(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】RU装置、DU装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20250415BHJP
H04B 17/16 20150101ALI20250415BHJP
H04B 17/29 20150101ALI20250415BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20250415BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20250415BHJP
H04W 92/16 20090101ALI20250415BHJP
【FI】
H04W24/04
H04B17/16
H04B17/29 100
H04W28/04
H04W88/08
H04W92/16
(21)【出願番号】P 2023501703
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(86)【国際出願番号】 JP2021006805
(87)【国際公開番号】W WO2022180670
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-08-02
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度 総務省「5Gの普及・展開のための基盤技術に関する研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】菱 右京
(72)【発明者】
【氏名】中田 昌志
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176289(JP,A)
【文献】特開2013-251795(JP,A)
【文献】特開2005-110096(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0245740(US,A1)
【文献】特開2016-152548(JP,A)
【文献】ウメシュ アニール他3名,無線アクセスネットワークのオープン化・インテリジェント化に向けた標準化動向, O-RANフロントホール仕様概要,NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol.27 No.1 [online],一般社団法人電気通信協会,2019年04月30日,第27巻第1号,43~55,Internet:<URL:https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol27_1/vol27_1_008jp.pdf>,[検索日 2024.10.04]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04B 17/16
H04B 17/29
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信する受信部と、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する送信部と、を備え
、
前記受信部は、
前記DU装置もしくは前記マネジメント装置から前記所定の基準と、C-Planeデータであるパケットを計測するか、U-Planeデータであるパケットを計測するか、もしくは、C-Planeデータ及びU-Planeデータの両方のパケットを計測するかを示す計測対象のパケット種別とを受信する、RU装置。
【請求項2】
前記パケットに関する統計情報は、
前記DU装置との通信に異常が発生していることを示す情報である、請求項1に記載のRU装置。
【請求項3】
前記パケットに関する統計情報は、
前記DU装置から送信された前記パケットを正常に受信することができる期間である受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットに関する情報である、請求項2に記載のRU装置。
【請求項4】
前記送信部は、
前記受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットの数が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、請求項3に記載のRU装置。
【請求項5】
前記送信部は、
前記受信ウィンドウを含む期間において受信したすべてのパケットに対する前記受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットの数の割合が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、請求項3に記載のRU装置。
【請求項6】
前記パケットに関する統計情報は、
エラーを含むパケットに関する情報である、請求項2に記載のRU装置。
【請求項7】
前記送信部は、
前記エラーを含むパケットの数もしくは前記エラーを含むパケットの数に関する割合が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、請求項6に記載のRU装置。
【請求項8】
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、DU装置が実行するレイヤよりも下位のレイヤの処理を実行するRU装置からパケットを受信する受信部と、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、ネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する送信部と、を備え
、
前記受信部は、
前記マネジメント装置から前記所定の基準と、C-Planeデータであるパケットを計測するか、U-Planeデータであるパケットを計測するか、もしくは、C-Planeデータ及びU-Planeデータの両方のパケットを計測するかを示す計測対象のパケット種別とを受信する、DU装置。
【請求項9】
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置もしくはマネジメント装置から所定の基準と、C-Planeデータであるパケットを計測するか、U-Planeデータであるパケットを計測するか、もしくは、C-Planeデータ及びU-Planeデータの両方のパケットを計測するかを示す計測対象のパケット種別とを受信し、
前記D
U装置からパケットを受信し、
受信した前記パケットに関する統計情報が
前記所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する、RU装置において実行される通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はRU装置、DU装置、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基地局のベースバンド部と無線部とを切り離し、ベースバンド部と無線部とをフロントホールを介して接続する無線アクセスネットワークが用いられている。O-RAN(Open-Radio Access Network)アライアンスにおいて規定されたO-RANフロントホール仕様は、無線部に相当するO-RU(O-RAN Radio Unit)とベースバンド部に相当するO-DU(O-RAN Distributed Unit)との間のフロントホールの仕様を規定している。O-RANフロントホール仕様は、O-DUのベンダと異なるベンダのO-RUとの接続を容易にし、無線アクセスネットワークのマルチベンダ化を実現することを一つの目的としている。
【0003】
非特許文献1には、O-RUとO-DUとの間において管理用データを送信するために規定されるM(Management)-Planeに関する仕様が規定されている。また、非特許文献1には、O-RUが、O-DUから受信したパケットを集計して統計情報を生成することが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】O-RAN.WG4.MP.0-v03.00
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1には、O-DUまたはO-RUが生成した統計情報の具体的な活用方法が開示されていない。この点は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)に規定されているLTE(Long Term Evolution)において採用されているC-RAN(Centralized Radio Access Network)においても同様に言える。
【0006】
本開示の目的は、分離された基地局の機能を実行するRU装置及びDU装置において生成されたパケットの統計情報を活用する手段を備えるRU装置、DU装置、通信システム、通信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかるRU(Remote Unit)装置は、複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信する受信部と、受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する送信部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかるDU装置は、複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、DU装置が実行するレイヤよりも下位のレイヤの処理を実行するRU装置からパケットを受信する受信部と、受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、ネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する送信部と、を備える。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる通信システムは、複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、一部のレイヤ処理を実行するRU装置と、前記RU装置との間においてパケットを送受信し、前記RU装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU装置と、前記RU装置及び前記DU装置を含むネットワークを管理するマネジメント装置と、を備える通信システムであって、前記RU装置及び前記DU装置の少なくとも一方は、受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記マネジメント装置へアラーム信号を送信し、前記マネジメント装置は、前記アラーム信号を送信する前記RU装置、及び前記アラーム信号を送信する前記DU装置、の少なくとも一方へ、前記所定の基準を送信する。
【0010】
本開示の第4の態様にかかる通信方法は、複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信し、受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する。
【0011】
本開示の第5の態様にかかるプログラムは、複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信し、受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示により、分離された基地局の機能を実行するRU装置及びDU装置において生成されたパケットの統計情報を有効に活用することができるRU装置、DU装置、通信システム、通信方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1にかかるRU装置の構成図である。
【
図2】実施の形態1にかかるDU装置の構成図である。
【
図3】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかる遅延管理の方法を説明する図である。
【
図5】実施の形態2にかかる管理データの設定処理の流れを示す図である。
【
図6】実施の形態2にかかるアラーム送信処理の流れを示す図である。
【
図7】実施の形態4にかかる通信システムの構成図である。
【
図8】実施の形態5にかかる通信システムの構成図である。
【
図9】実施の形態6にかかる通信システムの構成図である。
【
図10】それぞれの実施の形態にかかるRU装置等の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を用いて実施の形態1にかかるRU装置10の構成例について説明する。RU装置は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0015】
RU装置10は、複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、より下位のレイヤの処理を実行するものであってもよい。一方、DU装置20は、RU装置10が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するものであってもよい。RU装置10は、RU装置10が形成する通信エリア内に存在する通信端末と、無線通信を行う。通信端末は、例えば、スマートフォン端末、IoT(Internet of Things)端末等であってもよい。もしくは、通信端末は、3GPPにおいてUE(User Equipment)として規定されている装置であってもよい。基地局は、例えば、3GPPにおいてLTE(Long Term Evolution)をサポートする基地局として既定されているeNB(evolved Node B)であってもよく、いわゆる5Gをサポートする基地局であってもよい。
【0016】
RU装置10は、受信部11及び送信部12を有している。受信部11及び送信部12は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、受信部11及び送信部12は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0017】
受信部11は、DU装置20からパケットを受信する。RU装置10とDU装置20とは、例えば、固定通信ネットワークを介して接続してもよく、無線通信ネットワークを介して接続してもよい。RU装置10が受信するパケットは、例えば、通信端末が、通信事業者によって提供されているモバイルネットワークを利用するために必要となる制御データであってもよい。さらに、RU装置10が受信するパケットは、通信端末をあて先とするユーザデータであってもよい。さらに、RU装置10が受信するパケットは、RU装置10及びDU装置20を含む通信ネットワークを管理するために用いられる管理データであってもよい。
【0018】
送信部12は、受信したパケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、DU装置20もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する。
【0019】
受信したパケットに関する統計情報は、例えば、受信したパケットの数を用いて受信したパケットを分類した情報であってもよい。受信したパケットの数とは、例えば、正常に受信したパケットの数、エラーを含むパケットを受信した数、所定のタイミングに受信したパケットの数、所定のタイミングに受信できなかったパケットの数等であってもよい。所定の基準とは、例えば、受信したパケットの総数に対する、正常に受信したパケットの数、エラーを含むパケットを受信した数、所定のタイミングに受信したパケットの数、所定のタイミングに受信できなかったパケットの数の少なくともいずれかの割合が所定の閾値を超えたこと、もしくは下回ったことであってもよい。
また所定の基準とは、例えば、受信したパケットの種類であってもよい。
RU装置10は、DU装置20もしくはネットワークを管理するマネジメント装置から、所定の基準を示す情報および所定の閾値を示す情報の、少なくともいずれかを受信してもよい。
【0020】
ネットワークを管理するマネジメント装置は、例えば、DU装置20及びRU装置10を含むネットワークを管理する装置であってもよい。もしくは、マネジメント装置は、DU装置20及びRU装置10を含むアクセスネットワーク、及び、アクセスネットワークを管理するコアネットワークを含むネットワークを管理する装置であってもよい。
【0021】
アラーム信号は、RU装置10に生じている異常状態、故障、障害等を通知するために用いられる信号であってもよい。もしくは、アラーム信号は、RU装置10とDU装置20との間の伝送路上に生じている異常状態、故障、障害等を通知するために用いられる信号であってもよい。
もしくはアラーム信号は、RU装置10とDU装置20との間のC-Plane及びU-Planeの少なくともいずれかの論理コネクションが不安定である旨を通知するために用いられる信号であってもよい。
【0022】
送信部12は、DU装置20を介してマネジメント装置へアラーム信号を送信してもよく、DU装置20を介すことなくマネジメント装置へアラーム信号を送信してもよい。また、送信部12は、マネジメント装置を介してDU装置20へアラーム信号を送信してもよく、マネジメント装置を介すことなくアラーム信号をDU装置20へ送信してもよい。
また送信部12は、受信したパケットに関する統計情報が所定の基準を満たさない場合に、DU装置20もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へのアラーム信号の送信を停止してもよい。
【0023】
続いて、
図2を用いて実施の形態1にかかるDU装置20の構成例について説明する。DU装置20は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0024】
DU装置20は、受信部21及び送信部22を有している。受信部21及び送信部22は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、受信部21及び送信部22は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0025】
受信部21は、RU装置10からパケットを受信する。DU装置20が受信するパケットは、例えば、通信端末が、通信事業者によって提供されているモバイルネットワークを利用するために必要となる制御データであってもよい。さらに、DU装置20が受信するパケットは、RU装置10を介して通信端末から送信されたユーザデータであってもよい。さらに、DU装置20が受信するパケットは、RU装置10及びDU装置20を含む通信ネットワークを管理するために用いられる管理データであってもよい。
【0026】
送信部22は、受信したパケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、ネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する。受信したパケットに関する統計情報は、RU装置10における統計情報と同様である。
所定の基準についても、RU装置10における所定の基準と同様であってもよい。
DU装置20は、ネットワークを管理するマネジメント装置から、所定の基準を示す情報および所定の閾値を示す情報の、少なくともいずれかを受信してもよい。
【0027】
以上説明したように、RU装置10は、受信したパケットに基づいて生成されたアラーム信号を、RU装置10以外の他の装置へ送信することができる。その結果、DU装置20を管理している管理者、もしくは、マネジメント装置を管理している管理者は、アラーム信号を受信することによって、RU装置10、もしくはRU装置10とDU装置20との間の伝送路に発生している障害等を検知することができる。言い換えると、DU装置20を管理している管理者は、RU装置10において管理されている統計情報を能動的に取得する必要が無く、RU装置10等に発生している障害等を検知するために統計情報を分析する必要が無い。そのため、RU装置10を用いることによって、RU装置10及びDU装置20を含むネットワークを管理する管理者の、管理負荷を軽減させることができる。
【0028】
さらに、DU装置20も、RU装置10と同様に、アラーム信号をDU装置20以外の他の装置へ送信することができる。その結果、マネジメント装置を管理している管理者は、アラーム信号を受信することによって、DU装置20、もしくはRU装置10とDU装置20との間の伝送路に発生している障害等を検知することができる。マネジメント装置を管理している管理者は、DU装置20において管理されている統計情報を能動的に取得する必要が無く、DU装置20等に発生している障害等を検知するために統計情報を分析する必要が無い。そのため、DU装置20を用いることによって、RU装置10及びDU装置20を含むネットワークを管理する管理者の、管理負荷を軽減させることができる。
【0029】
(実施の形態2)
【0030】
続いて、
図3を用いて実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図3の通信システムは、O-RANアライアンスにおいて規定されたO-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40を有している。さらに、NMS(Network Management System)50は、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40を管理するシステムである。NMS50は、マネジメント装置に相当する。NMS50は、SMO(Service Management and Orchestration System)に置き換えられてもよい。O-RUエンティティ30は、RU装置10に相当する。O-DUエンティティ40は、DU装置20に相当する。以下の説明においては、O-RUエンティティ30は、RU装置10の受信部11及び送信部12を有するとし、O-DUエンティティ40は、DU装置20の受信部21及び送信部22を有するとする。
【0031】
O-RUエンティティ30は、例えば、RF(Radio Frequency)処理及びLow-PHYレイヤに関する処理を実行する。Low-PHYレイヤは、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)、iFFT(inverse FFT)、デジタルビームフォーミング、及び、PRACH(Physical Random Access Channel)抽出(extraction)、に関する処理を実行するレイヤであってもよい。PRACH抽出は、例えば、UEがO-RUエンティティ30と接続を確立する際に、O-RUエンティティ30が、UEから最初に送信される信号であるPRACHを抽出もしくは検出する処理である。O-RUエンティティ30は、3GPPで規定されるTRP(Transmission Reception Point)またはRRH(Radio Remote Head)であってもよい。
【0032】
O-DUエンティティ40は、例えば、RLC(Radio Link Control)レイヤ、MAC(Medium Access Control)レイヤ、及びHigh-PHYレイヤに関する処理を実行する。High-PHYレイヤは、例えば、FEC(Forward Error Correction)エンコード、FECデコード、スクランブリング、変調、及び復調に関する処理を実行するレイヤである。O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40において実行される処理は、上記の内容に制限されず、上記の内容から変更されてもよい。
【0033】
O-RUエンティティ30は、伝送路61及び伝送路62を介してO-DUエンティティ40と通信する。伝送路61は、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する。また、伝送路62は、M-Planeデータを伝送する。C-Planeデータ、U-Planeデータ、及びM-Planeデータは、パケットとして伝送されてもよい。伝送路61及び伝送路62は、フロントホール(FH:Fronthaul)もしくはフロントホールインタフェースと称されてもよい。また伝送路61及び伝送路62は、所定の周波数帯域を要するものであってもよい。
【0034】
NMS50は、ネットワークを介してO-DUエンティティ40と接続している。NMS50は、例えば、O-DUエンティティ40に管理データを設定し、さらに、O-DUエンティティ40を介してO-RUエンティティ30に管理データを設定してもよい。管理データは、M-Planeデータとして、伝送路62を介してO-RUエンティティ30へ送信されてもよい。管理データは、O-RANアライアンスにおいて規定されたYANG DATA MODELを用いて設定されてもよい。また管理データは、例えばo-ran-supervision.yang Module、またはo-ran-performance-management.yang Moduleを用いてO-RUエンティティ30に設定されてもよい。また管理データは、O-DUエンティティ40またはO-RUエンティティ30の少なくともいずれかに、予め設定されていてもよい。
【0035】
C-Planeは、制御信号を転送するためのプロトコルである。また、U-Planeは、ユーザデータを転送するためのプロトコルである。C-Plane及びU-Planeでは、eCPRI(ehnanced Common Public Radio Interface)もしくはRoE(Radio over Ethernet)において用いられる信号を、Ethernet/IP/UDP(User Datagram Protocol)を用いて伝送するプロトコルスタックがサポートされている。もしくは、C-Plane及びU-Planeでは、eCPRIもしくはRoEにおいて用いられる信号を、直接Ethernetを用いて伝送するプロトコルスタックがサポートされていてもよい。M-Planeは、装置を監視もしくは保守するために用いられる監視信号を転送するためのプロトコルである。
【0036】
次に、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40が生成する統計情報について説明する。O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、C-PlaneデータもしくはU-Planeデータとして受信したパケットを、各種カウンタを用いて計測する。各種カウンタは、例えば、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALであってもよい。RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALは、O-RANアライアンスにおいてRx Window Statisticsにおけるmeasurement-objectとして規定されたカウンタの定義である。
【0037】
ここで、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALの詳細について説明する前に、
図4を用いて、O-RUエンティティ30において実行される遅延管理の方法について説明する。
図4は、O-DUエンティティ40からO-RUエンティティ30へパケットを送信することを示している。O-DUエンティティ40において実行される遅延管理の方法については、O-RUエンティティ30と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0038】
図4は、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40が同じ時間軸を用いて遅延管理を行っていることを示している。つまり、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40は、時刻同期を行っている。T1~T4は、時刻を示している。
【0039】
時刻T4は、O-RUエンティティ30が、無線データをUEへ送信するタイミングである。O-RUエンティティ30が予め定められた時刻T4に無線データを送信するために、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40において遅延管理が行われる。O-RUエンティティ30は、時刻T4における無線データの送信に間に合うように、iFFT、アナログ変換、ビームフォーミング等の各種処理を完了する必要がある。時刻T3’から時刻T4までの時間は、O-RUエンティティ30が、iFFT、アナログ変換、ビームフォーミング等の各種処理を実行する時間である。
図4においては、時刻T3’から時刻T4までの時間を、O-RU処理遅延としている。
【0040】
O-RUエンティティ30には、無線データを送信するタイミングである時刻T4から、O-RU処理遅延の時間分、手前に受信ウィンドウが設定される。O-RUエンティティ30が正常にパケットを受信することができる期間を受信ウィンドウと定義する。つまり、O-RUエンティティ30は、受信ウィンドウにおいてパケットを受信した場合、受信したパケットを、無線データを送信するタイミングである時刻T4に無線データとして送信することができる。受信ウィンドウは、時刻T3’より手前の期間を示している。受信ウィンドウは、O-DUエンティティ40がパケットを送信するタイミングである時刻T2から時刻T3’までの期間であってもよく、時刻T2から時刻T3’までの任意のタイミングから、時刻T3’までの期間であってもよい。
【0041】
時刻T2から時刻T3までの期間は、O-DUエンティティ40とO-RUエンティティ30との間における伝送遅延であり、フロントホール遅延と称されてもよい。フロントホールは、O-DUエンティティ40とO-RUエンティティ30との間における回線である。フロントホールには、例えば、光ファイバ等が用いられてもよい。フロントホールに関する規格は、O-RANアライアンスにおいて定められている。
【0042】
時刻T1から時刻T2までの期間は、O-DU処理遅延を示している。O-DU処理遅延は、O-DUエンティティ40がパケットを送信するための処理が実行される期間である。時刻T2から所定の期間をO-DUエンティティ40における送信ウィンドウと定めてもよい。送信ウィンドウは、O-DUエンティティ40から送信されるパケットが、O-RUエンティティ30における受信ウィンドウまでにO-RUエンティティ30に到達することが可能な期間である。
【0043】
図4においては、O-RUエンティティ30に受信ウィンドウが設定される例について説明したが、O-DUエンティティ40にも、受信ウィンドウが設定される。O-DUエンティティ40は、O-RUエンティティ30から送信されたパケットを受信ウィンドウにて受け取ることによって、他の装置へ正常にデータを送信することができる。
【0044】
次に、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALの詳細について説明する。RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALは、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40がパケット数をカウントする指標であってもよい。O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、所定の監視期間(monitoring period)の間に到着したパケットを対象に、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALをカウントしてもよい。また監視期間は、C/U-plane monitoring periodまたはC/U-plane Monitoring Timerによって計測される期間であってもよい。さらにまた監視期間は、configured-cu-monitoring-intervalであってもよい。
【0045】
RX_ON_TIMEは、受信ウィンドウ内にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したU-Planeデータのパケット数をカウントする。受信ウィンドウ内に到着したU-Planeデータのパケット数には、シーケンスナンバーエラーを有するパケット、もしくは、破損(corruption)したパケット等のエラーを有するパケットも含む。
【0046】
RX_ON_TIME_Cは、受信ウィンドウ内にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したC-Planeデータのパケット数をカウントする。受信ウィンドウ内に到着したC-Planeデータのパケット数には、シーケンスナンバーエラーを有するパケット、もしくは、破損(corruption)したパケット等のエラーを有するパケットも含む。
【0047】
RX_EARLYは、受信ウィンドウが開始する前にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したU-Planeデータのパケット数をカウントする。RX_EARLY_Cは、受信ウィンドウが開始する前にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したC-Planeデータのパケット数をカウントする。
【0048】
RX_LATEは、受信ウィンドウが終了した後にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したU-Planeデータのパケット数をカウントする。RX_LATE_Cは、受信ウィンドウが終了した後にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したC-Planeデータのパケット数をカウントする。
【0049】
RX_TOTALは、受信ウィンドウを含む所定の監視期間に受信したすべてのパケットの数をカウントする。すべてのパケットは、C-Planeデータ及びU-Planeデータを含む。さらに、すべてのパケットは、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME _C、RX_EARLY、RX_EARLY _C、RX_LATE、及びRX_LATE_Cにおいてカウントされたすべてのパケットを含む。また、すべてのパケットは、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME _C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、及びRX_LATE_Cとは異なる他のカウンタにおいてカウントされたパケットを含んでもよい。
【0050】
続いて、
図5を用いて実施の形態2にかかるO-DUエンティティ40における管理データの設定処理について説明する。はじめに、O-DUエンティティ40の受信部21は、NMS50から管理データを受信する(S10)。管理データは、例えば、計測対象のパケット種別、異常検知方法、及びアラームを通知するための閾値、のうち少なくとも一つが含まれている。計測対象のパケット種別は、例えば、C-Planeデータであるパケットを計測するか、U-Planeデータであるパケットを計測するか、もしくは、C-Planeデータ及びU-Planeデータの両方のパケットを計測するか、を示す情報である。C-Planeデータ及びU-Planeデータの両方のパケットを計測する場合、C-Planeデータ及びU-Planeデータを区別して計測してもよく、C-Planeデータ及びU-Planeデータを区別せずに計測してもよい。管理データは、O-RUエンティティ30またはO-DUエンティティ40がアラームを送信するためのトリガー情報であってもよい。
【0051】
異常検知方法は、例えば、RX_ON_TIME、RX_EARLY、及びRX_LATEの合計数に対する、RX_EARLYもしくはRX_LATEの数の割合が、閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。すなわち異常検知方法は、例えば、受信ウィンドウの期間外で受信したパケットの割合が、閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。もしくは、RX_TOTALの数に対するRX_EARLYもしくはRX_LATEの数の割合が、閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。もしくは、RX_ON_TIMEの数に対するRX_EARLYもしくはRX_LATEの数の割合が、閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。C-Planeデータに関するカウンタを用いてカウントしたパケット数も、同様である。
【0052】
もしくは、異常検知方法は、RX_ON_TIME、RX_EARLY、及びRX_LATEの合計数に対する、RX_ON_TIMEの数の割合が、閾値よりも低い場合に、アラームを送信することであってもよい。もしくは、異常検知方法は、RX_TOTALの数に対するRX_ON_TIMEの数の割合が、閾値よりも低い場合にアラームを送信することであってもよい。もしくは、異常検知方法は、RX_EARLYもしくはRX_LATEの数に対するRX_ON_TIMEの数の割合が、閾値よりも低い場合にアラームを送信することであってもよい。C-Planeデータに関するカウンタを用いてカウントしたパケット数も、同様である。
【0053】
もしくは、異常検知方法は、RX_ON_TIMEが閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。もしくは、異常検知方法は、RX_EARLY及びRX_LATEの少なくとも一つが、閾値を超えた場合に、アラームを送信することであってもよい。もしくは、異常検知方法は、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C の少なくともいずれかが閾値よりも低い場合、もしくは0である場合に、アラームを送信することであってもよい。C-Planeデータに関するカウンタを用いてカウントしたパケット数も、同様である。
【0054】
もしくは、異常検知方法は、閾値として定められた回数だけ連続して、RX_EARLYもしくはRX_LATEに該当するパケットが計測された場合に、アラームを送信することであってもよい。C-Planeデータに関するカウンタを用いてカウントしたパケット数も、同様である。
【0055】
アラームを送信するための閾値は、割合、パケット数、もしくは回数等を示す数値であってもよい。アラームを送信するとは、アラーム信号もしくはアラームメッセージを送信すると言い換えられてもよい。
【0056】
次に、O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに計測対象のパケット種別が含まれるか否かを判定する(S11)。制御部とは、例えば、O-DUエンティティ40に含まれるプロセッサ等であってもよい。O-DUエンティティ40に含まれるプロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって、
図5に示されている処理が実行されてもよい。
【0057】
O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに計測対象のパケット種別が含まれていると判定した場合、管理データにおいて指定されたパケット種別を計測対象のパケットとして設定する(S12)。O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに計測対象のパケット種別が含まれていないと判定した場合、デフォルト値として定められていたパケット種別を計測対象のパケットとして設定する(S13)。デフォルト値は、O-DUエンティティ40内のメモリ等に予め格納されていてもよい。
【0058】
ステップS12もしくはS13の後に、O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに異常検知方法が含まれているか否かを判定する(S14)。O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに異常検知方法が含まれていると判定した場合、管理データにおいて指定された異常検知方法を設定する(S15)。O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに異常検知方法が含まれていないと判定した場合、デフォルト値として定められていた異常検知方法を設定する(S16)。デフォルト値は、O-DUエンティティ40内のメモリ等に予め格納されていてもよい。
【0059】
ステップS15もしくはS16の後に、O-DUエンティティ40の制御部は、管理データに、アラームを送信するための閾値が含まれているか否かを判定する(S17)。O-DUエンティティ40の制御部は、管理データにアラームを送信するための閾値が含まれていると判定した場合、管理データにおいて指定された閾値を設定する(S18)。O-DUエンティティ40の制御部は、管理データにアラームを送信するための閾値が含まれていないと判定した場合、デフォルト値として定められていた閾値を設定する(S19)。デフォルト値は、O-DUエンティティ40内のメモリ等に予め格納されていてもよい。
【0060】
図5においては、O-DUエンティティ40がNMS50から管理データを受信した場合の処理の流れについて説明したが、O-RUエンティティ30が、O-DUエンティティ40を介してNMS50から管理データを受信した場合も
図5と同様の処理が行われる。そのため、O-RUエンティティ30における管理データの設定処理については、詳細な説明を省略する。
【0061】
続いて、
図6を用いて実施の形態2にかかるO-RUエンティティ30におけるアラーム送信処理の流れについて送信する。はじめに、O-RUエンティティ30の受信部11は、C-Planeデータのパケット及びU-PlaneデータのパケットをO-DUエンティティ40から受信する(S20)。次に、O-RUエンティティ30の制御部は、受信したパケットに関する統計情報を生成する(S21)。具体的には、O-RUエンティティ30の制御部は、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALを用いたパケットの計測を行う。統計情報として、計測したパケットの数が用いられてもよい。O-RUエンティティ30の制御部は、例えば、すべてのカウンタを用いてパケットをカウントしてもよく、設定されたパケット種別のパケットをカウントするカウンタのみを使用してパケットを計測してもよい。
【0062】
次に、O-RUエンティティ30の制御部は、統計情報が、予め設定された異常検知方法における閾値を超えているか否かを判定する(S22)。O-RUエンティティ30の制御部において、統計情報が閾値を超えていると判定された場合、O-RUエンティティ30の送信部12は、アラームを送信する(S23)。例えば、送信部12は、アラームをO-DUエンティティ40へ送信する。もしくは、送信部12は、アラームの宛先をNMS50とし、O-DUエンティティ40を介してNMS50へアラームを送信してもよい。
【0063】
O-RUエンティティ30の制御部は、統計情報が閾値を超えていないと判定した場合、ステップS20以降の処理を繰り返す。
【0064】
図6においては、O-RUエンティティ30におけるアラーム送信処理の流れについて説明したが、O-DUエンティティ40も
図6と同様のアラーム送信処理を実行する。例えば、
図6のステップS20において、O-DUエンティティ40は、O-RUエンティティ30からC-Planeデータのパケット及びU-Planeデータのパケットを受信する。また、ステップS23において、O-DUエンティティ40は、NMS50へアラームを送信する。O-DUエンティティ40のアラーム送信処理のその他の処理については、O-RUエンティティ30と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0065】
以上説明したように、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40は、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALを用いて、受信したパケットに関する統計情報を生成する。さらに、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40は、統計情報が予め設定された異常検知方法において閾値を超えている場合には、アラームを送信する。O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40は、自装置以外の装置へアラームを送信する。そのため、NMS50の管理者等は、能動的にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40において生成された統計情報を取得しなくても、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40から統計情報を受信することができる。その結果、NMS50の管理者等におけるO-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40の管理負荷を軽減させることができる。
【0066】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3において用いられる統計情報について説明する。実施の形態3においては、統計情報として、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPを用いてパケット数を計測する。RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPは、O-RANアライアンスにおいて規定されたカウンタの定義である。
【0067】
RX_CORRUPTは、受信ウィンドウ内にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したパケットのうち、破損したパケットの数をカウントする。破損したパケットとは、例えば、パケットのヘッダに誤った値が設定されているパケットであってもよく、プロトコルエラーを含むパケットであってもよい。パケットのヘッダに誤った値が設定されているパケットのうち、誤ったシーケンスIDが設定されたパケットに関しては、後に説明する、RX_SEQID_ERRを用いてカウントされてもよい。破損したパケットの数は、C-Planeデータのパケットが計測されてもよく、U-Planeデータのパケットが計測されてもよく、C-Planeデータ及びU-Planeデータを区別することなく計測されてもよい。
【0068】
RX_DUPLは、受信ウィンドウ内にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したパケットのうち、複製されたパケットの数をカウントする。
【0069】
RX_SEQID_ERRは、受信ウィンドウ内にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したU-Planeデータのパケットのうち、シーケンIDに関するエラーを有するパケットの数をカウントする。シーケンIDに関するエラーは、例えば、パケットヘッダのシーケンスIDフィールドに設定された値が、前回受信したパケットのシーケンスIDから連続した値となっていない場合等、パケットに誤ったシーケンスIDが設定されることである。
【0070】
RX_SEQID_ERR_Cは、受信ウィンドウ内にO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したC-Planeデータのパケットのうち、シーケンIDに関するエラーを有するパケットの数をカウントする。
【0071】
RX_ERR_DROPは、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40に到着したC-PlaneデータもしくはU-Planeデータのパケットのうち、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40において廃棄されたパケットの数をカウントする。RX_ERR_DROPにおいてカウントされるパケットは、受信ウィンドウ内に到着したパケットであってもよく、受信ウィンドウ外に到着したパケットであってもよい。
【0072】
統計情報として、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPが用いられる場合の異常検知方法について説明する。この場合、異常検知方法は、例えば、RX_TOTALの数に対する、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPの数の割合が、閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。
【0073】
もしくは、異常検知方法は、RX_ON_TIMEの数に対する、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPの数の割合が、閾値を超えた場合にアラームを送信することであってもよい。
【0074】
もしくは、異常検知方法は、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPの少なくとも一つが、閾値を超えた場合に、アラームを送信することであってもよい。
【0075】
もしくは、異常検知方法は、閾値として定められた回数だけ連続して、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、もしくはRX_ERR_DROPに該当するパケットが計測された場合に、アラームを送信することであってもよい。
【0076】
以上説明したように、実施の形態3においては、エラーを含むパケットの数に応じて、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、アラームを送信することができる。これにより、実施の形態2と同様に、NMS50の管理者等におけるO-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40の管理負荷を軽減させることができる。
【0077】
(実施の形態4)
続いて、
図7を用いて実施の形態4にかかる通信システムの構成例について説明する。
図3においては、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する伝送路として、伝送路61が一つのみ存在する例を示したが、
図7においては、C-Planeデータ及びU-Planeデータが複数の伝送路を介して伝送される構成を示している。
【0078】
図7に示すように、O-RUエンティティ30とO-DUエンティティ40との間には、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する伝送路として、伝送路61_1~伝送路61_n(nは2以上の整数)が存在する。さらに、M-Planeデータを伝送する伝送路として伝送路62が存在する。言い換えると、O-RUエンティティ30とO-DUエンティティ40との間には、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送するための複数のフロントホールと、M-Planeデータを伝送するためのフロントホールとが存在する。もしくは、M-Planeデータを伝送する伝送路は、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する伝送路61_1~伝送路61_nのいずれかと共用されてもよい。つまり、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する伝送路61_1~伝送路61_nのいずれかが、M-Planeデータを伝送してもよい。
【0079】
O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、伝送路ごと、つまり、フロントホールごとに、RX_ON_TIME、RX_ON_TIME_C、RX_EARLY、RX_EARLY_C、RX_LATE、RX_LATE_C、及びRX_TOTALの少なくとも一つを用いて統計情報を生成してもよい。さらに、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、伝送路ごとに、RX_CORRUPT、RX_DUPL、RX_SEQID_ERR、RX_SEQID_ERR_C、及びRX_ERR_DROPの少なくとも一つを用いて統計情報を生成してもよい。
【0080】
または、O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、伝送路61_1~伝送路61_nにおいて伝送されるパケットをまとめて、RX_ON_TIME等を用いて統計情報を生成してもよい。
【0081】
O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、伝送路ごとに、実施の形態2もしくは3において説明した異常検知方法を実施し、統計情報が閾値を超えているか否かを判定してもよい。O-RUエンティティ30は、統計情報が閾値を超えている場合には、アラームをO-DUエンティティ40へ送信する、もしくは、アラームをO-DUエンティティ40を介してNMS50へ送信する。O-DUエンティティ40は、統計情報が閾値を超えている場合には、アラームをNMS50へ送信する。
【0082】
もしくは、O-RUエンティティ30またはO-DUエンティティ40は、伝送路61_1~伝送路61_nにおいて伝送されるパケットをまとめて生成された統計情報が、閾値を超えているか否かを判定してもよい。
【0083】
図7においては、O-RUエンティティ30とO-DUエンティティ40との間に、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送するために、物理的に異なる複数の伝送路を用いることについて説明した。ここで、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送するために用いられる複数の伝送路は、一つの物理的な伝送路に設定される複数の論理的な伝送路であってもよい。例えば、一つの物理的な伝送路内に、ポート識別子を用いて識別される複数の論理的な伝送路が設定されてもよい。例えば、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40のそれぞれに設定されるポート識別子のペアを用いて、論理的な伝送路が識別されてもよい。
【0084】
また、一つの物理的な伝送路内に、eaxc-id(extended Antenna carrier - identification/identifier)を用いて識別される複数の論理的な伝送路が設定されてもよい。eaxc-idは、RU_Port_ID、DU_Port_ID、BandSector_ID、及びCC_IDから構成される。RU_Port_IDは、O-RUエンティティ30のポート識別子であり、DU_Port_IDは、O-DUエンティティ40のポート識別子である。BandSector_IDは、バンドセクタの識別子であり、CC_IDは、コンポーネントキャリア(Component Carrier)の識別子である。eaxc-idは、O-RANフロントホール仕様において定められている。
【0085】
O-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40は、論理的な伝送路ごとに、実施の形態2もしくは3において説明した異常検知方法を実施し、統計情報が閾値を超えているか否かを判定してもよい。
【0086】
以上説明したように、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40は、物理的に異なる複数の伝送路、もしくは、論理的に異なる複数の伝送路ごとに、実施の形態2もしくは3において説明した異常検知方法を実施することができる。複数の伝送路に関する異常状態をO-RUエンティティ30もしくはO-DUエンティティ40が自律的に他の装置へ送信することによって、伝送路が増加すればするほど増加する管理者の管理負荷を軽減することができる。
【0087】
(実施の形態5)
続いて、
図8を用いて実施の形態4にかかる通信システムの構成例について説明する。
図8の通信システムは、
図3の通信システムにおいて、NMS50とO-RUエンティティ30との間に、M-Planeデータを伝送するための伝送路62_2が追加された構成である。つまり、O-RUエンティティ30は、O-DUエンティティ40との間においては、伝送路62_1を介してM-Planeデータを伝送し、NMS50との間においては、伝送路62_2を介してM-Planeデータを伝送する。
【0088】
図8に示す通信システムにおいては、O-RUエンティティ30は、O-DUエンティティ40を介することなくNMS50へアラームを送信する。これより、O-RUエンティティ30とO-DUエンティティ40との間の伝送路に異常が発生した場合であっても、NMS50は、O-RUエンティティ30からアラームを受信することができる。その結果、管理者は、O-RUエンティティ30とO-DUエンティティ40との間の異常を早期に検出することができる。
【0089】
また、
図8の通信システムにおいても、実施の形態4において説明したように、O-RUエンティティ30とO-DUエンティティ40との間において、C-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送するために複数の伝送路が設定されてもよい。
【0090】
(実施の形態6)
続いて、
図9を用いて実施の形態6にかかる通信システムの構成例について説明する。
図9の通信システムは、
図8の通信システムに、FHM(Fronthaul Multiplexer)80が追加された構成となっている。FHM80は、O-DUエンティティ40から受信したC-Planeデータ及びU-Planeデータをコピーして複数のO-RUエンティティ30へ送信する。さらに、FHM80は、それぞれのO-RUエンティティ30から受信したC-Planeデータ及びU-Planeデータを結合して、O-DUエンティティ40へ送信する。
【0091】
O-RUエンティティ30は、伝送路71_1を介してFHM 80との間においてC-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する。また、
図8と同様に、O-RUエンティティ30は、伝送路62_1及び伝送路62_2を介して管理データをO-DUエンティティ40及びNMS50へ送信する。
【0092】
O-DUエンティティ40は、伝送路71_2を介してFHM80との間においてC-Planeデータ及びU-Planeデータを伝送する。また、O-DUエンティティ40は、伝送路72_1を介してFHM80との間において管理データを伝送する。伝送路72_1においては、管理データは、M-Planeデータとして伝送されてもよい。
【0093】
NMS50は、伝送路72_2を介してFHM80との間において管理データを伝送する。また、NMS50は、FHM80を介することなく、
図8と同様に、O-DUエンティティ40との間において管理データを伝送してもよい。
【0094】
FHM80は、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40と同様に、統計情報を生成し、異常検知を行う。FHM80は、異常を検知した場合に、アラームをNMS50もしくはO-DUエンティティ40へ送信する。
【0095】
図9に示す通信システムにおいては、FHM80を含む構成において、FHM80は、アラームをO-DUエンティティ40もしくはNMS50へ送信する。これより、管理者は、O-RUエンティティ30及びO-DUエンティティ40に発生した異常に加えて、FHM80において発生した異常も検出することができる。
【0096】
図10は、RU装置10、DU装置20、O-RUエンティティ30、O-DUエンティティ40、NMS50、及びFHM80(以下、RU装置10等とする)の構成例を示すブロック図である。
図10を参照すると、RU装置10等は、ネットワークインタフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインタフェース1201は、他のネットワークノードと通信するために使用されてもよい。ネットワークインタフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0097】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明されたRU装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0098】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0099】
図10の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたRU装置10等の処理を行うことができる。
【0100】
図10を用いて説明したように、上述の実施形態におけるRU装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0101】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0102】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0103】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信する受信部と、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する送信部と、を備えるRU装置。
(付記2)
前記パケットに関する統計情報は、
前記DU装置との通信に異常が発生していることを示す情報である、付記1に記載のRU装置。
(付記3)
前記パケットに関する統計情報は、
前記DU装置から送信された前記パケットを正常に受信することができる期間である受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットに関する情報である、付記2に記載のRU装置。
(付記4)
前記送信部は、
前記受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットの数が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、付記3に記載のRU装置。
(付記5)
前記送信部は、
前記受信ウィンドウを含む期間において受信したすべてのパケットに対する前記受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットの数の割合が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、付記3に記載のRU装置。
(付記6)
前記パケットに関する統計情報は、
エラーを含むパケットに関する情報である、付記2に記載のRU装置。
(付記7)
前記送信部は、
前記エラーを含むパケットの数もしくは前記エラーを含むパケットの数に関する割合が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、付記6に記載のRU装置。
(付記8)
前記受信部は、
前記DU装置もしくは前記マネジメント装置から前記所定の基準を受信する、付記1乃至7のいずれか1項に記載のRU装置。
(付記9)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、DU装置が実行するレイヤよりも下位のレイヤの処理を実行するRU装置からパケットを受信する受信部と、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、ネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する送信部と、を備えるDU装置。
(付記10)
前記パケットに関する統計情報は、
前記RU装置との通信に異常が発生していることを示す情報である、付記9に記載のDU装置。
(付記11)
前記パケットに関する統計情報は、
前記RU装置から送信された前記パケットを正常に受信することができる期間である受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットに関する情報である、付記10に記載のDU装置。
(付記12)
前記送信部は、
前記受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットの数が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、付記11に記載のDU装置。
(付記13)
前記送信部は、
前記受信ウィンドウを含む期間において受信したすべてのパケットに対する前記受信ウィンドウとは異なる期間に受信したパケットの数の割合が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、付記11に記載のDU装置。
(付記14)
前記パケットに関する統計情報は、
エラーを含むパケットに関する情報である、付記10に記載のDU装置。
(付記15)
前記送信部は、
前記エラーを含むパケットの数もしくは前記エラーを含むパケットの数に関する割合が予め定められた閾値を超えた場合に前記アラーム信号を送信する、付記14に記載のDU装置。
(付記16)
前記受信部は、
前記マネジメント装置から前記所定の基準を受信する、付記9乃至15のいずれか1項に記載のDU装置。
(付記17)
前記送信部は、
前記RU装置へ前記所定の基準を送信する、付記9乃至16のいずれか1項に記載のDU装置。
(付記18)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、一部のレイヤ処理を実行するRU装置と、
前記RU装置との間においてパケットを送受信し、前記RU装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU装置と、
前記RU装置及び前記DU装置を含むネットワークを管理するマネジメント装置と、を備える通信システムであって、
前記RU装置及び前記DU装置の少なくとも一方は、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記マネジメント装置へアラーム信号を送信し、
前記マネジメント装置は、
前記アラーム信号を送信する前記RU装置、及び前記アラーム信号を送信する前記DU装置、の少なくとも一方へ、前記所定の基準を送信する、通信システム。
(付記19)
前記パケットに関する統計情報は、
前記DU装置との通信に異常が発生していることを示す情報である、付記18に記載の通信システム。
(付記20)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信し、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する、RU装置において実行される通信方法。
(付記21)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、DU装置が実行するレイヤよりも下位のレイヤの処理を実行するRU装置からパケットを受信し、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、ネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信する、DU装置において実行される通信方法。
(付記22)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、RU(Remote Unit)装置が実行するレイヤよりも上位のレイヤの処理を実行するDU(Distributed Unit)装置からパケットを受信し、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、前記DU装置もしくはネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信することをコンピュータに実行させるプログラム。
(付記23)
複数のレイヤに分割された基地局の通信機能のうち、DU装置が実行するレイヤよりも下位のレイヤの処理を実行するRU装置からパケットを受信し、
受信した前記パケットに関する統計情報が所定の基準を満たした場合に、ネットワークを管理するマネジメント装置へアラーム信号を送信することをコンピュータに実行させるプログラム。
【0104】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 RU装置
11 受信部
12 送信部
20 DU装置
21 受信部
22 送信部
30 O-RUエンティティ
40 O-DUエンティティ
50 NMS
61 伝送路
61_1 伝送路
61_2 伝送路
61_n 伝送路
62 伝送路
62_1 伝送路
62_2 伝送路
71_1 伝送路
71_2 伝送路
72_1 伝送路
72_2 伝送路
80 FHM