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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】方法および化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 233/08 20060101AFI20250415BHJP
   C07C 233/25 20060101ALI20250415BHJP
   C07F 5/02 20060101ALI20250415BHJP
   C07C 213/02 20060101ALI20250415BHJP
   C07C 217/84 20060101ALI20250415BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20250415BHJP
【FI】
C07C233/08 CSP
C07C233/25
C07F5/02 C
C07C213/02
C07C217/84
C07B61/00 300
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021546691
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 US2020017777
(87)【国際公開番号】W WO2020167855
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】62/804,391
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517378016
【氏名又は名称】ラジウス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】マーキー,マイケル
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/058682(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化合物:
【化1】

から選択される化合物。
【請求項2】
>50%のエナンチオマー過剰で存在する、式(g)を有する請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式(VII)
【化2】

の化合物の還元を含む、式(VIII)
【化3】

の化合物を調製する方法であって、
該式(VII)の化合物が、式(f)
【化4】

の化合物の存在下での式(VI)
【化5】

の化合物の還元性アミ化により調製され、
該式(VI)の化合物が、式(V)
【化6】

の化合物とキラル酸を接触させて、エナンチオマー的に富化された塩を形成すること、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化すること、および式(VI)の化合物を遊離させることにより調製され、
該式(V)の化合物が、酸、塩基または還元剤による式(IV)
【化7】

の化合物の処理により調製され、
該式(IV)の化合物が、式(III)
【化8】

の化合物の還元により調製され、
該式(III)の化合物が、式(I)
【化9】

の化合物と、式(II)
【化10】

の化合物とのカップリングにより調製され、
ここでP1がH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)またはCH2アリールであり;RbはHであり;P2が(C=O)-CH3であり;XがB(OR)2またはB(-O-(C(Ra)2)n-O-)であり、Rは独立して、H、C 1-3 アルキルまたはアリールであり、R a は独立して、C 1-3 アルキルまたはアリールであり、nは独立して、2または3の整数であり;X'がハロゲン、OSO2CF3またはOSO2(アリール)である、方法。
【請求項4】
式(VII):
【化11】

の化合物の還元を含む、式(VIII):
【化12】

の化合物を調製する方法であって、P1がH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)またはCH2アリールであり、式(VII)の化合物は、還元剤の存在下で式(f):
【化13】

の化合物と、式(VI):
【化14】

の化合物の反応により調製され、式中RbはHまたはEtである、方法。
【請求項5】
式(VII)の化合物の還元は、AlH3、AlH2Cl、AlHCl2、NaBH4、LiAlH4、LiBH4、LiEt3BH、BH3、BH3.THF、CH3CH2C(O)OBH3Na、Zn(OAc)2/(EtO)3SiH、Mg/TiCL4、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せの存在下で行われる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
式(VII)の化合物の製造のための還元剤がNaBH(OAc)3である、請求項4記載の方法。
【請求項7】
式(V)
【化15】

の化合物とキラル酸を接触させて、エナンチオマー的に富化された塩を形成する工程、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化する工程、および式(VI)の化合物を遊離させる工程を含む、式(VI):
【化16】

の化合物のエナンチオマー過剰を増加させるための方法をさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>50%である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
アスパラギン酸、O-アセチル-マンデル酸、シス-2-ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸、リン酸水素1,1'-ビナフチル(Binapthyl)-2,2'-ジイル、ショウノウ酸、10-ショウノウスルホン酸、トランス-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ジベンゾイル-酒石酸、ジアセチル-酒石酸、ジ-p-トルオイル(toluoyl)-酒石酸、N-(3,5-ジニトロベンゾイル)-α-フェニルグリシン、ジアセチル-酒石酸無水物、ジアセチル-酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マンデル酸、N-(α-メチルベンジル)フタルアミド酸、2-(6-メトキシ-2-ナフチル(napthyl))プロピオン酸、ピログルタミン酸、キナ酸および酒石酸またはそれらの組合せから選択される(+)または(-)キラル酸を使用する、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
式(IV):
【化17】

の化合物と、酸、塩基、求核試薬または還元剤との反応を含む、式(V):
【化18】

の化合物を調製する方法をさらに含む方法であって:
P2がH、Et、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールまたは-(C=O-(CH2)n-C=O)であnは独立して、2または3の整数である、請求項7記載の方法。
【請求項11】
式(IV)の化合物が水素化物含有還元剤で処理される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
RbがHであり;P2がH、Et、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールまたは-(C=O-(CH2)n-C=O)であり、式(IV)による化合物が、酸、塩基または求核試薬で処理される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
還元剤の存在下での式(III):
【化19】

の化合物の還元を含む、式(IV):
【化20】

の化合物を調製する方法をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項14】
塩基および遷移金属触媒の存在下での式(I):
【化21】

の化合物と、式(II):
【化22】

の化合物の反応を含む、式(III):
【化23】

の化合物を調製する方法をさらに含む方法であって;
XはB(OR)2またはB(-O-(C(Ra)2)n-O-)であり、Rは独立して、H、C 1-3 アルキルまたはアリールであり、R a は独立して、C 1-3 アルキルまたはアリールであり
X'はハロゲン、OSO2CF3またはOSO2(アリール)である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
P1がH、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)およびCH2アリールから選択される保護基であり;
P2が(C=O)-C1-C8アルキルまたは(C=O)-アリールであり;
XがB(OR)2またはB(-O-(C(Ra)2)n-O-)であり;
X'がCl、Br、I、OSO2CF3またはOSO2(アリール)であり、
それぞれのRが独立して、H、C1-3アルキルまたはアリールであり;
それぞれのRaが独立して、C1-3アルキルまたはアリールであり;
それぞれのnが独立して、2または3の整数である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
Pd(OAc)2、Pd(PPh3)4、PdCl2(PPh3)2、Pd(dppf)Cl2、Pd2(Dba)3、Cu(0)、Pd(PCy3)2およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される遷移金属触媒の存在下で行われる、請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
式(I)、(II)および(III)の化合物が、それぞれ、(a)、(aa')および(b):
【化24】

である、請求項3および13~16いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本願は、2019年2月12日に出願された米国仮出願第62/804,391号に対する35 U.S.C. § 119(e)下の優先権を主張する。この先行出願の開示は、本願の開示の一部とみなされ、その全体において参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
乳癌などのER+癌の治療に有用性を有する化合物1、選択的エストロゲン受容体α(ERα)調節剤/分解剤(SERM/SERD)の調製の有用な方法およびその調製に有用な中間体が記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
乳癌は、女性における癌関連死の第2の主要な原因であり、2016年に米国において、推定で246,660名が新たに診断され、40,450名が死亡している。乳癌は、3つの受容体:エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)およびヒト上皮成長因子受容体2(Her2)の発現に基づいて3つのサブタイプに分類される異質性の疾患である。多くの乳癌患者においてERの過剰発現が見られる。ER陽性(ER+)乳癌は、全ての乳癌の3分の2を含む。乳癌以外に、エストロゲンおよびERは、例えば卵巣癌、結腸癌、前立腺癌および子宮内膜癌に関連する。
【0004】
化合物1は、ER+乳癌に対する選択的エストロゲン受容体α(ERα)調節剤/分解剤(SERM/SERD)としての有望な混合された活性を示しており、低用量ではSERMとして作用し、高用量ではSERDとして作用する。化合物1についての大きくなる要求に対して、さらなる臨床試験および潜在的な将来の商業的使用に使用される化合物1の量の増加を提供するために、より効率的な合成が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
ある態様において、化合物(a)~(g)
【化1】
は、本明細書に記載される選択的エストロゲン受容体調節剤/分解剤の調製に有用である。
【0006】
ある局面において、式(e)および(g)の化合物は、>50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%のエナンチオマー過剰で存在する。いくつかの態様において、式(e)または(g)を有する化合物は>50%のエナンチオマー過剰で存在する。
【0007】
いくつかの態様において、中間体の調製および化合物1
【化2】
の調製に有用な方法が提供される。
【0008】
一態様において、塩基および遷移金属触媒の存在下での式(I):
【化3】
の化合物と、式(II):
【化4】
の化合物の反応を含む、式(III)
【化5】
の化合物の調製のための方法が提供され、
式中、P1はHまたはフェノール保護基であり、P2はH、Etまたはアミノ保護基であり、Xはハロゲン、遷移金属またはホウ素含有化合物であり、X'はハロゲン、遷移金属含有基またはホウ素含有基であり、ここで該XおよびX'は、化合物(I)と化合物(II)のクロスカップリングに適切である。
【0009】
式(III)の化合物の調製のための方法のいくつかの態様において、P1はH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)またはCH2アリールであり;P2はH、Et、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールおよび(C=O-(CH2)n-C=O)-から選択されるアミノ保護基であり;XはB(OR)2、B(-O-(C(Ra)2)n-O-)、Cl、Br、I、OSO2CF3またはOSO2(アリール)であり;X'はB(OR)2、B(-O-(C(Ra)2)n-O-)、Cl、Br、I、OSO2CF3またはOSO2(アリール)であり;それぞれのRは独立して、H、C1-3アルキルまたはアリールであり;それぞれのRaは独立して、C1-3アルキルまたはアリールであり;それぞれのnは独立して、2または3の整数であり、ここでXがB(OR)2またはB(-O-(C(Ra)2)n-O-)である場合;X'はCl、Br、I、OSO2CF3またはOSO2(アリール)である。
【0010】
式(III)の化合物の調製のための方法の関連のある態様において、P1はH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリールまたはCH2アリールであり;P2はH、Et、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリールもしくは(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールから選択されるアミノ保護基であり;XはB(OR)2およびB(-O-(C(Ra)2)n-O-)であり;X'はCl、Br、IまたはOSO2CF3であり;Rは独立して、H、C1-3アルキルまたはアリールであり;それぞれのRaは独立して、C1-3アルキルまたはアリールであり;nは2または3の整数である。
【0011】
式(III)の化合物の調製のための方法のいくつかの態様において、P1はH、(C=O)-C1-C8アルキルまたはCH2アリールであり;P2はH、Et、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリールおよび(C=O)-O-C1-C8アルキルから選択されるアミノ保護基であり;XはB(OR)2またはB(-O-(C(Ra)2)n-O-)であり;X'はCl、Br、IまたはOSO2CF3であり;RはHであり、RaはCH3であり、n=2である。
【0012】
式(III)の化合物の調製のための方法についてのある態様において、該方法は、遷移金属触媒の存在下で行われ、該遷移金属触媒は、Pd(II)、Cu(O)もしくはPd(O)またはそれらの任意の組合せを含む。
【0013】
式(III)の化合物の調製のための方法についての関連のある態様において、該遷移金属触媒は、Pd(OAc)2、Pd(PPh3)4、PdCl2(PPh3)2、Pd(dppf)Cl2、Pd2(Dba)3、Cu(O)およびPd(PCy3)2ならびにそれらの任意の組合せからなる群より選択される。
【0014】
式(III)の化合物の調製の方法についてのいくつかの態様において、該方法は、無機もしくは有機塩基またはその任意の組合せの存在下で行われる。
【0015】
式(III)の化合物の調製の方法についてのいくつかの態様において、該方法は、無機塩基の存在下で行われる。いくつかのさらなる態様において、無機塩基は、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3およびCsHCO3から選択される。さらなる態様において、無機塩基はKHCO3である。
【0016】
いくつかの態様において、式(I)、(II)および(III)の化合物は、構造(a)、(aa')および(b)
【化6】
を有する。
【0017】
いくつかの局面において、還元剤の存在下での式(III):
【化7】
の化合物の還元を含む、式(IV):
【化8】
の化合物を調製する方法が記載され、ここで:
P1はHまたはフェノール保護基であり、P2はH、Etまたはアミノ保護基である。
【0018】
いくつかの態様において、式(IV)の化合物の調製の方法が記載され、ここで遷移金属触媒の存在下で、還元剤はH2である。
【0019】
ある態様において、式(IV)の化合物を調製する方法が記載され、ここで遷移金属触媒はPd(II)を含む。
【0020】
いくつかの態様において、式(IV)の化合物を調製する方法が記載され、ここで遷移金属触媒はPd(OH)2である。
【0021】
いくつかの態様において、式(IV)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP1はH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)またはCH2アリールであり、P2はH、Et、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールおよび-(C=O-(CH2)n-C=O)から選択されるアミノ保護基である。
【0022】
ある態様において、式(IV)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP1はH、(C=O)-C1-C8アルキルまたはCH2アリールであり;P2はEt、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリールおよび(C=O)-O-C1-C8アルキルから選択されるアミノ保護基である。
【0023】
ある態様において、式(IV)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP1はCH2Phであり、P2は(C=O)-CH3である。
【0024】
ある態様において、式(IV)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP1はHであり、P2は(C=O)-CH3である。
【0025】
いくつかの局面において、式(IV):
【化9】
の化合物と、酸、塩基、求核試薬または還元剤との反応を含む、式(V):
【化10】
の化合物を調製する方法が提供され、ここで:
P1はHまたはフェノール保護基であり、P2はアミノ保護基であり、RbはHまたはEtである。
【0026】
ある局面において、式(V)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP2は(C=O)-CH3であり、RbはEtであり、式(IV)の化合物は水素化物含有還元剤で処理される。いくつかの態様において、還元剤は無機還元剤である。いくつかの態様において、還元剤は無機水素化物含有還元剤である。いくつかのさらなる態様において、還元剤はホウ素またはアルミニウムを含む。なおさらなる態様において、還元剤は、ナトリウム、リチウムまたはカリウムを含む水素化ホウ素またはアルミニウムである。いくつかの態様において、還元剤は、AlH3、AlH2Cl、AlHCl2、NaBH4、LiAlH4、LiBH4、LiEt3BH、BH3、BH3.THF、CH3CH2C(O)OBH3Na、Zn(OAc)2/(EtO)3SiH、Mg/TiCL4、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せである。
【0027】
いくつかの局面において、式(IV):
【化11】
の化合物と、酸、塩基、求核試薬または還元剤との反応を含む、式(V):
【化12】
の化合物を調製する方法が提供され、ここで:
P1はHまたはフェノール保護基であり、P2は(C=O)-CH3であり、RbはHまたはEtである。
【0028】
ある局面において、式(V)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP2は(C=O)-CH3であり、RbはEtであり、式(IV)の化合物は水素化物含有還元剤で処理される。いくつかの態様において、還元剤は無機還元剤である。いくつかの態様において、還元剤は無機水素化物含有還元剤である。いくつかのさらなる態様において、還元剤はホウ素またはアルミニウムを含む。なおさらなる態様において、還元剤は、ナトリウム、リチウムまたはカリウムを含む水素化ホウ素またはアルミニウムである。いくつかの態様において、還元剤はAlH3、AlH2Cl、AlHCl2、NaBH4、LiAlH4、LiBH4、LiEt3BH、BH3、BH3.THF、CH3CH2C(O)OBH3Na、Zn(OAc)2/(EtO)3SiH、Mg/TiCL4、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せである。
【0029】
ある局面において、式(V)の化合物を調製する方法が記載され、ここでP2は(C=O)-CH3であり、RbはHであり、式(IV)の化合物は酸で処理され、いくつかの態様において、酸は塩酸または別のプロトン酸である。
【0030】
ある局面において、式(V)の化合物を調製する方法が記載され、ここで式(IV)による化合物は、酸、塩基または求核試薬で処理され、RbはHである。
【0031】
ある局面において、式(V)の化合物を調製する方法が記載され、ここで請求項(IV)に記載の化合物は、酸または塩基で処理され、いくつかの態様において、該酸または塩基は水溶液中にある。
【0032】
いくつかの態様において、P2は(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールまたは(C=O-(CH2)n-C=O)である。いくつかの態様において、P2は(C=O)-CH3である。
【0033】
いくつかの態様において、P1はH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)またはCH2アリールである。いくつかの態様において、P1はHまたは-CH2-C6H5である。
【0034】
さらに他の局面において、混合物(V):
【化13】
のジアステレオマー酸付加物の形成:および式(VI)のエナンチオマーが高められたジアステレオマー塩を選択的に結晶化し、その後塩基を遊離させることを含む、式(VI):
【化14】
の化合物のエナンチオマー過剰を増加するための方法が記載され、ここでP1はHまたはフェノール保護基であり、RbはHまたはEtである。いくつかの態様において、エナンチオマー過剰は、>10%、>50%、>75%、>90%、>95%、>98%または>99%である。
【0035】
別の局面において、式(V)
【化15】
の化合物とキラル酸を接触させてエナンチオマー的に富化された塩を形成する工程、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化する工程、および式(VI)の化合物を遊離させる工程を含む、式(VI):
【化16】
の化合物のエナンチオマー過剰を増加するための方法が記載され、ここでP1はHまたはフェノール保護基であり;RbはHまたはEtである。
【0036】
いくつかの局面において、式(VI)の化合物のエナンチオマー過剰を高める方法は、アスパラギン酸、O-アセチル-マンデル酸、シス-2-ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸、リン酸水素1,1'-ビナフチル(Binapthyl)-2,2'-ジイル、ショウノウ酸、10-ショウノウスルホン酸、トランス-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ジベンゾイル-酒石酸、ジアセチル-酒石酸、ジ-p-トルオイル(toluoyl)-酒石酸、N-(3,5-ジニトロベンゾイル)-α-フェニルグリシン、ジアセチル-酒石酸無水物、ジアセチル-酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マンデル酸、N-(α-メチルベンジル)フタルアミド酸、2-(6-メトキシ-2-ナフチル(napthyl))プロピオン酸、ピログルタミン酸、キナ酸および酒石酸またはそれらの組合せから選択される(+)または(-)キラル酸を使用する。いくつかの態様において、酸は(+)-2,3-ジベンゾイル-D-酒石酸である。
【0037】
いくつかの態様において、式(VI)の化合物のエナンチオマー過剰を高める方法について;P1はH、(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C1-C5アルキル)3、Si(アリール)2(C1-C5アルキル)またはCH2アリールである。ある態様において、P1はH、(C=O)-C1-C8アルキルまたはCH2アリールである。いくつかの態様において、P1は-CH2PhまたはHである。いくつかのさらなる態様において、P1はHである。いくつかの態様において、P1はHであり、P2はHである。
【0038】
ある態様において、還元剤の存在下での式(f):
【化17】
の化合物と、式(VI):
【化18】
の化合物の反応を含む、式(VII):
【化19】
(式中、P1はHまたはフェノール保護基である)
の化合物を調製する方法が記載され、ここでP1はHまたはフェノール保護基であり、RbはHまたはEtである。いくつかの態様において、P1はHであり、RbはHである。
【0039】
いくつかの態様において、式中、RbはHであり、該還元剤はNaBHn(OAc)n'であり;nは1~3の整数であり、n'は1~3の整数であり、n+n'=4である。いくつかの態様において、NaBHn(OAc)n'はNaBH(OAc)3である。
【0040】
ある態様において、RbはEであり、該還元は無機水素化物含有還元剤である。いくつかの態様において、該無機水素化物含有還元剤はホウ素またはアルミニウムを含む。さらなる態様において、該還元剤は、ナトリウム、リチウムまたはカリウムを含む水素化ホウ素またはアルミニウムである。いくつかの態様において、該還元剤は、AlH3、AlH2Cl、AlHCl2、NaBH4、LiAlH4、LiBH4、LiEt3BH、BH3、BH3.THF、CH3CH2C(O)OBH3Na、Zn(OAc)2/(EtO)3SiH、Mg/TiCL4、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せである。
【0041】
式(VII)の化合物を調製する方法のいくつかの態様において、P1はHである。
【0042】
式(VIII)のいくつかの態様において、P1はHであり、式(VIII)の化合物は化合物1である。
【0043】
ある態様において、式(VII):
【化20】
の化合物の還元を含む、式(VIII):
【化21】
の化合物を調製する方法が記載され:ここでP1はHまたはフェノール保護基である。
【0044】
該方法のある態様において、還元は、AlH3、AlH2Cl、AlHCl2、NaBH4、LiAlH4、LiBH4、LiEt3BH、BH3、BH3.THF、CH3CH2C(O)OBH3Na、Zn(OAc)2/(EtO)3SiH、Mg/TiCL4、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せの存在下で行われ、いくつかの態様において、該方法は、インサイチュで作製されたBH3の存在下で行われ、いくつかの態様において、反応はNaBH4/I2の存在下で行われる。
【0045】
いくつかの態様において、式(VII);
【化22】
の化合物の還元を含む、式(VIII):
【化23】
の化合物を調製する方法が記載され:ここでP1はHまたはフェノール保護基であり;該式(VII)の化合物は、式(f);
【化24】
の化合物の存在下、式(VI);
【化25】
の化合物の還元性アミノ化により調製され、ここでRbはEtまたはHであり、P1は水素またはフェノール保護基であり;
該式(VI)の化合物は、式(V)
【化26】
を有する混合物のジアステレオマー酸付加塩の結晶化により調製され、ここでRbはEtまたはHであり、P1は水素またはフェノール保護基であり;
該式(V)の化合物は、式(IV):
【化27】
の化合物の、P2が(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールまたは-(C=O-(CH2)n-C=O)である場合に酸、塩基または求核試薬または任意にP2が(C=O)-CH3である場合に還元剤での処理により調製され、ここでP1は水素またはフェノール保護基であり;
該式(IV)の化合物は、式(III):
【化28】
の化合物の還元により調製され;ここでP1はHまたはフェノール保護基であり、P2はH、Et、または(C=O)-C1-C8アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C1-C8アルキルアリールおよび(C=O-(CH2)n-C=O)から選択されるアミノ保護基であり;
該式(III)の化合物は、式(I);
【化29】
(式中、P1はHまたはフェノール保護基であり、Xはハロゲン、遷移金属またはホウ素含有化合物である)の化合物と、式(II):
【化30】
(式中、X'はハロゲン、遷移金属含有基またはホウ素含有基であり、P2はH、Etまたはアミノ保護基である)の化合物とのカップリングにより調製され、ここで該XおよびX'は、化合物(I)と化合物(II)のクロスカップリングに適切である。
【0046】
一局面において、式(VII)
【化31】
の化合物の還元を含む、式(VIII)
【化32】
の化合物を調製する方法が記載され、
該式(VII)の化合物は、式(f)
【化33】
の化合物の存在下での式(VI)
【化34】
の化合物の還元性アミノ化により調製され、
該式(VI)の化合物は、式(V)
【化35】
の化合物と、キラル酸を接触させてエナンチオマー的に富化された塩を形成すること、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化することおよび式(VI)の化合物を遊離させることにより調製され、
該式(V)の化合物は、式(IV)
【化36】
の化合物の還元剤での処理により調製され;
該式(IV)の化合物は、式(III)
【化37】
の化合物の還元により調製され、
該式(III)の化合物は、式(I)
【化38】
の化合物と、式(II)
【化39】
の化合物のカップリングにより調製され、ここでP1はHまたはフェノール保護基であり;RbはHまたはEtであり;P2は(C=O)-CH3であり;Xはハロゲン、遷移金属またはホウ素含有化合物であり;X'はハロゲン、遷移金属含有基またはホウ素含有基であり;該XおよびX'は化合物(I)と化合物(II)のクロスカップリングに適切である。
【0047】
式(VII)の化合物を調製する方法のいくつかの態様において、P1はHである。式(VIII)のいくつかの態様において、P1はHであり、式(VIII)の化合物は化合物1である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
発明の詳細な説明
化合物1
【化40】
は、乳癌に対する選択的エストロゲン受容体α(ERα)調節剤/分解剤(SERM/SERD)としての有望な混合された活性を示しており、低用量でSERMとして作用し、高用量でSERDとして作用する。
【0049】
化合物の1のさらなる開発における関心のために、革新および有効な合成に由来するより多くの量が、商業的な使用のために化合物が承認されるという最終的な希望を伴って、前臨床的および臨床的な試験の両方のために必要とされ、その後製造されるためにさらに多くの量が必要とされる。したがって、新規でより有効な合成が必要である。本開示は、従来技術の開示(例えば米国特許第7,612,114号参照)を超える、新規で予想されない向上された合成を提供する。
【0050】
本開示は、一般的な手順および記載される手順の効力を示す具体例の両方を提供する。
【0051】
本明細書で使用する場合、以下の用語は、そうではないと記載されない限り以下の定義を有する。
【0052】
「化合物1」または「RAD1901」は、その塩、溶媒和物(例えば水和物)およびプロドラッグを含む以下の構造:
【化41】
を有する。いくつかの態様において、化合物1の薬学的に許容され得る塩は、以下の構造:
【化42】
を有する「化合物1二塩酸」または「化合物1ビス塩酸(・2HCl)塩」である。
【0053】
「ハロゲン」原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0054】
「アルキル」基は、5個までの、独立して選択されるハロゲン原子、ヒドロキシル基(-OH)、メチル、エチルまたはプロピルエーテル基(-OMe、-OEt、-OPrまたは-OiPr)、シアノ基(-CN)または-NO2基で任意に置換される、直鎖または分岐鎖の一価飽和炭化水素ラジカルである。例えば、C1-5アルキル基としては、-メチル、-エチル、-イソプロピル、-2-クロロ-3-ヒドロキシルブチル、-2-フルオロ-4-ニトロ-ペンチル等が挙げられる。
【0055】
「アリール」基は、6~20炭素原子(C6-C20)の一価の芳香族炭化水素ラジカルである。アリールは、フェニル、ビフェニル、ナフチル等の構造を含む。アリールは、-ハロゲン、-C1-6アルキルエーテル、-ヒドロキシル、-CN、-C1-6アルキルおよび-NO2から独立して選択される5個までの置換基で任意に置換され得る。
【0056】
「ヘテロアリール」基は、4~9の炭素原子を含み、1~3個のヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を含む環式芳香族基である。該ヘテロアリール基は、単環式または二環式であり得る。非限定的な例により、該ヘテロアリールとしては、限定されることなく、オキサゾール、ピリジン、キノリン、ピラン、ピロール等が挙げられる。さらに、該ヘテロアリールは、-ハロゲン、-C1-6アルキルエーテル、-ヒドロキシル、-CN、-C1-6アルキルおよび-NO2から選択される5個までの置換基で置換され得る。
【0057】
例えば-C1-C8アルキルアリールのように用語が接続される場合、別々の官能基(例えば「C1-8アルキル」および「アリール」)についての定義は、それぞれが別々に、例えば置換基および分岐を含むように定義されるものである。したがって、C1-8アルキルアリールは、1-(3-クロロ-ニトロブチル)-3-メチルベンゼンのアルキルラジカルを含み得、結合のラジカル点は、以下:
【化43】
に示されるようにブチル断片の末端にある。
【0058】
本明細書において提供される方法において、「フェノール保護基」または「アミノ保護基」などの保護基について参照がなされる。そのように記載される場合、特定の保護基が、当業者に公知の保護基、およびまた当業者に公知のものとは異なるが、これらの基の論理的伸長であると理解され、同じ機構により作動することが理解または予想され、当該技術分野で公知のものと最も緊密に関連するものと同様の性能を有する保護基から選択され得ることを当業者は理解する。例示に拘束されることを望まないが、本明細書に概略を示される方法に有用な保護基は、種々の教本において見られ得、参照により本明細書に援用される。例えば、Protective Groups in Organic Synthesis (Green (Wuts), Wiley Publishing)、Protecting Groups in Organic Synthesis: (Postgraduate Chemistry Series) (Hanson, Wiley Publishing)、Protecting Groups (Kocienski, Thieme Publishing)参照。
【実施例
【0059】
本明細書に記載される方法の例をスキーム1に示し、以下に簡潔に説明する。化合物(a')により例示される臭化ビニルは、そのホウ素誘導体(a) (2-(6-(ベンジルオキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)に変換され、次いで塩基の存在下で(aa') (N-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)アセトアミド)とカップリングされ、>70%の全体的な収率で、カップリングされた化合物(b) (N-(2-(6-(ベンジルオキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)-5-メトキシフェニル)アセトアミドになり得る。次いで化合物(b)を、二重結合を還元してフェノールを脱ベンジル化するPd(OH)2/H2で還元して、(c)にして、その後脱アセチル化されて、>90%の両方の工程(b~d)を超える収率で、化合物(d)を生じた。化合物(d)は典型的に、50:50ラセミ混合物であり、所望の化合物は6位に(R)立体化学を有する。この点において、(本明細書において記載される)適切なキラル酸との酸付加塩の形成、次いで生成物の結晶化は、化合物(e)および関連のある誘導体のエナンチオ純度を効果的に増加し得ることが発見された。本例において、ラセミ混合物を、(+)-2,3-ジベンゾイル-D-酒石酸[(+)-DBTA、0.5当量]で処理し、所望の塩を、所望のエナンチオマーの理論的収率の>90%eeおよび>90%で結晶化した。次の工程は、アルデヒド(f)とアニリン(e)の間で最初にシッフ塩基が形成されるベンゾアルデヒド(f)を用いた化合物(e)の還元性アミノ化であり、NaBH(OAc)3による還元が続き、>90%の粗製の生成物の収率が生じる。反応は、アミン(e)とベンズアルデヒド(f)の間で形成されるシッフ塩基を還元し、また驚くべきことにアニリンをエチル化して、所望の第三級アニリンを生じる。理論に拘束されることを望まないが、NaBH(OAc)3試薬からのアセチル転移および還元が起こると考えられる。生成物(g)を、インサイチュでBH3を生じると考えられるNaBH4/I2、次いでNa2S2O3による還元的作業により還元し、生成物を精製して、HCl(MeOH、EtOHおよび/またはEtOAc)で処理し、化合物1のビスHCl塩の収率は>50%であった。
【0060】
スキーム1-化合物1・2HClの調製
【化44】
【0061】
工程1-N-(2-(6-(ベンジルオキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)-5-メトキシフェニル)アセトアミド(b)の調製。
(a'、1当量)およびビス(ピナコラート)二ホウ素(1.3当量)の溶液を7容量の1,2-ジメトキシエタン(DME)に溶解し、KOAc(3.1当量)およびPdCl2(PPh3)2(2mol%)で処理し、85℃で加熱した。次いでHPLCにより完了について反応をモニタリングした。溶液を20℃に冷却して、25wt% KHCO3(水性、3容量)および2-ブロモ-5-メトキシアセトアニリド(aa'、1当量)で処理し、次いで85℃に加熱し、HPLCにより完了についてモニタリングした。次いで反応を55℃に冷却し、混合物を濾過して、固体をDMEで洗浄した。水層を分離除去し、残りの有機層を20℃に冷却し、6.9容量の水で希釈した。次いで混合物を≧1時間撹拌し、形成された固体を濾過して、3.1容量の水で洗浄し、ケーク(cake)を≦55℃で乾燥させた。合わせた固体を10容量のジクロロメタン(DCM)および炭素(0.25wt当量)で処理し、得られた混合物を撹拌してかん流(約40℃)まで≧6時間加熱した。次いで混合物を20℃に冷却し、固体を濾過し、3容量のDCMで洗浄した。得られた濾液を真空下、≦45℃で3容量まで濃縮し、6容量のエタノール(EtOH)で処理し、真空下、≦45℃で4.9用量まで濃縮した。さらなる6容量のEtOHを添加して、もう一度、容量を真空下、≦45℃で4.9用量まで濃縮し、1容量のEtOHを添加して、20℃まで冷却し、濾過により生成物を回収し、1容量のEtOHですすいで、N2下、≦50℃で乾燥させ、(b)を>70%収率で得た。
【0062】
工程2-(+/-)N-(2-(6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)-5-メトキシフェニル)アセトアミド(c)の調製
(b)(1当量)、Pd(OH)2/C(0.1重量当量)、THF(7容量)およびMeOH(7容量)の溶液に、N2および次いでH2を20℃でパージした。反応混合物を100psi下、H2で≧12時間20℃で撹拌し、完了について反応をモニタリングした。反応にN2を20℃でパージした後、反応混合物を40℃で≧1時間加熱し、濾過して1.5容量のTHFおよび1.5容量のMeOHですすいだ。溶液を、真空下、≦45℃で2.4用量まで濃縮し、12容量のEtOAcで処理し、真空下、≦45℃で2.4用量まで濃縮し、再度12容量のEtOAcで処理し、真空下、≦45℃で2.4用量まで濃縮し、3.3容量のEtOAcで処理し、温度を20℃に調整し、20℃で≧1時間撹拌し、濾過により生成物を回収し、1.4容量のEtOAcで洗浄した。所望の場合は固体をMeOH/EtOAc中で再結晶化し得、生成物(c)を温度≦50℃で乾燥し得る。
【0063】
工程3-(+/-)6-(2-アミノ-4-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン(tetrahydronapthalen)-2-オール(d)の調製
9容量のMeOHおよび濃HCl(1.5wt当量)中の((c)、1当量)の溶液を加熱し、かん流で≧16時間(約65℃)で撹拌し、完了についてモニタリングした。反応を≦35℃に冷却し、真空下、≦45℃で3.8容量まで濃縮し、3容量の2-MeTHFを充填して、真空下、≦45℃で3.8容量まで濃縮し、3容量の2-MeTHFを充填して、真空下、≦45℃で3.8容量まで濃縮し、内部温度を≦35℃で維持しながら、12容量の2-MeTHF、次いで10容量の1M NaOH、次いで1.5重量当量の25% KHCO3を充填した。内部温度を20℃に調整し、≧15分間撹拌した。1M HClまたは1M NaOHを用いてpHを8~10に調整/維持した。撹拌を停止して、静置した後、水相を分離して、1容量のH2Oを添加して、溶液を≧15分撹拌して、静置した後水相を除去して、さらなる1容量のH2Oを添加して、静置した後水層を分離した。有機層を真空下、≦45°で3容量まで濃縮し、溶液を3容量のヘプタンで処理し、20℃で12時間撹拌した。濾過により固体を回収し、濾過ケークを2容量のヘプタンですすいだ。溶媒を≦50℃で蒸発させ、表題の化合物(d)を>90%の収率で得た。
【0064】
工程4-化合物(R)-6-(2-アミノ-4-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オール(e)の調製
14.2容量のMeCNおよび4.8容量のDCM中の1当量の(d)を40℃に加熱した。これに、(+)-2,3-ジベンゾイル-D-酒石酸[(+)-DBTA、0.5当量]を添加して、かん流(約65℃)まで加熱した。反応器を50℃まで約1時間冷却し、40℃まで約1時間冷却し、25℃まで約1時間冷却した。スラリーを濾過し、濾過ケークを2容量のDCMで洗浄した。湿潤の濾過ケークを8容量のDCM中、≧1hかん流した(約44℃)。溶液を、15℃/hの速度で25℃まで冷却し、25℃で≧1時間撹拌した。スラリーを濾過して、2容量のDCMで洗浄し、再度、ケークを8容量のDCMにより周囲温度で1時間スラリー化し、次いで濾過して、2容量のDCMで洗浄し乾燥させた。(この点でキラル純度をアッセイし、>90%のエナンチオマー過剰を得た)。
【0065】
(+)-DBTA塩、15容量の水および3容量のメタノールを含む溶液を4.6容量の25% KHCO3水溶液で処理し、25℃で≧1h撹拌した。濾過により固体を回収し、4容量の水ですすいだ。必要に応じて25% KHCO3を使用して、水層を≧8のpHに調整し、得られた固体を濾過により回収した。濾過ケークを4容量の水で洗浄した。合わせた固体を4容量の水に添加し、得られたスラリーを≧1hの間撹拌し、次いで固体を濾過により回収した。濾過ケークを4容量の水および4容量のヘプタンで洗浄し、≦50℃で乾燥させ、表題の化合物(R)-6-(2-アミノ-4-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オール(e)を得た。収率は>90%であると決定され、eeは>90%であると決定された。
【0066】
工程5-(R)-N-エチル-3-(4-((エチル(2-(6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)-5-メトキシフェニル)アミノ)メチル)プロパンアミド(g)の調製
1当量の化合物(e)と共に1wt当量の活性化分子ふるいおよび無水THFを含む混合物を周囲温度で≧2時間撹拌した。混合物をTHF緻密セライトにより濾過し、10容量のTHFですすいだ。溶液に、N-エチル-2-(4-ホルミルフェニル)アセトアミド(f)(1.2当量)および7.5容量のヘプタンおよびDBTA(0.1%)を添加し、かん流(約65℃)まで加熱した。混合物を雰囲気、かん流で10容量まで蒸留した。TLCにより完了について反応をモニタリングした。2.9容量のヘプタンおよび7.1容量のTHFを添加して、反応を、雰囲気、かん流で10容量まで蒸留し、TLCにより完了についてモニタリングした。溶液を20℃まで冷却し、≧5時間撹拌し、結晶化が起こることを確実にした。固体生成物を濾過により回収し、2容量のヘプタンですすぎ、40容量の無水THFに溶解し、4.5当量のNaBH(OAc)3で処理した。混合物を50℃まで≧16時間加熱し、TLCによりモニタリングした。さらなる4.5当量のNaBH(OAc)3を添加した(反応が完了しなかった場合はこの点でさらなるN-エチル-2-(4-ホルミルフェニル)アセトアミド(f)を添加し得た)。反応を20℃まで冷却し、15容量の3M NaOHでクエンチした。溶液/混合物を≧30分撹拌し、必要に応じてpHを9%水性NaHCO3(約14容量)で8~9に調整した。水層を分離して、有機層を真空下、≦45℃で5容量まで濃縮した。得られた溶液を10容量のEtOAcで希釈し、真空下、≦45℃で5容量まで濃縮した。溶液を10容量のEtOAcおよび5容量の5.6% NaCl溶液で処理し、撹拌し、次いで静置させて水層を除去した。混合物をNa2SO4(4wt)で乾燥させ、濾過して、真空下、≦45℃で5容量まで濃縮し、10容量のヘプタンで処理し、真空下、≦45℃で5容量まで濃縮し、10容量のヘプタンで処理し、真空下、≦45℃で5容量まで濃縮し、10容量のヘプタンで処理し、真空下、≦45℃で5容量まで濃縮した。次いで溶液を10容量のTHF で処理し、真空下、≦45℃で乾燥させ、10容量のTHFで処理し、真空下、≦45℃で5容量まで乾燥させ、5容量のTHFで処理し、GCで残存ヘプタンを蒸発させ(<4%)、THF溶液を次の反応に持ち越した。最終生成物の収率は>90%であると決定された。
【0067】
工程6-(R)-6-(2-(エチルアミノ)エチル)ベンジル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オール(化合物1)の調製
反応器に、7容量のTHFおよび2.5当量のNaBH4を充填して、-10℃~0℃に冷却した。反応器温度を≦5℃に維持しながら、溶液に、工程6から持ち越されたTHF溶液(1等量の中間体(g))を充填した。溶液を撹拌して、内部温度を-25℃に調整した。温度を≦-10℃に維持しながら、1容量のTHF中1等量のI2を溶液に添加した。混合物を≦-10℃で≧30分間撹拌し、次いでかん流まで加熱して、かん流(約66℃)で4時間撹拌し、完了についてHPLCによりモニタリングした。反応混合物を≦5℃に冷却し、≦-10℃の反応混合物温度を維持しながら0.5容量の濃HClでクエンチし、次いで15容量の水で処理した。pHをチェックして、必要に応じて1.5未満に調整した。次いで溶液をかん流まで加熱して、内部温度が80℃に達するまで常圧で蒸留した。反応混合物を15~25℃に冷却し、6時間撹拌し、濾過により固体を単離した。10容量のEtOAcおよび5容量の1M NaOHと共に固体を反応器に充填して戻し、10~20℃で混合物を30分まで撹拌した。pHをチェックして、必要に応じて8~9に調整した。有機層および水層を分離させ、水層を除去して10容量のEtOAcで洗浄した。水層を除去して、合わせた有機層を2x5容量の5%チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を4x10容量の1% NaCl溶液で洗浄した。水層を除去して、有機層を45℃までの外部温度で3容量まで濃縮した。3回、残渣を10容量のEtOHに溶解して≦45℃で3容量まで濃縮した。溶液をNa2SO4で乾燥させ、濾過して、濾過液を反応器に充填して、1容量のEtOAcで処理し、撹拌して、EtOH(1.4容量)中の3.3M HClを充填して、混合物を15~25℃で≧2時間撹拌し、≦45℃で4.6容量まで濃縮した。溶液を12.4容量のEtOAcで処理し、15~25℃で≧2時間撹拌して、結晶化が起こることを確実にした。濾過により固体を回収し、3.1容量のEtOAcですすいだ。濾過ケークを≦50℃で乾燥させた。純度について材料をアッセイし得、所望の場合はMeOH/EtOAcから再結晶化し得る。最終生成物の収率は>50%であり、純度は>90%であった。所望の場合、生成物をEtOH/EtOAcから再結晶化し得、良好な安定性を有する多形体を作製し得る。
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
項1
(a)~(g)
【化A-1】

から選択される化合物。
項2
>50%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項3
>60%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項4
>70%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項5
>80%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項6
>90%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項7
>95%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項8
>98%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項9
>99%のエナンチオマー過剰で存在する、式(e)または(g)を有する項1記載の化合物。
項10
塩基および遷移金属触媒の存在下での式(I):
【化A-2】

の化合物と、式(II):
【化A-3】

の化合物の反応を含む、式(III):
【化A-4】

の化合物を調製する方法であって;
P 1 はHまたはフェノール保護基であり;
P 2 はH、Etまたはアミノ保護基であり;
Xはハロゲン、遷移金属またはホウ素含有化合物であり;
X'はハロゲン、遷移金属含有官能基またはホウ素含有官能基であり、ここで該XおよびX'は、化合物(I)と化合物(II)のクロスカップリングに適切である、方法。
項11
P 1 がH、または(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C 1 -C 5 アルキル) 3 、Si(アリール) 2 (C 1 -C 5 アルキル)およびCH 2 アリールから選択される保護基であり;
P 2 がH、Et、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキルアリールまたは(C=O-(CH 2 ) n -C=O)-であり;
XがB(OR) 2 、B(-O-(C(R a ) 2 ) n -O-)、Cl、Br、I、OSO 2 CF 3 またはOSO 2 (アリール)であり;
X'がB(OR) 2 、B(-O-(C(R a ) 2 ) n -O-)、Cl、Br、I、OSO 2 CF 3 またはOSO 2 (アリール)であり、
それぞれのRが独立して、H、C 1 - 3 アルキルまたはアリールであり;
それぞれのR a が独立して、C 1-3 アルキルまたはアリールであり;
それぞれのnが独立して、2または3の整数であり、
ここでXがB(OR) 2 またはB(-O-(C(R a ) 2 ) n -O-)である場合、X'はCl、Br、I、OSO 2 CF 3 またはOSO 2 (アリール)である、項10記載の方法。
項12
P 1 がH、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリールまたはCH 2 アリールであり;
P 2 がH、Et、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリールまたは(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキルアリールであり;
XがB(OR) 2 またはB(-O-(C(R a ) 2 ) n -O-)であり;
X'がCl、Br、IまたはOSO 2 CF 3 であり;
Rが独立して、H、C 1 - 3 アルキルまたはアリールであり;
それぞれのR a が独立して、C 1-3 アルキルまたはアリールであり;
nが2または3の整数である、項10記載の方法。
項13
P 1 がH、(C=O)-C 1 -C 8 アルキルまたはCH 2 アリールであり;
P 2 がH、Et、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリールまたは(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキルであり;
XがB(OR) 2 またはB(-O-(C(R a )2) n -O-)であり;
X'がCl、Br、IまたはOSO 2 CF 3 であり;
RがHであり、R a がCH 3 であり;
n=2である、項10記載の方法。
項14
方法が、遷移金属触媒の存在下で行われ、該遷移金属触媒が、Pd(II)、Cu(0)もしくはPd(0)またはそれらの任意の組合せを含む、項10~13いずれか記載の方法。
項15
Pd(OAc) 2 、Pd(PPh 3 ) 4 、PdCl 2 (PPh 3 ) 2 、Pd(dppf)Cl 2 、Pd 2 (Dba) 3 、Cu(0)、Pd(PCy 3 ) 2 およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される遷移金属触媒の存在下で行われる、項10~14いずれか記載の方法。
項16
無機塩基もしくは有機塩基またはそれらの任意の組合せの存在下で行われる、項10~15いずれか記載の方法。
項17
無機塩基の存在下で行われる、項10~16いずれか記載の方法。
項18
式(I)、(II)および(III)の化合物が、(a)、(aa')および(b):
【化A-5】

である、項10~17いずれか記載の方法。
項19
還元剤の存在下での式(III):
【化A-6】

の化合物の還元を含む、式(IV):
【化A-7】

の化合物を調製する方法であって:
P 1 がHまたはフェノール保護基であり、P 2 がH、Etまたはアミノ保護基である、方法。
項20
還元剤が遷移金属触媒であり、還元がH 2 の存在下で行われる、項19記載の方法。
項21
遷移金属触媒がPd(II)を含む、項20記載の方法。
項22
該遷移触媒がPd(OH) 2 である、項21記載の方法。
項23
P 1 がH、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C 1 -C 5 アルキル) 3 、Si(アリール) 2 (C 1 -C 5 アルキル)またはCH 2 アリールであり;P 2 がH、Et、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-O-アリール、(C=O)-O-ヘテロアリール、(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキルアリールまたは-(C=O-(CH 2 ) n -C=O)である、項19~22いずれか記載の方法。
項24
P 1 がH、(C=O)-C 1 -C 8 アルキルまたはCH 2 アリールであり;P 2 がEt、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリールまたは(C=O)-O-C 1 -C 8 アルキルである、項23記載の方法。
項25
P 1 がHであり;P 2 が(C=O)-CH 3 である、項24記載の方法。
項26
式(IV):
【化A-8】

の化合物と、酸、塩基、求核試薬または還元剤との反応を含む、式(V):
【化A-9】

の化合物を調製する方法であって:
P 1 がHまたはフェノール保護基であり;P 2 がアミノ保護基であり;R b がHまたはEtである、方法。
項27
P 2 が(C=O)-CH 3 であり;R b がHである、項26記載の方法。
項28
式(IV)の化合物が水素化物含有還元剤で処理される、項27記載の方法。
項29
該水素化物含有還元剤が無機水素化物含有還元剤である、項28記載の方法。
項30
該無機水素化物含有還元剤がホウ素またはアルミニウムを含む、項29記載の方法。
項31
該還元剤が、ナトリウム、リチウムまたはカリウムを含む水素化ホウ素または水素化アルミニウムである、項30記載の方法。
項32
該還元剤が、AlH 3 、AlH 2 Cl、AlHCl 2 、NaBH 4 、LiAlH 4 、LiBH 4 、LiEt 3 BH、BH 3 、BH 3 .THF、CH 3 CH 2 C(O)OBH 3 Na、Zn(OAc) 2 /(EtO) 3 SiH、Mg/TiCL 4 、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せである、項26記載の方法。
項33
R b がHであり;P 2 がアミノ保護基であり、式(IV)による化合物が、酸、塩基または求核試薬で処理される、項26記載の方法。
項34
項33による化合物が、酸または塩基で処理される、項33記載の方法。
項35
該酸または塩基が水溶液中にある、項34記載の方法。
項36
式(V)
【化A-10】

の化合物とキラル酸を接触させて、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化させる工程、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化する工程、および式(VI)の化合物を遊離させる工程を含む、式(VI):
【化A-11】

の化合物のエナンチオマー過剰を増加させるための方法であって、P 1 がHまたはフェノール保護基であり;R b がHまたはEtである、方法。
項37
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>10%である、項36記載の方法。
項38
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>50%である、項36記載の方法。
項39
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>75%である、項36記載の方法。
項40
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>90%である、項36記載の方法。
項41
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>95%である、項36記載の方法。
項42
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>98%である、項36記載の方法。
項43
式(VI)の化合物の該エナンチオマー過剰が>99%である、項36記載の方法。
項44
アスパラギン酸、O-アセチル-マンデル酸、シス-2-ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸、リン酸水素1,1'-ビナフチル(Binapthyl)-2,2'-ジイル、ショウノウ酸、10-ショウノウスルホン酸、トランス-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ジベンゾイル-酒石酸、ジアセチル-酒石酸、ジ-p-トルオイル(toluoyl)-酒石酸、N-(3,5-ジニトロベンゾイル)-α-フェニルグリシン、ジアセチル-酒石酸無水物、ジアセチル-酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マンデル酸、N-(α-メチルベンジル)フタルアミド酸、2-(6-メトキシ-2-ナフチル(napthyl))プロピオン酸、ピログルタミン酸、キナ酸および酒石酸またはそれらの組合せから選択される(+)または(-)キラル酸を使用する、項36~43いずれか記載の方法。
項45
(+)-2,3-ジベンゾイル-D-酒石酸を使用する、項36~44いずれか記載の方法。
項46
P 1 がH、(C=O)-C 1 -C 8 アルキル、(C=O)-アリール、(C=O)-ヘテロアリール、Si(C 1 -C 5 アルキル) 3 、Si(アリール) 2 (C 1 -C 5 アルキル)またはCH 2 アリールである、項36~45いずれか記載の方法。
項47
P 1 がH、(C=O)-C 1 -C 8 アルキルまたはCH 2 アリールである、項36~46いずれか記載の方法。
項48
P 1 が-CH 2 PhまたはHである、項36~47いずれか記載の方法。
項49
P 1 がHである、項36~48いずれか記載の方法。
項50
還元剤の存在下での式(f):
【化A-12】

の化合物と、式(VI)
【化A-13】

の化合物の反応を含む、式(VII):
【化A-14】

(式中、P 1 はHまたはフェノール保護基である)の化合物を調製するための方法であって、ここでP 1 はHまたはフェノール保護基であり、R b はHまたはEtである、方法。
項51
該還元剤がNaBH n (OAc) n' であり;R b がHであり;nが1~3の整数であり;n'が1~3の整数であり;n+n'=4である、項50記載の方法。
項52
NaBH n (OAc) n' がNaBH(OAc) 3 である、項51記載の方法。
項53
R b がEtである、項50記載の方法。
項54
該還元剤が無機水素化物含有還元剤である、項53記載の方法。
項55
該無機水素化物含有還元剤がホウ素またはアルミニウムを含む、項54記載の方法。
項56
該還元剤が、ナトリウム、リチウムまたはカリウムを含む水素化ホウ素または水素化アルミニウムである、項55記載の方法。
項57
該還元剤が、AlH 3 、AlH 2 Cl、AlHCl 2 、NaBH 4 、LiAlH 4 、LiBH 4 、LiEt 3 BH、BH 3 、BH 3 .THF、CH 3 CH 2 C(O)OBH 3 Na、Zn(OAc) 2 /(EtO) 3 SiH、Mg/TiCL 4 、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せである、項53記載の方法。
項58
P 1 がHである、項50~57いずれか記載の方法。
項59
式(VII):
【化A-15】

の化合物の還元を含む、式(VIII):
【化A-16】

の化合物を調製する方法であって、P 1 がHまたはフェノール保護基である、方法。
項60
AlH 3 、AlH 2 Cl、AlHCl 2 、NaBH 4 、LiAlH 4 、LiBH 4 、LiEt 3 BH、BH 3 、BH 3 .THF、CH 3 CH 2 C(O)OBH 3 Na、Zn(OAc) 2 /(EtO) 3 SiH、Mg/TiCL 4 、(HBpin)/トリス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリニル)フェニルボレートMgMeまたはそれらの組合せの存在下で行われる、項59記載の方法。
項61
インサイチュで生成されたBH 3 の存在下で行われる、項59記載の方法。
項62
NaBH 4 /I 2 の存在下で行われる、項59記載の方法。
項63
P 1 がHである、項59記載の方法。
項64
式(VII)
【化A-17】

の化合物の還元を含む、式(VIII)
【化A-18】

の化合物を調製する方法であって、
該式(VII)の化合物が、式(f)
【化A-19】

の化合物の存在下での式(VI)
【化A-20】

の化合物の還元性アミン化により調製され、
該式(VI)の化合物が、式(V)
【化A-21】

の化合物とキラル酸を接触させて、エナンチオマー的に富化された塩を形成すること、エナンチオマー的に富化された塩を結晶化すること、および式(VI)の化合物を遊離させることにより調製され、
該式(V)の化合物が、還元剤による式(IV)
【化A-22】

の化合物の処理により調製され、
該式(IV)の化合物が、式(III)
【化A-23】

の化合物の還元により調製され、
該式(III)の化合物が、式(I)
【化A-24】

の化合物と、式(II)
【化A-25】

の化合物とのカップリングにより調製され、
ここでP 1 がHまたはフェノール保護基であり;R b がHまたはEtであり;P 2 が(C=O)-CH 3 であり;Xがハロゲン、遷移金属またはホウ素含有化合物であり;X'がハロゲン、遷移金属含有官能基またはホウ素含有官能基であり;該XおよびX'が化合物(I)と化合物(II)とのクロスカップリングに適切である、方法。
項65
P 1 がHである、項64記載の方法。