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特許7667360情報処理装置、アプリケーションプログラム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、アプリケーションプログラム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20250415BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024114956
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2023120583の分割
【原出願日】2023-07-25
(65)【公開番号】P2025018976
(43)【公開日】2025-02-06
【審査請求日】2024-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】武田 桃太郎
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2023-0085554(KR,A)
【文献】国際公開第2017/199308(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付ける設定受付部を備え、
前記設定受付部は、前記特典を不特定の第2利用者に公開するか非公開にするかの設定を更に受け付け、
前記特典を不特定の第2利用者に公開すると設定された場合、前記第2利用者による操作に応じて、前記不特定の第2利用者の第2利用者端末装置に、前記特典に関する情報を表示可能とする一方、前記特典を不特定の第2利用者に非公開にすると設定された場合、前記第1利用者によって前記第1利用者端末装置上で所定操作が実行されない限り、前記不特定の第2利用者の前記第2利用者端末装置に、前記特典に関する情報を表示不可能とする処理部を更に備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定操作は、前記特典に関する情報を閲覧可能とする参照情報を前記不特定の第2利用者のいずれかの前記第2利用者端末装置に送信する操作である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータが、
第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付け、
前記特典を不特定の第2利用者に公開するか非公開にするかの設定を更に受け付け、
前記特典を不特定の第2利用者に公開すると設定された場合、前記第2利用者による操作に応じて、前記不特定の第2利用者の第2利用者端末装置に、前記特典に関する情報を表示可能とする一方、前記特典を不特定の第2利用者に非公開にすると設定された場合、前記第1利用者によって前記第1利用者端末装置上で所定操作が実行されない限り、前記不特定の第2利用者の前記第2利用者端末装置に、前記特典に関する情報を表示不可能とする、
情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付けさせ、
前記特典を不特定の第2利用者に公開するか非公開にするかの設定を更に受け付けさせ、
前記特典を不特定の第2利用者に公開すると設定された場合、前記第2利用者による操作に応じて、前記不特定の第2利用者の第2利用者端末装置に、前記特典に関する情報を表示可能とする一方、前記特典を不特定の第2利用者に非公開にすると設定された場合、前記第1利用者によって前記第1利用者端末装置上で所定操作が実行されない限り、前記不特定の第2利用者の前記第2利用者端末装置に、前記特典に関する情報を表示不可能とさせる、
プログラム。
【請求項5】
第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付ける設定受付部と、
前記不特定の第2利用者による第2利用者端末装置の操作に応じて、前記不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントと前記特典とを対応付ける対応付け部と、
前記特典が前記不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けられ、かつ前記不特定の第2利用者が前記店舗で決済を実行した場合、前記特典を前記不特定の第2利用者に付与する特典付与部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付け、
前記不特定の第2利用者による第2利用者端末装置の操作に応じて、前記不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントと前記特典とを対応付け、
前記特典が前記不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けられ、かつ前記不特定の第2利用者が前記店舗で決済を実行した場合、前記特典を前記不特定の第2利用者に付与する、
情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付けさせ、
前記不特定の第2利用者による第2利用者端末装置の操作に応じて、前記不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントと前記特典とを対応付けさせ、
前記特典が前記不特定の第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けられ、かつ前記不特定の第2利用者が前記店舗で決済を実行した場合、前記特典を前記不特定の第2利用者に付与させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、アプリケーションプログラム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある利用者から他の利用者に、入手を希望する商品に関する情報を公開するウィッシュリストと呼ばれる機能が知られている。例えば、特許文献1には、実店舗において、利用者が端末装置を用いて商品情報を読み取ることにより、当該商品情報を利用者のウィッシュリストに追加する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-327077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来技術は、商品の入手を希望する利用者から、当該商品の購入を支援する可能性のある他の利用者に対するウィッシュリストを公開するものであった。一方、例えば、利用者の中には、知名度が低いにも関わらず高い品質を有する商品や、自身が個人的に応援する店舗を他の利用者に推薦するために、当該店舗における商品の購入の支援を行うことを希望する場合がある。しかしながら、従来技術のウィッシュリストは、そのような利用者のニーズに応えるものではなかった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、商品購入の支援を行うことを希望する利用者のニーズに応えるウィッシュリストを実装することができる情報処理装置、アプリケーションプログラム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の店舗での決済に利用可能な特典を、前記第1利用者の電子決済サービスアカウントのチャージ残高を原資として、第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付ける設定受付部と、前記第2利用者による第2利用者端末装置の操作に応じて、前記第2利用者の電子決済サービスアカウントと前記特典とを対応付ける対応付け部と、前記特典が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けられ、かつ前記第2利用者が前記店舗で決済を実行した場合、前記特典を前記第2利用者に付与する特典付与部と、を備える、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、商品購入の支援を行うことを希望する利用者のニーズに応えるウィッシュリストを実装することができる情報処理装置、アプリケーションプログラム、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】第1クーポン情報178の内容の一例を示す図である。
図8】第2クーポン情報180の内容の一例を示す図である。
図9】決済アプリ20のトップ画面IMの一例を示す図である。
図10】利用者端末装置10による第1クーポンの利用方法の一例を示す図である。
図11】第2利用者端末装置10Bによる第2クーポンの利用方法の一例を示す図である。
図12】第1利用者端末装置10Aによる第2クーポンの発行処理の一例を示す図である。
図13】第1利用者端末装置10Aによる第2クーポンの発行処理の別の例を示す図である。
図14】第2店舗端末装置70による第2クーポンの停止処理の一例を示す図である。
図15】第1クーポンおよび複数の第2クーポンを獲得した第2利用者によって実行された電子決済の決済完了画面の一例を示す図である。
図16】第2利用者端末装置10Bによる第2クーポンの評価方法の一例を示す図である。
図17】第1利用者端末装置10Aと、第2利用者端末装置10Bと、決済サーバ100と、第1店舗端末装置50の協働によって実行される処理の流れを例示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、アプリケーションプログラム、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」、「管理装置」「情報提供装置」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の第1利用者端末装置10A、第2利用者端末装置10B、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。第1利用者端末装置10Aは、後述する第2クーポンを発行する第1利用者によって使用される端末装置であり、第2利用者端末装置10Bは、発行された第2クーポンを利用する第2利用者によって使用される端末装置である。以下の説明において、第1利用者端末装置10Aと第2利用者端末装置10Bとを機能上、区別しない場合、「利用者端末装置10」と称する。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID、商品ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部140は、さらに、設定受付部140Aと、対応付け部140Bと、特典付与部140Cとを備えるが、これらの機能の詳細については後述する。決済サーバ100のうち情報管理部140の機能が、「情報処理装置」の一例である。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、第1クーポン情報178、第2クーポン情報180などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、フォロー加盟店、獲得第1クーポン、獲得第2クーポン、および保有ポイントなどの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0027】
図7は、第1クーポン情報178の内容の一例を示す図である。第1クーポン情報178は、例えば、第1クーポンID、加盟店ID、店舗ID、特典内容、利用条件、有効期限などの情報が対応付けられたものである。第1クーポンは、後述する通り、加盟店から利用者に発行される、電子決済に利用可能な特典である。図7に示すテーブルにおいて、特典内容は、第1クーポンIDに対応する第1クーポンによって提供される特典の内容を示す情報である。例えば、第1クーポンID「0001」の第1クーポンの場合、利用者が当該第1クーポンを利用することによって、決済金額から5%の還元を受けることができることを意味する。利用条件は、決済時に、クーポンが利用可能となる条件を示す情報である。例えば、クーポンID「0001」の第1クーポンの場合、利用者は300円以上の支払いに対して当該第1クーポンを利用可能となることを意味する。有効期限は、第1クーポンが利用可能となる期限を示す情報である。第1クーポンは、特許請求の範囲における「第2特典」の一例である。
【0028】
図8は、第2クーポン情報180の内容の一例を示す図である。第2クーポン情報180は、例えば、第2クーポンID、アカウントID、加盟店ID、店舗ID、対象商品、特典内容、予算金額、利用済み金額、有効期限、コメント、公開設定などの情報が対応付けられたものである。第2クーポンは、後述する通り、第1利用者から特定又は不特定の第2利用者に提供される特典であって、第1利用者によって指定された特定商品の電子決済に利用可能な特典である。図8に示すテーブルにおいて、アカウントIDは、第2クーポンを発行する第1利用者のアカウントIDである。対象商品は、店舗IDによって特定される店舗で販売される商品のうち、第1利用者が指定した特定商品を識別するための識別情報(商品ID)である。特典内容は、第2クーポンIDに対応する第2クーポンによって提供される特典の内容を示す情報である。例えば、第2クーポンID「D0001」のクーポンの場合、利用者が加盟店ID「13579」によって特定される加盟店の店舗ID「651874」によって特定される店舗で、対象商品「13579_001」を決済した場合、決済金額から5%の還元を受けることができることを意味する。また、例えば、第2クーポンID「D0002」のクーポンの場合、店舗IDおよび対象商品は未入力(指定なし)となっているが、これは、加盟店ID「34244」によって特定される加盟店の全店舗で販売されている全商品を対象として、特典が提供されていることを意味する。
【0029】
予算金額は、第1利用者が指定した、第2クーポンの原資となる金額を示す情報である。例えば、第1利用者が予算金額として10,000円を指定した場合、情報管理部140は、当該第1利用者のチャージ残高から事前に10,000円分の金額を減算し、第2利用者が第2クーポンを利用して対象商品を決済する度に、第2利用者に還元する金額を予算金額から減算する。利用済み金額は、予算金額のうち、一以上の第2利用者が第2クーポンを利用することによって還元された金額を示す情報である。有効期限は、第2クーポンが利用可能となる期限を示す情報である。有効期限の超過時点において、予算金額から利用済み金額を減算した残高金額が、第1利用者のチャージ残高に返還されることとなる。コメントは、第2クーポンを発行した第1利用者によって設定された対象商品に関するコメントを示す情報である。第2クーポンは、特許請求の範囲における「特典」の一例である。公開設定は、第2クーポンを決済アプリ20上で不特定の第2利用者に公開するか否かを示す情報である。
【0030】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、第1クーポン情報178、第2クーポン情報180を管理する。情報管理部140は、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、第1クーポン情報178、第2クーポン情報180について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0031】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0032】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0033】
[トップ画面]
図9は、決済アプリ20のトップ画面IMの一例を示す図である。トップ画面IMには、コード画像CDが表示される。コード画像CDは、例えばバーコードとQRコードを含む。また、コード画像CDと共に、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを示すテキスト(図では「残高で支払う」)が表示される。このテキストは、切替スイッチSWが操作される度に決済アプリ20が更新する情報に基づいて決済アプリ20が描画する。また、トップ画面IMは、切替スイッチSWを含む操作領域CAと、遷移ボタンTBとを含む。これについては後述する。なお、「スイッチ」、「ボタン」とはタッチパネルと協働して実現されるGUI(Graphical User Interface)である。切替スイッチSWは、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを切り替える操作を受け付けるものである。切替スイッチSWは、デフォルトではチャージ残高による電子決済を行う設定になっており、利用者によって操作される度に、チャージ残高による電子決済を行う設定と、後払いによる電子決済を行う設定との間で設定が切り替わる。図では「後払い」と説明表示がされているが、これは後払いによる電子決済を行う設定になっていることを意味する。操作領域CAには、スキャン(ユーザスキャンの開始)を指示するボタンやチャージを指示するボタンなど、電子決済における主要な操作を指示するボタンが設けられている。遷移ボタンTBが操作されると、電子決済に用いられるコード画像と利用可能額を表示する支払い画面に遷移する。
【0034】
操作領域CAの下部には、さらに例えば、更に、ミニアプリを起動するためのボタン(スイッチ)群M1~M2が表示される。ミニアプリは、決済アプリ20をプラットフォームとして動作し、何らかのサービスを提供するアプリである。サービス提供者は、決済アプリ20の管理者により提供されたアプリ開発用のプログラムや技術文書などであるSDK(Software Development Kit)を参照してミニアプリを開発する。ミニアプリは、例えば、決済アプリ20が起動している状態で動作するアプリである。例えば、決済アプリ20がインストールされるとミニアプリの一部または全部がインストールされてもよいし、ミニアプリに対応するサービスサーバからミニアプリの一部または全部がインストールされてもよい。例えば、ミニアプリが起動すると、ミニアプリに対応するサービスを提供するサービスサーバ(不図示)にアクセスして、ミニアプリとサービスサーバとが協働してユーザにサービスを提供する。このとき、サービスサーバは、決済サーバ100そのものであってもよいし、決済サーバ100とは異なる外部のサーバであってもよい。図7では、一例として、以下で説明するクーポン機能(第1クーポンおよび第2クーポンを含む)を提供するミニアプリのボタンM1、およびチャージ残高を資産運用する機能を提供するミニアプリのボタンM2が表示されているが、公共交通料金の支払いを行うための支払いアプリなど、様々な種類のミニアプリを起動するためのボタンが表示されてよい。さらに、以下で説明する第1クーポンおよび第2クーポンについて別個にボタンが設けられてもよい。
【0035】
[第1クーポンの利用]
図10は、利用者端末装置10による第1クーポンの利用方法の一例を示す図である。図10の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスすることによって利用者端末装置10に表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が図10のトップ画面IMにおいて、クーポンボタンM1をクリックし、第1クーポンを提供する店舗を検索した場合に表示されるものである。
【0036】
加盟店専用ページは、例えば、加盟店の店舗の概要情報が表示される領域A1、加盟店をフォローするためのボタンB1、加盟店の店舗の詳細情報がタブによって切り替え可能に表示される領域A2等を含む。利用者がフォローボタンB1を押下すると、決済アプリ20は、フォローボタンB1が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者情報172の「フォロー加盟店」に当該加盟店の識別情報(例えば、加盟店ID)を格納する。これにより、例えば、加盟店が加盟店専用ページの内容をアップデートする度に、決済サーバ100は、加盟店専用ページの内容をアップデートされたことを示す通知を、決済アプリ20を介して利用者に通知する。
【0037】
図10において、例えば、ユーザが領域A2に含まれる一つのタブである「第1クーポン」をタップした場合、現時点においてユーザが当該店舗での電子決済に使用可能なクーポンが表示される。ユーザが、例えば、加盟店をフォローし、かつクーポンを獲得するためのボタンB2を押下すると、決済アプリ20は、獲得ボタンB2が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140の対応付け部140Bは、利用者が獲得したクーポンの識別情報(例えば、第1クーポンID)を利用者情報172の「獲得第1クーポン」に記憶する。これにより、利用者と、当該利用者が獲得した第1クーポンとが対応付けられる。
【0038】
利用者が第1クーポンを獲得した後、利用者端末装置10が電子決済を実行すると、特典付与部140Cは、第1クーポン情報178を参照して、当該電子決済が、利用者が獲得している第1クーポンの利用条件に一致しているか否かを判定し、第1クーポンの利用条件に一致していると判定された場合、利用者にクーポン内容に応じた特典を付与する。例えば、図7に示す第1クーポン情報178のクーポンID「C0001」の場合、決済処理部130は、利用者の決済金額が300円以上であるか否かを判定し、利用条件が満たされていると判定された場合に、当該決済金額の5%に相当するポイントを付与する。
【0039】
その後、決済アプリ20は、決済完了画面として、決済店舗を表示する領域A3と、決済金額を表示する領域A4と、付与された特典を表示する領域A5とを合わせて表示する。図8の右部は、一例として、利用者が5%オフのクーポンを獲得したことに応じて、500円の決済に対して25円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、25円分のポイントを利用者情報172の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。なお、他の態様として、クーポンは、決済に利用可能なポイントして加算されることなく、当日の決済金額からそのまま金額が減算されるものであってもよい。
【0040】
[第2クーポンの利用]
図10を参照して説明した第1クーポンは、加盟店が、実店舗における電子決済に利用可能な特典を、加盟店自身が設定した予算の範囲内で提供するものである。一方、例えば、利用者の中には、知名度が低いにも関わらず高い品質を有する商品や、自身が個人的に応援する加盟店を他の利用者に推薦するために、当該加盟店における商品の購入の支援を行うことを希望する場合がある。その場合、当該利用者(第1利用者)は、例えば、加盟店が発行する第1クーポンと類似の形式で特典を他の利用者(第2利用者)に発行し、商品又は当該商品を販売する加盟店を推薦することができれば好適である。以下で説明する第2クーポンは、このような第1利用者から、特定又は不特定の第2利用者に、指定の加盟店で電子決済を行うことによる特典を付与することを可能にするものである。
【0041】
図11は、第2利用者端末装置10Bによる第2クーポンの利用方法の一例を示す図である。図11の左部の画面は、例えば、第2利用者が、第2利用者端末装置10Bの決済アプリ20を介して、第1利用者によって発行されている第2クーポンのリストWL(以下、逆ウィッシュリストと称する)にアクセスすることによって第2利用者端末装置10Bに表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が図10のトップ画面IMにおいて、クーポンボタンM1をクリックして、第2クーポンを発行した第1利用者、又は第2クーポンが発行されている商品又は店舗を検索した場合に表示されるものである。他の態様として、クーポンボタンM1は、第1クーポンに関する情報を表示して獲得するための第1クーポンボタンM1_1(第1クーポンミニアプリ)と、第2クーポンに関する情報を表示して獲得するための第2クーポンボタンM1_2(第2クーポンミニアプリ)とに分かれ、図11の左部の画面は、第2利用者が第2クーポンボタンM1_2を押下した場合に表示される画面であってもよい。
【0042】
逆ウィッシュリストWLは、例えば、第2クーポンを発行した第1利用者のハンドルネームおよびサムネイル画像を表示するための領域A6と、第2クーポンを発行した第1利用者によって設定された加盟店、店舗、商品、特典、有効期限、コメントを表示するための領域A7と、第2クーポンを獲得するためのボタンB3とを含む。図11は、一例として、第1利用者が二つの加盟店(「XX珈琲店」および「YYラーメン」)の利用を推薦するために、これらの加盟店の店舗で利用可能な第2クーポンを発行した場合を表している。これら第2利用者端末装置10Bに表示される加盟店、店舗、商品、特典、有効期限、およびコメントは、図8の第2クーポン情報180に格納される加盟店ID、店舗ID、対象商品、特典内容、有効期限、およびコメントに対応するものである。情報管理部140の設定受付部140Aは、後述する通り、これら項目に関する設定を第1利用者端末装置10Aから受け付けて、第2クーポンを新規に発行し、新規に発行された第2クーポンに関する情報を第2クーポン情報180に記憶する。
【0043】
図11に示す通り、決済アプリ20は、表示する逆ウィッシュリストWLの第2クーポンを絞り込むための詳細設定ボタンB4を合わせて表示させてもよい。例えば、第2利用者が詳細設定ボタンB4を押下すると、決済アプリ20は、第1利用者、加盟店、店舗、商品、特典、有効期限、コメントに関する絞り込み条件を設定するための領域を表示させ、第2利用者による絞り込み条件の入力に応じて、当該絞り込み条件を満たす逆ウィッシュリストWLの第2クーポンのみを表示させてもよい。
【0044】
利用者が獲得ボタンB3を押下すると、決済アプリ20は、獲得ボタンB3が押下されたことを示す情報を第2利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140の対応付け部140Bは、第2利用者が獲得した第2クーポンの識別情報(例えば、第2クーポンID)を利用者情報172の「獲得第2クーポン」に記憶する。これにより、第2利用者と、当該第2利用者が獲得した第2クーポンとが対応付けられる。
【0045】
第2利用者が第2クーポンを獲得した後、第2利用者端末装置10Bが電子決済を実行すると、特典付与部140Cは、第2クーポン情報180を参照して、当該電子決済が、第2利用者が獲得している第2クーポンの利用条件に一致しているか否かを判定し、第2クーポンの利用条件に一致していると判定された場合、第2利用者にクーポン内容に応じた特典を付与する。より具体的には、上述した通り、ストアスキャンにおいて、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID、商品IDを含む決済情報を決済サーバ100に送信するため、特典付与部140Cは、第2利用者が獲得した第2クーポンについて、決済情報に含まれる加盟店ID、店舗ID、商品IDと、第2クーポン情報180に含まれる加盟店ID、店舗ID、対象商品とを照合することによって、第2利用者による電子決済が第2クーポンの利用条件に一致しているか否かを判定する。
【0046】
その後、決済アプリ20は、決済完了画面として、第1クーポンの場合と同様に、決済店舗を表示する領域A3と、決済金額を表示する領域A4と、付与された特典を表示する領域A5とを合わせて表示する。図8の右部は、一例として、第2利用者が5%オフの第2クーポンを獲得したことに応じて、500円の決済に対して25円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、25円分のポイントを第2クーポン情報180の予算金額から減算しつつ、利用済み金額に加算するとともに、利用者情報172の「保有ポイント」に加算する。決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。なお、他の態様として、クーポンは、決済に利用可能なポイントして加算されることなく、当日の決済金額からそのまま金額が減算されるものであってもよい。
【0047】
なお、図11では説明を省略しているが、逆ウィッシュリストWLには、加盟店のフォローボタンB1と同様に、第2クーポンを発行した第1利用者をフォローするためのボタンが設けられても良い。その場合、利用者情報172は、第2利用者がフォローした第1利用者のアカウントIDを記憶するカラムをさらに備えてもよい。第2利用者が第1利用者をフォローした場合、当該第1利用者が新規に第2クーポンを発行するか、又は発行済み第2クーポンの内容を変更する度に、第2利用者端末装置10Bに、例えば、プッシュ通知が送信されてもよい。
【0048】
このように、本実施形態によると、第1利用者が、ある商品や加盟店を第2利用者に推薦することを希望する場合、当該第1利用者は、当該商品や加盟店を対象とした第2クーポンを発行してウィッシュリストとして公開し、第2利用者は、決済アプリ20上で、ウィッシュリストを閲覧して、第2クーポンを獲得し、獲得した第2クーポンを用いて対象の加盟店で電子決済を行う。すなわち、本実施形態によると、商品購入の支援を行うことを希望する利用者のニーズに応えるウィッシュリストを実装することができる。
【0049】
[第2クーポンに関する様々な機能]
以下、図12から図16を参照して、決済サーバ100と決済アプリ20との協働によって実現される、第2クーポンに関する様々な機能について説明する。
【0050】
[第2クーポンの発行]
図12は、第1利用者端末装置10Aによる第2クーポンの発行処理の一例を示す図である。図12の左部に示す画面は、例えば、図9に示した決済アプリ20のトップ画面上で、クーポンを示すミニアプリボタンM1を押下し、第2クーポンの発行画面に遷移した際に表示されるものである。図12の左部に示す通り、第1利用者端末装置10Aは、例えば、第1利用者のハンドルネームを入力するための領域A8と、第2クーポンを発行する対象となる加盟店を指定するための領域A9と、第2クーポンを発行する対象となる店舗を指定するための領域A10と、第2クーポンを発行する対象となる対象商品を指定するための領域A11と、第2クーポンの特典内容を指定するための領域A12と、第2クーポンの予算金額を指定するための領域A13と、第2クーポンの有効期限を指定するための領域A14と、第2クーポンの公開時に表示するコメントを入力するための領域A15と、第1利用者によって発行された第2クーポンをウィッシュリストWLとして公開にするか否かを選択するためのラジオボタンR1とを、を表示する。領域A8~A15およびラジオボタンR1に内容が設定され、発行ボタンB5が押下されると、第1利用者端末装置10Aは、設定内容を決済サーバ100に送信し、設定受付部140Aは、受信した設定内容に基づいて第2クーポンを発行し、第2クーポンIDと紐づけて第2クーポン情報180に記憶する。このとき、同時に、設定受付部140Aは、第1利用者のチャージ残高から、予算金額に相当する金額を減算する。
【0051】
第2クーポンが公開に設定された場合、図11の左部に示した通り、ウィッシュリストWLは不特定の第2利用者端末装置10Bに対して公開される一方、第2クーポンが非公開に設定された場合、例えば、第2クーポンの獲得用リンクが第1利用者に対して発行され、第1利用者は、第2クーポンの獲得用リンクを第2利用者端末装置10Bに送信することによって、第2利用者に第2クーポンを獲得させることができる。例えば、図12の右部に示す通り、第1利用者端末装置10Aは、非公開の設定で発行された第2クーポンの獲得用リンクを、例えば、チャットアプリを介して、第2利用者端末装置10Bに送信し、第2利用者は、決済アプリ20をインストールした第2利用者端末装置10B上で、当該リンクをクリックする。第2利用者端末装置10Bは、リンクがクリックされたことを示す情報を第2利用者のアカウントIDと合わせて決済サーバ100に送信し、対応付け部140Bは、第2利用者が獲得した第2クーポンの第2クーポンIDを利用者情報172の「獲得第2クーポン」に記憶する。これにより、第2利用者は、非公開に設定された第2クーポンを獲得することができる。
【0052】
また、上記に示した項目のうち、ハンドルネーム、店舗、対象商品、コメントの設定は任意であってもよく、例えば、ハンドルネームが設定されない場合、ウィッシュリストWLに表示する第1利用者の名称は匿名であってもよい。また、例えば、店舗が設定されない場合、第2クーポンの利用対象は加盟店に属する全ての店舗であってもよい。また、例えば、対象商品が設定されない場合、第2クーポンの利用対象は加盟店の店舗によって販売される全ての商品であってもよい。また、例えば、コメントが設定されない場合、図11の左部に示した領域A7から、コメント領域が省略されてもよい。
【0053】
図13は、第1利用者端末装置10Aによる第2クーポンの発行処理の別の例を示す図である。図13は、ラジオボタンR1によって第2クーポンが公開に設定された場合に実行される処理を表す。ラジオボタンR1を介して第2クーポンが公開に設定されて発行ボタンB5が押下されると、第1利用者端末装置10Aは、設定内容を決済サーバ100に送信する。設定受付部140Aは、受信した設定内容に指定された加盟店の第2店舗端末装置70に、第2クーポンの発行を許可するか否かを問い合わせるための問い合わせ情報を送信する。これは、第2クーポンが公開設定で発行された場合、不特定の第2利用者が多数、第2クーポンの利用のために店舗を訪問することが想定され、その結果、第2クーポンが発行された商品の欠品や店舗の混雑などの事態が想定されるからである。加盟店の店員は、第2店舗端末装置70上で受信した問い合わせ情報を確認し、許可ボタンB6を押下すると、許可ボタンB6が押下された旨を示す情報が決済サーバ100に送信され、設定受付部140Aは第2クーポンを発行し、第2クーポンIDと紐づけて第2クーポン情報180に記憶する。一方、加盟店の店員が不許可ボタンB7を押下すると、不許可ボタンB7が押下された旨を示す情報が決済サーバ100および第1利用者端末装置10Aに送信される。これにより、第2クーポンが加盟店の店員による許可なく公開されることに伴って発生する混乱を防ぐことができる。
【0054】
なお、図13の右部には、問い合わせ情報の送信元として、第1利用者が領域A8に設定したハンドルネームが記載されている。このように、第1利用者は、自身の身元を加盟店に通知することを希望しない場合、領域A8にハンドルネームを設定することにより、ハンドルネームが記載された通知を加盟店に送信してもよい。一方、第1利用者が領域A8にハンドルネームを設定しなかった場合、第1利用者の氏名又はアカウントIDを第2店舗端末装置70に通知してもよい。
【0055】
さらに、仮に発行された第2クーポンが公開された場合、対象となる加盟店の常連客が、新規客に先立って、発行された第2クーポンを取得し、利用してしまう可能性があり得る。そのため、第1利用者端末装置10Aは、図13の左部で説明した設定項目に加えて、第2クーポンの利用対象を新規客に限定するか否かを指定する領域を表示させてもよい。第1利用者が、第2クーポンの利用対象を新規客に限定した場合、対応付け部140Bは、第2利用者が第2クーポンを取得する際に、当該第2利用者の決済履歴を参照し、過去に対象店舗で電子決済を行っていなかった場合にのみ、当該第2利用者と第2クーポンとを対応付けてもよい(すなわち、第2利用者に第2クーポンを付与してもよい)。また、対応付けの段階ではなく、第2利用者が電子決済を実行した際に、特典付与部140Cは、当該第2利用者の決済履歴を参照し、過去に対象店舗で電子決済を行っていなかった場合にのみ、特典を付与してもよい。
【0056】
[第2クーポンの停止]
一度、加盟店の店員が第2クーポンの発行および公開を許可した場合であっても、店舗における混雑状況や対象商品の在庫状況などによっては、加盟店は、発行済みの第2クーポンの停止を希望する場合がある。そのため、決済サーバ100は、加盟店の第2店舗端末装置70を介して、発行済みの第2クーポンを停止する機能を提供してもよい。
【0057】
図14は、第2店舗端末装置70による第2クーポンの停止処理の一例を示す図である。図14において、第2店舗端末装置70の加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けインターフェース72にログインした加盟店およびそのアカウントを表す領域A16と、加盟店向けインターフェース72を介して操作可能なメニューを表す領域A17と、メニューA17から選択された項目に関する情報を表示する領域A18を表示する。図14は、一例として、加盟店の店員が、メニューA17から第2クーポンを表す領域を選択した場合に加盟店向けインターフェース72に表示される画面を表す。
【0058】
図14に示す通り、決済サーバ100は、例えば、第2店舗端末装置70に、加盟店を対象として発行されている第2クーポンの一覧を送信し、加盟店向けインターフェース72に表示させる。このとき、加盟店向けインターフェース72は、例えば、各第1利用者によって発行されている第2クーポンの詳細情報を表示させるための領域A18と、当該第2クーポンの発行の停止を選択するためのボタンB8とを表示させる。詳細情報は、第2クーポンの発行者、店舗、商品、特典、コメントに加えて、例えば、公開/非公開の別や、第2クーポンを利用した利用済みの人数などの情報も含んでもよい。加盟店の店員は、各第2クーポンの詳細情報A18を確認し、停止ボタンB8を押下すると、第2店舗端末装置70は、停止ボタンB8が押下された旨を示す情報を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100の情報管理部140は、受信した情報に基づいて、対応する第2クーポンを第2クーポン情報180から削除する。代替的に、情報管理部140は、対応する第2クーポンを削除するに先立って、当該第2クーポンを発行した第1利用者の第1利用者端末装置10Aに問い合わせ情報を送信し、第1利用者の合意が得られたタイミングで第2クーポンを削除してもよい。これにより、加盟店の店員は、例えば、第2クーポンの発行および公開により、加盟店の店舗が混雑したり、対象商品の在庫状況が逼迫した際には、ステータスが公開状態にある第2クーポンや、利用済みの人数が多い第2クーポンを停止することにより、そのような事態に対処することができる。
【0059】
なお、図14では一例として、決済サーバ100が、加盟店向けインターフェース72を介して、発行済みの第2クーポンを停止する機能を提供する例について説明したが、その他第2クーポンに係る様々な機能を提供してもよい。例えば、決済サーバ100は、加盟店向けインターフェース72上で、第2クーポンの適用対象(もしくは除外対象)となる商品を、商品IDを介して指定可能とする機能を提供してもよい。その場合、図12および図13に示した設定画面において、第1利用者は、第2クーポンの適用対象となる商品の中から、第2クーポンの対象商品を指定することとなる。これにより、加盟店は、例えば、在庫状況が逼迫している商品を第2クーポンの適用対象から除外することにより、第2クーポンの流通を適切に管理することができる。さらに、例えば、決済サーバ100は、加盟店向けインターフェース72上で、店員の選択に応じて、加盟店の各商品に対応する商品ID情報を含む店舗コード画像60を表示させる機能を提供してもよい。その場合、第2クーポンを獲得した第2利用者の第2利用者端末装置10Bは、当該店舗コード画像60を読み取ってユーザスキャンを実行することにより、決済サーバ100は、第2クーポンの対象商品と電子決済が実行された商品とを照合し、第2利用者に第2クーポンに係る特典を付与することができる。
【0060】
[第1クーポンおよび第2クーポンの重複適用]
上述した通り、第1クーポンは、加盟店が自身の原資に基づいて発行する特典であり、第2クーポンは、個々の第1利用者が自身の原資に基づいて発行する特典である。そのため、仮に同一の店舗での電子決済に対して、第1クーポンおよび複数の第2クーポンが重複適用された場合であっても、適用に伴う負担は複数の発行者に分散されることになる。そのため、本実施形態では、特典付与部140Cは、電子決済を行った第2利用者が、第1クーポンおよび複数の第2クーポンを獲得して電子決済を行った場合、当該第2利用者に、これら第1クーポンおよび複数の第2クーポンを同時に適用してもよい。
【0061】
図15は、第1クーポンおよび複数の第2クーポンを獲得した第2利用者によって実行された電子決済の決済完了画面の一例を示す図である。図15は、第2利用者が、一つの第1クーポンと、2人の第1利用者によって発行された2つの第2クーポンを獲得した状態で電子決済を行った場合に表示される決済完了画面を表している。従来技術では、第2利用者は、加盟店が発行した第1クーポンのみを利用してポイントを獲得していたが、本実施形態では、当該第2利用者は、第1クーポンと2つの第2クーポンとを併用して、これらのクーポンに対応するポイントを獲得することができる。これにより、加盟店や個々の第1利用者が過大な負担を負うことなく、より効果的に当該加盟店を宣伝することができる。
【0062】
[第2クーポンを発行した第1利用者の評価]
決済サーバ100は、さらに、第2利用者の第2利用者端末装置10Bに対して、利用済みの第2クーポンに対する評価を与える機能を提供してもよい。図16は、第2利用者端末装置10Bによる第2クーポンの評価方法の一例を示す図である。図16は、第2利用者が、第2利用者端末装置10Bによる電子決済後に表示される決済完了画面において、利用した第2クーポンの評価を行う場面を表している。例えば、第2利用者端末装置10Bは、利用した第2クーポンの評価(グレード)およびコメントを記載するための領域A19を表示させ、第2利用者が、領域A19に入力を行い、送信ボタンB9を押下したタイミングで、評価内容を決済サーバ100に送信する。
【0063】
決済サーバ100は、第2利用者端末装置10Bから受信した評価に基づいて第1利用者をスコア付けし、例えば、図11に示した逆ウィッシュリストWLの検索結果表示画面において、より高いスコアを有する第1利用者をより高い順位に表示させてもよい。また、例えば、決済サーバ100は、より高いスコアを有する第1利用者に対して、何らかの称号を付与したり、追加的な機能(例えば、他の電子決済サービスの利用者に対して、第2クーポンの発行のための予算を募る機能)を利用可能としてもよい。
【0064】
[処理の流れ]
次に、図17を参照して、第2クーポンの発行から利用までに実行される処理の流れについて説明する。図17は、第1利用者端末装置10Aと、第2利用者端末装置10Bと、決済サーバ100と、第1店舗端末装置50の協働によって実行される処理の流れを例示したシーケンス図である。図17は、一例として、第1利用者が不特定の第2利用者に対して第2クーポンを公開する場合の処理の流れを表している。
【0065】
まず、第1利用者端末装置10Aは、第1利用者によって入力された第2クーポンの設定条件を受け付ける(S21)。次に、第1利用者端末装置10Aは、入力を受け付けた第2クーポンの設定条件を決済サーバ100に送信する(S22)。次に、決済サーバ100は、受信した第2クーポンの設定条件に基づいて、第2クーポンを新規に発行し、新規に発行した第2クーポンに関する情報を第2クーポン情報180に記憶する(S23)。このとき、上述した通り、第2クーポンの設定条件が公開に設定されている場合、決済サーバ100は、第2店舗端末装置70に、第2クーポンの発行を許可するか否かを問い合わせ、加盟店の店員によって第2クーポンの発行が許可された場合に、S23の処理を実行してもよい。
【0066】
次に、決済サーバ100は、発行した第2クーポンを第2利用者端末装置10Bに公開する(S24)。より具体的には、第2利用者端末装置10Bは、決済アプリ20上で、クーポンボタンM1が操作された際に、複数の第2利用者が発行した第2クーポンのリストを逆ウィッシュリストWLとして表示する。次に、第2利用者端末装置10Bは、第2利用者によって指定された第2クーポンの取得要求を決済サーバ100に送信する(S25)。次に、決済サーバ100は、受信した第2クーポンの取得要求に基づいて、第2利用者のアカウントIDと第2クーポンの第2クーポンIDとを対応付けることによって(S26)、第2利用者に第2クーポンを付与する(S27)。
【0067】
次に、第2利用者端末装置10Bは、第2クーポンを獲得した対象となる加盟店の店舗でストアスキャンによる電子決済を行う(S28)。なお、このとき、上述した通り、ストアスキャンに代えて、第2店舗端末装置70は、商品ID情報を含む店舗コード画像60を表示させ、第2利用者はユーザスキャンによる電子決済を行ってもよい。ストアスキャンを行った第1店舗端末装置50は、決済情報(ワンタイムコード、送金金額、加盟店ID、店舗ID、商品ID)を含む決済情報を決済サーバ100に送信する(S29)。決済サーバ100は、受信した決済情報に基づいて電子決済を行うとともに、決済情報に含まれる加盟店ID、店舗ID、商品IDと、利用者情報172に含まれる獲得第2クーポンと、第2クーポン情報180に含まれる加盟店ID、店舗ID、対象商品とを照合することによって、当該第2利用者に適用可能な第2クーポンが存在するか否かを判定する(S30)。
【0068】
次に、決済サーバ100は、決済完了通知を第2利用者端末装置10Bに送信し(S31)、このとき、第2利用者に適用可能な第2クーポンが存在すると判定されていた場合には、第2クーポンを適用した旨を示す情報を決済完了通知に含める。第2利用者端末装置10Bは、受信した決済完了通知を表示するとともに(S32)、決済サーバ100は、第2クーポンの適用によるポイントを第2利用者に付与する(S33)。なお、このとき、同様に、第1クーポンの適用判定及びポイントの付与処理も行っているが、簡潔性のために説明を省略する。これにより、本シーケンス図に係る処理が終了する。
【0069】
以上説明した実施形態によれば、第1利用者の利用者端末装置から、電子決済サービスにおける加盟店の実店舗で販売される特定商品の決済に利用可能な特典を第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与可能とすることの設定を受け付け、第2利用者による利用者端末装置の操作に応じて、第2利用者の電子決済サービスアカウントと特典とを対応付け、特典が第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けられ、かつ第2利用者が特定商品を決済した場合、特典を第2利用者に付与する。これにより、商品購入の支援を行うことを希望する利用者のニーズに応えるウィッシュリストを実装することができる。
【0070】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
140A 設定受付部
140B 対応付け部
140C 特典付与部
図1
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