(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】深冷容器の圧力増加装置及び深冷容器
(51)【国際特許分類】
F17C 1/12 20060101AFI20250415BHJP
F17C 3/08 20060101ALI20250415BHJP
【FI】
F17C1/12
F17C3/08
(21)【出願番号】P 2023542866
(86)(22)【出願日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2023088162
(87)【国際公開番号】W WO2024087532
(87)【国際公開日】2024-05-02
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】202211311306.X
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523265906
【氏名又は名称】南通中集能源装備有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523265917
【氏名又は名称】中国国際海運集装箱(集団)股▲フン▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523265928
【氏名又は名称】中集安瑞科投資控股(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宋斌杰
(72)【発明者】
【氏名】鞠暁鋒
(72)【発明者】
【氏名】沈衛東
(72)【発明者】
【氏名】蒋平安
(72)【発明者】
【氏名】顧鋒
(72)【発明者】
【氏名】高建兵
(72)【発明者】
【氏名】陳衛峰
(72)【発明者】
【氏名】張雲凱
(72)【発明者】
【氏名】劉磊
(72)【発明者】
【氏名】徐澎飛
(72)【発明者】
【氏名】張培培
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-072819(JP,A)
【文献】国際公開第2014/203530(WO,A1)
【文献】特開2010-144843(JP,A)
【文献】特開平10-176796(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0045521(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/12
F17C 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
深冷容器の圧力増加装置であって、
前記深冷容器は、ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層とを含み、前記ケーシングと前記内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記断熱層と前記ケーシングとの間に間隔を有し、
前記圧力増加装置は、固定部材と、突出部材と、熱伝導部材と、操作部材と、接続部材とを含み、
前記固定部材は、前記中間層空間内に位置し、前記ケーシングに固定接続され、前記内容器との間に間隔を有し、
前記突出部材は、前記中間層空間内に位置し、前記内容器に固定接続され前記断熱層に突出し、前記突出部材と前記固定部材との間に間隔を有し、前記突出部材の材質は、耐低温材料であり、
前記熱伝導部材は、前記固定部材に回動可能に接続され、前記熱伝導部材の材質は、耐低温材料であり、
前記操作部材は、前記ケーシングの外部に設けられ前記ケーシングに対して回動可能であり、
前記接続部材の一端は、前記操作部材に固定接続され、他端は、前記中間層空間内に進入し前記熱伝導部材に固定接続され、前記操作部材の回転に伴って、前記熱伝導部材を前記突出部材に当接するまで回転させ、又は、前記突出部材との間に間隔を有するまで回転させることができる
ことを特徴とする深冷容器の圧力増加装置。
【請求項2】
前記接続部材は、取付部材を介して前記中間層空間に進入し、
前記取付部材は、前記中間層空間内に位置し、前記ケーシングに固定されて密封接続され、前記取付部材は、弾性を有して前記中間層空間内で伸縮可能であり、前記接続部材は、前記取付部材を通過して前記取付部材の前記ケーシングから離れる端部に固定接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項3】
前記取付部材は、コルゲートホースである
ことを特徴とする請求項2に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項4】
前記圧力増加装置は、さらに、前記中間層空間内に位置する位置限定部材を含み、前記位置限定部材と前記突出部材とは、前記固定部材の反対両側にそれぞれ位置し、前記熱伝導部材を前記位置限定部材と前記突出部材との間で回転させ、
前記位置限定部材は、前記ケーシングに固定接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項5】
前記位置限定部材は、固定部とストッパ部とを含み、前記固定部は、前記ケーシングに固定接続され、前記ストッパ部は、前記熱伝導部材に当接するために使用される
ことを特徴とする請求項4に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項6】
前記圧力増加装置は、さらに、前記ケーシングの外部に設けられた位置決定ブロックを含み、前記位置決定ブロックに第1の位置決め溝と第2の位置決め溝が開設されており、前記操作部材が回転して前記第1の位置決め溝に係合する時に、前記熱伝導部材が前記位置限定部材に当接し、前記操作部材が回転して前記第2の位置決め溝に係合する時に、前記熱伝導部材が前記突出部材に当接する
ことを特徴とする請求項4に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項7】
前記圧力増加装置は、圧力検出デバイスと圧力表示装置とを含み、前記圧力検出デバイスは、前記内容器の内部に連通して前記内容器内の圧力を検出し、前記圧力表示装置は、前記圧力検出デバイスに接続されて前記内容器内の圧力を受信して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項8】
前記操作部材は、組立部材を介して前記ケーシングに回動可能に接続され、前記組立部材は、前記ケーシングの外部に固定され、前記操作部材の一端は、前記組立部材に回動可能に接続され、他端は、前記接続部材に固定接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項9】
深冷容器の圧力増加装置であって、
前記深冷容器は、ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層とを含み、前記ケーシングと前記内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記断熱層と前記ケーシングとの間に間隔を有し、
前記圧力増加装置は、突出部材と、熱伝導部材と、接続部材とを含み、
前記突出部材は、前記中間層空間内に位置し、前記内容器に固定接続され前記断熱層に突出し、
前記熱伝導部材は、伸縮性を有し、その一端が前記ケーシングに固定接続され、他端が前記突出部材から離れ又は前記突出部材に当接し、前記熱伝導部材の材質は、耐低温材料であり、
前記接続部材は、前記ケーシングの外部から前記中間層空間に進入して前記熱伝導部材に固定接続され、前記接続部材は、外部に前記ケーシングから突出し、
前記接続部材が外力によって前記ケーシングに近接し又は前記ケーシングから離れることで、前記熱伝導部材を伸縮させて前記突出部材から離れ又は前記突出部材に当接
し、
前記熱伝導部材の内部は、中空であり、前記熱伝導部材の前記ケーシングに近い端部が開口され、前記内容器に近い端部が閉鎖され、
前記接続部材は、ロープ状又はチェーン状を呈し、前記熱伝導部材に進入して前記熱伝導部材に接続され、
前記接続部材は、前記熱伝導部材の前記内容器に近い端部に固定接続されている
ことを特徴とする深冷容器の圧力増加装置。
【請求項10】
前記圧力増加装置は、さらに、前記ケーシングの外部に設けられた操作部材を含み、前記操作部材は、前記ケーシングに対して回転可能であり、前記操作部材が前記接続部材に固定接続されることで、接続部材を前記中間層空間に進入させ又は前記中間層空間から退出させる
ことを特徴とする請求項
9に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項11】
前記操作部材は、組立部材を介して前記ケーシングに回動可能に接続され、前記組立部材は、前記ケーシングの外部に固定され、前記操作部材の一端は、前記組立部材に回動可能に接続され、他端は、前記接続部材に固定接続されている
ことを特徴とする請求項
10に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項12】
前記熱伝導部材の内部は、中空であり、前記熱伝導部材の前記ケーシングに近い端部が開口され、前記内容器に近い端部が閉鎖され、前記接続部材は、棒状であり、前記熱伝導部材に進入し、前記接続部材の材質は、耐低温材料であり、
前記接続部材と前記熱伝導部材との接続点は、前記熱伝導部材の長手方向の正中心から前記内容器に近い領域に位置する
ことを特徴とする請求項9に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項13】
前記熱伝導部材内にバッフル板が設けられており、前記バッフル板の外周が前記熱伝導部材の内壁に固定接続されて前記熱伝導部材の前記内容器に近い端部を閉鎖し、前記バッフル板の前記内容器から離れる表面は、前記接続部材に固定接続され、
前記バッフル板の材質は、耐低温材料である
ことを特徴とする請求項
12に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項14】
前記圧力増加装置は、さらに、前記ケーシングの外部に設けられた操作部材を含み、前記操作部材は、前記接続部材の端部に固定接続され、前記接続部材の外周から突出する
ことを特徴とする請求項
12に記載の深冷容器の圧力増加装置。
【請求項15】
ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層と、圧力増加装置とを含む深冷容器であって、
前記ケーシングと内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記ケーシングと断熱層との間に間隔を有し、前記圧力増加装置は、請求項1~8のいずれか1項に記載の圧力増加装
置である
ことを特徴とする深冷容器。
【請求項16】
前記ケーシングの材質は、耐低温材料である
ことを特徴とする請求項
15に記載の深冷容器。
【請求項17】
前記ケーシングは、ケースとカバープレートとを含み、前記ケースに少なくとも1つの孔が開設されており、前記カバープレートは、前記孔に一対一対応し、前記カバープレートは、対応する孔をカバーし、前記カバープレートの材質は、耐低温材料であり、前記固定部材は、前記カバープレートに固定接続されている
ことを特徴とする請求項
15に記載の深冷容器。
【請求項18】
前記カバープレートの断面は、円形又は方形である
ことを特徴とする請求項
17に記載の深冷容器。
【請求項19】
前記ケーシングの周方向に沿って間隔を空けて複数の前記圧力増加装置が設けられており、
前記ケーシングの軸方向に沿って間隔を空けて前記圧力増加装置が設けられている
ことを特徴とする請求項
15に記載の深冷容器。
【請求項20】
ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層と、圧力増加装置とを含む深冷容器であって、
前記ケーシングと内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記ケーシングと断熱層との間に間隔を有し、前記圧力増加装置は、請求項9~14のいずれか1項に記載の圧力増加装置である
ことを特徴とする深冷容器。
【請求項21】
前記ケーシングの材質は、耐低温材料である
ことを特徴とする請求項20に記載の深冷容器。
【請求項22】
前記ケーシングの周方向に沿って間隔を空けて複数の前記圧力増加装置が設けられており、
前記ケーシングの軸方向に沿って間隔を空けて前記圧力増加装置が設けられている
ことを特徴とする請求項20に記載の深冷容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本願は、2022年10月25日に中国特許庁に出願された、出願番号202211311306X、出願名「深冷容器の圧力増加装置及び深冷容器」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は引用により本願に結合される。
【0002】
[発明の分野]
本願は、圧力容器分野に関し、特に、深冷容器の圧力増加装置及び深冷容器に関する。
【背景技術】
【0003】
深冷容器とは、沸点温度が-150℃未満の液体(例えば、液体窒素、液体酸素、液体アルゴン、液化天然ガス、液体水素、液体ヘリウム)を貯蔵する容器である。現在、このような液体を貯蔵するための容器は一般的に内容器、ケーシング、断熱材及び支持構造などからなり、内容器とケーシングを通じて2層の容器構造を形成している。2層構造は、上記の深冷容器を内容器空間と、内容器とケーシングとの間の中間層空間と、外部環境空間とに分ける。
【0004】
貯蔵輸送の需要に応じて、深冷容器はしばしば内部媒体に対して圧力増加を行う必要がある。従来技術は、一般的に熱交換方式を用いて行われており、通常は、媒体の液相と気相を外部環境空間に引き出し、熱交換器によって吸熱して圧力を増加する。あるいは外部媒体を内容器空間に導入し、熱交換器を介して圧力制御を行う。
【0005】
上記の熱交換による圧力制御の方式は、いずれも熱交換器が必要であり、相応の配管とバルブによる制御も必要であり、構造が複雑で、コストが高い。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来技術における課題を解決するために、構造が簡単で低コストな圧力増加装置及び圧力増加装置を含む深冷容器を提供することにある。
【0007】
従来技術における課題を解決するために、本発明は、深冷容器の圧力増加装置を提供し、前記深冷容器は、ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層とを含み、前記ケーシングと前記内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記断熱層と前記ケーシングとの間に間隔を有し、前記圧力増加装置は、固定部材と、突出部材と、熱伝導部材と、操作部材とを含み、
固定部材は、前記中間層空間内に位置し、前記ケーシングに固定接続され、前記内容器との間に間隔を有し、
突出部材は、前記中間層空間内に位置し、前記内容器に固定接続され前記断熱層に突出し、前記突出部材と前記固定部材との間に間隔を有し、前記突出部材の材質は、耐低温材料であり、
熱伝導部材は、前記固定部材に回動可能に接続され、前記熱伝導部材の材質は、耐低温材料であり、
操作部材は、前記ケーシングの外部に設けられ前記ケーシングに対して回動可能であり、
接続部材の一端は、前記操作部材に固定接続され、他端は、前記中間層空間内に進入し前記熱伝導部材に固定接続され、前記操作部材の回転に伴って前記熱伝導部材を前記突出部材に当接するまで回転させ、又は、前記突出部材との間に間隔を有するまで回転させることができる。
【0008】
一実施例では、前記接続部材は、取付部材を介して前記中間層空間に進入し、
前記取付部材は、前記中間層空間内に位置し、前記ケーシングに固定されて密封接続され、前記取付部材は、弾性を有して前記中間層空間内で伸縮可能であり、前記接続部材は、前記取付部材を通過して前記取付部材の前記ケーシングから離れる端部に固定接続される。
【0009】
一実施例では、前記取付部材は、コルゲートホースである。
【0010】
一実施例では、前記圧力増加装置は、さらに、前記中間層空間内に位置する位置限定部材を含み、前記位置限定部材と前記突出部材とは、前記固定部材の反対両側にそれぞれ位置し、前記熱伝導部材を前記位置限定部材と前記突出部材との間で回転させ、
前記位置限定部材は、前記ケーシングに固定接続されている。
【0011】
一実施例では、前記位置限定部材は、固定部とストッパ部とを含み、前記固定部は、前記ケーシングに固定接続され、前記ストッパ部は、前記熱伝導部材に当接するために使用される。
【0012】
一実施例では、前記圧力増加装置は、さらに、前記ケーシングの外部に設けられた位置決定ブロックを含み、前記位置決定ブロックに第1の位置決め溝と第2の位置決め溝が開設されており、前記操作部材が回転して前記第1の位置決め溝に係合する時に、前記熱伝導部材が前記位置限定部材に当接し、前記操作部材が回転して前記第2の位置決め溝に係合する時に、前記熱伝導部材が前記突出部材に当接する。
【0013】
一実施例では、前記圧力増加装置は、圧力検出デバイスと圧力表示装置とを含み、前記圧力検出デバイスは、前記内容器の内部に連通して前記内容器内の圧力を検出し、前記圧力表示装置は、前記圧力検出デバイスに接続されて前記内容器内の圧力を受信して表示する。
【0014】
一実施例では、前記操作部材は、組立部材を介して前記ケーシングに回動可能に接続され、前記組立部材は、前記ケーシングの外部に固定され、前記操作部材の一端は、前記組立部材に回動可能に接続され、他端は、前記接続部材に固定接続されている。
【0015】
本発明は、さらに、深冷容器の圧力増加装置を提供し、前記深冷容器は、ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層とを含み、前記ケーシングと前記内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記断熱層と前記ケーシングとの間に間隔を有し、前記圧力増加装置は、突出部材と、熱伝導部材と、接続部材とを含み、
突出部材は、前記中間層空間内に位置し、前記内容器に固定接続され前記断熱層に突出し、
熱伝導部材は、伸縮性を有し、その一端が前記ケーシングに固定接続され、他端が前記突出部材から離れ又は前記突出部材に当接し、
接続部材は、前記ケーシングの外部から前記中間層空間に進入して前記熱伝導部材に固定接続され、前記接続部材は、外部に前記ケーシングから突出し、
前記接続部材が外力によって前記ケーシングに近接し又は前記ケーシングから離れることで、前記熱伝導部材を伸縮させて前記突出部材から離れ又は前記突出部材に当接する。
【0016】
一実施例では、前記熱伝導部材の内部は、中空であり、前記熱伝導部材の前記ケーシングに近い端部が開口され、前記内容器に近い端部が閉鎖され、
前記接続部材は、ロープ状又はチェーン状を呈し、前記熱伝導部材に進入して前記熱伝導部材に接続され、前記接続部材は、前記熱伝導部材の前記内容器に近い端部に固定接続されている。
【0017】
一実施例では、前記圧力増加装置は、さらに、前記ケーシングの外部に設けられた操作部材を含み、前記操作部材は、前記ケーシングに対して回転可能であり、前記操作部材が前記接続部材に固定接続されることで、接続部材を前記中間層空間に進入させ又は前記中間層空間から退出させる。
【0018】
一実施例では、前記操作部材は、組立部材を介して前記ケーシングに回動可能に接続され、前記組立部材は、前記ケーシングの外部に固定され、前記操作部材の一端は、前記組立部材に回動可能に接続され、他端は、前記接続部材に固定接続されている。
【0019】
一実施例では、前記熱伝導部材の内部は、中空であり、前記熱伝導部材の前記ケーシングに近い端部が開口され、前記内容器に近い端部が閉鎖され、前記接続部材は、棒状であり、前記熱伝導部材に進入し、前記接続部材の材質は、耐低温材料であり、
前記接続部材と前記熱伝導部材との接続点は、前記熱伝導部材の長手方向の正中心から前記内容器に近い領域に位置する。
【0020】
一実施例では、前記熱伝導部材内にバッフル板が設けられており、前記バッフル板の外周が前記熱伝導部材の内壁に固定接続されて前記熱伝導部材の前記内容器に近い端部を閉鎖し、前記バッフル板の前記内容器から離れる表面は、前記接続部材に固定接続され、
前記バッフル板の材質は、耐低温材料である。
【0021】
一実施例では、前記熱伝導部材内にバッフル板が設けられており、前記バッフル板の外周は、前記熱伝導部材の内壁に固定接続され、前記バッフル板の前記内容器から離れる表面は、前記接続部材に固定接続されている。
【0022】
一実施例では、前記圧力増加装置は、さらに、前記ケーシングの外部に設けられた操作部材を含み、前記操作部材は、前記接続部材の端部に固定接続され、前記接続部材の外周から突出する。
【0023】
本発明は、さらに、ケーシングと、前記ケーシング内に位置する内容器と、前記内容器の外周に設けられた断熱層と、圧力増加装置とを含む深冷容器を提供し、前記ケーシングと内容器との間に間隔を有して中間層空間を形成し、前記中間層空間は、真空環境であり、前記ケーシングと断熱層との間に間隔を有し、前記圧力増加装置は、上記の圧力増加装置である。
【0024】
一実施例では、前記ケーシングの材質は、耐低温材料である。
【0025】
一実施例では、前記ケーシングは、ケースとカバープレートとを含み、前記ケースに少なくとも1つの孔が開設されており、前記カバープレートは、前記孔に一対一対応し、前記カバープレートは、対応する孔をカバーし、前記カバープレートの材質は、耐低温材料であり、前記固定部材は、前記カバープレートに固定接続されている。
【0026】
一実施例では、前記カバープレートの断面は、円形又は方形である。
【0027】
一実施例では、前記ケーシングの周方向に沿って間隔を空けて複数の前記圧力増加装置が設けられており、
前記ケーシングの軸方向に沿って間隔を空けて前記圧力増加装置が設けられている。
【0028】
上記の技術案から明らかなように、本発明の利点と積極的な効果は、以下の通りである。
【0029】
本発明の圧力増加装置は、創意的に回転可能な熱伝導部材によりケーシングと内容器との接続を実現し、ケーシングの熱を内容器に伝導し、そして、内容器の媒体を気化させて内容器内の圧力を増加させ、圧力増加機能を実現した。この圧力増加方式は、熱交換器、対応する配管及びバルブを追加する必要がなく、構造が簡単でコストが低い。
【0030】
本発明における圧力増加装置は、熱伝導部材の伸縮によって突出部材との当接及び接続の切断を創造的に直接実現し、さらにケーシングと内容器との間の熱伝導及び熱伝導の終了を実現し、圧力増加機能を実現する。この圧力増加方式は、熱交換器を追加する必要がなく、構造が簡単で、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の深冷容器の実施例一の構造の模式図である。
【
図2】本発明の深冷容器の実施例一の部分構造の模式図である。
【
図3】本発明の深冷容器の実施例二の部分構造の模式図である。
【
図4】本発明の深冷容器の実施例三の構造の模式図である。
【
図5】本発明の深冷容器の実施例四の部分構造の模式図である。
【
図6】本発明の深冷容器の実施例五の部分構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の特徴と利点を部材現する典型的な実施例は、以下の説明において詳細に述べる。本発明は、本発明の範囲を逸脱することなく、異なる実施例において様々な変化を有することができ、その説明及び図示は、本発明を限定するために使用するのではなく、本質的に説明のために使用されることが理解されるべきである。
【0033】
本発明の原理及び構造をさらに説明するために、図面を用いて本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0034】
本発明は深冷容器を提供し、沸点温度が-150℃未満の液体の貯蔵と輸送に適する。
【0035】
この深冷容器は、ケーシングと、ケーシング内に位置する内容器と、内容器の外周に設けられた断熱層と、圧力増加装置とを含む。圧力増加装置は、ケーシング上の熱を内容器に伝達することで内容器内の圧力を高め、圧力増加目的を実現する。この圧力増加装置は、熱交換器、対応する配管及びバルブを必要とせず、構造が簡単であるため、コストを削減することができる。
【0036】
以下、本出願における深冷容器を具体的な実施例により説明する。
【0037】
[実施例一]
図1は、この実施例における深冷容器の構造の模式図を示し、
図2は、この実施例における深冷容器の部分構造の模式図を示し、
図1及び
図2を参照して、この深冷容器1は横型である。ここで、横型とは、使用中に深冷容器1の軸線が水平方向に延びることを意味する。
【0038】
説明の便宜上、深冷容器1の軸方向を縦方向、水平方向を垂直縦方向の横方向と定義する。
【0039】
内容器12は、低温液体を貯蔵するためのものである。この実施例では、内容器12の材料は、オーステナイトステンレス鋼などの耐低温材料を選択した。
【0040】
ケーシング11は、内容器12の外周に包まれ、ケーシング11の内壁と内容器12の外壁との間に間隔を空けて中間層空間を形成している。
【0041】
この実施例では、ケーシング11は、ケース111及びカバープレート112を含む。ケース111には少なくとも1つの孔が開設しており、カバープレート112は、孔に一対一対応しており、カバープレート112は、対応する孔をカバーする。ケース111の材質は、通常の炭素鋼であり、カバープレート112の材質は、オーステナイトステンレス鋼などの低温耐性材料である。カバープレート112とケース111との間は、溶接接続されている。
【0042】
カバープレート112は、四角形又は円形であってもよい。カバープレート112が円形である場合、その直径は300mm~500mmである。カバープレート112が円形である場合、その辺長の範囲は、300mm~500mmである。
【0043】
他の実施例では、ケーシング11に孔を開ける必要がなく、その材質は、耐低温材料を用いている。すなわち、ケーシング11全体は、低温に耐えることができる。
【0044】
中間層空間内は、真空環境である。
【0045】
断熱層13は、内容器12の外周に包まれ、断熱層13とケーシング11の内壁との間に間隔がある。
【0046】
圧力増加装置14は、内容器12とケーシング11とを連通させ、熱伝導によりケーシング11の熱を内容器12に伝達し、内容器12内の低温液体に熱を吸収させてガスに変換し、内容器12内の圧力を増大させる。
【0047】
ここで、圧力増加装置14の数は、実際の必要に応じて設定することができ、例えば、1、2、3、又は、他の数である。圧力増加装置14の数が複数の場合、複数の圧力増加装置14は、ケーシング11の周方向に間隔を空けて設けられる。複数の圧力増加装置14は、ケーシング11の軸方向に間隔を空けて設けられてもよい。圧力増加装置14が設置する位置は、実際の必要に応じて設置することができ、特定の目的を達成することができ、又は、より正確な圧力増加制御を実現することができる。
【0048】
圧力増加装置14の数は、孔の数に対応して設けられており、すなわち、圧力増加装置14の数は、孔の数と一致している。
【0049】
具体的に、各圧力増加装置14は、固定部材141と、突出部材142と、熱伝導部材143と、操作部材144と、接続部材145とを含む。
【0050】
固定部材141は、中間層空間内に位置し、ケーシング11に固定接続され、内容器12との間に間隔を有する。具体的に、固定部材141は、カバープレート112の内側に固定接続されている。固定部材141の材質は、耐低温材料である。
【0051】
ここで、固定部材141は、傾斜して設けてもよいし、垂直に設けてもよい、すなわち、固定部材141とカバープレート112との間の角度は、実際の必要に応じて設けてもよい。
【0052】
突出部材142は、中間層空間内に位置し、内容器12に固定接続され断熱層13から突出する。突出部材142と固定部材141との間に間隔を有し、突出部材142の材質は、耐低温材料である。
【0053】
突出部材142と固定部材141との間の間隔とは、内容器12の径方向に沿って間隔を有することを意味する。
【0054】
熱伝導部材143は、固定部材141に回転可能に接続されている。熱伝導部材143の材質は、耐低温材料である。具体的には、固定部材141のケーシング11から離れた端部には固定孔が開設され、熱伝導部材143の一端には接続孔が開設され、回転軸は、固定孔と接続孔内に同時に穿設されて固定部材141に対する熱伝導部材143の回転可能な接続を実現する。
【0055】
具体的には、熱伝導部材143は板状をなしている。熱伝導部材143の幅は、ケーシング11の幅の5%~20%である。具体的には、熱伝導部材143の幅は、200mm~400mmである。ここで、幅とは、横方向に沿った寸法を指す。
【0056】
圧力増加装置14の数が複数の場合、複数の圧力増加装置14を周方向に間隔を空けて設置することができ、すなわち、同一領域に複数の圧力増加装置14を設置することができる。
【0057】
軸方向に沿って間隔を空けて異なる領域に複数の圧力増加装置14が設けられている。
【0058】
これに対応して、固定部材141は板状を呈し、その幅は熱伝導部材143の幅に適合している。突出部材142は板状を呈し、その幅は熱伝導部材143の幅と適合している。
【0059】
操作部材144は、ケーシング11の外側に設けられ、ケーシング11に対して回転可能である。具体的には、操作部材144は、組立部材148を介してケーシング11との回転可能な接続を実現する。組立部材148は、ケーシング11の外部に固定され、操作部材144の一端は、組立部材148に回転可能に接続され、他端は、接続部材145に固定接続されている。
【0060】
この実施例では、組立部材148は、板状を呈し、操作部材144は、棒状を呈している。組立部材148のケーシング11から離れる端部に組立孔が開設され、操作部材144の一端には回転孔が開き、ヒンジ軸は、組立孔と回転孔に同時に穿設されて操作部材144と組立部材148との間の回転可能な接続を実現する。
【0061】
接続部材145の一端は、操作部材144に固定接続され、他端は、中間層空間に進入して熱伝導部材143に固定接続され、操作部材144の回転に伴って、熱伝導部材143を突出部材142に当接するまで回転させ、又は、突出部材142との間に間隔を有するまで回転させることができる。
【0062】
接続部材145は、取付部材146を介して中間層空間内に進入している。具体的には、取付部材146は、中間層空間内に位置し、ケーシング11と固定されて密封接続されている。ここで、ケーシング11には貫通孔が開設され、取付部材146はこの貫通孔内に穿設されている。
【0063】
取付部材146の内部は、中空であり、ケーシング11に近い端部が開口され、内容器に近い端部が閉鎖されている。取付部材146は、弾性を有し、中間層空間内で伸縮可能である。この実施例では、取付部材146は、ベローズである。
【0064】
接続部材145は、取付部材146を通過し、取付部材146のケーシング11から離れる端部に固定接続されている。すなわち、接続部材145の両端は、いずれも取付部材146に挿通され、挿通された両端は、それぞれ熱伝導部材143と取付部材146に固定接続されている。
【0065】
接続部材145は、操作部材144によって外方に移動することができ、これにより、取付部材146を収縮させることによって、熱伝導部材143を回転させることができる。接続部材145は、また、操作部材144により内側に移動することができ、取付部材146を開き、それによって熱伝導部材143を回転させることができる。
【0066】
熱伝導部材143は、回動時に、突出部材142に当接し、又は、突出部材142から離れるまで回動することができる。熱伝導部材143が突出部材142に当接すると、熱伝導部材143、突出部材142及び固定部材141は、共にケーシング11と内容器12との間を接続し、さらに、ケーシング11の熱を熱伝導により内容器12に伝達し、内容器12内の液体を気化させ、内容器12の圧力を増加させる。
【0067】
熱伝導部材143が突出部材142から離れている場合、ケーシング11と内容器12との間に熱伝導は存在しない。
【0068】
この実施例では、熱伝導部材143が突出部材142に当接すると、熱伝導部材143は、固定部材141と平行になる。
【0069】
圧力増加装置14は、中間層空間内に位置する位置限定部材147をさらに含む。位置限定部材147と突出部材142は、固定部材141の反対両側にそれぞれ位置し、熱伝導部材143を位置限定部材147と突出部材142の間で回転させる。
【0070】
そして、取付部材146と位置限定部材147は、固定部材141の同じ側に位置している。
【0071】
したがって、この実施例では、取付部材146が収縮状態にあるとき、熱伝導部材143は、位置限定部材147に当接し、取付部材146が開状態にあるとき、熱伝導部材143は、突出部材142に当接する。
【0072】
ここで、位置限定部材147は、ケーシング11に固定接続されている。具体的には、位置限定部材147は、固定部1471とストッパ部1472とを含む。固定部1471は、ケーシング11に固定接続され、ストッパ部1472は、熱伝導部材143に当接するために用いられる。かつ、ストッパ部1472が熱伝導部材143と平行に合わせて当接する。
【0073】
この実施例では、ストッパ部1472は、水平に延びており、熱伝導部材143がストッパ部1472に当接するまで回転すると、熱伝導部材143は水平に延びる。
【0074】
圧力増加装置14は、ケーシング11の外部に設けられた位置決めブロックをさらに含み、位置決めブロックには第1の位置決め溝と第2の位置決め溝が開設されている。操作部材144が第1の位置決め溝に係止するまで回転すると、熱伝導部材143は、位置限定部材147に当接し、操作部材144が第2の位置決め溝に係止するまで回転すると、熱伝導部材143は、突出部材142に当接する。
【0075】
圧力増加装置14は、圧力検出デバイス15と圧力表示デバイス16とを備えている。圧力検出デバイス15は、内容器12内の圧力を検出するために内容器12内に連通しており、圧力表示デバイス16は、内容器12内の圧力を受信して表示するために圧力検出デバイス15に接続されている。
【0076】
この深冷容器1の使用方法は以下の通りである。
【0077】
初期状態では、熱伝導部材143と突出部材142との接続が切断される。
【0078】
圧力表示デバイス16に表示された内容器12内の圧力値が下限値に達した場合、又は、他の状況により圧力を増加する必要がある場合、操作部材144を熱伝導部材143が突出部材142に当接するまで回転させ、ケーシング11の熱を内容器12内の媒体に伝達し、媒体を気化させて圧力増加機能を実現する。
【0079】
具体的には、この実施例では、操作部材144を上向きに回転させ、取付部材146を開き、熱伝導部材143を突出部材142に当接するまで回転させる。
【0080】
圧力表示デバイス16上の圧力値が上限値に達すると、操作部材144を回転させ、熱伝導部材143を突出部材142から離れ、熱が内容器12に伝送しない。
【0081】
具体的には、この実施例では、操作部材144を下方に回動させ、取付部材146を収縮させ、熱伝導部材143を位置限定部材147に当接するまで回動させる。
【0082】
この実施例における深冷容器1は、圧力増加装置14の回転可能な熱伝導部材143を介してケーシング11と内容器12との接続を創造的に実現し、ケーシング11の熱を内容器12に伝導させ、内容器12の媒体を気化させて内容器12内の圧力を増加させ、圧力増加の機能を実現した。この圧力増加方式は、熱交換器を追加する必要がなく、構造が簡単で、コストが低い。
【0083】
[実施例二]
図3は、この実施例における深冷容器の部分構造の模式図を示し、
図3を参照して、この実施例と実施例1の違いは、位置限定部材247の位置及び位置限定部材247の構造である。
【0084】
この実施例では、突出部材242と取付部材246は、固定部材241の同じ側に位置し、位置限定部材247と取付部材246は、固定部材の反対側に位置している。
【0085】
位置限定部材247の固定部2471とストッパ部2472は、いずれも傾斜して設けられ、固定部2471とストッパ部2472との間の角度は、鈍角である。かつストッパ部2471が熱伝導部材243と平行に合わせて当接する。
【0086】
この実施例では、取付部材246が収縮状態にあるとき、熱伝導部材243は突出部材242に当接し、取付部材246が開状態にあるとき、熱伝導部材243は位置限定部材247に当接する。
【0087】
この実施例における深冷容器のケーシング21、内容器22、断熱層23、固定部材241、突出部材242、熱伝導部材243、操作部材244、接続部材245、取付部材246及び組立部材248等のその他の特徴は、実施例1を参照して詳細な説明を省略する。
【0088】
[実施例三]
図4は、この実施例に係る深冷容器の構造の模式図を示し、
図4を参照すると、この実施例に係る深冷容器3は、縦型容器であり、ここで、縦型とは、使用時に深冷容器3の軸線が鉛直方向に延びることを意味する。
【0089】
この実施例におけるケーシング31の軸線及び内容器32の軸線は、いずれも垂直方向に延びている。なお、この実施例における断熱層33、圧力増加装置34、圧力検出デバイス35及び圧力表示デバイス36等の他の特徴は、実施例1を参照して詳細な説明を省略する。
【0090】
[実施例四]
図5は、この実施例における深冷容器の部分構造の模式図を示し、
図5を参照すると、この実施例と実施例1の違いは、圧力増加装置の構成である。
【0091】
圧力増加装置は、突出部材442、熱伝導部材443及び接続部材445を含む。熱伝導部材443は、伸縮性を有する。熱伝導部材443の一端は、ケーシング41に固定接続されており、他端は、突出部材442から離れ、又は、突出部材442に当接することができる。すなわち、熱伝導部材443の一端は、ケーシング41に固定接続され、他端は、中間層空間内で伸縮する。熱伝導部材443が伸長すると、突出部材442に当接して熱伝導を行う。熱伝導部材443が収縮すると、突出部材442との接続が切断されて熱伝導が終了する。
【0092】
ここで、熱伝導部材443の材質は、耐低温材料である。
【0093】
具体的には、熱伝導部材443の内部は中空であり、ケーシング41に近い端部が開口され、内容器42に近い端部が閉塞されている。この実施例では、熱伝導部材443は、ベローズである。
【0094】
熱伝導部材443は、カバープレートの内側に固定接続されている。
【0095】
接続部材445は、ケーシング41の外側から中間層空間内に進入して熱伝導部材443に固定的に接続され、接続部材445は、外側にケーシング41から突出している。ここで、接続部材445は、外力によって移動することができ、熱伝導部材443を伸縮させて、さらに、突出部材442から離れ又は突出部材442に当接する。
【0096】
具体的には、接続部材445は、ロープ状又はチェーン状を呈し、熱伝導部材443内に進入して熱伝導部材443に接続されている。そして、接続部材445は、内容器42に近い端部に固定接続されている。
【0097】
図5の図面方向を参照して、接続部材445は、熱伝導部材443が突出部材442から離脱することを十分に保証するために、熱伝導部材443の底部に固定接続されている。
【0098】
圧力増加装置は、ケーシング41の外部に設けられた操作部材444をさらに含む。操作部材444は、ケーシング41に対して回転することができ、操作部材444は、接続部材445に固定接続され、接続部材445を中間層空間に進入させ又は中間層空間から退出させる。
【0099】
具体的には、操作部材444は、組立部材448を介してケーシング41との回転可能な接続を実現し、組立部材448は、ケーシング41の外部に固定され、操作部材444の一端は、組立部材448に回転可能に接続され、他端は、接続部材445に固定接続されている。
【0100】
該深冷容器の使用方式は、以下の通りである。
【0101】
初期状態では、熱伝導部材443は、収縮状態にあり、突出部材442との接続が切断される。
【0102】
圧力増加が必要な場合は、操作部材444を上向きに回転させて熱伝導部材443を開き、熱伝導部材443を突出部材442に当接させる。
圧力が要求を満たした後、操作部材444を回転させ、接続部材445により熱伝導部材443を収縮させ、突出部材442との接続を切断し、熱はもはや内容器42に伝送しない。
【0103】
この実施例では、熱伝導部材443は、突出部材442と同一直線上に位置し、熱伝導部材443の端面を突出部材442の端面に当接させる。他の実施例では、熱伝導部材443と突出部材442とを位置ずれて配置することもできる。熱伝導部材443が伸長すると、その周側面が突出部材442の周側面に当接する。
【0104】
この実施例における圧力増加装置は、熱伝導部材443の伸縮により突出部材442との当接及び切断接続を実現し、さらに、ケーシング41と内容器42との間の熱伝導及び熱伝導の終了を実現し、圧力増加機能を実現した。この圧力増加方式は、熱交換器を追加する必要がなく、構造が簡単で、コストが低い。この実施例における深冷容器のケーシング41、内容器42、断熱層43などの他の特徴は、実施例1を参照して詳細な説明を省略する。
【0105】
[実施例五]
図6は、この実施例における深冷容器の部分の構造の模式図を示し、
図6を参照し、この実施例と実施例4との違いは、接続部材545の構造である。
【0106】
熱伝導部材543の内部は、中空で、ケーシング51に近い端部が開口され、内容器52に近い端部が閉鎖されている。接続部材545は、棒状をなし、熱伝導部材543に進入している。また、接続部材545の材質は、耐低温材料である。
【0107】
接続部材545と熱伝導部材543との接続点は、熱伝導部材543の長手方向の中心から内容器52に近い領域に位置している。
【0108】
熱伝導部材543内にはバッフル板549が設けられ、バッフル板549の外周は、熱伝導部材543の内壁に固定接続され、バッフル板549の内容器52から離れる表面は、接続部材545に固定接続されている。バッフル板549の材質は、耐低温材料である。
【0109】
図6の図面方向を参照すると、この実施例におけるバッフル板549は、熱伝導部材543の底部に固定接続されて熱伝導部材543の内容器52に近い端部を閉塞している。他の実施例では、バッフル板549は、熱伝導部材543の中央部及び中央部の下の他の位置に配置することもできる。
【0110】
圧力増加装置は、また、ケーシング51の外部に設けられた操作部材544を含み、操作部材544は、接続部材545の端部に固定接続され、接続部材545の外周から突出する。
【0111】
操作部材544が熱伝導部材543を内部に押して熱伝導部材543を開き、突出部材542に当接させる。操作部材544を外側に引き寄せて熱伝導部材543を収縮させ、さらに、突出部材542との接続を切断する。
【0112】
該深冷容器の使用方式は、以下の通りである。
【0113】
初期状態では、熱伝導部材543は、収縮状態にあり、突出部材542との接続が切断される。
【0114】
圧力増加が必要である場合は、操作部材544を下に押して熱伝導部材543を開き、熱伝導部材543を突出部材542に当接させる。
【0115】
圧力が要求を満たした後、操作部材544を上に引いて、接続部材545により熱伝導部材543を収縮させて突出部材542との接続を切断して、熱はもはや内容器52に伝送しない。
【0116】
この実施例における深冷容器のケーシング51、内容器52、断熱層53などの他の特徴は、実施例4を参照することができ、詳細な説明を省略する。
【0117】
上記の技術案から明らかなように、本発明の利点と積極的な効果は、以下の通りである。
【0118】
本発明の圧力増加装置は、創意的に熱伝導部材を回転可能にすることによりケーシングと内容器との接続を実現し、ケーシングの熱を内容器に伝導し、そして、内容器の媒体を気化させて内容器内の圧力を増加させ、圧力増加機能を実現した。この圧力増加方式は、熱交換器、対応する配管及びバルブを追加する必要がなく、構造が簡単でコストが低い。
【0119】
本発明における圧力増加装置は、熱伝導部材の伸縮によって突出部材との当接及び切断接続を創造的に直接実現し、さらに、ケーシングと内容器との間の熱伝導及び熱伝導の終了を実現し、圧力増加機能を実現する。この圧力増加方式は、熱交換器を追加する必要がなく、構造が簡単で、コストが低い。
【0120】
いくつかの典型的な実施例を参照して本発明を説明してきたが、使用される用語は例示的であり、限定的な用語ではないことを理解すべきである。本発明は、発明の精神又は実質から逸脱することなく様々な形態で具体的に実施することができるので、上述の実施例は前述の詳細に限定されるものではなく、添付の請求項に規定された精神及び範囲内で広く解釈されるべきであるため、請求項又はその等価範囲内に含まれるすべての変化及び変形は添付の請求項にカバーされるべきであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0121】
1、深冷容器、11、ケーシング、111、ケース、112、カバープレート、12、内容器、13、断熱層、14、圧力増加装置、141、固定部材、142、突出部材、143、熱伝導部材、144、操作部材、145、接続部材、146、取付部材、147、位置限定部材、1471、固定部、1472、ストッパ部、148、組立部材、15、圧力検出デバイス、16、圧力表示装置、
21、ケーシング、22、内容器、23、断熱層、241、固定部材、242、突出部材、243、熱伝導部材、244、操作部材、245、接続部材、246、取付部材、247、位置限定部材、2471、固定部、2472、ストッパ部、248、組立部材、
3、深冷容器、31、ケーシング、32、内容器、33、断熱層、34、圧力増加装置、35、圧力検出デバイス、36、圧力表示装置、
41、ケーシング、42、内容器、43、断熱層、442、突出部材、443、熱伝導部材、444、操作部材、445、接続部材、448、組立部材、
51、ケーシング、52、内容器、53、断熱層、542、突出部材、543、熱伝導部材、544、操作部材、545、接続部材、549、バッフル板。