(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20250416BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20250416BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G1/04 551A
(21)【出願番号】P 2023007576
(22)【出願日】2023-01-20
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0015306
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520181249
【氏名又は名称】ケンタプス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ,ハク ソ
(72)【発明者】
【氏名】コ,ジン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン イク
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ソン ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ユル クォン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ヒ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スン ファン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドク ハ
(72)【発明者】
【氏名】イ,セ フン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヒョン チョル
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-134148(JP,A)
【文献】特開2019-106693(JP,A)
【文献】特開2015-222738(JP,A)
【文献】特開2014-099802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0114507(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送台車制御機と連結されるマスター通信ユニットがベルトを通じてグリッパーユニットと連結されるスレーブ通信ユニットと連結されて搬送台車制御機の制御信号によってグリッパーユニットを動作させることによってホイスト作業を遂行する自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置において、
前記搬送台車制御機か
らグリッパーデバイス識別情報を含む制御信号が受信されれば、グリッパーデバイス識別情報別に互いに異なる搬送周波数を割り当てて変調し、少なくとも1つの変調された制御信号を電源に重畳してベルトに形成された電源ラインを通じてスレーブ通信装置に伝送するマスター通信ユニットと、
マスター通信ユニットから提供された電源を、ホイスト作業を遂行する
複数のグリッパーデバイスを備えるグリッパーユニットに供給すると共に、変調された制御信号を、該搬送周波数を用いて復調し、復調された制御信号を該識別情報に該当するグリッパーデバイスにそれぞれ伝送し、各グリッパーデバイスから印加される信号を互いに異なる搬送周波数を割り当てて変調した後、ベルトに形成された電源ラインを通じてマスター通信ユニットに伝送するスレーブ通信ユニットと、を含んで構成さ
れ、
前記搬送台車制御機と前記グリッパーユニットに設けられた複数のグリッパーデバイスが相互個別通信を行うことを特徴とする自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項2】
前記グリッパーデバイスはグリッパー制御機と、グリッパーに連結された少なくとも1つのモーターと少なくとも1つのセンサーを含み、
前記スレーブ通信ユニットはグリッパー制御機を通じてグリッパーに連結されたモーター及びセンサーと通信するか、モーター及びセンサーと直接通信するか、これらが混合された形態でグリッパーデバイスと通信することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項3】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは互いに異なる搬送周波数を用いて互いに異なるグリッパーデバイスとリアルタイム通信と周期通信を同時に遂行することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項4】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは通信体系によって搬送周波数区間を分割設定するが、リアルタイム通信に割り当てられる搬送周波数区間と周期通信に割り当てられる搬送周波数区間が互いに異なる周波数区間に設定されることを特徴とする請求項3に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項5】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、搬送周波数を通じて相互送受信時、該当搬送周波数の信号送受信波形を分析して送信レベルと受信レベルを検出した後、これを相対側にそれぞれ伝送し、
マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは相対側送信レベルと受信レベル間の差値を基に該搬送周波数に対する自らの送信信号レベル及び受信利得を設定することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項6】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、該搬送周波数の信号送受信波形を分析して該搬送周波数に対する雑音レベルをそれぞれ検出して、
検出された雑音レベルが基準値未満である場合は送信信号レベル及び受信利得を現在雑音レベルに比例するように追加調整し、
検出された雑音レベルが基準値を超過する場合は
該搬送周波数を休止状態の他の搬送周波数に再割当するか、送信信号レベル及び受信利得を調整することを特徴とする請求項5に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項7】
前記マスター通信ユニットまたはスレーブ通信ユニットは電源ラインを通じて伝送する信号に対する誤謬検出のためにチェックサム(CHECKSUM)情報を該信号に付加した後に変調して伝送し、
受信信号の復調時にチェックサム情報にエラーが発生した場合、該受信信号の波形のRSSI(Received Signal Strength Indicator)パターンを分析して以前RSSIパターンと基準レベル以上の差が発生した位置のビットデータを変更してデータ復元処理を遂行することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【請求項8】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、それぞれの位置の動き程度を感知するモーションセンサーをそれぞれ備えて構成され、
前記スレーブ通信ユニットは自らのモーションセンサーから受信されたスレーブモーション情報をマスター通信ユニットに伝送し、
前記マスター通信ユニットは自らのモーションセンサーから受信されたマスターモーション情報とスレーブモーション情報を比較してグリッパーユニットまたはガイドレールの異常有無を判断するが、マスター通信ユニットが停止した状態でグリッパー通信ユニットに一定以上の動きが感知されればグリッパーユニットの異常状態と判断し、マスター通信ユニットに動きが感知された状態でグリッパー通信ユニットに一定以上の動きが感知されれば搬送台車移動異常及びガイドレベルの異常状態と判断することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホイスト装置のマスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットがベルト上に備えられた1つの電源ラインを通じて電力線通信を遂行するが、互いに異なる搬送周波数を用いてマスター通信ユニット側に連結される搬送台車制御機がスレーブ通信ユニット側に連結される多数のグリッパーデバイスと個別通信を遂行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子または液晶表示装置などの製造工程では自動搬送システム(Automated Material Handling System:AMHS)を使用して製造物品を各製造工程の製造装置に移送して該物品が各製造装置の工程によって製造が行われるようにしている。このような自動搬送システムは半導体基板または液晶基板を収納しているキャリアを製造工程ライン上に設置された各製造設備に移送し、該製造設備で工程を完了した物品をまた収納して、次の工程の製造装置に移送するために搬送台車を利用する。
【0003】
搬送台車は移動方式によって車輪によって自動走行するAGV(Automated Guided Vehicle)、底面に設置されたガイドレールに沿って走行するRGV(Rail Guided Vehicle)、天井面に設置されたガイドレールに沿って走行するOHT(Overhead Hoist Transport)を含む。搬送台車はそれぞれ自らの車輪を使用するか、底面に設置されたガイドレールまたは天井面に設置されたガイドレールに沿って該製造設備に移動した後、作動アームまたはホイスト及びグリッパーを使用して該製造設備にキャリアを搬送/搬入する。
【0004】
図1は、従来の自動搬送システムの搬送台車を説明するための図面であり、搬送台車のホイスト作業遂行過程が図示されている。
図1で(A)は搬送台車(10)がキャリア(3)を持ってレール(1)に沿って製造設備(2)の位置に移動する段階であり、(B)は搬送台車(10)がベルト(12)を下降させてキャリア(3)を製造設備(2)に安着させた段階であり、(C)は搬送台車(10)がキャリア(3)を製造設備(2)に置いてベルト(12)を昇降させることによって、製造設備(2)でキャリア(3)に対する該工程作業を遂行するようにする段階である。
【0005】
図1に示すように、搬送台車(10)はホイスト(Hoist、11)、ベルト(12)、グリッパーユニット(gripper、13)を含んで構成される。
このような搬送台車(10)はレール(1)を通じて移動して製造設備(2)の場所に位置するようになれば、ベルト(12)を通じてグリッパーユニット(13)を昇下降させることによって、キャリア(3)を製造設備(2)に搬入するか、または搬出する動作を遂行する。
【0006】
前記搬送台車(10)の構成を機能的に分離してみると、
図2に示されるように搬送台車制御機(15)とホイスト(11)及びグリッパーユニット(13)を含み、グリッパーユニット(13)はグリッパー制御機(13-1)とグリッパー(13-2)、及びグリッパー(13-2)を動作させるための少なくとも1つのモーターとセンサーを備える。そして、ホイスト(11)はマスター通信ユニット(11-1)がベルト(12)に形成された1つの有線電源ライン(L)を通じてスレーブ通信ユニット(11-2)と1つの通信体系、例えば、周期通信方式を用いて電力線通信を遂行するように構成される。
【0007】
すなわち、前述した搬送台車(10)ではグリッパーユニット(13)に位置するモーターやセンサーなどの各装置が搬送台車制御機(15)に一定情報を伝送しようとすれば、まずグリッパー制御機(13-1)と通信して、グリッパー制御機(13-1)はスレーブ通信ユニット(11-2)と通信して、スレーブ通信ユニット(11-2)はマスター通信ユニット(11-1)とPLC通信して、マスター通信ユニット(11-1)は搬送台車制御機(15)と通信する過程を遂行するようになる。また、搬送台車制御機(15)がグリッパーユニット(13)にあるモーター、センサーなど各装置を制御するか、または情報を伝送しようとすれば、前述の通信流れと逆に搬送台車制御機(15)がマスター通信ユニット(11-1)と通信して、マスター通信ユニット(11-1)はスレーブ通信ユニット(11-2)とPLC通信して、スレーブ通信ユニット(11-2)はグリッパーユニット(13)と通信するところ、グリッパーユニット(13)はグリッパー制御機(13-1)を通じてグリッパー(13-2)内部に位置するモーター及びセンサーなどと通信する過程を遂行する。
【0008】
グリッパー(13-2)内部に位置するモーター及び各種センサーは常にグリッパー制御機(13-1)に情報を伝達し、グリッパー制御機(13-1)を通じてて命令の伝達を受ける。また、グリッパー制御機(13-1)はグリッパー(13-2)内部にあるモーター及び各種センサーなどに命令を下してグリッパー(13-2)のモーター及び各種センサーから受信された情報を集合して上側に伝送する。
【0009】
この時、グリッパー内部のモーターと各種センサーは制御及び要求する通信体系がそれぞれ異なる一方、ホイスト(11)は1つの有線伝送線路を用いて1つの通信体系だけで通信するため、グリッパー制御機(13-1)がグリッパー(13-2)内部装置の情報を集合統合して1つの通信体系に作って伝送しなければならず、搬送台車制御機(15)は1つの通信体系を有してマスター通信ユニット(11-1)とスレーブ通信ユニット(11-2)を通じてグリッパー制御機(13-1)に命令と情報を伝送するしかない。
【0010】
このように1つの伝送ラインを通じて相互間通信する構造では、一般的に一定の時間間隔をおいて互いに約束して通信する周期通信を遂行するようになる。
したがって、リアルタイム制御及び通信が必要な危急を知らせる装置や一定周期で制御及び通信しなければならない装置の全ては1つの通信体系になるしかない。それによって多様な制御上の問題が発生することはもちろん、それぞれ通信体系で要求される通信性能は「集合後に伝送する通信体系」に従属されて、通信遅延が発生し、周期通信体系でリアルタイムデータ伝送が要求される場合、動作遅延などのシステム運用に限界が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国登録特許第10-2020662号公報(名称:搬送台車用ホイスト装置でのグリッパーユニット制御用マスター通信装置とスレーブ通信装置間通信方法)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前述の事情を勘案して創出されたもので、本発明の目的は、ホイスト装置のマスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットがベルトに備えられた1つの電源ラインを用いて電力線通信を遂行するが、互いに異なる搬送周波数を用いて多数の通信経路を形成することによって、搬送台車制御機がグリッパー内部のモーター及び各種センサーなどと個別通信を遂行できるようする自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置は、搬送台車制御機と連結されるマスター通信ユニットがベルトを通じてグリッパーユニットと連結されるスレーブ通信ユニットと連結されて搬送台車制御機の制御信号によってグリッパーユニットを動作させることによってホイスト作業を遂行する自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置において、前記搬送台車制御機から目的地に該当するグリッパーデバイス識別情報を含む制御信号が受信されれば、グリッパーデバイス識別情報別に互いに異なる搬送周波数を割り当てて変調して、少なくとも1つの変調された制御信号を電源に重畳してベルトに形成された電源ラインを通じてスレーブ通信装置で伝送するマスター通信ユニットと、マスター通信ユニットから提供される電源を、ホイスト作業を遂行する多数のグリッパーデバイスを備えるグリッパーユニットに供給すると共に、変調された制御信号を、該搬送周波数を用いて復調して、復調された制御信号を該識別情報に該当するグリッパーデバイスにそれぞれ伝送し、各グリッパーデバイスから印加される信号を互いに異なる搬送周波数を割り当てて変調した後、ベルトに形成された電源ラインを通じてマスター通信ユニットに伝送するスレーブ通信ユニットと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0014】
前記グリッパーデバイスは、グリッパー制御機と、グリッパーに連結された少なくとも1つのモーターと少なくとも1つのセンサーを含み、前記スレーブ通信ユニットはグリッパー制御機を通じてグリッパーに連結されたモーター及びセンサーと通信するか、モーター及びセンサーと直接通信するか、これらが混合された形態でグリッパーデバイスと通信することを特徴とする。
【0015】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、互いに異なる搬送周波数を用いて互いに異なるグリッパーデバイスとリアルタイム通信と周期通信を同時に遂行することを特徴とする。
【0016】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、通信体系によって搬送周波数区間を分割設定するが、リアルタイム通信に割り当てられる搬送周波数区間と周期通信に割り当てられる搬送周波数区間が互いに異なる周波数区間に設定されることを特徴とする。
【0017】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、搬送周波数を通じて相互送受信時に該搬送周波数の信号送受信波形を分析し、送信レベルと受信レベルを検出した後、これを相対側にそれぞれ伝送し、マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは相対側送信レベルと受信レベル間の差値を基に該搬送周波数に対する自らの送信信号レベル及び受信利得を設定することを特徴とする。
【0018】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、該搬送周波数の送受信波形を分析して該搬送周波数に対する雑音レベルをそれぞれ検出し、検出された雑音レベルが基準値未満である場合は送信信号レベル及び受信利得を現在雑音レベルに比例するように追加調整し、検出された雑音レベルが基準値を超過する場合は該目的地に対する搬送周波数を休止状態の他の搬送周波数に再割当するか、送信信号レベル及び受信利得を調整することを特徴とする。
【0019】
前記マスター通信ユニットまたはスレーブ通信ユニットは電源ラインを通じて伝送する信号に対する誤謬検出のためにチェックサム(CHECKSUM)情報を該信号に付加した後に変調して伝送し、受信信号の復調時にチェックサム情報にエラーが発生した場合、該受信信号の波形のRSSI(Received Signal Strength Indicator)パターンを分析して以前RSSIパターンと基準レベル以上の差が発生した位置のビットデータを変更してデータ復元処理を遂行することを特徴とする。
【0020】
前記マスター通信ユニットとスレーブ通信ユニットは、それぞれの位置の動き程度を感知するモーションセンサーをそれぞれ備えて構成されて、前記スレーブ通信ユニットは自らのモーションセンサーから受信されたスレーブモーション情報をマスター通信ユニットに伝送して、前記マスター通信ユニットは自らのモーションセンサーから受信されたマスターモーション情報とスレーブモーション情報を比較してグリッパーユニットまたはガイドレールの異常有無を判断するが、マスター通信ユニットが停止した状態でグリッパー通信ユニットに一定以上の動きが感知されればグリッパーユニットの異常状態と判断して、マスター通信ユニットに動きが感知された状態でグリッパー通信ユニットに一定以上の動きが感知されれば搬送台車移動異常及びガイドレベルの異常状態と判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ホイスト作業に必要な制御信号をベルトに埋め込まれた1つの電源ラインを通じて変調された信号形態で送受信するが、搬送台車制御機とグリッパーユニットに備えられる多数装置が相互個別通信を遂行することによって、搬送台車制御機がグリッパー内に備えられる互いに異なる通信プロトコルを有する各デバイスと最適の通信を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来の自動搬送システムの搬送台車構成を説明する図である。
【
図2】
図1に図示される搬送台車の内部構成を機能的に分離して示すブロック構成図である。
【
図3】本発明による自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置の概略的な構成を図示する図面である。
【
図4】
図3のマスター通信ユニットの内部構成を機能的に分離して示す図面である。
【
図5】
図4の第1信号測定部で遂行される信号測定方法を説明するための図面である。
【
図6】
図4の第1制御部でチェックサム情報を基にデータを自動復元する方法を説明するための図面である。
【
図7】
図3のスレーブ通信ユニットの内部構成を機能的に分離して示す図面である。
【
図8】本発明による自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図面を参照して、本発明の自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置を詳細に説明する。
【0024】
図面で同じ構成要素はできる限り同じ符号で示している。一方、本明細書及び特許請求範囲に使用される用語や単語は通常的に、又は辞書的な意味に限定して解析してはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立って本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解析する必要がある。したがって、本明細書に記載される実施例と図面に図示される構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するのではなく、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例が可能である。
【0025】
図3は本発明による自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置(Hoist Communication Device In Rail Car Of Automated Material Handling System)を説明するための要部構成を図示する図面である。
図3に示すように、本発明による自動搬送システムの搬送台車用ホイスト通信装置は、搬送台車制御機(30)と通信するマスター通信ユニット(100)と、グリッパーユニット(50)と通信するスレーブ通信ユニット(200)を含み、マスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)はベルト上に備えられる1つの電源ライン(L)を通じて電力線通信を遂行する。
【0026】
この時、搬送台車制御機(30)は搬送台車に対する全般的な動作を制御し、ホイスト通信装置を通じて電源及びグリッパー制御のための情報をグリッパーユニット(50)に伝送し、グリッパーユニット(50)でホイスト通信装置を通じてグリッパー動作関連情報を収集する。マスター通信ユニット(100)はホイスト通信装置のマスター側に備えられる装置で、ベルトに備えられる電源ライン(L)を通じてスレーブ通信ユニット(200)に電源及びキャリア移送または搬送のための制御信号を伝送する。この時、マスター側にはベルトを昇下降させるためのモーターを含む昇下降体(図示しない)が備えられる。
【0027】
スレーブ通信ユニット(200)は、ホイスト通信装置のスレーブ側に備えられる装置で、スレーブ通信ユニット(200)はベルトに備えられる電源ライン(L)を通じて供給される電源をグリッパーユニット(50)の駆動電源に提供すると共に、マスター通信ユニット(100)から受信されるキャリア移送または搬送のための制御信号をグリッパーユニット(50)に提供することによって、制御信号に対応されるようにグリッパー(52)を動作させる。また、スレーブ通信ユニット(200)は、グリッパーユニット(50)の状態情報をマスター通信ユニット(100)に伝送する。
【0028】
グリッパーユニット(50)は、グリッパー制御機(51)と、グリッパー(52)に備えられる少なくとも1つのモーター(52-1)及び少なくとも1つのセンサー(52-2)を含む多数のグリッパーデバイスを含み、グリッパー(52)でキャリアを搬送する時、追加で必要な多数のデバイスを含むことができる。この時、モーター(52-1)は単純モーターではないモーター制御に必要な制御装置が含まれて搬送台車制御機で制御する装置で、センサー(52-2)は単純センサーでないセンサーを用いてグリッパー周辺機器を制御する制御装置が含まれて搬送台車制御機で制御する装置である。
【0029】
そして、モーター(52-1)とセンサー(52-2)は互いに異なる通信プロトコルを有することができるところ、モーター(52-1)が備えられる位置及びセンサー(52-2)の種類によって該情報をリアルタイム伝送するか、または周期的に伝送する互いに異なる通信体系に設定されることができる。例えば、モーター(52-1)は、リアルタイムで駆動情報を、ホイスト通信装置を通じて搬送台車制御機(30)に伝送し、第1乃至第3センサー(52-2)は、周期的にグリッパー状態情報を、ホイスト通信装置を通じて搬送台車制御機(30)に伝送することができる。
【0030】
すなわち、本発明は、マスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)がベルト上に備えられる1つの電源ライン(L)を通じて電力線通信を遂行するが、互いに異なる通信体系をゆする多数のグリッパーデバイスと個別的な通信を遂行することが主な特徴であり、マスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)は互いに異なる搬送周波数を用いて互いに異なるグリッパーデバイスとリアルタイム通信と周期通信を同時に遂行することができる。
【0031】
また、搬送台車制御機(30)は、グリッパーユニット(50)との通信時にグリッパーデバイスの中のモーター(52-1)1つだけを制御する時もあり、多数のモーター(52-1)を制御する時もあり、1つのセンサー(52-2)からセンシング情報を受信する時もあり、多数のセンサー(52-2)からセンシング情報を受信するなど使用用途によって多様な組合でグリッパーユニット(50)との通信を遂行する。
【0032】
すなわち、本発明は、
図3(A)のように搬送台車制御機(30)でホイスト通信装置を通じてグリッパー制御機(51)を経由してグリッパーデバイスと通信するか、
図3(B)のように搬送台車制御機(30)でホイスト通信装置を通じてグリッパー制御機(51)を経由してグリッパーデバイスと通信すると共にモーター(52-1)やセンサー(52-2)を含むグリッパーデバイスと直接通信するか、
図3(C)のように搬送台車制御機(30)でホイスト通信装置を通じてグリッパーデバイスと直接通信だけをする構造の全てに適用されて実施することができる。
【0033】
また、本発明では、マスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)で同じ周波数の搬送周波数を用いて単方向通信を遂行するか、マスター通信ユニット(100)で割り当てられる搬送周波数とスレーブ通信ユニット(200)で割り当てられる搬送周波数の周波数範囲を異に設定してマスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)が1つの電源ライン(L)を通じて両方向通信を遂行するように実施することができる。
【0034】
図4は、
図3に図示されるマスター通信ユニット(100)の内部構成を機能的に分離して示すブロック構成図である。
図4に示すように、マスター通信ユニット(100)は第1通信部(110)と、第1搬送波割当部(120)、第1変復調部(130)、第1電源部(140)、第1送受信部(150)、第1フィルター部(160)、第1信号測定部(170)、第1センサー(180)、及び第1制御部(190)を含む。
【0035】
第1通信部(110)は搬送台車制御機(30)と通信するインターフェース手段で、多数の通信ポート(Port#1~Port#n)からなり並列通信を遂行する並列通信部と、多数の通信ポート(Port#1~Port#n)からなり直列通信を遂行する直列通信部を含む。第1搬送波割当部(120)は第1制御部(190)の制御によってグリッパーユニット(50)側に伝送する信号を変調する搬送周波数を割り当てると共に、電源ライン(L)を通じて受信された復調信号を復調する搬送周波数を割り当てる。
【0036】
第1変復調部(130)は第1制御部(190)から印加される信号を第1搬送波割当部(120)により選択された搬送周波数を用いて変調した信号を第1送受信部(150)に出力すると共に、第1送受信部(150)から受信された変調信号を復調して搬送台車制御機(30)側に伝送する。第1電源部(140)は搬送台車制御部(30)を含む外部から供給される電源をマスター通信ユニット(100)の駆動電源に供給すると共に、電源ライン(L)を通じてグリッパーユニット(50)側に供給する。この時、第1電源部(140)は伝送ライン(L)を通じて伝送される信号の電圧レベルを測定して第1制御部(190)に伝送することができる。
【0037】
第1送受信部(150)は第1変復調部(130)で互いに異なる搬送周波数に変調された少なくとも1つの変調信号を第1フィルター部(160)に伝送すると共に、第1フィルター部(160)から受信される変調信号を第1変復調部(130)に伝送する。第1フィルター部(160)は第1送受信部(150)と互いに異なる搬送周波数に乗せられたマスター変調信号を伝送ライン(L)に伝送すると共に、伝送ライン(L)を通じて受信されるスレーブ変調信号を搬送周波数によってフィルターリングして第1送受信部(150)に伝送する。この時、第1フィルター部(160)は割当可能な搬送周波数に対応されるように多数備えられる。例えば、電源ライン(L)を通じて第1乃至第N搬送周波数を用いて電力線通信が行われる場合、第1乃至第Nフィルターが備えられる。
【0038】
第1信号測定部(170)は電源ライン(L)を通じて受信されるスレーブ変調信号及び伝送ライン(L)を通じて伝送するマスター変調信号に対する各搬送周波数別信号レベル及び雑音レベルをリアルタイムで測定して第1制御部(190)に提供する。すなわち、
図5に図示されるように電源ライン(L)を通じて送受信される変調信号の通信周期(25ms)は送信信号(T)と、受信信号(R)及び待機区間(S)を含むところ、第1信号測定部(170)はマスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)が毎回通信中に
図5の(1)位置でRSSI(Received Signal Strength Indicator)を反復測定してその平均値を基に伝送信号レベルをリアルタイムで検出し、
図5の(2)位置でRSSIを反復測定してその平均値を基に受信信号レベルをリアルタイムで検出し、
図5の(3)位置でRSSIを反復測定して最大値と最小値を抽出してその差値を用いて雑音レベルを検出する。
【0039】
第1センサー(180)はマスター側でのホイスト状態を感知するための少なくとも1つのセンサーからなることができ、特に動き状態を感知するためのモーションセンサーを含む。第1制御部(190)はマスター通信ユニット(100)に対する全般的な動作を制御するもので、搬送周波数帯域と、各搬送周波数別の割当可否を含む各種基準情報と第1制御部(190)で処理される各種情報を保存するためのメモリーを備える。
【0040】
このような第1制御部(190)は、スレーブ通信ユニット(200)に伝送するデータの目的地によって互いに異なる搬送周波数を用いて該データを変調した後、スレーブ通信ユニット(200)に伝送する。第1制御部(190)は伝送パケットのヘッダー領域にグリッパーユニット(50)に備えられる多数のグリッパーデバイスの中目的地に該当する1つの識別コードを与える。
【0041】
この時、第1制御部(190)は現在休止状態である搬送周波数の中の1つを順次割り当てて、送受信中である信号の搬送周波数別雑音レベルを獲得して雑音レベルが一定以上である場合は現在休止状態である他の搬送周波数を新しく割り当てるか、送信レベル及び受信利得を調整してデータ伝送を遂行する。ここで、第1制御部(190)は周期通信の中の通信漏れが発生する場合、通信停止後、該搬送周波数に対する雑音レベルを確認して、雑音レベルが既設定された基準レベル未満である場合は通信を再開して、雑音レベルが基準レベル以上である場合は該周期通信に対して新しい搬送周波数を新しく割り当てることができる。
【0042】
また、第1制御部(190)はスレーブ通信ユニット(200)から現在送受信中である搬送周波数別スレーブ送信レベルとスレーブ受信レベル及び雑音レベル情報を受信して、スレーブ送信レベルとスレーブ受信レベル間の差を基に送信レベル及び受信利得を調整する。例えば、スレーブ送信レベルがスレーブ受信レベルより既設定された基準レベル以上に大きければマスター送信信号レベル及び受信利得を弱く調整し、スレーブ送信レベルがスレーブ受信レベルより既設定された基準レベル未満に小さければ、マスター送信信号レベル及びスレーブ受信利得を強く調整してベルトの動きなどにより電源レベル状態及び電力線通信環境が随時変化する環境でもスレーブ通信ユニット(200)で送受信信号が同じ信号強さを有するようにする。
【0043】
また、第1制御部(190)はマスター送信信号レベル及び受信利得を調整することにおいて、回路ダメージを含む装置の電気的な安全性を考慮してマスター送信信号の強さを微細調整することができる。また、第1制御部(190)はスレーブ送信レベルとスレーブ受信レベル間の差を累積分析して雑音のない状態と雑音のある状態を区分して、雑音有無によってマスター送信信号を微細調整するか、搬送周波数を変更するか、受信利得を微細調整することができる。
【0044】
また、第1制御部(190)はスレーブ通信ユニット(200)に提供される制御信号に対して誤謬検出のためのチェックサム(CHECKSUM)情報を生成し、これを第1変復調部(140)で提供して該制御信号のデータパケットに付加して変調処理を遂行するように制御する。そして、スレーブ通信ユニット(200)から受信されたチェックサム情報にエラーが発生すれば、該受信信号の信号波形を分析してデータを自動復元する。すなわち、第1制御部(190)はまずスレーブ通信ユニット(200)から信号を送受信時に電力線送受信波形(
図6の(1))を測定し、チェックサムエラー発生時に該電力線送受信波形(
図6の(1))でRSSI値のパターン(
図6の(2))を分析し、RSSI値の中の以前にチェックされたRSSI値との相対的差の高い雑音位置のビット(
図6(2)に示す丸で囲んだ符号a、b)を確認して該ビットのデータを変更(0⇔1)する。例えば、受信信号の雑音位置に対応されるビットのデータが「1¥である場合に「0」に、「0」である場合に「1」に変更する。そして、以前受信データを参照して該受信データを復元した後、チェックサム情報を確認してチェックサムが正常であれば受信成功処理を遂行する。
【0045】
また、第1制御部(190)は前記第1変復調部(130)から復調された信号を前記搬送台車制御機(30)に提供する。この時、復調された信号はスレーブ通信ユニット(200)から受信されたホイスト作業に対する応答信号、通信状態情報、作業状態情報などになることができる。また、第1制御部(190)は第1センサー(180)、さらに詳細にはモーションセンサーから収集したマスターモーション情報とスレーブ通信ユニット(200)から受信されたスレーブモーション情報を比較して搬送台車またはガイドレールの状態を監視する。すなわち、マスター通信ユニット(100)が停止した状態でスレーブ通信ユニット(200)に一定以上の動き、例えば左右揺れや衝撃などが感知さればグリッパーユニット(50)の異常状態と判断し、マスター通信ユニット(100)に動きが感知された状態でスレーブ通信ユニット(200)に一定以上の動き、例えば下側への動きや左右揺れなどが感知されれば搬送台車移動異常及びガイドレベルの異常以上状態と判断することができる。そして、搬送台車またはガイドレールに異常が発生したと判断されれば、これを管理者端末または上位側に報告して適時に搬送台車移動に問題になり得る部分をメンテナンスするように要求することができる。
【0046】
図7は
図4に図示されるスレーブ通信ユニット(200)の内部構成を機能的に分離して示すブロック構成図である。
図7に示すように、スレーブ通信ユニット(200)は第2通信部(210)と、第2搬送波割当部(220)、第2変復調部(230)、第2電源部(240)、第2送受信部(250)、第2フィルター部(260)、第2信号測定部(270)、第2センサー(280)、及び第2制御部(290)を含み、マスター通信ユニット(100)と構成要素は同様であり、ただし、第2通信部(210)がグリッパーユニット(50)に備えられる多数のグリッパーデバイスまたはグリッパー制御機と通信するように構成される。以下では、マスター通信ユニット(100)と同じ機能を遂行する装置についてはその構成及び機能説明は省略する。
【0047】
図7で第2センサー(280)はモーションセンサーを含んでジャイロセンサーと加速度センサー、傾きセンサーなどを追加で含むことができ、このようなセンサーを用いてベルトの移動距離、移動速度、左右揺れ、衝撃などの状態を検出して第2制御部(290)に提供することができる。
【0048】
第2制御部(290)はマスター通信ユニット(100)の第1制御部(190)と同様に互いに異なる搬送周波数を用いて多数のグリッパーデバイスと搬送台車制御機(30)との間の通信経路を設定するが、休止状態の搬送周波数を割り当てて電源ライン(L)を通じて電力線通信を遂行するように制御する。この時、第2制御部(290)は搬送周波数別スレーブ送信レベルとスレーブ受信レベル及び雑音レベルを含むスレーブ通信状態情報と、第2センサー部(280)により感知されたスレーブ状態情報及び、マスター通信ユニット(100)から受信された制御信号に対応される応答情報を含む各種スレーブ情報を互いに異なる搬送周波数を用いて変調した後電源ライン(L)を通じてマスター通信ユニット(100)に伝送するように制御する。
【0049】
また、第2制御部(290)はマスター通信ユニット(100)から印加されるグリッパーユニット(50)動作のための制御信号を搬送周波数別に復調して復調されたデータパケットで目的地に該当する識別コードを抽出して、抽出された識別コードに該当するグリッパーデバイスに該データパケットを直接伝送する。
【0050】
続いて、前述した構成からなる自動搬送システムで搬送台車用ホイスト通信装置の動作を
図8に図示される流れ図を参照して説明する。
【0051】
以下では、マスター通信ユニット(100)とスレーブ通信ユニット(200)との間の通信方法をグリッパーユニット(50)の下降動作に適用して説明する。
【0052】
搬送台車がレールを通じて移動して作業を遂行する製造設備位置に停車すれば、マスター通信ユニット(100)はベルトを駆動してグリッパーユニット(50)を製造設備に位置するように下降させる。前述した状態でマスター通信ユニット(100)は搬送台車制御機(30)の制御によって外部から供給される一定レベルの電源をベルトに形成された電源ライン(L)を通じてスレーブ通信ユニット(200)に供給し、スレーブ通信ユニット(200)でグリッパーユニット(50)を動作待機状態に設定する(ST10)。
【0053】
前述した状態で、マスター通信ユニット(100)は搬送台車制御機(30)からホイスト作業のためのマスター情報が受信されれば、休止状態の搬送周波数の中の1つの搬送周波数、例えば第1搬送周波数を割り当て、割り当てられた第1搬送周波数を用いて該マスター情報を変調処理し、変調されたマスター情報を電源に重畳して電源ライン(L)を通じてスレーブ通信ユニット(200)に伝送する(ST20、ST30)。この時、搬送台車制御機(30)は該データを受信するグリッパーデバイスIDを含むグリッパー制御情報をマスター通信ユニット(100)に提供し、マスター通信ユニット(100)はグリッパーデバイスIDを含むマスター情報をスレーブ通信ユニット(200)に伝送する。
【0054】
この時、搬送周波数帯域は通信体系によって搬送周波数範囲が第1区間と第2区間に区分されるようにあらかじめ設定されることができるところ、前記ST20段階でマスター通信ユニット(100)はグリッパーデバイスIDに対応される通信体系に該当する区間の休止搬送周波数を割り当てる。例えば、第1区間はグリッパーユニット(50)のモーターとリアルタイム通信を遂行する時に設定される搬送周波数範囲であり、第2区間はグリッパーユニット(50)のセンサーと周期通信を遂行する時に設定される搬送周波数範囲と設定されることができる。
【0055】
また、マスター通信ユニット(100)はマスター情報を含むパケットに誤謬確認のためのチェックサム情報を付加してスレーブ通信ユニット(200)に伝送することができる。また、マスター通信ユニット(100)はST30段階で電源ライン(L)を通じてデータを伝送すると共に、該第1搬送周波数に対する送信信号波形を分析してマスター送信レベルを検出する(ST40)。
【0056】
一方、スレーブ通信ユニット(200)は電源ライン(L)を通じて受信されるマスター情報を該搬送周波数に復調して、復調されたグリッパー制御信号を該IDに該当するグリッパーデバイスに伝送してグリッパーユニット(50)を動作させる(ST50)。例えば、スレーブ通信ユニット(200)は復調されたデータをモーター(52-1)に伝送するか、センサー(52-2)に伝送するか、またはグリッパー制御機(51)に伝送することができる。
【0057】
前記ST50段階でスレーブ通信ユニット(200)は該パケットのチェックサム情報を確認し、チェックサム誤謬時に該マスター受信信号の波形のRSSIパターンを分析して既設定された基準レベル以上のRSSI差値を有する位置のビットデータを変更してマスター情報を自動復元することができる。
【0058】
また、スレーブ通信ユニット(200)は前記ST50段階で電源ライン(L)を通じて受信された搬送周波数に対する受信信号の波形を分析してスレーブ受信レベルを検出する(ST60)。また、スレーブ通信ユニット(200)は休止状態の搬送周波数を割り当ててスレーブ情報を変調した後、電源ライン(L)を通じてマスター通信ユニット(100)に伝送する(ST70)。この時、スレーブ情報はST30段階で受信されたマスター情報に対する応答情報であるか、センサー(52-2)により検出されたグリッパー状態情報を含む。
【0059】
前記ST70段階でスレーブ通信ユニット(200)はグリッパーデバイスIDを含むパケットを生成して伝送し、グリッパーデバイスIDによってリアルタイムで伝送するか、または周期的に伝送することができ、このような通信体系を基に既設定された搬送周波数区域で休止状態の搬送周波数が割り当てられる。そして、マスター通信ユニット(100)はスレーブ通信ユニット(200)を通じて受信されたスレーブ情報を、該搬送周波数を用いて復調した後、これを搬送台車制御機(30)に伝送する(ST80)。
【0060】
一方、スレーブ通信ユニット(200)はST70段階で電源ライン(L)を通じてスレーブ情報を伝送すると共に該搬送周波数に対する送信信号波形を分析してスレーブ送信レベルを検出する(ST90)。そして、スレーブ通信ユニット(200)は前記ST60段階で検出された該搬送周波数に対するスレーブ受信レベルと前記ST90段階で検出された該搬送周波数に対するスレーブ送信レベル情報をマスター通信ユニット(100)に伝送する(ST100)。この時、スレーブ通信ユニット(200)はスレーブ送信レベルと受信レベル情報を該送受信レベル情報に該当する第1搬送周波数でマスター通信ユニット(100)に伝送することができる。
【0061】
マスター通信ユニット(100)はスレーブ通信ユニット(200)を通じて受信されたスレーブ信号波形を分析して該搬送周波数に対するマスター受信レベルを検出する(ST110)。また、前記マスター通信ユニット(100)は前記ST100段階で受信されたスレーブ受信レベルと送信レベルを用いて該搬送周波数に伝送するマスター送信信号レベルを決定する(ST120)。この時、マスター通信ユニット(100)は該搬送周波数に対するスレーブ送信レベルとスレーブ受信レベルとの間の差を基に該搬送周波数を通じて送受信される信号レベルが一定に維持されるように送信レベル及び受信利得を設定することができる。
【0062】
また、前記ST120段階でマスター通信ユニット(100)は該搬送周波数に対する雑音レベルを検出して、雑音が検出されない場合はスレーブ送信レベルとスレーブ受信レベルとの間の差を基に信号送信レベルを設定し、雑音レベルが検出された場合は雑音レベルに比例して送信信号レベルをさらに高く追加調整することができる。
【0063】
そして、前記ST120段階でマスター通信ユニット(100)は該搬送周波数の雑音レベルが既設定された基準を超過する場合、該目的地に対して他の休止状態の搬送周波数を新しく割り当てるか、送信レベル及び受信利得を調整することができる。
【0064】
また、マスター通信ユニット(100)は前記ST40段階で検出された該搬送周波数のマスター送信レベルと前記ST110段階で検出されたマスター受信レベル情報をスレーブ通信ユニット(200)に伝送する(ST130)。この時、マスター通信ユニット(100)は前記ST120段階で設定された該当搬送周波数の送信レベルでマスター送受信レベル情報を伝送する。一方、スレーブ通信ユニット(200)は前記ST130段階で受信された該搬送周波数に対するマスター送信レベルとマスター受信レベルとの間の差を基に送受信レベルが一定に維持されるようにスレーブ送信レベル及び受信利得を設定し、以後該搬送周波数に対しては既設定されたスレーブ送信レベルを基にスレーブ情報を伝送する(ST140)。
【0065】
前記ST140段階でスレーブ通信ユニット(200)はマスター通信ユニット(100)と同様に、搬送周波数の雑音レベルを考慮してスレーブ送信レベル及び受信利得を再設定するか、搬送周波数を再割当することができる。
【0066】
また、スレーブ通信ユニット(200)は第2センサー部(280)から提供される状態感知信号を受信して、状態感知信号レベルを一定周期に搬送周波数を用いてマスター通信ユニット(100)に伝送し、マスター通信ユニット(100)はスレーブ通信ユニット(200)から受信されたスレーブ状態情報と第1センサー部(180)を通じて感知されたマスター状態情報を分析して搬送台車またはガイドレールの異常状態を検出する。そして、異常状態検出時にこれを搬送台車制御機(30)に伝送する異常状態アラーム処理を遂行することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 レール
2 製造設備
3 キャリア
10 搬送台車
11 ホイスト
11-1 マスター通信ユニット
11-2 スレーブ通信ユニット
12 ベルト
13 グリッパーユニット
13-1 グリッパー制御機
13-2 グリッパー
15 搬送台車制御機
30 搬送台車制御機
50 グリッパーユニット
51 グリッパー制御機
52 グリッパー
52-1 モーター
52-2 センサー
100 マスター通信ユニット
200 スレーブ通信ユニット
110、210 通信部
120、220 搬送波割当部
130、230 変復調部
140、240 電源部
150、250 送受信部
160、260 フィルター部
170、270 信号測定部
180、280 センサー
190、290 制御部
L 電源ライン