(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】搬送装置及び面状搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 39/00 20060101AFI20250416BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20250416BHJP
B65G 13/06 20060101ALI20250416BHJP
【FI】
B65G39/00 A
B65G47/46 H
B65G47/46 C
B65G13/06
(21)【出願番号】P 2021574042
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2021002539
(87)【国際公開番号】W WO2021153530
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2020011228
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】内貴 英男
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 謙太朗
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-174318(JP,A)
【文献】特開2004-107019(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131826(WO,A1)
【文献】特開平07-157031(JP,A)
【文献】特開2003-250289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
B65G 39/00
B65G 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を付勢して移動させる付勢機構部と、
該付勢機構部自体を回動させる回動機構部を有し、
該回動機構部によって
該付勢機構部を回動させて、
該物品の移動方向を変更可能な搬送装置
であって、
該付勢機構部は、付勢機構側モータを有し、
該付勢機構側モータは、中心側にコイルがあり、
該コイルを取り巻く外郭体
として付勢機構部外郭体を有し、
該付勢機構部外郭体が回転するアウターロータ型モータであり、
該付勢機構側モータは、
該付勢機構部外郭体の中心軸が略水平姿勢となる様に配置され、
該付勢機構部外郭体が直接的に又は自由回転する回転体を介して
該物品と接し、
該物品を付勢
し、さらに、
該回動機構部は、回動機構側モータ、及び、その外郭体として回動機構部外郭体を有し、またさらに、
動力伝動部材が無いことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
物品を付勢して移動させる付勢機構部と、該付勢機構部自体を回動させる回動機構部を有し、該回動機構部によって該付勢機構部を回動させて、該物品の移動方向を変更可能な搬送装置であって、
該付勢機構部は、付勢機構側モータを有し、該付勢機構側モータは、中心側にコイルがあり、該コイルを取り巻く外郭体として付勢機構部外郭体を有し、該付勢機構部外郭体が回転するアウターロータ型モータであり、
該付勢機構側モータは、該付勢機構部外郭体の中心軸が略水平姿勢となる様に配置され、該付勢機構部外郭体が直接的に又は自由回転する回転体を介して該物品と接し、該物品を付勢し、さらに、
該回動機構部は、回動機構側モータそのものであり、かつ、外郭体として、回動機構部外郭体を有し、またさらに、
該回動機構部外郭体は、該付勢機構側モータの下部を覆う凹部を有していることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
前
記回動機構側モータは、中心側にコイルがあり、
該コイルを取り巻く外郭体
として前記回動機構部外郭体を有し、当該
回動機構部外郭体が回転するアウターロータ型モータであり、
前記回動機構側モータは、
当該回動機構部外郭体の中心軸が略垂直姿勢となる様に配置され、
当該回動機構部外郭体が直接的に又は間接的に
前記付勢機構部と係合していることを特徴とする請求項1
又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記回転体が、ローラ
であり、さらに、
1又はそれ以上の前記ローラが、上下方向に自由度を持つことを特徴とする請求項
1から3
のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記
付勢機構部外郭体
が、その外周部に摩擦付与部材
を有し、かつ、前記付勢機構側モータが物品と
接して物品を付勢
することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
物品を付勢して移動させる付勢機構部と、
該付勢機構部自体を回動させる回動機構部を有し、
該回動機構部によって
該付勢機構部を回動させて、
該物品の移動方向を変更可能な搬送装置において、
前記回動機構部は、回動機構側モータを有し、当該回動機構側モータは、中心側にコイルがあり、当該コイルを取り巻く外郭体
として回動機構部外郭体を有し、当該
回動機構部外郭体が回転するアウターロータ型モータであり、
該回動機構側モータは、
該回動機構部外郭体の中心軸が略垂直姿勢となる様に配置され、
該回動機構部外郭体が直接的に又は間接的に
前記付勢機構部と係合していることを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
物品を付勢して移動させる付勢機構部と、該付勢機構部自体を回動させる回動機構部を有し、該回動機構部によって該付勢機構部を回動させて、該物品の移動方向を変更可能な搬送装置であって、
該付勢機構部は、付勢機構側モータ、及び、その外郭体として付勢機構部外郭体を有し、
該付勢機構側モータは、該付勢機構部外郭体の中心軸が略水平姿勢となる様に配置され、該付勢機構部外郭体が、自由回転する回転体を介して該物品と接し、該物品を付勢し、さらに、
該回動機構部は、回動機構側モータ、及び、その外郭体として回動機構部外郭体を有し、またさらに、
該回転体が、ローラであり、かつ、1又はそれ以上の該ローラが、上下方向に自由度を持つことを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送装置に関するものであり、特に物品を複数の方向に搬出したり、複数の方向から物品を搬入する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配送場や集荷場、倉庫等では、数多くの種類の物品を取り扱う場合がある。また数多くの物品を仕分けて、トラックに積み込んだり、特定の棚に運ぶ場合がある。
従来技術においては、特許文献1、2、3の様な移載装置が複数設置された仕分けシステムによって物品の仕分けが行われていた。
特許文献1、2に記載の移載装置は、物品を直線的に通過させる主搬送路と、物品を直交する方向に搬出する副搬送路を有し、物品を別のコンベヤラインに載せ変えることができるものである。
特許文献3に記載の移載装置は、物品を直線的に通過させる主搬送路と、物品を斜め方向に排出する排出手段を有しており、物品を斜め方向に搬出して別のコンベヤラインに載せ変えることができるものである。
【0003】
従来技術の仕分けシステムは、前記した様な移載装置を多数配置してコンベヤラインを複雑に枝分かれさせたものである。そして当該仕分けシステムで物品を搬送し、元のコンベヤラインから枝分かれした支流のコンベヤラインに物品を受け渡し、搬出先を次第に絞り込んで行って目的の搬送先に物品を移動させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-163549号公報
【文献】特開2012-51680号公報
【文献】特開2015-163547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の移載装置は、導入された物品を特定の2方向に選択的に搬出するものである。
そのため従来技術の仕分けシステムは、複雑に枝分かれしたコンベヤラインとなり、相当に大がかりなものとなる。即ち従来技術の仕分けシステムを構築するには、大きな設置場所を要する。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、簡単な構造であって、任意の方向に物品を搬出することが可能な搬送装置及び面状搬送装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための態様は、物品を付勢して移動させる付勢機構部と、当該付勢機構部自体を回動させる回動機構部を有し、前記回動機構部によって付勢機構部を回動させて、物品の移動方向を変更可能な搬送装置において、前記付勢機構部は、付勢機構側モータを有し、当該付勢機構側モータは、中心側にコイルがあり、当該コイルを取り巻く外郭体を有し、当該外郭部が回転するアウターロータ型モータであり、前記付勢機構側モータは、外郭体の中心軸が略水平姿勢となる様に配置され、当該外郭体が直接的に又は自由回転する回転体を介して物品と接し、物品を付勢することを特徴とする搬送装置である。
【0007】
「外郭体の中心軸」は仮想的な回転中心軸である。アウターロータ型モータは、多くの場合、中心に物体としての軸が挿通されており、多くの場合、当該軸が「外郭体の中心軸」となるが、物体としての軸が存在しない場合もある。
「略水平姿勢」とは、垂直姿勢に比べて水平に近い姿勢である。
本態様の搬送装置では、付勢機構部に、付勢機構側モータが配されている。付勢機構側モータは、外郭部が回転するアウターロータ型モータである。
本態様の搬送装置は、物品がアウターロータ型モータの外郭体と直接的又は間接的に接し、物品を移動させる。
また本態様の搬送装置は、回動機構部を有し、回動機構部によって付勢機構部を回動させて、物品の移動方向を変更することができる。
本態様の搬送装置は、物品を付勢する機械部分に歯車等の動力伝動部材が必須ではなく、部品点数が少なくて足る。
【0008】
上記した態様において、前記回動機構部は、回動機構側モータを有し、当該回動機構側モータは、中心側にコイルがあり、当該コイルを取り巻く外郭体を有し、当該外郭部が回転するアウターロータ型モータであり、前記回動機構側モータは、外郭体の中心軸が略垂直姿勢となる様に配置され、当該外郭体が直接的に又は間接的に付勢機構部と係合していることが望ましい。
【0009】
「外郭体の中心軸」は仮想的な回転中心軸である。アウターロータ型モータは、多くの場合、中心に物体としての軸が挿通されており、多くの場合、当該軸が「外郭体の中心軸」となるが、物体としての軸が存在しない場合もある。
「略水垂直姿勢」とは、水平姿勢に比べて垂直に近い姿勢である。
本態様の搬送装置では、回動機構部に、回動機構側モータが配されている。回動機構側モータは、外郭部が回転するアウターロータ型モータである。
本態様の搬送装置は、物品の移動方向を変更する機械部分に歯車等の動力伝動部材が必須ではなく、部品点数が少なくて足る。
【0010】
上記した各態様において、自由回転可能なローラを有し、当該ローラの一部が前記付勢機構側モータと接し、当該ローラの一部が物品と接して物品を付勢することが望ましい。
【0011】
上記した各態様において、1又はそれ以上の前記ローラが、上下方向に自由度を持つことが望ましい。
【0012】
また付勢機構側モータの前記外郭体の外周部に摩擦付与部材があり、付勢機構側モータが物品と接して物品を付勢する構造を採用することもできる。
【0013】
本態様によると、外郭体が直接的に物品と接し、物品を付勢することができる。
【0014】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、物品を付勢して移動させる付勢機構部と、当該付勢機構部自体を回動させる回動機構部を有し、前記回動機構部によって付勢機構部を回動させて、物品の移動方向を変更可能な搬送装置において、前記回動機構部は、回動機構側モータを有し、当該回動機構側モータは、中心側にコイルがあり、当該コイルを取り巻く外郭体を有し、当該外郭部が回転するアウターロータ型モータであり、前記回動機構側モータは、外郭体の中心軸が略垂直姿勢となる様に配置され、当該外郭体が直接的に又は間接的に付勢機構部と係合していることを特徴とする搬送装置である。
【0015】
本態様の搬送装置では、回動機構部に、回動機構側モータが配されている。回動機構側モータは、外郭部が回転するアウターロータ型モータである。
本態様の搬送装置は、物品がアウターロータ型モータの外郭体が直接又は間接的に付勢機構部と係合し付勢機構部を回動させる。
本態様の搬送装置は、物品の移動方向を変更する機械部分に歯車等の動力伝動部材が必須ではなく、部品点数が少なくて足る。
【0016】
面状搬送装置の態様は、上記したいずれかの搬送装置が複数、面状に配置されてなることを特徴とする。
【0017】
本態様の面状搬送装置によると、物品を任意の方向に送り出すことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の搬送装置及び面状搬送装置は、簡単な構造でありながら、物品を任意の方向に搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態の搬送装置の正面断面図である(面状搬送装置の基礎部材を含む)。
【
図4】
図1の搬送装置を、付勢機構部と回動機構部に分離した状態の断面図である。
【
図6】本発明の実施形態の面状搬送装置の平面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態の搬送装置の正面断面図である(面状搬送装置の基礎部材を含む)。
【
図8】本発明のさらに他の実施形態の搬送装置の正面断面図である(面状搬送装置の基礎部材を含む)。
【
図9】本発明の他の実施形態の面状搬送装置の斜視図である。
【
図10】
図9に示す面状搬送装置の一区画の斜視図である。
【
図11】
図9に示す面状搬送装置の一区画の分解斜視図である。
【
図12】
図9に示す面状搬送装置の二区画の断面図である。
【
図13】
図9に示す面状搬送装置で採用する搬送装置の基礎部材を含む図面であり、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその底面図を示す。
【
図14】
図9に示す面状搬送装置の天面部材とベース部材であり、これらをそれぞれ複数個組み合わせた状態を示す斜視図である。
【
図15】
図9に示す面状搬送装置の天面部材を裏面側から観察した斜視図である。
【
図16】本発明のさらに他の実施形態の搬送装置の平面図である。
【
図18】本発明のさらに他の実施形態の面状搬送装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の搬送装置1は、物品を付勢して移動させる付勢機構部2と、付勢機構部自体を回動させる回動機構部3によって構成されている。
付勢機構部2は、アウターロータ型モータによって構成される付勢機構側モータ10を主たる構成要素とするものであり、当該付勢機構側モータ10は、中心軸31が水平姿勢となる様に設置されている。
付勢機構側モータ10は、外郭体30が回転するものである。当該外郭体30の上部にローラ(自由回転する回転体)7が設置されており、当該ローラ7は外郭体30から回転力を受けて回転する。
物品(図示せず)は、ローラ7に載置され、ローラ7によって付勢されて移動する。即ちローラ7は、物品を付勢する付勢部として機能する。
【0021】
回動機構部3は、アウターロータ型モータによって構成される回動機構側モータ20を主たる構成要素とするものであり、当該回動機構側モータ20は、中心軸が垂直姿勢となる様に設置されている。
回動機構側モータ20は、外郭体50が回転するものである。当該外郭体50に付勢機構部2が係合している。そのため、回動機構側モータ20が回動することにより、付勢機構部2が垂直軸周りに回動し、搬送方向が変化する。
【0022】
以下、各部材について説明する。
付勢機構部2は、
図4、
図5の様に、付勢機構側モータ10と、モータ保持部材12、2本のローラ7及び蓋部材13を有している。
付勢機構側モータ10は、アウターロータ型モータであり、外郭体30の内部に中心軸31と、コイル32及び磁石33が内蔵されたものである。
【0023】
中心軸31は、中空である。コイル32は、中心軸31に対して一体的に取り付けられている。
外郭体30は、ドラム状であって中空の部材である。外郭体30の外観形状は、樽型であり、中間部の外径が端部側に比べて大きく、中間部が膨らんだ形状である。
外郭体30は、軸受け35を介して中心軸31に回転可能に取り付けられている。
磁石33は、外郭体30の内面に一体的に取り付けられている。
【0024】
付勢機構側モータ10の各部材の位置関係を概説すると、中心側に中心軸31とコイル32があり、当該コイル32を取り巻いて磁石33と外郭体30がある。中心軸31の両端は外郭体30から突出している。
中心軸31及びコイル32は回転せず、これらを取り巻く磁石33と外郭体30が中心軸31を中心として回転する。
前記した様に、中心軸31は、中空であり、当該中空部分に給電線45が挿通されて、外部から内部のコイル32に給電され、外郭体30が回転する。本実施形態においては、中心軸31は、外郭体30の中心軸と一致する。
【0025】
本実施形態では、作図の関係上、外郭体30の全体を一体のものとして図示しているが、実際には内部にコイル32等を挿入する必要から、いくつかの部材に分割されている場合が多い。また外郭体30が、複数の管が入れ子状態となったものである場合もある。
【0026】
モータ保持部材12は、全長に対して外径が大きい筒である。モータ保持部材12は両端が解放されている。モータ保持部材12は、設置時の姿勢を基準として、上端側の周部であって対向する位置に、係止溝36が設けられている。
またモータ保持部材12には、設置時の姿勢を基準として、下端側の周部に係合凹部38が形成されている。70 モータ保持部材12の側面には、ケーブル保持部37が設けられている。
【0027】
蓋部材13は、平面形状が円形であり、長方形の開口40が並列的に2条形成されている。蓋部材13の側面には、ローラ受け部41が設けられている。
ローラ7の両端には軸46が突出している。
【0028】
次に、付勢機構部2を構成する各部材の位置関係について説明する。
本実施形態の付勢機構部2は、設置時の姿勢を基準としてモータ保持部材12の上部側に付勢機構側モータ10が配置され、付勢機構側モータ10の両端から突出した中心軸31が、モータ保持部材12の係止溝36と係合している。付勢機構側モータ10の中心軸31と、モータ保持部材12の係止溝36の間には、図示しない係止部材があり、中心軸31は、モータ保持部材12に対して回転不能である。
【0029】
付勢機構側モータ10の上部には、2本のローラ7が配置され、さらにその上に蓋部材13が設置されている。
ローラ7の軸46は、蓋部材13のローラ受け部41に回転可能に支持されている。ローラ7は、水平姿勢に保持され、その上部側は、蓋部材13の開口40から露出している。
一方、ローラ7の下部は、付勢機構側モータ10と接している。そのため、付勢機構側モータ10が回転すると、当該付勢機構側モータ10から動力伝動を受けてローラ7が回転する。
【0030】
次に、回動機構部3について説明する。
本実施形態においては、回動機構部3は、回動機構側モータ20そのものであると言える。回動機構側モータ20は、アウターロータ型モータであり、外郭体50の内部に中心軸51と、コイル52及び磁石53が内蔵されたものである。
【0031】
回動機構側モータ20の外郭体50は、特殊な形状をしている。本実施形態では、回動機構側モータ20の外郭体50は、コイル52の周囲を覆う空洞部60と、前記した付勢機構側モータ10の下部を覆う凹部61を有している。
即ち、回動機構側モータ20の外郭体50は、設置時の姿勢を基準として、上部側に椀状の凹部61があり、その下部に空洞部60がある。
凹部61の周壁には、係合凸部58が形成されている。
また外郭体50の下端には、突起部57が設けられている。外郭体50の側面には、ケーブル保持部56が設けられている。
【0032】
中心軸51は、中空である。コイル52は、中心軸51に対して一体的に取り付けられている。外郭体50は、コイル52の領域を空洞部60内に内包した状態で、軸受け62を介して中心軸51に回転可能に取り付けられている。
磁石53は、外郭体50の空洞部60の内面に一体的に取り付けられている。
【0033】
回動機構側モータ20の各部材の位置関係を概説すると、中心側に中心軸51とコイル52があり、当該コイル52を取り巻いて磁石53と外郭体50の空洞部60がある。中心軸51の上端は、外郭体50の上部側の凹部61内に収まっている。中心軸51の上端は、外郭体50の下部から突出している。
中心軸51及びコイル52は回転せず、これらを取り巻く磁石53と外郭体50が中心軸51を中心として回転する。
前記した様に、中心軸51は、中空であり、当該中空部分に給電線55が挿通されて、外部から内部のコイル52に給電され、外郭体50が回転する。本実施形態においては、中心軸51は、外郭体50の中心軸と一致する。
【0034】
本実施形態では、作図の関係上、外郭体50の全体を一体のものとして図示しているが、実際には内部にコイル52等を挿入する必要から、いくつかの部材に分割されている場合が多い。また外郭体50が、複数の管が入れ子状態となったものである場合もある。
【0035】
次に、付勢機構部2と、回動機構部3の姿勢及び位置関係について説明する。
回動機構部3は、
図1の様に、凹部61を上に向け、中心軸51が垂直姿勢となる様に設置される。そして、回動機構部3の上部に付勢機構部2が中心軸31を水平姿勢に保持して設置されている。即ち付勢機構部2は、回動機構部3の上に重ねられ、回動機構側モータ20の外郭体50と同軸上に、付勢機構部2のモータ保持部材12が設置されている。
そして、付勢機構部2の付勢機構側モータ10の下部が、回動機構部3の凹部61に入り、回動機構部3の係合凸部58がモータ保持部材12の係合凹部38と係合している。
【0036】
本実施形態の搬送装置1は、
図6の様に複数個が平面的に並べられた、面状搬送装置70として使用されることが望ましい。
面状搬送装置70は、
図4、
図5の様に基礎部材71を有している。基礎部材には、中心孔72と、当該中心孔72中心とする円弧状の長孔73が設けられている。また他にケーブル挿通孔75が設けられている。
そして基礎部材71の中心孔72に、搬送装置1の回動機構部3の下部から突出している中心軸51が係合している。基礎部材71の中心孔72と、中心軸51との間には、図示しない係止部材があり、中心軸51は、基礎部材71に対して回転不能である。
【0037】
また回動機構部3の下部から突出している突起部57が、基礎部材71の円弧状の長孔73と係合している。回動機構部3の給電線55は、中心軸51から基礎部材71の中心孔72を経て外部に導出されている。付勢機構部2の給電線45は、中心軸31から出てケーブル保持部37、56に保持され、ケーブル挿通孔75を経て外部に導出されている。
【0038】
面状搬送装置70の各搬送装置1に対しては、外部から個別に給電される。即ち各搬送装置1の付勢機構側モータ10と、回動機構側モータ20に対して個別に給電される。
付勢機構側モータ10に給電されると、付勢機構側モータ10が回転し、上部に露出するローラ7が回転する。付勢機構側モータ10は、図示しない制御装置によって、オンオフと、速度制御が行われる。
【0039】
回動機構側モータ20に対して給電されると、回動機構側モータ20の外郭体50が回動し、これと係合する上部のモータ保持部材12が回動して付勢機構部2の向きが変わり、物品の搬送方向が変化する。
回動機構側モータ20は、図示しない制御装置によって、パルス制御やベクトル制御され、一定の角度範囲で回動する。
【0040】
本実施形態の面状搬送装置70は、各搬送装置1に対応して図示しない在荷センサーが設けられている。
そして面状搬送装置70のいずれかの搬送装置1上に物品が到来すると、当該物品の搬送方向に沿うように回動機構側モータ20が回動して付勢機構部2の向きが変わる。そして付勢機構側モータ10が起動して所望の方向に物品を移動させる。
従って、本実施形態の面状搬送装置70は、任意の方向から物品を受け入れ、任意の方向に搬出することができる。
【0041】
以上説明した実施形態では、蓋部材13にローラ7が2本設けられている。
本発明は、ローラ7の数を限定するものではなく、1本でもよく、3本以上であってもよい。
図16、
図17は、ローラを3本備えた例を示すものである。
図16、
図17に示す搬送装置21は、前記した実施形態の2本のローラ7に加えて、ローラ22が設けられている。ローラ22は、2本のローラ7の間に設置されている。
中央のローラ22は、両脇のローラ7に比べて直径が小さい。また中央のローラ22は、両脇のローラ7に比べて全長が長い。
【0042】
中央のローラ22についても、蓋部材13に回転可能に支持されている。ただし、中央のローラ22は、上下方向に余裕がある状態で、蓋部材13に取り付けられており、上下方向に自由度を持つ。ローラ22は、水平姿勢に保持され、その上部側は、蓋部材13の開口から露出している。
一方、ローラ22の下部は、付勢機構側モータ10と接している。ここでローラ22は、上下に自由度を有しているので、上に物品(搬送物)が無い場合は、ローラ22と付勢機構側モータ10との接触圧力は小さい。
これ対して、ローラ22の上に物品(搬送物)が乗ると、ローラ22は、物品の重量によって付勢機構側モータ10側に付勢され、両者の接合力が増加する。その結果、ローラ22の滑りが減少し、ローラ22が強力に回転して上の物品を付勢する。
【0043】
上記した様に、中央のローラ22を上下移動可能な構造とした理由は、寸法公差の関係上、3本のローラ7、22を、同時且つ均等に円形の外郭体30に接触させることが困難であるためである。
【0044】
搬送装置21で採用する付勢機構側モータ10は、外郭体30に摩擦付与部材23が設けられ、摩擦付与部材23が、ローラ7、22と接触する。摩擦付与部材23は、ゴム等の摩擦係数が高い素材で作られている。
摩擦付与部材23は、外郭体30の一部であり、外郭体30の他の部分と一体的に回転する。
本実施形態の搬送装置21は、外郭体30とローラ7、22との間の滑りが少なく、付勢機構側モータ10の回転力をより効率的に物品に伝えることができる。
【0045】
図18は、搬送装置21が平面的に並べられた、面状搬送装置25の平面図である。
【0046】
以上説明した搬送装置1では、付勢機構側モータ10の外郭体30の上に自由回転するローラ7を設置し当該ローラ7を外郭体30の回転力によって回転させて物品を付勢する構造を採用している。
即ち、上記した搬送装置1では、付勢機構側モータ10は、外郭体30の中心軸が略水平姿勢となる様に配置され、当該外郭体30が自由回転する回転体(ローラ7)を介して物品と接し、物品を付勢する構造となっている。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、外郭体30を直接物品に接触させて物品を付勢してもよい。
【0047】
図7に示す搬送装置80は、外郭体30を直接物品に接触させて物品を付勢するものである。
図7に示す搬送装置80は、前記したローラ7を持たず、付勢機構側モータ10の外郭体30が直接外部に露出して物品と接触する。
本実施形態の搬送装置80で採用する、付勢機構側モータ10は、外郭体30の表面に摩擦付与部材83が設けられている。摩擦付与部材83は、例えば環状のゴムであり、外郭体30の本体部分の表面に巻回されている。本実施形態では、外郭体30の本体部分の表面に係合溝85があり、当該係合溝85に、摩擦付与部材83の内周に設けられたリブ86が係合している。
搬送装置80の他の部位については、前記した搬送装置1と同一であるから、同一の部材に同一の番号を付して重複した説明を省略する。
【0048】
以上説明した実施形態では、回動機構部3に係合凸部58を設け、モータ保持部材12に係合凹部38を設けて両者を係合した。この構成は、回動機構部3の回転力を付勢機構部2側に伝導させる構造の一例を示したものに過ぎず、いずれが凹であっても凸であってもよい。また回動機構部3と付勢機構部2とが、ネジや接着剤等で一体的に結合されていてもよい。さらには、回動機構側モータ20の外郭体50の上部で、直接付勢機構側モータ10を支持する構造であってもよい。
付勢機構側モータ10及び回動機構側モータ20は、いずれも磁石33,53を有するものであるが、磁石に代わってコイルであってもよい。即ち、付勢機構側モータ10及び回動機構側モータ20は、リラクタンスモータであってもよい。モータの形式としてリラクタンスモータを採用する場合には、外郭体30,50の内面にコイルを取り付けることとなる。
【0049】
以上説明した実施形態では、付勢機構部2側の給電線45を外部側に設けられたケーブル保持部37,56に保持したが、
図8に示すように、外郭体50等の一部に開口63を設けて外郭体50の中に導き、回動機構部3の中心軸51を経由して外部に導出してもよい。
本実施形態によると、給電線45が整理される。
【0050】
以上説明した搬送装置1,80は、いずれも歯車やベルト等の動力伝動部材が無く、構造が単純であって部品点数が少ない。
そのため製造やメンテナンスが容易である。
以上説明した搬送装置1,80は、いずれも付勢機構部2と回動機構部3の双方が、アウターロータ型モータであるが、いずれか一方が他の形式のモータであったり、駆動機構に歯車等を有するものであってもよい。
【0051】
次に、本発明の推奨される他の実施形態の面状搬送装置65について
図9以下を参照しつつ説明する。
面状搬送装置65は、天面部材67が複数敷き詰められており、当該天面部材67に複数の付勢部(ローラ7)が配置されている。
面状搬送装置65は、複数の天面部材67と、複数のベース部材68を有している。そして天面部材67と、ベース部材68の間に多数の柱部材76があり、当該柱部材76によって天面部材67が支持されている。柱部材76のいくつかは隣接する天面部材67の境界部にあって複数の天面部材67をまたいで支持している。天面部材67と、ベース部材68の間に複数の搬送装置1が配置されている。
【0052】
面状搬送装置65の最も下の層には共通底板77が設けられている。
柱部材76には、
図11の様にセンサー108が取り付けられている。柱部材76の中に信号線106がある。
図11の様に、柱部材76の下部に端子105があり、
図12の様に、端子105と信号線106がつながれている。
図11の様に、ベース部材68に端子受け部材107があって、柱部材76の端子105が端子受け部材107に挿入されて、電気的に接続される。また
図12の様に、ベース部材68の中に制御基板130が配されている。
【0053】
本実施形態の面状搬送装置65は、
図9の様に、複数のブロック66に分かれている。具体的には面状搬送装置65は、12のブロック66に分かれている。
図11の様に、各ブロック66には、それぞれ一個の天面部材67と、一個のベース部材68と、4個の搬送装置1が含まれる。
また
図11の様に、柱部材76の多くは、各ブロック66の境界線上にあり、隣接するブロック66で、柱部材76の多くを共有している。
本実施形態では、各柱部材76にセンサー108が設けられている。
【0054】
以下、各部材について説明する。
天面部材67は、金属や樹脂で作られた板状の部材であり、
図11,14,15の様に、平面形状は略正方形である。天面部材67の中央部には、円形の大きな開口87が行列状に4個設けられている。
天面部材67の中心には、円形の小さな開口78が設けられている。また天面部材67の各辺には、切り欠き88,90が設けられている。
各辺の中央にある切り欠き88は、半円である。各辺の角に設けられた切り欠き90は、四分円である。
各辺に設けられた切り欠き88,90は、いずれも隣接するブロック66の天面部材67に設けられた切り欠き88,90と合わせられた際に、小さな円形を形成する形状である。
【0055】
天面部材67の裏面側には、
図15の様に、中央の円形の小さな開口78を中心として、正方形の縁を有する上部支持枠120が設けられている。同様に、天面部材67の各辺の裏面側には、上部枠片121,122が設けられている。
【0056】
天面部材67の裏面であってその中心に設けられた正方形の上部支持枠120は、本実施形態では基準サイズの枠である。各辺に設けられた上部枠片121,122は、いずれも隣接するブロック66の天面部材67に設けられた上部枠片121,122と合わせられた際に、基準サイズの正方形を形成する形状である。
即ち、各辺に設けられた上部枠片121,122は、基準サイズの正方形の上部支持枠の一部を構成するものである。
具体的には、各辺の中央部に設けられた上部枠片121は、基準サイズの正方形の半分の大きさの長方形であり、長辺部と短辺部を有する「コ」字状である。
各辺の角に設けられた上部枠片122は、基準サイズの正方形の4分の1の大きさの正方形であり、二つの短辺部で囲まれた三角状である。
【0057】
ベース部材68は、本体部82と、蓋部材92によって構成されている。
本体部82は、樹脂によって成形されたものであり、周壁部93と底部95を有している。本体部82には、係合部91が行列状に4個設けられている。係合部91は、底部95に形成された枠であり、底部95から突出している。係合部91は、枠であって、その内面は特定形状の係合凹部96となっている。係合凹部96は、円形以外の形状であり、本実施形態では、円の一部が欠落した略「D」形状となっている。
係合凹部96の底には開口123があり、裏面側と連通している。
【0058】
本体部82の中心には、正方形に囲われた柱挿入枠97が設けられている。また本体部82の各辺には、一部が欠落した柱挿入枠片98、100が設けられている。
中心に設けられた正方形の柱挿入枠97は、本実施形態では、基準サイズの正方形を形成する形状である。
各辺に設けられた柱挿入枠片98、100は、いずれも隣接するベース部材68の本体部82に設けられた柱挿入枠片98、100と合わせられた際に、基準サイズの正方形を形成する形状である。
【0059】
即ち、各辺に設けられた柱挿入枠片98、100は、基準サイズの正方形の開口の一部を構成するものである。
具体的には、各辺の中央部に設けられた柱挿入枠片98は、基準サイズの正方形の半分の大きさの長方形を構成する形状であり、長辺部と短辺部を有する「コ」字状である。
各辺の角に設けられた柱挿入枠片100は、基準サイズの正方形の4分の1の大きさの正方形であり、二つの短辺部で囲まれた三角状である。
各柱挿入枠97及び,柱挿入枠片98,100の底部には、端子受け部材107が設けられている。
【0060】
蓋部材92は、金属で作られた板であり、本体部82の上に被せられる。蓋部材92には、本体部82の係合部91、柱挿入枠97、柱挿入枠片98,100に対応する位置及び大きさの開口101,102,103、104が設けられている。
【0061】
柱部材76は、樹脂で作られた断面形状が正方形の柱である。柱部材76の内部は、中空である。
柱部材76の頂部には、センサー108が設けられている。センサー108は、光電センサーであり、図示しない発光部と、受光部を有し、前に物が有るか否かを判別するセンサーである。本実施形態では、上に物(搬送物)が有るか否かを判定する在荷センサーとして使用される。
【0062】
柱部材76の底部には、端子105が突出している。
また柱部材76の内部に信号線106があり、当該信号線106で、上部のセンサー108と下部の端子105がつながっている。信号線106は、柱部材76の外側であって柱部材76に沿って設置されていてもよい。
【0063】
搬送装置1には、前記した実施形態とは異なる形状の基礎部材110が一体的に取り付けられている。基礎部材110は、平面形状が略正方形であり、各角に切り欠き112が設けられている。基礎部材110の表面側には、搬送装置1の下部が嵌合する凹部がある。
基礎部材110の裏面には、係合突起115が突出している。係合突起115の形状は、本体部82の係合部91と合致する形状である。
【0064】
次に、面状搬送装置65を構成する各部材の位置関係について説明する。
本実施形態の面状搬送装置65は、最も下層に共通底板77が配置され、共通底板77の上にその他の部材が設置されて一体化されている。
即ち、共通底板77の上に、ブロック66を構成する部材が敷き詰められている。例えば、
図9に示す面状搬送装置65では、共通底板77の上に12個のブロック66を構成する部材が取り付けられている。
【0065】
図14の下図は、共通底板(図示せず)77の上にベース部材68が敷き詰められた状態を示している。
図14を見て明らかな様に、ベース部材68が敷き詰められた状態を概観すると、行列状に四角形の柱挿入枠131が配列されている。
即ち、各ベース部材68の中心に柱挿入枠97及びこれに対応する開口(蓋部材)102がある。当該柱挿入枠97及びこれに対応する開口102は、柱部材76の断面形状と同様の四角形であり、柱挿入枠97単体で柱挿入枠131が構成されている。
【0066】
前記した様に、各ベース部材68の辺部に柱挿入枠片98、100及びこれに対応する開口(蓋部材)103,104がある。各辺の中央部に設けられた柱挿入枠片98に注目すると、当該柱挿入枠片98等は長方形であるが、隣接するベース部材68の柱挿入枠片98と合わさって、見かけ上、柱部材76の断面形状と同様の四角形となり、柱挿入枠131が構成されている。
各辺の角に設けられた柱挿入枠片100等に目すると、当該柱挿入枠片100は、小さな三角形状であるが、隣接するベース部材68の各角の柱挿入枠片100と合わさって、見かけ上、柱部材76の断面形状と同様の四角形となり、柱挿入枠131が構成されている。
そのため、前記した様に、ベース部材68が敷き詰められた状態においては、四角形の柱挿入枠131が、列状に配列された状態となっている。
【0067】
図14の上図は、天面部材67が敷き詰められた状態を示している。
図14を見て明らかな様に、天面部材67が敷き詰められた状態を概観すると、円形の大きな開口87が行列状に配列されている。
また小さな開口135が大きな開口87を取り巻き、且つ行列状に配列されている。
即ち、各ベース部材68の中心に円形の開口78がある。
【0068】
前記した様に、各天面部材67の辺部に切り欠き88,90がある。各辺の中央部に設けられた切り欠き88に注目すると、当該切り欠き88は半円であるが、隣接する天面部材67と合わさって、見かけ上、円形の開口135となっている。
各辺の角に設けられた切り欠き90に注目すると、当該切り欠き90は、四分円であるが、隣接する天面部材67の各角の切り欠き90と合わさって、見かけ上、円形の開口135となっている。
【0069】
図14に破線で示した様に、天面部材67が敷き詰められた状態においては、裏面側に四角形の上部支持枠140があり、当該上部支持枠140が行列状に配列されている。
即ち、天面部材67の裏面側には、円形の開口78を中心として正方形の縁を有する上部支持枠120が設けられている。当該上部支持枠120単体で、上部支持枠140が構成されている。
前記した様に、各天面部材67の辺部に上部枠片121,122がある。各辺の中央部に設けられた上部枠片121に注目すると、当該上部枠片121は長方形であるが、隣接する天面部材67の上部枠片121と合わさって、見かけ上、柱部材76の断面形状と同様の四角形となり、上部支持枠140が形成されている。
各辺の角に設けられた上部枠片122に注目すると、当該上部枠片122は、小さな三角形状であるが、隣接する天面部材67の各角の上部枠片122と合わさって、見かけ上、柱部材76の断面形状と同様の四角形となり、上部支持枠140が形成されている。
【0070】
本実施形態の面状搬送装置65では、下部に行列状に配置された四角形の柱挿入枠131に、各柱部材76の下部が挿入され、上部に行列状に配置された四角形の上部支持枠140に各柱部材76の上部が挿入されている。
即ち本実施形態の面状搬送装置65は、下部に各ベース部材68の開口及び各ベース部材68の切り欠きが合わさって構成される四角形の柱挿入枠131があり、上部に各天面部材67の上部支持枠120及び各天面部材67の枠片121、122が合わさって構成される四角の上部支持枠140があり、両者の間に柱部材76がある。
【0071】
そして、各天面部材67と、ベース部材68の間に、それぞれ搬送装置1が4個ずつ取り付けられている。
搬送装置1は、上部が天面部材67の円形の開口87に装着されている。また搬送装置1の下部に注目すると、基礎部材110の係合突起115が本体部82の係合部91と係合している。
【0072】
組み立てられた状態の面状搬送装置65を上から観察し、一つの搬送装置1に注目すると、搬送装置1の四隅に相当する位置に、センサー108がある。
即ち、一つの搬送装置1を含むエリアの一つの角には、天面部材67の中央に形成された円形の小さな開口78があり、当該開口78の下部に柱部材76の先端があってセンサー108が設けられている。
【0073】
当該開口78から搬送装置1の中心点を超えた対角線上の位置には、4枚の天面部材67の角の切り欠き90が集まって形成された小さな円形の開口135があり、当該開口135の下部に柱部材76があってセンサー108が設けられている。
さらに残る対角線上の位置には、各辺の中央部に設けられた切り欠き88が合わさって形成された小さな円形の開口135があり、当該開口132に柱部材76があってセンサー108が設けられている。
そのため本実施形態の面状搬送装置65では、一つの搬送装置1のそれぞれの四隅に相当する位置に、センサー108がある。
【0074】
前記した様に、本実施形態の面状搬送装置65では、下部に行列状に配置された四角形の柱挿入枠及び四角形の開口に、各柱部材76の下部が挿入されている。
ここで前記した様に、柱部材76の下部に端子105が突出している。一方、柱部材76が設置される柱挿入枠97及び柱挿入枠片98、100の底部には、端子受け部材107が設けられている。そのため、柱部材を柱挿入枠97及び柱挿入枠片98、100に装着することにより、柱部材76の端子105が、柱挿入枠97等の端子受け部材107と接合される。
また本実施形態では、ベース部材68の中に、搬送装置1を制御する制御基板130が配されており、端子受け部材107が制御基板130と接続されているから、柱部材76を取り付けることによって、センサー108が、制御基板130に接続される。
【符号の説明】
【0075】
1、80 搬送装置
2 付勢機構部
3 回動機構部
7 ローラ(自由回転する回転体 付勢部)
10 付勢機構側モータ
12 モータ保持部材
20 回動機構側モータ
30 外郭体
31 中心軸
32 コイル
33 磁石
50 外郭体
51 中心軸
52 コイル
53 磁石
65、70 面状搬送装置
83 摩擦付与部材