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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20250415BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20250415BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20250415BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13 505
G02F1/1334
G02F1/13357
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021130735
(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公開番号】P2023025469
(43)【公開日】2023-02-22
【審査請求日】2024-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 諒
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-219440(JP,A)
【文献】特開2020-201346(JP,A)
【文献】国際公開第2019/013115(WO,A1)
【文献】特開2016-210638(JP,A)
【文献】国際公開第2013/008740(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/239860(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/035664(WO,A1)
【文献】特開2013-080118(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0071824(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0128700(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110794609(CN,A)
【文献】特開2015-072306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/13
G02F 1/1334
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガラス板と、
前記第1ガラス板と対向する表示パネルと、
可視光透過特性を備え、かつ、前記第1ガラス板と前記表示パネルの第1基板との間に介在し、かつ、前記第1ガラス板と前記第1基板とを接着固定する、第1接着層と、
前記第1ガラス板の一部分および前記表示パネルの一部分がそれぞれ収容されたフレームと、
前記フレームに収容され、かつ、前記表示パネルと離れた位置に配置された光源モジュールと、
を含み、
前記第1ガラス板は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面および前記第2面に連なる第1側面と、を備え、
前記光源モジュールから出射される光は、前記第1ガラス板の前記第1側面から入射され、
前記表示パネルは、
前記第1ガラス板と対向する前記第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間にある高分子分散型液晶層と、
を有し、
前記光源モジュールは、
第3基板と、
前記第3基板上に搭載された複数のLED素子と、
を有し、
前記光源モジュールの前記第3基板は、電気的な絶縁特性を備える第1放熱シートを介して前記フレームの内面に接着固定され、
前記光源モジュールは、前記第1ガラス板の前記第1側面と対向する位置に配置されている、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
記第1放熱シートは、前記第1ガラス板、前記第1基板、および前記第2基板のそれぞれよりも熱伝導率が高い、表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記表示パネルは、前記第1基板上に搭載され、かつ、前記高分子分散型液晶層を駆動する駆動回路を備える第1電子部品を更に有し、
前記第1電子部品と前記フレームとの間には、電気的な絶縁特性を備える第2放熱シートが接着固定され、
前記第2放熱シートは、前記第1ガラス板、前記第1基板、および前記第2基板のそれぞれよりも熱伝導率が高い、表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
記第1接着層の屈折率は、空気よりも前記第1ガラス板の屈折率に近い、表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1ガラス板は、窓用のガラス板であり、
前記フレームは、窓枠である、表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
第2ガラス板を更に有し、
前記第2ガラス板の一部分は、前記フレームに収容され、
前記表示パネルの前記高分子分散型液晶層は、前記第1ガラス板と前記第2ガラス板との間に配置されている、表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第1ガラス板と前記第1基板との間には、可視光透過特性を備える第1接着層が介在し、かつ、前記第1基板は前記第1接着層を介して前記第1ガラス板に接着固定され、
前記第2ガラス板と前記第2基板との間には、可視光透過特性を備える第2接着層が介在し、かつ、前記第2基板は前記第2接着層を介して前記第2ガラス板に接着固定され、
前記第1接着層の屈折率は、空気よりも前記第1ガラス板の屈折率に近く、
前記第2接着層の屈折率は、空気よりも前記第2ガラス板の屈折率に近い、表示装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記光源モジュールは、第3基板と、前記第3基板上に搭載された複数のLED素子と、を有し、
前記光源モジュールの前記第3基板は、電気的な絶縁特性を備える第1放熱シートを介して前記フレームに接着固定され、
前記第1放熱シートは、前記第1ガラス板、前記第1基板、および前記第2基板のそれぞれよりも熱伝導率が高い、表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記表示パネルは、前記第1基板上に搭載され、かつ、前記高分子分散型液晶層を駆動する駆動回路を備える第1電子部品を更に有し、
前記第1電子部品と前記フレームとの間には、電気的な絶縁特性を備える第2放熱シートが接着固定され、
前記第2放熱シートは、前記第1ガラス板、前記第1基板、および前記第2基板のそれぞれよりも熱伝導率が高い、表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記第1放熱シートは、前記フレームに直接貼り付けられ、
前記第2放熱シートと前記フレームとの間には、金属板が介在する、表示装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記第1放熱シートおよび前記第2放熱シートのそれぞれは、前記フレームに直接貼り付けられている、表示装置。
【請求項12】
請求項6において、
前記第1ガラス板および前記第2ガラス板のそれぞれは、窓用のガラス板であり、
前記フレームは、窓枠である、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-72306号公報(特許文献1)には、鉄道車両用の窓ガラスの内部に、透明ディスプレイを内蔵させた、表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-72306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、観察者が、表示画像と背景とを重ね合わせて認識することが可能な透明表示装置の開発を行っている。透明表示装置の開発の一環として、窓ガラス等のガラス板と透明表示装置とを組み合わせて、表示装置とすることについて検討を行った。この結果、単に、ガラス板と透明表示装置とを組み合わせた構造の場合、改善の余地があることが判った。例えば、透明表示装置の場合、基板の側面に配置された光源モジュールから光を導入し、この光を液晶層で散乱させることにより、観察者が視認可能な光を表示装置の外部に出射する。しかし、透明表示装置用の光源モジュールをそのまま利用した場合、輝度が低いことに起因して表示画像が見にくいという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、表示装置の性能を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である表示装置は、第1ガラス板と、前記第1ガラス板と対向する表示パネルと、前記第1ガラス板の一部分および前記表示パネルの一部分がそれぞれ収容されたフレームと、前記フレームに収容された光源モジュールと、を含んでいる。前記第1ガラス板は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面および前記第2面に連なる第1側面と、を備える。前記表示パネルは、前記第1ガラス板と対向する第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間にある液晶層と、を有する。前記光源モジュールは、前記第1ガラス板の前記第1側面と対向する位置に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】透明表示パネル装置の一方の面側にいる視認者が、反対面側にある背景を、透明表示パネル装置を介して視認する場合の位置関係を示す説明図である。
図2】透明表示パネル装置を介して視認される背景の一例を示す説明図である。
図3図1に示す透明表示パネルの一例を示す斜視図である。
図4図3のA-A線に沿った断面図である。
図5図3の表示パネルが備える回路の一例を示す回路ブロック図である。
図6】透明表示パネルとガラス板とを組み合わせた一実施の形態の表示装置の構成例を示す断面図である。
図7図6に対する検討例を示す断面図である。
図8図6に示す光源モジュールの周辺を拡大して示す拡大断面図である。
図9図8に対する変形例を示す拡大断面図である。
図10図6に示す表示装置に対する変形例を示す断面図である。
図11図10に示す光源モジュールの周辺を拡大して示す拡大断面図である。
図12図8に対する変形例を示す拡大断面図である。
図13図12に対する変形例を示す拡大断面図である。
図14図1図13を用いて説明した表示装置の利用例である自動車の側面図である。
図15図14の他の利用例である建築物用の窓を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一または関連する符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
以下の実施の形態では、ガラス板と組み合わせて利用される表示パネルの例として、液晶分子による可視光の散乱を利用して画像を表示させる液晶表示装置を取り上げて説明する。
【0010】
また、液晶表示装置は、液晶層に含まれる分子の配向を変化させることにより、表示画像を形成する装置であるが、光源を必要とする。以下で説明する実施の形態では、光源が、表示パネルとは別に設けられる。このため、以下では、表示パネルと、表示パネルに可視光を供給する光源モジュールとを区別して説明する。
【0011】
<透明表示パネル>
まず、所謂、透明表示パネルの特徴について説明する。図1は、透明表示パネルの一方の面側にいる視認者が、反対面側にある背景を、透明表示パネルを介して視認する場合の位置関係を示す説明図である。図2は、透明表示パネルを介して視認される背景の一例を示す説明図である。
【0012】
図1に示すように、観察者100が、表示パネルP1の一方から他方をみる場合、背景101が表示パネルP1を透過して視認される。図2に示すように、表示領域DAおよび表示領域DAの外側の周辺領域PFAが共に光を透過させる場合、背景101の全体を違和感なく視認することができる。一方、周辺領域PFAが光を透過させない遮光性を有している場合、表示パネルP1を介して視認される背景101の一部分が周辺領域PFAにより遮られるため、観察者100(図1参照)に違和感を与える場合がある。このように、透明表示パネルである表示パネルP1の場合、表示領域DAおよび周辺領域PFAのそれぞれが可視光透過性を備えていることが好ましい。また、背景101を違和感なく視認する観点からは、表示領域DAおよび周辺領域PFAのそれぞれの可視光透過特性が同程度であることが特に好ましい。
【0013】
図3は、図1に示す透明表示パネルの一例を示す斜視図である。図3では、表示領域DAと周辺領域PFAの境界を二点鎖線で示している。また、図3では、表示パネルP1が備える回路のうち、液晶を駆動するための信号を伝送する信号配線の一部(詳しくは、ゲート線GLおよびソース線SL)を一点鎖線で模式的に示している。図3を含む以下の図面において、表示パネルP1の厚さ方向に沿った方向をZ方向、Z方向に直交するX-Y平面において、表示パネルP1の一辺の延在方向をX方向、X方向に交差する方向をY方向として説明する。図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。
【0014】
図3に示すように、本実施の形態の表示パネルP1は、基板(アレイ基板)10、基板(対向基板)20、サイド光源装置30、および駆動回路40を備える表示パネルP1を有する。表示パネルP1は、図3に示す表示パネルP1が備える各部分の他、例えば制御回路、あるいは表示パネルP1に接続されるフレキシブル基板、あるいは筐体などが含まれる場合がある。図3では、表示パネルP1以外の部分は図示を省略している。表示パネルP1は、外部から供給される入力信号に応じて画像が形成される表示領域DAと、表示領域DAの周囲にある周辺領域(額縁領域)PFAを有する。なお、図3に示す表示パネルP1の表示領域DAは四角形であるが、表示領域が多角形や円形など、四角形以外の形状であってもよい。表示領域DAは、表示面を視た平面視において、表示パネルP1が画像を表示する有効領域である。基板10および20のそれぞれは、平面視において表示領域DAと重なる位置にある。サイド光源装置30、および駆動回路40のそれぞれは、基板10上に搭載されている。
【0015】
図4に示すように、表示パネルP1は、液晶層LQLを介して対向するように貼り合せられた基板10および基板20を有している。基板10と基板20とは、表示パネルP1の厚さ方向であるZ方向に配列される。言い換えれば、基板10と基板20とは、表示パネルP1の厚さ方向(Z方向)において互いに対向する。基板10は、液晶層LQL(および基板20)と対向する前面(主面、面)10fを有する。また基板20は、基板10の前面10f(および液晶層LQL)と対向する背面(主面、面)20bを有する。基板10は、スイッチング素子(能動素子)Tr(図5参照)としての複数のトランジスタ(トランジスタ素子)がアレイ状に配置されたアレイ基板である。また、基板20は、表示面側に設けられた基板である。基板20は、アレイ基板に対向配置された基板という意味で、対向基板と言い換えることができる。
【0016】
液晶LQを含む液晶層LQLは、基板10の前面10fと基板20の背面20bとの間にある。液晶層LQLは、光学変調素子である。表示パネルP1は、上記したスイッチング素子を介して液晶層LQLの周辺に形成される電界の状態を制御することにより、そこを通過する光を変調する機能を備えている。基板10および基板20にある表示領域DAは、図4に示すように液晶層LQLと重畳する。
【0017】
また、基板10と基板20とは、シール部(シール材)SLMを介して接着される。図3および図4に示すように、シール部SLM(図4参照)は、表示領域DAの周囲を囲むように、周辺領域PFAに配置される。シール部SLMの内側には、図4に示すように液晶層LQLがある。シール部SLMは、基板10と基板20との間に液晶を封入するシールとしての役割を果たす。また、シール部SLMは、基板10と基板20とを接着する、接着材としての役割を果たす。
【0018】
サイド光源装置30は、光源部31を有する。光源部31は、基板20の側面20s1と対向する位置に配置される。図4に二点鎖線で模式的に示すように、光源部31から出射された光源光L1は、基板10の背面10bおよび基板20の前面20fで反射しながら、側面20s1から遠ざかる方向に伝搬する。光源光L1の伝搬経路において、基板10の背面10bおよび基板20の前面20fは、屈折率の大きな媒質と、屈折率の小さな媒質との界面である。このため、光源光L1が前面20fおよび背面10bに入射する入射角が臨界角よりも大きい場合、光源光L1は、前面20fおよび背面10bにおいて全反射する。
【0019】
液晶LQは高分子分散型液晶LCであり、液晶性ポリマーと液晶分子を含んでいる。液晶性ポリマーは、筋状に形成され、液晶分子は、液晶性ポリマーの隙間に分散される。液晶性ポリマー及び液晶分子の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。液晶性ポリマーの電界に対する応答性は、液晶分子の電界に対する応答性より低い。液晶性ポリマーの配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子の配向方向は、液晶LQにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶LQに電圧が印加されていない状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LQLに入射した光源光L1は、液晶層LQL内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。液晶LQに電圧が印加された状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶LQに入射した光源光L1は、液晶層LQL内で散乱される(散乱状態)。表示パネルP1は、光源光L1の伝搬経路における液晶LQの配向を制御することにより、透明状態と散乱状態とを制御する。散乱状態において光源光L1は液晶LQにより放出光L2として前面20f側から表示パネルP1の外部に出射される。また、背面10b側から入射した背景光L3は、基板10、液晶層LQL、および基板20を透過して、前面20fから外部に出射される。放出光L2および背景光L3は、前面20f側にいる観察者に視認される。観察者は、放出光L2と、背景光L3とを組み合わせて認識することができる。このように観察者が、表示画像と背景とを重ね合わせて認識することが可能な表示パネルを透明表示パネルと呼ぶ。
【0020】
<回路の構成例>
次に、図3に示す表示パネルP1が備える回路の構成例について説明する。図5は、図3の表示パネルが備える回路の一例を示す回路ブロック図である。図5に示すコモン電極CEに接続される配線経路は、例えば図4に示す基板20に形成されている。図5では、基板20に形成された配線を点線で図示している。図5に示す例では、光源制御部32が、駆動回路40に含まれる。変形例としては、駆動回路40とは別に光源制御部32を設ける場合もある。光源制御部32は、例えば図3に示すサイド光源装置30に接続される配線基板(図示は省略)に形成され、当該配線基板を介して光源部31に電気的に接続されている。
【0021】
図5に示す例では、駆動回路40は、信号処理回路41、画素制御回路42、ゲート駆動回路43、ソース駆動回路44、およびコモン電位駆動回路45を備える。また、光源部31は、例えば赤色光源部31r、緑色光源部31g、および青色光源部31bを備える。図3に示すように、基板10は、基板20よりも面積が大きいので、駆動回路40およびサイド光源装置30のそれぞれは、基板10上に設けられている。
【0022】
信号処理回路41は、入力信号解析部(入力信号解析回路)411、記憶部(記憶回路)412、および信号調整部413を備える。表示パネルP1は、画像の表示を制御する制御回路を備える制御部90を有し、信号処理回路41の入力信号解析部411には、制御部90から図示しないフレキシブル配線板などの配線経路を介して入力信号VSが入力される。入力信号解析部411は、外部から入力された入力信号VSに基づいて解析処理を行い、入力信号VCSを生成する。入力信号VCSは、例えば、入力信号VSに基づいて、表示パネルP1(図3参照)の各画素PIX(図3参照)にどのような階調値を与えるかを定める信号である。
【0023】
信号調整部413は、入力信号解析部411から入力された入力信号VCSから入力信号VCSAを生成する。信号調整部413は、入力信号VCSAを画素制御回路42へ送出し、光源制御信号LCSAを光源制御部32へ送出する。光源制御信号LCSAは、例えば、画素PIXへの入力階調値に応じて設定される光源部31の光量の情報を含む信号である。例えば、暗い画像が表示される場合、光源部31の光量は小さく設定される。明るい画像が表示される場合、光源部31の光量は大きく設定される。
【0024】
画素制御回路42は、入力信号VCSAに基づいて水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとを生成する。例えば、本実施形態では、フィールドシーケンシャル方式で駆動されるので、水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとが光源部31が発光可能な色毎に生成される。ゲート駆動回路43は水平駆動信号HDSに基づいて1垂直走査期間内に表示パネルP1(図3参照)のゲート線GLを順次選択する。ゲート線GLの選択の順番は任意である。図3に示すように複数のゲート線(信号配線)GLは、X方向に延び、かつ、Y方向に沿って配列されている。
【0025】
ソース駆動回路44は垂直駆動信号VDSに基づいて1水平走査期間内に表示パネルP1(図3参照)の各ソース線SLに各画素PIX(図3参照)の出力階調値に応じた階調信号を供給する。図3に示すように複数のソース線(信号配線)SLは、Y方向に延び、かつ、X方向に沿って配列されている。ゲート線GLとソース線SLとの交差毎に、一つの画素PIXが形成される。ゲート線GLとソース線SLとが交差する部分のそれぞれには、スイッチング素子Tr(図5参照)が形成されている。図3および図5に示す複数のゲート線GLおよび複数のソース線SLは、図4に示す液晶LQを駆動する駆動信号を伝送する複数の信号配線に相当する。
【0026】
図5に示すスイッチング素子Trとして例えば、薄膜トランジスタが用いられる。薄膜トランジスタの種類は特に限定されず、例えば、以下のようなものを例示できる。ゲートの位置で分類すると、ボトムゲート型トランジスタ又はトップゲート型トランジスタを挙げることができる。また、ゲートの数で分類すると、シングルゲート薄膜トランジスタと、ダブルゲート薄膜トランジスタとを挙げられる。スイッチング素子Trのソース電極及びドレイン電極のうち一方はソース線SLに接続され、ゲート電極はゲート線GLに接続され、ソース電極及びドレイン電極のうち他方は、高分子分散型液晶LC(図4に示す液晶LQ)の容量の一端に接続されている。高分子分散型液晶LCの容量は、一端がスイッチング素子Trに画素電極PEを介して接続され、他端がコモン電極CEを介してコモン電位配線CMLに接続されている。また、画素電極PEと、コモン電位配線CMLに電気的に接続されている保持容量電極との間には、保持容量HCが生じる。なお、コモン電位配線CMLは、コモン電位駆動回路45より供給される。
【0027】
<ガラス板と組み合わせた表示装置>
次に、図1から図5を用いて説明した透明表示パネルとガラス板とを組み合わせた表示装置の構造について説明する。図6は、透明表示パネルとガラス板とを組み合わせた本実施の形態の表示装置の構成例を示す断面図である。図7は、図6に対する検討例を示す断面図である。
【0028】
図6に示す表示装置DSP1は、以下の点で図7に示す表示装置DSP2と相違する。図7に示す表示装置DSP2は、図1図5を用いて説明した表示パネルP1とガラス板50とを単純に組み合わせた構造である。一方、図6に示す表示装置DSP1が備える表示パネルP2は、図3および図4に示すサイド光源装置30を有していない。また、表示装置DSP1は、フレーム60に収容された光源モジュール70を有している点で、表示装置DSP2と相違する。
【0029】
図6に示す表示装置DSP1は、ガラス板50と、ガラス板50と対向する表示パネルP2と、ガラス板50の一部分および表示パネルP2の一部分がそれぞれ収容されたフレーム60と、フレーム60に収容され、かつ、表示パネルP2と離れた位置に配置された光源モジュール70と、を含んでいる。
【0030】
図7に示す表示装置DSP2のように、透明表示パネルである表示パネルP1とガラス板50とを組み合わせた場合、サイド光源装置30から出力される可視光の輝度が低いことに起因して表示画像が見にくいという課題がある。サイド光源装置30は、薄い基板20の側面20s1から光を入射させる必要があるので、大型化することが難しい。このため、サイド光源装置30の光源として高出力のLED素子を用いることが難しい。
【0031】
一方、図6に示す本実施の形態の表示装置DSP1の場合、光源モジュール70は、表示パネルP2とは別に設けられている。詳しくは、光源モジュール70は、フレーム60内に収容されている。詳しくは、ガラス板50は、表示パネルP2と対向する面50aと、面50aの反対側の面50bと、面50aおよび面50bに連なる側面50s1と、を備えている。表示パネルP2は、ガラス板50と対向する基板10と、基板10と対向する基板20と、基板10と基板20との間にある液晶層LQLと、を有している。光源モジュール70は、フレーム60内において、ガラス板50の側面50s1と対向する位置に配置されている。
【0032】
光源モジュール70から出射される光は、ガラス板50を介して表示パネルP2に供給される。詳しくは、光源モジュール70から出射される光(光源光L1)は、ガラス板50の側面50s1から入射される。光源光L1は、ガラス板50の面50bおよび基板20の前面20fで反射しながら、側面50s1から遠ざかる方向に伝搬する。光源光L1の伝搬経路において、ガラス板50の面50s1および基板20の前面20fは、屈折率の大きな媒質と、屈折率の小さな媒質との界面である。このため、光源光L1が前面20fおよび面50bに入射する入射角が臨界角よりも大きい場合、光源光L1は、前面20fおよび面50bにおいて全反射する。
【0033】
上記したように、液晶分子の配向方向は、液晶LQにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶LQに電圧が印加されていない状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LQLに入射した光源光L1は、液晶層LQL内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。液晶LQに電圧が印加された状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶LQに入射した光源光L1は、液晶層LQL内で散乱される(散乱状態)。表示パネルP1は、光源光L1の伝搬経路における液晶LQの配向を制御することにより、透明状態と散乱状態とを制御する。散乱状態において光源光L1は液晶LQにより放出光L2として前面20fおよび面50bのうち、いずれか一方、あるいは両方から表示パネルP1の外部に出射される。また、面50b側から入射した背景光L3は、ガラス板50、基板10、液晶層LQL、および基板20を透過して、前面20fから外部に出射される。放出光L2および背景光L3は、前面20f側にいる観察者に視認される。観察者は、放出光L2と、背景光L3とを組み合わせて認識することができる。
【0034】
表示装置DSP1の場合、光源モジュール70を表示パネルP2とは別に設けられている。このため、フレーム60内に収容可能な範囲内であれば、大型化することができる。例えばガラス板50は、窓ガラスである。ガラス板50の厚さ(面50aから面50bまでの距離)は基板20の厚さよりも厚い。ガラス板50の側面50s1の面積は、基板20の側面20s1の面積より大きい。このため、光源モジュール70が図4に示すサイド光源装置30より大型である場合でも側面50s1に光源光L1を入射させることができる。また、光源モジュール70の大型化が可能であれば、光源モジュール70として出力が大きいものを選択することができる。すなわち、表示装置DSP1の場合、図7に示すサイド光源装置30よりも高出力の光源モジュール70を備えている。
【0035】
光源モジュール70は、上記のように高出力の光源を備えているので、光源モジュール70から出射される光源光L1の輝度は、図7に示すサイド光源装置30から出力される光源光L1の輝度よりも高輝度である。このように、表示装置DSP1の場合、表示パネルP2とは別に、高輝度の光源モジュール70が設けられていることにより、窓ガラスのような大型のガラス板50と組み合わせた場合であっても表示画像をはっきりと認識することが可能である。
【0036】
ところで、ガラス板50と表示パネルP2との間での光源光L1の反射を抑制する観点からは、ガラス板の面50aにおける光源光L1の反射を抑制することが好ましい。図6に示す例では、ガラス板50と基板10との間には、可視光透過特性を備える接着層51が介在し、かつ、表示パネルP2は、接着層51を介してガラス板50に接着固定されている。接着層51の屈折率は、空気よりもガラス板50の屈折率に近い。接着層51の屈折率がガラス板50と同等になっていることにより、ガラス板50の面50aや基板10の背面10bと接着層51との界面における光源光L1の反射を抑制できる。ガラス板50と同程度の屈折率を備える接着層51の例として、シート状に形成されたOCA(Optical Clear Adhesive)と呼ばれる透明接着シートや、液体状の透明接着剤を硬化させて用いるOCR(Optical Clear Resin)などを例示できる。
【0037】
<光源モジュールの放熱対策>
次に、図6に示す光源モジュール70の放熱対策について説明する。図8は、図6に示す光源モジュールの周辺を拡大して示す拡大断面図である。図6に示す高出力の光源モジュール70は、高輝度の光を出力することができるが、発熱量が多い。このため、光源モジュール70および表示パネルP2の動作を安定させ、表示装置DSP1の信頼性を向上させるためには、光源モジュール70から発生する熱を放熱する対策があることが好ましい。
【0038】
図8に示すように、光源モジュール70は、基板71と、基板71上に搭載された複数のLED素子72と、を有している。光源モジュール70の基板71は、電気的な絶縁特性を備える放熱シート73を介してフレーム60に接着固定されている。放熱シート73は、ガラス板50、基板10、および基板20のそれぞれよりも熱伝導率が高い。放熱シート73は、例えば、フレーム60と基板71とを接着する接着成分と、金属粒子など、高い熱伝導特性を有する材料からなる放熱フィラとを含んでいる。またフレーム60は樹脂などの材料で形成することもできるが、フレーム60自身の放熱特性を向上させる観点からは、金属材料を含んでいることが好ましい。また、後述するように、例えばフレーム60は、窓枠である。窓枠であるフレーム60が窓ガラスであるガラス板50の側面50s1の全周を囲うことで、光源モジュール70から発生する熱を広く放熱することが可能となる。
【0039】
複数のLED素子72は、例えば、赤色の周波数域の可視光を放出する赤色用LED素子と、緑色の周波数域の可視光を放出する緑色用LED素子と、青色の周波数域の可視光を放出する青色用LED素子と、を含んでいる。基板71は、複数のLED素子72のそれぞれと電気的にされる回路が形成された配線基板である。複数のLED素子72のそれぞれは、配線基板である基板71を介して光源モジュール70の動作を制御する制御回路(図示は省略)と電気的に接続されている。基板71は面71aおよび面71aの反対側の面71bを備えている。複数のLED素子72のそれぞれは、基板71の面71a上に搭載されている。放熱シート73は、基板71の面71bに接着されている。
【0040】
図9は、図8に対する変形例を示す拡大断面図である。図9に示す表示装置DSP3は、以下の点で図8に示す表示装置DSP1と相違する。表示パネルP2は、基板10上に搭載され、かつ、液晶層LQL(図6参照)を駆動する駆動回路40を備える電子部品46を更に有している。電子部品46とフレーム60との間には、電気的な絶縁特性を備える放熱シート47が接着固定されている。放熱シート47は、ガラス板50、基板10、および基板20のそれぞれよりも熱伝導率が高い。
【0041】
電子部品46は、例えば駆動回路40が形成されたドライバICである。フレーム60内には、発熱量が多い光源モジュール70が配置され、さらに高分子分散型液晶LCを駆動するためにはスマートフォンなどに用いられる液晶に比べ高い電源電圧が必要となっているので、駆動回路40の動作を安定させる観点からは、駆動回路40が形成された電子部品46に対しても放熱対策を施すことが好ましい。放熱シート47は、例えば、フレーム60と電子部品46とを接着する接着成分と、金属粒子など、高い熱伝導特性を有する材料からなる放熱フィラとを含んでいる。表示装置DSP3の場合、電子部品46は、放熱シート47を介してフレーム60と熱的に接続されている。これにより、電子部品46の動作安定性を向上させることができる。
【0042】
<二重ガラスに適用した変形例>
次に、図6に示す表示装置に対する形例として、表示パネルP2と二重ガラスとを組み合わせた実施態様について説明する。図10は、図6に示す表示装置に対する変形例を示す断面図である。図10に示す表示装置DSP4は、以下の点で、図6に示す表示装置DSP1と相違する。表示装置DSP4は、ガラス板50に加え、ガラス板80を更に有している。ガラス板80の一部分はフレーム60に収容されている。表示パネルP2の液晶層LQLは、ガラス板50とガラス板80との間に配置されている。ガラス板80は、基板20と対向する面80a、および面80aの反対側の面80bを備えている。
【0043】
表示装置DSP4の場合、互いに離間して配置された2枚のガラス板(ガラス板50およびガラス板80)を備える二重ガラス構造を備えている。上記した技術は、二重ガラス構造の場合にも適用することができる。ガラス板50およびガラス板80のそれぞれは、表示パネルP2を挟むように配置されているので、表示パネルP2を保護する保護部材としても機能する。例えば、ガラス板80はガラス板50と同じサイズの窓ガラスであり、フレーム60は窓ガラス80及び窓ガラス50の側面の全周を囲う窓枠である。
【0044】
表示装置DSP4のように二重ガラス構造の場合にも、表示パネルP2の動作は同様である。すなわち、光源モジュール70がガラス板50の側面50s1と対向する位置に配置され、光源光L1は、ガラス板50の側面50s1から入射される。これにより、光源モジュール70に用いられるLED素子72(図8参照)を大型化することができるので、高輝度の光源を選択することができる。
【0045】
また、図6を用いて説明したように、ガラス板50と表示パネルP2との間での光源光L1の反射を抑制する観点からは、ガラス板の面50aにおける光源光L1の反射を抑制することが好ましい。図6に示す例では、ガラス板50と基板10との間には、可視光透過特性を備える接着層51が介在し、かつ、表示パネルP2は、接着層51を介してガラス板50に接着固定されている。接着層51の屈折率は、空気よりもガラス板50の屈折率に近い。接着層51の屈折率がガラス板50と同等になっていることにより、ガラス板50の面50aや基板10の背面10bと接着層51との界面における光源光L1の反射を抑制できる。ガラス板50と同程度の屈折率を備える接着層51の例として、シート状に形成されたOCA(Optical Clear Adhesive)と呼ばれる透明接着シートや、液体状の透明接着剤を硬化させて用いるOCR(Optical Clear Resin)などを例示できる。
【0046】
一方、基板20側においては、仮に基板20の前面20fにより光源光L1が全反射したとしても、図6と同様の光路で光源光L1が進むので、特に問題はない。ただし、図10に示す例では、ガラス板80と基板20との間には、可視光透過特性を備える接着層81が介在し、かつ、表示パネルP2の基板20は、は、接着層81を介してガラス板80に接着固定されている。この場合、接着層81における光源光L1の屈折を抑制することが好ましい。そこで、接着層81の屈折率は、空気よりもガラス板80の屈折率に近い。接着層81の屈折率がガラス板80と同等になっていることにより、ガラス板80の面80aにおける光源光L1の反射、あるいは接着層81における光源光L1の屈折を抑制できる。接着層81の例は、接着層51の例と同様である。
【0047】
次に、図10に示す表示装置DSP4のように、二重ガラスと組み合わせた実施態様における放熱対策について説明する。図11は、図10に示す光源モジュールの周辺を拡大して示す拡大断面図である。二重ガラスと組み合わせた実施態様においても、光源モジュール70の発熱量が多くなる点は、図6に示す表示装置DSP1と同様である。したがって、光源モジュール70の放熱対策を施すことが好ましい。
【0048】
図11に示すように、光源モジュール70は、基板71と、基板71上に搭載された複数のLED素子72と、を有している。光源モジュール70の基板71は、電気的な絶縁特性を備える放熱シート73を介してフレーム60に接着固定されている。放熱シート73は、ガラス板50、基板10、および基板20のそれぞれよりも熱伝導率が高い。基板71、複数のLED素子72、および放熱シート73のそれぞれは、図8を用いて説明した通りなので重複する説明は省略する。また、フレーム60は樹脂などの材料で形成することもできるが、フレーム60自身の放熱特性を向上させる観点からは、金属材料を含んでいることが好ましい。この点も図8を用いて説明したフレーム60と同様である。
【0049】
図12は、図11に対する変形例を示す拡大断面図である。図12に示す表示装置DSP5は、以下の点で図10に示す表示装置DSP4と相違する。表示パネルP2は、基板10上に搭載され、かつ、液晶層LQL(図10参照)を駆動する駆動回路40を備える電子部品46を更に有している。電子部品46とフレーム60との間には、電気的な絶縁特性を備える放熱シート47が接着固定されている。放熱シート47は、ガラス板50、ガラス板80、基板10、および基板20のそれぞれよりも熱伝導率が高い。
【0050】
電子部品46は、例えば駆動回路40が形成されたドライバICである。フレーム60内には、発熱量が多い光源モジュール70が配置され、さらに高分子分散型液晶LCを駆動するためにはスマートフォンなどに用いられる液晶に比べ高い電源電圧が必要となっているので、駆動回路40の動作を安定させる観点からは、駆動回路40が形成された電子部品46に対しても放熱対策を施すことが好ましい。放熱シート47は、例えば、フレーム60と電子部品46とを接着する接着成分と、金属粒子など、高い熱伝導特性を有する材料からなる放熱フィラとを含んでいる。表示装置DSP5の場合、電子部品46は、放熱シート47を介してフレーム60と熱的に接続されている。これにより、電子部品46の動作安定性を向上させることができる。
【0051】
ところで、図12に示す例では、放熱シート73は、フレーム60に直接貼り付けられ、放熱シート47とフレーム60との間には、金属板48が介在している。言い換えれば、図12に示す例では、電子部品46は、放熱シート47および金属板48を介してフレーム60に熱的に接続されている。二重ガラス構造の表示装置に適用する場合、フレーム60内には、ガラス板50およびガラス板80から成る2枚の大型のガラス板の一部分がフレーム60に収容される。このため、フレーム60と電子部品46との離間距離が、図9に示す例と比較して大きい場合がある。このような場合において、電子部品46とフレーム60とを放熱シートのみで接続することは必須ではなく、放熱シート47に加えて、金属板48のような放熱部材をさらに用いることができる。
【0052】
図13は、図12に対する変形例を示す拡大断面図である。図13に示す表示装置DSP6は、以下の点で図12に示す表示装置DSP5と相違する。表示装置DSP6が有する放熱シート73および放熱シート47のそれぞれは、フレーム60に直接貼り付けられている。図13に示す表示装置DSP6の場合、フレーム60の形状が図12に示す表示装置DSP5と相違する。すなわち、フレーム60のうち、電子部品46を覆う部分が、電子部品46に向かって突出している。この場合、二重ガラス構造と組み合わせた場合であっても、電子部品46とフレーム60との離間距離を小さくすることができるので、放熱シート47を電子部品46およびフレーム60の双方に直接的に貼り付けることができる。
【0053】
<表示装置の利用例>
次に図1図13を用いて説明した表示装置の利用例について説明する。図14は、図1図13を用いて説明した表示装置の利用例である自動車の側面図である。図15は、図14の他の利用例である建築物用の窓を示す側面図である。
【0054】
図14に示す利用例では、表示装置DSP1は、自動車200が備える複数の窓のうちの一つとして適用される。ガラス板50は、例えば自動車用の窓ガラスである。また、フレーム60は、自動車200のフレームの一部分に相当する。図14に示す利用例において、表示パネルP2は、ガラス板50の一部分と重なる位置に配置される。表示パネルP2に画像が表示されると、自動車200の外部からその画像を視認することもできるし、自動車200の内部からその画像を視認することもできる。図14に示す例の場合、表示装置DSP1を駆動する電力は、自動車200のフレームに収容された電源供給経路を介して供給される。
【0055】
図15に示す利用例では、表示装置DSP1は、住宅などの建築物が備える窓として適用される。ガラス板50は、例えば建築物用の窓ガラスである。また、フレーム60は、建築物用の窓枠である。図15に示す利用例において、表示パネルP2は、ガラス板50の一部分と重なる位置に配置される。表示パネルP2に画像が表示されると、建築物の外部からその画像を視認することもできるし、建築物の内部からその画像を視認することもできる。図15に示す例の場合、表示装置DSP1を駆動する電力は、フレーム60に収容された図示しない電源供給経路を介して供給される。
【0056】
図14および図15では、一例として図6に示す表示装置DSP1の利用例を示しているが、図14および図15に示す表示装置DSP1を、図9に示す表示装置DSP3、図10に示す表示装置DSP4、図12に示す表示装置DSP5、あるいは表示装置DSP6のいずれかに置き換えることが可能である。
【0057】
以上、実施の形態および代表的な変形例について説明したが、上記した技術は、例示した変形例以外の種々の変形例に適用可能である。例えば、上記した変形例同士を組み合わせてもよい。
【0058】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、表示装置や表示装置が組み込まれた電子機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10,20,71 基板
10b,20b,20b, 背面(主面、面)
10f,20f 前面(主面、面)
20s1 側面
30 サイド光源装置
31 光源部
31b 青色光源部
31g 緑色光源部
31r 赤色光源部
32 光源制御部
40 駆動回路
41 信号処理回路
42 画素制御回路
42 画素制御回路
43 ゲート駆動回路
44 ソース駆動回路
45 コモン電位駆動回路
46 電子部品
47,73 放熱シート
48 金属板
50,80 ガラス板
50a,50b,71a,71b,80a,80b 面
50s1 側面
51,81 接着層
60 フレーム
70 光源モジュール
72 LED素子
90 制御部
100 観察者
101 背景
200 自動車
411 入力信号解析部(入力信号解析回路)
412 記憶部(記憶回路)
413 信号調整部
CE コモン電極
CML コモン電位配線
DA 表示領域
DSP1,DSP2,DSP3,DSP4,DSP5,DSP6 表示装置
GL ゲート線(信号配線)
HC 保持容量
HDS 水平駆動信号
L1 光源光
L2 放出光
L3 背景光
LC 高分子分散型液晶
LCSA 光源制御信号
LQ 液晶
LQL 液晶層
P1,P2 表示パネル
PE 画素電極
PFA 周辺領域(額縁領域)
PIX 画素
SL ソース線(信号配線)
SLM シール部
Tr スイッチング素子
VCS,VCSA,VS 入力信号
VDS 垂直駆動信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15