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7668317新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物及びその用途{NOVEL DIOXOLOISOQUINOLINONE DERIVATIVES AND USE THEREOF}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-16
(45)【発行日】2025-04-24
(54)【発明の名称】新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物及びその用途{NOVEL DIOXOLOISOQUINOLINONE DERIVATIVES AND USE THEREOF}
(51)【国際特許分類】
   C07D 491/056 20060101AFI20250417BHJP
   A61K 31/4741 20060101ALI20250417BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20250417BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250417BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250417BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20250417BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20250417BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20250417BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20250417BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
C07D491/056 CSP
A61K31/4741
A61K31/506
A61P43/00 111
A61P35/00
A61K9/10
A61K9/107
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023140549
(22)【出願日】2023-08-30
(62)【分割の表示】P 2022543435の分割
【原出願日】2021-05-20
(65)【公開番号】P2023155432
(43)【公開日】2023-10-20
【審査請求日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0102034
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515022445
【氏名又は名称】ハンミ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、スン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ドン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ジ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソ ヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソ ミン
(72)【発明者】
【氏名】マ、シン ミ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨン ギル
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/226491(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/141616(WO,A1)
【文献】Jacob I. STUCKEY et al.,“Identification and characterization of second-generation EZH2 inhibitors with extended residence times and improved biological activity”,Journal of Biological Chemistry,2021年01月,Vol. 296,p.100349,DOI: 10.1016/j.jbc.2021.100349
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物からなる群より選択されることを特徴とするジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、水和物及び溶媒和物から選択される、化合物:
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(6-フルオロピリジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チアゾール-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H-イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;及び
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トランス-4-(メチルアミノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン。
【請求項2】
下記化合物からなる群より選択されることを特徴とするジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、水和物及び溶媒和物から選択される、化合物:
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(6-フルオロピリジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H-イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;及び
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トランス-4-(メチルアミノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含む、薬学的組成物であって、EZH1(Enhancer of zeste homolog 1)及び/又はEZH2(Enhancer of zeste homolog 2)酵素活性を阻害することで治療できるがん又は腫瘍を治療するための薬学的組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の薬学的組成物を含む、薬学的製剤。
【請求項5】
前記薬学的製剤が、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、シロップ又はエマルジョンの形態であることを特徴とする、請求項4に記載の薬学的製剤。
【請求項6】
前記薬学的製剤は、薬剤学的に許容可能な担体、補強剤及び賦形剤からなる群より選択される1種以上をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の薬学的製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物及びその用途に関し、より詳し
くは、EZH1(Enhancer of zeste homolog 1)及び/又
はEZH2(Enhancer of zeste homolog 2)活性の阻害活
性を有する新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬理学的に許容される塩
、又はこのような化合物を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
染色体は、その構成成分であるDNAのメチル化やヒストン(ヒストンH2A、H2B、
H3、H4)の様々な加減(アセチル化、メチル化、リン酸化、ユビキチン化など)によ
ってその高次構造を変化させることで、遺伝子の複製や転写をダイナミックに制御してい
る。
【0003】
一般に、ヒストンH3のN末端から4番目のリジンのトリメチル化(H3K4me3)
は転写を活性化させる方向に、27番目のリジンのトリメチル化(H3K27me3)は
転写を抑制する方向に機能し、前者はトリソラックス複合体によって、後者はポリコーム
抑制複合体2(Polycomb Repressive Complex 2、PRC
2)によって加減が行われる(Cell 2007、128、735-745;Nat.
Rev.Cancer 2010、10、669-682)。
【0004】
ポリコーム遺伝子群は、ショウジョウバエの胚発生を制御する遺伝子として同定され、
これらは脊椎動物でも保存されている(Nat.Rev.Genet.2007、8、9
-22)。ショウジョウバエにおいては、Enhancer of zesteタンパク
がPRC2のH3K27メチル化を担当する触媒サブユニットであり、EZH1(Enh
ancer of zeste homolog 1(Drosophila))とEZ
H2(Enhancer of zeste homolog 2(Drosophil
a))はいずれもショウジョウバエのEnhancer of zesteの哺乳類ホモ
ログである(EMBO J.1997、16、3219-3232;Mamm.Geno
me.1999、10、311-314)。EZH1とEZH2の酵素活性ドメイン(S
ETドメイン)は高い相同性を有しており、ヒトやマウスではEZH1又はEZH2を触
媒サブユニットとする2種類のPRC2(PRC2-EZH1、PRC2-EZH2)が
存在する(Mol.Cell 2008、32、491-502;Mol.Cell 2
008、32、503-518)。
【0005】
胚性幹細胞(Embryonic stem cells、ES cells)におい
て、EZH1とEZH2は協調的又は相補的に機能し、ES細胞の維持に関与している(
Mol.Cell 2008、32、491-502)。また、EZH1及びEZH2は
、毛包の形成と維持、及びメルケル細胞の分化に対しても協調的に作用し、両方は造血幹
細胞の維持にも重要であると報告されている(Genes Dev.2011、25、4
85-498;EMBO J.2013、32、1990-2000;Blood 20
11、118、6553-6561;Cell Stem Cell 2012、11、
649-662;Cell Stem Cell 2014、14、68-80)。
【0006】
これまで、前立腺がん、乳がん、胃がん、肺がん、卵巣がん、膵膓がん、腎臓がん、頭
頸部がんを含む多くののがん腫でEZH2の発現亢進が報告されており、これらのがんの
うちには、EZH2の発現亢進と予後不良の相関が報告されているものもある(Natu
re 2002、419、624-629;Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 2003、100、11606-11611;Asian Pac.J.Canc
er Prev.2012、13、3173-3178;Clin、Cancer Re
s.2013、19、6556-6565;Cancer Cell 2010、18、
185-197;Hμm.Pathol.2010、41、1205-1209;BMC
Cancer 2010、10、524;Cancer 2012、118、2858
-2871;Mutat.Res.2008、647、21-29)。
【0007】
本発明者らは、新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物がEZH1及び/又はE
ZH2に対して阻害活性を有する点を確認して、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は、EZH1及び/又はEZH2に対して阻害活性に優れた新規なジオキ
ソロイソキノリノン誘導体化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、上記化合物を治療的有効量で含有する薬学的組成物を提供すること
である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一具現例によると、下記化学式1a又は化学式1bのジオキソロイソキノリノン
誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択さ
れる化合物を提供する:
【化1】
上記化学式1aにおいて、
は、H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、
3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、ニトリル、アリール、N、O及び
Sからなる群より独立に選択される1ないし3個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし
6員の芳香族ヘテロシクリル、又はN、O及びSからなる群より独立に選択される1ない
し2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の環内の一部に不飽和結合を含有又は
非含有の脂肪族ヘテロシクリルであり;
前記C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、アリール、又はN、O及びS
からなる群より独立に選択される1ないし3個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6
員の芳香族ヘテロシクリル、又はN、O及びSからなる群より独立に選択される1ないし
2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の環内の一部に不飽和結合を含有又は非
含有の脂肪族ヘテロシクリルは、下記A群から独立に選択された1ないし3種に置換又は
非置換であり、
Lは、結合又はC1-6アルキレンであり;
は、置換されたC5-9ビシクロアルキルであり、前記置換されたC5-9ビシクロ
アルキルは、NRに置換されたものであり、ここで、前記R及びRは、それぞ
れ独立にH又はC1-6アルキルの化合物であり;
は、H又はC1-6アルキルであり;
は、H、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はチオC1-6アルキルであり;
A群は、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、N、O及びSからなる群よ
り独立に選択される1ないし2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の脂肪族ヘ
テロシクリルであり、ここで、前記C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及び5ない
し6員の脂肪族ヘテロシクリルは、下記B群より独立に選択された1ないし3種に置換又
は非置換であり;
B群は、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、N、O及びSからなる群よ
り独立に選択される1ないし2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の脂肪族ヘ
テロシクリルであり、ここで、前記C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及び5ない
し6員の脂肪族ヘテロシクリルは、下記C群より独立に選択された1ないし3種に置換又
は非置換であり;
C群は、ハロゲン、C1-6アルキル、N、O及びSからなる群より独立に選択される1
ないし2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の脂肪族ヘテロシクリルである。
【0010】
本発明の他の具現例によると、下記化学式1bのジオキソロイソキノリノン誘導体化合
物、その薬学的に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化合物
を提供する:
【化2】
上記化学式1bにおいて、
は、置換されたシクロヘキシルであり;
は、H、フラン-2-イル、フラン-3-イル、5-メチルフラン-2-イル、チオ
フェン-2-イル、チオフェン-3-イル、5-メチルチオフェン-2-イル、1-メチ
ル-1H-ピラゾール-4-イル、1-メチル-1H-ピロール-2-イル、チアゾール
-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル
、6-フルオロピリジン-3-イル、及びピリミジン-5-イルからなる群より選択され

Lは、結合であり;
は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はチオC1-6アルキルである。
本発明のまた他の具現例によると、上述した化合物を治療的有効量で含有する前記EZH
1及び/又はEZH2に関連する様々な疾患の予防又は治療用の薬学的組成物及び薬学的
製剤を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明で提供する化学式1a又は化学式1bで表されるジオキソロイソキノリノン誘導体
化合物は、EZH1及び/又はEZH2に対する阻害活性に優れており、EZH1、EZ
H2又はEZH1及びEZH2の両方の活性に関連するがんに対して抗癌作用を有し、そ
の治療剤として有用に用いられることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に記載の定義は本発明を記述するために使用された様々な用語の定義である。これ
らの定義は特に制限されない限り、個別に又はこれらを含む用語の一部分として本明細書
全体に適用される。
【0013】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、特に言及しない限り、フッ素、塩素、臭素又
はヨウ素を意味する。
【0014】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシ」は、特に言及しない限り、-OH基を意味す
る。
【0015】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、特に言及しない限り、C2n+1で表
される飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素ラジカルを指し、具体的にそれぞれ1ないし
6個、1ないし8個、1ないし10個、又は1ないし20個の炭素原子を含む飽和の、直
鎖状又は分枝状の炭化水素ラジカルを指す。これらのラジカルの例としては、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル
、ヘプチル、オクチルラジカルが含まれるが、これらに制限されるのではない。例えば、
本明細書で使用される用語「C1-6アルキル」は、特に言及しない限り、炭素数1ない
し6個の直鎖状又は分枝状の炭化水素残基を意味する。その例としては、メチル、エチル
、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、
n-ヘキシルなどが挙げられるが、これらに制限されるのではない。
【0016】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、特に言及しない限り、少なくとも1つの
炭素-炭素二重結合を有する不飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素部分に由来する1価
の基を指し、具体的にそれぞれ2ないし6個、2ないし8個、2ないし10個、又は2な
いし20個の炭素原子を含有する不飽和の、直鎖状又は分枝状の1価の基を指す。これら
の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル、
ヘプテニル、オクテニルラジカルが含まれるが、これらに制限されるのではない。
【0017】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、特に言及しない限り、少なくとも1つの
炭素-炭素三重結合を有する不飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素部分に由来する1価
の基を指す。
【0018】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、特に言及しない限り、OC2n+1
表されるそれぞれ1ないし6個、1ないし8個、1ないし10個、又は1ないし20個の
炭素原子を含む飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素部分に由来する1価の基を有する酸
素ラジカルを指す。例えば、「C1-6アルコキシ」は、特に言及しない限り、炭素数1
ないし6個の直鎖状又は分枝状の炭化水素残基を有する酸素ラジカルを意味する。その例
としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-
ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられるが、これらに制限さ
れるのではない。
【0019】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、特に言及しない限り、飽和モノサイク
リック又は部分的に不飽和の単環式炭素環式環化合物に由来する1価の基を示す。例えば
、本明細書で使用される用語「C3-7シクロアルキル」は、特に言及しない限り、炭素
数3ないし7個の単環式の飽和又は部分的に不飽和の炭化水素作用基を意味する。飽和シ
クロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに制限されるのではない。
【0020】
本明細書で使用される用語「ヘテロシクリル」は、特に言及しない限り、N、O、S、S
O及びSOの中から選択される1ないし3個のヘテロ原子又は官能基を含有した3ない
し7員の単環式の一価基を意味する。その例としては、オキセタン-3-イル、テトラヒ
ドロフラン-3-イル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、テトラヒドロ-2H-
ピラン-3-イル、オキセパン-4-イル、オキセパン-3-イル、ピペリジン-1-イ
ル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、モルホリン
-4-イル、チオモルホリン-4-イル、1,1-ジオキシドチオモルホリン-4-イル
、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-3-イル、アゼチジン-1-イル、アゼチジン-
3-イル、アジリジン-1-イル、アゼパン-1-イル、アゼパン-3-イル、アゼパン
-4-イルなどが挙げられるが、これらに制限されるのではない。
【0021】
本明細書で使用される用語「アリール」は、特に言及しない限り、融合又は非融合の1つ
以上の芳香族環を有する、炭素数6ないし14個のモノ-又はポリ-シクリックカルボシ
クリック環システムを指し、アリールの例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロ
ナフチル、インデニル、アンドラセニルなどを含むが、こられに制限されない。
【0022】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、特に言及しない限り、O、N及びSの
中から選択される1個以上、例えば1個ないし4個、好ましくは1個ないし3個のヘテロ
原子を含有する5ないし12員、好ましくは5ないし7員のモノサイクリック又はバイサ
イクリック以上の芳香族基を意味する。モノサイクリックヘテロアリールの例としては、
チアゾリル、オキサゾリル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオ
キサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾ
リル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びこれらと類似の基が
挙げられるが、これらに制限されるのではない。バイサイクリックヘテロアリールの例と
しては、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベン
ズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベ
ンズトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フリニル、フロピリジニル、及びこれ
らと類似の基が挙げられるが、これらに制限されるのではない。
【0023】
本明細書で使用される用語「C5-9ビシクロアルキル」は、特に言及しない限り、2つ
のシクロアルキル環が2つの原子を共有している脂肪族炭化水素化合物から誘導される基
を意味し、好ましくはビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチ
ル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3
.2.2]ノナニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニル、又はビシクロ[3.3.2]デ
カニルなどが挙げられるが、これらに制限されるのではなく、これらはいずれも置換又は
非置換であってもよい。
【0024】
本明細書で使用される用語「光学異性体」又は「鏡像異性体」は、特に言及しない限り、
互いに重畳しない鏡像である一対の立体異性体を指し、具体的に立体異性体混合物は、非
対称炭素原子(asymmetric carbon atom)を有する化合物の立体
異性体混合物であってもよい。また、具体的に前記非対称炭素原子を有する化合物は、下
記化学式1a又は化学式1bの構造を有する化合物であってもよい。一方、一対の鏡像異
性体の1:1混合物は「ラセミ」混合物と称する。
【0025】
本明細書で使用される用語「非対称炭素原子」は、特に言及しない限り、分子内の炭素原
子が4個の互いに異なる原子、原子団又は官能基と結合している場合の炭素を意味する。
このような非対称炭素原子を含んでいる化合物の場合、光回転性又は光学異性体を有する
【0026】
本明細書で使用される用語「鏡像体過剰率(ee:enantiomeric exce
ss)」は、特に言及しない限り、一般に鏡像異性体の比率のすべての増加を含むもので
、ラセミ混合物に対する鏡像体過剰率だけでなく、(ラセミ体内において)鏡像異性体の
比が1:1でなく、混合物に対する1つの鏡像異性体が残りの1つに比べて増加されたこ
とまですべて含む。具体的に、前記鏡像体過剰率は、光学純度値(「%ee」)が80%
以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の
ものであってもよい。
【0027】
本発明で使用される用語「EZH1及び/又はEZH2の酵素活性」は、EZH1及び/
又はEZH2が有する、ヒストンH3の27番目のリジンにメチル基を導入する酵素活性
を意味し、「EZH1及び/又はEZH2の発現の亢進」は、EZH1タンパク質及び/
又はEZH2タンパク質の発現量が、遺伝子転写活性の亢進や翻訳促進、タンパク質の分
解抑制、タンパク質の安定化向上などによって増加していることを意味する。
【0028】
本発明で使用される用語「EZH1及び/又はEZH2に変異が存在する」は、EZH1
及び/又はEZH2の塩基配列及び/又はアミノ酸配列に変異が存在することを意味する
。例えば、EZH2の641番目のチロシン、677番目のアラニン、687番目のアラ
ニンの体細胞変異(somatic mutation;Y641F、Y641N、Y6
41S、Y641C、A677G、A687V)が存在する。
【0029】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明は、下記化学式1a又は化学式1bで表される新規なジオキソロイソキノリノン誘
導体化合物及びその用途に関し、より詳しくは、EZH1(Enhancer of z
este homolog 1)及び/又はEZH2(Enhancer of zes
te homolog 2)活性の阻害活性を有する新規なジオキソロイソキノリノン誘
導体化合物、その薬理学的に許容される塩、又はこのような化合物を含む薬学的組成物に
関する。
【0030】
具体的に本発明の一具現例によると、下記化学式1aのジオキソロイソキノリノン誘導体
化合物、その薬学的に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化
合物を提供する:
【化3】
上記化学式1aにおいて、
は、H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、
3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、ニトリル、アリール、N、O及び
Sからなる群より独立に選択される1ないし3個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし
6員の芳香族ヘテロシクリル、又はN、O及びSからなる群より独立に選択される1ない
し2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の環内の一部に不飽和結合を含有又は
非含有の脂肪族ヘテロシクリルであり;
前記C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、アリール、又はN、O及びS
からなる群より独立に選択される1ないし3個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6
員の芳香族ヘテロシクリル、又はN、O及びSからなる群より独立に選択される1ないし
2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の環内の一部に不飽和結合を含有又は非
含有の脂肪族ヘテロシクリルは、下記A群から独立に選択された1ないし3種に置換又は
非置換であり、
Lは、結合又はC1-6アルキレンであり;
は、置換されたC5-9ビシクロアルキルであり、前記置換されたC5-9ビシクロ
アルキルは、NRに置換されたものであり、ここで、前記R及びRは、それぞ
れ独立にH又はC1-6アルキルの化合物であり;
は、H又はC1-6アルキルであり;
は、H、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はチオC1-6アルキルであり;
A群は、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、N、O及びSからなる群よ
り独立に選択される1ないし2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の脂肪族ヘ
テロシクリルであり、ここで、前記C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及び5ない
し6員の脂肪族ヘテロシクリルは、下記B群より独立に選択された1ないし3種に置換又
は非置換であり;
B群は、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、N、O及びSからなる群よ
り独立に選択される1ないし2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の脂肪族ヘ
テロシクリルであり、ここで、前記C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及び5ない
し6員の脂肪族ヘテロシクリルは、下記C群より独立に選択された1ないし3種に置換又
は非置換であり;
C群は、ハロゲン、C1-6アルキル、N、O及びSからなる群より独立に選択される1
ないし2個のヘテロ原子を環内に含有する5ないし6員の脂肪族ヘテロシクリルである。
【0031】
好ましくは、本発明の化学式1aのジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的
に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化合物は、Rがビシ
クロ[2.2.2]オクチルである化合物であってもよく、より好ましくは、前記ビシク
ロ[2.2.2]オクチルは、NRに置換され、ここで、前記R及びRは、そ
れぞれ独立にH又はC1-6アルキルである化合物であってもよい。
【0032】
好ましくは、本発明の化学式1aのジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的
に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化合物は、Rが、H
、ハロゲン、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、C2-3アルキニル、C3-5
クロアルキル又はC3-5シクロアルケニルである化合物であってもよい。
【0033】
好ましくは、本発明の化学式1aのジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的
に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化合物は、Rがメチ
ルである化合物であってもよい。
【0034】
好ましくは、本発明の化学式1aのジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的
に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化合物は、Rがメチ
ル又はハロゼンである化合物であってもよい。
【0035】
好ましくは、本発明の化学式1aのジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬学的
に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択される化合物は、Rがメチ
ル、プロピル、メトキシ又はチオメチルである化合物であってもよい。
【0036】
また、本発明による上記化学式1aの化合物の好ましい例は下記の通りであるが、これら
に限定されない:
9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン異性体A;
9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン異性体B;
9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル
)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4,5-
g]イソキノリン-5(6H)-オン;
9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル
)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4,5-
g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A;
9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル
)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4,5-
g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体B;
9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル
)-2,4-ジメチル-6-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2
-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル
)-2,4-ジメチル-6-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2
-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A;
9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル
)-2,4-ジメチル-6-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2
-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体B;
9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン異性体A;
9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン異性体B;
9-シクロプロピル-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジ
ン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,
4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-
5(6H)-オン;
9-(シクロペント-1-エン-1-イル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-
1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシク
ロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,
3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
9-シクロペンチル-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジ
ン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,
4-ジメチル-9-ビニル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-9-
エチル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,
4-ジメチル-9-(プロプ-1-エン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-9-
イソプロピル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-
g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-9-
エチニル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,
4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,
4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン異性体A;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,
4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン異性体B;
2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-6-((
4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4,
9-トリメチル-6-((6-メチル-2-オキソ-4-プロピル-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
4-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-2,9-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
4,9-ジクロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン
-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン
-1-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;及び
9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-
イル)-4-メチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン。
【0037】
具体的に、本発明のまた他の具現例によると、下記化学式1bのジオキソロイソキノリノ
ン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒和物から選択
される化合物を提供する:
【化4】
上記化学式1bにおいて、
は、置換されたシクロヘキシルであり;
は、H、フラン-2-イル、フラン-3-イル、5-メチルフラン-2-イル、チオ
フェン-2-イル、チオフェン-3-イル、5-メチルチオフェン-2-イル、1-メチ
ル-1H-ピラゾール-4-イル、1-メチル-1H-ピロール-2-イル、チアゾール
-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル
、6-フルオロピリジン-3-イル、及びピリミジン-5-イルからなる群より選択され

Lは、結合であり;
は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はチオC1-6アルキルである。
本発明による上記化学式1bの化合物の好ましい例は下記の通りであるが、これらに限定
されない:
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン
-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-
g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(6-フ
ルオロピリジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3
]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(ピリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]
ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-9-(チアゾール-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H-
イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン
-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-
g]イソキノリン-5(6H)-オン;
(R)-2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6-ジメチル-2
-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)
-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン;
(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トランス-4-(メ
チルアミノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g
]イソキノリン-5(6H)-オン;及び
(S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメ
チル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H
)-オン;
また、本発明による上記化学式1bの化合物の好ましい例は下記の通りであるが、これら
に限定されない:
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(6-フルオロピ
リジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H-イミダゾ
ール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-5(6H)-オン;
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-3-イ
ル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソ
キノリン-5(6H)-オン;
2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ
-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4
-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5
(6H)-オン;及び
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トランス-4-(メチルアミ
ノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキ
ノリン-5(6H)-オン。
【0038】
本発明で上記化学式1aで表される化合物を製造する方法は特に限定しないが、例えば、
下記反応式1又は反応式2の製造方法によって合成することができる:
【化5】

上記反応式1において、R、R、R、R及びRは、上記化学式1aで定義され
た通りである。
【0039】
上記反応式1において、ステップ1のケタール化反応は、以下の文献に示される条件で実
施することができる(Ming Li et.al.、J.Org.Chem.2008
、73、8658-8660)。化学式7の化合物に対して、反応に不活性な溶媒中で等
量又は過剰量のアセチレン誘導体と0.01~0.3等量のRu触媒を用いて、加熱条件
下で1~24時間攪拌することで化学式6の化合物を得る工程である。ステップ2のヨウ
素化反応は、反応に不活性な溶媒中で同量又は過剰量の対応するヨウ素とトリフルオロ酢
酸銀を用いて、常温条件下で、1~24時間攪拌することで化学式5の化合物を得る工程
である。ステップ3の鈴木-宮浦反応は、同量又は過剰量の対応する(E)-2-(2-
エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと0
.01~0.3等量のPd触媒を用いて、加熱条件下で1~24時間攪拌することで化学
式4の化合物を得る工程である。ステップ4の還元反応は、反応に不活性な溶媒中で酸存
在下、冷却下で0.5~24時間攪拌することで化学式3の化合物を得る工程である。ス
テップ5の環化反応は、反応に不活性な溶媒中で同量又は過剰量の対応するアミノアルキ
ルと水素化ホウ素を用いて、常温条件下で1~72時間攪拌することで化学式2の化合物
を得る工程である。ステップ6の鈴木-宮浦反応は、反応に不活性な溶媒中で同量又は過
剰量の対応するボロン酸又はボロン酸ピナコールエステルと0.01~0.3等量のpd
触媒を用いて、加熱条件下で1~24時間攪拌することで化学式1aの化合物を得る工程
である。
【0040】
【化6】
上記反応式2において、R、R、R、R及びRは、上記化学式1aで定義され
た通りである。
【0041】
上記反応式2において、ステップ1は、反応式1におけるステップ1と同一の方法で化学
式9の化合物を得る工程である。ステップ2の縮合反応は、反応に不活性な溶媒中で同量
又は過剰量の対応するハロゲン化アルキルとt-ブトキシ化カリウムのような塩を用いて
低温条件下で1~24時間攪拌することで化学式8の化合物を得る工程である。ステップ
3の脱保護化反応は、ベンジル基を含む化学式8の化合物を、反応に不活性な溶媒中でP
d触媒を用いて、水素雰囲気下で0.5~24時間攪拌することで化学式1aの化合物を
得る工程である。
【0042】
また、本発明で上記化学式1bで表される化合物を製造する方法は特に限定しないが、例
えば、下記反応式3の製造方法によって合成することができる:
【化7】
上記反応式3において、R、R及びRは、上記化学式1bで定義された通りである

上記反応式3において、ステップ1は、反応式1におけるステップ1と同一の方法で化学
式14の化合物を得る工程である。ステップ2の臭素化反応は、反応に不活性な溶媒中で
同量又は過剰量のN-ブロモスクシンイミドを用いて、加熱条件下で1~24時間攪拌す
ることで化学式13の化合物を得る工程である。ステップ3の鈴木-宮浦反応は、反応に
不活性な溶媒中で同量又は過剰量の対応するボロン酸又はボロン酸ピナコールエステルと
0.01~0.3等量のPd触媒を用いて、加熱条件下で1~24時間攪拌することで化
学式12の化合物を得る工程である。ステップ4の縮合反応は、反応に不活性な溶媒中で
同量又は過剰量の対応するハロゲン化アルキルとt-ブトキシ化カリウムのような塩を用
いて、低温条件下で1~24時間攪拌することで化学式11の化合物を得る工程である。
ステップ5の脱保護化反応は、ベンジル基を含む化学式11の化合物を反応に不活性な溶
媒中で酸存在下、冷却下又は加熱下で0.5~24時間攪拌することで化学式1bの化合
物を得る工程である。
【0043】
本発明による化合物は、また薬学的に許容される塩を形成することができる。このような
薬学的に許容される塩には、薬学的に許容されるアニオンを含む非毒性の酸付加塩を形成
する酸であれば特に限定されない。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨ
ウ化水素酸などのような無機酸;タルタル酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、トリクロロ酢酸、
トリフルオロ酢酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸などのような有
機カルボン酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフ
タレンスルホン酸などのようなスルホン酸などによって形成された酸付加塩が挙げられる
【0044】
一方、本発明の化学式1a又は化学式1bで表される化合物は、非対称炭素中心を有し得
るため、異なる鏡像異性体の形態で存在してもよい。具体的に、化学式1a又は化学式1
bで表される化合物のすべての光学異性体、及びR又はS型光学異性体、ラセミ化合物、
部分立体異性体の混合物、又は個々の部分立体異性体として存在してもよく、これらのす
べての異性体及び混合物は、本発明の範囲に含まれる。また、本発明は、ラセミ体、1つ
以上の鏡像異性体の形態、又はこれらの混合物の用途を含み、当業界で周知の異性体の分
離方法や製造過程を含んでもよい。
【0045】
その他にも、化学式1a及び化学式1bの溶媒和物及び水和物の形態も本発明の範囲に含
まれる。
【0046】
本発明の他の具現例によると、上記化学式1a又は化学式1bの化合物、及びその薬学的
に許容可能な塩から選択される化合物を治療的有効量で含有する薬学的組成物を提供する
【0047】
本発明の薬学的組成物は、それに含まれる化学式1a又は化学式1bで表される化合物が
EZH1及び/又はEZH2の活性を阻害することで、これに関連する様々な疾患の予防
又は治療にも有用である。
【0048】
本発明の他の具現例によると、前記薬学的組成物は、EZH1及び/又はEZH2の酵素
活性を阻害することで治療できる、がん又は腫瘍を予防又は治療する薬学的組成物である

本発明のまた他の具現例によると、上述した薬学的組成物を含む薬学的製剤を提供する。
【0049】
本発明の薬学的製剤は、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、シロップ又はエマルジョンなど
の様々な経口投与の形態、又は注射剤などの筋肉内、静脈内又は皮下投与のような非経口
投与の形態であってもよいが、好ましくは経口投与の形態である。
【0050】
また、前記薬学的製剤は、有効成分以外に通常の非毒性の薬学的に許容可能な添加剤であ
り、具体的な例を挙げると、担体、補強剤及び賦形剤からなる群より選択される1種以上
が添加されて通常の方法によって製剤化されてもよい。
【0051】
本発明の薬学的製剤に用いることができる賦形剤としては、甘味剤、結合剤、溶解剤、溶
解補助剤、湿潤剤、乳化剤、等張化剤、吸着剤、崩壊剤、酸化防止剤、防腐剤、滑沢剤、
充填剤、芳香剤などが含まれてもよいが、こられに制限されない。例えば、賦形剤として
、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース
、グリシン、シリカ、マグネシウムアルミニウムケイ酸塩、デンプン、ゼラチン、トラガ
カントゴム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ナトリウムカルボ
キシルメチルセルロース、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリ
ドン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、オレンジエッセンス、イチゴエッセンス、バニ
ラ香などが用いられてもよい。
【0052】
本発明の薬学的製剤が経口投与形態である場合、用いられる担体の例としては、セルロー
ス、ケイ酸カルシウム、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、デキストロー
ス、リン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ゼラチン、タルクなどが挙げられるが、こられに制限されない。
【0053】
本発明の薬学的製剤が注射剤形態である場合、前記担体としては、水、食塩水、ブドウ糖
水溶液、類似糖水溶液、アルコール、グリコール、エーテル、オイル、脂肪酸、脂肪酸エ
ステル、グリセリドなどが挙げられるが、こられに制限されない。
【0054】
本発明による化合物を薬剤として用いるため、後者を製薬製剤の形態に製造し、これは経
口又は非経口投与用の活性成分以外に適した製薬上有機又は無機不活性担体物質、例えば
、水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、デンプン、植物性オイル、ポリアルキレン
グリコールなどを含有する。製薬製剤は、固体形態、例えば、錠剤、糖衣錠、坐剤又はカ
プセル剤、又は液体形態、例えば、液剤、懸濁剤又は乳剤として存在してもよい。また、
これらは場合によって補助剤、例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤又は乳化剤;浸透圧変
更用塩又は緩衝剤を含む。
【0055】
非経口投与用としては、特に注射液剤又は懸濁剤が好ましい。
担体システムとして、界面活性補助剤、例えば、胆汁酸塩又は動物或いは植物リン脂質、
さらにこれらの混合物、及びリポソーム又はその成分を用いてもよい。
【0056】
経口投与用としては、特にタルク及び/又は炭化水素ビヒクル又は結合剤、例えば、ラク
トース、トウモロコシ又はジャガイモデンプンを含む錠剤、糖衣錠又はカプセル剤が適し
ている。また、液体形態、例えば、甘味剤が添加されたジュースとして投与してもよい。
【0057】
また、本発明による上記化学式1a又は化学式1bの化合物の人体に対する用量は、一般
に体重が70kgの成人患者を基準とする場合、0.1mg/日ないし2,000mg/
日の範囲であることが好ましい。本発明による化合物は、1日当たり1回ないし数回で分
割投与してもよい。但し、上述した投与量は、患者の健康状態、年齢、体重及び性別と、
投与形態及び疾患の程度によって変わり、これによって、本発明の範疇は上記に提示した
投与量に限定されない。
【0058】
本発明のまた他の具現例によると、前記本発明の化学式1a又は化学式1bのジオキソロ
イソキノリノン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、光学異性体、水和物及び溶媒
和物から選択される化合物又はその薬理学的に許容される塩のがん又は腫瘍の治療用途を
提供する。
【0059】
以下、本発明を下記製造例及び実施例に基づいてより詳しく説明するが、これは本発明を
例示するものであるだけ、本発明の範囲がこれらに限定されるのではない。
【実施例
【0060】
中間体合成例
[中間体1]6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン
-1(2H)-オン
【化8】
ステップ1. メチル3,4-ジメトキシ-2,5-ジメチルベンゾエートの製造
【化9】
メチル3,4-ジヒドロキシ-2,5-ジメチルベンゾエート(1.97g、10.0m
mol)、炭酸カリウム(6.94g、50.2mmol)とヨードメタン(1.88m
L、30.1mmol)を順にアセトン(20mL)に添加した後、反応液を常温で24
時間攪拌した。反応生成物を酢酸エチル及び水で希釈して、有機層を抽出した。抽出した
有機層は、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。これをさらに精製するこ
となく使用した。
【0061】
ステップ2. 3,4-ジメトキシ-2,5-ジメチル安息香酸の製造
【化10】
上記の[ステップ1]で合成したメチル3,4-ジメトキシ-2,5-ジメチルベンゾエ
ート(2.25g、10.4mmol)と水酸化ナトリウム(1.2g、30.1mmo
l)をメタノール/水(1/1、50mL)混合液に添加した後、反応液を100℃で1
2時間還流した。反応液を0℃に冷却した後、6.0N塩酸水溶液を用いて約pH 1に
酸性化した。生成した固体は、低温で1時間攪拌した後、濾過して収集し、水で洗浄し、
乾燥して表題化合物(2.06g)を得た。
【0062】
ステップ3. N-(2,2-ジメトキシエチル)-3,4-ジメトキシ-2,5-ジメ
チルベンズアミドの製造
【化11】
上記の[ステップ2]で合成した3,4-ジメトキシ-2,5-ジメチル安息香酸(2.
06g、9.8mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶かした後、
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.72g、12.7mmol)、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.44g、12.7mmo
l)及びトリエチルアミン(1.78mL、12.7mmol)を順に添加した後、常温
で0.5時間攪拌した。アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(1.38mL、1
2.7mmol)とトリエチルアミン(1.78mL、12.7mmol)の混合液を約
5分にわたって滴加した後、上記混合物を常温で12時間攪拌した。反応生成物をジクロ
ロメタン及び水で希釈し、有機層を抽出した。抽出した有機層を水と塩水で洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留して表題化合物を得て、これをさらに精製
することなく使用した。
【0063】
ステップ4. 6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチルイソキノリン-1(2H)-オ
ンの製造
【化12】
上記の[ステップ3]で合成したN-(2,2-ジメトキシエチル)-3,4-ジメトキ
シ-2,5-ジメチルベンズアミド(2.9g、9.8mmol)を濃縮硫酸(15mL
)に添加した後、反応液を60℃で24時間攪拌した。反応液を常温に冷却した後に氷水
に注ぎ、30分間攪拌した。生成された固体を濾過により収集し、過剰の水で洗浄し、乾
燥して表題化合物(1.8g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0064】
ステップ5. 6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチル-3,4-ジヒドロイソキノリ
ン-1(2H)-オンの製造
【化13】
上記の[ステップ4]で合成した6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチルイソキノリン
-1(2H)-オン(1.8g、8.8mmol)と10%パラジウム/炭素(885m
g)をメタノール/エタノール(1/1、36mL)混合液に添加した後、水素風船を取
り付けた。反応液を60℃に加温してから48時間攪拌した後、常温に冷却してセライト
濾過して減圧蒸留した。得られた残留物にジクロロメタンを添加して攪拌した。生成され
た固体を濾過により収集し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して表題化合物(776mg
)を得た。
【0065】
[中間体2]8-クロロ-6,7-ジヒドロキシ-5-メチル-3,4-ジヒドロイソキ
ノリン-1(2H)-オン
【化14】
【0066】
ステップ1. メチル5-クロロ-3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾエートの製

【化15】
メチル3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾエート(2.0g、11.0mmol)
を酢酸エチル(44mL)に溶かし、N-クロロスクシンイミド(2.2g、16.5m
mol)を添加した。反応液を常温で1時間攪拌した後、p-アニソール(1.2mL、
11.0mmol)を添加した。さらに15分間攪拌した後、反応生成物を酢酸エチル及
び水で希釈して、有機層を抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥
し、減圧蒸留した。得られた残留物にジクロメタン(5mL)を添加して30分間攪拌し
た。生成された固体を濾過により収集し、ジクロロメタンで洗浄して表題化合物(1.1
g)を得た。
【0067】
ステップ2. メチル5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルベンゾエートの製造
【化16】
[中間体1]の[ステップ2]でメチル3,4-ジヒドロキシ-2,5-ジメチルベンゾ
エートの代わりに、上記の[ステップ1]で合成したメチル5-クロロ-3,4-ジヒド
ロキシ-2-メチルベンゾエート(2.3g、10.6mmol)を用いることを除いて
は、同一の反応を行い、表題化合物(2.6g)を得た。
【0068】
ステップ3. (5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフェニル)メタノールの
製造
【化17】
上記の[ステップ2]で合成したメチル5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルベ
ンゾエート(2.6g、10.63mmol)をテトラヒドロフラン(26mL)に溶か
してアルゴン置換した後、0℃に冷却した。反応液に水素化アルミニウムリチウム(40
3mg、10.63mmol)を添加した後、常温で1時間攪拌した。反応生成物を0℃
に冷却し、過剰の水と15%水酸化ナトリウム水溶液(2.5mL)を滴加した。さらに
常温で2時間攪拌した後、セライト濾過した。得られた残留物を酢酸エチルで抽出し、無
水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、減圧蒸留して表題化合物(2.3g)を得て、こ
れをさらに精製することなく使用した。
【0069】
ステップ4. 1-クロロ-5-(クロロメチル)-2,3-ジメトキシ-4-メチルベ
ンゼンの製造
【化18】
上記の[ステップ3]で合成した(5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフェニ
ル)メタノール(2.1g、9.69mmol)を酢酸エチル(50mL)に溶かして、
0℃に冷却した。反応液に塩化チオニル(1.1mL、14.53mmol)を滴加し、
0℃で1時間攪拌した。反応生成物に過剰の水を滴加し、酢酸エチルで抽出した。得られ
た有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留して表題化合物(2.3g)を
得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0070】
ステップ5. 2-(5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフェニル)アセトニ
トリルの製造
【化19】
上記の[ステップ4]で合成した1-クロロ-5-(クロロメチル)-2,3-ジメトキ
シ-4-メチルベンゼン(2.3g、9.78mmol)をジメチルスルホキシド(23
mL)に溶かした後、シアン化ナトリウム(576mg、11.74mmol)を常温で
添加した。反応液を常温で2時間攪拌した後、反応生成物に過剰の水を滴加し、酢酸エチ
ルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留して表題
化合物(2.2g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0071】
ステップ6. 2-(5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフェニル)エタン-
1-アミンの製造
【化20】
上記の[ステップ5]で合成した2-(5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフ
ェニル)アセトニトリル(2.2g、9.75mmol)と過剰のラネ-ニッケルを酢酸
エチル(45mL)に溶かした後、水素風船を取り付けた。反応液を常温で18時間攪拌
した後、セライト濾過し、減圧蒸留して表題化合物(2.0g)を得て、これをさらに精
製することなく使用した。
【0072】
ステップ7. 4-ニトロフェニル(5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフェ
ネチル)カルバメートの製造
【化21】
上記の[ステップ6]で合成した2-(5-クロロ-3,4-ジメトキシ-2-メチルフ
ェニル)エタン-1-アミン(2.0g、8.71mmol)と炭酸ナトリウム(2.7
7g、26.12mmol)を1,2-ジクロロエタン(40mL)に溶かした後、4-
ニトロフェニルクロロホルメート(2.63g、13.06mmol)を添加した。反応
液を常温で18時間攪拌した後、反応生成物に過剰の水を滴加し、ジクロロメタンで抽出
した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(3.0g)を得た。
【0073】
ステップ8. 8-クロロ-6,7-ジメトキシ-5-メチル-3,4-ジヒドロイソキ
ノリン-1(2H)-オンの製造
【化22】
上記の[ステップ7]で合成した4-ニトロフェニル(5-クロロ-3,4-ジメトキシ
-2-メチルフェネチル)カルバメート(3.0g、7.60mmol)を1,2-ジク
ロロエタン(50mL)に溶かした後、0℃に冷却した。反応液にトリフル酸(7.3m
L、81.1mmol)をゆっくり滴加し、70℃で2時間攪拌した。反応生成物を常温
に冷却した後、過剰の氷水にゆっくり滴加し、氷が完全に溶けるまで1時間攪拌した。ジ
クロロメタンで抽出して得られた有機層を2N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。有機
層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(1.6g)を得た。
【0074】
ステップ9. 8-クロロ-6,7-ジヒドロキシ-5-メチル-3,4-ジヒドロイソ
キノリン-1(2H)-オンの製造
【化23】
上記の[ステップ8]で合成した8-クロロ-6,7-ジメトキシ-5-メチル-3,4
-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン(1.6g、6.14mmol)を窒素下で
ジクロロメタン(20mL)に添加した後、反応液を0℃に冷却した。これに、トリブロ
モボロン(1.3mL、13.51mmol)を加えた後、徐々に常温に昇温して12時
間攪拌した。反応液に氷水を添加し、生成された固体は1時間攪拌して濾過により収集し
、過剰の水とジクロロメタンで洗浄し、乾燥して表題化合物(1.2g)を得た。
【0075】
[中間体3]5,8-ジクロロ-6,7-ジヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン
-1(2H)-オン
【化24】
3,4-ジヒドロ安息香酸(10.0g、64.88mmol)を酢酸(44mL)に添
加し、スルフリルクロリド(12.6mL、155.72mmol)を添加した。反応液
を50℃に加温した後、14時間攪拌した。反応液を0℃に下げた後、生成した固体を濾
過してから、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いて再結晶化して、2,5-ジクロロ-3,
4-ジヒドロ安息香酸(4.2g)を得た。
【0076】
[中間体2]の[ステップ2]でメチル3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾエート
の代わりに、上記で合成した2,5-ジクロロ-3,4-ジヒドロ安息香酸(4.2g、
18.92mmol)を用いることを除いては、[中間体2]の[ステップ9]まで同一
の方法により行い、表題化合物(55mg)を得た。
【0077】
[中間体4]6,7-ジヒドロキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(
2H)-オン
【化25】
【0078】
ステップ1. 7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチルイソキノリン-1(2H)-
オンの製造
【化26】
[中間体1]の[ステップ1]でメチル3,4-ジヒドロキシ-2,5-ジメチルベンゾ
エートの代わりに、メチル3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾエートを用いること
を除いては、[中間体1]の[ステップ4]まで同一の方法により行い、表題化合物(5
.7g)を得た。
【0079】
ステップ2. 7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロイソキノ
リン-1(2H)-オンの製造
【化27】
[中間体1]の[ステップ5]で6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチルイソキノリン
-1(2H)-オンの代わりに、上記の[ステップ1]で合成した7-ヒドロキシ-6-
メトキシ-8-メチルイソキノリン-1(2H)-オンを用いることを除いては、同一の
方法により行い、表題化合物(3.39g)を得た。
【0080】
ステップ3. 6,7-ジヒドロキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1
(2H)-オンの製造
【化28】
上記の[ステップ2]で合成した7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチル-3,4-
ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン(100mg、0.482mmol)を窒素下
でジクロロメタン(2mL)に添加した後、反応液を0℃に冷却した。これに、トリブロ
モボロン(1mL、0.96mmol、ジクロロメタン1M溶液)を添加した後、徐々に
常温に昇温して一晩攪拌した。反応液に氷水を添加し、生成された固体は1時間攪拌して
濾過により収集し、過剰の水とジクロロメタンで洗浄し、乾燥して表題化合物(53mg
)を得た。
【0081】
[合成例1]9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オ
クタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物1]
【化29】
ステップ1. メチル2-(4-((t-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1-イル)-7-クロロ-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]
ジオキソレ-5-カルボキシレートの製造
【化30】
メチル5-クロロ-3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾエート(1.5g、6.9
2mmol、t-ブチル(4-エチニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カ
ルバメート(2.07g、8.31mmol、Ru(CO)12(111mg、0.1
73mmol)と、Bippyphos(263mg、0.519mmol)をトルエン
(37.5mL)に添加し、窒素ガスに置換した後、上記混合物を120℃で12時間還
流した。反応液を常温に冷却した後、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(2.0g)を得た。
【0082】
ステップ2. メチル2-(4-((t-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1-イル)-7-クロロ-6-アイオド-2,4-ジメチルベンゾ[
d][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレートの製造
【化31】
上記の[ステップ1]で合成したメチル2-(4-((t-ブトキシカルボニル)アミノ
)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-7-クロロ-2,4-ジメチルベンゾ
[d][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレート(1.85g、3.97mmol)
をクロロホルム(18.5mL)に添加した。ヨウ素(2.02g、7.97mmol)
とトリフルオロ酢酸銀(1.75g、3.97mmol)を添加して常温で4時間攪拌し
た。反応生成物をジクロロメタン及びチオ硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、有機層を抽出
した。抽出した有機層は塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧
蒸留した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題
化合物(1.7g)を得た。
【0083】
ステップ3. メチル2-(4-アミノビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-
7-クロロ-6-アイオド-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソレ-5-
カルボキシレートの製造
【化32】
上記の[ステップ2]で合成したメチル2-(4-((t-ブトキシカルボニル)アミノ
)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-7-クロロ-6-アイオド-2,4-
ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレート(1.7g、2.9
mmol)と、トリフルオロ酢酸(3.4mL)をジクロロメタン(17mL)に順に添
加した後、反応液を常温で2時間攪拌した。反応終了後、飽和重曹水を添加して中和し、
ジクロロメタンを用いて抽出した。抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し
た。乾燥した有機層を減圧下で濃縮し、得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製して表題化合物(1.1g)を得た。
【0084】
ステップ4. メチル7-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2
]オクタン-1-イル)-6-アイオド-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキ
ソレ-5-カルボキシレートの製造
【化33】
上記の[ステップ3]で合成したメチル2-(4-アミノビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-7-クロロ-6-アイオド-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジ
オキソレ-5-カルボキシレート(1.1g、2.2mmol)と、37%ホルムアルデ
ヒド水溶液(0.68mL、8.9mmol)を5℃でメタノール(22mL)に順に添
加し、常温で1時間攪拌した後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(2.84g、
13mmol)を添加して常温で2時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸カリウム水溶液
で中和し、ジクロロメタンを用いて抽出した。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶
液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物
を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(1g)を得た。
【0085】
ステップ5. メチル(E)-7-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2
.2.2]オクタン-1-イル)-6-(2-エトキシビニル)-2,4-ジメチルベン
ゾ[d][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレートの製造
【化34】
上記の[ステップ4]で合成したメチル7-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシ
クロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-6-アイオド-2,4-ジメチルベンゾ[d
][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレート(1g、1.9mmol)と、(E)-2
-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロ
ラン、(0.572g、2.9mmol)、トリス(ジベンジルリジンアセトン)ジパラ
ジウム(0)(0.176g、0.19mmol)、トリフェニルホスフィン(50mg
、0.19mmol)、炭酸セシウム(1.25g、3.8mmol)をジメトキシエタ
ン(10mL)に添加した。上記混合物を窒素ガスに置換した後、84℃で5時間還流攪
拌した。反応終了後、珪藻土を用いて濾過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を水と飽和
塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。洗浄した有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製して表題化合物(900mg)を得た。
【0086】
ステップ6. メチル7-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2
]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-6-(2-オキソエチル)ベンゾ[d][1
,3]ジオキソレ-5-カルボキシレートの製造
【化35】
上記の[ステップ5]で合成したメチル(E)-7-クロロ-2-(4-(ジメチルアミ
ノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-6-(2-エトキシビニル)-2,
4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレート(300mg、0
.65mmol)をジクロロメタン(3mL)に添加した。5℃でトリフルオロ酢酸(0
.12mL、1.6mmol)を添加して1時間攪拌した。反応終了後、飽和重曹水を添
加して中和し、ジクロロメタンを用いて抽出した。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム
水溶液で洗浄した。洗浄した有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧下で濃
縮した。得られた残留物(280mg)を精製過程を行うことなく次の反応に用いた。
【0087】
ステップ7. 9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ
ピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]
オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンの製造
【化36】
上記の[ステップ6]で合成したメチル7-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシ
クロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-6-(2-オキソエチル
)ベンゾ[d][1,3]ジオキソレ-5-カルボキシレート(280mg、0.65mm
ol)と、3-(アミノメチル)-4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-オン(11
8mg、0.78mmol)をメタノール(3mL)に添加した。反応液を常温で1時間
攪拌した。反応終了後、5℃で水素化ホウ素ナトリウム(98mg、2.6mmol)を
添加して30分間攪拌した。30分後に常温に温度を上げた後、68時間攪拌した。反応
終了後、飽和重曹水を添加して中和し、ジクロロメタンを用いて抽出した。抽出した有機
層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を塩基性
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(150mg)を得た。
【0088】
[合成例2]9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オ
クタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A、B[化合物2、化合物3]
【化37】
[合成例1]で合成した9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-
ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物1]を、以下の条件で各
異性体を分離した。各々の異性体の絶対立体化学は測定されなかった。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:35℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:21分-異性体A(>99.0%ee)[化合物2]
第2ピーク:27分-異性体B(>99.0%ee)[化合物3]
【0089】
[合成例3]9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物4]
【化38】
[合成例1]の[ステップ7]で3-(アミノメチル)-4,6-ジメチルピリジン-2
(1H)-オンの代わりに、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチルピリジン
-2(1H)-オンを用いることを除いては、[合成例1]と同一の反応を行い、表題化
合物(98mg)を得た。
【0090】
[合成例4]9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A、B[化合物5、化合物6]
【化39】
[合成例3]で合成した9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.
2]オクタン-1-イル)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-
ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ[1,3
]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体
を分離した。各々の異性体の絶対立体化学は測定されなかった。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:35℃
流速:2.2mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=990:10:1(v/v%)
第1ピーク:50分-異性体A(>99.0%ee)[化合物5]
第2ピーク:61分-異性体B(>99.0%ee)[化合物6]
【0091】
[合成例5]9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-2,4-ジメチル-6-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オ
キソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物7]
【化40】
[合成例1]の[ステップ7]で3-(アミノメチル)-4,6-ジメチルピリジン-2
(1H)-オンの代わりに、3-(アミノメチル)-6-メチル-4-(メチルチオ)ピ
リジン-2(1H)-オンを用いることを除いては、[合成例1]と同一の反応を行い、
表題化合物(90mg)を得た。
【0092】
[合成例6]9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-2,4-ジメチル-6-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オ
キソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A、B[化合物8、化合
物9]
【化41】
[合成例5]で合成した9-クロロ-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.
2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-6-((6-メチル-4-(メチルチオ
)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[
1,3]ジオキソロ[4,5-]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異
性体を分離した。各々の異性体の絶対立体化学は測定されなかった。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:35℃
流速:2.2mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=990:10:1(v/v%)
第1ピーク:49分-異性体A(>99.0%ee)[化合物8]
第2ピーク:60分-異性体B(>99.0%ee)[化合物9]
【0093】
[合成例7]9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オ
クタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物10]
【化42】
[合成例1]の[ステップ1]でメチル5-クロロ-3,4-ジヒドロキシ-2-メチル
ベンゾエートの代わりに、メチル5-ブロモ-3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾ
エートを用いることを除いては、[合成例1]と同一の反応を行い、表題化合物(48m
g)を得た。
【0094】
[合成例8]9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オ
クタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A、B[化合物11、化合物12]
【化43】
[合成例7]で合成した9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-
ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離
した。各々の異性体の絶対立体化学は測定されなかった。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:35℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:22分-異性体A(>99.0%ee)[化合物11]
第2ピーク:27分-異性体B(>99.0%ee)[化合物12]
【0095】
[合成例9]9-シクロプロピル-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジ
ヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2
.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物13]、及び6-((4,
6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4
-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル
-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-
オン[化合物14]
【化44】
[合成例7]で合成した9-ブロモ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-
ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(40mg、0.07mmol、
[化合物10])、シクロプロピルボロン酸(29mg、0.34mmol)、リン酸カ
リウム(36mg、0.17mmol)及び[1,1」-ビス(ジフェニルホスフィノ)
フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(1:1)(7mg、0
.01mmol)を1,4-ジオキサン:水(0.5mL、4:1)混合液に順に添加し
、アルゴンガスに置換した後、上記混合物を90℃で13時間還流した。反応液を常温に
冷却した後、ジクロロメタンと水を添加し、有機層を抽出した。抽出した有機層は無水硫
酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製して化合物13(14mg)と化合物14(8mg)を得た。
【0096】
[合成例10]9-(シクロペント-1-エン-1-イル)-6-((4,6-ジメチル
-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチル
アミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジ
ヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物
15]
【化45】
[合成例9]でシクロプロピルボロン酸の代わりに、1-シクロペンテニルボロン酸を用
いることを除いては、[合成例9]と同一の反応を行い、表題化合物(35mg)を得た
【0097】
[合成例11]9-シクロペンチル-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-
ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物16]
【化46】
[合成例10]で合成した9-(シクロペント-1-エン-1-イル)-6-((4,6
-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-
(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-
7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オ
ン(20mg、0.035mmol)と、10%パラジウム/炭素(30mg)を酢酸エ
チル/メタノール(1:1、2mL)に溶かした後、水素風船を取り付けた。反応液を常
温で18時間攪拌した後、セライト濾過して減圧蒸留した。得られた残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(9mg)を得た。
【0098】
[合成例12]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-2,4-ジメチル-9-ビニル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物17]
【化47】
[合成例9]でシクロプロピルボロン酸の代わりに、4,4,5,5-テトラメチル-2
-ビニル-1,3,2-ジオキサボロランを用いることを除いては、[合成例9]と同一
の反応を行い、表題化合物(160mg)を得た
【0099】
[合成例13]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-9-エチル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物18]
【化48】
[合成例11]で9-(シクロペント-1-エン-1-イル)-6-((4,6-ジメチ
ル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチ
ルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-
ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合
物15]の代わりに、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジ
ン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-2,4-ジメチル-9-ビニル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物17]を用いることを除い
ては、[合成例11]と同一の反応を行い、表題化合物(25.5mg)を得た。
【0100】
[合成例14]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-2,4-ジメチル-9-(プロプ-1-エン-2-イル)-7,8-ジヒドロ
-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物19]
【化49】
[合成例10]でシクロプロピルボロン酸の代わりに、2-イソプロフェニルボロン酸ピ
ナコールエステルを用いることを除いては、[合成例10]と同一の反応を行い、表題化
合物(35mg)を得た。
【0101】
[合成例15]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-9-イソプロピル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物20]
【化50】
[合成例11]で9-(シクロペント-1-エン-1-イル)-6-((4,6-ジメチ
ル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチ
ルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-
ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合
物15]の代わりに、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジ
ン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタ
ン-1-イル)-2,4-ジメチル-9-(プロプ-1-エン-2-イル)-7,8-ジ
ヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物
19]を用いることを除いては、[合成例11]と同一の反応を行い、表題化合物(10
mg)を得た。
【0102】
[合成例16]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-9-エチニル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物21]
【化51】
ステップ1. 6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-2,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]
ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-9-カルバルデヒドの製造
【化52】
[合成例12]で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピ
リジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オ
クタン-1-イル)-2,4-ジメチル-9-ビニル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(106mg、0.199mm
ol、[化合物17])をテトラヒドロフラン(2.0mL)及び水(1.0mL)混合
液に添加し、4%オスミウムテトラオキシド(63uL、0.01mmol)と過ヨウ素
酸ナトリウム(85mg、0.398mmol)を順に添加した。反応液を常温で17時
間攪拌した後、不溶物を濾過して除去し、濾液に飽和亜硝酸ナトリウムを添加し、ジクロ
ロメタンで抽出した。抽出した有機層は無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留し
て表題化合物(53mg)を得た。
【0103】
ステップ2. 6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-9-エチニル-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンの製造
【化53】
上記の[ステップ1]で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒ
ドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.
2]オクタン-1-イル)-2,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒ
ドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-9-カルバルデヒド(50m
g、0.009mmol)をメタノール(1.0mL)に添加して炭酸カリウム(20m
g、0.149mmol)とジクロロメタン(1.0mL)で希釈したジメチル(1-ジ
アゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(12.3mg、0.187mmol)を順に
添加した。反応液を常温で16時間攪拌し、飽和アムモニウムクロリドで中和させた後、
食塩水とジクロロメタンを添加して有機層を抽出した。抽出した有機層は無水硫酸ナトリ
ウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製して表題化合物(8mg)を得た。
【0104】
【表1】
【0105】
[合成例17]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物22]
【化54】
ステップ1. t-ブチル(4-(2,4,9-トリメチル-5-オキソ-5,6,7,
8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビシ
クロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメートの製造
【化55】
6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)
-オン(570mg、2.77mmol、[中間体1])、t-ブチル(4-エチニルビ
シクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメート(1.38g、5.53mmo
l)、Ru(CO)12(176mg、0.277mmol)とBippyphos(
420mg、0.828mmol)アセトニトリル(28mL)に添加し、アルゴンガス
に置換した後、上記混合物を120℃で12時間還流した。反応液を常温に冷却した後、
減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表
題化合物(350mg)を得た。
【0106】
ステップ2. t-ブチル(4-(6-((2-(ベンジルオキシ)-4,6-ジメチル
ピリジン-3-イル)メチル)-2,4,9-トリメチル-5-オキソ-5,6,7,8
-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビシク
ロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメートの製造
【化56】
上記の[ステップ1]で合成したt-ブチル(4-(2,4,9-トリメチル-5-オキ
ソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン
-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメート(350mg、
0.77mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)に添加した。反応液
を0℃に冷却した後、1.0Mカリウムt-ブトキシド(1.0mL、0.1mmol)
を滴加し、5分間攪拌した。WO2014097041に記載の方法に準して合成した2
-(ベンジルオキシ)-3-(クロロメチル)-4,6-ジメチルピリジン(260mg
、0.1mmol)をテトラヒドロフラン(4.0mL)に溶かした溶液を添加した後、
0℃で4時間攪拌した。反応終了後、塩化アンモニウム溶液を添加し、10%メタノール
-クロロホルムを用いて抽出した。抽出した有機層は無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し
、減圧蒸留した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
て表題化合物(320mg)を得た。
【0107】
ステップ3. t-ブチル(4-(6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジ
ヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2,4,9-トリメチル-5-オキソ-5,6,
7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)
ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメートの製造
【化57】
上記の[ステップ2]で合成したt-ブチル(4-(6-((2-(ベンジルオキシ)-
4,6-ジメチルピリジン-3-イル)メチル)-2,4,9-トリメチル-5-オキソ
-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-
2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメート(319mg、0
.47mmol)と、10%パラジウム/炭素(30mg)をメタノール(3mL)、酢
酸エチル(3mL)に添加した後、水素風船を取り付けた。反応液を常温で1時間攪拌し
た後にセライト濾過し、減圧蒸留して表題化合物(200mg)を得た。
【0108】
ステップ4. 2-(4-アミノビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-6-(
(4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2
,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキ
ノリン-5(6H)-オンの製造
【化58】
上記の[ステップ3]で合成したt-ブチル(4-(6-((4,6-ジメチル-2-オ
キソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2,4,9-トリメチル-5-
オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメート(200m
g、0.34mmol)と、4N塩酸-1,4-ジオキサン溶液(1.7mL)をメタノ
ール(1mL)に順に添加した後、反応液を常温で1時間攪拌した。反応終了後、飽和重
曹水を添加して中和し、20%メタノール-クロロホルムを用いて抽出した。抽出した有
機層は無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下で濃縮して表題化合物(166mg)
を得た。
【0109】
ステップ5. 6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オンの製造
【化59】
上記の[ステップ4]で合成した2-(4-アミノビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イ
ル)メチル)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(166mg、0.34mmol)と、37
%ホルムアルデヒド水溶液(0.2mL、2.67mmol)をメタノール(3mL)に
順に添加し、常温で10分間攪拌した後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(53
0mg、2.5mmol)を添加して常温で18時間攪拌した。反応終了後、重曹で中和
し、20%メタノール-クロロホルムを用いて抽出した。抽出した有機層は塩水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物を塩基性シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(168mg)を得た。
【0110】
[合成例18]6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1
-イル)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン異性体A、B[化合物23、化合物24]
【化60】
[合成例17]で合成された6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ
ピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]
オクタン-1-イル)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離し
た。各々の異性体の絶対立体化学は測定されなかった。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:35℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:20分-異性体A(>99.0%ee)[化合物23]
第2ピーク:25分-異性体B(>99.0%ee)[化合物24]
【0111】
[合成例19]2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イ
ル)-6-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2,4,9-トリメチル-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物25]
【化61】
[合成例17]の[ステップ2]で2-(ベンジルオキシ)-3-(クロロメチル)-4
,6-ジメチルピリジンの代わりに、2-(ベンジルオキシ)-3-(クロロメチル)-
4-メトキシ-6-メチルピリジンを用いることを除いては、[合成例17]と同一の反
応を行い、表題化合物(81mg)を得た。
【0112】
[合成例20]2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イ
ル)-2,4,9-トリメチル-6-((6-メチル-2-オキソ-4-プロピル-1,
2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-7,8-ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物26]
【化62】
[合成例17]の[ステップ2]で2-(ベンジルオキシ)-3-(クロロメチル)-4
,6-ジメチルピリジンの代わりに、2-(ベンジルオキシ)-3-(クロロメチル)-
6-メチル-4-プロピルピリジンを用いることを除いては、[合成例17]と同一の反
応を行い、表題化合物(11mg)を得た。
【0113】
【表2】
【0114】
[合成例21]4-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ
ピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]
オクタン-1-イル)-2,9-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物27]
【化63】
[合成例17]の[ステップ1]で6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチル-3,4-
ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オンの代わりに、8-クロロ-6,7-ジヒドロキ
シ-5-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン[中間体2]を用い
ることを除いては、[合成例17]と同一の反応を行い、表題化合物(76mg)を得た
【0115】
[合成例22]4,9-ジクロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジ
ヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2
.2]オクタン-1-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物28]
【化64】
[合成例17]の[ステップ1]で6,7-ジヒドロキシ-5,8-ジメチル-3,4-
ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オンの代わりに、5,8-ジクロロ-6,7-ジヒ
ドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン[中間体3]を用いること
を除いては、[合成例17]と同一の反応を行い、表題化合物(10mg)を得た。
【0116】
[合成例23]9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ
ピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]
オクタン-1-イル)-4-メチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物29]
ステップ1. メチル-4-(4-メチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ
-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビシクロ[2.2.2
]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化65】
6,7-ジヒドロキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン
(600mg、3.106mmol)、メチル-4-ホルミルビシクロ[2.2.2]オ
クタン-1-カルボキシレート(914mg、4.659mmol)と、4-メチルベン
ゼンスルホネートモノヒドロキシド(118mg、0.621mmol)をトルエン(6
mL)に添加し、ディーン・スタークトラップを用いて120℃で12時間還流した。反
応液を常温に冷却した後、ジクロロメタンを添加して、溶けていない固体を濾過し、濾液
は減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して
表題化合物(452mg)を得た。
【0117】
ステップ2. メチル-4-(9-クロロ-4-メチル-5-オキソ-5,6,7,8-
テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビシクロ
[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化66】
上記の[ステップ1]で合成したメチル-4-(4-メチル-5-オキソ-5,6,7,
8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビシ
クロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレート(400mg、1.077mmol
)と、N-クロロスクシンイミド(173mg、1.292mmol)を酢酸(11mL
)に順に添加した。反応液を50℃で1時間攪拌し、0℃に冷却した後、過剰の水を滴加
し、ジクロロメタンで抽出した。抽出した有機層を塩水で洗浄した後、無水黄酸ナトリウ
ムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製して表題化合物(140mg)を得た。
【0118】
ステップ3. 4-(9-クロロ-4-メチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒ
ドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビシクロ[2.2
.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化67】
上記の[ステップ2]で合成したメチル-4-(9-クロロ-4-メチル-5-オキソ-
5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2
-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレート(140mg、0.3
45mmol)と、リチウムヒドロキシドモノヒドレート(58mg、1.380mmo
l)をテトラヒドロフラン(2mL)と水(0.5mL)に順に添加した。反応液を60
℃で14時間攪拌し、常温に冷却した後、テトラヒドロフランを減圧蒸留した。得られた
残留物を1N塩酸で中和させた後、クロロホルムとイソプロピルアルコールを用いて抽出
した。有機層は無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、減圧蒸留した。さらに精製する
ことなく次の反応を行った。
【0119】
ステップ4. t-ブチル-(4-(9-クロロ-4-メチル-5-オキソ-5,6,7
,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)ビ
シクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメートの製造
【化68】
上記の[ステップ3]で合成した4-(9-クロロ-4-メチル-5-オキソ-5,6,
7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)
ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレート(100mg、0.255mm
ol)、ジフェニルホスホリルアジド(0.07mL、0.306mmol)、トリエチ
ルアミン(0.04mL、0.306mmol)をt-ブタノール(0.5mL)とトル
エン(0.5mL)に添加した後、常温で30分攪拌し、80℃に昇温して24時間攪拌
した。反応液を常温に冷却した後、減圧蒸留した。得られた残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製して表題化合物(19mg)を得た。
【0120】
ステップ5. 9-クロロ-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ
ピリジン-3-イル)メチル)-2-(4-(ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.2]
オクタン-1-イル)-4-メチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オンの製造
【化69】
[合成例17]の[ステップ2]でt-ブチル(4-(2,4,9-トリメチル-5-オ
キソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリ
ン-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメートの代わりに、
上記の[ステップ4]で合成したt-ブチル-(4-(9-クロロ-4-メチル-5-オ
キソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリ
ン-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)カルバメートを用いること
を除いては、[合成例17][ステップ2-5]と同一の反応を行って表題化合物(2.8
mg)を得た。
【0121】
【表3】
【0122】
[合成例24](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物30]、及び(S)-6-
((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-
2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-2-イル)
-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン[化合物31]
【化70】
ステップ1. メチル3,4-ジメトキシ-2-メチルベンゾエートの製造
【化71】
メチル3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンゾエート(20g、110mmol)、炭
酸カリウム(45.6g、330mmol)、ジメチルスルフェート(26mL、270
mmol)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.4gmL、1.1mmol)をア
セトン(200mL)に添加した後、反応液を65℃で12時間還流した。反応液を常温
に冷却した後、固体を濾過してアセトンで洗浄した。濾液を減圧蒸留し、これをさらに精
製することなく使用した。
【0123】
ステップ2. 3,4-ジメトキシ-2-メチル安息香酸の製造
【化72】
上記の[ステップ1]で合成したメチル3,4-ジメトキシ-2-メチルベンゾエート(
23.1g、110mmol)、水酸化ナトリウム(13.2g、330mmol)をメ
タノール/水(1/1、300mL)混合液に添加した後、反応液を80℃で4時間還流
した。反応液を低温に冷却した後、6.0N塩酸水溶液を用いてpH約1に酸性化した。
生成された固体は低温で1時間攪拌した後、濾過により収集し、水で洗浄し、乾燥して表
題化合物(21g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0124】
ステップ3. N-(2,2-ジメトキシエチル)-3,4-ジメトキシ-2-メチルベ
ンズアミドの製造
【化73】
上記の[ステップ2]で合成した3,4-ジメトキシ-2-メチル安息香酸(21g、1
07mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(18.8g、139mmol)、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(26.6、1
39mmol)、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(15mL、139mmo
l)及びトリエチルアミン(38.7mL、278mmol)を順にN,N-ジメチルホ
ルムアミド(147mL)添加した後、混合液を常温で12時間攪拌した。反応液をジク
ロロメタン及び水で希釈し、有機層を抽出した。抽出した有機層を水と塩水で洗浄した後
、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留して、これをさらに精製することなく使
用した。
【0125】
ステップ4. 7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチルイソキノリン-1(2H)-
オンの製造
【化74】
上記の[ステップ3]で合成したN-(2,2-ジメトキシエチル)-3,4-ジメトキ
シ-2-メチルベンズアミド(30.3g、107mmol)を濃縮硫酸(140mL)
に添加した後、60℃で4時間攪拌した。反応液を常温に冷却して氷水に注いだ後、30
分間攪拌した。生成された固体を濾過により収集し、過剰の水で洗浄し、乾燥して表題化
合物(17g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0126】
ステップ5. 7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロイソキノ
リン-1(2H)-オンの製造
【化75】
上記の[ステップ4]で合成した7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチルイソキノリ
ン-1(2H)-オン(30g、0.146mol)と10%パラジウム/炭素(15g
)をエタノール(600mL)に添加した後、水素風船を取り付けた。反応液を60℃で
12時間攪拌した後、常温に冷却してセライト濾過し、減圧蒸留して表題化合物(30g
)を得た。
【0127】
ステップ6. 6,7-ジヒドロキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1
(2H)-オンの製造
【化76】
上記の[ステップ5]で合成した7-ヒドロキシ-6-メトキシ-8-メチル-3,4-
ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン(31.9g、0.154mol)を窒素下で
ジクロロメタン(320mL)に添加した後、反応液を0℃に冷却した。これに、トリブ
ロモボロン(37mL、0.38mol)を添加した後、徐々に常温に昇温して12時間
攪拌した。反応液に氷水を添加し、生成された固体は1時間攪拌して濾過により収集し、
過剰の水とジクロロメタンで洗浄し、乾燥して表題化合物(21.9g)を得た。
【0128】
ステップ7. t-ブチル-((トランス-4-(2,4-ジメチル-5-オキソ-5,
6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イ
ル)シクロヘキシル)カルバメートの製造
【化77】
上記の[ステップ6]で合成した6,7-ジヒドロキシ-8-メチル-3,4-ジヒドロ
イソキノリン-1(2H)-オン(7.12g、36.85mmol)、t-ブチル-(
トランス-4-エチニルシクロヘキシル)カルバメート(12.34g、55.28mm
ol)、Ru(CO)12(1.17g、1.84mmol)とBippyphos(
2.8g、5.52mmol)をアセトニトリル(350mL)に順に添加し、アルゴン
ガスに置換した後、130℃で17時間還流した。反応液を常温に冷却した後、減圧下で
濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物
(13.4g)を得た。
【0129】
ステップ8. t-ブチル-((トランス-4-(9-ブロモ-2,4-ジメチル-5-
オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメートの製造
【化78】
上記の[ステップ7]で合成したt-ブチル-((トランス-4-(2,4-ジメチル-
5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソ
キノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメート(48.7g、0.117mmol
)をアセトニトリル(550mL)に添加した後、N-ブロモスクシンイミド(25.0
g、0.14mmol)を添加した。反応液を常温で12時間攪拌した後、飽和チオ硫酸
ナトリウム水溶液を添加し、酢酸エチルを用いて抽出した。抽出した有機層は無水硫酸ナ
トリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製して表題化合物(38.7g)を得た。
【0130】
ステップ9. t-ブチル-((トランス-4-(9-(フラン-2-イル)-2,4-
ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメートの製造
【化79】
上記の[ステップ8]で合成したt-ブチル-((トランス-4-(9-ブロモ-2,4
-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメート(0.3g、0.60
6mmol)、フラン-2-ボロン酸(280mg、3.028mmol)、1,1’-
ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド,ジクロロメ
タン錯体(115mg、0.1mmol)と炭酸カリウム(420mg、3.028mm
ol)を1,4-ジオキサン(20mL)と水(5mL)に添加し、アルゴンガスに置換
した後、100℃で15時間還流した。反応液を常温に冷却した後、減圧下で濃縮した。
得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(180m
g)を得た。
【0131】
ステップ10.t-ブチル-(トランス-4-(6-((2-(ベンジロキシ)-4,6
-ジメチルピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチ
ル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメートの製造
【化80】
上記の[ステップ9]で合成したt-ブチル-((トランス-4-(9-(フラン-2-
イル)-2,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメート(18
0mg、0.373mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)に添加し
た。反応液を0℃に冷却した後、1.0Mカリウムt-ブトキシド(0.5mL、0.4
85mmol)を滴加し、5分間攪拌した。WO2014097041に記載の方法に準
して合成した2-(ベンジルオキシ)-3-(クロロメチル)-4,6-ジメチルピリジ
ン(127mg、0.485mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)
に溶かした溶液を添加した後、0℃で3時間攪拌した。反応終了後、塩化アンモニウム溶
液を添加し、10%メタノール-クロロホルムを用いて抽出した。抽出した有機層は無水
硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(170mg)を得た。
【0132】
ステップ11.2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6-ジメチ
ル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-
イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イ
ソキノリン-5(6H)-オンの製造
【化81】
上記の[ステップ10]で合成したt-ブチル-(トランス-4-(6-((2-(ベン
ジロキシ)-4,6-ジメチルピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル
)-2,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメート(170m
g、0.24mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶かした後、トリフルオロ酢酸(
0.18mL、2.4mmol)を添加し、反応液を常温で11時間攪拌した。反応終了
後、飽和重曹水を添加して中和し、20%メタノール-クロロホルムを用いて抽出した。
抽出した有機層は無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下で濃縮した後、塩基性シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(43mg)を得た。
【0133】
ステップ12.6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル-9-(フラ
ン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オンの製造
【化82】
上記の[ステップ11]で合成した2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-
((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-
9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(40mg、0.077mmol)と
、37%ホルムアルデヒド水溶液(25uL、0.231mmol)をメタノール(0.
8mL)に順に添加し、常温で30分間攪拌した後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリ
ウム(81mg、0.385mmol)を添加して常温で12時間攪拌した。反応終了後
、飽和重水素を添加して中和し、20%メタノール-クロロホルムを用いて抽出した。抽
出した有機層は塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧蒸留した。
得られた残留物は塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(3
3mg)を得た。
【0134】
ステップ13.(R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル-9
-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物30]、及び(S)-6-((
4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-
トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル-9-(フラン-2-イル)-2,4
-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5
(6H)-オン[化合物31]の製造
【化83】
上記の[ステップ12]で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジ
ヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘ
キシル-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]
ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を
分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:18分(比旋光度[α]20 :-39.81(C=0.5、メタノール:
ジクロロメタン)[化合物30]
第2ピーク:24分(比旋光度[α]20 :+39.57(C=0.5、メタノール:
ジクロロメタン)[化合物31]
【0135】
[合成例25](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物32]、及び(S)-
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン[化合物33]
【化84】
【0136】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、チオフェン-2-
ボロン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行って合成した6-(
(4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2
-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チ
オフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキ
ノリン-5(6H)-オン(53mg)を得た。
【化85】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(チオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:18分[化合物32]
第2ピーク:24分[化合物33]
【0137】
[合成例26](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物34]、及び(S)-6
-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)
-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-
(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソ
キノリン-5(6H)-オン[化合物35]
【化86】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、ピリジン-4-ボ
ロン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-((4,6-
ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トラン
ス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-4
-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(
6H)-オン(55mg)を得た。
【化87】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:22分[化合物34]
第2ピーク:35分[化合物35]
【0138】
[合成例27](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-9-(6-フルオロピリジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[
1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物36]、及
び(S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イ
ル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(6-
フルオロピリジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物37]
【化88】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、6-フルオロピリ
ジン-3-ボロン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-
((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-
2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(6-フルオロピリジ
ン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン(36mg)を得た。
【化89】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(
6-フルオロピリジン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]
ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を
分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:22分[化合物36]
第2ピーク:35分[化合物37]
【0139】
[合成例28](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7,8-ジヒ
ドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物3
8]、及び(S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン
-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2
,4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7,8-ジヒドロ
-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物39]
【化90】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、1-メチルピラゾ
ール-4-ボロン酸ピナコールエステルを用いることを除いては、[合成例24]と同一
の反応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[
1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(68mg)を得た

【化91】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7,8-ジヒドロ-[
1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各
異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:26分[化合物38]
第2ピーク:38分[化合物39]
【0140】
[合成例29](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,
3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物40]、及び(
S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)
メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチ
ル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物41]
【化92】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、5-メチルフラン
-2-ボロン酸ピナコールエステルを用いることを除いては、[合成例24]と同一の反
応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イ
ル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジ
メチル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(48mg)を得た。
【化93】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(5-メチルフラン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離
した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:19分[化合物40]
第2ピーク:24分[化合物41]
【0141】
[合成例30](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[
1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物42]、及
び(S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イ
ル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジ
メチル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物43]
【化94】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、5-メチルチオフ
ェン-2-ボロン酸ピナコールエステルを用いることを除いては、[合成例24]と同一
の反応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]
ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(49mg)を得た。
【化95】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(5-メチルチオフェン-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]
ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を
分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:19分[化合物42]
第2ピーク:24分[化合物43]
【0142】
[合成例31](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物44]、及び(S)-6
-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)
-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-
(ピリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソ
キノリン-5(6H)-オン[化合物45]
【化96】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、ピリジン-3-ボ
ロン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-((4,6-
ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トラン
ス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリジン-3
-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(
6H)-オン(49mg)を得た。
【化97】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(ピリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:22分[化合物44]
第2ピーク:35分[化合物45]
【0143】
[合成例32](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物46]、及び(S)-
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン[化合物47]
【化98】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、ピリミジン-5-
ボロン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-((4,6
-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トラ
ンス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(ピリミジン
-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-
5(6H)-オン(58mg)を得た。
【化99】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(ピリミジン-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:28分[化合物46]
第2ピーク:35分[化合物47]
【0144】
[合成例33](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒド
ロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物48
]、及び(S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-
3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,
4-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[
1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物49]
【化100】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、N-メチルピロ-
ル-2-ボロン酸ピナコールエステルを用いることを除いては、[合成例24]と同一の
反応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-
ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,
3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(9mg)を得た。
【化101】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-7,8-ジヒドロ-[1
,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異
性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:25分[化合物48]
第2ピーク:36分[化合物49]
【0145】
[合成例34](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物50]、及び(S)-
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン[化合物51]
【化102】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、チオフェン-3-
ボロン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-((4,6
-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トラ
ンス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チオフェン
-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-
5(6H)-オン(66mg)を得た。
【化103】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(チオフェン-3-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:18分[化合物50]
第2ピーク:24分[化合物51]
【0146】
[合成例35](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-9-(チアゾール-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物52]、及び(S)-
6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル
)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9
-(チアゾール-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]
イソキノリン-5(6H)-オン[化合物53]
【化104】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、5-(テトラメチ
ル-1,3-2-ジオキシボロラン-2-イル)-1,3-チアゾールを用いることを除
いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-
1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミ
ノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-9-(チアゾール-5-イル)-7,8-ジ
ヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(7mg
)を得た。
【化105】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-9-(チアゾール-5-イル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:26分[化合物52]
第2ピーク:38分[化合物53]
【0147】
[合成例36](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-9-(1H-イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1
,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物54]、及び
(S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル
)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H-
イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物55]
【化106】
[合成例24]の[ステップ8]で合成したt-ブチル-((トランス-4-(9-ブロ
モ-2,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カルバメート(0.7g
、1.125mmol)、イオン(II)アセチルアセトナート(44mg、0.125
mmol)、酢酸銅水和物(25mg、0.125mmol)、炭酸カリウム(346m
g、2.506mmol)及びイミダゾール(1.28g、1.879mmol)をN,
N-ジメチルアセトアミド(7mL)に順に添加し、窒素ガスに置換した後、上記混合物
を80℃で13時間還流した。反応液を常温に冷却した後、セライト層を通じて濾過した
。濾液を減圧蒸留して得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して、t-ブチル-((トランス-4-(9-(1H-イミダゾール-1-イル)-2
,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[
4,5-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カバメート(100mg)を得
た。
上記で合成したt-ブチル-((トランス-4-(9-(1H-イミダゾール-1-イル
)-2,4-ジメチル-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-2-イル)シクロヘキシル)カバメートを用いて[合
成例24]の[ステップ10]から同一の方法を用いて6-((4,6-ジメチル-2-
オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメ
チルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H-イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメ
チル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H
)-オン(10mg)を得た。
【化107】
合成された6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イ
ル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(1H
-イミダゾール-1-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離し
た。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:28分[化合物54]
第2ピーク:40分[化合物55]
【0148】
[合成例37](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-9-(フラン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキ
ソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物56]、及び(S)-6-
((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-
2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-3-イル)
-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン[化合物57]
【化108】
[合成例24]の[ステップ9]でフラン-2-ボロン酸の代わりに、フラン-3-ボロ
ン酸を用いることを除いては、[合成例24]と同一の反応を行い、6-((4,6-ジ
メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス
-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(フラン-3-イル)-2,4-ジメ
チル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H
)-オン(50mg)を得た。
【化109】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-9-(
フラン-3-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4
,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:18分[化合物56]
第2ピーク:24分[化合物57]
[合成例38](R)-2-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6
-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラ
ン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5
-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物58]、及び(S)-2-(トランス-
4-アミノシクロヘキシル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒド
ロピリジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,
8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[
化合物59]
【化110】
[合成例24]の[ステップ11]で合成した2-(トランス-4-アミノシクロヘキシ
ル)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)
メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3
]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体
を分離した。各々の異性体の絶対立体化学は測定されなかった。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:24分[化合物58]
第2ピーク:37分[化合物59]
【0149】
[合成例39](R)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トラ
ンス-4-(メチルアミノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソ
ロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物60]、及び(S)-6-(
(4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-9
-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トランス-4-(メチルアミノ)シ
クロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン
-5(6H)-オン[化合物61]
【化111】
[合成例24]の[ステップ7]でt-ブチル-(トランス-4-エチニルシクロヘキシ
ル)カルバメートの代わりに、t-ブチル-(トランス-4-エチニルシクロヘキシル)
(メチル)カルバメートを用いることを除いては、[合成例24]の[ステップ11]ま
で同一の反応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジ
ン-3-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トラン
ス-4-(メチルアミノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ
[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン(250mg)を得た。
【化112】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-9-(フラン-2-イル)-2,4-ジメチル-2-(トランス-4
-(メチルアミノ)シクロヘキシル)-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,
5-g]イソキノリン-5(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:18分[化合物60]
第2ピーク:24分[化合物61]
【0150】
[合成例40](S)-6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリ
ジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)
-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノ
リン-5(6H)-オン[化合物62]、及び(R)-6-((4,6-ジメチル-2-
オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメ
チルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオ
キソロ[4,5-g]イソキノリン-5(6H)-オン[化合物63]
【化113】
[合成例24]の[ステップ8]と[ステップ9]を除いては、[合成例24]と同一の
反応を行い、6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4-
ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5(
6H)-オン(50mg)を得た。
【化114】
上記で合成した6-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3
-イル)メチル)-2-(トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)-2,4
-ジメチル-7,8-ジヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]イソキノリン-5
(6H)-オンを、以下の条件で各異性体を分離した。
カラム:ダイセル chiralcell OZ-H、10×250mm
温度:40℃
流速:1.8mL/分
波長:270nm
溶出溶媒:エタノール:n-ヘキサン:ジエチルアミン=800:200:0.2(v/
v%)
第1ピーク:18分[化合物62]
第2ピーク:24分[化合物63]
【0151】
【表4】
【0152】
実験例1:EZH1/EZH2メチルトランスフェラーゼの阻害活性評価
上記合成化合物のEZH1又はEZH2メチルトランスフェラーゼに対する阻害活性を測
定した。実験は、Reaction Biology社に依頼して進行し、放射性シンチ
レーション近接アッセイ(radiometric scintillation pr
oximity assay)を用いてEZH1又はEZH2の活性を測定した。上記合
成化合物のEZH1又はEZH2に対するIC50を測定するために、化合物又はDMS
Oに2.3nmol/L EZH1又はEZH2、1μmol/L ヒストンH3(21
-44)-lys(biotin)、1.5μmol/L S-アデニルメチオニン(S
AM)、500nmol/L H-SAMを反応緩衝液に混合して室温で90分間反応
させた。反応緩衝液は、50mmol/L Tris-HCl pH 8.0、50mm
ol/L NaCl、1mmol/L EDTA、1mmoL/L DTT、1mmol
/L PMSF、1%DMSOで構成されている。トリクロロ酢酸を添加して反応を終了
させ、PVTストレプトアビジン(streptavidin)がコーティングされたS
PAビードを入れた後、また室温で時間反応させる。TopCount NXT pla
te readerを用いて基質ペプチドのメチル化値を測定する。DMSOを処置した
wellの平均値を100%、バックグラウンド平均値を0%と設定し、測定値をパーセ
ント活性度に変換した後、GraphPad PRISM v6プログラムの「log(
inhibitor) vs. normalized response-varia
ble slope」分析法を用いてIC50値を導出した。
【0153】
実験例2:細胞成長抑制試験
上記合成化合物に対して、KARPAS-422細胞に対する細胞成長抑制を確認した。
培養した細胞株を1.8×10cells/400μLで準備して48ウェルプレート
に入れ、20%ウシ胎児血清が含まれたRPMI 1640媒質に試験化合物を設定され
た濃度(0.001~1000nM、1/10希釈)で階段希釈して処理した後、7日間
培養した。細胞の生存能力を測定するために、CTG試験法を用い、細胞株の50%成長
抑制値(GI50)は、GraphPad Prismソフトウェアを用いて算出した。
実験例1及び実験例2の結果を下記[表5]に示す。
【0154】
【表5】
【0155】
比較例
対照群Aは、N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-
イル)メチル)-5-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4
-メチル-4’-(モルホリノメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミ
ド(タゼメトスタット)であり、その合成は、国際特許出願WO2012/142504
号の220頁上の実施例番号44に記載されており、下記のような構造を有する;
【化115】
対照群Bは、(2R)-7-クロロ-2-[トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘ
キシル]-N-[(4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イ
ル)メチル]-2,4-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルボキサミド(
バレメトスタット)であり、その合成は、国際特許出願WO2015/141616号の
137頁上の実施例番号35に記載されており、下記のような構造を有する;
【化116】
【0156】
比較実験例:EZH1/EZH2メチルトランスフェラーゼの阻害活性及び血液癌細胞株
を用いた細胞成長抑制実験
比較例に説明の方法で合成された対照群A[N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1
,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピ
ラン-4-イル)アミノ)-4-メチル-4’-(モルホリノメチル)-[1,1’-ビ
フェニル]-3-カルボキサミド(タゼメトスタット)]、及び対照群B[(2R)-7
-クロロ-2-[トランス-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]-N-[(4,6
-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル]-2,4-ジ
メチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルボキサミド(バレメトスタット)]は、
上記実験例1及び実験例2に説明された方法と同一の方法によって、EZH1/EZH2
メチルトランスフェラーゼの阻害活性及び血液癌細胞株を用いた細胞成長抑制実験を行っ
た。
【0157】
その結果は上記[表5]に示す。
上記[表5]に見られるように、本発明による化合物は、比較対照群と対比してEZH1
及び/又はEZH2に対する酵素阻害活性及びそれに起因した血液癌細胞株に対する成長
抑制活性に優れたことが分かる。
【0158】
産業上の利用可能性
本発明は、新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物及びその用途に関し、より詳し
くは、EZH1(Enhancer of zeste homolog 1)及び/又
はEZH2(Enhancer of zeste homolog 2)活性の阻害活
性を有する新規なジオキソロイソキノリノン誘導体化合物、その薬理学的に許容される塩
、又はこのような化合物を含む薬学的組成物に関する。