(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 3/06 20060101AFI20250415BHJP
A63F 5/02 20060101ALI20250415BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20250415BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20250415BHJP
【FI】
A63F3/06 Z
A63F5/02 A
A63F9/00 513
A63F13/69
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2024117390
(22)【出願日】2024-07-23
【審査請求日】2024-07-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】茂木(吉田) 遥
(72)【発明者】
【氏名】最上 直
(72)【発明者】
【氏名】松下 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】波根 康輔
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 俊之
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第7517546(JP,B1)
【文献】特開2024-21443(JP,A)
【文献】国際公開第2024/057615(WO,A1)
【文献】国際公開第2023/002930(WO,A1)
【文献】実開平6-61276(JP,U)
【文献】[億万長者すごろく]モノポリー形式のすごろくゲーム!多数のマップ&ソロのステージを収録!他プレイヤーとの対戦も楽しめる,アプリゲット[online],2021年05月15日,インターネット URL https://appget.com/appli/view/75750/,[2024年8月26日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00- 5/04
9/00- 9/20,9/24,9/26-11/00,
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ゲームを実行する第一実行手段と、
プレイヤの基準位置
と複数の位置情報とが設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を
、前記複数の位置情報のうち前記第一ゲームのゲーム結果に
対応する位置情報に紐づけられた位置と前記基準位置との位置関係に所定の条件が成立した場合に設定する第二ゲームを実行する第二実行手段と、
前記基準位置及び前記他の位置との間の経路情報に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
第一ゲームを実行する第一実行手段と、
プレイヤの基準位置
と複数の位置情報とが設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を
、前記複数の位置情報のうち前記第一ゲームのゲーム結果に
対応する位置情報に紐づけられた位置と前記基準位置との位置関係に所定の条件が成立した場合に設定する第二ゲームを実行する第二実行手段と、
前記基準位置及び前記他の位置を利用して、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記ゲーム領域は、当該ゲーム領域より小さな複数の小領域に区分けされており、
前記経路情報は、前記基準位置が示す小領域と前記他の位置が示す小領域との間の経路にある小領域の数を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第二実行手段は、前記第一ゲームが実行される毎に前記基準位置を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第二実行手段は、前記基準位置を前記他の位置に基づいた位置に変更する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ゲーム領域には特別な特別位置が設定可能であり、
前記第二実行手段は、前記基準位置を変更した後、前記特別位置に関する条件に基づき、前記基準位置を前記特別位置に基づいた位置に変更する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第二実行手段は、前記第一ゲームが実行された後、予め定められた条件に基づき、前記基準位置を複数設定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ゲーム領域には特別な特別位置が設定可能であり、
前記予め定められた条件は、前記特別位置に関する条件を含む、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記予め定められた条件は、前記他の位置に関する条件を含む、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第二実行手段は、前記第一ゲームのゲーム結果に基づき、前記特別位置を設定する、
請求項6又は8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記付与手段は、前記基準位置及び前記他の位置に基づき蓄積値を蓄積し、且つ、当該基準位置及び前記特別位置、もしくは、当該他の位置及び前記特別位置に基づき当該蓄積値を蓄積し、当該蓄積値に基づいた前記報酬を付与する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第一ゲームは抽選ゲームを含み、
前記第二実行手段は、前記抽選ゲームの抽選結果に基づき、前記他の位置を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記抽選ゲームは、複数の記号の中から一つの記号を抽選するゲームを含む、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記ゲーム領域には、記号が紐付けられた複数の位置が設定されており、
前記第二実行手段は、前記抽選ゲームで抽選された記号に対応する記号が紐付けられた位置を前記他の位置として設定する、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記第一実行手段は、実空間上の抽選媒体を検出機構が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選する抽選装置を含む、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記第一実行手段は、前記抽選ゲームを予め定められた複数の回数実行し、
前記付与手段は、前記抽選ゲーム毎に、前記基準位置及び前記他の位置に基づき蓄積値を蓄積し、当該蓄積値に基づいた前記報酬を付与する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記第二実行手段は、前記基準位置にオブジェクトを表示制御し、且つ、当該オブジェクトを前記基準位置から前記他の位置に移動制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
第一ゲームを実行する第一実行手段と、
プレイヤの基準位置が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を前記第一ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二ゲームを実行する第二実行手段と、
前記基準位置及び前記他の位置との間の経路情報に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段と、を備え、
前記第二実行手段は、前記第一ゲームが実行された後、予め定められた条件に基づき、前記基準位置を複数設定する、
を備える情報処理装置。
【請求項19】
抽選ゲームを実行する第一実行手段と、
複数の位置情報を含む複数の小領域に区分けされ、当該複数の小領域のうち一つの小領域にプレイヤの基準領域が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、前記ゲーム領域において前記基準領域とは異なる他の領域を
、前記複数の位置情報のうち前記抽選ゲームのゲーム結果に
紐づけられた位置と前記基準領域との位置関係に所定の条件が成立した場合に設定する第二実行手段と、
前記基準領域及び前記他の領域との間の経路にある小領域の数に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段と、
を備え、
前記第二実行手段は、前記抽選ゲームが実行される毎に前記基準領域を変更する、
情報処理装置。
【請求項20】
コンピュータを、
第一ゲームを実行する第一実行手段、
プレイヤの基準位置
と複数の位置情報とが設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を
、前記複数の位置情報のうち前記第一ゲームのゲーム結果に
対応する位置情報に紐づけられた位置と前記基準位置との位置関係に所定の条件が成立した場合に設定する第二ゲームを実行する第二実行手段、
前記基準位置及び前記他の位置との間の経路情報に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項21】
コンピュータを、
第一ゲームを実行する第一実行手段、
プレイヤの基準位置
と複数の位置情報とが設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を
、前記複数の位置情報のうち前記第一ゲームのゲーム結果に
対応する位置情報に紐づけられた位置と前記基準位置との位置関係に所定の条件が成立した場合に設定する第二ゲームを実行する第二実行手段、
前記基準位置及び前記他の位置を利用して、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項22】
コンピュータを、
抽選ゲームを実行する第一実行手段、
複数の位置情報を含む複数の小領域に区分けされ、当該複数の小領域のうち一つの小領域にプレイヤの基準領域が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、前記ゲーム領域において前記基準領域とは異なる他の領域を
、前記複数の位置情報のうち前記抽選ゲームのゲーム結果に
紐づけられた位置と前記基準領域との位置関係に所定の条件が成立した場合に設定する第二実行手段、
前記基準領域及び前記他の領域との間の経路にある小領域の数に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段、
として機能させ、
前記第二実行手段は、前記抽選ゲームが実行される毎に前記基準領域を変更する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、第一ゲームのゲーム結果を利用する第二ゲームが知られている。
【0003】
下記特許文献1には、第一ゲームとしての抽選ゲームの抽選結果(ゲーム結果)を利用して第二ゲームとしてのビンゴゲームを行う技術が開示されている。この技術では、第二ゲームにおいて所定状態のマスに対応する抽選要素が抽選ゲームにて抽選された場合、プレイヤに報酬を付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、第一ゲームのゲーム結果に基づく報酬がプレイヤに付与されるだけであり、報酬の変化が少なく、結果として第二ゲームの興趣性が低くなる。
【0006】
上述の問題に鑑み、本発明は、第一ゲームのゲーム結果を利用する第二ゲームの興趣性を向上することができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る情報処理装置は、第一ゲームを実行する第一実行手段と、プレイヤの基準位置が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を前記第一ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二ゲームを実行する第二実行手段と、前記基準位置及び前記他の位置に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段と、を備える。
【0008】
本発明の第二態様に係る情報処理装置では、前記付与手段は、前記基準位置と前記他の位置との間の経路の距離情報に基づき、前記報酬を付与する。
【0009】
本発明の第三態様に係る情報処理装置では、前記ゲーム領域は、当該ゲーム領域より小さな複数の小領域に区分けされており、前記距離情報は、前記基準位置が示す小領域と前記他の位置が示す小領域との間の経路にある小領域の数を含む。
【0010】
本発明の第四態様に係る情報処理装置では、前記第二実行手段は、前記第一ゲームが実行される毎に前記基準位置を変更する。
【0011】
本発明の第五態様に係る情報処理装置では、前記第二実行手段は、前記基準位置を前記他の位置に基づいた位置に変更する。
【0012】
本発明の第六態様に係る情報処理装置では、前記ゲーム領域には特別な特別位置が設定可能であり、前記第二実行手段は、前記基準位置を変更した後、前記特別位置に関する条件に基づき、前記基準位置を前記特別位置に基づいた位置に変更する。
【0013】
本発明の第七態様に係る情報処理装置では、前記第二実行手段は、前記第一ゲームが実行された後、予め定められた条件に基づき、前記基準位置を複数設定する。
【0014】
本発明の第八態様に係る情報処理装置では、前記ゲーム領域には特別な特別位置が設定可能であり、前記予め定められた条件は、前記特別位置に関する条件を含む。
【0015】
本発明の第九態様に係る情報処理装置では、予め定められた条件は、前記他の位置に関する条件を含む。
【0016】
本発明の第十態様に係る情報処理装置では、前記第二実行手段は、前記第一ゲームのゲーム結果に基づき、前記特別位置を設定する。
【0017】
本発明の第十一態様に係る情報処理装置では、前記付与手段は、前記基準位置及び前記他の位置に基づき蓄積値を蓄積し、且つ、当該基準位置又は当該他の位置及び前記特別位置に基づき当該蓄積値を蓄積し、当該蓄積値に基づいた前記報酬を付与する。
【0018】
本発明の第十二態様に係る情報処理装置では、前記第一ゲームは抽選ゲームを含み、前記第二実行手段は、前記抽選ゲームの抽選結果に基づき、前記他の位置を設定する。
【0019】
本発明の第十三態様に係る情報処理装置では、前記抽選ゲームは、複数の記号の中から一つの記号を抽選するゲームを含み、前記第二実行手段は、前記抽選ゲームの抽選結果に基づき、前記他の位置を設定する。
【0020】
本発明の第十四態様に係る情報処理装置では、前記ゲーム領域には、記号が紐付けられた複数の位置が設定されており、前記第二実行手段は、前記抽選ゲームで抽選された記号に対応する記号が紐付けられた位置を前記他の位置として設定する。
【0021】
本発明の第十五態様に係る情報処理装置では、前記第一実行手段は、実空間上の抽選媒体を検出機構が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選する抽選装置を含む。
【0022】
本発明の第十六態様に係る情報処理装置では、前記第一実行手段は、前記抽選ゲームを予め定められた複数の回数実行し、前記付与手段は、前記抽選ゲーム毎に、前記基準位置及び前記他の位置に基づき蓄積値を蓄積し、当該蓄積値に基づいた前記報酬を付与する。
【0023】
本発明の第十七態様に係る情報処理装置では、前記第二実行手段は、前記基準位置にオブジェクトを表示制御し、且つ、当該オブジェクトを前記基準位置から前記他の位置に移動制御する。
【0024】
本発明の第十八態様に係る情報処理装置では、抽選ゲームを実行する第一実行手段と、複数の小領域に区分けされ、当該複数の小領域のうち一つの小領域にプレイヤの基準領域が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、前記ゲーム領域において前記基準領域とは異なる他の領域を前記抽選ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二実行手段と、前記基準領域及び前記他の領域との間の経路にある小領域の数に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段と、を備え、前記第二実行手段は、前記抽選ゲームが実行される毎に前記基準領域を変更する。
【0025】
本発明の第十九態様に係るプログラムは、コンピュータを、第一ゲームを実行する第一実行手段、プレイヤの基準位置が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を前記第一ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二ゲームを実行する第二実行手段、前記基準位置及び前記他の位置に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段、として機能させる。
【0026】
本発明の第二十態様に係るプログラムは、コンピュータを、抽選ゲームを実行する第一実行手段、複数の小領域に区分けされ、当該複数の小領域のうち一つの小領域にプレイヤの基準領域が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、前記ゲーム領域において前記基準領域とは異なる他の領域を前記抽選ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二実行手段、前記基準領域及び前記他の領域との間の経路にある小領域の数に基づき、報酬を前記プレイヤに付与する付与手段、として機能させ、前記第二実行手段は、前記抽選ゲームが実行される毎に前記基準領域を変更する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第一ゲームのゲーム結果を利用する第二ゲームの興趣性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の本実施形態に係る抽選ゲーム機の外観斜視図である。
【
図2】
図1の抽選ゲーム機における抽選装置及びサテライトの上面図である。
【
図3】
図1の抽選ゲーム機におけるターンテーブルの上面に沿って位置する突起部を示す図である。
【
図4】
図1の抽選ゲーム機におけるターンテーブルの上面から突出して位置する突起部を示す図である。
【
図5】
図1の抽選ゲーム機及びICカードのハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図6】第一ゲーム及び第二ゲームの概要を説明するための図である。
【
図7】抽選ゲーム機の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る抽選ゲーム機の各機能構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9A】ゲーム領域の一例としてのマップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、適宜、「本実施形態」と称す。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0030】
≪全体構成≫
図1は、本実施形態に係る抽選ゲーム機1の外観斜視図である。
【0031】
本実施形態に係る抽選ゲーム機1は、ゲームセンター等に設置されたアーケードゲーム機であって、ゲームプログラムを実行する情報処理装置である。抽選ゲーム機1は、ゲームプログラムの実行結果(画像データや音声データ等)を抽選ゲーム機1に出力することで、抽選ゲーム機1のプレイヤに抽選ゲームを提供する。
【0032】
図1に示すように、抽選ゲーム機1は、中央に配置された物理的な抽選装置10と、抽選装置10の周囲に配置され、プレイヤの操作を受け付ける複数のサテライト20と、を備える。抽選ゲーム機1は、複数のサテライト20のそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、抽選媒体としてボールBを用いた抽選処理を抽選装置10で実行する。
【0033】
抽選処理で用いられるボールBは、例えば半透明の樹脂製の球体であって、互いに異なる固有情報を有する。この固有情報は、例えば、ボールBの色、形状、大きさの少なくとも何れか一つを含む外観情報や、ボールBが有するICタグ(不図示)を示す識別情報であるタグIDを含む。ICタグは、ボールBの固有情報を記録可能な小型の記録媒体であって、例えばボールBに内蔵されている。ICタグは、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグである。なお、ボールBは半透明でなくてもよい。また、ボールBの形状は、球体形状に限らず、例えばラグビーボールのように紡錘形状をしていてもよい。また、抽選媒体としてはボールBに限らず、例えばサイコロのように平面を組み合せた多面体形状の物体等であってもよい。
【0034】
図2に示すように、抽選装置10は、ボールBが投入される抽選盤であるターンテーブル12を有する。ターンテーブル12は、中央部が窪んだすり鉢状又は半球面状の湾曲を有する円盤状を呈し、不図示の回転駆動機構によって回転可能とされている。この回転駆動機構は、例えば、モータで駆動可能な複数のローラによってターンテーブル12の下面を支持し、当該モータによるローラの駆動によってターンテーブル12を回転可能とする機構である。ターンテーブル12の上面12aは、ボールBが移動(転動)可能な移動面である。ターンテーブル12に投入されたボールBは、回転するターンテーブル12の上面12aを転がりながら徐々にターンテーブル12の中央部に向かっていく。ターンテーブル12の周囲には、ガイドサークル13が設けられている。ターンテーブル12の上方には、透明パネル7が複数張設されている。なお、説明の便宜上、
図1における手前側の透明パネル7の図示を省略しているが、実際には当該箇所にも透明パネル7が張設されている。
【0035】
図2は、
図1の抽選ゲーム機1における抽選装置10及びサテライト20の上面図である。
【0036】
図2に示すように、ターンテーブル12には、ボールBを入れることが可能な穴部として、複数(例えば二十五個)のボールポケット14が形成されている。ボールポケット14は、ボールBを入れることが可能な穴部、換言すると、ボールBを捕捉可能なボール捕捉部である。複数のボールポケット14は、ターンテーブル12において、直径が互いに異なる三個の同心円上に並んで配置されている。各ボールポケット14には、ボールポケット14に入ったボールBを検出する検出機構として例えば赤外線センサ(不図示)が設けられている。この赤外線センサの赤外線がボールポケット14に入ったボールBに遮られることによって、当該ボールBが検出される。また、この検出機構には、ICタグを検出するICタグリーダが設けられていてもよく、ボールBが検出されたボールポケット14の当該ICタグリーダを動作させて、ボールBの固有情報の読出し(検出)を行うようにしてもよい。ボールポケット14は、例えば一~二十五の番号が紐付けられており、ボールポケット14の近傍にはこの番号が重複無くランダムに付されている(図示略)。また、ボールポケット14の周囲(近傍)には、LED等によって構成された複数の色に発光する不図示の発光手段(発光部材)が設けられている。この発光手段は、例えばボールポケット14の外縁を取り囲むように設けられている。なお、この発光手段を発光させる条件としては、特に限定されず、単に電飾としてランダムに発光させるほか、ボールBの固有情報に含まれる色情報に基づいて発光させてもよい。例えば、この発光手段を、抽選処理の実行中に、ボールポケット14に予め対応付けられたボールBの色で発光させたり、ボールポケット14にボールBが入ったタイミング等に、当該ボールBの色で発光させたりしてもよい。
【0037】
また、ターンテーブル12の中央部には、ターンテーブル12の上面12aに交差する方向(上下方向)に移動可能な突起部16が形成されている。
【0038】
図3は、ターンテーブル12の上面12aに沿って位置する突起部16を示す図である。
図4は、ターンテーブル12の上面12aから突出して位置する突起部16を示す図である。
【0039】
突起部16は、一以上(
図3及び
図4では一対)の羽根部16a,16bを有し、風車形状を呈している。また、突起部16の上面(ターンテーブル12の上面12a側の面)には、穴部(「センターポケット」とも呼称する。)16cが形成されている。突起部16は、抽選処理の実行中にモータ(図示略)の駆動によって上下動することができる。
【0040】
図3に示すように、突起部16がターンテーブル12の上面12aに沿って位置した状態では、突起部16に形成されたセンターポケット16cが、ターンテーブル12に形成された複数のボール捕捉部の一つとして機能する。すなわち、突起部16を下方に移動させるためのモータの駆動によって、突起部16がターンテーブル12から突出しないように引っ込むことにより、ターンテーブル12の中央部にボール捕捉部が出現する。なお、センターポケット16cには、上記したボールポケット14と同様に、ボール検出機構として例えば赤外線センサが設けられていてもよい。
【0041】
これに対し、
図4に示すように、突起部16がターンテーブル12の上面12aから突出して位置した状態では、センターポケット16cが、ターンテーブル12に形成された複数のボール捕捉部の一つとして機能しない。すなわち、突起部16を上方に移動させるためのモータの駆動によって、突起部16がターンテーブル12から突出することにより、ターンテーブル12の中央部からボール捕捉部が消失する。また、突起部16は、この状態において、モータ(図示略)の駆動により回転可能である。この突起部16の回転方向は、例えばターンテーブル12の回転方向に沿った回転方向(ターンテーブル12と同じ回転方向)であって、この突起部16の回転速度は、例えばターンテーブル12の回転速度よりも速い回転速度である。この回転する突起部16は、羽根部16a,16bによって、ターンテーブル12上において中央部に転がってきたボールBを、ターンテーブル12の外側(ガイドサークル13側)に向かって弾き飛ばす機能を有する。以下、このように回転する突起部16を、回転風車と称する。なお、突起部16の回転は、上記例に限定されず、例えばターンテーブル12の回転方向と逆方向に回転させるようにしてもよい。このようにすることで、ターンテーブル12上を転がるボールBを勢いよく弾くことが可能になる。また、突起部16の回転は、ボールBを弾き飛ばし得る回転であればどのような回転であってもよく、回転方向及び回転速度等は限定されない。例えば、突起部16の回転軸がターンテーブル12の回転軸とずれていてもよいし、突起部16の回転軸方向がターンテーブル12の回転軸方向に対して交差する方向であってもよい。また、突起部16の回転速度がターンテーブル12の回転速度より遅くてもよい。
【0042】
また、ターンテーブル12の下方には、ボールポケット14及びセンターポケットの何れかに入ったボールBに各種の処理を行うボール処理機構(図示略)が設けられている。このボール処理機構としては、ボール回収機構、ボール識別機構、ボール選択機構、ボール投入機構等を含む。
【0043】
ボール回収機構は、ボールポケット14及びセンターポケット16cの何れかに入ったボールBを回収する。ボール回収機構は、例えば、ボールポケット14及びセンターポケットの何れかに入ったボールBが回収される回収箱、ボールポケット14と当該回収箱との間に形成された穴部を閉じたり開いたりするフラップ、当該フラップを駆動するソレノイド等を含んで構成される。ボール回収機構は、所定のタイミングで、フラップの駆動によってボールポケット14と当該回収箱との間に形成された穴部を開き、ボールポケット14からボールBを回収する。また、センターポケットに入ったボールBは、例えば、直接回収箱に落下し、フラップの駆動によらずボール回収機構によって回収される。
【0044】
また、ボール識別機構は、ボール回収機構によって回収されたボールBの固有情報を識別する。ボール識別機構は、回収されたボールBの固有情報を検出するICタグリーダ、回収されたボールBをボール選択機構へ案内する案内路、当該案内路に沿ってボールBを送り出す回転円板を回転させるためのモータ等を含んで構成される。
【0045】
また、ボール選択機構は、ボール識別機構によって識別されたボールBを固有情報毎に分けるとともに、投入するボールBを選択する。ボール選択機構は、例えば、識別されたボールBを固有情報毎に分けてボール投入機構へ案内する案内路、当該案内路に沿ってボールBを送り出す回転円板を回転させるためのモータ等を含んで構成される。
【0046】
また、ボール投入機構は、ボール選択機構によって選択されたボールBをターンテーブル12に投入する。ボール投入機構は、例えば、ボール選択機構の案内路から受け取ったボールBをガイドサークル13の下方側から上方側まで上昇させるエレベータ装置、当該エレベータ装置によって上昇したボールBをガイドサークル13側からターンテーブル12へ投入する投入シュート18等を含んで構成される。本実施形態では、投入シュート18を含むボール投入機構は、サテライト20毎に複数設けられている。なお、当該ボール投入機構は、サテライト20毎に設けられていなくてもよく、抽選ゲーム機1に少なくとも一つ設けられていればよい。すなわち、ボール投入機構は、各サテライト20で共有されていてもよい。
【0047】
図2に戻って、サテライト20は、抽選装置10の周囲に八個配設されている。サテライト20は、プレイヤが対向して操作する操作席であって、抽選ゲームに参加するプレイヤの操作を受け付ける。各サテライト20は、タッチパネル42を含む操作卓22を有する。
【0048】
図1に戻って、操作卓22には、メダル投入口24、メダル払出口26、操作ボタン28等が設けられている。また、操作卓22には、プレイヤに関する情報等をプレイヤが有するアミューズメントICカード(以下、単に「ICカード」と呼称する。)から読み取るためのカード読取装置(図示略)等が設けられている。
【0049】
≪ハードウェア構成≫
図5は、抽選ゲーム機1のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0050】
図5に示すように、抽選ゲーム機1は、コンピュータ30と、スピーカ40と、タッチパネル42と、周辺機器44と、を備える。
【0051】
コンピュータ30は、CPU31と、主記憶部32と、補助記憶部33と、音声処理部34と、画像処理部35と、通信インターフェース36と、周辺機器インターフェース37と、これらを接続するシステムバス38と、を有する。
【0052】
CPU31は、抽選ゲーム機1の全体を統括制御する。主記憶部32は、RAM(Read On Memory)及びROM(Random Access Memory)で構成される。補助記憶部33は、ハードディスク等で構成される。主記憶部32や補助記憶部33は、CPU31による処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。CPU31が主記憶部32や補助記憶部33等に記憶された所定のプログラムを実行し、CPU31の制御の下で他のハードウェアを動作させることで、抽選ゲーム機1の各種の機能構成が実現される。
【0053】
音声処理部34は、各種のサウンド処理を行う。画像処理部35は、各種のグラフィックス処理を行う。通信インターフェース36は、抽選ゲーム機1の外部のサーバ装置や他のゲーム装置との通信を可能にする。周辺機器インターフェース37は、タッチパネル42のタッチセンサ42Bやその他の周辺機器44との通信を可能にする。
【0054】
スピーカ40は、ゲーム音楽や効果音等を出力する音出力装置である。
【0055】
タッチパネル42は、ゲーム画面等を表示する画像表示装置である。タッチパネル42は、表示装置及び入力装置の両方の機能を有し、表示装置としての機能を担うディスプレイ42Aと、入力装置としての機能を担うタッチセンサ42Bとで構成される。ディスプレイ42Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の一般的な表示デバイスにより構成される。
【0056】
タッチセンサ42Bは、プレイヤの操作を入力する操作入力装置であって、ディスプレイ42Aが表示する画面に対する接触操作を検知するための素子により構成される。タッチセンサ42Bによる接触操作の検知方式は、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式等の既知の方式のうち任意の方法を採用することができる。タッチセンサ42Bは、画面に対して接触する操作子としてプレイヤの指やスタイラス等の動作を検知することで、プレイヤの操作入力を受け付ける。なお、プレイヤの操作を入力する操作入力装置は、タッチセンサ42Bに限定されず、例えば操作ボタン28や操作スティック等、プレイヤが操作を入力可能な構成であればどのような構成であってもよい。
【0057】
周辺機器44は、抽選ゲーム機1に設けられ、コンピュータ30との通信によってコンピュータ30によって制御される機器である。当該機器としては、抽選装置10やサテライト20に設けられた各種センサ、ICタグリーダ、モータ、ソレノイド等を含む。
【0058】
また、
図5に示すICカード2は、周辺機器44と通信可能な通信部46、及び、プレイヤ情報が記憶される記憶部48を、主要部として備えている。例えば、ICカード2を、サテライト20の操作卓22に設けられたカード読取装置(図示略)に、挿入したり、載置したり、正対させたりすることで、周辺機器44のICタグリーダがプレイヤ情報を読み取る。なお、本実施形態では、抽選ゲーム機1とICカード2とを併せて「情報処理システム」とも呼称する。
【0059】
なお、
図5には、抽選ゲーム機1が備える主要な構成が示されているに過ぎず、一般的なアーケードゲーム機が備えるその他の構成を備えていてもよい。また、抽選ゲーム機1のコンピュータ30は、上記で説明した構成に限定されず、専用又は汎用のコンピュータ等の情報処理装置が備える他の構成を備えていてもよい。
【0060】
≪ゲームの概要≫
本実施形態に係る抽選ゲーム機1は、第一ゲームと、第二ゲームとを実行する。
【0061】
第一ゲームとしては、抽選ゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、パズルゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、音楽ゲーム、スポーツゲーム、レースゲームが挙げられる。
【0062】
図6は、第一ゲーム90A及び第二ゲーム90Bの概要を説明するための図である。
【0063】
図6に示すように、本実施形態では、第一ゲーム90Aは、実空間G上の抽選媒体(ボールB)を検出機構が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選する抽選ゲームである。
【0064】
第二ゲーム90Bは、第一ゲーム90Aの全部又は一部のゲーム結果を利用する。第二ゲーム90Bとしては、第一ゲーム90Aと同様のゲームが挙げられる。
【0065】
第二ゲーム90Bでは、座標を有するゲーム領域100が表示される。ゲーム領域100には、例えば座標(x1,y1)を示すプレイヤの基準位置P1が設定されている。このゲーム領域100では、基準位置P1又は/及びプレイヤを示す第一オブジェクトO1が表示されている。そして、第二ゲーム90Bでは、当該ゲーム領域100において基準位置P1とは異なる他の位置P2を第一ゲーム90Aのゲーム結果に基づいて設定する。
図6に示す例では、第一ゲーム90Aのゲーム結果としてボールBが数字「4」が紐付けられたボールポケット14に入った場合、すなわち「4」の数字が抽選された場合、「4」に応じた距離D1が算出されて、基準位置P1から距離D1だけ離れた座標(x2,y1)を示す他の位置P2が設定される。そして、基準位置P1及び他の位置P2に基づき、報酬がプレイヤに付与される。
【0066】
≪機能構成≫
図7は、抽選ゲーム機1の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0067】
図7に示すように、抽選ゲーム機1は、機能構成として、記憶手段50と、受付手段52と、第一実行手段54と、第二実行手段56と、付与手段58と、を備える。これらの機能構成は、CPU31が主記憶部32や補助記憶部33等の記録媒体に記憶されたゲームプログラムを実行することで実現される。
【0068】
記憶手段50は、抽選情報50Aと報酬情報50Bを記憶する。抽選情報50Aは、抽選処理を実行するために必要な情報である。報酬情報50Bは、基準位置P1及び他の位置P2に基づいた報酬をプレイヤに付与するための情報である。
【0069】
受付手段52は、各サテライト20でそれぞれ各プレイヤの操作を受け付ける。受付手段52は、例えば各プレイヤによる第一ゲーム又は/及び第二ゲームの開始指示を示す操作を受け付ける。当該操作としては、例えば、各サテライト20に対向したプレイヤが、メダル投入口24に好きな枚数のメダルを投入する(BETする)こと等が挙げられる。メダル投入口24にメダルが投入されると、メダル投入口24に設けられたセンサが当該メダルを検出し、検出した結果が周辺機器インターフェース37に出力される。受付手段52は、この周辺機器インターフェース37に当該検出した結果が出力された場合に、プレイヤによるメダルを投入する操作を受け付ける。そして、受付手段52は、この操作を受け付けると、第一ゲーム又は/及び第二ゲームの開始指示を示す情報を、当該操作を受け付けたサテライト20を示すサテライトIDや当該操作をしたプレイヤを示すプレイヤID等と共に、第一実行手段54又は/及び第二実行手段56に出力する。
なお、第一ゲーム又は/及び第二ゲームに参加するプレイヤの人数がサテライト20の数よりも少ない場合には、受付手段52は、CPU31による自動制御によって第一ゲーム又は/及び第二ゲームの開始指示を受け付けてもよい。例えば、受付手段52は、プレイヤによる操作を受け付けていないサテライト20では、プレイヤに代わってCPU31による自動制御によって第一ゲーム又は/及び第二ゲームの開始指示を受け付けたものとしてもよい。
【0070】
第一実行手段54は、第一ゲーム90Aを実行する。第一ゲーム90Aは、複数の抽選要素から少なくとも一つの抽選要素を抽選する抽選ゲームを含んでもよい。また、抽選ゲームは、複数の記号の中から少なくとも一つの記号を抽選するゲームを含んでもよい。この「記号」は、文字、数字、数学記号、及び、論理記号を含む意味である。
抽選ゲームは、所謂、電子抽選ゲーム又は/及び物理抽選ゲームを含む。電子抽選ゲームは、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選するゲームである。物理抽選ゲームは、抽選媒体を検出機構が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選する。本実施形態では、第一実行手段54は、実空間G上のボールBを検出機構が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選する抽選装置10を含む。
また、第一実行手段54は、抽選ゲームを予め定められた複数の回数だけ実行してもよい。複数の回数としては、5回や10回等が挙げられる。
【0071】
第二実行手段56は、プレイヤの基準位置P1が設定されたゲーム領域100を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域100において当該基準位置P1とは異なる他の位置P2を第一ゲーム90Aのゲーム結果に基づいて設定する第二ゲーム90Bを実行する。なお、この「基準位置P1」は、「基準領域」の意味を含み、他の位置P2は、「他の領域」の意味を含むものとする。また、「ゲーム結果」は、抽選ゲームのゲーム結果だけでなく、他のプレイヤ又はCPUとの対戦の結果や、プレイヤのゲームの操作回数、プレイヤのゲーム時間、プレイヤが獲得したアイテム数、プレイヤが操作するキャラクタの行動によって決定される結果、他のプレイヤが操作するキャラクタの行動によって決定される結果、ゲームの途中状況が示す結果、ゲームの最終状況が示す結果等が挙げられる。
【0072】
ここで、ゲーム領域100は、当該ゲーム領域100より小さな複数の小領域に区分けされていてもよい。本実施形態では、ゲーム領域100は、小領域としてのマスであって二次元状の複数のマスに区分けされている。また、ゲーム領域100には特別な特別位置が設定可能であってもよい。特別位置としては、第一オブジェクトO1とは異なるオブジェクトやアイテム等が設置されている位置や、ゲーム領域100の別の位置とは表示内容が異なる位置等が挙げられる。なお、この「特別位置」は、「特別領域」の意味を含み、複数の位置は、「複数の領域」の意味を含むものとする。また、ゲーム領域100には、記号が紐付けられた複数の位置が設定されていてもよい。
【0073】
第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果に基づき、他の位置P2を設定してもよい。例えば、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aとしての抽選ゲームで抽選された記号に対応する記号が紐付けられた位置を他の位置P2として設定する。本実施形態では、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aとしての抽選ゲームで抽選された記号と同一の記号が紐付けられた位置を他の位置P2として設定する。なお、以下では、適宜、「抽選ゲームで抽選された記号と同一の又は対応する記号が紐付けられた位置」を単に「ゲーム結果が示す位置」と称すことがある。
【0074】
また、第二実行手段56は、基準位置P1と第一ゲーム90Aのゲーム結果に関する第一条件に基づき、他の位置P2を設定してもよい。例えば、第二実行手段56は、第一条件が成立する場合には他の位置P2を設定し、第一条件が成立しない場合には他の位置P2を設定しない。
【0075】
第一条件としては、例えば、(A)基準位置P1とゲーム結果が示す位置が所定方向に関係あるという第A条件、(B)基準位置P1とゲーム結果が示す位置が距離的に関係あるという第B条件、(C)基準位置P1とゲーム結果が示す位置が時間的に関係あるという第C条件、(D)基準位置P1が示す記号とゲーム結果が示す記号が関連性を有するという第D条件等が挙げられる。
【0076】
(A)第A条件としては、基準位置P1とゲーム結果が示す位置がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、基準位置P1とゲーム結果が示す位置がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件、基準位置P1とゲーム結果が示す位置がゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件等が挙げられる。
(B)第B条件としては、基準位置P1とゲーム結果が示す位置が所定距離以上離れているという条件、基準位置P1とゲーム結果が示す位置が所定距離未満近いという条件等が挙げられる。
(C)第C条件としては、基準位置P1からゲーム結果が示す位置までの第一オブジェクトO1の移動時間が所定時間以上掛かるという条件、基準位置P1からゲーム結果が示す位置までの第一オブジェクトO1の移動時間が所定時間未満掛かるという条件等が挙げられる。
(D)第D条件としては、基準位置P1が示す記号とゲーム結果が示す記号の全部又は一部の記号の内容が一致するという条件、基準位置P1が示す記号とゲーム結果が示す記号の全部又は一部の記号の内容が異なるという条件、基準位置P1が示す記号とゲーム結果が示す記号の全部又は一部の記号の種類が一致するという条件、基準位置P1が示す記号とゲーム結果が示す記号の全部又は一部の種類が異なるという条件等が挙げられる。
【0077】
また、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aが実行される毎に基準位置P1を変更する。例えば、第二実行手段56は、基準位置P1を他の位置P2に基づいた位置に変更してもよい。「他の位置P2に基づいた位置」としては、他の位置P2が示す位置や、他の位置P2が示す位置の周辺の位置、他の位置P2から所定距離離れた位置等が挙げられる。また、第二実行手段56は、他の位置P2とは関わらず、基準位置P1をランダムな位置に変更してもよい。
【0078】
また、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aの実行毎に特別位置を設定してもよい。例えば、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aのゲーム結果に基づき、特別位置を設定してもよい。本実施形態では、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aとしての抽選ゲームで抽選された記号に対応する記号が紐付けられた位置(ゲーム結果が示す位置)を特別位置として設定する。
【0079】
第二実行手段56は、基準位置P1を他の位置P2に基づいた位置に変更した後、特別位置に関する条件に基づき、基準位置P1を特別位置に基づいた位置に変更してもよい。この「特別位置に基づいた位置」としては、特別位置が示す位置や、特別位置が示す位置の周辺の位置、特別位置から所定距離離れた位置等が挙げられる。「特別位置に関する条件」としては、基準位置P1と特別位置に関する条件、及び、他の位置P2と特別位置に関する条件を含む第二条件が挙げられる。変更後の基準位置P1は他の位置P2と一致することから、以下では、第二条件として他の位置P2と特別位置に関する条件を具体的に説明する。
【0080】
第二条件としては、例えば、(E)他の位置P2と特別位置が所定方向に関係あるという第E条件、(F)他の位置P2と特別位置が距離的に関係あるという第F条件、(G)他の位置P2と特別位置が時間的に関係あるという第G条件、(H)他の位置P2と特別位置が関連性を有するという第H条件等が挙げられる。
【0081】
(E)第E条件としては、他の位置P2と特別位置がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、他の位置P2と特別位置がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件、他の位置P2と特別位置がゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件等が挙げられる。
(F)第F条件としては、他の位置P2と特別位置が所定距離以上離れているという条件、他の位置P2と特別位置が所定距離未満近いという条件等が挙げられる。
(G)第G条件としては、他の位置P2から特別位置が示す位置までの第一オブジェクトO1の移動時間が所定時間以上掛かるという条件、他の位置P2から特別位置が示す位置までの第一オブジェクトO1の移動時間が所定時間未満掛かるという条件等が挙げられる。
(H)第H条件としては、他の位置P2が示す記号と特別位置が示す記号の全部又は一部の記号の内容が一致するという条件、他の位置P2が示す記号と特別位置が示す記号の全部又は一部の記号の内容が異なるという条件、他の位置P2が示す記号と特別位置が示す記号の全部又は一部の記号の種類が一致するという条件、他の位置P2が示す記号と特別位置が示す記号の全部又は一部の種類が異なるという条件等が挙げられる。
【0082】
第二実行手段56は、第一ゲーム90Aが実行された後、予め定められた第三条件に基づき、基準位置P1を複数設定する。例えば、第二実行手段56は、第三条件が成立した場合には基準位置P1を複数設定し、第三条件が成立しない場合には基準位置P1を一つ設定(変更)する。
【0083】
第三条件としては、(I)第一ゲーム90Aのゲーム結果に関する第I条件、(J)他の位置P2に関する第J条件、(K)特別位置に関する第K条件、(L)他の位置P2と特別位置に関する第L条件等が挙げられる。なお、変更後の基準位置P1は他の位置P2の一致することから、以下では、他の位置P2と特別位置とに関する条件を説明する。
【0084】
(I)第I条件としては、閾値以上の良い評価でクリアしたという条件、クリアできなかったという条件、特定の記号が抽選されたという条件等が挙げられる。
(J)第J条件としては、他の位置P2がゲーム領域100の真ん中や角、端等の特定の位置であるという条件、他の位置P2が特定の記号に紐付けられているという条件等が挙げられる。
(K)第K条件としては、特別位置がゲーム領域100の真ん中や角等の特定の位置であるという条件、特別位置が特定の記号に紐付けられているという条件、特別位置が特定の位置に複数あるという条件等が挙げられる。
(L)第L条件としては、他の位置P2と一つの特別位置が所定の関係にあるという第一所定条件、他の位置P2と複数の特別位置が所定の関係にあるという第二所定条件が挙げられる。
第一所定条件としては、他の位置P2と一つの特別位置がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、他の位置P2と一つの特別位置がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件、他の位置P2と一つの特別位置がゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件等が挙げられる。
第二所定条件としては、他の位置P2と複数の特別位置がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、他の位置P2と複数の特別位置がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件が挙げられる。また、第二所定条件としては、他の位置P2と複数の特別位置がゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件、変更後の基準位置P1と一つの特別位置がゲーム領域100において一方向の直線上に並んでおり、変更後の基準位置P1と残りの特別位置がゲーム領域100において他方向の直線上に並んでいるという条件等が挙げられる。
【0085】
第二実行手段56は、基準位置P1に第一オブジェクトO1を表示制御し、且つ、当該第一オブジェクトO1を基準位置P1から他の位置P2に移動制御してもよい。
【0086】
付与手段58は、基準位置P1及び他の位置P2に基づき、報酬をプレイヤに付与する。この報酬としては、第一ゲームや第二ゲーム、他のゲームに消費される遊戯媒体(メダル)や、第一ゲームや第二ゲームに利用可能なアイテム又はキャラクタ、第一ゲームや第二ゲームとは異なる他のゲームに利用可能なアイテム又はキャラクタ等が挙げられる。アイテムとしては、第二ゲーム又は他のゲームを有利に進行させるためのアイテムや、メダルや勲章、装飾品等のプレイヤの誉れを向上させるためのアイテム等が挙げられる。また、報酬としては、第二ゲームの進行を有利にするためのイベントの発生も挙げられる。このイベントとしては、第一ゲームの抽選回数を増加させることで第二ゲームの進行を進めるイベントや、ゲーム領域100において特別位置や基準位置等、第二ゲームの進行に有利な位置を増加させるイベント等が挙げられる。
【0087】
付与手段58は、基準位置P1と他の位置P2との間の経路の距離情報又は時間情報に基づいた報酬を付与してもよい。距離情報は、基準位置P1が示す小領域と他の位置P2が示す小領域との間の経路にある小領域の数を含んでもよい。本実施形態では、付与手段58は、経路にある小領域の数に対応する報酬を付与する。具体的には、付与手段58は、経路にある小領域の数が多いほど内容が良い報酬又は数が多い報酬を付与する。
【0088】
付与手段58は、抽選ゲーム毎に、基準位置P1及び他の位置P2に基づき蓄積値を蓄積し、所定のタイミングで蓄積値に基づいた報酬を付与してもよい。例えば、付与手段58は、基準位置P1及び他の位置P2の間の経路の距離情報又は時間情報に基づき蓄積値を蓄積し、蓄積値に対応する報酬を付与する。本実施形態では、付与手段58は、基準位置P1及び他の位置P2の間の経路にある小領域の数が多いほど蓄積値を多く蓄積し、蓄積値に対応する報酬を付与する。
【0089】
付与手段58は、他の位置P2と特別位置に基づき蓄積値を蓄積し、当該蓄積値に基づいた報酬を付与してもよい。例えば、付与手段58は、他の位置P2と特別位置の間の経路の距離情報又は時間情報に基づき蓄積値を蓄積し、蓄積値に対応する報酬を付与する。本実施形態では、付与手段58は、他の位置P2及び特別位置の間の経路にある小領域の数が多いほど蓄積値を多く蓄積し、蓄積値に対応する報酬を付与する。
【0090】
≪処理の流れ≫
図8は、本実施形態に係る抽選ゲーム機1の各機能構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の順番又は内容は、適宜変更することができる。
【0091】
(ステップSP10)
第二実行手段56は、第二ゲーム90Bのゲーム領域100をディスプレイ42Aに表示制御する。
【0092】
図9Aは、ゲーム領域100の一例としてのマップ100Aを示す図である。
【0093】
図9Aに示すように、マップ100Aは、小領域としてのマスMであって二次元状の複数のマスMに区分けされている。複数のマスMのうち二以上のマスMには、記号としての数字が紐付けられている。
【0094】
図8に戻って、処理はステップSP12の処理に移行する。
【0095】
(ステップSP12)
第二実行手段56は、マップ100Aに基準位置P1を設定する。
【0096】
図9Aに示すように、複数のマスMのうち一つのマスMには、プレイヤの基準位置P1としての基準マスM1が設定されている。この基準マスM1には第一オブジェクトO1が表示されている。
なお、複数のマスMのうち一以上のマスMには、特別位置としての特別マスM3が設定されていてもよい。この特別マスM3には第一オブジェクトO1と異なる第二オブジェクトO2が表示されている。また、複数のマスMのうち一以上のマスMにはアイテムIが設定されていてもよい。アイテムIには、複数の種類(例えばB,I,N,G,Oの文字が紐づけられたアイテム)が存在し、全ての種類のアイテムIを獲得することでジャックポット抽選ゲームが開始されるようにしてよい。ジャックポット抽選ゲームは、プレイヤの掛け金が積まれて、所定条件を満たすと、積まれた掛け金分の報酬がプレイヤに付与される抽選である。また、アイテムIを種類に関係なく所定数獲得することで、ジャックポット抽選ゲームが開始されてもよい。
また、複数のマスMのうち一以上のマスMにはアイテムI以外の特典Wが設定されていてもよい。特典Wとしては、付与手段58が付与する報酬の数を増加させる特典や、当該報酬とは異なる報酬を付与する特典等が挙げられる。
【0097】
図8に戻って、処理はステップSP14の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP14)
第二実行手段56は、報酬のための蓄積値Sを初期化(例えばS=1)する。そして、処理はステップSP16の処理に移行する。
【0099】
(ステップSP16)
第一実行手段54は、第一ゲーム90Aとしての抽選ゲームを実行する。そして、処理はステップSP18の処理に移行する。
【0100】
(ステップSP18)
第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果を取得し、取得した抽選結果が示す数字と一致する数字が紐付けられたマスMを特定し、特定したマスMを特別マスM3として設定する。
【0101】
【0102】
図9A及び
図9Bに示すように、第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果として「6」の数字を取得した場合、取得した抽選結果が示す数字「6」と一致する数字「6」が紐付けられたマスMを特定し、特定したマスMを特別マスM3として設定する。また、
図9Bに示すように、第二実行手段56は、設定した特別マスM3において第二オブジェクトO2を表示制御する。
【0103】
図8に戻って、処理はステップSP20の処理に移行する。
【0104】
(ステップSP20)
第二実行手段56は、第一条件が成立したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP22の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP36の処理に移行する。
本実施形態では、第二実行手段56は、基準マスM1と特別マスM3がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、基準マスM1と特別マスM3がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件、及び、基準マスM1と特別マスM3がゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件の何れか一つが成立したか否かを判定する。
【0105】
(ステップSP22)
第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果に基づき、マップ100Aにおいて他の位置P2としての他のマスを設定する。
【0106】
【0107】
図9Cに示すように、第二実行手段56は、成立した第一条件に係る特別マスM3を他のマスM2に設定する。具体的には、第二実行手段56は、基準マスM1と横方向の直線上に並んでいる特別マスM3を他のマスM2に設定する。この際、第二実行手段56は、基準マスM1から他のマスM2に第一オブジェクトO1を移動制御する。
【0108】
図8に戻って、処理はステップSP24の処理に移行する。
【0109】
(ステップSP24)
第二実行手段56は、基準マスM1及び他のマスM2に基づき蓄積値Sを蓄積する。
【0110】
図9Cに示すように、第二実行手段56は、基準マスM1及び他のマスM2の間にあるマスMの数だけ蓄積値Sを蓄積する。本実施形態では、蓄積値Sに蓄積する数は、基準マスM1及び他のマスM2の数を含む。例えば、蓄積値Sに蓄積する数は、基準マスM1及び他のマスM2の間の数が1つである場合、基準マスM1及び他のマスM2の数を含むと3つとなる。なお、蓄積値Sに蓄積する数は、基準マスM1の数を含まないこととしてもよい。また、第二実行手段56は、基準マスM1及び他のマスM2並びにこれらの間にあるマスMが視覚的に変化するように表示制御する。例えば、第二実行手段56は、基準マスM1及び他のマスM2並びにこれらの間にあるマスMが強調されるように表示制御する。
【0111】
図8に戻って、処理はステップSP26の処理に移行する。
【0112】
(ステップSP26)
第二実行手段56は、基準マスM1を他の位置M2に基づいた位置に変更する、
【0113】
【0114】
図9C及び
図9Dに示すように、第二実行手段56は、基準マスM1を他の位置M2が示す位置に変更する。また、第二実行手段56は、他の位置M2に表示されている第二オブジェクトO2を消去する。
【0115】
図8に戻って、処理はステップSP28の処理に移行する。
【0116】
(ステップSP28)
第二実行手段56は、第二条件が成立したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP36の処理に移行する。
本実施形態では、第二実行手段56は、変更後の基準マスM1と特別マスM3とがゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、変更後の基準マスM1と特別マスM3とがゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件、及び、変更後の基準マスM1と特別マスM3とがゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件の何れか一つが成立したか否かを判定する。
なお、
図9Dが示す例では、第二実行手段56は、変更後の基準マスM1と特別マスM3がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるため、第二条件が成立すると判定し、処理はステップSP30の処理に移行する。
【0117】
(ステップSP30)
第二実行手段56は、第三条件が成立したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP38の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP32の処理に移行する。
本実施形態では、第二実行手段56は、変更後の基準マスM1と複数の特別マスM3がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでいるという条件、変更後の基準マスM1と複数の特別マスM3がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件、変更後の基準マスM1と複数の特別マスM3がゲーム領域100において斜め方向の直線上に並んでいるという条件、変更後の基準マスM1と一つの特別マスM3がゲーム領域100において一方向の直線上に並んでおり、変更後の基準マスM1と残りの特別マスM3とがゲーム領域100において他方向の直線上に並んでいるという条件の何れか一つが成立したか否かを判定する。
【0118】
(ステップSP32)
第二実行手段56は、基準マスM1及び特別マスM3に基づき蓄積値Sを蓄積する。
【0119】
【0120】
図9D及び
図9Eに示すように、第二実行手段56は、基準マスM1及び当該基準マスM1と縦方向の直線上に並んでいる特別マスM3の間にあるマスMの数だけ蓄積値Sを蓄積する。本実施形態では、蓄積値Sに蓄積する数は、基準マスM1及び特別マスM3の数を含む。例えば、蓄積値Sに蓄積する数は、基準マスM1及び特別マスM3の間の数が3つである場合、他のマスM2の数を含むと4つとなる。また、第二実行手段56は、基準マスM1及び特別マスM3並びにこれらの間にあるマスMが視覚的に変化するように表示制御する。例えば、第二実行手段56は、基準マスM1及び特別マスM3並びにこれらの間にあるマスMが強調されるように表示制御する。また、付与手段58は、基準マスM1及び特別マスM3の間にあるマスMに紐付けられているアイテムIをプレイヤに付与する。
【0121】
図8に戻って、処理はステップSP34の処理に移行する。
【0122】
(ステップSP34)
第二実行手段56は、基準マスM1を特別マスM3が示す位置に変更する。
【0123】
図9D及び
図9Eに示すように、第二実行手段56は、変更前の基準マスM1と縦方向の直線上に並んでいる特別マスM3が示す位置に基準マスM1を変更する。この際、第二実行手段56は、基準マスM1から特別マスM3が示す位置に第一オブジェクトO1を移動制御するとともに、特別マスM3に表示されている第二オブジェクトO2を消去する。
【0124】
図8に戻って、処理はステップSP36の処理に移行する。
【0125】
(ステップSP36)
第二実行手段56は、終了条件が成立したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP38の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP16の処理に戻る。
なお、終了条件としては、抽選ゲームの抽選回数がゼロになったという条件、蓄積値Sが閾値以上となったという条件、プレイヤが所定の操作をしたという条件、第二ゲーム90Bがクリアされたという条件、第二ゲーム90Bにおいて所定パラメータが閾値以下になったという条件等が挙げられる。
【0126】
(ステップSP38)
付与手段58は、蓄積値Sに応じて報酬をプレイヤに付与する。そして、
図8に示す一連の処理が終了する。
【0127】
ここで、ステップSP36において、第二実行手段56が否定判定した場合、ステップSP16の抽選ゲームが繰り返される。
【0128】
図9Fは、抽選ゲームが繰り返された結果、
図9Eから遷移したマップ100Aの一例である。
【0129】
図9E及び
図9Fに示すように、第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果が示す「25」のマスMを特別マスM3に設定する。そして、第二実行手段56は、特別マスM3が基準マスM1と斜め方向の直線上に並んでいると判定して、当該特別マスM3を他のマスM2に設定する。この際、第二実行手段56は、基準マスM1から他のマスM2に第一オブジェクトO1を移動制御する。また、付与手段58は、基準マスM1及び特別マスM3の間にあるマスMに紐付けられている特典Wをプレイヤに付与する。
【0130】
【0131】
図9F及び
図9Gに示すように、第二実行手段56は、基準マスM1を他の位置M2が示す位置に変更する。また、第二実行手段56は、他の位置M2に表示されている第二オブジェクトO2を消去する。
【0132】
ここで、
図9Gに示す例では、変更後の基準マスM1と一つの特別マスM3がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでおり、変更後の基準マスM1と残りの特別マスM3がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいるという条件が成立する。すなわち、
図8に戻って、ステップSP30において第二実行手段56が肯定判定し、処理はステップSP40の処理に移行する。
【0133】
(ステップSP40)
第二実行手段56は、第一オブジェクトO1が分裂したように表示制御する。
【0134】
【0135】
図9Hに示すように、第二実行手段56は、第一オブジェクトO1を二つに分裂させて表示制御する。
【0136】
図8に戻って、処理はステップSP42の処理に移行する。
【0137】
(ステップSP42)
第二実行手段56は、基準マスM1及び複数の特別マスM3に基づき蓄積値Sを蓄積する。
【0138】
【0139】
図9H及び
図9Iに示すように、第二実行手段56は、基準マスM1及び当該基準マスM1と縦方向の直線上に並んでいる特別マスM3の間にあるマスMの数だけ蓄積値Sを蓄積する。また、第二実行手段56は、基準マスM1及び当該基準マスM1と横方向の直線上に並んでいる特別マスM3の間にあるマスMの数だけ蓄積値Sを蓄積する。また、第二実行手段56は、基準マスM1及び特別マスM3並びにこれらの間にあるマスMが視覚的に変化するように表示制御する。
【0140】
図8に戻って、処理はステップSP44の処理に移行する。
【0141】
(ステップSP44)
第二実行手段56は、基準マスM1を複数設定する。例えば、第二実行手段56は、基準マスM1を、複数の特別マスM3がそれぞれ示す位置に変更する。
【0142】
図9H及び
図9Iに示すように、第二実行手段56は、変更前の基準マスM1と縦方向の直線上に並んでいる特別マスM3が示す位置に基準マスM1を変更する。また、第二実行手段56は、変更前の基準マスM1と横方向の直線上に並んでいる特別マスM3が示す位置に基準マスM1を変更する。この結果、
図9Iに示すように、基準マスM1が二つ設定されることになる。また、第二実行手段56は、基準マスM1から二つの特別マスM3が示す位置に、分裂した第一オブジェクトO1をそれぞれ移動制御するとともに、二つの特別マスM3に表示されている第二オブジェクトO2を消去する。
【0143】
【0144】
図9I~
図9Kに示すように、二つ設定された基準マスM1のうち一方の基準マスM1と残りの特別マスM3がゲーム領域100において縦方向の直線上に並んでおり、且つ、二つ設定された基準マスM1のうち他方の基準マスM1と残りの特別マスM3がゲーム領域100において横方向の直線上に並んでいる。このため、第二実行手段56は、一方の基準マスM1と残りの特別マスM3の間のマスMの数だけ蓄積値Sを蓄積するとともに、他方の基準マスM1と残りの特別マスM3の間のマスMの数だけ蓄積値Sを蓄積する。そして、第二実行手段56は、残りの特別マスM3が示す位置に一方の基準マスM1と他方の基準マスM1を変更する。この際、第二実行手段56は、一方の基準マスM1から残りの特別マスM3に、分裂した一方の第一オブジェクトO1を移動制御するとともに、他方の基準マスM1から残りの特別マスM3に、分裂した他方の第一オブジェクトO1を移動制御する。また、第二実行手段56は、残りの特別マスM3に表示されている第二オブジェクトO2を消去する。
【0145】
図8に戻って、処理はステップSP36の処理に移行し、その後、
図8に示す処理が終了する。
【0146】
≪作用効果≫
以上、本実施形態に係る抽選ゲーム機1は、第一ゲーム90Aを実行する第一実行手段54を備える。また、抽選ゲーム機1は、プレイヤの基準位置P1が設定されたゲーム領域100を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域100において当該基準位置P1とは異なる他の位置P2を第一ゲーム90Aのゲーム結果に基づいて設定する第二ゲーム90Bを実行する第二実行手段56と、を備える。さらに、抽選ゲーム機1は、基準位置P1及び他の位置P2に基づき、報酬をプレイヤに付与する付与手段58と、を備える。
この構成によれば、他の位置P2だけでなく基準位置P1に基づき、報酬がプレイヤに付与されるので、報酬の変化が多くなり、結果として第二ゲームの興趣性を向上することができる。
【0147】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、付与手段58は、基準位置P1と他の位置P2との間の経路の距離情報に基づき、報酬を付与する。
この構成によれば、基準位置P1と他の位置P2との位置関係で距離情報が変化するため、他の位置P2のみに基づき報酬を付与する場合に比べて、報酬の変化が多くなり、結果として第二ゲームの興趣性を向上することができる。
【0148】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、ゲーム領域100としてのマップ100Aは、当該マップ100Aより小さな複数のマスMに区分けされており、距離情報は、基準位置P1が示すマスMと他の位置P2が示すマスMとの間の経路にあるマスMの数を含む。
この構成によれば、報酬が、基準位置P1が示すマスMと他の位置P2が示すマスMとの間の経路にあるマスMの数に基づくため、報酬がプレイヤにとって分かり易くすることができる。
【0149】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aが実行される毎に基準位置P1を変更する。
この構成によれば、第一ゲーム90Aが実行される毎に基準位置P1も変化するため、報酬の変化が多くなり、結果として第二ゲームの興趣性を向上することができる。
【0150】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第二実行手段56は、基準位置P1を他の位置P2に基づいた位置に変更する。
この構成によれば、基準位置P1が他の位置P2、すなわち第一ゲーム90Aのゲーム結果により変化するため、報酬の変化が多くなり、結果として第二ゲームの興趣性を向上することができる。
【0151】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、ゲーム領域100には特別な特別位置が設定可能であり、第二実行手段56は、基準位置P1を他の位置P2に基づいた位置に変更した後、特別位置に関する条件に基づき、基準位置P1を特別位置に基づいた位置に変更する。
この構成によれば、基準位置P1が特別位置により変化するため、報酬の変化が多くなり、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0152】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aが実行された後、予め定められた条件に基づき、基準位置P1を複数設定する。
この構成によれば、基準位置P1が複数設定されるため、報酬の変化が多くなり、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0153】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、ゲーム領域100には特別な特別位置が設定可能であり、予め定められた条件は、特別位置に関する条件を含む。
この構成によれば、基準位置P1が特別位置により複数設定されるため、報酬の変化が多くなり、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0154】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、予め定められた条件は、他の位置P2に関する条件を含む。
この構成によれば、基準位置P1が他の位置P2により複数設定されるため、報酬の変化が多くなり、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0155】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aのゲーム結果に基づき、特別位置を設定する。
この構成によれば、特別位置が変化するため、予め定められた条件が成立する場合も変化し、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0156】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、付与手段58は、基準位置P1及び他の位置P2に基づき蓄積値Sを蓄積し、且つ、基準位置P1又は他の位置P2及び特別位置に基づき当該蓄積値Sを蓄積し、当該蓄積値Sに基づいた報酬を付与する。
この構成によれば、基準位置P1又は他の位置P2と特別位置に基づき当該蓄積値Sを蓄積するので、報酬の変化が多くなり、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0157】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第一ゲーム90Aは抽選ゲームを含み、第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果に基づき、他の位置P2を設定する。
この構成によれば、他の位置P2が作為的なものよらず設定されるため、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0158】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、抽選ゲームは、複数の記号の中から一つの記号を抽選するゲームを含み、第二実行手段56は、抽選ゲームの抽選結果に基づき、他の位置P2を設定する。
この構成によれば、抽選ゲームの抽選結果が記号となるので、抽選結果をプレイヤに分かり易くするとともに第二ゲーム90Bに容易に利用することができる。
【0159】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、ゲーム領域100には、記号が紐付けられた複数の位置が設定されており、第二実行手段56は、抽選ゲームで抽選された記号に対応する記号が紐付けられた位置を他の位置P2として設定する。
この構成によれば、抽選ゲームの抽選結果とゲーム領域100の対応関係をプレイヤに分かり易くすることができる。
【0160】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第一実行手段54は、実空間G上の抽選媒体を検出機構が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの抽選要素を抽選する抽選装置10を含む。
この構成によれば、物理タイミングに基づいて抽選するため、自動的にタイミング(電子タイミング)を決定し、当該電子タイミングに基づいて抽選する場合に比べて、第二ゲーム90Bに利用される抽選結果のプレイヤに与える作為的な感覚を緩和することができる。
【0161】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第一実行手段54は、抽選ゲームを予め定められた複数の回数実行し、付与手段58は、抽選ゲーム毎に、基準位置P1及び他の位置P2に基づき蓄積値Sを蓄積し、当該蓄積値Sに基づいた報酬を付与する。
この構成によれば、抽選ゲームの回数が予め定められており、抽選ゲームが繰り返されると蓄積値Sが多く蓄積されるため、その回数まで抽選ゲームを実行しようという意欲をプレイヤに与えることができる。
【0162】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1では、第二実行手段56は、基準位置P1に第一オブジェクトO1を表示制御し、且つ、当該第一オブジェクトO1を基準位置P1から他の位置P2に移動制御する。
この構成によれば、第一オブジェクトO1を視覚的に表示したり移動したりするので、第二ゲーム90Bの興趣性を向上することができる。
【0163】
また、本実施形態に係る抽選ゲーム機1は、抽選ゲームを実行する第一実行手段54と、複数のマスMに区分けされ、当該複数のマスMのうち一つのマスMにプレイヤの基準マスM1が設定されたマップ100Aを表示制御し、且つ、マップ100Aにおいて基準マスM1とは異なる他のマスM2を抽選ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二実行手段56と、を備える。また、抽選ゲーム機1は、基準マスM1及び他のマスM2との間の経路にあるマスMの数に基づき、報酬をプレイヤに付与する付与手段58と、を備える。そして、第二実行手段56は、抽選ゲームが実行される毎に基準マスM1を変更する。
【0164】
≪変形例≫
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0165】
例えば、上記実施形態では、第二実行手段56は、第一ゲーム90Aが実行される毎に基準位置P1を変更する場合を説明したが、基準位置P1を固定してもよい。また、第二実行手段56は、第一ゲーム90A又は第二ゲーム90Bの経過時間毎に基準位置P1を変更してもよい。また、第二実行手段56は、第二ゲーム90Bの途中結果に基づき、基準位置P1を変更してもよい。また、第二実行手段56は、第一ゲーム90A及び第二ゲーム90Bとは異なる第三ゲームのゲーム結果に基づき、基準位置P1を変更してもよい。
【0166】
また、上記実施形態では、第一ゲーム90Aは、第二ゲーム90Bとは別に存在するように説明したが、第二ゲーム90Bの中に第一ゲーム90Aが組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0167】
1:抽選ゲーム機(情報処理装置)
10:抽選装置
54:第一実行手段
56:第二実行手段
58:付与手段
90A:第一ゲーム
90B:第二ゲーム
100:ゲーム領域
100A:マップ(ゲーム領域)
M:マス(小領域)
M1:基準マス(基準領域、基準位置)
M2:他のマス(他の領域、他の位置)
M3:特別マス(特別領域、特別位置)
O1:第一オブジェクト(オブジェクト)
P1:基準位置
P2:他の位置
S:蓄積値
【要約】
【課題】第一ゲームのゲーム結果を利用する第二ゲームの興趣性を向上する。
【解決手段】情報処理装置は、第一ゲームを実行する第一実行手段54と、プレイヤの基準位置が設定されたゲーム領域を表示制御し、且つ、当該ゲーム領域において当該基準位置とは異なる他の位置を第一ゲームのゲーム結果に基づいて設定する第二ゲームを実行する第二実行手段56と、基準位置及び他の位置に基づき、報酬をプレイヤに付与する付与手段58と、を備える。
【選択図】
図7