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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/08 20090101AFI20250416BHJP
   H04W 92/10 20090101ALI20250416BHJP
   H04W 60/04 20090101ALI20250416BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20250416BHJP
【FI】
H04W8/08
H04W92/10
H04W60/04
H04W84/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023543899
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 JP2022031560
(87)【国際公開番号】W WO2023027022
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2021138943
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119585
【弁理士】
【氏名又は名称】東田 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100203873
【弁理士】
【氏名又は名称】浦部 弘章
(72)【発明者】
【氏名】山本 智之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀明
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/213887(WO,A1)
【文献】特表2021-523608(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0227534(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
RRC(Radio Resource Control)接続を確立し、
前記RRC接続を確立してから経路情報を基地局に送信していない場合に、利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことに基づいて、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含むUEAssistanceInformationメッセージを前記基地局へ送信する通信処理部と、を備え、
前記通信処理部は、
UEInformationRequestメッセージを前記基地局から受信し、
前記UEInformationRequestメッセージの受信に応じて、前記経路情報を含むUEInformationResponseメッセージを前記基地局へ送信する
通信装置。
【請求項2】
前記通信処理部は、前記UEInformationRequestメッセージが前記経路情報の送信を要求するための情報を含む場合、前記経路情報を含む前記UEInformationResponseメッセージを前記基地局へ送信する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信処理部は、前記RRC接続確立の完了を示す第1のメッセージであって、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む第1のメッセージ、又はRRC接続再確立の完了を示す第2のメッセージであって、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む第2のメッセージを前記基地局へ送信する
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記経路情報は、飛行経路又は移動経路の情報を含む
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
通信装置とのRRC(Radio Resource Control)接続を確立し、
前記RRC接続を確立してから経路情報を前記通信装置から受信していない場合に、利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含むUEAssistanceInformationメッセージを前記通信装置から受信する通信処理部と、
前記UEAssistanceInformationメッセージに含まれる前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を取得する情報取得部と、を備え、
前記通信処理部は、
UEInformationRequestメッセージを前記通信装置へ送信し、
前記UEInformationRequestメッセージの送信に応じて、前記経路情報を含むUEInformationResponseメッセージを前記通信装置から受信し、
前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む前記UEAssistanceInformationメッセージは、前記通信装置が前記利用可能な経路情報を有したことに基づいて送信される
基地局。
【請求項6】
前記通信処理部は、前記UEInformationRequestメッセージが、前記経路情報の送信を要求するための情報を含む場合、前記経路情報を含む前記UEInformationResponseメッセージを前記通信装置から受信する
請求項に記載の基地局。
【請求項7】
前記通信処理部は、前記RRC接続確立の完了を示す第1のメッセージであって、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む第1のメッセージ、又はRRC接続再確立の完了を示す第2のメッセージであって、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む第2のメッセージを前記通信装置から受信する
請求項又はに記載の基地局。
【請求項8】
前記経路情報は、飛行経路又は移動経路の情報を含む
請求項に記載の基地局。
【請求項9】
通信装置により行われる方法であって、
RRC(Radio Resource Control)接続を確立し、
前記RRC接続を確立してから経路情報を基地局に送信していない場合に、利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことに基づいて、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含むUEAssistanceInformationメッセージを前記基地局へ送信し、
UEInformationRequestメッセージを前記基地局から受信し、
前記UEInformationRequestメッセージの受信に応じて、前記経路情報を含むUEInformationResponseメッセージを前記基地局へ送信する、ことを含む
方法。
【請求項10】
前記UEInformationRequestメッセージが前記経路情報の送信を要求するための情報を含む場合、前記経路情報を含む前記UEInformationResponseメッセージを前記基地局へ送信することを含む
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記RRC接続確立の完了を示す第1のメッセージであって、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む第1のメッセージ、又はRRC接続再確立の完了を示す第2のメッセージであって、前記利用可能な経路情報を前記通信装置が有したことを示す情報を含む第2のメッセージを前記基地局へ送信することを含む
請求項又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記経路情報は、飛行経路又は移動経路の情報を含む
請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年8月27日に出願された日本出願番号2021-138943号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)のRelease 15では、LTE(Long Term Evolution)のワークアイテムとして、ユーザ機器(user equipment:UE)としてのUAV(Unmanned Aerial Vehicle)向けのいくつかの機能が議論され、仕様化されている(非特許文献1)。
【0004】
仕様化された機能の1つとしてFlight Path機能がある。Flight Path機能では、ネットワークからの要求に応じてUAVの飛行経路(flight path)がUAVからネットワークへ報告される。これにより、ネットワーク側におけるUAVの移動計画に基づいたハンドオーバ又はビームフォーミング等の制御に役立てることが想定されている(非特許文献2)。
【0005】
NR(New Radio)においてはFlight Path機能はまだ規定されていないが、Release 18のワークアイテムの提案の中でFlight Path機能の活用について言及されている(非特許文献3~5)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TS 36.331 V15.14.0 (2021-06), “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Radio Resource Control (RRC); protocol specification (Release 15)”
【文献】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #101bis Sanya, China, 16 - 20 Apr 2018, R2-1805125, Huawei, HiSilicon, CMCC, Fraunhofer, Nokia, Nokia Shanghai Bell, Lenovo, Motorola Mobility, InterDigital, KDDI, "Discussion on flight path information"
【文献】3GPP TSG RAN - RAN-Rel-18 workshop, Online, 2021-06-28 - 2021-07-02, RWS-210190, Ericsson, "Motivation for Rel-18 UAV"
【文献】3GPP TSG RAN Rel-18 workshop, Electronic Meeting, June 28 - July 2, 2021, RWS-210254, Lenovo, Motorola Mobility, "Discussion on UAV Swarm Support in NR RAN for Rel-18"
【文献】3GPP TSG RAN Rel-18 workshop, Electronic Meeting, June 28- July 2, 2021, RWS-210474, ZTE, Sanechips, "Support of UAV for 5G Advanced"
【発明の概要】
【0007】
発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。即ち、非特許文献1及び2で記載されているRelease 15の仕組みでは、UEが移動経路を報告可能となってから当該移動経路に基づく通信制御が可能となるまでのタイムラグが増大するおそれがある。例えば、上記既存の仕組みでは、UEにおいて移動経路が設定されたとしてもネットワークからの特定のRRCメッセージが受信されるまで当該移動経路をネットワークへ報告することができず、当該移動経路に基づく通信制御が可能となるまでのタイムラグが増大するおそれがある。
【0008】
本開示の目的は、UEが移動経路を報告可能となってから当該移動経路に基づく通信制御が可能となるまでのタイムラグを低減することが可能な装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本開示の一態様に係る装置(200)は、上記装置の移動経路に関する経路関連情報を取得する情報取得部(231)と、上記経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを基地局(100)へ送信する通信処理部(235)と、を備え、上記経路関連情報を含むRRCメッセージは、上記装置を起点とするRRCメッセージである。
【0010】
本開示の一態様に係る装置(100)は、ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを上記ユーザ機器から受信する通信処理部と、上記経路関連情報を含むRRCメッセージに含まれる上記経路関連情報を取得する情報取得部と、を備え、上記経路関連情報を含むRRCメッセージは、上記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである。
【0011】
本開示の一態様に係る装置(200)により行われる方法は、上記装置の移動経路に関する経路関連情報を取得することと、上記経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを基地局(100)へ送信することと、を含み、上記経路関連情報を含むRRCメッセージは、上記装置を起点とするRRCメッセージである。
【0012】
本開示の一態様に係る装置(100)により行われる方法は、ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを上記ユーザ機器から受信することと、上記経路関連情報を含むRRCメッセージに含まれる上記経路関連情報を取得することと、を含み、上記経路関連情報を含むRRCメッセージは、上記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである。
【0013】
本開示によれば、UEが移動経路を報告可能となってから当該移動経路に基づく通信制御が可能となるまでのタイムラグを低減することが可能になる。なお、本開示により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
図2】本開示の実施形態に係るユーザ機器の移動経路に基づく通信制御の例を説明するための説明図である。
図3】本開示の実施形態に係る基地局の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係る基地局の概略的なハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係るユーザ機器の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
図6】本開示の実施形態に係るユーザ機器の概略的なハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図7】本開示の実施形態に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
図8】本開示の実施形態の第1の変形例に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
図9】本開示の実施形態の第2の変形例に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0016】
説明は、以下の順序で行われる。
1.システムの構成
2.基地局の構成
3.ユーザ機器の構成
4.動作例
5.変形例
【0017】
<1.システムの構成>
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の構成の例を説明する。図1を参照すると、システム1は、基地局100及びユーザ機器(UE)200を含む。
【0018】
例えば、システム1は、3GPPの技術仕様(Technical Specification:TS)に準拠したシステムである。より具体的には、例えば、システム1は、5G又はNR(New Radio)のTSに準拠したシステムである。当然ながら、システム1は、この例に限定されない。例えば、システム1は、LTE、LTE-A(LTE Advanced)又は4GのTSに準拠したシステムであってもよい。
【0019】
(1)基地局100
基地局100は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)のノードであり、基地局100のカバレッジエリア10内に位置するUE(例えば、UE200)と通信する。
【0020】
例えば、基地局100は、RANのプロトコルスタックを使用してUE(例えば、UE200)と通信する。例えば、当該プロトコルスタックは、RRC(Radio Resource Control)、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、及び、物理(Physical:PHY)レイヤのプロトコルを含む。あるいは、上記プロトコルスタックは、これらのプロトコルの全てを含まず、これらのプロトコルの一部を含んでもよい。
【0021】
例えば、基地局100は、gNBである。gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端(NR user plane and control plane protocol terminations towards the UE)を提供し、NGインターフェースを介して5GC(5G Core Network)に接続されるノードである。あるいは、基地局100は、en-gNBであってもよい。en-gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)においてセカンダリノードとして動作するノードである。
【0022】
基地局100は、複数のノードを含んでもよい。当該複数のノードは、上記プロトコルスタックに含まれる上位レイヤ(higher layer)をホストする第1のノードと、当該プロトコルスタックに含まれる下位レイヤ(lower layer)をホストする第2のノードとを含んでもよい。上記上位レイヤは、RRC、SDAP及びPDCPを含んでもよく、上記下位レイヤは、RLC、MAC、及びPHYレイヤを含んでもよい。上記第1のノードは、CU(central unit)であってもよく、上記第2のノードは、DU(Distributed Unit)であってもよい。なお、上記複数のノードは、PHYレイヤの下位の処理を行う第3のノードを含んでもよく、上記第2のノードは、PHYレイヤの上位の処理を行ってもよい。当該第3のノードは、RU(Radio Unit)であってもよい。
【0023】
あるいは、基地局100は、上記複数のノードのうちの1つであってもよく、上記複数のノードのうちの他のユニットと接続されていてもよい。
【0024】
基地局100は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナー又はIABノードであってもよい。
【0025】
(2)UE200
UE200は、基地局と通信する。例えば、UE200は、基地局100のカバレッジエリア10内に位置する場合に、基地局100と通信する。
【0026】
例えば、UE200は、上記プロトコルスタックを使用して基地局(例えば、基地局100)と通信する。
【0027】
とりわけ、UE200は、移動体に搭載される。例えば、移動体は、UAVのような航空機、又は自動運転車若しくはナビゲーション機能を有する手動運転車のような車両であり得る。当該移動体では、予め移動経路(moving path)が設定されることがある。UE200は、当該移動経路をネットワーク(即ち基地局100)へ報告することで、移動経路に基づく通信制御の恩恵を受けることができる。当該移動経路の報告は、例えばFlight Pathの仕組みによりサポートされてもよく、他の移動経路の報告の仕組みによりサポートされてもよい。
【0028】
図2の例を参照すると、例えば、UE200は、設定された移動経路を基地局100へ報告する。基地局100は、報告された移動経路から推定されるUE200の将来の位置に基づき、例えばハンドオーバ又はビームフォーミングのための処理を事前に行う。これにより、UE200が推定された位置に到達するタイミングで当該位置に適した通信制御を行うことが可能となる。
【0029】
<2.基地局の構成>
図3及び図4を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100の構成の例を説明する。
【0030】
(1)機能構成
まず、図3を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100の機能構成の例を説明する。図3を参照すると、基地局100は、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130及び処理部140を備える。
【0031】
無線通信部110は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部110は、UEからの信号を受信し、UEへの信号を送信する。
【0032】
ネットワーク通信部120は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。
【0033】
記憶部130は、基地局100のために様々な情報を記憶する。
【0034】
処理部140は、基地局100の様々な機能を提供する。処理部140は、情報取得部141、制御部143及び通信処理部145を含む。なお、処理部140は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部140は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。情報取得部141、制御部143及び通信処理部145の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0035】
例えば、処理部140(通信処理部145)は、無線通信部110を介してUE(例えば、UE200)と通信する。例えば、処理部140(通信処理部145)は、ネットワーク通信部120を介して他のノード(例えば、コアネットワーク内のネットワークノード又は他の基地局)と通信する。
【0036】
(2)ハードウェア構成
次に、図4を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100のハードウェア構成の例を説明する。図4を参照すると、基地局100は、アンテナ181、RF(radio frequency)回路183、ネットワークインターフェース185、プロセッサ187、メモリ189及びストレージ191を備える。
【0037】
アンテナ181は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ181は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ181は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナであってもよい。アンテナ181は、指向性アンテナであってもよく、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0038】
RF回路183は、アンテナ181を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路183は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
【0039】
ネットワークインターフェース185は、例えばネットワークアダプタであり、ネットワークへ信号を送信し、ネットワークから信号を受信する。
【0040】
プロセッサ187は、アンテナ181及びRF回路183を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサ187は、ネットワークインターフェース185を介して送受信される信号の処理も行う。プロセッサ187は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0041】
メモリ189は、プロセッサ187により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ189は、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ189の全部又は一部は、プロセッサ187内に含まれていてもよい。
【0042】
ストレージ191は、様々な情報を記憶する。ストレージ191は、SSD(Solid State Drive)及びHDD(Hard Disc Drive)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0043】
無線通信部110は、アンテナ181及びRF回路183により実装されてもよい。ネットワーク通信部120は、ネットワークインターフェース185により実装されてもよい。記憶部130は、ストレージ191により実装されてもよい。処理部140は、プロセッサ187及びメモリ189により実装されてもよい。
【0044】
処理部140の一部又は全部は、仮想化されていてもよい。換言すると、処理部140の一部又は全部は、仮想マシンとして実装されてもよい。この場合に、処理部140の一部又は全部は、プロセッサ及びメモリ等を含む物理マシン(即ち、ハードウェア)及びハイパーバイザ上で仮想マシンとして動作してもよい。
【0045】
以上のハードウェア構成を考慮すると、基地局100は、プログラムを記憶するメモリ(即ち、メモリ189)と、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(即ち、プロセッサ187)とを備えてもよく、当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部140の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部140の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0046】
<3.ユーザ機器の構成>
図5及び図6を参照して、本開示の実施形態に係るUE200の構成の例を説明する。
【0047】
(1)機能構成
まず、図5を参照して、本開示の実施形態に係るUE200の機能構成の例を説明する。図5を参照すると、UE200は、無線通信部210、記憶部220及び処理部230を備える。
【0048】
無線通信部210は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部210は、基地局からの信号を受信し、基地局への信号を送信する。例えば、無線通信部210は、他のUEからの信号を受信し、他のUEへの信号を送信する。
【0049】
記憶部220は、UE200のために様々な情報を記憶する。
【0050】
処理部230は、UE200の様々な機能を提供する。処理部230は、情報取得部231、制御部233及び通信処理部235を含む。なお、処理部230は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部230は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。情報取得部231、制御部233及び通信処理部235の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0051】
例えば、処理部230(通信処理部235)は、無線通信部210を介して基地局(例えば、基地局100)又は他のUEと通信する。
【0052】
(2)ハードウェア構成
次に、図6を参照して、本開示の実施形態に係るUE200のハードウェア構成の例を説明する。図6を参照すると、UE200は、アンテナ281、RF回路283、プロセッサ285、メモリ287及びストレージ289を備える。
【0053】
アンテナ281は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ281は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ281は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナであってもよい。アンテナ281は、指向性アンテナであってもよく、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0054】
RF回路283は、アンテナ281を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路283は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
【0055】
プロセッサ285は、アンテナ281及びRF回路283を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサ285は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0056】
メモリ287は、プロセッサ285により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ287は、ROM、EPROM、EEPROM、RAM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ287の全部又は一部は、プロセッサ285内に含まれていてもよい。
【0057】
ストレージ289は、様々な情報を記憶する。ストレージ289は、SSD及びHDDの少なくとも1つを含んでもよい。
【0058】
無線通信部210は、アンテナ281及びRF回路283により実装されてもよい。記憶部220は、ストレージ289により実装されてもよい。処理部230は、プロセッサ285及びメモリ287により実装されてもよい。
【0059】
処理部230は、プロセッサ285及びメモリ287を含むSoC(System on Chip)により実装されてもよい。当該SoCは、RF回路283を含んでもよく、無線通信部210も、当該SoCにより実装されてもよい。
【0060】
以上のハードウェア構成を考慮すると、UE200は、プログラムを記憶するメモリ(即ち、メモリ287)と、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(即ち、プロセッサ285)とを備えてもよく、当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部230の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部230の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0061】
<4.動作例>
図7を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100及びUE200の動作の例を説明する。
【0062】
(1)UE200の動作
UE200は、自身を起点として、経路関連情報を基地局100へ送信する。その後、UE200は、経路要求情報を基地局100から受信する。UE200は、経路情報を基地局100へ送信する。以下、UE200の動作及び関係する情報について詳細に説明する。
【0063】
(1-1)UE起点で経路関連情報を送信
UE200は、UE200の移動経路に関する経路関連情報を含むRRCメッセージをUE200起点で基地局100へ送信する。具体的には、UE200(情報取得部231)は、経路関連情報を取得する。UE200(通信処理部235)は、当該経路関連情報を含むRRCメッセージを基地局100へ送信する。例えば、UE200は、経路情報が利用可能な場合、経路関連情報を含むRRCメッセージを基地局100へ送信する。なお、経路情報が利用可能であることは、経路情報が設定されたことを意味してもよい。
【0064】
経路関連情報は、移動経路を少なくとも示す経路情報の利用可能性を示す情報を含む。例えば、当該経路情報の利用可能性を示す情報は、3GPPのTSのRelease 15で定義されるflightPathInfoAvailable又はこれに相当する情報であってよい。なお、当該経路情報の利用可能性を示す情報は、経路情報の有無を示す情報であるとも言える。これにより、既にTSで定義されている仕組みを利用することが可能となる。
【0065】
また、経路関連情報を含むRRCメッセージは、UE200起点で送信可能なRRCメッセージである。例えば、当該RRCメッセージは、RRC接続の確立後に送信されるRRCメッセージである。
【0066】
ここで、Release 15で定義されるFlight Pathの仕組みでは、UEが、RRC接続の確立時又はReconfiguration時にflightPathInfoAvailableを含むRRCメッセージを送信する。具体的には、UEは、基地局からのRRCメッセージへの応答としてのRRCメッセージ(例えば、RRCSetupComp、RRCReestablishmentComp、RRCResumeComp、RRCReconfigurationComp)であって、flightPathInfoAvailableを含むRRCメッセージを基地局へ送信する。そのため、UEは、上記以外のタイミングでflightPathInfoAvailableを送信することができない。これに対し、本開示の実施形態に係る経路関連情報を含むRRCメッセージは、RRC接続の確立後、UE200起点の任意のタイミングで送信が可能である。
【0067】
より具体的には、上記RRCメッセージは、UE起点で送信可能な既存のRRCメッセージである。例えば、当該RRCメッセージは、UEAssistanceInformationメッセージであってよい。これにより、新たなRRCメッセージを追加的に定義することなく経路関連情報を任意のタイミングで基地局100へ送信することができる。
【0068】
なお、UE200は、RRC接続の確立時又はReconfiguration時に経路情報が利用可能である場合には、Release 15で定義されるFlight Pathの仕組みで用いられるRRCメッセージ(例えば、RRCSetupComp、RRCReestablishmentComp、RRCResumeComp、RRCReconfigurationComp)を用いて経路関連情報を送信してもよい。
【0069】
(1-2)経路要求情報を受信
UE200は、経路要求情報を基地局100から受信する。具体的には、UE200(通信処理部235)は、経路情報の要求を示す経路要求情報を含むRRCメッセージを基地局100から受信する。
【0070】
より具体的には、経路要求情報を含むRRCメッセージは、応答を要するRRCメッセージである。例えば、当該RRCメッセージは、UEInformationRequestメッセージであってよい。また、経路要求情報は、Release 15で定義されるflightPathInfoReq又はこれに相当する情報であってよい。これにより、既にTSで定義されている仕組みを利用することが可能となる。
【0071】
(1-3)経路情報を送信
UE200は、経路情報を基地局100へ送信する。具体的には、UE200(通信処理部235)は、UE200の移動経路を少なくとも示す経路情報を含むRRCメッセージを基地局100へ送信する。
【0072】
より具体的には、経路情報を含むRRCメッセージは、経路要求情報を含むRRCメッセージに対する応答のRRCメッセージである。例えば、当該応答のRRCメッセージは、UEInformationResponseメッセージであってよい。また、経路情報は、Release 15で定義されるflightPathInfoReport又はこれに相当する情報であってよい。これにより、既にTSで定義されている仕組みを利用することが可能となる。
【0073】
(2)基地局100の動作
基地局100は、UE200から自発的に送信される経路関連情報を受信する。基地局100は、当該経路関連情報に基づいて経路要求情報をUE200へ送信する。その後、基地局100は、経路情報をUE200から受信する。以下、基地局100の動作及び関係する情報について詳細に説明する。なお、UE200の動作における説明と実質的に同一である内容については詳細な説明を省略する。
【0074】
(2-1)経路関連情報を受信
基地局100は、経路関連情報をUE200から受信する。具体的には、基地局100(通信処理部145)は、経路関連情報を含むRRCメッセージをUE200から受信する。基地局100(情報取得部141)は、受信したRRCメッセージに含まれる経路関連情報を取得する。なお、経路関連情報は、オプショナルであるため、常に当該RRCメッセージに含まれるわけではない。
【0075】
例えば、当該RRCメッセージは、UEAssistanceInformationメッセージであってよい。
【0076】
なお、基地局100は、従来と同様に、Release 15で定義されるFlight Pathの仕組みで用いられるRRCメッセージを用いて経路関連情報を受信してもよい。
【0077】
(2-2)経路要求情報を送信
基地局100は、経路要求情報をUE200へ送信する。具体的には、基地局100(情報取得部141)は、経路関連情報の送信元であるUE200に対する経路要求情報を取得する。基地局100(通信処理部145)は、当該経路要求情報を含むRRCメッセージを当該UE200へ送信する。
【0078】
より具体的には、経路要求情報を含むRRCメッセージは、UEInformationRequestメッセージであってよい。また、経路要求情報は、Release 15で定義されるflightPathInfoReq又はこれに相当する情報であってよい。
【0079】
(2-3)経路情報を受信
基地局100は、経路情報をUE200から受信する。具体的には、基地局100(通信処理部145)は、経路情報を含むRRCメッセージをUE200から受信する。基地局100(情報取得部141)は、受信したRRCメッセージに含まれる経路情報を取得する。
【0080】
より具体的には、経路情報を含むRRCメッセージは、UEInformationResponseメッセージであってよい。また、経路情報は、Release 15で定義されるflightPathInfoReport又はこれに相当する情報であってよい。
【0081】
基地局100は、受信した経路情報に基づきUE200に対する通信制御を実行する。このように、UE200起点で経路情報が報告されることで、移動情報の通信制御への適用を早期化することができる。
【0082】
(3)処理の流れ
図7を参照して、本開示の実施形態に係る処理の例を説明する。図7は、RRC接続の確立後に経路情報が利用可能となったケースを示す。
【0083】
基地局100及びUE200は、RRC接続を確立する(S310)。例えば、基地局100及びUE200の間で、RRC Setup、RRC Reestablishment、又はRRC Resumeといった手続きが実行され、RRC接続が確立される。なお、この時点で経路情報が利用可能である場合は、各手続きにおけるRRCメッセージ(例えば、RRCSetupComp、RRCReestablishmentComp、RRCResumeComp)を用いて経路関連情報が基地局100へ送信されてもよい。
【0084】
UE200は、UEAssistanceInformationメッセージを基地局100へ送信する(S320)。例えば、UE200は、RRC接続の確立後に、経路情報が利用可能となると、flightPathInfoAvailable等の経路情報の利用可能性を示す情報を含むUEAssistanceInformationメッセージを基地局100へ送信する。
【0085】
基地局100は、UEInformationRequestメッセージをUE200へ送信する(S330)。例えば、基地局100は、受信したUEAssistanceInformationメッセージに経路情報の利用可能性を示す情報が含まれる場合、flightPathInfoReq等の経路要求情報を含むUEInformationRequestメッセージをUE200へ送信する。
【0086】
UE200は、UEInformationResponseメッセージを基地局100へ送信する(S340)。例えば、UE200は、受信したUEInformationRequestメッセージに経路要求情報が含まれる場合、flightPathInfoReport等の経路情報を含むUEInformationResponseメッセージを基地局100へ送信する。
【0087】
このように、本開示の実施形態によれば、UE200の移動経路に関する経路関連情報
を含むRRCメッセージであって、UE200を起点とするRRCメッセージが基地局100へ送信される。これにより、基地局からのRRCメッセージへ応答する形でしかUEは移動情報を送信できないRelease 15の仕組みと比べて、UE200の経路情報が利用可能となってから当該経路情報が基地局100へ送信されるまでの時間が短縮される。したがって、UE200が移動経路を報告可能となってから当該移動経路に基づく通信制御が可能となるまでのタイムラグを低減することが可能になる。言い換えると、UE200は任意のタイミングで経路情報を基地局100へ報告できるため、UE200は、経路情報が利用可能となり次第、経路情報を基地局100へ報告することで、従来よりも早く経路情報に基づく恩恵を受けることができる。
【0088】
<5.変形例>
図8及び図9を参照して、本開示の実施形態に係る第1~第3の変形例を説明する。なお、これらの変形例のうちの2つ以上が組み合わせられてもよい。
【0089】
(1)第1の変形例:経路関連情報は経路情報
上述した本開示の実施形態では、経路関連情報は、経路情報の利用可能性を示す情報である。しかし、本開示の実施形態に係る経路関連情報は、この例に限定されない。
【0090】
本開示の実施形態の第1の変形例として、経路関連情報は、UE200の移動経路を少なくとも示す経路情報を含んでもよい。
【0091】
具体的には、UE200は、経路情報の利用可能性を示す情報の代わりに、経路情報を含むRRCメッセージをUE200起点で基地局100へ送信する。
【0092】
図8を参照して、本開示の実施形態の第1の変形例に係る処理の例を説明する。図8は、RRC接続の確立後に経路情報が利用可能となったケースを示す。なお、図7と実質的に同一である処理について説明を省略する。
【0093】
基地局100及びUE200は、RRC接続を確立する(S410)。なお、この時点で経路情報が利用可能である場合は、各手続きにおけるRRCメッセージ(例えば、RRCSetupComp、RRCReestablishmentComp、RRCResumeComp)を用いて経路情報が基地局100へ送信されてもよい。
【0094】
UE200は、UEAssistanceInformationメッセージを基地局100へ送信する(S420)。例えば、UE200は、RRC接続の確立後に、経路情報が利用可能となると、flightPathInfoReport等の経路情報を含むUEAssistanceInformationメッセージを基地局100へ送信する。
【0095】
このように、本開示の実施形態の第1の変形例によれば、UE200は、経路情報の利用可能性を示す情報の代わりに経路情報を含むRRCメッセージをUE200起点で基地局100へ送信する。これにより、Release 15の仕組みと比べてシグナリングが削減されるため、電力消費及び無線リソースの消費を低減することができる。
【0096】
(2)第2の変形例:専用メッセージで経路関連情報を送信
上述した本開示の実施形態では、経路関連情報は、既存のRRCメッセージを用いて送信される。しかし、本開示の実施形態に係る経路関連情報を送信するためのRRCメッセージは、この例に限定されない。
【0097】
本開示の実施形態の第2の変形例として、経路関連情報を含むRRCメッセージは、経路関連情報のために定義されたRRCメッセージであってもよい。
【0098】
具体的には、経路関連情報を含むRRCメッセージは、経路関連情報の送受信専用のRRCメッセージであってもよい。例えば、経路情報の利用可能性を示す情報のための専用のRRCメッセージが定義される。なお、その後に送受信される経路要求情報及び経路情報のための専用のRRCメッセージがそれぞれ定義されてもよい。
【0099】
なお、第1の変形例のように経路情報の利用可能性を示す情報の代わりに経路情報が送信される場合は、経路情報のための専用のRRCメッセージが定義されてもよい。また、経路情報の利用可能性を示す情報のためのRRCメッセージと経路情報のためのRRCメッセージとは同一であってもよい。
【0100】
例えば、経路関連情報を含むRRCメッセージは、CSG(Closed Subscriber Group)のためのProximity Indicationのようなメッセージであってもよい。例えば、UE200は、経路情報が設定されたことを検知すると、経路情報又は経路情報の利用可能性を示す情報を含む専用のRRCメッセージを基地局100へ送信する。
【0101】
図9を参照して、本開示の実施形態の第2の変形例に係る処理の例を説明する。図9は、RRC接続の確立後に経路情報が利用可能となったケースを示す。なお、図7と実質的に同一である処理について説明を省略する。
【0102】
基地局100及びUE200は、RRC接続を確立する(S510)。
【0103】
UE200は、経路関連情報専用のRRCメッセージを基地局100へ送信する(S520)。例えば、UE200は、RRC接続の確立後に、経路情報が利用可能となると、flightPathInfoAvailable等の利用可能性を示す情報又はflightPathInfoReport等の経路情報を含む専用のRRCメッセージを基地局100へ送信する。なお、専用のRRCメッセージが経路情報の利用可能性を示す情報を含む場合は、当該専用のRRCメッセージの送信後に、flightPathInfoReq等の経路要求情報を含むRRCメッセージがUE200へ送信され、flightPathInfoReport等の経路情報を含むRRCメッセージが基地局100へ送信される。
【0104】
このように、本開示の実施形態の第2の変形例によれば、経路関連情報を含むRRCメッセージは、経路関連情報のために定義されたRRCメッセージである。これにより、既存のRRCメッセージを変更することなく経路関連情報を通信することができる。
【0105】
(3)第3の変形例:他のTSへの準拠
本開示の実施形態の上述した例では、システム1は、5G又はNRのTSに準拠したシステムである。しかし、本開示の実施形態に係るシステム1は、この例に限定されない。
【0106】
本開示の実施形態の第3の変形例では、システム1は、3GPPの他のTSに準拠したシステムであってもよい。一例として、システム1は、LTE、LTE-A又は4GのTSに準拠したシステムであってもよく、基地局100は、eNB(evolved Node B)であってもよい。あるいは、基地局100は、ng-eNBであってもよい。別の例として、システム1は、3GのTSに準拠したシステムであってもよく、基地局100は、NodeBであってもよい。さらに別の例として、システム1は、次世代(例えば、6G)のTSに準拠したシステムであってもよい。
【0107】
あるいは、システム1は、移動体通信についての他の標準化団体のTSに準拠したシステムであってもよい。
【0108】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は当該実施形態に限定されるものではない。当該実施形態は例示にすぎないということ、及び、本開示のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0109】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもフローチャート又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、フローチャート又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0110】
例えば、本明細書において説明した装置の1つ以上の構成要素の動作を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体が提供されてもよい。当然ながら、このような方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible computer-readable storage medium)も、本開示に含まれる。
【0111】
例えば、本開示において、ユーザ機器(UE)は、移動局(mobile station)、移動端末、移動装置、移動ユニット、加入者局(subscriber station)、加入者端末、加入者装置、加入者ユニット、ワイヤレス局、ワイヤレス端末、ワイヤレス装置、ワイヤレスユニット、リモート局、リモート端末、リモート装置、又はリモートユニット等の別の名称で呼ばれてもよい。
【0112】
例えば、本開示において、「送信する(transmit)」は、送信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に送信することを意味してもよい。あるいは、「送信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に送信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「受信する(receive)」は、受信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に受信することを意味してもよい。あるいは、「受信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に受信することとの組合せを意味してもよい。上記少なくとも1つのレイヤは、少なくとも1つのプロトコルと言い換えられてもよい。
【0113】
例えば、本開示において、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。
【0114】
例えば、本開示において、「~を含む(include)」及び「~を備える(comprise)」は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。
【0115】
例えば、本開示において、「又は(or)」は、排他的論理和を意味せず、論理和を意味する。
【0116】
なお、上述した実施形態に含まれる技術的特徴は、以下のような特徴として表現されてもよい。当然ながら、本開示は以下のような特徴に限定されない。
【0117】
(特徴1)
ユーザ機器(200)であって、
前記ユーザ機器の移動経路に関する経路関連情報を取得する情報取得部(231)と、
前記経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを基地局(100)へ送信する通信処理部(235)と、
を備え、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
ユーザ機器。
【0118】
(特徴2)
前記経路関連情報は、前記移動経路を少なくとも示す経路情報の利用可能性を示す情報を含む
特徴1に記載のユーザ機器。
【0119】
(特徴3)
前記通信処理部は、前記経路情報の要求を示す経路要求情報を含む別のRRCメッセージを前記基地局から受信し、前記別のRRCメッセージへの応答となるRRCメッセージであって前記経路情報を含む応答RRCメッセージを前記基地局へ送信する
特徴2に記載のユーザ機器。
【0120】
(特徴4)
前記経路関連情報は、前記移動経路を少なくとも示す経路情報を含む
特徴1に記載のユーザ機器。
【0121】
(特徴5)
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、RRC接続の確立後に送信される
特徴1~4のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0122】
(特徴6)
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、UEAssistanceInformationメッセージである
特徴5に記載のユーザ機器。
【0123】
(特徴7)
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記経路関連情報のために定義されたRRCメッセージである
特徴5に記載のユーザ機器。
【0124】
(特徴8)
ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを前記ユーザ機器から受信する通信処理部と、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージに含まれる前記経路関連情報を取得する情報取得部と、
を備え、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
基地局(100)。
【0125】
(特徴9)
ユーザ機器(200)により行われる方法であって、
前記ユーザ機器の移動経路に関する経路関連情報を取得することと、
前記経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを基地局(100)へ送信することと、
を含み、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
方法。
【0126】
(特徴10)
基地局(100)により行われる方法であって、
ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを前記ユーザ機器から受信することと、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージに含まれる前記経路関連情報を取得することと、
を含み、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
方法。
【0127】
(特徴11)
ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を取得することと、
前記経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを基地局(100)へ送信することと、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
プログラム。
【0128】
(特徴12)
ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを前記ユーザ機器から受信することと、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージに含まれる前記経路関連情報を取得することと、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
プログラム。
【0129】
(特徴13)
ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を取得することと、
前記経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを基地局(100)へ送信することと、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体であって、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
非遷移的実体的記録媒体。
【0130】
(特徴14)
ユーザ機器(200)の移動経路に関する経路関連情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを前記ユーザ機器から受信することと、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージに含まれる前記経路関連情報を取得することと、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体であって、
前記経路関連情報を含むRRCメッセージは、前記ユーザ機器を起点とするRRCメッセージである
非遷移的実体的記録媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9