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特許7668251車両マッチングシステム及びユーザーを車両とマッチングする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-16
(45)【発行日】2025-04-24
(54)【発明の名称】車両マッチングシステム及びユーザーを車両とマッチングする方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20250417BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20250417BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250417BHJP
【FI】
G08G1/123 A
B60W40/08
G06Q50/10
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128269
(22)【出願日】2022-08-10
(65)【公開番号】P2023029825
(43)【公開日】2023-03-07
【審査請求日】2024-10-08
(31)【優先権主張番号】17/400,370
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー エー.カイル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー リズバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ニクヒル ラジェンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン フランク
(72)【発明者】
【氏名】ジジュ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シー.ブラッケン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア バティー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディー.ドラジオ
(72)【発明者】
【氏名】ランディー カウシェク
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-521978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0056477(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0168711(US,A1)
【文献】米国特許第10152053(US,B1)
【文献】米国特許第10593213(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 40/08
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両をユーザーとマッチングする方法であって、
演算装置により、ユーザーから、複数の利用可能な車両うちの車両に対するユーザーライド要求を受け取るステップと、
前記演算装置により、前記ユーザーと関連する車両リスクスコア選好閾値を受け取るステップと、
前記演算装置により、前記ユーザーと関連するユーザーリスクスコアを判定するステップと、
前記演算装置により、前記複数の利用可能な車両の少なくとも1つと関連する車両リスクスコアを判定するステップと、
前記演算装置により、前記複数の利用可能な車両のそれぞれと関連するユーザーリスクスコア選好閾値を受け取るステップと、
前記演算装置により、前記ユーザーと関連する前記車両リスクスコア選好閾値以下の関連する車両リスクスコア及び前記ユーザーと関連する前記ユーザーリスクスコア以上の関連するユーザーリスクスコア選好閾値を有する前記複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別するステップと、
前記ユーザーライド要求について前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢を前記ユーザーに提示するステップと、
前記1つ又は複数の車両の前記選択された1つの車両の前記ユーザーによる選択をユーザー装置から受け取るステップと、
を有する方法。
【請求項2】
1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて前記複数の利用可能な車両のうちの車両と関連する前記車両リスクスコアを調節するステップを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内の前記複数の利用可能な車両の前記車両の場所及び前記複数の利用可能な車両の前記車両が前記地理的領域内において位置した持続時間を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両内のクリーニングイベントの発生以降の経過時間及び移動距離の1つ又は複数を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の利用可能な車両の前記車両内のクリーニング装置からトリガイベントを検出することに応答して前記クリーニングイベントの前記発生を検出するステップを更に有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両の以前の乗員の数及び前記以前の乗員の関連するユーザーリスクスコアを含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいて前記ユーザーと関連する前記ユーザーリスクスコアを調節するステップを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内の前記ユーザーの場所及び前記ユーザーが前記地理的領域内に位置した持続時間を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、前記ユーザーから収集された健康データを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザーに提示される前記1つ又は複数のライド選択肢には、前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記車両と関連する前記車両リスクスコアに対応する価格が割り当てられている請求項1に記載の方法。
【請求項11】
車両マッチングシステムであって、
コントローラを有する演算装置を有し、
前記コントローラは、
ユーザーから、複数の利用可能な車両のうちの車両と関連するユーザーライド要求を受け取り、
前記ユーザーと関連する車両リスクスコア選好閾値を受け取り、
前記ユーザーと関連するユーザーリスクスコアを判定し、
前記複数の利用可能な車両と関連する車両リスクスコアを判定し、
前記複数の利用可能な車両と関連するユーザーリスクスコア選好閾値を受け取り、
前記ユーザーと関連する前記車両リスクスコア選好閾値以下の関連する車両リスクスコア及び前記ユーザーと関連する前記ユーザーリスクスコア以上の関連するユーザーリスクスコア選好閾値を有する前記複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別し、
前記ユーザーライド要求について前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢を前記ユーザーに提示し、且つ、
前記1つ又は複数の車両の前記選択された1つの車両の前記ユーザーによる選択をユーザー装置から受け取る、
ように構成されている、システム。
【請求項12】
前記演算装置は、
複数のユーザーのユーザーデータを含むユーザーデータベースであって、前記ユーザーデータは、前記複数のユーザーと関連する前記ユーザーリスクスコア及び前記ユーザーリスクスコア選好閾値を含む、ユーザーデータベースと、
前記複数の利用可能な車両と関連する車両データを含む車両データベースであって、前記複数の利用可能な車両と関連する前記車両リスクスコア及び前記車両リスクスコア選好閾値を含む車両データベースと、
を更に有する請求項11に記載の車両マッチングシステム。
【請求項13】
前記演算装置は、前記ユーザーのユーザー装置から前記ユーザーデータを受け取っており、且つ、
前記演算装置は、前記複数の利用可能な車両から前記車両データを受け取っている請求項12に記載の車両マッチングシステム。
【請求項14】
前記複数の利用可能な車両のうちの車両と関連する前記車両リスクスコアは、1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて調節されている請求項13に記載の車両マッチングシステム。
【請求項15】
前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内の前記複数の利用可能な車両の前記車両の場所及び前記複数の利用可能な車両の前記車両が前記地理的領域内において位置した持続時間を含む請求項14に記載の車両マッチングシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両内におけるクリーニングイベントの発生以降の経過時間又は移動距離を含む請求項14に記載の車両マッチングシステム。
【請求項17】
前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両の以前の乗員の数及び前記以前の乗員の関連するユーザーリスクスコアを含む請求項14に記載の車両マッチングシステム。
【請求項18】
前記ユーザーと関連する前記ユーザーリスクスコアは、1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいて調節されている請求項13に記載の車両マッチングシステム。
【請求項19】
前記1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内における前記ユーザーの場所及び前記ユーザーが前記地理的領域内に位置した持続時間を含む請求項18に記載の車両マッチングシステム。
【請求項20】
車両マッチングシステムであって、
コントーラを有する演算装置を有し、
前記コントローラは、
ユーザーから、複数の利用可能な車両うちの車両に対するユーザーライド要求を受け取り、
前記ユーザーと関連する車両リスクスコア選好閾値以下の関連する車両リスクスコア及び前記ユーザーと関連するユーザーリスクスコア以上の関連するユーザーリスクスコア選好閾値を有する前記複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別し、
前記ユーザーライド要求について前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢を前記ユーザーに提示し、且つ、
前記1つ又は複数の車両の前記選択された1つの車両の前記ユーザーによる選択をユーザー装置から受け取る、
ように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般に、ユーザーを車両とマッチングする車両システムに関し、且つ、更に詳しくは、ユーザーがユーザーのリスクスコア及び車両のリスクスコアに基づいて特定の車両とマッチングされるライドシェアリング車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ライドシェアリングサービスは、特定の目的地においてユーザーをピックアップし且つユーザーを所望の目的地まで搬送するために広く提供され且つ利用されるようになっている。現時点のライドシェアリングサービスは、運転者及びユーザー、即ち、乗員、の両方にスコアを割り当てることができる。いくつかの例においては、運転者は、ユーザーの低スコアに基づいてユーザーからの要求を拒否することができる。低スコアは、他の運転者に伴う不良な以前の経験を通知している可能性がある。同様に、ユーザーも、運転者に割り当てられた低スコアに基づいて特定の運転者からのライドの提供を拒否する機会を持つことができる。但し、これらのスコアは、運転者及びユーザーの潜在的な健康リスクと関連する1つ又は複数のファクタに基づいたものではない。これに加えて、運転者及びユーザーは、ライドの提供及び乗員を拒否するための機会を持つことができるが、現時点のライドシェアリングサービスは、ユーザー及び運転者をこれらのスコアに基づいてマッチングしてはいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、ユーザー及び車両の両方と関連するリスクスコアに基づいて車両及びユーザーを互いにマッチングする改善されたシステム及び方法に対するニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、車両をユーザーとマッチングする方法は、演算装置により、ユーザーから、複数の利用可能な車両のうちの車両に対するユーザーライド要求を受け取るステップと、演算装置により、ユーザーの車両リスクスコア選好閾値を受け取るステップと、演算装置により、ユーザーのユーザーリスクスコアを判定するステップと、演算装置により、複数の利用可能な車両の少なくとも1つのものの車両リスクスコアを判定するステップと、演算装置により、複数の利用可能な車両のユーザーリスクスコア選好閾値を受け取るステップと、演算装置により、ユーザーの車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及びユーザーのユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する複数の利用可能な車両のサブセットを識別するステップと、ユーザーライド要求について利用可能な車両のサブセットの複数の利用可能な車両のサブセットの1つを選択するためのライド選択肢をユーザーに提示するステップと、を含む。
【0005】
別の実施形態において、車両マッチングシステムは、ユーザーから複数の利用可能な車両うちの車両に対するユーザーライド要求を受け取り、ユーザーの車両リスクスコア選好閾値を受け取り、ユーザーのユーザーリスクスコアを判定し、複数の利用可能な車両の車両リスクスコアを判定し、複数の利用可能な車両のユーザーリスクスコア選好閾値を受け取り、ユーザーの車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及びユーザーのユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する複数の利用可能な車両のサブセットを識別し、且つ、ユーザーライド要求について利用可能な車両のサブセットの複数の利用可能な車両のサブセットの1つを選択するための選択肢をユーザーに提示するように構成されたコントローラを有する演算装置を含む。
【0006】
別の実施形態において、車両マッチングシステムは、ユーザーから複数の利用可能な車両のうちの車両に対するユーザーライド要求を受け取り、ユーザーの車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及びユーザーのユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別し、且つ、ユーザーライド要求について複数の利用可能な車両のサブセットの1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢をユーザーに提示するように構成されたコントローラを有する演算装置を含む。
【0007】
本明細書において記述されている実施形態によって提供されるこれらの及び更なる特徴については、図面と関連において、以下の詳細な説明に鑑み、更に十分に理解することができよう。
【0008】
図面において記述されている実施形態は、例示を目的としたものであり、且つ、その特性が例示であり、従って、請求項によって定義されている主題を限定することを意図したものではない。例示用の実施形態に関する以下の詳細な説明については、以下の図面との関連において参照された際に理解することが可能であり、これらの図面においては、同一の構造が同一の参照符号によって示されており、且つ、添付図面は、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態による複数のユーザー装置及び複数の車両と通信するサーバーを含む車両マッチングシステムを概略的に描く。
図2図2は、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態による図1の車両マッチングシステムのサーバー、車両、及びユーザー装置の個々のコンポーネントを概略的に描く。
図3図3は、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態によるサーバーのメモリコンポーネントを概略的に描く。
図4図4は、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態によるユーザーリスクスコアをユーザーに割り当てる方法を概略的に描く。
図5図5は、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態による車両リスクスコアを車両に割り当てる方法を概略的に描く。
図6図6は、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態による車両をユーザーとマッチングする方法を概略的に描く。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において記述されている実施形態は、ユーザー及び車両と関連するリスクスコアに基づいてユーザーを利用可能な車両とマッチングするシステム及び方法を対象としている。車両マッチングシステムは、ユーザーから、複数の利用可能な車両のうちの車両に対するユーザーライド要求を受け取り、ユーザーの車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及びユーザーのユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する複数の利用可能な車両のサブセットを識別し、且つ、ユーザーライド要求について利用可能な車両のサブセットの複数の利用可能な車両のサブセットの1つを選択するための選択肢をユーザーに提示するように構成されたコントローラを含むサーバーを含む。システム及び方法の様々な実施形態並びにシステムの動作については、本明細書において更に詳細に記述されている。可能な場合には常に、同一又は類似の部分を参照するように同一の参照符号を図面の全体を通じて使用する。
【0011】
次に図1を参照すれば、本明細書において記述されている1つ又は複数の実施形態による車両マッチングシステム100が示されている。本車両マッチングシステム100は、特定の場所においてピックアップされ且つ目的地まで搬送されることを要求するユーザーライド要求を含む信号をユーザーがユーザー装置を介して送信するライドシェアリング用途の場合に特に有用である。車両マッチングシステム100は、ネットワーク110を介して個々のユーザー106によって操作される複数のユーザー装置104及び複数の車両108との通信状態にあるリモート演算装置102を含む。ネットワーク110は、インターネット、モバイル通信ネットワーク、衛星に基づいたネットワーク、LAN接続、Wi-Fi接続、などとして構成することができる。リモート演算装置102は、サーバー、パーソナルコンピュータ、タブレット、モバイル演算装置、などのような本明細書において記述されている機能を実行する任意の演算装置として構成することができる。ユーザー装置104は、任意のパーソナル演算装置、モバイル演算装置、携帯電話機、などであってよい。ユーザー装置104は、リモート演算装置102において事前に登録されている。ユーザー装置104は、リモート演算装置102内において保存されている個々のユーザープロファイルと関連付けられていてもよい。同様に、車両108も、リモート演算装置102において事前に登録されていてもよく、且つ、リモート演算装置102内において保存されている車両プロファイルと関連付けられていてもよい。本明細書において更に詳述するように、ユーザープロファイル及び車両プロファイルは、関連するリスクスコア及び関連するリスクスコア選好閾値を含み得る。具体的には、ユーザープロファイルは、ユーザーリスクスコア及び車両リスクスコア選好閾値を含むユーザーデータを含むことができる。同様に、車両プロファイルも、車両リスクスコア及びユーザーリスクスコア選好閾値を含む車両データを含み得る。様々なリスクスコア及びリスクスコア選好閾値は、ユーザー装置104、具体的には、ユーザー装置104を保有しているユーザー106、を本明細書において記述されている方式によって複数の車両108の1つとマッチングするために、リモート演算装置102によって使用することができる。
【0012】
次に図2を参照すれば、本明細書において図示及び記述されている1つ又は複数の実施形態に従って、ユーザー装置104、車両108の1つ、及びネットワーク110の1つを含む車両マッチングシステム100の一実施形態の概略図が描かれている。図2には、1つのユーザー装置104及び1つの車両108しか示されていないが、車両マッチングシステム100は、存在しているユーザー装置104及び車両108の数に基づいて任意の数のユーザー装置104及び車両108を含み得ることを理解されたい。
【0013】
実施形態においては、リモート演算装置102は、コントローラ200、通信経路201、及びネットワークインターフェイスハードウェア206を含む。リモート演算装置102の様々なコンポーネント及びその相互作用については、詳細に後述する。リモート演算装置102のいくつかの実施形態は、本明細書において記述されてはいない更なるコンポーネントを含み得ることに留意されたい。
【0014】
通信経路201は、例えば、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路、又はこれらに類似したものなどの信号を送信する能力を有する任意の媒体から形成することができる。更には、通信経路201は、信号を送信する能力を有する媒体の組合せから形成することもできる。一実施形態において、通信経路201は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置、及び通信装置などのコンポーネントへの電気データ信号の送信を許容するために協働する導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ、及びバスの組合せを含む。従って、通信経路201は、例えば、LINバス、CANバス、VANバス、及びこれらに類似したものなどのバスを含み得る。これに加えて、「信号」という用語は、媒体を通じて移動する能力を有するDC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動、及びこれらに類似したものなどの波形(例えば、電気的、光学的、磁気的、機械的、又は電磁的なもの)を意味していることに留意されたい。通信経路201は、サーバーの様々なコンポーネントを通信自在に結合している。本明細書において使用されている「通信自在に結合される」という用語は、結合されたコンポーネントが、例えば、導電性媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号、及びこれらに類似したものなどのデータ信号を相互の間において交換する能力を有することを意味している。
【0015】
上述のように、リモート演算装置102は、1つ又は複数のプロセッサ202及び1つ又は複数のメモリコンポーネント204を含むコントローラ200を含む。1つ又は複数のプロセッサ202のそれぞれは、機械可読命令を実行する能力を有する任意の装置であってよい。従って、1つ又は複数のプロセッサ202のそれぞれは、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、又は任意のその他の演算装置であってよい。1つ又は複数のプロセッサ202は、通信経路201によってリモート演算装置102のその他のコンポーネントに通信自在に結合されている。従って、通信経路201は、任意の数のプロセッサを相互に通信自在に結合することができると共に、通信経路201に結合されたモジュールが分散演算環境において動作することを許容することができる。具体的には、モジュールのそれぞれは、データを送信及び/又は受信し得るノードとして動作することができる。
【0016】
リモート演算装置102の1つ又は複数のメモリコンポーネント204のそれぞれは、通信経路201に結合され且つ1つ又は複数のプロセッサ202に通信自在に結合されている。1つ又は複数のメモリコンポーネント204は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び/又は機械可読命令が1つ又は複数のプロセッサ202によってアクセス及び実行され得るように機械可読命令を保存する能力を有する任意のその他のハードウェア又はファームウェアを含み得る。機械可読命令は、プロセッサによって直接的に実行され得る、例えば、機械言語、或いは、機械可読命令にコンパイル又はアセンブルされ得る且つ1つ又は複数のメモリコンポーネント上において保存され得るアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード、などのような任意の世代(例えば、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代、又は第5世代)の任意のプログラミング言語において記述された1つ又は複数のロジック又はアルゴリズムを含むことができる。いくつかの実施形態において、機械可読命令は、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)構成又は用途固有の集積回路(ASIC)、或いは、これらの均等物を介して実行されるロジックなどのように、ハードウェア記述言語(HDL)において記述することができる。従って、本明細書において記述されている方法は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語において、事前プログラミングされたハードウェア要素として、或いは、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの組合せとして、実装することができる。
【0017】
次に図3を参照すれば、ユーザーデータベース300、車両データベース302、ユーザーリスクスコア更新ロジック304、車両リスクスコア更新ロジック306、及びユーザー/車両マッチングロジック308を含む1つ又は複数のメモリコンポーネント204の一実施形態が描かれている。ユーザーデータベース300は、車両マッチングシステム100において登録されているすべてのユーザー装置104のリストを含む。具体的には、ユーザーデータベース300は、場所情報、以前のライド履歴、及びこれらに類似したものなどのユーザー装置104から取得されたデータを含む。また、ユーザーデータベース300は、それぞれのユーザー装置104と関連するユーザーリスクスコア及び車両リスクスコア選好閾値をも含む。同様に、車両データベース302も、場所情報、以前のライド履歴、以前の乗員履歴、以前のクリーニング履歴、及びこれらに類似したものなどの車両108から収集されたデータを含む。また、車両データベース302は、それぞれの車両108と関連する車両リスクスコア及びユーザーリスクスコア選好閾値をも含む。
【0018】
ユーザーリスクスコア更新ロジック304は、リモート演算装置102が、ユーザーデータベース300内において保存されているユーザー装置104の1つ又は複数のもののユーザーリスクスコアを調節するようにしている。具体的には、ユーザーリスクスコア更新ロジック304は、それぞれのユーザー装置104のユーザーリスクスコアを調節する方式を判定するために、リモート演算装置102がユーザー装置104から受け取られたデータを分析するようにしている。同様に、車両リスクスコア更新ロジック306も、リモート演算装置102が、車両データベース302内において保存されている車両108の車両リスクスコアを調節するようにしている。具体的には、車両リスクスコア更新ロジック306は、それぞれの車両108の車両リスクスコアがどのように調節されるべきかを判定するために、リモート演算装置102が車両108から受け取られたデータを分析するようにすることができる。ユーザー/車両マッチングロジック308は、利用可能な車両108の車両リスクスコア及びユーザーリスクスコア選好閾値に基づいてユーザー装置104を利用可能な車両108とマッチングするために、リモート演算装置102がユーザーライド要求を送信したユーザー装置104のユーザーリスクスコア及び車両リスクスコア選好閾値を分析するようにしている。いくつかの実施形態において、ユーザー/車両マッチングロジック308は、車両108の特定のものを選択するための1つ又は複数のライド選択肢をユーザー装置104のユーザー106に提示するために、ユーザーライド要求を送信したユーザー装置104を複数の車両108とマッチングすることになる。
【0019】
再度図2を参照すれば、車両108は、1つ又は複数のプロセッサ210及び1つ又は複数のメモリコンポーネント212を含むコントローラ208、通信経路209、ネットワークインターフェイスハードウェア214、1つ又は複数の内部センサ216、場所センサ218、ユーザーインターフェイス220、及びクリーニング装置222を含む。車両108の様々なコンポーネント及びその相互作用については、詳細に後述する。但し、実施形態においては、車両108は、本明細書において記述されているものよりも少ない数のコンポーネントを含んでいてもよく、或いは、本明細書には記述されていない更なるコンポーネントを含むこともできることに留意されたい。
【0020】
車両108のコンポーネントは、リモート演算装置102の対応するコンポーネントに構造的に類似していてもよく、或いは、類似の機能を有していてもよい(例えば、コントローラ208は、コントローラ200に対応し、通信経路209は、通信経路201に対応し、且つ、ネットワークインターフェイスハードウェア214は、ネットワークインターフェイスハードウェア206に対応している)。
【0021】
1つ又は複数の内部センサ216は、通信経路209に結合され且つ1つ又は複数のプロセッサ210に通信自在に結合されている。1つ又は複数の内部センサ216は、温度センサ、オーディオ検出センサ、及びこれらに類似したものを含み得る。1つ又は複数の内部センサ216が温度センサを含んでいる実施形態においては、車両108内の乗員の体温を検出することができる。温度センサは、車両108内の乗員の体温読取りを取得するために、赤外線温度計などのハンドヘルド型温度センサであってよい。従って、温度センサ自体により、或いは、温度センサによって検出された温度読取りのコントローラ208における処理により、車両108の乗員が既定の温度超の体温を有することを判定することができる。本明細書において記述されているように、温度センサによって検出された乗員の体温は、車両108の車両リスクスコアを調節するために利用することができる。
【0022】
実施形態においては、1つ又は複数の内部センサ216は、車両108内の特定のノイズを検出及び識別又は分類するためのオーディオ検出センサを含み得る。実施形態においては、オーディオ検出センサは、車両108内においてノイズレベルを検出するためのマイクロフォンと、マイクロフォンによって検出されたノイズのタイプを識別又は分類するためのノイズアナライザと、を含む。いくつかの実施形態において、オーディオ検出センサは、検出されたノイズを分析するために且つノイズのタイプを識別するために、検出されたノイズに関するオーディオデータを含む信号をコントローラ208に送信することができる。具体的には、検出されたノイズは、例えば、咳、くしゃみ、嘔吐、又はこれらに類似したものなどとして識別又は分類することができる。本明細書において記述されているように、オーディオ検出センサによって車両108内において検出されたノイズは、車両108の車両リスクスコアを調節するために利用することができる。
【0023】
上述のように、車両108は、通信経路209に結合された且つ1つ又は複数のプロセッサ210に通信自在に結合された場所センサ218を含む。場所センサ218は、例えば、車両108の場所、車両108が移動した距離、及びこれらに類似したものなどの車両108の走行振る舞いを追跡するためのGPS装置などの衛星に基づいたラジオナビゲーション装置であってよい。更に詳しくは、場所センサ218は、車両108が、既定の人口密度閾値を超過した人口密度を有するエリア、既定の閾値超の感染陽性レートを有するエリア、スーパースプレッダイベントを最近ホスティングしたエリア、などのようなハイリスクエリアとして判定された地理的領域に進入した際を判定するために、車両108の場所を追跡することができる。人口密度は、地理的エリアのサイズを地理的エリア内の人口によって除算することにより、判定することができる。人口密度が既定の人口密度閾値超である場合には、地理的エリアをハイリスクエリアとして判定することができる。更には、例えば、地理的エリアは、感染陽性レートによって除算された地理的エリアのサイズ、即ち、確認された疾病、病気、又は症状の新しいケースの数、が、地理的エリア内において疾病、病気、又は症状に曝露される相対的に大きな尤度を通知する既定の閾値超である場合にも、ハイリスクエリアとして判定することができる。これに加えて、場所センサ218は、車両108が地理的領域内に位置した長さを判定することもできる。実施形態においては、地理的領域は、リモート演算装置102及び/又は車両108と通信状態にあるリモートシステムから収集されたデータに基づいてハイリスクエリアであると判定することができる。従って、リモートシステムは、複数の地理的領域がハイリスクエリアとして示されているマップを提供することができると共に、車両108の場所センサ218は、車両108の場所及びハイリスクの地理的領域の既知の場所に基づいて、車両108が地理的領域の1つに進入した際を検出している。本明細書において記述されているように、ハイリスクエリアとして判定された地理的エリアに進入した車両108の場所のみならず、車両108が特定の地理的エリア内に位置した持続時間又は時間の長さも、車両108の車両リスクスコアを調節するために利用することができる。
【0024】
上述のように、車両108は、例えば、通知、エンターテインメント、マップ、ナビゲーション、情報、又はこれらの組合せなどの視覚的出力を提供するユーザーインターフェイス220を含む。ユーザーインターフェイス220は、通信経路209に結合され且つ1つ又は複数のプロセッサ210に通信自在に結合されている。ユーザーインターフェイス220は、例えば、陰極線管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、拡張ディスプレイ、又はこれらに類似したものなどの光学出力を送信する能力を有する任意の媒体を含み得る。更には、ユーザーインターフェイス220は、機械的、光学的、又は電気的信号を通信経路209によって送信される能力を有するデータ信号に変換する能力を有する触覚動作装置を含むこともできる。具体的には、触覚動作装置は、物理的なモーションを通信経路209上において送信され得るデータ信号にそれぞれが変換する、例えば、ボタン、スイッチ、ノブ、又はこれらに類似したものなどの任意の数の運動可能な物体を含み得る。実施形態においては、触覚動作装置は、光学情報の提供に加えて触覚入力の存在及び場所を検出するタッチスクリーンであってもよい。ユーザーインターフェイス220は、例えば、車両108の運転者又は操作者、或いは、車両108の乗員などの車両108内の人物に対して入力を要求することができる。例えば、ユーザーインターフェイス220は、車両108のクリーニングイベントが発生したかどうか、車両108の最後のクリーニングイベントが発生した際、車両108が走行した場所、車両108が走行した長さ、車両108が搬送した乗員の数、及びこれらに類似したものについて問い合わせることができる。本明細書において更に詳細に記述されているように、問合せに応答してユーザーインターフェイス220において受け取られた入力は、車両108の車両リスクスコア調節するために利用することができる。
【0025】
上述のように、車両108は、例えば、車両108内の座席の表面及びこれに類似したものなどのように、車両108をクリーニング及び消毒するクリーニング装置222を含む。クリーニング装置222は、通信経路209に結合され且つ1つ又は複数のプロセッサ210に通信自在に結合されている。クリーニング装置222は、車両108の少なくとも一部分をクリーニング及び/又は消毒する任意の既知の又は将来開発される装置を含み得る。例えば、クリーニング装置222は、紫外線又は高温ヒートランプなどの乾燥装置、溶液を放出する消毒噴霧ノズル、オゾンエミッタ、電気掃除機、及びこれらに類似したものの1つ又は複数を含み得る。クリーニング装置222は、車両108の運転者又は操作者によって手動的に動作させることもできると共に/又は、例えば、既定の時間の期間の後に、既定の数の乗員が搬送された後に、既定の距離を走行した後に、或いは、これらに類似したもの後に、などのように、1つ又は複数のクリーニングトリガに応答して自動的に動作させることもできる。クリーニング装置222の手動的動作又はクリーニングトリガに応答したクリーニング装置222の起動の際には、クリーニング装置222が起動された時刻、即ち、クリーニングイベントの時刻、が記録されている。本明細書において更に詳細に記述するように、車両108の車両リスクスコアを調節するために、クリーニングイベントが発生してからの経過時間を利用することができる。実施形態においては、車両108の操作者は、クリーニングイベントが発生したことをユーザーインターフェイス220を介して手動で通知することができる。
【0026】
更に図2を参照すれば、ユーザー装置104は、1つ又は複数のプロセッサ226及び1つ又は複数のメモリコンポーネント228を含むコントローラ224、通信経路225、ネットワークインターフェイスハードウェア230、場所センサ232、及びユーザーインターフェイス234を含む。ユーザー装置104の様々なコンポーネント及びその相互作用については、更に詳細に後述する。但し、実施形態においては、ユーザー装置104は、本明細書において記述されているものよりも少ない数のコンポーネントを含んでいてもよく、或いは、本明細書には記述されていない更なるコンポーネントを含んでいてもよいことに留意されたい。
【0027】
ユーザー装置104のコンポーネントは、車両108の対応するコンポーネントに構造的に類似したものであってもよく、且つ、類似の機能を有していてもよい(例えば、コントローラ224は、コントローラ208に対応し、通信経路225は、通信経路209に対応し、ネットワークインターフェイスハードウェア230は、ネットワークインターフェイスハードウェア214に対応し、場所センサ232は、場所センサ218に対応し、且つ、ユーザーインターフェイス234は、ユーザーインターフェイス220に対応している)。
【0028】
車両108の場所センサ218と同様に、ユーザー装置104の場所センサ232は、通信経路225に結合され且つ1つ又は複数のプロセッサ226に通信自在に結合されている。場所センサ232は、ユーザー106が、ハイリスクエリア、即ち、既定の人口密度閾値を超過した人口密度を有するエリア、であると判定された地理的領域に進入した際を判定するために、ユーザー装置104の場所を追跡することができる。ユーザー装置104の場所センサ232は、ユーザー装置104の場所及びハイリスクな地理的領域の既知の場所に基づいてユーザー装置104が地理的領域の1つに進入した際を検出しているのみならず、ユーザー装置104が地理的領域を離脱した際をも検出している。従って、場所センサ232は、ユーザー装置104がどの位長く地理的領域内に位置したかを判定することができる。ユーザー装置104の場合のハイリスクエリアは、車両108との関係において上述されているハイリスクエリアと同一のものであってもよく或いは異なっていてもよいことを理解されたい。本明細書において記述されているように、ユーザー106のユーザーリスクスコアを調節するために、ハイリスクエリアとして判定された地理的エリアに進入したユーザー装置104の場所のみならず、ユーザー装置104が特定の地理的エリア内に位置した持続時間又は時間の長さも、利用することができる。
【0029】
車両108のユーザーインターフェイス220と同様に、ユーザー装置104のユーザーインターフェイス234も、通信経路225に結合され且つ1つ又は複数のプロセッサ226に通信自在に結合されている。ユーザーインターフェイス234は、ユーザー装置104のユーザー106に対して入力を要求することができる。例えば、ユーザーインターフェイス234は、接触状態又は近接状態にある際にユーザー106がその他の者に課し得る潜在的なリスクを判定するために、ユーザー106の健康データ、ユーザー106の試験結果、スクリーニング質問、ワクチン接種状態、その他の者との間の以前の接触又はやり取り、及びこれらに類似したものについて問い合わせることができる。本明細書において記述されているように、問合せに応答してユーザーインターフェイス234において受け取られた入力は、ユーザー106のユーザーリスクスコアを調節するために利用することができる。
【0030】
次に図4を参照すれば、ユーザー装置を介してユーザー活動を監視することによって収集された1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいてユーザーのユーザーリスクスコアを調節するためのプロセス400が描かれている。プロセス400については、車両マッチングシステム100、並びに、特に、図2に示されているユーザー装置104と通信するリモート演算装置102及び図3に示されているリモート演算装置102のメモリコンポーネント204を参照して説明する。
【0031】
ブロック402において、リモート演算装置102は、ベースラインユーザーリスクスコアをリモート演算装置102において登録されているそれぞれのユーザー106に対して割り当てている。ユーザー106のベースラインユーザーリスクスコアは、初期登録プロセスにおいて割り当てられてもよく、この初期登録プロセスにおいては、ユーザー106に、ユーザー106の以前の活動、並びに、ワクチン接種状態、試験結果、及びこれらに類似したものを含むユーザー106の現時点の健康に関する一連の問合せが提示されている。この初期データは、ユーザー装置104のユーザーインターフェイス234上において問合せを表示し且つユーザーインターフェイス234を介してユーザー106から入力を受け取ることにより、収集することができる。従って、ベースラインユーザーリスクスコアは、ユーザー106と関連付けられており、且つ、リモート演算装置102のメモリコンポーネント204のユーザーデータベース300内において保存されている。非限定的な例として、ベースラインユーザーリスクスコアは、1つ又は複数のポイントをユーザーに提示されるそれぞれの問合せに割り当てることにより、判定することができる。リスクを提示するものと判定された応答が提供されるそれぞれの問合せごとに、ベースラインユーザーリスクスコアを判定するために、応答に対する割り当てられたリスクのレベルに基づいて、1つ又は複数のポイントが追加されている。
【0032】
その後に、1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタが識別されており、これらは、更に本明細書において詳述されているように、ユーザーリスクスコアを調節するために利用されている。従って、ユーザーリスクスコアは、ユーザー106の活動に基づいてユーザー106用の調節済みのユーザーリスクスコアを提供するために連続的に調節することができる。実施形態においては、1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、ユーザー装置104を介してユーザー106から収集された更新済みの健康データ又はリスクデータに基づいたものであってよい。ベースラインユーザーリスクスコアが判定される方式と同様に、1つ又は複数のポイントが、取得されたデータに基づいてユーザーリスクスコアファクタに割り当てられてもよく、且つ、次いで、増大したユーザーリスクスコアを提供するために、1つ又は複数のポイントがベースラインユーザーリスクスコアに適用されている。
【0033】
例えば、ブロック404において、リモート演算装置102は、信号をユーザーリスクに関係した情報を要求しているユーザー装置104に送信している。上述のように、要求は、ユーザー106が接触又は近接状態の際にその他の者に課し得る潜在的なリスクを判定するために、ユーザー106の健康データ、ユーザー106の試験結果、スクリーニング質問、ワクチン接種状態、その他の者との間の以前の接触又はやり取り、及びこれらに類似したものに関する問合せを含み得る。ブロック406において、ユーザー106は、例えば、既定の応答の選択、カスタム応答の入力、画像の提出、又はこれらに類似したものなどの任意の適切な方式によって問合せに応答するように且つフィードバックを提供するように、ユーザー装置104のユーザーインターフェイス234を動作させている。非限定的な例として、ユーザーは、回答を提出してもよく、これは、いくつかの実施形態においては、試験結果又はワクチン接種状態に関する証明のための文書を含む。ブロック408において、リモート演算装置102は、ユーザー装置104を介してユーザー106から受け取られたフィードバックの検証を実行することができる。検証は、例えば、提供された文書の正確性を検証することにより、ユーザー109からのフィードバックを確認するステップを含み得る。
【0034】
健康データ又はリスクデータがユーザーリスクスコアの調節を目的としてユーザー106から収集され得る別の例は、公的に利用可能なソースからユーザー固有の情報を受け取るというものである。例えば、ブロック410において、リモート演算装置102は、登録された参加者に関する健康データを収集している州、郡、又はその他の公衆衛生局などの公的に利用可能な健康データベースに対して健康データを要求することができる。公的に利用可能な健康データベース内の参加者のうちにおいてユーザー106を識別することにより、リモート演算装置102は、そのユーザー106に関する健康データを収集することができる。
【0035】
健康データ又はリスクデータが収集され得る別の例は、ユーザー106がハイリスクエリアに進入したかどうかを判定するためにユーザー装置104の場所を追跡することによるものである。上述のように、ユーザー装置104は、ユーザー装置104の場所を追跡するための場所センサ232を含む。従って、ブロック412において、ユーザー装置104の場所センサ232を利用することにより、ユーザー装置104の場所が監視されている。ブロック414において、リモート演算装置102又はユーザー装置104自体が、場所センサ232によって追跡されているユーザー装置104の場所がハイリスクエリアとして判定された地理的エリア内に位置しているどうかを判定している。上述のように、地理的エリアは、その特定の地理的エリア内の人口密度に基づいてハイリスクエリアとして判定することができる。また、地理的エリアは、例えば、検出された疾病及びこれに類似したものなどのその地理的エリア内の人物に関係する健康データに基づいてハイリスクエリアとして判定することもできる。実施形態においては、ブロック416において、ユーザー装置104の場所センサ232が、ユーザー106がハイリスクエリア内に位置した持続時間又は時間の長さを検出している。従って、場所センサ232は、ハイリスクエリア内における時間の合計長さを判定するために、ユーザー106がハイリスクエリアに進入した時点及びユーザー106がハイリスクエリアを離脱した時点を通知し得る。
【0036】
ブロック418において、リモート演算装置102、具体的には、ユーザーリスクスコア更新ロジック304、が、本明細書において記述されている1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいてユーザーデータベース300内において保存されているユーザーリスクスコアを更新している。具体的には、ユーザーリスクスコアは、それぞれ、増大したリスク又は減少したリスクを通知する1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに応答してベースラインユーザーリスクスコアを増大又は減少することにより、更新されている。例えば、ブロック404~408において収集されたユーザーリスクに関係する情報が増大したリスクを通知している場合には、ユーザーリスクスコア更新ロジック304は、ユーザーリスクスコアを増大させることになる。いくつかの実装形態において、ブロック404~408において収集されたユーザーリスクに関係する情報が、ユーザー106がすべてのワクチン接種を完了しているなどのように、リスクを通知していない又は低いリスクを通知している場合には、ユーザーリスクスコア更新ロジック304は、ユーザーリスクスコアを減少させることになる。同様に、ユーザーリスクスコア更新ロジック304は、リモート演算装置102が、ブロック410において公的に利用可能なソースから収集されたユーザー固有の情報に基づいてユーザーリスクスコアを増大又は減少するようにすることもできる。また、ユーザーリスクスコア更新ロジック304は、ユーザー装置104がハイリスクエリアとして判定された地理的エリアに進入したかどうかに基づいてユーザーリスクスコアを増大又は減少させるようにしてもよいのみならず、ユーザー装置104が特定の地理的エリア内に位置した時間の長さに比例してユーザーリスクスコアを増大させるようにすることもできる。ユーザーリスクスコアがブロック418において調節されたら、調節済みのユーザーリスクスコアは、ユーザーデータベース内において保存されている。ブロック404~416は、任意の所与の時点において、ユーザー装置104から収集された更新済みの情報に基づいてユーザーリスクスコアを更新するために反復することができる。
【0037】
次に図5を参照すれば、車両108の活動を監視することによって収集された1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて車両108の車両リスクスコアを調節するためのプロセス500が描かれている。プロセス500については、車両マッチングシステム100、並びに、特に図2に示されている車両108及び図3に示されているリモート演算装置102のメモリコンポーネント204と通信しているリモート演算装置102を参照して説明する。
【0038】
ブロック502において、リモート演算装置102は、ベースライン車両リスクスコアをリモート演算装置102において予め登録されている車両108に割り当てている。上述のように、ベースライン車両リスクスコアは、初期登録プロセスにおいて割り当てられてもよく、初期登録プロセスにおいては、車両108の操作者に、例えば、発生した最後のクリーニングイベントの時点などの車両108の以前の活動に関する一連の問合せが提示されている。この初期データは、車両108のユーザーインターフェイス220上において問合せを表示し且つユーザーインターフェイス220を介して車両108の操作者から入力を受け取り、且つ、操作者からの入力にポイント値を割り当てることにより、収集することができる。従って、ベースライン車両リスクスコアは、車両108と関連付けられており、且つ、リモート演算装置102のメモリコンポーネント204の車両データベース302内において保存されている。
【0039】
その後に、1つ又は複数の車両リスクスコアファクタが識別されており、これらは、本明細書において更に詳述されているように、車両リスクスコアを調節するために利用されている。従って、車両リスクスコアは、車両108の更新済みの車両リスクスコアを提供するために連続的に調節することができる。実施形態においては、1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、車両108の活動に基づいたものであってよい。
【0040】
例えば、ブロック504において、リモート演算装置102は、信号を車両リスクに関係する情報を要求している車両108に送信している。上述のように、要求は、車両108の操作者が接触又は近接状態にある際にその他の者に課し得る潜在的なリスクを判定するために、例えば、操作者の試験結果、スクリーニング質問、ワクチン接種状態、その他の者との間の以前の接触又はやり取り、及びこれらに類似したものなどの車両108の操作者の健康データに関する問合せを含み得る。ブロック506において、操作者は、例えば、既定の応答の選択、カスタム応答の入力、画像の提出、又はこれらに類似したものなどの任意の適切な方式で問合せに応答するために且つこれに対してフィードバックを提供するために車両108のユーザーインターフェイス220を動作させている。上述のブロック408と同様に、いくつかの実施形態は、検証が提供されて車両108の操作者から受け取られたフィードバックが検証され得るように構成することができる。実施形態においては、車両リスクに関係する情報は、本明細書において記述されているように、例えば、乗員が、既定の温度閾値超の体温であるかどうか、或いは、車両108内において嘔吐したかどうかについて判定するための、車両の1つ又は複数の内部センサ216によって検出された温度読取り又はノイズを含み得る。
【0041】
リスクデータが収集され得る別の例は、車両108の以前の乗員のユーザーリスクスコアを識別することによるものである。従って、ブロック508において、リモート演算装置102は、車両108によって以前に搬送された乗員を識別しており、且つ、更に詳しくは、ユーザーリスクスコアが割り当てられているリモート演算装置102において登録されている乗員のユーザーリスクスコアを識別している。本明細書において更に詳細に記述されているように、車両108のこれらの乗員のユーザーリスクスコアは、車両108の車両リスクスコアを調節するために利用することができる。
【0042】
リスクデータが収集され得る別の例は、車両108がハイリスクエリアに進入したかどうかを判定するために車両の場所を追跡することによるものである。上述のように、車両108は、車両108の場所を追跡するための場所センサ218を含む。従って、ブロック510において、車両108の場所センサ218を利用することにより、車両108の場所が監視されている。ブロック512において、リモート演算装置102又は車両108自体が、場所センサ218によって追跡されている車両108の場所がハイリスクエリアとして判定された地理的エリアに進入したかどうかを判定している。地理的エリアがハイリスクエリアとして判定され得る方式は、ユーザー装置104についてハイリスクの地理的エリアとの関係において上述されているものと同一であってよい。従って、ハイリスクの地理的エリアは、ユーザー装置104についてハイリスクとして判定された地理的エリアと同一であってもよく、或いは、異なっていてもよい。実施形態においては、ブロック514において、車両108の場所センサ218は、車両108がハイリスクエリア内に位置した持続時間又は時間の長さを検出している。従って、場所センサ218は、ハイリスクエリア内における時間の合計長さを判定するために、車両108がハイリスクエリアに進入した時点及び車両108がハイリスクエリアを離脱した時点を通知し得る。
【0043】
リスクデータが収集され得る別の例は、クリーニングイベントが発生したかどうかを判定することによるものである。実施形態においては、上述のように、車両108には、車両108を消毒するためのクリーニング装置222を提供することができる。ブロック516において、リモート演算装置102は、車両108をクリーニングするためにクリーニング装置222が起動されたかどうか、即ち、トリガイベントが発生したかどうか、並びに、即ち、クリーニングイベントが発生したかどうか、を検出している。また、クリーニングイベントが車両108内において発生したかどうかの検出に加えて、リモート演算装置102は、クリーニングイベントの発生以降の経過時間も判定している。クリーニングイベント以降の経過時間は、車両108のユーザーインターフェイス220を介した車両108の操作者からの入力によって受け取ることができることを理解されたい。
【0044】
最後に、ブロック518において、リモート演算装置102は、車両リスクスコア更新ロジック306を介して本明細書において記述されている1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて車両データベース302内において保存されている車両リスクスコアを更新している。具体的には、車両リスクスコアは、それぞれ、増大したリスク又は減少したリスクを通知する1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに応答してベースライン車両リスクスコアを増大又は減少させることにより、更新することができる。例えば、ブロック504~506において収集された車両リスクに関係する情報が、増大したリスクを通知している場合には、車両リスクスコア更新ロジック306は、車両リスクスコアを増大させることになる。いくつかの実施形態においては、ブロック504~506において収集された車両リスクに関係した情報が、車両108の操作者がすべてのワクチン接種を完了しているなどのように、リスクを通知していない又は低いリスクを通知している場合には、車両リスクスコア更新ロジック306は、車両リスクスコアを減少させることになる。同様に、車両リスクスコア更新ロジック306は、リモート演算装置102が、提供されている場合にブロック508において判定される車両108によって以前に搬送された乗員のユーザーリスクスコアに基づいて車両リスクスコアを増大又は減少させるようにすることもできる。また、車両リスクスコア更新ロジック306は、車両108がハイリスクエリアとして判定された地理的エリアに進入したかどうかに基づいて車両リスクスコアを増大又は減少させることになるのみならず、ブロック510~514において判定される車両108が特定の地理的エリア内に位置した時間の長さに比例して車両リスクスコアを増大させることにもなる。これに加えて、車両リスク更新ロジック306は、リモート演算装置102が、ブロック516において判定されるクリーニングイベントが発生したかどうかに基づいて車両リスクスコアを減少させるようにすることもできる。具体的には、車両リスクスコアは、最後のクリーニングイベントが発生した以降の経過時間に比例して減少させることができる。換言すれば、クリーニングイベントの発生は、最後のクリーニングイベント以降の経過時間が増大するのに伴って、車両リスクスコアに対する低減された効果を有する。車両リスクスコアがブロック518において調節されたら、調節済みの車両リスクスコアは、車両データベース302内において保存されている。ブロック504~516は、車両108から収集された更新済みの情報に基づいて車両リスクスコアを更新するために任意の所与の時点において反復することができる。
【0045】
次に図6を参照すれば、それぞれのユーザーに割り当てられたユーザーリスクスコア及び車両リスクスコア選好閾値のみならず、それぞれの車両に割り当てられた車両リスクスコア及びユーザーリスクスコア選好閾値に基づいてユーザーを車両とマッチングするためのプロセス600が描かれている。従って、車両マッチングシステム100は、車両が車両の車両リスクスコアに基づいてユーザーの車両リスクスコア選好閾値を充足するように且つユーザーが車両のユーザーリスクスコア選好閾値を充足するように、それぞれのユーザーを特定の車両にマッチングしている。プロセス600については、図1~5を参照して説明する。
【0046】
ブロック602において、リモート演算装置102は、ユーザー装置104を介してユーザー106からユーザーライド要求を受け取っている。ユーザーライド要求は、ユーザー装置104の場所センサ232によって判定されたユーザー装置104の現時点の場所であり得るピックアップ場所と、ドロップオフ場所又は目的地と、を含む。ユーザーライド要求は、例えば、好ましい車両、乗員の数、及びピックアップ又はドロップオフ時刻などの更なる情報を含み得る。
【0047】
ユーザーライド要求を受け取った際に、リモート演算装置102は、ブロック604においてユーザー装置104のユーザー106に割り当てられたユーザーリスクスコアを受け取っている。ユーザーリスクスコアは、リモート演算装置102のユーザーデータベース300から取得されている。プロセス400において上述したように、それぞれのユーザー106のユーザーリスクスコアは、1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいて連続的に調節されており、且つ、調節済みのユーザーリスクスコアは、特定のユーザー106と関連するユーザーデータベース300内において保存されている。
【0048】
また、ユーザー106のユーザーリスクスコアの受取りに加えて、リモート演算装置102は、ブロック606においてユーザー106に割り当てられた車両リスクスコア選好閾値をも受け取っている。車両リスクスコア選好閾値も、リモート演算装置102のユーザーデータベース300から取得されている。車両リスクスコア選好閾値は、ユーザーにマッチングされ得る車両を通知している。具体的には、車両リスクスコア選好閾値を超える車両リスクスコアを有する車両108は、ユーザーにマッチングされることにならない。車両リスクスコア選好閾値は、当初、ユーザー装置又はサーバーとの通信状態にある任意のその他の装置を介してユーザーによって設定及び調節され得ることを理解されたい。
【0049】
車両108をユーザーライド要求を送信したユーザー106にマッチングする前に、リモート演算装置102は、利用可能であるリモート演算装置102において登録されている車両108を識別している。本明細書において使用されている「利用可能である」という用語は、ユーザー106に対してマッチングされるように選択され得る車両108を意味している。これらの利用可能な車両108は、例えば、ユーザー106が要求されたピックアップ時刻までにピックアップされ得るように、現時点においてなんらの乗員をも搬送していない又は現時点の乗員をドロップオフしつつある車両108であってよい。その後に、ブロック608において、リモート演算装置102のユーザー/車両マッチングロジック308は、ユーザーライド要求を送信したユーザー106の車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコアを有する利用可能な車両108のサブセットを識別している。プロセス500との関係において本明細書において記述されているように、それぞれの車両108の車両リスクスコアは、1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて継続的に調節されており、且つ、調節済みの車両リスクスコアは、特定の車両108と関連する車両データベース302内において保存されている。
【0050】
ブロック610において、リモート演算装置102は、利用可能な車両108のサブセットのそれぞれの車両108のユーザーリスクスコア選好閾値を識別している。本明細書において記述されているように、それぞれの車両108のユーザーリスクスコア選好閾値は、リモート演算装置102の車両データベース302内において保存されている。リモート演算装置102は、利用可能な車両108のサブセットをユーザーライド要求を送信した特定のユーザー106を受け付けることを所望している車両108に限定している。ブロック612において、ユーザー/車両マッチングロジック308は、リモート演算装置102が、利用可能な車両108のサブセットをユーザーライド要求を送信したユーザー106のユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する車両108に限定するようにすることができる。従って、利用可能な車両108のサブセット内の車両108は、それぞれ、ユーザーライド要求を送信したユーザー106の車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及びユーザーライド要求を送信したユーザー106のユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有することになる。
【0051】
利用可能な車両108のサブセットが、上述のパラメータを充足する車両108に制限された後に、ユーザー106には、ブロック614において、ユーザーライド要求のために利用可能な車両108のサブセットの車両108の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢が提示されている。具体的には、ユーザー106には、ユーザー装置104のユーザーインターフェイス234上においてライド選択肢を表示することにより、ライド選択肢が提示されている。実施形態においては、利用可能な車両108用の1つの選択肢のみがユーザーに提示され得ることを理解されたい。但し、利用可能な車両108の複数のライド選択肢が提示された際には、ユーザー106は、マッチングされるように車両108の1つを選択することができる。実施形態においては、リモート演算装置102は、1つ又は複数の特性に基づいて利用可能な車両108のライド選択肢の提示を変更することができる。例えば、ユーザー106が相対的に小さな又は相対的に大きな車両リスクスコアを有する車両108を迅速に特定し得るように、利用可能な車両108のライド選択肢を車両リスクスコアに基づいてランク付けすることができる。実施形態においては、利用可能な車両108のライド選択肢は、価格に基づいてランク付けされてもよい。例えば、利用可能な車両108の特定のライド選択肢は、ユーザー106のユーザーリスクスコアが特定の車両108のユーザーリスクスコア選好閾値に相対的に近接している場合には、相対的に高い価格を有することができる。従って、これは、ユーザー106が特定の利用可能な車両108を選択することを阻害し得る。ユーザー106が、提示されたライド選択肢の1つを選択したら、リモート演算装置102のユーザー/車両マッチングロジック308は、選択された車両108をユーザーライド要求に割り当てることになり、且つ、ユーザー106をピックアップするための命令を選択された車両108に送信することになる。
【0052】
上記の内容から、本明細書においては、ユーザーライド要求を送信したユーザーが、要求元のユーザーの車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコアを有する利用可能な車両にマッチングされる車両マッチングシステムが定義されていることを理解されたい。これに加えて、ユーザーは、要求元の車両のユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する車両に対してマッチングすることもできる。この結果、ユーザーが、乗車して快適であるとユーザーが感じる車両にマッチングされること、並びに、これに加えて、マッチングされた車両の操作者が要求元のユーザーを搬送する際に快適さを感じること、が保証されている。
【0053】
以上、本明細書においては、特定の実施形態が図示及び記述されているが、特許請求されている主題の範囲を逸脱することなしに、様々なその他の変更及び変形が実施され得ることを理解されたい。更には、本明細書においては、特許請求されている主題の様々な態様が記述されているが、このような態様は、組合せにおいて利用されることを必須としてはいない。従って、添付の例は、特許請求されている主題の範囲に含まれるすべてのこのような変更及び変形をカバーするものと解釈されたい。
【0054】
例1. 車両をユーザーとマッチングする方法であって、
演算装置により、ユーザーから、複数の利用可能な車両うちの車両に対するユーザーライド要求を受け取るステップと、
前記演算装置により、前記ユーザーの車両リスクスコア選好閾値を受け取るステップと、
前記演算装置により、前記ユーザーのユーザーリスクスコアを判定するステップと、
前記演算装置により、前記複数の利用可能な車両の少なくとも1つのものの車両リスクスコアを判定するステップと、
前記演算装置により、前記複数の利用可能な車両のユーザーリスクスコア選好閾値を受け取るステップと、
前記演算装置により、前記ユーザーの前記車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及び前記ユーザーの前記ユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する前記複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別するステップと、
前記ユーザーライド要求について前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢を前記ユーザーに提示するステップと、
を有する方法。
例2. 1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて前記複数の利用可能な車両のうちの車両の前記車両リスクスコアを調節するステップを更に有する例1に記載の方法。
例3. 前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内の前記複数の利用可能な車両の前記車両の場所及び前記複数の利用可能な車両の前記車両が前記地理的領域内において位置した持続時間を含む例2に記載の方法。
例4. 前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両内のクリーニングイベントの発生以降の経過時間及び移動距離の1つ又は複数を含む例2に記載の方法。
例5. 前記複数の利用可能な車両の前記車両内のクリーニング装置からトリガイベントを検出することに応答して前記クリーニングイベントの前記発生を検出すステップを更に有する例4に記載の方法。
例6. 前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両の以前の乗員の数及び前記以前の乗員の関連するユーザーリスクスコアを含む例2に記載の方法。
例7. 1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいて前記ユーザーの前記ユーザーリスクスコアを調節するステップを更に有する例1に記載の方法。
例8. 前記1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内の前記ユーザーの場所及び前記ユーザーが前記地理的領域内に位置した持続時間を含む例7に記載の方法。
例9. 前記1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、前記ユーザーから収集された健康データを含む例7に記載の方法。
例10. 前記ユーザーに提示される前記1つ又は複数のライド選択肢には、前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記車両の前記車両リスクスコアに対応する価格が割り当てられている例1に記載の方法。
例11. 車両マッチングシステムであって、
コントローラを有する演算装置を有し、
前記コントローラは、
ユーザーから、複数の利用可能な車両のうちの車両に対するユーザーライド要求を受け取り、
前記ユーザーの車両リスクスコア閾値を受け取り、
前記ユーザーのユーザーリスクスコアを判定し、
前記複数の利用可能な車両の車両リスクスコアを判定し、
前記複数の利用可能な車両のユーザーリスクスコア選好閾値を受け取り、
前記ユーザーの前記車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及び前記ユーザーの前記ユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する前記複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別し、且つ、
前記ユーザーライド要求について前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢を前記ユーザーに提示する、
ように構成されている、システム。
例12. 前記サーバーは、
複数のユーザーのユーザーデータを含むユーザーデータベースであって、前記ユーザーデータは、前記複数のユーザーの前記ユーザーリスクスコア及び前記ユーザーリスクスコア選好閾値を含む、ユーザーデータベースと、
前記複数の利用可能な車両の車両データを含む車両データベースであって、前記複数の利用可能な車両の前記車両リスクスコア及び前記車両リスクスコア選好閾値を含む車両データベースと、
を更に有する例11に記載の車両マッチングシステム。
例13. 前記サーバーは、前記ユーザーのユーザー装置から前記ユーザーデータを受け取っており、且つ、
前記サーバーは、前記複数の利用可能な車両から前記車両データを受け取っている例12に記載の車両マッチングシステム。
例14. 前記複数の利用可能な車両のうちの車両の前記車両リスクスコアは、1つ又は複数の車両リスクスコアファクタに基づいて調節されている例13に記載の車両マッチングシステム。
例15. 前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内の前記複数の利用可能な車両の前記車両の場所及び前記複数の利用可能な車両の前記車両が前記地理的領域内において位置した持続時間を含む例14に記載の車両マッチングシステム。
例16. 前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両内におけるクリーニングイベントの発生以降の経過時間又は移動距離を含む例14に記載の車両マッチングシステム。
例17. 前記1つ又は複数の車両リスクスコアファクタは、前記複数の利用可能な車両の前記車両の以前の乗員の数及び前記以前の乗員の関連するユーザーリスクスコアを含む例14に記載の車両マッチングシステム。
例18. 前記ユーザーの前記ユーザーリスクスコアは、1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタに基づいて調節されている例13に記載の車両マッチングシステム。
例19. 前記1つ又は複数のユーザーリスクスコアファクタは、ハイリスクエリアとして判定された地理的領域内における前記ユーザーの場所及び前記ユーザーが前記地理的領域内に位置した持続時間を含む例18に記載の車両マッチングシステム。
例20. 車両マッチングシステムであって、
コントーラを有する演算装置を有し、
前記コントローラは、
ユーザーから、複数の利用可能な車両うちの車両に対するユーザーライド要求を受け取り、
前記ユーザーの車両リスクスコア選好閾値以下の車両リスクスコア及び前記ユーザーのユーザーリスクスコア以上のユーザーリスクスコア選好閾値を有する前記複数の利用可能な車両のサブセット内の1つ又は複数の車両を識別し、且つ、
前記ユーザーライド要求について前記複数の利用可能な車両の前記サブセットの前記1つ又は複数の車両の1つを選択するための1つ又は複数のライド選択肢を前記ユーザーに提示する、
ように構成されている、システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6