(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】接地体、及び、接地体を備える草刈機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/90 20060101AFI20250416BHJP
【FI】
A01D34/90 Z
(21)【出願番号】P 2021210663
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2024-09-19
(31)【優先権主張番号】P 2021107456
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沓名 知之
(72)【発明者】
【氏名】藤松 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岩本 望
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-012850(JP,A)
【文献】米国特許第04242797(US,A)
【文献】国際公開第2014/007688(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00 -34/01
A01D 34/412-34/90
A01D 42/00 -42/08
A01D 43/06 -43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機の刈刃シャフトに取付けられる接地体であって、
前記接地体を前記刈刃シャフトに取付けるための取付部であって、前記刈刃シャフトにおいて、前記接地体よりも上方に刈刃が取付けられる、前記取付部と、
前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、
を備え、
前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有
し、
前記接地体は、ナット部材によって前記刈刃シャフトに取付けられ、
前記取付部は、前記刈刃シャフトが通過する貫通孔を有しており、
前記第1樹脂の色と前記第2樹脂の色とが異なっており、
前記第2本体部の下端は、前記刈刃シャフトの下端及び前記ナット部材の下端よりも下方に位置しており、
前記第1本体部の下端は、前記第2本体部の前記下端よりも下方に位置している、
接地体。
【請求項2】
前記第1本体部の外周面は地面に接地し、
前記第1本体部の内周面には、前記第2本体部が設けられている、請求項
1に記載の接地体。
【請求項3】
前記第1本体部の前記内周面には、凹部が設けられており、
前記凹部の下端は、前記刈刃シャフトの前記下端及び前記ナット部材の前記下端よりも下方に位置しており、
前記凹部内には、前記第2本体部が設けられている、請求項
2に記載の接地体。
【請求項4】
前記第1本体部の上面には、前記第2本体部が設けられている、請求項
1から
3のいずれか一項に記載の接地体。
【請求項5】
前記本体部は、さらに、前記第1樹脂及び前記第2樹脂とは異なる第3樹脂からなる第3本体部を有しており、
前記第3樹脂の材質は、前記第1樹脂の材質及び前記第2樹脂の材質と異なっており、
前記第3樹脂は、前記第1樹脂及び前記第2樹脂よりも弾性変形しやすく、
前記第3本体部が前記刈刃の下面に当接する、請求項
1から
4のいずれか一項に記載の接地体。
【請求項6】
前記第1本体部は、前記取付部に連結される円筒部と、前記円筒部の下端から径方向外側に延びるフランジ部と、を備え、
前記第3本体部は、前記フランジ部の上面に設けられている、請求項
5に記載の接地体。
【請求項7】
前記第3本体部は、前記第1本体部及び前記第2本体部とは別体に構成されており、
前記フランジ部の上面には、下方に陥凹した形状を有する窪み部が設けられており、
前記第3本体部は、前記窪み部に設けられており、
前記第3本体部の上端は、前記フランジ部の上端よりも上方に位置している、請求項
6に記載の接地体。
【請求項8】
草刈機の刈刃シャフトに取付けられる接地体であって、
前記接地体を前記刈刃シャフトに取付けるための取付部であって、前記刈刃シャフトにおいて、前記接地体よりも上方に刈刃が取付けられる、前記取付部と、
前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、
を備え、
前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有
し、
前記第1樹脂の材質と前記第2樹脂の材質とが異なっており、
前記第2樹脂は前記第1樹脂よりも弾性変形しやすく、
前記第2本体部が前記刈刃の下面に当接する、
接地体。
【請求項9】
前記第1本体部は、前記取付部に連結される円筒部と、前記円筒部の下端から径方向外側に延びるフランジ部と、を備え、
前記第2本体部は、前記フランジ部の上面に設けられている、請求項
8に記載の接地体。
【請求項10】
前記第2本体部は、前記フランジ部の内周面に設けられている、請求項
9に記載の接地体。
【請求項11】
前記第2本体部は、前記第1本体部と別体に構成されており、
前記フランジ部の上面には、下方に陥凹した形状を有する窪み部が設けられており、
前記第2本体部は、前記窪み部に設けられており、
前記第2本体部の上端は、前記フランジ部の上端よりも上方に位置している、請求項
9に記載の接地体。
【請求項12】
操作棹と、
前記操作棹の前部に設けられている刈刃シャフトと、
前記刈刃シャフトに取付けられている刈刃と、
前記刈刃よりも下方において前記刈刃シャフトに取付けられており、地面に接地する接地体と、を備え、
前記接地体は、
前記接地体を前記刈刃シャフトに取付けるための取付部と、
前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、
を備え、
前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有
し、
前記接地体は、ナット部材によって前記刈刃シャフトに取付けられ、
前記取付部は、前記刈刃シャフトが通過する貫通孔を有しており、
前記第1樹脂の色と前記第2樹脂の色とが異なっており、
前記第2本体部の下端は、前記刈刃シャフトの下端及び前記ナット部材の下端よりも下方に位置しており、
前記第1本体部の下端は、前記第2本体部の前記下端よりも下方に位置している、
草刈機。
【請求項13】
操作棹と、
前記操作棹の前部に設けられている刈刃シャフトと、
前記刈刃シャフトに取付けられている刈刃と、
前記刈刃よりも下方において前記刈刃シャフトに取付けられており、地面に接地する接地体と、を備え、
前記接地体は、
前記接地体を前記刈刃シャフトに取付けるための取付部と、
前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、
を備え、
前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有
し、
前記第1樹脂の材質と前記第2樹脂の材質とが異なっており、
前記第2樹脂は前記第1樹脂よりも弾性変形しやすく、
前記第2本体部が前記刈刃の下面に当接する、
草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、接地体、及び、接地体を備える草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、接地体が開示されている。この接地体は、接地体を草刈機の刈刃シャフトに取付けるための取付部であって、刈刃シャフトには、接地体よりも上方に刈刃が取付けられている、取付部と、取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、を備えている。本体部は、1種類の樹脂からなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の接地体の本体部は、1種類の樹脂からなっている。本体部が1種類の樹脂からなっている場合、ユーザの視認性、接地体が取付けられる草刈機の静粛性を向上させることは困難である。
【0005】
本明細書では、草刈機の刈刃シャフトに取付けられる接地体について、新規で有用な構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、草刈機の刈刃シャフトに取付けられる接地体を開示する。接地体は、前記接地体を前記刈刃シャフトに取付けるための取付部であって、前記刈刃シャフトにおいて、前記接地体よりも上方に刈刃が取付けられる、前記取付部と、前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、を備え、前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有していてもよい。
【0007】
上記の構成によると、本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、第2樹脂からなる第2本体部と、を有している。本体部を2種類の樹脂で構成することで、本体部が1種類の樹脂で構成されている場合と比較して、ユーザの視認性を向上させたり、草刈機の静粛性を向上させたりすることができる。ここで、本明細書でいう樹脂(resin)は、比較的に硬度の高いプラスチック(plastic)だけではなく、硬度のより低い熱硬化性または熱可塑性のエラストマ(elastomer)やゴムを含む概念である。
【0008】
また、本明細書は、草刈機を開示する。草刈機は、操作棹と、前記操作棹の前部に設けられている刈刃シャフトと、前記刈刃シャフトの取付けられている刈刃と、前記刈刃よりも下方において前記刈刃シャフトに取付けらており、地面に接地する接地体と、を備え、前記接地体は、前記接地体を前記刈刃シャフトに取付けるための取付部と、前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、を備え、前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有していてもよい。
【0009】
上記の構成によると、接地体の本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、第2樹脂からなる第2本体部と、を有している。本体部を2種類の樹脂で構成することで、本体部が1種類の樹脂で構成されている場合と比較して、ユーザの視認性を向上させたり、草刈機の静粛性を向上させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施例の草刈機2を右方から見た右側面図である。
【
図2】第1実施例の接地体46の右方断面図である。
【
図3】第1実施例の接地体46を右方上方前方から見た斜視図である。
【
図4】第1実施例の接地体46を上方から見た上面図である。
【
図5】第2実施例の接地体246の右方断面図である。
【
図6】第3実施例の接地体346の右方断面図である。
【
図7】第4実施例の接地体446の右方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された接地体を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0012】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0013】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、接地体は、前記接地体を草刈機の刈刃シャフトに取付けるための取付部であって、前記刈刃シャフトには、前記接地体よりも上方に刈刃が取付けられる、前記取付部と、前記取付部に連結されており、地面に接地する本体部と、を備え、前記本体部は、第1樹脂からなる第1本体部と、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部と、を有していてもよい
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、接地体は、ナット部材によって刈刃シャフトに取付けられてもよい。取付部は、刈刃シャフトが通過する貫通孔を有しており、第1樹脂の色と第2樹脂の色とが異なっていてもよい。第2本体部の下端は、刈刃シャフトの下端及びナット部材の下端よりも下方に位置しており、第1本体部の下端は、第2本体部の下端よりも下方に位置していてもよい。
【0016】
草刈機が利用される場合に、地面に接地する本体部が擦り減っていく。本体部が擦り減っていくことで、刈刃シャフト又はナット部材が地面に接地するようになる。特に、ナット部材の外周面が擦り減ってしまうと、工具を利用してナット部材を容易に取外すことができなくなる。即ち、接地体や刈刃を容易に交換できなくなる。このため、刈刃シャフト又はナット部材が地面に接地する前に、接地体を交換することが望ましい。上記の構成によると、第2本体部の下端は、刈刃シャフトの下端及びナット部材の下端よりも下方に位置しており、第1本体部の下端は、第2本体部の下端よりも下方に位置している。また、第1樹脂の色と第2樹脂の色とは異なっている。このため、ユーザは、第1本体部が擦り減って第2本体部が露出した時に、第1本体部と第2本体部との境界を容易に把握することができる。従って、ユーザは、第2本体部の下端が露出した時点、即ち、刈刃シャフト又はナット部材が地面に接地する前に、接地体を交換することができる。この結果、刈刃シャフト及びナット部材が擦り減ることを抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1本体部の外周面は地面に接地し、第1本体部の内周面には、第2本体部が設けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によると、第1本体部が擦り減る場合に、刈刃シャフト又はナット部材が地面に接地するよりも前に、第1本体部の内周面に設けられている第2本体部が露出する。このような構成によると、ユーザは、露出した第2本体部が視認できるようになった時点で、接地体を交換することで、刈刃シャフト及びナット部材が擦り減ることを抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1本体部の内周面には、凹部が設けられており、凹部の下端は、刈刃シャフトの下端及びナット部材の下端よりも下方に位置しており、凹部内には、第2本体部が設けられていてもよい。
【0020】
上記の構成によると、第1本体部が擦り減る場合に、刈刃シャフト及びナット部材が地面に接地するよりも前に、第1本体部の内周面の凹部に設けられている第2本体部が露出する。このような構成によると、ユーザは、露出した第2本体部が視認できるようになった時点で、接地体を交換することで、刈刃シャフト及びナット部材が擦り減ることを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1本体部の上面には、第2本体部が設けられていてもよい。
【0022】
上記の構成によると、第1本体部が擦り減る場合に、刈刃シャフト及びナット部材が地面に接地するよりも前に、第1本体部と第2本体部との境界が存在しなくなる。このような構成によると、ユーザは、第1本体部と第2本体部との境界が視認できなくなる場合に、接地体を交換する。従って、締結部材の外周面が擦り減ることを抑制することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部は、さらに、第1樹脂及び第2樹脂とは異なる第3樹脂からなる第3本体部を有していてもよい。第3樹脂の材質は、第1樹脂の材質及び第2樹脂の材質と異なっていてもよい。第3樹脂は、第1樹脂及び第2樹脂よりも弾性変形しやすくてもよい。第3本体部が刈刃の下面に当接してもよい。
【0024】
一般的に、樹脂からなる本体部は、金属からなる刈刃の下面に当接、即ち接触している。この場合に、刈刃が回転すると、接地体の本体部と刈刃が接触していることによって、金属音が発生する。比較的に弾性変形しやすい樹脂からなる部材を刈刃の下面に接触させることによって、比較的に弾性変形しにくい樹脂からなる部材が刈刃の下面に接触する構成よりも、金属音の発生を抑制することができる。上記の構成によると、刈刃の下面には、第1樹脂及び第2樹脂よりも弾性変形しやすい第3樹脂からなる第3本体部が当接する。従って、草刈機が動作している際に発生する金属音を抑制することができる。この結果、草刈機の静粛性を向上させることができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1本体部は、取付部に連結される円筒部と、円筒部の下端から径方向外側に延びるフランジ部と、を備えてもよい。第3本体部は、フランジ部の上面に設けられていてもよい。
【0026】
上記の構成によると、第1樹脂からなるフランジ部の上面が刈刃の下面に当接することを防止することができる。即ち、第1樹脂からなる第1本体部が刈刃の下面に当接することをより確実に防止することができる。従って、刈刃が回転しているときに発生する金属音をより確実に抑制することができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第3本体部は、第1本体部及び第2本体部とは別体に構成されていてもよい。フランジ部の上面には、下方に陥凹した形状を有する窪み部が設けられていてもよい。第3本体部は、窪み部に設けられていてもよい。第3本体部の上端は、フランジ部の上端よりも上方に位置していてもよい。
【0028】
第3本体部が第1本体部及び第2本体部と別体に構成されている場合に、第3本体部を刈刃の下面に当接させるためには、第3本体部をフランジ部の上面に載置する必要がある。この場合、刈刃が回転している間に、第3本体部がフランジ部の上面から離れることを防止するために、接着、溶接などによって、第3本体部をフランジ部の上面に固定させる必要がある。上記の構成によると、第3本体部は、フランジ部の上面に設けられる窪み部に配置される。この場合、接着、溶接などによって、第3本体部をフランジ部の上面に固定させなくても、刈刃が回転している間に、第3本体部がフランジ部の上面から離れることを防止することができる。従って、本体部の構造を簡単化することができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1樹脂の材質と第2樹脂の材質とが異なっていてもよい。第2樹脂は、第1樹脂よりも弾性変形しやすくてもよい。第2本体部が刈刃の下面に当接してもよい。
【0030】
上記の構成によると、刈刃の下面には、第1樹脂よりも弾性変形しやすい第2樹脂からなる第2本体部が当接する。従って、草刈機が動作している際に発生する金属音を抑制することができる。この結果、草刈機の静粛性を向上させることができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1本体部は、取付部に連結される円筒部と、円筒部の下端部から外径方向に延びるフランジ部と、を備えてもよい。第2本体部は、フランジ部の上面に設けられていてもよい。
【0032】
上記の構成によると、第1樹脂からなるフランジ部の上面が刈刃の下面に当接することを防止することができる。即ち、第1樹脂からなる第1本体部が刈刃の下面に当接することをより確実に防止することができる。従って、刈刃が回転しているときに発生する金属音をより確実に抑制することができる。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第2本体部は、フランジ部の内周面に設けられていてもよい。
【0034】
上記の構成によると、第1樹脂からなるフランジ部の内周面が刈刃の下面に当接することを防止することができる。即ち、第1樹脂からなる第1本体部が刈刃の下面に当接することをより確実に防止することができる。従って、刈刃が回転しているときに発生する金属音をより確実に抑制することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第2本体部は、1本体部と別体に構成されていてもよい。フランジ部の上面には、下方に陥凹した形状を有する窪み部が設けられていてもよい。第2本体部は、窪み部に設けられていてもよい。第2本体部の上端は、フランジ部の上端よりも上方に位置していてもよい。
【0036】
第2本体部が第1本体部と別体に構成されている場合に、第2本体部を刈刃の下面に当接させるためには、第2本体部をフランジ部の上面に載置する必要がある。この場合、刈刃が回転している間に、第2本体部がフランジ部の上面から離れることを防止するために、接着、溶接などによって、第2本体部をフランジ部の上面に固定させる必要がある。上記の構成によると、第2本体部は、フランジ部の上面に設けられる窪み部に配置される。この場合、接着、溶接などによって、第2本体部をフランジ部の上面に固定させなくても、刈刃が回転している間に、第2本体部がフランジ部の上面から離れることを防止することができる。従って、本体部の構造を簡単化することができる。
【0037】
(第1実施例)
図1~
図3を参照して、第1実施例の草刈機2について説明する。
図1に示すように、草刈機2は、刈刃ユニット10と、操作棹12と、後部ハウジング14と、を備えている。以下では、
図1の地面P1に垂直な方向を上下方向と呼び、
図1において上下方向に直交する方向を前後方向と呼び、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向と呼ぶことがある。
【0038】
操作棹12の前部12aには刈刃ユニット10が設けられており、操作棹12の後部12bには後部ハウジング14が設けられている。操作棹12は、刈刃ユニット10から後方上方に延びている。操作棹12は、刈刃ユニット10と後部ハウジング14とを接続する。
【0039】
操作棹12は、中空のパイプ形状を有しており、直線状に伸びている。操作棹12には、利用者が把持するためのループハンドル20が設けられている。操作棹12のループハンドル20と後部ハウジング14の間には、グリップ22が設けられている。グリップ22は、操作棹12の外周を覆うように形成されている。グリップ22は、上面に設けられたロックオフレバー24と、下面に設けられた起動スイッチ26と、を備えている。ロックオフレバー24は、起動スイッチ26の押し込み操作の規制および規制の解除を行うためのレバーである。起動スイッチ26は、後述するモータ(図示省略)を駆動させるためのスイッチである。起動スイッチ26が押し込まれていない状態では、モータへの電力の供給が遮断されている。起動スイッチ26が押し込まれた状態では、モータへ電力が供給される。ロックオフレバー24が押し込まれていない状態では、起動スイッチ26の押し込み操作が規制される。ロックオフレバー24が押し込まれた状態では、起動スイッチ26の押し込み操作の規制が解除される。操作棹12の内部には、モータの駆動により回転する伝達シャフト28(
図2参照)が回転可能に収容されている。
【0040】
後部ハウジング14には、モータ(図示省略)と、制御基板(図示省略)と、が収容されている。モータは、ブラシレスDCモータであってもよいし、ブラシ付きDCモータであってもよいし、ACモータ等の他の種類のモータであってもよい。また、変形例では、後部ハウジング14にエンジンが収容されていてもよい。制御基板は、モータの動作を制御する。後部ハウジング14の後部には、電力配線30の一端が接続されている。電力配線30の他端には、コネクタ32が設けられている。コネクタ32には、バッテリ(図示省略)等の外部電源から延びる電力配線が接続される。モータは、電力配線30を介して供給される電力により動作する。
【0041】
図1、
図2に示すように、刈刃ユニット10は、ギヤハウジング40と、安全カバー42と、刈刃44と、接地体46と、を備えている。刈刃44は、前方に延びる刃先と後方に延びる刃先で構成される2枚刃である。刈刃44は、金属製の刈刃である。変形例では、刈刃44は、4枚刃、8枚刃、円盤状のチップソーであってもよい。また、別の変形例では、刈刃44は、ナイロンコードであってもよい。
図2に示すように、ギヤハウジング40の後部上方には、操作棹12の前部12aを挿入させるための挿入孔40aが設けられている。ギヤハウジング40には、第1ギヤ48と、第2ギヤ50と、刈刃シャフト52と、が収容されている。第1ギヤ48には、伝達シャフト28が取付けられている。第2ギヤ50には、刈刃シャフト52が取付けられている。第1ギヤ48は、第2ギヤ50に噛み合っている。第1ギヤ48及び第2ギヤ50は、ベベルギヤである。
【0042】
ギヤハウジング40の下部には、開口40bが設けられている。刈刃ユニット10は、さらに、伝達部54と、上側金具56と、下側金具58と、ナット部材60と、を備えている。伝達部54は、開口40bに設けられている。伝達部54は、円筒部54aと、円筒部54aから径方向外側に延びる円板部54bと、を備えている。伝達部54の円筒部54aは、刈刃シャフト52に着脱可能に取付けられている。上側金具56は、伝達部54の円板部54bの下面側に設けられている。刈刃44は、上側金具56の下面側に設けられている。下側金具58は、刈刃44の下面側に設けられている。ナット部材60は、刈刃シャフト52の下部に形成されているねじ部52aに係合している。ナット部材60と下側金具58との間には、後述する接地体46の取付部70が設けられている。刈刃シャフト52の下端52bは、ナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。ナット部材60を締め付けることによって、上側金具56と下側金具58との間に刈刃44が挟持される。この状態において、刈刃シャフト52が回転すると、伝達部54、上側金具56、下側金具58、ナット部材60、接地体46、及び、刈刃44が一体的に回転する。
【0043】
続いて、
図1~
図4を参照して、接地体46について説明する。接地体46は、取付部70と、本体部72と、を備えている。取付部70は、円板部74と、連結部76と、を備えている。円板部74は、中央部分が上方に突出している。円板部74の中央部分には、貫通孔74aが設けられている。円板部74は、下側金具58とナット部材60との間に設けられている。連結部76は、本体部72に連結されている。
【0044】
続いて、本体部72について説明する。本実施例の接地体46は、2色成形によって形成されている。本体部72は、第1の色を有する第1樹脂と、第2の色を有する第2樹脂と、からなっている。第1の色、及び、第2の色は、特に限定されないが、例えば、第1の色が「黒色」であり、第2の色が、「灰色」である。なお、第1樹脂の材質と第2樹脂の材質とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。
図2~
図4では、第1樹脂の色と第2樹脂の色との違いを明確にするために、第1の色を有する第1樹脂からなる部分を「白色」で示し、第2の色を有する第2樹脂からなる部分を「灰色」で示している。以下では、本体部72の全体形状について説明した後に、本体部72のうち、第1樹脂からなる部分と、第2樹脂からなる部分と、について説明する。
【0045】
図3、
図4に示すように、本体部72は、内側円筒部80と、フランジ部82と、6個のリブ部84と、を備えている。
図2に示すように、内側円筒部80の内径は、ナット部材60の外径よりも大きい。内側円筒部80の上部には、取付部70の連結部76が連結されている。フランジ部82は、内側円筒部80の下端部から径方向外側に延びる湾曲部86と、湾曲部86の外周端から上方に延びる外側円筒部88と、を有している。湾曲部86は、径方向外側に向かうにつれて下方から上方に向かうように湾曲している。外側円筒部88の上面は、刈刃44の下面に当接している。
図3に示すように、リブ部84は、内側リブ部90と、外側リブ部92と、を有している。内側リブ部90は、内側円筒部80の外周面から径方向外側に延びている。内側リブ部90の上面の高さは、内側円筒部80の上面の高さと同じである。外側リブ部92は、内側リブ部90の径方向外側の端部から径方向外側に延びている。外側リブ部92は、外側円筒部88の内周面に接続されている。外側リブ部92の上面の高さは、外側円筒部88の上面の高さと同じである。
【0046】
続いて、本体部72のうち、第1樹脂からなる部分と、第2樹脂からなる部分と、について説明する。以下では、第1樹脂からなる部分、第2樹脂からなる部分を、それぞれ、「第1本体部78」、「第2本体部79」と記載する。
図2に示すように、本体部72のうち、前後方向及び左右方向を含む平面P2よりも下方の部分が第1本体部78であり、本体部72のうち、平面P2よりも上方の部分が第2本体部79である。平面P2は、上下方向において、刈刃シャフト52の下端52bよりも距離Dだけ下方に位置している平面である。
【0047】
図2に示すように、内側円筒部80は、平面P2よりも下方の部分である第1内側円筒部80aと、平面P2よりも上方の部分である第2内側円筒部80bと、で構成されている。このため、第1内側円筒部80aは第1樹脂からなっており、第2内側円筒部80bは第2樹脂からなっている。また、フランジ部82の湾曲部86は、平面P2よりも下方の部分である第1湾曲部86aと、平面P2よりも上方の部分である第2湾曲部86bと、で構成されている。このため、第1湾曲部86aは第1樹脂からなっており、第2湾曲部86bは第2樹脂からなっている。また、フランジ部82の外側円筒部88は、平面P2よりも上方に設けられている。このため、外側円筒部88は、第2樹脂のみからなっている。また、内側リブ部90は、平面P2よりも下方の部分である第1内側リブ部90aと、平面P2よりも上方の部分である第2内側リブ部90bと、で構成されている。このため、第1内側リブ部90aは第1樹脂からなっており、第2内側リブ部90bは第2樹脂からなっている。また、外側リブ部92は、平面P2よりも下方の部分である第1外側リブ部92aと、平面P2よりも上方の部分である第2外側リブ部92bと、で構成されている。このため、第1外側リブ部92aは第1樹脂からなっており、第2外側リブ部92bは第2樹脂からなっている。従って、第1本体部78は、第1内側円筒部80aと、第1湾曲部86aと、第1内側リブ部90aと、第1外側リブ部92aと、で構成されている。また、第2本体部79は、第2内側円筒部80bと、第2湾曲部86bと、外側円筒部88と、第2内側リブ部90bと、第2外側リブ部92bと、で構成されている。このように、本実施例では、第1本体部78の上面に第2本体部79が設けられている。また、第2本体部79の下端79aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に設けられている。さらに、第1本体部78の下端78aは、第2本体部79の下端79aよりも下方に設けられている。
【0048】
1またはそれ以上の実施形態において、接地体46は、
図1、
図2に示すように、接地体46を刈刃シャフト52に取付けるための取付部70と、取付部70に連結されており、地面P1に接地する本体部72と、を備えている。刈刃シャフト52において、接地体46よりも上方に刈刃44が取付けられている。本体部72は、第1樹脂からなる第1本体部78と、第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部79と、を有する。本体部72を2種類の樹脂で構成することで、本体部72が1種類の樹脂で構成されている場合と比較して、ユーザの視認性を向上させたり、草刈機2の静粛性を向上させたりすることができる。
【0049】
また、1またはそれ以上の実施形態において、接地体46は、
図2に示すように、ナット部材60によって刈刃シャフト52に取付けられている。取付部70は、刈刃シャフト52が通過する貫通孔74aを有している。第1樹脂の色と第2樹脂の色とが異なっている。第2本体部79の下端79aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置しており、第1本体部78の下端78aは、第2本体部79の下端79aよりも下方に位置している。草刈機2が利用される場合に、地面P1に接地する接地体46の本体部72が擦り減っていく。本体部72が擦り減っていくことで、刈刃シャフト52又はナット部材60が地面P1に接地するようになる。特に、ナット部材60の外周面が擦り減ってしまうと、工具を利用してナット部材60を容易に取外すことができなくなる。即ち、接地体46や刈刃44を容易に交換できなくなる。このため、刈刃シャフト52又はナット部材60が地面P1に接地する前に、接地体46を交換することが望ましい。上記の構成によると、第2本体部79の下端79aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置しており、第1本体部78の下端78aは、第2本体部79の下端79aよりも下方に位置している。また、第1樹脂の色と第2樹脂の色とは異なっている。このため、ユーザは、第1本体部78が擦り減って第2本体部79が露出した時に、第1本体部78と第2本体部79との境界を容易に把握することができる。従って、ユーザは、第2本体部79の下端79aが露出した時点、即ち、刈刃シャフト52又はナット部材60が地面P1に接地するようになる前に、接地体46を交換することができる。この結果、ナット部材60の外周面が擦り減ることを抑制することができる。
【0050】
また、1またはそれ以上の実施形態において、
図2に示すように、第1本体部78の上面には、第2本体部79が設けられている。上記の構成によると、第1本体部78の上面まで第1本体部78が擦り減っていくことで、第1本体部78と第2本体部79との境界が存在しなくなる。このような構成によると、ユーザは、第1本体部78と第2本体部79との境界が視認できなくなる場合に、接地体46を交換する。従って、ナット部材60の外周面が擦り減ることを抑制することができる。
【0051】
また、1またはそれ以上の実施形態において、
図1~
図4に示すように、草刈機2は、操作棹12と、操作棹12の前部12aに設けられている刈刃シャフト52と、刈刃シャフト52の取付けられている刈刃44と、刈刃44よりも下方において刈刃シャフト52に取付けられており、地面P1に接地する接地体46と、を備えている。接地体46は、接地体46を刈刃シャフト52に取付けるための取付部70と、取付部70に連結されており、地面P1に接地する本体部72と、を備えている。本体部72は、第1樹脂からなる第1本体部78と、第1樹脂とは異なる第2樹脂からなる第2本体部79と、を有している。接地体46の本体部72を2種類の樹脂で構成することで、本体部72が1種類の樹脂で構成されている場合と比較して、ユーザの視認性を向上させたり、草刈機2の静粛性を向上させたりすることができる。
【0052】
(第2実施例)
続いて、
図5を参照して、第2実施例の接地体246について説明する。なお、実施例間で共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、接地体246は、取付部70と、本体部272と、を備えている。第1実施例の本体部72と同様に、本実施例の本体部272は2色成形で形成されている。即ち、本体部272は、第1の色を有する第1樹脂と、第2の色を有する第2樹脂と、からなっている。本体部272は、第1樹脂からなる第1本体部278と、第2樹脂からなる第2本体部279と、を備えている。
【0054】
第1本体部278は、内側円筒部280と、フランジ部282と、を備えている。内側円筒部280の形状は、第1実施例の内側円筒部80(
図2参照)の形状と同じである。フランジ部282は、内側円筒部280の下端部から径方向外側に延びる湾曲部286と、湾曲部286の外周端から上方に延びる外側円筒部288と、を有している。外側円筒部288の形状は、第1実施例の外側円筒部88(
図2参照)の形状と同じである。湾曲部286の外形は、第1実施例の湾曲部86(
図2参照)の外形と同じである。湾曲部286の上部には、下方に窪んでいる凹部290が設けられている。凹部290の下端290aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。
【0055】
第2本体部279は、第1本体部278の内周面(詳細には、内側円筒部280の外周面、湾曲部286の上面、及び、外側円筒部288の内周面)に設けられている。また、第2本体部279は、湾曲部286の上部に設けられている凹部290内にも設けられている。第2本体部279の下端279aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。また、第1本体部278の下端278aは、第2本体部279の下端279aよりも下方に設けられている。
【0056】
1またはそれ以上の実施形態において、
図5に示すように、第1本体部278のフランジ部282の外周面は地面P1に接地し、第1本体部278のフランジ部282の内周面(即ち、湾曲部286の上面、及び、外側円筒部288の内周面)には、第2本体部279が設けられている。上記の構成によると、第1本体部278が擦り減る場合に、刈刃シャフト52又はナット部材60が地面P1に接地するよりも前に、第1本体部278の内周面に設けられている第2本体部279が露出する。このような構成によると、ユーザは、露出した第2本体部279が視認できるようになった時点で、接地体246を交換することで、ナット部材60の外周面が擦り減ることを抑制することができる。
【0057】
また、1またはそれ以上の実施形態において、
図5に示すように、第1本体部278のフランジ部282の内周面(詳細には、湾曲部286の上面)には、凹部290が設けられている。凹部290の下端290aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。凹部290内には、第2本体部279が設けられている。上記の構成によると、第1本体部278が擦り減っていくことで凹部290に設けられている第2本体部279が露出する。このような構成によると、ユーザは、露出した第2本体部279が視認できるようになった時点で、接地体246を交換することで、ナット部材60の外周面が擦り減ることを抑制することができる。
【0058】
(第3実施例)
続いて、
図6を参照して、第3実施例の接地体346について説明する。接地体346は、取付部70と、本体部372と、を備えている。本実施例の本体部372も、2色成形で形成されている。本実施例では、本体部372は、第1樹脂からなる第1本体部378と、第2樹脂からなる第2本体部379と、で構成されている。第2樹脂は、第1樹脂よりも弾性変形しやすい。例えば、第2樹脂(即ち第2本体部379)のヤング率は、第1樹脂(即ち第1本体部378)のヤング率よりも小さい。第1樹脂は、例えば、PA6からなる樹脂であり、第2樹脂は、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU、ウレタン樹脂)からなる樹脂である。
【0059】
第1本体部378は、内側円筒部380と、フランジ部382と、を備えている。内側円筒部380の形状は、第1実施例の内側円筒部80(
図2参照)の形状と同じである。フランジ部382は、内側円筒部380の下端部から径方向外側に延びる湾曲部386と、湾曲部386の外周端から上方に延びる外側円筒部388と、を有している。外側円筒部388は、湾曲部386の外周端から上方に延びている。外側円筒部388の上面は、刈刃44の下面に当接していない。湾曲部386の外形は、第1実施例の湾曲部86(
図2参照)の外形と同じである。湾曲部386の上端386aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。
【0060】
第2本体部379は、内側円筒部380の外周面、湾曲部386の上面、外側円筒部388の内周面、及び、外側円筒部388の上面に設けられている。第2本体部379の上面は、刈刃44の下面に当接している。また、第2本体部379の下端379aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。さらに、第1本体部378の下端378aは、第2本体部379の下端379aよりも下方に設けられている。
【0061】
1またはそれ以上の実施形態において、第1樹脂の材質と第2樹脂の材質が異なっており、第2樹脂は、第1樹脂よりも弾性変形しやすい。
図6に示すように、第2本体部379は、刈刃44の下面に当接している。比較的に弾性変形しやすい樹脂からなる部材を刈刃44の下面に接触させることによって、比較的に弾性変形しにくい樹脂からなる部材が刈刃44の下面に接触する構成よりも、金属音の発生を抑制することができる。上記の構成によると、刈刃44の下面には、比較的に弾性変形しやすい第2樹脂からなる第2本体部379が当接している。従って、草刈機2が動作している際に発生する金属音を抑制することができる。この結果、草刈機2の静粛性を向上させることができる。なお、金属音を抑制するという観点においては、第2本体部379は、少なくとも刈刃44の下面に当接していればよく、下端379a、外側円筒部388に沿った部分を有していなくてもよい。
【0062】
また、1またはそれ以上の実施形態において、第1本体部378は、
図6に示すように、取付部70に連結される内側円筒部380と、内側円筒部380の下端部から径方向外側に延びるフランジ部382と、を備えている。第2本体部379は、フランジ部382の上面に設けられている。上記の構成によると、第1樹脂からなるフランジ部382の上面が刈刃44の下面に当接することを防止することができる。即ち、第1樹脂からなる第1本体部378が刈刃44の下面に当接することをより確実に防止することができる。従って、刈刃44が回転しているときに発生する金属音をより確実に抑制することができる。
【0063】
また、1またはそれ以上の実施形態において、第2本体部379は、
図6に示すように、フランジ部382の内周面に設けられている。上記の構成によると、第1樹脂からなるフランジ部382の内周面が刈刃44の下面に当接することを防止することができる。即ち、第1樹脂からなる第1本体部378が刈刃44の下面に当接することをより確実に防止することができる。従って、刈刃44が回転しているときに発生する金属音をより確実に抑制することができる。
【0064】
(対応関係)
内側円筒部380が、「円筒部」の一例である。
【0065】
(第4実施例)
続いて、
図7を参照して、第4実施例の接地体446について説明する。接地体446は、取付部70と、本体部472と、を備えている。本体部472は、地面P1に接地する接地部474と、内側本体部476と、当接部478と、を備えている。接地部474と内側本体部476とは一体的に形成されている。接地部474と内側本体部476とは2色成形で形成されている。当接部478は、接地部474及び内側本体部476とは別体に形成されている。当接部478は、例えばゴム製のOリングであり、接地部474及び内側本体部476よりも弾性変形しやすい樹脂からなる。例えば、当接部478のヤング率は、接地部474と内側本体部476のヤング率よりも小さい。
【0066】
接地部474は、内側円筒部480と、フランジ部482と、を備えている。内側円筒部480の形状は、第2実施例の内側円筒部280(
図5参照)の形状と同じである。フランジ部482は、内側円筒部480の下端部から径方向外側に延びる湾曲部486と、湾曲部486の外周端から上方に延びる外側円筒部488と、を有している。湾曲部486の形状は、第2実施例の湾曲部286(
図5参照)の形状と同じである。湾曲部486の上部には、下方に窪んでいる第1凹部490が設けられている。第1凹部490の下端490aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。外側円筒部488の上面には、下方に窪んでいる第2凹部492が設けられている。第2凹部492には、当接部478が配置される。当接部478の上端は、外側円筒部488の上端よりも上方に位置している。接地体446が刈刃シャフト52に取り付けられている状態において、外側円筒部488の上端と刈刃44の下面との間には、隙間S1が設けられている。当接部478の上端は、刈刃44の下面に接触している。
【0067】
内側本体部476の形状は、第2実施例の第2本体部279(
図5参照)の形状と同じである。内側本体部476は、接地部474の内周面(詳細には、内側円筒部480の外周面、湾曲部486の上面、及び、外側円筒部488の内周面)に設けられている。また、内側本体部476は、第1凹部490内にも設けられている。内側本体部476の下端476aは、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置している。また、接地部474の下端474aは、内側本体部476の下端476aよりも下方に設けられている。
【0068】
1またはそれ以上の実施形態において、本体部472は、接地部474(「第1本体部」の一例)と、内側本体部476(「第2本体部」の一例)と、当接部478(「第3本体部」の一例)と、を備えている。当接部478の材質は、接地部474の材質及び内側本体部476と異なっている。当接部478は、接地部474及び内側本体部476よりも弾性変形しやすい。当接部478が刈刃44の下面に当接する。上記の構成によると、刈刃44の下面には、接地部474及び内側本体部476よりも弾性変形しやすい第3樹脂からなる当接部478が当接する。従って、草刈機2が動作している際に発生する金属音を抑制することができる。この結果、草刈機2の静粛性を向上させることができる。
【0069】
1またはそれ以上の実施形態において、接地部474は、内側円筒部480(「円筒部」の一例)と、フランジ部482と、を備えている。当接部478は、フランジ部482の上面に設けられている。上記の構成によると、第1樹脂からなるフランジ部482の上面が刈刃44の下面に当接することを防止することができる。即ち、第1樹脂からなる接地部474が刈刃44の下面に当接することをより確実に防止することができる。従って、刈刃44が回転しているときに発生する金属音をより確実に抑制することができる。
【0070】
1つまたはそれ以上の実施形態において、接地部474は、接地部474及び内側本体部476と別体に構成されている。フランジ部482の上面には、下方に陥凹した形状を有する第2凹部492(「窪み部」の一例)が設けられている。接地部474は、第2凹部492に設けられている。接地部474の上端は、フランジ部482の上端よりも上方に位置している。上記の構成によると、接地部474は、フランジ部482の上面に設けられる第2凹部492に配置される。この場合、接着、溶接などによって、接地部474をフランジ部482の上面に固定させなくても、刈刃44が回転している間に、接地部474がフランジ部482の上面から離れることを防止することができる。従って、本体部472の構造を簡単化することができる。
【0071】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0072】
(第1変形例)
図5に示す第2実施例において、第1本体部278の湾曲部286の上部に、凹部290が設けられていなくてもよい。本変形例では、湾曲部286の上面は、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置しているとよい。これにより、フランジ部282の内周面(即ち、内側円筒部280の外周面、湾曲部286の上面及び外側円筒部288の内周面)に設けられる第2本体部279の下端279aが、刈刃シャフト52の下端52b及びナット部材60の下端60aよりも下方に位置するようになる。
【0073】
(第2変形例)
図6に示す第3実施例において、第1本体部378に代えて、第2本体部379が、フランジ部を有していていもよい。本変形例では、第2樹脂からなるフランジ部の上面が刈刃44の下面に当接する。
【0074】
(第3変形例)
図6に示す第3実施例において、第2本体部379は、フランジ部382の上面(詳細には外側円筒部388の上面)にのみ設けられていてもよい。即ち、第2本体部379が、フランジ部382の内周面(詳細には湾曲部386の内周面)に設けられていなくてもよい。
【0075】
(第4変形例)
図1~
図4に示す第1実施例における第1本体部78と第2本体部79とが別体に形成されていてもよい。また、
図5に示す第2実施例における第1本体部278と第2本体部279とが別体に形成されていてもよい。また、
図6に示す第3実施例における第1本体部378と第2本体部379とが別体に形成されていてもよい。
【0076】
(第5変形例)
図7に示す第4実施例において、本体部472は、接地部474と、当接部478と、を備えており、内側本体部476を備えていなくてもよい。本変形例では、接地部474、当接部478が、それぞれ、「第1本体部」、「第2本体部」の一例である。このような構成によっても、草刈機2が動作している際に発生する金属音を抑制することができ、草刈機2の静粛性を向上させることができる。
【0077】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0078】
2 :草刈機
10 :刈刃ユニット
12 :操作棹
12a :前部
12b :後部
14 :後部ハウジング
20 :ループハンドル
22 :グリップ
24 :ロックオフレバー
26 :起動スイッチ
28 :伝達シャフト
30 :電力配線
32 :コネクタ
40 :ギヤハウジング
40a :挿入孔
40b :開口
42 :安全カバー
44 :刈刃
46 :接地体
48 :第1ギヤ
50 :第2ギヤ
52 :刈刃シャフト
52a :ねじ部
52b :下端
54 :伝達部
54a :円筒部
54b :円板部
56 :上側金具
58 :下側金具
60 :ナット部材
60a :下端
70 :取付部
72 :本体部
74 :円板部
74a :貫通孔
76 :連結部
78 :第1本体部
78a :下端
79 :第2本体部
79a :下端
80 :内側円筒部
80a :第1内側円筒部
80b :第2内側円筒部
82 :フランジ部
84 :リブ部
86 :湾曲部
86a :第1湾曲部
86b :第2湾曲部
88 :外側円筒部
90 :内側リブ部
90b :第2内側リブ部
92 :外側リブ部
92b :第2外側リブ部
246 :接地体
272 :本体部
278 :第1本体部
278a :下端
279 :第2本体部
279a :下端
280 :内側円筒部
282 :フランジ部
286 :湾曲部
288 :外側円筒部
290 :凹部
290a :下端
346 :接地体
372 :本体部
378 :第1本体部
378a :下端
379 :第2本体部
379a :下端
380 :内側円筒部
382 :フランジ部
386 :湾曲部
386a :上端
388 :外側円筒部
446 :接地体
472 :本体部
474 :接地部
474a :下端
476 :内側本体部
476a :下端
478 :当接部
480 :内側円筒部
482 :フランジ部
486 :湾曲部
488 :外側円筒部
490 :第1凹部
490a :下端
492 :第2凹部