(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 21/04 20060101AFI20250415BHJP
【FI】
F25D21/04 B
(21)【出願番号】P 2021137797
(22)【出願日】2021-08-26
【審査請求日】2024-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 仁
(72)【発明者】
【氏名】青木 良太
(72)【発明者】
【氏名】松野 智彦
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 真琴
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-155881(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0014533(US,A1)
【文献】特開2005-24204(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005059145(DE,A1)
【文献】中国実用新案第208704268(CN,U)
【文献】特開2009-85454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/04
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と、
前記箱体の開口を閉じる扉と、
前記扉の内部に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びており、外気熱を前記箱体の表面に伝える外気熱誘導体とを具備し、
前記外気熱誘導体が、
庫外側から庫内側に延びる第1の伝熱路形成部材と、
前記第1の伝熱路形成部材よりも庫内に近い位置に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びる第2の伝熱路形成部材とを備えることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記外気熱誘導体が、前記扉を構成する化粧パネルの内面と接触している、請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記外気熱誘導体が、前記扉の内部における庫外側から庫内側に亘り設けられている、請求項1又は2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第2の伝熱路形成部材の少なくとも庫内側端部が、庫内に臨む仕切面よりも前記第1の伝熱路形成部材側に位置している、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記外気熱誘導体が、
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の間に介在するとともに、これらの伝熱路形成部材を支持する中間支持部材をさらに備える、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記中間支持部材が、前記扉の内部に充填される発泡樹脂の発泡時に変形することなく、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材を支持するものである、請求項5記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記外気熱誘導体が、
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材とは別に、前記中間支持部材を覆う伝熱部材をさらに備える、請求項5又は6記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材が、前記扉を構成する化粧パネルよりも熱伝導率の高い材質からなる、請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の厚みが、10μm以上5mm以下である、請求項1乃至8のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記第2の伝熱路形成部材が、前記扉に充填される発泡樹脂が通り抜ける樹脂通し穴を有する、請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材が、一体的に形成されている、請求項1乃至10のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の間に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びる1又は複数の第3の伝熱路形成部材をさらに備える、請求項1乃至11のうち何れか一項に記載に冷蔵庫。
【請求項13】
前記外気熱誘導体が、前記扉の幅方向に沿って複数に分割されている、請求項1乃至12のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
前記外気熱誘導体の庫外側を向く面が、前記扉の庫外側を向く表面外装に沿った形状をなし、前記外気熱誘導体の庫内側を向く面が、前記扉の庫内側を向く扉ライナーに沿った形状をなす、請求項1乃至13のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項15】
前記外気熱誘導体が、前記扉を構成する化粧パネルと一体的に設けられている、請求項1乃至14のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項16】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の間に空気層が設けられている、請求項1乃至15のうち何れか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の課題としては、扉ガスケット近傍の間口が冷やされやすく、当該箇所に外気が接触して生じる結露が挙げられる(以下、当該箇所を結露発生箇所ともいう)。
【0003】
そこで、従来の冷蔵庫としては、特許文献1に示すように、結露防止用のヒータに通電して発熱させることで上述した結露発生箇所を加熱したり、冷凍サイクルの高圧側の冷媒を結露発生箇所の近傍に通したホットパイプに流して仕切り部を加熱したりすることにより、結露の防止を図ったものがある。
【0004】
しかしながら、このようにヒータやホットパイプを設ける構成であると、部品点数の増加に伴うコストの増大や、ヒータを用いる場合における消費電力が増大するといった別の問題が生じる。
【0005】
これに対して、ヒータやホットパイプを用いることなく結露の防止を図るものとして、特許文献2に示すように、扉と箱体との間に熱伝導性材料を配置して、外気熱を結露発生箇所に伝えるように構成されたものがある。
【0006】
ところが、扉と箱体との間に単に熱伝導性材料を配置したものでは、庫内の冷えが熱伝導性材料に伝わり、結露発生箇所に伝えることのできる熱量が不十分となり、結露を確実に防止することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-85454号公報
【文献】特開2005-24204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点を一挙に解決すべくなされたものであり、ヒータやホットパイプを用いずに結露の防止を図るべく、箱体の表面に十分な熱量を伝えることができるようにすることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る冷蔵庫は、箱体と、前記箱体の開口を閉じる扉と、前記扉の内部に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びており、外気熱を前記箱体の表面に伝える外気熱誘導体とを具備し、前記外気熱誘導体が、庫外側から庫内側に延びる第1の伝熱路形成部材と、前記第1の伝熱路形成部材よりも庫内に近い位置に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びる第2の伝熱路形成部材とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
このように構成された冷蔵庫であれば、外気熱誘導体が、第1の伝熱路形成部材のみならず、この第1の伝熱路形成部材よりも庫内に近い位置に設けられた第2の伝熱路形成部材をも備えるので、この第2の伝熱路形成部材が、第1の伝熱路形成部材に庫内低温部からの冷えが伝わることを抑える役割を果たす。その結果、第1の伝熱路形成部材により箱体の表面に十分な外気熱を伝えることができるようになり、結露の防止に資するものとなる。
【0011】
前記外気熱誘導体が、前記扉を構成する化粧パネルの内面と接触していることが好ましい。
化粧パネルは樹脂からなり、この化粧パネルを介して外気熱を箱体の表面に伝えることは難しいが、上述した構成であれば、化粧パネルの内面に外気熱誘導体を接触させているので、箱体の表面の結露の生じやすい箇所に外気熱を伝えることができる。
【0012】
外気熱をより確実に箱体の表面に伝えるためには、前記外気熱誘導体が、前記扉の内部における庫外側から庫内側に亘り設けられていることが好ましい。
【0013】
庫内の冷えが第1の伝熱路形成部材に伝わってしまうことをより確実に抑え込むためには、前記箱体内が仕切り板により複数の庫内に仕切られている構成において、前記第2の伝熱路形成部材の少なくとも庫内側端部が、前記仕切り板の庫内に臨む仕切面よりも前記第1の伝熱路形成部材側に位置していることが好ましい。
【0014】
前記外気熱誘導体が、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の間に介在するとともに、これらの伝熱路形成部材を支持する中間支持部材をさらに備えることが好ましい。
このような構成であれば、第1の伝熱路形成部材、第2の伝熱路形成部材、及び中間支持部材が一体的となり、これらを一挙に扉の内部に設けることができるので、製造性を担保することができる。
【0015】
製造時における外気熱誘導体の破損等を防ぎ、且つ、前記外気熱誘導体の位置ずれを防止するためには、前記中間支持部材が、前記扉の内部に充填される発泡樹脂の発泡時に変形することなく、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材を支持するものであることが好ましい。
【0016】
前記外気熱誘導体が、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材とは別に、前記中間支持部材を覆う伝熱部材をさらに備えることが好ましい。
このような構成であれば、第1の伝熱路形成部材及び第2の伝熱路形成部材のみならず伝熱部材をも用いて外気熱を効率良く箱体の表面に伝えることができる。
【0017】
第1の伝熱路形成部材及び第2の伝熱路形成部材による伝熱機能を発揮させるためには、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材が、前記扉を構成する化粧パネルよりも熱伝導率の高い材質からなることが好ましい。
【0018】
より具体的な実施態様としては、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の厚みが、10μm以上5mm以下であることが好ましい。
【0019】
前記第2の伝熱路形成部材が、前記扉に充填される発泡樹脂が通り抜ける樹脂通し穴を有する構成でも効果を期待することができる。
このような構成であれば、発泡樹脂を樹脂通し穴から第1の伝熱路形成部材及び第2の伝熱路形成部材の間に充填させることができるので、上述した中間支持部材を別途準備する必要がない。
【0020】
組み立て性のさらなる向上を図るためには、前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材が、一体的に形成されていることが好ましい。
【0021】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の間に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びる1又は複数の第3の伝熱路形成部材をさらに備えることが好ましい。
このような構成であれば、外気熱を箱体の表面に伝える経路を増やすことができるので、伝熱量の向上を図れる。
【0022】
扉の幅方向の複数箇所に例えば取手を設けるための凹部や、手をかけるための凹部が設けられている場合であっても、十分な外気熱を箱体の表面に伝えるためには、前記外気熱誘導体が、前記扉の幅方向に沿って複数に分割されていることが好ましい。
このような構成であれば、複数に分割された外気熱誘導体を上述した凹部を避けて配置することができ、これらの外気熱誘導体により、表面に伝える熱量を担保することができる。
【0023】
前記外気熱誘導体の庫外側を向く面が、前記扉の庫外側を向く表面外装に沿った形状をなし、前記外気熱誘導体の庫内側を向く面が、前記扉の庫内側を向く扉ライナーに沿った形状をなすことが好ましい。
これならば、扉の表面外装から扉ライナーに亘り外気熱誘導体を隙間なく或いは殆ど隙間なく配置することで、外気熱を箱体の表面に効率良く伝えることができ、且つ、前記外気熱誘導体の位置ずれ防止をも果たせる。
【0024】
前記外気熱誘導体が、前記扉を構成する化粧パネルと一体的に設けられていることが好ましい。
これならば、製造工程を少なくすることができ、製造効率の向上を図れる。
【0025】
前記第1の伝熱路形成部材及び前記第2の伝熱路形成部材の間に空気層が設けられている構成でも効果を期待できる。
これならば、中間支持部材を不要にすることができ、部品点数の削減による低コスト化を図れる。
【発明の効果】
【0026】
このように構成した本発明によれば、箱体の表面に十分な熱量を伝えることができ、ヒータやホットパイプを用いずに結露を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施形態における冷蔵庫の全体構成を示す模式図。
【
図2】同実施形態における外気熱誘導体の構成を示す断面図。
【
図3】同実施形態における外気熱誘導体の製造方法を示す模式図。
【
図4】同実施形態における外気熱誘導体の作用効果を示す実験データ。
【
図5】その他の実施形態における外気熱誘導体の構成を示す断面図。
【
図6】その他の実施形態における外気熱誘導体の構成を示す断面図。
【
図7】その他の実施形態における外気熱誘導体の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明に係る冷蔵庫の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る冷蔵庫100は、例えば冷蔵室、冷凍室、野菜室、製氷室などの庫内が設けられたものであり、具体的には
図1に示すように、複数の箱体10と、これらの箱体10それぞれに対して設けられた扉20とを備えている。なお、扉20は、例えばスライド式のものであっても良いし、片開き或いは観音開きのものであっても良い。
【0030】
本実施形態の扉20は、
図2に示すように、少なくとも前面が板金21により形成されるとともに、上面及び下面が樹脂からなる化粧パネル22により形成されており、内部には発泡樹脂23が充填されている。
【0031】
また、この扉20と箱体10との間には、庫内を密閉する封止部材30が設けられている。この封止部材30は、
図2に示すように、箱体10の開口が扉20により閉じられた状態において、箱体10と扉20との間に介在するものであり、具体的には磁石を内部に有した形で構成されたガスケットである。
【0032】
そして、この冷蔵庫100は、
図2に示すように、扉20の内部に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びており、外気熱を箱体10の表面に伝える外気熱誘導体40をさらに具備してなる。
【0033】
外気熱誘導体40は、
図2に示すように、外気熱の伝熱経路を形成する第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42を備えており、この実施形態ではこれらの伝熱路形成部材41、42の間に介在する中間支持部材43をさらに備えている。
【0034】
本実施形態の外気熱誘導体40は、扉20の内部における庫外側から庫内側に亘り設けられている。言い換えれば、外気熱誘導体40の庫外側を向く面40aが、扉20の前面の裏側に接触して又はその近傍に設けられており、外気熱誘導体40の庫内側を向く面40bが、扉20の背面の裏側に接触して又はその近傍に設けられている。
【0035】
さらに、この外気熱誘導体40は、扉20を構成する化粧パネル22の内面と接触しており、具体的には後述する第1の伝熱路形成部材41が化粧パネル22の内面に接触するように設けられている。
【0036】
第1の伝熱路形成部材41は、庫外側から庫内側に延びるものであり、外気熱を箱体50の表面又は表面近傍に熱輸送するものである。
【0037】
この第1の伝熱路形成部材41は、少なくとも化粧パネル22よりも熱伝導率が高く、例えば200mW/(m・k)以上の金属製のものであり、ここでは庫外側から庫内側に水平方向に沿って延びている。本実施形態の第1の伝熱路形成部材41は、例えば10μm以上5mm以下の金属箔、金属板、又は金属膜であり、具体的にはアルミテープを用いたものである。ただし、第1の伝熱路形成部材41は、例えば水平方向から傾いて設けられたものであっても良いし、厚みや材質に関しても適宜変更して構わない。
【0038】
第2の伝熱路形成部材42は、庫外側から庫内側に延びるものであり、ここでは第1の伝熱路形成部材41とは別の部材である。そして、この第2の伝熱路形成部材42は、上述した第1の伝熱路形成部材41よりも庫内に近い位置に設けられており、外気熱を受け取ることにより、庫内の冷えが第1の伝熱路形成部材41に伝わることを抑えるものである。
【0039】
この第2の伝熱路形成部材42は、少なくとも化粧パネル22よりも熱伝導率の高く、例えば200mW/(m・k)以上の金属製のものであり、ここでは庫外側から庫内側に水平方向に沿って延びている。本実施形態の第2の伝熱路形成部材42は、例えば10μm以上5mm以下の金属箔、金属板、又は金属膜であり、具体的にはアルミテープを用いたものである。ただし、第2の伝熱路形成部材42は、例えば水平方向から傾いて設けられたものであっても良いし、厚みや材質に関しても適宜変更して構わないし、第2の伝熱路形成部材42の材質や熱伝導率などは、必ずしも第1の伝熱路形成部材41と同じである必要はない。
【0040】
ここで、本実施形態の冷蔵庫100の箱体10内は、
図2に示すように、仕切り板50により複数の庫内に仕切られている。かかる構成において、第2の伝熱路形成部材42の少なくとも庫内側端部42aは、仕切り板50の面のうち庫内を形成する面51、すなわち仕切り板50の庫内に臨む仕切面51よりも第1の伝熱路形成部材41側に位置している。ここでの第2の伝熱路形成部材42は、上述した通り、水平に延びるものであり、これにより第2の伝熱路形成部材42の全体が仕切面51よりも第1の伝熱路形成部材41側に位置していることになる。
【0041】
中間支持部材43は、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42の間に介在して、これらの伝熱路形成部材41、42を支持するものである。
【0042】
この中間支持部材43は、扉20の内部に充填される発泡樹脂23の発泡時に変形することなく、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42を支持するものであり、言い換えれば、発泡樹脂23の発泡圧により変形しない程度の剛性を有している。具体的に中間支持部材43は、例えば樹脂などからなり、ここでは発泡スチロールからなるものである。
【0043】
本実施形態では、
図3に示すように、この中間支持部材43の一方の面板部43aに第1の伝熱路形成部材41たるアルミテープを貼り付けるとともに、他方の面板部43bに第2の伝熱路形成部材42たるアルミテープを貼り付けることで、本実施形態の外気熱誘導体40が構成される。
【0044】
そして、同
図3に示すように、この外気熱誘導体40を化粧パネル22に設けられた取付凹部22xに取り付けるとともに、この化粧パネル22を
図2に示す板金21に取り付け、内部に発泡樹脂23を充填させることで本実施形態の扉20が構成される。
【0045】
このように構成された冷蔵庫100であれば、外気熱誘導体40が、第1の伝熱路形成部材41のみならず、この第1の伝熱路形成部材41よりも庫内に近い位置に設けられた第2の伝熱路形成部材42をも備えるので、
図4に示すように、この第2の伝熱路形成部材42が、外気熱を受け取ることで、第1の伝熱路形成部材41に庫内の冷えが伝わることを抑える役割を果たす。
その結果、第1の伝熱路形成部材41により箱体10の表面に十分な外気熱を伝えることができるようになり、結露の防止に資するものとなる。
【0046】
また、外気熱誘導体40が化粧パネル22の内面と接触しているので、箱体10の表面の結露の生じやすい箇所に外気熱を伝えることができる。
【0047】
さらに、外気熱誘導体40が扉20の内部における庫外側から庫内側に亘り設けられているので、外気熱をより確実に箱体10の表面に伝えることができる。
【0048】
そのうえ、第2の伝熱路形成部材42が、仕切り板50の庫内に臨む仕切面51よりも第1の伝熱路形成部材41側に位置しているので、庫内の冷えが第1の伝熱路形成部材41に伝わってしまうことをより確実に抑え込むことができる。
【0049】
加えて、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42を中間支持部材43により支持させているので、第1の伝熱路形成部材41、第2の伝熱路形成部材42、及び中間支持部材43が一体的となり、これらを一挙に扉20の内部に設けることができる。これにより、外気熱誘導体40の破損を防ぎ、且つ、外気熱誘導体40の位置ずれを防止することができ、製造性を担保することができる。
【0050】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0051】
例えば、前記実施形態では第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42を互いに別体のものとして説明したが、
図5に示すように、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42が、一体的に形成されていても良い。
この場合の外気熱誘導体40としては、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42の間に設けられて、扉20の前面の裏側に沿って設けられた連結部材44をさらに備えるものを挙げることができる。具体的には、例えば1枚の板金をコ字状に折り曲げて、連結部材44、第1の伝熱路形成部材41、及び第2の伝熱路形成部材42を形成することができる。
【0052】
また、第2の伝熱路形成部材42としては、
図6に示すように、扉20に充填される発泡樹脂23が通り抜ける樹脂通し穴42hを有していても良い。
かかる構成においては、この樹脂通し穴42hを通過して第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42の間に充填された発泡樹脂23により中間支持部材43が形成されていても構わない。
【0053】
外気熱誘導体40としては、
図7に示すように、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42の間に設けられるとともに庫外側から庫内側に延びる1又は複数の第3の伝熱路形成部材45をさらに備えていても良い。
【0054】
さらに、外気熱誘導体40としては、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42とは別に、中間支持部材43を覆う伝熱部材をさらに備えていても良い。すなわち、この伝熱部材は、中間支持部材43の前面、背面、側面の全て又は一部を覆うものである。
このような構成であれば、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42のみならず伝熱部材をも用いて外気熱を効率良く箱体50の表面に伝えることができる。
【0055】
ところで、扉20の幅方向の複数箇所に例えば取手を設けるための凹部や、手をかけるための凹部が設けられている場合がある。
このような扉20であっても、十分な外気熱を箱体10の表面に伝えるべく、外気熱誘導体40が、扉20の幅方向に沿って複数に分割されていても良い。すなわち、外気熱誘導体40を幅方向に分割した複数の分割要素を、扉20の幅方向において上述した凹部を避けた位置に設けることで、表面に伝える熱量を担保することができる。
【0056】
外気熱誘導体40の庫外側を向く面40aは、扉20の庫外側を向く表面外装に沿った形状、すなわち扉20の前面を構成する板金21に沿った形状をなしていても良い。
また、外気熱誘導体40の庫内側を向く面40bは、扉20の庫内側を向く扉ライナーに沿った形状をなしていても良い。
これならば、扉20の表面外装から扉ライナーに亘り外気熱誘導体40を隙間なく或いは殆ど隙間なく配置することで、外気熱を箱体10の表面に効率良く伝えることができ、且つ、外気誘導体40の位置ずれ防止をも果たせる。
【0057】
また、前記実施形態では、扉20を構成する化粧パネル22に外気熱誘導体40を取り付ける製造方法を例示したが、外気熱誘導体40が化粧パネル22と一体的に設けられていても良い。
【0058】
さらに、外気熱誘導体40としては、必ずしも中間支持部材を備えている必要はなく、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42を、例えば
図5に示すような一体的なものとすれば、第1の伝熱路形成部材41及び第2の伝熱路形成部材42の間に空気層が設けられていても良い。
【0059】
さらに、第1の伝熱路形成部材41と第2の伝熱路形成部材42の一方又は両方は、必ずしも金属箔のものに限らず、所定の厚みを有する金属板などからなるものであっても良い。
【0060】
なお、本発明に係る冷蔵庫100は、箱体10内に冷却ユニットが収容されておらず、離れて配置された冷却ユニットから箱体10に冷気を供給するように構成されたものであっても良い。このような構成においては、そもそもホットパイプを結露発生箇所の近傍に配置することが現実的ではない場合があり、上述した外気熱誘導体40の作用効果をより顕著に発揮させることができる。
【0061】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
100・・・冷蔵庫
10 ・・・箱体
20 ・・・扉
21 ・・・板金
22 ・・・化粧パネル
23 ・・・発泡樹脂
30 ・・・封止部材
40 ・・・外気熱誘導体
41 ・・・第1の伝熱路形成部材
42 ・・・第2の伝熱路形成部材
43 ・・・中間支持部材
50 ・・・仕切り板