(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】端末装置、基地局装置、および、通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1268 20230101AFI20250415BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20250415BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20250415BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20250415BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20250415BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20250415BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04L27/26 113
H04W28/06 110
H04W72/0446
H04W72/231
H04W72/232
(21)【出願番号】P 2021551487
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2020037575
(87)【国際公開番号】W WO2021066154
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】P 2019183240
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】劉 麗清
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/050381(WO,A1)
【文献】特表2020-533891(JP,A)
【文献】Sharp,PUSCH enhancements for NR URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #98 R1-1909101,2019年08月30日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98/Docs/R1-1909101.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04L 27/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを受信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を受信し、あるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を受信する受信部と、
前記第1の情報および前記第3の情報に基づいて前記第1の時間リソースを特定する決定部と、を備え、
前記決定部は、
前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記受信部が複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで受信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いず、
前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで上りリンクと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用い、
前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いる端末装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記第2の情報を物理下りリンク制御チャネルで受信する請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記第2の情報をRRCメッセージで受信する請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
端末装置と通信を行なう基地局装置であって、
一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを送信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を送信し、前記端末装置があるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を送信する送信部と、
前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて前記物理上りリンク共用チャネルを受信する受信部と、を備え、
前記受信部は、
前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記送信部が前記端末装置に対して複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで送信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いず、
前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで上りリンクと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用い、
前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いる基地局装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記第2の情報を物理下りリンク制御チャネルで送信する請求項4記載の基地局装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記第2の情報をRRCメッセージで送信する請求項4記載の基地局装置。
【請求項7】
端末装置の通信方法であって、
一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを受信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を受信し、あるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を受信し、
前記第1の情報および前記第3の情報に基づいて前記第1の時間リソースを特定し、
前記第1のビットフィールドが第1の値であり、複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで受信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いず、
前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで上りリンクと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用い、
前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いる通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、基地局装置、および、通信方法に関する。
本願は、2019年10月3日に日本に出願された特願2019-183240号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
現在、第5世代のセルラーシステムに向けた無線アクセス方式および無線ネットワーク技術として、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP: The Third Generation Partnership Project)において、LTE(Long Term Evolution)-Advanced Pro及びNR(New Radio technology)の技術検討及び規格策定が行われている(非特許文献1)。
【0003】
第5世代のセルラーシステムでは、高速・大容量伝送を実現するeMBB(enhanced Mobile BroadBand)、低遅延・高信頼通信を実現するURLLC(Ultra-Reliable and Low LatencyCommunication)、IoT(Internet of Things)などマシン型デバイスが多数接続するmMTC(massive Machine Type Communication)の3つがサービスの想定シナリオとして要求されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】RP-161214, NTT DOCOMO, “Revision of SI: Study on New Radio Access Technology”, 2016年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記のような無線通信システムにおいて、効率的な通信を可能とする端末装置、基地局装置、および、通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の態様は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の一態様における端末装置は、一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを受信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を受信し、あるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を受信する受信部と、前記第1の情報および前記第3の情報に基づいて前記第1の時間リソースを特定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記受信部が複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで受信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いず、前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いる。
【0007】
(2)また、本発明の一態様における基地局装置は、端末装置と通信を行なう基地局装置であって、一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを送信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を送信し、前記端末装置があるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を送信する送信部と、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて前記物理上りリンク共用チャネルを受信する受信部と、を備え、前記受信部は、前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記送信部が前記端末装置に対して複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで送信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いず、前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いる。
【0008】
(3)また、本発明の一態様における通信方法は、端末装置の通信方法であって、一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを受信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を受信し、あるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を受信し、前記第1の情報および前記第3の情報に基づいて前記第1の時間リソースを特定し、前記第1のビットフィールドが第1の値であり、複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで受信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いず、前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いる。
【0009】
(4)また、本発明の一態様における通信方法は、基地局装置の通信方法であって、一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報を含むRRCメッセージを送信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を送信し、前記端末装置があるトランスポートブロックのための物理上りリンク共用チャネルを送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報を送信し、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて前記物理上りリンク共用チャネルを受信し、前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記端末装置に対して複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報を物理下りリンク制御チャネルで送信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるシンボルおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いず、前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いる。
【発明の効果】
【0010】
この発明の一態様によれば、端末装置と基地局装置が、効率的に通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの概念を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るSS/PBCHブロックおよびSSバーストセットの例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る上りリンクおよび下りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るサブフレーム、スロット、ミニスロットの時間領域における関係を示した図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るスロットまたはサブフレームの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るスロットフォーマットのテーブルの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るビームフォーミングの一例を示した図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るPUSCHに適用するリソース割り当てテーブルの決定法を示すテーブルの一例である。
【
図9】本発明の実施形態に係るPUSCHに適用するリソース割り当てテーブルの決定法を示すテーブルの別の一例である。
【
図10】本実施形態に係るPUSCHデフォルトテーブルAの一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るPUSCHデフォルトテーブルBの一例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るRRCパラメータPUSCH-TimeDomainResourceAllocationのパラメータ構成の一例を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るSLIVを算出する一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るRRCパラメータPUSCH-TimeDomainResourceAllocation2のパラメータ構成の一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るRRCパラメータPUSCH-TimeDomainResourceAllocation3のパラメータ構成の一例を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るPUSCHの送信に利用可能な上りシンボルの一例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るPUSCHの繰返し送信におけるPUSCHのドロッピングの例を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係るPUSCHの繰返し送信におけるPUSCHの時間リソース配置の例を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態に係るPUSCHのセグメンテーションの一例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係るPUSCHのセグメンテーションの別の一例を示す図である。
【
図21】本発明の実施形態に係る第1の周波数ホッピングの概略図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る第2の周波数ホッピングの概略図である。
【
図23】本発明の実施形態に係る端末装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【
図24】本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における無線通信システムの概念図である。
図1において、無線通信システムは、端末装置1A、端末装置1B、および基地局装置3を具備する。以下、端末装置1A、および、端末装置1Bを、端末装置1とも称する。
【0014】
端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置3は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(Node B)、eNB(evolved Node B)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)、NR NB(NR Node B)、NNB、TRP(Transmission and Reception Point)、gNBとも称される。基地局装置3は、コアネットワーク装置を含んでも良い。また、基地局装置3は、1つまたは複数の送受信点4(transmission reception point)を具備しても良い。以下で説明する基地局装置3の機能/処理の少なくとも一部は、該基地局装置3が具備する各々の送受信点4における機能/処理であってもよい。基地局装置3は、基地局装置3によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置1をサーブしてもよい。また、基地局装置3は、1つまたは複数の送受信点4によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置1をサーブしてもよい。また、基地局装置3は、1つのセルを複数の部分領域(Beamed area)にわけ、それぞれの部分領域において端末装置1をサーブしてもよい。ここで、部分領域は、ビームフォーミングで使用されるビームのインデックスあるいはプリコーディングのインデックスに基づいて識別されてもよい。
【0015】
本実施形態では、基地局装置3から端末装置1への無線通信リンクは下りリンクと称される。本実施形態では、端末装置1から基地局装置3への無線通信リンクは上りリンクと称される。
【0016】
図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信では、サイクリックプレフィックス(CP: Cyclic Prefix)を含む直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、シングルキャリア周波数多重(SC-FDM: Single-Carrier Frequency Division Multiplexing)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM: Discrete Fourier Transform Spread OFDM)、マルチキャリア符号分割多重(MC-CDM: Multi-Carrier Code Division Multiplexing)が用いられてもよい。
【0017】
また、
図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信では、ユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC: Universal-Filtered Multi-Carrier)、フィルタOFDM(F-OFDM: Filtered OFDM)、窓関数が乗算されたOFDM(Windowed OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC: Filter-Bank Multi-Carrier)が用いられてもよい。
【0018】
なお、本実施形態ではOFDMを伝送方式としてOFDMシンボルで説明するが、上述の他の伝送方式の場合を用いた場合も本発明の一態様に含まれる。
【0019】
また、
図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信では、CPを用いない、あるいはCPの代わりにゼロパディングをした上述の伝送方式が用いられてもよい。また、CPやゼロパディングは前方と後方の両方に付加されてもよい。
【0020】
本実施形態の一態様は、LTEやLTE-A/LTE-A Proといった無線アクセス技術(RAT: Radio Access Technology)とのキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティにおいてオペレーションされてもよい。このとき、一部またはすべてのセルまたはセルグループ、キャリアまたはキャリアグループ(例えば、プライマリセル(PCell: Primary Cell)、セカンダリセル(SCell: Secondary Cell)、プライマリセカンダリセル(PSCell)、MCG(Master Cell Group)、SCG(Secondary Cell Group)など)で用いられてもよい。また、本実施形態の一態様は、単独でオペレーションするスタンドアローンで用いられてもよい。デュアルコネクティビティオペレーションにおいては、SpCell(Special Cell)は、MAC(MAC: Medium Access Control)エンティティがMCGに関連付けられているか、SCGに関連付けられているかに応じて、それぞれ、MCGのPCellまたは、SCGのPSCellと称する。デュアルコネクティビティオペレーションでなければ、SpCell(Special Cell)は、PCellと称する。SpCell(Special Cell)は、PUCCH送信と、競合ベースランダムアクセスをサポートする。
【0021】
本実施形態では、端末装置1に対して1つまたは複数のサービングセルが設定されてもよい。設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリセルと1つまたは複数のセカンダリセルとを含んでもよい。プライマリセルは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャが行なわれたサービングセル、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャを開始したサービングセル、または、ハンドオーバプロシージャにおいてプライマリセルと指示されたセルであってもよい。RRC(Radio Resource Control)コネクションが確立された時点、または、後に、1つまたは複数のセカンダリセルが設定されてもよい。ただし、設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリセカンダリセルを含んでもよい。プライマリセカンダリセルは、端末装置1が設定された1つまたは複数のセカンダリセルのうち、上りリンクにおいて制御情報を送信可能なセカンダリセルであってもよい。また、端末装置1に対して、マスターセルグループとセカンダリセルグループの2種類のサービングセルのサブセットが設定されてもよい。マスターセルグループは1つのプライマリセルと0個以上のセカンダリセルで構成されてもよい。セカンダリセルグループは1つのプライマリセカンダリセルと0個以上のセカンダリセルで構成されてもよい。
【0022】
本実施形態の無線通信システムは、TDD(Time Division Duplex)および/またはFDD(Frequency Division Duplex)が適用されてよい。複数のセルの全てに対してTDD(Time Division Duplex)方式またはFDD(Frequency Division Duplex)方式が適用されてもよい。また、TDD方式が適用されるセルとFDD方式が適用されるセルが集約されてもよい。TDD方式はアンペアードスペクトラムオペレーション(Unpaired spectrum operation)と称されてもよい。FDD方式はペアードスペクトラムオペレーション(Paired spectrum operation)と称されてもよい。
【0023】
本実施形態の下りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアは下りリンクコンポーネントキャリア(あるいは下りリンクキャリア)と称される。本実施形態の上りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアは上りリンクコンポーネントキャリア(あるいは上りリンクキャリア)と称される。本実施形態のサイドリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアはサイドリンクコンポーネントキャリア(あるいはサイドリンクキャリア)と称される。下りリンクコンポーネントキャリア、上りリンクコンポーネントキャリア、および/またはサイドリンクコンポーネントキャリアは総じてコンポーネントキャリア(あるいはキャリア)と称される。
【0024】
本実施形態の物理チャネルおよび物理信号について説明する。
【0025】
図1において、端末装置1と基地局装置3の無線通信では、以下の物理チャネルが用いられる。
【0026】
・PBCH(物理報知チャネル:Physical Broadcast CHannel)
・PDCCH(物理下りリンク制御チャネル:Physical Downlink Control CHannel)
・PDSCH(物理下りリンク共用チャネル:Physical Downlink Shared CHannel)
・PUCCH(物理上りリンク制御チャネル:Physical Uplink Control CHannel)
・PUSCH(物理上りリンク共用チャネル:Physical Uplink Shared CHannel)
・PRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access CHannel)
【0027】
PBCHは、端末装置1が必要な重要なシステム情報を含む重要情報ブロック(MIB: Master Information Block、EIB: Essential Information Block、BCH:Broadcast Channel)を報知するために用いられる。
【0028】
また、PBCHは、同期信号のブロック(SS/PBCHブロックとも称する)の周期内の時間インデックスを報知するために用いられてよい。ここで、時間インデックスは、セル内の同期信号およびPBCHのインデックスを示す情報である。例えば、3つの送信ビーム(送信フィルタ設定、受信空間パラメータに関する擬似同位置(QCL:Quasi Co-Location))の想定を用いてSS/PBCHブロックを送信する場合、予め定められた周期内または設定された周期内の時間順を示してよい。また、端末装置は、時間インデックスの違いを送信ビームの違いと認識してもよい。
【0029】
PDCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置3から端末装置1への無線通信)において、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信する(または運ぶ)ために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、1つまたは複数のDCI(DCIフォーマットと称されてもよい)が定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドは、DCIとして定義され、情報ビットへマップされる。PDCCHは、PDCCH候補において送信される。端末装置1は、サービングセルにおいてPDCCH候補(candidate)のセットをモニタする。ただし、モニタするとは、あるDCIフォーマットに応じてPDCCHのデコードを試みることを意味してよい。
【0030】
例えば、以下のDCIフォーマットが定義されてよい。
・DCIフォーマット0_0
・DCIフォーマット0_1
・DCIフォーマット0_2
・DCIフォーマット1_0
・DCIフォーマット1_1
・DCIフォーマット1_2
・DCIフォーマット2_0
・DCIフォーマット2_1
・DCIフォーマット2_2
・DCIフォーマット2_3
【0031】
DCIフォーマット0_0は、あるサービングセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。DCIフォーマット0_0は、PUSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報を含んでよい。DCIフォーマット0_0は、識別子であるRadio Network Temporary Identifier(RNTI)のうち、Cell-RNTI(C-RNTI)、Configured Scheduling(CS)-RNTI)、MCS―C-RNTI、および/または、Temporary C-NRTI(TC-RNTI)の何れかによってスクランブルされるCRC(Cyclic Redundancy Check)が付加されてもよい。DCIフォーマット0_0は、コモンサーチスペースまたはUE固有サーチスペースにおいてモニタされてもよい。
【0032】
DCIフォーマット0_1は、あるサービングセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。DCIフォーマット0_1は、PUSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報、帯域部分(BWP:BandWidth Part)を示す情報、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)リクエスト、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)リクエスト、および/または、アンテナポートに関する情報を含んでよい。DCIフォーマット0_1は、RNTIのうち、C-RNTI、CS-RNTI、Semi Persistent(SP)-CSI-RNTI、および/または、MCS―C-RNTIの何れかによってスクランブルされるCRCが付加されてもよい。DCIフォーマット0_1は、UE固有サーチスペースにおいてモニタされてもよい。
【0033】
DCIフォーマット0_2は、あるサービングセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。DCIフォーマット0_2は、PUSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報、BWPを示す情報、CSIリクエスト、SRSリクエスト、および/または、アンテナポートに関する情報を含んでよい。DCIフォーマット0_2は、RNTIのうち、C-RNTI、CSI-RNTI、SP-CSI-RNTI、および/または、MCS-C-RNTIの何れかによってスクランブルされるCRCが付加されてもよい。DCIフォーマット0_2は、UE固有サーチスペースにおいてモニタされてもよい。DCIフォーマット0_2は、DCIフォーマット0_1A等と称されるかもしれない。
【0034】
DCIフォーマット1_0は、あるサービングセルにおけるPDSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。DCIフォーマット1_0は、PDSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報を含んでよい。DCIフォーマット1_0は、識別子のうち、C-RNTI、CS-RNTI、MCS―C-RNTI、Paging RNTI(P-RNTI)、System Information(SI)-RNTI、Random Access(RA)-RNTI、および/または、TC-RNTIの何れかによってスクランブルされるCRCが付加されてもよい。DCIフォーマット1_0は、コモンサーチスペースまたはUE固有サーチスペースにおいてモニタされてもよい。
【0035】
DCIフォーマット1_1は、あるサービングセルにおけるPDSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。DCIフォーマット1_1は、PDSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報、帯域部分(BWP)を示す情報、送信設定指示(TCI:Transmission Configuration Indication)、および/または、アンテナポートに関する情報を含んでよい。DCIフォーマット1_1は、RNTIのうち、C-RNTI、CS-RNTI、および/または、MCS―C-RNTIの何れかによってスクランブルされるCRCが付加されてもよい。DCIフォーマット1_1は、UE固有サーチスペースにおいてモニタされてもよい。
【0036】
DCIフォーマット1_2は、あるサービングセルにおけるPDSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。DCIフォーマット1_2は、PDSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報、BWPを示す情報、TCI、および/または、アンテナポートに関する情報を含んでよい。DCIフォーマット1_2は、RNTIのうち、C-RNTI、CS-RNTI、および/または、MCS―C-RNTIの何れかによってスクランブルされるCRCが付加されてもよい。DCIフォーマット1_2は、UE固有サーチスペースにおいてモニタされてもよい。DCIフォーマット1_2は、DCIフォーマット1_1A等と称されるかもしれない。
【0037】
DCIフォーマット2_0は、1つまたは複数のスロットのスロットフォーマットを通知するために用いられる。スロットフォーマットは、スロット内の各OFDMシンボルが下りリンク、フレキシブル、上りリンクのいずれかに分類されたものとして定義される。例えば、スロットフォーマットが28の場合、スロットフォーマット28が指示されたスロット内の14シンボルのOFDMシンボルに対してDDDDDDDDDDDDFUが適用される。ここで、Dが下りリンクシンボル、Fがフレキシブルシンボル、Uが上りリンクシンボルである。なお、スロットについては後述する。
【0038】
DCIフォーマット2_1は、端末装置1に対して、送信がないと想定してよい物理リソースブロック(PRBあるいはRB)とOFDMシンボルを通知するために用いられる。なお、この情報はプリエンプション指示(間欠送信指示)と称してよい。
【0039】
DCIフォーマット2_2は、PUSCHおよびPUSCHのための送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)コマンドの送信のために用いられる。
【0040】
DCIフォーマット2_3は、1または複数の端末装置1によるサウンディング参照信号(SRS)送信のためのTPCコマンドのグループを送信するために用いられる。また、TPCコマンドとともに、SRSリクエストが送信されてもよい。また、DCIフォーマット2_3に、PUSCHおよびPUCCHのない上りリンク、またはSRSの送信電力制御がPUSCHの送信電力制御と紐付いていない上りリンクのために、SRSリクエストとTPCコマンドが定義されてよい。
【0041】
下りリンクに対するDCIを、下りリンクグラント(downlink grant)、または、下りリンクアサインメント(downlink assignment)とも称する。ここで、上りリンクに対するDCIを、上りリンクグラント(uplink grant)、または、上りリンクアサインメント(Uplink assignment)とも称する。DCIを、DCIフォーマットとも称してもよい。
【0042】
1つのPDCCHで送信されるDCIフォーマットに付加されるCRCパリティビットは、SI-RNTI、P-RNTI、C-RNTI、CS-RNTI、RA-RNTI、または、TC-RNTIでスクランブルされる。SI-RNTIはシステム情報のブロードキャストに使用される識別子であってもよい。P-RNTIは、ページングおよびシステム情報変更の通知に使用される識別子であってもよい。C-RNTI、MCS-C-RNTI、および、CS-RNTIは、セル内において端末装置を識別するための識別子である。TC-RNTIは、競合ベースのランダムアクセス手順(contention based random access procedure)中に、ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置1を識別するための識別子である。
【0043】
C-RNTIは、1つまたは複数のスロットにおけるPDSCHまたはPUSCHを制御するために用いられる。CS-RNTIは、PDSCHまたはPUSCHのリソースを周期的に割り当てるために用いられる。MCS-C-RNTIは、グラントベース送信(grant-based transmission)に対して所定のMCSテーブルの使用を示すために用いられる。TC-RNTIは、1つまたは複数のスロットにおけるPDSCH送信またはPUSCH送信を制御するために用いられる。TC-RNTIは、ランダムアクセスメッセージ3の再送信、およびランダムアクセスメッセージ4の送信をスケジュールするために用いられる。RA-RNTIは、ランダムアクセスプリアンブルを送信した物理ランダムアクセスチャネルの周波数および時間の位置情報に応じて決定される。
【0044】
C-RNTIおよび/またはその他のRNTIは、PDSCHまたはPUSCHのトラフィックのタイプに対応して異なる値が用いられてもよい。C-RNTIおよびその他のRNTIは、PDSCHまたはPUSCHで伝送されるデータのサービスタイプ(eMBB、URLLC、および/または、mMTC)に対応して異なる値が用いられてもよい。基地局装置3は、送信するデータのサービスタイプに対応して異なる値のRNTIを用いてもよい。端末装置1は、受信したDCIに適用された(スクランブルに用いられた)RNTIの値によって、関連するPDSCHまたはPUSCHで伝送されるデータのサービスタイプを識別してもよい。
【0045】
PUCCHは、上りリンクの無線通信(端末装置1から基地局装置3の無線通信)において、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI: Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、UL-SCHリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(SR: Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)が含まれてもよい。HARQ-ACKは、下りリンクデータ(Transport block, Medium AccessControl Protocol Data Unit: MAC PDU, Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するHARQ-ACKを示してもよい。
【0046】
PDSCHは、媒介アクセス(MAC: Medium Access Control)層からの下りリンクデータ(DL-SCH: Downlink Shared CHannel)の送信に用いられる。また、PDSCHは、下りリンクの場合にはシステム情報(SI: System Information)やランダムアクセス応答(RAR: Random Access Response)などの送信にも用いられる。
【0047】
PUSCHは、MAC層からの上りリンクデータ(UL-SCH: Uplink Shared CHannel)または上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。また、PUSCHは、CSIのみ、または、HARQ-ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。すなわち、PUSCHは、UCIのみを送信するために用いられてもよい。
【0048】
ここで、基地局装置3と端末装置1は、上位層(上位レイヤ:higher layer)において信号をやり取り(送受信)する。例えば、基地局装置3と端末装置1は、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層において、RRCメッセージ(RRC message、RRC information、RRC signallingとも称される)を送受信してもよい。また、基地局装置3と端末装置1は、MAC(Medium Access Control)層において、MACコントロールエレメントを送受信してもよい。また、端末装置1のRRC層は、基地局装置3から報知されるシステム情報を取得する。ここで、RRCメッセージ、システム情報、および/または、MACコントロールエレメントは、上位層の信号(上位レイヤ信号:higher layer signaling)または上位層のパラメータ(上位レイヤパラメータ:higher layer parameter)とも称される。端末装置1が受信した上位レイヤ信号に含まれるパラメータのそれぞれが上位レイヤパラメータと称されてもよい。ここでの上位層は、物理層から見た上位層を意味するため、MAC層、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS(Non Access Stratum)層などの1つまたは複数を含んでもよい。例えば、MAC層の処理において上位層とは、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS層などの1つまたは複数を含んでもよい。以下、“Aは、上位層で与えられる(提供される)”や“Aは、上位層によって与えられる(提供される)”の意味は、端末装置1の上位層(主にRRC層やMAC層など)が、基地局装置3からAを受信し、その受信したAが端末装置1の上位層から端末装置1の物理層に与えられる(提供される)ことを意味してもよい。例えば、端末装置1において「上位レイヤパラメータを提供される」とは、基地局装置3から上位レイヤ信号を受信し、受信した上位レイヤ信号に含まれる上位レイヤパラメータが端末装置1の上位層から端末装置1の物理層に提供されることを意味してもよい。端末装置1に上位レイヤパラメータが設定されることは端末装置1に対して上位レイヤパラメータが与えられる(提供される)ことを意味してもよい。例えば、端末装置1に上位レイヤパラメータが設定されることは、端末装置1が基地局装置3から上位レイヤ信号を受信し、受信した上位レイヤパラメータを上位層で設定することを意味してもよい。ただし、端末装置1に上位レイヤパラメータが設定されることには、端末装置1の上位層に予め与えられているデフォルトパラメータが設定されることを含んでもよい。
【0049】
PDSCHまたはPUSCHは、RRCシグナリング、および、MACコントロールエレメントを送信するために用いられてもよい。PDSCHによって基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置1に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置1に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち、端末装置固有(UEスペシフィック)の情報は、ある端末装置1に対して専用のシグナリングを用いて送信されてもよい。また、PUSCHは、上りリンクにおいてUEの能力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
【0050】
図1において、下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理信号が用いられる。ここで、下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するために使用されないが、物理層によって使用される。
・同期信号(Synchronization signal: SS)
・参照信号(Reference Signal: RS)
【0051】
同期信号は、プライマリ同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal)およびセカンダリ同期信号(SSS)を含んでよい。PSSとSSSを用いてセルIDが検出されてよい。
【0052】
同期信号は、端末装置1が下りリンクの周波数領域および時間領域の同期をとるために用いられる。ここで、同期信号は、端末装置1が基地局装置3によるプリコーディングまたはビームフォーミングにおけるプリコーディングまたはビームの選択に用いられて良い。なお、ビームは、送信または受信フィルタ設定、あるいは空間ドメイン送信フィルタまたは空間ドメイン受信フィルタと呼ばれてもよい。
【0053】
参照信号は、端末装置1が物理チャネルの伝搬路補償を行うために用いられる。ここで、参照信号は、端末装置1が下りリンクのCSIを算出するためにも用いられてよい。また、参照信号は、無線パラメータやサブキャリア間隔などのヌメロロジーやFFTの窓同期などができる程度の細かい同期(Fine synchronization)に用いられて良い。
【0054】
本実施形態において、以下の下りリンク参照信号のいずれか1つまたは複数が用いられる。
・DMRS(Demodulation Reference Signal)
・CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)
・PTRS(Phase Tracking Reference Signal)
・TRS(Tracking Reference Signal)
【0055】
DMRSは、変調信号を復調するために使用される。なお、DMRSには、PBCHを復調するための参照信号と、PDSCHを復調するための参照信号の2種類が定義されてもよいし、両方をDMRSと称してもよい。CSI-RSは、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)の測定およびビームマネジメントに使用され、周期的またはセミパーシステントまたは非周期のCSI参照信号の送信方法が適用される。CSI-RSには、ノンゼロパワー(NZP:Non-Zero Power)CSI-RSと、送信電力(または受信電力)がゼロである(ゼロパワー(ZP:Zero Power)CSI-RSが定義されてよい。ここで、ZP CSI-RSは送信電力がゼロまたは送信されないCSI-RSリソースと定義されてよい。PTRSは、位相雑音に起因する周波数オフセットを保証する目的で、時間軸で位相をトラックするために使用される。TRSは、高速移動時におけるドップラーシフトを保証するために使用される。なお、TRSはCSI-RSの1つの設定として用いられてよい。例えば、1ポートのCSI-RSがTRSとして無線リソースが設定されてもよい。
【0056】
本実施形態において、以下の上りリンク参照信号のいずれか1つまたは複数が用いられる。
・DMRS(Demodulation Reference Signal)
・PTRS(Phase Tracking Reference Signal)
・SRS(Sounding Reference Signal)
【0057】
DMRSは、変調信号を復調するために使用される。なお、DMRSには、PUCCHを復調するための参照信号と、PUSCHを復調するための参照信号の2種類が定義されてもよいし、両方をDMRSと称してもよい。SRSは、上りリンクのチャネル状態情報(CSI)の測定、チャネルサウンディング、およびビームマネジメントに使用される。PTRSは、位相雑音に起因する周波数オフセットを保証する目的で、時間軸で位相をトラックするために使用される。
【0058】
本実施形態では、下りリンク物理チャネルおよび/または下りリンク物理シグナルは、総じて下りリンク信号と称される。本実施形態では、上りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理シグナルは、総じて、上りリンク信号と称される。本実施形態では、下りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理チャネルは、総じて物理チャネルと称される。本実施形態では、下りリンク物理シグナルおよび/または上りリンク物理シグナルは、総じて物理シグナルと称される。
【0059】
BCH、UL-SCHおよびDL-SCHは、トランスポートチャネルである。媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で用いられるチャネルをトランスポートチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(TB:transport block)および/またはMAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。MAC層においてトランスポートブロック毎にHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の制御が行われる。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliver)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理が行われる。
【0060】
図2は、本実施形態に係るSS/PBCHブロック(同期信号ブロック、SSブロック、SSBとも称される)およびSSバーストセット(同期信号バーストセットとも称される)の例を示す図である。
図2は、周期的に送信されるSSバーストセット内に2つのSS/PBCHブロックが含まれ、SS/PBCHブロックは、連続する4OFDMシンボルで構成される例を示している。
【0061】
SS/PBCHブロックは、少なくとも同期信号(PSS、SSS)、および/またはPBCHを含む単位ブロックである。SS/PBCHブロックに含まれる信号/チャネルを送信することを、SS/PBCHブロックを送信すると表現する。基地局装置3はSSバーストセット内の1つまたは複数のSS/PBCHブロックを用いて同期信号および/またはPBCHを送信する場合に、SS/PBCHブロック毎に独立した下りリンク送信ビームを用いてもよい。
【0062】
図2において、1つのSS/PBCHブロックにはPSS、SSS、PBCHが時間/周波数多重されている。ただし、PSS、SSSおよび/またはPBCHが時間領域で多重される順番は
図2に示す例と異なってもよい。
【0063】
SSバーストセットは、基地局装置3によって周期的に送信されてよい。例えば、SS/PBCHブロックが初期アクセスに使用されるための周期と、接続されている(ConnectedまたはRRC_Connected)端末装置1のために設定する周期が定義されてもよい。また、接続されている(ConnectedまたはRRC_Connected)端末装置1のために設定する周期はRRC層で設定されてよい。また、接続されている(ConnectedまたはRRC_Connected)端末装置1のために設定する周期は潜在的に送信する可能性がある時間領域の無線リソースの周期であって、実際には基地局装置3が送信するかどうかを決めてもよい。また、SS/PBCHブロックが初期アクセスに使用されるための周期は、仕様書などに予め定義されてよい。
【0064】
SSバーストセットは、システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)に基づいて決定されてよい。また、SSバーストセットの開始位置(バウンダリ)は、SFNと周期に基づいて決定されてよい。
【0065】
SS/PBCHブロックは、SSバーストセット内の時間的な位置に応じてSSBインデックス(SSB/PBCHブロックインデックスと称されてもよい)が割り当てられる。端末装置1は、検出したSS/PBCHブロックに含まれるPBCHの情報および/または参照信号の情報に基づいてSSBインデックスを算出する。
【0066】
複数のSSバーストセットにおける各SSバーストセット内における相対的な時間が同じSS/PBCHブロックは、同じSSBインデックスが割り当てられる。複数のSSバーストセットにおける各SSバーストセット内における相対的な時間が同じSS/PBCHブロックは、QCLである(あるいは同じ下りリンク送信ビームが適用されている)と想定されてもよい。また、複数のSSバーストセットにおける各SSバーストセット内における相対的な時間が同じSS/PBCHブロックにおけるアンテナポートは、平均遅延、ドップラーシフト、空間相関に関してQCLであると想定されてもよい。
【0067】
あるSSバーストセットの周期内で、同じSSBインデックスが割り当てられているSS/PBCHブロックは、平均遅延、平均ゲイン、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、空間相関に関してQCLであると想定されてもよい。QCLである1つまたは複数のSS/PBCHブロック(あるいは参照信号であってもよい)に対応する設定をQCL設定と称してもよい。
【0068】
SS/PBCHブロック数(SSブロック数あるいはSSB数と称されてもよい)は、例えばSSバースト、またはSSバーストセット内、またはSS/PBCHブロックの周期の中のSS/PBCHブロック数(個数)として定義されてよい。また、SS/PBCHブロック数は、SSバースト内、またはSSバーストセット内、またはSS/PBCHブロックの周期の中のセル選択のためのビームグループの数を示してもよい。ここで、ビームグループは、SSバースト内、またはSSバーストセット内、またはSS/PBCHブロックの周期の中に含まれる異なるSS/PBCHブロックの数または異なるビームの数として定義されてよい。
【0069】
以下、本実施形態で説明する参照信号は、下りリンク参照信号、同期信号、SS/PBCHブロック、下りリンクDM-RS、CSI-RS、上りリンク参照信号、SRS、および/または、上りリンクDM-RSを含む。例えば、本実施形態では、下りリンク参照信号、同期信号および/またはSS/PBCHブロックは参照信号と称されてもよい。下りリンクで使用される参照信号は、下りリンク参照信号、同期信号、SS/PBCHブロック、下りリンクDM-RS、CSI-RSなどを含む。上りリンクで使用される参照信号は、上りリンク参照信号、SRS、および/または、上りリンクDM-RSなどを含む。
【0070】
また、参照信号は、無線リソース測定(RRM:Radio Resource Measurement)に用いられてよい。また、参照信号は、ビームマネジメントに用いられてよい。
【0071】
ビームマネジメントは、送信装置(下りリンクの場合は基地局装置3であり、上りリンクの場合は端末装置1である)におけるアナログおよび/またはディジタルビームと、受信装置(下りリンクの場合は端末装置1、上りリンクの場合は基地局装置3である)におけるアナログおよび/またはディジタルビームの指向性を合わせ、ビーム利得を獲得するための基地局装置3および/または端末装置1の手続きであってよい。
【0072】
なお、ビームペアリンクを構成、設定または確立する手続きとして、下記の手続きを含んでよい。
・ビーム選択(Beam selection)
・ビーム改善(Beam refinement)
・ビームリカバリ(Beam recovery)
【0073】
例えば、ビーム選択は、基地局装置3と端末装置1の間の通信においてビームを選択する手続きであってよい。また、ビーム改善は、さらに利得の高いビームの選択、あるいは端末装置1の移動によって最適な基地局装置3と端末装置1の間のビームの変更をする手続きであってよい。ビームリカバリは、基地局装置3と端末装置1の間の通信において遮蔽物や人の通過などにより生じるブロッケージにより通信リンクの品質が低下した際にビームを再選択する手続きであってよい。
【0074】
ビームマネジメントには、ビーム選択、ビーム改善が含まれてよい。ビームリカバリには、下記の手続きを含んでよい。
・ビーム失敗(beam failure)の検出
・新しいビームの発見
・ビームリカバリリクエストの送信
・ビームリカバリリクエストに対する応答のモニタ
【0075】
例えば、端末装置1における基地局装置3の送信ビームを選択する際にCSI-RSまたはSS/PBCHブロックに含まれるSSSのRSRP(Reference Signal Received Power)を用いてもよいし、CSIを用いてもよい。また、基地局装置3への報告としてCSI-RSリソースインデックス(CRI:CSI-RS Resource Index)を用いてもよいし、SS/PBCHブロックに含まれるPBCHおよび/またはPBCHの復調に用いられる復調用参照信号(DMRS)の系列で指示されるインデックスを用いてもよい。
【0076】
また、基地局装置3は、端末装置1へビームを指示する際にCRIまたはSS/PBCHの時間インデックスを指示し、端末装置1は、指示されたCRIまたはSS/PBCHの時間インデックスに基づいて受信する。このとき、端末装置1は指示されたCRIまたはSS/PBCHの時間インデックスに基づいて空間フィルタを設定し、受信してよい。また、端末装置1は、疑似同位置(QCL:Quasi Co-Location)の想定を用いて受信してもよい。ある信号(アンテナポート、同期信号、参照信号など)が別の信号(アンテナポート、同期信号、参照信号など)と「QCLである」または、「QCLの想定が用いられる」とは、ある信号が別の信号と関連付けられていると解釈されてよい。
【0077】
もしあるアンテナポートにおけるあるシンボルが搬送されるチャネルの長区間特性(Long Term Property)が他方のアンテナポートにおけるあるシンボルが搬送されるチャネルから推論されうるなら、2つのアンテナポートはQCLであるといわれる。チャネルの長区間特性は、遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得、及び平均遅延の1つまたは複数を含む。例えば、アンテナポート1とアンテナポート2が平均遅延に関してQCLである場合、アンテナポート1の受信タイミングからアンテナポート2の受信タイミングが推論されうることを意味する。
【0078】
このQCLは、ビームマネジメントにも拡張されうる。そのために、空間に拡張したQCLが新たに定義されてもよい。例えば、空間ドメインのQCLの想定におけるチャネルの長区間特性(Long term property)として、無線リンクあるいはチャネルにおける到来角(AoA(Angle of Arrival), ZoA(Zenith angle of Arrival)など)および/または角度広がり(Angle Spread、例えばASA(Angle Spread of Arrival)やZSA(Zenith angle Spread of Arrival))、送出角(AoD, ZoDなど)やその角度広がり(Angle Spread、例えばASD(Angle Spread of Departure)やZSD(Zenith angle Spread of Departure))、空間相関(Spatial Correlation)、受信空間パラメータであってもよい。
【0079】
例えば、アンテナポート1とアンテナポート2の間で受信空間パラメータに関してQCLであるとみなせる場合、アンテナポート1からの信号を受信する受信ビーム(受信空間フィルタ)からアンテナポート2からの信号を受信する受信ビームが推論されうることを意味する。
【0080】
QCLタイプとして、QCLであるとみなしてよい長区間特性の組み合わせが定義されてよい。例えば、以下のタイプが定義されてよい。
・タイプA:ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド
・タイプB:ドップラーシフト、ドップラースプレッド
・タイプC:平均遅延、ドップラーシフト
・タイプD:受信空間パラメータ
【0081】
上述のQCLタイプは、RRCおよび/またはMAC層および/またはDCIで1つまたは2つの参照信号とPDCCHやPDSCH DMRSとのQCLの想定を送信設定指示(TCI:Transmission Configuration Indication)として設定および/または指示してもよい。例えば、端末装置1がPDCCHを受信する際のTCIの1つの状態として、SS/PBCHブロックのインデックス#2とQCLタイプA+QCLタイプBが設定および/または指示された場合、端末装置1は、PDCCH DMRSを受信する際、SS/PBCHブロックインデックス#2の受信におけるドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド、受信空間パラメータとチャネルの長区間特性とみなしてPDCCHのDMRSを受信して同期や伝搬路推定をしてもよい。このとき、TCIにより指示される参照信号(上述の例ではSS/PBCHブロック)をソース参照信号、ソース参照信号を受信する際のチャネルの長区間特性から推論される長区間特性の影響を受ける参照信号(上述の例ではPDCCH DMRS)をターゲット参照信号と称してよい。また、TCIは、RRCで1つまたは複数のTCI状態と各状態に対してソース参照信号とQCLタイプの組み合わせが設定され、MAC層またはDCIにより端末装置1に指示されてよい。
【0082】
この方法により、ビームマネジメントおよびビーム指示/報告として、空間ドメインのQCLの想定と無線リソース(時間および/または周波数)によりビームマネジメントと等価な基地局装置3、端末装置1の動作が定義されてもよい。
【0083】
以下、サブフレームについて説明する。本実施形態では以下がサブフレームと称されるが、本実施形態に係るサブフレームはリソースユニット、無線フレーム、時間区間、時間間隔などと称されてもよい。
【0084】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る上りリンクおよび下りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。無線フレームのそれぞれは、10ms長である。また、無線フレームのそれぞれは10個のサブフレームおよびW個のスロットから構成される。また、1スロットは、X個のOFDMシンボルで構成される。つまり、1サブフレームの長さは1msである。スロットのそれぞれは、サブキャリア間隔によって時間長が定義される。例えば、OFDMシンボルのサブキャリア間隔が15kHz、NCP(Normal Cyclic Prefix)の場合、X=7あるいはX=14であり、それぞれ0.5msおよび1msである。また、サブキャリア間隔が60kHzの場合は、X=7あるいはX=14であり、それぞれ0.125msおよび0.25msである。また、例えば、X=14の場合、サブキャリア間隔が15kHzの場合はW=10であり、サブキャリア間隔が60kHzの場合はW=40である。
図3は、X=7の場合を一例として示している。なお、
図3の一例は、X=14の場合にも同様に拡張されうる。また、上りリンクスロットも同様に定義され、下りリンクスロットと上りリンクスロットは別々に定義されてもよい。また、
図3のセルの帯域幅は帯域の一部(BWP:BandWidth Part)として定義されてもよい。また、スロットは、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と定義されてもよい。スロットは、TTIとして定義されなくてもよい。TTIは、トランスポートブロックの送信期間であってもよい。
【0085】
スロットのそれぞれにおいて送信される信号または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現されてよい。リソースグリッドは、それぞれのヌメロロジー(サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックス長)およびそれぞれのキャリアに対して、複数のサブキャリアと複数のOFDMシンボルによって定義される。1つのスロットを構成するサブキャリアの数は、セルの下りリンクおよび上りリンクの帯域幅にそれぞれ依存する。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれをリソースエレメントと称する。リソースエレメントは、サブキャリアの番号とOFDMシンボルの番号とを用いて識別されてよい。
【0086】
リソースグリッドは、ある物理下りリンクチャネル(PDSCHなど)あるいは上りリンクチャネル(PUSCHなど)のリソースエレメントのマッピングを表現するために用いられる。例えば、サブキャリア間隔が15kHzの場合、サブフレームに含まれるOFDMシンボル数X=14で、NCPの場合には、1つの物理リソースブロックは、時間領域において14個の連続するOFDMシンボルと周波数領域において12*Nmax個の連続するサブキャリアとから定義される。Nmaxは、後述するサブキャリア間隔設定μにより決定されるリソースブロック(RB)の最大数である。つまり、リソースグリッドは、(14*12*Nmax,μ)個のリソースエレメントから構成される。ECP(Extended CP)の場合、サブキャリア間隔60kHzにおいてのみサポートされるので、1つの物理リソースブロックは、例えば、時間領域において12(1スロットに含まれるOFDMシンボル数)*4(1サブフレームに含まれるスロット数)=48個の連続するOFDMシンボルと、周波数領域において12*Nmax,μ個の連続するサブキャリアとにより定義される。つまり、リソースグリッドは、(48*12*Nmax,μ)個のリソースエレメントから構成される。
【0087】
リソースブロック(RB)として、参照リソースブロック、共通リソースブロック、物理リソースブロック、仮想リソースブロックが定義される。1リソースブロックは、周波数領域で連続する12サブキャリアとして定義される。参照リソースブロックは、全てのサブキャリアにおいて共通であり、例えば15kHzのサブキャリア間隔でリソースブロックを構成し、昇順に番号が付されてよい。参照リソースブロックインデックス0におけるサブキャリアインデックス0は、参照ポイントA(point A)と称されてよい(単に“参照ポイント”と称されてもよい)。共通リソースブロックは、参照ポイントAから各サブキャリア間隔設定μにおいて0から昇順で番号が付されるリソースブロックである。上述のリソースグリッドはこの共通リソースブロックにより定義される。物理リソースブロックは、後述する帯域部分(BWP)の中に含まれる0から昇順で番号が付されたリソースブロックであり、物理リソースブロックは、帯域部分(BWP)の中に含まれる0から昇順で番号が付されたリソースブロックである。ある物理上りリンクチャネルは、まず仮想リソースブロックにマップされる。その後、仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマップされる。以下、リソースブロックは仮想リソースブロックであってもよいし、物理リソースブロックであってもよいし、共通リソースブロックであってもよいし、参照リソースブロックであってもよい。
【0088】
次に、サブキャリア間隔設定μについて説明する。上述のようにNRでは、1つまたは複数のOFDMヌメロロジーがサポートされる。あるBWPにおいて、サブキャリア間隔設定μ(μ=0,1,...,5)と、サイクリックプレフィックス長は、下りリンクのBWPに対して上位層で与えられ、上りリンクのBWPにおいて上位層で与えられる。ここで、μが与えられると、サブキャリア間隔Δfは、Δf=2^μ・15(kHz)で与えられる。
【0089】
サブキャリア間隔設定μにおいて、スロットは、サブフレーム内で0からN^{subframe,μ}_{slot}-1に昇順に数えられ、フレーム内で0からN^{frame,μ}_{slot}-1に昇順に数えられる。スロット設定およびサイクリックプレフィックスに基づいてN^{slot}_{symb}の連続するOFDMシンボルがスロット内にある。N^{slot}_{symb}は14である。サブフレーム内のスロットn^{μ}_{s}のスタートは、同じサブフレーム内のn^{μ}_{s}*N^{slot}_{symb}番目のOFDMシンボルのスタートと時間でアラインされている。
【0090】
次に、サブフレーム、スロット、ミニスロットについて説明する。
図4は、サブフレーム、スロット、ミニスロットの時間領域における関係の一例を示した図である。同図のように、3種類の時間ユニットが定義される。サブフレームは、サブキャリア間隔によらず1msであり、スロットに含まれるOFDMシンボル数は7または14であり(ただし、各シンボルに付加されるサイクリックプレフィックス(CP)がExtended CPである場合、6または12であってもよい)、スロット長はサブキャリア間隔により異なる。ここで、サブキャリア間隔が15kHzの場合、1サブフレームには14OFDMシンボルが含まれる。下りリンクスロットはPDSCHマッピングタイプAと称されてよい。上りリンクスロットはPUSCHマッピングタイプAと称されてよい。
【0091】
ミニスロット(サブスロット(subslot)と称されてもよい)は、1つのスロットに含まれるOFDMシンボル数よりも少ない数のOFDMシンボルで構成される時間ユニットである。同図はミニスロットが2OFDMシンボルで構成される場合を一例として示している。ミニスロット内のOFDMシンボルは、スロットを構成するOFDMシンボルタイミングに一致してもよい。なお、スケジューリングの最小単位はスロットまたはミニスロットでよい。また、ミニスロットを割り当てることを、ノンスロットベースのスケジューリングと称してもよい。また、ミニスロットをスケジューリングされることを参照信号とデータのスタート位置の相対的な時間位置が固定であるリソースがスケジュールされたと表現されてもよい。下りリンクミニスロットはPDSCHマッピングタイプBと称されてよい。上りリンクミニスロットはPUSCHマッピングタイプBと称されてよい。
【0092】
端末装置1において、各スロット内のシンボルの伝送方向(上りリンク、下りリンクまたはフレキシブル)は基地局装置3から受信する所定の上位レイヤパラメータを含むRRCメッセージを用いて上位層で設定されるか、基地局装置3から受信する特定のDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_0)のPDCCHによって設定される。本実施形態では、各スロットにおいてスロット内の各シンボルが上りリンク、下りリンクおよびフレキシブルの何れかを設定するものがスロットフォーマットと称される。1つのスロットフォーマットは下りリンクシンボルと上りリンクシンボルとフレキシブルシンボルとを含んでよい。
【0093】
図5は、スロットフォーマットの一例を示す図である。ここでは、サブキャリア間隔15kHzにおいてスロット長が1msの場合を例として示している。同図において、Dは下りリンク、Uは上りリンクを示している。同図に示されるように、ある時間区間内(例えば、システムにおいて1つのUEに対して割り当てなければならない最小の時間区間)には、
・下りリンクシンボル
・フレキシブルシンボル
・上りリンクシンボルのうち1つまたは複数が含まれてよい。なお、あるスロットにおけるこれらのシンボルの割合はスロットフォーマットとして予め定められてもよい。また、あるスロットにおけるこれらのシンボルの割合はスロット内に含まれる下りリンクのOFDMシンボル数またはスロット内のスタート位置および/または終了位置で定義されてもよい。また、あるスロットにおけるこれらのシンボルの割合はスロット内に含まれる上りリンクのOFDMシンボル数またはDFT-S-OFDMシンボル数またはスロット内のスタート位置および/または終了位置で定義されてよい。なお、端末装置1に対してスロットがスケジューリングされることは参照信号とスロット境界の相対的な時間位置が固定であるリソースがスケジュールされることと表現されてもよい。
【0094】
端末装置1は、上位レイヤパラメータTDD-UL-DL-ConfigurationCommonを提供された場合、1つまたは複数スロットにわたり、スロット毎のスロットフォーマットをTDD-UL-DL-ConfigurationCommonで示されたようにセットする。TDD-UL-DL-ConfigurationCommonは下記パラメータを提供する。
・参照サブキャリア間隔(SCS:subcarrier spacing)設定μref
・スロットフォーマットパターン1
【0095】
スロットフォーマットパターン1は下記パラメータを提供する。
・スロットの設定期間P(ミリ秒)
・スロットの設定期間P内の下りリンクシンボルのみで構成されるスロット(下りリンクスロット)の数dslots
・スロットの設定期間P内の下りリンクスロット内のシンボルを除く下りリンクシンボルの数dsym
・スロットの設定期間P内の上りリンクシンボルのみで構成されるスロット(上りリンクスロット)の数uslots
・スロットの設定期間P内の上りリンクスロット内のシンボルを除く上りリンクシンボルの数usym
【0096】
スロットの設定期間P(ミリ秒)は参照SCS設定μrefにおいて(S=P*2^(μref))スロットを含む。Sスロット内では、最初のdslotsスロットは下りリンクシンボルのみを含み、最後のuslotsスロットは上りリンクシンボルのみを含む。最初のdslotsの次のdsymシンボルは下りリンクシンボルであり、最後のuslotsの直前のusymシンボルは上りリンクシンボルである。Sスロット内の残りのシンボルはフレキシブルシンボルである。
【0097】
TDD-UL-DL-ConfigurationCommonでスロットフォーマットパターン1に加えてスロットフォーマットパターン2が提供されてもよい。スロットフォーマットパターン2は、スロットフォーマットパターン1と同様のパラメータを含み、それぞれスロットフォーマットパターン1とは異なる値が設定されてもよい。スロットフォーマットパターン2はS2スロットを含み、Sスロットの次のS2スロット内のスロットフォーマットの設定を提供する。
【0098】
端末装置1は、TDD-UL-DL-ConfigurationCommonで提供されたスロットフォーマットパターン1および/またはスロットフォーマットパターン2に基づいて、Sスロット毎(スロットフォーマットパターン1のみ提供されている場合)または(S+S2)スロット毎(スロットフォーマットパターン1とスロットフォーマットパターン2が提供されている場合)に各スロットのスロットフォーマットをセットする。ただし、同様のパラメータを含むその他のスロットフォーマットパターンを示すパラメータ(例えばS3スロットのスロットフォーマット示すスロットフォーマットパターン3等)が提供され、各スロットのスロットフォーマットがセットされてもよい。ただし、端末装置1は、TDD-UL-DL-ConfigurationCommonで示される参照SCS設定μrefと後述するDL BWPまたはUL BWPのSCS設定μが異なる場合、TDD-UL-DL-ConfigurationCommonでセットされるスロットフォーマットの各シンボルの伝送方向をDL BWPまたはUL BWPの連続する2^(μ―μref)シンボルに適用してよい。
【0099】
端末装置1は、上位レイヤパラメータTDD-UL-DL-ConfigurationDedicatedを提供された場合、上位レイヤパラメータTDD-UL-DL-ConfigurationCommonでセットされた複数スロットのスロットフォーマットのうち、フレキシブルシンボルを、上りリンクシンボル、下りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルに上書きしてもよい。
【0100】
TDD-UL-DL-ConfigurationCommonおよび/またはTDD-UL-DL-ConfigurationDedicatedを含むRRCメッセージを、上位レイヤスロットフォーマット設定情報を含むRRCメッセージと称し、TDD-UL-DL-ConfigurationCommonおよび/またはTDD-UL-DL-ConfigurationDedicatedでスロットフォーマット(上りリンクシンボル/下りリンクシンボル/フレキシブルシンボル)をセットすることを上位レイヤスロットフォーマット設定情報に基づいてスロットフォーマット(上りリンクシンボル/下りリンクシンボル/フレキシブルシンボル)をセットすることと称してもよい。
【0101】
端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されたシンボル(セミスタティック下りリンクシンボル(semi-static downlink symbol)とも称される)は受信に利用可能であるとみなし、上りリンク信号(例えばPUSCH、PUCCH、PRACHおよび/またはSRS)を送信しない。端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で上りリンクと示されたシンボル(セミスタティック上りリンクシンボル(semi-static uplink symbol)とも称される)は送信に利用可能であるとみなし、下りリンク信号(例えばPDCCH,PDSCHまたはCSI-RS)を受信しない。
【0102】
端末装置1は、スロットフォーマットを設定するDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_0)のためのPDCCHをモニタすることを設定されていない場合、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されているシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボル(semi-static flexible symbol)とも称される)(上位レイヤスロットフォーマット設定情報が提供されていない場合の任意のシンボルを含んでもよい)において、所定のDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット1_0、1_1または0_1)で指定された下りリンク信号(例えば、PDSCHまたはCSI-RS)を受信してもよく、所定のDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_0、0_1、1_0、1_1または2_3)で指定された上りリンク信号(例えば、PUSCH、PUCCH、PRACHまたはSRS)を送信してもよい。
【0103】
端末装置1は、スロットフォーマットを設定するDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_0)のためのPDCCHをモニタすることを設定されていない場合、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されているシンボル(上位レイヤスロットフォーマット設定情報が提供されていない場合の任意のシンボルを含んでもよい)において、上位レイヤであるシンボルのセットで下りリンク信号(例えばPDCCH、PDSCHあるいはCSI-RS)を受信することを設定された場合、該シンボルのセットのどの1シンボルにおいても上りリンク信号(例えばPUSCH、PUCCH、PRACHまたはSRS)を送信することを示す所定のDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0_0、0_1、1_0、1_1または2_3)を検出しなかった場合に、該下りリンク信号を受信し、その他の場合には、該シンボルのセットで該下りリンク信号を受信しない。
【0104】
端末装置1は、スロットフォーマットインディケータ(SFI)を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_0)のためのPDCCHをモニタすることを設定されていない場合、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されているシンボル(上位レイヤスロットフォーマット設定情報が提供されていない場合の任意のシンボルを含んでもよい)において、上位レイヤであるシンボルのセットで上りリンク信号(例えばSRS、PUCCH、PUSCHあるいはPRACH)を送信することを設定された場合、該シンボルのセットのどの1シンボルにおいても下りリンク信号(例えばCSI-RSまたはPDSCH)を受信することを示す所定のDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1_0、1_1または0_1)を検出しなかった場合に、該上りリンク信号を送信する。
【0105】
端末装置1は、上位レイヤによって上位レイヤパラメータSlotFormatIndicatorを設定された場合、スロットフォーマットインディケータ(SFI)フィールドを含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_0)をモニタする。SFIフィールドを含むDCIフォーマットをスロットフォーマット設定DCIあるいはPDCCHによるスロットフォーマット設定情報と称してもよい。
【0106】
DCIフォーマット内のSFIフィールドの値は、端末装置1に対して、該DCIフォーマットを検出したスロットから始まる複数スロットにおける各スロットのスロットフォーマットの組合せ(スロットフォーマットコンビネーション)を示す。SFIフィールドの値は、上位レイヤで設定されたスロットフォーマットコンビネーションのセットのうちの1つに対応するインデックス値を示す。
【0107】
端末装置1は、SlotFormatIndicatorによって、サービングセル毎に下記のパラメータが設定される。
・サービングセルの識別子
・DCIフォーマット内での対応するSFIフィールドの位置
・スロットフォーマットコンビネーションのセット(各スロットフォーマットコンビネーションは、予め与えられたスロットフォーマットのテーブルの中から複数スロットのそれぞれに対応するスロットフォーマットのインデックスの組合せを示す)
・FDDにおける参照SCS設定(reference SCS configuration)μSFI
・TDDにおけるDL BWPの参照SCS設定μSFI,DLとUL BWPの参照SCS設定μSFI,UL
【0108】
図6は、本実施形態に係るスロットフォーマットのテーブルの一例を示す図である。
図6のテーブルでは、256個のスロットフォーマットが示されており、それぞれ0~255のインデックスが割り当てられている(ただし、
図6ではインデックスが5から254までのスロットフォーマットは省略している)。各スロットフォーマットにおいて「Symbol number in a slot」はスロット内のインデックスが0から13までのシンボルに対応しており、それぞれDは下りリンクシンボル(ダイナミック下りリンクシンボル(dynamic downlink symbol)とも称される)を、Uは上りリンクシンボル(ダイナミック上りリンクシンボル(dynamic uplink symbol)とも称される)を、Fはフレキシブルシンボル(ダイナミックフレキシブルシンボル(dynamic flexible symbol)とも称される)を示している。また、スロットフォーマットのテーブルには、
図6のスロットフォーマットインデックスが255のように、直接スロットフォーマットを示さずに、上位レイヤスロットフォーマット設定情報に基づいてスロットフォーマットを決定するスロットフォーマットインデックスが含まれてもよい。
【0109】
FDDにおいて、SFIフィールドの値で示されるスロットフォーマットコンビネーションの各スロットフォーマットにおける参照SCS設定μSFIの各下りリンクシンボル、上りリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルは、それぞれSCS設定μの連続する2^(μ-μSFI)個の下りリンクシンボル、上りリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルに対応する。
【0110】
TDDにおいて、μSFI,DL>μSFI,ULである場合、SFIフィールドの値で示されるスロットフォーマットコンビネーション内の2^(μSFI,DL-μSFI,UL)+1個のスロットフォーマットは、最初の2^(μSFI,DL-μSFI,DL)個が参照DL BWPに適用され、次の1個は参照UL BWPに適用される。TDDにおいて、μSFI,DL<μSFI,DLである場合、SFIフィールドの値で示されるスロットフォーマットコンビネーション内の2^(μSFI,UL-μSFI,DL)+1個のスロットフォーマットは、最初の1個が参照DL BWPに適用され、次の2^(μSFI,UL-μSFI,DL)個は参照UL BWPに適用される。
【0111】
TDDにおいて、SFIフィールドの値で示されるスロットフォーマットコンビネーションの参照DL BWPの各スロットフォーマットにおける参照SCS設定μSFI,DLの各下りリンクシンボル、上りリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルは、それぞれSCS設定μDLのアクティブDL BWPの連続する2^(μDL-μSFI,DL)個の下りリンクシンボル、上りリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルに対応し、参照UL BWPの各スロットフォーマットにおける参照SCS設定μSFI,ULの各下りリンクシンボル、上りリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルは、それぞれSCS設定μULのアクティブUL BWPの連続する2^(μUL-μSFI,UL)個の下りリンクシンボル、上りリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルに対応する。
【0112】
端末装置1は、下りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルで下りリンク信号または下りリンクチャネルを受信してよい。端末装置1は、上りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルで上りリンク信号または下りリンクチャネルを送信してよい。
【0113】
図5(a)は、ある時間区間(例えば、1UEに割当可能な時間リソースの最小単位、またはタイムユニットなどとも称されてよい。また、時間リソースの最小単位を複数束ねてタイムユニットと称されてもよい。)で、全て下りリンク送信に用いられている例であり、
図5(b)は、最初の時間リソースで例えばPDCCHを介して上りリンクのスケジューリングを行い、PDCCHの処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成を含むフレキシブルシンボルを介して上りリンク信号を送信する。
図5(c)は、最初の時間リソースでPDCCHおよび/または下りリンクのPDSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介してPUSCHまたはPUCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号はHARQ-ACKおよび/またはCSI、すなわちUCIの送信に用いられてよい。
図5(d)は、最初の時間リソースでPDCCHおよび/またはPDSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介して上りリンクのPUSCHおよび/またはPUCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号は上りリンクデータ、すなわちUL-SCHの送信に用いられてもよい。
図5(e)は、全て上りリンク送信(PUSCHまたはPUCCH)に用いられている例である。
【0114】
上述の下りリンクパート、上りリンクパートは、LTEと同様に複数のOFDMシンボルで構成されてよい。
【0115】
図7は、ビームフォーミングの一例を示した図である。複数のアンテナエレメントは1つの送信ユニット(TXRU: Transceiver unit)50に接続され、アンテナエレメント毎の位相シフタ51によって位相を制御し、アンテナエレメント52から送信することで送信信号に対して任意の方向にビームを向けることができる。典型的には、TXRUがアンテナポートとして定義されてよく、端末装置1においてはアンテナポートのみが定義されてよい。位相シフタ51を制御することで任意の方向に指向性を向けることができるため、基地局装置3は端末装置1に対して利得の高いビームを用いて通信することができる。
【0116】
以下、帯域部分(BWP, Bandwidth part)について説明する。BWPは、キャリアBWPとも称される。BWPは、下りリンクと上りリンクのそれぞれに設定されてよい。BWPは、共通リソースブロックの連続するサブセットから選択された連続する物理リソースの集合として定義される。端末装置1は、ある時間に1つの下りリンクキャリアBWP(DL BWP)が活性化される4つまでのBWPを設定されうる。端末装置1は、ある時間に1つの上りリンクキャリアBWP(UL BWP)が活性化される4つまでのBWPを設定されうる。キャリアアグリゲーションの場合には、BWPは各サービングセルで設定されてもよい。このとき、あるサービングセルにおいてBWPが1つ設定されていることは、「BWPが設定されていない」と表現されてもよい。また、BWPが2つ以上設定されていることは「BWPが設定されている」と表現されてもよい。
【0117】
<MAC entity動作>
活性化されたサービングセルにおいて、常に一つのアクティブな(活性化された)BWPがある。あるサービングセルに対するBWP切り替え(BWP switching)は、インアクティブな(非活性化された)BWPを活性化(activate)し、アクティブな(活性化された)BWPを非活性化(deactivate)するために使用される。あるサービングセルに対するBWP切り替え(BWP switching)は、下りリンク割り当てまたは上りリンクグラントを示すPDCCHによって制御される。あるサービングセルに対するBWP切り替え(BWP switching)は、さらに、BWPインアクティブタイマー(BWP inactivity timer)や、RRCシグナリングや、ランダムアクセスプロシージャの開始時にMACエンティティ自身によって制御されてもよい。SpCell(PCellまたはPSCell)の追加または、SCellの活性化において、一つのBWPが、下りリンク割り当てまたは上りリンクグラントを示すPDCCHを受信することなしに第一にアクティブである。第一にアクティブなDL BWP(first active DL BWP)およびUL BWP(first active UL BWP)は、基地局装置3から端末装置1に送られるRRCメッセージで指定されるかもしれない。あるサービングセルに対するアクティブなBWPは、基地局装置3から端末装置1に送られるRRCまたはPDCCHで指定される。また、第一にアクティブなDL BWP(first active DL BWP)およびUL BWP(first active UL BWP)は、メッセージ4に含まれてもよい。アンペアードスペクトラム(Unpaired spectrum)(TDDバンドなど)では、DL BWPとUL BWPはペアされていて、BWP切り替えは、ULとDLに対して共通である。BWPが設定されているアクティベートされたサービングセルのそれぞれに対する、アクティブなBWPにおいて、端末装置1のMACエンティティは、ノーマル処理を適用する。ノーマル処理には、UL-SCHを送信する、RACHを送信する、PDCCHをモニタする、PUCCHを送信する、SRSを送信する、およびDL-SCHを受信することを含む。BWPが設定されているアクティベートされたサービングセルのそれぞれに対する、インアクティブなBWPにおいて、端末装置1のMACエンティティは、UL-SCHを送信しない、RACHを送信しない、PDCCHをモニタしない、PUCCHを送信しない、SRSを送信しない、およびDL-SCHを受信しない。あるサービングセルが非活性化された場合、アクティブなBWPは、存在しないようにしてもよい(例えば、アクティブなBWPは非活性化される)。
【0118】
<RRC動作>
RRCメッセージ(報知されるシステム情報や、専用RRCメッセージで送られる情報)に含まれるBWPインフォメーションエレメント(IE)は、BWPを設定するために使われる。基地局装置3から送信されたRRCメッセージは、端末装置1によって受信される。それぞれのサービングセルに対して、ネットワーク(基地局装置3など)は、少なくとも下りリンクのBWPと1つ(もしサービングセルが上りリンクの設定された場合など)または2つ(付録のアップリンク(supplementary uplink)が使われる場合など)の上りリンクBWPを含む少なくとも初期BWP(initial BWP)を、端末装置1に対して、設定する。さらに、ネットワークは、追加の上りリンクBWPや下りリンクBWPをあるサービングセルに対して設定するかもしれない。BWP設定は、上りリンクパラメータと下りリンクパラメータに分けられる。また、BWP設定は、共通(common)パラメータと専用(dedicated)パラメータに分けられる。共通パラメータ(BWP上りリンク共通IEやBWP下りリンク共通IEなど)は、セル特有である。プライマリセルの初期BWPの共通パラメータは、システム情報でも提供される。他のすべてのサービングセルに対しては、ネットワークは専用信号で共通パラメータを提供する。BWPは、BWP IDで識別される。初期BWPは、BWP IDが0である。他のBWPのBWP IDは、1から4までの値を取る。
【0119】
端末装置1に対して上位層のパラメータinitialDownlinkBWPが設定(提供)されない場合、初期DL BWP(初期アクティブなDL BWP、initial active DL BWP)は、タイプ0PDCCHコモンサーチスペースのためのコントロールリソースセット(CORESET)でのPDCCH受信のために、連続的なPRBの位置と数、サブキャリア間隔、および、サイクリックプレフィックスによって定義されてもよい。該連続的なPRBの位置は、タイプ0PDCCHコモンサーチスペースのためのコントロールリソースセットのPRBの間で、最小インデックスのPRBから始まり、最大インデックスのPRBで終わる。端末装置1に対して上位層のパラメータinitialDownlinkBWPが設定(提供)されている場合、初期DL BWPは上位層のパラメータinitialDownlinkBWPによって示されてもよい。上位層のパラメータinitialDownlinkBWPは、SIB1(systemInformationBlockType1、ServingCellConfigCommonSIB)またはServingCellConfigCommonに含まれてもよい。インフォメーションエレメントServingCellConfigCommonSIBは、SIB1内で端末装置1に対するサービングセルのセル固有パラメータを設定するために使われる。
【0120】
即ち、端末装置1に対して上位層のパラメータinitialDownlinkBWPが設定(提供)されない場合、初期DL BWPのサイズは、タイプ0PDCCHコモンサーチスペースのためのコントロールリソースセット(CORESET#0)のリソースブロックの数であってもよい。端末装置1に対して上位層のパラメータinitialDownlinkBWPが設定(提供)されている場合、初期DL BWPのサイズは、上位層のパラメータinitialDownlinkBWPに含まれるlocationAndBandwidthによって与えられてもよい。上位層のパラメータlocationAndBandwidthは初期DL BWPの周波数領域の位置と帯域幅を示してもよい。
【0121】
前述のように、端末装置1に対して複数のDL BWPが設定されていてもよい。そして、端末装置1に対して設定されているDL BWPの内、上位層のパラメータdefaultDownlinkBWP-IdによりデフォルトDL BWPが設定されることができる。端末装置1に対して上位層のパラメータdefaultDownlinkBWP-Idが提供されない場合、デフォルトDL BWPは初期DL BWPである。
【0122】
端末装置1には、初期UL BWPがSIB1(systemInformationBlockType1)またはinitialUplinkBWPによって提供されてもよい。インフォメーションエレメントinitialUplinkBWPは、初期UL BWPを設定するために使われる。SpCellまたはセカンダリセルでのオペレーションに対して、端末装置1には、上位層のパラメータinitialUplinkBWPによって初期UL BWP(初期アクティブなUL BWP)が設定(提供)されてもよい。端末装置1に対して補足的な上りリンクキャリア(supplementary UL carrier)が設定される場合、端末装置1には、上位層のパラメータsupplementaryUplinkに含まれるinitialUplinkBWPによって、補足的な上りリンクキャリアでの初期UL BWPが設定されてもよい。
【0123】
以下、本実施形態におけるコントロールリソースセット(CORESET)について説明する。
【0124】
コントロールリソースセット(CORESET, Control resource set)は下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。CORESETの設定情報には、CORESETの識別子(ControlResourceSetId、CORESET-ID)とCORESETの周波数リソースを特定する情報が含まれる。インフォメーションエレメントControlResourceSetId(CORESETの識別子)は、あるサービングセルにおけるコントロールリソースセットを特定するために使われる。CORESETの識別子は、あるサービングセルにおけるBWP間で使われる。CORESETの識別子は、サービングセルにおけるBWP間でユニークである。各BWPのCORESETの数は、初期CORESETを含めて、3に制限される。あるサービングセルにおいて、CORESETの識別子の値は、0から11までの値を取る。
【0125】
CORESETの識別子0(ControlResourceSetId 0)で特定されるコントロールリソースセットはCORESET#0と称する。CORESET#0は、MIBに含まれるpdcch-ConfigSIB1、または、ServingCellConfigCommonに含まれるPDCCH-ConfigCommonによって設定されてもよい。即ち、CORESET#0の設定情報は、MIBに含まれるpdcch-ConfigSIB1、または、ServingCellConfigCommonに含まれるPDCCH-ConfigCommonであってもよい。CORESET#0の設定情報は、PDCCH-ConfigSIB1またはPDCCH-ConfigCommonに含まれるcontrolResourceSetZeroによって設定されてもよい。つまり、インフォメーションエレメントcontrolResourceSetZeroは、初期DL BWPのCORESET#0(コモンCORESET)を示すために用いられる。pdcch-ConfigSIB1で示されるCORESETは、CORESET#0である。MIBまたは専用コンフィギュレーション内のインフォメーションエレメントpdcch-ConfigSIB1は、初期DL BWPを設定するために用いられる。CORESET#0に対するCORESETの設定情報pdcch-ConfigSIB1には、CORESETの識別子とCORESETの周波数リソース(例えば、連続的なリソースブロックの数)および時間リソース(連続的なシンボルの数)を明示的に特定する情報は含まれないが、CORESET#0に対するCORESETの周波数リソース(例えば、連続的なリソースブロックの数)および時間リソース(連続的なシンボルの数)は、pdcch-ConfigSIB1に含まれる情報によって暗示的に特定できる。インフォメーションエレメントPDCCH-ConfigCommonは、SIBで提供されるセル固有のPDCCHパラメータを設定するために用いられる。また、PDCCH-ConfigCommonはハンドオーバ、および、PSCellおよび/またはSCellの追加時にも提供されてもよい。CORESET#0の設定情報は、初期BWPの設定の中に含まれる。即ち、CORESET#0の設定情報は、初期BWP以外のBWPの設定の中に含まれなくてもよい。controlResourceSetZeroは、pdcch-ConfigSIB1の内4ビット(例えば、MSB 4ビット、最上位ビットの4ビット)に対応する。CORESET#0はタイプ0PDCCHコモンサーチスペースのためのコントロールリソースセットである。
【0126】
追加のコモンCORESET(additional common control resource set)の設定情報は、PDCCH-ConfigCommonに含まれるcommonControlResourceSetによって設定されてもよい。また、追加のコモンCORESETの設定情報は、システム情報および/またはページング手順のための追加のコモンCORESETを指定するために使用されてもよい。追加のコモンCORESETの設定情報は、ランダムアクセス手順に使われる追加のコモンCORESETを指定するために使用されてもよい。追加のコモンCORESETの設定情報は、各BWPの設定の中に含まれてもよい。commonControlResourceSetに示されるCORESETの識別子は0以外の値を取る。
【0127】
コモンCORESETは、ランダムアクセス手順に使われるCORESET(例えば、追加のコモンCORESET)であってもよい。また、本実施形態において、コモンCORESETには、CORESET#0および/または追加のコモンCORESETの設定情報で設定されたCORESETが含まれてもよい。つまり、コモンCORESETはCORESET#0および/または追加のコモンCORESETを含んでもよい。CORESET#0はコモンCORESET#0と称してもよい。端末装置1、コモンCORESETが設定されているBWP以外のBWPにおいても、コモンCORESETの設定情報を参照(取得)してもよい。
【0128】
1つまたは複数のCORESETの設定情報は、PDCCH-Configによって設定されてもよい。インフォメーションエレメントPDCCH-Configは、あるBWPに対してUE固有のPDCCHパラメータ(例えば、CORESET、サーチスペースなど)を設定するために用いられる。PDCCH-Configは、各BWPの設定の中に含まれてもよい。
【0129】
即ち、本実施形態において、MIBで示されるコモンCORESETの設定情報はpdcch-ConfigSIB1であり、PDCCH-ConfigCommonで示されるコモンCORESETの設定情報はcontrolResourceSetZeroであり、PDCCH-ConfigCommonで示されるコモンCORESET(追加のコモンCORESET)の設定情報はcommonControlResourceSetである。また、PDCCH-Configで示される1つまたは複数のCORESET(UE specifically configured Control Resource Sets、UE固有CORESET)の設定情報はcontrolResourceSetToAddModListである。
【0130】
サーチスペースはPDCCH候補(PDCCH candidates)をサーチするために定義される。サーチスペースの設定情報に含まれるsearchSpaceTypeは、該サーチスペースがコモンサーチスペース(Common Search Space, CSS)であるかUE固有サーチスペース(UE-specific Search Space, USS)であるかを示す。UE固有サーチスペースは、少なくとも、端末装置1がセットしているC-RNTIの値から導き出される。すなわち、UE固有サーチスペースは、端末装置1毎に個別に導き出される。コモンサーチスペースは、複数の端末装置1の間で共通のサーチスペースであり、予め定められたインデックスのCCE(Control Channel Element)から構成される。CCEは、複数のリソースエレメントから構成される。サーチスペースの設定情報には、該サーチスペースでモニタされるDCIフォーマットの情報が含まれる。
【0131】
サーチスペースの設定情報には、CORESETの設定情報で特定されるCORESETの識別子が含まれる。サーチスペースの設定情報の中に含まれるCORESETの識別子で特定されるCORESETは、該サーチスペースと関連付けられる。言い換えると、該サーチスペースに関連付けられるCORESETは、該サーチスペースに含まれるCORESETの識別子で特定するCORESETである。該サーチスペースの設定情報で示されるDCIフォーマットは、関連付けられるCORESETでモニタされる。各サーチスペースは一つのCORESETに関連付けられる。例えば、ランダムアクセス手順のためのサーチスペースの設定情報はra-SearchSpaceによって設定されてもよい。即ち、ra-SearchSpaceと関連付けられるCORESETでRA-RNTIまたはTC-RNTIによってスクランブルされるCRCが付加されたDCIフォーマットがモニタされる。
【0132】
端末装置1は、PDCCHをモニタリングするように設定されているそれぞれのアクティブなサービングセルに配置される、1つまたは複数のCORESETにおいて、PDCCHの候補のセットをモニタする。PDCCHの候補のセットは、1つまたは複数のサーチスペースセットに対応している。「モニタリングする」とは、モニタされる1つまたは複数のDCIフォーマットに応じてそれぞれのPDCCHの候補をデコードすることを意味してよい。端末装置1がモニタするPDCCHの候補のセットは、PDCCHサーチスペースセット(PDCCH search space sets)で定義される。一つのサーチスペースセットは、コモンサーチスペースセットまたはUE固有サーチスペースセットである。上記では、サーチスペースセットをサーチスペース、コモンサーチスペースセットをコモンサーチスペース、UE固有サーチスペースセットをUE固有サーチスペースと称している。端末装置1は、1つまたは複数の以下のサーチスペースセットでPDCCH候補をモニタする。- タイプ0PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type0-PDCCH common searchspace set、タイプ0コモンサーチスペース): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、MIBで示されるpdcch-ConfigSIB1またはPDCCH-ConfigCommonで示されるサーチスペースSIB1(searchSpaceSIB1)またはPDCCH-ConfigCommonに含まれるサーチスペースゼロ(searchSpaceZero)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるSI-RNRIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。- タイプ0APDCCHコモンサーチスペースセット(a Type0A-PDCCH common search space set、タイプ0Aコモンサーチスペース): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-ConfigCommonで示されるサーチスペース(searchSpaceOtherSystemInformation)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるSI-RNRIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。- タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type1-PDCCH common searchspace set、タイプ1コモンサーチスペース): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-ConfigCommonで示されるランダムアクセス手順のためのサーチスペース(ra-SearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるRA-RNRIまたはTC-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順のためのサーチスペースセットである。- タイプ2PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type2-PDCCH common searchspace set、タイプ2コモンサーチスペース): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-ConfigCommonで示されるページング手順のためのサーチスペース(pagingSearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるP-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。- タイプ3PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type3-PDCCH common searchspace set、タイプ3コモンサーチスペース): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-Configで示されるサーチスペースタイプがコモンのサーチスペース(SearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、INT-RNTI、SFI-RNTI、TPC-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI、またはTPC-SRS-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。プライマリライセルに対しては、C-RNTI、CS-RNTI(s)、またはMCS-C-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。- UE固有サーチスペースセット(a UE-specific search space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-Configで示されるサーチスペースタイプがUE固有のサーチスペース(SearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、C-RNTI、CS-RNTI(s)、またはMCS-C-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。
【0133】
もし、端末装置1が、対応する上位層パラメータ(searchSpaceZero、searchSpaceSIB1、searchSpaceOtherSystemInformation、 pagingSearchSpace, ra-SearchSpaceなど) によって、1つまたは複数のサーチスペースセットを提供されて、端末装置1が、C-RNTIまたはCS-RNTIを提供されている場合、端末装置1は、C-RNTIまたはCS-RNTIを持つDCI format 0_0とDCI format 1_0のためのPDCCH候補を、その1つまたは複数のサーチスペースセットでモニタしてもよい。
【0134】
BWPの設定情報はDL BWPの設定情報とUL BWPの設定情報に分けられる。BWPの設定情報には、インフォメーションエレメントbwp-Id(BWPの識別子)が含まれる。DL BWPの設定情報に含まれるBWPの識別子は、あるサービングセルにおけるDL BWPを特定(参照)するために使われる。UL BWPの設定情報に含まれるBWPの識別子は、あるサービングセルにおけるUL BWPを特定(参照)するために使われる。BWPの識別子はDL BWPとUL BWPのそれぞれに対して付与される。例えば、DL BWPに対応するBWPの識別子はDL BWP インデックス(DL BWP index)と称してもよい。UL BWPに対応するBWPの識別子はUL BWP インデックス(UL BWP index)と称してもよい。初期DL BWPは、DL BWPの識別子0によって参照される。初期UL BWPは、UL BWPの識別子0によって参照される。他のDL BWPまたは他のUL BWPのそれぞれは、BWPの識別子 1からmaxNrofBWPsまでに参照されてもよい。つまり、0にセットしたBWPの識別子(bwp-Id=0)は、初期BWPに関連つけられ、他のBWPに使われることができない。maxNrofBWPsはサービングセルあたりのBWPの最大数であり、4である。即ち、他のBWPの識別子の値は、1から4までの値を取る。他の上位層の設定情報は、BWPの識別子を利用して特定のBWPに関連付けられる。DL BWPとUL BWPが同じBWPの識別子を有することは、DL BWPとUL BWPがペアされていることを意味してもよい。
【0135】
端末装置1は、1つのプライマリセルと15までのセカンダリセルが設定されてよい。
【0136】
以下では、PUSCHを送信する手順について説明する。
【0137】
本実施形態に係る第1の繰返し送信方式を適用したPUSCHの繰返し送信について説明する。第1の繰返し送信方式は、1つのPUSCH(例えば1つのトランスポートブロック)をPUSCHの送信に利用可能なアップリンクリソースにおいて時間領域で連続的に繰返し送信する方式である。例えば、1つのトランスポートブロックに対して、複数の時間リソースが割り当てられ、その複数の時間リソースの各々に合わせてトランスポートブロックが符号化・送信されることにより、同一のトランスポートブロックが、送信に用いられた複数の時間リソースの数だけ繰返し送信される。
【0138】
端末装置1は、DCIフォーマット0_0、DCIフォーマット0_1、または、DCIフォーマット0_2を含むPDCCHの検出によって、対応するPUSCHを送信してもよい。つまり、対応するPUSCHは、そのDCIフォーマット(DCI)によってスケジュールされてもよい(示されてもよい)。例えば、端末装置1は、所定のRNTI(例えば、C-RNTI、MCS-C-RNTIあるいはNDI=1であるCS-RNTI)でCRCスクランブルされたPDCCH内のDCIフォーマット0_2でスケジュールされたPUSCHを送信する場合に、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信してもよい。例えば、端末装置1は、所定のRNTI(例えば、C-RNTI、MCS-C-RNTIあるいはNDI=1であるCS-RNTI)でCRCスクランブルされたPDCCH内のDCIフォーマット0_2でスケジュールされたPUSCHを送信する場合に、上位レイヤで所定のパラメータ(例えばpusch-Aggregation-v16)が設定されていれば、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信してもよい。例えば、端末装置1は、端末装置1は、所定のRNTI(例えば、C-RNTI、MCS-C-RNTIあるいはNDI=1であるCS-RNTI)でCRCスクランブルされたPDCCH内のDCIフォーマット0_1でスケジュールされたPUSCHを送信する場合に、上位レイヤで所定のパラメータ(例えばpusch-Aggregation-v16)が設定されていれば、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信してもよい。また、PUSCHは、RARメッセージに含まれるRAR ULグラントによってスケジュールされてもよい。そのスケジュールされるPUSCHの開始位置(開始シンボル)はSで定義されてもよい。PUSCHの開始シンボルSはあるスロット内であるPUSCHが送信(マップ)される最初のシンボルのシンボルインデックスであってもよい。例えば、スロット内に14シンボルが含まれる場合、Sに利用可能な値は、0から13であってよい。開始シンボルSはスロットの先頭から何番目のシンボルであるかを示す。例えば、Sの値が2である場合、端末装置1は、あるスロットの3番目のシンボルからPUSCHを送信してもよい。スケジュールされるPUSCHの連続的なシンボルの数をLと称する。連続的なシンボルの数Lは開始シンボルSから数える。PUSCHに対して割り当てられたSとLの決定は後述する。ただし、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信する場合に、Sは繰返し送信される最初のPUSCHの開始シンボルのインデックスであってもよい。ただし、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信する場合に、Lは繰返し送信されるPUSCHの名目上のシンボル数であってもよい。例えば、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信する場合に、繰返し送信される1つのPUSCHに使用されるシンボル数とLで示されるシンボル数は異なる値であってもよい。例えば、第1の繰返し送信方式を適用してPUSCHを送信する場合に、繰返し送信される1つのPUSCHに利用可能なシンボル数の最大値がLであってもよい。端末装置1は、DCIフォーマット0_2の検出によって、複数の対応するPUSCHを送信してもよい。
【0139】
PUSCHマッピングのタイプはPUSCHマッピングタイプAおよびPUSCHマッピングタイプBを有してよい。PUSCHマッピングタイプAでは、Sの値は0である。Lは4から14までの値を取る。ただし、SとLの和は4から14までの値を取る。PUSCHマッピングタイプBでは、Sは0から13までの値を取る。Lは1から14までの値を取る。SとLの和は1から14までの値に制限されてもよい。ただし、所定の条件において、SとLの和は制限されなくてもよい。例えば、ある上位レイヤパラメータが設定されている場合に、SとLの和は制限されず、設定されていない場合にSとLの和は制限されてもよい。ただし、ある上位レイヤパラメータが設定されている場合に、PUSCHマッピングタイプBではなく、異なるマッピングタイプ(例えばPUSCHマッピングタイプC)が設定されてもよい。PUSCHマッピングタイプCは、PUSCHマッピングタイプBと同様にミニスロット単位での割り当てに対応するマッピングタイプであってよい。例えば、PUSCHマッピングタイプBではSとLの和が1から14までの値に制限され、PUSCHマッピングタイプCではSとLの和が制限されなくてもよい。以下のPUSCHマッピングタイプBに関する記載がPUSCHマッピングタイプCに適用されてもよい。
【0140】
PUSCHのためのDMRSシンボルの位置は、PUSCHマッピングのタイプに依存してよい。PUSCHための最初のDMRSシンボル(first DM-RS symbol)の位置は、PUSCHマッピングのタイプに依存してよい。PUSCHマッピングタイプAでは、最初のDMRSシンボルの位置は、上位層のパラメータdmrs-TypeA-Positionに示されてもよい。例えば、dmrs-TypeA-Positionは、‘pos2’または‘pos3’のいずれかにセットされる。例えば、dmrs-TypeA-Positionが‘pos2’にセットされている場合、PUSCHのための最初のDMRSシンボルの位置は、スロット内の3番目のシンボルであってもよい。例えば、dmrs-TypeA-Positionが‘pos3’にセットされている場合、PUSCHのための最初のDMRSシンボルの位置は、スロット内の4番目のシンボルであってもよい。PUSCHマッピングタイプBおよびPUSCHマッピングタイプCでは、最初のDMRSシンボルの位置は、割り当てられるPUSCHの最初のシンボルであってもよい。
【0141】
以下、PUSCH時間領域リソース割り当ての特定方法について説明する。
【0142】
基地局装置3は、DCIによって端末装置1にPUSCHを送信させるようにスケジュールしてもよい。端末装置1は、自装置宛てのDCIの検出によってPUSCHを送信してもよい。端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てを特定する時に、該PUSCHに適用するリソース割り当てテーブルを決定する。リソース割り当てテーブルは、1つまたは複数のPUSCH時間領域リソース割り当て設定を含む。端末装置1は、該PUSCHをスケジュールするDCIに含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値に基づき、決定したリソース割り当てテーブル内の1つのPUSCH時間領域リソース割り当て設定を選んでもよい。つまり、基地局装置3は、端末装置1のためのPUSCHのリソース割り当てを決定し、‘Time domain resource assignment’フィールドの値を生成し、その‘Time domain resource assignment’フィールドを含むDCIを端末装置1に送信する。端末装置1は、‘Time domain resource assignment’フィールドにセットされる値に基づき、PUSCHの時間領域のリソース割り当てを特定する。
【0143】
図8と
図9はPUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルの選択ルールを定義するテーブルである。端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てに
図8に示されるテーブルを用いるか
図9に示されるテーブルを用いるかを、上位レイヤパラメータ、DCI、および/またはRNTIに基づいて決定/選択してもよい。例えば、上位レイヤパラメータpusch-tdra-r16が設定されている場合は、端末装置1は
図9に示されるテーブルを用いてPUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルを決定/選択し、設定されていない場合は、端末装置1は
図8に示されるテーブルを用いてPUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルを決定/選択してもよい。ただし、
図8と
図9のテーブルは併せて1つのテーブルであってもよい。端末装置1は、RNTI、PDCCHサーチスペース、所定の上位レイヤパラメータpusch-TimeDomainAllocationListまたはpusch-TimeDomainAllocationList2の有無、および/または、上位レイヤパラメータpusch-tdra-r16の設定あるいは有無に基づいてPUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルを決定/選択してもよい。リソース割り当てテーブルは、1つまたは複数のPUSCH時間領域リソース割り当ての設定を含む。本実施形態において、リソース割り当てテーブルは、(I)事前に定義されるリソース割り当てテーブル、および、(II)上位層のRRC信号から設定されるリソース割り当てテーブルと分類される。事前に定義されるリソース割り当てテーブルは、デフォルトPUSCH時間領域リソース割り当てAおよび/またはデフォルトPUDSCH時間領域リソース割り当てBとして定義される。以下、デフォルトPUSCH時間領域リソース割り当てAはPUSCHデフォルトテーブルAと、デフォルトPUSCH時間領域リソース割り当てBはPUSCHデフォルトテーブルBと称される。
【0144】
図10はNCP(Normal Cyclic Prefix)に対してPUSCHデフォルトテーブルAの一例を示す図である。
図10において、PUSCHデフォルトテーブルAの行数は16であり、各行はPUSCH時間領域リソース割り当ての設定(configuration)を示す。
図10において、インデックス付きの行(indexed row)は、PUSCHマッピングタイプ、DCIを含むPDCCHとそのPUSCHとの間のスロットオフセットK
2、スロット内のPUSCHの開始シンボルS、および、連続的な割り当てられるシンボル数Lを定義する。
図11はNCPに対してのPUSCHデフォルトテーブルBの一例を示す図である。
図11において、PUDSCHデフォルトテーブルBの行数は16であり、各行はPUSCH時間領域リソース割り当ての設定を示す。
図11において、インデックス付きの行は、DCIを含むPDCCHとそのPUSCHとの間のスロットオフセットK
2、スロット内のPUSCHの開始シンボルS、連続的な割り当てられるシンボル数L、および/またはPUSCHの繰返送信回数Repを定義する。ただし、PUSCHデフォルトテーブルAおよび/またはPUSCHデフォルトテーブルBの行数は16でなくてもよい。例えば、PUSCHデフォルトテーブルAとPUSCHデフォルトテーブルBの行数は異なる値であってもよい。つまり、端末装置1は、上位レイヤパラメータの設定、DCIフィールドに含まれる情報、および/またはRNTIにより、異なる行数のPUSCHデフォルトテーブルを用いてもよい。例えば、端末装置1は、DCIで示される時間領域リソース割り当てのフィールドを構成するビット数に応じて、異なる行数のPUSCHデフォルトテーブルを用いてもよい。ただし、PUSCHデフォルトテーブルAを構成する列とPUSCHデフォルトテーブルBを構成する列は異なってもよい。例えば、PUSCHデフォルトテーブルAで示される、インデックス付きの行、PUSCHマッピングタイプ、オフセットK2、開始シンボルS、シンボル数Lのいずれかが、PUSCHデフォルトテーブルBで示されなくてもよく、逆にそれ以外の列がPUSCHデフォルトテーブルBでのみ示されてもよい。
【0145】
以下、スロットオフセットK2について説明する。
【0146】
前述のように、サブキャリア間隔設定μにおいて、スロットは、サブフレーム内で0からN^{subframe,μ}_{slot}-1まで昇順に数えられ、フレーム内で0からN^{frame,μ}_{slot}-1まで昇順に数えられる。K2はPUSCHのサブキャリア間隔に基づくスロットの数である。K2は0から32までの値を取り得る。あるサブフレームまたはフレームにおいて、スロットの番号は0からに昇順に数えられる。サブキャリア間隔設定15kHzのスロット番号nは、サブキャリア間隔設定30kHzのスロット番号2nと2n+1に対応する。
【0147】
端末装置1がPUSCHをスケジュールするDCIを検出した場合に、そのPUSCHに割り当てられるスロットはfloor(n*2μPUSCH/2μPDCCH)+K2によって与えられる。関数floor(A)は、Aを上回らない最大の整数を出力する。nは、PUSCHをスケジュールするPDCCHが検出されたスロットである。μPUSCHはPUSCHに対するサブキャリア間隔設定である。μPDCCHはPDCCHに対するサブキャリア間隔設定である。
【0148】
上位層のRRC信号から設定されるリソース割り当てテーブルは、上位層の信号pusch-TimeDomainAllocationListによって与えられてよい。インフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocationは、PUSCH時間領域リソース割り当ての設定を示す。PUSCH-TimeDomainResourceAllocationは、DCIを含むPDCCHとPUSCHの間の時間領域関係を設定するために用いられてもよい。pusch-TimeDomainAllocationListは1つまたは複数のインフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocationを含む。つまり、pusch-TimeDomainAllocationListは1つまたは複数のエレメント(インフォメーションエレメント)を含むリストである。1つのインフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocationを1つのエントリ(または1つの行)とも称してもよい。
図12は、PUSCH-TimeDomainResourceAllocationすなわち各エントリのパラメータ構成の一例を示す図である。各エントリは、k2、mappingType、および、startSymbolAndLengthによって定義されてもよい。k2はDCIを含むPDCCHとそのスケジュールされるPUSCHとの間のスロットオフセットを示す。PUSCH-TimeDomainResourceAllocationがk2を示さないならば、端末装置1は、PUSCHの送信に用いるサブキャリア間隔に応じて、k2の値が所定の値であることを想定してもよい。例えば、端末装置1は、PUSCHのサブキャリア間隔が15kHzまたは30kHzである場合に、k2の値が1であることを想定し、PUSCHのサブキャリア間隔が60kHzである場合に、k2の値が2であることを想定し、PUSCHのサブキャリア間隔が120kHzである場合に、k2の値が3であることを想定してもよい。mappingTypeは、PUSCHマッピングタイプAまたはPUSCHマッピングタイプBのいずれかを示す。startSymbolAndLengthはPUSCHの開始シンボルS、および、連続的な割り当てられるシンボル数Lの有効な組み合わせを与えるインデックスである。startSymbolAndLengthをスタートと長さインジケータSLIV(start and length indicator)と称してもよい。つまり、開始シンボルSと連続的なシンボルLを直接に定義するデフォルトテーブルと異なって、開始シンボルSと連続的なシンボルLは、SLIVに基づき与えられる。基地局装置3は、PUSCHの時間領域リソース割り当てがスロット境界を超えないよう、SLIVの値をセットすることができる
【0149】
【0150】
図13において、14は1つのスロットに含まれるシンボルの数である。
図13は、NCP(Normal Cyclic Prefix)の場合にSLIVを算出する一例を示す。SLIVの値は、スロットに含まれるシンボルの数、開始シンボルS、および、連続的なシンボル数Lに基づいて、算出される。ここで、Lの値は1以上であり、(14-S)を超えない。ECPでSLIVを算出する場合には、
図13における値7と14には代わりに6と12が使われる。
【0151】
上位層のRRC信号から設定されるリソース割り当てテーブルは、上位層の信号pusch-TimeDomainAllocationList2によって与えられてもよい。pusch-TimeDomainAllocationList2はpusch-TimeDomainAllocationListとは異なるパラメータであってよい。インフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocation2は、PUSCH時間領域リソース割り当ての設定を示す。PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2は、DCIを含むPDCCHとPUSCHの間の時間領域関係を設定するために用いられてもよい。pusch-TimeDomainAllocationList2は1つまたは複数のインフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocation2を含む。つまり、pusch-TimeDomainAllocationList2は1つまたは複数のエレメント(インフォメーションエレメント)を含むリストである。1つのインフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocation2を1つのエントリ(または1つの行)とも称してもよい。
【0152】
図14は、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2すなわち各エントリのパラメータ構成の一例を示す図である。各エントリは、k2、mappingType、startSymbol、lengthおよび/またはrepetitionによって定義されてもよい。ただし、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2にはマッピングタイプを示すパラメータmappingTypeが含まれてもよい。k2はDCIを含むPDCCHとそのスケジュールされるPUSCHとの間のスロットオフセットを示す。PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2にk2が提供されていない(not present/absent)ならば、端末装置1は、PUSCHの送信に用いるサブキャリア間隔に応じて、k2の値が所定の値であることを想定してもよい。例えば、PUSCHのサブキャリア間隔が15kHzまたは30kHzである場合に、k2の値が1であることを想定し、PUSCHのサブキャリア間隔が60kHzである場合に、k2の値が2であることを想定し、PUSCHのサブキャリア間隔が120kHzである場合に、k2の値が3であることを想定してもよい。mappingTypeは、PUSCHマッピングタイプを示す。例えば、mappingTypeはPUSCHマッピングタイプAまたはPUSCHマッピングタイプBのいずれかを示す。startSymbolはPUSCHの開始シンボルSを示す。例えば、startSymbolは0から13のうちいずれかの整数を示す。lengthは、1つのPUSCHの長さ、すなわち連続的に割り当てられるシンボル数Lを示す。例えば、Lは複数の整数値のいずれかの1つを示す。ただし、lengthで示されるLは、シンボルが利用可能か不可能かに関わらず仮想的にPUSCHが連続的に割り当てられる名目上の長さ(nominal length)(シンボル数)であってもよく、実際にPUSCHの送信に使用するシンボルとLの値が異なってもよい。ただし、lengthで示されるLは、利用可能なアップリングシンボルに対してPUSCHが連続的に割り当てられるシンボル数であってもよい。repetitionは、PUSCHの繰返送信回数Repを示す。例えば、repetitionは、2から8の整数のうちいずれか1つを示してもよい。ただし、repetitionで示されるRepは、PUSCHの名目上の繰返し回数(nominal number of repetition)であってもよく、実際にPUSCHの繰返し回数とRepの値が異なってもよい。ただし、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2にrepetitionが提供されていない(not present/absent)場合に、端末装置1はrepetitionの値が1である(PUSCHの繰返し送信回数が1である)と想定してもよい。ただし、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2にrepetitionが提供されていない場合に、端末装置1は上位レイヤパラメータrepetitionCommonの値に基づいて繰返し送信回数を選択/決定してもよい。ただし、上位レイヤパラメータrepetitionCommonは、全てのエントリに共通で用いられるPUSCHの繰返し送信回数を示す。ただし、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2にrepetitionが提供されておらず、かつ上位レイヤパラメータrepetitionCommonが提供/設定されていない場合に、端末装置1はrepetitionの値が1である(PUSCHの繰返し送信回数が1である)と想定してもよい。ただし、startSymbol、lengthおよび/またはrepetitionの値はジョイントコーディングを用いて一つのパラメータで与えられてもよい。例えば、使用されないstartSymbol、lengthおよび/またはrepetitionの組合せを省いた値を候補とするパラメータを用いてもよい。
【0153】
上位層のRRC信号から設定されるリソース割り当てテーブルは、上位層の信号pusch-TimeDomainAllocationList3によって与えられてもよい。pusch-TimeDomainAllocationList3はpusch-TimeDomainAllocationListおよびpusch-TimeDomainAllocationList2とは異なるパラメータであってよい。インフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocation3は、PUSCH時間領域リソース割り当ての設定を示す。PUSCH-TimeDomainResourceAllocation3は、DCIを含むPDCCHとPUSCHの間の時間領域関係を設定するために用いられてもよい。pusch-TimeDomainAllocationList3は1つまたは複数のインフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocation3を含む。つまり、pusch-TimeDomainAllocationList3は1つまたは複数のエレメント(インフォメーションエレメント)を含むリストである。1つのインフォメーションエレメントPUSCH-TimeDomainResourceAllocation3を1つのエントリ(または1つの行)とも称してもよい。
【0154】
図15は、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation3すなわち各エントリのパラメータ構成の一例を示す図である。各エントリは、要素数が1からmaxNrofRepsのいずれかのPUSCH-TDRAperRepで構成され、各PUSCH-TDRAperRepはk2、および/またはstartSymbolAndLengthによって定義されてもよい。k2はDCIを含むPDCCHとそのスケジュールされるPUSCHとの間のスロットオフセットを示す。PUSCH-TDRAperRepにk2が提供されていない(not present/absent)ならば、端末装置1は、PUSCHの送信に用いるサブキャリア間隔に応じて、k2の値が所定の値であることを想定してもよい。例えば、PUSCHのサブキャリア間隔が15kHzまたは30kHzである場合に、k2の値が1であることを想定し、PUSCHのサブキャリア間隔が60kHzである場合に、k2の値が2であることを想定し、PUSCHのサブキャリア間隔が120kHzである場合に、k2の値が3であることを想定してもよい。startSymbolAndLengthはPUSCHの開始シンボルS、および、連続的な割り当てられるシンボル数Lの有効な組み合わせを与えるインデックスである。startSymbolAndLengthをスタートと長さインジケータSLIV(start and length indicator)と称してもよい。つまり、開始シンボルSと連続的なシンボルLを直接に定義するデフォルトテーブルと異なって、開始シンボルSと連続的なシンボルLは、SLIVに基づき与えられる。基地局装置3は、PUSCHの時間領域リソース割り当てがスロット境界を超えないよう、SLIVの値をセットすることができる。SLIVの値は、
図13における式のように、スロットに含まれるシンボルの数、開始シンボルS、および、連続的なシンボルの数Lに基づいて、算出される。
【0155】
上位層の信号pusch-TimeDomainAllocationList、pusch-TimeDomainAllocationList2、および/または、pusch-TimeDomainAllocationList3はセル固有のRRCパラメータpusch-ConfigCommonおよび/または端末装置1(UE)固有のRRCパラメータpusch-Configに含まれてもよい。pusch-ConfigCommonはあるBWPに対するPUSCHのためのセル固有パラメータを設定するために用いられる。pusch-ConfigはあるBWPに対するPUSCHのための端末装置1(UE)固有パラメータを設定するために用いられる。ただし、端末装置1は、PUSCHの時間領域リソース割り当てに用いるリソース割り当てテーブルがpusch-TimeDomainAllocationListで与えられるかpusch-TimeDomainAllocationList2で与えられるか、または、pusch-TimeDomainAllocationList3で与えられるかを、上位レイヤパラメータ、DCIおよび/またはRNTIに基づいて決定/特定してもよい。ただし、端末装置1は、pusch-TimeDomainAllocationList、pusch-TimeDomainAllocationList2、または、pusch-TimeDomainAllocationList3における各エントリが、PUSCH-TimeDomainResourceAllocationで与えられるか、PUSCH-TimeDomainResourceAllocation2で与えられるか、または、pusch-TimeDomainAllocation3で与えられるかを、上位レイヤパラメータ、DCIおよび/またはRNTIに基づいて決定/特定してもよい。
【0156】
端末装置1は、PUSCHをスケジュールするDCIを検出する。そのPUSCHが送信されるスロットは、floor(n*2μPUSCH/2μPDCCH)+K2によって与えられる。nは、PUSCHをスケジュールするPDCCHが検出されるスロットである。μPUSCHはPUSCHに対するサブキャリア間隔設定である。μPDCCHはPDCCHに対するサブキャリア間隔設定である。
【0157】
図10および
図11において、K
2の値はj、j+1、j+2、または、j+3の内、何れかである。jの値は、PUSCHのサブキャリア間隔に対して特定される値である。例えば、PUSCHが適用されるサブキャリア間隔が15kHzまたは30kHzである場合、jの値は1スロットであってもよい。例えば、PUSCHが適用されるサブキャリア間隔が60kHzである場合、jの値は2スロットであってもよい。例えば、PUSCHが適用されるサブキャリア間隔が120kHzである場合、jの値は3スロットであってもよい。
【0158】
前述のように、端末装置1は、
図9に示されるようなテーブルに基づいて、どのリソース割り当てテーブルをPUSCH時間領域リソース割り当てに適用するかを決定/特定してもよい。
【0159】
例Aとして、端末装置1は、RAR ULグラントによってスケジュールされるPUSCHに適用するリソース割り当てテーブルを決定/特定してもよい。端末装置1に対してpusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含む場合、端末装置1は、上位層のRRC信号から設定されるリソース割り当てテーブルを決定/特定してもよい。そのリソース割り当てテーブルは、pusch-ConfigCommonに含まれるpusch-TimeDomainAllocationList2によって与えられる。また、端末装置1に対してpusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含まない場合、端末装置1は、PUSCHデフォルトテーブルBに決定/特定してもよい。つまり、端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当ての設定を示すデフォルトテーブルBを用いて、PUSCH時間領域リソース割り当ての決定/特定に適用してもよい。
【0160】
例Bとして、端末装置1は、CORESET#0に関連付けられる任意のコモンサーチスペースにおいてDCIを検出してもよい。検出したDCIは、C-RNTI、MCS-C-RNTI、TC-RNTI、または、CS-RNTIの内、何れかによってスクランブルされるCRCが付加される。そして、端末装置1は、そのDCIによってスケジュールされるPUSCHに適用するリソース割り当てテーブルを決定/特定してもよい。端末装置1に対してpusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含む場合、端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルを、pusch-ConfigCommonで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList2から与えられるリソース割り当てテーブルに決定/特定してもよい。また、pusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含まない場合、端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルをPUSCHデフォルトテーブルBに決定/特定してもよい。
【0161】
例Cとして、端末装置1は、(I)CORESET#0に関連付けられる任意のコモンサーチスペースまたは(II)UE固有サーチスペースにおいてDCIを検出してもよい。検出したDCIは、C-RNTI、MCS-C-RNTI、TC-RNTI、または、CS-RNTIの内、何れかによってスクランブルされるCRCが付加される。そして、端末装置1は、そのDCIによってスケジュールされるPUSCHに適用するリソース割り当てテーブルを決定/特定してもよい。端末装置1に対してpusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList2を含む場合、端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルを、pusch-Configで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList2から与えられるリソース割り当てテーブルに決定/特定してもよい。つまり、pusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList2を含む場合、端末装置1は、pusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含むか含まないかと関わらず、pusch-Configで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList2を用いて、PUSCH時間領域リソース割り当ての決定/特定に適用してもよい。また、pusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList2を含んでおらず、且つ、pusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含む場合、端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルを、pusch-ConfigCommonで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList2から与えられるリソース割り当てテーブルに決定/特定してもよい。つまり、端末装置1は、pusch-ConfigCommonで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList2を用いて、PUSCH時間領域リソース割り当ての決定/特定に適用する。また、pusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList2を含んでおらず、且つ、pusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList2を含まない場合、端末装置1は、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルをPUSCHデフォルトテーブルBに決定/特定してもよい。
【0162】
端末装置1は、PUSCHをスケジュールするDCIに含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値に基づき、決定/特定したリソース割り当てテーブル内の1つのPUSCH時間領域リソース割り当て設定を選んでもよい。例えば、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルがPUSCHデフォルトテーブルA(またはPUSCHデフォルトテーブルB)である場合、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mは、PUSCHデフォルトテーブルA(またはPUSCHデフォルトテーブルB)の行インデックス(row index)m+1を示してもよい。この時、PUSCH時間領域リソース割り当ては、行インデックスm+1から示される時間領域リソース割り当ての設定である。端末装置1は、行インデックスm+1から示される時間領域リソース割り当ての設定を想定し、PUSCHを送信する。例えば、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mが0である場合、端末装置1は、PUSCHデフォルトテーブルA(またはPUSCHデフォルトテーブルB)の行インデックス1のPUSCH時間領域リソース割り当ての設定を用いて、そのDCIによってスケジュールされるPUSCHの時間方向のリソース割り当てを特定する。
【0163】
また、PUSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルがpusch-TimeDomainAllocationListから与えられるリソース割り当てテーブルである場合、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mは、リストpusch-TimeDomainAllocationListにおける(m+1)番目のエレメント(エントリ、行)に対応する。例えば、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mが0である場合、端末装置1は、リストpusch-TimeDomainAllocationListにおける1番目のエレメント(エントリ)を参照してもよい。例えば、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mが1である場合、端末装置1は、リストpusch-TimeDomainAllocationListにおける2番目のエレメント(エントリ)を参照してもよい。
【0164】
また、PDSCH時間領域リソース割り当てに適用するリソース割り当てテーブルがpusch-TimeDomainAllocationList2から与えられるリソース割り当てテーブルである場合、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mは、リストpusch-TimeDomainAllocationList2における(m+1)番目のエレメント(エントリ、行)に対応する。例えば、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mが0である場合、端末装置1は、リストpusch-TimeDomainAllocationList2における1番目のエレメント(エントリ)を参照してもよい。例えば、‘Time domain resource assignment’フィールドに示される値mが1である場合、端末装置1は、リストpusch-TimeDomainAllocationList2における2番目のエレメント(エントリ)を参照してもよい。
【0165】
以下、DCIに含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数(サイズ)について説明する。
【0166】
端末装置1は、DCIフォーマット0_0、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット0_2を含むPDCCHの検出によって、対応するPUSCHを送信してもよい。DCIフォーマット0_0に含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数は固定のビット数であってもよい。例えば、この固定のビット数は6であってもよい。つまり、DCIフォーマット0_0に含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドのサイズは6ビットである。また、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット0_2に含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドのサイズは可変のビット数であってもよい。例えば、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット0_2に含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数は0、1、2、3、4、5、6のうち何れかであってもよい。
【0167】
以下、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット0_2に含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数の決定/特定について説明する。
【0168】
‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数は、ceil(log2(I))として与えられてもよい。端末装置1に対してpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)が設定(提供)される場合、Iの値はpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)に含まれるエントリの数であってもよい。端末装置1に対してpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)が設定(提供)されない場合、Iの値はPUSCHデフォルトテーブルA(またはPUSCHデフォルトテーブルB)の行の数であってもよい。つまり、端末装置1に対してpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)が設定される場合、‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数は、pusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)に含まれるエントリの数に基づいて与えられてもよい。端末装置1に対してpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)が設定されない場合、‘Time domain resource assignment’フィールドのビット数は、デフォルトテーブル(PUSCHデフォルトテーブルAまたはPUSCHデフォルトテーブルB)の行の数に基づいて与えられてもよい。具体的に言うと、pusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)を含む場合、Iの値はpusch-Configで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)に含まれるエントリの数であってもよい。また、pusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)を含んでおらず、且つ、pusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)を含む場合、Iの値はpusch-ConfigCommonで提供されるpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)に含まれるエントリの数であってもよい。また、pusch-Configがpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)を含んでおらず、且つ、pusch-ConfigCommonがpusch-TimeDomainAllocationList(またはpusch-TimeDomainAllocationList2、pusch-TimeDomainAllocationList3)を含まない場合、Iの値はPUSCHデフォルトテーブルA(またはPUSCHデフォルトテーブルB)に含まれる行の数であってもよい。
【0169】
以下、本実施形態におけるPUSCHの繰返し送信(repetition、repetition transmission、アグリゲーション送信とも称される)について説明する。本実施形態におけるPUSCHの繰返し送信は、1つの上りグラントによって1つまたは複数のスロットに対して連続的に複数のPUSCHを送信する繰返し送信であり、ミニスロットレベルの繰返し送信(mini-slot level repetition)、あるいはマルチセグメント送信(multi-segment transmission)とも称される。つまり、端末装置1は、同一スロット内で1つのPUSCHを複数回繰り返して送信してもよい。ただし、1つのPUSCHとはある1つのトランスポートブロックから生成されるPUSCHのことであってもよい。例えば、1つのPUSCHを繰り返して送信することは、複数の時間リソースにおいて、ある1つのトランスポートブロックを各時間リソースのサイズに合わせて符号化を行ない生成した複数のPUSCHのそれぞれを該複数の時間リソースのそれぞれで送信することであってもよい。
【0170】
端末装置1は、RRCメッセージで通知される上位レイヤパラメータ(例えば前述のpusch-TimeDomainAllocationList2)と、PDCCHで受信する所定のDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_2)を用いた下りリンク制御情報のフィールド(例えば前述のTime domain resource assignmentフィールド)と、で与えられるPUSCHのための時間領域リソースの開始シンボルS、PUSCHの名目上の期間(duration)(シンボル数であってもよい)L、および/または、繰返し送信回数Repに基づいて決定/特定する時間リソースでPUSCHを繰返し送信する。つまり、端末装置1は、RRCメッセージで通知される上位レイヤパラメータと、PDCCHで受信する下りリンク制御情報のフィールドと、で与えられるS、L、および/または、Repから、繰返し送信を行なうPUSCHのそれぞれの開始シンボル、期間および/または繰返し送信回数を決定/特定してもよい。ただし、S、L、および/または、Repは、それぞれ名目上の開始シンボル、名目上の期間、および/または、名目上の繰返し送信回数であってもよい。例えば、S、L、および/または、Repは、それぞれ実際のPUSCHの送信に使用される開始シンボル、送信期間、および/または、繰返し送信回数と異なってもよい。端末装置1は、RRCメッセージで通知される上位レイヤパラメータとPDCCHで受信する下りリンク制御情報のフィールドとで与えられるPUSCHのための時間領域リソースのパラメータ(開始シンボルS、名目上の期間L、および/または、名目上の繰り返し回数Rep)と、スロットの境界位置(slot boundary)、PUSCHの送信に利用可能なシンボル(上りリンクシンボルおよび/またはフレキシブルシンボル)の配置、および/または、下りリンク制御情報で与えられる下りリンク信号の時間リソース配置とから、繰返し送信を行なうPUSCHのそれぞれの実際の開始シンボル、実際の期間および/または実際の繰返し送信回数を決定/特定してもよい。例えば、PUSCHの送信に利用可能な上りシンボルの配置は、RRCメッセージで送信される上位レイヤスロットフォーマット設定情報および/またはPDCCHで送信されるスロットフォーマット設定DCIとからセットされてもよい。端末装置1は、RRCメッセージおよび/またはDCIで示されるリソース割当情報、RRCメッセージで送信される上位レイヤスロットフォーマット設定情報、PDCCHで受信するスロットフォーマット設定DCI、および/または、下りリンク信号の時間リソース配置に基づいて、1つのトランスポートブロックから生成される複数のPUSCHのそれぞれの実際の開始シンボル、実際の期間、および/または、実際の繰返し送信回数を決定/特定してもよい。
【0171】
図16は、本実施形態に係るRRCメッセージで送信される上位レイヤスロットフォーマット設定情報とPDCCHで送信されるスロットフォーマット設定DCIとに基づいて設定されるPUSCHの送信に利用可能なシンボルの一例を示す図である。
【0172】
図16では、14シンボルから構成されるスロットに対して、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で最初の6シンボルが下りリンク(DL by RRC:セミスタティック下りリンクシンボル)と示され、次の4シンボルがフレキシブル(Flexible by RRC:セミスタティックフレキシブルシンボル)と示され、最後の4シンボルが上りリンク(UL by RRC:セミスタティック上りリンクシンボル)と示されている。この場合、端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されたシンボルはPUSCHのための時間リソース(PUSCHリソース)の配置に利用不可能なシンボルとしてよく、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルまたは上りリンクと示されたシンボルはPUSCHリソース配置に利用可能なシンボルとしてよい。例えば、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されたシンボルは、第1の繰返し送信方式を用いたPUSCH送信に利用可能なリソースから除外されてもよく、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルまたは上りリンクと示されたシンボルを対象として時間的に連続して複数のPUSCHリソースが割り当てられてよい。ただし、端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報の内容に関わらず、1つまたは複数の全てのシンボルに対して時間的に連続してPUSCHリソースが割り当てた後に、PUSCHリソースの配置に利用不可能なシンボル(例えばセミスタティック下りリンクシンボル)に割り当てられたPUSCHリソースおよびその後のPUSCHリソースを、当該セミスタティック下りリンクシンボルの次にPUSCHリソースの配置に利用可能なシンボル(例えばセミスタティック上りリンクシンボルまたはセミスタティックフレキシブルシンボル)に延期(postpone)して割り当ててもよい。ただし、端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報の内容に関わらず、1つまたは複数の全てのシンボルに対して時間的に連続してPUSCHリソースが割り当てた後に、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されたシンボルに割り当てられたPUSCHリソースをドロップ(キャンセル)してもよい。ただし、「ドロップする」とは端末装置1が当該シンボルに割り当てられたリソースを延期せずPUSCHの送信に利用しないことであってよい。ただし、「ドロップする」は「キャンセルする」や「送信しない」と称される場合もある。ただし、端末装置1は、上位レイヤで受信したRRCメッセージおよび/または基地局装置3から受信したPDCCHに含まれるDCIに含まれる情報によって、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されたシンボルに割り当てられたPUSCHリソースを、当該セミスタティック下りリンクシンボルの次に利用可能なシンボル(例えばセミスタティック上りリンクシンボルまたはセミスタティックフレキシブルシンボル)に延期して割り当てるか、延期せずにドロップ(キャンセル)するかを切り替えてもよい。
【0173】
ただし、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によってフレキシブルと示されたシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボル)のうち、所定のシンボルをPUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。ここで所定のシンボルとは、上位レイヤパラメータ(RRCパラメータ)によって下りリンク信号および/または上りリンク信号が配置されることを通知されたシンボルであってよい。
【0174】
例えば、上位レイヤパラメータ(例えばssb-PositionsInBurst)でSS/PBCHブロックが配置されることが示されたシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボルであってよい)は、PUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。上位レイヤパラメータによって示されるSS/PBCHブロックが送信されるシンボルと、PDCCHで受信する下りリンク制御情報のフィールドとで与えられるPUSCHのための時間領域リソースを配置するシンボルとが重複(overlap)/衝突(collide)する場合、端末装置1は当該シンボルをPUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0175】
例えば、上位レイヤパラメータ(例えばSearchSpace、SerchSpaceZero、ControlResourceSetおよび/またはControlResourceSetZero)でCORESET#0内のtype-0 CSSが配置されることが示されたシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボルであってよい)は、PUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。上位レイヤパラメータによって示されるCORESET#0内のtype-0 CSSが配置されるシンボルと、PDCCHで受信する下りリンク制御情報のフィールドとで与えられるPUSCHのための時間領域リソースを配置するシンボルとが重複(overlap)/衝突(collide)する場合、端末装置1は当該シンボルをPUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0176】
例えば、上位レイヤパラメータでPUSCHリソースを配置しないことが示されたシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボルであってよい)は、PUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。上位レイヤパラメータによってPUSCHリソースを配置しないことが示されたシンボルと、PDCCHで受信する下りリンク制御情報のフィールドとで与えられるPUSCHのための時間領域リソースを配置するシンボルとが重複(overlap)/衝突(collide)する場合、端末装置1は当該シンボルをPUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。ただし、PUSCHリソースを配置しないシンボルを示す上位レイヤパラメータは、PDSCHを配置しないことを示す上位レイヤパラメータ(例えばrateMatchPatternGroup1、rateMatchPatternGroup2および/またはrateMatchPatternToAddModList)によって示されてもよい。ただし、PUSCHリソースを配置しないシンボルを示す上位レイヤパラメータは、シンボル番号および/またはスロット番号を示すビットマップの情報、インデックス情報であってもよいし、シンボル番号およびまたはスロット番号を直接示す情報であってもよい。
【0177】
端末装置1は、PUSCHリソースを配置しないシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボルであってよい)ことを示す上位レイヤパラメータとは別に、PDSCHを配置しないことを示す上位レイヤパラメータ(例えばrateMatchPatternGroup1、rateMatchPatternGroup2および/またはrateMatchPatternToAddModList)で示されるシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボルであってよい)をPUSCHリソース配置に利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0178】
上位レイヤスロットフォーマット設定情報に基づいて割り当てられた複数のPUSCHリソースは、複数の仮PUSCHリソースと称されてもよい。複数の仮PUSCHリソースは、DCIに含まれるリソース割当情報(例えばS、Lおよび/またはRep)、上位レイヤスロットフォーマット設定情報および/またはその他の上位レイヤパラメータに基づいて決定/特定されてよい。端末装置1は、DCIに含まれるリソース割当情報(例えばS、Lおよび/またはRep)と上位レイヤスロットフォーマット設定情報および/またはその他の上位レイヤパラメータに基づいて複数の仮PUSCHリソースを決定/特定してもよい。
【0179】
端末装置1が、DCIに含まれるリソース割当情報に基づいて決定/特定するPUSCHの時間リソースを名目上の時間リソース(nominal time resource)と称してもよい。例えば、端末装置1は、Sで示される開始シンボルから連続するLシンボルを1つのPUSCHの名目上の時間リソースとし、Rep>1である場合に連続するRep×LシンボルをPUSCHの繰返し送信用の名目上の時間リソースとしてよい。端末装置1は、PUSCHの名目上の時間リソース、スロット境界の位置、および/または上位層で与えられるRRCパラメータに基づいて1つまたは複数の仮PUSCHリソースを特定してよい。例えば、端末装置1は、あるPUSCHの名目上の時間リソースがスロット境界にまたがる場合、該名目上の時間リソースをスロット境界で分割した複数の仮PUSCHリソースを特定してもよい。例えば、端末装置1は、あるPUSCHの名目上の時間リソースが上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクシンボルと示されるシンボルに割り当てられる場合、当該シンボルに割り当てられた名目上の時間リソースを次に利用可能な上りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルに延期したものを仮PUSCHリソースとして特定してもよい。
【0180】
図16において上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルシンボルと示されたシンボルに対しては、第1の繰返し送信方式を用いたPUSCHのための時間リソース(仮PUSCHリソース)が配置されるが、仮PUSCHリソースが配置されたシンボルのうち、PDCCHで送信されるスロットフォーマット設定DCIでPUSCHの送信に利用不可能と示された場合に、端末装置1は割り当てられた仮PUSCHリソースを当該シンボルにおいてドロップする。ただし、「ドロップする」とは端末装置1が当該シンボルでPUSCHの送信に利用しないことであってよい。ただし、「ドロップする」は「キャンセルする」や「送信しない」と称される場合もある。例えば、スロットフォーマット設定DCIでPUSCHの送信に利用不可能と示されるシンボルは、スロットフォーマット設定DCIで下りリンクシンボルとセットされるシンボルであってよい。例えば、スロットフォーマット設定DCIでPUSCHの送信に利用不可能と示されるシンボルは、スロットフォーマット設定DCIで下りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルとセットされるシンボルであってよい。例えば、ある仮PUSCHリソースがスロットフォーマット設定DCIで上りリンクシンボルと示されたシンボルと下りリンクシンボル(あるいはフレキシブルシンボル)と示されたシンボルを含む場合、端末装置1は、該仮PUSCHリソースのうち下りリンクシンボル(あるいはフレキシブルシンボル)と示されたシンボルの時間リソースをドロップし、上りリンクシンボルと示されたシンボルの時間リソースのみに対してPUSCHを配置して送信する。
【0181】
ただし、スロットフォーマット設定DCIの特定のスロットフォーマットインデックス(例えばインデックス255)が示されることより、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でセットされたスロットフォーマットに従う場合には、端末装置1は、フレキシブルシンボルをPUSCHの送信に利用可能なシンボルとしてもよい。
【0182】
ただし、端末装置1がRRCパラメータによりスロットフォーマット設定DCIをモニタすることを設定されており、かつ該スロットフォーマット設定DCIを検出しなかった場合、該端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルシンボルと示されたシンボルを含む仮PUSCHリソースを全てドロップしてもよい。つまり、端末装置1がモニタすることを設定されたスロットフォーマット設定DCIを検出できず、ある仮PUSCHリソースが上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルシンボルと示されたシンボルと上りリンクシンボルと示されたシンボルの両方を含む場合に、端末装置1は該仮PUSCHリソースを全てドロップし、該仮PUSCHリソースでPUSCHを送信しなくてもよい。つまり、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをモニタすることを設定されている場合に、該端末装置1が複数の仮PUSCHリソース(例えば先頭シンボルとシンボル数)とスロットフォーマット設定DCIに基づいて複数の実際のPUSCHリソース(例えば先頭シンボルとシンボル数)を決定/特定することには、該端末装置1がスロットフォーマット設定DCIを検出しなかった場合に、上位レイヤスロットフォーマット設定情報に示される情報を用いて該複数の実際のPUSCHリソースを決定/特定することが含まれてもよい。
【0183】
このような動作により、基地局装置3は端末装置1がスロットフォーマット設定DCIを検出したかどうかを認識せずに、所定のPUSCHリソースで複数のPUSCHの受信処理を行なうことができる。
【0184】
ただし、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によって割り当てられたある仮PUSCHリソースにおいてスロットフォーマット設定DCIで上りリンクシンボルと示されたシンボルと下りリンクシンボル(あるいはフレキシブルシンボル)と示されたシンボルが含まれる場合、端末装置1は、該仮PUSCHリソースの全てをドロップしてもよい。
【0185】
ただし、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをモニタすることを設定されており、かつ該スロットフォーマット設定DCIを検出しなかった場合、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によって割り当てられたある仮PUSCHリソースにおいて、端末装置1は、該仮PUSCHリソースのうち下りリンクシンボルおよび/またはフレキシブルシンボルと示されたシンボルのリソースのみをドロップしてもよい。
【0186】
上位レイヤスロットフォーマット設定情報に基づいて割り当てられた複数の仮PUSCHリソースにおいて、スロットフォーマット設定DCIでドロップされなかった該仮PUSCHリソースが実際のPUSCHリソース(actual PUSCH resource)と称されてもよい。複数の実際のPUSCHリソース(例えば複数の実際のPUSCHリソースそれぞれの先頭シンボルとシンボル数)は、複数の仮PUSCHリソース(例えば複数の仮PUSCHリソースそれぞれの先頭シンボルとシンボル数)とスロットフォーマット設定DCIに基づいて決定/特定されてよい。端末装置1は、複数の仮PUSCHリソースとスロットフォーマット設定DCIに基づいて複数の実際のPUSCHリソースを決定/特定してもよい。ただし、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることが設定されていない場合、および/または、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルシンボルが設定されていない場合、複数の実際のPUSCHリソースは複数の仮PUSCHリソースと同一であってよい。
【0187】
端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることが設定されていない場合、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によってフレキシブルシンボルと示されたシンボルに割り当てられた仮PUSCHリソースを実際のPUSCHリソースとして用いてもよい。
【0188】
ただし、端末装置1は、仮PUSCHリソースが割り当てられたフレキシブルシンボルに対して下りリンク信号(例えばPDSCHまたはCSI-RS)を割り当てるDCIフォーマットを検出した場合、当該下りリンク信号が割り当てられたシンボルを含む仮PUSCHリソースの一部または全てをドロップしてもよい。
図17は、本発明の実施形態に係るPUSCHの繰返し送信におけるPUSCHのドロッピングの例を示す図である。より具体的には、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によってフレキシブルシンボルと示されたシンボルに割り当てられた仮PUSCHリソースのうち下りリンク信号が割り当てられたシンボルを含む仮PUSCHリソースのドロッピングの例を示す図である。
図17の(a)(b)(c)のそれぞれでは、ある2スロットに対して、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で全てのシンボルがフレキシブルシンボル(Flexible by RRC:セミスタティックフレキシブルシンボル)と示され、1つめのスロットの9~12番目の4シンボルに対してDCIで下りリンク信号(DL signal by DCI)(ダイナミックグラントによってスケジュールされた下りリンク信号であってもよい)が割り当てられている場合を示している。また、
図17の(a)(b)(c)それぞれにおいて、DCIでS=2、L=4、Rep=4と示され、1つめのスロットの3番目のシンボルから4シンボルの仮PUSCHリソースが4回繰り返し割り当てられている。この場合、端末装置1は、
図17(a)に示されるように、下りリンク信号のリソースと衝突(collide)している仮PUSCHリソース(2つめと3つめの仮PUSCHリソース)の全てをドロップ(キャンセル)してもよい。別の実施例として、端末装置1は、
図17(b)に示されるように、下りリンク信号のリソースと衝突している仮PUSCHリソースにおいて衝突しているシンボルのリソース(2つ目の仮PUSCHリソースの3番目のシンボルと4番目のシンボルと3つ目の仮PUSCHリソースの1番目のシンボルと2番目のシンボル)をドロップしてもよい。このようなドロップの方法を用いることで、繰返し送信によって使用するシンボルの多いPUSCHの送信と下りリンク信号の受信が混在する場合において時間リソースの利用効率の高い柔軟なスケジューリングを用いることができる。別の実施例として、端末装置1は、
図17(c)に示されるように、下りリンク信号のリソースと衝突している仮PUSCHリソースにおいて衝突しているシンボルのリソースをドロップし、さらに、下りリンク信号の割り当てられているリソースの直後の所定数のシンボル(
図17(c)においては1シンボル(3つめの仮PUSCHリソースの3番目のシンボル))をガードシンボルとしてドロップしてもよい。このように下りリンク信号を受信するシンボルとPUSCHを送信するシンボルの間にガードシンボルを確保することにより、端末装置1は、下りリンクから上りリンクへスイッチする時間を確保し、下りリンクと上りリンクの信号の干渉を抑えることができる。ただし、ガードシンボルの数は、固定値であってもよい。ただし、ガードシンボルの数は、サブキャリア間隔に基づいてもよい。ただし、端末装置1は、ガードシンボルの数を、基地局装置3から通知される信号(例えば、RRCパラメータ、下りリンク制御情報、および/またはランダムアクセス応答)に基づいて設定/特定/決定してもよい。
【0189】
端末装置1は、あるトランスポートブロックを複数のPUSCHで繰返し送信することを指示する上りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_2)を検出し、下りリンク信号を受信することを指示する下りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット1_0、DCIフォーマット1_1またはDCIフォーマット0_1)を検出し、上りリンク割当情報から特定される複数の仮PUSCHリソースの1つ以上と下りリンク割当情報から特定される下りリンク時間リソースにおいて少なくとも1シンボルが衝突する場合に、衝突しているシンボルを含む仮PUSCHリソースをドロップしてよい。
【0190】
端末装置1は、あるトランスポートブロックを複数のPUSCHで繰返し送信することを指示する上りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_2)を検出し、下りリンク信号を受信することを指示する下りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット1_0、DCIフォーマット1_1またはDCIフォーマット0_1)を検出し、上りリンク割当情報から特定される複数の仮PUSCHリソースの1つ以上と下りリンク割当情報から特定される下りリンク時間リソースにおいて少なくとも1シンボルが衝突する場合に、衝突しているシンボルを含む仮PUSCHリソースのうち衝突しているシンボルのリソースのみをドロップしてもよい。
【0191】
端末装置1は、あるトランスポートブロックを複数のPUSCHで繰返し送信することを指示する上りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_2)を検出し、下りリンク信号を受信することを指示する下りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット1_0、DCIフォーマット1_1またはDCIフォーマット0_1)を検出し、上りリンク割当情報から特定される複数の仮PUSCHリソースの1つ以上と下りリンク割当情報から特定される下りリンク時間リソースにおいて少なくとも1シンボルが衝突する場合および/または該複数の仮PUSCHリソースの1つと該下りリンク時間リソースとの間のシンボル数のギャップが定められたガードシンボル数より少ない場合に、衝突しているシンボルを含む仮PUSCHリソースのうち衝突しているシンボルのリソースとその直後の所定数のシンボル(ガードシンボル)のリソースをドロップしてよい。
【0192】
端末装置1は、あるトランスポートブロックを複数のPUSCHで繰返し送信することを指示する上りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_2)を検出し、下りリンク信号を受信することを指示する下りリンク割当情報を含むDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット1_0、DCIフォーマット1_1またはDCIフォーマット0_1)を検出し、上りリンク割当情報から特定される複数の仮PUSCHリソースの1つ以上と下りリンク割当情報から特定される下りリンク時間リソースにおいて少なくとも1シンボルが衝突する場合および/または該複数の仮PUSCHリソースの1つと該下りリンク時間リソースとの間のシンボル数のギャップが定められたガードシンボル数より少ない場合に、下りリンク時間リソースと衝突しているシンボルを含む仮PUSCHリソースと、下りリンク時間リソースとの間のシンボル数のギャップが定められたガードシンボル数より少ない仮PUSCHリソースをドロップしてよい。
【0193】
PUSCHの繰返し送信は、スケジューリングリクエスト(SR)を送信した端末装置1に対して基地局装置3がDCIで繰返し送信用の時間リソースを示す場合(ダイナミックグラント(dynamic grant)でスケジューリングされるPUSCH送信あるいはDG PUSCH送信とも称される)と、基地局装置3が繰返し送信用の時間リソースをあらかじめ周期的に複数個設定し、端末装置1がSRを送信することなく該複数の繰返し送信用の時間リソースの1つを用いてPUSCHの繰返し送信を行なう場合(コンフィギュアドグラント(configured grant)で設定されるPUSCH送信、あるいはCG PUSCHとも称される)が存在する。上記仮PUSCHリソースのドロッピングは、仮PUSCHリソースがコンフィギュアドグラントで設定された場合にのみ適用されてよい。ただし、仮PUSCHリソースがコンフィギュアドグラントで設定された場合とダイナミックグラントで設定された場合の両方に、同じドロッピングの方法が適用されてもよい。ただし、仮PUSCHリソースがコンフィギュアドグラントで設定された場合とダイナミックグラントで設定された場合とで異なるドロッピングの方法が適用されてもよい。
【0194】
本実施形態に係る第1の繰返し送信方式を用いるPUSCHの繰返し送信において、複数の仮PUSCHリソースの合計のシンボル数は、DCIに含まれるリソース割当情報で示されるLとRepの乗であるL*Repと等しくてもよい。本実施形態に係る第1の繰返し送信方式を用いるPUSCHの繰返し送信において、複数の実際のPUSCHリソースの合計のシンボル数は、DCIに含まれるリソース割当情報で示されるLとRepの乗であるL*Rep以下となる。
【0195】
図18は、本実施形態に係るPUSCHの繰返し送信におけるPUSCHの時間リソース配置の例を示す図である。
図18は、リソース割当(RA)情報を含むDCIにより、S=6、L=4、Rep=4が示された場合のPUSCHの配置の例を示しており、
図18(a)、(b)、(c)はそれぞれ通知されるスロットフォーマットが異なる3つの例である。
【0196】
図18(a)は上位レイヤスロットフォーマット設定情報により2スロットの全てのシンボルが上りリンクシンボル(UL by RRC)とセットされた場合の例を示す図である。この場合、2スロットの全てのシンボルがPUSCHに利用可能であるため、端末装置1は、1つめのPUSCHリソースを開始シンボルが1スロット目の7番目のシンボル期間が4シンボルの時間リソースとし、2つめのPUSCHリソースを開始シンボルが1スロット目の11番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとし、3つめのPUSCHリソースを開始シンボルが2スロット目の1番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとし、4つめのPUSCHリソースを開始シンボルが2スロット目の5番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとして、PUSCHを4回連続送信する。
【0197】
図18(b)は上位レイヤスロットフォーマット設定情報により1スロット目、2スロット目共に、6シンボル目までが下りリンクシンボル(DL by RRC)とセットされ、残りのシンボルが上りリンクシンボル(UL by RRC)とセットされた場合の例を示す図である。この場合、各スロットの最後の8シンボルがPUSCHに利用可能であるため、端末装置1は、1つめのPUSCHリソースを開始シンボルが1スロット目の7番目のシンボル期間が4シンボルの時間リソースとし、2つめのPUSCHリソースを開始シンボルが1スロット目の11番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとし、3つめのPUSCHリソースを開始シンボルが2スロット目の7番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとし、4つめのPUSCHリソースを開始シンボルが2スロット目の11番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとして、PUSCHを4回送信する。ただし、端末装置1は、下りリンク信号を受信するシンボルの直後の数シンボルは、上位レイヤスロットフォーマット設定情報により上りリンクと示されていてもガードシンボルとして割り当て不可能なシンボルとしてもよい。例えば、
図18(b)と同様の上位レイヤスロットフォーマット設定情報を受信し、1スロット目の1番目のシンボルから6番目のシンボルで下りリンク信号を受信する場合に、上りリンクシンボルである7番目のシンボルをガードシンボルとして8番目のシンボルからPUSCHリソースを割り当ててもよい。ただし、ガードシンボルにおいては、PUSCHリソースを割り当てた上で当該ガードシンボルのPUSCHリソースをドロップしてもよい。ただし、ガードシンボルの数は、固定値であってもよい。ただし、ガードシンボルの数は、サブキャリア間隔に基づいてもよい。ただし、端末装置1は、ガードシンボルの数を、基地局装置3から通知される信号(例えば、RRCパラメータ、下りリンク制御情報、および/またはランダムアクセス応答)に基づいて設定/特定/決定してもよい。
【0198】
図18(c)は上位レイヤスロットフォーマット設定情報により2スロットの全てのシンボルがフレキシブルシンボル(Flexible by RRC)とセットされ、かつスロットフォーマット設定DCIで1スロット目、2スロット目共に、6シンボル目までが下りリンクシンボル(DL by DCI)とセットされ、残りのシンボルが上りリンクシンボル(UL by DCI)とセットされた場合である。この場合、2スロットの全てのシンボルがPUSCHの配置に利用可能であるため、端末装置1は、
図18(a)の場合と同様にPUSCHリソース(仮PUSCHリソース)を割り当てる。ただし、スロットフォーマット設定DCIで下りリンクシンボルと示されたシンボルのPUSCHリソースはドロップされるため、端末装置1は、3つめのPUSCHリソースの全てと、4つめのPUSCHリソースの最初の2シンボルをドロップする。従って、端末装置1は、1つめのPUSCHリソース(実際のPUSCHリソース)を開始シンボルが1スロット目の7番目のシンボル期間が4シンボルの時間リソースとし、2つめのPUSCHリソース(実際のPUSCHリソース)を開始シンボルが1スロット目の11番目のシンボルで期間が4シンボルの時間リソースとし、3つめのPUSCHリソース(実際のPUSCHリソース)を開始シンボルが2スロット目の7番目のシンボルで期間が2シンボルの時間リソースとして、3つの実際のPUSCHリソースでPUSCHを3回送信する。ただし、端末装置1は、下りリンク信号を受信するシンボルの直後の数シンボルは、上位レイヤスロットフォーマット設定情報により上りリンクと示されていてもガードシンボルとしてPUSCHリソースをドロップしてもよい。例えば、
図18(c)と同様の上位レイヤスロットフォーマット設定情報およびスロットフォーマット設定DCIを受信し、1スロット目の1番目のシンボルから6番目のシンボルで下りリンク信号を受信する場合に、上りリンクシンボルである7番目のシンボルをガードシンボルとして、当該シンボルに割り当てたPUSCHリソースをドロップしてもよい。ただし、ガードシンボルの数は、固定値であってもよい。ただし、ガードシンボルの数は、サブキャリア間隔に基づいてもよい。ただし、端末装置1は、ガードシンボルの数を、基地局装置3から通知される信号(例えば、RRCパラメータ、下りリンク制御情報、および/またはランダムアクセス応答)に基づいて設定/特定/決定してもよい。
【0199】
端末装置1は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報とRA情報で与えられたS、LおよびRepとに基づいてあるスロットのあるPUSCHリソースを決定/セットする場合に、スロット境界(boundary)または下りリンクシンボルによって当該スロット内で利用可能な連続する上りリンクシンボルおよび/またはフレキシブルシンボルの数がLシンボルより少なければ、当該PUSCHリソースをセグメント化し、複数のPUSCHリソースとして複数のPUSCHを送信してもよい。
【0200】
図19は、本実施形態に係るPUSCHのセグメンテーションの一例として2スロット全てがPUSCHを割り当て可能なシンボル(上りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボル)でありS=8、L=4およびRep=4の場合を示している。この場合、スロット内の9番目のシンボルから期間が4シンボルのPUSCHを4回繰り返すパラメータ設定であるが、繰返し送信の2回目のPUSCHリソースがスロット境界をまたがるため、2つの2シンボルのPUSCHにセグメント化される。これにより、各PUSCHはスロット境界をまたがることなく、端末装置1は期間が4シンボルまたは2シンボルのPUSCHを5回送信する。
【0201】
図20は、別の一例としてあるスロットにおいて上位レイヤスロットフォーマット設定情報によって1~3シンボル目と6~8シンボル目がPUSCHの送信に利用不可能なシンボル(例えば下りリンクシンボルおよび/または下りリンクシンボルの直後の数シンボル(ガードシンボル))とセットされ、残りのシンボルがPUSCHの送信に利用可能なシンボル(例えば、ガードシンボルを除く上りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボル)とセットされた場合を示している。この場合PUSCHリソースは4番目のシンボルから割り当てられるが、4番目のシンボルから連続してPUSCHに利用可能なシンボルの数が2(<L=4)であるため、初めのPUSCHリソースがセグメント化される。その結果、1つ目のPUSCHリソースは開始シンボルが4番目のシンボルで期間が2となり、2番目のPUSCHリソースは開始シンボルが9番目のシンボルで期間が2となり、3つ目のPUSCHリソースは開始シンボルが11番目のシンボルで期間が4となり、端末装置1はPUSCHを3回送信する。
【0202】
つまり上位レイヤパラメータで通知されるRepと実際に送信されるPUSCHの繰返し送信回数は異なってもよい。つまり上位レイヤパラメータで通知されるLと実際に送信されるPUSCHのシンボル数は異なってもよい。例えば、端末装置1は、Repと各PUSCHのセグメント数および/またはPUSCHリソースのドロップ数からPUSCHの実際の繰返し送信回数を決定/特定してもよい。例えば、RRCメッセージおよび/またはDCIで示されるRep(名目上の繰り返し回数)が1である場合において、SとLで決定/特定されるPUSCHの時間領域リソースがスロット境界にまたがる場合、または一部がPUSCHの送信に利用不可能なシンボルである場合、端末装置1は、複数個にセグメント化された時間領域リソースでPUSCHを繰返し送信してもよい。より具体的には、1スロットが14シンボルであり、S=8、L=14、Rep=1が通知された場合に、端末装置1は、1スロット目のシンボル番号8から13までの6シンボルで1つのPUSCHを送信し、2スロット目のシンボル番号0から7までの8シンボルで1つのPUSCHを送信してもよい。この場合、端末装置1は1スロット目のシンボル番号8から6シンボルの時間領域リソースと2スロット目のシンボル番号0から8シンボルの時間領域リソースを使用して繰り返し回数2回のPUSCHの繰返し送信を行なう。
【0203】
ただし、端末装置1は、S、LおよびRepで示されるL×Repシンボルの時間領域リソースが、スロット境界をまたがる場合、または一部がDLシンボルである場合に、当該時間領域リソースをセグメント化し、スロット内の連続する利用可能な上りリンクシンボル群毎に1つのPUSCHを送信してもよい。つまり、端末装置1は、S、LおよびRepで示されるL×Repシンボルの時間領域リソースが、スロット境界をまたがる場合、または一部がDLシンボルである場合に、スロット内の連続する利用可能な上りリンクシンボル群内で複数のPUSCHを送信しなくてもよい。
【0204】
このように本実施形態に係る端末装置1は、上りリンクのRA情報を含むDCIと上位レイヤスロットフォーマット設定情報とに基づいて複数の仮PUSCHリソースの先頭シンボルと期間の決定/特定を行なう。更に該端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されている場合には、該複数の仮PUSCHリソースの先頭シンボルと期間と該スロットフォーマット設定DCIに基づいて複数のPUSCHリソース(実際のPUSCHリソースと称してもよい)それぞれの先頭シンボルと期間を決定/特定する。更に該端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されていない場合には、該複数の仮PUSCHリソースの先頭シンボルと期間に基づいて複数の実際のPUSCHリソースそれぞれの先頭シンボルと期間を決定/特定する。該端末装置1は、下りリンクのRA情報を含むDCIを受信し、該下りリンクのRA情報で示される下りリンク信号の時間リソースと前記複数の仮PUSCHリソースの少なくとも1シンボルが衝突(collide)する場合に、該複数の仮PUSCHリソースの先頭シンボルと期間と該下りリンクのRA情報に基づいて複数の実際のPUSCHリソースそれぞれの先頭シンボルと期間を決定/特定する。更に端末装置1は、決定/特定した複数の実際のPUSCHリソースのそれぞれでPUSCHを送信する。
【0205】
また、本実施形態に係る端末装置1は、RA情報を含むDCIと上位レイヤスロットフォーマット設定情報とに基づいて複数の仮PUSCHリソースを決定/特定する。更に該端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されており、かつ該スロットフォーマット設定DCIを検出した場合に、該複数のPUSCHリソースのそれぞれにおいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報とスロットフォーマット設定DCIの少なくともいずれか1つによって上りリンクシンボルと示された複数の連続するシンボルのセットを複数の実際のPUSCHリソースとして決定/特定する。更に該端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されており、かつ該スロットフォーマット設定DCIを検出しなかった場合に、該複数の仮PUSCHリソースのそれぞれにおいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によって上りリンクシンボルと示されたシンボルのみを含む仮PUSCHリソースのみを実際のPUSCHリソースとして決定/特定する。更に該端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されていない場合には、複数の仮PUSCHリソースに基づいて複数の実際のPUSCHリソースを決定/特定する。該端末装置1は、下りリンクのRA情報を含むDCIを受信し、該下りリンクのRA情報で示される下りリンク信号の時間リソースと前記複数の仮PUSCHリソースの少なくとも1シンボルが衝突(collide)する場合に、該複数の仮PUSCHリソースと該下りリンクのRA情報に基づいて複数の実際のPUSCHリソースを決定/特定する。更に端末装置1は、決定/特定した複数の実際のPUSCHリソースのそれぞれでPUSCHを送信する。
【0206】
本発明の実施形態に係る端末装置1は、基地局装置3から通知される情報に含まれるビットフィールドb1の値によって、実際のPUSCHリソースに利用可能なシンボルおよび/または利用不可能なシンボルを変更してもよい。例えば、ビットフィールドb1は、PUSCHの繰返し送信のRA情報を含むDCI(例えばDCIフォーマット0_2のDCI)に含まれてもよい。例えば、ビットフィールドb1は、基地局装置3から受信するPDCCHに含まれてもよい。例えば、ビットフィールドb1は、上位レイヤで受信するRRCメッセージに含まれてもよい。
【0207】
端末装置1は、ビットフィールドb1の値が第1の値である場合に、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で上りリンクと示されるシンボル(セミスタティック上りリンクシンボル)およびフレキシブルと示されるシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用可能なシンボルとし、下りリンクと示されるシンボル(セミスタティック下りリンクシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0208】
端末装置1は、ビットフィールドb1の値が第2の値である場合に、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で上りリンクと示されるシンボル(セミスタティック上りリンクシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用可能なシンボルとし、下りリンクと示されるシンボル(セミスタティック下りリンクシンボル)およびフレキシブルと示されるシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0209】
端末装置1は、ビットフィールドb1の値が第3の値である場合に、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で上りリンクと示されるシンボル(セミスタティック上りリンクシンボル)およびスロットフォーマット設定DCIで上りリンクと示されるシンボル(ダイナミック上りリンクシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用可能なシンボルとし、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されるシンボル(セミスタティック下りリンクシンボル)、スロットフォーマット設定DCIでフレキシブルと示されるシンボル(ダイナミックフレキシブルシンボル)およびスロットフォーマット設定DCIで下りリンクと示されるシンボル(ダイナミック下りリンクシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用不可能なシンボルとしてもよい。ただし、端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIを検出できなかった場合には、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されるシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0210】
端末装置1は、ビットフィールドb1の値が第4の値である場合に、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で上りリンクと示されるシンボル(セミスタティック上りリンクシンボル)、スロットフォーマット設定DCIで上りリンクと示されるシンボル(ダイナミック上りリンクシンボル)およびスロットフォーマット設定DCIでフレキシブルと示されるシンボル(ダイナミックフレキシブルシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用可能なシンボルとし、上位レイヤスロットフォーマット設定情報で下りリンクと示されるシンボル(セミスタティック下りリンクシンボル)およびスロットフォーマット設定DCIで下りリンクと示されるシンボル(ダイナミック下りリンクシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用不可能なシンボルとしてもよい。ただし、端末装置1は、スロットフォーマット設定DCIを検出できなかった場合には、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されるシンボル(セミスタティックフレキシブルシンボル)を実際のPUSCHリソースに利用不可能なシンボルとしてもよい。
【0211】
ただし、ビットフィールドb1のビット数は1ビットで前記第1の値~第4の値のうちの2つのいずれかを示すビットフィールドであってもよい。例えば、ビットフィールドb1=0が第1の値であり、ビットフィールドb1=1が第3の値であり、ビットフィールドb1の値(0または1)によって、第1の値の場合の動作と第3の値の場合の動作を切り替えてもよい。
【0212】
ただし、ビットフィールドb1のビット数は2ビットで前記第1の値~第4の値のうちのいずれかを示すビットフィールドであってもよい。例えば、ビットフィールドb1=00が第1の値であり、ビットフィールドb1=01が第2の値であり、ビットフィールドb1=10が第3の値であり、ビットフィールドb1=11が第4の値であり、ビットフィールドの値によって、第1~第4の値の場合の動作を切り替えてもよい。
【0213】
ただし、ビットフィールドb1のビット数は2ビット以上で前記第1の値~第4の値の場合の動作あるいはその他の動作のうちのいずれかを示すビットフィールドであってもよい。
【0214】
ただし、ビットフィールドb1が示す動作はRRCメッセージとDCIとの組み合わせによって示されてもよい。例えば、DCIに含まれるビットフィールドb1のビット数は1ビットであり、該1ビットで示される動作がRRCメッセージによって設定されてもよい。
【0215】
本実施形態において、端末装置1は、(I)上位層のパラメータ、および/または、(II)上りリンクグラントに含まれるフィールドに少なくとも基づいて、その上りリンクグラントでスケジュールされるPUSCH送信に繰返し送信を適用するかどうか、あるいは、複数の繰返し送信タイプのうち何れの繰返し送信タイプが適用されるかを決定/特定してもよい。繰返し送信のタイプは、前述の1つまたは連続する複数の利用可能なスロットの連続する利用可能な上りリンクシンボルで送信する繰返し送信(以下第1の繰返し送信と称する)に加え、スロット間で同一の定められたシンボルでスロット毎に1回PUSCHを送信するスロットアグリゲーション(以下第2の繰返し送信と称する)を含んでもよい
【0216】
本実施形態の態様Aにおいて、基地局装置3は、第1の繰返し送信と第2の繰返し送信の内何れを設定/適用するかを上位層のパラメータによって端末装置1に通知してもよい。例えば、pusch-AggregationFactorは、第2の繰返し送信の繰り返し送信の回数を示すために用いられてもよい。例えば、pusch-AggregationFactor-r16は、DCIのTime domain resource assignmentフィールドで通知されるインデックス間で共通の第1の繰返し送信の繰返し回数を示すために用いられてもよい。例えば、repetitionは、DCIのTime domain resource assignmentフィールドで通知されるインデックスそれぞれの第1の繰返し送信の繰返し回数を示すために用いられてもよい。端末装置1にpusch-AggregationFactor、pusch-AggregationFactor-r16、および/または、repetitionが設定されない場合、端末装置1は、繰返し送信が適用されないこととみなし、上りリンクグラントがスケジュールされるPUSCHを1回送信してもよい。
【0217】
本実施形態の態様Bにおいて、端末装置1は、基地局装置3から送信された上りリンクグラントに含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドに基づいて、第1の繰返し送信と第2の繰返し送信の内何れが適用されるかを決定/特定してもよい。前述のように、‘Time domain resource assignment’フィールドはPUSCH時間領域リソース割り当てを示すために用いられる。
【0218】
本実施形態の態様Cにおいて、基地局装置3は、第1の繰返し送信と第2の繰返し送信の内何れを設定するかを上位層のパラメータによって端末装置1に通知してもよい。例えば、基地局装置3は、第1の繰返し送信と第2の繰返し送信のそれぞれに対して、繰り返し送信の回数を示す上位層のパラメータを個別に設定してもよい。例えば、pusch-AggregationFactor-r16および/またはrepetitionは第1の繰返し送信の繰り返し送信の回数を示すために用いられてもよい。
【0219】
また、本実施形態の態様A,態様B、または、態様Cにおいて、端末装置1は、上りリンクグラントに含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドに基づき得られたPUSCHマッピングタイプに基づいて、第1の繰返し送信と第2の繰返し送信の内何れが適用されるかを決定/特定してもよい。
【0220】
また、本実施形態の態様A,態様B、または、態様Cにおいて、端末装置1は、上りリンクグラントに含まれる‘Time domain resource assignment’フィールドで示されるS、Lおよび/またはRepに基づいて、第1の繰返し送信と第2の繰返し送信の内何れが適用されるかを決定/特定してもよい。
【0221】
以下、本実施形態における上りリンクで適用される周波数ホッピングについて説明する。
【0222】
端末装置1は、上位レイヤパラメータfrequencyHoppingでスケジュールされたPUSCH送信または設定されたPUSCH送信の第1の周波数ホッピングが設定される。frequencyHoppingでは以下の2つのうちの1つの周波数ホッピングモードが設定される。
・スロット内周波数ホッピング(Intra-slot frequency hopping)
・スロット間周波数ホッピング(Inter-slot frequency hopping)
【0223】
図21は本実施形態における第1の周波数ホッピングの一例を示す図である。
図21(a)は周波数ホッピングなしPUSCH送信の一例である。
図21(b)はスロット内周波数ホッピング(intra-slot frequency hopping)を伴うPUSCH送信の一例である。
図21(c)はスロット間周波数ホッピング(inter-slot frequency hopping)を伴うPUSCH送信の一例である。
【0224】
端末装置1は、上位レイヤパラメータfrequencyHopping-r16でスケジュールされたPUSCH送信または設定されたPUSCH送信の第2の周波数ホッピングが設定される。frequencyHopping-r16では以下の3つのうちの1つの周波数ホッピングモードが設定されてよい。
・PUSCH間周波数ホッピング(Inter-PUSCH frequency hopping)
・PUSCH内周波数ホッピング(Intra-PUSCH frequency hopping)
・スロット間周波数ホッピング(Inter-slot frequency hopping)
【0225】
ただし、frequencyHopping-r16で設定可能な第2の周波数ホッピングは、上記3つのうちの一部であってもよい。例えば、frequencyHopping-r16で設定可能な第2の周波数ホッピングはPUSCH間周波数ホッピングとスロット間周波数ホッピングであってもよい。
【0226】
図22は本実施形態における第2の周波数ホッピングの一例を示す図である。
図22(a)は周波数ホッピングなしPUSCH送信の一例である。
図22(b)はPUSCH間周波数ホッピングを伴うPUSCH送信の一例である。
図22(c)はPUSCH内周波数ホッピングを伴うPUSCH送信の一例である。
図22(d)はスロット間周波数ホッピングを伴うPUSCH送信の一例である。
【0227】
図21(b)、
図22(b)、
図22(c)において、スロット内の周波数ホッピングを伴うPUSCH送信は、スロットにおいて、第1のホップ(第1の周波数ホップ、第1の周波数単位)と第2のホップ(第2の周波数ホップ、第2の周波数単位)から成る。ただし、本実施形態におけるスロット内の周波数ホッピングは、3つ以上のホップが存在する場合においても同様に適用可能である。つまり、スロットにおいて、第1のホップと第2のホップの他に第3のホップ、第4のホップ、…、が存在してもよい。スロット内の最大ホップ数は、RRCメッセージ等によって設定されてもよい。
【0228】
ただし、frequencyHoppingとfrequencyHopping-r16で示される周波数ホッピングモード(第1の周波数ホッピングに含まれる周波数ホッピングモードと第2の周波数ホッピングに含まれる周波数ホッピングモード)は、同一のRRCパラメータで示されてもよい。例えば、frequencyHopping-r16(あるいはfrequencyHopping)はスロット内周波数ホッピング、スロット間周波数ホッピング、PUSCH内周波数ホッピング、および/または、PUSCH間周波数ホッピングのうちの1つの周波数ホッピングモードを設定するパラメータであってもよい。例えば、frequencyHopping-r16で示される周波数ホッピングモードは、DCIフォーマットの種類、DCIフォーマットに含まれるフィールドの情報、RNTI、および/またはその他情報に基づいて、暗黙的に(implicit)に切り替えられてもよい。例えば、DCIフォーマット0_0、0_1でスケジュールされたPUSCHにおいてfrequencyHopping-r16が示す周波数ホッピングモードは第1の周波数ホッピングのうちのいずれかであり、DCIフォーマット0_2でスケジュールされたPUSCHにおいてfrequencyHopping-r16が示す周波数ホッピングモードは第2の周波数ホッピングのうちの何れかであってもよい。
【0229】
端末装置1は、検出したDCIフォーマットまたはランダムアクセス応答ULグラントに含まれる周波数ホッピングフィールドが1にされているか、configured grantのPUSCH送信において上位レイヤパラメータfrequencyHoppingOffsetが提供されていれば、PUSCHの周波数ホッピングを行ない、それ以外の場合にはPUSCHの周波数ホッピングを行なわない。ただし、frequencyHoppingOffsetは、configured grantのPUSCH送信において周波数ホッピングを行なう際のホッピング間の周波数オフセットを示すパラメータである。
【0230】
DCIフォーマット0_0、0_1および/または0_2でスケジュールされたPUSCHにおいて周波数オフセットは上位レイヤパラメータfrequencyHoppingOffsetListsで設定される。
【0231】
スロット内周波数ホッピングが設定されている場合、各ホップの開始RBは数式(1)で与えられる。
【数1】
【0232】
ただし、i=0とi=1はそれぞれ第1のホップと第2のホップであり、RBstartはUL BWP内の開始RBであり、RBoffsetは2つの周波数ホップの間のRB単位の周波数オフセットである。スロット内周波数ホッピングが設定されている端末装置1は数式(1)に基づいて第1のホップと第2のホップの周波数リソースを決定/特定してもよい。
【0233】
スロット内周波数ホッピングが設定されている場合、第1のホップのシンボル数はceil(NPUSCH,s
symb)で与えられ、第2のホップのシンボル数はNPUSCH,s
symb-ceil(NPUSCH,s
symb)で与えられる。ただし、NPUSCH,s
symbは、1スロット当たりのPUSCH送信のOFDMシンボル数である。スロット内周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、第1のホップのシンボル数をceil(NPUSCH,s
symb)と決定し、第2のホップのシンボル数をNPUSCH,s
symb-ceil(NPUSCH,s
symb)と決定/特定してもよい。
【0234】
スロット間周波数ホッピングが設定されている場合、スロットn
μ
sにおける開始RBは数式(2)で与えられる。
【数2】
【0235】
ただし、nμ
sはある無線フレーム内の現在のスロット番号であり、RBstartはUL BWP内の開始RBであり、RBoffsetは2つの周波数ホップの間のRB単位の周波数オフセットである。スロット間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は数式(2)に基づいて各スロットにおける周波数リソースを決定/特定してもよい。
【0236】
PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、各ホップの開始RBは数式(1)で与えられてよい。PUSCH間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、数式(1)に基づいて第1のホップと第2のホップの周波数リソースを決定/特定してもよい。
【0237】
PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、各ホップ(第1のホップ/第2のホップ)に含まれるPUSCHの数、および/または、各ホップのOFDMシンボル数は、DCIフォーマットまたはランダムアクセス応答ULグラントに含まれる時間リソース割当情報に基づいて決定されてもよい。端末装置1は、PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、1つまたは複数のスロットに割り当てられている1つまたは複数のPUSCHに割り当てられた時間リソースに基づいて、各ホップに含まれるPUSCHの数、および/または、各ホップのOFDMシンボル数を決定/特定してもよい。端末装置1は、1つまたは複数のスケジュールされたPUSCHおよび/または設定されたPUSCHのそれぞれを、第1のホップに含めるか第2のホップに含めるかを下りリンク制御情報に基づいて決定してもよい。
【0238】
一例として、PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、スロットnμ
sにおいて、第1のホップのPUSCH送信の数はceil(NPUSCH(nμ
s)/2)で与えられ、第2のホップのPUSCH送信の数はNPUSCH(nμ
s)-ceil(NPUSCH(nμ
s)/2)で(あるいはfloor(NPUSCH(nμ
s)/2)で)与えられてもよい。ただし、NPUSCH(nμ
s)はスロットnμ
sにおいてスケジュールされたPUSCH送信および/または設定されたPUSCH送信の数である。PUSCH間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、第1のホップのPUSCH送信の数をceil(NPUSCH(nμ
s)/2)で決定/特定し、第2のホップのPUSCH送信の数をNPUSCH(nμ
s)-ceil(NPUSCH(nμ
s)/2)で(あるいはfloor(NPUSCH(nμ
s)/2)で)決定/特定してもよい。ただし、第1のホップと第2のホップのPUSCH送信の数を決定/特定する式は逆であってもよく、例えば、第1のホップのPUSCH送信の数はNPUSCH(nμ
s)-ceil(NPUSCH(nμ
s)/2)で(あるいはfloor(NPUSCH(nμ
s)/2)で)与えられ、第2のホップのPUSCH送信の数はceil(NPUSCH(nμ
s)/2)で与えられてもよい。
【0239】
別の一例として、PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、スロットnμ
sにおいて、第1のホップのPUSCH送信の数と第2のホップのPUSCH送信の数は、スロットnμ
sにスケジュールされたPUSCH送信および/または設定されたPUSCH送信のシンボル数の合計に基づいてもよい。PUSCH間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、スロットnμ
sにおいて、第1のホップのPUSCH送信の数と第2のホップのPUSCH送信の数を、スロットnμ
sにスケジュールされたPUSCH送信および/または設定されたPUSCH送信のシンボル数の合計に基づいて決定/特定してもよい。
【0240】
別の一例として、PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、スロットnμ
sにおいて、開始シンボルがスロットの前半であるPUSCHが第1のホップに含められ、開始シンボルがスロットの後半であるPUSCHが第2のホップに含められてもよい。PUSCH間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、スロットnμ
sにおいて、開始シンボルがスロットの前半であるPUSCHを第1のホップに含め、開始シンボルがスロットの後半であるPUSCHを第2のホップに含めてもよい。
【0241】
別の一例として、PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、スロットnμ
sにおいて、終了シンボルがスロットの前半であるPUSCHが第1のホップに含められ、終了シンボルがスロットの後半であるPUSCHが第2のホップに含められてもよい。PUSCH間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、スロットnμ
sにおいて、終了シンボルがスロットの前半であるPUSCHを第1のホップに含め、終了シンボルがスロットの後半であるPUSCHを第2のホップに含めてもよい。
【0242】
別の一例として、PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、端末装置1は、スロットnμ
sにおいて、1つまたは複数のPUSCHが第1のホップに含まれるか第2のホップに含まれるかを、スロット内の上りリンクピリオド毎に決定・特定されてもよい。ただし、上りリンクピリオドは、スロット内で1つまたは複数のPUSCHを連続的に割り当て可能な時間区間である。例えば、上りリンクピリオド内の1つまたは複数のPUSCHは同一のホップに含められ、異なる上りリンクピリオド間では同一または異なるホップが用いられてもよい。PUSCH間周波数ホッピングが設定されている端末装置1は、スロットnμ
sにおいて、1つまたは複数のPUSCHが第1のホップに含まれるか第2のホップに含まれるかをスロット内の上りリンクピリオド毎に決定・特定してもよい。
【0243】
PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、端末装置1は、各ホップ(第1のホップ/第2のホップ)に含まれるPUSCHの数、および/または、各ホップのOFDMシンボル数を、下りリンク制御情報によって特定されるPUSCHの繰返し送信回数(あるいは1つのグラントで割り当てられるPUSCHの数)に基づいて決定してもよい。例えば、1つのULグラントで割り当てられる1つまたは複数のPUSCHのそれぞれに送信番号がナンバリングされ、端末装置1は、該送信番号に基づいて、第1のホップに含められるか、第2のホップに含められるかを決定/特定してよい。例えば、1つのULグラントで割り当てられる同一スロット内の1つまたは複数のPUSCHのそれぞれに送信番号がナンバリングされ、端末装置1は、該送信番号に基づいて、第1のホップに含められるか、第2のホップに含められるかを決定・特定してよい。ただし、1つのULグラントで割り当てられたあるPUSCHがスロットの境界、DLシンボルとULのシンボルのスイッチ、および/または他の信号により複数のPUSCHにセグメント化される場合に、該セグメント化された複数のPUSCHに対して、同一の送信番号がナンバリングされてもよいし、異なる送信番号がナンバリングされてもよい。例えば、1つのULグラントで割り当てられたあるPUSCHがスロットの境界、DLシンボルとULのシンボルのスイッチ、および/または他の信号により複数のPUSCHにセグメント化される場合に、該セグメント化された複数のPUSCHは、常に同一のホップに含められてもよいし、同一グラントで割り当てられた他のPUSCHと同様に同一または異なるホップに含められてもよい。
【0244】
一例として、PUSCH間周波数ホッピングが設定されておりスロットnμ
sにおいてスケジュールされたPUSCH送信および/または設定されたPUSCH送信の数がNPUSCH(nμ
s)である場合に、閾値XPUSCH=ceil(NPUSCH(nμ
s)/2)とし、同一ULグラントでスロットnμ
sに割り当てられているPUSCHに対してnPUSCH=1~NPUSCH(nμ
s)がナンバリングされ、端末装置1は、nPUSCH<=XPUSCHであるPUSCHを第1のホップに含め、nPUSCH>XPUSCHであるPUSCHを第2のホップに含めてもよい。
【0245】
PUSCH間周波数ホッピングが設定されている場合、同一のDLフォーマットあるいは同一のULグラントで割り当てられている複数のPUSCHにおいて、端末装置1は、時間領域で所定の数のPUSCH毎に第1のホップに含められるか第2のホップに含められるかを切り換えてもよい。連続して同一のホップに含められるPUSCHの数は、下りリンク制御情報で示されるPUSCHの開始シンボル(S)、期間(D)、および/または、繰り返し回数(Rep)によって決定されてもよい。ただし、端末装置1は、連続して同一のホップに含められるPUSCHの数において、スロット境界、DLシンボルとULシンボルのスイッチングポイントおよび/または他のチャネル/信号によってセグメント化された複数のPUSCHを1つのPUSCHとみなしてもよいし、セグメント化された複数のPUSCHのそれぞれを1つのPUSCHとみなしてもよい。ただし、時間領域で所定の数のPUSCH毎に第1のホップと第2のホップを切り替える場合に、スロット内での切替回数の最大値が制限されてもよい。
【0246】
ただし、第2の周波数ホッピングにおいてPUSCH内周波数ホッピングを適用することは第1の周波数ホッピングのスロット内周波数ホッピングを適用することであってもよい。
【0247】
ただし、第2の周波数ホッピングにおいてスロット間周波数ホッピングを適用することは第1の周波数ホッピングのスロット間周波数ホッピングを適用することであってもよい。
【0248】
ただし、frequencyHopping-r16で示される周波数ホッピングモードは、以下の二つであってもよい。
・PUSCH間周波数ホッピング
・上位レイヤパラメータfrequencyHoppingで示される周波数ホッピングモード
【0249】
PUSCH間周波数ホッピングとPUSCH内周波数ホッピング(またはスロット内周波数ホッピング)は暗黙的に(implicit)に切り替えられてもよい。例えば、frequencyHopping-r16でPUSCH間周波数ホッピングが設定されており、かつDCIフォーマットの所定のフィールドで示される繰返し送信回数が1である場合に、端末装置1はスケジュールされたPUSCH送信あるいは設定されたPUSCH送信に対して、PUSCH内周波数ホッピング(またはスロット内周波数ホッピング)を適用してもよい。例えば、frequencyHopping-r16でPUSCH間周波数ホッピングが設定されており、あるスロットで送信されるPUSCHの数が1である場合に、端末装置1は該スロットにスケジュールされたPUSCH送信あるいは設定されたPUSCH送信に対して、PUSCH内周波数ホッピング(またはスロット内周波数ホッピング)を適用してもよい。例えば、frequencyHopping-r16でPUSCH間周波数ホッピングが設定されており、あるスロットで送信されるPUSCHの数が1であり、該スロットで送信されるPUSCHのシンボル数が所定の値以上であった場合に、端末装置1は該スロットにスケジュールされたPUSCH送信あるいは設定されたPUSCH送信に対して、PUSCH内周波数ホッピング(またはスロット内周波数ホッピング)を適用してもよい。
【0250】
これにより、端末装置1は、基地局装置3に対する上りリンクデータ送信を行なうことができる。
【0251】
以下、本実施形態における装置の構成について説明する。
【0252】
図23は、本実施形態の端末装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置1は、無線送受信部10、および、上位層処理部14を含んで構成される。無線送受信部10は、アンテナ部11、RF(Radio Frequency)部12、および、ベースバンド部13を含んで構成される。上位層処理部14は、媒体アクセス制御層処理部15、無線リソース制御層処理部16を含んで構成される。無線送受信部10を送信部、受信部、モニタ部、または、物理層処理部とも称する。上位層処理部14を測定部14、選択部14、決定部14または制御部14とも称する。
【0253】
上位層処理部14は、ユーザの操作等により生成された上りリンクデータ(トランスポートブロックと称されてもよい)を、無線送受信部10に出力する。上位層処理部14は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の一部あるいはすべての処理を行なう。上位層処理部14は、基地局装置3から受信した上位層の信号および/またはDCIに基づいて、1つまたは複数のPUSCHを送信するためのリソースを決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部14は、あるTBのためのPUSCHの複数の時間リソースのそれぞれの先頭シンボルとシンボル数を決定/特定する機能を有してもよい。上位層処理部14は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報と時間リソース割当情報に基づいて、複数の仮時間リソースの先頭シンボルとシンボル数を決定/特定する機能を有してもよい。上位層処理部14は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されており、該スロットフォーマット設定DCIを検出した場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれにおいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報とスロットフォーマット設定DCIの少なくともいずれか1つによって上りリンクシンボルと示される連続するシンボルのセットを前記PUSCHの複数の時間リソースの1つとして決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部14は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されており、かつ該スロットフォーマット設定DCIを検出しなかった場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれにおいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報によって上りリンクシンボルと示されるシンボルのみを含む仮時間リソースを前記PUSCHの複数の時間リソースの1つとして決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部14は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されていない場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれを前記PUSCHの複数の時間リソースおよび/または下りリンク信号の割当情報に基づいて決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部14は、上りリンク割当情報があるPUSCHをあるシンボルセット(シンボルセットA)で送信することを示し、下りリンク割当情報が下りリンク信号をあるシンボルセット(シンボルセットB)で送信することを示し、シンボルセットAのうちの少なくとも1シンボルがシンボルセットBに含まれるシンボルである場合、前記シンボルセットAの一部または全てのシンボルにおけるPUSCHの送信をキャンセルする機能を備えてもよい。上位層処理部14は、基地局装置3から受信した第1のビットフィールドの情報に基づいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されたシンボルにおいてPUSCHを送信するか否かを決定/特定する機能を備えてもよい。
【0254】
上位層処理部14が備える媒体アクセス制御層処理部15は、MACレイヤ(媒体アクセス制御層)の処理を行なう。媒体アクセス制御層処理部15は、無線リソース制御層処理部16によって管理されている各種設定情報/パラメータに基づいて、スケジューリング要求の伝送の制御を行う。
【0255】
上位層処理部14が備える無線リソース制御層処理部16は、RRCレイヤ(無線リソース制御層)の処理を行なう。無線リソース制御層処理部16は、自装置の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した上位層の信号に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。すなわち、無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した各種設定情報/パラメータを示す情報に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した下りリンク制御情報に基づいてリソース割り当てを制御(特定)する。
【0256】
無線送受信部10は、変調、復調、符号化、復号化などの物理層の処理を行う。無線送受信部10は、基地局装置3から受信した信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部14に出力する。無線送受信部10は、データを変調、符号化することによって送信信号を生成し、基地局装置3等に送信する。無線送受信部10は、基地局装置3から受信した上位層の信号(RRCメッセージ)、DCIなどを上位層処理部14に出力する。また、無線送受信部10は、上位層処理部14からの指示に基づいて、上りリンク信号(PUCCHおよび/またはPUSCHを含む)を生成して送信する。無線送受信部10は、PDCCHおよび/またはPDSCHを受信する機能を備えてもよい。無線送受信部10は、1つまたは複数のPUCCHおよび/またはPUSCHを送信する機能を備えてもよい。無線送受信部10は、PDCCHでDCIを受信する機能を備えてもよい。無線送受信部10は、PDCCHで受信したDCIを上位層処理部14に出力する機能を備えてもよい。無線送受信部10は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報を含むRRCメッセージを受信する機能を備えてもよい。無線送受信部10は、あるTBのためのPUSCHの時間リソース割当情報をPDCCHで受信する機能を備えてもよい。無線送受信部10は、スロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタする機能を有してもよい。無線送受信部10は、第1のビットフィールドを含むDCIおよび/またはRRCメッセージを受信する機能を有してもよい。
【0257】
RF部12は、アンテナ部11を介して受信した信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去する。RF部12は、処理をしたアナログ信号をベースバンド部に出力する。
【0258】
ベースバンド部13は、RF部12から入力されたアナログ信号を、アナログ信号をデジタル信号に変換する。ベースバンド部13は、変換したデジタル信号からCP(CyclicPrefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。
【0259】
ベースバンド部13は、データを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、OFDMシンボルを生成し、生成されたOFDMシンボルにCPを付加し、ベースバンドのデジタル信号を生成し、ベースバンドのデジタル信号をアナログ信号に変換する。ベースバンド部13は、変換したアナログ信号をRF部12に出力する。
【0260】
RF部12は、ローパスフィルタを用いてベースバンド部13から入力されたアナログ信号から余分な周波数成分を除去し、アナログ信号を搬送波周波数にアップコンバート(up convert)し、アンテナ部11を介して送信する。また、RF部12は、電力を増幅する。また、RF部12は在圏セルにおいて送信する上りリンク信号および/または上りリンクチャネルの送信電力を決定する機能を備えてもよい。RF部12を送信電力制御部とも称する。
【0261】
図24は、本実施形態の基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置3は、無線送受信部30、および、上位層処理部34を含んで構成される。無線送受信部30は、アンテナ部31、RF部32、および、ベースバンド部33を含んで構成される。上位層処理部34は、媒体アクセス制御層処理部35、無線リソース制御層処理部36を含んで構成される。無線送受信部30を送信部、受信部、モニタ部、または、物理層処理部とも称する。また様々な条件に基づき各部の動作を制御する制御部を別途備えてもよい。上位層処理部34を、決定部34または制御部34とも称する。
【0262】
上位層処理部34は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の一部あるいはすべての処理を行なう。上位層処理部34は、端末装置1に送信した上位層の信号とPUSCHを送信するための時間リソースに基づいてDCIを生成する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、生成したDCIなどを無線送受信部30に出力する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、RRCメッセージと生成したDCIに基づいて1つまたは複数のPUSCHの送信に使用するリソースを決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報と時間リソース割当情報に基づいて、複数の仮時間リソースを決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、あるPUSCHのための複数の時間リソースのそれぞれの先頭シンボルとシンボル数を決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報と時間リソース割当情報に基づいて、複数の仮時間リソースの先頭シンボルとシンボル数を決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されている場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれにおいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報とスロットフォーマット設定DCIの少なくともいずれか1つによって上りリンクシンボルと示される連続するシンボルのセットを前記PUSCHのための複数の時間リソースの1つとして決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されている場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれの先頭シンボルとシンボル数および前記スロットフォーマット設定DCIに基づいて、前記PUSCHのための複数の時間リソースの先頭シンボルとシンボル数を決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されていない場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれを前記PUSCHのための複数の時間リソースのそれぞれとして決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、端末装置1がスロットフォーマット設定DCIをPDCCHでモニタすることを設定されていない場合に、前記複数の仮時間リソースのそれぞれを前記PUSCHの複数の時間リソースおよび/または下りリンク信号の割当情報に基づいて決定/特定する機能を備えてもよい。上位層処理部34は、端末装置1に送信した上りリンク割当情報があるPUSCHをあるシンボルセット(シンボルセットA)で送信することを示し、下りリンク割当情報が下りリンク信号をあるシンボルセット(シンボルセットB)で送信することを示し、シンボルセットAのうちの少なくとも1シンボルがシンボルセットBに含まれるシンボルである場合、前記シンボルセットAの一部または全てのシンボルをPUSCHの受信に使用しない機能を備えてもよい。上位層処理部34は、端末装置1に送信した第1のビットフィールドの情報に基づいて、上位レイヤスロットフォーマット設定情報でフレキシブルと示されたシンボルにおいてPUSCHを受信するか否かを決定/特定する機能を備えてもよい。
【0263】
上位層処理部34が備える媒体アクセス制御層処理部35は、MACレイヤの処理を行なう。媒体アクセス制御層処理部35は、無線リソース制御層処理部36によって管理されている各種設定情報/パラメータに基づいて、スケジューリングリクエストに関する処理を行う。
【0264】
上位層処理部34が備える無線リソース制御層処理部36は、RRCレイヤの処理を行なう。無線リソース制御層処理部36は、端末装置1にリソースの割当情報を含むDCI(上りリンクグラント、下りリンクグラント)を生成する。無線リソース制御層処理部36は、DCI、PDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック(TB)、ランダムアクセス応答(RAR))、システム情報、RRCメッセージ、MAC CE(Control Element)などを生成し、又は上位ノードから取得し、無線送受信部30に出力する。また、無線リソース制御層処理部36は、端末装置1各々の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部36は、上位層の信号を介して端末装置1各々に対して各種設定情報/パラメータをセットしてもよい。すなわち、無線リソース制御層処理部36は、各種設定情報/パラメータを示す情報を送信/報知する。無線リソース制御層処理部36は、あるセルにおける1つまたは複数の参照信号の設定を特定するための情報を送信/報知してもよい。
【0265】
基地局装置3から端末装置1にRRCメッセージ、MAC CE、および/またはPDCCHを送信し、端末装置1がその受信に基づいて処理を行う場合、基地局装置3は、端末装置が、その処理を行っていることを想定して処理(端末装置1やシステムの制御)を行う。すなわち、基地局装置3は、端末装置にその受信に基づく処理を行わせるようにするRRCメッセージ、MAC CE、および/またはPDCCHを端末装置1に送っている。
【0266】
無線送受信部30は、端末装置1に上位層の信号(RRCメッセージ)、DCIなどを送信する。また、無線送受信部30は、上位層処理部34からの指示に基づいて、端末装置1から送信した上りリンク信号を受信する。無線送受信部30は、PDCCHおよび/またはPDSCHを送信する機能を備えてもよい。無線送受信部30は、1つまたは複数のPUCCHおよび/またはPUSCHを受信する機能を備えてもよい。無線送受信部30は、PDCCHでDCIを送信する機能を備えてもよい。無線送受信部30は、上位層処理部34が出力したDCIをPDCCHで送信する機能を備えてもよい。無線送受信部30は、あるTBのためのPUSCHの時間リソース割当情報をPDCCHで送信する機能を備えてもよい。無線送受信部30は、上位レイヤスロットフォーマット設定情報を含むRRCメッセージを送信する機能を備えてもよい。無線送受信部30は、第1のビットフィールドを含むDCIおよび/またはRRCメッセージを送信する機能を有してもよい。その他、無線送受信部30の一部の機能は、無線送受信部10と同様であるため説明を省略する。なお、基地局装置3が1つまたは複数の送受信点4と接続している場合、無線送受信部30の機能の一部あるいは全部が、各送受信点4に含まれてもよい。
【0267】
また、上位層処理部34は、基地局装置3間あるいは上位のネットワーク装置(MME、S-GW(Serving-GW))と基地局装置3との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。
図24において、その他の基地局装置3の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略されているが、基地局装置3として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、上位層処理部34には、無線リソース管理(Radio Resource Management)層処理部や、アプリケーション層処理部が存在している。
【0268】
なお、図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1および基地局装置3の機能および各手順を実現する要素である。
【0269】
端末装置1が備える符号10から符号16が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。基地局装置3が備える符号30から符号36が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。
【0270】
(1)本発明の第1の態様における端末装置1は、第1のトランポートブロック(TB)に対応する物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)の送信に使用する時間リソースと繰返し送信回数を特定するための第1の割当情報(上りリンクのRA情報で示されるS、Lおよび/またはRep)を含む第1のDCIフォーマット(DCIフォーマット0_2であってよい)を検出し、下りリンク信号を受信することを指示する第2の割当情報(下りリンクのRA情報)を含む第2のDCIフォーマット(DCIフォーマット1_0、DCIフォーマット1_1および/またはDCIフォーマット0_1であってよい)を検出する受信部10と、前記第1の割当情報に基づいて前記物理上りリンク共用チャネルを送信するための時間リソース(仮PUSCHリソース)を特定する決定部14と、を備え、前記決定部14は、前記第1の割当情報が前記物理上りリンク共用チャネルの繰返し送信のいずれか1回である第1の物理上りリンク共用チャネルを第1のシンボルセットで送信することを示し、前記第2の割当情報が前記下りリンク信号を第2のシンボルセットで受信することを示し、前記第1のシンボルセットのうちの少なくとも1シンボルが前記第2のシンボルセットに含まれるシンボルである場合、前記第1の物理上りリンク共用チャネルの送信をキャンセルする。
【0271】
(2)本発明の第2の態様における基地局装置3は、端末装置1と通信を行なう基地局装置3であって、前記端末装置1に対して第1のトランポートブロック(TB)に対応する物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)の送信に使用する時間リソースと繰返し送信回数を特定するための第1の割当情報(上りリンクのRA情報で示されるS、Lおよび/またはRep)を含む第1のDCIフォーマット(DCIフォーマット0_2であってよい)を含む信号を送信し、前記端末装置1に対して下りリンク信号を受信することを指示する第2の割当情報(下りリンクのRA情報)を含む第2のDCIフォーマット(DCIフォーマット1_0、DCIフォーマット1_1および/またはDCIフォーマット0_1であってよい)を含む信号を送信する送信部30と、前記第1の割当情報に基づいて前記物理上りリンク共用チャネルを受信するための時間リソースを決定/特定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記第1の割当情報が前記複数の物理上りリンク共用チャネルの1つである第1の物理上りリンク共用チャネルを第1のシンボルセットで受信することを示し、前記第2の割当情報が前記下りリンク信号を第2のシンボルセットで送信することを示し、前記第1のシンボルセットのうちの少なくとも1シンボルが前記第2のシンボルセットに含まれるシンボルである場合、前記第1の物理上りリンク共用チャネルを受信しないことを決定/特定する。
【0272】
(3)本発明の第3の態様における端末装置1は、一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報(上位レイヤスロットフォーマット設定情報)を含むRRCメッセージを受信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を受信し、あるトランスポートブロック(TB)のための物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)を送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報(上りリンクのRA情報)を受信する受信部10と、前記第1の情報および前記第3の情報に基づいて前記第1の時間リソースを特定する決定部14と、を備え、前記決定部14は、前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記受信部が複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報(スロットフォーマット設定DCI)を物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で受信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いず、前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの送信に用いる。
【0273】
(4)本発明の第3の態様において、前記受信部10は、前記第2の情報を物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で受信してもよい。
【0274】
(5)本発明の第3の態様において、前記受信部10は、前記第2の情報をRRCメッセージで受信してもよい。
【0275】
(6)本発明の第4の態様における基地局装置3は、端末装置1と通信を行なう基地局装置3であって、一定期間のシンボルのそれぞれが下りリンク、上りリンク、およびフレキシブルのいずれであるかを示す第1の情報(上位レイヤスロットフォーマット設定情報)を含むRRCメッセージを送信し、第1のビットフィールドを含む第2の情報を送信し、前記端末装置1があるトランスポートブロック(TB)のための物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)を送信する第1の時間リソースを特定するための第3の情報(上りリンクのRA情報)を送信する送信部30と、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて前記物理上りリンク共用チャネルを受信する受信部30と、を備え、前記受信部30は、前記第1のビットフィールドが第1の値であり、前記送信部が前記端末装置に対して複数のスロットのスロットフォーマットを示す第4の情報(スロットフォーマット設定DCI)を物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で送信した場合に、前記第1の時間リソースのうち前記スロットフォーマットで下りリンクと示されるおよびフレキシブルと示されるシンボルに割り当てられたリソースを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いず、前記第1のビットフィールドが第2の値である場合に、前記第1の時間リソースの全てを前記物理上りリンク共用チャネルの受信に用いる。
【0276】
(7)本発明の第4の態様において、前記送信部30は、前記第2の情報を物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で送信してもよい。
【0277】
(8)本発明の第4の態様において、前記送信部30は、前記第2の情報をRRCメッセージで送信してもよい。
【0278】
これにより、端末装置1は、効率的に基地局装置3と通信することができる。例えば、異なるサービス(eMBB、URLLCおよび/またはmMTC等)のデータをスケジュールするDCIにおいて、PDSCHを受信する時間リソースおよび/またはPUSCHを送信する時間リソースを示す際に各サービスに適切な通知方法を用いることができる。また、基地局装置3は、効率的に端末装置1と通信することができる。例えば、異なるサービスのデータをスケジュールするDCIにおいて、PDSCHを送信する時間リソースおよび/またはPUSCHを受信する時間リソースを示す際に各サービスに適切な通知方法を用いることができる。
【0279】
本発明の一態様に関わる装置で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)、あるいはその他の記憶装置システムに格納される。
【0280】
尚、本発明の一態様に関わる実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、短時間動的にプログラムを保持する媒体、あるいはコンピュータが読み取り可能なその他の記録媒体であっても良い。
【0281】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、たとえば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本発明の一又は複数の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【0282】
なお、本発明の一態様に関わる実施形態では、基地局装置と端末装置で構成される通信システムに適用される例を記載したが、D2D(Device to Device)のような、端末同士が通信を行うシステムにおいても適用可能である。
【0283】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0284】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0285】
本発明の一態様は、例えば、通信システム、通信機器(例えば、携帯電話装置、基地局装置、無線LAN装置、或いはセンサーデバイス)、集積回路(例えば、通信チップ)、又はプログラム等において、利用することができる。
【符号の説明】
【0286】
1(1A、1B) 端末装置
3 基地局装置
4 送受信点(TRP)
10 無線送受信部
11 アンテナ部
12 RF部
13 ベースバンド部
14 上位層処理部
15 媒体アクセス制御層処理部
16 無線リソース制御層処理部
30 無線送受信部
31 アンテナ部
32 RF部
33 ベースバンド部
34 上位層処理部
35 媒体アクセス制御層処理部
36 無線リソース制御層処理部
50 送信ユニット(TXRU)
51 位相シフタ
52 アンテナエレメント