IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 西川産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電気治療器 図1
  • 特許-電気治療器 図2
  • 特許-電気治療器 図3
  • 特許-電気治療器 図4
  • 特許-電気治療器 図5
  • 特許-電気治療器 図6
  • 特許-電気治療器 図7
  • 特許-電気治療器 図8
  • 特許-電気治療器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】電気治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/10 20060101AFI20250416BHJP
【FI】
A61N1/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021152188
(22)【出願日】2021-09-17
(65)【公開番号】P2023044258
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 光康
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 諒
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0109749(KR,A)
【文献】特開2020-124379(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109381335(CN,A)
【文献】特表2020-534118(JP,A)
【文献】特開2020-054499(JP,A)
【文献】特開2009-268674(JP,A)
【文献】特開2008-237458(JP,A)
【文献】中国実用新案第203447419(CN,U)
【文献】特開2008-062919(JP,A)
【文献】特表2018-519032(JP,A)
【文献】特開2004-159926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0282962(US,A1)
【文献】特開2002-327467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具と、
前記寝具に内蔵された治療器と、
前記寝具に取り付けられており、前記治療器を制御するコントローラと、
前記治療器を操作するための操作画面を携帯端末のディスプレイに表示する表示部と、
を備え、
前記コントローラは、
前記携帯端末と通信可能な通信部と、
前記操作画面における操作に応じて前記治療器に電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを行わせる治療器制御部と、
を有する、電気治療器であって、
前記電気治療器の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことを前記コントローラに表示する通知部を備え、
前記一定期間は、前記電気治療器の使用者に、前記電気治療器のメンテナンス、又は前記電気治療器の買い替えを促すための時間である、
電気治療器
【請求項2】
前記コントローラは、前記携帯端末が接続された充電ケーブルが接続される接続部を備え、前記接続部及び前記充電ケーブルを介して前記携帯端末を充電する、
請求項1に記載の電気治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、寝具を備える電気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-121062号公報には、電位治療器を備えた電位治療システムが記載されている。電位治療システムは、電位治療器と、電位治療器と通信可能とされるウェアラブルデバイスと、電位治療器が接続された導電シートとを備える。導電シートは、木製の椅子の座面に敷かれるシートである。
【0003】
電位治療器は、導電シートに高電圧の信号を出力し、導電シート上に座るユーザを周辺環境より高電位にする装置である。ウェアラブルデバイスは、ユーザの身体状態を測定するデバイスであり、手首に装着するためのバンドを有する。ウェアラブルデバイスは、無線通信により電位治療器に接続し、測定したユーザの身体状態を示す情報を電位治療器に送信する。電位治療器は電位治療器を操作するための複数のボタンを有し、ユーザが操作部を操作することによって電位治療器の治療が開始される。
【0004】
韓国公開特許第10-2016-0108806号公報には、IoT(InternetOf Things)基盤の溶液タイプ温熱治療器遠隔管理システムが記載されている。このシステムは、温熱治療装置と、使用者端末と、管理装置とを備える。使用者端末には、管理装置から温熱治療器管理関連アプリケーションが提供される。使用者端末は、このアプリケーションの実行によって温熱治療装置及び管理装置のそれぞれと通信可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-121062号公報
【文献】韓国公開特許10-2016-0108806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、寝具を備える電気治療器は、寝具から伸びるケーブルの先端に取り付けられたコントローラを備え、コントローラによって操作される。この電気治療器では、ケーブル又はコントローラが寝具の下に入り込んだ状態で使われることがある。この場合、電気治療器を使うときに寝具をまくり上げてコントローラを操作しなければならないので、使いやすさの点で改善の余地がある。
【0007】
本開示は、使いやすい電気治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る電気治療器は、寝具と、寝具に内蔵された治療器と、寝具に取り付けられており、治療器を制御するコントローラと、治療器を操作するための操作画面を携帯端末のディスプレイに表示する表示部と、を備える。コントローラは、携帯端末と通信可能な通信部と、操作画面における操作に応じて治療器に電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを行わせる治療器制御部と、を有する、電気治療器であって、電気治療器の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことをコントローラに表示する通知部を備え、一定期間は、電気治療器の使用者に、電気治療器のメンテナンス、又は電気治療器の買い替えを促すための時間である
【0009】
この電気治療器は、寝具に内蔵された治療器を制御するコントローラを備え、コントローラは寝具に取り付けられている。更に、この電気治療器は治療器を操作するための操作画面を携帯端末のディスプレイに表示する表示部を備え、コントローラは当該操作画面の操作に応じて治療器に電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを行わせる。従って、寝具から離れた遠隔地において携帯端末の操作画面を操作して治療器を動作させることができる。よって、例えば寝具を使う前に遠隔地から予め治療器を動作させることができるので、寝具の使用時に直ちに電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを行うことができる。携帯端末によって治療器を操作可能であるため、治療器の使用時に寝具をまくり上げる必要がない上に、携帯端末によって遠隔地から治療器を操作できるので、使いやすい電気治療器とすることができる。
【0010】
の場合、電気治療器が一定期間以上使用されたときに、一定期間使用されたことがコントローラに表示される。よって、当該一定期間がメンテナンス又は買い替えを促す期間に設定されることにより、当該一定期間が経ったことを表示して電気治療器の使用者にメンテナンス又は買い替えを促すことができる。
【0011】
コントローラは、携帯端末が接続された充電ケーブルが接続される接続部を備えてもよく、接続部及び充電ケーブルを介して携帯端末を充電してもよい。この場合、電気治療器のコントローラを充電器として用いることができる。更に、携帯端末の充電は毎日に近い頻度で行われるので、使用者が電気治療器のコントローラを用いて毎日に近い頻度で充電を行うことにより、使用者に電気治療器の使用を促すことができる。従って、一般的には電気治療器があまり使用されない夏季等であっても、使用者に電気治療器の使用を促すことにより、電気治療器の使用頻度を高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、使いやすい電気治療器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る電気治療器の寝具、治療器及びコントローラを模式的に示す平面図である。
図2図1の電気治療器の表裏を反転させた状態を示す平面図である。
図3】実施形態に係る電気治療器の機能の構成を示すブロック図である。
図4】携帯端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図5】携帯端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図6】実施形態に係る電気治療器のコントローラを示す平面図である。
図7図6のコントローラの側面を示す図である。
図8図6のコントローラに携帯端末が接続されている状態を模式的に示す図である。
図9】実施形態に係る温熱治療器の使用方法の工程の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る電気治療器の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0015】
本開示に係る電気治療器は、寝具と、寝具に内蔵された治療器と、治療器を制御するコントローラとを備える。「電気治療器」は電気治療を行う機器である。「電気治療」は、電気治療器の使用者の身体に電流を流して、身体の痛みの感覚を緩和したり、血行不良を改善したり、腰回りの痛み、又は肩こりを緩和することを示している。
【0016】
電気治療は、電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを含む。「電位治療」とは、使用者の身体の周囲に電界を生じさせ、当該電界によって頭痛、肩こり、便秘又は不眠症を改善する治療を示している。例えば、「電位治療」では、負電位を身体に与えることによって頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の少なくともいずれかを緩和する。「温熱治療」とは、電気による熱を用いて身体に熱刺激を与えることによって身体を治療することを示している。例えば、「温熱治療」は、温熱で身体の血行を良好にすることにより、胃腸の働きの活発化、又は、筋肉のこり、疲れ、神経痛若しくは筋肉痛の緩和を促す治療を示している。
【0017】
本実施形態では、電気治療器が家庭用電気治療器である例について説明する。「家庭用」は、使用者の家庭で用いられることを示しており、例えば、業務用又は医療用としては用いられないことを示している。本実施形態に係る家庭用電気治療器は、使用者が家庭で簡単に使うことができる電気治療器であり、携帯端末及びコントローラによって高齢者でも容易に操作することが可能な電気治療器である。
【0018】
「寝具」とは、身体を休めるときに身体に当てられるものを示している。「寝具」としては、例えば、マットレス、敷き布団若しくはベッドパッド等の敷き寝具、掛け寝具、枕、クッション、又は座布団が挙げられる。以下の実施形態の説明では、寝具が敷き寝具である例について説明する。
【0019】
「使用者」は、電気治療器の使用者を示している。「使用者」としては、例えば、電気治療を行う対象の者又はその家族の構成員が挙げられる。「治療器」は、寝具に内蔵された治療機器を示している。「治療器」は、例えば、治療を行う通電体及び発熱体の少なくともいずれかを示している。「コントローラ」とは、寝具に取り付けられた機器であって且つ治療器を制御する機器を示している。
【0020】
図1は、本実施形態に係る電気治療器1を示す平面図である。電気治療器1は、例えば、電位治療及び温熱治療の双方を行う電位温熱治療器である。本実施形態に係る電気治療器1は、使用者の家庭で用いられる家庭用電位温熱治療器である。一例として、電気治療器1は、電位温熱組み合わせ家庭用医療機器(クラスII)であり、家庭用の電位治療器と温熱治療器の組み合わせ医療機器である。電気治療器1は、電位治療器として頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の緩解を行うと共に、温熱治療器として電熱による温熱効果を付与する。例えば、電気治療器1は一般家庭で用いられる。
【0021】
電気治療器1は、寝具2と、治療器3と、コントローラ20とを備える。本実施形態において、寝具2は、枕Pが載せられる敷き寝具である。例えば、寝具2は長方形状を呈する。寝具2は、第1方向D1に延びる長辺2bと、第1方向D1に交差する第2方向D2に延びる短辺2cとを有する。第1方向D1は寝具2の長手方向、第2方向D2は寝具2の幅方向である。寝具2は、例えば、エアレイド製法によって製造された綿製のマットレスであってもよい。
【0022】
治療器3は、例えば、寝具2に内蔵された電位線によって構成されている。治療器3は、カーボン面発熱体を含んでいてもよい。治療器3は、加工されたカーボン素材によって構成された発熱体であってもよい。治療器3は、平板状を呈するヒータ(面発熱体)であってもよい。治療器3は、ニクロム線であってもよい。治療器3が面発熱体である場合、治療器3における温度の立ち上がりを早くすることが可能である。
【0023】
コントローラ20は、コントローラ20に接続された電源コードCを介して電力を受けると共に治療器3を制御する。コントローラ20は、例えば、寝具2の隅部2dに配置されている。すなわち、コントローラ20は、寝具2の第1方向D1の一端、且つ寝具2の第2方向D2の一端に設けられている。これにより、寝具2における使用者の睡眠時にコントローラ20を邪魔になりにくくすることができる。
【0024】
例えば、コントローラ20は、平面視における第1方向D1の枕Pが置かれる側の端部であって且つ第2方向D2の端部に設けられる。この場合、寝具2に横たわった使用者の頭の横にコントローラ20が位置するので、寝具2に横たわる使用者であってもコントローラ20を容易に操作することができる。
【0025】
例えば、コントローラ20はタッチパネルである操作画面22を有する。コントローラ20の操作画面22が設けられる部位は、例えば、寝具2に対して着脱可能であってもよい。図1及び図2に示されるように、コントローラ20は、操作画面22の表裏を逆にして寝具2に着脱可能であってもよい。この場合、寝具2の表裏を逆にしてもコントローラ20を操作することができ、寝具2に横たわった使用者から見てコントローラ20が右側に位置するのか左側に位置するのかを選択できる。しかしながら、コントローラ20は寝具2と一体(着脱不能)であってもよい。なお、コントローラ20の詳細については後述する。
【0026】
図3は、コントローラ20を含む電気治療器1の構成を示す機能ブロック図である。図1図3に示されるように、電気治療器1は、例えば、携帯端末5にインストールされ、使用者が操作可能なアプリケーション(以下、「アプリ」という)を有する。当該アプリの種類は、特に限定されず、例えば、サーバからダウンロードされるダウンロードアプリ、SNS(ソーシャルネットワークサービス)のアプリ、又は通信用アプリとしての機能が含まれていてもよい。
【0027】
携帯端末5は、オペレーティングシステム及びソフトウェア(アプリケーション)等を実行するプロセッサ(例えばCPU)と、記憶部と、通信制御部と、ボタン等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置とを備える。電気治療器1の各機能要素は、携帯端末5のプロセッサ又は記憶部に電気治療器1のアプリケーションを読み込ませて当該アプリケーションを実行することによって実現される。
【0028】
電気治療器1の各機能要素は、携帯端末5にダウンロードされたアプリケーションによって実行されてもよい。あるいは、電気治療器の各機能要素は、複数のコンピュータによって構成される分散処理システム、クライアント-サーバシステム、又はクラウドシステムによって実行されてもよい。
【0029】
例えば、携帯端末5のプロセッサは、当該アプリケーションに従って、前述した通信制御部又は出力装置を動作させ、記憶部に対するデータの読み出し及び書き出しを行う。電気治療器1の処理に用いられるデータ又はデータベースは携帯端末5の記憶部に格納される。携帯端末5は、電気治療器1の通信制御部によってコントローラ20と通信可能とされている。
【0030】
携帯端末5は、例えば、電気治療器1の機能を実行可能な機器である。携帯端末5は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット、又はノートパソコン等、携帯可能な端末を示している。例えば、電気治療器1は、機能的構成要素として、表示部11と、電位治療部12と、温熱治療部13と、通知部14と、時間計測部15と、コース設定部16と、タイマ設定部17と、乾燥部18と、通信部19とを含む。
【0031】
図3及び図4に示されるように、表示部11は、携帯端末5のディスプレイ5bに電気治療器1の操作画面50を表示する。操作画面50は、例えば、コース選択ボタン51と、設定内容表示部52と、温度設定ボタン53と、電源ボタン54と、身体部位選択ボタン55と、速暖選択ボタン56と、時間設定ボタン57とを表示する。
【0032】
電位治療部12は治療器3への通電を行って使用者に対して電位治療を行い、温熱治療部13は治療器3を加熱して使用者に対して温熱治療を行う。通知部14は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことをコントローラ20に表示する。「電気治療器の使用開始時からの時間」とは、使用者が最初に電気治療器1を入手して最初に電気治療器1を稼動させたときからの時間を示している。例えば、時間計測部15は電気治療器1の使用開始時からの時間を計測し、通知部14は時間計測部15によって計測された時間が一定期間以上経過したときにコントローラ20への表示を行う。
【0033】
上記の「一定期間」は、電気治療器1の使用者に、電気治療器1のメンテナンス、又は電気治療器1の買い替えを促すための時間である。「一定時間」は、例えば、14600時間である。14600時間は、1日8時間×365日×5年、電気治療器1の使用を継続したときの時間である。
【0034】
この場合、電気治療器1の使用開始時から5年以上経過した後に、一定期間が経過したことを通知部14がコントローラ20に表示するので、5年以上経過した時点で使用者に電気治療器1のメンテナンス等を促すことができる。なお、この「一定時間」の値は14600時間に限られず適宜変更可能である。通知部14によるコントローラ20への表示の方法については後述する。
【0035】
例えば、コース選択ボタン51、温度設定ボタン53、電源ボタン54、身体部位選択ボタン55、速暖選択ボタン56及び時間設定ボタン57は、大人の指の指先と同程度の大きさのボタンとして表示される。この場合、コース選択ボタン51、温度設定ボタン53、電源ボタン54、身体部位選択ボタン55、速暖選択ボタン56及び時間設定ボタン57が大きく且つ見やすく表示されるので、お年寄りの方でも簡単に操作画面50を操作でき、押し間違いの可能性を低減させることができる。
【0036】
コース選択ボタン51は、例えば、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51d及び季節選択ボタン51fを含む。季節選択ボタン51fは、冬ボタン51g、春秋ボタン51h及び夏ボタン51jを含む。一例として、操作画面50の左端において、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51d、冬ボタン51g、春秋ボタン51h及び夏ボタン51jは、この順で上から下に向かって並んでいる。
【0037】
例えば、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51d、冬ボタン51g、春秋ボタン51h及び夏ボタン51jのそれぞれは、長方形状を呈する。操作画面50において使用者によってコース選択ボタン51が押されるとコース設定部16がコースを設定する。
【0038】
コース設定部16が設定するコースは、例えば、温熱治療コース、交互治療コース、電位治療コース、冬コース、春秋コース及び夏コースである。温熱治療コースは寝具2に横たわった使用者に対して温熱治療部13が温熱治療を行うコースであり、電位治療コースは寝具2に横たわった使用者に対して電位治療部12が電位治療を行うコースである。
【0039】
交互治療コースは、寝具2に横たわった使用者に対して温熱治療及び交互治療を交互に行うコースである。交互治療コースでは、例えば、温熱治療を行って寝具2の温度が第1閾値以上となったときに電位治療に切り替え、電位治療を行っている状態で寝具2の温度が第2閾値以下となったときに温熱治療に切り替える。第1閾値及び第2閾値は適宜設定される温度設定値である。
【0040】
冬コースは、温熱治療の時間が電位治療の時間と比較して長いコースである。夏コースは、電位治療の時間が温熱治療の時間と比較して長いコースである。例えば、夏コースでは、治療開始時から一定時間の間は継続して電位治療を行い、当該一定時間の経過後に温熱治療と電位治療を交互に行う。春秋コースでは、例えば、温熱治療の時間が夏コースより長く且つ冬コースよりも短い。上記のコースがコース設定部16によって治療の実行前に設定される。以上、電気治療器1において設定されるコース、及びコース選択ボタン51のボタンの種類の例について説明した。しかしながら、当該コースの種類、及びコース選択ボタン51のボタンの種類と並び順は、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0041】
設定内容表示部52は、電気治療器1が稼動する残りの時間を表示する残り時間表示部52bと、設定された温度を表示する温度表示部52cと、治療の部位を表示する治療部位表示部52dと、速暖表示部52fと、ステータス表示部52gとを有する。例えば、残り時間表示部52bは、電気治療器1が稼動する残りの時間を分単位で表示する。温度表示部52cは、設定された温度を数値として表示する数値表示部52c1と、設定された温度をインジケータとして表示するインジケータ表示部52c2とを含む。
【0042】
数値表示部52c1は、例えば、設定された温度を9段階の数値で表示する。この場合、数値表示部52c1に表示される数値が1であるときに最も温度が低く、数値表示部52c1に表示される数値が9であるときに最も温度が高い。インジケータ表示部52c2は数値表示部52c1の数値と連動している。
【0043】
例えば、設定された温度に応じてインジケータ表示部52c2の着色部分の面積が変化する。インジケータ表示部52c2の着色部分の面積が最も小さいとき(例えば数値表示部52c1が1であるとき)最も温度が低く、インジケータ表示部52c2の着色部分の面積が最も大きいとき(例えば数値表示部52c1が9であるとき)最も温度が高い。
【0044】
治療部位表示部52dは、使用者の身体における治療の対象の部位を表示する。治療部位表示部52dの表示は、例えば、身体部位選択ボタン55の操作内容と連動している。一例として、身体部位選択ボタン55は全身ボタン55bと足部ボタン55cとを含んでおり、これにより、電気治療器1では治療の対象の部位を全身又は足部から選択可能とされている。
【0045】
図1図3及び図4に示されるように、電気治療器1が使用者の全身を治療する場合、例えば、治療器3の全体が通電される。一方、電気治療器1が使用者の足部を治療する場合、例えば、治療器3の枕Pとは反対側の部位3bのみが通電される。例えば、治療部位表示部52dは、全身ボタン55bが押されたときには全身という文字を表示し、足部ボタン55cが押されたときには足部という文字を表示する。
【0046】
一例として、速暖表示部52fは、電気治療器1が速暖運転を行っていることを表示する。例えば、速暖運転とは、電気治療器1の稼動開始時から温熱治療を1時間継続して行うことを示している。例えば、速暖表示部52fは、速暖選択ボタン56が押されると速暖運転が行われていることを示す速暖という文字を表示する。
【0047】
ステータス表示部52gは、電気治療器1の稼動内容を表示する。例えば、電気治療器1は、使用者を治療する機能、保温機能、及び寝具2の乾燥機能を有する。一例として、ステータス表示部52gは、電気治療器1が温熱治療中であるか、電気治療器1が電位治療中であるか、電気治療器1が保温中であるか、及び電気治療器1が乾燥中であるか、のいずれかを表示する。図4では、電気治療器1が温熱治療中である場合のステータス表示部52gの例を示している。
【0048】
一例として、設定内容表示部52は、操作画面50の上部且つコース選択ボタン51の右側に設けられる。設定内容表示部52において、残り時間表示部52bは、温度表示部52c、治療部位表示部52d及び速暖表示部52fの上方に表示される。温度表示部52c、治療部位表示部52d及び速暖表示部52fは、例えば、操作画面50において横方向に並んでいる。
【0049】
温度設定ボタン53は、電気治療器1が生じさせる熱の温度を設定するボタンである。温度設定ボタン53によって電気治療器1の設定温度が調整可能とされている。温度設定ボタン53は、例えば、プラスボタン53bとマイナスボタン53cとを含んでおり、プラスボタン53b及びマイナスボタン53cは操作画面50において上下に並んでいる。
【0050】
プラスボタン53bが押されると電気治療器1の設定温度が高くなり、マイナスボタン53cが押されると電気治療器1の設定温度が低くなる。温度設定ボタン53は、コース選択ボタン51と身体部位選択ボタン55の間に表示される。温度設定ボタン53は、例えば、長方形状を呈する。
【0051】
電源ボタン54は、例えば、温度設定ボタン53の下方に表示される。電源ボタン54が押されることによって電気治療器1のオンオフが可能である。電源ボタン54は、例えば、円形状を呈する。身体部位選択ボタン55は、温度設定ボタン53から見てコース選択ボタン51とは反対側に表示される。全身ボタン55b及び足部ボタン55cは、例えば、長方形状を呈する。
【0052】
速暖選択ボタン56は、例えば、身体部位選択ボタン55の下方に表示される。速暖選択ボタン56は、一例として、横長の長方形状を呈する。時間設定ボタン57は、設定される時間を表示する部位である。電気治療器1では、電気治療器1の稼動時間が設定可能とされており、例えば、1時間、6時間、8時間及び10時間から電気治療器1の稼働時間を選択可能である。
【0053】
電気治療器1の稼動時間のうち、6時間、8時間及び10時間は、使用者の生活リズムに応じた時間であり、これらの時間が設定可能であることにより、電気治療器1の稼働時間を使用者の生活リズムに近づけることができる。電気治療器1の稼動時間のうち、1時間は、使用者が少しだけ電気治療器1を使用したい場合に設定される時間である。
【0054】
電気治療器1の稼動時間のうち、1時間、6時間及び8時間は電気治療器1による治療時間であり、電気治療器1による治療時間の上限は8時間とされている。電気治療器1の稼動時間のうち、10時間は、電気治療器1による治療時間8時間と、電気治療器1による治療後の保温時間2時間との和である。例えば、保温時における治療器3の温度は、治療時における治療器3の温度よりも低い。
【0055】
一例として、時間設定ボタン57は、1時間ボタン57bと、6時間ボタン57cと、8時間ボタン57dと、10時間ボタン57fとを含む。タイマ設定部17は、電気治療器1の稼動時間を設定する。例えば、タイマ設定部17は、1時間ボタン57bが押されると電気治療器1の稼動時間を1時間に設定し、6時間ボタン57cが押されると電気治療器1の稼動時間を6時間に設定し、8時間ボタン57dが押されると電気治療器1の稼動時間を8時間に設定し、10時間ボタン57fが押されると電気治療器1の稼動時間を10時間に設定する。
【0056】
例えば、コース選択ボタン51は、更に、乾燥ボタン51kを含む。乾燥部18は、乾燥ボタン51kが押されると治療器3を加熱して寝具2の湿度を低減させる。乾燥ボタン51kは、一例として、夏ボタン51jの下方に表示される。例えば、乾燥ボタン51kは、長方形状を呈する。乾燥部18は、乾燥ボタン51kが一定時間以上(例えば3秒以上)長押しされなければ治療器3を加熱しなくてもよい。
【0057】
例えば、乾燥ボタン51kが長押しされると、表示部11は、図5に示されるように、操作画面50とは異なる操作画面50Aをディスプレイ5bに表示する。操作画面50Aは、前述したコース選択ボタン51、残り時間表示部52b、設定内容表示部52k及び電源ボタン54を有する。設定内容表示部52kには、電気治療器1が乾燥中であることが表示される。
【0058】
通信部19は、携帯端末5と携帯端末5の外部機器との通信を行う。携帯端末5は、通信部19を備えることによりコントローラ20と通信可能とされる。また、通信部19には携帯端末5の外部コンピュータ100が通信可能とされている。外部コンピュータ100は、通信部19を介して電気治療器1の使用状況を携帯端末5から受信する。例えば、外部コンピュータ100は、時間計測部15によって計測されている電気治療器1の使用開始時からの時間を受信する。
【0059】
一例として、外部コンピュータ100は、電気治療器1が故障したタイミングを携帯端末5から受信する。外部コンピュータ100は、電気治療器1の使用開始時からの時間と、電気治療器1が故障したタイミングとを比較してもよい。そして、外部コンピュータ100は、当該比較の結果、電気治療器1のメンテナンス等を促す「一定期間」を更新してもよい。
【0060】
コントローラ20は、携帯端末5と通信可能な通信部23と、治療器3を制御する治療器制御部24とを有する。携帯端末5のディスプレイ5bに表示された操作画面50において実行された操作は、操作信号として通信部23が受信する。治療器制御部24は、通信部23が受信した操作信号に基づいて治療器3を制御する。前述した通信部19及びコントローラ20の通信部23は、例えば、Wifiによって無線通信を行う機能を有する。
【0061】
前述したようにコントローラ20は操作画面22を有する。図6は、コントローラ20を示す平面図である。図3及び図6に示されるように、コントローラ20は、操作画面22を有する本体部25と、本体部25を寝具2に固定する固定部材26とを備える。例えば、本体部25は、固定部材26に対して着脱可能とされている。この場合、操作画面22の表裏を逆にして固定部材26に本体部25を着脱することが可能である。しかしながら、本体部25は、固定部材26に対して一体(着脱不能)であってもよい。固定部材26は寝具2に固定されている。本体部25は、例えば、平面視において円形状を呈する。固定部材26は、本体部25の外周に沿って円弧状に延在する。
【0062】
上記のように本体部25が円形状、固定部材26が円弧状とされていることにより、寝具2の限られたスペースにコントローラ20を効率よく配置できる。例えば、本体部25の上面25b、及び固定部材26の上面26bは、共に平坦状とされており突出する部位を有しない。この場合、寝具2に横たわる使用者がコントローラ20に接触しても、コントローラ20が使用者の寝心地を妨げることを抑制できる。
【0063】
操作画面22は、本体部25の上面25bに設けられており、例えば、ランプによって複数のボタン27を点灯させる。複数のボタン27、及び携帯端末5に表示される操作画面50におけるボタンの少なくともいずれかが押されると、治療器制御部24が治療器3を制御して電気治療器1が稼動する。
【0064】
例えば、複数のボタン27の種類は、携帯端末5に表示される操作画面50におけるボタンの種類と同一であってもよい。この場合、使用者は、携帯端末5の操作画面50において、コントローラ20の操作画面22で行う場合と同様の操作を行うことが可能である。複数のボタン27は、例えば、コース選択ボタン28と、温度設定ボタン29と、電源ボタン30と、身体部位選択ボタン31と、速暖選択ボタン32と、時間設定ボタン33とを表示する。コース選択ボタン28は、例えば、温熱ボタン28b、交互ボタン28c、電位ボタン28d及び季節選択ボタン28fを含む。季節選択ボタン28fは、冬ボタン28g、春秋ボタン28h及び夏ボタン28jを含む。
【0065】
前述したように、通知部14は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことをコントローラ20に表示する。例えば、通知部14は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間(例えば14600時間)以上経過したときに、操作画面22にランプを点灯させる。
【0066】
具体例として、操作画面22はオート表示ランプ34とマニュアル表示ランプ35とを有し、通知部14は電気治療器1の使用開始時から一定期間以上経過したときにオート表示ランプ34及びマニュアル表示ランプ35を交互に点灯させる。このように通知部14がランプを点灯させることにより、使用者に電気治療器1のメンテナンス及び買い替えを促すことができる。
【0067】
上記のように通知部14が操作画面22のランプを点灯させたときに、使用者は、当該ランプの点灯を解除することが可能である。例えば、使用者は、複数のボタン27のいずれかを一定時間長押しすることによって当該ランプの点灯を解除する。一例として、使用者は、冬ボタン28gと温熱ボタン28bを共に5秒間長押しすることによって当該ランプを解除する。
【0068】
以上、電気治療器1の使用開始時から一定期間以上経過したときにオート表示ランプ34及びマニュアル表示ランプ35を交互に点灯させる例、及び冬ボタン28gと温熱ボタン28bを共に5秒間長押しすることによって当該点灯を解除する例について説明した。しかしながら、電気治療器1の使用開始時から一定期間以上経過したときに点灯させるランプの種類、及び点灯の解除の方法については、上記の各例に限られず適宜変更可能である。
【0069】
操作画面22において、例えば、温熱ボタン28b、交互ボタン28c、電位ボタン28d及び季節選択ボタン28fは、長方形状を成すように配置されている。温熱ボタン28b、交互ボタン28c、電位ボタン28d及び季節選択ボタン28fのそれぞれは、円形状を呈する。操作画面22において使用者によってコース選択ボタン28が押されると、コース選択ボタン51が押されたときと同様、コース設定部16がコースを設定する。
【0070】
温度設定ボタン29は、前述した温度設定ボタン53と同様の機能を有する。すなわち、温度設定ボタン29によって電気治療器1の設定温度を調整可能とされている。温度設定ボタン29は、例えば、温度上昇ボタン29bと温度低下ボタン29cとを含んでおり、温度上昇ボタン29b及び温度低下ボタン29cは操作画面22において上下に並んでいる。
【0071】
温度上昇ボタン29bが押されると電気治療器1の設定温度が高くなり、温度低下ボタン29cが押されると電気治療器1の設定温度が低くなる。一例として、温度上昇ボタン29bは三角形状を呈し、温度低下ボタン29cは逆三角形状を呈する。例えば、温度上昇ボタン29b及び温度低下ボタン29cは、操作画面22の中心22bを挟む位置に配置されている。この場合、温度上昇ボタン29bと温度低下ボタン29cの間に操作画面22の中心22bが位置する。
【0072】
電源ボタン30は、例えば、温度設定ボタン29の上方に表示される。電源ボタン30の機能は、例えば、前述した電源ボタン54の機能と同一である。一例として、電源ボタン30は円形状を呈する。電源ボタン30は、例えば、一定時間以上長押しされることによって電気治療器1のオンオフを行う。身体部位選択ボタン31は、例えば、操作画面22の中心22bよりも下方に表示される。身体部位選択ボタン31は全身ボタン31b及び足部ボタン31cを含んでおり、例えば、全身ボタン31b及び足部ボタン31cは共に長方形状を呈する。
【0073】
例えば、電気治療器1は、携帯端末5がコントローラ20と通信するとき(例えば、携帯端末5が電気治療器1のアプリを起動しているとき)に操作画面22に接続表示ランプ36を点灯させる。一例として、接続表示ランプ36は、身体部位選択ボタン31の上方において点灯する。接続表示ランプ36が点灯しているかどうかを使用者が視認することによって、使用者は携帯端末5がコントローラ20と通信しているか否かを把握できる。
【0074】
速暖選択ボタン32は、例えば、コース選択ボタン28(交互ボタン28c)の右側に表示される。一例として、速暖選択ボタン32は、四角形状を呈する。時間設定ボタン33は、コース選択ボタン28(春秋ボタン28h)の左側に表示される。速暖選択ボタン32及び時間設定ボタン33は、例えば、四角形状を呈する。
【0075】
時間設定ボタン33は、前述した時間設定ボタン57と同様、設定される時間を表示する部位である。例えば、電気治療器1は、時間設定ボタン33によって設定される時間を時間表示ランプ38に表示する。時間表示ランプ38は、1h、6h、8h及び10hの4種類のランプを含んでおり、時間設定ボタン33によって設定される時間を表示する。
【0076】
例えば、時間設定ボタン33が押される度に時間表示ランプ38の1hのランプ、6hのランプ、8hのランプ、及び10hのランプが交互に点灯する。時間表示ランプ38が1hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を1時間に設定し、時間表示ランプ38が6hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を6時間に設定する。そして、時間表示ランプ38が8hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を8時間に設定し、時間表示ランプ38が10hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を10時間に設定する。
【0077】
前述したように電気治療器1の稼動時間が10時間と設定される場合、電気治療器1は8時間治療を行った後に、2時間保温を行う。例えば、電気治療器1は、保温を行っているときに操作画面22に保温ランプ39を点灯させる。使用者は、保温ランプ39が点灯しているかどうかを見ることによって電気治療器1が保温をしている状態かどうかを把握できる。
【0078】
例えば、コース選択ボタン28は、更に、乾燥ボタン28kを含む。乾燥ボタン28kが押されると、乾燥部18が治療器3を加熱して寝具2の湿度を低減させる。乾燥ボタン28kは、一例として、電位ボタン28dの右側に表示される。例えば、乾燥ボタン28kは、四角形状を呈する。前述と同様、乾燥ボタン28kが一定時間以上長押しされたときに乾燥部18が治療器3を加熱してもよい。
【0079】
操作画面22は、例えば、温度設定ボタン29によって設定された温度を表示する温度表示部40を有する。一例として、温度表示部40は、低表示部41と、中表示部42と、高表示部43と、複数の一般表示部44とを含む。例えば、温度設定ボタン29によって設定された温度が中間値であるときに中表示部42が点灯し、温度設定ボタン29によって設定された温度が当該中間値より低いときに低表示部41が点灯し、温度設定ボタン29によって設定された温度が当該中間値より高いときに高表示部43が点灯する。
【0080】
前述したように、温度設定ボタン29によって9段階の温度が設定可能であってもよい。また、低表示部41、中表示部42、高表示部43及び一般表示部44は円弧状を成すように配置されていてもよい。例えば、低表示部41が温度上昇ボタン29bの左下、高表示部43が温度上昇ボタン29bの右下、中表示部42が温度上昇ボタン29bの上に配置されると共に、円弧を成すように複数の一般表示部44が低表示部41と中表示部42の間、及び中表示部42と高表示部43の間のそれぞれに配置されていてもよい。
【0081】
例えば、温度設定ボタン29によって最も温度が低い1段階目の温度が設定されるときに低表示部41のみが点灯する。例えば、温度上昇ボタン29bが押されることによって設定される温度の段階が1段階上がり、温度低下ボタン29cが押されることによって設定される温度の段階が1段階下がる。
【0082】
温度設定ボタン29によって2番目に温度が低い2段階目の温度が設定されるときに低表示部41と低表示部41に隣接する最下部の一般表示部44とが点灯し、温度設定ボタン29によって3段階目の温度が設定されるときに低表示部41と左側の下から2番目の一般表示部44とが点灯する。温度設定ボタン29によって4段階目の温度が設定されるときに低表示部41と左側の下から3番目の一般表示部44とが点灯する。
【0083】
温度設定ボタン29によって5段階目の温度が設定されるときに中表示部42が点灯する。温度設定ボタン29によって6段階目の温度が設定されるときに高表示部43と右側の下から3番目の一般表示部44とが点灯し、温度設定ボタン29によって7段階目の温度が設定されるときに高表示部43と下から2番目の一般表示部44とが点灯する。
【0084】
温度設定ボタン29によって8段階目の温度が設定されるときに高表示部43と高表示部43に隣接する最下部の一般表示部44とが点灯し、温度設定ボタン29によって9段階目(最も高温)の温度が設定されるときに高表示部43のみが点灯する。以上、温度設定ボタン29による温度設定と、温度表示部40による温度表示の態様の例について説明した。しかしながら、温度設定ボタン29による温度設定の態様と、温度表示部40による温度表示の態様は、前述した各例に限られず適宜変更可能である。
【0085】
例えば、コントローラ20の本体部25は、円板状を呈する。本体部25は上面25bと側面25cとを有する。更に、本体部25は電源コード差し込み口25dを有し、電源コード差し込み口25dには電源コードCが接続される。電源コードCは、家庭用コンセントに接続される電気プラグC1と、電気プラグC1を端部に有するコード本体C2と、コード本体C2の電気プラグC1とは反対側の端部に位置する電源コネクタC3とを有する。
【0086】
電気プラグC1が家庭用コンセントに接続され、電源コネクタC3が電源コード差し込み口25dに差し込まれた状態でコントローラ20に電力が供給される。電源コード差し込み口25dは、例えば、本体部25の側面25cに形成されている。側面25cは、外部に露出する露出部25fと、固定部材26に対向する非露出部25gとを含んでおり、露出部25fに電源コード差し込み口25dが形成されている。一例として、コントローラ20の周方向D3における露出部25fの中央に電源コード差し込み口25dが形成されている。
【0087】
図7は、コントローラ20の側面25cを示す図である。図8は、コントローラ20を模式的に示す平面図である。例えば、コントローラ20は、携帯端末5が接続された充電ケーブル6が接続される接続部45を備える。一例として、接続部45は、充電ケーブル6のUSB端子7が接続されるUSBポートである。しかしながら、接続部45の態様はUSBポートに限定されない。
【0088】
例えば、接続部45は、コントローラ20の周方向D3における電源コード差し込み口25dの隣接位置に配置されている。一例として、接続部45は、寝具2の長辺2bに沿って延びる仮想線Y上に配置されている。電力が供給されているコントローラ20の接続部45に充電ケーブル6を介して携帯端末5が接続されることにより、携帯端末5に充電を行うことが可能である。このように、電気治療器1のコントローラ20は、携帯端末5の充電器として兼用可能である。
【0089】
次に、本実施形態に係る電気治療器の操作方法について図9を参照しながら説明する。図9は、電気治療器の操作方法の工程の例を示すフローチャートである。まず、電気治療器1を使用するときには、電源コードCを介してコントローラ20に電力を供給可能な状態として、携帯端末5で電気治療器1のアプリを起動する(電気治療器のアプリを起動する工程、ステップS1)。
【0090】
電気治療器1のアプリが起動すると、例えば図4に示されるように、携帯端末5のディスプレイ5bに操作画面50が表示される(携帯端末に操作画面を表示する工程)。操作画面50が表示された後に、電気治療器1の使用者はコースを選択する(コースを選択する工程、ステップS2)。このとき、使用者はコース選択ボタン51を押してコースを選択する。具体的には、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51d、冬ボタン51g、春秋ボタン51h、夏ボタン51j及び乾燥ボタン51kのいずれかが使用者によって押される。
【0091】
そして、電気治療器1の温度、治療部位、及び稼動時間が設定される(温度、治療部位及び稼動時間を設定する工程、ステップS3)。このとき、携帯端末5の操作画面50において、温度設定ボタン53において温度が調整され、身体部位選択ボタン55において全身又は足部が選択され、且つ時間設定ボタン57において電気治療器1の稼動時間が設定される。更に、速暖選択ボタン56が押されてもよい。
【0092】
電気治療器1の温度、治療部位、及び稼動時間が設定された後には、乾燥ボタン51kが押されているか否かを電気治療器1が判定する(ステップS4)。そして、乾燥ボタン51kが押されていないと電気治療器1が判定した場合(ステップS4においてNO)、治療器制御部24が治療器3を制御して治療を開始する(治療を開始する工程、ステップS6)。
【0093】
そして、時間設定ボタン57において1時間、6時間又は8時間が選択されている場合には、選択されている時間治療を行う。時間設定ボタン57において10時間が選択されている場合には、8時間治療を行った後に2時間保温を行う。その後一連の工程が完了する。
【0094】
一方、乾燥ボタン51kが押されていると電気治療器1が判定した場合(ステップS4においてYES)、図5に示されるように、電気治療器1は携帯端末5のディスプレイ5bに乾燥中であることを示す操作画面50Aを表示し、治療器制御部24は治療器3に乾燥を行わせる(ステップS5)。そして、時間設定ボタン57において設定されている時間乾燥を行った後に一連の工程が完了する。
【0095】
続いて、本実施形態に係る電気治療器1から得られる作用効果について説明する。例えば図1図3及び図4に示されるように、電気治療器1は、寝具2に内蔵された治療器3を制御するコントローラ20を備え、コントローラ20は寝具2に取り付けられている。更に、電気治療器1は治療器3を操作するための操作画面50を携帯端末5のディスプレイ5bに表示する表示部11を備え、コントローラ20は操作画面50の操作に応じて治療器3に電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを行わせる。従って、寝具2から離れた遠隔地において携帯端末5の操作画面50を操作して治療器3を動作させることができる。
【0096】
よって、例えば寝具2を使う前に遠隔地から予め治療器3を動作させることができるので、寝具2の使用時に直ちに電位治療及び温熱治療の少なくともいずれかを行うことができる。携帯端末5によって治療器3を操作可能であるため、治療器3の使用時に寝具2をまくり上げる必要がない上に、携帯端末5によって遠隔地から治療器3を操作できるので、使いやすい電気治療器1とすることができる。
【0097】
本実施形態において、電気治療器1は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことをコントローラ20に表示する通知部14を備える。従って、電気治療器1が一定期間以上使用されたときに、一定期間使用されたことがコントローラ20に表示される。よって、当該一定期間がメンテナンス又は買い替えを促す期間(一例として14600時間)に設定されることにより、当該一定期間が経ったことを表示して電気治療器1の使用者にメンテナンス又は買い替えを促すことができる。
【0098】
図7及び図8に示されるように、本実施形態において、コントローラ20は、携帯端末5が接続された充電ケーブル6が接続される接続部45を備えてもよく、接続部45及び充電ケーブル6を介して携帯端末5を充電する。この場合、電気治療器1のコントローラ20を充電器として用いることができる。
【0099】
更に、携帯端末5の充電は毎日に近い頻度で行われるので、使用者が電気治療器1のコントローラ20を用いて毎日に近い頻度で充電を行うことにより、使用者に電気治療器1の使用を促すことができる。従って、一般的には電気治療器1があまり使用されない夏季等であっても、使用者に電気治療器1の使用を促すことにより、電気治療器1の使用頻度を高めることができる。
【0100】
以上、本開示に係る電気治療器の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療器は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用されたものであってもよい。すなわち、電気治療器の各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0101】
例えば、前述の実施形態では、治療、保温及び乾燥を携帯端末5で実行可能な電気治療器1について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療器は、保温及び乾燥の少なくともいずれかを行わない電気治療器であってもよい。本開示に係る電気治療器は、更に別の機能を備えていてもよい。
【0102】
例えば、電気治療器は、電気治療器の稼動(一例として治療)の開始と共に使用者の入眠を促す音を出力してもよい。この場合、電気治療器による治療を開始すると共に、電気治療器の使用者に心地良い睡眠を提供できる。当該音を出力するスピーカは、例えば、コントローラ20に設けられていてもよいし、携帯端末5に設けられていてもよく、スピーカの場所は特に限定されない。
【0103】
前述の実施形態では、携帯端末5のディスプレイ5bに表示された操作画面50の操作によって電気治療器1が稼動する例について説明した。しかしながら、電気治療器のアプリが音声操作機能を備えていてもよく、携帯端末5への音声によって電気治療器1が稼動してもよい。この場合、音声によって電気治療器1を動作させることが可能となる。
【0104】
更に、電気治療器1は他の電気機器と連動する機器であってもよい。例えば、電気治療器1は、照明機器と連動してもよく、照明機器からの光の明るさに応じて(一例として暗くなったときに)電気治療器1が稼動してもよい。電気治療器1は、空調機と連動してもよく、空調機に設定される温度に応じて電気治療器1の設定温度が自動的に変化してもよい。
【0105】
電気治療器は、温度計を備えていてもよく、温度計によって計測された温度に応じて設定温度を自動的に変えてもよい。この場合、例えば、冬場の寒い時期により高温で治療器3を加熱したり、夏場の暑い時期に治療器3の温度を下げたり等の制御を自動的に行うことが可能となる。電気治療器は、寝具2に横たわる使用者の体動を検出する体動センサと連動してもよい。この場合、例えば、使用者の睡眠が深くなって寝返りが減ったときに電気治療器の設定温度を下げたり、電気治療器をオフにしたりする制御を自動的に行うことができる。
【0106】
前述の実施形態では、温熱治療及び電位治療の双方を行う電気治療器1について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療器は、温熱治療のみを行う温熱治療器であってもよいし、電位治療のみを行う電位治療器であってもよいし、温熱治療又は電位治療以外の治療を行う機器であってもよい。
【0107】
前述の実施形態では、敷き寝具である寝具2を備える電気治療器1について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療器は、敷き寝具以外の寝具を備えていてもよい。例えば、電気治療器は、掛け寝具、枕、クッション、又は座布団を備えた機器であってもよい。このように、本開示に係る電気治療器は、種々の寝具に適用させることが可能である。
【符号の説明】
【0108】
1…電気治療器、2…寝具、2b…長辺、2c…短辺、2d…隅部、3…治療器、3b…部位、5…携帯端末、5b…ディスプレイ、6…充電ケーブル、7…USB端子、11…表示部、12…電位治療部、13…温熱治療部、14…通知部、15…時間計測部、16…コース設定部、17…タイマ設定部、18…乾燥部、19…通信部、20…コントローラ、22…操作画面、22b…中心、23…通信部、24…治療器制御部、25…本体部、25b…上面、25c…側面、25d…電源コード差し込み口、25f…露出部、25g…非露出部、26…固定部材、26b…上面、27…ボタン、28…コース選択ボタン、28b…温熱ボタン、28c…交互ボタン、28d…電位ボタン、28f…季節選択ボタン、28g…冬ボタン、28h…春秋ボタン、28j…夏ボタン、28k…乾燥ボタン、29…温度設定ボタン、29b…温度上昇ボタン、29c…温度低下ボタン、30…電源ボタン、31…身体部位選択ボタン、31b…全身ボタン、31c…足部ボタン、32…速暖選択ボタン、33…時間設定ボタン、34…オート表示ランプ、35…マニュアル表示ランプ、36…接続表示ランプ、38…時間表示ランプ、39…保温ランプ、40…温度表示部、41…低表示部、42…中表示部、43…高表示部、44…一般表示部、45…接続部、50,50A…操作画面、51…コース選択ボタン、51b…温熱ボタン、51c…交互ボタン、51d…電位ボタン、51f…季節選択ボタン、51g…冬ボタン、51h…春秋ボタン、51j…夏ボタン、51k…乾燥ボタン、52…設定内容表示部、52b…残り時間表示部、52c…温度表示部、52c1…数値表示部、52c2…インジケータ表示部、52d…治療部位表示部、52f…速暖表示部、52g…ステータス表示部、52k…設定内容表示部、53…温度設定ボタン、53b…プラスボタン、53c…マイナスボタン、54…電源ボタン、55…身体部位選択ボタン、55b…全身ボタン、55c…足部ボタン、56…速暖選択ボタン、57…時間設定ボタン、57b…1時間ボタン、57c…6時間ボタン、57d…8時間ボタン、57f…10時間ボタン、100…外部コンピュータ、C…電源コード、C1…電気プラグ、C3…電源コネクタ、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…周方向、P…枕。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9