(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-16
(45)【発行日】2025-04-24
(54)【発明の名称】輸液ラインシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20250417BHJP
【FI】
A61M5/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023150623
(22)【出願日】2023-09-18
(62)【分割の表示】P 2020541783の分割
【原出願日】2019-02-20
【審査請求日】2023-10-17
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521109556
【氏名又は名称】オリオン イノベーションズ インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】Atwood Innovation Plaza,Suite 177,453 South 600 East,St.Gearge,UT 84770,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】プロヴァスト,ウェイン エイ.
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート,ジェフリー ディー.
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/192235(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0368255(US,A1)
【文献】国際公開第2011/127043(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0258983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内(IV)輸液ライン組立体において、
治療用流体を患者へ投与するための流体導管を有する細長部材であって、前記流体導管は当該細長部材の第1端と当該細長部材の第2端の間に流体連通を提供するように構成されている、細長部材と、
前記細長部材の前記第1端において又は当該第1端近傍にて前記細長部材へ選択的に取り付け可能な第1の光源であって、前記第1の光源は手動スイッチを備えており、前記第1の光源の手動スイッチが作動されると、光信号を生成するように構成されている第1の光源と、
前記細長部材の前記第2端において又は当該第2端近傍にて前記細長部材へ選択的に取り付け可能な第2の光源であって、前記第2の光源は手動スイッチを備えており、前記第2の光源の手動スイッチが作動されると、光信号を生成するように構成されている第2の光源と、
前記細長部材に動作的に連結されるとともにライト及び手動スイッチを含んでいるポンプ組立体であって、前記ポンプ組立体の手動スイッチが作動されると、光信号を生成するように構成されているポンプ組立体と、
を備えている、静脈内輸液ライン組立体であって
前記第1の光源、前記第2の光源及び前記ポンプ組立体は、無線接続を介して通信的に互いに連結されており、
前記第1の光源が光信号を提供するように起動されたとき、前記第2の光源及び前記ポンプ組立体も自動的に起動されて対応する光信号を提供し、
前記第2の光源が光信号を提供するように起動されたとき、前記第1の光源及び前記ポンプ組立体も自動的に起動されて対応する光信号を提供し、
前記ポンプ組立体が光信号を提供するように起動されたとき、前記第1の光源及び前記第2の光源も自動的に起動されて対応する光信号を提供する、静脈内輸液ライン組立体。
【請求項2】
前記無線接続は超高周波電波接続(例えば、Bluetooth(登録商標))である、請求項1に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項3】
少なくとも前記第1の光源はバッテリ保安器を含んでおり、前記バッテリ保安器は、取り外されるまでは、前記第1の光源の起動を防ぐように構成されている、請求項1又は請求項2に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項4】
前記第1の光源は、前記バッテリ保安器が取り外されると前記第1の光源が始動プロセスを開始して前記第2の光源及び前記ポンプ組立体との無線通信を確立させるように構成されている、請求項3に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項5】
前記ポンプ組立体は蠕動ポンプを含んでいる、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項6】
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を充電するために前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を受け入れるための1つ又はそれ以上の充電ポートを含んでいる、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項7】
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源又は前記第2の光源の低バッテリ状態を検知すると可聴警報を提供することのできるスピーカーを含んでいる、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項8】
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源又は前記第2の光源の低バッテリ状態を検知するように構成されているとともに、前記低バッテリ状態を検知すると警報を提供するように構成されている、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の静脈内輸液ライン組立体。
【請求項9】
輸液ラインの多数の区分の視覚的識別を提供するためのキットであって、当該キットは、
輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第1の光源であって、手動スイッチを有していて前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第1の光源と、
輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第2の光源であって、手動スイッチを有していて前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第2の光源と、
輸液ラインへ取り付け可能であるとともにライト及び手動スイッチを含んでいるポンプ組立体であって、前記ポンプ組立体の手動スイッチが作動されると、光信号を生成するように構成されているポンプ組立体と、
を備えている、キットにおいて、
前記第1の光源、前記第2の光源及び前記ポンプ組立体の各々は、無線接続を介して互いに通信するために構成されており、
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源又は前記第2の光源の低バッテリ状態を検知するように構成されているとともに、前記低バッテリ状態を検知すると警報を提供するように構成されており、
前記第1の光源が光信号を提供するように起動されたとき、前記第2の光源及び前記ポンプ組立体も自動的に起動されて対応する光信号を提供し、
前記第2の光源が光信号を提供するように起動されたとき、前記第1の光源及び前記ポンプ組立体も自動的に起動されて対応する光信号を提供し、
前記ポンプ組立体が光信号を提供するように起動されたとき、前記第1の光源及び前記第2の光源も自動的に起動されて対応する光信号を提供する、キット。
【請求項10】
前記無線接続は超高周波電波接続(例えば、Bluetooth(登録商標))である、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
少なくとも前記第1の光源はバッテリ保安器を含んでおり、前記バッテリ保安器は、取り外されるまでは、前記第1の光源の起動を防ぐように構成されている、請求項9又は請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記第1の光源は、前記バッテリ保安器が取り外されると前記第1の光源が始動プロセスを開始して前記第2の光源及び前記ポンプ組立体との無線通信を確立させるように構成されている、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
前記ポンプ組立体は蠕動ポンプを含んでいる、請求項9から請求項12の何れか一項に記載のキット。
【請求項14】
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を充電するために前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を受け入れるための1つ又はそれ以上の充電ポートを含んでいる、請求項9から請求項13の何れか一項に記載のキット。
【請求項15】
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源又は前記第2の光源の低バッテリ状態を検知すると可聴警報を提供することのできるスピーカーを含んでいる、請求項9から請求項14の何れか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、いずれも「輸液ラインシステム」(INFUSION LINE SYSTEMS)と題された2018年2月22出願の米国特許出願第15/902,682号であって現在の米国特許第10,064,991号及び2018年8月2日出願の米国特許出願第16/053,495号に対する優先権を主張し、それら特許出願及び特許それぞれの開示をここに参考文献としてそっくりそのまま援用する。
【0002】
本開示は、概括的には、薬、流体、及び/又は栄養分の静脈内投与のためのシステムに関する。より具体的には、開示は、薬、流体、及び/又は栄養分を静脈内投与するのに使用される幾本かの静脈内ラインのそれぞれを明確に識別するためのシステム及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
病院の環境では、患者が、液状薬、流体、及び栄養分(以下、総称的に「治療用流体」と称する)を、静脈内ライン(以下、「IVライン」と称する)を介して投与されることが多い。一般に、IVラインは、一方の端を流体源に接続され、もう一方の端を患者の血管/動脈へのアクセスを提供する針又はポートへ接続された可撓性プラスチック管材から成る。一人の患者へ幾つかの治療用流体を一度に送達するために、それぞれが異なる流体源へ接続された複数のIVラインが同時に使用されることは珍しくない。また、複数の隣接する針が患者の腕を通って走る上腕静脈内へのアクセスを提供しているといった様に、針同士又はポート同士が互いに隣接して位置づけられることも珍しくない。
【0004】
IVラインの同時使用は数多くの恩恵をもたらすことができるが、幾つかの課題に直面することもある。例えば、一人の患者へ複数の治療用流体を投与するのに複数のIVラインが使用されるとき、1本のIVラインを別のIVラインから容易に識別するのが煩雑になったり困難になったりする可能性がある。この様に、或る特定の治療用流体源及び対応する治療用流体出力部を別の投薬源及びその対応する治療用流体出力部と対比して素早く正確に識別するのが難しいこともあり得る。この問題は、静脈内ラインのそれぞれがパッケージ化された構成へ輪を作っていて、その結果、他のIVラインと絡み合ったりベッドシーツや衣類の下で絡み合ったりする傾向によって悪化する。
【0005】
緊急事態では特定の治療用流体源の迅速な識別が要求されることが往々にしてある。例えば、複数のIVラインへつながれた患者が、それらIVラインの1つを通して現在提供中ではない治療用流体の緊急静脈内投与を必要としているときには、当該の治療用流体を直ちに提供することが必須である。治療用流体を注入できる血管の場所を速やかに突き止めることができない場合、既に治療用流体を投与中であるIVラインを通して薬物を提供するのが一般的な実践である。新しい治療用流体を投与するのに現存のIVラインを使用するというこの実践は、緊急事態でなくとも一般的である。但し、薬物を投与する人は、新しい治療用流体が投与されるのに通るIVラインが、新しい治療用流体と適合性のある治療用流体を担持していることに確信を持てなくてはならない。新しい治療用流体がIVラインを通して注入される場合で、IVラインを通って既に流れている治療用流体が新しい治療用流体と適合性がないという場合、深刻な結果が起こらないとも限らない。例えば、既にリドカインが流れているIVラインの中へヘパリンが注入された場合、患者にとって危険となり得るフレーク状の沈殿物が混合物中に形成されるだろう。同様に、共通のIVライン内でインスリンを所定の化学療法薬物と混合することは患者にとって極めて危険であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数のIVライン並びにそれらの関連づけられた流体源及び出力部同士を区別することが難しいことと、適合性のない治療用流体同士が同じIVラインを通して注入された場合に起こり得る潜在的に生命を脅かす可能性があることを受けて、個々のIVライン並びにそれらの関連づけられた流体源及び出力部の容易で正確な識別を可能にさせるデバイス及びシステムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
或る実施形態では、静脈内輸液ライン組立体が、細長部材と光学部材とを含んでいる。細長部材は、細長部材の第1端と細長部材の第2端の間に流体連通を提供することによって治療用流体を患者へ投与するための流体導管を有している。光学部材は、少なくとも部分的に細長部材へ付着されていて、光を光学部材内で内部反射させるように少なくとも部分的に光透過性である。
【0009】
別の実施形態では、静脈内輸液ライン識別システムが、治療用流体を患者へ投与するための静脈内療法システムと光源とを含んでいる。静脈内療法システムは、治療用流体入力部及び治療用流体出力部を細長部材及び光学部材と共に含んでいる。細長部材は、治療用流体入力部から治療用流体出力部への流体連通を提供する。光学部材は、少なくとも部分的に細長部材へ連結されていて、光を光学部材内で内部反射させるように少なくとも部分的に光透過性である。幾つかの構成では、光学部材は、少なくとも部分的に細長部材へ複数の剛性締結具/クランプを用いて連結されている。光源は、光学部材へ選択的に連結可能であり、光を光学部材の中へ提供するように構成されている。幾つかの構成では、光源は細長部材へ複数のクリップを用いて選択的に取り付け可能である。
【0010】
更に別の実施形態では、治療用流体を患者へ投与するのに使用される輸液ラインを識別する方法が、光学部材を有する輸液ラインを提供する段階と、光源を光学部材に隣接して位置決めする段階と、光源からの光を光学部材の中へ方向決めする段階と、を含んでいる。光学部材は、光の少なくとも第1の部分を光学部材内で内的に反射させるように構成されている。
【0011】
別の実施形態では、静脈内輸液ライン識別システムが、無線接続を介して通信的に互いへ連結された第1の光源と第2の光源を含んでいる。光源は、一方が光信号を生成するように起動されたときに他方が自動的に起動されて対応する光信号を生成するように構成されている。各光源は輸液ラインの両端に設置されて、同じ輸液ラインの各端の容易識別が可能になるようにし、それにより輸液ラインの誤った識別及び/又は輸液ラインの一方の端と異なる輸液ラインの別の端との誤った関連づけを防止できるようにする。
【0012】
本発明のこれら及び他の目的並びに特徴は、以下の説明及び付随の特許請求の範囲からより完全に明らかにもなれば以下に示される発明の実践によって知られもしよう。
【0013】
本発明の上記及び他の利点並びに特徴をいっそう明確にするために、本発明のより具体的な説明が、添付図面に描かれている発明の特定の実施形態を参照しながら与えられることになる。これらの図面は、発明の例示とされる実施形態のみを描写しており、したがってその範囲を限定するものと考えられてはならない、ということが理解される。本発明は、添付図面の使用を通じて追加の特異性及び詳細と共に説明され、解説される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示による静脈内(「IV」)輸液ライン組立体の或る実施形態であって、第1の光部品が光源であり、第2の光部品が光学部材であり、光学部材は第1の光部品と第2の光部品の両方が同期の視覚的識別子を提供するように動作的に光源へ連結されている、という実施形態の概略図を示している。
【
図2】本開示による
図1のIV輸液ライン組立体の実施形態の横断面図を描いている。
【
図3A】本開示によるIV輸液ライン組立体の或る実施形態の斜視図を描いている。
【
図3B】本開示によるIV輸液ライン組立体の或る実施形態の上面図を描いている。
【
図3C】本開示によるIV輸液ライン組立体の或る実施形態の右側面図を描いている。
【
図3D】本開示によるIV輸液ライン組立体の或る実施形態の断面前面図を描いている。
【
図3E】本開示によるライン締結具の斜視図を描いている。
【
図3F】本開示によるライン締結具の前面図を描いている。
【
図3G】本開示によるライン締結具の後面図を描いている。
【
図3H】本開示によるライン締結具の底面図を描いている。
【
図3I】本開示によるライン締結具の上面図を描いている。
【
図3J】本開示によるライン締結具の右側面図を描いている。
【
図3K】本開示によるライン締結具の左側面図を描いている。
【
図4】本開示によるIV輸液ライン識別システムの或る実施形態の側面図である。
【
図5】本開示による光源の或る実施形態の分解斜視図を描いている。
【
図6】本開示による
図4のIV輸液ライン識別システムの実施形態の部分破断側面図である。
【
図7A】本開示による光源の或る実施形態を描いている。
【
図7B】本開示による
図7Aの光源の実施形態の側面図を描いている。
【
図8】本開示によるIV輸液ライン識別システムの別の実施形態の側面図である。
【
図9A】本開示による
図8のIV輸液ライン識別システムの実施形態の部分破断側面図である。
【
図9B】本開示による
図8のIV輸液ライン識別システムの実施形態の部分破断端面図である。
【
図10A】本開示によるIV輸液ラインの別の実施形態の横断面図である。
【
図11】本開示による、インラインフィルタを用いたIV輸液ラインの或る実施形態の側面図である。
【
図12】本開示による、インラインロータリーポンプを用いたIV輸液ラインの或る実施形態の側面図である。
【
図13】輸液ライン識別システムの別の実施形態であって、第1の光部品が光源であり、第2の光部品も光源であり、光源同士は第1の光部品と第2の光部品の両方が同期の視覚的識別子を提供するように動作的に互いへ連結されている、という実施形態を描いている。
【
図14】ポンプ組立体の追加された
図13の輸液ラインシステムの或る実施形態を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここに説明される実施形態は、静脈内(「IV」)輸液ラインの識別のための方法、デバイス、システム、組立体、及び装置に及ぶ。それらは、例えば、適合性のない治療用流体同士が単一のIV輸液ラインを通して誤って注入されるのを防ぐために単純で効率的な方式で1本の輸液ラインを別の輸液ラインから高信頼度に識別することを可能にさせるように構成されている。ここに説明されるIV輸液ライン識別システムは、現行の臨床方法及び/又は臨床機器への多大な変更なしに、誤って識別された輸液ラインの数を減らすことができるだろう。
【0016】
これより、本発明の例示としての実施形態の様々な態様を説明するのに図面を参照してゆく。理解しておくべきこととして、図面は、その様な例示としての実施形態の図表的表現及び模式的表現であり、本発明を限定するものではなく、何れかの特定の要素が全ての実施形態にとって不可欠であると考えられてはならず、また要素が何れかの特定の順序又は方法で組み立て又は製造されると考えられてはならない。したがって、何れかの要素の必要性に関しては、如何なる推論も図面から引き出されてはならない。以下の説明では、本発明の十分な理解を提供するために多数の特定の詳細事項が示されている。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細事項なしに実施され得るということが、当業者には自明であろう。他の場合において、IVライン及び関係づけられたデバイス及び方法の既知の態様、一般的な製造技法などは、本発明の新規性のある態様を不必要にあいまいにすることを避けるためにここでは詳細に説明されない。
【0017】
図1から
図12及び次の論考は、本発明の諸実施形態が実施され得る例示としてのデバイスの簡単な全般的説明を提供することを意図している。治療用流体を投与するためのIV治療装置が以下に説明されているが、これは、本発明に対する1つの単一の例示としての適用でしかなく、本発明の諸実施形態は、医療分野と他の技術分野の両方の分野内の他の適用で実施されることもできる。したがって、明細書及び特許請求の範囲全体を通しての「IVライン」、「IVバッグ」、「ポンプ」、「針」、「ポート」、「IV療法システム」などの様な医療デバイス及び医療システムへの言及は、個別に識別され且つここに説明される他の類似の品目から個別に区別される必要のありそうな何れの型式の品目にも広く適用されるものとする。
【0018】
また、IV療法システムの諸実施形態が示され説明されてはいるが、これらは単に例示としての実施形態であることを理解しておきたい。これらの例示としての実施形態の種々の素子は、除外されることもあれば、当該技術分野において知られ使用されている他の素子と置き換えられることもできる。限定するわけではないが一例として、例示としての実施形態の幾つかは、IVバッグ、ポンプ、及びコネクタを含んでいる。これらの素子のそれぞれは、省かれることもできれば他の素子と置き換えられることもできるだろう。例えば、様々な型式のポンプがシステムと共に使用されてもよいし、又はシステムではポンプが全く使用されないということもあるだろう。同様に、IVバッグやYコネクタ以外にも様々な型式の流体源やコネクタが採用されることもできるだろう。
【0019】
図1を参照すると、治療用流体を患者へ投与する際に使用するためのIV輸液ライン組立体100が示されている。IV輸液ライン組立体100は、細長部材102をそれへの流体導管と共に含んでいる。流体導管は、生理食塩水、薬、又は栄養分の様な、1つ又はそれ以上の治療用流体のための流体連通を提供することができる。IV輸液ライン組立体100は、少なくとも部分的に細長部材102へ付着されている光学部材104を含んでいる。光学部材104は、少なくとも部分的に光透過性であり、光が光学部材104を通過できるようにしている。
【0020】
幾つかの実施形態では、細長部材102は、治療用流体入力部106及び治療用流体出力部108を有していてもよい。治療用流体入力部106は、細長部材が、IVバッグ、ガラス瓶、プラスチックボトル、シリンジ、又は他の無菌貯留部の様な、治療用流体の貯留部へ接続できるようにしている。細長部材102の反対側の端には、治療用流体出力部108がある。治療用流体出力部は、細長部材102が患者への流体連通を提供することができるように、細長部材102を針やポートの様なアクセスデバイス(図示せず)に接続するように構成されている。
【0021】
光学部材104は、第1端110及び第2端112を有している。幾つかの実施形態では、第1端110は細長部材102の治療用流体入力部106に近接して位置し、第2端112は細長部材102の治療用流体出力部108に近接して位置している。細長部材102と光学部材104の少なくとも一部分は互いに対して固定されている。細長部材102と光学部材104は可撓性であり、よって光学部材104と細長部材102は一方又は他方が動かされるのに合わせて動くことができる。幾つかの実施形態では、光学部材104の全体長さが細長部材102へ固定されている。他の実施形態では、光学部材104の全体長さより少ない部分が細長部材102へ固定されている。幾つかの実施形態では、光学部材104の第1端110が細長部材102へ固定され且つ第2端112が細長部材102へ固定されている。
【0022】
光学部材104は、光が光学部材104を通過するのを及び/又は光が光学部材によって伝達されるのを許容するように光透過性であってよい。幾つかの実施形態では、光学部材104は、範囲の上の値又は範囲の下の値又は範囲の上の値と下の値が40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれらの間の何れかの値のうちの何れかを含んでいる範囲の可視波長透過率を有していてもよい。例えば、光学部材104は、40%を超える可視波長透過率を有していてもよい。他の実施例では、光学部材104は、95%未満の可視波長透過率を有していてもよい。更に他の実施例では、光学部材104は、40%から95%の間の透過率を有していてもよい。更なる実施例では、光学部材104は、50%から90%の間の透過率を有していてもよい。
【0023】
幾つかの実施形態では、光学部材104は光ファイバーケーブルであってもよい。例えば、光学部材104の第1端110にて提供される光の少なくとも一部が光学部材104の第2端112へ搬送されるようになっていてもよい。光は、第1端110から第2端112へ内部屈折を介して搬送されてもよい。例えば、光学部材104は、第1の屈折率を有し、空気の様な周囲環境は第1の屈折率より小さい第2の屈折率を有しているとしてもよい。光は、少なくとも一部には第1の屈折率と第2の屈折率の関係に依存する臨界角より小さい角度で光学部材104の表面から屈折しながら光学部材104の内部に沿って長手方向に伝搬してゆくだろう。幾つかの実施形態では、光学部材104は、1.5より大きい屈折率を有していてもよい。他の実施形態では、光学部材104は、1.8より大きい屈折率を有していてもよい。更に他の実施形態では、光学部材104は、2.0より大きい屈折率を有していてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、光学部材104は、少なくとも光の一部を長手方向に(即ち、第1端110から第2端112へ、又はその逆に)搬送するように構成されていてもよい。光学部材104は、少なくとも光の一部を第1端110と第2端112の間で横断方向に(即ち、長手方向を横断する方向に)放射するように構成されている。例えば、光が光学部材104の第1端110にて提供されたとき、少なくとも光の10%が光学部材104の長さに沿って横断方向に放射される。他の実施例では、光が光学部材104の第1端110にて提供されたとき、少なくとも光の20%が光学部材104の長さに沿って横断方向に放射される。更に他の実施例では、光が光学部材104の第1端110にて提供されたとき、少なくとも光の30%が光学部材104の長さに沿って横断方向に放射される。少なくとも1つの実施例では、光が光学部材104の第1端110にて提供されたとき、少なくとも光の50%が光学部材104の長さに沿って横断方向に放射される。
【0025】
図2は、
図1のIV輸液ライン組立体100の横断面図を示している。細長部材102は、外面114と内面116とを有している。内面116は、中を通して流体連通を提供するように細長部材を長手方向に貫いて延びる導管118を画定している。流体120は、貯留部から患者へ提供される治療用流体であってもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、光学部材104は、その長さに沿って均一であってもよい。他の実施形態では、光学部材104は、
図2に示されている様に、光学部材104に埋め込まれた複数の散乱要素を含み、それを通って伝達される光を散乱させ光学部材104の側壁を通して光を放射するようにしている。
【0027】
幾つかの実施形態では、光学部材104は、少なくとも部分的に細長部材102の外面114へ付着されていてもよい。例えば、光学部材104は細長部材102の外面114へ、複数の締結具又はクランプを用いて付着されていてもよい。他の実施例では、光学部材104は外面114へ、両者の間に配置された接着剤を用いて接着されていてもよい。更に他の実施例では、光学部材104は、光学部材104及び/又は細長部材102を部分的に溶融させて光学部材104と細長部材102の材料を結着させるなどによって、直接的に細長部材102へ結着されていてもよい。光学部材104と細長部材102は、超音波溶接によって、摩擦溶接によって、外部の源から熱を加えることによって、又は他の部分的溶融方法によって、一体に決着されてもよい。諸実施形態は、少なくとも部分的に光学部材104を細長部材102の外面114へ付着させるための前記手段又は他の手段の何れかの組合せを含んでいてもよい。
【0028】
図3Aから
図3Dは、光学部材104が少なくとも部分的に細長部材102へ複数のライン締結具130(ここでは「剛性クランプ」とも称する)を用いて連結されている、
図1のIV輸液ライン組立体100の或る実施形態の様々な図を描いている。本明細書での使用に際し、「剛性クランプ」は、それらが光学部材104及び細長部材102になじみ光学部材104と細長部材102を締結するための可動部分を必ずしも必要としないという点で「剛性」である。ゆえに、「剛性クランプ」は、それらが作られる材料(例えば、適切なポリマー又は金属材料)に固有の或る量の可撓性を含んでいることになる。
【0029】
剛性クランプ130は、第1の開口部131及び第2の開口部132を含み、開口部はそれぞれが光学部材104と細長部材102を受け入れるように適合されている。剛性クランプ130は、光学部材104を取り外し可能に固定するよう適合された第1の溝140を有している。剛性クランプ130は、更に、第2の溝141及び第3の溝142を有し、それらは縦列に並んで細長部材102を取り外し可能に固定するように適合されている。例えば、使用者は、光学部材104と細長部材102を、それぞれの開口部131と開口部132を通して輪にしてもよいし、光学部材104を第1の溝140内に位置決めしてもよいし、細長部材102を第2の溝141及び第3の溝142内に位置決めしてもよい。
【0030】
配置の1つでは、剛性クランプ130同士は、IV輸液ライン組立体100の長さに沿って約6~8インチ(約15.2~20.3センチメートル)間隔を空けられている。約6~8インチ(約15.2~20.3センチメートル)の間隔取りは現時点での好適な構成であるが、他の構成としては、より密な間隔取り(例えば、IV輸液ライン組立体100の長さに沿って剛性クランプ130同士の間に2分の1インチ(1.27センチメートル)の空き)、より疎な間隔取り(例えば、IV輸液ライン組立体100の長さに沿って剛性クランプ130同士の間に14インチ(35.6センチメートル)の空き)、不均一間隔の配置(例えば、IV輸液ライン組立体100の長さに沿って剛性クランプ130同士の間に可変間隔を用いる)等々が挙げられる。
【0031】
図3Eから
図3Kは、例示としての剛性クランプ130の追加の図を示している。描かれている実施形態では、第1の溝140は、第2の溝141及び第3の溝142よりも小さい直径を有している。その様な構成は、相対的に小さい光学部材104が第1の溝140と係合する一方で、相対的に大きい細長部材102が第2の溝141及び第3の溝142と係合することを可能にさせて好都合である。他の実施形態では、溝の大きさは、細長部材及び/又は光学部材の対応する大きさに従って調節されてもよい。幾つかの実施形では、細長部材102と光学部材104の位置が逆転されることもあるだろう。他の実施形態は、光学部材104を少なくとも部分的に細長部材102へ連結するのに追加的に又は代替的に他の型式の締結具又はクランプ(例えば、ばね仕掛けのクランプ、ヒンジ式留め金)を使用することもできる。
【0032】
幾つかの実施形態では、細長部材102と光学部材104の間の接続は、使用者によって破断可能であってもよい。例えば、インラインフィルタ、ロータリーポンプの使用を許容するために、又は使用者によって必要とされる他のデバイスの接続を可能にするために、細長部材102と光学部材104との間の接続部の長手方向長さの少なくとも一部分が破断される(例えば、細長部材102と光学部材104が引っ張られて互いから隔てられる)ようになっていてもよい。
【0033】
例えば、
図4は、光源222を光学部材204へ接続できるようにするために光学部材204の少なくとも一部分を細長部材202から枝分かれさせたIV輸液ライン組立体200を有するIV輸液ライン識別システムの或る実施形態を描いている。光源222は、滅菌処理(ガンマ線放射、エチレンオキシドガス)に先立ってIV輸液ライン組立体200へ連結されてもよい。代替的に、光源222は、複数のIV輸液ライン組立体200相手に再使用可能なポータブル式光源であってもよい。例えば、医師、臨床看護師、医師助手などの様な使用者は、ここに説明されている光源222を携え、光源を一人の患者への複数のIV輸液ライン組立体200相手に又は複数の患者相手に使用することもできる。しかしながら、典型的には、光源222は、システムを無菌のすぐに使用できる状態で使用者へ提供できるように滅菌に先立ってIV輸液ライン組立体200へ連結されることになるだろう。
【0034】
光源222は、光学部材204へ光を提供するために光学部材204へ選択的に連結されるようになっていてもよい。光源222は、再充電式バッテリ及び/又は交換式バッテリの様なアウトボード電源を含み、光源222が使用者と共に携行されることを可能にしていてもよい。他の実施形態では、光源222は、光源222を外部電源へ接続できるようにする1つ又は複数のコネクタを有していてもよい。光源222は、光学部材204の長手方向の長さに沿って光学部材204を照らすために、光学部材204の第1端210へ光を提供してもよい。他の実施形態では、光源222は、光学部材204の第2端(例えば、
図1に示す第2端112)へ光を提供し、光学部材204の長手方向の長さに沿って光学部材204を照らすようになっていてもよい。
【0035】
図5は、
図4の光源222の実施形態の分解図を描いている。光源222は、Oリング251を受け入れるためのOリングスロット250を含んでいる。Oリング251は、光学部材204と光源222の間の選択的連結を提供するために、光学部材204を取り外し可能に固定するように適合されている。他の実施形態は、光学部材204と光源222の間の選択的連結を有効にするための他の手段(例えば、摩擦嵌め、接着剤、クランプ)を追加的又は代替的に使用することもできる。
【0036】
幾つかの実施形態では、光源222は、描かれている押しボタン240の様な使用者操作型の手動スイッチによって起動されるようになっていてもよい。使用者操作式手動スイッチは現時点で好適な実施形態であるが、他の実施形態としては、
図6に関して後述される様に、光学部材204が光源222に連結され次第、自動的に光源222を起動するためのシステムが挙げられる。
図6は、
図4の光源222の1つの随意的な構成であって、光源222を自動的に作動させるためのセンサを(例えば、手動スイッチの代替として)含む構成の断面図を描いている。光源222は、光源222内の空洞226に隣接して位置づけられた発光ダイオード(「LED」)224、電球、レーザーダイオード、又は他の光子源を有していてもよい。空洞226は、空洞226の側面に位置づけられたセンサ228を有していてもよい。センサ228は、空洞226内に位置づけられた光学部材204の存在を感知するように構成されることができる。このセンサ228は、空洞226内に光学部材204の第1端210(又は第2端)の存在を感知し次第、LED224への電気を許容するように動作可能にLED224へ連結されている。換言すると、光源222は、使用者が光学部材204の一部分を光源222の中へ挿入したときに光学部材204へ光を提供するのである。幾つかの実施形態では、LED224は空洞226の後端230に位置づけられていてもよい。他の実施形態では、LED224は空洞226に対する他の向きに位置づけられていてもよい。
【0037】
センサ228は、光学部材204との機械的接触を介して光学部材204を感知するスイッチ、トグル、又はボタンの様な物理的センサであってもよい。他の実施形態では、センサ228は、赤外線センサ、UVセンサ、レーザーセンサ、又は光学部材204と放射信号の間の干渉を介して光学部材204を感知する他のセンサの様な光学センサであってもよい。
【0038】
図7A及び
図7Bは、別の実施形態の光源722を描いている。光源722は、以下に指摘されていることを別にすれば、
図4の光源222と同様の様式に構成されることができる。光源722は、第1の方向に面する第1の開口部771を有する第1のクリップ761、第1の方向とは反対側の第2の方向に面する第2の開口部772を有する第2のクリップ762、及び第1の方向に面する第3の開口部773を有する第3のクリップ763という手段によって細長部材702へ選択的に付着可能になっていてもよい。他の実施形態は単一のクリップを使用するものもある。その様な実施形態では、単一のクリップは、光源722の長さのほぼ大半にわたって延びていてもよい。他の実施形態は、複数のクリップ(少なくとも1つは他の1つとは反対の方向に面している)、同じ方向に面した開口部を有する複数のクリップ、チャネル溝、複数のチャネル溝、又は光源722を細長部材702へ選択的に付着可能にするための他の構造的構成、を含んでいてもよい。
【0039】
描かれている実施形態では、クリップ761、762、及び763は、光源722が細長部材702へ連結されるときに接続を提供するのに十分な光源722の長さにわたって広がるように配置される。例えば、第1のクリップ761と第3のクリップ763の間の距離は、光源722の全体長さの約50%から約80%とすることができる。
【0040】
ここに説明されている他の実施形態と同じく、光源は、第1の光部品として、細長部材702及び光学部材(この図には示さず)の第1端近傍(例えば、流体入力部近傍)に位置づけられ、第2の光部品として、細長部材702の第2端近傍(例えば、流体出力部近傍)に延在し及び位置付けられていてよい。第1の光部品が細長部材702の第1端にて光信号を生成するように起動されたときに対応する光信号が第2の光部品によって細長部材702の第2端にて生成されることになるように、第1の光部品と第2の光部品は動作可能に互いへ連結されている。
【0041】
図8は、光学部材304の第1端310が細長部材302へ連結されているIV輸液ライン組立体300を有するIV輸液ライン識別システムの別の実施形態を描いている。光源322は、光学部材304の端と細長部材302を連結解除しなくても、細長部材302と光学部材304の上へ横断方向から接続して光学部材304の第1端310(又は第2端)へ光を提供するように構成されている。
【0042】
図9A及び
図9Bは、
図8の光源322の実施形態の詳細図を示している。
図9Aは、光源322内に位置づけられたIV輸液ライン組立体300の断面側面図を示している。
図9A及び
図9Bに示されている光源322の空洞326は、細長部材302が光源322を通って延びるのを許容する一方で光学部材304を光源322内でLED324(又は他の光子源)に隣接して終端させるように構成されている。
【0043】
図9Bは、
図9Aに示される空洞326の壁332のセンサ328を示す、光源322の端面図を表している。同じく
図9Bを参照して、センサ328は、光源322内に位置づけられた細長部材302の存在を感知するように構成されていてもよい。
図6に関連して説明されているセンサ228と同様に、センサ328は、細長部材302との機械的接触を介して細長部材302を感知するスイッチ、トグル、又はボタンの様な物理的センサであってもよい。他の実施形態では、センサ328は、赤外線センサ、UVセンサ、レーザーセンサ、又は細長部材302と放射信号の間の干渉を介して細長部材302を感知する他のセンサの様な光学センサであってもよい。
【0044】
描かれている実施形態では、センサ328は、光源322のクリップ334によって力が細長部材302へ加えられたときに細長部材302によって押圧される。クリップ334は、ヒンジ型接続336周りに可動式に光源322へ接続されることができる。ヒンジ型接続336は、クリップ334を閉じるように及び/又はクリップ334を光源322に対して閉じた状態に保持するように付勢されていてもよい。ヒンジ型接続336の付勢は、細長部材302をセンサ328に押し当てて圧縮するのに十分な力を、クリップ334を通して加えることができる。ヒンジ型接続336の付勢は、使用者が光源322を解放したときに、光源322を細長部材302上に維持するのに十分な力を、クリップ334を通して加えることができる。換言すれば、使用者は光源322を細長部材302上へ挟み付けたら、光源322は、使用者が光源322を支え続けなくても細長部材302上の所定場所に留まることができるのである。
【0045】
図10Aは、別の実施形態のIV輸液ライン組立体400の横断面図を描いている。細長部材402は、細長部材402の中心を貫く導管418を画定しており、光学部材404が細長部材402の外面と接触して位置づけられている。幾つかの実施形態では、光学部材404は細長部材402の外面へ固定されていてもよい。他の実施形態では、光学部材404は細長部材402に対して長手方向に滑動可能であってもよい。換言すれば、光学部材404は、細長部材402を周って周方向に位置づけられはするが細長部材402へ固定されていなくてもよいということだ。
【0046】
図10Bは、IV輸液ライン組立体400の実施形態の縦断面図を描いている。その様な実施形態では、光学部材404は細長部材402の端の手前で終端していてもよく、又はIV輸液ライン組立体400の終端は医療機器又は患者によって隠され又は覆われていてもよい。その様な実施形態では、光は、
図10Bに示されているインカップリング回折格子438の様な1つ又はそれ以上の回折光学要素を通して横断方向に光学部材404へ提供されることができる。インカップリング回折格子438は、光を或る角度で屈折させ光が光学部材404内を長手方向に伝搬することを可能にさせる複数のウェッジ又は他のレンズを含んでいる。
【0047】
ここに説明されている様に、光学部材と細長部材は、使用者が少なくとも光学部材の一部分を細長部材から脱着できるようにするために選択的に分離可能であってもよい。
図11は、光学部材504が細長部材502から脱着されていて、細長部材502がフィルタ540を通って方向決めされるIV輸液ライン組立体500の実施形態を描いている。フィルタ540は、細長部材502の内容物(即ち、治療用流体)を濾過するように構成されており、一方、光学部材504はフィルタ540を周って連続していてフィルタ540の反対側で細長部材502に再接合している。
【0048】
図12は、光学部材604が細長部材602から脱着されていて、細長部材602がロータリーポンプ642を通って方向決めされるIV輸液ライン組立体600の実施形態を描いている。ロータリーポンプ642は、細長部材502の内容物(即ち、治療用流体)を長手方向に推進させるべく細長部材602へ力を加えるように構成されている。光学部材604は、ロータリーポンプ642を周って連続していてロータリーポンプ642の反対側で細長部材602に再接合している。
【0049】
ここに説明されているIV輸液ラインの実施形態の少なくとも幾つかは、使用者が臨床環境でIV輸液ラインの長さを識別するために光源を使用してIV輸液ラインを照らすことを可能にさせる。IV輸液ラインは、従来のアダプタ及び機器に含まれそれらと共に使用される使い捨て式の細長部材及び光学部材とすることができる。
【0050】
図13は、或る代替的な実施形態の輸液ライン組立体800を描いている。ここに説明されている他の実施形態と同じく、輸液ライン組立体800は、細長部材802と、細長部材802の第1端806(例えば、IVバッグ860及び関連づけられた流体入力部の近傍)に配置された第1の光源822と、を含んでいる。この実施形態では、光学部材は省略されており、その代わりに、輸液ライン組立体800は、細長部材802の第2端808(例えば、流体出力部及び患者ポート862の近傍)に配置された第2の光源823を含んでいる。第2の光源823は、通信的に第1の光源822へ連結されている。こうして、描かれている実施形態は、第1の光源822によって第1端806にて生成された光を第2端808へ伝達するのに光学部材を用いるのではなく、描かれている実施形態は、2つの動作的及び通信的に連結された光源822と光源823を利用して、細長部材802の一端にて生成される光信号が細長部材802の反対側の端にて生成される対応した光信号を有することを確実にする。
【0051】
第1の光源822と第2の光源823は、無線接続/リンクを介して、動作的及び通信的に連結されていてもよい。例えば、第1の光源822と第2の光源823は超高周波電波無線リンク(例えば、Bluetooth(登録商標))、Wi-Fi、又は他の適切な無線通信プロトコルを使用してペアリングされることができる。
【0052】
使用時、第1の光部品(第1の光源822の形態をしている)は、細長部材802の第1端806近傍に位置づけられ、第2の光部品(第2光源823の形態をしている)は、細長部材802の第2端808近傍に位置づけられる。第1の光部品と第2の光部品は、どちらかが起動されると他方も同様に起動されるように互いへ(例えば、無線通信リンクを介して)動作的に連結されている。この方式では、使用者は第1の光源822又は第2の光源823を起動することができ、すると他方の光源も自動的に起動されることになり、端806と端808のそれぞれが同じ細長部材802に属していることを確証する視覚的な表示が提供されるのである。上述のように、この視覚的な表示は、輸液ラインの誤った識別並びに関連の事故及び患者リスクを防ぐことができる。例えば、介護人が素早く容易にシステムを使用して、どの輸液ライン及び/又は薬がどの患者の静脈へ装着されているのかを識別することができ、それにより正しいセットアップを迅速且つ安全に識別できるようになる。
【0053】
図14に示されている様に、輸液ラインシステムは、更に、細長部材802へ取り付け可能であるか又は動作的に連結されたポンプ組立体842を随意的に含むことができる。ポンプ組立体842は、蠕動ポンプか又は細長部材802を通して流体を動かす他の適切な手段として提供されることができる。第1の光源822又は第2の光源823又はポンプ組立体842の何れか1つの起動が、他の2つの素子の起動を生じさせるように、ポンプ組立体842は、更に、第1の光源822及び第2の光源823へ通信的に(前述の無線リンクを介して)連結されていてもよい。例えば、ポンプ組立体は、使用者がコントローラ840aを作動させたときに起動されるようになっていてもよい(「コントローラ」という用語は、本明細書では同義的に「手動スイッチ」とも称する)。コントローラ840aは、押しボタン、トグル、スイッチ、スライダー、ノブとして、又はデバイスを選択的に起動するための他の適切な手段として提供されることができる。
【0054】
起動され次第、ポンプ組立体842は、デバイスが起動されたことを示唆する視覚的なインジケータを表示するようになっていてもよい。例えば、デバイスの起動を示唆するべくライト824aがオンになってもよい。幾つかの実施形態では、ライト824aは、コントローラ840aから分離されている。他の実施形態では、ライト824aは、コントローラ840a自体に含まれていてもよい。例えば、コントローラ840aは、起動されたときに点灯し再度押下されるとオフになる押しボタンであってもよい。
【0055】
ポンプ組立体842が起動されると、第1の光源822及び第2の光源823の対応する視覚的インジケータ(例えば、
図15に示されているライト824b)も自動的に起動される。輸液ラインシステム800は、必ずしもポンプ組立体842のコントローラ840aを作動させることによって起動される必要があるわけではない。例えば、使用者は、第1の光源822又は第2の光源823又はポンプ組立体842の何れかを起動して、他の2つの素子の対応するインジケータ(例えば、光信号)の起動をトリガさせることができる。この方式では、使用者は、どれであれ最も近い素子を或いは起動させるのに最も都合の良い素子を起動することができ、そうすることによってシステムの通信的にリンクされている全ての他の素子を自動的に起動することができる。
【0056】
示されている様に、ポンプ組立体842は、更に、光源822及び/又は光源823を受け入れるように構成された1つ又はそれ以上のステーション850を含んでいてもよい。ステーション850は、光源822及び/又は光源823が差し込まれるか又は他のやり方で取り付けられるときに光源822及び/又は光源823の内部のバッテリ/複数バッテリを充電するための充電ポートとして構成されていてもよい。ポンプ組立体842自体は、壁のコンセントへの有線接続によってパワー供給されてもよいし、自身の内部バッテリを含んでいてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、ポンプ組立体842は、可聴アラームを提供することのできるスピーカー854を含んでいる。例えば、リンクされた光源の何れかに低バッテリ状態が検知されたとき、スピーカー854は、付近の使用者に素子を交換するか又はそれ以外に注視する必要を知らせる可聴アラームを提供するようにトリガされることができる。アラームは、追加的又は代替的に、ポンプ組立体842又は光源822、823のうちの1つ又はそれ以上にてライトを点滅させる、他の関連づけられたデバイスその他へエラーメッセージを送信する、といった様な他のインジケータを含むこともできる。ポンプ組立体842のスピーカー854に加えて又はその代替として、光源822、823のどちらか又は両方がスピーカーを含んでいてもよい。しかしながら、典型的な実施形態は光源822、823のスピーカーを省略することになろう。
【0058】
幾つかの実施形態では、輸液ラインシステム800の1つ又はそれ以上の素子はキットとしてまとめて提供されている。例えば、2つの光源822と光源823は、対として一緒にパッケージ化されてもよい。好ましくは、2つの関連づけられた光源の無線ペアリング/リンキングは、パッケージ化の前に確立させておきたい、そうすれば、素子は開封後ただちに使用できる準備の整った状態になる。パッケージ化前のペアリング/リンキングは、使用中のエラーのリスクを低減することもでき、というのも、使用者が1対又はそれ以上の対の光源を対応する輸液ラインへ設置する際に手動で光源をペアリングする必要がなくなるからである。幾つかの実施形態では、キットは、1対の光源とポンプ組立体842とを含んでいる。先と同じく、これらの素子は、それらがより容易に使用され、誤った設置若しくはペアリングに関連するリスクが低減されるように、パッケージ化の前に無線式にペアリング/リンキングされていることが望ましい。その様なキットの何れかは、更に、ポンプや輸液ラインを滅菌するのに典型的に使用される非加熱殺菌プロセスの様な、技術的に知られている適切な殺菌プロセスを使用して滅菌されるのが望ましい。
【0059】
図15は、一方の光源822の詳細図を描いている。それぞれの光源822、823は、典型的には、大きさ、形状、及び構造が類似しているだろうから、第1の光源822のみが示されている。しかしながら、第2の光源823は、描かれているものと同じ素子及び特徴を含んでいるものと理解しておきたい。光源822は、本明細書に説明されている他の光源実施形態の何れかを含んでいてもよい。例えば、光源822は、細長部材802への有効な取り付けを可能にするために、
図7A及び7Bに示されているクリップ特徴部の何れかを含んでいてもよい。或る典型的な実施形態では、光源822は1つ又はそれ以上の内部バッテリを含んでいるだろうが、壁のコンセントへの直接的電気接続の様な他の電源が追加的又は代替的に利用されることもできる。
【0060】
随意的なポンプ組立体842と同じく、光源822は、ライト824bの形態をしている視覚的インジケータ及び対応するコントローラ840b(本明細書では同義的に「手動スイッチ」とも称する)を含んでいる。コントローラ840bが作動されると、ライト824bが起動され、他方の通信的にリンクされた光源(及び該当する場合はポンプ組立体842)の対応する視覚的インジケータも自動的に起動される。ポンプ組立体842に関して説明されている様に、ライト824bとコントローラ840bは、示されている様に別々の特徴であってもよいし、又は代替的には、起動されると点灯する押しボタンの様な1つの手動的に起動させることのできる素子へ組み合わされていてもよい。
【0061】
現時点で好適な実施形態は、更に、意図される使用より前のデバイスの偶発的な起動及び/又はバッテリの消耗を防ぐように構成されたバッテリ保安器852を含んでいる。バッテリ保安器852は、内部電気回路を遮断しデバイスの出荷中及び保管中の起動を防止するために光源822の中へ部分的に延びる薄い紙、フィルム、又は他のその様な構造とすることができる。例えば、バッテリ保安器852は、典型的には、バッテリの表面を横切ってバッテリと端子コネクタの間を延びる。
【0062】
バッテリ保安器852の一部分(
図15に見える部分)は、光源822の筐体より向こうまで延び、使用者がバッテリ保安器852を掴み、それを引っ張って光源822から剥がすことができるようにしている。これにより、光源822の内部回路は閉じられ、デバイスの始動が許容されることになる。始動し次第、デバイスの無線通信素子(例えば、Bluetooth(登録商標)素子の様な超高周波電波無線素子)は、デバイスに、自身の関連づけられた素子(他方の光源及び随意的なポンプ組立体)を探し出させ、それらに対する通信リンクを確立しようとさせる。全ての素子が始動されたら、通信リンクが確立され、それら素子は使用に向けて準備が整うことになる。(単数又は複数の)バッテリは、光源の動作が、大抵は約96時間である標準的IVバッグの持続時間に持ちこたえるように設計されていてもよい。
【0063】
所定の実施形態は、始動時に視覚的インジケータが自動的に起動するように構成されていてもよい。追加的又は代替的に、起動及び動作停止は、上記によって説明されている様にコントローラ840a、840bの作動を通して選択的に制御されるようになっていてもよい。
【0064】
幾つかの実施形態では、通信的にリンクされた素子の各セットの視覚的インジケータは、通信的にリンクされた素子の他のセットから区別するための対応する特徴を有している。例えば、リンクされた光源の1つの対は、起動されたときに第1の色の光を有し、リンクされた光源の別の対は、起動されたときに第2の異なる色の光を有するようになっていてもよい。
【0065】
上記実施形態は2つの光源に関連して説明されているが、他の光源が追加的に含まれることもできると理解しておきたい。例えば、幾つかの実施形態は、細長部材802の端間の中間位置に位置づけられた1つ又はそれ以上の光源の様な、細長部材802の長さにまたがる一連の通信的にリンクされた光源を含んでいてもよい。
【0066】
原文の冠詞「a」、「an」、及び「the」の対訳である「或る」及び「当該」は、前記説明の中の要素について1つ又はそれ以上の要素が存在することを意味するものとする。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包含的であるものとし、記載されている要素以外に追加の要素が存在し得ることを意味する。加えて、理解しておくべきこととして、本開示の「1つの実施形態」又は「或る実施形態」への言及は、同じく記載の特徴を組み入れている追加の実施形態の存在を排除するものと解釈されることを意図していない。本開示の実施形態によって網羅される技術分野の当業者には認識される様に、本明細書中に表示されている数、パーセンテージ、比、又は他の値は、当該値を含み、更には、「約」表示値又は「大凡」表示値である他の値も含むものとする。したがって、表示値は、所望の機能を遂行するうえで又は所望の結果を実現するうえで少なくとも表示値に十分に近いとされる値を網羅するように十分に広く解釈されるべきである。表示値は、少なくとも、適切な製造又は生産プロセスにおいて予想され得る偏差を含み、表示値の5%以内、1%以内、0.1%以内、又は0.01%以内にある値を含み得る。
【0067】
当業者には、本開示に鑑みて、等価的構築は本開示の精神及び範囲から逸脱しないこと、そして本明細書に開示されている実施形態に対し、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更、代替、及び改変がなされ得ることが認識されるはずである。機能的な「手段プラス機能」の条項を含む等価的構築は、同じ方式で動作する構造的等価物と同じ機能を提供する等価的構造物の両方を含め、記載の機能を遂行するとしてここに説明されている諸構造を包含するものとする。何れかの請求項について、「○○のための手段」という語が関連づけられた機能と一体に登場している場合を除き、手段プラス機能又は他の機能的主張を行使しないというのが出願人の明確な意思である。実施形態に対するそれぞれの追加、削除、及び修正で特許請求の範囲の意味及び範囲の内に入るものは、特許請求の範囲によって包括的にとらえられるものとする。
【0068】
本明細書での使用に際し「大凡」、「約」、及び「実質的に」という用語は、表示量に近い量であって、なおも所望の機能を遂行し又は所望の結果を実現する量を表す。例えば、「大凡」、「約」、及び「実質的」という用語は、表示量の95%以内、99%以内、99.9%以内、又は99.99%以内にある量を指すとしてもよい。また、上記説明での何れかの方向又は基準座標系は、相対的な方向又は相対的な運動でしかないことを理解されたい。例えば、「上」と「下」、又は「上方」と「下方」は、関係づけられた要素の相対位置又は相対運動を記述しているにすぎない。
【0069】
本明細書に描写され及び/又は説明されている何れかの実施形態に関連して記述された要素は、本明細書に描写され及び/又は説明されている何れかの他の実施形態に関連して記述された要素に代わるか又はそれと組み合わされることもあり得る。例えば、
図7の光源722に関連して説明された素子又は特徴の何れかが、IV輸液ライン組立体200に関連して説明された素子又は特徴の何れかに代るか又はそれと組み合わされることもできるし、その反対も然りである。
【0070】
本願発明の実施態様は、例えば、以下のとおりである。
[実施態様1]
静脈内(IV)輸液ライン組立体であって、当該組立体は、
治療用流体を患者へ投与するための流体導管を有する細長部材であって、前記流体導管は当該細長部材の第1端と当該細長部材の第2端の間に流体連通を提供するように構成されている、細長部材と、
少なくとも前記細長部材の前記第1端近傍にて前記細長部材へ選択的に取り付け可能な第1の光部品と、
少なくとも前記細長部材の前記第2端近傍にて前記細長部材へ選択的に取り付け可能な第2の光部品と、
を備えている、組立体において、
前記第1の光部品と前記第2の光部品は、前記第1の光部品が光信号を提供するように起動されたときに前記第2の光部品も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように動作的に互いへ連結されており、ここに、前記第1の光部品と前記第2の光部品は、それぞれ、無線接続を介して通信的に互いへリンクされている第1の光源と第2の光源であり、前記第1の光源と前記第2の光源の少なくとも一方は、その光源を前記細長部材へ選択的に取り付け可能にすることのできる複数のクリップを含んでおり、前記複数のクリップの少なくとも1つは当該複数のクリップの残りから角度的にオフセットされている、組立体。
[実施態様2]
前記無線接続は超高周波電波接続(例えば、Bluetooth(登録商標))である、実施態様1に記載の組立体。
[実施態様3]
前記第1の光源と前記第2の光源の少なくとも一方は、作動されると前記第1の光源と前記第2の光源の両方の前記対応する光信号を起動するか又は動作停止にするように構成された手動スイッチを含んでいる、実施態様1又は実施態様2に記載の組立体。
[実施態様4]
前記第1の光源と前記第2の光源のそれぞれは手動スイッチを含んでいる、実施態様3に記載の組立体。
[実施態様5]
前記第1の光源と前記第2の光源の少なくとも一方は、前記少なくとも一方の光源から取り外されるまでは当該少なくとも一方の光源の起動を防ぐように構成されたバッテリ保安器を含んでいる、実施態様1から実施態様4の何れか一項に記載の組立体。
[実施態様6]
前記少なくとも一方の光源は、前記バッテリ保安器が取り外されると前記少なくとも一方の光源が始動プロセスを開始して前記少なくとも一方の光源とは別の他方の光源との無線通信リンクを確立させるように構成されている、実施態様5に記載の組立体。
[実施態様7]
前記第1の光源及び前記第2の光源は、約72時間から120時間の持続時間にわたって光を提供するように構成されている、実施態様1から実施態様6の何れか一項に記載の組立体。
[実施態様8]
前記組立体は、前記第1の光源及び前記第2の光源へ前記無線接続を介して通信的にリンクされたポンプ組立体であって手動スイッチを含んでいるポンプ組立体、を更に備えており、前記第1の光源及び前記第2の光源は、前記ポンプ組立体の前記手動スイッチが起動されるとそれぞれの光信号を提供するように構成されている、実施態様1から実施態様7の何れか一項に記載の組立体。
[実施態様9]
前記ポンプ組立体は蠕動ポンプを含んでいる、実施態様8に記載の組立体。
[実施態様10]
前記ポンプ組立体は、当該ポンプ組立体又は前記第1の光源又は前記第2の光源の何れか1つが起動されると前記第1の光源及び前記第2の光源の前記光信号に対応する光信号を生成するように構成されている、実施態様8又は実施態様9に記載の組立体。
[実施態様11]
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源又は前記第2の光源の少なくとも一方に低バッテリ状態が検知されると可聴警報を提供することのできるスピーカーを含んでいる、実施態様8から実施態様10の何れか一項に記載の組立体。
[実施態様12]
前記ポンプ組立体は、前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を充電するために前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を受け入れるための1つ又はそれ以上の充電ポートを含んでいる、実施態様8から実施態様11の何れか一項に記載の組立体。
[実施態様13]
静脈内(IV)輸液ライン組立体であって、当該組立体は、
治療用流体を患者へ投与するための流体導管を有する細長部材であって、前記流体導管は当該細長部材の第1端と当該細長部材の第2端の間に流体連通を提供するように構成されている、細長部材と、
少なくとも前記細長部材の前記第1端近傍にて前記細長部材へ選択的に取り付け可能な第1の光源と、
少なくとも前記細長部材の前記第2端近傍にて前記細長部材へ選択的に取り付け可能な第2の光源と、
を備えている、組立体において、
前記第1の光源と前記第2の光源は、無線接続を介して動作的に互いへ連結されており、
前記第1の光源は、作動されると前記第1の光源を起動して前記第1の光源にて光信号を提供させるとともに少なくとも1つの追加の光源を自動的に起動して当該少なくとも1つの追加の光源にて対応する光信号を提供させるように構成されている手動スイッチ、を含んでおり、
前記第2の光源は、作動されると前記第2の光源を起動して前記第2の光源にて光信号を提供させるとともに前記少なくとも1つ追加の光源を自動的に起動して当該少なくとも1つの追加の光源にて対応する光信号を提供させるように構成されている手動スイッチ、を含んでいる、
組立体。
[実施態様14]
輸液ラインの両端の視覚的識別を提供するためのキットであって、当該キットは、
輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第1の光源であって、手動スイッチを有していて前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第1の光源と、
輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第2の光源であって、手動スイッチを有していて前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第2の光源と、
を備えている、キットにおいて、
前記第1の光源と前記第2の光源は、前記第1の光源と前記第2の光源のどちらかが光信号を提供するように起動されたときに他方も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように無線接続を介して通信的に互いへ連結されており、それにより、前記第1の光源と前記第2の光源は、各光源が輸液ラインの両端にそれぞれ取り付けられたとき、前記輸液ラインの各端の視覚的識別を可能にさせ、ここに、前記第1の光源と前記第2の光源は無線接続を介して通信的に互いへリンクされており、前記第1の光源と前記第2の光源の少なくとも一方はその光源を前記輸液ラインへ選択的に取り付け可能にすることのできる複数のクリップを含んでおり、前記複数のクリップの少なくとも1つは当該複数のクリップの残りから角度的にオフセットされている、
キット。
[実施態様15]
前記キットは、前記第1の光源及び前記第2の光源へ前記無線接続を介して通信的にリンクされたポンプ組立体であって手動スイッチを含んでいるポンプ組立体、を更に備えており、前記第1の光源及び前記第2の光源は、前記ポンプ組立体の前記手動スイッチが起動されると各自それぞれの光信号を提供するように構成されている、実施態様14に記載のキット。
[実施態様16]
前記第1の光源と前記第2の光源の少なくとも一方は、前記少なくとも一方の光源から取り外されるまでは当該少なくとも一方の光源の起動を防ぐように構成されたバッテリ保安器を含んでおり、前記少なくとも一方の光源は、前記バッテリ保安器が除去されると前記少なくとも一方の光源が始動プロセスを開始して前記少なくとも一方の光源とは別の他方の光源との無線通信リンクを確立させるように構成されている、実施態様14又は実施態様15に記載のキット。
[実施態様17]
輸液ラインの両端の視覚的識別を提供するためのキットであって、当該キットは、
輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第1の光源であって、手動スイッチを有していて前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第1の光源と、
輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第2の光源であって、手動スイッチを有していて前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第2の光源と、
ライトと手動スイッチを含むポンプ組立体であって、当該ポンプ組立体の前記手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されているポンプ組立体と、
を備えている、キットにおいて、
前記第1の光源と前記第2の光源と前記ポンプ組立体のそれぞれは、無線接続を介して通信的に互いへ連結されていて、以下のように構成されており、つまり、
前記第1の光源が光信号を提供するように起動されたときに、前記第2の光源及び前記ポンプ組立体も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように、
前記第2の光源が光信号を提供するように起動されたときに、前記第1の光源及び前記ポンプ組立体も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように、及び、
前記ポンプ組立体が光信号を提供するように起動されたときに、前記第1の光源及び前記第2の光源も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように、構成されており、
それにより、それぞれが輸液ラインの異なる区分へ個々に取り付けられたときの当該輸液ラインの異なる区分の視覚的識別を可能にさせる、
キット。
[実施態様18]
輸液ラインを識別可能にするべく当該輸液ラインを変更する方法であって、当該方法は、
輸液ラインを提供する段階と、
前記輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第1の光源であって、手動スイッチを有していて当該手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第1の光源を提供する段階、及び、
前記輸液ラインへ選択的に取り付け可能であるように適合された第2の光源であって、手動スイッチを有していて当該手動スイッチが起動されると光信号を生成するように構成されている第2の光源を提供する段階であって、
ここに、前記第1の光源と前記第2の光源は、無線接続を介して動作的に互いへ連結されていて、以下の様に構成されており、つまり、
前記第1の光源が光信号を提供するように起動されたときに、前記第2の光源も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように、及び、
前記第2の光源が光信号を提供するように起動されたときに、前記第1の光源も自動的に起動されて対応する光信号を提供するように、構成されている、第1の光源を提供する段階、及び第2の光源を提供する段階と、
前記第1の光源を前記輸液ラインの第1端へ、前記第2の光源を前記輸液ラインの第2端へ取り付ける段階と、
前記第1の光源の前記手動スイッチ又は前記第2の光源の前記手動スイッチを起動して、前記第1の光源と前記第2の光源の両方を起動させる段階と、
を備えている方法。
本発明は、その精神又は特性から逸脱することなく、他の特定の形態に具現化されてもよい。説明された実施形態は、あらゆる点で、例示的であり限定的ではないと考えられるべきである。したがって本発明の範囲は、上記説明によってではなく付随の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味と等価性の範囲の内に入る全ての変更は特許請求の範囲の範囲内に網羅されるものとする。
【符号の説明】
【0071】
100 IV輸液ライン組立体
102 細長部材
104 光学部材
106 治療用流体入力部
108 治療用流体出力部
110 光学部材の第1端
112 光学部材の第2端
114 細長部材の外面
116 細長部材の内面
118 導管
120 流体
130 ライン締結具、剛性クランプ
131 第1の開口部
132 第2の開口部
140 第1の溝
141 第2の溝
142 第3の溝
200 IV輸液ライン組立体
202 細長部材
204 光学部材
210 光学部材の第1端
222 光源
224 発光ダイオード(「LED」)
226 空洞
228 センサ
230 空洞の後端
240 押しボタン
250 Oリングスロット
251 Oリング
300 IV輸液ライン組立体
302 細長部材
304 光学部材
310 光学部材の第1端
322 光源
324 LED
326 空洞
328 センサ
332 壁
334 クリップ
336 ヒンジ型接続部
400 IV輸液ライン組立体
402 細長部材
404 光学部材
418 導管
438 インカップリング回折格子
500 IV輸液ライン組立体
502 細長部材
504 光学部材
540 フィルタ
600 IV輸液ライン組立体
602 細長部材
604 光学部材
642 ロータリーポンプ
702 細長部材
722 光源
761 第1のクリップ
762 第2のクリップ
763 第3のクリップ
771 第1の開口部
772 第2の開口部
773 第3の開口部
800 輸液ライン組立体
802 細長部材
806 細長部材の第1端
808 細長部材の第2端
822 第1の光源
823 第2の光源
824a、824b ライト
840a、840b コントローラ
842 ポンプ組立体
850 ステーション
852 バッテリ保安器
854 スピーカー
860 IVバッグ
862 流体出力部及び患者ポート