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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20250415BHJP
【FI】
A47J31/40
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021005556
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110269
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】海老原 由次
(72)【発明者】
【氏名】大澤 良仁
(72)【発明者】
【氏名】石井 勉
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/048209(WO,A1)
【文献】特開平04-071462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00 - 31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイップ状飲料を含む飲料を供給可能な飲料供給装置であって、
前記ホイップ状飲料の原料及び噴射用ガスが密封された密封缶と、前記密封缶に設けられる操作部と、前記操作部が押圧されることによって、前記原料及び前記噴射用ガスを前記ホイップ状飲料として噴射するノズルと、を有する、スプレー缶と、
前記操作部を押圧する押圧機構部と、
前記ノズルから噴射された前記ホイップ状飲料を供給対象に導くホイップ状飲料流通路と、
前記ホイップ状飲料流通路を洗浄するための洗浄液又は空気を供給する洗浄用流通路と、
を含
前記洗浄用流通路は、前記ホイップ状飲料流通路における前記ノズルの近傍の部位に合流する一端部を有し、
前記洗浄用流通路における前記一端部の近傍には、前記洗浄用流通路の他端部から前記一端部へ向かう流れを許容すると共に前記一端部から前記他端部へ向かう流れを阻止する弁が設けられている、飲料供給装置。
【請求項2】
前記スプレー缶に振動を加える加振器を含む、請求項に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
少なくとも前記スプレー缶を内部に収容し少なくとも前記原料を所定の低温状態で保管する保冷庫を、含む、請求項1又は2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記供給対象は、カップであり、
前記ホイップ状飲料流通路は、前記ノズルと前記カップの上方に配置されたホイップ状飲料吐出部との間を接続する、
請求項1~のいずれか一つに記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記ホイップ状飲料は、ホイップクリームである、請求項1~のいずれか一つに記載の飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイップクリームなどのホイップ状飲料を供給対象に供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コーヒーなどの主飲料とホイップクリームとを含む飲料を提供する飲料製造装置(以下、飲料供給装置という)が開示されている。そして、この飲料供給装置では、飲料の供給対象であるカップ内にクリーム粉末と湯水とを注入し、カップ内のクリーム粉末と湯水との混合液を攪拌装置によって攪拌して泡立てることによって、カップにホイップクリームを供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-208143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された飲料供給装置では、攪拌装置の攪拌具が供給対象のカップ内に侵入して回転する構造であるため、例えば、カップを把持する利用者に対する安全上の構造が必要になるという課題がある。なお、このような課題は、クリームを主原料とするホイップクリームを供給する装置に限られるものではなく、ホイップクリーム以外のホイップ状飲料を供給する装置についても共通するものである。
【0005】
そこで、本発明は、撹拌機を備えることなくホイップクリームなどのホイップ状飲料を供給対象に供給することができる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、ホイップ状飲料を含む飲料を供給する飲料供給装置が提供される。前記飲料供給装置は、スプレー缶と、押圧機構部と、ホイップ状飲料流通路と、を含む。前記スプレー缶は、前記ホイップ状飲料の原料及び噴射用ガスが密封された密封缶と、前記密封缶に設けられる操作部と、を有し、前記操作部が押圧されることによって、前記原料及び前記噴射用ガスを前記ホイップ状飲料として噴射する。前記押圧機構部は前記操作部を押圧する。前記ホイップ状飲料流通路は前記スプレー缶から噴射された前記ホイップ状飲料を供給対象に導くものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の前記一側面による前記飲料供給装置では、前記ホイップ状飲料の原料及び噴射用ガスが密封された密封缶と、前記密封缶に設けられる操作部と、を有し、前記操作部が押圧されることによって、前記原料及び前記噴射用ガスを前記ホイップ状飲料として噴射する、スプレー缶を有している。つまり、前記飲料供給装置は、前記ホイップ状飲料の供給源として前記スプレー缶を有しており、前記スプレー缶の前記操作部を前記押圧機構部によって押圧するという、撹拌機を有さない簡素な構造によって、前記ホイップ状飲料流通路を通じて前記ホイップ状飲料を供給対象(カップなど)に供給することができる。
【0008】
このようにして、撹拌機を備えることなくホイップクリームなどのホイップ状飲料を供給対象に供給することができる飲料供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る飲料供給装置の概略構成を示す図である。
図2】前記飲料供給装置の構成を示す図(配管回路図)である。
図3】前記飲料供給装置のホイップ状飲料生成装置の変形例を示す図である。
図4】前記飲料供給装置におけるホイップ状飲料流通路の洗浄系統の回路の変形例を示す図である。
図5】前記飲料供給装置における各吐出部の変形例を示す図である。
図6】前記飲料供給装置における各吐出部の別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る飲料供給装置1の概略の構成を説明するための図であり、図2は、飲料供給装置1の構成を示す配管回路図である。
【0011】
本実施形態では、図1に示すように、飲料供給装置1がコーヒーサーバー50に隣接して(つまり、コーヒーサーバー50の筐体外に)設けられ、コーヒーサーバー50のオプション装置として用いられている場合を一例に挙げて説明する。
【0012】
コーヒーサーバー50は、例えば、コーヒー粉末を用いてコーヒーを抽出し、抽出したコーヒーを供給対象としてのカップCに入れて提供するものである。そして、コーヒーサーバー50は、主飲料として抽出したコーヒーに、顧客などの要求に応じて液体のミルクやミルクフォームやホイップ状飲料(換言すると、ホイップ状食品)としてのホイップクリームを加える機能(オプション機能)を有しており、顧客などの好みのコーヒーを提供可能に構成されている。つまり、コーヒーサーバー50は、コーヒーなどの主飲料にホイップ状飲料などを加えた飲料を、供給対象としてのカップCに供給可能な装置である。
【0013】
飲料供給装置1は、コーヒーサーバー50の前記オプション機能を実行するためのものであり、ホイップ状飲料を含む飲料を供給可能な装置である。ここでは、飲料供給装置1は、ミルク、ミルクフォーム及びホイップ状飲料としてのホイップクリームのそれぞれを選択的に供給可能であり、制御部2と、装置本体部3と、を有する。
【0014】
ここで、ミルクフォームは、ミルクを主原料とし、このミルクに空気が混合されて泡立てられた飲料(つまり、ミルクと空気との混合液が起泡してなる飲料)である。そして、ホイップクリームは、クリーム(つまり、乳脂肪又は植物性脂肪など)を原料(主原料)とし、このクリームに所定の気体が混合されて泡立てられた飲料(つまり、原料と気体との混合液が起泡してなるホイップ状飲料)である。
【0015】
本実施形態では、飲料供給装置1は、ミルク、ミルクフォーム及びホイップクリームのそれぞれを、外部(つまり、供給対象であるカップC)に供給するように構成されている。また、ここでは、飲料供給装置1は、ミルクとミルクフォームについては、それぞれ温めた状態又は冷やした状態で選択的に提供可能であり、ホイップクリームについては、冷やした状態で提供可能になっている。
【0016】
制御部2は、図1に示すように、装置本体部3の動作を制御するものである。制御部2は、例えば、コーヒーサーバー50からの指令に基づいて、ミルク又はミルクフォームについてはそれぞれ温めた状態又は冷やした状態で供給し、ホイップクリームについては冷やした状態で供給するように、装置本体部3の各機器(後述する、ホイップ状飲料生成装置5、保冷庫6、加熱装置7、ポンプ8、水供給装置9、エア供給装置10、開閉弁V1及び各切替弁SV1~SV3など)の動作を制御する。
【0017】
飲料供給装置1は、制御部2に冷たいホイップクリームの供給指令S1が入力された場合は冷たいホイップクリームを供給し、制御部2に冷たいミルクの供給指令S2が入力された場合は冷たいミルクを供給し、制御部2に冷たいミルクフォームの供給指令S3が入力された場合は冷たいミルクフォームを供給し、制御部2に温かいミルクの供給指令S4が入力された場合は温かいミルクを供給し、制御部2に温かいミルクフォームの供給指令S5が入力された場合は温かいミルクフォームを供給するように、各機器の動作を制御する。そして、飲料供給装置1は、制御部2にいずれの供給指令(S1~S5)も入力されていない場合には、待機状態となる。
【0018】
本実施形態において、装置本体部3は、図2に示すように、ミルクタンク4と、ホイップ状飲料生成装置5と、保冷庫6と、加熱装置7と、ポンプ8と、水供給装置9と、エア供給装置10とを含む。
【0019】
ミルクタンク4は、液体飲料としてのミルクを貯留するタンクである。本実施形態では、ミルクタンク4は、保冷庫6内に収容され、ミルクを適宜の低温下で貯留可能に構成される。
【0020】
ホイップ状飲料生成装置5は、ホイップ状飲料としてのホイップクリームを生成する装置である。本実施形態では、ホイップ状飲料生成装置5は、スプレー缶51と、保持部52と、押圧機構部53と、を含む。
【0021】
本実施形態では、ホイップ状飲料生成装置5は、保冷庫6内に収容され、ホイップクリームの原料としての液状のクリーム(乳脂肪又は植物性脂肪など)を適宜の低温下で貯留可能に構成される。なお、図2では、ホイップ状飲料生成装置5の全体が、保冷庫6内に収容される場合を一例に挙げて示したが、これに限らず、ホイップ状飲料生成装置5のうちのスプレー缶51のみが保冷庫6内に収容されてもよい。
【0022】
スプレー缶51は、クリーム(ホイップクリームの原料)及び噴射用ガスが密封された密封缶51aと、密封缶51aに設けられる操作部51bと、を有し、操作部51bが押圧されることによって、クリーム及び噴射用ガスをホイップクリームとして噴射する。換言すると、スプレー缶51は、ホイップクリームを生成して供給するための供給源となるものであり、クリームを噴射用ガスと一緒に噴射して起泡させることによって、ホイップクリームを生成すると同時に噴射するようになっている。また、スプレー缶51は、小型(例えば、ヘアムース用のスプレー缶と同程度の外形寸法)で可搬式の缶である。特に限定されるものではないが、スプレー缶51としては、いわゆるエアゾール缶入り加工食品として市販されているホイップクリーム缶が採用され得る。
【0023】
本実施形態では、スプレー缶51は、ホイップクリームを噴射するノズル51cを有しており、操作部51bが押圧されることによって、クリーム及び噴射用ガスをノズル51cからホイップクリームとして噴射する。
【0024】
スプレー缶51から噴射されるホイップクリームには、噴射用ガスが含まれており、この噴射用ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、亜酸化窒素ガスが用いられる。また、噴射用ガスとして、窒素ガスや炭酸ガスなどが用いられてもよい。
【0025】
具体的には、密封缶51aは、円形断面を有した中空の金属製の缶である。操作部51b及びノズル51cは樹脂成形品であり、操作部51bはノズル51cと隣接して一体に成形されている。操作部51b及びノズル51cの一体成形品は、密封缶51aの一端部を覆うように密封缶51aに取り付けられている。また、図では操作部51b及びノズル51cに隠れているため表されていないが、密封缶51aの一端部には、密封缶51aの内部とノズル51cとを連通可能な細管状のステムを有した弁機構部が設けられている。ノズル51cは前記ステムの先端部に接続され前記ステムを介して密封缶51aの内部と連通可能になっている。前記弁機構部は、前記ステムが押圧されて前記ステムが没入することによって、開状態になり、押圧が解除されて前記ステムが元の位置まで突出することによって、閉状態になる。そして、操作部51bが押圧されて、前記一体成形品が前記ステムを押圧する方向に変位すると、前記弁機構部が開状態になり、その結果、ホイップクリームがノズル51cから噴射され、操作部51bへの押圧が解除されると、前記弁機構部が閉状態になる。
【0026】
保持部52は、スプレー缶51を保持する器具であり、例えば、保冷庫6の側壁の内面に取り付けられたフレーム52aから張り出すように設けられている。保持部52は、特に限定されるものではないが、例えば、密封缶51aの外周面を取り囲んで保持するように形成されている。保持部52は、例えば、ノズル51cを下方に向けた姿勢でスプレー缶51を保持する。また、保持部52は、通常時にはスプレー缶51を保持し、スプレー缶交換時にはスプレー缶51の保持を解除して新たなスプレー缶51に交換することができるようになっている。
【0027】
押圧機構部53は、スプレー缶51の操作部51bを押圧するためのものであり、例えば、フレーム52aにおける下端側の部分に取り付けられている。押圧機構部53は、例えば、操作部51bを押圧可能に移動する可動部53aと、制御部2からの信号に基づいて可動部53aを駆動させるモータなどからなる駆動部53bと、を有する。
【0028】
スプレー缶51から噴射されたホイップクリームは、ホイップ状飲料流通路L1を流通する。ホイップ状飲料流通路L1はスプレー缶51から噴射されたホイップクリームを供給対象としてのカップCに導く流路である。本実施形態では、ホイップ状飲料流通路L1は、スプレー缶51のノズル51cとカップCの上方に配置されたホイップ状飲料吐出部11との間を接続し、例えば、可撓性の配管部材からなる。ホイップ状飲料吐出部11は、ホイップクリームを外部(カップC内)に吐出させるものである。したがって、ホイップ状飲料生成装置5により生成されたホイップクリームは、ホイップ状飲料流通路L1内を流れ、その後、ホイップ状飲料吐出部11からカップC内に吐出されるようになっている。また、第1排水管L2がホイップ状飲料流通路L1における所定部位(図2では後述する第1切替弁SV1の接続部位)に接続されている。
【0029】
保冷庫6は、少なくともホイップ状飲料生成装置5のスプレー缶51を内部に収容し少なくともホイップクリームの原料(クリーム)を所定の低温状態で保管するものである。本実施形態では、保冷庫6は、ミルクタンク4及びホイップ状飲料生成装置5を内部に収容し、庫内温度を適宜の低温設定温度に保持可能に構成されている。また、本実施形態では、保冷庫6内には、ミルクタンク4及びホイップ状飲料生成装置5に加えてポンプ8などの各機器が配置されている。保冷庫6の庫内温度は、例えば、10℃未満(好ましくは2~3℃)の範囲に保持されるように制御されている。
【0030】
加熱装置7は、主に、ミルクやミルクフォームを温めるための装置である。加熱装置7は、図2に示すように、ミルクタンク4とミルク飲料吐出部12との間を接続するミルク流通路L3の途中に配置される。加熱装置7は、図示省略するが、ミルク流通路L3を流通するミルクやミルクフォームを加熱する加熱部を有している。加熱装置7の前記加熱部は、飲料供給装置1の起動後において、常時ミルクやミルクフォームを加熱可能な状態になっている。
【0031】
ミルク流通路L3は、具体的には、ミルクタンク4内に配置されたストレーナ13とミルク飲料吐出部12との間を接続し、主にミルクやミルクフォームをミルク飲料吐出部12に導く流路である。そして、ミルク飲料吐出部12は、例えば、カップCの上方に配置され、ミルクやミルクフォームを外部(カップC内)に吐出させるものである。図示省略するが、加熱装置7は、前記加熱部を迂回するバイパス管を有している。加熱装置7は、ミルク又はミルクフォームを前記バイバス管経由で加熱せずにそのまま流出させる動作と、ミルク又はミルクフォームを前記加熱部経由で加熱して流出させる動作とを、制御部2からの信号に基づいて選択的に実行可能に構成されている。また、第2排水管L4がミルク流通路L3における加熱装置7よりもミルク飲料吐出部12側の所定部位(図2では後述する第3切替弁SV3の接続部位)に接続されている。
【0032】
ポンプ8は、主にミルクタンク4からミルクを吸引して吐出するものであり、ミルク流通路L3における加熱装置7よりもミルクタンク4側の所定部位に設けられる。
【0033】
水供給装置9は、例えば、主にミルク流通路L3内をすすいで洗浄するための水(すすぎ水)を、水流通路L5を介して供給するための装置である。水供給装置9は、図示省略したが、例えば、水を貯留する水タンクや、制御部2からの信号に基づいて駆動するポンプや電磁駆動式の開閉弁などを備えている。水流通路L5の一端部は水供給装置9に接続され、水流通路L5の他端部はミルク流通路L3におけるポンプ8とストレーナ13との間の所定部位(以下、第1接続部Z1という)に接続される。水供給装置9は、第1接続部Z1を経由して水をミルク流通路L3内に供給する。
【0034】
ここで、本実施形態では、飲料供給装置1は、ホイップ状飲料流通路を洗浄するための洗浄用流通路L6を含む。この洗浄用流通路L6は、ホイップ状飲料流通路L1におけるノズル近傍の部位に合流する一端部を有し、洗浄液をホイップ状飲料流通路L1内に導く。洗浄用流通路L6は、例えば、ミルク流通路L3における第2排水管L4の接続部位(第3切替弁SV3の接続部位)よりも加熱装置7側の所定部位(図2では後述する第2切替弁SV2の接続部位)から分岐し、ホイップ状飲料流通路L1における第1排水管L2の接続部位(第1切替弁SV1の接続部位)よりもノズル51c側の所定部位(以下、第2接続部Z2という)に合流する。この第2接続部Z2は、ホイップ状飲料流通路L1におけるノズル51cの近傍に設けられている。
【0035】
そして、本実施形態では、水供給装置9から水流通路L5に供給された水は、ミルク流通路L3、加熱装置7、洗浄用流通路L6を経由してホイップ状飲料流通路L1内に供給可能に構成されている。したがって、本実施形態では、水供給装置9から供給された水は、ホイップ状飲料流通路L1内をすすいで洗浄するための洗浄液としても用いられる。また、水供給装置9からの水を洗浄液として洗浄用流通路L6に導く場合には、加熱装置7は、水供給装置9からの水を前記バイバス管経由で加熱せずにそのまま流出させる動作と、水供給装置9からの水を前記加熱部経由で加熱して流出させる動作とを、制御部2からの信号に基づいて選択的に実行可能に構成されている。
【0036】
エア供給装置10は、ミルクフォームを生成するためのミルクフォーム生成用の空気やミルク流通路L3内の水やホイップ状飲料流通路L1内の水などを排出させるための排出用(エアパージ用)の空気を、空気流通路L7を介して供給するための装置である。排出用の空気の量(流量)はミルクフォーム生成用に必要な空気の量(流量)より多いため、ミルクフォーム生成用の空気の量と排出用の空気の量とを切り替える必要がある。そのため、エア供給装置10は、供給する空気の流量を調整可能に構成されている。エア供給装置10は、図示省略したが、制御部2からの信号に基づいて駆動し吐出流量可変の空気供給用ポンプや、制御部2からの信号に基づいて作動する電磁駆動式の開閉弁などを備えている。空気流通路L7は、一端部がエア供給装置10に接続され、他端部が水流通路L5の所定部位(以下、第3接続部Z3という)に接続されている。この第3接続部Z3から水流通路L5内に供給された空気は、水流通路L5のうちの第3接続部Z3と第1接続部Z1との間の流路を流通し、その後、第1接続部Z1を経由してミルク流通路L3内に供給される。したがって、水流通路L5のうちの第3接続部Z3と第1接続部Z1との間の流路は、空気をミルク流通路L3内に供給するための流路の一部を兼用している。
【0037】
次に、ホイップ状飲料流通路L1、ミルク流通路L3、水流通路L5及び洗浄用流通路L6に設けられる各機器について詳述する。
【0038】
ホイップ状飲料流通路L1には、第1切替弁SV1が設けられている。第1切替弁SV1は、ホイップ状飲料流通路L1を流通するホイップクリームなどの吐出先をホイップ状飲料吐出部11と第1排水管L2とに選択的に切り替えるための弁であり、例えば、電磁駆動式の三方弁からなる。第1切替弁SV1は、例えば、初期状態(電源OFF)では、第1排水管L2側への流通を許容すると共にホイップ状飲料吐出部11側への流通を阻止しており、通電状態(電源ON)では、第1排水管L2側への流通を阻止すると共にホイップ状飲料吐出部11側への流通を許容するように作動する。
【0039】
ミルク流通路L3には、ミルクタンク4側からミルク飲料吐出部12に向かって順に、ストレーナ13、開閉弁V1、ポンプ8、膨張器E、加熱装置7、第2切替弁SV2、及び、第3切替弁SV3が設けられている。第1接続部Z1は、ミルク流通路L3における開閉弁V1とポンプ8との間の部分に位置する。
【0040】
開閉弁V1は、ミルク流通路L3を開閉する弁であり、例えば、初期状態(電源OFF)で閉(NC)の電磁弁からなる。
【0041】
膨張器Eは、ミルクと空気との混合液によりミルクフォームを生成するためのものであり、ミルク流通路L3におけるポンプ8と加熱装置7との間の部分に配置される。具体的には、エア供給装置10からミルク流通路L3内に空気が所定の流量で供給されると共に、開閉弁V1が開いた状態でポンプ8が作動することにより、ミルク流通路L3内でミルクと空気が混合され、このミルクと空気との混合液が膨張器Eを通過することによってミルクフォームが生成されるようになっている。そして、生成されたミルクフォームは、ミルク流通路L3を流通し、その後、ミルク飲料吐出部12から吐出してカップC内に供給されるようになっている。
【0042】
第2切替弁SV2は、ミルク流通路L3において加熱装置7の通過後の水などの吐出先をミルク流通路L3と洗浄用流通路L6とに選択的に切り替えるための弁であり、例えば、電磁駆動式の三方弁からなる。第2切替弁SV2は、ミルク流通路L3における加熱装置7とミルク飲料吐出部12との間の部分に設けられている。第2切替弁SV2は、例えば、初期状態(電源OFF)では、ミルク流通路L3側への流通を許容すると共に洗浄用流通路L6側への流通を阻止しており、通電状態(電源ON)では、ミルク流通路L3側への流通を阻止すると共に洗浄用流通路L6側への流通を許容するように作動する。
【0043】
第3切替弁SV3は、ミルク流通路L3を流通するミルクなどの吐出先をミルク飲料吐出部12と第2排水管L4とに選択的に切り替えるための弁であり、例えば、電磁駆動式の三方弁からなる。第3切替弁SV3は、ミルク流通路L3における第2切替弁SV2よりもミルク飲料吐出部12側の部分に設けられている。第3切替弁SV3は、例えば、初期状態(電源OFF)では、第2排水管L4側への流通を許容すると共にミルク飲料吐出部12側への流通を阻止しており、通電状態(電源ON)では、第2排水管L4側への流通を阻止すると共にミルク飲料吐出部12側への流通を許容するように作動する。
【0044】
水流通路L5には、例えば、逆止弁からなる第1逆止弁C1が設けられている。第1逆止弁C1は、第3接続部Z3と第1接続部Z1との間に配置され、第3接続部Z3から第1接続部Z1へ向かう流れを許容すると共に、第1接続部Z1から第3接続部Z3へ向かう流れを阻止するものである。なお、第1逆止弁C1に替わって、例えば、電磁弁からなる開閉弁が用いられてもよい。
【0045】
洗浄用流通路L6には、例えば、逆止弁からなる第2逆止弁C2が設けられている。第2逆止弁C2は、例えば、第2接続部Z2の近傍に配置され、第2切替弁SV2から第2接続部Z2へ向かう流れを許容すると共に、第2接続部Z2から第2切替弁SV2へ向かう流れを阻止するものである。なお、第2逆止弁C2に替わって、例えば、電磁弁からなる開閉弁が用いられてもよい。
【0046】
次に、本実施形態に係る飲料供給装置1における飲料供給動作について説明する。
【0047】
制御部2は、冷たいホイップクリームを供給する指令(供給指令S1)が入力されると、第1切替弁SV1を作動させてホイップ状飲料流通路L1におけるホイップクリームなどの吐出先をホイップ状飲料吐出部11に切り替える。その後、制御部2は、押圧機構部53を作動させて、スプレー缶51の操作部51bを押圧する。これにより、装置本体部3は、所定量の冷たいホイップクリームをそのままホイップ状飲料吐出部11からカップC内に供給する。つまり、飲料供給装置1は、供給指令S1では、保冷庫6により冷却されたクリームを用いてホイップ状飲料生成装置5により生成されたホイップクリームを外部に供給する。
【0048】
制御部2は、供給指令S2~S5が入力されると、第3切替弁SV3を作動させてミルク流通路L3におけるミルクなどの吐出先をミルク飲料吐出部12に切り替えると共に、開閉弁V1を開放させた状態でポンプ8を作動させる。
【0049】
制御部2は、冷たいミルクを供給する指令(供給指令S2)が入力された場合には、保冷庫6により冷却された冷たいミルクを加熱装置7における前記バイパス管を経由して流通させる。これにより、装置本体部3は、ミルクタンク4から吸引した所定量の冷たいミルクをミルク飲料吐出部12から吐出させてカップC内に供給する。
【0050】
制御部2は、冷たいミルクフォームを供給する指令(供給指令S3)が入力された場合には、さらにエア供給装置10を作動させ、保冷庫6により冷却されたミルクに空気を混合させて生成した冷たいミルクフォームを加熱装置7における前記バイパス管を経由して流通させる。これにより、装置本体部3は、所定量の冷たいミルクフォームをそのままミルク飲料吐出部12からカップC内に供給する。つまり、飲料供給装置1は、供給指令S2及び供給指令S3では、保冷庫6により冷却されたミルクを含む飲料(ミルク又はミルクフォーム)を外部に供給する。
【0051】
制御部2は、温かいミルクを供給する指令(供給指令S4)が入力された場合には、保冷庫6により冷却された冷たいミルクを加熱装置7により加熱してミルク飲料吐出部12に向けて流出させる。これにより、装置本体部3は、ミルクタンク4から吸引した冷たいミルクを加熱装置7により温めることにより、所定量の温かいミルクをミルク飲料吐出部12から吐出してカップC内に供給する。
【0052】
制御部2は、温かいミルクフォームを供給する指令(供給指令S5)が入力された場合には、さらにエア供給装置10を作動させ、保冷庫6により冷却されたミルクに空気を混合させて生成した冷たいミルクフォームを加熱装置7における前記加熱部経由で流通させる。これにより、装置本体部3は、所定量の温かいミルクフォームをミルク飲料吐出部12からカップC内に供給する。つまり、飲料供給装置1は、供給指令S4及び供給指令S5では、加熱装置7により温められたミルクを含む飲料(ミルク又はミルクフォーム)を外部に供給する。
【0053】
次に、本実施形態に係る飲料供給装置1のホイップ状飲料流通路L1やミルク流通路L3についての洗浄動作の一例について説明する。
【0054】
飲料供給装置1におけるホイップクリームの供給動作が完了すると、制御部2は、第1切替弁SV1を初期状態に戻して、第1排水管L2側への流通を許容すると共にホイップ状飲料吐出部11側への流通を阻止させる。これと同時に、制御部2は、第2切替弁SV2を作動させてミルク流通路L3における水などの吐出先を洗浄用流通路L6に切り替える。その後、制御部2は、ポンプ8、水供給装置9を作動させ、例えば、水供給装置9からの水を加熱装置7の前記加熱部経由で加熱する。そして、加熱装置7によって温められた水が洗浄用流通路L6を経由してホイップ状飲料流通路L1に供給され、その後、第1排水管L2を通じて排水される。その結果、ホイップ状飲料流通路L1の大半の部分やノズル51cが洗浄される。また、この洗浄動作に続けて、例えば、エア供給装置10を作動させることによって、ホイップ状飲料流通路L1内の水などを排出させるための排出用の空気を、空気流通路L7、水流通路L5、ミルク流通路L3及び洗浄用流通路L6を経由してホイップ状飲料流通路L1に供給する。
【0055】
また、飲料供給装置1におけるミルク又はミルクフォームの供給動作が完了すると、制御部2は、第3切替弁SV3を初期状態に戻して、第2排水管L4側への流通を許容すると共にミルク飲料吐出部12側への流通を阻止させる。その後、制御部2は、ポンプ8、水供給装置9を作動させ、例えば、水供給装置9からの水を加熱装置7の前記加熱部経由で加熱する。これにより、加熱装置7によって温められた水がミルク流通路L3における加熱装置7よりも下流側の部分を流通し、その後、第2排水管L4を通じて排水される。その結果、ミルク流通路L3の大半の部分が洗浄される。また、この洗浄動作に続けて、例えば、エア供給装置10を作動させることによって、ミルク流通路L3内の水などを排出させるための排出用の空気を、空気流通路L7、水流通路L5を経由してミルク流通路L3に供給する。
【0056】
本実施形態に係る飲料供給装置1では、ホイップクリームの原料及び噴射用ガスが密封された密封缶51aと、密封缶51aに設けられる操作部51bと、を有し、操作部51bが押圧されることによって、原料及び噴射用ガスをホイップクリームとして噴射する、スプレー缶51を有している。つまり、飲料供給装置1は、ホイップクリームの供給源としてスプレー缶51を有しており、スプレー缶51の操作部51bを押圧機構部53によって押圧するという、撹拌機を有さない簡素な構造によって、ホイップ状飲料流通路L1を通じてホイップクリームを供給対象(カップC)に供給することができる。
【0057】
このようにして、撹拌機を備えることなくホイップクリームを供給対象に供給することができる飲料供給装置1を提供することができる。
【0058】
ここで、従来において、飲食店などでは、クリームを貯留するタンクと撹拌機とを有したホイップクリーム生成用の専用マシンを用いて、店員がコーヒーなどの主飲料の上にホイップクリームを浮かべた飲料を提供していた。このような従来式の提供方法においては、店員はタンクへのクリームの補充やタンクの洗浄などの作業を行う必要があり、店員の作業負担が高く、衛生面の観点においても改良の余地がある。一方、本実施形態に係る飲料供給装置1では、スプレー缶51がホイップクリームの供給源として使用されているため、クリームの補充作業が不要であり、クリームを貯留するタンクが不要であるため、タンクの洗浄作業も不要であり、店員の作業負担の軽減や衛生性の向上が図られる。
【0059】
本実施形態では、飲料供給装置1は、洗浄用流通路L6を介して、ホイップ状飲料流通路L1の洗浄液として加熱装置7からの水(例えば温水)をホイップ状飲料流通路L1に供給することができ、ホイップ状飲料流通路L1の洗浄液や洗浄液を貯留するタンクなどを別途用意することなくホイップ状飲料流通路L1を洗浄することができる。つまり、本実施形態では、ホイップ状飲料流通路L1の洗浄系統の回路はミルク流通路L3の洗浄系統の回路の一部を用いて構成されている。
【0060】
なお、本実施形態では、ホイップ状飲料生成装置5において、スプレー缶51は単に保持部52に保持されるものとしたが、これに限らず、図3に示すように、飲料供給装置1が待機状態にあるときに、所定の時間間隔毎に、スプレー缶51に振動を加えることができるように構成されてもよい。つまり、図3に示すように、ホイップ状飲料生成装置5(飲料供給装置1)は、スプレー缶51に振動を加える加振器54を含んでもよい。加振器54は、例えば、フレーム52aに沿って保持部52の全体を上下方向に往復移動させる上下往復機構を有し、保持部52を上下に往復移動させることによってスプレー缶51に上下方向の振動を加える。これにより、ホイップ状飲料生成装置5はより安定した品質のホイップクリームを生成することができる。なお、図示を省略するが、加振器54は、保持部52の全体を水平方向に揺動させることによってスプレー缶51に水平方向の振動を加えるように構成されてもよいし、スプレー缶51の表面に密着するように取り付けられ超音波振動を発生させことによってスプレー缶51に振動を加えるように構成されてもよい。また、ホイップ状飲料生成装置5は、加振器54に替えて、スプレー缶51の全体をその中心軸回りに回転させる回転器を備えてもよい。この場合、ノズル51cは、例えば、スイベルジョイントを介してホイップ状飲料流通路L1の端部に接続される。
【0061】
図4は、ホイップ状飲料流通路L1の洗浄系統の回路の変形例を示す図である。この変形例では、飲料供給装置1は、ホイップ状飲料流通路L1の洗浄系統の回路がミルク流通路L3の洗浄系統の回路と分離して設けられている。また、図4に示す飲料供給装置1では、ホイップクリームの供給回路とミルクを含む飲料(つまり、ミルク又はミルクフォーム)の供給回路とが互いに分離して並列的に設けられている。具体的には、図4に示す飲料供給装置1は、洗浄用流通路L6を経由して水や薬液などの洗浄液をホイップ状飲料流通路L1に供給する洗浄液供給装置14を有している。洗浄液供給装置14は、図示省略したが、例えば、洗浄液を貯留する洗浄液タンクや、制御部2からの信号に基づいて駆動するポンプや電磁駆動式の開閉弁などを備えている。そして、洗浄用流通路L6の一端部は洗浄液供給装置14に接続され、洗浄用流通路L6の他端部は第2接続部Z2に接続され、第2切替弁SV2は設けられていない。洗浄液供給装置14は、制御部2からの信号に基づいて作動し、洗浄用流通路L6を経由して洗浄液をホイップ状飲料流通路L1内に供給するように構成されている。
【0062】
図5は各吐出部(ホイップ状飲料吐出部11及びミルク飲料吐出部12)の変形例を示す図である。この変形例において、ホイップ状飲料吐出部11は、ホイップクリームをカップCに供給するときに、図5において実線で示される退避位置から図5において一点鎖線で示されるカップCの上方の供給位置に移動するように構成されている。同様に、ミルク飲料吐出部12は、ミルク又はミルクフォームをカップCに供給するときに、図5において実線で示される退避位置から図5において一点鎖線で示されるカップCの上方の供給位置に移動するように構成されている。したがって、ホイップ状飲料流通路L1についての洗浄動作のときには、ホイップ状飲料吐出部11は退避位置にあり、ミルク流通路L3についての洗浄動作のときには、ミルク飲料吐出部12は退避位置にある。これにより、飲料供給装置1は、洗浄動作のときに、ホイップ状飲料流通路L1における第1切替弁SV1とホイップ状飲料吐出部11との間の部分や、ミルク流通路L3における第3切替弁SV3とミルク飲料吐出部12との間の部分についても、水などにより洗浄し、この洗浄により発生した廃液を退避位置にあるホイップ状飲料吐出部11やミルク飲料吐出部12を通じて外部に排出することができる。また、この場合、飲料供給装置1は、第1切替弁SV1、第3切替弁SV3、第1排水管L2及び第2排水管L4を有さなくてもよい。飲料供給装置1は、これらの機器や配管(SV1、SV2、L2、L4)を有さなくても、洗浄動作のときに、ホイップ状飲料流通路L1やミルク流通路L3を流通した水などの廃液を、退避位置にあるホイップ状飲料吐出部11やミルク飲料吐出部12を通じて外部に排出することができる。
【0063】
図6は各吐出部(ホイップ状飲料吐出部11及びミルク飲料吐出部12)の別の変形例を示す図である。この別の変形例では、ホイップ状飲料吐出部11はミルク飲料吐出部12を兼用しており、第1切替弁SV1は第3切替弁SV3を兼用している。そして、ホイップ状飲料流通路L1とミルク流通路L3は第1切替弁SV1及び第3切替弁SV3の近傍で且つこれら(SV1及びSV3)の上流側に位置する合流部Z4で互いに合流して一本の流路となり、ホイップ状飲料流通路L1における合流部Z4とホイップ状飲料吐出部11との間の部分はミルク流通路L3の一部を兼用している。換言すると、ミルク流通路L3における合流部Z4とミルク飲料吐出部12との間の部分はホイップ状飲料流通路L1の一部を兼用している。これにより、飲料供給装置1は、一つの吐出部によってホイップクリーム、ミルク及びミルクフォームをカップCに供給することができ、配管回路の簡素化を図ることができる。
【0064】
本実施形態では、飲料供給装置1は、冷たい飲料(ホイップクリーム、ミルク、ミルクフォーム)と、温かい飲料(ミルク、ミルクフォーム)とを供給可能に構成したが、これに限らず、冷たい飲料のみを供給してもよい。また、本実施形態では、飲料供給装置1は、ホイップクリーム以外にミルクやミルクフォームを選択的に供給可能に構成されたが、これに限らず、少なくともホイップクリームを供給可能に構成されていればよい。なお、温かい飲料を供給しない場合は、加熱装置7は不要であり、ミルクフォームを供給せず且つ水などの排出用の空気が不要の場合は、エア供給装置10は不要である。また、ホイップ状飲料流通路L1やミルク流通路L3内をすすぐ必要がない場合は、水供給装置9は不要である。
【0065】
本実施形態では、飲料供給装置1は、ホイップクリーム、ミルク、ミルクフォームを選択的に供給可能であるものとしたが、これに限らず、一の供給指令に対し、ホイップクリームとミルクとミルクフォームのうちの二種類以上の飲料を連続して供給してもよい。また、飲料供給装置1は、ホイップクリームに限らず適宜のホイップ状飲料を供給してもよい。例えば、ホイップ状飲料の原料として、クリーム以外に、チョコレート味やイチゴ味などの液状の適宜の原料を採用することができる。これにより、チョコレート味やイチゴ味などの多様な味のホイップ状飲料が供給される。また、本実施形態では一本のスプレー缶51が設けられているが、これに限らず、飲料供給装置1は、種類の異なる複数本のスプレー缶51を備え、複数の種類の味のホイップ状飲料を供給可能に構成されてもよい。また、飲料供給装置1は、ミルクに限らず適宜の液体飲料を供給してもよいし、ミルクフォーム(ミルクと空気の混合飲料)に限らず、適宜の液体飲料と空気の混合飲料を供給してもよい。
【0066】
また、飲料供給装置1は、コーヒーサーバー50に隣接して設けられるものとしたが、これに限らず、その全体又は一部がコーヒーサーバー50内に組込まれてもよい。さらに、飲料供給装置1は、コーヒーサーバー50のオプション装置として用いられるものとしたが、これに限らず、ココアや抹茶などの粉末を用いた適宜の飲料の供給装置やかき氷やアイスクリームの供給装置などのオプション装置として用いられることができるし、単独で飲料などを供給する装置として用いられることもできる。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記各実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…飲料供給装置、6…保冷庫、11…ホイップ状飲料吐出部、51…スプレー缶、51a…密封缶、51b…操作部、51c…ノズル、53…押圧機構部、54…加振器、C…カップ、L1…ホイップ状飲料流通路、L6…洗浄用流通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6