(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20250415BHJP
F24F 6/16 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F6/16
F24F6/00 D
F24F6/00 F
(21)【出願番号】P 2022007664
(22)【出願日】2022-01-21
【審査請求日】2024-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】桂 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】小川 洸太
(72)【発明者】
【氏名】太田 智
(72)【発明者】
【氏名】宮島 晃
(72)【発明者】
【氏名】今村 勇斗
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165581(JP,A)
【文献】特開2010-019527(JP,A)
【文献】特開2021-103010(JP,A)
【文献】特開2019-023547(JP,A)
【文献】特開2018-054194(JP,A)
【文献】特開2014-190553(JP,A)
【文献】特開2021-139538(JP,A)
【文献】特開2015-187528(JP,A)
【文献】特開平10-033926(JP,A)
【文献】米国特許第04699737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00-6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
当該器具本体内に有り水を貯水する貯水室と、
前記器具本体内に有り前記貯水室へ供給するための水を蓄えておく給水タンクと、
前記貯水室に一端が接続され前記貯水室へ供給する水が流通する給水ホースと、
前記貯水室の壁面と接続し所定水位を超えた水を前記給水タンクへ排水するオーバーフロー管と、
前記給水タンクの上面に設置され前記オーバーフロー管から排水された水を前記給水タンクへ案内するドレン受け口と、
前記器具本体のいずれかの側面に有り、一端に支軸を有して開閉可能な扉パネルと、
前記給水タンクの上面かつ前記扉パネルの近傍に有り、円筒状の縁部を有した給水用開口部と、
当該給水用開口部に挿入される給水受け筒と、を備え、
前記給水ホースの前記給水タンク側の一端は、前記給水タンクの上面かつ前記扉パネルの近傍で脱着可能に接続され、
前記オーバーフロー管の前記給水タンク側の一端は、前記ドレン受け口の上部に位置し、
前記給水受け筒の外周部に、前記縁部の内壁に当接する周状リブ部を設け、
前記給水タンクは前記器具本体の外に取り出せることを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記給水ホースの配管途中に設置され前記貯水室へ水を供給する給水ポンプと、
前記給水ホースの配管途中に設置され銀イオンを溶出するイオン溶出手段と、
前記イオン溶出手段を制御する制御部と、
前記扉パネルの開閉状態を検知する開閉検知手段と、を備え、
前記イオン溶出手段は、前記給水ホース途中の流水経路に配置された一対の電極間に前記給水ポンプ運転時に一定の電流を印加することにより前記電極から銀イオンを溶出するもので、
前記制御部は、前記開閉検知手段により前記扉パネルが開であることを検知した際に、前記給水ポンプの運転を停止し前記電極への通電を停止することを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記給水タンクの上面に空気抜け穴を設けたことを特徴とする請求項1
又は2に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記貯水室内の水からミストを発生させるミスト発生手段と、当該ミスト発生手段により発生したミストを含む加湿空気を送風口から送風する送風ファンと、を備え、
前記ミスト発生手段は、前記貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、当該回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、前記回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加湿空気を室内へ供給する加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、加湿ユニットを内装するハウジング(器具本体)に、加湿ユニットに供給する水を貯める貯水タンクを着脱可能に収容する収容室を備える小型の加湿装置において、貯水タンクに突設された把手と、貯水タンク及び加湿ユニットを繋ぐ通水路とを備え、通水路は把手と一体に形成され、加湿ユニットに連結/分離可能に構成することにより、貯水タンクを着脱する1つの操作によって、通水路の加湿ユニットへの連結/分離が共にできるものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、貯水タンク側の通水路と加湿ユニット側の通水路を連結する際、両者が一致するように寸法精度が求められる一方、貯水タンクに水を入れた後にタンクの幅が広がる方向へ変形する虞があり、これにより通水路の連結位置がずれてしまい、接続できない虞があった。そこで、貯水タンクに剛性及び強度を持たせることで変形を抑制することもできるが、コストが増大してしまうという課題があった。
【0005】
また、貯水タンクの通水路の連結位置は貯水タンク後方であるため、貯水タンクの挿入時に通水路の連結ができているか視認することが困難であり、前述したタンクの変形に伴う通水路の連結ミスが発生しても確認できず、水漏れが発生しても確認できない虞があった。
【0006】
また、業務用等の大型の加湿装置において器具本体を板金構造とした場合、貯水タンクに給水するためタンクを分離した際、貯水タンクの収容室内部にある板金部品が露出することから、外観の見栄えを悪くすることや、板金の端部で怪我をする虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の加湿装置では、器具本体と、当該器具本体内に有り水を貯水する貯水室と、前記器具本体内に有り前記貯水室へ供給するための水を蓄えておく給水タンクと、前記貯水室に一端が接続され前記貯水室へ供給する水が流通する給水ホースと、前記貯水室の壁面と接続し所定水位を超えた水を前記給水タンクへ排水するオーバーフロー管と、前記給水タンクの上面に設置され前記オーバーフロー管から排水された水を前記給水タンクへ案内するドレン受け口と、前記器具本体のいずれかの側面に有り、一端に支軸を有して開閉可能な扉パネルと、前記給水タンクの上面かつ前記扉パネルの近傍に有り、円筒状の縁部を有した給水用開口部と、当該給水用開口部に挿入される給水受け筒と、を備え、前記給水ホースの前記給水タンク側の一端は、前記給水タンクの上面かつ前記扉パネルの近傍で脱着可能に接続され、前記オーバーフロー管の前記給水タンク側の一端は、前記ドレン受け口の上部に位置し、前記給水受け筒の外周部に、前記縁部の内壁に当接する周状リブ部を設け、前記給水タンクは前記器具本体の外に取り出せることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2の加湿装置では、前記給水ホースの配管途中に設置され前記貯水室へ水を供給する給水ポンプと、前記給水ホースの配管途中に設置され銀イオンを溶出するイオン溶出手段と、前記イオン溶出手段を制御する制御部と、前記扉パネルの開閉状態を検知する開閉検知手段と、を備え、前記イオン溶出手段は、前記給水ホース途中の流水経路に配置された一対の電極間に前記給水ポンプ運転時に一定の電流を印加することにより前記電極から銀イオンを溶出するもので、前記制御部は、前記開閉検知手段により前記扉パネルが開であることを検知した際に、前記給水ポンプの運転を停止し前記電極への通電を停止することを特徴としている。
【0010】
また、請求項3の加湿装置では、前記給水タンクの上面に空気抜け穴を設けたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項4の加湿装置では、前記貯水室内の水からミストを発生させるミスト発生手段と、当該ミスト発生手段により発生したミストを含む加湿空気を送風口から送風する送風ファンと、を備え、前記ミスト発生手段は、前記貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、当該回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、前記回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、給水ホースの給水タンク側の一端は、給水タンクの上面かつ開閉可能な扉パネルの近傍で脱着可能に接続され、オーバーフロー管の給水タンク側の一端は、ドレン受け口の上部に位置し、給水タンクは器具本体の外に取り出せるようにしたので、簡単な扉パネルの開閉と、簡単かつ確実な給水ホースの脱着によって給水タンクの出し入れができ、簡単かつ安全な状態で給水作業を実施することができる。
【0013】
また、イオン溶出手段は、給水ホース途中の流水経路に配置された一対の電極間に給水ポンプ運転時に一定の電流を印加することにより電極から銀イオンを溶出するもので、制御部は、開閉検知手段により扉パネルが開であることを検知した際に、給水ポンプの運転を停止し電極への通電を停止するようにしたので、給水作業のため扉パネルを開けて給水ホースを外す際に、水に触れることによる感電を防止することができる。
【0014】
また、給水受け筒の外周部に、縁部の内壁に当接する周状リブ部を設けたので、給水タンクを運ぶ際に、リブが堰となって波立ちによる水の飛び出しを防止することができる。
【0015】
また、給水タンクの上面に空気抜け穴を設けたので、給水タンクを置く際にタンクの変形で内部の空気が押されても、空気抜け穴から押された空気が抜けることで、ドレン受け口からの水の溢れ出しを防止することができる。
【0016】
また、ミスト発生手段は、貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成することで、簡易な構造でミストを含む加湿空気を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の一実施形態の外観を説明する斜視図
【
図5】同実施形態の運転開始から終了までの動作を説明するフローチャート
【
図6】同実施形態の給水タンクと扉パネルの構造を説明する図
【
図7】同実施形態の給水タンクと給水ホース及びオーバーフロー管の配置を説明する図
【
図8】同実施形態の給水ホース接続部の構造を説明する図
【
図9】同実施形態のドレン受け口付近の構造を説明する図
【
図10】同実施形態のイオン溶出ユニットの構造を説明する図
【
図12】同実施形態の給水受け筒のリブ構造を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、この発明の一実施形態における加湿装置を図に基づいて説明する。
【0019】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、
図1、
図6~
図11における定義に従う。また、上下方向は、器具本体1の設置時における鉛直方向に対応する。前後方向及び左右方向は、器具本体1の設置時における水平方向に対応する。また、
図2は器具本体1の構成を模式的に示す図であり、
図2における各構成品の前後左右の配置は実際とは相違している。
【0020】
1は略箱状で各種パネルに四方が覆われた器具本体、2は当該器具本体1上部に形成されルーバー3が設置された送風口、4は複数のスイッチが備えられ各種操作指令を行う操作部、5は前記器具本体1の前面略中央部に複数形成され前記器具本体1内に空気を取り込むよろい戸構造の吸い込み穴、6は前記器具本体1下部に設置され取っ手を引くことで内部に設置された排水タンク7の取り出しを可能とする排水タンク収納扉、8は当該排水タンク収納扉6の横にあり内部に設置された給水タンク9の給水口43を収納する給水口扉、10は当該給水口扉8の下部に形成され前記給水タンク9内に残存する水量を目視可能な水位窓、11は前記器具本体1底部に設置され前記器具本体1の移動を可能とするタイヤ部である。
【0021】
12は器具本体1内に設置され所定量の水を貯水する貯水室であり、この貯水室12内には水に下端を水没させ駆動軸15に軸支された筒状の回転体13が備えられている。
【0022】
前記回転体13は、中空逆円錐形で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、駆動軸15に接続され回転体13を回転駆動させるミストモータ14を駆動させ、回転体13が回転することによる回転の遠心力で貯水室12内の水を汲み上げ、回転体13の外壁及び内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体13の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体13の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体13の上端に形成された複数の図示しない飛散口から周囲に飛散させる。
【0023】
16は回転体13の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体13と共に回転する円筒状の多孔体で、当該多孔体16には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部17が設置されている。また、回転体13とミストモータ14と多孔部17とでミスト発生装置が構成されており、簡易な構成によってミストを含む加湿空気を多量に発生させることができ、ミストモータ14と駆動軸15を組み付けるだけであることから、組み付けが容易で低コストとなっている。
【0024】
前記ミスト発生部を構成するミストモータ14を駆動させ、回転体13を回転させたことで発生する遠心力で貯水室12内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部17を通過した水滴が破砕されることで、水を微細化して粒径がナノメートル(nm)サイズのミスト(以下、微細ミスト)が多量に生成されると共に、比較的粒径の大きな水滴(以下、大径ミスト)とが生成され、水の微細化によるレナード効果によって微細ミストに負イオンが帯電し、大径ミストに正イオンが帯電した状態となる。
【0025】
18は所定の回転数で駆動することで室内の乾燥空気を吸引して器具本体1の上方へ送風する送風ファンであり、当該送風ファン18が駆動すると、器具本体1の外から吸い込み穴5を介して送風ボックス80内へ流入した乾燥空気が送風排出口81から排出され、送風通路79を流通して風洞82の空気流入口83を介して貯水室12内へ流入し、貯水室12と気水分離ケース19とを通過して送風口2から送風することで、貯水室12内で発生した微細ミストと負イオンとを含んだ加湿空気を室内へ供給する。
【0026】
気水分離ケース19は、貯水室12の上方の他端(左側)に流路が鉛直上向きとなるように接続され、貯水室12内で発生した微細ミスト及び大径ミストを含む加湿空気が内部を流通する気水分離風路となっている。
【0027】
20は貯水室12内に設置され貯水を加熱する加熱ヒータであり、貯水室12の外壁に設置され貯水温度を検知する貯水温度センサ21で検知される温度が所定温度となるように、ON/OFF状態を適宜切り替える。
【0028】
22は貯水室12内に設置されフロートの上下により水位を検知する水位センサであり、貯水室12内の水位が低下して所定水位以下になったらOFF信号を出力し、水位が上昇して所定水位以上になったらON信号を出力し、更に水位が上昇して貯水室12内が満水となったら満水信号を出力する。
【0029】
23は一端が貯水室12に接続し、他端が給水タンク9の上面に脱着可能に接続された給水ホースである。当該給水ホース23の配管途中には、給水タンク9内の水を貯水室12内まで流動させる自吸式の給水ポンプ24と、給水ホース23内を流通する水の流量を検知する流量センサ25と、イオン溶出手段としてのイオン溶出ユニット71と、が設置されている。つまり、貯水室12に貯水される水は、給水タンク9内の水を給水ホース23の配管途中に設置された給水ポンプ24により供給される。
【0030】
イオン溶出ユニット71は、給水ポンプ24を駆動した際に、イオン溶出ユニット71内の電極74に所定の定電流を印加することで、電極74から金属イオンである銀イオンを給水ホース23内の水中に溶出する。そして、銀イオンが溶出した水が貯水室12内に供給されることで、貯水室周辺でのぬめりを抑制する。
【0031】
給水ホース23と給水タンク9の接続部である給水ホース接続部26は、カプラなどのジョイントで構成されており、ワンタッチで容易に脱着が可能となっている。
【0032】
23aは給水ホース接続部26から給水タンク9内の底部に所定のクリアランスを設けて設置された吸い上げ用ホースである。吸い上げ用ホース23aは、給水タンク9内の水を給水ポンプ24により吸い上げて、給水ホース23を介して貯水室12へ給水するため、給水タンク9の底部付近まで延伸している。
【0033】
28は一端が貯水室12の底部に接続し他端が排水タンク7の排水流入口27上部に設置された排水管であり、当該排水管28の配管途中には、電磁弁を開閉して貯水室12内の水の排水を制御する排水弁29が備えられている。
【0034】
30は送風口2の壁面に設置され室内へ向けて送風される加湿空気の温度を検知する送風温度センサ、31は送風ファン18の近傍に設置され吸い込み穴5から吸い込まれた室内空気の温度を検知する吸気温度センサ、32は前記吸気温度センサ31の近傍に設置され器具本体1が設置された室内の湿度を検知する湿度センサであり、各センサで検知された温度や湿度に基づいてミストモータ14や送風ファン18の回転数を変化させ、加熱ヒータ20のON/OFF状態を切り替える。
【0035】
33は気水分離ケース19内の途中に複数設置され鉛直上方へ傾斜する傾斜面を備えた気水分離手段としてのバッフル板である。
気水分離ケース19内に加湿空気が流入すると、バッフル板33を蛇行するように加湿空気が流通することで加湿空気中の大径ミストが傾斜面により分離され、分離された大径ミストが集まると重力の影響で傾斜面に沿ってバッフル板33の下端まで流動して貯水室12へ落下するため、送風口2へ案内される大径ミストの量を減少させると共に、微細ミストを多く含んだ加湿空気を送風口2へ案内する。
【0036】
34は一端が貯水室12の壁面に接続され他端が給水タンク9のドレン受け口44上部に設置されたオーバーフロー管である。万一水位センサ22が故障して満水検知ができなかった時、給水ポンプ24が駆動し続けて貯水室12内への給水が停止せずとも、オーバーフロー管34を通じて給水タンク9内へ水を戻すことができるため、貯水室12から水が溢れ出すことを防止することができる。
【0037】
35は排水タンク7内に設置され排水タンク7内の水位の上昇と共に浮きが上昇する排水フロート、36は当該排水フロート35の上端に設置された磁石、37は当該磁石36と対向する位置に設置され磁力の有無でON/OFF状態を判定する近接センサである。排水タンク7内の水が増えることで排水フロート35が上昇することに伴い、磁石36の設置箇所が徐々に低下して近接センサ37から徐々に離れて近接センサ37で検知可能な磁力が弱まり、排水タンク7が満水近くになると近接センサ37が磁力を検知できなくなってOFF信号を出力し、排水弁29を閉止することで排水タンク7から水が漏れ出す事態を防止する。
【0038】
38はルーバー3の図示しない支軸と接続してルーバー3を所定角度まで回動させるルーバーモータであり、加湿運転の開始時や停止時にルーバー3を所定の角度まで回動させる。
【0039】
39は器具本体1の前面上部を覆うように設置された前面パネルであり、操作部4のメンテナンスが必要になった場合等に取り外し作業することが可能である。
【0040】
40は器具本体1の前面中間部を覆うように設置され、吸い込み穴5が形成された外側パネルである。なお、外側パネル40の内部には、図示は省略するが給水ポンプ24に呼び水を給水する呼び水口や、器具本体1内へ流入する空気中の塵埃を捕集して清浄化する空清フィルタが設置される。
【0041】
41は器具本体1の排水タンク7及び給水タンク9の前面に設けられた扉パネルである。扉パネル41の右側一端はヒンジ41aで固定されており、左側一端に設けられた扉パネル用取っ手41bにて開閉可能となっており、扉パネル41を開けた状態で給水タンク9を前方へ引き出して取り出すことができる。
【0042】
42はマイクロスイッチで構成された開閉検知手段としての扉パネル検知センサであり、扉パネル41を開放した状態ではOFF信号を出力し、扉パネル41を閉止した状態になると、扉パネル41の存在を検知しON信号を出力する。
【0043】
操作部4には、運転開始及び停止を指示する運転スイッチ45と、ミストモータ14の回転数を所定値だけ低下させて運転音の低下を図る静音運転を実行するひかえめスイッチ46と、加湿空気を室内に供給する加湿運転の開始あるいは停止のタイマー運転の実施有無を設定するタイマー入/切スイッチ47と、現在時刻の設定を行う時計合せスイッチ48と、加湿空気を室内に供給する加湿運転の開始時刻や停止時刻を設定するタイマー合せスイッチ49と、室内へ供給する加湿空気量を3段階の加湿レベルから選択する加湿スイッチ50と、室内へ供給する加湿空気の風量を3段階の風量レベルから選択する風量スイッチ51と、加湿スイッチ50や風量スイッチ51で設定された加湿レベルや風量レベルを表示するレベル表示部52と、当該レベル表示部52での表示項目を加湿、風量レベルから湿度、現在時刻等に変化させる表示切り替えスイッチ53と、スイッチを3秒押しすると排水弁29を開放して貯水室12内の水を強制的に排水する排水スイッチ54と、運転停止以外の操作を禁止するチャイルドロックスイッチ55とが備えられている。
【0044】
また、操作部4には各スイッチに対応したランプが備えられており、運転スイッチ45が操作されたら点灯する運転ランプ56と、タイマー入/切スイッチ47が操作されタイマー入り制御かタイマー切り制御かのいずれかで設定されたモードのランプを点灯させるタイマーランプ57と、レベル表示部52で表示する検知湿度や現在時刻の午前、午後の項目に応じて該当する所定のランプが点灯する表示項目ランプ58と、排水スイッチ54が操作され排水弁29が開放されたら点灯する排水ランプ59と、チャイルドロックスイッチ55が操作されチャイルドロックが設定された時に点灯するチャイルドロックランプ60とが備えられている。
【0045】
61は各センサで検知された検知値や操作部4上に備えられた各スイッチでの設定内容に基づき運転内容や弁の開閉を制御するマイコンで構成された制御部である。当該制御部61には、ミストモータ14を所定の回転数で駆動させるミストモータ制御手段62と、送風ファン18を所定の回転数で駆動させる送風ファン制御手段63と、加熱ヒータ20のON/OFF状態を変化させて貯水室12内の水温を制御する加熱ヒータ制御手段64と、特定の動作開始時から経過した時間をカウントする計時手段65と、電極74から銀イオンを溶出させるイオン溶出制御手段69と、が備えられている。
【0046】
79は器具本体1内に形成され送風ファン18で送風された空気が流通する送風通路、80は送風ファン18を覆うように設置され吸い込み口68から吸い込まれた空気を送風排出口81へ案内する送風ボックス、82は貯水室12の上部に設置され前記送風通路79内を流通する空気を空気流入口83を介して貯水室12内へ流入させる風洞である。送風通路79は、送風排出口81から空気流入口83までの内側パネル66等の器具本体1内部を形成する区画壁により構成されており、送風ファン18が駆動すると内側パネル66等の区画壁近傍を空気が通過し、風洞82の空気流入口83へ空気が流入する。
【0047】
次に、一実施形態での運転開始から終了までの動作について、
図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0048】
まず、操作部4の運転スイッチ45が操作されたか、もしくはタイマー入/切スイッチ47で設定された運転開始時刻になったら、制御部61は、排水弁29を開放して貯水室12内の水を排水し、水位センサ22でOFF信号が出力されたと判断したら、給水ポンプ24の駆動を開始し給水ホース23内にある水を排水して、所定時間経過したら排水弁29を閉止する水入替モードを行う(ステップS101)。
【0049】
前記ステップS101の水入替モードが終了したら、制御部61は、給水タンク9内の水を給水ホース23を介して貯水室12内へ供給し、水位センサ22でON信号が出力されたと判断したら、所定量の水が貯水室12内に供給されたとして給水ポンプ24の駆動を停止した後、送風ファン18を所定時間だけ駆動させ回転体13に付着した大粒の水滴を落とす立ち上げモードを行う(ステップS102)。
【0050】
前記ステップS102の立ち上げモードが終了したら、制御部61は、ルーバーモータ38を駆動させてルーバー3を器具本体1の上面に対して垂直となる位置で停止させ、加湿スイッチ50及び風量スイッチ51で設定された加湿レベルと風量レベルに基づいて、ミストモータ14と送風ファン18とが所定の回転数で駆動するようミストモータ制御手段62と送風ファン制御手段63とでそれぞれの回転数を制御し、貯水温度センサ21の検知値に基づいて加熱ヒータ20のON/OFF状態を加熱ヒータ制御手段64で切り替えて制御することで、貯水室12内の貯水温度を加湿レベルと風量レベルとに合わせた所定の温度範囲内にする加湿運転を実行する通常運転モードを行う(ステップS103)。
【0051】
ここで通常運転モードを詳述すると、ミストモータ制御手段62によりミストモータ14を800~1400rpmの範囲内で回転数を変化させ、また、送風ファン制御手段63で送風ファン18を400~800rpmの範囲内で回転数を変化させることで、風量レベルに合った回転数にした加湿運転を行い、更に、送風温度センサ30で検知される温度が加湿レベルに合った値となるように貯水室12内の貯水温度を変化させ、貯水温度センサ21で検知される温度が約30~40℃の範囲内で推移するように加熱ヒータ20のON/OFF状態を加熱ヒータ制御手段64で切り替えて制御する。
【0052】
この通常運転モード時、貯水室12内の水位が低下し水位センサ22でOFF信号が検知されたら、制御部61は、給水ポンプ24の駆動を開始すると共にイオン溶出ユニット71内にある電極74へ所定の定電流値を印加し、貯水室12内に所定濃度の銀イオンを含んだ水を供給する。これにより、貯水室12内の水への抗菌作用が働き、貯水室12周辺でのぬめり発生を抑制することができる。
【0053】
前記ステップS103の通常運転モードを開始した後に通常運転モードの途中で運転スイッチ45がOFF操作されたか、あるいはタイマー入/切スイッチ47で設定された加湿運転の停止時刻になったら、制御部61は、ルーバーモータ38を駆動させてルーバー3を器具本体1の上面に対して約20°だけ開放した状態で静止させ、加熱ヒータ20をON状態にして水を加熱し、貯水温度センサ21での検知値が63℃から65℃の間で推移するよう加熱ヒータ20のON/OFF状態を切り替えて貯水室12内にある水の除菌を行う除菌運転を10分間実行し、10分経過後に貯水室12内を冷却する冷却運転を実行した後に排水弁29を開放して貯水室12内の水を排水するクリーニングモードを行う(ステップS104)。
【0054】
前記ステップS104のクリーニングモードが終了したら、制御部61は、ミストモータ制御手段62及び送風ファン制御手段63によりミストモータ14と送風ファン18とを所定の回転数で所定時間だけ駆動させ、貯水室12内を乾燥させる乾燥モードを実施し(ステップS105)、所定時間経過したらミストモータ14と送風ファン18とを停止させて乾燥モードが終了し、ルーバーモータ38を駆動させてルーバー3を閉止することで運転終了となる。
【0055】
次に、本発明の一実施形態における給水タンク9への給水作業を、簡単かつ安全に行うことができる構造の詳細について、
図6~
図9に基づいて説明する。
【0056】
給水タンク9内に水を供給する方法として、給水口扉8を開け、給水口43からポリジョッキ等の容器を使用して供給するか、直接水道水をホース等で供給する方法がある。しかし、ポリジョッキの容量はせいぜい5L程度であり、給水タンク9の容量は約20Lであることから、少なくとも4回の給水作業が発生するため、効率が悪い。また、直接水道水を供給する方法は、水道の蛇口が近くに無い場合はホースを長くしなければならず、簡単ではない。
【0057】
このとき、効率良く給水するためには、給水タンク9を取り外して水道の蛇口へ持っていき給水する方法となるが、給水タンク9を器具本体1から簡単に取り外し、収納することが求められる。
【0058】
そこで、
図6に示すように給水タンク9が収納されている器具本体1の前面に、開閉可能な扉構造を有した扉パネル41を設けることで、給水タンク9を取り出しやすい構成とする。扉パネル41は、右側一端がヒンジ41aで軸支されており、左側一端に設けられた扉パネル用取っ手41bにて右開きで開くことができる。これは、給水タンク9が器具本体1の左側に配置されていることから、扉パネル41を右開きとすることで、より給水タンク9を取り出しやすい構造となっている。扉パネル41は、器具本体1側のキャッチ76によって扉パネル41の閉状態を保持している。また、排水タンク7の取り出しを可能としている排水タンク収納扉6の引出構造を維持するため、扉パネル41の開閉時には排水タンク収納扉6が接触しない構造となっている。
【0059】
更に、給水タンク9を取り出すために給水ホース23を給水タンク9から外す必要があるが、
図7のように給水ホース接続部26をカプラなどのジョイント(継手)を用いることで、ワンタッチで簡単に脱着することができる。給水ホース接続部26は、
図8のように給水ホース23側でありオス側のプラグ26aと、給水タンク9側でありメス側のソケット26bで構成されており、接続時のロック機構を有している。プラグ26aは、ソケット26bから外した際に給水ホース23内の残水が流出しないように、閉止弁を有している。また、給水ホース接続部26の位置を給水タンク9の上面かつ右側前方部に配置することで、扉パネル41に近い位置であることから脱着作業がし易く、また確実に取り外しや取り付けができているかどうかの目視確認を容易に行うことができるため、不完全な取り付けによる水漏れを防止することができる。なお、給水ホース接続部26は、クイックファスナ―のような留め具によって、プラグ26aとソケット26bを接続固定する構成でも良い。
【0060】
また、オーバーフロー管34とドレン受け口44は、
図7のように直接接続せず間接排水とすることで、給水タンク9を取り外す際にオーバーフロー管34の脱着作業を不要とすることができる。オーバーフロー管34とドレン受け口44の詳細は
図9のようになっており、給水タンク9を取り外し、又は収納する際に、オーバーフロー管34と給水タンク9又はドレン受け口44が互いに干渉しない構造となっている。また、オーバーフロー管34の外径寸法はドレン受け口44の内径寸法に対して大きく、かつ十分余裕のある寸法となっているため、給水タンク9の設置位置のばらつきに伴うドレン受け口44の位置ずれが発生しても、オーバーフロー管34からの排水がドレン受け口44を外れて漏れることを防止している。
【0061】
器具本体1から給水タンク9を取り外すには、給水タンク持ち手78を持ち、鉛直方向に延びた板で構成された給水タンクガイド77に沿って、
図6に示す給水タンク引き出し方向に引き出すことで取り外すことができる。なお、給水タンクガイド77は給水タンク9の左右に設置されていて、これにより給水タンク9をスムーズに取り出し、収納することができると共に、給水タンク9の左右方向の位置を規制している。また、給水タンク9を取り外した後に扉パネル41を閉じることで、器具本体1の内部が露出せず、外観の見栄えを損なうこともなく、使用者が不用意に器具本体1の内部に手を入れて怪我をすることを防止することができる。
【0062】
給水タンク9に水道水を給水後、器具本体1に給水タンク9を収納する際は、引き出すときと同様に給水タンク持ち手78を持ち、給水タンクガイド77に沿って器具本体1に収納する。
【0063】
給水タンク9はポリタンク等の樹脂製の容器から成ることから、内部の水の有無によって容器の変形が発生する可能性がある。従って、給水タンク9への給水前後において容器の形状が変形することで、給水ホース接続部26の位置がずれることがあるが、給水ホース23の長さを十分余裕のある長さとすることで、多少のずれが発生しても問題なく給水ホース23を給水ホース接続部26に接続することができる。即ち、給水タンク9が満水時に水漏れの発生が無く、かつ給水タンクガイド77に沿って器具本体1に収納できる程度の変形であれば、給水タンク9の剛性や強度は必要以上に高くせずとも良いため、給水タンク9は汎用性があり低コストの容器とすることができる。なお、給水ホース23は、少なくとも
図7に示す部分においては可撓性を有したゴムホースにより構成しているため、給水ホース接続部26への接続は前述した通り、多少のずれを許容することができる。
【0064】
なお、扉パネル41の設置面は、本実施形態では前面としているが、本発明の一実施形態における加湿装置の設置方向や、給水タンク9の取り出し方向に制約や支障がなければ、器具本体1の左側面、右側面、又は後面であっても良い。
【0065】
また、ヒンジ41aは、本実施形態では扉パネル41の右側一端で軸支されているが、給水タンク9の取り出しや収納作業、又は給水ホース23を給水タンク9から外す作業に支障が無ければ、ヒンジ41aは扉パネル41の左側一端、上側一端、又は下側一端であっても良い。
【0066】
また、キャッチ76は、本実施形態ではプッシュイン型のスプリングキャッチであるが、例えば、マグネットキャッチや、プッシュキャッチ、ローラーキャッチ、ジュラコンキャッチ等の他のキャッチ機構であっても良い。
【0067】
また、給水ホース接続部26の位置は、本実施形態では給水タンク9の右側の前方部としているが、これは左右方向において器具本体1の中央付近であれば、作業者の利き手が左右どちらでも給水ホース23の脱着が容易に行えるようにしたものであり、脱着作業に支障が無ければ給水タンク9の中央や左側の前方部であっても良い。
【0068】
また、給水タンクガイド77は、本実施形態では鉛直方向に延びた板で構成されているが、例えば給水タンク9を載置するトレーと、そのトレーを引き出したり押し込んだりするときのガイドを構成するスライド機構であっても良い。
【0069】
次に、扉パネル41の開閉状態に対するイオン溶出ユニット71の動作制御の詳細と、これにより生じる作用効果について、
図3、
図6及び
図10に基づいて説明する。
【0070】
イオン溶出ユニット71について詳述する。
図10を参照する。イオン溶出ユニット71は、ティーズ形状のケース72と、当該ケース72内にあり流入口73aから流出口73bまで流水する流水経路73と、当該流水経路73に配置され対向する2枚の銀板で構成された電極74と、前記流水経路73の外側に位置し前記電極74の端部と一端側が接続し他端側がケース72外に突出する端子75と、で構成されている。
【0071】
前記端子75の他端側に接続された図示しないリード線を介して所定の定電流が電極74に印加されることで、電極74から金属イオンである銀イオンが水中に溶出する。銀イオンが溶出した水が貯水室12内に供給されることで、貯水室12内の銀イオン濃度を目標とする所定値に保持する。
【0072】
図3を参照する。イオン溶出ユニット71における電極74は、制御部61内にあるイオン溶出制御手段69によって制御される。イオン溶出制御手段69は、給水ポンプ24の運転中にイオン溶出ユニット71内の電極74に所定の定電流を印加することで、銀イオンを給水ホース23内へ溶出する。その後、貯水室12の水位が上昇し、水位センサ22にて満水を検知したら、制御部61は給水ポンプ24の駆動を停止するが、その際、電極74への通電も停止して給水ホース23内への銀イオンの溶出を停止する。
【0073】
一方、電極74から銀イオンを溶出している状態にて、扉パネル41を開放し給水タンク9を取り外そうとした場合、給水ポンプ24の駆動及び電極74への通電が継続していると、給水ホース接続部26から給水ホース23を外す際に、水漏れの発生や、通電中の水に触れることで感電の虞がある。
【0074】
そこで、
図6に示す扉パネル検知センサ42で扉パネル41の開放状態を検知することにより、制御部61は給水ポンプ24への駆動を停止し、かつ電極74への通電を停止して、給水ホース23からの水漏れや、使用者が水に触れることでの感電を防止することができる。
【0075】
扉パネル検知センサ42は、扉パネル41と当接する器具本体1に設置され、機械的なマイクロスイッチで構成されており、扉パネル閉時にはスイッチが入りON信号を出力し、扉パネル開時にはスイッチが切れてOFF信号を出力する
【0076】
なお、扉パネル検知センサ42は、本実施形態ではマイクロスイッチのような接触式センサとしているが、光電センサや近接センサなどの非接触センサであっても良い。
【0077】
次に、給水口43の構造の詳細と、これにより生じる作用効果について、
図6、
図11及び
図12に基づいて説明する。
【0078】
給水口43は給水タンク9の前方に設置されており、給水口扉8を開けて、給水口43へポリジョッキ等の容器を使用して水を供給したり、直接水道水をホース等で供給するためのものである。
【0079】
給水口43は、給水タンク9に開口し円筒状の縁部を有した給水用開口部43aと、当該給水用開口部43aに挿入し、筒状で上部が漏斗状になっている給水受け筒43bと、で構成される。給水受け筒43bは、給水用開口部43aから取り外して清掃することができる。
【0080】
給水タンク9に水道水を供給し満水状態とした後、給水タンク9を運搬するときや、器具本体1に収納するときに、勢いよく給水タンク9を前後方向へ移動させた場合、給水タンク9内の水が波立つことで、給水用開口部43aと給水受け筒43bの隙間から水が飛び出して漏れる虞がある。また、水漏れを防止するため前記隙間にパッキンやシール等を設ける場合、給水受け筒43bの取り外しや取り付けの際に、外れたり剥がれたりする虞がある。
【0081】
そこで、
図12に示すように、給水受け筒43bの外周部に、給水用開口部43aの縁部と当接するように周状のリブ43cを設けることで、リブ43cが堰の役割となって波立った水が給水タンク9の外部に漏れ出ることを防止することができる。
【0082】
次に、給水タンク9の上面に空気抜け穴84を設けることによる作用効果について、
図7に基づいて説明する。
【0083】
給水タンク9に水道水を供給し満水状態とした後、給水タンク9を持ち上げた状態から床等に載置する場合、給水タンク9の底面が押し戻されて容器に若干の変形が生じ、内部の体積が圧縮することで、内部の水がドレン受け口44から溢れ出す虞がある。
【0084】
そこで、
図7に示すように、給水タンク9の上面に空気抜け穴84を設けることで、内部の体積が圧縮しても空気抜け穴84から空気が流出するため、ドレン受け口44から水が溢れ出ることを防止することができる。
【0085】
なお、本実施形態では、貯水室12内にある水を回転体13を回転駆動させることで揚水し、多孔部17で破砕させることで発生した微細ミストと負イオンとを加湿空気として室内へ放出する加湿装置で説明したが、水を含ませたフィルタに対して送風することで加湿空気を室内へ放出する気化式の加湿装置であっても良い。
【0086】
また、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
9 給水タンク
12 貯水室
13 回転体
14 ミストモータ
15 駆動軸
17 多孔部(衝突体)
18 送風ファン
23 給水ホース
24 給水ポンプ
34 オーバーフロー管
41 扉パネル
42 扉パネル検知センサ(開閉検知手段)
43 給水口
43a 給水用開口部
43b 給水受け筒
44 ドレン受け口
61 制御部
71 イオン溶出ユニット(イオン溶出手段)
74 電極
84 空気抜け穴