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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】無線中継装置および無線中継方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/145 20060101AFI20250415BHJP
【FI】
H04B7/145
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023506701
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(86)【国際出願番号】 JP2021011531
(87)【国際公開番号】W WO2022195889
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 翔平
(72)【発明者】
【氏名】越後 春陽
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 慎也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優元
(72)【発明者】
【氏名】栗田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】外園 悠貴
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-211515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0057722(US,A1)
【文献】国際公開第2020/189453(WO,A1)
【文献】特開2020-129401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/14 - 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線中継装置であって、
無線基地局または端末からの電波を信号解釈せず中継する際の中継状態を制御する制御部と、
前記無線基地局または前記端末との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する送受信部と、
を備え、
前記制御部は、前記無線基地局または前記端末からの電波の透過を制御することにより、前記中継状態を制御
前記送受信部は、
前記無線基地局から、前記無線中継装置の位置情報を含む前記信号を受信し、
前記端末に、前記無線中継装置の位置情報を含む前記信号を送信する、
無線中継装置。
【請求項2】
前記送受信部は、
前記無線基地局もしくは前記端末の発見のために前記信号を受信、または、当該無線中継装置の発見のために前記信号を送信する請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項3】
前記送受信部は、
前記無線基地局から、前記端末に係る情報を受信する請求項1または2に記載の無線中継装置。
【請求項4】
前記無線基地局から前記端末が当該無線中継装置に係る情報を受信することを想定する請求項1乃至3のいずれか一つに記載の無線中継装置。
【請求項5】
無線中継装置が実行する無線中継方法であって、
無線基地局または端末からの電波を信号解釈せず中継する際の中継状態を制御する制御ステップと、
前記無線基地局または前記端末との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する送受信ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、前記無線基地局または前記端末からの電波の透過を制御することにより、前記中継状態を制御するステップを含
前記送受信ステップは、
前記無線基地局から、前記無線中継装置の位置情報を含む前記信号を受信するステップと、
前記端末に、前記無線中継装置の位置情報を含む前記信号を送信するステップと、
を含む、
無線中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線中継装置および無線中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)を仕様化し、さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる次世代の仕様化も進めている。
【0003】
6Gなどの将来ネットワークでは、5Gと比較して、更に高い品質が求められる。例えば、テラbps(bit per second)の超高速通信や、光通信レベルの高信頼低遅延の通信などである。
【0004】
そのため、非常に高い周波数帯、例えばテラヘルツ(THz)波の利用が考えられ、超広帯域利用による高速化と、シンボル長の短さによる低遅延化が期待されるが、そのままでは、減衰率の大きさによるカバレッジの狭さや、直進性の高さによる信頼性の低さというデメリットが見込まれる。また、6G通信が必要とされる各場所について、どうやって冗長性を確保し、どうやって通信の点を増やすかという課題を検討する必要もある。
【0005】
上述のように、高周波数帯域では、電波の強い直進性等によって、不感地帯が発生し易いなどの問題があり、現在、パッシブなリピータやアクティブ型の反射板(RIS:Reconfigurable Intelligent Surface)などを用いて、マルチパス環境下等において、通信品質を改善させる方法が試行されている(非特許文献1,pp.15-16等参照)。これにより、無線基地局や端末からは、通信の点が増えているように見える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】NTTドコモ,「ドコモ6Gホワイトペーパー 3.0版」,[online],2021年2月公開,インターネット<URL:https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/whitepaper_6g/>
【発明の開示】
【0007】
基地局や端末(User Equipment, UE)などの電波発生源から電波受信先へ電波を反射させたり透過させたりして中継する場合には、基地局やUE等を的確に発見したり基地局やUE等に発見させたりするなど、的確に互いを検出・識別する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、基地局やUE等との間で、的確に互いを検出または識別させることができる、無線中継装置および無線中継方法の提供を目的とする。
【0009】
本開示の一態様である無線中継装置(RIS300)は、無線基地局(無線基地局100,150)または端末(UE200)からの電波を信号解釈せず中継する際の中継状態を制御する制御部(制御部330)と、無線基地局(無線基地局100,150)または端末(UE200)との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する送受信部(送受信部350)と、を備える。
【0010】
本開示の一態様である無線中継方法は、無線基地局(無線基地局100,150)または端末(UE200)からの電波を信号解釈せず中継する際の中継状態を制御する制御ステップと、無線基地局(無線基地局100,150)または端末(UE200)との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する送受信ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
図2図2は、無線中継装置300を用いたネットワークの基本構成図である。
図3図3は、無線中継装置300の機能ブロック構成図である。
図4図4は、高周波数帯域を用いる場合における典型的な課題の説明図である。
図5図5は、基地局150A等の送信アンテナ(Tx)と、反射型の無線中継装置300の中継アンテナ(Sx)と、UE200等の受信アンテナ(Rx)の関係を示した図である。
図6図6は、基地局150A等の送信アンテナ(Tx)と、透過型の無線中継装置300の中継アンテナ(Sx)と、UE200等の受信アンテナ(Rx)の関係を示した図である。
図7図7は、無線中継装置300が基地局100またはUE200と制御情報のシグナリングを行う関係を示した図である。
図8図8は、Meta StructureでRISが送受信するビームを選択する例を示した図である。
図9図9は、Meta StructureでRISに送受信するビームを選択する例を示した図である。
図10図10は、Case Aにおける無線中継装置300の動作例を示す図である。
図11図11は、Case Bにおける無線中継装置300の動作例を示す図である。
図12図12は、Case Cにおける無線中継装置300の動作例を示す図である。
図13図13は、無線中継装置300と信号を送受信する基地局100の関係を示す図である。
図14図14は、無線中継装置300と無線基地局100の送受信フローを示す図である。
図15図15は、無線中継装置300と信号を送受信するUE200の関係を示す図である。
図16図16は、無線中継装置300とUE200の送受信フローを示す図である。
図17図17は、UE200及び無線中継装置300等のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0013】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の一例を示す全体概略構成図である。無線通信システム10は、一例として5G New Radio(NR)ないし6Gに従った無線通信システムであり、複数の無線基地局と、複数の端末とによって構成される。
【0014】
具体的には、無線通信システム10は、無線基地局100、無線基地局150A~無線基地局150D、及びユーザ端末200(以下、UE200, User Equipment)を含む。
【0015】
無線基地局100は、一例として5G乃至6Gに従った無線基地局であり、セルC1を形成する。なお、セルC1は、比較的サイズの大きいセルであり、マクロセルと呼ばれる。
【0016】
無線基地局150A~無線基地局150Dも、5G乃至6Gに従った無線基地局であるが、比較的サイズが小さいセルC11~セルC14をそれぞれ形成する。セルC11~セルC14は、スモールセル或いはセミマクロセルなどと呼ばれてもよい。図1に示すように、セルC11~セルC14は、セルC1(マクロセル)に含まれる(オーバレイする)ように形成されてもよい。
【0017】
マクロセルは、一般的に、1つの無線基地局がカバーする半径数百メートルから数十キロメートルの通信可能エリアと解釈される。また、スモールセルは、送信電力が小さく、マクロセルに比較して小さいエリアをカバーするセルの総称と解釈される。
【0018】
なお、無線基地局100及び無線基地局150A~無線基地局150Dは、gNodeB(gNB)またはBS(Base Station)などと表記されてもよい。また、UE200は、MSなどと表記されてもよい。さらに、無線基地局及び端末の数や種類を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
【0019】
また、無線通信システム10は、必ずしも5G乃至6Gに従った無線通信システムに限定されない。例えば、無線通信システム10は、6Gの次世代の無線通信システム、或いはLong Term Evolution(LTE)に従った無線通信システムであってもよい。
【0020】
無線基地局100及び無線基地局150A~無線基地局150Dは、一例として、UE200と5G乃至6Gに従った無線通信を実行する。無線基地局100及び無線基地局150A~無線基地局150D及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームBMを生成するMassive MIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、UEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)、および、gNBなどの無線通信ノード間の無線バックホールとUEへの無線アクセスとが統合されたInt例:rated Access and Backhaul(IAB)などに対応することができる。
【0021】
また、無線通信システム10は、3GPP Release 15において規定されている以下の周波数レンジ(FR)よりも高い高周波数帯域にも対応し得る。
【0022】
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、114.25GHzまでの周波数帯域に対応する。ここでは、このような高周波数帯域を、便宜上「FR4」と呼ぶ。FR4は、いわゆるEHF(extremely high frequency、ミリ波とも呼ばれる)に属する。なお、FR4は仮称であり、別の名称で呼ばれても構わない。あるいは、上記周波数帯域に限定されず、いかなる周波数帯域に対応してもよい。例えば、FR1及びFR2が使用されてもよい。
【0023】
また、無線通信システム10は、無線中継装置300を含む。本実施の形態において、一例として、無線中継装置300は、反射板(RIS)、位相制御リフレクタ、パッシブリピータ、IRS(インテリジェント反射面:Intelligent Reflecting Surface)、等として説明する場合がある。反射板(RIS)の具体例として、メタマテリアル反射板、動的メタサーフェス、メタサーフェスレンズ等と呼ばれるものであってもよい(非特許文献1参照)。
【0024】
本実施の形態において、無線中継装置300は、無線基地局(例えば、無線基地局150A)から送信された無線信号を、中継する(本実施の形態の説明において「反射」、「透過」、「集約」(電波を略一点に集中させること)および「回折」のうち少なくとも一つを指して「中継」と呼ぶ場合がある)。UE200は、無線中継装置300によって中継された無線信号を受信できる。反対に、無線中継装置300は、UE200から送信された無線信号を中継してもよい。無線基地局100(150を含む。以下同様)についても同じことがいえる。つまり、無線中継装置300は、無線基地局100または端末200からの無線信号を中継する。
【0025】
一例として、無線中継装置300は、無線基地局100または端末200に向けて中継する無線信号の位相を変化させることができる。このような観点から、無線中継装置300は、位相可変リフレクタと呼ばれてもよい。なお、本実施の形態において、無線中継装置300は、無線信号の位相を変化させて中継する機能を有するものとして説明する場合があるが、これに限られない。また、無線中継装置300は、リピータ、中継装置、リフレクトアレイ、IRS、或いはトランスミットアレイなどと呼ばれてもよい。
【0026】
また、本実施の形態において、RIS等の無線中継装置300は、Battery less device、メタマテリアル機能装置、Intelligent reflecting surface、Smart repeater等と呼ばれてもよい。一例として、RIS等の無線中継装置300は、以下の機能を有するものとして、以下の少なくとも一つを有するものとして定義されてもよい。
[UE機能]
・BSから送信される信号の受信機能(例: DL(downlink)信号,SSB(SS Block), PDCCH (Physical Downlink Control Channel), PDSCH (Physical Downlink Shared Channel), DM-RS(DeModulation Reference Signal), PT-RS(Phase Tracking Reference Signal), CSI-RS(Channel Status Information Reference Signal), RIS専用信号)
下記メタマテリアル機能に係る情報の受信
・BSへの信号の送信機能(例: UL(uplink)信号,PRACH(Random Access Channel Preamble), PUCCH(Physical Uplink Control Channel), PUSCH Physical Uplink Control Channel, DM-RS, PT-RS, SRS (Sounding Reference Signal), RIS専用信号)
下記メタマテリアル機能に係る情報の送信
・BSとのフレーム同期機能
【0027】
[メタマテリアル機能]
・BSまたはUEから送信された信号の反射機能(例: 位相変更)
RISが有する複数の反射素子毎に位相を変更して信号の反射を行ってもよいし、複数の反射素子で共通の位相変更を行って信号の反射を行ってもよい。
Beam制御に係る機能(例: TCI(Transmission Configuration Indication)-state, QCL(Quasi Co Location)の制御に係る機能,beamの選択適用,spatial filter/precoding weightの選択適用)
・BSまたはUEから送信された信号の電力変更機能(例: 電力増幅)
反射素子毎に異なる電力変更を行ってもよいし、複数の反射素子で共通の電力変更を行ってもよい。
【0028】
また、RIS等の無線中継装置300における「受信して送信」や「中継」とは、以下の所定の機能Aまで行われるが、所定の機能Bまでは行われずに送信されることを意味してもよい。
A:移相器は適用するが,B:補償回路(例:.増幅,フィルタ)は介さない。
A:移相器及び補償回路は適用するが,B:周波数変換は介さない。
【0029】
なお、RIS等の無線中継装置300において、位相が変化されるとき、振幅が増幅されてもよい。また、RIS等の無線中継装置300における「中継」とは、レイヤ2/3レベルの処理を行わずに、受信した信号をそのまま送信すること、物理層レベルで受信した信号をそのまま送信すること、あるいは、信号解釈せずに受信した信号をそのまま送信することを意味してもよい(その際、位相の変化や振幅の増幅等が行われてもよい)。
【0030】
(2)無線中継装置300を用いたネットワークの基本構成
次に、無線中継装置300を用いたネットワークの基本構成について説明する。図2は、無線中継装置300を用いたネットワークの基本構成図である。
【0031】
図2に示すように、一例として、無線中継装置300は、無線基地局150A(他の無線基地局100等でもよい)と、UE200との間に介在し、無線基地局150AとUE200との間において送受信される無線信号を中継(反射、透過、集約、回折等)する。
【0032】
具体例として、無線基地局150AとUE200とは、無線品質が良好な場合には、無線中継装置300を経由せずに、直接、無線信号を送受信する。無線基地局150AとUE200との間に遮蔽物がある場合など、当該無線品質が劣化した場合、無線中継装置300は、無線基地局150AとUE200との間において送受信される無線信号を中継する。
【0033】
具体的には、無線中継装置300は、可変位相器などの可変部303の制御時の受信電力の変化に基づいて、無線基地局150AやUE200などの電波発生源と中継アンテナ間の伝搬路情報HPT,HRPを推定し、推定した伝搬路情報に基づいて、可変位相器などの可変部303を制御することによりUE200等の電波受信先に向けて無線信号を中継する。なお、伝搬路情報HPT,HRPを推定することに限られず、無線中継装置300は、無線基地局150AまたはUE200から受信した制御情報に基づいて、可変位相器などの可変部303を制御することによりUE200等の電波受信先に向けて無線信号を中継してもよい。
【0034】
ここで、伝搬路あるいは伝搬チャネルとは、無線通信の個々の通信路であり、ここでは、各送受信アンテナ(図中のBS ant.及びMS ant.等)間の通信路である。
【0035】
一例として、無線中継装置300は、Massive MIMOに対応した小型多素子アンテナ301と、無線信号、実質的には、電波の位相を特定の位相に変化させる可変位相器ないしは移相器303を備え、移相器303を用いて、UE200または無線基地局150Aに中継される電波の位相を制御する。位相の具体的な制御方法について、次の文献を参照してもよい。
Venkat Arun and Hari Balakrishnan, “RFocus: Beamforming Using Thousands of Passive Antennas”, 17th USENIX Symposium on Networked Systems Design and Implementation (NSDI ’20), February 25-27, 2020, Santa Clara, CA, USA, pp.1047-1061
Qingqing Wu, and Rui Zhang, “Intelligent Reflecting Surface Enhanced Wireless Network via Joint Active and Passive Beamforming”, IEEE TRANSACTIONS ON WIRELESS COMMUNICATIONS, VOL. 18, NO. 11, NOVEMBER 2019, pp.5394-5409
【0036】
(3)無線中継装置300の機能ブロック構成
図3は、無線中継装置300の機能ブロック構成図である。図3に示すように、無線中継装置300は、アンテナ301、可変部303、制御部330、送受信部350を備える。
【0037】
アンテナ301は、図5および図6等を用いて後述するように、可変部303に接続された少なくとも1つのアンテナである。例えば、アンテナ301は、アレーアンテナとして配置されてもよい。本実施の形態において、アンテナ301を特に中継アンテナと呼ぶ場合がある。
【0038】
可変部303は、アンテナ301に接続されており、位相や負荷、電力、振幅等を変化させることができる。例えば、可変部303は、可変位相器や、移相器、アンプ等であってもよい。例えば、電波発生源から中継アンテナに届いた電波の位相を変えることにより、電波の向きやビーム等を変化させることができる。
【0039】
制御部330は、可変部303を制御する制御手段である。本実施の形態において、制御部330は、無線基地局100または端末200からの電波を信号解釈せず中継する際の中継状態を制御する制御部として機能する。ここで、制御部330は、無線基地局100または端末200から受信した制御情報に基づいて中継状態を変化させてもよく、無線基地局100または端末200からの電波の受信状態に基づいて、中継状態を変化させてもよい。例えば、制御部330は、SSB等の制御情報に基づいて、適切な受信ビームと送信ビーム(の向き)を選択し、そのために可変部303を制御してもよい。同様に、制御部330は、受信状態から、受信品質や受信電力が最も大きいなどの基準で、適切な受信方向と送信方向の組み合わせを選択し、そのために可変部303を制御してもよい。
【0040】
また、本実施形態において、制御部330は、例えば、UE200または無線基地局150Aと中継アンテナ301との間の伝搬路に関する情報(受信状態により推定した情報や制御情報を含む。以下同様)に基づいて、可変部303を制御することができる。例えば、制御部330は、アクティブリピータやRIS等の公知手法を用いて、無線基地局150Aから受信した電波を、送信電力を用いずに、位相を変化させることによって、電波受信先(この場合はUE200)などの特定の方向へ中継することができる。具体的には、制御部330は、推定したHPT及びHRPに基づいて、UE200または無線基地局150Aに向けて中継するために無線信号の位相を制御する。すなわち、ビームフォーミング等と同様の原理で、アレーアンテナ等の位相を変化させることで、特定の方向へ電波を中継することができる。なお、無線中継装置300は、制御部330によって無線信号(電波)の位相のみを制御して(変化させて)おり、中継される無線信号の電力の増幅などを行うことなく、無給電で中継してもよい。
【0041】
また、送受信部350は、電波や信号や各種情報を送受信する送受信手段である。送受信部350は、本実施の形態において、無線基地局100(150を含む。以下同様)または端末200との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する送受信部として機能する。具体的には、送受信部350は、無線基地局100もしくは端末200の発見のために信号を受信してもよい。または、送受信部350は、無線基地局100もしくは端末200による無線中継装置300の発見のために信号を送信してもよい。例えば、UE機能およびメタマテリアル機能で上述した各種の信号を用いてもよい。なお、具体的な信号の送受信の例(シグナリング例など)については、後述する。
【0042】
また、送受信部350は、受信状態により情報を取得する受信部、または、無線基地局150AまたはUE200からの制御情報を取得する受信部として機能してもよい。例えば、送受信部350は、無線基地局150AまたはUE200から送信された、SSB等の各種の信号(上述のUE機能およびメタマテリアル機能で例示した各種の信号を含む。)を制御情報として受信してもよい。また、送受信部350は、可変部303の制御時の受信状態(例:受信電力の変化等)に基づいて、電波発生源(例:無線基地局150A,UE200)と中継アンテナ301間の伝搬路情報(HPT,HRP)を推定してもよい。
【0043】
なお、HPT及びHRPは、次のように表現できる。
【0044】
【数1】
【0045】
Mは端末(受信)のアンテナ数、Nは無線基地局(送信)のアンテナ数、Kは中継アンテナの数である。
【0046】
各伝搬路に関する伝搬路情報(伝搬チャネル情報)は、具体的には、振幅や位相等の情報であり、本実施の形態において、中継アンテナ301に到来する電波の伝搬路に関して推定した情報である。一例として、送受信部350は、I/Q(In-phase/Quadrature)検波と同様の原理で、アレー状の各中継アンテナ301の可変部303の位相を直交に切り替えたときの受信電力の変化に基づいて、中継アンテナ301の伝搬路情報を推定してもよい。
【0047】
(4)アンテナ等の構成例
次に、中継アンテナ301を中心にした構成例について説明する。先に、高周波数帯域を用いる場合における典型的な問題点について説明し、当該問題を解消し得る無線中継装置300におけるアンテナ構成例等について説明する。
【0048】
(4.1)問題点
Massive MIMOに対応した無線基地局は、ビームを送信できる。Massive MIMOとは、一般的に、100素子以上のアンテナ素子を有するアンテナを用いたMIMO通信を意味し、複数ストリームの多重化効果などによって、従来よりも高速な無線通信が可能となる。また、高度なビームフォーミング(BF)も可能となる。ビーム幅は、使用する周波数帯域またはUE200の状態などに応じて動的に変更し得る。また、狭いビームを用いることによるビームフォーミング(BF)利得による受信信号電力の増加を図ることができる。さらに、与干渉の低減、及び無線リソースの有効利用などの効果が見込める。
【0049】
図4は、高周波数帯域を用いる場合における典型的な課題の説明図である。図4に示すように、数GHz~数十GHz以上の高周波数帯域を用いる場合などにおいて、電波の強い直進性によって、不感地帯が発生し易い。無線基地局150AとUE200との間が見通せる場合、当該高周波数帯域を用いる場合でも、無線基地局150A~UE200間の無線通信に影響はない。一方、例えば、建造物または樹木など、障害物OBによって、無線基地局150AとUE200との間の見通しが遮蔽されると、無線品質が大幅に劣化する。つまり、UE200が障害物OBによって遮蔽される不感地帯に移動すると、通信が途絶えることになり得る。
【0050】
5G乃至6Gが有する高速大容量、かつ低遅延特性を活かしたアプリケーション(遠隔操作など)の存在を考慮すると、不感地帯を解消し、無線通信システム10内での通信が途絶えることなく、無線基地局と端末とが繋がり続けていることが重要である。
【0051】
そこで、アクティブリピータやRISなどの電波伝搬制御装置のように、基地局150AとUE200との間の電波を中継することができる技術が開発されている。このように、基地局信号の伝搬特性を制御することで通信特性を改善させることができ、信号源不要でカバレッジ拡大や通信の冗長性確保、基地局の増設による設置・運用コストの減少を図ることができる。
【0052】
RIS(反射板)は、基地局または端末から来るビームなどの電波や信号を所定の方向に中継(反射等)し、端末または基地局に届けることができる。従来の無線中継装置では、パッシブ型とアクティブ型があるが、パッシブ型は、制御情報が不要であるというメリットがあるものの、細かいビーム制御が不可能で、移動体や環境変動等に追従不可である。これに対し、アクティブ型は、移動局の位置に応じて反射角度やビーム幅などの制御を変更する。アクティブ型は、制御情報が必要でオーバーヘッドが増加するデメリットがあるものの、制御アンテナの負荷(位相)状態を変化させるなどして、細かいビーム制御が可能で、電波の伝搬特性を可変的に制御可能であり、移動体や環境変動等にも追従することができる。
【0053】
アクティブ型の無線中継装置(電波伝搬制御装置等)と制御手法には、フィードバック(FB)規範と伝搬路情報規範の2つのタイプがある。FB規範では、可変型の電波伝搬制御装置が、負荷(位相)状態をランダムに変化させたときの通信状態を、UE等にフィードバックしてもらい、最適条件を探索する。一方、伝搬路情報規範では、無線基地局と電波伝搬制御装置との間の伝搬路情報に基づいて負荷状態を決定し、最適な電波伝搬制御が可能となる。本実施の形態においては、いずれのタイプであっても適用可能である。
【0054】
また、中継方法としては、反射、透過、回折、集約等のタイプがあるが、本実施の形態において、一例として、以下に、反射型と透過型の構成例について説明するが、これに限られるものではない(回折型と集約型は非特許文献1等参照)。
【0055】
(4.2)反射型
反射型の無線中継装置300のシステム構成の一例について、図5を用いて説明する。図5は、基地局150A等の送信アンテナ(Tx)と、透過型の無線中継装置300の中継アンテナ(Sx)と、UE200等の受信アンテナ(Rx)の関係を示した図である。図5に示すように、本実施の形態においては、MIMOを一例としており、Tx-Sx間の複数の伝搬路と、Sx-Rx間の複数の伝搬路が存在しており、無線中継装置300は、アンテナ301の可変位相器などの可変部303を制御して電波を中継する。
【0056】
図5に示すように、反射型の場合、アレー状の中継アンテナ301は、同じ方向に向けられて配置されている。これにより、中継アンテナ301の位相条件を複数変化させた際に観測される受信状態に基づいて、中継アンテナ301の伝搬路を推定することができる。
【0057】
(4.3)透過型
透過型の無線中継装置300のシステム構成の一例について、図6を用いて説明する。図6は、基地局150A等の送信アンテナ(Tx)と、透過型の無線中継装置300の中継アンテナ(Sx)と、UE200等の受信アンテナ(Rx)の関係を示した図である。図6に示すように、本実施の形態においては、MIMOを一例としており、Tx-Sx間の複数の伝搬路と、Sx-Rx間の複数の伝搬路が存在しており、無線中継装置300は、図示の如く、中継アンテナ301の可変位相器などの可変部303を介して、一方の側から到来した電波を他方の側へ中継する。このように、透過型の場合、基準アンテナ301Aと中継アンテナ301は、一方の側から到来した電波を他方の側へ中継することができるように、それぞれ一対で反対方向に向けられて配置されている。透過型、反射型のいずれであっても、電力検出器等により、中継アンテナ301に届いた電力を検出できるように構成して、受信状態を計測してもよい。また、中継アンテナ301の位相条件を複数変化させた際に観測される受信信号に基づいて、中継アンテナ301の伝搬路を推定することができる。
【0058】
(5)RISの動作例
つづいて、RIS等の無線中継装置300の動作例について、以下の3つのCaseについて説明する。
Case A: 基地局とRIS間で制御情報を通信し、制御情報を基にRISの動作を決定
Case B: 移動局とRIS間で制御情報を通信し、制御情報を基にRISの動作を決定
Case C: 基地局,移動局と制御情報の受け渡しを行わずに、RISが自律的に動作を決定
【0059】
各Caseの場合において、以下の動作のうち少なくとも一つを行ってもよい。なお、本実施の形態においては、特に、発見について詳細に説明する。
発見
基地局との同期/接続
移動局との同期/接続
基地局と移動局間の同期/接続
基地局からの情報に基づくビーム選択
移動局からの情報に基づくビーム選択
Meta Structure制御に伴うfeedback仕様
RISビーム制御を行うためのSignaling mechanism
RISによるビーム選択
複数の移動局が存在する場合のビーム切り替え
複数RISによる協調
基地局/移動局への通信品質報告
【0060】
(5.1)Case A
図10は、Case Aにおける無線中継装置300の動作例を示す図である。図10に示すように、Case Aでは、RIS等の無線中継装置300は、基地局100から受信した制御情報に基づいて中継状態を制御する。なお、無線中継装置300は、無線基地局100との初期接続手順として以下の動作を行ってもよい。
【0061】
・発見
RISは同期/接続可能な基地局を発見してもよい。
RISは同期/接続可能な基地局に発見されてもよい。
【0062】
・同期/接続: RISは基地局と同期/接続に係る動作を行う
例えば、RISが基地局から送信されたSSBに基づき同期を行い、接続要求(connection request)を基地局へ送信
【0063】
・基地局と移動局間の初期接続: 基地局および移動局から送信された初期接続に係る信号を受信して送信(RISにおいてbeam制御)
例えば、各SSB indexに応じてRISがビームを指向
【0064】
また、無線中継装置300は、基地局-移動局間の接続確立後の通信におけるビーム制御(基地局からの制御情報に基づくビーム制御)を行う場合に以下の動作を行ってもよい。なお、ビーム制御は、UE-specificに行われてもよい。
【0065】
・RISは基地局から制御情報を受信・復号
例えば、ビーム制御を行うためにRISは基地局からCSI情報や移動局・基地局の位置情報を受信・復号してもよい。
・RISは基地局から受信・復号した制御情報を基にビーム制御
例えば、複数の移動局が存在する場合のビーム切り替え等
・RISは基地局へ通信に関する情報を報告
例えば、RIS側での通信品質をRISが基地局へ報告
【0066】
(5.2)Case B
図11は、Case Bにおける無線中継装置300の動作例を示す図である。図11に示すように、Case Bでは、RIS等の無線中継装置300は、UE200から受信した制御情報に基づいて中継状態を制御する。なお、無線中継装置300は、UE200との初期接続手順として以下の動作を行ってもよい。
【0067】
・発見
RISは同期/接続可能な移動局を発見してもよい。
移動局は同期/接続可能なRISを発見してもよい。
【0068】
・同期/接続: RISおよび移動局の少なくとも一方は同期/接続に係る動作を行う。
例えば、RISが移動局から送信されたS-SSBに基づき同期を行い、接続要求(connection request)を移動局へ送信
【0069】
・基地局と移動局間の初期接続: 基地局および移動局から送信された初期接続に係る信号を受信して送信 (RISにおいてbeam制御)
例えば、各SSB indexに応じてRISがビームを指向
【0070】
また、無線中継装置300は、基地局-移動局間の接続確立後の通信におけるビーム制御 (移動局からの制御情報に基づくビーム制御)において、以下の動作を行ってもよい。なお、ビーム制御はUE-specificに行われてもよい。
・RISは移動局から制御情報を受信・復号
例えば、ビーム制御を行うためにRISは移動局からCSI情報や移動局・基地局の位置情報を受信・復号してもよい。
・RISは移動局から受信・復号した制御情報を基にビーム制御
例えば、複数の移動局が存在する場合のビーム切り替え等
・RISは移動局へ通信に関する情報を報告
例えば、RIS側での通信品質をRISが移動局へ報告
【0071】
(5.3)Case C
図12は、Case Cにおける無線中継装置300の動作例を示す図である。図12に示すように、Case Cでは、RIS等の無線中継装置300は、受信状態に基づいて、自律的に中継状態を制御する。なお、無線中継装置300は、無線基地局100またはUE200との初期接続手順として以下の動作を行ってもよい。
・発見: RISは同期可能な基地局および/または移動局を発見してもよい。
・同期: RISは基地局および/または移動局との同期に係る動作を行う。
例えば、RISが基地局から送信されたSSBに基づき同期を行う。
・基地局と移動局間の初期接続: 基地局および移動局から送信された初期接続に係る信号を受信して送信(RISにおいてbeam制御)
例えば、各SSB indexに応じてRISがビームを指向
【0072】
また、無線中継装置300は、基地局-移動局間の接続確立後の通信におけるビーム制御(RISが自律的にビーム制御)において以下の動作を行ってもよい。なお、ビーム制御は、UE-specificに行われてもよい。
・RISは基地局と移動局から受信して送信した信号に係る情報を基にビーム制御する。
すなわち、制御情報を受信・復号せずにビーム制御を行う,として構成してもよい。例えば、RISが受信した信号の品質を基にRISがビーム制御を行う。
【0073】
(6)検出または識別に係る信号の送受信
無線中継装置300が、無線基地局100または端末200との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する動作の例について、以下に図13図16を用いて説明を行う。なお、以下では「検出」「識別」として記載するが、無線中継装置300と、無線基地局100または端末200との間の「同期」に適用されてもよい。
【0074】
なお、以下に示す動作例は一例であり、本実施の形態には、RIS(無線中継装置300の一例)が、受信のみを行う場合と、送信のみを行う場合と、受信および送信を行う場合と、が含まれる。また、本実施の形態には、RISが、基地局または端末を検出/識別する場合と、基地局または端末がRISを検出/識別する場合と、その両方の場合と、が含まれる。以下の例を含む本実施の形態により、BS/UEにとっては、RISの存在を認識し、基地局-端末間の通信経路の候補の一つとして認識することが可能になる。また、RISにとっては、BS/UEの存在を認識し、RISとしての機能(すなわち信号)を受信して送信(反射等の中継)を行うべき対象がわかる。なお、以下において、無線中継装置をRISとして説明するが、これに限られず、他の無線中継装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0075】
(6.1)基地局とRISの間での信号の送受信例
無線基地局とRISの間での信号の送受信の例について説明する。図13は、無線中継装置300と信号を送受信する基地局100の関係を示す図である。図14は、無線中継装置300と無線基地局100の送受信フローを示す図である。なお、図14の全てのフローが行われることを意図しておらず、一部のフローのみが実行されてもよいものである。
【0076】
(6.1.1)RISによるBSの発見
図14に示すように、基地局100は、SSB等の信号を送信し、RIS300は、その信号を受信する(ステップSA-1)。ここで、以下のオプションを採用してもよい。
1-1: RISは、基地局から送信される信号に基づいて、基地局を検出/識別してもよい。
1-1a: 信号は、同期信号(例:SSB)および/またはシステム情報(例:SIB)であってもよい。
同期信号(例:SSB)および/またはシステム情報(例:SIB)の系列/リソース/パラメータ/情報は、端末が基地局に接続するために受信する信号と同じであってもよく、異なっていてもよい。
RIS向けのSIBが規定されてもよい。
系列/リソース/パラメータは、定義されていてもよく、RISにあらかじめ設定されていてもよい。
【0077】
1-1b: 信号は、RIS向けに規定された信号であってもよい。
系列/リソース/パラメータは、定義されていてもよく、RISにあらかじめ設定されていてもよい。
【0078】
1-1c: 基地局の検出/識別に併せて、PLMN情報を受信してもよい。
受信したPLMN情報が所定の情報であった場合にのみ、基地局の検出/識別に成功したと判断してもよい。
所定の情報は、RISにあらかじめ設定されていてもよい。
【0079】
1-1d: 受信した信号の受信電力が所定値を上回った場合に、基地局の検出/識別に成功したと判断してもよい。
所定値は、RISにあらかじめ設定されていてもよく、基地局から受信した信号に含まれていてもよい。
【0080】
1-1e: 複数の信号を受信した場合、受信した信号の受信電力がより大きい信号に係る基地局の検出/識別に成功したと判断してもよい。
複数の信号は、同一基地局が送信する複数の信号(例:SSB)であってもよく、異なる基地局が送信する信号であってもよい。
【0081】
1-1e´: 複数の信号を受信した場合、受信電力が所定値を上回った信号に係る基地局の検出/識別に成功したと判断してもよい。
複数の信号が受信電力が所定値を上回った場合、それぞれの信号に係る基地局の検出/識別に成功したと判断してもよい。
1-f: 基地局から受信した信号に、RIS検出に係る情報(例:RISからの応答を期待する/許可する情報)が含まれていた場合に、基地局の検出/識別に成功したと判断してもよい。この場合にのみこれ以降に記載の動作が適用され、含まれていなかった場合、以降の動作は適用されなくてもよい。
【0082】
1-2: RISは、基地局を検出/識別した後、当該基地局に対して所定の応答を行わなくてもよい。
例:RISによる基地局検出のみが行われ、基地局によるRIS検出は行わないケース
1-2a: 受信したSSBに対するRACH送信(PRACH送信)は行わなくてもよい。
【0083】
(6.1.2.)RISによるBSの発見/BSによるRISの発見
図14に示すように、基地局100から信号を受信したRIS300は、信号を基地局100に送信する(ステップSA-2)。ここで、以下のオプションを採用してもよい。
【0084】
1-3: RISは、基地局から受信した信号に対応する信号を、基地局に送信してもよい。
例:同期信号(例:SSB)および/またはシステム情報(例:SIB)に対応する信号(例:PRACH)であってもよい。
RISが送信する信号のリソースは、信号受信に基づいて決定されてもよい。
SSB受信後にPRACHを送信する場合、PRACHの系列/リソース/パラメータは、端末が基地局に接続するために送信する信号と同じであってもよく、異なっていてもよい。
例: 当該信号送信によって、RISの存在と位置が基地局によって判断されてもよい。
RISによる信号送信は、所定の周期で必ず行われるとしてもよい。
【0085】
1-4: 1-3による送信の後、RIS300は、対応する信号を基地局から受信してもよい(ステップSA-3)。
信号はRAR(random access response)であってもよい
1-1の信号受信ではなく、当該信号受信によって、基地局の検出/識別が完了したと判断してもよい。
1-3による送信後所定時間経過までに(例:RAR window)対応する信号の受信に成功しなかった場合、再度1-3を実施してもよい。
再度1-3で送信する信号の系列/リソース/パラメータは前回と同じでもよく、異なってもよい(例:power ramping)。
【0086】
1-5: RISは、基地局から送信されるSSBに基づいて、初期アクセス(initial access)動作を行ってもよい。
SSB受信に基づいてPRACHを送信し、RARを基地局から受信後、対応する信号(例:Msg3)を送信してもよい。
PRACH/Msg3の系列/リソース/パラメータは、端末が基地局に接続するために送信する信号と同じであってもよく、異なっていてもよい。
Msg3送信によって、RISの検出/識別が成功したと判断されてもよい。
【0087】
1-6: RISは、基地局から送信される信号とは独立に、所定の信号を送信してもよい。
GNSS信号に基づいて送信されてもよい。
信号の系列/リソース/パラメータは定義されていてもよく、RISにあらかじめ設定されていてもよい。
RISによる信号送信は、所定の周期で必ず行われるとしてもよい。
なお、上記は基地局とRISを入れ替えて適用してもよい。
【0088】
(6.2)端末とRISの間での信号の送受信例
端末とRISの間での信号の送受信の例について説明する。図15は、無線中継装置300と信号を送受信するUE200の関係を示す図である。図16は、無線中継装置300とUE200の送受信フローを示す図である。なお、図16の全てのフローが行われることを意図しておらず、一部のフローのみが実行されてもよいものである。なお、適用条件として、以下の2-0以降の内容は、以下のいずれかの場合に限定されてもよい。
【0089】
RISが、基地局を検出/識別した後に限定されてもよい。
RISが、基地局によって検出/識別された後(例:所定の信号を送信した後)に限定されてもよい
RISと基地局とが同期/接続した後に限定されてもよい
RISが,基地局から送信された所定の信号(例: SSB)を受信して送信した後に限定されてもよい
UEが,基地局と接続した後に限定されてもよい
【0090】
(6.2.1)RISによるBSの発見
図16に示すように、UE200は、信号を送信し、RIS300は、その信号を受信する(ステップSB-1)。ここで、以下のオプションを採用してもよい。
【0091】
2-1: RISは,UEから送信される信号に基づいて、UEを検出/識別してもよい。
2-1a: 信号は、PRACHであってもよい。
端末が基地局に接続するために送信する信号の系列/リソース/パラメータと同じであってもよく、異なっていてもよい。
2-1b: 信号は、SRSであってもよい。
RISに係るusageが定義されてもよく、SRSに当該usageが関連付けられていてもよい。
2-1c: 信号は、同期信号(例: S-SSB)であってもよい。
2-1d: 信号は、RIS向けに規定された信号であってもよい。
2-1e: UEは、受信した信号に基づいて当該送信を行ってもよい。
例: 受信したSSBに基づいてPRACHを送信してもよい。
例:RISから受信した信号であってもよい。
2-1f: 信号の系列/リソース/パラメータは定義されていてもよく、あらかじめ設定されていてもよく、基地局に設定/指定されてもよく、受信した信号に基づいて決定されてもよい。
SSB, SIB, RRC接続に係るシグナリング,MAC CE,DCI (例: group common PDCCH)の何れで設定/指定されてもよい。
【0092】
2-1g: 信号にNW/UEの識別に係る情報が含まれていてもよい。
UEの識別情報であってもよい:例: C-RNTI, UE-ID
接続するPLMN/基地局に係る情報であってもよい。
受信したNW/UEの識別に係る情報が所定の情報であった場合にのみ、UEの検出/識別に成功したと判断してもよい。
所定の情報は、RISにあらかじめ設定されていてもよく、基地局から設定されてもよく、検出/識別/同期/接続している基地局に関連付けられてもよい。
【0093】
2-1h: 受信した信号の受信電力が所定値を上回った場合に、UEの検出/識別に成功したと判断してもよい。
所定値は、RISにあらかじめ設定されていてもよく、基地局から設定されてもよく、UEから受信した信号に含まれていてもよい。
【0094】
2-1i: RISは、UEを検出/識別した後、所定の基地局に対して、当該UEに係る情報を送信してもよい。
UEの識別情報であってもよい:例: C-RNTI, UE-ID
UEの位置/方向/beam (QCL/TCI-state)/precoder/検出リソースに係る情報であってもよい。
所定の基地局は、RISが検出/識別/同期/接続している基地局であってもよい。
【0095】
2-2: RISは、UEを検出/識別した後、当該UEに対して所定の応答を行わなくてもよい。
例:RISによるUE検出のみが行われ、UEによるRIS検出は行わないケース
2-2a: 受信したPRACH/SRS/S-SSBに対する応答は行わなくてもよい。
【0096】
(6.2.2)RISによるUEの発見
2-3: RISは、UEから受信した信号に対応する信号を、UEに送信してもよい(ステップSB-2)。
RISが送信する信号のリソースは、信号受信に基づいて決定されてもよい。
UEは2-1による送信後所定時間経過までに(例: RAR window)対応する信号の受信に成功しなかった場合、再度2-1を実施してもよい。
再度2-1で送信する信号の系列/リソース/パラメータは前回と同じでもよく、異なってもよい(例: power ramping)。
【0097】
2-4: 2-3による送信の後、対応する信号をUEから受信してもよい(ステップSB-3)。
2-1の信号受信ではなく、当該信号受信によって、UEの検出/識別が完了したと判断してもよい。
【0098】
(6.2.3)UEによるRISの発見
上述の2-1 to 2-4で、RISとUEとを入れ替えて適用してもよい。
【0099】
(6.3)UEに係る信号
RISは、基地局から、UEに係る情報を受信してもよい。
情報は、UEが接続するPLMN情報であってもよく、使用する周波数(例: band, carrier, serving cell)に係る情報であってもよい。
情報は、UEの識別情報であってもよい:例: C-RNTI, UE-ID
情報は、UEの位置/方向/beam (QCL/TCI-state)/precoderに係る情報であってもよい。
【0100】
(6.4)RISに係る信号
UEは、基地局から、RISに係る情報を受信してもよい。上記(6.3)において、RISとUEとを入れ替えて適用することができる。
【0101】
(7)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。すなわち、無線中継装置(RIS300)は、無線基地局(無線基地局100,150)または端末(UE200)からの電波を信号解釈せず中継する際の中継状態を制御する制御部(制御部330)と、無線基地局(無線基地局100,150)または端末(UE200)との間で、検出または識別に係る信号を送信または受信する送受信部(送受信部350)と、を備える。
【0102】
これにより、無線中継装置300は、基地局100やUE200等との間で、互いを検出または識別させる信号を送受信することで、的確に互いを発見等することができ、適切に反射板(RIS)等を用いて中継することができる。
【0103】
また、本実施の形態では、無線中継装置300の送受信部350は、無線基地局100もしくは端末200の発見のために信号を受信、または、当該無線中継装置の発見のために信号を送信する。
【0104】
これにより、的確に互いを発見することができる信号を用いて、的確な中継動作につなげることができる。
【0105】
また、本実施の形態では、無線中継装置200の送受信部350は、無線基地局から、端末に係る情報を受信する。
【0106】
これにより、無線中継装置300は、無線基地局100を介して間接的に、端末200を検出・識別等するための信号を受信することができ、端末との無線信号を適切に反射板(RIS)等を用いて、中継することができる。
【0107】
また、本実施の形態では、無線中継装置300は、無線基地局100から端末200が当該無線中継装置に係る情報を受信することを想定する。
【0108】
これにより、端末200は、無線基地局100を介して間接的に、無線中継装置200を検出・識別等するための信号を受信することができる。
【0109】
また、本実施の形態においては、無線中継装置300の制御部330は、無線基地局または端末からの電波の、反射、透過、集約、回折、および、信号電力の変更、ならびに、受信または送信ビームのうち、少なくとも一つを制御する。
【0110】
これにより、無線中継装置300は、制御情報や受信状態に応じて、適切な中継状態へ切り替えることができる。
【0111】
また、本実施の形態において、無線中継装置300の制御部330は、無線基地局または端末の、発見、同期、および、接続、ならびに、無線基地局と端末間の初期接続、接続確立後の通信、および、ビーム制御のうち、少なくとも一つを行う。
【0112】
これにより、無線中継装置300は、単に電波を反射等させるだけでなく、通信に関する様々な動作を行うことができる。
【0113】
(9)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0114】
例えば、上述した実施形態では、無線中継装置の通信対象を、「基地局」または「端末」として説明したが、これに限られず、対象は、通信装置であればよい。また、上述した実施形態では、無線基地局から端末方向(下り方向)を主として説明したが、上述した実施形態の中でも適宜記載したように、端末から無線基地局方向(上り方向)の無線信号も制御されてよい。
【0115】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図3)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0116】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0117】
さらに、上述したUE200及び無線中継装置300は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図17は、基地局100、UE200及び無線中継装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。図17に示すように、基地局100、UE200及び無線中継装置300は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0118】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0119】
無線中継装置300の各機能ブロック(図3参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0120】
また、無線中継装置300における各機能或いは一部の機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現されてもよい。
【0121】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0122】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0123】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0124】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0125】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0126】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0127】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0128】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0129】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Int例:rated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0130】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0131】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Beyond 5G、6G、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0132】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0133】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0134】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0135】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0136】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0137】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0138】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0139】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0140】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0141】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0142】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0143】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0144】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0145】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0146】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0147】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0148】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0149】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0150】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0151】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0152】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0153】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0154】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0155】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0156】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0157】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0158】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0159】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0160】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0161】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0162】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0163】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。
RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0164】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0165】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:R例:)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0166】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0167】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0168】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0169】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0170】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0171】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0172】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0173】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0174】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0175】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0176】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0177】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0178】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0179】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0180】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0181】
10 無線通信システム
100,150A~150D 無線基地局
200 UE
300 無線中継装置
301 中継アンテナ
303 可変部
330 制御部
350 送受信部
C セル
OB 障害物
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
図1
図2
図3
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