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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】車載用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20250415BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20250415BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20250415BHJP
   H02H 3/093 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
B60R16/02 645C
H02H7/00 K
H02H7/18
H02H3/093
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023515513
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 JP2022018419
(87)【国際公開番号】W WO2022225010
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】P 2021072051
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 純司
(72)【発明者】
【氏名】川上 貴史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 成治
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-072620(JP,A)
【文献】国際公開第2018/229918(WO,A1)
【文献】特開2020-202604(JP,A)
【文献】特開2020-72620(JP,A)
【文献】特開2019-47569(JP,A)
【文献】特開2017-144860(JP,A)
【文献】特開2013-223369(JP,A)
【文献】特開2011-42215(JP,A)
【文献】特開平11-31446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H02H 7/00
H02H 7/18
H02H 3/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電部と、前記蓄電部との間で電力を授受する複数の授受部と、前記蓄電部と複数の前記授受部との間に設けられる共通経路と、複数の前記授受部のうちの第1授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第1分岐路と、複数の前記授受部のうちの第2授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第2分岐路と、前記第1分岐路に設けられる第1スイッチと、前記第2分岐路に設けられる第2スイッチと、前記共通経路での電流の流れを許容する許容状態から遮断する遮断状態に切り替わる遮断部と、を有する車載システムに用いられる車載用制御装置であって、
遮断条件が成立した場合に前記遮断部を前記許容状態から前記遮断状態に切り替える制御部と、
前記遮断条件を設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第1授受部との間で電力を授受する第1動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第2授受部との間で電力を授受する第2動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定し、
前記設定部は、前記第1動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第1遮断条件を設定し、前記第2動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第2遮断条件を設定し、
前記第1遮断条件は、前記第1分岐路を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに前記第1スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第2遮断条件は、前記第2分岐路を流れる電流の電流値が前記第1閾値電流とは異なる第2閾値電流を超えたときに前記第2スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第1スイッチは、第1スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられ、
前記第2スイッチは、第2スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられ、
前記第1遮断条件は、第1遮断特性に基づいて成否が判定され、
前記第2遮断条件は、第2遮断特性に基づいて成否が判定され、
前記第1スイッチ遮断特性、前記第2スイッチ遮断特性、前記第1遮断特性、及び前記第2遮断特性は、それぞれ通電時間と電流値との対応関係を示す対応関係データによって規定され、
前記第1遮断特性の通電時間には、前記第1閾値電流以下の電流値に対して前記第1スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、前記第1閾値電流を超える電流値に対して前記第1スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応し、
前記第2遮断特性の通電時間には、前記第2閾値電流以下の電流値に対して前記第2スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、前記第2閾値電流を超える電流値に対して前記第2スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する
車載用制御装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオン状態であるかオフ状態であるかに基づいて、前記第1動作及び前記第2動作のいずれが実行中であるかを判定する
請求項1に記載の車載用制御装置。
【請求項3】
前記第1授受部は、充電ケーブルを介して外部電源に接続される接続部であり、
前記第2授受部は、負荷であり、
前記共通経路は、前記蓄電部からの放電経路且つ前記蓄電部への充電経路であり、
前記第1分岐路は、前記接続部を介して供給される電力を前記共通経路に導く経路であり、
前記第2分岐路は、前記共通経路からの電力を前記負荷に導く経路であり、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記接続部を介して供給される充電電流を前記蓄電部に流す充電動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記負荷に放電電流を流す放電動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定する
請求項1又は請求項2に記載の車載用制御装置。
【請求項4】
前記第2閾値電流は、前記第1閾値電流よりも大きい
請求項に記載の車載用制御装置。
【請求項5】
前記車載システムは、複数の前記授受部のうちの第3授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第3分岐路と、前記第3分岐路に設けられる第3スイッチと、を有し、
前記第3授受部は、第2負荷であり、
前記第3スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記第2負荷に放電電流を流す第2放電動作が行われ、
前記設定部は、前記第2放電動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第3遮断条件を設定し、
前記第3遮断条件は、前記第3分岐路を流れる電流値が第3閾値電流を超えたときに前記第3スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第3閾値電流は、前記第2閾値電流とは異なる
請求項に記載の車載用制御装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記充電動作及び前記放電動作の両方が実行中であると判定した場合に、異常信号を出力する
請求項に記載の車載用制御装置。
【請求項7】
前記車載システムは、前記授受部とは異なるものであり且つ前記蓄電部からの電力を受ける特定負荷と、前記特定負荷と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される特定分岐路と、を有し、
更に、前記特定分岐路に設けられ溶断温度を超えると溶断される温度ヒューズを有する
請求項1又は請求項2に記載の車載用制御装置。
【請求項8】
蓄電部と、前記蓄電部との間で電力を授受する複数の授受部と、前記蓄電部と複数の前記授受部との間に設けられる共通経路と、複数の前記授受部のうちの第1授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第1分岐路と、複数の前記授受部のうちの第2授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第2分岐路と、前記第1分岐路に設けられる第1スイッチと、前記第2分岐路に設けられる第2スイッチと、前記共通経路での電流の流れを許容する許容状態から遮断する遮断状態に切り替わる遮断部と、を有する車載システムに用いられる車載用制御装置であって、
遮断条件が成立した場合に前記遮断部を前記許容状態から前記遮断状態に切り替える制御部と、
前記遮断条件を設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第1授受部との間で電力を授受する第1動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第2授受部との間で電力を授受する第2動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定し、
前記第1授受部は、充電ケーブルを介して外部電源に接続される接続部であり、
前記第2授受部は、負荷であり、
前記共通経路は、前記蓄電部からの放電経路且つ前記蓄電部への充電経路であり、
前記第1分岐路は、前記接続部を介して供給される電力を前記共通経路に導く経路であり、
前記第2分岐路は、前記共通経路からの電力を前記負荷に導く経路であり、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記接続部を介して供給される充電電流を前記蓄電部に流す充電動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記負荷に放電電流を流す放電動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定し、
前記設定部は、前記充電動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第1遮断条件を設定し、前記放電動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第2遮断条件を設定し、
前記第1遮断条件は、前記第1分岐路を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに前記第1スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第2遮断条件は、前記第2分岐路を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えたときに前記第2スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第2閾値電流は、前記第1閾値電流よりも大きく、
前記車載システムは、複数の前記授受部のうちの第3授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第3分岐路と、前記第3分岐路に設けられる第3スイッチと、を有し、
前記第3授受部は、第2負荷であり、
前記第3スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記第2負荷に放電電流を流す第2放電動作が行われ、
前記設定部は、前記第2放電動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第3遮断条件を設定し、
前記第3遮断条件は、前記第3分岐路を流れる電流値が第3閾値電流を超えたときに前記第3スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第3閾値電流は、前記第2閾値電流とは異なる
車載用制御装置。
【請求項9】
蓄電部と、前記蓄電部との間で電力を授受する複数の授受部と、前記蓄電部と複数の前記授受部との間に設けられる共通経路と、複数の前記授受部のうちの第1授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第1分岐路と、複数の前記授受部のうちの第2授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第2分岐路と、前記第1分岐路に設けられる第1スイッチと、前記第2分岐路に設けられる第2スイッチと、前記共通経路での電流の流れを許容する許容状態から遮断する遮断状態に切り替わる遮断部と、を有する車載システムに用いられる車載用制御装置であって、
遮断条件が成立した場合に前記遮断部を前記許容状態から前記遮断状態に切り替える制御部と、
前記遮断条件を設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第1授受部との間で電力を授受する第1動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第2授受部との間で電力を授受する第2動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定し、
前記第1授受部は、充電ケーブルを介して外部電源に接続される接続部であり、
前記第2授受部は、負荷であり、
前記共通経路は、前記蓄電部からの放電経路且つ前記蓄電部への充電経路であり、
前記第1分岐路は、前記接続部を介して供給される電力を前記共通経路に導く経路であり、
前記第2分岐路は、前記共通経路からの電力を前記負荷に導く経路であり、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記接続部を介して供給される充電電流を前記蓄電部に流す充電動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記負荷に放電電流を流す放電動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定し、
前記設定部は、前記充電動作及び前記放電動作の両方が実行中であると判定した場合に、異常信号を出力する
車載用制御装置。
【請求項10】
蓄電部と、前記蓄電部との間で電力を授受する複数の授受部と、前記蓄電部と複数の前記授受部との間に設けられる共通経路と、複数の前記授受部のうちの第1授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第1分岐路と、複数の前記授受部のうちの第2授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第2分岐路と、前記第1分岐路に設けられる第1スイッチと、前記第2分岐路に設けられる第2スイッチと、前記共通経路での電流の流れを許容する許容状態から遮断する遮断状態に切り替わる遮断部と、を有する車載システムに用いられる車載用制御装置であって、
遮断条件が成立した場合に前記遮断部を前記許容状態から前記遮断状態に切り替える制御部と、
前記遮断条件を設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第1授受部との間で電力を授受する第1動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第2授受部との間で電力を授受する第2動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定し、
前記車載システムは、前記授受部とは異なるものであり且つ前記蓄電部からの電力を受ける特定負荷と、前記特定負荷と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される特定分岐路と、を有し、
更に、前記特定分岐路に設けられ溶断温度を超えると溶断される温度ヒューズを有する
車載用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載される電源供給装置が開示されている。この電源供給装置は、バッテリと、電気負荷と、ヒューズとを備える。ヒューズは、バッテリと電気負荷との間に配置され、過電流保護素子として機能する。
【0003】
特許文献2には、電源と負荷回路との間に設けられる過電流保護装置が開示されている。負荷回路は、互いに電気接続された電気負荷と電線とを有する。上記過電流保護装置は、負荷電流に基づいて電線の熱特性を推定し、推定した熱特性と負荷電流とに基づいてスイッチング素子を遮断させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-67977号公報
【文献】特開2019-97357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蓄電部と電力を授受する授受部が複数存在する構成においては、蓄電部がいずれの授受部と電力を授受している状態であるかに応じて遮断条件を切り替えたい場合がある。しかし、特許文献1又は特許文献2の技術を利用して、各々の授受部に対応する経路ごとに遮断部を設けようとすると、部品数の増加につながってしまう。
【0006】
そこで、本開示は、蓄電部と電力を授受する授受部が複数存在する構成において部品数の増加を抑えつつ好適に過電流保護を実行しうる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の車載用制御装置は、
蓄電部と、前記蓄電部との間で電力を授受する複数の授受部と、前記蓄電部と複数の前記授受部との間に設けられる共通経路と、複数の前記授受部のうちの第1授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第1分岐路と、複数の前記授受部のうちの第2授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第2分岐路と、前記第1分岐路に設けられる第1スイッチと、前記第2分岐路に設けられる第2スイッチと、前記共通経路での電流の流れを許容する許容状態から遮断する遮断状態に切り替わる遮断部と、を有する車載システムに用いられる車載用制御装置であって、
遮断条件が成立した場合に前記遮断部を前記許容状態から前記遮断状態に切り替える制御部と、
前記遮断条件を設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第1授受部との間で電力を授受する第1動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第2授受部との間で電力を授受する第2動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、蓄電部と電力を授受する授受部が複数存在する構成において部品数の増加を抑えつつ好適に過電流保護を実行しうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の車載システムの構成を概略的に示す回路図である。
図2図2は、第1遮断特性と第1スイッチ遮断特性との関係を示すグラフである。
図3図3は、第2遮断特性と第2スイッチ遮断特性との関係を示すグラフである。
図4図4は、第3遮断特性と第3スイッチ遮断特性との関係を示すグラフである。
図5図5は、第1実施形態の車載用制御装置が実行する制御の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態の車載システムの構成を概略的に示す回路図である。
図7図7は、第2実施形態の車載用制御装置が実行する制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。
【0011】
〔1〕蓄電部と、前記蓄電部との間で電力を授受する複数の授受部と、前記蓄電部と複数の前記授受部との間に設けられる共通経路と、複数の前記授受部のうちの第1授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第1分岐路と、複数の前記授受部のうちの第2授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第2分岐路と、前記第1分岐路に設けられる第1スイッチと、前記第2分岐路に設けられる第2スイッチと、前記共通経路での電流の流れを許容する許容状態から遮断する遮断状態に切り替わる遮断部と、を有する車載システムに用いられる車載用制御装置であって、
遮断条件が成立した場合に前記遮断部を前記許容状態から前記遮断状態に切り替える制御部と、
前記遮断条件を設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第1授受部との間で電力を授受する第1動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部と前記第2授受部との間で電力を授受する第2動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定する
車載用制御装置。
【0012】
上記車載用制御装置は、遮断条件が成立した場合に遮断部を遮断状態に切り替えることで、蓄電部と複数の授受部との間に設けられた共通経路での電流の流れを遮断することができる。しかも、上記車載用制御装置は、第1動作及び第2動作のいずれの動作が実行中であるかに基づいて、遮断条件を設定することができる。すなわち、授受部ごとに対応する遮断部を設けることなく、蓄電部がいずれの授受部と電力を授受している状態であるかに応じて遮断条件を切り替えることができる。したがって、蓄電部と電力を授受する授受部が複数存在する構成において部品数の増加を抑えつつ好適に過電流保護を実行しうる。
【0013】
〔2〕前記設定部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオン状態であるかオフ状態であるかに基づいて、前記第1動作及び前記第2動作のいずれが実行中であるかを判定する
〔1〕に記載の車載用制御装置。
【0014】
この構成によれば、第1動作及び第2動作のいずれの動作が実行中であるかの判定を、簡素化することができる。
【0015】
〔3〕前記設定部は、前記第1動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第1遮断条件を設定し、前記第2動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第2遮断条件を設定し、
前記第1遮断条件は、前記第1分岐路を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに前記第1スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第2遮断条件は、前記第2分岐路を流れる電流の電流値が前記第1閾値電流とは異なる第2閾値電流を超えたときに前記第2スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件である
〔1〕又は〔2〕に記載の車載用制御装置。
【0016】
この構成によれば、第1動作の実行中において、第1分岐路を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えた場合には、第1スイッチよりも先に遮断部を遮断状態に切り替えることができる。また、第2動作の実行中においては、第2分岐路を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えた場合に、第2スイッチよりも先に遮断部を遮断状態に切り替えることができる。
【0017】
〔4〕前記第1スイッチは、第1スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられ、
前記第2スイッチは、第2スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられ、
前記第1遮断条件は、第1遮断特性に基づいて成否が判定され、
前記第2遮断条件は、第2遮断特性に基づいて成否が判定され、
前記第1スイッチ遮断特性、前記第2スイッチ遮断特性、前記第1遮断特性、及び前記第2遮断特性は、それぞれ通電時間と電流値との対応関係を示す対応関係データによって規定され、
前記第1遮断特性の通電時間には、前記第1閾値電流以下の電流値に対して前記第1スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、前記第1閾値電流を超える電流値に対して前記第1スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応し、
前記第2遮断特性の通電時間には、前記第2閾値電流以下の電流値に対して前記第2スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、前記第2閾値電流を超える電流値に対して前記第2スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する
〔3〕に記載の車載用制御装置。
【0018】
この構成によれば、第1動作の実行中において、共通経路を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えた場合には、通電時間に基づいて第1スイッチよりも先に遮断部を遮断状態に切り替えることができる。また、第2動作の実行中においては、共通経路を流れる電流値が第2閾値電流を超えた場合に、通電時間に基づいて第2スイッチよりも先に遮断部を遮断状態に切り替えることができる。
【0019】
〔5〕前記第1授受部は、充電ケーブルを介して外部電源に接続される接続部であり、
前記第2授受部は、負荷であり、
前記共通経路は、前記蓄電部からの放電経路且つ前記蓄電部への充電経路であり、
前記第1分岐路は、前記接続部を介して供給される電力を前記共通経路に導く経路であり、
前記第2分岐路は、前記共通経路からの電力を前記負荷に導く経路であり、
前記設定部は、前記第1スイッチがオン状態である場合に前記接続部を介して供給される充電電流を前記蓄電部に流す充電動作、及び前記第2スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記負荷に放電電流を流す放電動作、のいずれの動作が実行中であるかに基づいて前記遮断条件を設定する
〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の車載用制御装置。
【0020】
この構成によれば、充電動作の実行中であるか放電動作の実行中であるかに基づいて好適に過電流保護を実行しうる。
【0021】
〔6〕前記第2閾値電流は、前記第1閾値電流よりも大きい
〔5〕に記載の車載用制御装置。
【0022】
この構成によれば、充電動作時と比較して大きな電流が流れるような放電動作も許容することができる。
【0023】
〔7〕前記車載システムは、複数の前記授受部のうちの第3授受部と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される第3分岐路と、前記第3分岐路に設けられる第3スイッチと、を有し、
前記第3授受部は、第2負荷であり、
前記第3スイッチがオン状態である場合に前記蓄電部から前記第2負荷に放電電流を流す第2放電動作が行われ、
前記設定部は、前記第2放電動作の実行中であると判定した場合に、前記遮断条件に含まれる第3遮断条件を設定し、
前記第3遮断条件は、前記第3分岐路を流れる電流値が第3閾値電流を超えたときに前記第3スイッチがオフ状態に切り替わるよりも先に前記遮断部を前記遮断状態に切り替える条件であり、
前記第3閾値電流は、前記第2閾値電流とは異なる
〔6〕に記載の車載用制御装置。
【0024】
この構成によれば、遮断部の遮断条件を、充電動作の実行中であるか放電動作の実行中であるによって異ならせるだけでなく、放電動作の実行中であるか第2放電動作の実行中であるによっても異ならせることができる。
【0025】
〔8〕前記設定部は、前記充電動作及び前記放電動作の両方が実行中であると判定した場合に、異常信号を出力する
〔6〕又は〔7〕に記載の車載用制御装置。
【0026】
この構成によれば、充電動作及び放電動作の両方が並行して動作することが想定されていない構成において、充電動作及び放電動作の両方が実行中であるという異常を外部に知らせることができる。
【0027】
〔9〕前記車載システムは、前記授受部とは異なるものであり且つ前記蓄電部からの電力を受ける特定負荷と、前記特定負荷と前記共通経路との間に設けられ前記共通経路に電気的に接続される特定分岐路と、を有し、
更に、前記特定分岐路に設けられ溶断温度を超えると溶断される温度ヒューズを有する
〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の車載用制御装置。
【0028】
この構成によれば、特定負荷が地絡した場合に、その影響が蓄電部及び授受部に及ぶことを防止しやすい。
【0029】
<第1実施形態>
図1に示す車載システム100は、車両101に搭載されるシステムであり、蓄電部90と、接続部91と、第1負荷92と、第2負荷93と、外部ECU94と、共通経路80と、第1分岐路81と、第2分岐路82と、第3分岐路83と、車載用制御装置1と、を有する。
【0030】
蓄電部90は、リチウムイオンバッテリなどのバッテリである。
【0031】
接続部91は、第1授受部の一例に相当する。接続部91は、例えば充電インレットであり、DC充電口の蓋が開放されることで車両101の外部に露出する。接続部91には、充電プラグ111が接続される。これにより、接続部91は、充電ケーブル112を介して外部電源110に接続され、外部電源110から電力が供給される。接続部91は、第1分岐路81及び共通経路80を介して、外部電源110から供給された電力を蓄電部90に供給しうる。
【0032】
第1負荷92は、第2授受部の一例に相当する。第1負荷92は、例えばモータである。モータは、例えば車両101が電気自動車又はハイブリッド自動車である場合における走行用モータである。第1負荷92は、共通経路80及び第2分岐路82を介して、蓄電部90に基づく電力を受ける。
【0033】
第2負荷93は、第3授受部の一例に相当する。第2負荷93は、例えば高圧補機であり、より具体的にはエアコン、ヒータなどである。第2負荷93は、共通経路80及び第3分岐路83を介して、蓄電部90に基づく電力を受ける。
【0034】
共通経路80は、蓄電部90と複数の授受部(本実施形態では、接続部91、第1負荷92及び第2負荷93)との間に設けられる。共通経路80は、蓄電部90からの放電経路であり、且つ蓄電部90への充電経路である。共通経路80は、蓄電部90に電気的に接続される。
【0035】
第1分岐路81は、蓄電部90と接続部91との間に設けられ、共通経路80に電気的に接続される。第1分岐路81は、接続部91(すなわち、外部電源110)から供給される電力を共通経路80に導く経路である。蓄電部90を充電する際には、接続部91に外部電源110が接続される。
【0036】
第2分岐路82は、蓄電部90と第1負荷92との間に設けられ、共通経路80に電気的に接続される。第2分岐路82は、共通経路80からの電力を第1負荷92に導く経路である。
【0037】
第3分岐路83は、蓄電部90と第2負荷93との間に設けられ、共通経路80に電気的に接続される。第3分岐路83は、共通経路80からの電力を第2負荷93に導く経路である。
【0038】
車載用制御装置1は、車両101に搭載され、車載システム100に用いられる装置である。車載用制御装置1は、第1スイッチ11と、第2スイッチ12と、第3スイッチ13と、遮断部14と、電流検出部15,16,17と、ECU20と、を有する。
【0039】
第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13は、本実施形態では機械式スイッチとするが、FET等の半導体スイッチであってもよい。第1スイッチ11は、第1分岐路81に設けられる。第2スイッチ12は、第2分岐路82に設けられる。第3スイッチ13は、第3分岐路83に設けられる。第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13は、それぞれ外部ECU94によって制御される。
【0040】
遮断部14は、共通経路80に設けられる。遮断部14は、共通経路80を通電させる通電状態から共通経路80を遮断する遮断状態に切り替わる機能を有する。遮断部14は、本実施形態ではFET等の半導体スイッチとするが、機械式スイッチであってもよい。遮断部14は、オン状態のときに通電状態となり、オフ状態のときに遮断状態となる。あるいは、遮断部14は、制御信号が与えられることで経路を物理的に切断する遮断器であってもよい。より具体的には、駆動電流が入力された場合に爆発を生じさせ、この爆発によって変位部を移動させることで経路を物理的に切断する火工遮断器(例えばパイロヒューズ(PYROFUSE(登録商標)))であってもよい。遮断部14は、ECU20によって制御される。
【0041】
電流検出部15,16,17は、例えば公知の電流検出回路である。電流検出部15は、第1分岐路81を流れる電流の電流値を検出する。電流検出部15は、例えば第1分岐路81に設けられるシャント抵抗と、シャント抵抗の両端電圧を増幅して出力する差動増幅回路と、を有する。電流検出部16は、第2分岐路82を流れる電流の電流値を検出する。電流検出部16は、例えば第2分岐路82に設けられるシャント抵抗と、シャント抵抗の両端電圧を増幅して出力する差動増幅回路と、を有する。電流検出部17は、第3分岐路83を流れる電流の電流値を検出する。電流検出部17は、例えば第3分岐路83に設けられるシャント抵抗と、シャント抵抗の両端電圧を増幅して出力する差動増幅回路と、を有する。電流検出部15,16,17の検出値は、ECU20及び外部ECU94にそれぞれ入力される。
【0042】
ECU20は、制御部21と、設定部22と、を有する。制御部21は、遮断条件が成立した場合に遮断部14を許容状態から遮断状態に切り替える。設定部22は、遮断条件を設定する。設定部22は、充電動作及び第1放電動作のいずれの動作が実行中であるかに基づいて遮断条件を設定し得る。充電動作は、第1スイッチ11がオン状態である場合に接続部91(つまり、外部電源110)からの電力に基づく充電電流を蓄電部90に流す動作である。第1放電動作は、第2スイッチ12がオン状態である場合に蓄電部90から第1負荷92に放電電流を流す動作である。
【0043】
充電動作及び第1放電動作は以下のように実行される。遮断部14は、通常は許容状態とされ、過電流が生じた場合に遮断状態に切り替わる。つまり、充電動作は、接続部91を介して第1分岐路81に外部電源110が電気的に接続され、且つ第1スイッチ11がオン状態に切り替わることで実行される。第1放電動作は、第2スイッチ12がオン状態である場合に蓄電部90から第1負荷92に放電電流を流す動作である。第1放電動作は、第2スイッチ12がオン状態に切り替わることで実行される。
【0044】
設定部22は、第1放電動作及び第2放電動作のいずれの動作が実行中であるかに基づいて遮断条件を設定し得る。第2放電動作は、第3スイッチ13がオン状態である場合に蓄電部90から第2負荷93に放電電流を流す動作である。第2放電動作は、第3スイッチ13がオン状態に切り替わることで実行される。
【0045】
設定部22は、第1スイッチ11、第2スイッチ12、及び第3スイッチ13がオン状態であるかオフ状態であるかに基づいて、充電動作、第1放電動作、及び第2放電動作のいずれの動作が実行中であるかを判定する。設定部22は、第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13がオン状態であるかオフ状態であるかを示す信号を外部ECU94から受信することで、第1スイッチ11、第2スイッチ12及び第3スイッチ13がオン状態であるかオフ状態であるかを判定し得る。設定部22は、第1スイッチ11がオン状態であると判定した場合に充電動作の実行中であると判定し、第2スイッチ12がオン状態であると判定した場合に第1放電動作の実行中であると判定し、第3スイッチ13がオン状態であると判定した場合に第2放電動作の実行中であると判定する。
【0046】
遮断条件は、第1遮断条件と、第2遮断条件と、第3遮断条件と、を含む。設定部22は、充電動作の実行中であると判定した場合に、第1遮断条件を設定する。第1遮断条件は、第1分岐路81を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに第1スイッチ11よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える条件である。また、設定部22は、第1放電動作の実行中であると判定した場合に、第2遮断条件を設定する。第2遮断条件は、第2分岐路82を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えたときに第2スイッチ12よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える条件である。また、設定部22は、第2放電動作の実行中であると判定した場合に、第3遮断条件を設定する。第3遮断条件は、第3分岐路83を流れる電流値が第3閾値電流を超えたときに第3スイッチ13よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える条件である。第2閾値電流は、第1閾値電流よりも大きい。第2閾値電流及び第3閾値電流は、互いに異なる。第3閾値電流は、第1閾値電流よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0047】
第1遮断条件は、第1遮断特性に基づいて成否が判定される。より具体的には、第1遮断条件は、第1遮断特性と、第1分岐路81を流れる電流の電流値と、に基づいて成否が判定される。第2遮断条件は、第2遮断特性に基づいて成否が判定される。より具体的には、第2遮断条件は、第2遮断特性と、第2分岐路82を流れる電流の電流値と、に基づいて成否が判定される。第3遮断条件は、第3遮断特性に基づいて成否が判定される。より具体的には、第3遮断条件は、第3遮断特性と、第3分岐路83を流れる電流の電流値と、に基づいて成否が判定される。
【0048】
第1スイッチ11は、第1スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられる。より具体的には、第1スイッチ11は、第1スイッチ遮断特性と、第1分岐路81を流れる電流の電流値と、に基づいてオフ状態に切り替えられる。第2スイッチ12は、第2スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられる。より具体的には、第2スイッチ12は、第2スイッチ遮断特性と、第2分岐路82を流れる電流の電流値と、に基づいてオフ状態に切り替えられる。第3スイッチ13は、第3スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられる。より具体的には、第3スイッチ13は、第3スイッチ遮断特性と、第3分岐路83を流れる電流の電流値と、に基づいてオフ状態に切り替えられる。
【0049】
第1遮断特性、第2遮断特性、第3遮断特性、第1スイッチ遮断特性、第2スイッチ遮断特性、及び第3スイッチ遮断特性は、図2から図4に示すように、それぞれ通電時間と電流値との対応関係を示す対応関係データである。対応関係データは、ある電流値を超える状態がどの程度の時間継続した場合にオフ状態に切り替えるかを定めたデータである。対応関係データは、関数などの演算式であってもよいし、テーブルであってもよい。例えば、判定用の電流値を予め複数決めておき、実際の電流値が判定用の電流値を超えるごとにその判定用の電流値に対応するタイマを作動させ、タイマの作動時間がその判定用の電流値に対応する通電時間に達した場合にオフ状態に切り替える。逆に、通電時間に達する前に、実際の電流値がその判定用の電流値を下回った場合にはタイマをリセットする。
【0050】
図2に示すように、第1遮断特性の通電時間には、第1閾値電流以下の電流値に対して第1スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、第1閾値電流を超える電流値に対して第1スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する。このため、制御部21は、第1遮断条件が設定された状態において、第1分岐路81を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに第1スイッチ11よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える。
【0051】
図3に示すように、第2遮断特性の通電時間には、第2閾値電流以下の電流値に対して第2スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、第2閾値電流を超える電流値に対して第2スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する。このため、制御部21は、第2遮断条件が設定された状態において、第2分岐路82を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えたときに第2スイッチ12よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える。
【0052】
図4に示すように、第3遮断特性の通電時間には、第3閾値電流以下の電流値に対して第3スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、第3閾値電流を超える電流値に対して第3スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する。このため、制御部21は、第3遮断条件が設定された状態において、第3分岐路83を流れる電流値が第3閾値電流を超えたときに第3スイッチ13よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える。
【0053】
ECU20は、外部ECU94と通信可能である。設定部22は、充電動作及び第1放電動作の両方が実行中であると判定した場合に、外部ECU94に向けて異常が生じたことを示す異常信号を出力する。また、制御部21は、遮断条件が成立したと判定した場合にも、外部ECU94に向けて異常が生じたことを示す異常信号を出力する。
【0054】
設定部22は、図5に示す制御を実行する。図5に示す制御は、例えばECU20の起動時に開始され、終了するとすぐに再開される。また、開始の際、遮断部14は、許容状態とされる。図5に示す制御では、まずステップS10にて、充電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、充電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS10にてNoの場合)、ステップS11にて、第1放電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、第1放電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS11にてNoの場合)、ステップS12にて、第2放電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、第2放電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS12にてNoの場合)、ステップS10に戻る。つまり、設定部22は、充電動作、第1放電動作及び第2放電動作のいずれかが実行されるまで、ステップS11,S12,S13を繰り返す。
【0055】
設定部22は、充電動作が実行中であると判定した場合(ステップS10にてYesの場合)、ステップS13にて、第1放電動作又は第2放電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、第1放電動作及び第2放電動作のいずれも実行中でないと判定した場合(ステップS13にてNoの場合)、ステップS14にて第1遮断条件を設定する。設定部22は、第1放電動作又は第2放電動作が実行中であると判定した場合(ステップS13にてYesの場合)、ステップS15にて異常信号を出力する。つまり、設定部22は、充電動作を実行中であると判定したにも関わらず、第1放電動作又は第2放電動作が実行中であると判定した場合に、異常信号を出力する。
【0056】
設定部22は、第1放電動作が実行中であると判定した場合(ステップS11にてYesの場合)、ステップS16にて、第2放電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、第2放電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS16にてNoの場合)、ステップS17にて第2遮断条件を設定する。設定部22は、第2放電動作が実行中であると判定した場合(ステップS16にてYesの場合)、ステップS15にて異常信号を出力する。つまり、設定部22は、第1放電動作及び第2放電動作の両方が実行中であると判定した場合に異常信号を出力する。設定部22は、ステップS12にて第2放電動作が実行中であると判定した場合(ステップS12にてYesの場合)、ステップS18にて第3遮断条件を設定する。
【0057】
以下の説明は、第1実施形態の効果に関する。
車載システム100は、第1スイッチ11をオン状態に切り替えることで充電動作を実行することができ、第2スイッチ12をオン状態に切り替えることで放電動作を実行することができる。そして、この車載システム100に用いられる車載用制御装置1は、充電動作及び第1放電動作のいずれの動作が実行中であるかに基づいて、遮断条件を設定することができる。したがって、この車載用制御装置1によれば、充電時と放電時の両方で好適に過電流保護を実行しうる。
【0058】
更に、設定部22は、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオン状態であるかオフ状態であるかに基づいて、充電動作及び放電動作のいずれの動作が実行中であるかを判定する。
この構成によれば、充電動作及び放電動作のいずれの動作が実行中であるかの判定を、簡素化することができる。
【0059】
更に、設定部22は、充電動作の実行中であると判定した場合に、第1分岐路81を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに第1スイッチ11よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える第1遮断条件を設定する。また、設定部22は、第1放電動作の実行中であると判定した場合に、第2分岐路82を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えたときに第2スイッチ12よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える第2遮断条件を設定する。また、第2閾値電流は、第1閾値電流よりも大きい。
この車載用制御装置1によれば、充電動作の実行中において、第1分岐路81を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えた場合には、第1スイッチ11よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替えることができる。また、第1放電動作の実行中においては、第2分岐路82を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えた場合に、第2スイッチ12よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替えることができる。しかも、第2閾値電流は、第1閾値電流よりも大きい。このため、充電動作時と比較して大きな電流が流れるような第1放電動作も許容することができる。充電動作時の電流値は想定しやすいが、第1放電動作時の電流値は、使用状態に応じて変化しやすい。例えば、電気自動車やバイブリッド自動車では、加速時や坂を登る際に高負荷がかかりやすい。この構成によれば、仮に第1放電動作時に高負荷がかかって第1閾値電流を超える電流が流れたとしても、遮断部14を遮断状態に切り替えることなく、第1放電動作を継続して行わせることができる。
【0060】
更に、第1遮断特性の通電時間には、第1閾値電流以下の電流値に対して第1スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、第1閾値電流を超える電流値に対して第1スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する。また、第2遮断特性の通電時間には、第2閾値電流以下の電流値に対して第2スイッチ遮断特性よりも長い時間が対応し、第2閾値電流を超える電流値に対して第2スイッチ遮断特性よりも短い時間が対応する。
この構成によれば、充電動作の実行中において、第1分岐路81を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えた場合には、通電時間に基づいて第1スイッチ11よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替えることができる。また、第1放電動作の実行中においては、第2分岐路82を流れる電流値が第2閾値電流を超えた場合に、通電時間に基づいて第2スイッチ12よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替えることができる。
【0061】
更に、設定部22は、第2放電動作の実行中であると判定した場合に、第3分岐路83を流れる電流値が第3閾値電流を超えたときに第3スイッチ13よりも先に遮断部14を遮断状態に切り替える第3遮断条件を設定する。また、第3閾値電流は、第2閾値電流とは異なる。
この構成によれば、遮断部14の遮断条件を、充電動作の実行中であるか第1放電動作の実行中であるかによって異ならせるだけでなく、第1放電動作の実行中であるか第2放電動作の実行中であるかによっても異ならせることができる。
【0062】
更に、設定部22は、充電動作及び第1放電動作の両方が実行中であると判定した場合に、異常信号を出力する。
この構成によれば、充電動作及び第1放電動作の両方が並行して動作することが想定されていない構成において、充電動作及び第1放電動作の両方が実行中であるという異常を外部に知らせることができる。
【0063】
<第2実施形態>
第2実施形態は、主に、特定負荷が温度ヒューズを介して共通経路に接続されている点で第1実施形態とは異なる。なお、以下では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0064】
図6に示す車載システム200は、車両201に搭載されるシステムであり、蓄電部90と、接続部91と、負荷292と、特定負荷293と、外部ECU94と、共通経路80と、第1分岐路81と、第2分岐路82と、特定分岐路283と、車載用制御装置1Bと、を有する。
【0065】
負荷292は、第2授受部の一例に相当する。負荷292は、例えばモータである。モータは、例えば車両201が電気自動車又はハイブリッド自動車である場合における走行用モータである。負荷292は、共通経路80及び第2分岐路82を介して、蓄電部90に基づく電力を受ける。
【0066】
特定負荷293は、例えば高圧補機であり、より具体的にはエアコン、ヒータなどである。特定負荷293は、共通経路80及び特定分岐路283を介して、蓄電部90に基づく電力を受ける。
【0067】
共通経路80は、蓄電部90と複数の授受部(本実施形態では、接続部91、負荷292及び特定負荷293)との間に設けられる。
【0068】
第2分岐路82は、蓄電部90と負荷292との間に設けられ、共通経路80に電気的に接続される。第2分岐路82は、共通経路80からの電力を負荷292に導く経路である。
【0069】
特定分岐路283は、蓄電部90と特定負荷293との間に設けられ、共通経路80に電気的に接続される。特定分岐路283は、共通経路80からの電力を特定負荷293に導く経路である。
【0070】
車載用制御装置1Bは、車両201に搭載され、車載システム200に用いられる装置である。車載用制御装置1Bは、第1スイッチ11と、第2スイッチ12と、温度ヒューズ213と、遮断部214と、電流検出部15,16と、ECU20と、を有する。
【0071】
温度ヒューズ213は、特定分岐路283に設けられ、溶断温度を超えると溶断される。温度ヒューズ213が溶断されると、共通経路80と特定負荷293との間の電流の流れが遮断される。
【0072】
遮断部214は、共通経路80に設けられる。遮断部214は、共通経路80を通電させる通電状態から共通経路80を遮断する遮断状態に切り替わる機能を有する。遮断部214は、本実施形態では、制御信号が与えられることで経路を物理的に切断する遮断器である。より具体的には、遮断部214は、駆動電流が入力された場合に爆発を生じさせ、この爆発によって変位部を移動させることで経路を物理的に切断する火工遮断器(例えばパイロヒューズ(PYROFUSE(登録商標)))である。遮断部214は、ECU20によって制御される。
【0073】
ECU20は、制御部21と、設定部22と、を有する。制御部21は、遮断条件が成立した場合に遮断部214を許容状態から遮断状態に切り替える。設定部22は、遮断条件を設定する。設定部22は、充電動作及び放電動作のいずれの動作が実行中であるかに基づいて遮断条件を設定し得る。充電動作は、第1スイッチ11がオン状態である場合に接続部91(つまり、外部電源110)からの電力に基づく充電電流を蓄電部90に流す動作である。放電動作は、第2スイッチ12がオン状態である場合に蓄電部90から負荷292に放電電流を流す動作である。
【0074】
充電動作及び放電動作は以下のように実行される。遮断部214は、通常は許容状態とされ、過電流が生じた場合に遮断状態に切り替わる。つまり、充電動作は、接続部91を介して第1分岐路81に外部電源110が電気的に接続され、且つ第1スイッチ11がオン状態に切り替わることで実行される。放電動作は、第2スイッチ12がオン状態である場合に蓄電部90から負荷292に放電電流を流す動作である。放電動作は、第2スイッチ12がオン状態に切り替わることで実行される。
【0075】
設定部22は、第1スイッチ11、及び第2スイッチ12がオン状態であるかオフ状態であるかに基づいて、充電動作及び放電動作のいずれの動作が実行中であるかを判定する。設定部22は、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオン状態であるかオフ状態であるかを示す信号を外部ECU94から受信することで、第1スイッチ11及び第2スイッチ12がオン状態であるかオフ状態であるかを判定し得る。設定部22は、第1スイッチ11がオン状態であると判定した場合に充電動作の実行中であると判定し、第2スイッチ12がオン状態であると判定した場合に放電動作の実行中であると判定する。
【0076】
遮断条件は、第1遮断条件と、第2遮断条件と、を含む。設定部22は、充電動作の実行中であると判定した場合に、第1遮断条件を設定する。第1遮断条件は、第1分岐路81を流れる電流の電流値が第1閾値電流を超えたときに第1スイッチ11よりも先に遮断部214を遮断状態に切り替える条件である。また、設定部22は、放電動作の実行中であると判定した場合に、第2遮断条件を設定する。第2遮断条件は、第2分岐路82を流れる電流の電流値が第2閾値電流を超えたときに第2スイッチ12よりも先に遮断部214を遮断状態に切り替える条件である。第2閾値電流は、第1閾値電流よりも大きい。
【0077】
第1遮断条件は、第1遮断特性に基づいて成否が判定される。より具体的には、第1遮断条件は、第1遮断特性と、第1分岐路81を流れる電流の電流値と、に基づいて成否が判定される。第2遮断条件は、第2遮断特性に基づいて成否が判定される。より具体的には、第2遮断条件は、第2遮断特性と、第2分岐路82を流れる電流の電流値と、に基づいて成否が判定される。
【0078】
第1スイッチ11は、第1スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられる。より具体的には、第1スイッチ11は、第1スイッチ遮断特性と、第1分岐路81を流れる電流の電流値と、に基づいてオフ状態に切り替えられる。第2スイッチ12は、第2スイッチ遮断特性に基づいてオフ状態に切り替えられる。より具体的には、第2スイッチ12は、第2スイッチ遮断特性と、第2分岐路82を流れる電流の電流値と、に基づいてオフ状態に切り替えられる。
【0079】
第1遮断特性、第2遮断特性、第1スイッチ遮断特性、及び第2スイッチ遮断特性は、第1実施形態で説明した通りである。
【0080】
ECU20は、外部ECU94と通信可能である。設定部22は、充電動作及び放電動作の両方が実行中であると判定した場合に、外部ECU94に向けて異常が生じたことを示す異常信号を出力する。また、制御部21は、遮断条件が成立したと判定した場合にも、外部ECU94に向けて異常が生じたことを示す異常信号を出力する。
【0081】
設定部22は、図7に示す制御を実行する。図7に示す制御は、例えばECU20の起動時に開始され、終了するとすぐに再開される。また、開始の際、遮断部214は、許容状態とされている。図7に示す制御では、まずステップS210にて、充電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、充電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS210にてNoの場合)、ステップS211にて、放電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、放電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS211にてNoの場合)、ステップS210に戻る。つまり、設定部22は、充電動作又は放電動作が実行されるまで、ステップS211,S212を繰り返す。
【0082】
設定部22は、充電動作が実行中であると判定した場合(ステップS210にてYesの場合)、ステップS213にて、放電動作が実行中であるか否かを判定する。設定部22は、放電動作が実行中でないと判定した場合(ステップS213にてNoの場合)、ステップS214にて第1遮断条件を設定する。設定部22は、第1放電動作が実行中であると判定した場合(ステップS213にてYesの場合)、ステップS215にて異常信号を出力する。つまり、設定部22は、充電動作を実行中であると判定したにも関わらず、放電動作が実行中であると判定した場合に、異常信号を出力する。
【0083】
設定部22は、放電動作が実行中であると判定した場合(ステップS211にてYesの場合)、ステップS217にて第2遮断条件を設定する。
【0084】
以下の説明は、第2実施形態の効果に関する。
車載システム200は、第1スイッチ11をオン状態に切り替えることで充電動作を実行することができ、第2スイッチ12をオン状態に切り替えることで放電動作を実行することができる。そして、この車載システム200に用いられる車載用制御装置1Bは、充電動作及び放電動作のいずれの動作が実行中であるかに基づいて、遮断条件を設定することができる。したがって、この車載用制御装置1Bによれば、充電時と放電時の両方で好適に過電流保護を実行しうる。
【0085】
更に、車載用制御装置1Bは、特定分岐路283に設けられ溶断温度を超えると溶断される温度ヒューズ213を有する。この構成によれば、特定負荷293が地絡した場合に、その影響が蓄電部90、接続部91及び負荷292に及ぶことを防止しやすい。
【0086】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0087】
上記第1実施形態では、ECUが第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチのオンオフ状態を認識する構成として、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチのオンオフ状態を示す信号を、設定部が外部ECUから受信し、この信号に基づいて認識する構成とした。しかし、別の構成であってもよい。例えば、制御部が第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチを制御する構成とし、制御部の制御状態に基づいて第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチのオンオフ状態を認識する構成であってもよい。あるいは、第1分岐路、第2分岐路及び第3分岐路の電圧値や電流値を検出し、この検出値に基づいて第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチのオンオフ状態を認識する構成であってもよい。また、これらを組み合わせた構成であってもよい。
【0088】
上記第2実施形態では、ECUが第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフ状態を認識する構成として、第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフ状態を示す信号を、設定部が外部ECUから受信し、この信号に基づいて認識する構成とした。しかし、別の構成であってもよい。例えば、制御部が第1スイッチ及び第2スイッチを制御する構成とし、制御部の制御状態に基づいて第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフ状態を認識する構成であってもよい。あるいは、第1分岐路及び第2分岐路の電圧値や電流値を検出し、この検出値に基づいて第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフ状態を認識する構成であってもよい。また、これらを組み合わせた構成であってもよい。
【0089】
上記第1実施形態では、充電動作の実行中に第1放電動作又は第2放電動作が実行中であると判定した場合に異常信号を出力する構成であったが、充電動作及び第1放電動作の両方が実行中であると判定した場合に異常信号を出力する一方、充電動作及び第2放電動作の両方が実行中であると判定しても異常信号を出力しない構成であってもよい。つまり、充電動作の実行中であると判定した場合において、第1放電動作及び第2放電動作のうち第1放電動作が実行されたと判定した場合にのみ異常信号を出力する構成であってもよい。
【0090】
上記第1実施形態では、第1放電動作及び第2放電動作の両方が実行中であると判定した場合に異常信号を出力する構成であったが、第1放電動作及び第2放電動作の両方が実行中であっても異常信号を出力しない構成であってもよい。
【0091】
上記第1実施形態では、第1分岐路、第2分岐路、第3分岐路のそれぞれに設けられる電流検出部によって、第1分岐路、第2分岐路、第3分岐路を流れる電流値を検出する構成であった。しかし、共通経路に電流検出部を設け、この電流検出部に基づいて、第1分岐路、第2分岐路、第3分岐路を流れる電流値を検出してもよい。例えば、第1動作の実行中に検出された電流値を、第1分岐路を流れる電流値として検出してもよい。第2動作の実行中に検出された電流値を、第2分岐路を流れる電流値として検出してもよい。第3動作の実行中に検出された電流値を、第3分岐路を流れる電流値として検出してもよい。この構成によれば、電流検出部の数を抑えることができる。
【0092】
上記第2実施形態では、第1分岐路、第2分岐路のそれぞれに設けられる電流検出部によって、第1分岐路、第2分岐路を流れる電流値を検出する構成であった。しかし、共通経路に電流検出部を設け、この電流検出部に基づいて、第1分岐路、第2分岐路を流れる電流値を検出してもよい。例えば、第1動作の実行中に検出された電流値を、第1分岐路を流れる電流値として検出してもよい。第2動作の実行中に検出された電流値を、第2分岐路を流れる電流値として検出してもよい。この構成によれば、電流検出部の数を抑えることができる。
【0093】
上記各実施形態では、遮断条件が、通電時間と電流値との対応関係に基づいて成否が判定される条件であったが、別の条件であってもよい。例えば、遮断条件は、予め定められた遮断閾値を超えたことであってもよい。より具体的には、充電動作の実行中に設定される第1遮断条件は、第1分岐路の電流値が第1遮断閾値を超えたことであり、放電動作の実行中に設定される第2遮断条件は、第2分岐路の電流値が第2遮断閾値を超えたことであってもよい。第1遮断閾値は、第2遮断閾値よりも大きい値であってもよい。
【0094】
上記各実施形態では、第1動作を充電動作とし、第2動作を放電動作とする例を説明したが、別の構成であってもよい。例えば、第1動作及び第2動作の両方が放電動作であってもよい。
【0095】
上記各実施形態では、第2閾値電流が第1閾値電流よりも大きい構成であったが、第2閾値電流が第1閾値電流よりも小さい構成であってもよい。
【0096】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲によって示された範囲内又は請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 :車載用制御装置
1B :車載用制御装置
11 :第1スイッチ
12 :第2スイッチ
13 :第3スイッチ
14 :遮断部
15 :電流検出部
16 :電流検出部
17 :電流検出部
18 :電流検出部
20 :ECU
21 :制御部
22 :設定部
80 :共通経路
81 :第1分岐路
82 :第2分岐路
83 :第3分岐路
90 :蓄電部
91 :接続部(第1授受部)
92 :第1負荷(第2授受部、負荷)
93 :第2負荷(第3授受部)
94 :外部ECU
100 :車載システム
101 :車両
110 :外部電源
111 :充電プラグ
112 :充電ケーブル
200 :車載システム
201 :車両
213 :温度ヒューズ
214 :遮断部
283 :特定分岐路
292 :負荷(第2授受部)
293 :特定負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7