(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】容器体
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20250416BHJP
【FI】
A47G33/00 M
A47G33/00 L
(21)【出願番号】P 2021103727
(22)【出願日】2021-06-23
【審査請求日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2020179896
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】松原 信行
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特許第6638126(JP,B1)
【文献】特開2020-171667(JP,A)
【文献】特開2012-249681(JP,A)
【文献】特開2017-154768(JP,A)
【文献】特開2017-124091(JP,A)
【文献】登録実用新案第3203314(JP,U)
【文献】特開平10-099745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/22,33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部と当該容器部の上部に支持された外装体とを備え、
前記容器部は容器本体と当該容器本体の開口部を塞ぐ容器蓋部とを有し、前記外装体は前記容器蓋部に対して揺動及び回転可能に支持されていることを特徴とする容器体。
【請求項2】
前記外装体は上面部と前記上面部の外周部から垂下したスカート部とを有することを特徴とする請求項
1記載の容器体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器部の上部に支持された外装体を有する容器体に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで遺骨や遺灰等は、骨壺と称されるつぼに入れてお墓に納めるのが一般的であったが、近年は仏壇や身近なところに置いて供養することを希望される人々もいる。
そこで本出願人は、先におりんとしての機能も有する遺骨・遺灰入れを提案している(特許文献1)。
しかし、容器部は、つぼに限定する必要がなく、いろいろな小物を入れる容器体に用いてもよいことから、本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、先に提案したおりんとしての機能のみならず、外装体としても機能する容器体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る容器体は、容器部と当該容器部の上部に支持された外装体とを備え、前記外装体は前記容器部の上部に揺動可能に支持されていることを特徴とする。
ここで、容器体とは、先に提案した遺骨又は遺灰を収容するための容器のみに限定されるものではなく、小物入れとしていろいろな用途に用いることができる。
【0006】
本発明において、外装体は、回転可能に支持されていてもよい。
また、容器部は容器本体と当該容器本体の開口部を塞ぐ容器蓋部とを有し、前記外装体は前記容器蓋部に支持されていてもよく、さらに外装体は上面部と前記上面部の外周部から垂下したスカート部とを有するようにしてもよい。
このようにすると、外装体は、左右,前後に揺動したり、あるいは回転させることもできる。
したがって、本発明における外装体は、りん棒等で打りんすると、音が鳴るおりんとししての機能の他に、装飾的機能も有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る容器体は、小物入れ等、いろいろな用途に用いることができる。
したがって、先に提案した手元供養できるつぼ型おりんの他に、いろいろな目的に使用できる新規な容器体になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】つぼ型おりんの構造例を示し、(a)は部分断面図、(b)は外観を示す。
【
図4】つぼの形状を略球形状にしたつぼ型おりんの例を示し、(a)は部分断面図、(b)は外観を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る容器体の構造例を以下図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0010】
図1に台座11を有しているタイプの容器体の例を示し、
図2に台座を有していないタイプの容器体の例を示す。
それぞれ(a)は、外装体12を断面図で示し、(b)は全体の外観を示す。
図1に示した実施例1は、内部に収容凹部を有する容器本体13aと、その上部側の開口部を塞ぐ容器蓋部13bからなる容器部13を有する。
容器蓋部13bの上部には、ピン状の支持部13cを立設してあり、この先端部13dは球面凸部になっている。
外装体12の上面部12bの内側中央部には、凹部12aを形成してある。
外装体12は、外形が円形状の上面部12bとの外周部から円筒状に垂下したスカート部12cを有し、上面部12bの内側中央部に形成した凹部12aが容器蓋部13b側に形成した先端部13dにて一点支持されている。
これにより、外装体12は、左右,前後に揺動可能であるとともに、回転させることもできる。
このようにすると、
図1(b)に外観図を示すように、内部に容器部13を有していることが外部から見えず、外装体12が揺れたり、回転したりする新規のデザイン性に優れた容器体となる。
【0011】
図1に示した実施例1では、容器本体13aと、容器蓋部13bとは外形が円形状となっているが、ケース形状であればこれに限定されない。
外装体12のスカート部12cの下端部12dと台座11の間には、所定の隙間部dを有している。
これにより、揺動や回転しやすくなっているとともに、打りんすると音が鳴るおりんとしての機能も有する。
【0012】
図2は、台座を有していない容器体の実施例2を示す。
容器部13は、有底円筒状の容器本体13aと、下側が開口したキャップ状の容器蓋部13bからなる例となっている。
また、本実施例2は、容器蓋部13bの上部に立設した支持部13cと外装体12の内側中央部12aとが連結されている例となっている。
この場合に、支持部13cは、弾性材で形成されることで外装体12は、回転はしないが、左右,前後に揺動可能になっている。
連結構造としては、外装体12と容器蓋部13bとを一体的に製造してもよく、別体として製造し、螺着,接着,溶着,嵌着等により、連結してもよい。
図2(b)に外観を示すように、容器部13か外装体12の内側に包み込まれているように見える。
図2に示した実施例2も、外装体,容器部の外形が円形状となっているが、外装体や容器部を四角形,多角形等の形状にしてもよい。
【0013】
外装体12は、金属製,樹脂製等、その材質に制限はないが、おりんとしての機能を有するようにする場合は、金属製であるのが好ましい。
【0014】
図3は、容器部13をつぼにした実施例3を示す。
台座11の上につぼとなる容器部13を載置し、このつぼの上部で外装体(おりん本体)12を支持させた例になっている。
ここで、台座11は必ずしも必要ではないが、本実施例は
図3(b)に外観を示すように全体として略球形状にデザインした例になっている。
したがって外装体12は、下側が開口した球面形状の回転体であり、台座11も側面は球面形状の一部である。
【0015】
内部に遺骨等を収容する容器本体13aと、この容器本体13aに設けた上部開口部を塞ぐ容器蓋部13bからなる実施例となっている。
この容器蓋部13bの上部側にピン状の支持部13cを立設した例になっている。
図3に示した実施例は、支持部13cの上端を凸形状にし、逆さにした略お椀形状のおりん本体の内側の中央部に凹部を設けてある。
このようにすると、おりん本体に設けた凹部12aが支持部の上端の凸部13dにて、左右,前後に揺動可能に支持されるので、りん棒等にて打りんすると、振動しやすくなる。
なお、この場合に、つぼの蓋部の支持部13c側を凹部形状にし、おりん本体12の内側中央部側を凸部にしても同様の効果が得られる。
また、支持部13cとおりん本体とをバネ部材やゴム等の弾性部材で連結してもよい。
【0016】
つぼは、台座11の上に載置するだけでもよいが、本実施例はつぼの容器本体13aの底部に設けたおねじ部13eと、台座11側に設けためねじ部11bにて螺合固定した例になっている。
固定方法は、嵌合固定でもよい。
このようにすると、台座11と容器本体13aとを一体化でき、取扱いが容易になる。
【0017】
台座11はプレート状でもよいが、本実施例は底部に平坦部11aを有し、外形が部分球面形状になり、おりん本体と合せて略球形にしてある。
この際に、おりん本体を外形が球面状の下側が開口した逆さのお椀形状にし、開口端部12dと台座11の周縁端部11cとの間に形成される隙間dが10mm以下、好ましくは1~5mmに設定してある。
【0018】
りん本体は、真鍮等の銅合金,スズ,アルミ,鉄系金属等の金属製が好ましく、つぼは必ずしも金属製である必要はなく、陶磁器,樹脂製等でもよい。
【0019】
図4は、つぼの形状を略球形のつぼ23にした例を示す。
本実施例は、容器部23aと蓋部23cにて球形状にし、蓋部の上部に設けた支持部23cで外装体(おりん本体)12を支持してある。
また、容器本体23aの底部のおねじ部23eにて台座11に固定してある。
このようにすると、おりん本体を取り外してもデザイン性に優れたつぼになる。
また蓋体であるおりん本体は、つぼから取り外して、そのものをおりんとして使用もできる。
【符号の説明】
【0020】
11 台座
12 外装体
13 容器部
13a 容器本体
13b 容器蓋部