構造RSは、結合部RS1,RS2と位置決め部PP1,PP2とを含んで構成されている。
【0042】
図5に示すように第一結合部RS1は、走行ユニットDUに対してバッテリユニットBUを、上下方向の凹凸嵌合によって脱着可能に結合する、脱着構造RSである。第一結合部RS1は、脱着可能に互いに凹凸嵌合する走行ユニットDUの凹溝部40とバッテリユニットBUの凸条部41との複数組、並びに脱着可能に互いに凹凸嵌合する走行ユニットDUの凸条部42とバッテリユニットBUの凹溝部43との複数組、を備えている。換言すれば第一結合部RS1は、走行ユニットDUの凹溝部40とバッテリユニットBUの凸条部41との複数組、並びに走行ユニットDUの凸条部42とバッテリユニットBUの凹溝部43との複数組、の各組毎によって凹凸嵌合を構築している。
【0043】
図5~7に示すように、走行ユニットDUにおいて凹溝部40と凸条部42は、横方向Xに交互に複数ずつ並んで配置され、それぞれ前後方向Yに沿って直線状に延伸している。バッテリユニットBUにおいて凸条部41と凹溝部43は、ユニットDU,BUの結合状態における横方向Xに交互に複数ずつ配置され、それぞれ当該結合状態での前後方向Yに沿って直線状に延伸している。これら凹溝部40,43及び凸条部41,42に共通な延伸方向は、自律走行管理システム1において後述の
図9,10に示すように案内レール131,132がユニットDU,BU間へ進退する進退側から、反対側へ向かう前後方向Yと実質一致する。
【0044】
走行ユニットDUの横方向Xに沿った
図5の縦断面では、矩形凹状な各凹溝部40同士の幅と、矩形凸状な各凸条部41同士の幅とが、それぞれ実質的に共通化されている。同様に、ユニットDU,BUの結合状態における横方向Xに沿った縦断面では、矩形凸状な各凸条部42同士の幅と、矩形凹状な各凹溝部43同士の幅とが、それぞれ実質的に共通化されている。
【0045】
図5~7,9,10に示すように第一結合部RS1の凹凸嵌合による結合箇所には、自律走行管理システム1の案内レール131,132が進退可能な第一嵌合隙間44が、複数形成される。特に各第一嵌合隙間44は、走行ユニットDUの凹溝部40とバッテリユニットBUの凸条部41との組毎に、それぞれ凹溝部40の内面部と凸条部41の頂面部とによって囲まれた空間状に、画成される。これらの各第一嵌合隙間44は、第一結合部RS1の凹凸嵌合による結合が解除されることで、走行ユニットDUからバッテリユニットBUが離脱している間、画成を解かれる。そこで各第一嵌合隙間44は、走行ユニットDUの凸条部42とバッテリユニットBUの凹溝部43との組毎に、凸条部42の頂面部と凹溝部43の底面部とが上下に接触することで、脱着の繰り返しに拘わらず設定サイズの空間状に確保可能となっている。
【0046】
図6に示すように第一位置決め部PP1は、第一結合部RS1により脱着可能な凹凸嵌合対象のうち、一方であるバッテリユニットBUを他方の走行ユニットDUに対して、それらユニットBU,DUの結合状態で前後方向Yに位置決めする。第一位置決め部PP1は、
図6,7に示すように走行ユニットDUの各凸条部42から、さらに上側へと突出する位置決め爪45,46を、複数ずつ備えている。
【0047】
各後方位置決め爪45は、前後方向Yにおいて走行ユニットDUの後端に設けられている。各後方位置決め爪45は、走行ユニットDUと結合状態のバッテリユニットBUを前後方向Yの後側から係止することで、同方向Yに位置決めする係止部45Aを、形成している。ここで各後方位置決め爪45の係止部45Aは、上側に向かうほど前後方向Yの後側に傾斜する斜面状に、形成されている。これにより各後方位置決め爪45の係止部45Aは、走行ユニットDU上において横方向X及び前後方向Yに沿った水平姿勢のバッテリユニットBUを、斜面状の下端により係止可能となっている。さらに各後方位置決め爪45の係止部45Aは、後述の
図9の如く案内レール131を通じて受け取られる際のバッテリユニットBUを、走行ユニットDUに対して当該レール131の進退する前側とは反対側から、斜面状の例えば全面等によって係止可能となっている。
【0048】
図6,7に示すように各前方位置決め爪46は、前後方向Yにおいて走行ユニットDUの前端に設けられている。各前方位置決め爪46は、走行ユニットDUと結合状態のバッテリユニットBUを前後方向Yの前側から係止することで、同方向Yに位置決めする係止部46Aを、形成している。ここで各前方位置決め爪46の係止部46Aは、上側に向かうほど前後方向Yの前側に傾斜する斜面状に、形成されている。これにより各前方位置決め爪46の係止部46Aは、走行ユニットDU上において横方向X及び前後方向Yに沿った水平姿勢のバッテリユニットBUを、斜面状の下端により係止可能となっている。さらに各前方位置決め爪46の係止部46Aは、後述の
図10の如く案内レール132から受け渡される際のバッテリユニットBUを、走行ユニットDUに対して当該レール132の進退する後側とは反対側から、斜面状の例えば全面等によって係止可能となっている。
【0049】
図5に示すように給電構造SSは、バッテリユニットBUから走行ユニットDUへ各第一嵌合隙間44を介して非接触給電可能に、構築されている。給電構造SSは、各第一嵌合隙間44を絶縁層とした電界結合式の非接触給電を実現するために、バッテリユニットBUにおける電極部47と走行ユニットDUにおける電極部48との複数組を、備えている。バッテリユニットBUにおける電極部47と走行ユニットDUにおける電極部48とは、それらユニットBU,DUの結合状態で各第一嵌合隙間44を挟む箇所、即ち凸条部41と凹溝部40と各組に、それぞれ設けられている。
【0050】
バッテリユニットBUにおいて各電極部47は、それぞれ対応する凸条部41の頂面部に配置されることで、非接触給電の送電アンテナ部を構成している。バッテリユニットBUでは、バッテリパック21に蓄えられた充電電力を出力するように、ユニットBU,DUの結合状態下において各電極部47に高周波電流が印加される。
【0051】
走行ユニットDUにおいて各電極部48は、それぞれ対応する凹溝部40の内面部のうち底面部に配置されることで、非接触給電の受電アンテナ部を構成している。走行ユニットDUでは、ユニットBU,DUの結合状態下においてバッテリユニットBUにおける各電極部47に高周波電流が印加されるのに応じて、各電極部48にも高周波電流が流れることで、バッテリユニットBUから電力が伝送される。こうして伝送された電力は、駆動系3、センサ系4、通信系5、地図データベース6、情報提示系7、及び制御ユニットCUに対して、例えばワイヤハーネス等を介して分配される。
【0052】
ユニットDU,BUの結合状態における横方向Xに沿った
図5の縦断面では、バッテリユニットBUにおける電極部47同士の幅が、各々の配置先となる各凸条部41同士の幅に準じて、実質的に共通化されている。同様に、ユニットDU,BUの結合状態における横方向Xに沿った縦断面では、走行ユニットDUにおける電極部48同士の幅が、各々の配置先となる各凹溝部40同士の幅に準じて、実質的に共通化されている。
【0053】
図5に示すように第二結合部RS2は、走行ユニットDUに結合したバッテリユニットBUに対して、さらに収納搬送ユニットRTUを上下方向の凹凸嵌合によって脱着可能に結合する、脱着構造RSである。第二結合部RS2は、脱着可能に互いに凹凸嵌合するバッテリユニットBUの凹溝部50と収納搬送ユニットRTUの凸条部51との複数組、並びに脱着可能に互いに凹凸嵌合するバッテリユニットBUの凸条部52と収納搬送ユニットRTUの凹溝部53との複数組、を備えている。換言すれば第二結合部RS2は、バッテリユニットBUの凹溝部50と収納搬送ユニットRTUの凸条部51との複数組、並びにバッテリユニットBUの凸条部52と収納搬送ユニットRTUの凹溝部53との複数組、の各組毎によって凹凸嵌合を構築している。
【0054】
図5,6,8に示すように、バッテリユニットBUにおいて凹溝部50と凸条部52は、ユニットDU,BUの結合状態における横方向Xに交互に複数ずつ並んで配置され、それぞれ前後方向Yに沿って直線状に延伸している。収納搬送ユニットRTUにおいて凸条部51と凹溝部53は、走行ユニットDU上でのユニットBU,RTUの結合状態における横方向Xに交互に複数ずつ配置され、それぞれ当該結合状態での前後方向Yに沿って直線状に延伸している。これら凹溝部50,53及び凸条部51,52に共通な延伸方向は、自律走行管理システム1において後述の
図11,12に示すように案内レール141,142がユニットBU,RTU間へ進退する進退側から、反対側へ向かう前後方向Yと実質一致する。
【0055】
走行ユニットDU上でのユニットBU,RTUの結合状態における横方向Xに沿った
図5の縦断面では、矩形凹状な各凹溝部50同士の幅と、矩形凸状な各凸条部51同士の幅とは、それぞれ実質的に共通化されている。同様に、走行ユニットDU上でのユニットBU,RTUの結合状態における横方向Xに沿った縦断面では、矩形凸状な各凸条部52同士の幅と、矩形凹状な各凹溝部53同士の幅とは、それぞれ実質的に共通化されている。
【0056】
図5,6,8,11,12に示すように第二結合部RS2の凹凸嵌合による結合箇所には、自律走行管理システム1の案内レール141,142が進退可能な第二嵌合隙間54が、複数形成される。各第二嵌合隙間54は、バッテリユニットBUの凹溝部50と収納搬送ユニットRTUの凸条部51との組毎に、それぞれ凹溝部50の内面部と凸条部51の頂面部とによって囲まれた空間状に、画成される。これらの各第二嵌合隙間54は、第二結合部RS2の凹凸嵌合による結合が解除されることで、走行ユニットDU上のバッテリユニットBUから収納搬送ユニットRTUが離脱している間、画成を解かれる。そこで各第二嵌合隙間54は、バッテリユニットBUの凸条部52と収納搬送ユニットRTUの凹溝部53との組毎に、凸条部52の頂面部と凹溝部53の底面部とが上下に接触することで、脱着の繰り返しに拘わらず設定サイズの空間状に確保可能となっている。
【0057】
図6に示すように第二位置決め部PP2は、第二結合部RS2により脱着可能な凹凸嵌合対象のうち、一方である収納搬送ユニットRTUを他方のバッテリユニットBUに対して、それらユニットRTU,BUの走行ユニットDU上での結合状態で前後方向Yに位置決めする。第二位置決め部PP2は、
図6,8に示すように走行ユニットDU上においてバッテリユニットBUの各凸条部52から、さらに上側への突出姿勢となる複数の位置決め爪55,56を、備えている。
【0058】
各後方位置決め爪55は、走行ユニットDU上に結合したバッテリユニットBUにおいて前後方向Yの後端となる箇所に、設けられている。各後方位置決め爪55は、走行ユニットDU上においてバッテリユニットBUと結合状態の収納搬送ユニットRTUを前後方向Yの後側から係止することで、同方向Yに位置決めする係止部55Aを、形成している。ここで各後方位置決め爪55の係止部55Aは、上側に向かうほど前後方向Yの後側に傾斜する斜面状に、形成されている。これにより各後方位置決め爪55の係止部55Aは、走行ユニットDU上且つバッテリユニットBU上において横方向X及び前後方向Yに沿った水平姿勢の収納搬送ユニットRTUを、斜面状の下端により係止可能となっている。さらに各後方位置決め爪55の係止部55Aは、後述の
図11の如く案内レール141を通じて受け取られる際の収納搬送ユニットRTUを、バッテリユニットBUに対して当該レール141の進退する前側とは反対側から、斜面状の例えば全面等によって係止可能となっている。
【0059】
図6,8に示すように各前方位置決め爪56は、走行ユニットDU上に結合したバッテリユニットBUにおいて前後方向Yの前端となる箇所に、設けられている。各前方位置決め爪56は、走行ユニットDU上においてバッテリユニットBUと結合状態の収納搬送ユニットRTUを前後方向Yの前側から係止することで、同方向Yに位置決めする係止部56Aを、形成している。ここで各前方位置決め爪56の係止部56Aは、上側に向かうほど前後方向Yの前側に傾斜する斜面状に、形成されている。これにより各前方位置決め爪56の係止部56Aは、走行ユニットDU上且つバッテリユニットBU上において横方向X及び前後方向Yに沿った水平姿勢の収納搬送ユニットRTUを、斜面状の下端により係止可能となっている。さらに各前方位置決め爪56の係止部56Aは、後述の
図12の如く案内レール142から受け渡される際の収納搬送ユニットRTUを、バッテリユニットBUに対し当該レール142の進退する後側とは反対側から、斜面状の例えば全面等によって係止可能となっている。
【0060】
図1に示す自律走行管理システム1は、複数の自律走行装置10を遠隔管理する、管理センタにおいて構築されている。自律走行管理システム1の構造基盤となるインフラ系は、充電サブシステム130及びピッキングサブシステム140を備えている。充電サブシステム130は、充電ステーションCSと共に、第一案内レール131、132、及び第一コンベアユニット135,136を含んで構成されている。ピッキングサブシステム140は、ピッキングステーションPSと共に、第二案内レール141,142、第二コンベアユニット145,146を含んで構成されている。
【0061】
図1,9に示すように、自律走行装置10の走行ユニットDUからバッテリユニットBUを受け取る側の第一案内レール(以下、受取側第一案内レールという)131は、それらユニットDU,BU間の各第一嵌合隙間44に対して個別に進退可能に、複数設けられている。各受取側第一案内レール131は、バッテリユニットBUの受取位置へ向かうほど下側へ傾斜して延伸する姿勢に、配置されている。各受取側第一案内レール131は、それぞれ固定レール部131Aに支持された可動コンベア部131Bの同期駆動により、充電不足状態のバッテリユニットBUを走行ユニットDUから受け取る。
【0062】
バッテリユニットBUを受け取る側の第一コンベアユニット(以下、受取側第一コンベアユニットという)135は、複数の受取側第一案内レール131から充電ステーションCSまでの経路に沿って、少なくとも一つ設けられている。受取側第一コンベアユニット135は、固定ベース部135Aに支持された可動コンベア部135Bの駆動により、各受取側第一案内レール131から受け取った充電不足状態のバッテリユニットBUを、充電ステーションCSまで運搬する。
【0063】
図1に示す充電ステーションCSでは、受取側第一コンベアユニット135により運搬されてきた充電不足状態のバッテリユニットBUが、所定の充電スポットにセットされる。充電ステーションCSでは、充電スポットにセットされたバッテリユニットBUのバッテリパック21が、電力供給源から供給される電力により自動又は手動で充電される。
【0064】
図1,10に示すように、自律走行装置10の走行ユニットDUへバッテリユニットBUを受け渡す側の第一コンベアユニット(以下、受渡側第一コンベアユニットという)136は、充電ステーションCSから当該受渡側での複数の第一案内レール(以下、受渡側第一案内レールという)132までの経路に沿って、少なくとも一つ設けられている。受渡側第一コンベアユニット136は、固定ベース部136Aに支持された可動コンベア部136Bの駆動により、充電ステーションCSから受け取った満充電状態のバッテリユニットBUを、各受渡側第一案内レール132まで運搬する。
【0065】
受渡側第一案内レール132は、ユニットDU,BU間の各第一嵌合隙間44に対して個別に進退可能に、複数設けられている。各受渡側第一案内レール132は、バッテリユニットBUの受渡位置へ向かうほど下側へ傾斜して延伸する姿勢に、配置されている。各受渡側第一案内レール132は、それぞれ固定ベース部132Aに支持された可動コンベア部132Bの同期駆動により、受渡側第一コンベアユニット136から受け取った満充電状態のバッテリユニットBUを走行ユニットDUへ受け渡す。
【0066】
このように自律走行管理システム1の充電サブシステム130では、各受取側第一案内レール131と各受渡側第一案内レール132とが個別に、走行ユニットDUと充電ステーションCS側との間においてバッテリユニットBUを案内する。
【0067】
図1,11に示すように、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUから収納搬送ユニットRTUを受け取る側の第二案内レール(以下、受取側第二案内レールという)141は、それらユニットBU,RTU間の各第二嵌合隙間54に対して個別に進退可能に、複数設けられている。各受取側第二案内レール141は、収納搬送ユニットRTUの受取位置へ向かうほど下側へ傾斜して延伸する姿勢に、配置されている。各受取側第二案内レール141は、それぞれ固定レール部141Aに支持された可動コンベア部141Bの同期駆動により、空状態の収納搬送ユニットRTUをバッテリユニットBUから受け取る。
【0068】
収納搬送ユニットRTUを受け取る側の第二コンベアユニット(以下、受取側第二コンベアユニットという)145は、複数の受取側第二案内レール141からピッキングステーションPSまでの経路に沿って、少なくとも一つ設けられている。受取側第二コンベアユニット145は、固定ベース部145Aに支持された可動コンベア部145Bの駆動により、各受取側第二案内レール141から受け取った空状態の収納搬送ユニットRTUを、ピッキングステーションPSまで運搬する。
【0069】
図1に示すピッキングステーションPSでは、受取側第二コンベアユニット145により運搬されてきた空状態の収納搬送ユニットRTUが、所定の収納スポットにセットされる。ピッキングステーションPSでは、収納スポットにセットされた収納搬送ユニットRTUの搬送ボックス30に、搬送予定の荷物9が自動又は手動で収納される。
【0070】
図1,12に示すように、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUへ収納搬送ユニットRTUを受け渡す側の第二コンベアユニット(以下、受渡側第二コンベアユニットという)146は、ピッキングステーションPSから当該受渡側での複数の第二案内レール(以下、受渡側第二案内レールという)142までの経路に沿って、少なくとも一つ設けられている。受渡側第二コンベアユニット146は、固定ベース部146Aに支持された可動コンベア部146Bの駆動により、ピッキングステーションPSから受け取った荷物収納状態の収納搬送ユニットRTUを、各受渡側第二案内レール142まで運搬する。
【0071】
受渡側第二案内レール142は、ユニットBU,RTU間の各第二嵌合隙間54に対して個別に進退可能に、複数設けられている。各受渡側第二案内レール142は、収納搬送ユニットRTUの受渡位置へ向かうほど下側へ傾斜して延伸する姿勢に、配置されている。各受渡側第二案内レール142は、それぞれ固定ベース部142Aに支持された可動コンベア部142Bの同期駆動により、受渡側第二コンベアユニット146から受け取った荷物収納状態の収納搬送ユニットRTUをバッテリユニットBUへ受け渡す。
【0072】
このように自律走行管理システム1のピッキングサブシステム140では、各受取側第二案内レール141と各受渡側第二案内レール142とが個別に、バッテリユニットBUとピッキングステーションPS側との間において収納搬送ユニットRTUを案内する。
【0073】
図13に示すように、自律走行管理システム1においてインフラ系を制御する制御系は、地図データベース100及び通信系110と共に処理装置120を備える、例えばクラウドサーバ、及びエッジサーバ等のうち、少なくとも一種類である。地図データベース100は、各自律走行装置10を管理するために利用される地図情報を、最新情報に随時更新して記憶する。自律走行管理システム1における地図データベース100の構成は、自律走行装置10における地図データベース6の構成に準ずるが、管理対象とする全自律走行装置10の自律走行エリア(以下、管理エリアという)をカバー可能な大容量の地図情報を記憶する。
【0074】
通信系110は、各自律走行装置10の通信系5と間において通信可能なV2Xシステムの少なくとも一部を担う、通信機器を主体に構成されている。処理装置120は、有線通信回線及び無線通信回線のうち少なくとも一種類を介して、地図データベース100及び通信系110に接続されている。各自律走行装置10の将来走行に関して、例えば荷物9の搬送先情報、走行ルート情報、及びスケジュール情報等を含んで、通信系110を通じて取得される目標走行情報は、処理装置120に随時与えられる、又は処理装置120により計画されるとよい。各自律走行装置10の管理エリアに関して、地図データベース100の地図情報以外にも、例えば走行路情報、交通情報、及びシーン情報等のうち、通信系110を通じて取得される少なくとも一種類の環境情報が、処理装置120には随時与えられるとよい。
【0075】
処理装置120は、少なくとも一つの専用コンピュータを含んで構成されている。処理装置120を構成する専用コンピュータは、メモリ120A及びプロセッサ120Bを、少なくとも一つずつ有している。処理装置120におけるメモリ120A及びプロセッサ120Bの構成は、自律走行装置10における制御ユニットCUのメモリ8A及びプロセッサ8Bの構成に準ずるが、それら後者のメモリ8A及びプロセッサ8Bよりも高機能な構成となっている。
【0076】
自律走行管理システム1において処理装置120は、メモリ120Aに記憶された処理プログラムの複数命令を、プロセッサ120Bにより実行することで、各自律走行装置10に対して充電及び荷物9の収納を管理する、管理処理を遂行する。このような処理装置120では、管理処理を遂行するための機能ブロックが、複数構築される。こうして構築される機能ブロックには、
図14に示すように、受取管理ブロック150,160、受渡管理ブロック151,161、充電管理ブロック170、及び収納管理ブロック180が含まれている。
【0077】
第一受取管理ブロック150は、自律走行装置10の走行ユニットDUから充電不足のバッテリユニットBUを受け取る処理として、各第一嵌合隙間44に対する各受取側第一案内レール131の進退処理を含む第一受取処理を、管理する。第一受渡管理ブロック151は、自律走行装置10の走行ユニットDUへ満充電のバッテリユニットBUを受け渡す処理として、各第一嵌合隙間44に対する各受渡側第一案内レール132の進退処理を含む第一受渡処理を、管理する。このような第一受取管理ブロック150と第一受渡管理ブロック151とにより後述の
図15に示す、第一受取フェーズAP1と第一受渡フェーズDP1とには、各別な受取側第一案内レール131と受渡側第一案内レール132との、共通な第一嵌合隙間44への進退が
図1の如く管理される。
【0078】
図14に示す第二受取管理ブロック160は、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUから空の収納搬送ユニットRTUを受け取る処理として、各第二嵌合隙間54に対する各受取側第二案内レール141の進退処理を含む第二受取処理を、管理する。第二受渡管理ブロック161は、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUへ荷物入りの収納搬送ユニットRTUを受け渡す処理として、各第二嵌合隙間54に対する各受渡側第二案内レール142の進退処理を含む第二受渡処理を、管理する。このような第二受取管理ブロック160と第二受渡管理ブロック161とにより、後述の
図15に示す第二受取フェーズAP2と第二受渡フェーズDP2とには、各別な受取側第二案内レール141と受渡側第二案内レール142との、共通な第二嵌合隙間54への進退が
図1の如く管理される。
【0079】
図14に示す充電管理ブロック170は、自律走行装置10における走行ユニットDUから受け取ったバッテリユニットBUの、充電ステーションCSによる充電処理を管理する。収納管理ブロック180は、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUから受け取った収納搬送ユニットRTUへの、ピッキングステーションPSによる荷物9の収納処理を管理する。
【0080】
これらのブロック150,151,160,161,170,180の共同により、自律走行管理システム1において処理装置120が各自律走行装置10に対する充電及び荷物収納を管理する管理方法は、
図15に示す管理フローとして実行される。このとき管理される各自律走行装置10では、上述したブロック80,81の共同により、当該管理に従う充放電管理及び走行制御が
図15の如く実現される。尚、本管理フローは、自律走行管理システム1の起動中に繰り返し実行される。また、本管理フローにおける各「S」は、ナビゲートプログラムに含まれた複数命令により実行される複数ステップを、それぞれ意味している。
【0081】
S101において自律走行管理システム1の第二受取管理ブロック160は、荷物9が空の収納搬送ユニットRTUを搬送している自律走行装置10に対して、第二交換走行を経た当該ユニットRTUの交換を、通信系110,5を通じて指令する。このとき第二受取管理ブロック160では、例えば搬送タスク等の制御タスクをいずれも未実行な自律走行装置10の中から、次に搬送予定の荷物9に適した自律走行装置10が、選定される。
【0082】
収納搬送ユニットRTUの交換指令を受けた自律走行装置10の走行制御ブロック81は、S201において自律走行管理システム1の各受取側第二案内レール141による同ユニットRTUの受取位置にまで、走行ユニットDUの走行位置を制御する。このとき走行制御ブロック81は、各受取側第二案内レール141が前後方向Yの前側から各第二嵌合隙間54へと進入するように、走行ユニットDUの走行位置を微調整して収納搬送ユニットRTUの受取位置に到達させる。
【0083】
S102において自律走行管理システム1の第二受取管理ブロック160は、各受取側第二案内レール141が各第二嵌合隙間54に進入した自律走行装置10に対して、第二受取フェーズAP2における第二受取処理を遂行する。具体的に第二受取管理ブロック160は、各受取側第二案内レール141の可動コンベア部141Bを同期駆動することで、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUから収納搬送ユニットRTUを受け取る。さらに第二受取管理ブロック160は、受取側第二コンベアユニット145の可動コンベア部145Bも駆動することで、受け取った収納搬送ユニットRTUをピッキングステーションPSにまで運搬する。
【0084】
S103において自律走行管理システム1の収納管理ブロック180は、ピッキングステーションPSに運搬されてきた収納搬送ユニットRTUに対して、収納フェーズRPにおける収納処理を遂行する。このときピッキングステーションPSでは、空状態の収納搬送ユニットRTUが、収納スポットにセットされる。さらにピッキングステーションPSでは、収納スポットにセットされた収納搬送ユニットRTUに、搬送予定の荷物9が自動又は手動で収納される。
【0085】
S103とは並行して自律走行管理システム1の第一受取管理ブロック150は、第二受取処理により収納搬送ユニットRTUの離脱した自律走行装置10に対して、充電の要否を、S104により通信系110,5を通じて問い合わせる。
【0086】
問い合わせを受けた自律走行装置10のバッテリ管理ブロック80は、予定先への荷物9の搬送に必要な容量下限値をバッテリユニットBUの充電容量が下回る、充電不足状態か否かを、S202において判定する。S202において肯定判定が下された場合にバッテリ管理ブロック80は、バッテリユニットBUに対する充電要を、S203により通信系5,110を通じて自律走行管理システム1にレスポンスする。
【0087】
充電要のレスポンスを受け取った場合の自律走行管理システム1において第一受取管理ブロック150は、充電要の自律走行装置10に対して、第一交換走行を経たバッテリユニットBUの交換を、S105により通信系110,5を通じて指令する。
【0088】
バッテリユニットBUの交換指令を受けた自律走行装置10の走行制御ブロック81は、各受取側第二案内レール141が各第二嵌合隙間54から退出するように、S204により走行ユニットDUの走行位置を収納搬送ユニットRTUの受取位置から離脱させる。さらにS204において走行制御ブロック81は、自律走行管理システム1の各受取側第一案内レール131によるバッテリユニットBUの受取位置にまで、走行ユニットDUの走行位置を制御する。このとき走行制御ブロック81は、各受取側第一案内レール131が前後方向Yの前側から各第一嵌合隙間44へと進入するように、走行ユニットDUの走行位置を微調整してバッテリユニットBUの受取位置に到達させる。
【0089】
S106において自律走行管理システム1の第一受取管理ブロック150は、各受取側第一案内レール131が各第一嵌合隙間44に進入した自律走行装置10に対して、第一受取フェーズAP1における第一受取処理を遂行する。具体的に第一受取管理ブロック150は、各受取側第一案内レール131の可動コンベア部131Bを同期駆動することで、自律走行装置10における走行ユニットDUからバッテリユニットBUを受け取る。さらに第一受取管理ブロック150は、受取側第一コンベアユニット135の可動コンベア部135Bを駆動することで、受け取ったバッテリユニットBUを充電ステーションCSにまで運搬する。
【0090】
S107において自律走行管理システム1の充電管理ブロック170は、充電ステーションCSに運搬されてきたバッテリユニットBUに対して、充電フェーズCPにおける充電処理を遂行する。このとき充電ステーションCSでは、充電不足状態のバッテリユニットBUが、充電スポットにセットされる。さらに充電ステーションCSでは、充電スポットにセットされたバッテリユニットBUが、電力供給源からの供給電力により自動又は手動で充電される。バッテリユニットBUは、満充電状態となるまで充電された後、S202の肯定判定を与えた充電要の自律走行装置10、即ち当該満充電状態のユニットBUへの交換を必要とする自律走行装置10が決定されるまで、充電ステーションCSに保管される。
【0091】
S107とは並行して自律走行管理システム1の第一受渡管理ブロック151は、S106の第一受取処理によりバッテリユニットBUの離脱した自律走行装置10に対して、第一交換走行を経たバッテリユニットBUの引き取りを、S108により通信系110,5を通じて指令する。
【0092】
バッテリユニットBUの引取指令を受けた自律走行装置10の走行制御ブロック81は、各受取側第一案内レール131が各第一嵌合隙間44から退出するように、S205により走行ユニットDUの走行位置をバッテリユニットBUの受取位置から離脱させる。さらにS205において走行制御ブロック81は、自律走行管理システム1の各受渡側第一案内レール132によるバッテリユニットBUの受渡位置にまで、走行ユニットDUの走行位置を制御する。このとき走行制御ブロック81は、各受渡側第一案内レール132が前後方向Yの後側から各第一嵌合隙間44へと進入するように、走行ユニットDUの走行位置を微調整してバッテリユニットBUの受渡位置に到達させる。
【0093】
S109において自律走行管理システム1の第一受渡管理ブロック151は、各受渡側第一案内レール132が各第一嵌合隙間44に進入した自律走行装置10に対して、第一受渡フェーズDP1における第一受渡処理を遂行する。具体的に第一受渡管理ブロック151は、受渡側第一コンベアユニット136の可動コンベア部136Bを駆動することで、過去の107による満充電状態のバッテリユニットBUを充電ステーションCSから受渡位置へ運搬する。さらに第一受渡管理ブロック151は、各受渡側第一案内レール132の可動コンベア部132Bを同期駆動することで、自律走行装置10における走行ユニットDUへバッテリユニットBUを受け渡して結合させる。
【0094】
自律走行管理システム1の第二受渡管理ブロック161は、第一受渡処理によりバッテリユニットBUが結合された場合の自律走行装置10に対して、第二交換走行を経た収納搬送ユニットRTUの引き取りを、S110により通信系110,5を通じて指令する。
【0095】
収納搬送ユニットRTUの引取指令を受けた自律走行装置10の走行制御ブロック81は、各受渡側第一案内レール132が各第一嵌合隙間44から退出するように、S206により走行ユニットDUの走行位置をバッテリユニットBUの受渡位置から離脱させる。さらにS206において走行制御ブロック81は、自律走行管理システム1の各受渡側第二案内レール142による収納搬送ユニットRTUの受渡位置にまで、走行ユニットDUの走行位置を制御する。このとき走行制御ブロック81は、各受渡側第二案内レール142が前後方向Yの後側から各第二嵌合隙間54へと進入するように、走行ユニットDUの走行位置を微調整して収納搬送ユニットRTUの受渡位置に到達させる。
【0096】
上述のS202において否定判定が下された場合に自律走行装置10のバッテリ管理ブロック80は、バッテリユニットBUに対する充電否を、通信系5,110を通じて自律走行管理システム1にレスポンスする(図示は省略)。そこで、充電否のレスポンスを受け取った場合の自律走行管理システム1においてS110の第二受渡管理ブロック161は、バッテリユニットBUが結合したままの自律走行装置10に対して、第二交換走行を経た収納搬送ユニットRTUの引き取りを、通信系110,5を通じて指令する。
【0097】
充電否のレスポンスに対する引取指令を受けた場合の自律走行装置10において走行制御ブロック81は、各受取側第二案内レール141が各第二嵌合隙間54から退出するように、S206により走行ユニットDUの走行位置を収納搬送ユニットRTUの受取位置から離脱させる。さらに、この場合におけるS206の走行制御ブロック81は、自律走行管理システム1の各受渡側第二案内レール142による収納搬送ユニットRTUの受渡位置にまで、上述と同様にして走行ユニットDUの走行位置を制御する。
【0098】
S111において自律走行管理システム1の第二受渡管理ブロック161は、各受渡側第二案内レール142が各第二嵌合隙間54に進入した自律走行装置10に対して、第二受渡フェーズDP2における第二受渡処理を遂行する。具体的に第二受渡管理ブロック161は、受渡側第二コンベアユニット146の可動コンベア部146Bを駆動することで、直前又は過去の103による荷物収納状態の収納搬送ユニットRTUをピッキングステーションPSから受渡位置へ運搬する。さらに第二受渡管理ブロック161は、各受渡側第二案内レール142の可動コンベア部142Bを同期駆動することで、自律走行装置10における走行ユニットDU上のバッテリユニットBUへ収納搬送ユニットRTUを受け渡して結合させる。
【0099】
荷物9入の収納搬送ユニットRTUが結合された自律走行装置10の走行制御ブロック81は、S207により当該荷物9を予定先へ搬送してから管理センタへ帰還するように、走行ユニットDUの運搬走行を制御する。ここまでの説明から
図1に示すように、運搬走行前後となる管理センタでの待機期間において、特にS202が肯定判定となる場合には、第二受取フェーズAP2、第一受取フェーズAP1、第一受渡フェーズDP1、及び第二受渡フェーズDP2の順で、それら各フェーズにおける自律走行装置10の走行位置が走行ルートDR上に割り当てられることとなる。
【0100】
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0101】
第一実施形態の脱着構造RSでは、走行ユニットDUに対してバッテリユニットBUを凹凸嵌合により脱着可能に結合する第一結合部RS1での、当該結合箇所に形成される第一嵌合隙間44を介してバッテリユニットBUから走行ユニットDUへ非接触給電するために、給電構造SSが備えられる。そこで第一実施形態による第一嵌合隙間44には、自律走行管理システム1において走行ユニットDUと充電ステーションCS側の間でバッテリユニットBUを案内する第一案内レール131,132が、進退可能となっている。これによれば自律走行管理システム1は、給電先の走行ユニットDU上から受取側第一案内レール131により案内されるバッテリユニットBUを受け取る一方、充電ステーションCSで充電したバッテリユニットBUを受渡側第一案内レール132により走行ユニットDU上へ受け渡すことができる。故に、放電されたバッテリユニットBUは、充電されたバッテリユニットBUへとタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化が可能となる。
【0102】
第一実施形態による脱着構造RSの係止部46Aは、脱着可能な凹凸嵌合対象の一方であるバッテリユニットBUを他方の走行ユニットDUに対して、受渡側第一案内レール132の進退側とは反対側から係止する。これによれば、受渡側第一案内レール132により受け渡される際のバッテリユニットBUを、走行ユニットDU上で非接触給電に必要な姿勢となるよう、係止部46Aにより係止して正確に位置決めすることができる。故に、バッテリユニットBUの効率的な交換を、高い信頼性をもって実現することが可能となる。
【0103】
第一実施形態による脱着構造RSでは、各第一案内レール131,132毎の進退側から反対側へ向かって延伸する凸条部41,42と凹溝部40,43とにより、第一結合部RS1での脱着可能な凹凸嵌合が構築される。これによれば、受取側第一案内レール131による走行ユニットDU上からのバッテリユニットBUの受け取りも、受渡側第一案内レール132による走行ユニットDU上へのバッテリユニットBUの受け渡しも、凸条部41,42及び凹溝部40,43に共通な延伸方向においてスムーズに遂行することができる。故に、バッテリユニットBUの交換効率を高めることが可能となる。
【0104】
第一実施形態による脱着構造RSの第一位置決め部PP1は、走行ユニットDUの前後方向Yに延伸した各部40~43により脱着可能な、凹凸嵌合対象の一方であるバッテリユニットBUを他方の走行ユニットDUに対して、当該前後方向Yに位置決めする。これによれば、受渡側第一案内レール132により走行ユニットDU上へスムーズに受け渡され得たバッテリユニットBUを、走行ユニットDU上で非接触給電に必要な姿勢に位置決めしたまま、第一位置決め部PP1により自律走行中も保持することができる。故に、バッテリユニットBUの効率的な交換後における走行ユニットDUの適正な自律走行を、保証することが可能となる。
【0105】
第一実施形態による給電構造SSは、バッテリユニットBU及び走行ユニットDUの各々において第一嵌合隙間44を挟む箇所に設けられる電極部47,48を通じて、バッテリユニットBUから走行ユニットDUへ非接触給電する。これによれば、第一嵌合隙間44を挟む両側に可及的に小サイズに構築可能な電極部47,48を設けて、バッテリユニットBUを効率的に交換可能な自律走行装置10の小型化を図ることが可能となる。
【0106】
第一実施形態による自律走行管理システム1では、第一受取フェーズAP1に走行ユニットDU上から受取側第一案内レール131により案内されるバッテリユニットBUを受け取る一方、充電フェーズCPで充電したバッテリユニットBUを第一受渡フェーズDP1には受渡側第一案内レール132により走行ユニットDU上へと受け渡すことができる。故に、走行ユニットDUへの給電により放電されたバッテリユニットBUは、充電ステーションCSにおいて充電されたバッテリユニットBUへタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化が可能となる。
【0107】
第一実施形態の第一受取フェーズAP1及び第一受渡フェーズDP1では、各別な第一案内レール131,132に関して、共通な第一嵌合隙間44への進退が管理される。そこで第一実施形態では、第一受取フェーズAP1、及び第一受渡フェーズDP1の順で、それら各フェーズにおける走行位置が走行ルートDR上に割り当てられることとなる。これによれば、受取側第一案内レール131による走行ユニットDU上からのバッテリユニットBUの受取後に、当該受取とは別な受渡側第一案内レール132による走行ユニットDU上へのバッテリユニットBUの受渡を、走行ルートDRに沿ってスムーズに遂行することができる。故に、バッテリユニットBUの交換効率を高めることが可能となる。
【0108】
第一実施形態による脱着構造RSでは、走行ユニットDUに結合したバッテリユニットBUに対して収納搬送ユニットRTUを凹凸嵌合により脱着可能に結合する第二結合部RS2での、当該結合箇所に第二嵌合隙間54が形成される。そこで第一実施形態による第二嵌合隙間54には、自律走行管理システム1においてバッテリユニットBUとピッキングステーションPS側との間で収納搬送ユニットRTUを案内する第二案内レール141,142が、進退可能となっている。これによれば自律走行管理システム1は、走行ユニットDUに結合のバッテリユニットBU上から受取側第二案内レール141により案内される収納搬送ユニットRTUを受け取る一方、ピッキングステーションPSで荷物9を収納した収納搬送ユニットRTUを受渡側第二案内レール142により当該バッテリユニットBU上へ受け渡すことができる。故に、荷物9の搬送後に収納搬送ユニットRTUは、荷物9の収納された収納搬送ユニットRTUへとタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化も可能となる。
【0109】
第一実施形態による脱着構造RSの係止部56Aは、脱着可能な凹凸嵌合対象の一方である収納搬送ユニットRTUを他方のバッテリユニットBUに対して、受渡側第二案内レール142の進退側とは反対側から係止する。これによれば、受渡側第二案内レール142により受け渡される際の収納搬送ユニットRTUを、バッテリユニットBU上での荷物搬送に適した姿勢となるよう、係止部56Aにより係止して正確に位置決めすることができる。故に、収納搬送ユニットRTUの効率的な交換も、高い信頼性をもって実現することが可能となる。
【0110】
第一実施形態による脱着構造RSでは、各第二案内レール141,142毎の進退側から反対側へ向かって延伸する凸条部51,52と凹溝部50,53とにより、第二結合部RS2での脱着可能な凹凸嵌合が構築される。これによれば、受取側第二案内レール141によるバッテリユニットBU上からの収納搬送ユニットRTUの受け取りも、受渡側第二案内レール142によるバッテリユニットBU上への収納搬送ユニットRTUの受け渡しも、凸条部51,52及び凹溝部50,53に共通な延伸方向においてスムーズに遂行することができる。故に、収納搬送ユニットRTUの交換効率も高めることが可能となる。
【0111】
第一実施形態による脱着構造RSの第二位置決め部PP2は、走行ユニットDUの前後方向Yに延伸した各部50~53により脱着可能な、凹凸嵌合対象の一方である収納搬送ユニットRTUを他方のバッテリユニットBUに対して、当該前後方向Yに位置決めする。これによれば、受渡側第二案内レール142によりバッテリユニットBU上へスムーズに受け渡され得た納搬送ユニットRTUを、バッテリユニットBU上での荷物搬送に適した姿勢に位置決めしたまま、第二位置決め部PP2により自律走行中も保持することができる。故に、収納搬送ユニットRTUの効率的な交換後における適正な荷物搬送を、保証することが可能となる。
【0112】
第一実施形態による自律走行管理システム1では、第二受取フェーズAP2に走行ユニットDU上に結合のバッテリユニットBUから受取側第二案内レール141により案内されるバッテリユニットBUを受け取る一方、収納フェーズRPで荷物9を収納した収納搬送ユニットRTUを第二受渡フェーズDP2には受渡側第二案内レール142により当該バッテリユニットBU上へと受け渡すことができる。故に、荷物9の搬送後に収納搬送ユニットRTUは、ピッキングステーションPSにおいて荷物9の収納された収納搬送ユニットRTUへタイムリーに短時間で交換され得るので、当該交換の効率化も可能となる。
【0113】
第一実施形態の第二受取フェーズAP2及び第二受渡フェーズDP2では、各別な第二案内レール141,142に関して、共通な第二嵌合隙間54への進退が管理される。そこで第一実施形態では、第二受取フェーズAP2、第一受取フェーズAP1、第一受渡フェーズDP1、及び第二受渡フェーズDP2の順で、それら各フェーズにおける走行位置が走行ルートDR上に割り当てられることとなる。これによれば、受取側の第二及び第一案内レール141,131による走行ユニットDU上からの収納搬送ユニットRTU及びバッテリユニットBUの順次受取後に、当該順次受取とは別な受渡側の第一及び第二案内レール132,142による走行ユニットDU上へのバッテリユニットBU及び収納搬送ユニットRTUの順次受渡を、走行ルートDRに沿ってスムーズに遂行することができる。故に、バッテリユニットBU及び収納搬送ユニットRTUの交換効率を、共に高めることが可能となる。
【0114】
(第二実施形態)
第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0115】
図16に示すように第二実施形態の第一位置決め部PP1において走行ユニットDUに複数設けられる後方位置決め爪2045の係止部2045Aは、上下方向及び横方向Xに広がる鉛直平面状に形成されている。これにより、各後方位置決め爪2045の係止部2045Aは、平面状の全面によりバッテリユニットBUを、前後方向Yの後側から係止して位置決め可能となっている。
【0116】
各後方位置決め爪2045の係止部2045Aは、受取側第一案内レール131を通じて受け取られる際のバッテリユニットBUを、走行ユニットDUに対して当該レール131の進退する前側とは反対側から、平面状の上端により係止可能である。さらに各後方位置決め爪2045の係止部2045Aは、受渡側第一案内レール132を通じて受け渡される際のバッテリユニットBUも、走行ユニットDUに対して当該レール132の進退する前側とは反対側から、平面状の上端により係止可能となっている。そこで管理フローのS205では、走行ルートDR上において走行ユニットDUが例えば180度等の点旋回駆動に制御されてから、走行位置をバッテリユニットBUの受渡位置に微調整されることとなる。
【0117】
このように、第二実施形態による脱着構造RSの係止部2045Aは、脱着可能な凹凸嵌合対象の一方であるバッテリユニットBUを他方の走行ユニットDUに対して、受渡側第一案内レール132の進退側とは反対側から係止する。これによれば、受渡側第一案内レール132により受け渡される際のバッテリユニットBUを、走行ユニットDU上で非接触給電に必要な姿勢となるよう、係止部2045Aにより係止して正確に位置決めすることができる。故に、バッテリユニットBUの効率的な交換を、高い信頼性をもって実現することが可能となる。
【0118】
図16に示すように第二実施形態の第二位置決め部PP2において走行ユニットDUに複数設けられる後方位置決め爪2055の係止部2055Aは、上下方向及び横方向Xに広がる鉛直平面状に形成されている。これにより、各後方位置決め爪2055の係止部2055Aは、平面状の全面により収納搬送ユニットRTUを、前後方向Yの後側から係止して位置決め可能となっている。
【0119】
各後方位置決め爪2055の係止部2055Aは、受取側第二案内レール141を通じて受け取られる際の収納搬送ユニットRTUを、走行ユニットDUに対して当該レール141の進退する前側とは反対側から、平面状の上端により係止可能である。さらに各後方位置決め爪2055の係止部2055Aは、受渡側第二案内レール142を通じて受け渡される際の収納搬送ユニットRTUも、走行ユニットDUに対して当該レール142の進退する前側とは反対側から、平面状の上端により係止可能となっている。そこで管理フローのS206では、走行ルートDR上において走行ユニットDUが例えば180度等の点旋回駆動に制御されてから、走行位置を収納搬送ユニットRTUの受渡位置に微調整されることになる。
【0120】
このように、第二実施形態による脱着構造RSの係止部2055Aは、脱着可能な凹凸嵌合対象の一方である収納搬送ユニットRTUを他方のバッテリユニットBUに対して、受渡側第二案内レール142の進退側とは反対側から係止する。これによれば、受渡側第二案内レール142により受け渡される際の収納搬送ユニットRTUを、バッテリユニットBU上での荷物搬送に適した姿勢となるよう、係止部2055Aにより係止して正確に位置決めすることができる。故に、収納搬送ユニットRTUの効率的な交換も、高い信頼性をもって実現することが可能となる。
【0121】
尚、
図17に示すように第二実施形態の変形例では、第一位置決め部PP1において複数の前方位置決め爪46が省かれていてもよい。この場合にはさらに
図18に示すように、走行ユニットDU上において横方向Xには沿うが、前後方向Yに対しては傾斜した姿勢のバッテリユニットBUを、各後方位置決め爪2045の係止部2045Aが係止してもよい。尚、
図18では、バッテリユニットBUの傾斜姿勢に応じて凹溝部40,43及び凸条部41,42の各延伸方向も前後方向Yに対して傾斜しているが、バッテリユニットBUの傾斜姿勢に拘わら凹溝部40,43及び凸条部41,42のの各延伸方向が前後方向Yと実質一致していてもよい。
【0122】
図17に示すように第二実施形態の変形例では、第二位置決め部PP2において複数の前方位置決め爪56が省かれていてもよい。この場合にはさらに
図18に示すように、走行ユニットDU上且つバッテリユニットBU上において横方向Xには沿うが、前後方向Yに対しては傾斜した姿勢の収納搬送ユニットRTUを、各後方位置決め爪2055の係止部2055Aが係止してもよい。尚、
図18では、収納搬送ユニットRTUの傾斜姿勢に応じて凹溝部50,53及び凸条部51,52の各延伸方向も前後方向Yに対して傾斜しているが、収納搬送ユニットRTUの傾斜姿勢に拘わらず凹溝部50,53及び凸条部51,52の各延伸方向が前後方向Yと実質一致していてもよい。
【0123】
第二実施形態の変形例では、第一位置決め部PP1において後方位置決め爪2045に代わる第一実施形態の後方位置決め爪45が設けられることで、第二位置決め部PP2の後方位置決め爪2055のみが採用されてもよい。第二実施形態の変形例では、第二位置決め部PP2において後方位置決め爪2055に代わる第一実施形態の後方位置決め爪55が設けられることで、第一位置決め部PP1の後方位置決め爪2045のみが採用されてもよい。
【0124】
第一及び第二実施形態の変形例では、第一位置決め部PP1において位置決め爪45,46,2045が省かれていてもよい。第一及び第二実施形態の変形例では、第一位置決め部PP1において位置決め爪45,46,2045の代わりに、ユニットDU,BUの一方と他方とにそれぞれ設けられた、半球状の突部と円錐状又はテーパ状の孔部との脱着容易な嵌合構造により、前後方向Yの位置決めが実現されてもよい。第一及び第二実施形態の変形例では、第一位置決め部PP1において位置決め爪45,46,2045の代わりに、バッテリユニットBUに設けられた電磁駆動式の突部と、走行ユニットDUに設けられた孔部との脱着可能な嵌合構造により、前後方向Yの位置決めが実現されてもよい。
【0125】
第一及び第二実施形態の変形例では、第二位置決め部PP2において位置決め爪55,56,2055が省かれていてもよい。第一及び第二実施形態の変形例では、第二位置決め部PP2において位置決め爪55,56,2055の代わりに、ユニットBU,RTUの一方と他方とにそれぞれ設けられた、半球状の突部と円錐状又はテーパ状の孔部との脱着容易な嵌合構造により、前後方向Yの位置決めが実現されてもよい。第一及び第二実施形態の変形例では、第二位置決め部PP2において位置決め爪55,56,2055の代わりに、バッテリユニットBUに設けられた電磁駆動式の突部と、収納搬送ユニットRTUに設けられた孔部との脱着可能な嵌合構造により、前後方向Yの位置決めが実現されてもよい。
【0126】
(第三実施形態)
第三実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0127】
図19に示すように、ユニットDU,BUの結合状態における横方向Xに沿った第三実施形態の縦断面では、矩形凹状な各凹溝部40,3040同士の幅が相異なっており、それに応じて矩形凸状な各凸条部41,3041同士の幅も相異なっている。具体的に横方向Xにおいて中央に位置する凹溝部3040の幅は、その両側に位置する凹溝部40の幅よりも大きく設定されている。同様に、横方向Xにおいて中央に位置する凸条部3041の幅は、その両側に位置する凸条部41の幅よりも大きく設定されている。
【0128】
第三実施形態の給電構造SSでは、バッテリユニットBUにおける電極部3047と走行ユニットDUにおける電極部3048とが、それらユニットBU,DUの結合状態で横方向Xにおける中央位置の第一嵌合隙間44を挟んだ箇所、即ち凸条部3041と凹溝部3040との一組に、それぞれ設けられている。これにより第三実施形態では、バッテリユニットBU及び走行ユニットDUにおいて電極部3047,3048の第一嵌合隙間44を挟んだ各対向面積を可及的に大きく確保して、給電電力の増大を図ることが可能となっている。
【0129】
(第四実施形態)
第四実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0130】
図20に示すように、第四実施形態の第一結合部RS1においてバッテリユニットBUに複数設けられる凸条部4041は、下側に向かうほど横方向Xの幅が狭くなる台形状に、共通化されている。そこで各凸条部4041は、走行ユニットDUにおいてそれぞれ対応する凹溝部40の上端に、即ち横方向Xにおいて当該対応凹溝部40の両側に位置する凸条部42のエッジに、楔状に凹凸嵌合可能となっている。
【0131】
このような楔状の凹凸嵌合により第四実施形態では、走行ユニットDUに対してバッテリユニットBUの横方向Xでの位置ずれを、抑制することが可能となっている。また第四実施形態では、楔状の凹凸嵌合により各第一嵌合隙間44は、それぞれ凸条部4041の頂面部と凹溝部40の内面部とによって囲まれた設定サイズの空間部を、脱着の繰り返しに拘わらず確保可能となっている。尚、第一結合部RS1においてバッテリユニットBUに台形溝状に複数設けられる凹溝部4043の底面部は、走行ユニットDUにおいてそれぞれ対応する凸条部42の頂面部に対して、上下にクリアランスを空けて対向するように構成される。
【0132】
図21に示すように、第四実施形態の第二結合部RS2において収納搬送ユニットRTUに複数設けられる凸条部4051は、走行ユニットDU上でのユニットBU,RTUの結合状態において下側に向かうほど横方向Xの幅が狭くなる台形状に、共通化されている。そこで各凸条部4051は、走行ユニットDU上のバッテリユニットBUにおいてそれぞれ対応する凹溝部50の上端に、即ち横方向Xにおいて当該対応凹溝部50の両側に位置する凸条部52のエッジに、楔状に凹凸嵌合可能となっている。
【0133】
このような楔状の凹凸嵌合により第四実施形態では、走行ユニットDU上のバッテリユニットBUに対して収納搬送ユニットRTUの横方向Xでの位置ずれを、抑制することが可能となっている。また第四実施形態では、楔状の凹凸嵌合により各第二嵌合隙間54は、それぞれ凸条部4051の頂面部と凹溝部50の内面部とによって囲まれた設定サイズの空間部を、脱着の繰り返しに拘わらず確保可能となっている。尚、第二結合部RS2において収納搬送ユニットRTUに台形溝状に複数設けられる凹溝部4053の底面部は、走行ユニットDU上のバッテリユニットBUにおいてそれぞれ対応する凸条部52の頂面部に対して、上下にクリアランスを空けて対向するように構成される。
【0134】
尚、
図22に示すように第四実施形態の変形例では、凹溝部40の上端に、即ち凸条部42のエッジに各凸条部4041の根元が凹凸嵌合することで、凸条部42の頂面部と凹溝部4043の底面部とが上下に接触していてもよい。同様に
図23に示すように第四実施形態の変形例では、凹溝部50の上端に、即ち凸条部52のエッジに各凸条部4051の根元が凹凸嵌合することで、凸条部52の頂面部と凹溝部4053の底面部とが上下に接触していてもよい。
【0135】
第四実施形態の変形例では、第一結合部RS1において凸条部4041に代わる第一実施形態の凸条部41が設けられることで、第二結合部RS2の凸条部4051のみが採用されてもよい。第四実施形態の変形例では、第二結合部RS2において凸条部4051に代わる第一実施形態の凸条部51が設けられることで、第一結合部RS1の凸条部4041のみが採用されてもよい。
【0136】
(第五実施形態)
第五実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0137】
図24,25に示すように第五実施形態では、各案内レール131,132,141,142毎に可動コンベア部131B,132B,141B,142Bが設けられない代わりに、各案内レール131,132,141,142を補助する補助案内レール5190が追加されている。補助案内レール5190は、それぞれ対応する複数案内レール131,132,141,142が並ぶ横方向Xの片側に、当該対応レールに準ずる傾斜姿勢に配置されている。補助案内レール5190では、固定レール部5190Aに支持された可動コンベア部5190Bが駆動されることで、それぞれ対応した複数案内レール131,132,141,142によるバッテリユニットBU又は収納搬送ユニットRTUの案内が、比較的簡素な構成で実現可能となっている。このような補助案内レール5190は、嵌合隙間44,54に対する進退対象から
図24(但し、嵌合隙間44に対する例)に示すように外されていてもよいし、当該進退対象に
図26に変形例(但し、嵌合隙間44に対する例)を示すように設定されていてもよい。
【0138】
尚、
図27に示すように第六実施形態の変形例では、受渡側の複数案内レール132,142上且つ進退対象の補助案内レール5190上に、案内対象であるバッテリユニットBU又は収納搬送ユニットRTUの重力による搬送速度を制御するために、駆動ゲート5191が追加されていてもよい。具体的に駆動ゲート5191は、下側ほど先細りな略V字状に一対配置されるゲートバー同士の挟む角度を、案内対象の搬送に従って漸次減少させるとよい。これにより駆動ゲート5191は、搬送速度の制御された案内対象を、それらゲートバーの間から安全に自律走行装置10へ受渡可能となる。
【0139】
(第六実施形態)
第六実施形態は、第五実施形態の変形例である。
【0140】
図28,29に示すように第六実施形態では、可動コンベア部131B,132B,141B,142Bが設けられない各案内レール131,132,141,142を補助する要素として、補助案内レール5190に代わる補助コンベアユニット6192が追加されている。補助コンベアユニット6192は、それぞれ対応する複数案内レール131,132,141,142及びコンベアユニット135,136,145,146の間を、当該対応レールに準ずる傾斜姿勢で繋いでいる。補助コンベアユニット6192では、固定レール部6192Aに支持された可動コンベア部6192Bが駆動されることで、それぞれ対応した複数案内レール131,132,141,142によるバッテリユニットBU又は収納搬送ユニットRTUの案内が、比較的簡素な構成で実現可能となっている。
【0141】
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0142】
第一~第六実施形態の変形例において、制御ユニットCU及び/又は処理装置120構成する専用コンピュータが、デジタル回路及びアナログ回路のうち少なくとも一方をプロセッサとして、有していてもよい。ここでデジタル回路とは、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを記憶したメモリを、有していてもよい。
【0143】
第一~第六実施形態の変形例では、走行ユニットDUに設けられた凸条部41,3041,4041及び凹溝部43,4043と、バッテリユニットBUに設けられた凹溝部40,3040及び凸条部42とから、第一結合部RS1の凹凸嵌合が構築されてもよい。第一~第六実施形態の変形例では、走行ユニットDUに設けられた凸条部51,3051,4051及び凹溝部53,4053と、バッテリユニットBUに設けられた凹溝部50,3050及び凸条部52とから、第二結合部RS2の凹凸嵌合が構築されてもよい。
【0144】
第一~第六実施形態の変形例では、凹溝部40,43,3040,4043及び凸条部41,42,3041,4041に共通な延伸方向は、案内レール131,132がユニットDU,BU間へ進退する進退側から反対側へ向かう、横方向Xと実質一致していてもよい。第一~第六実施形態の変形例では、凹溝部50,53,3050,4053及び凸条部51,52,3051,4051に共通な延伸方向は、案内レール141,142がユニットBU,RTU間へ進退する進退側から反対側へ向かう、横方向Xと実質一致していてもよい。
【0145】
第一~第六実施形態の変形例では、電界結合式の非接触給電を実現する給電構造SS以外にも、例えば電磁結合式、又は磁界共鳴式等の非接触給電を実現する給電構造SSが、採用されてもよい。第一~第六実施形態の変形例では、各駆動輪3Adの回転差を利用して旋回する走行ユニットDU以外にも、例えば自動車等の如く車輪3Aを操舵して旋回する走行ユニットDUが、採用されてよい。
【0146】
第一~第六実施形態の変形例では、収納搬送ユニットRTUによる荷物9の搬送を目的としない自律走行装置10、又は収納搬送ユニットRTUがバッテリユニットBUに一体化された自律走行装置10、の管理に適用されてもよい。この場合、収納搬送ユニットRTUの受取及び受渡に関する、ピッキングサブシステム140の構成とフェーズAP2,DP2での処理とのうち少なくとも当該処理は、省かれてもよい。但し、収納搬送ユニットRTUがバッテリユニットBUに一体化された自律走行装置10では、充電サブシステム130がピッキングサブシステム140の機能を兼ねることで、充電ステーションCSによりピッキングステーションPSの機能が果たされてもよい。
【0147】
第一~第六実施形態の変形例では、バッテリユニットBUに関する第一受取フェーズAP1と第一受渡フェーズDP1とにおいて、共通の第一案内レール131が嵌合隙間44に対する進退対象として採用されてもよい。第一~第六実施形態の変形例では、収納搬送ユニットRTUに関する第二受取フェーズAP2と第二受渡フェーズDP2とにおいて、共通の第二案内レール141が嵌合隙間54に対する進退対象として採用されてもよい。第一~第六実施形態の変形例では、収納搬送ユニットRTUに収納された荷物9をピッキングステーションPSにおいて回収することを目的として、当該回収荷物入りの収納搬送ユニットRTUが自律走行管理システム1へ受け渡されていてもよい。
【0148】
(付言)
本明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
【0149】
(技術的思想1)
自律走行管理システム(1)の充電ステーション(CS)において充電を受けた充電状態で自律走行する自律走行装置であって、
自律走行するための給電を受ける走行ユニット(DU)と、
充電状態、且つ走行ユニット上への結合状態で走行ユニットに給電可能なバッテリユニット(BU)と、
走行ユニットに対してバッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する構造であって、自律走行管理システムにおいて走行ユニットと充電ステーション側との間でバッテリユニットを案内する案内レール(131,132,5190)が進退可能な嵌合隙間(44)を、当該結合箇所に形成する脱着構造(RS)と、
バッテリユニットから走行ユニットへ嵌合隙間を介して非接触給電するための給電構造(SS)とを、備える自律走行装置。
【0150】
(技術的思想2)
自律走行管理システムのピッキングステーション(PS)において荷物(9)が収納された収納状態、且つバッテリユニット上への結合状態で当該荷物を搬送する収納搬送ユニット(RTU)を、さらに備え、
脱着構造は、
走行ユニットに対してバッテリユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する結合部であって、案内レールとしての第一案内レール(131,132,5190)が進退可能な嵌合隙間である第一嵌合隙間(44)を、当該結合箇所に形成する第一結合部(RS1)と、
走行ユニットに結合したバッテリユニットに対して収納搬送ユニットを凹凸嵌合により脱着可能に結合する結合部であって、自律走行管理システムにおいてバッテリユニットとピッキングステーション側との間で収納搬送ユニットを案内する第二案内レール(141,142,5190)が進退可能な第二嵌合隙間(54)を、当該結合箇所に形成する第二結合部(RS2)とを、有する技術的思想1に記載の自律走行装置。
【0151】
(技術的思想3)
脱着構造は、
脱着可能な凹凸嵌合対象の一方を他方に対して、案内レールの進退側とは反対側から係止する係止部(45A,46A,55A,56A,2045A,2055A)を、有する技術的思想1又は2に記載の自律走行装置。
【0152】
(技術的思想4)
脱着構造は、
案内レールの進退側から反対側へ向かって延伸する凸条部(41,42,51,52,3041,3051,4041,4051)と、案内レールの進退側から反対側へ向かって延伸する凹溝部(40,43,50,53,3040,3050,4043,4053)とにより、脱着可能な凹凸嵌合を構築する技術的思想1~3のいずれか一項に記載の自律走行装置。
【0153】
(技術的思想5)
脱着構造は、
走行ユニットの前後方向(Y)に沿って延伸する凸条部及び凹溝部と、
脱着可能な凹凸嵌合対象の一方を他方に対して、走行ユニットの前後方向に位置決めする位置決め部(PP1,PP2)とを、有する技術的思想4に記載の自律走行装置。
【0154】
(技術的思想6)
給電構造は、
バッテリユニット及び走行ユニットの各々において嵌合隙間を挟む箇所に設けられ、バッテリユニットから走行ユニットへ非接触給電する電極部(47,48,3047,3048)を、有する技術的思想1~5のいずれか一項に記載の自律走行装置。
【0155】
(技術的思想7)
プロセッサ(120B)を有し、技術的思想1~6のいずれか一項に記載の自律走行装置(10)に対する、充電ステーションでの充電を管理する自律走行管理システムであって、
プロセッサは、
走行ユニットからバッテリユニットを受け取る受取フェーズ(AP1)において、嵌合隙間に対する案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取ったバッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電したバッテリユニットを走行ユニットへ受け渡す受渡フェーズ(DP1)において、嵌合隙間に対する案内レールの進退を管理することとを、実行するように構成される自律走行管理システム。
【0156】
(技術的思想8)
案内レールの進退を管理することは、
受取フェーズ及び受渡フェーズにおいて各別な案内レールの、共通な嵌合隙間への進退を管理することを、含む技術的思想7に記載の自律走行管理システム。
【0157】
(技術的思想9)
プロセッサは、
受取フェーズ及び受渡フェーズの順で、それら各フェーズにおける走行位置が走行ルート(DR)上に割り当てられる技術的思想7又は8に記載の自律走行管理システム。
【0158】
(技術的思想10)
プロセッサ(120B)を有し、技術的思想2~6のいずれか一項に記載の自律走行装置(10)に対する、充電ステーションでの充電及びピッキングステーションでの荷物の収納を管理する自律走行管理システムであって、
プロセッサは、
走行ユニットからバッテリユニットを受け取る第一受取フェーズ(AP1)において、第一嵌合隙間に対する第一案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取ったバッテリユニットを充電する充電フェーズ(CP)において、当該充電を管理することと、
充電したバッテリユニットを走行ユニットへ受け渡す第一受渡フェーズ(DP1)において、第一嵌合隙間に対する第一案内レールの進退を管理することと
走行ユニット上のバッテリユニットから収納搬送ユニットを受け取る第二受取フェーズ(AP2)において、第二嵌合隙間に対する第二案内レールの進退を管理することと、
走行ユニットから受け取った収納搬送ユニットに荷物を収納する収納フェーズ(RP)において、当該収納を管理することと、
荷物を収納した収納搬送ユニットを走行ユニット上のバッテリユニットへ受け渡す第二受渡フェーズ(DP2)において、第二嵌合隙間に対する第二案内レールの進退を管理することとを、実行するように構成される自律走行管理システム。
【0159】
(技術的思想11)
第一案内レールの進退を管理することは、
第一受取フェーズ及び第一受渡フェーズにおいて各別な第一案内レールの、共通な第一嵌合隙間への進退を管理することを、含み、
第二案内レールの進退を管理することは、
第二受取フェーズ及び第二受渡フェーズにおいて各別な第二案内レールの、共通な第二嵌合隙間への進退を管理することを、含む技術的思想10に記載の自律走行管理システム。
【0160】
(技術的思想12)
第二受取フェーズ、第一受取フェーズ、第一受渡フェーズ、及び第二受渡フェーズの順で、それら各フェーズにおける走行位置が走行ルート(DR)上に割り当てられる技術的思想10又は11に記載の自律走行管理システム。
【0161】
尚、以上の技術的思想1~12は、自律走行管理方法の形態で実現されてもよい。
【符号の説明】
【0162】
1:自律走行管理システム、9:荷物、10:自律走行装置、40,43,50,53,3040,3050,4043,4053:凹溝部、41,42,51,52,3041,3051,4041,4051:凸条部、44:第一嵌合隙間、45A,46A,55A,56A,2045A,2055A:係止部、47,48,3047,3048:電極部、54:第二嵌合隙間、120B:プロセッサ、131,132,5190:第一案内レール、141,142,5190:第二案内レール、BU:バッテリユニット、CS:充電ステーション、DR:走行ルート、DU:走行ユニット、PP1:第一位置決め部、PP2:位置決め部、PS:ピッキングステーション、RS:脱着構造、RS1:第一結合部、RS2:第二結合部、RTU:収納搬送ユニット、SS:給電構造、Y:前後方向