(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/26 20060101AFI20250415BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20250415BHJP
B41J 21/16 20060101ALI20250415BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
B41J29/26 B
B41J2/01 125
B41J2/01 305
B41J2/01 307
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J21/16
B41J29/38 601
(21)【出願番号】P 2021144008
(22)【出願日】2021-09-03
【審査請求日】2024-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】324006865
【氏名又は名称】理想テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 大介
(72)【発明者】
【氏名】深沢 大志
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-212616(JP,A)
【文献】特開2019-034525(JP,A)
【文献】特開2015-077751(JP,A)
【文献】特開2012-056257(JP,A)
【文献】特開2006-231647(JP,A)
【文献】特開2007-076122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0156458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/26
B41J 2/01
B41J 21/16
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に延在する搬送ベルトを含み、熱変色性インクを用いて印刷情報が印刷された印刷面が前記搬送ベルトの搬送面に対して垂直な搬送方向側面となるように前記搬送ベルトの前記搬送面に載置された直方体形状の印刷対象物を搬送する搬送機と、
前記搬送機によって搬送されている前記印刷対象物
の前記印刷面における前記印刷情報の印刷位置を判定する位置判定部と、
前記搬送方向に沿って前記位置判定部より後段に配置され、前記搬送機による前記印刷対象物の前記搬送方向に対して垂直な面において前記印刷対象物と対向する熱源
と、前記位置判定部が判定した前記印刷位置に対して前記熱源が対向するように、前記熱源を前記搬送面に対して垂直な方向に移動させる熱源高さ位置調整機構と、を備え、前記印刷位置に基づいて決定される前記印刷位置が通過するタイミングに従って、
前記熱源により前記印刷対象物の
前記印刷位置に熱を加えることで、前記印刷位置に熱変色性インクを用いて印刷されている前記印刷情報を消去する消去部と、
前記搬送方向に沿って前記消去部の前記熱源より後段に配置され
、前記搬送機による前記印刷対象物の前記搬送方向に対して垂直な面において前記印刷対象物と対向する熱変色性インクを用いたプリンタ
と、前記位置判定部が判定した前記印刷位置に対して前記プリンタが対向するように、前記プリンタを前記搬送面に対して垂直な方向に移動させるプリンタ高さ位置調整機構と、を備え、前記印刷位置に基づいて決定される前記印刷位置が通過するタイミングに従って、
前記プリンタにより前記印刷対象物
に情報を印刷する印刷部と、
少なくとも前記印刷部により前記情報を印刷する時点に、
前記搬送ベルトの前記搬送面に載置された前記印刷対象物の前記印刷位置を備える前記印刷面を、前記プリンタのプリンタヘッドに正対させる正対機構と、
を備える、印刷システム。
【請求項2】
前記位置判定部は、前記搬送機によって搬送されている前記印刷対象物における前記印刷位置を検出する印刷位置検出部を含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記位置判定部は、
前記搬送機によって搬送されている前記印刷対象物の高さ及び幅を測定するサイズ測定センサと、
前記印刷対象物の高さ及び幅に基づいて前記印刷位置を算出する演算部と、
を含む、請求項
1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記正対機構は、
少なくとも前記プリンタの設置位置
まで前記搬送機の前記搬送ベルトに沿って延設された、前記プリンタヘッドから規定距離に前記搬送ベルト側の面が立ち上がる突き当て板と、
前記搬送方向において前記プリンタの設置位置よりも前段に配置した、前記印刷対象物を前記突き当て板に押しつける押圧機構と、
を含む、請求項1乃至3の何れかに記載の印刷システム。
【請求項5】
前記正対機構は、
前記搬送ベルト上に載置された前記印刷対象物の位置及び姿勢を検出する位置姿勢検出部と、
前記印刷対象物の位置及び姿勢に応じて、前記プリンタヘッドの向き及び前記印刷対象物の前記印刷面への距離を調整する調整部と、
を含む、請求項1乃至3の何れかに記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱変色性色剤を用いたプリンタが知られている。このプリンタによって熱変色性色剤を用いて印刷物に形成された印字や筆跡等の印刷情報は、例えば、印刷物の全領域に熱をかける装置により、消去することができる。或いは、ペンの後端又はキャップ頭部に設けられた専用ラバーで擦ることで生じる摩擦熱により、印刷情報を消去することも可能である。
【0003】
例えば工場のライン上で、段ボールや通い箱といった印刷対象物が次から次へと搬送されてきて、当該印刷対象物に、行き先等を印刷しなければならない状況がある。このような状況において、省資源化の観点から印刷対象物の再使用が考えられている。そのため、熱変色性色剤を用いたインクジェットプリンタを活用し、印刷対象物のラベルに既に熱変色性色剤を用いて形成された古い印刷情報を効率よく消去してから、再び必要な情報を熱変色性色剤を用いて印刷するような印刷システムが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、次から次に搬送されてくる印刷対象物の印刷情報を効率よく書き換え得る印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態にかかる印刷システムは、搬送機と、位置判定部と、消去部と、印刷部と、正対機構と、を備える。搬送機は、搬送方向に延在する搬送ベルトを含み、熱変色性インクを用いて印刷情報が印刷された印刷面が前記搬送ベルトの搬送面に対して垂直な搬送方向側面となるように前記搬送ベルトの前記搬送面に載置された直方体形状の印刷対象物を搬送する。位置判定部は、搬送機によって搬送されている印刷対象物の印刷面における印刷情報の印刷位置を判定する。消去部は、搬送方向に沿って位置判定部より後段に配置され、搬送機による印刷対象物の搬送方向に対して垂直な面において印刷対象物と対向する熱源と、位置判定部が判定した印刷位置に対して熱源が対向するように、熱源を搬送面に対して垂直な方向に移動させる熱源高さ位置調整機構と、を備え、印刷位置に基づいて決定される印刷位置が通過するタイミングに従って、熱源により前記印刷対象物の印刷位置に熱を加えることで、印刷位置に熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報を消去する。印刷部は、搬送方向に沿って消去部の前記熱源より後段に配置され、搬送機による印刷対象物の搬送方向に対して垂直な面において印刷対象物と対向する熱変色性インクを用いたプリンタと、位置判定部が判定した印刷位置に対してプリンタが対向するように、プリンタを搬送面に対して垂直な方向に移動させるプリンタ高さ位置調整機構と、を備え、印刷位置に基づいて決定される印刷位置が通過するタイミングに従って、プリンタにより印刷対象物に情報を印刷する。正対機構は、少なくとも印刷部により情報を印刷する時点に、搬送ベルトの搬送面に載置された印刷対象物の印刷位置を備える印刷面を、プリンタのプリンタヘッドに正対させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる印刷システムの構成例について説明するための斜視図である。
【
図2】
図2は、使用される様々な印刷対象物の例を示す図である。
【
図3】
図3は、印刷対象物を押圧する押圧板の動作前状態を示す模式図である。
【
図4】
図4は、押圧板の動作後状態を示す模式図である。
【
図5】
図5は、印刷対象物とプリンタとの位置関係を説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態にかかる印刷システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、
図6中の一時記憶部に記憶される書き込み情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図6中のデータベースに保存される対象物情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図6中の制御部の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2実施形態にかかる印刷システムの構成例について説明するための斜視図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態にかかる印刷システムのブロック構成図である。
【
図13】
図13は、
図6中の制御部の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図14】
図14は、第3実施形態にかかる印刷システムの制御部の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図15】
図15は、印刷対象物をプリンタヘッドに正対させるためのプリンタの位置及び姿勢調整動作を説明するための模式図である。
【
図16】
図16は、一時記憶部に記憶される書き込み情報の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる印刷システム10の構成例について説明するための図である。印刷システム10は、印刷情報が既に熱変色性インクを用いて印刷されている印刷対象物OBを再使用するため、印刷情報を書き換えるシステムである。
【0009】
印刷システム10は、印刷対象物OBが載置される搬送ベルトBEを備える。図示しない駆動源によってこの搬送ベルトBEを移動動作させて、載置された印刷対象物OBを、
図1に白抜き矢印で示すように印刷情報書き換えのための複数の工程位置へ搬送させていくことで、印刷対象物OBの印刷情報が書き換えられる。なお、複数の工程は、熱をかけて印刷情報を消去する消去工程、再び必要な情報を熱変色性インクを用いて印刷を行う印刷工程、印刷した印刷情報を読み取る読み取り工程、等を含む。このように、搬送ベルトBEと不図示の駆動源により、印刷対象物OBを搬送する搬送機を構成する。なお、
図1では、搬送ベルトBEを4個示しているが、全工程位置をカバーする1個の搬送ベルトとして構成しても良いし、4個以外の複数個の搬送ベルトによって全工程位置をカバーするようにしても良い。
【0010】
印刷対象物OBは、段ボールや通い箱等の直方体形状を有し、一つの面に、白色等の印刷対象物OBとは異なる色のラベルLAが貼付されている。このラベルLAに印刷情報が印刷される。言い換えると、ラベルLAは印刷位置であり、ラベルLAが貼付された面が印刷面である。印刷情報は、印刷対象物OBの行き先、つまり、印刷対象物OBに収納された物品の行き先、等を表す文字列と、少なくともこの文字列を符号化したQRコード(登録商標)等の二次元バーコードとを含む。物品が収納された印刷対象物OBは、作業員又は適切なピックアップ機構によりピックアップされ、印刷面が搬送ベルトBEの側方つまり印刷対象物OBの搬送方向と直交する方向に向けて搬送ベルトBE上に載置される。ここで、ラベルLAには、前回の収納物についての印刷情報が印刷されており、現在収納されている物品に関する印刷情報ではないため、書き換えが必要なものである。
【0011】
図2は、使用される様々な印刷対象物の例を示す図である。ここでは、4つの印刷対象物OB1,OB2,OB3,OB4を示している。このように、印刷対象物OBは、その大きさ及び高さ・幅・奥行きの比が異なっていて良い。各印刷対象物OBには、その一側面に、ラベルLA(LA1,LA2,LA3,LA4)が貼付され、そこに印刷情報が印刷されることができる。各ラベルLAの大きさ及び縦横比も一定でなくて良い。
【0012】
印刷システム10は、さらに、制御部11、タイミングセンサ12、ラベルセンサ13、ヒータ14、プリンタ15、バーコードリーダ16、ユーザインタフェース17及び3個のモータ18を備える。タイミングセンサ12、ラベルセンサ13、消去工程位置に配置されるヒータ14、印刷工程位置に配置されるプリンタ15、読み取り工程位置に配置されるバーコードリーダ16、及び、ユーザインタフェース17は、搬送ベルトBEに沿って、この順番に配置されている。言い換えれば、消去工程位置、印刷工程位置及び読み取り工程位置は、この順番に配置される。
【0013】
制御部11は、当該印刷システム10の各構成部の動作を制御するコンピュータである。
【0014】
タイミングセンサ12は、例えば光電センサで構成され、印刷対象物OBがこのタイミングセンサ12の位置に到達したことを検出する。このタイミングセンサ12が印刷対象物OBの到達を検出した時点を基準として、制御部11は、搬送ベルトBEによる印刷対象物OBの移動速度に基づいて、ラベルセンサ13、ヒータ14、プリンタ15及びバーコードリーダ16の動作タイミングを制御することができる。
【0015】
ラベルセンサ13は、例えばカメラ等の画像センサで構成され、印刷対象物OBを撮影する。制御部11は、撮影された印刷対象物OBの画像から、周知の画像処理によって、印刷対象物OBにおけるラベルLAつまり印刷位置を検出することができる。すなわち、制御部11は、印刷位置について、印刷対象物OBの印刷面における搬送方向前端部からの距離、印刷面の上端部からの距離(載置面と対向する面からの距離)、及び縦横サイズを検出する。ラベルセンサ13は、単体でラベルLAを検出できる簡単色面積センサを利用しても良い。このように、ラベルセンサ13及び制御部11は、搬送されている印刷対象物OBに熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報の印刷位置を判定する位置判定部として、搬送されている印刷対象物OBにおけるラベルLAを検出する印刷位置検出部を構成する。
【0016】
ヒータ14は、ラベルLAに熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報を消去し得る熱をラベルLAに照射する熱変色性インク消去用熱源である。ヒータ14は、
図1に実線の矢印で示すようにモータ18によって高さ方向に移動可能な状態で、支柱POに支持されている。本実施形態では、このモータ18の回転力をヒータ14の直線方向の移動力に変換する機構は特に限定しない。支柱POへの支持機構は、この駆動力の変換機構に合わせたものとすれば良い。ヒータ14の支持方向が、印刷対象物OBの搬送方向と垂直な方向から、つまり搬送方向側面側から、ラベルLAに熱を加えられる方向となるように支持できれば、どのような支持機構であっても良い。制御部11は、ラベルセンサ13を用いて判定した印刷位置、つまりラベルLAが印刷対象物OBのどの高さに貼付されているのかに基づいて、モータ18を制御して、ヒータ14の高さ位置を印刷位置に合致するよう調整することができる。また、制御部11は、タイミングセンサ12による検出時点を基準として算出した、印刷位置が通過するタイミングでヒータ14を動作させることで、熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報を消去することができる。このように、ヒータ14及び制御部11は、印刷位置に基づいて決定される印刷位置が通過するタイミングに従って、印刷位置に応じて高さ位置を調整したヒータ14により、印刷対象物OBの搬送方向と垂直な方向から熱を加えることで、印刷位置に熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報を消去する消去部を構成する。
【0017】
プリンタ15は、例えば熱変色性インクを用いたインクジェットプリンタで構成される。プリンタ15は、
図1に実線の矢印で示すようにモータ18によって高さ方向に移動可能な状態で、支柱POに支持されている。モータ18の駆動力の変換機構、プリンタ15の支持機構については、ヒータ14に関するそれらと同様、本実施形態では規定しない。プリンタ15は、印刷対象物OBの搬送方向と垂直な方向つまり搬送方向側面側から、ラベルLAに印刷情報を印刷できるように、支柱POに支持される。制御部11は、ラベルセンサ13を用いて判定した印刷位置、つまりラベルLAが印刷対象物OBのどの高さに貼付されているのかに基づいて、モータ18を制御して、プリンタ15の高さ位置を印刷位置に合致するよう調整することができる。また、制御部11は、タイミングセンサ12による検出時点を基準として算出した、印刷位置が通過するタイミングでプリンタ15を動作させることで、熱変色性インクを用いて印刷情報を印刷することができる。このように、プリンタ15及び制御部11は、搬送方向に沿ってヒータ14より後段に配置された熱変色性インクを用いたプリンタ15を備え、印刷位置に基づいて決定される印刷位置が通過するタイミングに従って、印刷位置に応じて高さ位置を調整したプリンタ15により、搬送方向と垂直な方向から印刷対象物OBに情報を印刷する印刷部を構成する。
【0018】
バーコードリーダ16は、
図1に実線の矢印で示すようにモータ18によって高さ方向に移動可能な状態で、支柱POに支持されている。モータ18の駆動力の変換機構、バーコードリーダ16の支持機構についても、本実施形態では規定しない。バーコードリーダ16は、印刷対象物OBの搬送方向と垂直な方向つまり搬送方向側面側から、ラベルLAに印刷された印刷情報の内のバーコードを読み取れるように、支柱POに支持される。制御部11は、ラベルセンサ13を用いて判定した印刷位置、つまりラベルLAが印刷対象物OBのどの高さに貼付されているのかに基づいて、モータ18を制御して、バーコードリーダ16の高さ位置を印刷位置に合致するよう調整することができる。また、制御部11は、タイミングセンサ12による検出時点を基準として算出した、印刷位置が通過するタイミングでバーコードリーダ16を動作させることで、印刷されているバーコードを読み取り、印刷情報を復号化することができる。
【0019】
ユーザインタフェース17は、制御部11から各種情報を表示するためのシステムモニタである。また、ユーザインタフェース17は、制御部11に各種指示を入力するためのキーやボタンを備えることができる。ユーザインタフェース17は、液晶等のモニタ画面上にタッチキーを配置したタッチパネルを備えても良い。
【0020】
消去工程、印刷工程及び読み取り工程において、正確な動作を求めるのであれば、ヒータ14、プリンタ15及びバーコードリーダ16に対して印刷位置であるラベルLAが正対していることを必要とする。特に、プリンタ15は、印刷面と正対していないと、文字や画像が歪んでしまい、文字を判別し難くなったり、バーコードリーダ16がバーコードを読み取れなくなったりする。一方で、次から次へと載置しなければならない印刷対象物OBを、搬送ベルトBE上に向きを揃えて載置することは難しい。
【0021】
そこで、本実施形態の印刷システム10は、搬送方向両側に搬送ベルトBEを挟んで、突き当て板BPと押圧板PPとを備える。突き当て板BPは、搬送ベルトBEに沿って延設される。
図3は、押圧板PPの動作前状態を示す模式図であり、
図4は押圧板PPの動作後状態を示す模式図である。押圧板PPは、押圧機構PMに取り付けられ、
図1、
図3及び
図4に一点鎖線の矢印で示すように、押圧機構PMにより突き当て板BPに向けて移動する。この移動動作時に、搬送ベルトBEにより搬送されてくる印刷対象物OBに当接して、印刷対象物OBを突き当て板BPに向けて押圧し、印刷対象物OBの印刷面を突き当て板BPに突き当てさせる。これにより、印刷対象物OBの印刷面は、搬送方向と平行に揃えられ、この状態で搬送されていくこととなる。突き当て板BPの印刷対象物OBと当接する当接面は、この印刷対象物OBの搬送に影響を及ぼさないように、低摩擦の材質で形成される。また、押圧機構PMによる押圧板PPの押圧力についても、印刷対象物OBの搬送速度に影響を及ぼさない値に設定される。印刷対象物OBによる反発力をフィードハックして押圧力を調整することで、収納物による印刷対象物OBの重量変化に対応できるようにしても良い。印刷対象物OBの印刷面が突き当て板BPに突き当たったならば、押圧板PPは初期位置に待避される。印刷対象物OBの印刷面が突き当て板BPに突き当たったか否かは、例えば、反発力の変化として検出したり、カメラで撮影した画像から判断したりすることができる。
【0022】
なお、押圧板PPの動作タイミングは、例えば印刷対象物OBを搬送ベルトBE上に作業員が載置するのであれば、その作業員による動作指示に応じたタイミングとなる。また、ピックアップ機構により印刷対象物OBが載置される場合には、ピックアップ機構の載置動作を基準にして、制御部11がタイミング制御を行うことも可能である。
【0023】
図1の例では、突き当て板BPは、1枚板として構成しているが、連続する複数枚の板によって構成しても良い。突き当て板BPは、少なくとも、この押圧板PPの配置位置から印刷工程位置までに配置されれば良い。
【0024】
図5は、印刷対象物OBとプリンタとの位置関係を説明するための模式図である。印刷対象物OBが印刷工程位置まで搬送されたとき、印刷領域を備える印刷面は、搬送方向と平行にされている。また、プリンタ15は、熱変色性インクのインク滴を吐出するプリンタヘッド151が搬送方向と垂直な方向に向くように、言い換えると、印刷角度が印刷面と垂直になるように、支柱POに支持されている。そして、印刷対象物OBの印刷面とプリンタヘッド151との間隔が印刷情報の印刷に適した規定距離PDとなるように、搬送ベルトBEに沿った突き当て板BPの設置位置が決められている。他の工程位置においても、ヒータ14及びバーコードリーダ16と印刷対象物OBの印刷面との間隔がこの規定距離PDに該当する一定距離となるように、突き当て板BPが設置されることができる。
【0025】
このように、印刷システム10は、少なくとも印刷部により情報を印刷する時点に、印刷対象物OBの印刷位置を備える印刷面を、プリンタ15のプリンタヘッド151に正対させる正対機構を備えており、正対機構は、少なくともプリンタ15の設置位置まで搬送ベルトBEに沿って延設された、プリンタヘッド151から規定距離PDに搬送ベルトBE側の面が立ち上がる突き当て板BPと、搬送方向においてプリンタ15の設置位置よりも前段に配置した、印刷対象物OBを突き当て板BPに押しつける押圧機構PMと、を備える。
【0026】
図6は、印刷システム10の電気的な構成を示すブロック図である。制御部11は、CPU111と、このCPU111にバス119を介して接続されたROM112、RAM113、ストレージ114、インタフェース115、センサ回路116、ヘッド駆動回路117及びモータ駆動回路118を備えている。なお、
図6では、「インタフェース」を「I/F」と略記している。
【0027】
CPU111は、印刷システム10全体の動作を制御する機能を有するプロセッサである。CPU111は、ROM112が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。CPU111は、マルチコア及びマルチスレッドのものを用いることで、同時に複数の情報処理を実行することができる。なお、CPU111がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)及びGPU(Graphics Processing Unit)、等のハードウエア回路により実現されるものであっても良い。この場合、CPU111は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0028】
ROM112は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。
【0029】
RAM113は、揮発性のメモリである。RAM113は、CPU111の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM113は、プログラムの実行に必要なデータ及びプログラムの実行結果などを格納しても良い。例えば、RAM113は、印刷情報として書き込む書き込み情報を格納する一時記憶部1131を備えることができる。なお、
図6では、「一時記憶部」を「TMP」と記している。
【0030】
ストレージ114は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、等の補助記憶デバイスである。ストレージ114は、CPU111が各種の処理を行う上で使用するデータ及びCPU111での処理によって生成されるデータを不揮発に記憶する。ストレージ114は、例えば、バーコードリーダ16で読み取った印刷情報を蓄積するデータベース1141を備える。なお、
図6では、「データベース」を「DB」と略記している。
【0031】
インタフェース115は、LAN等のネットワークを介して外部装置とデータを送受信するためのインタフェースである。また、インタフェース115は、USBメモリやメモリカード等の取り外し可能なメモリ媒体との間でデータを読み書きするためのインタフェースであっても良い。
【0032】
センサ回路116は、タイミングセンサ12、ラベルセンサ13及びバーコードリーダ16と接続され、それらからの信号又はデータを受信して、CPU111に伝達する。
【0033】
ヘッド駆動回路117は、CPU111から入力される、RAM113の一時記憶部1131に記憶された書き込み情報に従った印刷データに基づいて、プリンタ15のプリンタヘッド151を駆動する。
【0034】
モータ駆動回路118は、CPU111からの信号に従って、モータ18、ベルトモータ19及び押圧モータ20の駆動を制御する。モータ駆動回路118は、ヒータ14用のモータ18、プリンタ15用のモータ18及びバーコードリーダ16用のモータ18を独立して制御することができる。ベルトモータ19は、搬送ベルトBEを駆動するためのモータである。ベルトモータ19についても代表して一つのみを示しており、複数有って良い。押圧モータ20は、押圧板PPを移動動作させる押圧機構PM用のモータである。ただし、押圧機構PMの動作が操作者による動作指示に応じて行われる構成では、この押圧モータ20は、モータ駆動回路118に接続される必要はない。
【0035】
なお、ユーザインタフェース17及びヒータ14も、直接又は図示しないインタフェースを介してバス119に接続され、CPU111により制御されることができる。なお、
図6では、「ユーザインタフェース」を「UI」と略記している。
【0036】
図7は、RAM113の一時記憶部1131に記憶される書き込み情報の一例を示す図である。
図7に示すように、一時記憶部1131は、印刷対象物OBの印刷位置つまりラベルLAに印刷情報として印刷するべき書き込み情報を記憶する。書き込み情報は、例えば、印刷対象物OBの行き先を含む。この書き込み情報としては、例えば、ユーザインタフェース17の作業者操作による文字入力を受けて、CPU111が生成して、一時記憶部1131に記憶させることができる。或いは、CPU111がインタフェース115を制御して、外部装置からネットワークを介して送信されてきた書き込み情報を受信して又はメモリ媒体に記憶されている書き込み情報を読み出し、その受信した又は読み出した書き込み情報を一時記憶部1131に記憶させることも可能である。CPU111は、新しい書き込み情報を一時記憶部1131の最後に追加記憶していき、最初に記憶された書き込み情報がプリンタ15で印刷されたならば一時記憶部1131から削除する。
【0037】
図8は、ストレージ114のデータベース1141に保存される対象物情報の一例を示す図である。データベース1141は、バーコードリーダ16が読み出した印刷情報の内容を対象物情報として、一意の対象物IDに対応付けて記憶する。対象物IDは、CPU111が任意に割り当てるもので、ここでは通し番号としている。印刷情報は、書き込み情報に加えて印刷日時を含み、よって、対象物情報も印刷日時を含んでいる。なお、
図8の例は、
図7の書き込み情報の内、行き先が「××工場××棟××階××」の書き込み情報に対応する印刷情報が印刷されて、それを読み取った時点の状況を示している。すなわち、行き先が「△△棟△階△△室△△様」の書き込み情報に対応する印刷情報が未だ印刷されていないか、印刷はされているが未だ読み取りが行われていないので、データベース1141には、行き先が「△△棟△階△△室△△様」の書き込み情報に対応する対象物情報は未だ記憶されていない。
【0038】
図9は、制御部11の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。CPU111は、電源オンにより起動すると、ROM112に格納されたプログラムに従って、ユーザインタフェース17に操作メニューを表示し、ユーザインタフェース17における印刷開始操作に応じて、このフローチャートに示す動作を実行する。なお、このフローチャートに示す動作と併行して、CPU111は、ユーザインタフェース17又はインタフェース115により入力、受信又は読み出した書き込み情報をRAM113の一時記憶部1131に記憶していく動作を実行することができる。
【0039】
CPU111は、まず、モータ駆動回路118によりベルトモータ19を制御して、搬送ベルトBEの動作を開始させる(ACT11)。
【0040】
その後、CPU111は、センサ回路116からの信号により、タイミングセンサ12が印刷対象物OBの到達を検出したか否か判断する(ACT12)。印刷対象物OBの到達を検出していないと判断した場合(ACT12、NO)、CPU111は、前回印刷対象物OBの到達を検出してから一定時間経過したか否か判断する(ACT13)。一定時間を経過していたと判断した場合(ACT13、YES)、CPU111は、モータ駆動回路118によりベルトモータ19を制御して、搬送ベルトBEの動作を停止させる(ACT14)。そして、CPU111は、このフローチャートに示す動作を終了する。
【0041】
上記一定時間が経過する前に、搬送ベルトBEに印刷対象物OBが載置されると、作業員指示に応じて押圧板PPが移動されて印刷対象物OBが突き当て板BPに突き当てられる。或いは、インタフェース115によるピックアップ機構からの載置信号の受信に応じて、CPU111は、モータ駆動回路118により押圧モータ20を動作させて、印刷対象物OBを突き当て板BPに突き当てさせる。
【0042】
こうして印刷面が突き当て板BPに当接されながら印刷対象物OBがタイミングセンサ12まで到達されると、タイミングセンサ12により検出される。タイミングセンサ12が印刷対象物OBの到達を検出したと判断した場合(ACT12、YES)、CPU111は、その印刷対象物OBが消去、印刷及び読み取りの各工程位置を通過する通過タイミングを算出する(ACT15)。これは、例えば、以下のように行う。まず、CPU111は、ベルトモータ19の回転速度に基づいて、搬送ベルトBEによる印刷対象物OBの搬送速度を演算し、演算した搬送側をRAM113に記憶する。また、CPU111は、タイミングセンサ12が印刷対象物OBの到達を検出した時点を基準時点とするために、その時間をRAM113に記憶する。そして、CPU111は、ROM112又はストレージ114に不揮発性に記憶している、タイミングセンサ12から各工程のヒータ14、プリンタ15及びバーコードリーダ16までの距離を読み出し、各距離を搬送速度で除算することで、当該印刷対象物OBがタイミングセンサ12に到達したタイミングからの各工程位置までの時間を算出する。CPU111は、算出した各工程位置を通過する通過タイミングをRAM113に記憶する。
【0043】
その後、CPU111は、センサ回路116を介して入力されるラベルセンサ13の画像信号から周知の画像処理によって、或いは、ラベルセンサ13のラベル検出信号によって、印刷対象物OBにおけるラベルLAつまり印刷位置を確認したか否か判断する(ACT16)。ここでのラベルLAの確認とは、単純なラベルLAの有無ではなく、ラベルLAの、印刷対象物OBの印刷面における搬送方向前端部からの距離、印刷面の上端部からの距離(載置面と対向する面からの距離)、及び縦横サイズの検出を意味する。ラベルLAを確認できないと判断した場合(ACT16、NO)、CPU111は、このACT16の処理を繰り返す。
【0044】
ラベルLAを確認したと判断した場合(ACT16、YES)、CPU111は、印刷位置つまり検出されたラベルLAの距離及びサイズをRAM113に記憶する(ACT17)。その後、CPU111は、上記ACT12の処理に移行する。
【0045】
また、印刷対象物OBの到達を検出していないが、未だ前回印刷対象物OBの到達を検出してから一定時間経過してはいないと判断した場合(ACT13、NO)、CPU111は、前回の消去動作を終了しているか否か判断する(ACT18)。前回の消去動作とは、次から次へと搬送されてくる印刷対象物OBの内、ヒータ14へ到達するタイミングとなっている印刷対象物OBに対する消去動作を意味する。すなわち、各印刷対象物OBにおけるラベルLAつまり印刷位置に応じた高さ位置にヒータ14を設定する必要があるが、到達した印刷対象物OBの消去動作が終了しないうちに次の印刷対象物OBに対応する高さ位置にヒータ14を設定してはならない。そこで、このACT18において、消去動作の終了を確認するようにしている。
【0046】
前回の消去動作を終了していると判断した場合(ACT18、YES)、CPU111は、次に到達するであろう印刷対象物OBの印刷位置をRAM113から読み出し、モータ駆動回路118によりヒータ14用のモータ18を駆動して、ヒータ14の高さを調整する(ACT19)。そして、CPU111は、RAM113に記憶されているその印刷対象物OBの通過タイミングを読み出し、その印刷位置がヒータ14を通過するタイミングに合わせてヒータ14を動作させて、印刷位置に熱を加え、そこに熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報を消去する(ACT20)。その後、CPU111は、上記ACT12の処理へ移行する。
【0047】
なお、CPU111が、マルチコア及びマルチスレッドのCPUであれば、このフローチャートに示す動作とは併行して別の処理を実行することができる。よって、前回の消去動作を終了していると判断した場合(ACT18、YES)、CPU111は、ACT19及びACT20の処理はこのフローチャートの動作とは併行処理として開始させて、直ちに上記ACT12の処理へ移行するものとしても良い。
【0048】
また、前回の消去動作を終了していないと判断した場合(ACT18、NO)、CPU111は、前回の印刷動作を終了しているか否か判断する(ACT21)。前回の印刷動作とは、次から次へと搬送されてくる印刷対象物OBの内、プリンタ15へ到達するタイミングとなっている印刷対象物OBに対する印刷動作を意味する。すなわち、各印刷対象物OBにおけるラベルLAつまり印刷位置に応じた高さ位置にプリンタ15を設定する必要があるが、到達した印刷対象物OBの印刷動作が終了しないうちに次の印刷対象物OBに対応する高さ位置にヒータ14を設定してはならない。そこで、このACT21において、消去動作の終了を確認するようにしている。
【0049】
前回の印刷動作を終了していると判断した場合(ACT21、YES)、CPU111は、次に到達するであろう印刷対象物OBの印刷位置をRAM113から読み出し、モータ駆動回路118によりプリンタ15用のモータ18を駆動して、プリンタ15の高さを調整する(ACT22)。そして、CPU111は、RAM113に記憶されているその印刷対象物OBの通過タイミングを読み出し、その印刷位置がプリンタ15を通過するタイミングに合わせて、プリンタ15に、その印刷位置に熱変色性インクを用いて印刷情報を印刷させる(ACT23)。すなわち、CPU111は、RAM113の一時記憶部1131に記憶されている書き込み情報の内、最初に記憶された書き込み情報を読み出し、その書き込み情報を文字として印刷するための印刷データを作成すると共に、図示しない時計によって計時している現在日時と書き込み情報とを表す二次元コードの印刷データを作成する。そして、CPU111は、ヘッド駆動回路117に、それら作成した印刷データを供給し、さらに、印刷位置がプリンタ15を通過するタイミングに合わせて印刷実行命令を供給する。その後、CPU111は、一時記憶部1131から、読み出した書き込み情報を削除する。ヘッド駆動回路117は、印刷実行命令に応じて、供給された印刷データに基づいてプリンタ15のプリンタヘッド151を駆動して、印刷情報を印刷位置であるラベルLAに印刷する。その後、CPU111は、上記ACT12の処理へ移行する。
【0050】
なお、CPU111が、マルチコア及びマルチスレッドのCPUであれば、前回の印刷動作を終了していると判断した場合(ACT21、YES)、CPU111は、ACT22及びACT23の処理はこのフローチャートの動作とは併行処理として開始させて、直ちに上記ACT12の処理へ移行するものとしても良い。
【0051】
また、前回の印刷動作を終了していないと判断した場合(ACT21、NO)、CPU111は、前回の読み取り動作を終了しているか否か判断する(ACT24)。前回の読み取り動作とは、次から次へと搬送されてくる印刷対象物OBの内、バーコードリーダ16へ到達するタイミングとなった印刷対象物OBに対する読み取り動作を意味する。すなわち、各印刷対象物OBにおけるラベルLAつまり印刷位置に応じた高さ位置にバーコードリーダ16を設定する必要があるが、到達した印刷対象物OBの読み取り動作が終了しないうちに次の印刷対象物OBに対応する高さ位置にバーコードリーダ16を設定してはならない。そこで、このACT24において、読み取り動作の終了を確認するようにしている。
【0052】
前回の読み取り動作を終了していると判断した場合(ACT24、YES)、CPU111は、次に到達するであろう印刷対象物OBの印刷位置をRAM113から読み出し、モータ駆動回路118によりバーコードリーダ16用のモータ18を駆動して、バーコードリーダ16の高さを調整する(ACT25)。そして、CPU111は、RAM113に記憶されているその印刷対象物OBの通過タイミングを読み出し、その印刷位置がバーコードリーダ16を通過するタイミングに合わせてセンサ回路116を介してバーコードリーダ16により印刷情報の内の二次元コードを読み取る(ACT26)。CPU111は、読み取った二次元コードを復号化して、印刷日時と行き先等の書き込み情報とを取得し、その取得した情報を新規に発行する対象物IDに対応付けて対象物情報としてストレージ114のデータベース1141に保存する(ACT27)。その後、CPU111は、上記ACT12の処理へ移行する。
【0053】
なお、CPU111が、マルチコア及びマルチスレッドのCPUであれば、前回の読み取り動作を終了していると判断した場合(ACT24、YES)、CPU111は、ACT25乃至ACT27の処理はこのフローチャートの動作とは併行処理として開始させて、直ちに上記ACT12の処理へ移行するものとしても良い。
【0054】
また、前回の読み取り動作を終了していないと判断した場合(ACT24、NO)は、CPU111は、上記ACT12の処理へ移行する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態にかかる印刷システム10は、搬送ベルトBEによって搬送されている印刷対象物OBにおける印刷情報の印刷位置に基づいて決定される印刷位置が通過するタイミングに従って、印刷位置に応じて高さ位置を調整したヒータ14により、印刷対象物OBの搬送方向と垂直な方向から熱を加えることで、印刷位置に熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報を消去する。また、印刷システム10は、搬送方向に沿ってヒータ14より後段に配置された熱変色性インクを用いたプリンタ15を備え、印刷位置に基づいて決定される印刷位置が通過するタイミングに従って、印刷位置に応じて高さ位置を調整したプリンタ15により、搬送方向と垂直な方向から印刷対象物OBに情報を印刷する。そして、印刷システム10は、少なくともプリンタ15により情報を印刷する時点に、印刷対象物OBの印刷位置を備える印刷面を、プリンタ15のプリンタヘッド151に正対させる。
これにより、次から次に搬送されてくる印刷対象物OBの印刷情報を効率よく書き換え得る印刷システム10を提供することができる。
【0056】
さらに、本実施形態では、印刷システム10は、搬送ベルトBEによって搬送されている印刷対象物OBにおける印刷位置をラベルセンサ13を用いて検出する。
よって、様々な大きさの印刷対象物OBに対して様々な位置に貼付されたラベルLAに印刷情報が印刷されていても、単にラベルLAを検出することで、印刷位置を判別することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、プリンタ15のプリンタヘッド151は、搬送方向と垂直な方向に向けて設けられており、印刷対象物OBの印刷面をこのプリンタヘッド151に正対させる正対機構として、印刷システム10は、少なくともプリンタ15の設置位置まで搬送ベルトBEに沿って延設された、プリンタヘッド151から規定距離に搬送ベルトBE側の面が立ち上がる突き当て板BPと、搬送方向においてプリンタ15の設置位置よりも前段に配置した、印刷対象物OBを突き当て板BPに押しつける押圧板PPを備える押圧機構と、を含む。
よって、確実に、印刷対象物OBの印刷面をプリンタヘッド151に正対させることが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態では、ヒータ14及びプリンタ15を印刷位置が通過するタイミングを、搬送方向においてヒータ14の設置位置よりも前段に配置したタイミングセンサ12が印刷対象物OBの到達を検出した時点を基準として算出し、押圧板PPをタイミングセンサ12よりも搬送方向前段に配置している。
よって、印刷対象物OBの姿勢を、タイミングセンサ12に到達した時点とプリンタ15に到達した時点とで同じにすることができるので、タイミングずれの発生を防止できる。
【0059】
さらに、本実施形態では、印刷システム10は、印刷対象物OBからプリンタ15が印刷した情報を読み取るバーコードリーダ16と、バーコードリーダ16によって読み取った情報を記録するデータベース1141と、を備える。
よって、データベース1141に記録した情報を使って、印刷が終了した印刷対象物OBについて、行き先管理をはじめとする様々な管理が可能となる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。なお、前述した第1実施形態と同一の構成及び動作については、第1実施形態と同様の参照符号を用いることで、その説明を省略する。以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0061】
図10は、第2実施形態にかかる印刷システム10の構成例について説明するための斜視図である。本実施形態においては、印刷システム10は、第1実施形態におけるラベルセンサ13に代えて、対象物センサ21を配置している。
図11は、第2実施形態にかかる印刷システムのブロック構成図である。本実施形態においては、印刷システム10は、制御部11のセンサ回路116に、第1実施形態におけるラベルセンサ13に代えて、対象物センサ21を接続している。また、ストレージ114は、データベース1141に加えて、様々なサイズの印刷対象物OBにおける印刷位置を記載した印刷対象物テーブル1142を記憶している。なお、
図11では、「印刷対象物テーブル」を「TBL」と略記している。
【0062】
対象物センサ21は、搬送ベルトBEに対して垂直に配置した光電センサ列と、搬送ベルトBEに対して水平且つ搬送方向に垂直に配置した光電センサ列とを含み、搬送ベルトBEによって搬送されている印刷対象物OBの有無を検出する。CPU111は、対象物センサ21の搬送ベルトBEに対して垂直に配置した光電センサ列の検出結果により、印刷対象物OBの高さつまり印刷面の高さサイズを確認することができる。さらに、CPU111は、この光電センサ列の検出結果と搬送ベルトBEの搬送速度とに基づいて、印刷対象物OBの搬送方向の幅つまり印刷面の幅サイズを確認することができる。また、CPU111は、対象物センサ21の搬送ベルトBEに対して水平且つ搬送方向に垂直に配置した光電センサ列の検出結果により、印刷対象物OBの奥行きサイズを確認することができる。
【0063】
なお、対象物センサ21は、光電センサ列ではなく、カメラを用いても良いし、ToF(Time Of Flight)センサを用いても良い。ToFセンサを用いることで、距離に基づいて印刷対象物OBのサイズ判別が可能となる。
【0064】
本実施形態は、印刷対象物OBにはラベルLAが貼付されておらず、印刷情報が直接、印刷面に印刷される場合の例である。ラベルLAを利用しない場合、印刷位置を検出することが容易ではない。そこで、本実施形態では、印刷対象物OBのサイズ毎に、印刷面における印刷位置を規定している。
【0065】
図12は、印刷対象物テーブル1142に記憶される情報の一例を示す図である。印刷対象物テーブル1142は、一意の設定IDに対応付けて、印刷対象物OBのサイズと印刷位置とが記載される。単位はcmである。印刷対象物OBのサイズは、この例では、印刷面の幅、印刷面の高さ、印刷対象物OBの奥行き、の順番としている。また、印刷位置は、この例では、印刷面の搬送方向端部からの位置、印刷面の上端部からの位置、の順番としている。勿論、これらサイズ及び印刷位置の記載順序は、この順に限定されるものではない。
【0066】
このようなサイズ及び印刷位置は、例えば、事前に、CPU111が、ユーザインタフェース17の作業者操作による入力を受けて、或いは、外部装置又はメモリ媒体からインタフェース115により取得して、設定IDを任意に割り当てて印刷対象物テーブル1142に登録する。設定IDは、ここでは通し番号としている。また、印刷対象物テーブル1142に登録されていないサイズの印刷対象物OBが搬送される際には、その都度、サイズ及び印刷位置を追加できるものとなっている。
【0067】
図13は、制御部11の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、第1実施形態の制御動作と異なる部分を抽出して示している。なお、ストレージ114の印刷対象物テーブル1142には、既に、印刷対象物OBのサイズと印刷位置とが登録されているものとし、その登録動作については説明を省略する。
【0068】
第1実施形態で説明したようなACT15において、印刷対象物OBが各工程位置を通過する通過タイミングを算出した後、CPU111は、本実施形態では、センサ回路116を介して入力される対象物センサ21からの信号によって、印刷対象物OBのサイズを認識したか否か判断する(ACT31)。印刷対象物OBのサイズを認識できないと判断した場合(ACT31、NO)、CPU111は、このACT31の処理を繰り返す。
【0069】
印刷対象物OBのサイズを認識したと判断した場合(ACT31、YES)、CPU111は、その認識した印刷対象物OBのサイズがストレージ114の印刷対象物テーブル1142に登録されているか否か判断する(ACT32)。該当するサイズが印刷対象物テーブル1142に登録されていると判断した場合(ACT32、YES)、CPU111は、印刷対象物テーブル1142に該当サイズの印刷位置として登録されている印刷位置を、印刷対象物OBの印刷面における印刷位置であると決定する(ACT33)。そして、CPU111は、その決定した印刷位置をRAM113に記憶する(ACT17)。その後、CPU111は、上記ACT12の処理に移行する。
【0070】
これに対して、該当するサイズが印刷対象物テーブル1142に登録されていないと判断した場合(ACT32、NO)、CPU111は、モータ駆動回路118によりベルトモータ19を制御して、搬送ベルトBEの動作を一時的に停止させる(ACT34)。そして、CPU111は、操作者からのユーザインタフェース17による印刷位置の入力を受け付ける(ACT35)。CPU111は、入力された印刷位置を、新しい設定IDに対応付けて印刷対象物テーブル1142に登録する(ACT36)。その後、CPU111は、モータ駆動回路118によりベルトモータ19を制御して、搬送ベルトBEの動作を再開させる(ACT37)。また、搬送ベルトBEを一時停止していた時間に応じて、各印刷対象物OBが各工程位置を通過する通過タイミングを再算出して、RAM113に記憶する(ACT38)。その後、CPU111は、上記ACT33の処理に移行する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態にかかる印刷システム10では、ラベルセンサ13に代えて、搬送ベルトBEによって搬送されている印刷対象物OBの高さ及び幅を測定するサイズ測定センサである対象物センサ21を備え、CPU111が、印刷対象物OBの高さ及び幅に基づいて印刷位置を算出する演算部として機能するようにしている。
これにより、次から次に搬送されてくる、ラベルLAの無い印刷対象物OBの印刷情報を、効率よく書き換え得る印刷システム10を提供することができる。
【0072】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。すなわち、タイミングセンサ12とヒータ14の間に、ラベルセンサ13と対象物センサ21の両方を、この順番で配置する。制御部11のセンサ回路116には、ラベルセンサ13と対象物センサ21の両方が接続される。
【0073】
図14は、第3実施形態にかかる印刷システム10の制御部11の制御動作の一例を説明するためのフローチャートであり、第2実施形態における
図13に対応する部分を示している。ACT15において、印刷対象物OBが各工程位置を通過する通過タイミングを算出した後、CPU111は、本実施形態では、第1実施形態で説明したように、ラベルセンサ13からの信号に基づいて印刷対象物OBにおけるラベルLAつまり印刷位置を確認したか否か判断する(ACT16)。そして、ラベルLAを確認していないと判断した場合(ACT16、NO)、CPU111は、対象物センサ21からの信号に基づいて、印刷対象物OBのサイズを認識したか否か判断する(ACT31)。印刷対象物OBのサイズを認識できないと判断した場合(ACT31、NO)、CPU111は、上記ACT16の処理に移行する。このように、CPU111は、ACT16の処理とACT31の処理を繰り返して、印刷位置又は印刷対象物OBサイズを獲得できるのを待つ。
【0074】
そして、ラベルLAを確認したと判断した場合(ACT16、YES)、CPU111は、上記ACT17の処理に移行する。
【0075】
また、印刷対象物OBのサイズを認識したと判断した場合(ACT31、YES)、CPU111は、上記ACT32の処理に移行する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態では、ラベルLAに印刷情報が印刷されている印刷対象物OBと、印刷対象物OBに直接印刷情報が印刷された印刷対象物OBとの何れに対しても、印刷情報を効率よく書き換え得る印刷システム10を提供することができる。
【0077】
[他の実施形態]
なお、上述の各実施形態は、少なくとも印刷工程位置において印刷対象物OBの印刷面をプリンタ15のプリンタヘッド151に正対させる正対機構として、突き当て板BPと押圧板PPを利用する例を示したが、正対機構はこのような構成に限定されるものではない。
図15は、印刷対象物をプリンタヘッド151に正対させるためのプリンタ15の位置及び姿勢調整動作を説明するための模式図である。例えば、第2実施形態で説明したような対象物センサ21を用いれば、搬送ベルトBEに斜めに載置された印刷対象物OBの載置位置及び姿勢、つまり、搬送ベルトBEのプリンタ15側端部からどの位の位置に、どのくらい斜めに載置されているのかを判別することができる。そこで、正対機構は、
図15に実線の矢印で示すような高さ位置だけでなく、実線の双方向矢印で示すように、プリンタ15のプリンタヘッド151の印刷対象物OBに対する向きや距離を変更できる構成を持つものとする。このような正対機構では、判別した印刷対象物OBの載置位置及び姿勢に応じて、プリンタヘッド151の印刷対象物OBに対する距離や角度を調整することで、印刷対象物OBの印刷面をプリンタ15のプリンタヘッド151に正対させることができる。
【0078】
また、ヒータ14よりも搬送方向前段に、さらにバーコードリーダを追加し、印刷対象物OBに印刷されている印刷情報を読み取り、その内容に基づいて、新たに印刷する印刷情報を特定するようにしても良い。
図16は、RAM113の一時記憶部1131に記憶される書き込み情報の別の例を示す図である。このように、書き込み情報をストレージ114のデータベース1141に記憶してある印刷対象物OBの対象物ID及び対象物情報と対応させて記憶させる。すなわち、既に印刷対象物OBに印刷されている印刷情報と、これから新たに書き換えようとする書き込み情報とを対応付けて一時記憶部1131に記憶させる。これにより、CPU111は、印刷対象物OBに印刷されている印刷情報の代わりに印刷するべき書き込み情報を容易且つ正確に取得することができる。これにより、上述の各実施形態のように、印刷するべき順番を意識して一時記憶部1131に記憶させ、また、その順番通りに印刷対象物OBを搬送ベルトBEに載置しなければならないという制約が無くなり、使い勝手が向上する。
【0079】
また、
図9、
図13及び
図14のフローチャートに示した処理の順序は一例であり、この順に限定するものではない。各処理は、先行の又は後続する処理と齟齬が生じない限り、処理順序等を変更しても良いし、併行処理するようにしても構わない。
【0080】
また、上述の各実施形態では、ACT15において印刷対象物OBが各工程位置を通過する通過タイミングを算出する際、印刷対象物OBの搬送速度を演算している。しかしながら、CPU111が、搬送速度が予め決めた一定の速度となるようにモータ駆動回路118によりベルトモータ19を制御するようにすれば、この搬送速度の演算は不要となる。またこの場合、タイミングセンサ12から各工程位置までの距離は不変であるため、移動速度と距離に基づく定数を求めて、ROM112又はストレージ114に不揮発性に記憶しておくようにすれば、タイミングセンサ12の到達タイミングから印刷対象物OBの通過タイミングを簡易に算出することができる。
【0081】
また、各工程位置への到達をセンサによって個別に検知する構成とすれば、各工程の動作タイミングを独立して制御できるので、第1実施形態における押圧板PPの配置位置は特に制限されないものとなる。この場合、押圧板PPは、複数箇所に設置しても構わない。
【0082】
また、バーコードリーダ16に代えてカメラを備えて、文字認識により印刷情報の内容を判別するようにすれば、印刷情報として二次元コードは印刷しなくても良くなる。
【0083】
また、印刷対象物OBを搬送する搬送機は、例えば連続的に隣接配置したローラ等、搬送ベルトBE以外の構成であっても構わない。
【0084】
また、上述の各実施形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアの何れかを選択して構成するものであっても良い。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 印刷対象物を搬送する搬送機と、
前記搬送機によって搬送されている前記印刷対象物に熱変色性インクを用いて印刷されている印刷情報の印刷位置を判定する位置判定部と、
熱源を備え、前記印刷位置に基づいて決定される前記印刷位置が通過するタイミングに従って、前記印刷位置に応じて高さ位置を調整した前記熱源により、前記搬送機による前記印刷対象物の搬送方向と垂直な方向から熱を加えることで、前記印刷位置に熱変色性インクを用いて印刷されている前記印刷情報を消去する消去部と、
前記搬送方向に沿って前記消去部の前記熱源より後段に配置された熱変色性インクを用いたプリンタを備え、前記印刷位置に基づいて決定される前記印刷位置が通過するタイミングに従って、前記印刷位置に応じて高さ位置を調整した前記プリンタにより、前記搬送方向と垂直な方向から前記印刷対象物に情報を印刷する印刷部と、
少なくとも前記印刷部により前記情報を印刷する時点に、前記印刷対象物の前記印刷位置を備える印刷面を、前記プリンタのプリンタヘッドに正対させる正対機構と、
を備える、印刷システム。
[2] 前記位置判定部は、前記搬送機によって搬送されている前記印刷対象物における前記印刷位置を検出する印刷位置検出部を含む、[1]に記載の印刷システム。
[3] 前記位置判定部は、
前記搬送機によって搬送されている前記印刷対象物の高さ及び幅を測定するサイズ測定センサと、
前記印刷対象物の高さ及び幅に基づいて前記印刷位置を算出する演算部と、
を含む、[1]又は[2]に記載の印刷システム。
[4] 前記搬送機は、前記印刷対象物を載置して前記搬送方向に搬送する搬送ベルトを含み、
前記プリンタのプリンタヘッドは、前記搬送方向と垂直な方向に向けて設けられ、
前記正対機構は、
少なくとも前記プリンタの設置位置まで前記搬送機の前記搬送ベルトに沿って延設された、前記プリンタヘッドから規定距離に前記搬送ベルト側の面が立ち上がる突き当て板と、
前記搬送方向において前記プリンタの設置位置よりも前段に配置した、前記印刷対象物を前記突き当て板に押しつける押圧機構と、
を含む、[1]乃至[3]の何れかに記載の印刷システム。
[5] 前記搬送機は、前記印刷対象物を載置して前記搬送方向に搬送する搬送ベルトを含み、
前記正対機構は、
前記搬送ベルト上に載置された前記印刷対象物の位置及び姿勢を検出する位置姿勢検出部と、
前記印刷対象物の位置及び姿勢に応じて、前記プリンタヘッドの向き及び前記印刷対象物の前記印刷面への距離を調整する調整部と、
を含む、[1]乃至[3]の何れかに記載の印刷システム。
【符号の説明】
【0086】
10…印刷システム、 11…制御部、 12…タイミングセンサ、 13…ラベルセンサ、 14…ヒータ、 15…プリンタ、 151…プリンタヘッド、 16…バーコードリーダ、 17…ユーザインタフェース、 18…モータ、 19…ベルトモータ、 20…押圧モータ、 21…対象物センサ、 111…CPU、 112…ROM、 113…RAM、 1131…一時記憶部、 114…ストレージ、 1141…データベース、 1142…印刷対象物テーブル、 115…インタフェース、 116…センサ回路、 117…ヘッド駆動回路、 118…モータ駆動回路、 119…バス、 BE…搬送ベルト、 BP…突き当て板、 LA,LA1,LA2,LA3,LA4…ラベル、 OB,OB1,OB2,OB3,OB4…印刷対象物、 PD…規定距離、 PM…押圧機構、 PO…支柱、 PP…押圧板。