(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法、トリガフレームを伝送するための方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0453 20230101AFI20250415BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20250415BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20250415BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250415BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04W28/06 110
H04W28/18
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2023574462
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(86)【国際出願番号】 CN2022076082
(87)【国際公開番号】W WO2022252679
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】202110620383.2
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】于 健
(72)【発明者】
【氏名】狐 梦▲実▼
(72)【発明者】
【氏名】淦 明
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Rui Cao (NXP),EHT pre-FEC padding and packet extension,IEEE 802.11-20/1331r0,米国,IEEE mentor,2020年09月05日
【文献】Oded Redlich (Huawei),Discussion on Multi-RU in 802.11be,IEEE 802.11-20/0128r0,米国,IEEE mentor,2020年01月13日
【文献】Sameer Vermani (Qualcomm),Open Issues on Preamble Design,IEEE 802.11-20/1238r0,米国,IEEE mentor,2020年08月18日
【文献】Michael Fischer (NXP),Adaptive Repetition Scheme for NGV,IEEE 802.11-19/0784r0,米国,IEEE mentor,2019年05月13日
【文献】Liwen Chu (NXP),trigger consideration,IEEE 802.11-20/0764r0,米国,IEEE mentor,2020年07月01日
【文献】Steve Shellhammer (Qualcomm),Backward Compatible Trigger Frame RU Allocation Table,IEEE 802.11-20/1703r6,米国,IEEE mentor,2021年01月04日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントに適用される、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法であって、前記方法は、
極高スループットマルチユーザ物理レイヤプロトコルデータユニットEHT MU PPDUを生成するステップであって、前記EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、前記複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、
前記EHT MU PPDUを送信するステップと、
を含
み、
前記EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含み、1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応し、少なくとも2つのユーザフィールドにおけるステーション識別子は、前記少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、同じであり、
前記EHT MU PPDUのユーザフィールドは、第1の情報及び第2の情報を含み、前記第1の情報は、前記ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示し、前記第2の情報は、前記ユーザフィールドに対応する前記リソースユニットの複製伝送の数量を示す、方法。
【請求項2】
前記少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である、
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記EHT MU PPDUに含まれ、かつ前記少なくとも2つのリソースユニットに対応する前記少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が前記少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す、
請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、前記EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される、
請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、前記第1の情報が前記EHT MU PPDUの前記ユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、前記EHT MU PPDUの前記ユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、前記MCSフィールドの前記値が16~31のいずれか1つである、
請求項
1又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の情報又は前記第2の情報又はその両方は、前記EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、
ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのデータビットB20~B25、又は
前記U-SIG内の2番目のシンボルのデータビットB2又はB8、又は
極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのデータビットB13~B16
のうちの1つ以上で搬送される、
請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記リソースユニット割り当てサブフィールドは、前記リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ターゲットステーションに適用される、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法であって、前記方法は、
EHT MU PPDUを受信するステップであって、前記EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、前記複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、
前記EHT MU PPDUに基づいて、前記ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定し、前記複数のリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するステップと、
を含
み、
前記EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含み、1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応し、少なくとも2つのユーザフィールドにおけるステーション識別子は、前記少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、同じであり、
前記EHT MU PPDU内にあり、かつ前記ターゲットステーションに対応するユーザフィールドは、第1の情報及び第2の情報を含み、前記第1の情報は、前記ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示し、前記第2の情報は、前記ユーザフィールドに対応する前記リソースユニットの複製伝送の数量を示す、
方法。
【請求項9】
前記EHT MU PPDUに含まれ、かつ前記少なくとも2つのリソースユニットに対応する前記少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が前記少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、前記第1の情報が、前記EHT MU PPDU内にあり、かつ前記ターゲットステーションに対応する前記ユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、前記EHT MU PPDU内にあり、かつ前記ターゲットステーションに対応する前記ユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14である、
請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の情報又は前記第2の情報又はその両方は、前記EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、
ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は
前記U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は
極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16
のうちの1つ以上で搬送される、
請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
アクセスポイントに適用される、トリガフレームを伝送するための方法であって、前記方法は、
トリガフレームを生成するステップであって、前記トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、
前記トリガフレームを送信するステップと、
を含
み、
前記トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は、前記少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、同じであり、
前記トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報及び第2の情報を含み、前記第1の情報は、前記ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示し、前記第2の情報は、前記ユーザ情報フィールドに対応する前記リソースユニットの複製伝送の数量を示す、
方法。
【請求項13】
前記方法は、
EHT TB PPDUをステーションから受信するステップと、
複製伝送に利用される前記少なくとも1つのリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するステップと、
をさらに含む、
請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザ情報フィールドに対応する前記リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、前記第1の情報が、前記ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、前記ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、前記MCSフィールドの前記値が16~31のいずれか1つである、
請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
ターゲットステーションに適用される、トリガフレームを伝送するための方法であって、前記方法は、
トリガフレームを受信するステップであって、前記トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、
前記トリガフレームに基づいて、前記ターゲットステーションに対応し、かつEHT TB PPDUを送信するために利用されるリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定するステップと、
を含
み、
前記トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報及び第2の情報を含み、前記第1の情報は、前記ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示し、前記第2の情報は、前記ユーザ情報フィールドに対応する前記リソースユニットの複製伝送の数量を示す、
方法。
【請求項16】
前記方法は、
複製伝送に利用される前記リソースユニット上で、前記EHT TB PPDUをアクセスポイントに送信するステップをさらに含む、
請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は、前記ターゲットステーションに対応するステーション識別子と同じであり、前記少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す、
請求項
15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記トリガフレームに含まれ、かつ前記少なくとも2つのリソースユニットに対応する前記少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が前記少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す、
請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザ情報フィールドに対応する前記リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、前記第1の情報が、前記ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、前記ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、前記MCSフィールドの前記値が16~31のいずれか1つである、
請求項
15に記載の方法。
【請求項20】
前記リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、前記トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される、
請求項
15又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、前記ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される、
請求項
15に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の情報又は前記第2の情報又はその両方は、前記トリガフレーム内の以下のビット、即ち、
特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される、
請求項
15に記載の方法。
【請求項23】
前記トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、前記ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す、
請求項
15又は16に記載の方法。
【請求項24】
通信装置であって、前記通信装置は、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、
前記通信インターフェースは、前記通信装置の外部にあるモジュールと通信するように構成され、前記プロセッサは、コンピュータプログラム又は命令を実行して、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法を実施する、又は、請求項
12~14のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成される、
通信装置。
【請求項25】
通信装置であって、前記通信装置は、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、
前記通信インターフェースは、前記通信装置の外部にあるモジュールと通信するように構成され、前記プロセッサは、コンピュータプログラム又は命令を実行して、請求項
8~11のいずれか1項に記載の方法を実施する、又は、請求項
15~23のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成される、
通信装置。
【請求項26】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータは、請求項1~
7又は請求項
12~14のいずれか1項に記載の方法を実行することが可能になる、又は、前記コンピュータは、請求項
8~11又は請求項
15~23のいずれか1項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
通信システムであって、前記通信システムは、請求項
24に記載の通信装置と、請求項
25に記載の通信装置とを含む、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年6月3日に中国国家知的産権局に提出された、「METHOD FOR TRANSMITTING PHYSICAL LAYER PROTOCOL DATA UNIT, METHOD FOR TRANSMITTING TRIGGER FRAME, AND APPARATUS」と題された中国特許出願第202110620383.2号の優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、無線フィデリティ(wireless fidelity, Wi-Fi)技術の分野に関し、特に、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法、トリガフレームを伝送するための方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network, WLAN)技術において、米国電気電子学会(institute of electrical and electronics engineers, IEEE)の802.11be標準規格は、極高スループットの技術的ゴールを達成するために、極高スループットマルチユーザ物理レイヤプロトコルデータユニット(Extreme High Throughput Multiple User Physical Layer Protocol Data Unit, EHT MU PPDU)及び極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニット(Extreme High Throughput Trigger Based Physical Layer Protocol Data Unit, EHT TB PPDU)を定義する。
【0004】
加えて、6GHzスペクトルについては、低電力インドア(Low Power Indoor, LPI)オペレーションモードが定義され、具体的には、最大伝送電力及び最大伝送周波数スペクトル密度が厳しく制限される。アクセスポイント(Access Point, AP)又はステーション(Station, STA)デバイスの伝送電力は、最大電力値を超えることが許されず、伝送電力スペクトル密度は、最大電力スペクトル密度を超えることが許されない。しかし、データ伝送は、伝送電力の値、及び信号減衰などによって大きく影響される。従って、LPIオペレーションモードにおいてデータ伝送信頼性を保証することは難しい。
【0005】
もちろん、データ伝送信頼性を改善するために、802.11be標準規格では、LPIオペレーションモードに基づき、同じ情報を異なるデータサブキャリア上で伝送するために、複製(duplication)オペレーション及びデュアルキャリア変調オペレーションが、シングルユーザ伝送シナリオにおいてEHT MU PPDU内のデータフィールドにおけるデータサブキャリア上で実行されうる。受信端は、データ伝送信頼性を改善するために、複数のサブキャリア上で伝送される同じ情報に基づいて、コンバインド(combined)受信を実行しうる。
【0006】
しかし、上記の技術的解決策では、シングルユーザ伝送のための複製モードのみが実施される。LPIオペレーションモードにおけるマルチユーザ伝送のためのEHT MU PPDU及びEHT TB PPDUについては、どのようにしてデータ伝送信頼性を改善するかについて、依然として良い解決策がない。
【発明の概要】
【0007】
この出願は、従来技術ではマルチユーザ伝送のための極高スループット物理レイヤプロトコルデータユニットPPDUのデータ伝送信頼性を保証することが難しいという問題を解決するための、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法、トリガフレームを伝送するための方法、及び装置を提供する。
【0008】
上記の目的を達成するために、以下の技術的解決策がこの出願において利用される。
【0009】
第1の態様によれば、アクセスポイント及びステーションに適用される、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法が提供される。この出願のこの実施形態において、アクセスポイントは、単に例として利用される。方法は、極高スループットマルチユーザ物理レイヤプロトコルデータユニットEHT MU PPDUを生成するステップであって、EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、EHT MU PPDUを送信するステップと、を含む。
【0010】
上記の技術的解決策では、複数のユーザのうちの1つ以上のRU複製伝送メカニズムが、LPIオペレーションモードにおいてAPのために追加されうる。これは、受信端のデータ信頼性を改善し、低電力シナリオにおける伝送電力制限に起因する低データ信頼性の問題を解決する。
【0011】
実装において、EHT MU PPDU内の共通フィールドは、少なくとも1つのリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、リソースユニット割り当てサブフィールドは、シーケンスに基づいて、PPDUに対応する周波数ドメインリソースを分割することによって得られる複数のリソースユニットを示す。
【0012】
EHT MU PPDUのリソースユニット割り当てサブフィールドは、PPDUに対応する周波数ドメインリソースの昇順に、複数のリソースユニットを示す。
【0013】
実装において、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含む。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応する。少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0014】
上記の可能な実装では、EHT MU PPDU内の複数のユーザフィールドの同じステーション識別子が、複数の対応するRUが複製伝送に利用されることを示す。これは、受信端及び送信端の両方について実装が容易である。さらに、EHT MU PPDUにおいて、リソースユニット割り当てサブフィールドが正確にパイロットサブキャリアの位置を反映し、それにより、サードパーティのステーションは、さらに、他のステーションに対応するRU内のパイロットサブキャリアを利用して中心周波数偏差又は位相偏差を推定して、データ受信性能を改善しうる。
【0015】
実装において、少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である。
【0016】
上記の可能な実装では、複製伝送のための複数のRUが、EHT MU PPDU内で連続又は不連続であることが許容される。ステーションが比較的APの近くにある場合、RU複製伝送を通じてステーションの受信性能を高める必要はない。この場合、複製伝送ではなく通常伝送が、ステーションのRUに利用されうる。この出願におけるEHT MU PPDUでは、複製伝送を利用するRU及び複製伝送を利用しないRUの両方が割り当てられてよく、構成方式はフレキシブルである。
【0017】
実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0018】
上記の可能な実装において、EHT MU PPDU内のMCSフィールドの値は、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示しうる。インジケーション方式はフレキシブルであり、データ伝送性能が改善される。
【0019】
実装において、EHT MU PPDUのユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0020】
上記の可能な実装において、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報がEHT MU PPDUに追加されうる。このことは、複製伝送のインジケーション方式のフレキシビリティを改善する。
【0021】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0022】
上記の可能な実装では、EHT MU PPDUにおいて示され、かつ複製伝送に利用されるリソースユニットの複製伝送の数量がフレキシブルに構成され、データ伝送の信頼性及びフレキシビリティを改善しうる。
【0023】
実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報がEHT MU PPDUのユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0024】
上記の可能な実装では、EHT MU PPDU内のMCSフィールドの値が、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。インジケーション方式がフレキシブルであり、実装が容易である。
【0025】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0026】
実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0027】
上記の可能な実装では、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示すために、第2の情報がEHT MU PPDUに追加されうる。このことは、複製伝送の数量のインジケーション方式のフレキシビリティを改善する。
【0028】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上で搬送される。
【0029】
上記の可能な実装では、EHT MU PPDU内の予約済フィールドが、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。インジケーション方式はフレキシブルであり、実装が容易である。
【0030】
実装において、リソースユニット割り当てサブフィールドは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0031】
第2の態様によれば、ターゲットステーションに適用される、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法が提供される。方法は、EHT MU PPDUを受信するステップであって、EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、EHT MU PPDUに基づいて、ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定し、複数のリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するステップと、を含む。
【0032】
実装において、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含む。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応する。少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0033】
実装において、少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である。
【0034】
実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0035】
実装において、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0036】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0037】
実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0038】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0039】
実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0040】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上で搬送される。
【0041】
実装において、リソースユニット割り当てサブフィールドは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0042】
第3の態様によれば、アクセスポイント及びステーションに適用される、トリガフレームを伝送するための方法が提供される。この出願のこの実施形態において、アクセスポイントは、単に例として利用される。方法は、トリガフレームを生成するステップであって、トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、トリガフレームを送信するステップとを含む。
【0043】
上記の技術的解決策では、マルチユーザ複製伝送モードを実装するために、トリガフレームが、少なくとも1つのステーションによって送信されるEHT TB PPDUに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。このことは、受信端の受信性能及びデータ伝送信頼性を改善する。
【0044】
実装において、方法は、EHT TB PPDUをステーションから受信するステップと、複製伝送に利用される少なくとも1つのリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するステップとをさらに含む。
【0045】
実装において、トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0046】
上記の可能な実装では、トリガフレームにおける複数のユーザ情報フィールド内の同じアソシエーション識別子又はステーション識別子は、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。このことは、受信端及び送信端について実装が容易である。
【0047】
実装において、少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0048】
上記の可能な実装では、トリガフレーム内のMCSフィールドの値が、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示しうる。インジケーション方式がフレキシブルであり、データ伝送性能が改善される。
【0049】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0050】
上記の可能な実装では、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報がトリガフレームに追加されうる。このことは、複製伝送のインジケーション方式のフレキシビリティを改善する。
【0051】
実装において、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0052】
上記の可能な実装では、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることは、トリガフレームにおいて示される。これは、ユーザ情報フィールド内のビットB25又はMCSフィールドの値を利用して示されうる。このことは、複製伝送のインジケーション方式のフレキシビリティを改善する。
【0053】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0054】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0055】
上記の可能な実装では、トリガフレームにおいて示される、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製伝送の数量がフレキシブルに構成されうる。このことは、データ伝送の信頼性及びフレキシビリティを改善する。
【0056】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0057】
上記の可能な実装では、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示すために、第2の情報がトリガフレームに追加されうる。このことは、複製伝送の数量のインジケーション方式のフレキシビリティを改善する。
【0058】
実装において、第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される。
【0059】
上記の可能な実装では、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、トリガフレーム内の空間ストリーム数NSSが、複製伝送の数量を示す。インジケーション方式はフレキシブルであり、実装が容易である。
【0060】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、トリガフレーム内の以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される。
【0061】
上記の可能な実装では、トリガフレーム内の予約済フィールドが、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。インジケーション方式はフレキシブルであり、実装が容易である。
【0062】
実装において、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0063】
上記の可能な実装では、トリガフレームにおけるリソースユニット割り当てサブフィールド及び/又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールドの特定のインデックスが、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。インジケーション方式はフレキシブルであり、実装が容易である。
【0064】
第4の態様によれば、ターゲットステーションに適用される、トリガフレームを伝送するための方法が提供される。方法は、トリガフレームを受信するステップであって、トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される、ステップと、トリガフレームに基づいて、ターゲットステーションに対応し、かつEHT TB PPDUを送信するために利用されるリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定するステップとを含む。
【0065】
実装において、方法は、複製伝送に利用されるリソースユニット上で、EHT TB PPDUをアクセスポイントに送信するステップをさらに含む。
【0066】
実装において、トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は、ターゲットステーションに対応するステーション識別子と同じであり、少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0067】
実装において、トリガフレームに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0068】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0069】
実装において、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0070】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0071】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0072】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0073】
実装において、第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される。
【0074】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、トリガフレーム内の以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される。
【0075】
実装において、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0076】
第5の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、処理モジュールと、トランシーバモジュールとを含む。処理モジュールは、極高スループットマルチユーザ物理レイヤプロトコルデータユニットEHT MU PPDUを生成することであって、EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される、ことを行い、EHT MU PPDUを送信するように構成される。
【0077】
実装において、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含む。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応する。少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0078】
実装において、少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である。
【0079】
実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0080】
実装において、EHT MU PPDUのユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0081】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0082】
実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報がEHT MU PPDUのユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0083】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0084】
実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0085】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上で搬送される。
【0086】
実装において、リソースユニット割り当てサブフィールドは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0087】
第6の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、処理モジュールと、トランシーバモジュールとを含む。トランシーバモジュールは、EHT MU PPDUを受信することであって、EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される、ことを行うように構成される。処理モジュールは、EHT MU PPDUに基づいて、ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定し、複数のリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するように構成される。
【0088】
実装において、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含む。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応する。少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0089】
実装において、少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である。
【0090】
実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0091】
実装において、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0092】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0093】
実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0094】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0095】
実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0096】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上で搬送される。
【0097】
実装において、リソースユニット割り当てサブフィールドは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0098】
第7の態様によれば、通信装置が提供される。装置は、処理モジュールと、トランシーバモジュールとを含む。処理モジュールは、トリガフレームを生成することであって、トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される、ことを行うように構成される。トランシーバモジュールは、トリガフレームを送信するように構成される。
【0099】
実装において、トランシーバモジュールは、EHT TB PPDUをステーションから受信するようにさらに構成され、処理モジュールは、複製伝送に利用される少なくとも1つのリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するようにさらに構成される。
【0100】
実装において、トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0101】
実装において、少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0102】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0103】
実装において、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0104】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0105】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0106】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0107】
実装において、第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される。
【0108】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、トリガフレーム内の以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される。
【0109】
実装において、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0110】
第8の態様によれば、通信装置が提供される。装置は、処理モジュールと、トランシーバモジュールとを含む。トランシーバモジュールは、トリガフレームを受信することであって、トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される、ことを行うように構成される。処理モジュールは、トリガフレームに基づいて、ターゲットステーションに対応し、かつEHT TB PPDUを送信するために利用されるリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定するように構成される。
【0111】
実装において、トランシーバモジュールは、複製伝送に利用されるリソースユニット上で、EHT TB PPDUをアクセスポイントに送信するようにさらに構成される。
【0112】
実装において、トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は、ターゲットステーションに対応するステーション識別子と同じであり、少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0113】
実装において、トリガフレームに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0114】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0115】
実装において、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0116】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0117】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0118】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0119】
実装において、第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される。
【0120】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、トリガフレーム内の以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される。
【0121】
実装において、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0122】
第9の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、プロセッサと、通信インターフェースとを含む。通信インターフェースは、通信装置の外部にあるモジュールと通信するように構成される。プロセッサは、コンピュータプログラム又は命令を実行して、第1の態様のいずれか1つによる方法を実施する、又は、第3の態様のいずれか1つによる方法を実施するように構成される。
【0123】
第10の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、プロセッサと、通信インターフェースとを含む。通信インターフェースは、通信装置の外部にあるモジュールと通信するように構成される。プロセッサは、コンピュータプログラム又は命令を実行して、第2の態様のいずれか1つによる方法を実施する、又は、第4の態様のいずれか1つによる方法を実施するように構成される。
【0124】
第11の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラム命令を含む。コンピュータプログラム命令が通信装置上で実行されるとき、通信装置は、第1の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる、又は、通信装置は、第3の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0125】
第12の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、第2の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる、又は、コンピュータは、第4の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0126】
第13の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品が通信装置上で実行されるとき、通信装置は、第1の態様又は第3の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0127】
第14の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品が通信装置上で実行されるとき、通信装置は、第2の態様又は第4の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0128】
第15の態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは、第5の態様による通信装置と、第6の態様による通信装置とを含む。
【0129】
第16の態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは、第7の態様による通信装置と、第8の態様による通信装置とを含む。
【0130】
上で提供された通信装置、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品、及び通信システムは、上で提供された対応する方法を利用して実装されうると理解されうる。従って、通信装置、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品、及び通信システムによって実現することができる有利な効果については、上で提供された対応する方法における有利な効果を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【
図1】この出願の実施形態による、EHT MU PPDUのフレーム構造の模式図である。
【
図2】この出願の実施形態による、EHT MU PPDUのフレーム構造の詳細な模式図である。
【
図3A】この出願の実施形態による、トリガフレームのフレーム構造の模式図である。
【
図3B】この出願の実施形態による、トリガフレームのフレーム構造の模式図である。
【
図4】この出願の実施形態による、EHT TB PPDUのフレーム構造の模式図である。
【
図5】この出願の実施形態による、WLAN通信システムのアーキテクチャの図である。
【
図6】この出願の実施形態による、通信装置の構成の模式図である。
【
図7】この出願の実施形態による、物理レイヤプロトコルデータユニットを伝送するための方法の模式図である。
【
図8】この出願の実施形態による、リソースユニット複製伝送に利用されるEHT MU PPDUのフレーム構造の模式図である。
【
図9】この出願の実施形態による、EHT MU PPDUのRU複製伝送の模式図である。
【
図10】この出願の実施形態による、トリガフレームを伝送する他の方法の模式図である。
【
図11A】この出願の実施形態による、リソースユニット複製伝送に利用されるトリガフレームのフレーム構造の模式図である。
【
図11B】この出願の実施形態による、リソースユニット複製伝送に利用されるトリガフレームのフレーム構造の模式図である。
【
図12】この出願の実施形態による、EHT TB PPDUのRU複製伝送の模式図である。
【
図13】この出願の実施形態による、通信装置の構造の模式図である。
【
図14】この出願の実施形態による、他の通信装置の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0132】
この出願の説明において、別途指定しない限り、「/」は、連携するオブジェクト間の「又は」の関係を示す。例えば、A/Bは、A又はBを示しうる。この出願において、「及び/又は」は、連携するオブジェクト間のアソシエーション関係のみを記述し、3つの関係が存在しうることを示す。例えば、A及び/又はBは、以下の3つのケース、即ち、Aのみが存在すること、A及びBの両方が存在すること、そして、Bのみが存在することを示しうるし、A及びBは、単数であってもよいし、複数であってもよい。加えて、この出願の説明において、別途指定しない限り、「複数の」は、2つ以上を意味する。「以下のアイテム(部分)のうちの少なくとも1つ」又はその類似表現は、これらのアイテムの任意の組み合わせを意味し、単数アイテム(部分)、又は複数アイテム(部分)の任意の組み合わせを含む。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つのアイテム(部分)は、a、b、c、aとb、aとc、bとc、又は、aとbとcを示しうるし、a、b、cは、単数であってもよいし、複数であってもよい。加えて、この出願の実施形態における技術的解決策について明確に説明するために、この出願の実施形態では、「第1の」及び「第2の」などの言葉が、基本的に同じ機能又は目的を有する同じアイテム又は類似のアイテムを区別するために利用される。当業者は、「第1の」及び「第2の」などの言葉は、数量又は実行順序を限定せず、「第1の」及び「第2の」などの言葉は、明確な違いを示さないことを理解しうる。
【0133】
この出願において、「例」又は「例えば」などの言葉は、例、例証、又は説明を与えることを表すために利用されることに留意すべきである。この出願において、「例」又は「例えば」として説明される任意の実施形態又は設計スキームは、他の実施形態又は設計スキームよりも、より好適である又はより多くの利点を有すると解釈されるべきではない。正確には、「例」又は「例えば」などの用語は、具体的な方式で関連概念を示すことを意図している。
【0134】
この出願の実施形態は、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network, WLAN)シナリオに適用可能でありうるし、IEEE802.11システム標準規格、例えば、802.11a/b/g標準規格、802.11n標準規格、802.11ac標準規格、802.11ax標準規格、又は、次世代標準規格、例えば、802.11be標準規格、又は、さらに次世代の標準規格に適用可能でありうる。代替的に、この出願の実施形態は、無線ローカルエリアネットワークシステム、例えば、モノのインターネット(internet of things, IoT)ネットワーク又はビークルトゥX(Vehicle to X, V2X)ネットワークに適用されうる。もちろん、この出願の実施形態は、さらに、他の可能な通信システム、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution, LTE)システム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex, FDD)システム、LTE時間分割複信(time division duplex, TDD)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(universal mobile telecommunication system, UMTS)、マイクロ波アクセス用ワールドワイドインターオペラビリティ(worldwide interoperability for microwave access, WiMAX)通信システム、及び将来の第5世代(5th generation, 5G)通信システムに適用可能である。
【0135】
理解を容易にするため、以下では、まず、この出願の実施形態における技術用語について簡単に説明する。
【0136】
WLANは、802.11a/b/gから始まり、802.11n、802.11ac、及び802.11axを経由して、議論下にある802.11beに至る。802.11ax標準規格は、高効率(High Efficient, HE)と称され、802.11be標準規格は、極高スループット(Extremely High Throughput, EHT)と称される。802.11be及びそれ以降の標準規格は、EHT+と称されることがある。
【0137】
802.11beにおいては、EHT MU PPDU及びEHT TB PPDUを含む、2つのEHT物理レイヤプロトコルデータユニット(physical protocol data unit, PPDU)フォーマットが定義されている。EHT MU PPDUは、シングルユーザ(ダウンリンク又はアップリンク)及びマルチユーザ(ダウンリンク)データ伝送をサポートしうる。EHT TB PPDUは、APによって送信されるトリガフレームのトリガに基づいて1つ以上のSTAによって送信されるEHT PPDUの他のフォーマットである。
【0138】
図1は、802.11beで利用されうるEHT MU PPDUの構造を示す。EHT MU PPDUは、3つの部分、即ち、レガシープリアンブル(legacy preamble, L-プリアンブル)、極高スループットプリアンブル(extremely high throughput preamble, EHT-プリアンブル)、及び物理レイヤコンバージェンスプロトコルサービスデータユニット(physical layer convergence protocol service data unit, PSDU)を含みうる。
【0139】
L-プリアンブル部分は、L-STFフィールド、L-LTFフィールド、及びL-SIGフィールドを含む。EHT-プリアンブル部分は、RL-SIGフィールド及びユニバーサルフィールド(universal SIG, U-SIG)と、極高スループット信号(EHT-SIG)フィールドと、極高スループットショートトレーニングフィールド(extremely high throughput short training field, EHT-STF)と、極高スループットロングトレーニングフィールド(extremely high throughput long training field, EHT-LTF)とを含む。PSDU部分は、データ(data)などのフィールドを含む。
【0140】
具体的に、EHT MU PPDU内のフィールドの意味については、以下の表1を参照されたい。
【0141】
【0142】
可能な実装において、
図2に示したように、EHT-SIGフィールドは、共通フィールド及びユーザ固有フィールドを含む。共通フィールドは、STAに割り当てられたリソース割り当て情報を搬送するために利用されうる。ユーザ固有フィールドは、ユーザ情報を搬送するために利用されうる。任意選択で、PPDUは、PEをさらに含みうる。
【0143】
具体的には、共通フィールドは、リソースユニット割り当てサブフィールド-1(RU割り当てサブフィールド-1)を含む。帯域幅が160MHz以上であるとき、共通フィールドは、リソースユニット割り当てサブフィールド-2をさらに含みうるし、チェックに利用される巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check, CRC)及び巡回デコーディングに利用されるテール(Tail)サブフィールドを含みうる。リソースユニット割り当てサブフィールド(リソースユニット割り当てサブフィールド-1及び/又はリソースユニット割り当てサブフィールド-2)は、PPDU帯域幅全体が分割される、事前決定されたリソースユニットの割り当てを示す。言い換えると、PPDU帯域幅のリソースユニットは、事前決定された位置及びサイズに基づいて分割され、リソースユニット割り当てサブフィールド(リソースユニット割り当てサブフィールド-1及び/又はリソースユニット割り当てサブフィールド-2)は、PPDU帯域幅におけるリソースユニットの割り当てを示す。
【0144】
EHT MU PPDUのシグナリングインジケーションについては、U-SIG内にPPDUタイプ及び圧縮モードフィールドがある。PPDUタイプ及び圧縮モードフィールドが1であるとき、それは、EHT MU PPDUがシングルユーザ伝送であることを示す。PPDUタイプ及び圧縮モードフィールドが0であるとき、それは、EHT MU PPDUがマルチユーザ伝送であることを示す。シングルユーザ伝送のためのEHT MU PPDUでは、EHT-SIGが1つのユーザフィールドのみを有する。マルチユーザ伝送のためのEHT MU PPDUでは、EHT-SIGが2~M個のユーザフィールドを含み、Mは、2以上の正の整数でありうる。
【0145】
リソースユニット割り当てサブフィールドにおいて示される複数のリソースユニットの割り当てシーケンスに対応する、マルチユーザ伝送のためのEHT MU PPDUでは、ユーザ固有フィールド(User Specific field)が、2~M個のユーザフィールド(User Fields)を含み、どのユーザ(即ち、ステーション)にリソースユニットが割り当てられるかを示す。
【0146】
各ユーザフィールドは、ターゲットステーション(即ち、ターゲットユーザ)を示すために、ターゲットユーザのアソシエーション識別子を含む。加えて、ユーザフィールドは、変調及びコーディングスキーム(Modulation and Coding Scheme, MCS)などのインジケーションフィールドをさらに含む。
【0147】
加えて、通常は、M個のユーザフィールドの2つ毎にグループが形成され、2つのユーザフィールド毎にCRC及びテールフィールドが続く。Mが奇数である場合、最終グループ内に1つのユーザフィールドが存在し、又は、Mが偶数である場合、最終グループ内に依然として2つのユーザフィールドが存在する。
【0148】
EHT-MU-PPDUは単なる例であると理解すべきである。標準規格の策定プロセス又は技術の発展プロセスにおいては、他の構造が存在しうる。このことは、この出願において限定されない。
【0149】
加えて、EHT TB PPDUは、APによって送信されるトリガフレームのトリガに基づいて、1つ以上のSTAによって送信されるEHT PPDUの他のフォーマットである。具体的なフォーマットについては以下で説明し、詳細については、ここでは説明されない。
【0150】
トリガフレーム(Trigger Frames):APは、トリガフレームを利用して、リソースユニット(resource unit, RU)を1つ以上のSTAに割り当てうる。
【0151】
802.11beにおけるマルチユーザ伝送は、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access, OFDMA)技術に基づいている。OFDMA技術の利用に伴い、伝送帯域幅は、一連の相互直交及び非複製サブキャリアセットに分割され、異なるサブキャリアセットは、多元接続を実装するために、異なるユーザに割り当てられうる。これらのサブキャリアは、異なる組み合わせに割り当てられる。そのような組み合わせは、リソースユニット(Resource Units, RUs)と称される。
【0152】
以下のもの、即ち、26トーンRU、52トーンRU、52+26トーンMRU、106トーンRU、106+26トーンMRU、242トーンRU、484トーンRU、484+242トーンMRU、996トーンRU、996+484トーンMRU、996+484+242トーンMRU、2×996トーンRU、2×996+484トーンMRU、3×996トーンMRU、3×996+484トーンMRU、及び4×996トーンRUなどは、アップリンク及びダウンリンクにおいて定義される異なるRU又はMRUである。
【0153】
トリガベースのマルチユーザアップリンク伝送に際し、APは、トリガフレームを利用して、1つ以上のSTAに割り当てられ、かつアップリンク伝送に利用されるリソースユニットを示しうる。これは、APが、トリガフレームを利用して、1つ以上のSTAのためにリソースユニットをスケジューリングしうることも意味する。
【0154】
具体的には、APが、トリガフレームを利用して、1つ以上のSTAのためにリソースユニットをスケジューリングするプロセスは、以下のステップを含みうる。
【0155】
ステップ1:APがトリガフレームを送信し、ここで、トリガフレームは、リソースユニット割り当て情報と、EHT TB PPDUを送信するために1つ以上のSTAによって利用される他のパラメータとを含む。
【0156】
トリガフレームの構造については、
図3A及び
図3Bを参照されたい。トリガフレームは、共通情報フィールドと、ユーザ情報リストフィールドとを含む。
【0157】
共通情報フィールドは、トリガフレームタイプサブフィールド、アップリンク長サブフィールド、アップリンク帯域幅サブフィールド、及び予約済サブフィールドなどを含み、1つ以上のSTAのスケジューリングに関する共通情報を搬送するために利用される。
【0158】
ユーザ情報リストフィールドは、1~M個のユーザ情報フィールド(簡潔に、ユーザ情報フィールドと称される)を含む。ユーザ情報フィールドは、特別なユーザ情報フィールドを含むことがあり、AID識別子は2007である。ユーザ情報フィールドは、複数のステーション(ユーザ)のリソースユニット割り当て、及び他の関連情報を示す。特別なユーザ情報フィールドに加え、各ユーザ情報フィールドは、アソシエーション識別子サブフィールド、リソースユニット割り当てサブフィールド、変調及びコーディングスキーム(Modulation and Coding Scheme, MCS)サブフィールド、開始空間ストリームサブフィールド、空間ストリーム数(Number of Spatial Streams, NSS)サブフィールド、及び予約済サブフィールドなどを含む。
【0159】
ステップ2:STAは、トリガフレームを受信し、トリガフレームから、ステーションのアソシエーション識別子に合うユーザ情報フィールドをパースし、次いで、ユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てサブフィールドによって示されるリソースユニット上でEHT TB PPDUを送信する。
【0160】
例えば、EHT TB PPDUのフレーム構造は、
図4に示され、レガシーショートトレーニングフィールドL-STF、レガシーロングトレーニングフィールドL-LTF、レガシー信号フィールドL-SIG、繰り返しレガシー信号フィールドRL-SIG、ユニバーサル信号フィールドU-SIG、極高スループットショートトレーニングフィールドEHT-STF、極高スループットロングトレーニングフィールドEHT-LTF、及びデータ(data)を含みうるし、任意選択で、パケット拡張PEをさらに含みうる。
【0161】
EHT TB PPDUは、EHT-SIGを含まない。STAのスケジューリング情報が、APによってSTAへと送信されるため、STAは、EHT TB PPDUにスケジューリング情報を含める必要がない。
【0162】
ステップ3:任意選択で、APは、STAによって送信されるEHT TB PPDUを受信し、肯定応答フレームをSTAに送信する。
【0163】
APは、EHT TB PPDUから、うまくデータをパースし、肯定応答フレームをSTAに送信する。
【0164】
以下では、簡潔に、この出願の実施形態の実装環境及び適用シナリオについて説明する。
【0165】
この出願は、この出願の実施形態が適用可能なWLAN通信システムを提供する。WLAN通信システムは、少なくとも1つの無線アクセスポイントAPと、APと連携する複数のステーション(stations, STAs)とを含む。この出願の実施形態におけるSTAは、端末と称されることもあり、STA及び端末は、互いに交換可能でありうることに留意すべきである。このことは、この出願において提供される方法の中で特に限定されない。
【0166】
例として、
図5は、この出願による、WLAN通信システムのアーキテクチャの図である。
図5は、WLAN通信システムが、少なくとも1つのAP、例えば、AP1及びAP2を含み、AP1がSTA1、STA2、及びSTA3と連携する例を示す。AP1は、連携STA及び/又は非連携STAに対して無線リソースをスケジューリングし、スケジューリングした無線リソース上でSTAに対してデータを伝送しうる。例えば、AP1は、STA1、STA2、及びSTA3などに対して無線リソースをスケジューリングし、スケジューリングした無線リソース上でSTA1、STA2、及びSTA3に対し、アップリンクデータ情報及び/又はダウンリンクデータ情報を含むデータを伝送しうる。
【0167】
加えて、この出願の実施形態は、APとSTAとの間の通信、例えば、APと、STA1、STA2、及びSTA3との間のマルチキャスト通信、及び、APと、STA4又はSTA5との間のユニキャスト通信に適用可能でありうる。代替的に、この出願の実施形態は、STA間の通信、例えば、STA4とSTA5との間の通信に適用可能でありうる。
【0168】
この出願の実施形態におけるSTAは、無線通信チップ、無線センサ、又は無線通信端末であってよい。例えば、STAは、ユーザ端末、ユーザ装置、アクセス装置、サブスクライバステーション、サブスクライバユニット、モバイルステーション、ユーザエージェント、又は、Wi-Fi通信機能をサポートするユーザデバイスであってよい。ユーザ端末は、様々なハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(internet of things, IoT)デバイス、又は無線通信機能を有するコンピューティングデバイス、又は、無線モデムに接続された他の処理デバイス、及び、様々な形態のユーザ機器(user equipment, UE)、モバイルステーション(mobile stations, MSs)、端末(terminals)、端末機器(terminal equipment)、ポータブル通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ポータブルコンピューティングデバイス、エンターテインメントデバイス、ゲームデバイス又はシステム、グローバルポジショニングシステムデバイス、又は、無線媒体を通じてネットワーク通信を実行するように構成された任意の他の適切なデバイスなどを含みうる。さらに、STAは、802.11be標準規格をサポートしうる。STAは、また、802.11ax、802.11ac、802.11n、802.11g、802.11b、及び802.11a、又は、次世代の802.11be標準規格などの複数のWLAN標準規格をサポートしうる。
【0169】
この出願の実施形態におけるAPは、無線通信ネットワーク内に配置されて、APと連携するSTAに対して無線通信機能を提供する装置であってよい。APは、主に、ホームに、ビルディング内に、及びパーク内に配置される。典型的なカバレッジ半径は、数十メートル~百数メートルである。もちろん、代替的に、APは、アウトドアに配置されることもある。APは、有線ネットワークと無線ネットワークとを接続するブリッジと等価である。APの主な機能は、様々な無線ネットワーククライアントを一緒に接続し、次いで、無線ネットワークをイーサネットに接続することである。具体的には、APは、Wi-Fiチップを持つ通信デバイス、例えば、基地局、ルータ、ゲートウェイ、リピータ、通信サーバ、スイッチ、又はブリッジであってよい。基地局は、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、又はリレー局などを含みうる。さらに、APは、802.11be標準規格をサポートしうる。APは、また、802.11ax、802.11ac、802.11n、802.11g、802.11b、及び802.11a、又は次世代の802.11be標準規格などのWLAN標準規格をサポートしうる。このことは、この出願において限定されない。
【0170】
いくつかの実施形態において、この出願におけるAP及びSTAは、まとめてWLANデバイスと称されることがある。具体的に実装において、WLANデバイスは、
図6に示した構成構造を利用してもよいし、
図6に示したコンポーネントを含んでもよい。
【0171】
図6は、この出願の実施形態による、WLANデバイス600の構成の模式図である。WLANデバイス600は、STA、又は、STA内のチップ又はチップシステム(又は、システムオンチップと称される)であってよい。代替的に、WLANデバイス600は、AP、又は、AP内のチップ又はチップシステム(又は、システムオンチップと称される)であってよい。この出願のこの実施形態において、チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと他のディスクリートデバイスとを含んでもよい。
【0172】
図6に示すように、WLANデバイス600は、プロセッサ601と、トランシーバ602と、通信ライン603とを含む。さらに、WLANデバイス600は、メモリ604をさらに含みうる。プロセッサ601、メモリ604、及びトランシーバ602は、通信ライン603を介して接続されうる。
【0173】
プロセッサ601は、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)、汎用プロセッサ、ネットワークプロセッサ(network processor, NP)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device, PLD)、又はそれらの任意の組み合わせである。代替的に、プロセッサ601は、処理機能を有する他の装置、例えば、回路、デバイス、又はソフトウェアモジュールであってよい。このことは限定されない。
【0174】
トランシーバ602は、他のデバイス又は他の通信ネットワークと通信するように構成される。他の通信ネットワークは、イーサネット、無線アクセスネットワーク(radio access network, RAN)、又はWLANなどであってよい。トランシーバ602は、モジュール、回路、トランシーバ、又は通信を実施することができる任意の装置であってよい。
【0175】
通信ライン603は、WLANデバイス600に含まれるコンポーネントの間で情報を伝送するように構成される。
【0176】
メモリ604は、命令を格納するように構成される。命令は、コンピュータプログラムであってよい。
【0177】
メモリ604は、リードオンリーメモリ(read-only memory, ROM)、又は、静的な情報及び/又は命令を格納することができる他のタイプの静的ストレージデバイスであってもよいし、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、又は、情報及び/又は命令を格納することができる他のタイプの動的ストレージデバイスであってもよいし、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(electrically erasable programmable read-only memory, EEPROM)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(compact disc read-only memory, CD-ROM)又は他のコンパクトディスクストレージ、光ディスクストレージ(コンパクトディスク、レーザディスク、ディスク、デジタルバーサタイルディスク、又はブルーレイディスクなどを含む)、又は、磁気ディスクストレージ媒体又は他の磁気ストレージデバイスなどであってもよい。このことは限定されない。
【0178】
メモリ604は、プロセッサ601から独立していてもよいし、プロセッサ601に統合されていてもよいことに留意すべきである。メモリ604は、命令、プログラムコード、又は一部のデータなどを格納するように構成されてもよい。メモリ604は、WLANデバイス600の内部に配置されてもよいし、WLANデバイス600の外部に配置されてもよい。このことは限定されない。プロセッサ601は、メモリ604に格納された命令を実行して、この出願の以下の実施形態において提供される方法を実施するように構成される。
【0179】
例において、プロセッサ601は、1つ以上のCPU、例えば、
図6のCPU0及びCPU1を含みううる。
【0180】
任意選択の実装において、WLANデバイス600は、複数のプロセッサを含む。例えば、
図6のプロセッサ601に加え、WLANデバイス600は、プロセッサ607をさらに含んでよい。
【0181】
任意選択の実装において、WLANデバイス600は、出力デバイス605及び入力デバイス606をさらに含む。例えば、入力デバイス606は、キーボード、マウス、マイクロフォン、又はジョイスティックなどである。出力デバイス605は、ディスプレイ、又はスピーカ(speaker)などである。
【0182】
図6に示した構成構造は、WLANデバイスについての限定を構成しないと理解されうる。
図6に示したコンポーネントに加え、WLANデバイスは、図に示したものより多く又は少ないコンポーネントを含んでもよいし、一部のコンポーネントが結合されてもよいし、異なるコンポーネントレイアウトが利用されてもよい。
【0183】
以下では、添付図を参照しながら、この出願の実施形態における技術的解決策について説明する。
【0184】
この出願におけるフィールドの長さは、説明のための単なる例であることに留意すべきである。この出願において、フィールドの長さは、この出願において提供される長さに限定されない。フィールドの長さは、この出願において提供される長さより長くてもよいし、短くてもよい。
【0185】
この出願の以下の実施形態において、装置間のメッセージの名称、パラメータの名称、又は情報の名称は単なる例であり、他の実施形態において他の名称であってよいことに留意すべきである。このことは、この出願において提供される方法において特に限定されない。
【0186】
この出願の実施形態において、アクセスポイント及び/又はSTAは、この出願の実施形態における一部又は全部のステップを実行しうると理解されうる。これらのステップ又はオペレーションは単なる例である。この出願の実施形態において、他のオペレーション又は様々なオペレーションの変形がさらに実行されうる。さらに、ステップは、この出願の実施形態に示されるものとは異なるシーケンスで実行されうるし、ことによると、この出願の実施形態におけるオペレーションの全てが実行される必要はない。
【0187】
図7は、この出願の実施形態による、リソースユニット複製伝送のためのインジケーション方法の模式的なフローチャートである。この出願のこの実施形態において提供される方法が、
図6に示した適用シナリオに適用される例が、以下で利用される。もちろん、この出願のこの実施形態は、他の可能な通信シナリオ又は通信システムにも適用されうる。
【0188】
この出願において、マルチユーザ伝送のためのEHT MU PPDUフォーマットが設計において改善され、RU複製伝送モードを実装するために、少なくとも1つのステーションに対応するリソースユニットが、複製伝送に利用されるEHT MU PPDUにおいて示される。このことは、受信端の受信性能及びデータ伝送信頼性を改善する。この出願の技術的解決策によれば、複数のステーションのうちの1つだけが複製伝送を利用するか、又は、複数のステーションのうちの少なくとも2つが複製伝送を利用する。
【0189】
この出願の実施形態における複製伝送は、二重伝送(duplicated transmission)と称されることもあると理解すべきである。
【0190】
具体的には、
図7に示すように、この出願において提供されるリソースユニット複製伝送のためのインジケーション方法は、以下のステップを含む。
【0191】
701:アクセスポイントは、EHT MU PPDUを生成し、ここで、EHT MU PPDUは、複数のステーションに対応し、ステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットが、複製伝送に利用される。
【0192】
EHT MU PPDU内のリソースユニット割り当てサブフィールドが、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示す、即ち、シーケンスに基づいて、EHT MU PPDUに対応する周波数ドメインリソースを分割することによって得られる複数のリソースユニットを示すことを、上記の説明から知得することができる。EHT MU PPDU帯域幅のリソースユニットは、事前決定された位置及びサイズに基づいて分割される。
【0193】
加えて、
図2に示すように、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含み、複数のリソースユニットの割り当てシーケンスは、ユーザ固有フィールド内の複数のユーザフィールドに対応する。言い換えると、1つのユーザフィールドは、1つのリソースユニットに対応する。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含む。
【0194】
この出願のこの実施形態において、EHT MU PPDU内の特定のインジケーション情報は、少なくとも1つのステーションに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0195】
実装において、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子が同じである。
【0196】
図8を参照すると、EHT MU PPDUのユーザ固有フィールドにおいて、第1のユーザフィールドに含まれるステーション識別子はAD1であり、さらに、第2のユーザフィールドに含まれるステーション識別子はAD1である。これは、EHT MU PPDU内のリソースユニット割り当てサブフィールドにおける第1のリソースユニット及び第2のリソースユニットが、ステーション識別子がAD1であるステーションによって、第1のリソースユニット及び第2のリソースユニット上で複製伝送を実行するために利用されることを示す。
【0197】
この出願のこの実施形態において、複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることは、同じデータビットが複数のリソースユニット上で伝送されることを意味する。具体的には、1つのデータビットが複製され、複数のリソースユニットに含まれるデータサブキャリア上で複数回伝送される。
【0198】
言い換えると、EHT-SIGにおいて、複数のRUに対応するユーザフィールド内のステーション識別子(例えば、アソシエーション識別子)は同じであり、複数のRUが同じSTAに割り当てられ、複製伝送が複数のRUに利用されることを示す。
【0199】
例えば、20MHz EHT MU PPDUは、52トーンRU、52トーンRU、26トーンRU、及び106トーンRUに割り当てられうる。最初の52トーンRUは、第1のユーザフィールドに対応し、2番目の52トーンRUは、第2のユーザフィールドに対応するなどである。この出願の実装解決策において、APは、最初の52トーンRU及び2番目の52トーンRUの両方を同じSTAに割り当てうる、具体的には、同じステーション識別子は、2つの52トーンRUにそれぞれ対応する2つのユーザフィールドにおいて示され、2つのRUが同じSTAに割り当てられ、複製伝送が2つの52トーンRU上のSTAのデータ又はデータビットに利用されることを示す。言い換えると、STAのデータ又はデータビットのコピーの一方が、一方の52トーンRU上で伝送され、データ又はデータビットのコピーの他方が、他方の52トーンRU上で伝送される。代替的に、2つの52トーンRU上で伝送される2つのコピーを得るために、STAのデータ又はデータビットが複製される。
【0200】
加えて、APは、第3のユーザフィールドに対応する26トーンRUと、第4のユーザフィールドに対応する106トーンRUをそれぞれ他の2つのユーザに割り当てうる。RU複製伝送は、2つのリソースユニット上で実行されなくてよい。
【0201】
さらに、デュアルキャリア変調(Dual Carrier Modulation, DCM)技術が、代替的に利用されうる。DCMは、同時に2つのサブキャリア上で1つのデータビットを繰り返し伝送することである、即ち、1つのデータビットが2つのサブキャリアに変調される。
【0202】
実装において、デュアルキャリア変調は、リソースユニットにおいて搬送されるデータビットに利用される。
【0203】
他の実装において、APは、デュアルキャリア変調が、対応するリソースユニットにおいて搬送されるデータビットに利用されることを、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のMCSフィールドの値を利用して示しうる。例えば、MCSフィールドの値が15である場合、それは、デュアルキャリア変調が、対応するリソースユニットに利用されることを示す。
【0204】
簡潔のために、この出願のこの実施形態において、デュアルキャリア変調が、リソースユニットにおいて搬送されるデータビットに利用されることは、デュアルキャリア変調がリソースユニットに利用されること、と簡潔に称される。
【0205】
具体的な実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ複製伝送に利用される少なくとも2つのリソースユニットについては、少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドのMCSフィールドの値が15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0206】
加えて、RU複製伝送については、複製伝送に利用される複数のリソースユニットに対応する複数のユーザフィールドにおいて、ユーザフィールドのうちの1つの空間ストリーム数NSSが1に設定されてよく、空間ストリーム数サブフィールドが0として示されてよく、又は、NSSが示されず、かつ予約済フィールドとして利用される。RU複製伝送に対応する複数のユーザフィールドにおいて、MCSサブフィールド、予約済サブフィールド、NSSサブフィールド、ビームフォーミングサブフィールド、及びエンコーディングサブフィールドなどの他のインジケーション情報は同じであってよい、即ち、対応する変調パラメータが同じである。代替的に、他のインジケーション情報は、複数のユーザフィールドのうちの1つにおいてのみ示されてよく、他のユーザフィールド内の他のインジケーション情報に対応するフィールドは、予約済フィールドとして利用される。このことは、この出願において特に限定されない。
【0207】
例えば、
図9は、EHT MU PPDUのRU複製伝送の模式図である。EHT MU PPDUの伝送帯域幅は、160MHzである。APは、帯域幅全体を484サブキャリアRU1、484サブキャリアRU2、242サブキャリアRU3、242サブキャリアRU4、及び484サブキャリアRU5に分割しうる。最初の2つのRU、即ち、484サブキャリアRU1及び484サブキャリアRU2上で、ユーザ1によって、RU複製伝送が利用され、デュアルキャリア変調が利用されることと、242サブキャリアRU3及び242サブキャリアRU4上で、ユーザ2によって、RU複製伝送が利用され、デュアルキャリア変調が利用されることと、484サブキャリアRU5上で、ユーザ3によって、普通の伝送(common transmission)、即ち、非複製伝送が実行されることとがEHT MU PPDUのRUにおいて示される。
【0208】
484サブキャリアは、468データサブキャリアと、16パイロットサブキャリアとを含む。データサブキャリアは、データ情報を搬送するために利用され、パイロットサブキャリアは、事前決定された値を伝送するために利用され、それにより、受信端は、周波数オフセット、及び位相ノイズなどを訂正する。
図9に示すように、同じデータが、2つの484トーンRUのそれぞれの468データサブキャリア上で伝送される。加えて、デュアルキャリア変調がデータビットに利用されうる、具体的には、234データビットのそれぞれが2つのサブキャリアに変調され、468データサブキャリアが占有される。従って、2つの484トーンRUのデータサブキャリア上で、1つのデータビットが周波数ドメインにおいて2回複製され、デュアルキャリア変調が2回繰り返される、即ち、1つのデータビットが複製され、4回伝送される。このようにして、受信端は、コンバインド受信(combined reception)を実行することができる。これは、4倍のデータ受信ゲインを提供する。
【0209】
実装において、複製伝送に利用される少なくとも2つのリソースユニットは、連続であってもよいし、不連続であってもよい。例えば、160MHzに含まれる484トーンRU(1)、484トーンRU(2)、242トーンRU、242トーンRU、及び484トーンRU(3)の中で、最初の484トーンRU(1)及び最後の484トーンRU(3)上で、ユーザ1によって、RU複製伝送が利用されることが、EHT MU PPDUのRUにおいて示されうる。普通の伝送、即ち、非複製伝送が、2番目の484トーンRU(2)上で、ユーザ2によって実行される。
【0210】
加えて、EHT MU PPDU内のEHT-SIGは、周波数ドメインにおける20MHzの単位で伝送される、具体的には、EHT MU PPDU内のL-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、U-SIG、及びEHT-SIGが、20MHzの単位で伝送される。例えば、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、U-SIG、及びEHT-SIGは、複製され、80MHz全体で4回伝送されてよく、4倍のデータ受信ゲイン(6dB)が提供され、また、EHT-SIGは、複製され、160MHz全体で8回伝送されてよく、8倍のデータ受信ゲインが提供される。
【0211】
これに基づき、EHT-SIG内の20MHzの帯域幅内で伝送されるコンテンツは、コンテンツチャネル(Content Channel, CC)を利用して表されうる。EHT MU PPDUの帯域幅が20MHzであるとき、EHT-SIGは1つのCCを有する。EHT MU PPDUの帯域幅が40MHzであるとき、EHT-SIGは、周波数の昇順でそれぞれCC1及びCC2である2つのCCを有する。2つのコンテンツチャネル内の信号フィールドのフォーマットは同じであるが、内容は異なりうる。EHT MU PPDUの帯域幅が80MHzであるとき、さらに2つのCCが存在し、合計で4つのチャネルが存在する。従って、リソースユニット割り当て情報は、概して、CC1、CC2、CC1、及びCC2の構造に基づいて、周波数の昇順で、4つのチャネル上で示される。EHT MU PPDUの帯域幅が160MHz以上であるとき、各80MHzに2つのコンテンツチャネルが存在する。異なる80MHzにおいて、EHT-SIGの内容は異なりうる。
【0212】
従って、RU複製伝送が利用される複数のRUについては、RU複製伝送が実行される各RUが、複製伝送を表すために利用されうる。例えば、2つの52トーンRUが、STAのデータビットを複製及び伝送するとき、STAのデータビットは、2回複製される。代替的に、複製伝送をカバーすることができる複数のRUのコンバインドラージRU(combined large RU)が、記述のために利用されてよい。この場合、コンバインドラージRUは、1つのユーザフィールドのみに対応する。例えば、106トーンRUの複製伝送は、2つの52トーンRUの複製伝送を示し、具体的には、106トーンRUに対応するSTAのデータビットは、複製され、2つの52トーンRU上で2回伝送される。例えば、52トーンRUが複製されて4回伝送されることをAPが示す場合、APは、EHT MU PPDUを利用して、4つの52トーンRUが複製伝送に利用されることを示し、52トーンRUで搬送されるデータビットを複製して、4回伝送のための4つの52トーンRUにしうる、又は、APは、複数のRUのコンバインドラージRU、例えば、242トーンRUが複製伝送に利用されることを示し、52トーンRUで4回搬送されるデータビットを複製し、伝送のための242トーンRUにしうる。具体的なインジケーション方式については、以下で説明する。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0213】
例えば、RU複製の倍数は、ユーザフィールド内のステーション識別子が、特定の80MHzにおけるCC1及びCC2上で繰り返される回数に等しい。PPDUの帯域幅が20MHzを超過するときにのみCC2が存在することに留意すべきである。
【0214】
加えて、複製伝送において、異なるRUは、以下の方法、即ち、異なるインターリーバ、異なるエンコードパンクチャモード、又は、異なるサブキャリアマッピング調整オーダのうちの1つ以上をさらに利用し、ダイバーシティを増加させ、データ伝送信頼性を改善し、ピーク対平均電力比(Peak to Average Power Ratio, PAPR)を低減しうる。
【0215】
702:アクセスポイントは、EHT MU PPDUを送信する。
【0216】
703:ターゲットステーションは、EHT MU PPDUを受信する。
【0217】
704:ターゲットステーションは、EHT MU PPDUに基づいて、ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定し、複数のリソースユニットで搬送される情報に対するコンバインドデコーディングを実行する。
【0218】
ターゲットステーションは、EHT MU PPDU内の、複製伝送のためのインジケーションに基づいて、ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定しうるし、それにより、コンバインドデコーディングが、複数のリソースユニットで搬送される情報に対して実行される、即ち、結合オペレーションが、同じデータビットを搬送する異なるサブキャリア上で実行され、データ受信信頼性を改善する。
【0219】
ステップ701における実装に基づいて、ターゲットステーションは、ターゲットステーションのものであり、かつEHT MU PPDU内のユーザフィールドに含まれるステーション識別子の数量に基づいて、ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定し、それにより、複数のユーザフィールドに対応する複数のリソースユニットで搬送されるデータ上でコンバインドデコーディングが実行されうる。
【0220】
この出願の上記の実装によれば、複数のユーザのうちの1つ以上のRU複製伝送メカニズムが、OFDMA伝送シナリオにおけるAPに追加されうる。これは、受信端のデータ信頼性を改善し、低電力シナリオにおける伝送電力制限に起因する低データ信頼性の問題を補償する。
【0221】
加えて、EHT MU PPDU内の複数のユーザフィールドが同じであり、複数の対応するRUが複製伝送に利用されることを示す。これは、受信端及び送信端について実装を容易にする。さらに、EHT MU PPDUにおいて、リソースユニット割り当てサブフィールドがパイロットサブキャリアの位置を正確に反映し、それにより、サードパーティのステーションは、さらに、他のステーションに対応するRU内のパイロットサブキャリアを利用して中心周波数偏差又は位相偏差を推定して、データ受信性能を改善しうる。この出願の技術的解決策において、複製伝送のための複数のRUは、さらに、連続であるか、又は不連続であることが許容される。加えて、ステーションが比較的APの近くにある場合、RU複製伝送を通じてステーションの受信性能を高める必要はない。この場合、複製伝送ではなく通常伝送が、ステーションのRUに利用されうる。この出願におけるEHT MU PPDUでは、複製伝送を利用するRU及び複製伝送を利用しないRUの両方が割り当てられてよく、構成方式はフレキシブルである。
【0222】
加えて、ステップ701において、アクセスポイントは、EHT MU PPDUにおいて、少なくとも1つのステーションに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。ユーザフィールド内の同じステーション識別子を利用することによるRU複製伝送のためのインジケーションに加え、この出願は、さらに、他のインジケーション方式を提供する。
【0223】
実装において、EHT MU PPDUのユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0224】
具体的には、RU複製伝送について、APは、EHT MU PPDUのリソースユニット割り当てサブフィールド、即ち、RU割り当てサブフィールド-1及び/又はRU割り当てサブフィールド-2におけるRU又はMRUを示しうる。加えて、インジケーションが、リソースユニットに対応するユーザフィールドにおいて提供され、リソースユニットの伝送モードが、RU/MRUを利用して実行される通常伝送であるか、又は、複数のRUを利用して実行される複製伝送であるかを示す。
【0225】
この場合、複製伝送を利用するRUは、複数の複製RUをカバーする結合されたRUとして示されうる。具体的には、以下の表2が、事前設定されたルールとして利用されうる。
【0226】
【0227】
リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されてよい。代替的に、APは、APがEHT MU PPDUを送信する前に、事前にSTAとネゴシエーションして、リソースユニットの複製伝送の数量を決定しうる。代替的に、複製伝送の数量は、ユーザフィールドにおいてフレキシブルに示されうる。
【0228】
例えば、996トーンRUは、リソースユニット割り当てサブフィールドにおいて示される。リソースユニットの複製伝送の数量が2である場合、それは、複製伝送が2つの484トーンRU上で実行されることを示し、リソースユニットの複製伝送の数量が4である場合、それは、複製伝送が4つの242トーンRU上で実行されることを示し、又は、リソースユニットの複製伝送の数量が8である場合、それは、複製伝送が8つの106トーンRU上で実行されることを示す。
【0229】
具体的な実装において、例えば、複製伝送の事前設定された数量が2であり、STAのデータ又はデータビットが、EHT MU PPDUにおいて示され、複製されて、996トーンRU上で伝送される。具体的には、STAのデータ又はデータビットのコピーの一方が、一方の484トーンRU上で伝送され、STAのデータ又はデータビットのコピーの他方が、他方の484トーンRU上で伝送される。代替的に、STAのデータ又はデータビットは、伝送のための996トーンRUのデータサブキャリアに割り当てられる2つのコピーを得るために複製されうる。例えば、データビットのコピーの一方は、996トーンRUに含まれる偶数番号のサブキャリア上で伝送され、データビットのコピーの他方は、奇数番号のサブキャリア上で伝送される。
【0230】
この出願の上記の実装において、複製伝送を利用するRUが、複数のRUをカバーする1つの結合されたRUとして示され、それにより、各ステーションは、1つのユーザフィールドのみに対応する。これは、EHT MU PPDU内のユーザフィールドのシグナリングオーバーヘッドを低減し、システム効率を改善する。加えて、複製伝送の回数は、プロトコルに従って、事前ネゴシエーションを通じて、又は、EHT MU PPDUのユーザフィールド内で、正確に示されうるし、それにより、受信端は、全てのステーション識別子のユーザフィールドを同時に正しく読み出す必要がなく、データ伝送信頼性がより高くなる。
【0231】
実装において、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のMCSフィールドの値は14であり、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示しており、他のMCSは、非RU複製伝送に利用される。
【0232】
実装において、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のビットB15は、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。言い換えると、第1の情報は、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のビットB15、即ち、予約済ビットにおいて搬送されうる。
【0233】
他の実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含みうる。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0234】
具体的には、EHT MU PPDU内のユーザフィールドのMCSフィールド(4ビット)は、予約済ビット(1ビット)と結合されて拡張MCSを形成しうる。拡張MCSの値は、16~31のうちのいずれか1つ以上であり、RU複製伝送を示している。拡張MCSの値が異なることは、複製回数の数量が異なることを示しうる。例えば、拡張MCSの値が16である場合、それは、複製伝送が2回実行されることを示し、拡張MCSの値が17である場合、それは、複製伝送が3回実行されることを示す。
【0235】
加えて、RU複製伝送について、NSSサブフィールドの値は通常1であり、具体的には、空間ストリーム数が1である。この場合、実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されるとき、NSSサブフィールドは、予約済フィールドとして利用されてよく、示されない。代替的に、NSSサブフィールドは、複製伝送の数量を示しうる。
【0236】
実装において、第1の情報及び/又は第2の情報は、代替的に、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、U-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、EHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上において搬送されうる。
【0237】
上記のビットは、データビット、即ち、エンコーディング前のビットであることに留意すべきである。
【0238】
具体的には、EHT MU PPDUにおけるU-SIG及び/又はEHT-SIG内の(サブ)フィールドの、予約済又は未使用ビット、又は、予約済又は未使用状態(エントリ)は、2つのカテゴリ、即ち、無視(Disregard)ビット及び検証(Validate)ビットに分けられる。
【0239】
802.11be標準規格において指定されるように、EHT基本特徴を実装するステーションが、PPDU内の検証ビットが、標準規格において指定されるデフォルト(又は、既定)値に設定されていないこと、又は、一部のサブフィールドの値が検証状態に設定されていることを発見する場合、ステーションは、PPDUの持続時間の間、待機する必要があり、バージョンに依存しない関連情報をメディアアクセス制御(Medium access Control, MAC)レイヤに伝送し、共存を保証し、PPDUの受信を終了する。無視ビット又は無視状態に設定されるサブフィールドについて、EHTステーションが、PPDU内の検証ビットが、標準規格において指定されるデフォルト(又は、既定)値に設定されていないこと、又は、一部のサブフィールドの値が検証状態に設定されていることを発見しない場合、ステーションは、無視ビットを無視するか、又は、無視状態に設定されているサブフィールドを無視し、他のフィールドの読み出しを続ける。
【0240】
例えば、U-SIGフィールドの1番目のシンボルは、5つの無視ビットと、3つの検証ビットとを含み、EHT-SIGフィールドのU-SIGオーバーフロー部分は、4つの無視ビットを含む。検証ビットのいずれか1つが、後続の標準規格において新たな機能に割り当てられ、その値が非デフォルト値0に設定されるとき、現在のデバイス(市場に投入された古いデバイス)は、PPDUの持続時間の間、待機(defer for the duration of the PPDU)することがあり、バージョンに依存しない関連情報をMAC(Medium access Control, メディアアクセス制御)レイヤに伝送して、共存を保証し、PPDUの受信を終了する。しかし、任意の無視ビットが、後続の標準規格において新たな機能に割り当てられるとき、設定される値にかかわらず、PPDU内の非デフォルト検証ビット又は検証状態が存在しない場合、現在のデバイスは、そのビット又はサブフィールドを無視し、他のフィールドを受信し続ける。
【0241】
対応するビットは、以下の表3に示されている。
【0242】
【0243】
具体的には、表3内の少なくとも1つのビットは、複製伝送の数量を示しうる。複製伝送の数量1は、複製伝送が利用されないことを示しうる。代替的に、表3内の1つのビットがRU複製伝送が利用されることを示してよく、その上、少なくとも1つのビットが複製伝送の数量を示す。
【0244】
複製伝送の数量は、1つのEHT MU PPDUにおいて示され、具体的には、それは、EHT MU PPDUにおいて複製伝送を利用する全てのステーションに対応する複製伝送の数量が同じであることを示し、EHT MU PPDUが、複製伝送を利用しないリソースユニットをさらに含みうることに留意すべきである。代替的に、それは、全てのステーションが、同じ数量のRU複製伝送を利用しうることを示しうる。
【0245】
上記の実装において、RU複製伝送は、EHT MU PPDU内の共通sフィールドにおいてフレキシブルに示されてよく、ユーザ固有フィールドに何ら変更を加える必要がない。これは、マルチユーザPPDUデータ伝送の信頼性を効果的に改善しうる。インジケーション方式はフレキシブルかつ多様であり、実装が容易である。
【0246】
他の実装において、EHT MU PPDU内のリソースユニット割り当てサブフィールドの特定のインデックスは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。
【0247】
具体的には、RU割り当てサブフィールド-1及びRU割り当てサブフィールド-2は、9ビットのインデックスを利用して、様々な異なるRUの組み合わせを示し、様々な異なるRU複製伝送の組み合わせは、リソースユニット割り当てサブフィールドのインデックス304~511(10進数に変換)の一部又は全部を利用して示されうる。
【0248】
例えば、リソースユニット割り当てサブフィールドのインデックスが305であるとき、それは、EHT MU PPDUが、4×26トーンRU複製伝送、具体的には、26トーンRUが複製されて4回伝送されること、空の26トーンRU及び他の4×26トーンRU複製伝送を含むことを示しうる。リソースユニット割り当てサブフィールドのインデックスが312であるとき、それは、4×242トーンRU複製伝送、具体的には、242トーンRUが複製されて4回伝送されることを示しうる。
【0249】
B8~B0の9ビットインデックスにおいて、降順にビットB2~B0は、0~7を示すことに留意すべきである。これは、対応するEHT-SIGコンテンツチャネル内に、1~8個のユーザフィールドが存在することを示す。従って、インデックスが選択されるとき、選択されたインデックスのB2~B0は、後続の対応するコンテンツチャネル内に存在するユーザフィールドの数量に対応する必要がある。例えば、305のB2~B0は1であり、2つのユーザフィールドに対応する。これは、RUの組み合わせ内に、複製伝送に利用される2つのRUが存在するケースに対応し、各RUは、1つのユーザフィールドに対応する。312のB2~B0は0であり、1つのユーザフィールドに対応する。これは、RUの組み合わせが、複製伝送に利用される1つのRUを含むケースに対応し、RUは、1つのユーザフィールドに対応する。
【0250】
【0251】
上記の実装において、EHT MU PPDUのリソースユニット割り当てサブフィールドの特定のインデックスは、RU複製伝送を示してよく、ユーザ固有フィールドを修正する必要がない。これは、EHT MU PPDUのデータ伝送信頼性を効果的に改善しうる。インジケーション方式はフレキシブルかつ多様であり、実装が容易である。
【0252】
トリガフレーム及びEHT TB PPDUの上記の説明に基づき、この出願において、トリガフレームのフォーマットが設計において改善され、少なくとも1つのステーションによって送信されるEHT TB PPDUに対応するリソースユニットがトリガフレームにおいて示され、複製伝送に利用され、マルチユーザ複製伝送モードを実装する。これは、受信端の受信性能、及びデータ伝送信頼性を改善する。
【0253】
この出願は、トリガフレームを伝送するための方法をさらに提供する。
図10に示すように、方法は、以下のステップを含みうる。
【0254】
1001:アクセスポイントは、トリガフレームを生成し、ここで、トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上でEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される。
【0255】
図3A及び
図3Bを参照すると、トリガフレームの上記のフレーム構造から、トリガフレームは、共通情報フィールドと、ユーザ情報リストフィールドとを含み、ユーザ情報リストフィールドは、複数のユーザ情報フィールドを含むことを知得することができる。1つのユーザ情報フィールドは、アソシエーション識別子又はステーション識別子と、リソースユニット割り当てサブフィールドとを含む。リソースユニット割り当てサブフィールドは、ステーションに割り当てられ、かつEHT TB PPDUを送信するために利用されるリソースユニットを示す。
【0256】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドのうちの少なくとも2つに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は同じであり、それら少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0257】
この出願のこの実施形態において、複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることは、同じデータビットが複数のリソースユニット上で伝送されることを意味する。具体的には、1つのデータビットが、複製されて、複数のリソースユニットに含まれるデータサブキャリア上で複数回伝送される。
【0258】
さらに、実装において、複製伝送に利用される少なくとも2つのユーザ情報フィールドでは、少なくとも1つのユーザフィールド内のMCSフィールドの値が、対応するリソースユニットで搬送されるデータビットにデュアルキャリア変調が利用されることを示しうる。例えば、MCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0259】
例えば、
図11A及び
図11Bを参照すると、ユーザ情報2フィールド内のステーション識別子がID2であり、かつユーザ情報3フィールド内のステーション識別子もID2である場合、それは、ユーザ情報2フィールド及びユーザ情報3フィールドに対応する2つのリソースユニットが同じステーションに割り当てられ、そのステーションのデータ又はデータビットを複製して伝送することを示す。さらに、ユーザ情報2フィールド及びユーザ情報3フィールドのいずれかにおけるMCSフィールドの値が15である場合、それは、デュアルキャリア変調が、ユーザ情報2フィールド及びユーザ情報3フィールド内のステーションID2によって示される2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0260】
1002:アクセスポイントは、トリガフレームを送信する。
【0261】
アクセスポイントは、トリガフレームを1つ以上のステーションに送信する。
【0262】
1003:ターゲットステーションは、トリガフレームを受信し、トリガフレームによって示され、かつ複製伝送に利用されるリソースユニット上でEHT TB PPDUを送信する。
【0263】
トリガフレームを受信した後、ターゲットステーションは、トリガフレームによって示され、かつターゲットステーションのものであるリソースユニット割り当てに基づいて、APによってターゲットステーションに割り当てられたリソースユニットが、複製伝送に利用されるリソースユニットであることを決定する。ターゲットステーションは、EHT TB PPDUを複製して、割り当てられたリソースユニット上で伝送しうる。
【0264】
1001におけるRU複製伝送のインジケーション方式に基づき、トリガフレームを受信した後、ターゲットステーションは、トリガフレーム内の少なくとも2つのユーザ情報フィールドにおけるアソシエーション識別子又はステーション識別子がターゲットステーションの識別子であり、EHT TB PPDUを複製して伝送するために、少なくとも2つのユーザ情報フィールドにおけるリソースユニットがターゲットステーションによって利用される、ことをクエリする。
【0265】
加えて、ターゲットステーションがEHT TB PPDUを送信するとき、EHT TB PPDU内のRUがRU複製伝送モードを利用する場合、データ(又は、全ての)サブキャリアが複製伝送に利用されてよく、デュアルキャリア変調が利用される。加えて、複製伝送において、異なるRUは、以下の方法、即ち、異なるインターリーバ、異なるエンコードパンクチャモード、又は、異なるサブキャリアマッピング調整オーダのうちの1つ以上をさらに利用してよく、ダイバーシティを増加させ、データ伝送信頼性を改善し、PAPRを低減する。
【0266】
例えば、EHT TB PPDUの複製伝送の模式図が
図12に示されており、EHT TB PPDUの伝送帯域幅は160MHzである。APは、帯域幅全体を484サブキャリアRU1、484サブキャリアRU2、242サブキャリアRU3、242サブキャリアRU4、及び484サブキャリアRU5に分割しうる。ユーザ1によって、最初の2つのRU、即ち、484サブキャリアRU1及び484サブキャリアRU2上でのRU複製伝送が利用され、デュアルキャリア変調が利用されることと、ユーザ2によって、242サブキャリアRU3及び242サブキャリアRU4上でのRU複製伝送が利用され、デュアルキャリア変調が利用されることと、ユーザ3によって、484サブキャリアRU5上で普通の伝送、即ち、非複製伝送が実行されることとが、EHT TB PPDUにおいて示される。
【0267】
1004:アクセスポイントは、ターゲットステーションからEHT TB PPDUを受信し、複製伝送に利用される少なくとも1つのリソースユニットで搬送される情報に対するコンバインドデコーディングを実行する。
【0268】
ターゲットステーションからEHT TB PPDUを受信した後、アクセスポイントは、EHT TB PPDUにおいて、複製伝送に利用されるリソースユニットで搬送される情報に対するコンバインドデコーディングを実行しうる。これは、アクセスポイントのデータ受信信頼性を改善し、伝送性能を改善する。
【0269】
それに対応して、アクセスポイントがEHT TB PPDUを受信した後、EHT TB PPDU内のRUがRU複製伝送モードを利用する場合、アクセスポイントは、同じデータビットを搬送し、かつ異なるRUに含まれるサブキャリアについてのコンバインドデコーディングを実行し、データ受信信頼性を改善しうる。それに対応して、以下のオペレーション、即ち、異なるデインターリーバ、デコードパンクチャモード、及び異なるサブキャリアデマッピングオーダのうちの1つ以上が異なるRUに利用されうる。
【0270】
加えて、ステップ1001において、少なくとも1つのステーションに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることがトリガフレームにおいて示される。ユーザ情報フィールドにおいて同じステーション識別子又はアソシエーション識別子を利用することによるRU複製伝送のためのインジケーションに加え、この出願は、他のインジケーション方式をさらに提供する。
【0271】
実装において、トリガフレーム内のユーザ情報フィールドにおけるMCSフィールドの値は、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。例えば、MCSフィールドの値が14であり、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示し、MCSフィールドの他の値は非RU複製伝送を示す。
【0272】
具体的には、インジケーションは、ユーザ情報フィールドにおいて提供され、リソースユニットの伝送モードがRU/MRUを利用して実行される通常伝送であるか、又は、複数のRUを利用して実行される複製伝送であるかを示す。この場合、上記の表2を参照されたい。複製伝送を利用するRUは、複数の複製RUをカバーする1つの結合されたRUとして示される。
【0273】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含みうる。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0274】
具体的には、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のビットB25は、対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示しうる。言い換えると、
図11A及び
図11Bに示すように、第1の情報は、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のビットB25、即ち、予約済ビットで搬送されうる。
【0275】
代替的に、ユーザフィールドのMCSフィールド(4ビット)は、予約済ビット(1ビット)に結合されて拡張MCSを形成する。拡張MCSの値は、16~31のいずれか1つ以上であり、RU複製伝送を示す。拡張MCSの異なる値は、異なる複製回数を示しうる。例えば、拡張MCSの値が16である場合、それは、複製伝送が2回実行されることを示し、拡張MCSの値が17である場合、それは、複製伝送が3回実行されることを示す。
【0276】
リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されうる。代替的に、APは、APがトリガフレームを送信する前に、事前にSTAとネゴシエーションして、リソースユニットの複製伝送の数量を決定しうる。代替的に、複製伝送の数量は、ユーザ情報フィールドにおいてフレキシブルに示されうる。
【0277】
この出願の上記の実装において、複製伝送を利用するRUが、複数の複製RUをカバーする1つの結合されたRUとして示され、それにより、各ステーションは、1つのユーザフィールドのみに対応する。これは、トリガフレーム内のユーザ情報フィールドのシグナリングオーバーヘッドを低減し、システム効率を改善する。加えて、複製伝送の数量は、プロトコルに従って、事前ネゴシエーションを通じて、又は、トリガフレームのユーザフィールド内で、正確に示されうるし、それにより、受信端は、全てのステーション識別子のユーザ情報フィールドを同時に正しく読み出す必要がなく、データ伝送信頼性がより高くなる。
【0278】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含みうる。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0279】
具体的には、第2の情報は、ユーザ情報フィールドにおける開始空間ストリームにおいて搬送されうる。代替的に、第2の情報は、ユーザ情報フィールドにおける空間ストリーム数NSSの一部又は全部のビットで搬送されうる。代替的に、第2の情報は、ユーザ情報フィールドにおける開始空間ストリーム及びNSSの一部又は全部のビットで搬送されうる。
【0280】
加えて、第1の情報及び/又は第2の情報は、例えば、以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上を利用して示される、トリガフレーム内の予約済ビットでさらに搬送されうる。
【0281】
図11A及び
図11Bを参照すると、B25~B36は、特別なユーザ情報リストフィールド内の無視及び検証ビットであり、B37~B39は、特別なユーザ情報リストフィールド内の予約済フィールドの予約済ビットであり、また、B56~B62は、共通情報フィールド内のアップリンクHE-SIG-A2予約済フィールドの最後の7ビットであり、B63は、共通情報フィールド内の予約済フィールドの予約済ビットである。
【0282】
具体的には、上記のビットのうちの少なくとも1つは、複製伝送の数量を示しうる。複製伝送の数量1は、複製伝送が利用されないことを示しうる。代替的に、上記のビットの1つは、RU複製伝送が利用されることを示してよく、その上、少なくとも1つのビットは、複製伝送の数量を示す。
【0283】
加えて、実装において、トリガフレーム内のユーザ情報フィールドにおけるリソースユニット割り当てフィールド、又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド、又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0284】
言い換えると、トリガフレーム内のユーザ情報フィールドのリソースユニット割り当てサブフィールドに対応するインデックス、又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールドに対応するインデックス、又は、リソースユニット割り当てサブフィールドとPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールドとの組み合わせを利用してジョイントインジケーションが実行されうる。リソースユニット割り当てテーブルインデックスにおける予約済エントリは、特定のリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0285】
上記の実装において、RU複製伝送は、トリガフレームの共通情報フィールドにおいてフレキシブルに示されてもよいし、RU複製伝送は、トリガフレームのユーザ情報フィールドにおいてフレキシブルにに示されてもよい。これは、マルチユーザEHT TB PPDUデータ伝送の信頼性を効果的に改善することができる。インジケーション方式はフレキシブルかつ多様であり、実装が容易である。
【0286】
トリガフレームにおけるリソースユニット割り当ては、ユーザ情報フィールドにおいて示される。例えば、RU複製伝送は、トリガフレームの共通情報フィールドにおいて示され、それにより、複数のステーションのRU複製伝送は、トリガフレームにおいて示されうる。具体的には、複製伝送を利用する全てのステーションに対応する複製伝送の数量は同じである。例えば、RU複製伝送がトリガフレームのユーザ情報フィールドにおいて示される場合、別々の複製伝送インジケーションが各ステーションについて実施されうる、例えば、複製伝送を実行するかどうかのインジケーション及び複製伝送の数量のインジケーションが含まれる。
【0287】
この出願の実施形態において、同じステップ、又は、同じ機能を有するステップ又はメッセージは、異なる実施形態において相互に参照されうることが理解されうる。
【0288】
この出願の実施形態において、別途指定されない限り又は論理矛盾がない限り、異なる実施形態における用語及び/又は説明は無矛盾であり、相互に参照されうるし、異なる実施形態における技術的特徴は、それらの内部論理関係に基づいて結合されて新たな実施形態を形成しうる。
【0289】
上記の実施形態において、アクセスポイントによって実施される方法及び/又はステップは、アクセスポイントに利用することができるコンポーネント(例えば、チップ又は回路)によっても実施されうるし、ターゲットステーションによって実施される方法及び/又はステップは、ターゲットステーションに利用することができるコンポーネント(例えば、チップ又は回路)によっても実施されうることが理解されうる。
【0290】
これまでは、主に、デバイス間のインタラクションの観点から、この出願において提供される解決策について説明している。それに対応して、この出願は、通信装置をさらに提供し、通信装置は、上記の方法を実施するように構成される。通信装置は、上記の方法実施形態におけるアクセスポイント、上記のアクセスポイントを含む装置、又は、アクセスポイントに利用することができるコンポーネントであってよい。代替的に、通信装置は、上記の方法実施形態におけるターゲットステーション、上記のターゲットステーションを含む装置、又は、ターゲットステーションに利用することができるコンポーネントであってよい。
【0291】
上記の機能を実装するために、通信装置は、各機能を実行するための、対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含むと理解されうる。当業者は、この明細書において開示される実施形態において説明される例におけるユニット及びアルゴリズムステップを参照して、この出願は、ハードウェア、又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせによって実装することができることに容易に気付くべきである。機能がハードウェアによって実行されるか、コンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的解決策についての特有のアプリケーション及び設計制約に依存する。当業者は、異なる方法を利用して、各特有のアプリケーションのために、説明された機能を実装しうるが、その実装がこの出願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
【0292】
この出願の実施形態において、通信装置は、上記の方法実施形態に基づいて機能モジュールに分割されうる。例えば、各機能モジュールは、各対応する機能に基づく分割を通じて得られるか、又は、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されうる。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。この出願の実施形態において、モジュールへの分割は、例であり、単なる論理機能分割であり、実際の実装においては他の分割であってよいことに留意すべきである。
【0293】
実装シナリオでは、通信装置が上記の方法実施形態におけるアクセスポイントであることが例として利用される。
図13は、通信装置1300の構造の模式図である。アクセスポイント13は、処理モジュール1301と、トランシーバモジュール1302とを含む。
【0294】
処理モジュール1301は、極高スループットマルチユーザ物理レイヤプロトコルデータユニットEHT MU PPDUを生成するように構成される。EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される。
【0295】
トランシーバモジュール1302は、EHT MU PPDUを送信するように構成される。
【0296】
実装において、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含む。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応する。少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0297】
実装において、少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である。
【0298】
実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0299】
実装において、EHT MU PPDUのユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0300】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0301】
実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報がEHT MU PPDUのユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、EHT MU PPDUのユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0302】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0303】
実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0304】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上で搬送される。
【0305】
実装において、リソースユニット割り当てサブフィールドは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0306】
上記の方法実施形態におけるステップの全ての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明に引用されうる。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0307】
この出願において、アクセスポイントは、統合方式で分割を通じて得られる機能モジュールの形態で表現される。ここで、「モジュール」は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、回路、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行するプロセッサ及びメモリ、集積ロジック回路、及び/又は、上記の機能を提供することができる他のデバイスであってよい。
【0308】
いくつかの実施形態において、ハードウェア実装に関して、当業者は、アクセスポイントが、
図6に示した通信装置600の形態を利用してよいことを理解しうる。
【0309】
例において、
図13の処理モジュール1301の機能/実装プロセスは、
図6に示した通信装置600のプロセッサ601によって、メモリ604に格納されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことによって実装されうるし、
図13のトランシーバモジュール1302の機能/実装プロセスは、
図6に示した通信装置600のトランシーバ602を利用して実装されうる。
【0310】
いくつかの実施形態において、
図13の通信装置1300がチップ又はチップシステムであるとき、処理モジュール1301の機能/実装プロセスは、チップ又はチップシステムの入力/出力インターフェース(又は、通信インターフェース)を利用して実装されうるし、トランシーバモジュール1302の機能/実装プロセスは、チップ又はチップシステムのプロセッサ(又は、処理回路)を利用して実装されうる。
【0311】
この実施形態において提供されるアクセスポイントは、上記のサービス伝送方法を実行することができる。従って、アクセスポイントによって実現することができる技術的効果については、上記の方法実施形態を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0312】
実装シナリオにおいて、
図13に示すように、通信装置1300が上記の方法実施形態におけるターゲットステーションであることが例として利用される。通信装置1300は、処理モジュール1301と、トランシーバモジュール1302とを含む。
【0313】
トランシーバモジュール1302は、EHT MU PPDUを受信するように構成される。EHT MU PPDUは、複数のステーションのリソースユニット割り当てを示すリソースユニット割り当てサブフィールドを含み、複数のステーションのうちの少なくとも1つに対応するリソースユニットは、複製伝送に利用される。
【0314】
処理モジュール1301は、EHT MU PPDUに基づいて、ターゲットステーションに対応する複数のリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定し、複数のリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するように構成される。
【0315】
実装において、EHT MU PPDUに含まれるユーザ固有フィールドは、複数のユーザフィールドを含む。1つのユーザフィールドは、1つのステーション識別子を含み、かつ1つのリソースユニットに対応する。少なくとも2つのユーザフィールド内のステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザフィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0316】
実装において、少なくとも2つのリソースユニットは、連続であるか、又は不連続である。
【0317】
実装において、EHT MU PPDUに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザフィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0318】
実装において、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0319】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、EHT MU PPDUが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0320】
実装において、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールド内のビットB15で搬送されるか、又は、EHT MU PPDU内にあり、かつターゲットステーションに対応するユーザフィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0321】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0322】
実装において、EHT MU PPDU内のユーザフィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザフィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0323】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、EHT MU PPDU内の以下のビット、即ち、ユニバーサル信号フィールドU-SIG内の1番目のシンボルのビットB20~B25、又は、U-SIG内の2番目のシンボルのビットB2又はB8、又は、極高スループット信号フィールドEHT-SIG内の1番目のシンボルのビットB13~B16のうちの1つ以上で搬送される。
【0324】
実装において、リソースユニット割り当てサブフィールドは、リソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0325】
他の実装シナリオにおいて、
図13に示すように、通信装置1300が上記の方法実施形態におけるアクセスポイントであることが例として利用される。通信装置1300は、処理モジュール1301と、トランシーバモジュール1302とを含む。
【0326】
処理モジュール1301は、トリガフレームを生成するように構成される。トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される。
【0327】
トランシーバモジュール1302は、トリガフレームを送信するように構成される。
【0328】
実装において、トランシーバモジュール1302は、EHT TB PPDUをステーションから受信するようにさらに構成され、処理モジュール1301は、複製伝送に利用される少なくとも1つのリソースユニットで搬送される情報についてのコンバインドデコーディングを実行するようにさらに構成される。
【0329】
実装において、トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は同じであり、少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0330】
実装において、少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0331】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0332】
実装において、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0333】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0334】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0335】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0336】
実装において、第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される。
【0337】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、トリガフレーム内の以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される。
【0338】
実装において、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0339】
実装シナリオにおいて、
図13に示すように、通信装置1300が上記の方法実施形態におけるターゲットステーションであることが例として利用される。通信装置1300は、処理モジュール1301と、トランシーバモジュール1302とを含む。
【0340】
トランシーバモジュール1302は、トリガフレームを受信するように構成される。トリガフレームは、1つ以上のリソースユニット上で極高スループットトリガベースの物理レイヤプロトコルデータユニットEHT TB PPDUを送信することを複数のステーションに示し、少なくとも1つのリソースユニットは、複製伝送に利用される。
【0341】
処理モジュール1301は、トリガフレームに基づいて、ターゲットステーションに対応し、かつEHT TB PPDUを送信するために利用されるリソースユニットが複製伝送に利用されることを決定するように構成される。
【0342】
実装において、トランシーバモジュール1302は、複製伝送に利用されるリソースユニット上で、EHT TB PPDUをアクセスポイントに送信するようにさらに構成される。
【0343】
実装において、トリガフレームに含まれる少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応するアソシエーション識別子又はステーション識別子は、ターゲットステーションに対応するステーション識別子と同じであり、少なくとも2つのユーザ情報フィールドに対応する少なくとも2つのリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0344】
実装において、トリガフレームに含まれ、かつ少なくとも2つのリソースユニットに対応する少なくとも2つのユーザ情報フィールドのうちの少なくとも1つのユーザフィールドの変調及びコーディングスキームMCSフィールドの値は15であり、デュアルキャリア変調が少なくとも2つのリソースユニットに利用されることを示す。
【0345】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第1の情報を含む。第1の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。
【0346】
実装において、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示すために、第1の情報が、ユーザ情報フィールド内のビットB25で搬送されるか、又は、ユーザ情報フィールド内のMCSフィールドの値が14であるか、又は、MCSフィールドの値が16~31のいずれか1つである。
【0347】
実装において、MCS値が異なることは、複製伝送に利用されるリソースユニットの複製の数量が異なることを示す。
【0348】
実装において、リソースユニットの複製伝送の数量は、事前に指定されるか、又は、トリガフレームが送信される前にステーションとのネゴシエーションを通じて事前に決定される。
【0349】
実装において、トリガフレームに含まれるユーザ情報フィールドは、第2の情報をさらに含む。第2の情報は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットの複製伝送の数量を示す。
【0350】
実装において、第2の情報は、開始空間ストリームの一部又は全部のビット、及び/又は、ユーザ情報フィールド内の空間ストリーム数NSSで搬送される。
【0351】
実装において、第1の情報又は第2の情報又はその両方は、トリガフレーム内の以下のビット、即ち、特別なユーザ情報リストフィールド内のビットB25~B39、又は、共通情報フィールド内のビットB56~B63のうちの1つ以上で搬送される。
【0352】
実装において、トリガフレームにおけるユーザ情報フィールド内のリソースユニット割り当てフィールド又はPS160MHzプライマリ/セカンダリインジケーションフィールド又はその両方は、ユーザ情報フィールドに対応するリソースユニットが複製伝送に利用されることを示す。上記の方法実施形態におけるステップの全ての関連内容が、対応する機能モジュールの機能説明に引用されうる。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0353】
この出願において、ターゲットステーションは、統合方式における分割を通じて得られる機能モジュールの形態で表現される。ここで、「モジュール」は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、回路、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行するプロセッサ及びメモリ、集積ロジック回路、及び/又は、上記の機能を提供することができる他のデバイスであってよい。
【0354】
この出願のこの実施形態において提供される通信装置1300は、独立したデバイスであってもよいし、大規模デバイスの一部であってもよい。例えば、通信装置1300は、以下の形態、即ち、独立した集積回路IC、チップ、チップシステム、又はサブシステム;1つ以上のICを含むセットであって、任意選択で、ICのセットは、データ及び命令を格納するように構成されたストレージコンポーネントを含んでもよい、セット;ASIC、例えば、モデム(Modem);他のデバイスに組み込むことができるモジュール;レシーバ、インテリジェント端末、無線デバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルユニット、車載デバイス、クラウドデバイス、又は人工知能デバイスなど;又はその他のもので実装されうる。
【0355】
いくつかの実施形態において、ハードウェア実装に関して、当業者は、ターゲットステーションが、
図6に示した通信装置600の形態を利用しうることを理解しうる。
【0356】
この実施形態において提供されるターゲットステーションは、上記の方法を実行することができる。従って、ターゲットステーションによって実現することができる技術的効果については、上記の方法実施形態を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0357】
可能な製品形態として、この出願の実施形態におけるアクセスポイント及びターゲットステーションは、代替的に、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device, PLD)、コントローラ、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、任意の他の適切な回路、又は、この出願において説明される様々な機能を実行することができる回路の任意の組み合わせを利用して実装されうる。
【0358】
いくつかの実施形態において、この出願の実施形態は、さらに、通信装置を提供する。通信装置は、上記の方法実施形態のいずれか1つにおける方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。
【0359】
可能な実装において、通信装置は、メモリをさらに含む。メモリは、必要なプログラム命令及びデータを格納するように構成される。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムコードを呼び出して、上記の方法実施形態のいずれか1つにおける方法を実行するように通信装置に指示しうる。もちろん、通信装置は、メモリを含まなくてもよい。
【0360】
他の可能な実装において、通信装置は、インターフェース回路をさらに含む。インターフェース回路は、コード/データの読み出し/書き込みインターフェース回路である。インターフェース回路は、コンピュータ実行可能命令(コンピュータ実行可能命令はメモリ内に格納され、メモリから直接的に読み出されてもよいし、他のコンポーネントを利用して読み出されてもよい)を受信し、コンピュータ実行可能命令をプロセッサに伝送するように構成される。
【0361】
さらに他の可能な実装において、通信装置は、通信インターフェースをさらに含む。通信インターフェースは、通信装置の外部にあるモジュールと通信するように構成される。
【0362】
通信装置は、チップ又はチップシステムであってよいことが理解されうる。通信装置がチップシステムであるとき、通信装置は、チップを含んでもよいし、チップと他のディスクリートデバイスとを含んでもよい。このことは、特に、この出願のこの実施形態において限定されない。
【0363】
いくつかの実施形態において、この出願の実施形態は、通信装置(例えば、通信装置は、チップ又はチップシステムであってよい)をさらに提供する。通信装置は、インターフェース回路及びロジック回路を含む。インターフェース回路は、入力情報及び/又は出力情報を取得するように構成される。ロジック回路は、上記の方法実施形態のいずれか1つにおける方法を実行して、入力情報に基づいて、処理を実行し、及び/又は、出力情報を生成するように構成される。
【0364】
可能な製品形態として、この出願の実施形態におけるアクセスポイント及びターゲットステーションは、一般的なバスアーキテクチャを利用して実装されうる。
【0365】
説明を容易にするため、
図14は、この出願の実施形態による、通信装置1400の構造の模式図である。通信装置1400は、プロセッサ1401と、トランシーバ1402とを含む。通信装置1400は、アクセスポイント、ターゲットステーション、又は、アクセスポイント又はターゲットステーション内のチップでありうる。
図14は、通信装置1400の主要なコンポーネントのみを示す。プロセッサ1401及びトランシーバ1402に加え、通信装置は、メモリ1403と、入力/出力装置(不図示)とをさらに含んでよい。
【0366】
プロセッサ1401は、主に、通信プロトコル及び通信データを処理し、通信装置全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。メモリ1403は、主に、ソフトウェアプログラム及びデータを格納するように構成される。トランシーバ1402は、無線周波数回路及びアンテナを含みうる。無線周波数回路は、主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を実行し、無線周波数信号を処理するように構成される。アンテナは、主に、電磁波の形態で無線周波数信号を受信及び送信するように構成される。タッチスクリーン、ディスプレイ、又はキーボードなどの入力/出力装置は、主に、ユーザによって入力されるデータを受信し、ユーザにデータを出力するように構成される。
【0367】
プロセッサ1401、トランシーバ1402、及びメモリ1403は、通信バスを介して接続されうる。
【0368】
通信装置が電源オンされた後、プロセッサ1401は、メモリ1403内のソフトウェアプログラムを読み出し、ソフトウェアプログラムの命令を解釈及び実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理しうる。データが無線で送信される必要があるとき、プロセッサ1401は、送信対象データ上のベースバンド処理を実行し、次いで、ベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。無線周波数回路は、ベースバンド信号上で無線周波数処理を実行し、次いで、アンテナを利用して電磁波の形態で無線周波数信号を送信する。データが通信装置に送信されるとき、無線周波数回路は、アンテナを利用して無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサ1401へと出力する。プロセッサ1401は、ベースバンド信号をデータに変換し、データを処理する。
【0369】
他の実装において、無線周波数回路及びアンテナは、ベースバンド処理を実行するプロセッサとは独立して配置されうる。例えば、分散シナリオにおいて、無線周波数回路及びアンテナは、通信装置とは独立に離隔して配置されうる。
【0370】
上記のプロセスのシーケンス番号は、この出願の実施形態における実行順序を意味しないと理解すべきである。プロセスの実行順序は、機能及びプロセスの内部ロジックに基づいて決定されるべきであり、この出願の実施形態の実装プロセスに関して何ら限定を構成すべきでない。
【0371】
この出願の実施形態における方法のステップのシーケンスは調整されうるし、又は、そのステップは、実際の要件に基づいて結合されてもよいし、削除されてもよい。
【0372】
この出願の実施形態における装置内のモジュールは、実際の要件に基づいて、結合されてもよいし、分割されてもよいし、削除されてもよい。
【0373】
別途指定しない限り、この出願の実施形態における同じ又は類似のパーツについては、相互に参照されるものと理解すべきである。この出願の実施形態及び実施形態における実装/実装方法において、別途指定しない限り又は論理的な矛盾がない限り、用語及び/又は説明は無矛盾であり、異なる実施形態の間で、及び、実施形態における実装/実装方法の間で、相互に参照されうる。異なる実施形態及び実施形態における実装/実装方法における技術的特徴は、その内部ロジック関係に基づいて結合されて、新たな実施形態、実装、又は実装方法を形成しうる。この出願の上記の実装は、この出願の保護範囲を限定することを意図していない。
【0374】
いくつかのシナリオにおいて、この出願の実施形態における、いくつかの任意選択の特徴は、他の特徴、例えば、対応する技術的問題を解決するために、そして、対応する効果を達成するために、任意選択の特徴が現在ベースとしている解決策に依存することなく、独立して実装されうることが理解されうる。代替的に、いくつかのシナリオにおいて、任意選択の特徴は、要件に基づいて他の特徴と結合されうる。それに対応して、この出願の実施形態において提供される装置は、また、これらの特徴又は機能を実装しうる。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0375】
上記の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを利用して実装されうる。ソフトウェアプログラムが実施形態を実装するために利用されるとき、実施形態の全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装されうる。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータ上にロードされて実行されるとき、この出願の実施形態による手順又は機能の全部又は一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブル装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよいし、コンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから、他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタへと、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタルサブスクライバライン(digital subscriber line, DSL))又は無線(例えば、赤外線、ラジオ波、又はマイクロ波)方式で伝送されうる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体でありうるし、又は、媒体を統合することができるサーバ及びデータセンタなどの1つ以上のデータストレージデバイスを含みうる。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk, SSD))などであってよい。この出願の実施形態において、コンピュータは、上で説明した装置を含みうる。
【0376】
ここでは、この出願について、実施形態を参照しながら説明されているけれども、保護を主張するこの出願を実装するプロセスにおいて、当業者は、添付図、開示内容、及び添付の特許請求の範囲を見て、開示された実施形態の他の変形を理解して実装しうる。特許請求の範囲において、「含む」(comprising)は、他のコンポーネント又は他のステップを排除せず、「a」又は「one」は、複数のケースを排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲において列挙された、いくつかの機能を実装しうる。いくつかの方策が互いに異なる従属請求項に記録されるが、これは、これらの方策が好適な効果を創出するために結合されることができないことを意味するものではない。
【0377】
この出願について具体的な特徴及びその実施形態を参照しながら説明されているけれども、様々な修正及び組み合わせが、この出願の思想及び範囲を逸脱することなく、この出願に対してなされうることは明らかである。それに対応して、この明細書及び添付図は、添付の特許請求の範囲によって画定されるこの出願についての単なる例示的説明であり、この出願の範囲をカバーする任意の又は全部の修正、変形、組み合わせ、又は等価物と考えられる。当業者は、この出願の思想及び範囲から逸脱することなく、この出願に対する様々な修正及び変形をすることができることは明らかである。このようにして、この出願は、これらの修正及び変形がこの出願の特許請求の範囲の範囲内に収まる限りにおいて、これらのこの出願の修正及び変形、そして、その等価技術をカバーすることも意図されている。