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特許7667839ウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】ウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20250416BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20250416BHJP
   F04D 13/06 20060101ALI20250416BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20250416BHJP
【FI】
H05K7/00 G
B29C45/14
H05K7/00 L
F04D13/06 A
F04D29/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023190117
(22)【出願日】2023-11-07
(65)【公開番号】P2025038846
(43)【公開日】2025-03-19
【審査請求日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】202311153171.3
(32)【優先日】2023-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520303151
【氏名又は名称】上海合璧電子元件有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523406299
【氏名又は名称】東莞市東坑合利美電子電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】蕭裕明
(72)【発明者】
【氏名】董小亞
(72)【発明者】
【氏名】梁虎
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-028909(JP,A)
【文献】特許第4906807(JP,B2)
【文献】特開平09-153687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00 - 7/20
3/32 - 3/34
H02K 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターポンプのハウジング内に配置され、回路基板およびケーブルホルダーを備え、
前記回路基板は一側の辺縁部に位置する設置部位と、前記設置部位に所定の距離を置く二つの位置決め孔と、それぞれの前記位置決め孔と前記設置部位との間に位置する差込部とを有し、
前記ケーブルホルダーは二つの外側へ伸びていくアームを有し、それぞれの前記アームは上に伸びていく柱状位置決め部と、前記柱状位置決め部と前記ケーブルホルダーとの間に位置する上向きの差込空間とを有し、
前記ケーブルホルダーと二つの前記アームの前記柱状位置決め部の先端部とのうちのいずれか一つまたは一つ以上は押さえ縁部を有し、
二つの前記柱状位置決め部は前記回路基板の下方から上方へ向けて二つの前記位置決め孔を貫通し、二つの前記アームは前記回路基板の下方に位置し、
前記回路基板の二つの前記差込部は前記ケーブルホルダーの二つの前記差込空間に差し込まれ、
前記押さえ縁部は前記回路基板の上方に配置され
前記アームと前記押さえ縁部とにより前記回路基板の設置部位の下方と上方の両面を押さえることを特徴とする、
ウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造。
【請求項2】
前記ケーブルホルダーは外側に凹んで形成された嵌合溝を有し、
前記回路基板は前記設置部位の外側に突出して形成された嵌合部を有し、前記嵌合部は前記嵌合溝に嵌まり込むことを特徴とする請求項1に記載のウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造。
【請求項3】
前記ケーブルホルダーは複数の貫通孔を有し、
複数のケーブルは二つの前記アームの間に配置され、それぞれ前記貫通孔を貫通することを特徴とする請求項1に記載のウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造。
【請求項4】
前記押さえ縁部は前記ケーブルホルダーから上向きかつ横向きに広がって形成されることを特徴とする請求項1に記載のウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造。
【請求項5】
それぞれの前記柱状位置決め部はプラスチックで製作され、前記先端部に前記押さえ縁部を有し、前記押さえ縁部は前記柱状位置決め部の前記先端部の溶融変形によって成型されることを特徴とする請求項1に記載のウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造。
【請求項6】
前記ケーブルホルダーは一部分が前記ハウジングに露出し、別の部分が前記ハウジングで被覆され、
前記回路基板は前記ハウジング内に据えられることを特徴とする請求項1に記載のウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーターポンプに関し、詳しくはウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の排水ポンプにおいて、特許文献1はポンプおよびその製造方法を開示している。特許文献1において、スペーサーは下部金型の上に配置される。固定子および制御部材はスペーサーの上に配置される。ハウジングは金型内に射出成型される。上述した構造の特徴により、固定子および制御部材はハウジングで被覆される。
【0003】
特許文献1において、固定子および制御部材にハウジングを射出成型して被覆する技術概念が公開されているが、実際に射出成型過程において液状のプラスチック材料を金型に注入する時に生じる圧力および押出力がケーブルを連結するケーブルホルダーを回路基板上の所定の位置から移動させ、回路基板から逸脱させてしまうことがあり得るため、製品のうち良品の割合を低下させてしまう。
【0004】
このため、予めケーブルホルダーを回路基板に固定できないことが原因で後続の射出成型過程において良品の割合を低下させてしまうという問題を解決することが本発明の課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】CN100491739C号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造を提供することを主な目的とする。本発明によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造はケーブルホルダーが確実に回路基板に固定されるため、射出成型過程においてケーブルホルダーが圧力および押出力を受けても回路基板から逸脱せず、不良品の発生を解消することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、ウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造はウォーターポンプのハウジング内に配置され、回路基板およびケーブルホルダーを備える。回路基板は一側の辺縁部に位置する設置部位と、設置部位に所定の距離を置く二つの位置決め孔と、それぞれの位置決め孔と設置部位との間に位置する差込部とを有する。ケーブルホルダーは二つの外側へ伸びていくアームを有する。それぞれのアームは上に伸びていく柱状位置決め部と、柱状位置決め部とケーブルホルダーとの間に形成された差込空間とを有する。ケーブルホルダーおよび二つのアームの柱状位置決め部の先端部のうちのいずれか一つまたは一つ以上は押さえ縁部を有する。二つの柱状位置決め部は回路基板の二つの位置決め孔を貫通する。二つのアームは回路基板の下方に位置する。回路基板の二つの差込部はケーブルホルダーの二つの差込空間に差し込まれる。押さえ縁部は回路基板の上方に配置されたうえで回路基板を押さえる。
【0008】
詳しく言えば、本発明において、ケーブルホルダーは回路基板に確実に固定されるため、ハウジングの射出成型過程において回路基板から逸脱することが発生しない。上述した構造の特徴により、製品の品質を確保し、不良品の発生を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造が形成してあるウォーターポンプを示す断面図である。
図2】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造を示す分解平面図である。
図4】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造においてのケーブルホルダーを示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造においてケーブルがケーブルホルダーを貫通する状態を示す斜視図である。
図6図2中の6-6線に沿った断面図である。
図7】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造においてスペーサーおよび固定子を組み合わせた状態を示す断面図である。
図8】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造を含む金型を示す断面図である。
図9】本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造に成型されたハウジングを示す断面図である。
図10】本発明の第2実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造を図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1から図6に示すように、本発明の第1実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造10はウォーターポンプ91のハウジング92内に配置され、回路基板11およびケーブルホルダー21から構成される。
【0012】
回路基板11は一側の辺縁部に位置する設置部位12と、設置部位12に所定の距離を置く二つの位置決め孔14と、それぞれの位置決め孔14と設置部位12との間に位置する差込部16とを有する。
【0013】
ケーブルホルダー21は二つの外側へ伸びていくアーム22を有する。それぞれのアーム22は末端部から上に突出して形成された柱状位置決め部221と、柱状位置決め部221とケーブルホルダー21との間に位置する差込空間23とを有する。ケーブルホルダー21はさらに押さえ縁部24を有する。第1実施形態において、押さえ縁部24はケーブルホルダー21から上かつ横向きに広がって形成される。
【0014】
二つの柱状位置決め部221は回路基板11の二つの位置決め孔14を貫通する。二つのアーム22は回路基板11の下方に位置する。回路基板11の二つの差込部16はケーブルホルダー21の二つの差込空間23に差し込まれる。押さえ縁部24は回路基板11の上方に配置されたうえで回路基板11を押さえる。
【0015】
第1実施形態において、ケーブルホルダー21は外側に凹んで形成された嵌合溝26を有する。回路基板11は設置部位12の外側に突出して形成された嵌合部121を有する。嵌合部121は嵌合溝26に嵌まり込む。ケーブルホルダー21は複数の貫通孔28を有する。複数のケーブル31は二つのアーム22の間に配置され、それぞれ貫通孔28を貫通する。射出成型ステップにおいてハウジング92を成型した後、ケーブルホルダー21は一部分がハウジング92に露出し、別の部分がハウジング92で被覆される。回路基板11はハウジング92内に位置する。
【0016】
以上は第1実施形態の構造についての説明である。続いて第1実施形態において射出成型工程を進める状態について説明を進める。
【0017】
図2および図6に示すように、ケーブルホルダー21と回路基板11をあらかじめ結合させ、押さえ縁部24で回路基板11を押さえ、二つの柱状位置決め部221を二つの位置決め孔14に差し込めば、クランプおよび位置決めの関係が成立し、即ちケーブルホルダー21が回路基板11の上に固定される。
【0018】
続いて、図7に示すように、結合した回路基板11およびケーブルホルダー21を固定子94およびスペーサー96の上に配置する。図8に示すように、それらをまとめて金型100の中に移す。図9に示すように、金型100にハウジング92を射出成型すれば、ハウジング92は固定子94、スペーサー94、回路基板11およびケーブルホルダー21の一部分を覆うように成型される。ケーブルホルダー21は一部分がハウジング92に露出する。
【0019】
第1実施形態において、ケーブルホルダー21は回路基板11に確実に固定されるため、射出成型過程において回路基板11から逸脱することが発生しない。上述した構造の特徴により、製品の品質を確保し、不良品の発生を解消することができる。
【0020】
(第2実施形態)
図10は本発明の第2実施形態によるウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造10’を示す断面図である。第1実施形態との違いは下記のとおりである。
【0021】
第2実施形態において、押さえ縁部24’はケーブルホルダー21’の二つの柱状位置決め部221’の末端部から形成される。第2実施形態は二つのプラスチック製柱状位置決め部221’またはプラスチックで製作した全体ケーブルホルダー21’および二つの柱状位置決め部221’を採用する。二つの柱状位置決め部221’が回路基板11’の二つの位置決め孔14’を貫通した後、二つの柱状位置決め部221’の末端部を熱で溶かし、半球状に変形させれば、二つの押さえ縁部24’は二つの柱状位置決め部221’の末端部に別々に形成されて回路基板11’を押さえる。
【0022】
第2実施形態のほかの構造および達成した効果は第1実施形態と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0023】
上述をまとめると、ケーブルホルダー21に押さえ縁部24を形成する第1実施形態に対し、第2実施形態はケーブルホルダー21’の二つの柱状位置決め部221’に二つの押さえ縁部24’を形成する。言い換えれば、ケーブルホルダーおよび二つの柱状位置決め部に押さえ縁部を配置すれば回路基板を押さえる効果を増大させ、ケーブルホルダーを回路基板に固定して安定させることができることを、第1実施形態および第2実施形態を参考に理解できる。
【0024】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0025】
10、10’ ウォーターポンプの回路基板とケーブルホルダーからなる構造
11、11’ 回路基板
12 設置部位
121 嵌合部
14、14’ 位置決め孔
16 差込部
21、21’ ケーブルホルダー
22 アーム
221、221’ 柱状位置決め部
23 差込空間
24、24’ 押さえ縁部
26 嵌合溝
28 貫通孔
31 ケーブル
91 ウォーターポンプ
92 ハウジング
94 固定子
96 スペーサー
100 金型
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10