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特許7667089パッキン荷重アッセンブリを用いたパッキン材を自動的に付勢するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】パッキン荷重アッセンブリを用いたパッキン材を自動的に付勢するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/24 20060101AFI20250415BHJP
   F16J 15/48 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
F16J15/24 Z
F16J15/48
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021559810
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 US2020028494
(87)【国際公開番号】W WO2020214800
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】62/835,966
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512115807
【氏名又は名称】エー. ダブリュー. チェスタートン カンパニー
【氏名又は名称原語表記】A.W. CHESTERTON COMPANY
【住所又は居所原語表記】860 Salem Street, Groveland, MA 01834 (US).
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】アジベルト, ヘンリ ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ, ロバート ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】グリマニス, マイケル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】マホーニー, フィリップ マイケル ジュニア
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-094139(JP,A)
【文献】独国実用新案第9116517(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/16-15/32
F16J 15/46-15/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組の積層されたパッキン要素(110)を使用する固定装置(50)のための圧力調整システム(10)であって、
流体の源を供給するための流体源(12)と、
前記流体の圧力を調整して加圧流体を形成するための圧力調整器(16)と、
前記固定装置(50)内にプロセス流体を密封するためのパッキン荷重アッセンブリ(18)であって、軸方向の荷重力を、前記加圧流体を介して前記圧力調整器(16)から前記パッキン要素(110)に加えるためのパッキン荷重アッセンブリ(18)とを含み、前記パッキン荷重アッセンブリ(18)は、軸方向に移動可能なフォロア要素(70)と、前記フォロア要素(70)を収容するためのグランド(30)とを含み、前記グランド(30)は、前記固定装置(50)のすぐ横に隣接して軸方向に配置されると共に、前記固定装置(50)に直接固定されるよう構成かつ配置されており、前記フォロア要素(70)は、前記パッキン要素(110)と前記グランド(30)と間に配置されると共に、第1端部で前記パッキン要素(110)の少なくとも1つに接触し、対向する第2端部で前記グランド(30)に選択的に接触し、
前記グランド(30)は、
上面(32A)、対向する底面(32B)、及び側面(32C)を備えた本体(32)と、
留め具要素(90)を収容するための前記本体(32)に形成された複数の留め具受け開口部(34)と、
前記本体(32)の前記底面(32B)に形成され、前記フォロア要素(70)の前記第2端部を収容するグランド圧力チャンバを形成するグランドチャンネル(40)と、
前記側面(32C)に形成されると共に前記グランドチャンネル(40)と流体連通する流体供給ポート(38)とを含む、圧力調整システム。
【請求項2】
前記圧力調整器(16)は、前記流体源(12)から前記流体を受け取るための入口(16A)と、前記加圧流体を供給するための出口(16B)とを含む、請求項1に記載の圧力調整システム。
【請求項3】
前記流体源(12)と前記圧力調整器との間に配置され、それらの間の前記流体の流れを調整する流体調整器(14)をさらに含む、請求項1に記載の圧力調整システム。
【請求項4】
前記流体調整器が逆止弁を含む、請求項3に記載の圧力調整システム。
【請求項5】
前記グランドチャンネル(40)は、底壁と、対向する第1及び第2側壁面と、
前記対向する第1及び第2側壁面のそれぞれに形成された、密封要素(46, 48)を収容するための密封チャンネル(42, 44)とを含む、請求項1に記載の圧力調整システム。
【請求項6】
前記フォロア要素(70)は、バケット状構造体(74)を有する第1端部と、ステム状構造体(75)を有する対向する第2端部とを含み、前記バケット状構造体(74)は、対向する第1及び第2側壁(74A, 74B)並びに底壁(74C)を有して圧力チャンバ(78)を形成するU字型本体を備えており、前記ステム状構造体(75)は、その末端に、前記複数のパッキン要素(110)のうち軸方向の最外側のものに接触するための足部(76)を有する、請求項1に記載の圧力調整システム。
【請求項7】
前記バケット状構造体(74)は、前記グランド(30)の前記グランドチャンネル(40)内に少なくとも部分的に収容されるようサイズ決めされ且つ構成されている、請求項6に記載の圧力調整システム。
【請求項8】
前記フォロア要素(70)は、前記フォロア要素(70)が軸方向の最外側の位置に配置される第1の予荷重位置と、前記フォロア要素(70)が軸方向内側に移動し、前記フォロア要素の前記足部(76)が、前記複数のパッキン要素(110)のうち前記軸方向の最外側のものに接触して、それに荷重力を加える第2の荷重位置との間を移動することができる、請求項6に記載の圧力調整システム。
【請求項9】
前記グランドチャンネル(40)は、互いに対して半径方向に離間した対向する側壁であって、底壁によって接続された対向する側壁を有し、移動可能な前記フォロア要素(70)は、前記フォロア要素の前記バケット状構造体(74)が前記グランドチャンネル(40)内に配置され、前記バケット状構造体の上面が前記グランドチャンネルの前記底面に接触する第1の予荷重位置と、前記フォロア要素(70)が軸方向で内側に移動し、前記バケット状構造体(74)の前記上面が前記グランドチャンネル(40)の前記底壁から軸方向に分離する第2の荷重位置との間を移動するよう構成されている、請求項6に記載の圧力調整システム。
【請求項10】
前記グランド(30)の前記グランド圧力チャンバ及び前記フォロア要素(70)の前記圧力チャンバ(78)は、加圧チャンバであって、前記フォロア要素(70)を、当該加圧チャンバ内の前記流体の前記圧力の関数として軸方向に選択的に移動させるための加圧チャンバを協働して形成する、請求項6に記載の圧力調整システム。
【請求項11】
前記圧力調整器(16)と通信すると共に当該圧力調整器を制御するための電子デバイス(22)であって、前記出口(16B)を出て前記パッキン荷重アッセンブリ(18)に運ばれる前記加圧流体の圧力を制御する電子デバイスをさらに含む、請求項2に記載の圧力調整システム。
【請求項12】
前記グランド(30)の内部には流体供給ポート(38)が形成されており、前記圧力調整器(16)は、加圧流体を、前記流体供給ポート(38)を介して前記フォロア要素(70)に運ぶ、請求項11に記載の圧力調整システム。
【請求項13】
一組の積層されたパッキン要素(110)を使用する固定装置に取り付けるパッキン荷重アッセンブリであって、
固定装置(50)に取り付けるためのグランド(30)で、
上面(32A)、対向する底面(32B)、及び側面(32C)を備えた本体(32)と、
留め具要素(90)を収容するための前記本体(32)に形成された複数の留め具受け開口部(34)と、
前記本体(32)の前記底面(32B)に形成され、グランド圧力チャンバを形成するグランドチャンネル(40)と、
前記側面(32C)に形成されると共に前記グランドチャンネル(40)と流体連通する流体供給ポート(38)とを含む、グランドと、
前記グランド(30)に一端で結合され、前記パッキン要素(110)の少なくとも1つに対向端で結合される軸方向に移動可能なフォロア要素(70)であって、
対向する第1及び第2側壁(74A, 74B)並びに底壁(74C)を有してチャンバ(78)を形成する概ねU字型の本体を備えたバケット状構造体(74)を有した第1端部と、
前記複数のパッキン要素(110)のうち軸方向の最外側のものに接触するための足部(76)をその末端に備えた、ステム状構造体(75)を有した対向する第2端部とを有するフォロア要素を含む、パッキン荷重アッセンブリ。
【請求項14】
前記グランド圧力チャンバ及び前記バケット状構造体(74)の前記チャンバ(78)は流体結合されて、前記フォロア要素(70)を第1の予荷重位置と第2の荷重位置との間で軸方向に移動させるための加圧チャンバを形成する、請求項13に記載のパッキン荷重アッセンブリ。
【請求項15】
前記グランドチャンネル(40)は、半径方向に離間した第1及び第2壁面と、当該第1及び第2壁面に接続された底壁とを有し、前記フォロア要素(70)が前記第1の予荷重位置に配置されたとき、前記バケット状構造体(74)は前記グランドチャンネル(40)内に配置され、前記バケット状構造体(74)の上面は前記グランドチャンネル(40)の前記底壁に接触し、前記フォロア要素(70)が前記第2の荷重位置に配置されたとき、前記バケット状構造体(74)の前記上面は前記グランドチャンネル(40)の前記底壁から半径方向に分離する、請求項14に記載のパッキン荷重アッセンブリ。
【請求項16】
前記グランド(30)は、その上面に形成された複数のセンタリング開口部(36)を有しており、当該複数のセンタリング開口部(36)は、それぞれセンタリング要素(114)を収容するようサイズ決めされ且つ構成されている、請求項13に記載のパッキン荷重アッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許出願は、引用してその内容を本明細書に援用する、「メカニカルシールのパッキン材を自動的に付勢するための方法及びシステム」と題した2019年4月18日付けの米国特許仮出願第62/835,966号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は固定装置のパッキン材に関し、より詳細には、制御可能な軸方向荷重をかけることでパッキン材を自動的に付勢するシステム及び方法に関する。
【0003】
幾つかの機械分野では、複数の隣接した機器の間に流体密シールを設ける必要がある。例えば、シーリング技術の1つの一般的な用途は、一端に流体が存在する回転シャフトに関わる。こうした状況では、シャフト周りから流体が漏洩するのを防ぐことが望ましいことがある。したがって、知られているように、スタフィングボックスがシャフトを囲むことができる。スタフィングボックスは、しばしば圧縮パッキンシールと呼ぶパッキン材を含むことができ、この材料は、回転シャフトの周りに巻き付けられると共に回転シャフトとスタフィングボックスとの間で境界及びシール表面を構成する。圧縮パッキンシールは、典型的には、一連の積層された軸方向に当接したパッキンリングからなる。メカニカルシールは、パッキン材の代わりにスタッフィングボックスに取り付けて軸封を助けることもできるし、或いは、パッキン材をメカニカルシールに組み込むこともできる。
【0004】
圧縮パッキンシールは、断面で見ると通常は正方形又は円形状である編組材料としてよいが、圧縮パッキンシールは様々な断面形状とすることができる。圧縮パッキンシールは適切なサイズに切断し、シャフトの周りに巻き付けて環状とすることができる。シャフトの周りにシールを設けるために、多数のリングをシャフトの全長に沿って設けてもよい。グランドなどの適切な構造体を用いて、圧縮パッキンシールをスタフィングボックス内に固定して圧縮できる。パッキン材が圧縮されるにつれ、半径方向に拡張していき回転シャフトと固定スタフィングボックスとの間でシールを形成する。パッキン構成要素によって形成されるシールは流体シールを形成し、スタフィングボックス内の流体と外気との間との圧力境界を維持する。
【0005】
従来のパッキン材の取り付け技術では、パッキン材のシール性が時間の経過によって低下するという欠点があった。そのため、流体のシールを維持するためには、パッキン材の圧縮量を増大させ続けていかなければない。
【0006】
この問題を解決するために、従来のシステムでは、スタッフィングボックスとシャフトの間に流体シールを形成し維持するために、パッキン材に軸方向の力を印加していた。ある従来技術によれば、グランドボルトなどの公知の構造体を用いて、パッキン材に軸方向の荷重力をかけることができる。しかし、パッキン材が経時的に摩耗するにつれ、パッキン材にかかる軸方向の荷重が減少して漏れが発生するため、定期的にグランドボルトの調整が必要となる。別の従来技術によれば、皿ばねワッシャーや円錐ワッシャーを使ってパッキン材に軸方向の力を加えることができる。しかし、バネが伸び、バネの軸方向の移動量が制限されると、軸方向の荷重が減少してしまう。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一つの目的は、密封材の頻繁な調整や締め付けを必要とすることなく、グランドパッキンの密封性能を経時的に維持できるシャフトシール装置を提供することである。本発明の別の目的は、パッキン材の経時的な摩耗を補償できる実質的に均一で正確な軸方向の荷重をパッキン材に与える遠隔調整可能な手段を提供することである。
【0008】
本発明は、実質的に均一な力又は荷重を、一組の積層されたパッキン要素にかけるためのパッキン荷重アッセンブリ及び固定装置と共に使用する圧力調整システムに関する。前記パッキン要素にかけられた力は、リアルタイム且つ遠隔方式で調整又は制御することができる。前記パッキン荷重アッセンブリは、グランド及び軸方向に移動可能なフォロア要素を含むことができ、前記フォロア要素は、前記フォロア要素がパッキン要素に軸方向の荷重をかけない予荷重位置と、前記フォロア要素が前記パッキン要素に軸方向の荷重をかける荷重位置との間を移動するよう加圧流体によって付勢することができる。前記軸方向の荷重は前記パッキン要素を付勢して、シャフトと前記パッキン要素との間、及び前記パッキン要素と前記固定装置の選択した表面との間に液密シールを形成する。
【0009】
本発明の一様態によれば、本発明は、一組の積層されたパッキン要素を使用する固定装置のための圧力調整システムであって、流体の源を供給する流体源と、前記流体の圧力を調整して加圧流体を形成するための圧力調整器と、前記固定装置内にプロセス流体を密封するためのパッキン荷重アッセンブリであって、軸方向の荷重力を、前記加圧流体を介して前記圧力調整器から前記パッキン要素に加えるためのパッキン荷重アッセンブリとを含む、圧力調整システムに関する。前記圧力調整器は、前記流体源から前記流体を受け取るための入口と、前記加圧流体を供給するための出口とを含む。
【0010】
前記圧力調整システムは、前記流体源と前記圧力調整器との間に配置され、それらの間の前記流体の流れを調整する流体調整器をさらに含むことができる。前記流体調整器は逆止弁でよい。
【0011】
前記パッキン荷重アッセンブリは、軸方向に移動可能なフォロア要素と、前記フォロア要素を収容するためのグランドとを含むことができる。前記グランドは、上面、対向する底面、及び側面を備えた本体と、留め具要素を収容するための前記本体に形成された複数の留め具受け開口部と、前記本体の前記底面に形成され、グランド圧力チャンバを形成するグランドチャンネルと、前記側面に形成されると共に前記グランドチャンネルと流体連通する流体供給ポートとを含む。前記グランドチャンネルは、底壁面と、対向する第1及び第2側壁面と、前記対向する第1及び第2側壁面のそれぞれに形成された、密封要素を収容するための密封チャンネルとを含む。前記フォロア要素は、バケット状構造体を有する第1端部と、ステム状構造体を有する対向する第2端部とを含み、前記バケット状構造体は、対向する第1及び第2側壁並びに底壁を有して圧力チャンバを形成するU字型本体を備えている。前記ステム状構造体は、その末端に、前記複数のパッキン要素のうち軸方向の最外側のものに接触するための足部を有する。
【0012】
前記バケット状構造体は、前記グランドの前記グランドチャンネル内に少なくとも部分的に収容されるようサイズ決めされ且つ構成されている。さらに、前記フォロア要素は、フォロア要素が軸方向の最外側の位置に配置される第1の予荷重位置と、前記フォロア要素が軸方向内側に移動し、前記フォロア要素の前記足部が、前記複数のパッキン要素のうち前記軸方向の最外側のものに接触して、それに荷重力を加える第2の荷重位置との間を移動することができる。
【0013】
別の態様によれば、前記グランドの前記グランドチャンネルは、互いに対して半径方向に離間した対向する側壁であって、底壁によって接続された対向する側壁を有し、移動可能な前記フォロア要素は、前記フォロア要素の前記バケット状構造体が前記グランドチャンネル内に配置され、前記バケット状構造体の上面が前記グランドチャンネルの前記底面に接触する第1の予荷重位置と、前記フォロア要素が軸方向で内側に移動し、前記バケット状構造体の前記上面が前記グランドチャンネルの前記底壁面から軸方向に分離する第2の荷重位置との間を移動することができる。前記グランドの前記グランド圧力チャンバ及び前記フォロア要素の前記圧力チャンバは、加圧チャンバであって、前記フォロア要素を、当該加圧チャンバ内の前記流体の前記圧力の関数として軸方向に選択的に移動させるための加圧チャンバを協働して形成する。
【0014】
前記システムは、前記圧力調整器と通信すると共に当該圧力調整器を制御するための電子デバイスであって、前記出口を出て前記パッキン荷重アッセンブリに運ばれる前記加圧流体の圧力を制御する電子デバイスをさらに含むことができる。
【0015】
別の態様によれば、本発明は、一組の積層されたパッキン要素を使用する固定装置に取り付けるパッキン荷重アッセンブリであって、グランドとフォロア要素とを含むパッキン荷重アッセンブリに関する。前記グランドは、上面、対向する底面、及び側面を備えた本体と、留め具要素を収容するための前記本体に形成された複数の留め具受け開口部と、前記本体の前記底面に形成され、グランド圧力チャンバを形成するグランドチャンネルと、前記側面に形成されると共に前記チャンネルと流体連通する流体供給ポートとを含む。前記フォロア要素は、対向する第1及び第2側壁並びに底壁を有してチャンバを形成する概ねU字型の本体を備えたバケット状構造体を有した第1端部と、前記複数のパッキン要素のうち軸方向の最外側のものに接触するための足部をその末端に備えた、ステム状構造体を有した対向する第2端部とを有する。
【0016】
前記グランド圧力チャンバ及び前記バケット状構造体の前記チャンバは流体結合されて、前記フォロア要素を第1の予荷重位置と第2の荷重位置との間で軸方向に移動させるための加圧チャンバを形成する。さらに、前記グランドチャンネルは、半径方向に離間した第1及び第2壁面と、当該第1及び第2壁面に接続された底壁面とを有する。前記フォロア要素が前記第1の予荷重位置に配置されたとき、前記バケット状構造体は前記グランドチャンネル内に配置され、前記バケット状構造体の上面は前記グランドチャンネルの前記底壁面に接触する。前記フォロア要素が前記第2の荷重位置に配置されたとき、前記バケット状構造体の前記上面は前記グランドチャンネルの前記底壁面から半径方向に分離する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の上記及びその他の特徴及び利点は、次の詳細な説明とともに添付の図面を参照すればより完全に理解されるはずであり、図面の中の類似した参照記号は、これら複数の図面を通して類似の部材を示す。これら図面は本発明の原理を表すもので、縮尺は一定ではないが、相対的寸法を示す。
図1図1は、本発明の教示によるパッキン荷重アッセンブリを用いる圧力調整システムの概略ブロック図である。
図2図2は、本発明の教示による、図1の圧力調整システムと共に用いるパッキン荷重アッセンブリの透視図である。
図3図3は、本発明の教示による、予荷重位置に配置された可動フォロア要素を示すパッキン荷重アッセンブリの断面図である。
図4図4は、本発明の教示による、荷重位置にある可動フォロア要素を示すパッキン荷重アッセンブリの断面図である。
図5図5は、本発明の教示によるパッキン荷重アッセンブリのフォロア要素の断面図である。
図6図6は、コンパクトな組込構造ハウジングの概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、固定装置内に収容されたパッキン材に自動化された方法で軸方向の荷重力を与えるために、パッキン荷重アッセンブリと関連して使用される圧力調整システムに関するものである。フォロア要素(follower element)に軸方向の流体力を加えると、今度はそのフォロア要素がパッキン材に軸方向の荷重力を加える圧力調整システムを使用することで、軸方向の力を制御又は調整することができる。当業者であれば、本発明は、多数の異なる応用例及び実施形態で実現可能であり、本明細書に記載した特定の実施形態に特に限定されないことは容易に理解するはずである。
【0019】
ここでいう「シャフト」という用語は、機械システムにおいてシールを取り付け可能な任意適切な装置を指すことを意図しており、シャフト、ロッド、及び他の既知の装置を含む。
【0020】
ここでいう「軸方向の」及び「軸方向に」という用語は、任意のシャフトの軸に概ね平行な方向を指す。ここでいう「半径方向の」及び「半径方向に」という用語は、任意のシャフトの軸に概ね直角な方向を指す。「流体」及び「複数の流体」という用語は、液体、気体、及びそれらの組み合わせを指す。
【0021】
ここでいう「軸方向内側」という用語は、固定装置の部分及び/又はメカニカルシールの構成要素であって、このメカニカルシールを使用する固定装置(例えば、機械システム)の近接に配置された部分及び/又は構成要素を指す。よって、この用語は、メカニカルシール又はパッキン荷重アッセンブリの構成要素であって、固定装置上に若しくはその内部に取り付けられた、又はその装置の内部深くに若しくは最も近い位置に(中央寄りに(inboard))配置されたメカニカルシール又はパッキン荷重アッセンブリの構成要素を指す。反対に、ここでいう「軸方向外側」という用語は、固定装置及びメカニカルシール又はパッキン荷重アッセンブリの部分であって、装置から遠位に配置された(外側寄りの(outboard))部分を指す。
【0022】
ここでいう「半径方向内側」という用語は、メカニカルシール、パッキン荷重アッセンブリ、又は関連付けられた構成要素の部分であって、任意のシャフトに近接した部分を指す。反対に、ここでいう「半径方向外側」という用語は、メカニカルシール、パッキン荷重アッセンブリ、又は関連付けられた構成要素の部分であって、そのシャフトから遠位に配置された部分を指す。
【0023】
本明細書で用いる「固定装置」、「スタフィングボックス」、及び/又は「静止表面」という用語は、グランドを備えたメカニカルシール又はパッキン荷重アッセンブリが固定されるシャフト又はロッドを収容する任意適切な固定構造体を含むことを意図する。この固定構造体は、ポンプ、バルブなどの任意種類の市販又は工業装置を含むことができる。通常の技能を備えた当業者であれば、グランドアッセンブリが、メカニカルシールの一部、パッキン荷重アッセンブリ、又は固定装置の一部を形成できることも理解するはずである。
【0024】
ここでいう「プロセス媒体」及び/又は「プロセス流体」という用語は、一般に、固定装置を介して移送されている媒体又は流体を指す。ポンプの応用例では、例えば、プロセス媒体は、ポンプハウジングを介してポンピングされている流体である。
【0025】
ここでいう「グランド」という用語は、固定装置へのメカニカルシール又はパッキン荷重アッセンブリの固定を可能にし、容易にし、又は補助する任意の適切な構造体であって、同時に1つ又は複数のシール構成要素を少なくとも部分的に取り囲む、又は収容する構造体を含むことを意図している。必要に応じて、グランドはメカニカルシールへの流体アクセスを提供することもできる。
【0026】
ここでいう「メカニカルシール」という用語は、プロセス流体を可動(例えば、回転)構成要素と固定装置の固定構成要素との間で密封するために使用される様々な任意種類のシーリング構造体を含むことを意図しており、例えば、シングルシール、分割シール、タンデムシール、二重シール、同心シール、ガスシール、螺旋シール、並びに他の既知のシールタイプ及び構成を含むことができる。
【0027】
ここでいう「パッキン材」とは、広範囲の圧力や温度の下で、グランドや固定装置内のさまざまな流体を密封するための弾力性のある、少なくとも部分的に圧縮可能な材料を含むことを意図している。
【0028】
ここでいう「パッキン荷重アッセンブリ」という用語は、少なくとも固定装置の固定構成要素と可動構成要素の間に封止を実現するようにパッキン材に軸方向の荷重圧を加えるための、少なくとも例えばグランドを含む、任意の選択された構成要素又は構成要素の組立品を含むことを意図している。
【0029】
「周囲環境」又は「周囲圧力」という用語は、グランド、パッキン荷重アッセンブリ、メカニカルシール、又は固定装置の内部環境以外の外部環境又は圧力を含むことを意図している。
【0030】
本発明は、パッキン材に作用するピストン荷重フォロア要素を収容する密閉空洞が内部に存在するグランドを有するパッキン荷重アッセンブリに関するものである。ピストン荷重フォロア要素は、例えば作業所で圧縮された空気や適切な給水など、圧力流体又は媒体を印加する1つ又は複数の外部で調整又は制御された圧力源によって作動される。圧力調整器を使用して、グランド内の圧力の調整、変化、又は制御に貢献でき、その結果、一般的若しくは実質的に一定の又は均一な軸方向の荷重力をパッキン材にかけることができる。摩耗、熱サイクル、振動、圧力サージなどによりパッキン材が経時的に弛緩すると、圧力流体を制御、調整、変化させて、パッキン材にかかる荷重を概ね若しくは実質的に一定又はは均一に保つ助けとすることができる。圧力調整器への供給管路に逆止弁などの流体調整素子を使用することで、加圧流体の供給が瞬間的に停止した場合でも、パッキン材への荷重を維持することができる。加圧された流体の供給は、一般的に工業や商業プラントで利用可能である。望ましい荷重は、シャフトなどの回転機械部品から離れた便利な場所で、遠隔で設定することができる。
【0031】
本発明は、パッキンの経時的な圧縮や摩耗を補償するために、固定装置のパッキン材を自動的に付勢する(energize)、改良型の活圧荷重パッキン荷重アッセンブリ又はシステム(live pressure load packing loading assembly or system)の概念に関するものである。また、本発明では、回転する機械部品から離れた場所でのパッキン調整も可能である。パッキン材が取り付けられ、適切な圧縮力で軸方向に荷重がかけられると、パッキンの半径方向の圧力は、適切で十分な密封を行うためには、ウェットエンドでのポンプのプロセス流体圧力と同等以上である必要がある。パッキン材の緩和挙動は、摩耗、熱サイクル、振動、圧力サージなどが原因となることがある。
【0032】
ピストン荷重フォロア要素などの構造部品は、固定装置内に取り付けられたときに、油圧又は空気圧の軸力荷重をパッキン材に与え、そこからの流体の漏れを制限又は防止し、ポンプなどの機器からのプロセス流体圧によってポジティブシールを形成するように構成することができる。このグランド部品は、固定装置のハウジングに固定することができ、好ましくはフォロア要素を収容する。
【0033】
図1は、本発明の圧力調整システム10を示す。圧力調製システム10は、加圧流体を収容し、パッキン荷重アッセンブリ18に供給するための加圧流体源12を含む。この流体は、例えば空気若しくは窒素のような気体又は水のような液体でよい。流体源12は、適切な配管又は機械的接続を介して、流体調整装置14を通って圧力調整器16に結合されている。圧力調整器16は、流体の圧力を所望の値に調整又は制御するための任意の適切な構造体又は装置とすることができる。圧力調整器16は、流体源12から流体を受け取るための流体入口16Aと、出口流体をパッキン荷重アッセンブリ18に送るための流体出口16Bとを有する。加圧流体源からの流体は、第1の高い圧力で流体入口16Aに入り、典型的には第2の圧力で流体出口16Bから圧力調整器を出るが、この圧力は入口圧力より低いか、実質的に同等とすることができる。圧力調整器16は、本発明の技術分野で知られているように、ダイアフラム又はベローズなどのセンサに結合される、ばねを含むことができる圧力設定又は調整要素16C(図5)などの機械的構造体を含むことができる。このセンサは、出口における流体の圧力を感知又は検出するように構成することができる。また、センサは、バルブシート部などのリストリクタ要素に結合されており、このリストリクタ要素は、調整器から出る流体の量を制御、調整、又は変化させるように軸方向に移動させることができ、その結果、出口での流体の圧力を制御することができる。圧力調整器は、調整された圧力のフィードバックを当該調整器の設定又は制御機構への入力として使用することができ、フィードバック圧力の変化に反応してリストリクタ要素の開度を制御することができる。圧力調整器の構造及び動作は本発明の分野ではよく知られているので、ここではこれ以上の説明は不要である。
【0034】
流体調整装置14は、流体源12と流体調整器16との間の流体の流れを制御又は調製するのに役立つ。一実施形態によれば、流体調整装置14は、流体源12が入力流体及び対応する圧力を圧力調整装置16の入口に供給できない場合に、圧力調整装置16を介して戻る流体の損失を防止するのに役立つ逆止弁とすることができる。すなわち、逆止弁を圧力調整器16への供給管路に使用することで、加圧流体の供給が瞬間的又は持続的に停止した場合でも、パッキン材への荷重を維持することができる。逆止弁の構造と動作は本発明の分野ではよく知られているので、ここではこれ以上の説明は不要である。また、圧力調整システムは、選択された場所でシステム内の流体の圧力を測定するために、例えば、圧力ゲージなどの1つ又は複数の圧力センサ又は検出器を採用することができる。圧力センサは、圧力調整器16の何れかの側や、圧力調整器とパッキン荷重アッセンブリ18との間など、選択した任意の場所に配置することができる。
【0035】
圧力調整器16及び/又はパッキン荷重アッセンブリ18は、オプションで、直接又はネットワーク20を介して電子デバイス22と通信することができる。圧力調整器及びパッキン荷重アッセンブリは、WiFiやBluetooth接続など、任意の適切な無線接続を介して電子デバイス22と直接的に通信することができる。代替的には、これら装置は、標準的なネットワーク20を介して電子デバイス22と通信できる。周知のように、ネットワーク20は、サーバやコンピュータなどの1つ又は複数の電子デバイスを含むことができる。これらサーバは、本発明の分野で知られているように適切なプロセッサ、記憶装置、及びメモリを含むことができる。さらに、サーバや、所望なら圧力調整システム10の1つ又は複数の要素を動作させ、制御するために、適切な操作ソフトウェアを記憶装置に格納することができる。電子デバイス22は、サーバ、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの任意の適切なデバイスとすることができる。また、ネットワーク20のサーバと同様に、この電子デバイスは、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、記憶装置などの既知のハードウェアのほか、例えば入力デバイス(例えば、マウス及び/又はキーボード)やディスプレイなどの他の構造体を含むことができる。圧力調整システム10の1つ又は複数の要素を制御し、操作するために、適切なシステムソフトウェアをネットワーク20及び電子デバイス22の一方又は両方に格納することができる。
【0036】
図2-5は、本発明のパッキン荷重アッセンブリ18の特徴及び要素を示している。パッキン荷重アッセンブリ18は、一連の留め具要素90によって固定装置50に結合されるグランド要素30を含むことができる。固定装置50は例えばポンプのハウジングを含むことができ、そこから外に向かって延びる回転軸28を有し、ポンプハウジング内に密封する必要のあるプロセス流体を含んでいる。固定装置50は、内部に形成された留め具受け開口部54を備えた本体52を含むことができる。また、本体52は、底面又はフランジ部58と、軸方向に延びる壁面60とを有する、その中に形成された半径方向内側チャネル56を有している。チャネル56は、プロセス流体をその中に密封するように、シャフト28と固定装置50の本体52との間にシールを形成する一連の環状のパッキン要素110などのパッキン材を収容する。また、チャネルは、所望なら又は必要に応じて、1つ又は複数のブッシュ又はベアリング要素を収容して、パッキン要素110の1つ又は複数がチャネル56から誤って押し出されるのを防ぐ助けとしてもよい。したがって、動作時には、パッキン要素110は、当該要素とシャフト28との間、及びこれら要素とチャネル56の表面との間にシールを形成するのに役立つ。固定装置50の本体は、上面52A及び対向する底面52Bを備えている。底面52Bには、密封要素を収容するためのチャンネル62が形成されている。当業者であれば、固定装置のハウジングは任意の選択された構成を備えることができ、ここで図示されている構成は、説明目的であることを容易に認識することができるはずである。
【0037】
パッキン荷重アッセンブリ18は、カートリッジに予め組み付けられるか又は別個の取り付け可能な要素又は構成部品とすることができるグランド要素30及びフォロア要素70を含むことができる。グランド要素30は、対向する上面及び底面32A、32Bをそれぞれ有するとともに、側面又は周面32Cを有する本体32を備えている。上面32Aには、留め具要素90を含む留め具アッセンブリを受け入れるための複数の留め具受け開口部34が形成されている。留め具要素90は、軸方向内側の端部で薄ナット92と嵌合し、軸方向外側の端部でワッシャー94及びナット96と嵌合するボルト状の要素とすることができる。同様に、グランド30の本体32の上面32Aは、センタリングボタン114などのセンタリング要素を収容するための複数のセンタリング開口部36を含むこともできる。センタリングボタン114は、本発明の分野で知られているように、取り付け時にシャフト28に対してグランド30をセンタリングするのに役立つ。また、グランド30の底面32Bは、環状チャンバを形成する環状チャネル40を含む。
【0038】
グランド30の側面32Cは、フォロア要素70を介してパッキン要素110に圧力を加えるために、パッキン荷重アッセンブリ18に加圧流体を供給するための1つ又は複数の流体供給ポート38を含むことができる。流体供給ポート38は、パイプなどの任意の選択された流体接続要素に結合するための第1のワイドポート部38Aを含むことができる。流体供給ポート38は、第2の半径方向延在部38Bと、チャネル40と連通する第3の軸方向延在部38Cとを含む。チャネル40の側面には、シール要素46及び48をそれぞれ収容するために一対の対向するチャネル42及び44が形成されている。密封要素46及び48は、フォロア要素70と流体密なシールを形成する。流体供給ポート38は、所望なら、グランド30の他の表面に形成することができる。当業者であれば、グランドが任意の選択された形状又は構成を有することができ、現在図示されている構成は、説明を目的としたものであることを容易に認識するであろう。
【0039】
フォロア要素70は、軸方向に移動可能であり、流体供給ポート38を介して加えられた流体によって適切に加圧されると、パッキン要素110に軸方向の荷重又は力を加えるようにサイズ及び構成が決められている。フォロア要素70は、予荷重位置(図3)と荷重位置(図4)との間で移動可能である。予荷重位置では、フォロア要素70は、パッキン要素110に接触するか又はパッキン要素110からわずかに分離しているが、適切若しくは十分に荷重又は軸方向の力を加えない。加圧された流体が流体供給ポート38に供給されると、フォロア要素70は予荷重位置から荷重位置に移動し、固定装置50内にプロセス流体を密封するようにパッキン要素に軸方向の力又は荷重を加える。
【0040】
図3-5、特に図5に示すように、フォロア要素70は、バケット状構造体74を備えた軸方向の第1端部と、足部76を備えたステム状構造体75を有する対向する第2端部とを有する本体部72を含む。バケット状構造体74は、チャネル40との接続及び協働により、フォロア要素70を軸方向に移動させるための加圧チャンバを形成するチャンバ78を形成するU字型のバケット構造体を有する本体を有している。バケット構造体74は、半径方向に離間した一対の対向する壁74A及び74Bを有し、底壁74Cによって接続されている。壁74A,74B,及び74Cは、内面及び外面を有している。ステム状構造体は、実質的に長尺の、幅が狭いステム様の形状を有する本体を有し、その末端で足部分76を形成して終端している。足部76は、ステム状構造体74よりも大きな、半径方向の平面的な領域を有し、軸方向の最外側のパッキン要素110に接触し、軸方向の内向きの力を加えてパッキン要素110に軸方向の荷重を加えるよう構成されている。当業者であれば、フォロア要素は任意の選択された構成を有することができ、現在図示されている構成は説明目的であることは容易に理解するはずである。
【0041】
圧力調整システム10は、圧力調整システムの選択された要素を含む圧力調整サブアッセンブリ130を含み、これは、例えば少なくとも流体源及び圧力調整器を含むことができる。図6は、本発明の教示によるパッキン荷重アッセンブリ18と共に使用するのに適した自己完結型の圧力調整サブシステム130の一実施形態を示す。図示したように、圧力調整サブシステム130は、任意の選択された形状又はサイズを有することができるハウジング132を含むことができ、好ましくは、筐体として形成される。この筐体は、所望なら、ドア(図示せず)などの任意の適切なカバー要素を有することができる。ハウジング132内には圧力調整サブシステム130を取り付けることができる。図示した圧力調整サブシステム130は、配管などの適切な流体導管によって圧力調整器16に接続可能な自己完結型の加圧流体源134を含むことができる。流体源134は、流体源12と同じ又は類似のものとすることができる。圧力調整器16は、圧力調整器の出口16Bにおける流体の圧力レベルを設定するための圧力設定要素16Cを含むことができる。所望なら、逆止弁(図示せず)などの流体調整要素も、このサブシステムに含めることができる。図示したように、圧力ゲージ138などの1つ又は複数の任意の圧力センサを使用して、圧力調整サブシステム130の選択された位置で圧力を検出又は感知することができる。
【0042】
図示した圧力調整サブシステム130は、オプションの増圧器140も含むことができる。増圧器140を使用して、圧力調整器から出る流体の圧力を、パッキン荷重アッセンブリ18での使用に適した高いレベルまで増加させることができる。具体的には、増圧器140は、流体入口140Aと、流体出口140Bとを有する。流体は、第1の圧力レベルで増圧器の流体入口140Aに入り、第2のより高い圧力レベルで流体出口140Bから出る。本発明の分野で知られているように、増圧器140は、所定の圧力上昇を実現するように構成することができる。したがって、増圧器は、パッキン要素110に軸方向の荷重をかけるのに十分な加圧流体を流体出口140Bで供給するように選択することができる。次に、圧力調整サブシステム130を出る加圧流体142は、パッキン要素110を付勢するために、パッキン荷重アッセンブリ18に運ばれる。
【0043】
動作において、本発明の圧力調整システム10は、以下のように機能し且つ動作することができる。本発明のパッキン荷重アッセンブリ18は、スタッフィングボックス又は回転軸28を含む固定装置50に取り付けることができる。装置50のチャネル56には、一連の積層されたパッキン要素110がその内部に取り付けられている。パッキン荷重アッセンブリ18は、グランド30及びフォロア要素70を含む。そして、グランド30は、固定装置50に結合されている。具体的には、フォロア要素の足部76は、軸方向の最外側にあるパッキン要素110に隣接し且つ接触するように配置されている。フォロア要素70のバケット状構造体74は、グランド30のチャネル40内に収容されている。グランド30は、留め具要素90、ジャムナット92、ワッシャー94及びナット96を含む留め具アッセンブリによって、固定装置50に固定される。センタリング装置114を使用して、シャフト28の周囲でパッキン荷重アッセンブリ18をセンタリングすることができる。パッキン荷重アッセンブリは、所望なら、組み立て中で動作前にフォロア要素を予荷重位置に保持するために、フォロア要素と固定装置の上面との間に収容される選択部分を有することができるクリップ要素(図示せず)も使用可能である。
【0044】
グランド30は、フォロア要素70の上部バケット状部分を収容するためのチャネル40が下面又は底面32Bに形成された本体32を含む。また、グランド30には、その側面32Cに、チャネル40と連通する流体供給ポート38が形成されている。Oリングのような追加のシール要素を用いて、パッキン荷重アッセンブリ内の加圧流体のシールを補助することができる。フォロア要素70は、グランド30に形成されたチャネル40内に配置されるチャンバ78を形成するバケット状構造体74を含む上部と、積層されたパッキン要素110に接触することで、パッキン要素に軸方向の荷重をかけるように構成された足部76を含む対向する下部とを有する。チャネル40及びそれによって形成された対応するチャンバと、バケット状構造体74のチャンバ78との組み合わせにより、加圧流体チャンバが形成される。
【0045】
フォロア要素70は、フォロア要素70のバケット状構造体74の上側最上部表面が、グランドチャネル40の床又は底壁面74Cのすぐ横に隣接又は接触する、第1又は初期の予荷重位置に配置することができる。バケット状構造体74の壁74A、74Bの外面又は外側面は、所望であれば、グランドチャネル40の側壁又は側面にも接触してもよい。チャネル40とバケット状構造体74のチャンバ78とを組み合わせることで、流体源12によって加圧されて、フォロア要素70を軸方向の内側に移動させて、フォロア要素の足部76が、積層された一組のパッキン要素110に軸方向の荷重をかける荷重位置又は作用位置に移動可能な流体チャンバを形成する。軸方向に荷重がかかると、パッキン要素110は流体シールを形成して、固定装置50からのプロセス流体の漏れを低減又は防止するのに役立つ。
【0046】
圧力調整システム10は、水、油、空気、又は窒素などの流体を流体源12から供給し、それが流体調整器14を通過して圧力調整器16に至る。圧力調整器16は、電子デバイス22によって、直接的に又はネットワーク20を介して、オプションで遠隔制御することができる。電子デバイス22は、圧力レベルを確立又は設定することによって、圧力調整器16を出る流体の圧力を設定又は定めるのに役立つ。好適には、圧力調整器16を出る流体の圧力は、設定要素16Cを介して手動で設定することができる。圧力調整器16を出る流体は、システムの必要性に応じて選択することができる。加圧された流体は、適切な導管又は配管によって、グランド30に形成された流体供給ポート38に導入される。流体供給ポート38は、グランドのチャネル40と連通し、フォロア要素のチャンバ78と協働して加圧流体チャンバを形成する。
【0047】
加圧された流体は、フォロア要素70のバケット状構造体74に作用し、具体的には、この流体は、バケット状構造体74の半径方向最外壁74Aの外面と、バケット状構造体74の半径方向最内壁74Bの外面との間に画定されたピストン荷重面積84に作用する。フォロア要素のバケット状部分によって形成されるピストン面積84は、フォロア要素を介してパッキン要素に加えられる軸方向の荷重が、流体源12によって供給される流体の圧力を考慮すれば、固定装置内のプロセス流体のシールを実現するのに十分となるように、サイズ及び寸法が決められている。当業者であれば、フォロア要素とグランドのサイズを含むパッキン荷重アッセンブリの全体的な寸法と、供給源流体とプロセス流体の圧力に基づいて、ピストン面積の適切な大きさを容易に決定することができるはずである。フォロア要素70のピストン面積84に作用する加圧流体の力は、フォロア要素70が十分に加圧されていれば、そのフォロア要素を予荷重位置から荷重位置及びその間に軸方向に移動させる。すなわち、十分に加圧されると、ピストン荷重をかけられたフォロア要素70は、選択された荷重力をパッキン要素110に加えるために、第2の荷重をかけられた作用位置に軸方向に移動する。この第2の位置では、フォロア要素70の上部バケット状74部分は、グランドチャネル40の床から離間されている。流体供給ポート38は、任意の適切な流体供給に結合することができる。
【0048】
電子デバイス22は、圧力調整器16で流体の圧力を変化させ、調整し、又は制御することによって、パッキン要素に加えられる力の量をオプションで制御することができる。すなわち、圧力調整器16は、その流体出口16Bにおける流体圧力を感知することによって、パッキン荷重アッセンブリ18内の圧力を感知することができる。電子装置22は、圧力調整器の設定要素を調整又は操作することによって、圧力調整器16の出口圧力を制御することができる。このようにして、ピストン荷重フォロア要素70を介してパッキン要素110に加えられる圧力は、パッキン材の密封能力に基づいて、またパッキン要素110の荷重特性に基づいてリアルタイムに変化又は調整することができる。具体的には、プロセス流体の圧力は、パッキン荷重アッセンブリの動作中に変化することがあり、パッキン材の密封能力又は特性は、時間の経過とともに変化できる。このように、パッキン荷重アッセンブリ内の圧力が変化し、それゆえ、パッキン要素に加えられる、流体シールを維持するために必要な荷重力も時間とともに変化する。圧力調整器を介した電子デバイス22は、パッキン荷重アッセンブリ18に導入される加圧流体の圧力を変化、調整、又は変更して、選択された一定又は均一の圧力をパッキン要素にリアルタイムで印加、維持することができる。したがって、この力を連続的且つ動的に制御して、パッキン要素110に実質的に均一な圧力を維持することができる。代替的には、パッキン荷重アッセンブリ18に供給される流体の圧力は、調整器の設定要素16Cを手動で調整することにより、圧力調整器によって設定することができる。ここでいう「実質的に均一」又は「実質的に一定」という用語は、パッキン荷重アッセンブリに供給される流体の圧力を、その圧力が2.0 psi未満、好ましくは1.0 psi未満で変化するように調整し、変化させ、又は制御する機能を含むことを意図している。
【0049】
一実施態様によれば、ピストン荷重フォロア要素70を介してパッキン要素110に加えられる力は、任意の適切なネットワーク20を介して遠隔制御することができる。さらに、パッキン荷重アッセンブリ18に供給される流体供給圧力は、パッキン要素110のパッキン材の摩耗特性に基づいて圧力が自動的に調整されるように制御することができる。従来技術で行われているように、パッキン材のシール能力を手動で評価したり、グランドボルトを締め付けるなどしてパッキン要素110に加える力を手動で調整したりする必要はない。むしろ、本発明のシステム10では、パッキン要素110に加えられる荷重圧を遠隔で制御し、自動化された方法で制御することができるため、グランドボルトを手動で締め付ける必要性を低減又は排除することができる。
【0050】
さらに、グランド30とピストン荷重フォロア要素70は、油圧又は空気圧シリンダ作動力を発生可能なカートリッジを形成することができる。このように、本発明は、従来のシステムでの変動する力又はパッキン材の摩耗特性に基づいて経時的に減少する力や、荷重ばねによって印加される力プロファイルの減少又は変化ではなく、パッキン要素110に比較的一定又は均一な力を与えることによって、ポンプパッキンに動荷重を加える従来の製品を改善する。従って、別の実施態様によれば、本発明は、オペレータが、必要又は所望であれば、圧力調整器16の設定要素16Cを介して、パッキン材に加えられる力を手動で調整することを可能にする。
【0051】
本発明の荷重機構は、注入可能なパッキン材を含む多種多様なパッキン材とともに動作可能である。注入可能なパッキン材を使用する場合、スタッフィングボックスを再充填することができ、したがって、ピストンがグランド内で押し戻され、最適な圧力荷重が圧力調整器16によって維持されるので、元の位置に戻るためのパッキングランドの調整は必要ない。
【0052】
グランド30及び/又はピストン荷重フォロア要素70は、広範囲の軸方向移動及び圧力をもたらすよう調整することができる。従って、本発明は、従来のボルト式グランドで必要とされる定期的な手動調整の必要性を排除又は低減する。
【0053】
本発明はまた、一般的なボルト式グランドアッセンブリよりも正確なパッキン荷重制御も実現する。さらに、本発明のシステムでは、安全のために遠隔調整が可能である(例えば、回転軸の近くでグランドボルトを手動で調整する必要がない)。具体的には、多くの工場の規則では、ポンプが始動した後に回転要素の近くに機械工を配置することは許可されていない。しかし、本発明のシステム10は、パッキングランドを容易にかつ遠隔で(すなわち、安全な距離から)調整できるように構成することができる。さらに、システム10は、多くの産業設備内に存在する既存の油圧(すなわち、水又は油)又は空気圧(すなわち、空気又は窒素)システムを採用することができるので、これらグランド及びフォロア要素アッセンブリを採用するために、固定装置を大幅な後付で改装する必要ない。
【0054】
本発明のシステムでは、荷重構造体のたわみが経時的に変化し、従って、パッキン要素110に非一定又は変化する荷重をかける従来技術システムと比較して、パッキン要素110にかけられる荷重は、比較的一定又は均一とすることができる。
【0055】
従って、本発明は、これまでの記載から明らかとなった目的に含まれる、上述した目的を有効に達成することが分かるはずである。本発明の範囲を逸脱することなく上記の構成に対して一定の変更を施すことが可能であるから、この説明に含まれ又は添付の図面に示された全ての事項は、例示的なものとして解釈すべきであり、限定的な意味で解釈すべきではないことが意図されている。
【0056】
さらに、次の特許請求の範囲は、ここに説明された本発明のすべての一般的特徴及び具体的特徴を網羅するものであり、また本発明の範囲に関するすべての言明をも網羅するものと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6