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特許7667393管理システム、管理装置、管理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】管理システム、管理装置、管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/32 20250101AFI20250416BHJP
   G08G 5/56 20250101ALI20250416BHJP
   G08G 5/72 20250101ALI20250416BHJP
   G01C 21/20 20060101ALI20250416BHJP
【FI】
G08G5/32
G08G5/56
G08G5/72
G01C21/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023562039
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 JP2021042552
(87)【国際公開番号】W WO2023089760
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2024-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】田中 伶実
(72)【発明者】
【氏名】庄田 武志
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】武藤 知之
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/136822(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/145215(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/107047(WO,A1)
【文献】特表2021-521465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/32
G08G 5/56
G08G 5/72
G01C 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する利用計画取得手段と、
前記コリドーの予約情報を記憶する記憶手段と、
前記予約情報を参照して、前記利用計画に応じた前記コリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する計算手段と、
算出された前記判定パラメータに応じて、前記コリドーの渋滞状況を予測する予測手段と、
予測された前記コリドーの前記渋滞状況に応じて、前記コリドーの利用可否に関する判定情報を生成する判定手段と、
前記コリドーの利用可否に関する前記判定情報を出力する出力手段と、を備える判定装置と、
前記判定情報に応じたドローンが利用可能な前記コリドーを管理する管理装置とを備え、
前記管理装置は、
前記コリドーを利用している前記ドローンのRID(Remote Identifier)を含む発信情報を取得する発信情報取得手段と、
前記発信情報に含まれる位置情報を用いて前記ドローンの位置を計算する位置計算手段と、
前記コリドーを利用している前記ドローンの位置に応じて、前記コリドーの内部の単位領域に位置する前記ドローンの機数を計算する配置計算手段と、
前記単位領域に位置する前記ドローンの機数に応じて、前記ドローンに対する制御情報を生成する制御情報生成手段と、
生成された制御情報を出力する制御情報出力手段と、を有し、
前記制御情報生成手段は、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超える場合、前記単位領域の内部の複数の前記ドローンを互いに遠ざけるように制御する前記制御情報を生成し、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、前記単位領域の内部の前記ドローンに対しては前記制御情報を生成しない管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記コリドーの利用が許可されていない前記ドローンが前記コリドーの内部で検出された場合、
検出された前記ドローンの前記コリドーからの退出を促す警告情報、または、検出された前記ドローンに対して前記コリドーから退出させる制御をする前記制御情報を出力する請求項に記載の管理システム。
【請求項3】
前記予測手段は、
前記コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数に対する、前記利用計画に応じた予約機数の割合に応じて、前記コリドーの前記渋滞状況を予測する請求項1または2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記予測手段は、
前記コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数から、前記利用計画に応じた予約機数を引いた値に応じて、前記コリドーの前記渋滞状況を予測する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記利用計画取得手段は、
前記コリドーの利用を計画する前記ドローンの充電量を含む前記利用計画を取得し、
前記判定手段は、
前記利用計画に含まれる前記ドローンの充電量に応じて、前記コリドーの利用可否を判定する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記利用計画を申請した利用者が利用する端末装置に前記コリドーの予約状況を出力し、前記利用者が利用する前記端末装置の画面に前記コリドーの予約状況を表示させる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
コリドーを利用しているドローンのRID(Remote Identifier)を含む発信情報を取得する発信情報取得手段と、
前記発信情報に含まれる位置情報を用いて前記ドローンの位置を計算する位置計算手段と、
前記コリドーを利用している前記ドローンの位置に応じて、前記コリドーの内部の単位領域に位置する前記ドローンの機数を計算する配置計算手段と、
前記単位領域に位置する前記ドローンの機数に応じて、前記ドローンに対する制御情報を生成する制御情報生成手段と、
生成された制御情報を出力する制御情報出力手段と、を有し、
前記制御情報生成手段は、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超える場合、前記単位領域の内部の複数の前記ドローンを互いに遠ざけるように制御する前記制御情報を生成し、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、前記単位領域の内部の前記ドローンに対しては前記制御情報を生成しない管理装置。
【請求項8】
前記制御情報出力手段は、
前記コリドーの利用が許可されていない前記ドローンが前記コリドーの内部で検出された場合、
検出された前記ドローンの前記コリドーからの退出を促す警告情報、または、検出された前記ドローンに対して前記コリドーから退出させる制御をする前記制御情報を出力する請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得し、
前記コリドーの予約情報を記憶し、
前記予約情報を参照して、前記利用計画に応じた前記コリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算し、
算出された前記判定パラメータに応じて、前記コリドーの渋滞状況を予測し、
予測された前記コリドーの前記渋滞状況に応じて、前記コリドーの利用可否に関する判定情報を生成し、
前記コリドーの利用可否に関する前記判定情報を出力し、
前記コリドーを利用している前記ドローンのRID(Remote Identifier)を含む発信情報を取得し、
前記発信情報に含まれる位置情報を用いて前記ドローンの位置を計算し、
前記コリドーを利用している前記ドローンの位置に応じて、前記コリドーの内部の単位領域に位置する前記ドローンの機数を計算し、
前記単位領域に位置する前記ドローンの機数に応じて、前記ドローンに対する制御情報を生成し、
生成された制御情報を出力し、
前記制御情報の生成において、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超える場合、前記単位領域の内部の複数の前記ドローンを互いに遠ざけるように制御する前記制御情報を生成し、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、前記単位領域の内部の前記ドローンに対しては前記制御情報を生成しない管理方法
【請求項10】
ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する処理と、
前記コリドーの予約情報を記憶する処理と、
前記予約情報を参照して、前記利用計画に応じた前記コリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する処理と、
算出された前記判定パラメータに応じて、前記コリドーの渋滞状況を予測する処理と、
予測された前記コリドーの前記渋滞状況に応じて、前記コリドーの利用可否に関する判定情報を生成する処理と、
前記コリドーの利用可否に関する前記判定情報を出力する処理と、
前記コリドーを利用している前記ドローンのRID(Remote Identifier)を含む発信情報を取得する処理と、
前記発信情報に含まれる位置情報を用いて前記ドローンの位置を計算する処理と、
前記コリドーを利用している前記ドローンの位置に応じて、前記コリドーの内部の単位領域に位置する前記ドローンの機数を計算する処理と、
前記単位領域に位置する前記ドローンの機数に応じて、前記ドローンに対する制御情報を生成する処理と、
生成された制御情報を出力する処理と、
前記制御情報を生成する処理において、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超える場合、前記単位領域の内部の複数の前記ドローンを互いに遠ざけるように制御する前記制御情報を生成する処理と、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、前記単位領域の内部の前記ドローンに対しては前記制御情報を生成しない処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドローンハイウェイ(コリドー)の利用計画に応じて、コリドーの利用可否を判定する判定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
都市部など人口密集地域において、ドローンを運用するニーズが高まっている。安全で安定した運行を確保するために、ドローンハイウェイ(コリドーとも呼ぶ)の整備が検討されている。
【0003】
特許文献1には、ドローンのナビゲーションシステムについて開示されている。特許文献1には、電力線や道路、パイプライン等の既存のインフラストラクチャを使用して、ドローンをナビゲートするように構成されたドローンハイウェイについて開示されている。特許文献1の手法では、インフラストラクチャの熱や、赤外線、可視光等のスペクトルに関する環境データを、ドローンが収集する。ドローンは、収集された環境データを、ドローンハイウェイと関連付けられたデータシグネチャと比較することで、そのドローンハイウェイにおける自装置の位置を決定する。
【0004】
特許文献2には、電動移動体の移動予定経路の状況に応じて、移動可能距離を提示する電池管理装置について開示されている。特許文献2の装置は、蓄電素子の充電率と、電動移動体の予知恵経路における環境情報とを取得する。特許文献2の装置は、取得した充電率および環境情報から、予定経路を電動移動体が移動するための必要電力量と、電動移動体に搭載されている設備での電力消費量の予測とに基づいて、予測電力消費量を計算する。特許文献2の装置は、算出された予測電力消費量ならびに充電率に基づいて、蓄電素子の残電力による移動可能距離を計算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2020-513122号公報
【文献】国際公開第2021/038940号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の手法によれば、ドローンハイウェイにおけるドローンの位置に応じて、ドローンを移動制御することによって、長い距離にわたって、ドローンをナビゲートすることができる。特許文献1では、同じドローンハイウェイを複数のドローンが同時に使用することを想定していない。例えば、同じドローンハイウェイを複数のドローンが同時に使用する場合、それらのドローンの位置関係に応じて、渋滞が発生する可能性がある。渋滞が発生すると、ドローンがホバリングして停止し続けることによって、電池切れや燃料切れとなり、墜落する可能性がある。
【0007】
特許文献2には、経路の区間ごとの渋滞長や、区間における時刻ごとの平均旅行時間、平均速度等の渋滞情報を用いて、予測電力消費量を計算することが開示されている。特許文献2には、既に発生した渋滞に関する渋滞情報を用いることは開示されているが、これから起こりうる渋滞を事前に予測することについては開示されていない。そのため、特許文献2の手法を用いても、経路を利用中に渋滞が発生した場合等においては、電池切れや燃料切れが発生する可能性があった。
【0008】
本開示の目的は、ドローンが航行するコリドーに発生しうる渋滞を解消できる判定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様の判定装置は、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する利用計画取得部と、コリドーの予約情報を記憶する記憶部と、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する計算部と、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する予測部と、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定情報を生成する判定部と、コリドーの利用可否に関する判定情報を出力する出力部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様の判定方法においては、コンピュータが、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得し、コリドーの予約情報を記憶し、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算し、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測し、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定情報を生成し、コリドーの利用可否に関する判定情報を出力する。
【0011】
本開示の一態様のプログラムは、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する処理と、コリドーの予約情報を記憶する処理と、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する処理と、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する処理と、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定情報を生成する処理と、コリドーの利用可否に関する判定情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ドローンが航行するコリドーに発生しうる渋滞を解消できる判定装置等を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る判定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図3】第1の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図4】第1の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図5】第1の実施形態に係る判定装置に入力される利用計画の入力例を示す概念図である。
図6】第1の実施形態に係る判定装置に記憶される予約情報の一例を示す表である。
図7】第1の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図8】第1の実施形態に係る判定装置に記憶される予約情報の一例を示す表である。
図9】第1の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図10】第1の実施形態に係る判定装置に利用計画を入力するためのユーザインターフェースの一例を示す概念図である。
図11】第1の実施形態に係る判定装置に利用計画を入力するためのユーザインターフェースへの入力例を示す概念図である。
図12】第1の実施形態に係る判定装置に利用計画を入力するためのユーザインターフェースへの入力例を示す概念図である。
図13】第1の実施形態に係る判定装置に利用計画を入力するためのユーザインターフェースへの入力例を示す概念図である。
図14】第1の実施形態に係る判定装置に利用計画を入力するためのユーザインターフェースへの入力例を示す概念図である。
図15】第1の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図16】第1の実施形態に係る判定装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図17】第1の実施形態に係る判定装置が緊急要請を受け付けた際の処理の一例について説明するためのフローチャートである。
図18】第2の実施形態に係る判定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図19】第2の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図20】第2の実施形態に係る判定装置に入力される利用計画の入力例を示す概念図である。
図21】第2の実施形態に係る判定装置に記憶される予約情報の一例を示す表である。
図22】第2の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図23】第2の実施形態に係る判定装置に記憶される予約情報の一例を示す表である。
図24】第2の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図25】第2の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図26】第2の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図27】第2の実施形態に係る判定装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図28】第3の実施形態に係る判定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図29】第3の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図30】第3の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図31】第3の実施形態に係る判定装置による予約対象のコリドーの形成例について説明するための概念図である。
図32】第3の実施形態に係る判定装置から出力される判定情報の一例を示す概念図である。
図33】第3の実施形態に係る判定装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図34】第4の実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図35】第4の実施形態に係る管理システム管理対象のコリドーを利用するドローンの制御例を示す概念図である。
図36】第4の実施形態に係る管理システムが備える管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図37】第4の実施形態に係る管理システムの管理対象のコリドーを利用するドローンの構成の一例を示す概念図である。
図38】第4の実施形態に係る管理システムの管理対象のコリドーを利用するドローンの構成の一例を示す概念図である。
図39】第4の実施形態に係る管理システムの管理対象のコリドーを利用するドローンの構成の一例を示すブロック図である。
図40】第4の実施形態に係る管理システムが備える管理装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図41】第4の実施形態に係る管理システムが備える管理装置による監視処理の一例について説明するためのフローチャートである。
図42】第5の実施形態に係る判定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図43】各実施形態の制御や処理を実行するハードウェア構成の一例を示すブロックである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の判定装置は、ドローンが航行する経路(コリドーとも呼ぶ)の予約情報に基づいて、コリドーの利用可否を判定する。以下においては、河川の上方に形成されたコリドーを、飛行型のドローンが航行する例を挙げる。コリドーは、河川のみならず、送電線や線路、道路等の上方に形成されてもよい。ドローンが航行可能であれば、コリドーの形成領域には、特に限定を加えない。また、ドローンは、飛行型に限らず、地上を走行するものや、水面や水中を航行するものであってもよい。ドローンは、無人航空機に限らず、人が搭乗可能な空飛ぶ乗り物であってもよい。
【0016】
(構成)
図1は、本実施形態に係る判定装置10の構成の一例を示すブロック図である。判定装置10は、利用計画取得部11、計算部12、記憶部13、予測部15、判定部16、および出力部17を備える。図1には、利用計画取得部11に入力される利用計画110と、出力部17から出力される判定情報160とを図示する。
【0017】
〔コリドー〕
図1の判定装置10の構成について説明する前に、判定装置10による予約対象のコリドーについて図面を参照しながら説明する。図2は、河川の上方に形成されたコリドー1の一例を示す概念図である。図3は、コリドー1を上方から見下ろした概念図である。図2図3には、コリドー1の内部を複数のドローン170が航行する様子を示す。
【0018】
例えば、コリドー1は、河川の水面から150m(メートル)以下の高度に形成される。図2図3の例では、左側が上流であり、右側が下流である。以下の図においては、河川の流れる方向を矢印で示す。河川を上流(左側)から下流(右側)に向かって眺めて、右側の岸を右岸と呼び、左側の岸を左岸と呼ぶ。
【0019】
コリドー1が形成される位置は、河川の両岸に配置された複数の誘導灯140によって、規定される。複数の誘導灯140は、左岸と右岸とで、異なる色で発光する。例えば、左岸に配置された誘導灯140は緑色に発光し、右岸に配置された誘導灯140は赤色に発光する。同じ側の岸に設置された誘導灯140が同じ色で発光しさえすれば、誘導灯140の発光色に関しては、特に限定を加えない。
【0020】
コリドー1の内部における進行方向は、図2図3の紙面の左から右に向けた向きである。例えば、複数のドローン170は、下方を撮影するカメラ(図示しない)を搭載する。ドローン170は、カメラによって撮影された下方の画像に含まれる誘導灯140の発光色に従って、コリドー1の内部を航行する。例えば、ドローン170は、河川の一方の岸に配置された誘導灯140に従って、航行する。例えば、ドローン170は、河川の両岸に配置された誘導灯140に従って、航行してもよい。
【0021】
本実施形態においては、誘導灯140の発光色に従って、ドローン170が航行する例を示す。ドローン170は、カメラによって撮影された画像に基づいて、航行してもよい。例えば、ドローン170は、画像から抽出される特徴に基づいて、コリドー1が形成された領域における自装置の位置を特定し、コリドー1の内部で航行するように自律制御するように構成される。例えば、ドローン170は、自装置の位置情報に基づいて、コリドー1が形成された領域における自装置の位置を特定し、コリドー1の内部で航行するように自律制御するように構成されてもよい。
【0022】
図2~3には、待機スペースWS、昇降経路EL、コリドー領域C、入域E、および出域Oを示す。待機スペースWSは、コリドーを使用するドローン170が待機するスペースである。昇降経路ELは、地上からコリドー1に向かうための空域である。複数のコリドー領域C(C1~C7)は、コリドー1の本線となる空域である。入域Eは、ドローン170がコリドー1に入場するための空域である。図2図3には、コリドー領域C1に入場するための入域E1を示す。出域Oは、コリドー1からドローン170が退場するための空域である。図2図3には、コリドー領域C7から退場するための出域O7を示す。
【0023】
河川の脇には、管理塔190が配置される。管理塔190は、通信機能やカメラを備える。管理塔190は、コリドー1の内部を航行するドローン170から発信される信号を受信する。ドローン170から送信される信号には、個々のドローン170を識別するための発信情報が含まれる。例えば、発信情報は、ドローン170に搭載されたRID(Remote Identifier)機器から発信される。発信情報には、個々のドローン170の登録情報や製造番号、位置情報、時刻、認証情報等が含まれる。例えば、コリドー1の内部を航行するドローン170は、ブルートゥース(登録商標)等の通信方式によって、1秒間に1回以上の発信周期で発信情報を発信する。また、管理塔190は、コリドー1を使用するドローン170を撮影する。管理塔190は、複数のドローン170から発信された信号に含まれる発信情報や撮影した画像を、コリドー1を管理する管理装置(図示しない)に送信する。管理塔190から送信される発信情報は、コリドー1を使用するドローン170の管理に用いられる。例えば、河川の両岸に配置された複数の誘導灯140のいずれかに、管理塔190の機能をもたせてもよい。
【0024】
図4は、図2図3のコリドー1の別の一例(コリドー1-2)について説明するための概念図である。コリドー1-2は、上流から下流に向けた下り経路と、下流から上流に向けた上り経路とが、河川の上方に形成される例を示す。図4のように、河川の上方には、複数の経路を形成できる。例えば、複数の経路は、高度に応じて形成される。例えば、複数の経路は、河川の水面に対して平行な面内で形成されてもよい。
【0025】
〔判定装置〕
次に、判定装置10に含まれる、利用計画取得部11、計算部12、記憶部13、予測部15、判定部16、および出力部17について説明する。例えば、判定装置10は、クラウドやサーバに実装されるソフトウェアによって実現される。例えば、判定装置10は、クラウドやサーバの側に配備される専用端末として提供されてもよい。また、判定装置10は、ユーザが携帯するスマートフォンやタブレットなどの携帯端末(図示しない)にインストールされるアプリケーションソフトウェア(以下、アプリとも呼ぶ)の形態で提供されてもよい。
【0026】
利用計画取得部11は、コリドーの利用計画110を取得する。利用計画110は、コリドーの利用を希望するユーザによって入力される。利用計画取得部11は、取得した利用計画110に含まれる情報を、計算部12に出力する。
【0027】
図5は、利用計画取得部11に入力される利用計画110が記入された申請の一例である(利用計画申請111)。図5には、ユーザが使用する端末装置100の画面に、利用計画申請111が表示された例を示す。例えば、ユーザが使用する端末装置100は、スマートフォンやタブレット、パーソナルコンピュータ等の入力機能を有する端末である。端末装置100は、コリドーの利用計画110を入力する機能が追加された汎用端末であってもよいし、コリドーの利用計画110を入力するための専用端末であってもよい。
【0028】
利用計画申請111は、RID(Remote ID)、利用計画ID、出発地、出発時間、目的地、到着時間等の記入欄を含む。RIDは、ユーザのドローン170に固有の識別情報である。例えば、RIDは、個々のドローン170の発信情報に含まれる登録情報や製造番号、認証情報等である。RIDは、個々のドローン170の発信情報であってもよい。利用計画IDは、個々の利用計画110を識別するための識別番号である。利用計画IDは、利用計画110の申請ごとに自動採番されてもよい。出発地は、ドローン170を出発させる予定の場所である。出発時間は、出発地からドローン170を出発させる予定の時刻である。目的地は、ドローン170を到着させる予定の場所である。到着時間は、ドローン170を目的地に到着させる予定の時刻である。なお、図5の利用計画申請111は一例であって、図5に示す項目以外の記入欄を含んでもよい。例えば、利用計画申請111には、利用者の氏名や住所、電話番号、Eメールアドレス、識別情報等の利用者情報の記入欄が含まれてもよい。
【0029】
図5の利用計画申請111の例は、RIDが「ABCDEFG」のドローン170に関して入力された、利用計画IDがN0001の利用計画110である。利用計画110を申請するユーザは、00時10分に自宅を出発し、01時00分にA社に到着するまでの経路における、コリドー1の利用計画申請111を申請する。例えば、利用計画申請111に記入された利用計画110は、必要な記入欄が埋められた状態で、申請ボタンがクリック/タップされることで申請される。
【0030】
記憶部13は、コリドーの予約情報130を記憶する。予約情報130は、コリドーを予約中のドローン170の機数(予約機数)や、コリドーを利用可能なドローン170の機数(上限機数)、流量(密度)等の情報を含む。予約情報130は、予約可能機数や予約可否を示す情報を含んでもよい。
【0031】
図6は、記憶部13に記憶される予約情報130の一例(予約情報131)である。図6の予約情報131には、予約機数、上限機数、流量(密度)、予約可能機数、および予約可否に関する情報が含まれる。図6には、コリドー領域Cごとの情報が予約情報131に含まれる例を示す。予約情報130には、コリドー領域Cごとではなく、いくつかのコリドー領域ごとの情報が記憶されてもよい。また、予約情報130には、コリドー領域Cごとではなく、コリドー全体の予約情報が記憶されてもよい。図6には、ある時間帯におけるコリドーの予約情報131を示す。予約情報130は、コリドーの予約状況を時刻表で表したものであってもよい。
【0032】
図6の予約情報131において、例えば、コリドー領域C1では、予約機数が5機であり、上限機数が10機である。例えば、コリドー領域C1の流量(密度)は、予約機数(5)を上限機数(10)で割った値(0.5)である。また、コリドー領域C1の予約可能機数は、上限機数(10)から予約機数(5)を引いた値(5)である。コリドー領域C1以外のコリドー領域C2~C7に関しても、コリドー領域C1と同様に、流量(密度)や予約可能機数を計算できる。予約可否は、その時点における予約の可能/不可能を示す。図6の予約情報131の例では、全てのコリドー領域C1~C7に関して、予約が可能(○)である。コリドー領域C1の流量(密度)の計算方法は、上記のみに限られない。
【0033】
計算部12は、利用計画取得部11から利用計画110を取得する。また、計算部12は、その利用計画に応じたコリドーの予約情報130を、記憶部13から取得する。複数のコリドーが形成されている場合、計算部12は、利用計画に含まれる出発地や目的地、出発時間、到着時間に基づいて、コリドーを選択する。例えば、計算部12は、利用計画に含まれる出発地と目的地の経路に最も近いコリドーを選択する。例えば、計算部12は、利用計画に含まれる出発時間と到着時間に利用可能なコリドーを選択する。
【0034】
計算部12は、コリドーの予約情報130に基づいて、利用計画の申請が受理された場合の判定パラメータを計算する。判定パラメータは、コリドーの利用可否を判定するための値である。計算部12は、利用計画に含まれる出発時間から到着時間までの時間帯(計画時間帯とも呼ぶ)に関する判定パラメータを計算する。例えば、計算部12は、利用計画の申請が受理された場合における、計画時間帯のコリドーにおけるドローン170の流量(密度)や予約可能機数を、判定パラメータとして計算する。利用計画で申請されたドローン170が1機の場合、計算部12は、予約情報130に含まれる予約中の機数に1を加えて、判定パラメータを計算する。利用計画で申請されたドローン170が複数の場合、計算部12は、予約情報130に含まれる予約中の機数に、申請中のドローン170の機数を加えて、判定パラメータを計算する。計算部12は、算出されたドローン170の判定パラメータを予測部15に出力する。
【0035】
例えば、計算部12は、利用計画110に応じた計画時間帯における、コリドー領域Cごとのドローン170の上限機数に対する予約機数の割合を、判定パラメータとして計算する。この場合、判定パラメータは、コリドー領域Cごとのドローン170の機数(密度)に相当する。例えば、計算部12は、以下の式1を用いて、判定パラメータJを計算する。
J=(RC+N)/U・・・(1)
上記の式1において、RCは、利用計画を受け付けた時点における、コリドー領域Cの予約機数である。Uは、利用計画を受け付けた時点における、コリドー領域Cの予約可能機数である。Nは、利用計画110で申請されたドローン170の機数である。
【0036】
例えば、計算部12は、ドローン170の位置情報や移動速度に基づいて、計画時間帯に含まれる時刻ごとに、コリドー領域Cに滞在するドローン170の機数を、判定パラメータとして計算してもよい。計画時間帯に含まれる時刻ごとに判定パラメータを算出すれば、より正確な判定を行うことができる。例えば、計算部12は、以下の式2を用いて、時刻tにおける判定パラメータJtを計算する。
t=(RCt+Nt)/Ut・・・(2)
上記の式2において、RCtは、利用計画を受け付けた時点における、時刻tのコリドー領域Cの予約機数である。Utは、利用計画を受け付けた時点における、時刻tのコリドー領域Cの予約可能機数である。Ntは、利用計画110で申請されたドローン170が、時刻tにおいてコリドー領域Cに滞在する見込みの機数である。
【0037】
上記の式1および式2は、計画時間帯のコリドーにおけるドローン170の流量(密度)を、判定パラメータとして算出する例である。計算部12は、計画時間帯のコリドーにおけるドローン170の機数を、判定パラメータとして計算してもよい。
【0038】
予測部15は、計算部12によって算出された判定パラメータを用いて、申請された計画時間帯におけるコリドーの渋滞状況を予測する。予測部15は、コリドーの渋滞状況の予測結果を判定部16に出力する。
【0039】
判定パラメータが流量(密度)である場合、予測部15は、計算部12によって算出された判定パラメータの値に応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。計算部12によって算出された判定パラメータが1未満の場合、予測部15は、コリドーが渋滞しないと予測する。それに対し、計算部12によって算出された判定パラメータが1以上の場合、予測部15は、コリドーが渋滞すると予測する。
【0040】
判定パラメータが機数である場合、予測部15は、予約情報130に含まれる上限機数と、計算部12によって算出された判定パラメータとの大小関係に応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。予約情報130に含まれる上限機数が、計算部12によって算出された判定パラメータ以上の場合、予測部15は、コリドーが渋滞しないと予測する。それに対し、予約情報130に含まれる上限機数が、計算部12によって算出された判定パラメータ未満の場合、予測部15は、コリドーが渋滞すると予測する。
【0041】
判定部16は、予測部15によって予測された渋滞状況に応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する。予測部15によってコリドーが渋滞しないと予測された場合、判定部16は、判定が許可されたことを示す判定情報160を生成する。例えば、判定部16は、申請が受け付けられたことを示す判定結果や、利用が許可されたコリドーの入域/出域、ルート等を含む利用条件などを含む判定情報160を生成する。予測部15によってコリドーが渋滞すると予測された場合、判定部16は、判定が許可されなかったことを示す判定情報160を生成する。例えば、判定部16は、申請が受け付けられなかったことを示す判定結果や、代替案等の利用条件などを含む判定情報160を生成する。
【0042】
出力部17は、判定部16によって生成された判定情報160を出力する。例えば、出力部17から出力された判定情報160は、端末装置100に出力される。端末装置100の画面には、判定情報160が表示される。例えば、出力部17から出力される判定情報160は、図示しない他のシステムに出力されてもよい。出力部17から出力される判定情報160の用途については、特に限定を加えない。
【0043】
図7は、端末装置100の画面に判定情報(判定情報161)を表示させる例である。図7には、判定情報161に並べて、利用計画申請111を表示させる。図7には、コリドーの利用が許可された場合の判定情報161を示す。判定情報161には、「申請が受け付けられました。」という判定結果が含まれる。また、判定情報161には、入域E1を介してコリドーに入域する時刻(入域時刻)や、出域O7を介して、コリドーから出域する時刻(出域時刻)、ルート等の利用条件が含まれる。判定結果を確認した利用者は、利用条件に応じて、コリドーを利用できる。
【0044】
図8は、記憶部13に記憶される予約情報130の別の一例(予約情報132)である。図8の予約情報132には、予約不可(×)のコリドー領域Cが含まれる例を示す。また、図8の予約情報132には、予約枠が少ない条件付きの予約可(△)のコリドー領域Cも含まれる。
【0045】
図8の予約情報132において、例えば、コリドー領域C1では、予約機数が8機であり、上限機数が10機である。コリドー領域C1の流量(密度)は、予約機数(8)を上限機数(10)で割った値(0.8)である。また、コリドー領域C1の予約可能機数は、上限機数(10)から予約機数(8)を引いた値(2)である。すなわち、コリドー領域C1に関しては、残り2機の予約が可能である。
【0046】
図8の予約情報132において、例えば、コリドー領域C4とコリドー領域C5では、予約機数が10機であり、上限機数が10機である。コリドー領域C4とコリドー領域C5の流量(密度)は、予約機数(10)を上限機数(10)で割った値(1.0)である。また、コリドー領域C4とコリドー領域C5の予約可能機数は、上限機数(10)から予約機数(10)を引いた値(0)である。すなわち、コリドー領域C4とコリドー領域C5に関しては、予約が不可能である。
【0047】
図8の予約情報132において、例えば、コリドー領域C3では、予約機数が10機であり、上限機数が9機である。コリドー領域C3の流量(密度)は、予約機数(9)を上限機数(10)で割った値(0.9)である。また、コリドー領域C3の予約可能機数は、上限機数(10)から予約機数(9)を引いた値(1)である。すなわち、コリドー領域C3に関しては、2機以上の予約は不可能である。
【0048】
図9は、予約情報132(図8)に応じた判定情報(判定情報162)を、端末装置100の画面に表示させる例である。図9には、判定情報162に並べて、利用計画申請111を表示させる。図9には、コリドーの利用が許可されなかった場合の判定情報162を示す。判定情報162には、「申請が受け付けられませんでした。」という判定結果が含まれる。また、判定情報161には、入域時刻や出域時刻の代替案が含まれる。代替案は、利用条件の一形態である。図9の判定情報162に含まれる代替案は、コリドーの利用時間をずらした案である。図9の判定情報162には、「上記の代替案でよろしいでしょうか?」という情報が含まれる。例えば、判定結果を確認した利用者は、代替案を確認して、代替案を受け入れる場合は、「はい」のボタンをクリック/タップする。「はい」のボタンがクリック/タップされると、その代替案が受け付けられる。また、判定結果を確認した利用者は、代替案を確認して、代替案を受け入れない場合は、「いいえ」のボタンをクリック/タップする。「いいえ」のボタンがクリック/タップされると、その代替案が受け付けられない。例えば、「いいえ」のボタンがクリック/タップされた場合、利用計画申請を記入するためのユーザインターフェースを、端末装置100の画面に表示させればよい。
【0049】
〔ユーザインターフェース〕
次に、利用計画110を入力するために用いられるユーザインターフェース(UI:User Interface)について図面を参照しながら説明する。以下においては、端末装置100の画面がタッチパネルである場合の例を挙げる。
【0050】
図10は、利用計画110を入力するために用いられるUIの一例を示す概念図である。図10の例では、タッチパネル入力機能を有する端末装置100の画面にUIを表示させる。画面の下方には、上空にコリドーが形成される河川を含む地図を表示させる。河川は、左側が上流であり、右側が下流である。画面に表示される地図は、対象物の位置関係を正確に表すものであってもよいし、簡略化されたものでもよい。図10の例では、簡略化された地図を表示させる例を示す。図10の地図には、水門S1、道路橋B2、水門S3、鉄道橋R4、および水門S5が表示される。水門S1、道路橋B2、水門S3、鉄道橋R4、および水門S5は、コリドーを利用する際の目印である。
【0051】
図10の端末装置100の画面の中央には、河川の上方に形成されるコリドーの予約状況が表示される。端末装置100の画面に表示されるコリドーの予約状況は、判定装置10から取得される。図10の例では、地図に対応させて、河川の上方に形成されるコリドーに関する情報が、画面に表示される。例えば、画面に表示された高さは、標高である。画面に表示された高さは、河川の水面や河川敷の地面等に対する相対的な高さであっでもよい。標高60~90mの空域には、下流から上流に向けた進行方向(上り)のコリドーが形成される。標高100~150mの空域には、上流から下流に向けた進行方向(下り)のコリドーが形成される。コリドーが形成される空域を、コリドー形成領域とも呼ぶ。標高0~60m、90~100m、150m以上の空域には、コリドーが形成されない。コリドーが形成されない空域を、コリドー非形成領域とも呼ぶ。
【0052】
例えば、コリドー形成領域に形成されたコリドーに、渋滞が発生することが予想されたり、渋滞が発生したりした場合、上り/下りのコリドーの空域が形成される高さを変化させてもよい。例えば、上り/下りのコリドーに挟まれたコリドー非形成領域(90~100m)を高さ方向に上下に移動させて、上り/下りのコリドーの範囲を調節してもよい。例えば、コリドー形成領域の上下に位置するコリドー非形成領域まで、コリドー形成領域を広げてもよい。例えば、緊急事態が発生した場合、コリドー非形成領域の一部を緊急用コリドーとして形成させてもよい。
【0053】
図10の画面の左上には、現在時刻が表示される。現在時刻が表示された部分の右側(画面の上方)には、時間を選択するためのスライダーが表示される。スライダーを左右に動かすことで、画面の中央に表示される情報の時刻を変更できる。画面の中央には、コリドーにおける位置に対応付けられて、コリドーを利用予定のドローンの識別情報が表示される。画面の中央に表示されるコリドーを利用予定のドローンの識別情報は、画面の上方で設定された時刻におけるドローンの位置を示す。図10の画面の中央には、現在時刻(10:00)から30分後のドローンの位置が表示されている。例えば、水門S1と道路橋B2の間のコリドー領域には、下りのコリドーを利用する予定のドローン(F03)と、上りのコリドーを利用する予定のドローン(P01)とが表示される。例えば、コリドー領域に対応付けて、コリドーを利用するドローンの機数や流量(密度)を表示させてもよい。図10のUIによれば、コリドーを利用予定のドローンを視覚的に把握できる。以下の図面においては、説明の都合上、コリドーを利用予定のドローンを省略する。
【0054】
図11は、画面に表示されたコリドーに対する操作に応じて、利用希望のコリドーの選択を受け付ける例である。図11の例では、現在時刻(10:00)から30分後の下り方面のコリドーにおいて、水門S1から鉄道橋R4までのコリドー領域が選択された様子を示す。
【0055】
図12は、図11のように、端末装置100の画面上でのコリドーの選択に応じて、利用計画110を申請するサブウィンドウをポップアップで表示させる例である。図12の例では、「水門S1から鉄道橋R4までのルートでよろしいですか?よろしければ申請ボタンをタップしてください。」という文字情報を表示させる。文字情報の下には、申請を受け付けるボタン(申請ボタン)を表示させる。例えば、文字情報を確認した利用者が文字情報に応じた場合、申請ボタンをタップすることで、利用計画110が申請される。例えば、文字情報を確認した利用者が文字情報に応じなかった場合は、ポップアップされたサブウィンドウの外部の画面領域をタップすることで、利用計画110を再申請できる状態に遷移させるように構成されればよい。
【0056】
図13は、画面に表示された地図上の河川に対する操作に応じて、利用可能なコリドーの選択を受け付ける例である。図13の例では、現在時刻(10:00)から30分後の下り方面のコリドーにおいて、水門S1から鉄道橋R4までのコリドー領域が選択された様子を示す。図13の例では、端末装置100の画面上での河川に対する操作に応じて、利用計画110を申請するサブウィンドウをポップアップで表示させる。図13の例では、「水門S1から鉄道橋R4までのルートでよろしいですか?よろしければ申請ボタンをタップしてください。」という文字情報を表示させる。文字情報の下には、申請を受け付けるボタン(申請ボタン)を表示させる。例えば、文字情報を確認した利用者が文字情報に応じた場合、申請ボタンをタップすることで、利用計画110が申請される。
【0057】
図14は、画面に表示された地図上の河川に対する操作に応じて、利用可能なコリドーの選択を受け付ける別の例である。図14の例では、現在時刻(10:00)から30分後の上り方面のコリドーにおいて、鉄道橋R4から道路橋B2までのコリドー領域が選択された様子を示す。図14の例では、端末装置100の画面上での河川に対する操作に応じて、利用計画110を申請するサブウィンドウをポップアップで表示させる。図14の例では、「鉄道橋R4から道路橋B2までのルートでよろしいですか?よろしければ申請ボタンをタップしてください。」という文字情報を表示させる。文字情報の下には、申請を受け付けるボタン(申請ボタン)を表示させる。例えば、文字情報を確認した利用者が文字情報に応じた場合、申請ボタンをタップすることで、利用計画110が申請される。
【0058】
図13図14の例では、地図に表示された対象物に基づいてコリドーが選択されるため、コリドーの上り/下りなどを意識することなく、より直感的にコリドーの利用計画110を申請できる。また、図13図14の例では、地図上の河川に対する操作に応じて、利用計画110を申請するサブウィンドウをポップアップで表示させるため、図11図12の例と比較して、入力を簡略化できる。
【0059】
図15は、端末装置100の画面に表示されたUI対する操作に応じた判定に基づく判定情報(判定情報163)を表示させる例である。図7には、コリドーの利用が許可された場合の判定情報163を示す。判定情報163には、「下記のご予約を受け付けました。」という判定結果が含まれる。また、判定情報163には、予約されコリドーや、日時、入域、出域、入域時刻、出域時刻等の利用条件が含まれる。例えば、判定情報163には、使用目的や使用料金に関する情報等が含まれてもよい。図15の例の場合、使用目的は運送(10キログラム以下)であり、使用料金は2000円である。例えば、判定情報163には、キャンセルに関する情報等が含まれてもよい。図15の例の場合、「予約をキャンセルする場合は、お早めの手続をお願いします。15:20以降のキャンセルには、キャンセル料金(500円)が発生します。」という文字情報が、端末装置100の画面に表示される。判定情報を確認した利用者は、利用条件に応じて、コリドーを利用できる。
【0060】
(動作)
次に、判定装置10の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、通常時と緊急時における判定装置10の動作例に関するフローチャートを示す。以下のフローチャートは、判定装置10の動作の流れをまとめたものであって、細かな動作や処理については省略する。判定装置10の細かな動作や処理は、上述した通りである。
【0061】
〔通常時〕
図16は、通常時における判定装置10の動作例に関するフローチャートである。図16のフローチャートに沿った説明においては、判定装置10を動作主体として説明する。
【0062】
図16において、まず、判定装置10は、コリドーの利用計画を取得する(ステップS11)。
【0063】
次に、判定装置10は、コリドーの予約情報を用いて、利用計画が受け付けられた場合のコリドーにおけるドローンの流量を計算する(ステップS12)。
【0064】
次に、判定装置10は、算出されたドローンの流量に応じて、利用計画が受け付けられた場合のコリドーの渋滞状況を予測する(ステップS13)。
【0065】
次に、判定装置10は、利用計画が受け付けられた場合のコリドーに関して予測された渋滞状況に応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する(ステップS14)。
【0066】
次に、判定装置10は、判定結果を含む判定情報を出力する(ステップS15)。
【0067】
〔緊急時〕
図17は、緊急時における判定装置10の動作例に関するフローチャートである。図17のフローチャートに沿った説明においては、判定装置10を動作主体として説明する。
【0068】
図17において、まず、判定装置10は、コリドーの利用計画として、緊急要請を取得する(ステップS111)。例えば、緊急要請は、災害や事件、事故等の発生時に、緊急用コリドーの形成を要請する利用計画である。緊急要請は、消防や警察、病院、国家、地方自治体等の特別な利用者から受け付ける。例えば、商業的目的や個人的目的の利用者は、緊急要請を出せないように決めておくことが好ましい。なお、商業的目的や個人的目的の利用者であっても、追加料金を支払えば、緊急要請を出せるように決めておいてもよい。その場合、特別な利用者からの緊急要請を優先するように決めておけばよい。
【0069】
次に、判定装置10は、コリドーの利用状況に応じて、緊急用コリドーの形成可否を判定する(ステップS112)。例えば、通常時にコリドーが形成されている空域とは異なる、緊急用コリドーが形成される空域が空いていれば、判定装置10は、緊急用コリドーを形成可能であると判定する。例えば、緊急用コリドーが形成される空域が空いていなくても、緊急要請が優先されると判定される場合は、判定装置10は、緊急用コリドーを形成可能であると判定する。緊急用コリドーを利用する優先度は、利用者に応じて、予め決めておけばよい。例えば、天候等の環境的要因や、コリドーの管理者の都合等によってコリドーを利用できない場合、判定装置10は、緊急用コリドーを形成不可能であると判定する。緊急用コリドーの形成に関しては、コリドーの利用に関する事前の契約等によって、利用者との間で合意しておけばよい。
【0070】
緊急用コリドーの形成が可能な場合(ステップS113でYes)、判定装置10は、緊急用コリドーの形成指示を出力する(ステップS114)。緊急用コリドーの形成が不可能な場合(ステップS113でNo)、ステップS115に進む。例えば、緊急用コリドーの形成指示は、誘導灯140や管理塔190に出力される。緊急用コリドーの形成指示を受け得た誘導灯140や管理塔190は、予め決められた規則に則って、緊急用コリドーを形成する。緊急用コリドーを形成するための規則等については、特に限定を加えない。
【0071】
ステップS114の次、またはステップS113でNoの場合、判定装置10は、判定結果に関する判定情報を出力する(ステップS15)。緊急用コリドーの形成指示を出力した場合(ステップS114の次)、判定装置10は、緊急用コリドーの利用を許可することを示す判定結果や、緊急用コリドーの利用条件などを、利用者に通知する。例えば、緊急用コリドーの利用条件には、入域や出域の位置、入域時刻や出域時刻、ルート等の条件が含まれる。緊急用コリドーの形成が不可能な場合(ステップS113でNo)、判定装置10は、緊急用コリドーの利用を許可しないことを利用者に通知する。例えば、緊急用コリドーの利用を許可しない場合、判定装置10は、緊急用コリドーの利用の代替案に関する情報を利用者に通知してもよい。緊急用コリドーの利用の代替案は、例えば、コリドーが形成された河川に沿った道路や線路、河川の水路等を利用する案である。緊急用コリドーを利用することによる有意点に準ずるものであれば、緊急用コリドーの利用の代替案については、特に限定しない。
【0072】
以上のように、本実施形態の判定装置は、利用計画取得部、計算部、記憶部、予測部、判定部、および出力部を備える。利用計画取得部は、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する。記憶部は、コリドーの予約情報を記憶する。計算部は、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する。予測部は、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。判定部は、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定結果と、コリドーの利用条件とを含む判定情報を生成する。例えば、判定部は、利用計画の受付に応じたコリドーに渋滞が発生しないと予測された場合、コリドーの利用を許可し、利用計画の受付に応じたコリドーに渋滞が発生すると予測された場合、コリドーの利用を許可しない。出力部は、コリドーの利用に関する判定情報を出力する。
【0073】
本実施形態の判定装置は、利用計画の申請に応じて、利用計画が受け付けられた場合において、コリドーに発生しうる渋滞状況を予測する。本実施形態の判定装置は、予測された渋滞状況に応じて、コリドーの利用に関する許可/不許可の判定を行う。そのため、本実施形態によれば、ドローンが航行するコリドーに発生しうる渋滞を解消できる。
【0074】
本実施形態の一態様において、判定部は、利用計画の受付に応じたコリドーに渋滞が発生すると予測された場合、コリドーの利用に関する代替案を提示する。本態様によれば、利用計画通りではなくても、利用計画に基づいて、渋滞が発生していないコリドーを利用できる。
【0075】
本実施形態の一態様において、予測部は、コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容されたドローンの上限機数に対する、利用計画に応じた予約機数の割合に応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。例えば、予測部は、コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容されたドローンの上限機数に対する、利用計画に応じた予約機数の割合が1以下の場合、コリドーには渋滞が発生しないと予測する。例えば、予測部は、コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容されたドローンの上限機数に対する、利用計画に応じた予約機数の割合が1を超える場合、コリドーには渋滞が発生する。本態様によれば、コリドー領域ごとに許容されたドローンの流量(密度)に応じて渋滞状況を予測するため、コリドーに発生する渋滞をより的確に解消できる。
【0076】
本実施形態の一態様において、予測部は、コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容されたドローンの上限機数から、利用計画に応じた予約機数を引いた値に応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。例えば、予測部は、コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容されたドローンの上限機数から、利用計画に応じた予約機数を引いた値が0以上の場合、コリドーには渋滞が発生しないと予測する。例えば、予測部は、コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容されたドローンの上限機数から、利用計画に応じた予約機数を引いた値が0未満の場合、コリドーには渋滞が発生すると予測する。本態様によれば、コリドー領域ごとに許容されたドローンの機数に応じて渋滞状況を予測するため、コリドーに発生する渋滞をより的確に解消できる。
【0077】
本実施形態の一態様において、出力部は、利用計画を申請した利用者が利用する端末装置にコリドーの予約状況を出力し、利用者が利用する端末装置の画面にコリドーの予約状況を表示させる。本態様によれば、利用計画を申請した利用者が、端末装置の画面に表示されたコリドーの予約状況を的確に認識できる。
【0078】
本実施形態の一態様において、利用計画取得部は、端末装置に表示されたコリドーの予約状況に対する操作に応じて入力された利用計画を取得する。出力部は、利用計画に応じて判定された判定情報を端末装置に出力する。本態様では、端末装置に対する操作に応じて入力された予約情報に基づいてコリドーの利用可否を判定する。本態様によれば、端末装置に対する操作に応じた判定結果を含む判定情報を端末装置に出力することで、コリドーの予約状況を利用者が的確に認識できる。
【0079】
本実施形態の一態様において、判定装置は、コリドーの緊急要請を利用計画として取得した場合、コリドーの利用状況に応じて緊急用コリドーの形成可否を判定する。緊急用コリドーの形成が可能であった場合、判定装置は、管理装置に対して緊急用コリドーの形成指示を出力する。判定装置は、緊急要請の要請元に対して、緊急用コリドーの利用に関する判定結果を含む判定情報を出力する。判定装置から出力された緊急用コリドーの形成指示に応じて、緊急用コリドーが形成される。本態様によれば、コリドーに渋滞が発生している場面において、形成済みのコリドーを利用できなくても、緊急要請に応じた緊急用コリドーを形成できる。
【0080】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の判定装置は、ドローンが航行する経路(コリドーとも呼ぶ)の予約情報に加えて、ドローンの充電量に基づいて、コリドーの利用可否を判定する。本実施形態において、コリドーやドローンは、第1の実施形態と同様である。
【0081】
(構成)
図18は、本実施形態に係る判定装置20の構成の一例を示すブロック図である。判定装置20は、利用計画取得部21、計算部22、記憶部23、予測部25、判定部26、および出力部27を備える。図18には、利用計画取得部21に入力される利用計画210と、出力部27から出力される判定情報260とを図示する。
【0082】
図19は、河川の上方に形成されたコリドー2の一例を示す概念図である。図19は、コリドー2を上方から見下ろした概念図である。図19には、コリドー2の内部を複数のドローン270が航行する様子を示す。本実施形態のコリドー2は、第1の実施形態のコリドー1と同様である。
【0083】
コリドー2が形成される位置は、河川の両岸に配置された複数の誘導灯240によって、規定される。誘導灯240の配置や発光は、第1の実施形態と同様である。コリドー2の内部における進行方向は、図19の紙面の左から右に向かう向きである。例えば、ドローン270は、カメラによって撮影された下方の画像に含まれる誘導灯240の発光色に従って、コリドー2の内部を航行する。また、河川の脇には、管理塔290が配置される。管理塔290は、第1の実施形態の管理塔190と同様の構成である。
【0084】
図19には、コリドー領域C、入域E、および出域Oを示す。図19においては、待機スペースと昇降経路を省略する。コリドー領域C、入域E、および出域Oは、第1の実施形態と同様である。図19の例では、入域Eおよび出域Oの下方に地上に、充電ステーションCSを示す。充電ステーションCSは、ドローン270に給電するための施設である。例えば、充電ステーションCSにおいては、無線給電によって、ドローン270に給電される。例えば、充電ステーションCSにおいては、ケーブルを用いた有線給電によって、ドローン270に給電されてもよい。充電ステーションCSについては、ドローン270に給電できさえすれば、特に限定を加えない。
【0085】
利用計画取得部21は、第1の実施形態の利用計画取得部11と同様の構成である。利用計画取得部21は、コリドーの利用計画210を取得する。利用計画210は、コリドーの利用を希望するユーザによって入力される。利用計画取得部21は、取得した利用計画210に含まれる情報を、計算部22に出力する。
【0086】
図20は、利用計画取得部21に入力される利用計画210が記入された申請の一例である(利用計画申請211)。図20の利用計画申請211は、充電量を記入する欄がある以外は、第1の実施形態の利用計画申請111(図5)と同様である。図20には、ユーザが使用する端末装置200の画面に、利用計画申請211が表示された例を示す。
【0087】
利用計画申請211は、RID(Remote ID)、利用計画ID、出発地、出発時間、目的地、到着時間、充電量等の記入欄を含む。RID(Remote ID)、利用計画ID、出発地、出発時間、目的地、到着時間に記入される情報は、第1の実施形態の利用計画申請111(図5)と同様である。充電量の欄には、コリドー2での利用予定のドローン270の充電量が記入される。図20の例では、充電量を%(パーセント)で表記する。充電量は、%(パーセント)ではなく、電源容量等で表記されてもよい。また、充電量に応じて、その充電量によって航行可能な距離を表示させるようにしてもよい。なお、図20の利用計画申請211は一例であって、図20に示す項目以外の記入欄を含んでもよい。例えば、利用計画申請211には、利用者の氏名や住所、電話番号、Eメールアドレス、識別情報等の利用者情報の記入欄が含まれてもよい。例えば、利用計画申請211に記入された利用計画210は、必要な記入欄が埋められた状態で、申請ボタンがクリック/タップされることで申請される。
【0088】
記憶部23は、第1の実施形態の記憶部13と同様の構成である。記憶部23は、コリドーの予約情報230を記憶する。予約情報230は、コリドーを予約中のドローン270の機数(予約機数)や、コリドーを利用可能なドローン270の機数(上限機数)、流量(密度)等の情報を含む。予約情報230は、予約可能機数や予約可否を示す情報を含んでもよい。また、予約情報230は、コリドー領域や入域、出域等における充電可能機数や充電予約数、充電空き等の情報を含んでもよい。
【0089】
図21は、記憶部23に記憶される予約情報230の一例(予約情報231)である。図21の予約情報231には、予約機数、上限機数、流量(密度)、予約可能機数、予約可否、充電可能機数、充電予約数、および充電空きに関する情報が含まれる。図21には、入域Eや出域O、コリドー領域C等の領域ごとの情報が予約情報231に含まれる例を示す。予約情報230には、領域ごとではなく、いくつかの領域ごとの情報が記憶されてもよい。また、予約情報230には、領域ごとではなく、コリドー全体の予約情報が記憶されてもよい。図21には、ある時間帯におけるコリドーの予約情報231を示す。予約情報230は、コリドーの予約状況を時刻表で表したものであってもよい。
【0090】
図21の予約情報231において、例えば、入域E1では、予約機数が3機であり、上限機数が5機である。入域E1の流量(密度)は、予約機数(3)を上限機数(5)で割った値(0.6)である。入域E1の予約可能機数は、上限機数(5)から予約機数(3)を引いた値(2)である。入域E1以外の領域に関しても、入域E1と同様に、流量(密度)や予約可能機数を計算できる。入域E1の流量(密度)や予約可能機数に基づくと、コリドーは予約可能である。しかし、入域E1では、充電可能機数(3)から充電予約数(3)を引いた数値(充電空き)が0である。すなわち、コリドーの入域E1では、ドローン270に充電することができない。予約可否は、その時点における予約の可能/不可能を示す。図21の予約情報231の例では、入域E1以外の領域に関しては、予約が可能(○)である。しかし、入域E1に関しては、条件付きで予約が可能(△)である。条件付きで予約が可能(△)とは、入域E1で充電が不要な場合、予約が可能であることを示す。すなわち、条件付きで予約が可能(△)とは、入域E1で充電が必要な場合、予約が不可能であることを示す。
【0091】
計算部22は、第1の実施形態の計算部12と同様の構成である。計算部22は、利用計画取得部21から利用計画210を取得する。また、計算部22は、その利用計画210に応じたコリドーの予約情報230を、記憶部23から取得する。
【0092】
計算部22は、コリドーの予約情報230に基づいて、利用計画210の申請が受理された場合の判定パラメータを計算する。計算部22は、利用計画210に含まれる出発時間から到着時間までの時間帯(計画時間帯とも呼ぶ)に関する判定パラメータを計算する。例えば、計算部22は、利用計画210の申請が受理された場合における、計画時間帯のコリドーにおけるドローン270の流量(密度)や予約可能機数を、判定パラメータとして計算する。計算部22は、算出された判定パラメータを予測部25に出力する。
【0093】
予測部25は、第1の実施形態の予測部15と同様の構成である。予測部25は、計算部22によって算出された判定パラメータを用いて、申請された計画時間帯におけるコリドーの渋滞状況を予測する。予測部25は、コリドーの渋滞状況の予測結果を判定部26に出力する。
【0094】
判定部26は、予測部25によって予測された渋滞状況と、利用計画210に含まれる充電量とに応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する。条件付きで予約が可能な領域がない場合、判定部26は、予測部25によって予測された渋滞状況に応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する。予測部15によってコリドーが渋滞しないと予測され、かつ条件付きで予約が可能な領域がある場合、判定部26は、充電ステーションCSの充電空きの有無に応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する。充電ステーションCSに充電空きがある場合、判定部26は、コリドーの利用を許可する。判定部26は、判定が許可されたことを示す判定情報260を生成する。例えば、判定部26は、申請が受け付けられたことを示す判定結果や、利用が許可されたコリドーの入域/出域、ルート等を含む利用条件などを含む判定情報260を生成する。予測部15によってコリドーが渋滞すると予測された場合や、充電ステーションCSに充電空きがない場合、判定部26は、判定が許可されなかったことを示す判定情報260を生成する。例えば、判定部26は、申請が受け付けられなかったことを示す判定結果や、代替案等の利用条件などを含む判定情報260を生成する。
【0095】
例えば、判定部26は、ドローン270の充電量に応じた航行可能距離に基づいて、コリドーの利用可否を判定してもよい。航行可能距離に基づいてコリドーの利用可否を判定する場合、利用予定のコリドーを経由した場合における出発地から目的地までの距離を、航行予定距離とすればよい。利用予定のコリドーを経由した場合における出発地から目的地までの距離は、ドローン270が上昇/下降する際に消費する電力を含めて、計算されればよい。例えば、ドローン270の充電量に応じた航行可能距離がドローン270の航行予定距離を上回っていれば、判定部26は、コリドーの利用を許可する。例えば、ドローン270の充電量に応じた航行可能距離がドローン270の航行予定距離を下回っている場合、判定部26は、ドローン270を充電することを条件とした上で、コリドーの利用を許可する。航行可能距離や航行予定距離の計算方法については、上記の例に限定されない。
【0096】
出力部27は、判定部26によって生成された判定情報260を出力する。例えば、出力部27から出力された判定情報260は、端末装置200に出力される。端末装置200の画面には、判定情報260が表示される。例えば、出力部27から出力される判定情報260は、図示しない他のシステムに出力されてもよい。出力部27から出力される判定情報260の用途については、特に限定を加えない。
【0097】
図22は、図21の予約情報231に基づく判定情報(判定情報261)を、端末装置200の画面に表示させる例である。図21には、判定情報261に並べて、利用計画申請211を表示させる。図21には、コリドーの利用が許可されなかった場合の判定情報261を示す。判定情報261には、「申請は受け付けられませんでした。」という判定結果が含まれる。また、判定情報261には、コリドーの利用申請時における注意情報2610が表示される。図22の例では、「コリドーの利用申請時には、充電量80%以上まで充電してください。」という注意情報2610が表示される。判定結果を確認した利用者は、注意情報2610を確認することで、コリドーの利用申請時の注意点を知ることができる。
【0098】
図23は、記憶部23に記憶される予約情報230の別の一例(予約情報232)である。図23の予約情報232には、条件付きの予約許可(△)や予約不可(×)の領域が含まれない。すなわち、入域E1や出域O7の充電ステーションCSには、空きがある。
【0099】
図24は、図23の予約情報232に基づく判定情報(判定情報262)を、端末装置200の画面に表示させる例である。図24には、判定情報262に並べて、利用計画申請211を表示させる。図24には、コリドーの利用が許可された場合の判定情報261を示す。判定情報262には、「申請が受け付けられました。」という判定結果が含まれる。また、判定情報262には、入域E1を介してコリドーに入域する時刻(入域時刻)や、出域O7を介して、コリドーから出域する時刻(出域時刻)、ルート等の利用条件が含まれる。さらに、判定情報262には、「コリドー進入前に、入域E1にて、充電量80%以上まで充電してください。」という注意情報2620が表示される。判定結果を確認した利用者は、注意情報2620を確認することで、コリドーの利用時における注意点(充電)を知ることができる。判定結果を確認した利用者は、利用条件や注意点に応じて、コリドーを利用できる。
【0100】
図25は、利用を希望するコリドーの入域E1と出域O21との間で、コリドーが二つに分岐する例である。二つに分岐されるコリドーのうち、コリドー2Aには、二つの充電エリアCAが配置される。充電エリアCAには、充電ステーションCSが配置される。それに対し、コリドー2Bには、充電エリアCAが配置されない。
【0101】
図26は、利用計画申請211に応じた判定情報(判定情報263)を、端末装置200の画面に表示させる例である。図26には、判定情報263に並べて、利用計画申請211を表示させる。図26には、コリドーの利用が許可された場合の判定情報263を示す。判定情報263には、「申請が受け付けられました。」という判定結果が含まれる。また、判定情報263には、入域E1を介してコリドーに入域する時刻(入域時刻)や、出域O7を介して、コリドーから出域する時刻(出域時刻)、ルート等の利用条件が含まれる。ルートには、進行すべきコリドー(コリドー2A)が含まれる。さらに、判定情報263には、「コリドー2Aを利用してください。充電ステーションCSで充電してください。」という注意情報2630が表示される。判定結果を確認した利用者は、注意情報2630を確認することで、コリドーの利用時における注意点(充電)を知ることができる。判定結果を確認した利用者は、利用条件や注意点に応じて、コリドーを利用できる。
【0102】
(動作)
次に、判定装置20の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、通常時における判定装置20の動作例に関するフローチャートを示す。緊急時における判定装置20の動作例は、第1の実施形態(図17)に準ずる。以下のフローチャートは、判定装置20の動作の流れをまとめたものであって、細かな動作や処理については省略する。判定装置20の細かな動作や処理は、上述した通りである。
【0103】
図27は、通常時における判定装置20の動作例に関するフローチャートである。図27のフローチャートに沿った説明においては、判定装置20を動作主体として説明する。
【0104】
図27において、まず、判定装置20は、コリドーの利用計画を取得する(ステップS21)。
【0105】
次に、判定装置20は、コリドーの予約情報を用いて、利用計画が受け付けられた場合のコリドーにおけるドローンの流量を計算する(ステップS22)。
【0106】
次に、判定装置20は、算出されたドローンの流量に応じて、利用計画が受け付けられた場合のコリドーの渋滞状況を予測する(ステップS23)。
【0107】
次に、判定装置20は、利用計画が受け付けられた場合のコリドーに関して予測された渋滞状況と、利用計画を申請中のドローン270の充電状態に応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する(ステップS24)。
【0108】
次に、判定装置20は、判定結果を含む判定情報を出力する(ステップS25)。
【0109】
以上のように、本実施形態の判定装置は、利用計画取得部、計算部、記憶部、予測部、判定部、および出力部を備える。利用計画取得部は、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する。また、利用計画取得部は、コリドーの利用を計画するドローンの充電量を含む利用計画を取得する。記憶部は、コリドーの予約情報と、コリドーを利用する際に使用可能な充電ステーションに関する情報とを記憶する。計算部は、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する。予測部は、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。判定部は、予測されたコリドーの渋滞状況と、利用計画に含まれるドローンの充電量とに応じて、コリドーの利用可否に関する判定結果と、コリドーの利用条件とを含む判定情報を生成する。例えば、判定部は、利用計画に含まれるドローンの充電量が不十分な場合、予約情報に含まれる充電ステーションの予約状況に応じて、コリドーの利用に関する注意情報を生成する。出力部は、コリドーの利用に関する判定情報を出力する。
【0110】
本態様によれば、申請された利用計画に対して、ドローンの充電量を含めて判定するため、コリドーを利用中のドローンが充電切れで墜落することを防止できる。
【0111】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の判定装置は、ドローンが航行する経路(コリドーとも呼ぶ)の予約情報に加えて、コリドーの環境情報に基づいて、コリドーの利用可否を判定する。本実施形態において、コリドーやドローンは、第1の実施形態と同様である。本実施形態の手法は、第2の実施形態にも適用できる。
【0112】
図28は、本実施形態に係る判定装置30の構成の一例を示すブロック図である。判定装置30は、利用計画取得部31、計算部32、記憶部33、環境情報取得部34、予測部35、判定部36、および出力部37を備える。図28には、利用計画取得部31に入力される利用計画310、環境情報取得部34に入力される環境情報315、出力部37から出力される判定情報360を図示する。
【0113】
図29は、河川の上方に形成されたコリドー3の一例を示す概念図である。図29には、コリドー3の内部を複数のドローン470が航行する様子を示す。本実施形態のコリドー3は、第1の実施形態のコリドー1と同様である。
【0114】
コリドー3が形成される位置は、河川の両岸に配置された複数の誘導灯340によって、規定される。誘導灯340の配置や発光は、第1の実施形態と同様である。コリドー3の内部における進行方向は、図29の紙面の左から右に向けた向きである。例えば、ドローン370は、カメラによって撮影された下方の画像に含まれる誘導灯340の発光色に従って、コリドー3の内部を航行する。
【0115】
図29には、待機スペースWS、昇降経路EL、コリドー領域C、入域E1、および出域O7を示す。待機スペースWS、昇降経路EL、コリドー領域C、入域E1、および出域O7は、第1の実施形態と同様である。本実施形態では、河川の両岸に、風速計347を設置する。図29には、吹き流しを有する風速計347を図示する。風速計347は、風の向きや強さを計測できれば、特に限定を加えない。図29の例の場合、風速計347の吹き流しの向きや角度に基づいて、風向や風量を計測できる。例えば、風速計347は、計測された風向や風力をデジタルデータとして出力する計測器であってもよい。
【0116】
河川の脇には、管理塔390が配置される。管理塔390は、通信機能やカメラを備える。管理塔390は、コリドー3の内部を航行するドローン370から発信される信号を受信する。また、管理塔390は、コリドー3を使用するドローン370を撮影する。さらに、管理塔390は、コリドー3が形成される空域や河川、岸部、それらの周辺等の環境に関する情報(環境情報315とも呼ぶ)を取得する。環境情報315は、判定装置30によるコリドー3の利用可否の判定に用いられる。
【0117】
例えば、管理塔390は、コリドー3が形成される空域や河川、岸部、それらの周辺等を撮影し、撮影された画像を環境情報315として取得する。例えば、管理塔390は、風速計347によって計測された風向や風力に関するデータを、環境情報315として取得する。例えば、管理塔390は、コリドー3が形成される地区の気象情報を、環境情報315として取得する。例えば、管理塔390は、コリドー3が形成される地区や空域に設置された気象観測装置(図示しない)から、気象情報を取得してもよい。例えば、気象観測装置は、風向風速計や温湿度計、雨量計、日射計、感雨計、積雪深計、気圧計、土壌水分計、水位計などの計測器のうち少なくとも一つを含む。例えば、管理塔390は、コリドー3が形成される地区や空域に設置された気象観測装置によって計測された風向や風力、温度、湿度、雨量、日射量、降雨の有無、積雪深、気圧、土壌中の水分含有量、水位等のデータを環境情報315として取得する。例えば、気象観測装置は、コリドー3の近傍の地面や地中、河川の水際や水中に設置される。例えば、気象観測装置は、気球などによって、コリドー3の領域内外の空域に設置されてもよい。また、気象観測装置は、コリドー3を航行させる気象観測用のドローン370に設置されてもよい。気象観測装置の観測対象や形態については、特に限定を加えない。
【0118】
管理塔390は、複数のドローン370から発信された信号に含まれる発信情報や画像、管理塔390が取得した環境情報315などを、コリドー3を管理する管理装置(図示しない)に送信する。管理装置は、判定装置30に接続される。環境情報315が気象情報の場合、管理塔390を経ずに、管理装置や判定装置30の側で、環境情報315を取得してもよい。管理塔390から送信される発信情報や環境情報315は、コリドー3を使用するドローン370の管理に用いられる。例えば、河川の両岸に配置された複数の誘導灯340のいずれかに、管理塔390の機能をもたせてもよい。
【0119】
図29の例では、コリドー領域C2の下方にある風速計347の吹き流しが左方向(上流方向)にたなびいている。例えば、管理塔390によって撮影された画像を解析すれば、コリドー領域C2の下方において強風が吹いているため、コリドー領域C2の近傍において、強風が吹いていることや、強風が吹く可能性があるということが推定される。また、コリドー領域C5の近傍の空域には、鳥が群れている。例えば、管理塔390によって撮影された画像を解析すれば、鳥の群れがコリドー領域C5に進入する可能性があると推定される。
【0120】
利用計画取得部31は、第1の実施形態の利用計画取得部11と同様の構成である。利用計画取得部31は、コリドーの利用計画310を取得する。利用計画310は、コリドーの利用を希望するユーザによって入力される。利用計画310は、第1~第2の実施形態の利用計画と同様である。利用計画取得部31は、取得した利用計画310に含まれる情報を、計算部32に出力する。
【0121】
記憶部33は、第1の実施形態の記憶部13と同様の構成である。記憶部33は、コリドーの予約情報330を記憶する。予約情報330は、コリドーを予約中のドローン370の機数(予約機数)や、コリドーを利用可能なドローン370の機数(上限機数)、流量(密度)等の情報を含む。予約情報330は、第1~第2の実施形態の予約情報と同様である。
【0122】
計算部32は、第1の実施形態の計算部12と同様の構成である。計算部32は、利用計画取得部31から利用計画310を取得する。また、計算部32は、その利用計画310に応じたコリドーの予約情報330を、記憶部33から取得する。
【0123】
計算部32は、コリドーの予約情報330に基づいて、利用計画310の申請が受理された場合の判定パラメータを計算する。計算部32は、利用計画310に含まれる計画時間帯に関する判定パラメータを計算する。例えば、計算部32は、利用計画の申請が受理された場合における、計画時間帯のコリドーにおけるドローン370の流量(密度)や予約可能機数を、判定パラメータとして計算する。計算部32は、算出された判定パラメータを予測部35に出力する。
【0124】
予測部35は、第1の実施形態の予測部15と同様の構成である。予測部35は、計算部32によって算出された判定パラメータを用いて、申請された計画時間帯におけるコリドーの渋滞状況を予測する。予測部35は、コリドーの渋滞状況の予測結果を判定部36に出力する。
【0125】
環境情報取得部34は、環境情報315を取得する。環境情報取得部34は、取得した環境情報315を判定部36に出力する。
【0126】
判定部36は、予測部35によって予測された渋滞状況と、コリドー3の周辺の環境情報315とに応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する。また、判定部36は、利用計画310に含まれる充電量を参照して、コリドーの利用の許可/不許可を判定してもよい。
【0127】
例えば、判定部36は、風速計347によって計測された風向や風力などの環境情報315に基づいて、判定結果や注意情報を生成する。図29の例では、コリドー領域C2の下方にある風速計347の吹き流しが左方向(上流方向)にたなびいている。コリドー領域C2の周辺では、強風が吹く可能性がある。このような場合、例えば、判定部36は、コリドー領域C1~C3の領域では速度を落として航行することを要請する、注意情報を生成する。例えば、いずれかのコリドー領域Cの近傍で計測された風量が所定の閾値を越えた場合、判定部36は、そのコリドー領域Cの周辺の航行を禁止する判定結果を生成してもよい。
【0128】
例えば、判定部36は、管理塔390によって撮影された画像などの環境情報315の解析結果に基づいて、判定結果や注意情報を生成する。図29の例の場合、コリドー領域C5の近傍の空域には、鳥が群れている。コリドー領域C5には、鳥の群れが進入する可能性がある。このような場合、例えば、判定部36は、コリドー領域C4~C6は、バードストライクの可能性があることを要請する。管理塔390によって撮影された画像の解析結果に基づく場合、鳥の群れのみならず、何らかの飛翔体や動物等の障害になりうるものの観測に応じて、注意勧告するように構成されればよい。例えば、いずれかのコリドー領域Cの近傍で障害になりうるものが観測された場合、判定部36は、そのコリドー領域Cの周辺の航行を禁止する判定結果を生成してもよい。
【0129】
環境情報315を用いる場合、環境の変化に応じて、利用計画310に応じた判定情報360を変更した方がよい場合がある。そのような場合、利用計画310に応じてコリドー3の利用が許可された場合であっても、コリドー3の利用を不許可に変更する通知を利用者に発行するように取り決めておいてもよい。
【0130】
出力部37は、判定部36によって生成された判定情報360を出力する。例えば、出力部37から出力された判定情報360は、端末装置300に出力される。端末装置300の画面には、判定情報360が表示される。例えば、出力部37から出力される判定情報360は、図示しない他のシステムに出力されてもよい。出力部37から出力される判定情報360の用途については、特に限定を加えない。
【0131】
図30は、図29の環境状況に基づく判定情報(判定情報361)を、端末装置300の画面に表示させる例である。図30には、判定情報361に並べて、利用計画申請311を表示させる。図30には、コリドーの利用が許可された場合の判定情報361を示す。判定情報361には、「申請が受け付けられました。」という判定結果が含まれる。また、判定情報361には、コリドーの利用申請時における注意情報3610が表示される。図30の例では、「C1~C3は要注意エリア(強風)です。速度を落として航行してください。C4~C6は要注意エリア(鳥)です。バードストライクに注意してください。」という注意情報3610が表示される。判定結果を確認した利用者は、注意情報3610を確認することで、コリドーの利用時の注意点を知ることができる。
【0132】
図31は、利用を希望するコリドーの入域E1と出域O21との間で、コリドーが二つに分岐する例である。二つに分岐されるコリドーのうち、コリドー3Aの天気は晴れである。一方、コリドー3Bの天気は雷雨である。このような場合、雷雨であるコリドー3Bの利用を避け、晴れているコリドー3Aを利用することが好ましい。例えば、コリドーの周辺の天気は、天気予報に基づいて推定されてもよいし、現状の天候に基づいて推定されてもよい。
【0133】
図32は、図31の環境状況に基づく判定情報(判定情報362)を、端末装置300の画面に表示させる例である。図32には、判定情報362に並べて、利用計画申請311を表示させる。図32には、コリドーの利用が許可された場合の判定情報362を示す。判定情報362には、「申請が受け付けられました。」という判定結果が含まれる。また、判定情報362には、コリドーの利用申請時における注意情報3620が表示される。図32の例では、「コリドー3Bは要注意ルート(雷雨)です。コリドー3Aをご利用してください。」という注意情報3620が表示される。注意情報3620には、「コリドー3Aをご利用してください。」という利用条件が含まれる。判定結果を確認した利用者は、注意情報3620に含まれる利用条件に応じて、コリドーを利用できる。
【0134】
(動作)
次に、判定装置30の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、通常時における判定装置30の動作例に関するフローチャートを示す。緊急時における判定装置30の動作例は、第1の実施形態(図17)に準ずる。以下のフローチャートは、判定装置30の動作の流れをまとめたものであって、細かな動作や処理については省略する。判定装置30の細かな動作や処理は、上述した通りである。
【0135】
図33は、通常時における判定装置30の動作例に関するフローチャートである。図33のフローチャートに沿った説明においては、判定装置30を動作主体として説明する。
【0136】
図33において、まず、判定装置30は、コリドーの利用計画/環境情報を取得する(ステップS31)。
【0137】
次に、判定装置30は、コリドーの予約情報を用いて、利用計画が受け付けられた場合のコリドーにおけるドローンの流量を計算する(ステップS32)。
【0138】
次に、判定装置30は、算出されたドローンの流量に応じて、利用計画が受け付けられた場合のコリドーの渋滞状況を予測する(ステップS33)。
【0139】
次に、判定装置30は、利用計画が受け付けられた場合のコリドーに関して予測された渋滞状況と、コリドーの環境情報とに応じて、コリドーの利用の許可/不許可を判定する(ステップS34)。
【0140】
次に、判定装置30は、判定結果を含む判定情報を出力する(ステップS35)。
【0141】
以上のように、本実施形態の判定装置は、利用計画取得部、環境情報取得部、計算部、記憶部、予測部、判定部、および出力部を備える。利用計画取得部は、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する。環境情報取得部は、コリドーの環境情報を取得する。記憶部は、コリドーの予約情報を記憶する。計算部は、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する。予測部は、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。判定部は、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定結果と、コリドーの利用条件とを含む判定情報を生成する。例えば、判定部は、環境情報に含まれるコリドーの状況に応じて、コリドーの利用可否を判定する。出力部は、コリドーの利用に関する判定情報を出力する。
【0142】
本態様によれば、コリドーの環境情報に応じて、コリドーの利用可否を判定するため、より安全にコリドーを利用できる。
【0143】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る管理システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の管理システムは、第1~第3の実施形態の判定装置を備える。本実施形態の管理システムは、判定装置による利用判定対象のコリドーにおけるドローンの航行を管理する。
【0144】
(構成)
図34は、本実施形態に係る管理システム400の構成の一例を示すブロック図である。管理システム400は、判定装置40および管理装置45を備える。判定装置40は、第1~第3の実施形態の判定装置のいずれかである。図34には、判定装置40に入力される利用計画410と、判定装置40から出力される判定情報460を示す。また、図34には、管理装置45に入力される発信情報415と、管理装置45から出力される制御情報450とを示す。利用計画410や判定情報460は、第1~第3の実施形態において説明した通りである。発信情報415と制御情報450については、後述する。
【0145】
図35は、河川の上方に形成されたコリドー4を上方から見下ろした概念図である。図35には、コリドー4の内部を複数のドローン470が航行する様子を示す。本実施形態のコリドー4は、第1の実施形態のコリドー1と同様である。図35において、河川は、下側(上流)から上側(下流)に向けて流れている。
【0146】
コリドー4が形成される位置は、河川の両岸に配置された複数の誘導灯440によって、規定される。誘導灯440の配置や発光は、第1の実施形態と同様である。コリドー4の内部における進行方向は、図35の紙面の下から上に向かう向きである。例えば、ドローン470は、カメラによって撮影された下方の画像に含まれる誘導灯440の発光色に従って、コリドー4の内部を航行する。
【0147】
河川の脇には、管理塔490が配置される。管理塔490は、第1~第3の実施形態の管理塔のいずれかと同様の構成である。管理塔490は、通信機能やカメラを備える。管理塔490は、コリドー4の内部を航行するドローン470から発信される信号を受信する。ドローン470から発信される信号には、ドローン470のRIDを含む発信情報が含まれる。RIDには、ドローン470の位置情報が含まれる。また、管理塔490は、コリドー4を使用するドローン470を撮影する。さらに、管理塔490は、コリドー4が形成される空域や河川、岸部、それらの周辺等の環境情報を取得してもよい。
【0148】
管理塔490は、複数のドローン470から発信された信号に含まれる発信情報や画像、管理塔490が取得した環境情報などを、コリドー4を管理する管理装置45に送信する。管理装置は、判定装置30に接続される。管理塔490から送信される発信情報や環境情報は、コリドー4を使用するドローン470の管理に用いられる。例えば、河川の両岸に配置された複数の誘導灯440のいずれかに、管理塔490の機能をもたせてもよい。
【0149】
また、管理塔490は、管理装置45によって生成されたドローン470の制御情報を取得する。管理塔490は、管理装置45から取得した制御情報を、コリドー4の内部を航行する複数のドローン470に向けて送信する。コリドー4の内部もしくは周辺に位置する複数のドローン470は、管理塔490から送信された制御情報に応じて、コリドー4の内部を航行する。
【0150】
〔管理装置〕
図36は、管理装置45の構成の一例を示すブロック図である。管理装置45は、発信情報取得部451、位置計算部452、配置計算部453、制御情報生成部455、および制御情報出力部457を有する。
【0151】
発信情報取得部451は、コリドー4の近傍に配置された管理塔490から、コリドー4を利用している複数のドローン470の発信情報を取得する。発信情報取得部451は、発信情報に含まれるRIDを抽出する。発信情報取得部451は、抽出したRIDを位置計算部452に出力する。RID以外の情報の用途については、特に限定を加えない。
【0152】
位置計算部452は、発信情報取得部451から、コリドー4を利用中の複数のドローン470のRIDを取得する。位置計算部452は、取得したRIDに含まれる位置情報を用いて、複数のドローン470の位置を計算する。例えば、位置計算部452は、RIDの発信時刻における、複数のドローン470の位置を計算する。例えば、位置計算部452は、RIDの発信時刻から所定時間が経過した後の時点における、複数のドローン470の位置を計算する。例えば、位置計算部452は、RIDの発信時刻に基づいて生成された制御情報465が、コリドー4を航行する複数のドローン470によって受信される時刻における、複数のドローン470の位置を計算する。例えば、位置計算部452は、それまでに計算された複数のドローン470の位置の変化や速度に基づいて、制御情報465が受信される時刻における複数のドローン470の位置を計算する。位置計算部452は、算出した複数のドローン470の位置を、配置計算部453に出力する。
【0153】
配置計算部453は、位置計算部452によって算出された複数のドローン470の位置を取得する。配置計算部453は、取得した複数のドローン470の位置関係に基づいて、コリドー4の内部における複数のドローン470の配置を計算する。例えば、配置計算部453は、コリドー4の内部の単位領域に位置するドローン470の機数を計算する。例えば、単位領域は、10平方メートル(m2)などのように、2次元的に設定される。例えば、単位領域は、10立方メートル(m3)などのように、3次元的に設定されてもよい。その場合、ドローン470に搭載された気圧計などを用いて計測された飛行高度を用いればよい。配置計算部453は、算出した単位領域に位置するドローン470の機数を制御情報生成部455に出力する。
【0154】
制御情報生成部455は、配置計算部453によって算出された、単位領域に位置するドローン470の機数を取得する。制御情報生成部455は、取得した単位領域に位置するドローン470の機数に応じて、個々のドローン470に対する制御情報465を生成する。制御情報465は、複数のドローン470の向きや速度を制御するための情報である。単位領域内のドローン470の機数が、その単位領域に設定された上限機数を超える場合、制御情報生成部455は、それらのドローン470の位置を遠ざけるように制御する制御情報465を生成する。単位領域内のドローン470の機数が、その単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、制御情報生成部455は、それらのドローン470の制御情報465を生成しない。例えば、単位領域内のドローン470の機数が、その単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、それらのドローン470の位置が近づかないように制御する制御情報465を生成してもよい。
【0155】
制御情報生成部455は、機械学習の手法を用いて、複数のドローン470の制御情報465を生成してもよい。例えば、コリドー4の内部を航行する複数のドローン470の位置情報の入力に応じて、複数のドローン470を適切な位置関係で配置する制御情報465を出力するモデルを生成しておく。そのようなモデルを用いれば、配置計算部453による計算を省略できる。複数のドローン470の位置情報の入力に応じて制御情報465を出力するモデルの詳細については、説明を省略する。
【0156】
制御情報出力部457は、制御情報生成部455によって生成された制御情報465を、管理塔490に出力する。コリドー4の近傍に管理システム400が配置される場合は、管理システム400から、コリドー4を航行するドローン470に向けて、制御情報を送信するように構成されてもよい。例えば、管理塔490や誘導灯440に管理装置45を配置してもよい。
【0157】
図35には、コリドー4を航行中の複数のドローン470に向けて、管理塔490から制御情報465を送信する様子を示す。制御対象のドローン470は、管理塔490から送信された制御情報に応じて、向きや速度を変更する。図35には、複数のドローン470のうち何機かが、制御情報465に応じて進行方向を変更する様子を、矢印で示す。複数のドローン470の全てに向けて制御情報465を送信するよりも、制御対象のドローン470に向けて制御情報465を送信するように構成した方が、制御情報465の生成や通信における負荷を軽減できる。
【0158】
〔ドローン〕
次に、コリドー4を利用するドローン470の一例について、図面を参照しながら説明する。図37図38は、ドローン470の一例の概念図である。図37は、ドローン470の平面図である。図38は、ドローン470の下面図である。なお、ドローン470の側面図や背面図、斜面図等は省略する。第1~第3の実施形態のドローンも、図37図38のドローン470と同様の構造を有する。
【0159】
ドローン470は、本体471、プロペラ472、およびカメラ475を有する。図38には、カメラ475のレンズの部分を示す。また、ドローン470は、荷物の運搬機能を有する。例えば、ドローン470は、本体471の内部に荷物を格納したり、本体471から荷物をぶら下げたり、本体471の上に荷物を載せたりすることで、荷物を運搬する。本体471から荷物をぶら下げる場合、ドローン470の下方を撮影するために、荷物の下にカメラ475を取り付け可能にしてもよい。
【0160】
カメラ475は、ドローン470の周辺を撮影する。図38の場合、カメラ475は、ドローン470の下方を撮影する。ドローン470の側方や上方を撮影するために、複数のカメラ475がドローン470に搭載されてもよい。例えば、カメラ475は、ドローン470の空中姿勢を変えることによって、多方向を撮影できるように配置されてもよい。また、カメラ475のレンズには、保護フィルムや保護ガラスなどの保護部材が設けられてもよい。
【0161】
ドローン470は、本体471を飛翔させるための少なくとも一つのプロペラ472を有する。プロペラ472は、ローターや回転翼とも呼ばれる。プロペラ472は、アーム4720によって、本体471に固定される。各プロペラ472は、回転することによって本体471を浮上させるブレードと、ブレードを回転させるためのモータによって構成される。なお、図37図38のプロペラ472の大きさや取り付け位置は、ドローン470を飛行させるために十分に設計されたものではなく、概念的なものである。
【0162】
図37図38の例では、ドローン470の本体471に、4つのプロペラ472が設置されている。複数のプロペラ472の回転数は、互いに独立して制御される。
【0163】
図37図38には、4つのプロペラ472を備えるクワッドコプターを一例として挙げている。ドローン470は、単一のプロペラ472を備えるものであってもよいし、複数のプロペラ472を備えるマルチコプターであってもよい。空中での姿勢安定性や飛行性能を考慮すると、ドローン470は、複数のプロペラ472を備えるマルチコプターであることが好ましい。ドローン470に複数のプロペラ472を設ける場合、それぞれのプロペラ472のブレードの大きさが異なっていてもよい。また、複数のプロペラ472のブレードの回転面は、互いに異なっていてもよい。
【0164】
図39は、ドローン470の機能構成について説明するためのブロック図である。ドローン470は、本体471(図39では省略)、少なくとも一つのプロペラ472、飛行制御部473、通信部474、カメラ475、撮像制御部476、発信情報生成部477、および充電池479を有する。プロペラ472については、上述したため、説明は省略する。
【0165】
通信部474は、管理塔490から送信された制御情報を含む無線信号を受信する。通信部474が取得する無線信号は、制御情報に限らない。また、通信部474は、発信情報生成部477によって生成される発信情報や、カメラ475によって撮影される画像を含む信号を発信する。発信情報には、ドローン470の登録情報や製造番号、位置情報、時刻、認証情報等が含まれる。ドローン470の登録情報や製造番号、認証情報等は、コリドー4を利用中には変動しない情報(不変情報とも呼ぶ)である。位置情報や時刻は、随時更新される情報(変動情報ともよぶ)である。例えば、通信部474は、ブルートゥース(登録商標)等の通信方式によって、1秒間に1回以上の発信周期で信号を発信する。
【0166】
飛行制御部473は、ドローン470の飛行を制御する手段である。飛行制御部473は、少なくとも一つのプロペラ472の回転を制御する。飛行制御部473は、予め設定された航行ルートに応じて、プロペラ472の回転を制御することによって、ドローン470を航行させる。例えば、プロペラ472ごとのモータの駆動制御を行うことで、プロペラ472ごとの回転数が制御される。例えば、飛行制御部473は、ドローン470が行う動作がテーブル形式などでまとめられた飛行条件に応じて、プロペラ472の回転を制御してもよい。予め設定された航行ルートや飛行条件は、図示しない記憶部に記憶させておけばよい。
【0167】
飛行制御部473は、ドローン470がコリドー4の内部を航行中は、撮像制御部476から取得する画像に含まれる誘導灯440の位置に基づいて、プロペラ472の回転を制御する。飛行制御部473は、参照すべき色で発光する誘導灯440の位置に応じて、ドローン470が適切な位置を航行するように、プロペラ472の回転を制御する。例えば、飛行制御部473は、予め決められた誘導灯440との位置関係を保つように、プロペラ472の回転を制御する。誘導灯440との位置関係については、コリドー4の内部を航行しさえすれば、特に限定しない。例えば、他のドローン470が発信するRIDを取得できる場合、飛行制御部473は、取得したRIDに基づいて、他のドローン470との位置関係が適切になるように、プロペラ472の回転を制御する。このように制御すれば、複数のドローン470は、互いに適切な位置関係を保ちながら、コリドー4の内部を航行できる。
【0168】
また、飛行制御部473は、通信部474によって取得された制御情報に応じて、プロペラ472の回転を制御する。例えば、飛行制御部473は、ドローン470の航行を自律的に制御するプログラムに従って、プロペラ472を制御してもよい。例えば、飛行制御部473は、複数のドローン470の航行を協調的に制御するプログラムに従って、プロペラ472を制御してもよい。
【0169】
カメラ475は、ドローン470の周辺を撮影するために配置される。カメラ475は、撮像制御部476の制御に応じて撮影する。カメラ475は、撮影された画像データ(画像とも呼ぶ)を通信部474に出力する。カメラ475には、撮像用のレンズが組み込まれている。レンズは、焦点距離を変えることができるズームレンズであることが好ましい。カメラ475には、自動的に焦点を合わせるオートフォーカス機能が搭載されていることが好ましい。また、カメラ475には、手振れを防止する機能などのように、一般的なデジタルカメラに適用されている機能が搭載されていることが好ましい。カメラ475の具体的な構造については、説明を省略する。
【0170】
撮像制御部476は、カメラ475を撮像制御する。撮像制御部476は、所定のタイミングでカメラ475に撮像させる。撮像制御部476による撮像制御に関しては、特に限定を加えない。撮像制御部476は、カメラ475によって撮影された画像を取得する。撮像制御部476は、取得した画像データを、飛行制御部473および通信部474に出力する。例えば、撮像制御部476は、飛行制御部473と通信部474に出力される画像の撮像条件は、互いに異なる条件に設定されてもよい。例えば、飛行制御部473に出力される画像の撮像条件は、誘導灯440の位置を検出できる程度の低解像度で、高頻度で撮影される条件に設定される。例えば、通信部474に出力される画像の撮像条件は、ドローン470の周辺の状況を検証できる程度の高解像度で、低頻度で撮影される条件に設定される。このように撮像条件を設定すれば、飛行制御に求められる情報と、周辺状況の検証に求められる情報とを、適切に得ることができる。
【0171】
発信情報生成部477は、ドローン470に固有の発信情報を生成する。発信情報には、不変情報と変動情報が含まれる。発信情報生成部477は、不変情報と変動情報とを含む発信情報を所定周期で生成する。例えば、発信情報生成部477は、1秒間に1回程度の所定周期で、発信情報を生成する。不変情報には、ドローン470の登録情報や製造番号、認証情報等が含まれる。不変情報は、図示しない記憶部に記憶させておけばよい。変動情報には、位置情報や時刻が含まれる。例えば、発信情報生成部477は、GPS(Global Positioning System)などの測位システムによって収集されるデータを用いて、位置情報を生成する。発信情報生成部477は、コリドー4の周辺に設置された位置計測装置(図示しない)から、その位置計測装置の位置情報を取得してもよい。地磁気センサや加速度センサ、速度センサ、高度センサ、測距センサなどの飛行位置を特定するためのセンサがドローン470に搭載されている場合、発信情報生成部477は、それらのセンサによって収集されるデータを用いて、位置情報を生成してもよい。発信情報生成部477は、生成した発信情報を通信部474に出力する。
【0172】
充電池479は、充電機能を有する一般的な二次電池である。充電池479については、特に限定を加えない。例えば、充電池479は、充電池479への充電制御や、充電池479の充電量のモニターが可能なものが好ましい。
【0173】
(動作)
次に、管理装置45の動作について図面を参照しながら説明する。判定装置40の動作は、第1~第3の実施形態のいずれかに示した通りである。以下のフローチャートは、管理装置45の動作の流れをまとめたものであって、細かな動作や処理については省略する。管理装置45の細かな動作や処理は、上述した通りである。
【0174】
図40は、管理装置45の動作例に関するフローチャートである。図40のフローチャートに沿った説明においては、管理装置45を動作主体として説明する。
【0175】
図40において、まず、管理装置45は、コリドー4を利用中のドローン470から発信された発信情報415を取得する(ステップS41)。例えば、管理装置45は、ドローン470から発信された発信情報415を、管理塔490から取得する。
【0176】
次に、管理装置45は、取得した発信情報415に含まれる位置情報を用いて、複数のドローン470の各々の位置を計算する(ステップS42)。
【0177】
次に、管理装置45は、複数のドローン470の位置関係に応じて、ドローン470の適切な配置を計算する(ステップS43)。
【0178】
次に、管理装置45は、算出された適切な配置に応じて、制御対象のドローン470の制御情報465を生成する(ステップS44)。
【0179】
次に、管理装置45は、生成された制御対象のドローン470の制御情報465を出力する(ステップS45)。管理装置45から出力される制御情報465は、管理塔490を介して、制御対象のドローン470に向けて送信される。
【0180】
〔監視処理〕
次に、管理システム400による複数のドローン470の制御の一例として、コリドー4の利用計画を申請していないドローン470に対して警告を発する監視処理について説明する。
【0181】
図41は、管理システム400による監視処理について説明するためのフローチャートである。図41の監視処理は、警告に従わないドローン470に対する強制制御を含む。以下においては、管理システム400の管理装置45を動作主体として説明する。
【0182】
図41において、まず、管理装置45は、コリドー4を利用中のドローンから発信された発信情報415を取得する(ステップS411)。
【0183】
次に、管理装置45は、発信情報415に含まれるドローン470のRIDに基づいて、そのドローン470がコリドー4の利用を許可されているか判定する(ステップS412)。例えば、管理装置45は、現時点においてコリドー4を利用可能なドローン470のRIDを判定装置40から取得し、RIDを用いて、コリドー4の利用が許可されているか判定する。
【0184】
未許可のドローン470がコリドー4を利用している場合(ステップS412でYes)、管理装置45は、未許可のドローン470に対する警告情報を生成する(ステップS413)。未許可のドローン470がコリドー4を利用していない場合(ステップS412でNo)、ステップS411に戻る。
【0185】
ステップS413の次に、管理装置45は、生成した警告情報を出力する(ステップS415)。例えば、管理装置45は、管理塔490に警告情報に出力する。管理塔490は、未許可のドローン470に対して、警告情報を送信する。例えば、RID等によって未許可のドローン470の持ち主が特定された場合、管理装置45は、その持ち主の連絡先に対して警告情報を出力してもよい。
【0186】
警告情報を出力してから所定の待機期間が経過した時点において、警告中のドローン470が検出された場合(ステップS415でYes)、管理装置45は、警告中のドローン470に対する制御条件を生成する(ステップS416)。例えば、ステップS416において、管理装置45は、コリドー4の内部から外れるようにドローン470を制御する制御条件を生成する。例えば、ステップS416において、管理装置45は、墜落するようにドローン470を制御する制御条件を生成する。警告情報を出力してから所定の待機期間が経過した時点において、警告中のドローン470が検出されなかった場合(ステップS415でNo)、ステップS411に戻る。
【0187】
次に、管理装置45は、生成された制御情報を出力する(ステップS417)。例えば、管理装置45は、管理塔490に制御情報に出力する。管理塔490は、未許可のドローン470に対して、制御情報を送信する。未許可のドローン470が制御条件に応じて制御可能であれば、そのドローン470をコリドー4の内部から排除できる。例えば、制御条件を用いて未許可のドローン470を制御できない場合は、物理的な手段を用いて、そのドローン470をコリドー4の内部から排除してもよい。
【0188】
監視処理を継続する場合(ステップS418でYes)、ステップS411に戻る。例えば、予め決められたコリドー4の運用時間帯であれば、監視処理が継続される。監視処理を継続しない場合(ステップS418でNo)、図41のフローチャートに沿った処理は終了である。例えば、予め決められたコリドー4の運用時間帯が終了した場合、監視処理が継続されない。監視処理の継続の判定条件は、任意に設定できる。
【0189】
以上のように、本実施形態の管理システムは、判定装置と管理装置を備える。判定装置は、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する。判定装置は、コリドーの予約情報を記憶する。判定装置は、予約情報を参照して、利用計画に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する。判定装置は、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。判定装置は、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定結果と、コリドーの利用条件とを含む判定情報を生成する。判定装置は、コリドーの利用に関する判定情報を出力する。管理装置は、判定装置の判定情報に応じたドローンが利用可能なコリドーを管理する。
【0190】
本実施形態の管理システムによれば、判定装置の判定情報に応じたドローンが利用するコリドーを管理することができる。
【0191】
本実施形態の一態様において、管理装置は、発信情報取得部、位置計算部、配置計算部、制御情報生成部、および制御情報出力部を有する。発信情報取得部は、コリドーを利用しているドローンのRID(Remote Identifier)を含む発信情報を取得する。位置計算部は、発信情報に含まれる位置情報を用いてドローンの位置を計算する。配置計算部は、コリドーを利用しているドローンの位置に応じて、コリドーの内部の単位領域に位置するドローンの機数を計算する。制御情報生成部は、単位領域に位置するドローンの機数に応じて、ドローンに対する制御情報を生成する。制御情報出力部は、生成された制御情報を出力する。本態様によれば、コリドーを利用しているドローンのRIDを含む発信情報に基づいて、コリドーを利用中のドローンを制御できる。
【0192】
本実施形態の一態様において、制御情報生成部は、単位領域の内部のドローンの機数が、単位領域に設定された上限機数を超える場合、単位領域の内部の複数のドローンを互いに遠ざけるように制御する制御情報を生成する。制御情報生成部は、単位領域の内部のドローンの機数が、単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、単位領域の内部のドローンに対しては制御情報を生成しない。本態様によれば、単位領域の内部に位置するドローンの機数に応じて、ドローンを制御できる。また、本態様では、単位領域に設定された上限機数を超えていない場合は、制御情報を生成しないため、コリドーの内部を航行するドローンを制御する処理が軽減される。
【0193】
本実施形態の一態様において、管理装置は、コリドーの利用が許可されていないドローンがコリドーの内部で検出された場合、検出されたドローンのコリドーからの退出を促す警告情報を出力する。本態様によれば、利用許可を受けていないドローンやその所有者に対して警告情報を出力することで、コリドーの不正利用を防止できる。
【0194】
本実施形態の一態様において、管理装置は、コリドーの利用が許可されていないドローンがコリドーの内部で検出された場合、検出されたドローンに対して、コリドーから退出させる制御をする制御情報を出力する。例えば、管理装置は、コリドーの外にドローンを安全に墜落させる制御情報を生成する。本態様によれば、利用許可を受けていないドローンに対して、コリドーから退出させる制御をすることで、コリドーの不正利用を防止できる。
【0195】
本実施形態の一態様において、判定装置からの緊急用コリドーの形成指示に応じて、管理装置は、緊急用コリドーを形成する。本態様によれば、コリドーに渋滞が発生している場面において、形成済みのコリドーを利用できなくても、緊急要請に応じた緊急用コリドーを形成できる。
【0196】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の判定装置は、第1~第4の実施形態の判定装置を簡略化した構成である。
【0197】
図42は、本実施形態の判定装置50の構成の一例を示すブロック図である。判定装置50は、利用計画取得部51、計算部52、記憶部53、予測部55、判定部56、および出力部57を備える。
【0198】
利用計画取得部51は、ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画510を取得する。記憶部53は、コリドーの予約情報530を記憶する。計算部52は、予約情報530を参照して、利用計画510に応じたコリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する。予測部55は、算出された判定パラメータに応じて、コリドーの渋滞状況を予測する。判定部56は、予測されたコリドーの渋滞状況に応じて、コリドーの利用可否に関する判定情報560を生成する。出力部57は、コリドーの利用可否に関する判定情報560を出力する。
【0199】
以上のように、本実施形態の判定装置は、利用計画の申請に応じて、利用計画が受け付けられた場合において、コリドーに発生しうる渋滞状況を予測する。本実施形態の判定装置は、予測された渋滞状況に応じて、コリドーの利用に関する許可/不許可の判定を行う。そのため、本実施形態によれば、ドローンが航行するコリドーに発生しうる渋滞を解消できる。
【0200】
(ハードウェア)
ここで、本開示の各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成について、図43の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、図43の情報処理装置90は、各実施形態の制御や処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0201】
図43のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。図43においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0202】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを、主記憶装置92に展開する。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、各実施形態に係る制御や処理を実行する。
【0203】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0204】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0205】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
【0206】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成としてもよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
【0207】
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
【0208】
また、情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータやプログラムの読み込み、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。ドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
【0209】
以上が、本発明の各実施形態に係る制御や処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、図43のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御や処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る制御や処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0210】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせてもよい。また、各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよいし、回路によって実現されてもよい。
【0211】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0212】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する利用計画取得部と、
前記コリドーの予約情報を記憶する記憶部と、
前記予約情報を参照して、前記利用計画に応じた前記コリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する計算部と、
算出された前記判定パラメータに応じて、前記コリドーの渋滞状況を予測する予測部と、
予測された前記コリドーの前記渋滞状況に応じて、前記コリドーの利用可否に関する判定情報を生成する判定部と、
前記コリドーの利用可否に関する前記判定情報を出力する出力部と、を備える判定装置。
(付記2)
前記判定部は、
前記利用計画の受付に応じた前記コリドーに渋滞が発生しないと予測された場合、前記コリドーの利用を許可し、
前記利用計画の受付に応じた前記コリドーに渋滞が発生すると予測された場合、前記コリドーの利用を許可しない付記1に記載の判定装置。
(付記3)
前記判定部は、
前記利用計画の受付に応じた前記コリドーに渋滞が発生すると予測された場合、前記コリドーの利用に関する代替案を提示する付記1または2に記載の判定装置。
(付記4)
前記予測部は、
前記コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数に対する、前記利用計画に応じた予約機数の割合に応じて、前記コリドーの前記渋滞状況を予測する付記1乃至3のいずれか一つに記載の判定装置。
(付記5)
前記予測部は、
前記コリドーを構成する複数の前記コリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数に対する、前記利用計画に応じた予約機数の割合が1以下の場合、前記コリドーには渋滞が発生しないと予測し、
前記コリドーを構成する複数の前記コリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数に対する、前記利用計画に応じた予約機数の割合が1を超える場合、前記コリドーには渋滞が発生すると予測する付記4に記載の判定装置。
(付記6)
前記予測部は、
前記コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数から、前記利用計画に応じた予約機数を引いた値に応じて、前記コリドーの前記渋滞状況を予測する付記1乃至3のいずれか一つに記載の判定装置。
(付記7)
前記予測部は、
前記コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数から、前記利用計画に応じた予約機数を引いた値が0以上の場合、前記コリドーには渋滞が発生しないと予測し、
前記コリドーを構成する複数のコリドー領域ごとに許容された前記ドローンの上限機数から、前記利用計画に応じた予約機数を引いた値が0未満の場合、前記コリドーには渋滞が発生すると予測する付記6に記載の判定装置。
(付記8)
前記利用計画取得部は、
前記コリドーの利用を計画する前記ドローンの充電量を含む前記利用計画を取得し、
前記判定部は、
前記利用計画に含まれる前記ドローンの充電量に応じて、前記コリドーの利用可否を判定する付記1乃至7のいずれか一つに記載の判定装置。
(付記9)
前記記憶部は、
前記コリドーを利用する際に使用可能な充電ステーションに関する情報を含む前記予約情報を記憶し、
前記判定部は、
前記利用計画に含まれる前記ドローンの充電量が不十分な場合、前記予約情報に含まれる前記充電ステーションの予約状況に応じて、前記コリドーの利用に関する注意情報を生成する付記8に記載の判定装置。
(付記10)
前記コリドーの環境情報を取得する環境情報取得部を備え、
前記判定部は、
前記環境情報に含まれる前記コリドーの状況に応じて、前記コリドーの利用可否を判定する付記1乃至9のいずれか一つに記載の判定装置。
(付記11)
前記出力部は、
前記利用計画を申請した利用者が利用する端末装置に前記コリドーの予約状況を出力し、前記利用者が利用する前記端末装置の画面に前記コリドーの予約状況を表示させる付記1乃至10のいずれか一つに記載の判定装置。
(付記12)
前記利用計画取得部は、
前記端末装置に表示された前記コリドーの前記予約状況に対する操作に応じて入力された前記利用計画を取得し、
前記出力部は、
前記利用計画に応じて判定された前記判定情報を前記端末装置に出力する付記11に記載の判定装置。
(付記13)
付記1乃至12のいずれか一つに記載の判定装置と、
前記判定装置の判定情報に応じたドローンが利用可能なコリドーを管理する管理装置とを備える管理システム。
(付記14)
前記管理装置は、
前記コリドーを利用している前記ドローンのRID(Remote Identifier)を含む発信情報を取得する発信情報取得部と、
前記発信情報に含まれる位置情報を用いて前記ドローンの位置を計算する位置計算部と、
前記コリドーを利用している前記ドローンの位置に応じて、前記コリドーの内部の単位領域に位置する前記ドローンの機数を計算する配置計算部と、
前記単位領域に位置する前記ドローンの機数に応じて、前記ドローンに対する制御情報を生成する制御情報生成部と、
生成された制御情報を出力する制御情報出力部と、を有する付記13に記載の管理システム。
(付記15)
前記制御情報生成部は、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超える場合、前記単位領域の内部の複数の前記ドローンを互いに遠ざけるように制御する前記制御情報を生成し、
前記単位領域の内部の前記ドローンの機数が、前記単位領域に設定された上限機数を超えていない場合、前記単位領域の内部の前記ドローンに対しては前記制御情報を生成しない付記14に記載の管理システム。
(付記16)
前記管理装置は、
前記コリドーの利用が許可されていない前記ドローンが前記コリドーの内部で検出された場合、
検出された前記ドローンの前記コリドーからの退出を促す警告情報を出力する付記14または15に記載の管理システム。
(付記17)
前記管理装置は、
前記コリドーの利用が許可されていない前記ドローンが前記コリドーの内部で検出された場合、
検出された前記ドローンに対して、前記コリドーから退出させる制御をする前記制御情報を出力する付記15または16に記載の管理システム。
(付記18)
前記判定装置は、
前記コリドーの緊急要請を前記利用計画として取得した場合、前記コリドーの利用状況に応じて緊急用コリドーの形成可否を判定し、
前記緊急用コリドーの形成が可能であった場合、前記管理装置に対して前記緊急用コリドーの形成指示を出力し、
前記緊急要請の要請元に対して、前記緊急用コリドーの利用に関する判定結果を含む判定情報を出力し、
前記管理装置は、
前記判定装置からの前記コリドーの形成指示に応じて、前記緊急用コリドーを形成する付記13乃至17のいずれか一つに記載の管理システム。
(付記19)
コンピュータが、
ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得し、
前記コリドーの予約情報を記憶し、
前記予約情報を参照して、前記利用計画に応じた前記コリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算し、
算出された前記判定パラメータに応じて、前記コリドーの渋滞状況を予測し、
予測された前記コリドーの前記渋滞状況に応じて、前記コリドーの利用可否に関する判定情報を生成し、
前記コリドーの利用可否に関する前記判定情報を出力する判定方法。
(付記20)
ドローンの航行のために形成されたコリドーの利用計画を取得する処理と、
前記コリドーの予約情報を記憶する処理と、
前記予約情報を参照して、前記利用計画に応じた前記コリドーにおける渋滞に関する判定パラメータを計算する処理と、
算出された前記判定パラメータに応じて、前記コリドーの渋滞状況を予測する処理と、
予測された前記コリドーの前記渋滞状況に応じて、前記コリドーの利用可否に関する判定情報を生成する処理と、
前記コリドーの利用可否に関する前記判定情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0213】
10、20、30、40、50 判定装置
11、21、31、51 利用計画取得部
12、22、32、52 計算部
13、23、33、53 記憶部
15、25、35、55 予測部
16、26、36、56 判定部
17、27、37、57 出力部
34 環境情報取得部
45 管理装置
100、200 端末装置
140、240、340、440 誘導灯
170、270、370、470 ドローン
190、290、390、490 管理塔
347 風速計
400 管理システム
451 発信情報取得部
452 位置計算部
453 配置計算部
455 制御情報生成部
457 制御情報出力部
471 本体
472 プロペラ
473 飛行制御部
475 カメラ
476 撮像制御部
477 発信情報生成部
479 充電池
図1
図2
図3
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