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特許7667963エレベータ、及びエレベータの行先階登録装置
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  • 特許-エレベータ、及びエレベータの行先階登録装置 図1
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  • 特許-エレベータ、及びエレベータの行先階登録装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-16
(45)【発行日】2025-04-24
(54)【発明の名称】エレベータ、及びエレベータの行先階登録装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20250417BHJP
【FI】
B66B1/14 L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024078735
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井上 元太
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-093211(JP,A)
【文献】国際公開第2008/120345(WO,A1)
【文献】特開2012-192998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 - 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行先階を入力する入力部を備え、
前記入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ前記入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力が行先階として登録され
前記規定の桁数は、二桁以上であり、
前記所定のパターンは、前記規定の桁数より小さな桁数の行先階を登録する場合、前記規定の桁数において後詰めで前記行先階の階数に対応する英数字が入力されるように、前記後詰めの英数字より大きい桁に0が入力されたものである、エレベータ。
【請求項2】
行先階を入力する入力部を備え、
前記入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ前記入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力が行先階として登録され
前記規定の桁数は、二桁以上であり、
前記所定のパターンに対応する行先階は、同じ一桁の英数字が全ての桁に入力された場合、前記一桁の英数字である、エレベータ。
【請求項3】
行先階を入力する入力部を備え、
前記入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ該入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力された行先階についての情報を出力し、
前記規定の桁数は、二桁以上であり、
前記所定のパターンは、前記規定の桁数より小さな桁数の行先階を登録する場合、前記規定の桁数において後詰めで前記行先階の階数に対応する英数字が入力されるように、前記後詰めの英数字より大きい桁に0が入力されたものである、エレベータの行先階登録装置。
【請求項4】
行先階を入力する入力部を備え、
前記入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ該入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力された行先階についての情報を出力し、
前記規定の桁数は、二桁以上であり、
前記所定のパターンに対応する行先階は、同じ一桁の英数字が全ての桁に入力された場合、前記一桁の英数字である、エレベータの行先階登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ、及びエレベータの行先階登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、利用者が行先階を入力する行先階登録装置を備えたエレベータが知られている(特許文献1参照)。このエレベータでは、行先階登録装置に対し、行先階として、例えば、12階を入力(登録)する場合、一つ目の数字(1)が入力された後、二つ目の数字(2)の入力待ち時間が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/098620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のエレベータでは、行先階登録装置に対し、行先階として、例えば、3階を入力(登録)する場合であっても、一つ目の数字(3)が入力された後、二つ目の数字の所定の入力待ち時間が発生してしまい、この所定の入力待ち時間分だけ行先階の登録が遅れるため、利用者の快適性が損なわれる。
【0005】
そこで、本発明は、行先階の入力を短時間でできるエレベータ、及びエレベータの行先階登録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエレベータは、
行先階を入力する入力部を備え、
前記入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ前記入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力が行先階として登録される。
【0007】
かかる構成によれば、入力部から所定のパターンとなるように規定の桁数の入力が行われることで、入力待ち時間なしに行先階の入力ができる、即ち、行先階の入力を短時間で行うことができる。
【0008】
前記エレベータにおいて、
前記規定の桁数が二桁以上であり、
前記所定のパターンは、前記規定の桁数より小さな桁数の行先階を登録する場合、前記規定の桁数において後詰めで前記行先階の階数に対応する英数字が入力されるように、前記後詰めの英数字より大きい桁に0が入力されたものであってもよい。
【0009】
かかる構成によれば、規定の桁数より小さな桁数の行先階を入力する際にも、入力する階数より大きい桁(入力順の早い桁)に0を入力する構成とすることで、入力待ち時間なしに行先階を入力することができる。
【0010】
また、前記エレベータでは、
前記規定の桁数が二桁以上であり、
前記所定のパターンに対応する行先階は、同じ一桁の英数字が全ての桁に入力された場合、前記一桁の英数字であってもよい。
【0011】
かかる構成によれば、規定の桁数が二けた以上で且つ一桁の行先階を入力する際に、同じ英数字を規定の桁数入力することで、入力待ち時間なしに行先階を入力することができる。
【0012】
また、本発明のエレベータの行先階登録装置は、
行先階を入力する入力部を備え、
前記入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ該入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力された行先階についての情報を出力する。
【0013】
かかる構成によれば、入力部から所定のパターンとなるように規定の桁数の入力が行われることで、入力待ち時間なしに行先階についての入力ができる、即ち、行先階の入力を短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上より、本発明によれば、行先階の入力を短時間でできるエレベータ、及びエレベータの行先階登録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係るエレベータの構成を説明するための図である。
図2図2は、登録装置制御部の動作を説明するためのフロー図である。
図3図3は、所定のパターンに該当する入力を行先階入力部に対して行ったときのタッチパネルの表示を示す模式図である。
図4図4は、所定のパターンに該当しない入力を前記行先階入力部に対して行ったときの前記タッチパネルの表示を示す模式図である。
図5図5は、他実施形態に係る登録装置制御部の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図1図4を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態のエレベータ1は、図1に示すように、エレベータ1の行先階登録装置2と、エレベータ1のかご5の運行等を制御するエレベータ制御部3と、を備える。このエレベータ1では、利用者が乗場に設置された行先階登録装置2又はかご5に設置された行先階登録装置2に対して所定の入力操作(入力)を行うことにより、かご5の行先階が登録される。本実施形態のエレベータ1は、複数のかご5(例えば、A号機、B号機、C号機)を備え、各かご5は、例えば建物の1階から20階までの間で昇降可能で且つ各階床(各階の乗場)に停止可能である。尚、エレベータ1は、一台のかご5のみを備える構成であってもよい。
【0018】
エレベータ制御部3は、乗場呼び等に対するかご5の割り当てをしたり、各かご5の昇降(運行)を制御したりする。本実施形態のエレベータ制御部3は、例えば、乗場に設置された行先階登録装置2からの行先階信号(入力された行先階についての情報)を受信したとき、行先階信号の内容が適正か否か(かご5が停止できる階か否か)を判断し、適正なときは、行先階を登録する。
【0019】
また、エレベータ制御部3は、この行先階を登録したときに、呼びに対するかご5の割り当てを行うと共に、行先階信号を出力した行先階登録装置2の設置された乗場に割り当てられた号機(例えば、A号機)のかご5が向かうように該かご5の昇降を制御する。
【0020】
また、エレベータ制御部3は、行先階信号が出力された行先階登録装置2に対し、行先階信号の内容(行先階に対応する数字)と共に割り当てられたかご5についての情報(号機番号A、B、C)を送信する。
【0021】
一方、エレベータ制御部3は、受信した行先階信号の内容が適正でないときは、行先階の登録及びかご5の割り当てを行わずに、行先階信号が出力された行先階登録装置2に対し、行先階信号の内容と共に入力内容が不適正である旨の情報(禁止マーク、入力できない旨の表示等)を送信する。
【0022】
尚、行先階信号を出力した行先階登録装置2がかご5に設置されている場合は、エレベータ制御部3は、行先階信号を受信したときに、かご5の割り当てを行わずに、受信した行先階信号の内容が適正か否かの判断、行先階の登録、及び該行先階信号を出力した行先階登録装置2の設置されたかご5の昇降制御等、を行う。
【0023】
行先階登録装置2は、利用者の入力操作によって行先階を入力する(乗場呼び又はかご呼びを行う)ための装置であり、各階の乗場及びかご5に設置されている。即ち、本実施形態のエレベータ1は、複数の行先階登録装置2を備える。この行先階登録装置2は、利用者による入力操作によって行先階が入力されたときに、入力された行先階についての情報(行先階信号)をエレベータ制御部3に送信(出力)する。
【0024】
具体的に、行先階登録装置2は、図3にも示すように、行先階入力部(入力部)21と、利用者に情報を報知する報知部22と、登録装置制御部23と、を有する。本実施形態の行先階登録装置2は、タッチパネルPを有し、このタッチパネルPが行先階入力部21と報知部22とを兼ねている。
【0025】
行先階入力部21は、タッチパネルPにおいてテンキーが表示されている部位である。このテンキーは、例えば、「0」~「9」、「-」、及び、「☆」のキーによって構成されており、利用者が各キーを押す(タッチする)ことにより各キーに対応する数等を入力できる。尚、建物に地下階や屋上階がある場合には、地下階を示す「B」のキーや屋上階を示す「R」のキーが「-」のキーや「☆」のキーの代わりに配置されてもよい。
【0026】
報知部22は、行先階入力部21に対する入力操作によって入力された内容(入力内容)や、入力された行先階についての情報(行先階情報)等を表示する。また、報知部22は、行先階の登録の際に割り当てられるかご(割当号機A、B、C)を示す号機情報も表示する(図3の(c)参照)。
【0027】
登録装置制御部23は、行先階入力部21からの入力が規定の桁数に達し且つ該入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、行先階信号(入力された行先階についての情報)をエレベータ制御部3に送信する。本実施形態の登録装置制御部23は、行先階入力部21からの入力が所定のパターンに適合しないときにも、行先階信号をエレベータ制御部3に出力する。この登録装置制御部23の具体的な動作は、図2図4も参照しつつ以下で説明する。
【0028】
登録装置制御部23は、行先階入力部21に対する入力操作による行先階についての入力を検出すると(ステップS1)、入力が規定の桁数(本実施形態の例では、二桁)に達したか否かを判断する(ステップS2)。このとき、登録装置制御部23は、行先階入力部21への入力毎に、入力内容を報知部22に表示させる(図3(a)及び図3(b)参照)。
【0029】
例えば、行先階入力部21から行先階として「03」が入力されたとき、換言すると、「0」と「3」とが順に入力されることで該入力が規定の桁数に達したときは(ステップS2:Yes)、登録装置制御部23は、入力が所定のパターンに適合するか否かを判断する(ステップS3)。
【0030】
ここで、所定のパターンとは、例えば、行先階が3階や8階のような一桁階(既定の桁数より小さな桁数)の場合は、規定の桁数において後詰めで行先階の階数に対応する数字が入力されるように、後詰めの数字より大きい桁に0が入力されたもの(例えば、「03」や「08」)である。即ち、規定の桁数が二桁の場合は、所定のパターンは、上記のようになるが、例えば、規定の桁数が三桁場合、所定のパターンは、一桁階を行先階として入力する場合は、「003」や「008」等となり、二桁階を行先階として入力する場合は、「012」や「018」等となる。尚、所定のパターンにおいて、かご5が停止できない階(例えば、設定等で停止が禁止されている階等)に対応する数字は含まれない。また、建物に地下階や屋上階があり、規定の桁数が二桁で、且つ、例えば屋上階を行先階として入力する場合の所定のパターンは、「0R」であり、規定の桁数が三桁で、且つ、例えば屋上階又は地下2階を行先階として入力する場合には、所定のパターンは、「00R」や「0B2」となる。
【0031】
また、本実施形態の所定のパターンは、行先階が3階や8階のような一桁階(既定の桁数より小さな桁数)の場合、同じ一桁の数字が全ての桁に入力されたもの(例えば、「33」や「88」)も含む。即ち、利用者が行先階として例えば3階を登録したいときには、「03」と入力してもよく、規定の桁数になるまでテンキーの「3」を連打して「33」と入力してもよい。また、建物に屋上階があり、行先階として屋上階を入力する場合には、所定のパターンは、「RR」となる。
【0032】
尚、本実施形態の登録装置制御部23は、実際にある階に対応する数(階数)を優先する設定であり、所定のパターンは「11」を含まない。即ち、利用者が行先階として1階を登録したいときに「11」と入力しても、当該エレベータ1の設置されている建物に11階があるため、登録装置制御部23から出力される行先階信号は「11(11階に対応する信号)」である。
【0033】
図2のフローに戻り、登録装置制御部23は、行先階入力部21からの入力が所定のパターンに適合する場合(ステップS3:Yes)、所定のパターンに対応する階を行先階として行先階信号を出力(送信)する(ステップS4)。尚、登録装置制御部23は、入力が「03」や「08」のときは、登録装置制御部23は、これらの数字(「03」や「08」)を加工し、行先階信号として「3」や「8」を出力する。
【0034】
このとき、行先階信号を受信したエレベータ制御部3は、上述のように、行先階の登録とかご5の割り当てを行い、行先階信号の内容(行先階に対応する数字)と共に割り当てられたかご5についての情報(号機番号A、B、C)を、行先階信号を出力した行先階登録装置2に送信する。そして、この行先階信号の内容(例えば、「3」)と割り当てられたかご5についての情報(例えば、A号機)を受信した登録装置制御部23は、これらの内容を報知部22に表示させる(図3の(c)参照)。
【0035】
一方、「12」や「18」等の所定のパターンに含まれず且つ実際にある階が入力されたり、テンキーの「☆」キーで入力されたり等、行先階入力部21からの入力が所定のパターンに適合しない場合(ステップS3:No)、登録装置制御部23は、行先階入力部21から入力された数字(例えば、「12」や「18」)や「☆」キーでの入力に対応する信号を行先階信号として出力する(ステップS5)。この場合、報知部22には、入力された内容そのままと、割り当てられたかご5についての情報が表示される。
【0036】
また、登録装置制御部23は、行先階入力部21からの入力操作によって行先階についての入力を検出しても(ステップS1)、行先階入力部21からの入力が規定の桁数に達していない場合(ステップS2:No)には、最後の入力から所定時間(例えば、2秒)経過していない間は(ステップS6:No)、行先階入力部21からの新たな入力を待ち続ける(ステップS7:No)。この最後の入力から所定時間経過する前に(即ち、入力待ちの間に)行先階入力部21から新たな入力があり(ステップS7:Yes)、入力が規定の桁数になったときには(ステップS2:Yes)、登録装置制御部23は、ステップS3に進む。
【0037】
一方、最後の入力から所定時間経過するまで行先階入力部21から新たな入力がないときは(ステップS6:Yes)、登録装置制御部23は、ステップS5に進む。このとき、一桁の数字のみが入力されていれば、登録装置制御部23は、その数字を行先階の階数として階数信号を出力し(ステップS5)、これを受信したエレベータ制御部3は、階数信号に対応する階を行先階として登録すると共に、かご5の割り当て及び該かご5の昇降制御を行う。
【0038】
以上のエレベータ1は、行先階を入力する行先階入力部(入力部)21を備え、行先階入力部21からの入力が規定の桁数に達し且つ前記入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、前記入力が行先階として登録される。より具体的に、本実施形態のエレベータ1の行先階登録装置2は、行先階を入力する行先階入力部(入力部)21を備え、行先階入力部21からの入力が規定の桁数に達し且つ該入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、行先階信号(前記入力された行先階についての情報)を出力する。
【0039】
このように、行先階入力部21から所定のパターンとなるように規定の桁数の入力が行われることで、入力待ち時間なしに行先階の入力ができる、即ち、行先階の入力を短時間で行うことができる。
【0040】
また、本実施形態のエレベータ1において、行先階登録装置2に入力される規定の桁数は、二桁であり、前記所定のパターンは、規定の桁数より小さな桁数の行先階を登録する場合、規定の桁数において後詰めで行先階の階数に対応する英数字が入力されるように、後詰めの英数字より大きい桁に0が入力されたものである。このように、規定の桁数より小さな桁数の行先階を入力する際にも、入力する階数より大きい桁(入力順で先の桁)に0を入力する構成とすることで、入力待ち時間なしに行先階を入力することができる。
【0041】
また、本実施形態のエレベータ1において、行先階登録装置2に入力される所定の桁数が二桁であり、前記所定のパターンに対応する行先階は、同じ一桁の英数字が全ての桁に入力された場合、前記一桁の英数字である。このように、規定の桁数が二けた以上で且つ一桁の行先階を入力する際に、同じ英数字を規定の桁数入力することによっても、入力待ち時間なしに行先階を入力することができる。
【0042】
尚、本発明のエレベータ、及びエレベータの行先階登録装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0043】
上記実施形態のエレベータでは、行先階入力部(入力部)21への入力が数字のみであるが、この構成に限定されない。行先階入力部21への入力は、英数字(英語及び数字)であってもよい。
【0044】
また、登録装置制御部23において判断される所定のパターンは、上記実施形態の例に限定されない。行先階が規定の桁数より小さな桁数の場合、行先階の階数(数字)と、数字以外の記号等と、によって構成されていてもよい。例えば、規定の桁数が三桁で、行先階が一桁階(例えば、2階)の場合、所定のパターンは、「--2」、「2--」、「-2-」や、「☆☆2」、「2☆-」等であってもよい。このような場合でも、入力が規定の桁数行われることによって入力待ち時間なしに行先階を入力することができる。
【0045】
また、所定のパターンが、最も大きい桁(入力順の最も早い桁)から同じ数字が連続したものを含む場合、該パターンと対応する階数は、連続した部分を一桁とみなした階数であってもよい。例えば、規定の桁数が三桁の場合において、「118」が入力された場合、最も大きい桁から同じ数字が連続している「11」を「1」とみなして「18」が行先階信号として出力され、「442」が入力された場合、最も大きい桁から同じ数が連続している「44」を「4」とみなして「42」が行先階信号として出力される構成であってもよい。
【0046】
また、上記実施形態のエレベータ1では、行先階入力部(入力部)21がタッチパネルPのテンキーであるが、この構成に限定されない。行先階入力部21は、物理キー(物理ボタン)によって構成されるテンキーであってもよい。また、行先階入力部21は、所定の距離まで指等を近づけることで入力可能な(即ち、非接触で操作可能)なキーによって構成されるテンキー等であってもよい。例えば具体的には、0~9に対応してセンサが設置され、遮ったセンサに対応する数字が入力される構成であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態のエレベータ1では、行先階登録装置2は、各乗場及び各かご5に設置されているが、この構成に限定されない。行先階登録装置2は、乗場のみに設置されてもよく、かご5のみに設置されてもよい。
【0048】
また、上記実施形態のエレベータ1では、登録装置制御部23の動作フローにおけるステップS6での入力の待ち時間のカウント開始のタイミングは、最後の入力であるが、最初の入力であってもよい。
【0049】
また、上記実施形態のエレベータ1では、行先階入力部21からの入力内容(即ち、行先階入力部21から入力された階数)が行先階として登録できるか否かの判断は、エレベータ制御部3が行っているが、この構成に限定されない。前記入力内容が行先階として登録できるか否かの判断を登録装置制御部23が行う構成であってもよい。この場合、登録装置制御部23は、例えば、図5に示すフローのように動作する。具体的には、以下で説明する。尚、以下のフローを用いた説明において、所定のパターン及びエレベータ1の設置された建物の階数は、上記実施形態と同じとする。
【0050】
登録装置制御部23は、行先階入力部21に対する入力操作による行先階についての入力を検出すると(ステップS11)、入力が規定の桁数(本実施形態の例では、二桁)に達したか否かを判断する(ステップS12)。このとき、登録装置制御部23は、上記実施形態と同様に、行先階入力部21への入力毎に、入力内容を報知部22に表示させる(図3の(a)及び(b)参照)。
【0051】
行先階入力部21からの入力が規定の桁数に達したときは(ステップS12:Yes)、登録装置制御部23は、入力された内容(規定の桁数の数字)が行先階として登録できるか否か(換言すると、エレベータ1の設置された建物に無い階数やかご5の停止が禁止されている階数か否か等)を判断する(ステップS13)。
【0052】
入力された内容が行先階として登録できる場合(ステップS13:Yes)、登録装置制御部23は、入力された数字を行先階信号としてエレベータ制御部3に出力(送信)する(ステップS14)。これにより、この行先階信号を受信したエレベータ制御部3は、行先階信号と対応する階数を行先階として登録する。
【0053】
一方、入力された内容が行先階として登録できない場合(ステップS13:No)、登録装置制御部23は、入力された内容が所定のパターンに適合するか否かを判断する(ステップS15)。
【0054】
入力された内容が、例えば、「33」の場合、登録装置制御部23は、入力された内容が所定のパターンに適合すると判断し(ステップS15:Yes)、この所定のパターンに対応する階数(例えば、「3」)を行先階信号としてエレベータ制御部3に出力する(ステップS16)。これにより、行先階信号を受信したエレベータ制御部3は、行先階信号と対応する階数(前記の例では、「3」)を行先階として登録する。
【0055】
一方、入力された内容が、例えば、「35」の場合、登録装置制御部23は、入力された内容が所定のパターンに適合しないと判断し(ステップS15:No)、入力内容と共に行先階の登録ができない旨(禁止マークや登録不可の表示等)を報知部22に表示させる(ステップS17:図4参照)。
【0056】
また、登録装置制御部23は、行先階入力部21からの入力操作によって行先階についての入力を検出しても(ステップS11)、行先階入力部21からの入力が規定の桁数に達していない場合(ステップS12:No)には、最後の入力から所定時間(例えば、2秒)経過していない間は(ステップS18:No)、行先階入力部21からの新たな入力を待ち続ける(ステップS19:No)。
【0057】
この最後の入力から所定時間経過する前に(即ち、入力待ちの間に)行先階入力部21から新たな入力があり(ステップS19:Yes)、入力が規定の桁数になったときには(ステップS12:Yes)、登録装置制御部23は、ステップS13に進む。
【0058】
一方、最後の入力から所定時間経過するまで行先階入力部21から新たな入力がないときは(ステップS18:Yes)、登録装置制御部23は、規定の桁数に達していない入力(数字等)が行先階として登録できるか否か(換言すると、エレベータ1の設置された建物に無い階数やかご5の停止が禁止されている階数か否か等)を判断する(ステップS20)。
【0059】
入力された内容が行先階として登録できる場合(ステップS20:Yes)、登録装置制御部23は、入力された数字を行先階信号としてエレベータ制御部3に出力(送信)する(ステップS14)。これにより、この行先階信号を受信したエレベータ制御部3は、行先階信号と対応する階数を行先階として登録する。
【0060】
一方、入力された内容(例えば、「☆」や「-」)が行先階として登録できない場合(ステップS20:No)、登録装置制御部23は、入力内容と共に行先階の登録ができない旨(禁止マークや登録不可の表示等)を報知部22に表示させる(ステップS17:図4の(c)参照)。
【0061】
また、エレベータ1において、行先階登録装置2は、行先階入力部(入力部)21から入力された内容(数字等)をエレベータ制御部3に送信し、且つ、エレベータ制御部3から送信された情報(登録階についての情報や、割り当て号機A、B、Cについての情報等)を報知部22で表示するのみで、図5のフローが示す動作をエレベータ制御部3が行う構成でもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…エレベータ、2…行先階登録装置、21…行先階入力部(入力部)、22…報知部、23…登録装置制御部、3…エレベータ制御部、5…かご、A、B、C…号機番号、P…タッチパネル
【要約】
【課題】行先階の入力を短時間でできるエレベータ、及びエレベータの行先階登録装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のエレベータ、及びエレベータの行先階登録装置は、行先階を入力する入力部を備え、入力部からの入力が規定の桁数に達し且つ入力が行先階と対応する所定のパターンのときに、該入力が行先階として登録又は出力される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5