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特許7668412眼科画像における画像アーティファクトを抑制するための眼科撮像システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-16
(45)【発行日】2025-04-24
(54)【発明の名称】眼科画像における画像アーティファクトを抑制するための眼科撮像システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20250417BHJP
   G06T 5/70 20240101ALI20250417BHJP
   G06T 5/10 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
A61B3/10 300
A61B3/10 100
G06T5/70
G06T5/10
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024096584
(22)【出願日】2024-06-14
(65)【公開番号】P2024180365
(43)【公開日】2024-12-26
【審査請求日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】23179219.3
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509012991
【氏名又は名称】オプトス ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド クリフトン
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/236061(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0321142(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0223713(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第02568924(GB,A)
【文献】特開2019-150405(JP,A)
【文献】特開2017-046976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
G06T 5/70
G06T 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の眼の眼科画像(22)における帯状アーティファクト(25)を抑制する方法であって、前記方法は、
前記眼科画像(22)を互いに部分的に重なり合う複数のセグメント(30)に分割し、前記複数のセグメント(30)の前記複数のセグメント(30)の各々は、1つ以上の重なり合う領域を含み、前記重なり合う領域の各々は、前記複数のセグメント(30)の各々の隣接するセグメントとの前記セグメントの前記重なり合う領域であり、
前記複数のセグメント(30)の各々のセグメントの離散コサイン変換を計算する画像補正アルゴリズム(20)を適用して、前記複数のセグメント(30)の帯状アーティファクト(25)を抑制し、
前記画像補正アルゴリズム(20)が前記複数のセグメント(30)に適用されたときに前記重なり合う領域の各々にエッジ効果として生じるアーティファクト(68)を除去するために、前記複数のセグメント(30)の各々のセグメントから1つまたは複数の前記重なり合う領域の少なくとも一部を除去し、各々の補正されたセグメントを生成し、
前記補正されたセグメントを組み合わせることにより、前記眼科画像(22)よりも前記帯状アーティファクト(25)が少ない補正画像(24)を生成する、方法。
【請求項2】
前記離散コサイン変換が計算された後に、周波数領域においてフィルタリングを実行して、前記セグメント(30)の各々から低周波信号および高周波信号のうちの少なくとも1つを除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルタリングは、前記セグメント(30)の各々から、閾値以上の絶対値を有する離散コサイン変換係数を除去することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記セグメント(30)の各々の計算された前記離散コサイン変換にウィンドウ関数を適用することをさらに含み、前記ウィンドウ関数は、前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換の周波数ビンをウィンドウするために適用され、前記周波数ビンは、前記帯状アーティファクト(25)の空間周波数に対応し、前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換の前記帯状アーティファクト(25)を減衰させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ウィンドウ関数は、前記帯状アーティファクト(25)の周波数の高調波に対応する第2の周波数をフィルタリングするための第2の成分を含み、前記第2の成分は、前記第2の周波数に対応する前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換において周波数ビンをウィンドウするために適用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ウィンドウ関数はハニングウィンドウである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記画像補正アルゴリズム(20)を適用することは、前記複数のセグメント(30)のセグメントの各々ごとに、前記離散コサイン変換が計算された後に、前記セグメントの各々の逆離散コサイン変換を計算することをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記画像補正アルゴリズム(20)を適用することは、前記セグメントごとに前記離散コサイン変換が計算された後に、前記複数のセグメント(30)の各々ごとに、離散コサイン変換を計算することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
補正された前記セグメント(30)を組み合わせて前記補正画像(24)を生成することは、補正された前記セグメントの第1の補正されたセグメントの周辺領域(62)と、補正された前記セグメントの隣接する補正されたセグメントの周辺領域とを合成することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
補正された前記セグメント(30)を組み合わせて前記補正画像(24)を生成することは、補正された前記セグメントの第1の補正されたセグメントの周辺領域(62)と、補正された前記セグメントの隣接する補正されたセグメントの周辺領域とを合成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
命令を含むコンピュータプログラムであって、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
患者の眼を撮像するための眼科撮像システム(10)であって、前記眼科撮像システム(10)は、
光線(Lb)を放射するように配置された光源(14)と、
多角形走査ミラー(205)を含み、前記多角形走査ミラー(205)が、前記光線(Lb)を前記患者の眼の領域にわたって走査するように配置される、走査システムと、
走査システム(12)に光学的に結合された光検出器(16)であって、前記光検出器(16)が、患者の眼によって反射された光に基づき検出信号(Sd)を生成するように構成される、光検出器と、
前記光検出器(16)から検出信号(Sd)を受信し、受信した前記検出信号(Sd)に基づいて、患者の眼の眼科画像(22)を生成するように構成されたデータ処理ハードウェア(18)であって、前記眼科画像(22)が帯状アーティファクト(25)を含む、データ処理ハードウェア(18)と、を備え、
前記データ処理ハードウェア(18)は、さらに、
前記眼科画像(22)を互いに部分的に重なり合う複数のセグメント(30)に分割し、前記複数のセグメント(30)の前記複数のセグメント(30)の各々は、1つ以上の重なり合う領域を含み、前記重なり合う領域の各々は、前記複数のセグメント(30)の各々の隣接するセグメントとの前記セグメントの前記重なり合う領域であり、
前記複数のセグメント(30)の各々のセグメントの離散コサイン変換を計算する画像補正アルゴリズム(20)を適用して、前記複数のセグメント(30)の帯状アーティファクト(25)を抑制し、
前記画像補正アルゴリズム(20)が前記複数のセグメント(30)に適用されたときに前記重なり合う領域の各々にエッジ効果として生じるアーティファクト(68)を除去するために、前記複数のセグメント(30)の各々のセグメントから1つまたは複数の前記重なり合う領域の少なくとも一部を除去し、各々の補正されたセグメントを生成し、
前記補正されたセグメントを組み合わせることにより、前記眼科画像(22)よりも前記帯状アーティファクト(25)が少ない補正画像(24)を生成する、ように構成される、眼科撮像システム(10)。
【請求項13】
前記データ処理ハードウェア(18)は、前記離散コサイン変換が計算された後に、周波数領域においてフィルタリングを実行して、前記セグメント(30)の各々から低周波信号及び高周波信号のうちの少なくとも1つを除去するようさらに構成される、請求項12に記載の眼科撮像システム(10)。
【請求項14】
前記データ処理ハードウェア(18)は、さらに、前記セグメント(30)の各々の計算された前記離散コサイン変換にウィンドウ関数を適用するように構成され、前記ウィンドウ関数は、前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換の周波数ビンをウィンドウするために適用され、前記周波数ビンは、前記帯状アーティファクト(25)の空間周波数に対応し、前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換の前記帯状アーティファクト(25)を減衰させる、請求項13に記載の眼科撮像システム(10)。
【請求項15】
前記データ処理ハードウェア(18)は、さらに、前記セグメント(30)の各々の計算された前記離散コサイン変換にウィンドウ関数を適用するように構成され、前記ウィンドウ関数は、前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換の周波数ビンをウィンドウするために適用され、前記周波数ビンは、前記帯状アーティファクト(25)の空間周波数に対応し、前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換の前記帯状アーティファクト(25)を減衰させる、請求項12に記載の眼科撮像システム(10)。
【請求項16】
前記ウィンドウ関数は、
帯状アーティファクト(25)の周波数の高調波に対応する第2の周波数をフィルタリングするための第2の成分であって、前記第2の成分は、前記第2の周波数に対応する前記セグメント(30)の各々の前記離散コサイン変換において周波数ビンをウィンドウするために適用される第2の成分と、
ハニングウィンドウと、
のうち少なくとも1つを含む、請求項15に記載の眼科撮像システム(10)。
【請求項17】
前記画像補正アルゴリズム(20)を適用することは、前記複数のセグメント(30)のセグメントの各々について、部分的に重なり合う前記セグメント(30)の各々ごとに、前記離散コサイン変換が計算された後に、前記セグメントの各々の逆離散コサイン変換を計算することをさらに含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の眼科撮像システム(10)。
【請求項18】
補正された前記セグメントを組み合わせて前記補正画像(24)を生成することは、補正された前記セグメントの第1の補正されたセグメントの周辺領域(62)と、補正された前記セグメントの隣接する補正されたセグメントの周辺領域(62)とを合成することを含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の眼科撮像システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科画像システム及び眼科画像における帯状アーティファクトを抑制する方法に関する。排他的ではないが、特に、本開示は、眼科撮像システムの多角形走査ミラーによって眼科画像に導入される帯状アーティファクトを抑制することに関する。
【背景技術】
【0002】
走査レーザー検眼鏡(SLO)および光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像システムのような眼科撮像装置は、典型的には、光源および走査システムを備える。走査システムは、1つ以上の走査ミラーを用いて撮像光線の位置を制御することによって、患者の網膜のようなターゲット撮像領域で光源によって放射される光を走査する。
【0003】
走査システムで使用できるミラーの1つのタイプは、多角形走査ミラーである。多角形走査ミラーは、回転軸に取り付けられた多角形ミラーを備える。多角形ミラーは、多角形に配置された反射ファセットを備える。多角形走査ミラーが回転されると、光線はファセットから反射し、光線はターゲット領域を走査される。多角形走査ミラーは、画像形成ターゲットで光を迅速に走査することができる。そのように、多角形走査ミラーは、多くの場合、ターゲット領域にわたって光線を直線的に走査するために使用される。例えば、走査パターンが一連の平行垂直線である場合には、多角形走査ミラーは、ターゲット領域の垂直線に沿って光線を直線的に走査することになり、走査ガルバノメータのような走査ミラーを、ターゲット領域の光線の水平位置を制御するために使用することができる。多角形走査ミラー及び走査ガルバノメータミラーは、画像形成ターゲットで光線を走査してターゲットの画像を生成するために使用することができるX-Y走査システムを形成するために連動して作動することができる。
【0004】
バンドは、撮像ターゲットで光線を走査するために多角形走査ミラーを使用する画像において発生し得る光学アーティファクトである。帯状アーティファクトは、画像で周期的に発生する一連の暗いバンド及び/又は明るいバンドとして画像に現れることがある。多角形走査ミラーが撮像ターゲットを横切って垂直方向に撮像ビームを走査する例では、バンドは典型的には、結果として得られる画像を横切って垂直方向に延びる暗いバンド及び/又は明るいバンドとして提示される。しかし、帯状アーティファクトは、横線の形のような他の形をとることができる。
【0005】
画像の帯状アーティファクトは、いくつかの寄与要因によって発生する。例えば、走査システムの不完全な光学構成要素は、画像に帯を導入することがある。これは、多角形走査ミラーが回転するときに、多角形走査ミラーの不規則性又は不完全性、又は、多角形走査ミラーの回転に伴って多角形ミラーのファセットの角度位置に変動を生じさせることができる回転に伴って多角形走査ミラーの揺れを含むことができる。これらの変動は、画像形成ビームをその意図された走査パターンから逸脱させ、それによって、結果として得られる画像に目に見える線または帯をもたらす可能性がある。さらに、多角形の反射ファセットまたはミラーの各々の反射率の変動は、ターゲット領域を横切って走査される光の強度の変動を引き起こすことがある。また、帯は、水平走査検流計の不完全性によって導入され得る多角形走査ミラーによって走査されるライン間の不均一なライン間隔によって引き起こされ得る。
【0006】
最終的に、帯状アーティファクトは、様々な理由により画像に現れる場合がある一方で、撮像システムによって取得された画像に帯状アーティファクトが存在すると、結果として生じる画像の品質が損なわれる。このことは、画像が網膜の眼科画像のような組織の医学的画像である場合に、結果として得られる画像の病理の重大性を視覚化し、または評価することを臨床医が困難にする可能性がある。したがって、多角形走査ミラーを有する撮像システムによって撮像される画像の品質を改善するために、画像から帯を最小化または排除することが望ましい。
【0007】
画像の帯は、画像システムの高品質な光学構成要素を使用することによって抑制することができる。例えば、多角形に高品質の反射ファセットを使用することは、各ファセットの反射率の変動を低減することができる。しかしながら、高品質な光学構成要素は、非常に高価であり得、それは、撮像システムの全体的コストを増加させる。さらに、画像システムの振動を減衰させることは、画像システムによって撮影された画像の帯の存在を低減するのに役立つが、これは、回転する多角形走査ミラーに関連する固有の振動のために困難である可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
撮像ターゲットの画像における帯状アーティファクトを抑制する方法において、本方法は、撮像ターゲットの画像を、互いに部分的に重なり合う複数のセグメントに分割し、複数のセグメントの各セグメントは、1つ又は複数の重なり合う領域を備え、各重なり合う領域は、複数のセグメントの各々のセグメントに隣接する各々のセグメントの重なり合う領域である、画像補正アルゴリズムを適用し、複数のセグメントの各々のセグメントの離散コサイン変換を計算し、複数のセグメントにおける帯状アーティファクトを抑制し、複数のセグメントの各々のセグメントから1つ又は複数の重なり合う領域の少なくとも一部を除去して、画像補正アルゴリズムによって導入されるエッジ効果又はアーティファクトを除去し、各々の補正されたセグメントを生成することと、を含む、方法が記載されている 補正されたセグメントの各々を組み合わせて、画像よりも帯状アーティファクトが少ない撮像ターゲットの補正画像を生成する。
【0009】
ここで、第1の実施態様によれば、患者の眼の眼科画像において、周期的な線状アーティファクトなどの帯状アーティファクトを抑制する方法であって、前記方法は、前記眼科画像を部分的に互いに重なり合う複数のセグメントに分割し、前記複数のセグメントの各セグメントは、1つ又はそれ以上の重なり合う領域を含み、各重なり合う領域は、前記複数のセグメントの各々の隣接するセグメントとの前記セグメントの重なり合う領域である、前記複数のセグメントの各々のセグメントの離散コサイン変換を計算する画像補正アルゴリズムを適用し、前記複数のセグメントにおける前記帯状アーティファクトを抑制し、前記複数のセグメントの各々の前記セグメントのうちの1つ又はそれ以上の重なり合う領域のうちの少なくとも一部を除去して、前記画像補正アルゴリズムによって導入されたアーティファクトを除去し、各々の補正されたセグメントを生成し、前記補正されたセグメントを結合することによって、前記眼科画像よりも前記帯状アーティファクトが少ない前記補正画像を生成することを含む、方法が提供される。本方法および以下に記載される任意のその例示的実施形態は、コンピュータによって実装(実行)されてもよい。
【0010】
この方法は、セグメントの各々から低周波数信号および高周波数信号のうちの少なくとも1つを除去するために、離散コサイン変換が計算された後に、周波数領域でフィルタリングを行うことを含むことができる。さらに、フィルタリングを実行することは、閾値に等しいかまたはそれを超える絶対値を有する離散コサイン変換係数を除去することを含み得る。例えば、閾値は、1、2、3またはそれ以上の整数値であってもよい。閾値以上の絶対値を有する離散コサイン変換係数を除去することは、閾値以上の係数をゼロに設定することを含むことができる。
【0011】
追加的に又は代替的に、この方法は、各セグメントの計算された離散コサイン変換にウィンドウ関数を適用することを含むことができる。各セグメントの離散コサイン変換における帯状アーティファクトを減衰させるために、各セグメントの離散コサイン変換における周波数ビン(この周波数ビンは、帯状アーティファクトの空間周波数に対応する)をウィンドウするために、ウィンドウ関数が適用され得る。
【0012】
ウィンドウ関数は、帯状アーティファクトの周波数の高調波に対応する第2の周波数をフィルタリングするための第2の成分を含むことができる。第2の成分は、第2の周波数に対応する各セグメントの離散コサイン変換における周波数ビンをウィンドウするために適用することができる。第2の周波数は、帯状アーティファクトの周波数の倍数であってもよい。一実施形態では、ウィンドウ関数は、ハニングウィンドウフィルタであってもよい。
【0013】
任意選択で、画像補正アルゴリズムは、複数のセグメントの各々のセグメントについて、セグメントごとに離散コサイン変換が計算された後で、セグメントの各々の逆離散コサイン変換を計算することを含み得る。
【0014】
本方法は、補正されたセグメントを組み合わせて、補正された眼科画像を生成することを含むことができる。前記補正されたセグメントを組み合わせることは、前記補正されたセグメントの第1の補正されたセグメントの周辺領域と、前記補正されたセグメントの隣接する補正されたセグメントの周辺領域とを合成することを含むことができる。第1の補正されたセグメントの周辺領域を、隣接する補正されたセグメントの周辺領域と合成することは、第1の補正されたセグメントと隣接する補正されたセグメントとの間の接合部が見えないように、1つまたは複数の特徴が補正画像で互いに重ね合わされるように、第1の補正されたセグメントと隣接するセグメントとの両方に存在する1つまたは複数の特徴を位置合わせすることを含むことができる。
【0015】
本明細書の第2の実施態様によれば、コンピュータ読み取り可能な命令を含むコンピュータプログラムが提供され、これは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、上記の実施態様またはその実施形態の少なくとも1つに係る方法を実行させる。コンピュータプログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよいし、信号によって伝送されてもよい。
【0016】
第3の実施態様によると、患者の眼を撮像するための眼科撮像システムであって、光線を放射するように配置された光源と、多角形走査ミラーを含む走査システムであって、前記多角形走査ミラーは、前記光線を前記患者の眼の領域にわたって走査するように配置される走査システムと、前記走査システムに光学的に結合された光検出器であって、前記光検出器は、前記患者の眼によって反射される光に基づいて検出信号を生成するように構成されるデータ処理ハードウェアまたはプロセッサと、前記光検出器から前記検出信号を受信し、前記受信した検出信号に基づいて生成するように構成されたデータ処理ハードウェアまたはプロセッサであって、前記患者の眼の眼科画像を生成するように構成され、前記眼科画像は、帯状アーティファクトを含み、前記データ処理ハードウェアは、前記眼科画像を、互いに部分的に重複する複数のセグメントに分割するようにさらに構成され、前記複数のセグメントの各セグメントは、1つまたは複数の重複領域を含み、各重複領域は、前記セグメントと各々の隣接する前記セグメントとの重複の領域である複数のセグメントの各セグメントの離散コサイン変換を適用する画像補正アルゴリズムであって、前記複数のセグメントの各セグメントの離散コサイン変換を適用して、前記複数のセグメントの帯状アーティファクトを抑制し、前記複数のセグメントの各セグメントから前記1つ以上の重複領域の少なくとも一部を除去して、前記画像補正アルゴリズムによって導入されたアーティファクトを除去し、補正されたセグメントを生成し、前記補正されたセグメントの各々を結合して、前記帯状アーティファクトが前記眼科画像よりも少ない前記補正された眼科画像を生成する画像補正アルゴリズムを含む。
【0017】
眼科撮像システムは、走査レーザー検眼鏡(SLO)撮像システム又は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像システムであってもよい。OCT撮像システムは、例えば、掃引光源OCT、スペクトル領域OCT、またはフーリエ領域OCT撮像システムであってもよい。
【0018】
一実施形態では、データ処理ハードウェアは、離散コサイン変換が計算された後に、セグメントの各々から低周波信号および高周波信号のうちの少なくとも1つを除去するために、周波数領域でフィルタリングを実行するようにさらに構成されてもよい。前記低周波信号と前記高周波信号の少なくとも一方を除去すること、またはフィルタリングすることは、前記部分的に重なり合うセグメントの各々から、閾値に等しいか、または閾値を超える絶対値を有する離散コサイン変換係数を除去することを含むことができる。前記閾値以上の絶対値を有する離散コサイン変換係数を除去する段階は、前記離散コサイン変換係数をゼロに設定する段階を含むことができる。
【0019】
追加的または代替的に、データ処理ハードウェアは、各セグメントの計算された離散コサイン変換にウィンドウ関数を適用するようにさらに構成されてもよい。各セグメントの離散コサイン変換における帯状アーティファクトを減衰させるために、各セグメントの周波数ビンが帯状アーティファクトの空間周波数に対応する離散コサイン変換における周波数ビンをウィンドウに適用することができる。ウィンドウ関数は、帯状アーティファクトの周波数の高調波に対応する第2の周波数をフィルタリングするための第2の成分を含むことができる。第2の成分は、高調波の第2の周波数に対応する各セグメントの離散コサイン変換における周波数ビンをウィンドウするために適用することができる。ウィンドウ関数はハニングウィンドウであってもよい。
【0020】
任意的に、画像補正アルゴリズムを適用することは、複数のセグメントの各々のセグメントについて計算すること、すなわち、部分的に重なり合うセグメントの各々について離散コサイン変換が計算された後で、セグメントの各々の逆離散コサイン変換を計算することを更に含み得る。
【0021】
任意的に、補正されたセグメントを組み合わせて補正された眼科画像を生成することは、補正されたセグメントの第1の補正されたセグメントの周辺領域と、補正されたセグメントの隣接する補正されたセグメントの周辺領域とを合成することを含み得る。
【0022】
以下に説明する添付図面を参照して、例示的実施形態を非限定的例として詳細に説明する。図の異なるものに現れる同様の参照番号は、別段の指示がない限り、同一または機能的に同様の要素を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本明細書の一実施形態例に従った多角形走査ミラーを備える撮像システムの概略図である。
図2図2は、図1における撮像システムによって撮像される帯状アーティファクトを含む画像の例である。
図3図3は、部分的に重なり合うセグメントにセグメント化された図2の画像の概略図である。
図4図4は、図3の部分的に重なり合ったセグメントの1つにおける帯状アーティファクトを抑制する方法を示すフローチャートである。
図5図5は、帯状アーティファクトを含む図3のセグメント化された画像のセグメントの例である。
図6図6は、帯状アーティファクトを抑制するためにセグメントに補正アルゴリズムが適用された後の図5のセグメントの例である。
図7図7は、本明細書における一実施形態例に従った、帯状アーティファクトが抑制された後の図1の撮像システムによって撮像された画像の一例である。
図8図8は、図1における撮像システムによって撮像される画像の帯状アーティファクトを抑制する方法を示すフローチャートである。
図9図9は、本明細書の一実施形態による、撮像システムのためのデータ処理ハードウェアとして動作可能な装置の一例のハードウェア実装図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記背景の観点から、本発明者は、患者の眼の撮像画像を生成するために、患者の眼を横切る光線を走査するための多角形走査ミラーを備える走査システムを利用する、患者の眼の画像を撮像するための眼の撮像システムを考案した。眼科画像システムは、眼科画像に存在する帯状アーティファクトを除去又は抑制するために帯状アーティファクトを含む未補正の眼科画像に画像補正アルゴリズムを適用するように配置された制御モジュール又はデータ処理ハードウェアを備える。眼科画像における帯状アーティファクトを除去または抑制することは、眼科画像を部分的に重複するセグメントに分割すること、画像補正またはアーティファクト抑制アルゴリズムを各重複セグメントに適用すること、部分的に重複するセグメントの各々の重複領域を切り取るかまたは除去すること、および切り取ったセグメントを再結合して、未補正画像よりも帯状アーティファクトを含まない補正された眼科画像を生成することを含み得る。
【0025】
帯状アーティファクトを含む未補正眼科画像に画像補正アルゴリズムを適用するように構成されたデータ処理ハードウェアの使用は、眼科画像から帯状アーティファクトを有益に除去又は抑制し、それによって、眼科撮像システムによって取得された画像の画質を改善する。帯状アーティファクトは、眼科画像の品質を損なうので、眼科画像システムによって取得された画像に存在する帯状アーティファクトを除去及び/又は抑制することが有益である。帯状アーティファクトは、例えば、周期的な線状アーティファクトであってもよい。
【0026】
未補正画像を部分的に重なり合ったセグメントに分割し、重なり合ったセグメントの各々に画像補正アルゴリズムを適用することにより、帯状アーティファクトを各セグメントで抑制することができ、画像補正アルゴリズムによって導入される任意の残留エッジ効果またはエッジアーティファクトは、典型的には、重なり合ったセグメントの重なり合った領域に含まれる。有利には、各セグメントの重なり合う領域は、各セグメントの中央部を組み合わせて、補正画像を作成することができ、それによって補正画像からエッジ効果を除去し、各補正されたセグメントの中央部のみを使用して補正画像を生成することができるように除去することができる。
【0027】
図1は、撮像ターゲット11の画像を取得するための撮像システム10を示す。撮像システム10は、眼科撮像システムのような医療撮像システムであってもよく、撮像ターゲット11は、患者の眼の眼科画像を取得するように眼科撮像システムが配置されるように、生体組織、例えば、患者の眼であってもよい。撮像システム10は、例えば、走査レーザー検眼鏡(SLO)撮像システム、又は掃引光源OCTもしくはスペクトル領域OCT撮像システム等の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像システムであってもよい。撮像システム10は、撮像システム10の走査システム12に向かって光線Lbを放射するように配置された、レーザーやスーパー発光ダイオード(SLD)などの光源14を備える。走査システム12は、光源14からの光線Lbを撮像ターゲット11に伝送し、撮像ターゲット11のうち撮像すべき領域にわたって光線Lbを走査するように配置されている。
【0028】
さらに、走査システム12は、走査中に撮像ターゲット11によって反射または散乱された光Lcを収集し、収集された光Lcを撮像システム10の光検出器16に伝送するように構成される。光検出器16は、データ処理ハードウェア18の画像処理ハードウェア(図示せず)が、周知のデータ処理技術を使用して、検出信号Sdに基づいて、撮像ターゲット11の画像を生成できるように、収集された光Lcを検出するように構成される。データ処理ハードウェア18によって生成される画像は、撮像ターゲット11が目である場合には、撮像ターゲット11の未補正の眼科画像22であってもよい。データ処理ハードウェア18によって生成された未補正画像22は、以下に更に詳細に論じるように、多角形走査ミラーによって導入された帯状アーティファクトを含む。
【0029】
走査システム12は、本実施形態の場合と同様に、図1に概略的に示すような光学部品の配置を含むことができ、図1の走査システム12は、第1の走査要素201及び第1の曲面ミラー202を含む。本実施例のように、走査システム12は、第2の曲面ミラー203(本明細書では「スリットミラー」とも呼ばれる)と、多角形走査ミラー205の形態の第2の走査要素とをさらに備えることができる。第1の走査要素201は、撮像ターゲット11を横切って水平方向に光線Lbを走査するように配置された走査ガルバノメータミラーであってよい。第2の走査要素は、撮像ターゲット11を横切って垂直に光線Lbを走査するように配置された多角形走査ミラー205である。多角形走査ミラー205は、多角形に配置された反射ファセットを含む。多角形走査ミラーは、多角形形状に配置された16個の等次元の反射ファセットを含むことができる。光線Lbが第1及び第2の走査要素201、205によって走査される撮像ターゲット11の位置は、走査システムコントローラ(図示せず)によって制御されてもよい。
【0030】
走査システム12の動作中、光源14から放射された光線Lbは走査システム12に入り、レンズ(図示せず)によって多角形走査ミラー205に焦点合わせされる。そして、多角形走査ミラー205で受光された光線Lbは、順次、多角形走査ミラー205、第2の曲面ミラー203、第1の走査要素201および第1の曲面ミラー202によって反射されて、撮像ターゲット11に入射される。撮像ターゲット11は、本実施形態では、目の網膜の領域の形態をとることができるが、一例として、この形態の撮像ターゲット11が与えられている。撮像ターゲット11の照射領域によって散乱されたリターン光は、例えば眼の網膜であるが、撮像ターゲット11に入射する光線Lbの線と同じ光路を通り、しかも逆順に走査システム12を通って、収集された光Lcとして走査システム12を出て行き、多角形走査ミラー205によって引き起こされる光学収差または帯状アーティファクトを含む。収集された光Lcは、光検出器16によって受信される。
【0031】
第1の曲面ミラー202および第2の曲面ミラー203は、本実施形態のように、各々共役する第1の焦点および第2の焦点を有する回転楕円面ミラーおよび楕円面ミラーであってもよい。第1の走査要素201は、第1の曲面ミラー202の第1の焦点に位置し、撮像ターゲット11は、第1の曲面ミラー202の第2の焦点に位置する。撮像ターゲット11が眼210の網膜の一部である場合、眼の瞳孔は、光線Lbが走査中に眼の網膜のある領域を横切って走査されるように、第1の曲面ミラー202の第2の焦点に位置する。第2の多角形走査ミラー205は、第2の曲面ミラー203の第1の焦点に位置し、第1の走査要素201は、第2の曲面ミラー203の第2の焦点に位置する。しかし、第2の曲面ミラー203(本実施形態では楕円面ミラー)は、放物面や双曲面のような円錐断面の形状など、非球面反射面を有する任意の反射部品であってもよく、または、より一般的には、2変数の1つ以上の多項式関数によって記述される形態であってもよい。
【0032】
光検出器16によって受信される収集された光Lcは、多角形走査ミラー205によって収集された光Lcに導入される周期的な光アーティファクトまたは帯状アーティファクトを含む。帯状アーティファクトは、多角形走査ミラー205の不完全性及び/又は欠陥の結果として、又は不均一な走査ライン間隔のために、多角形走査ミラー205によってもたらされた可能性がある。例えば、帯状アーティファクトは、多角形走査ミラーが16個の反射ファセットを含む実施形態では、16画素の周期で正弦的に変化することがある。帯状アーティファクトは、多角形走査ミラー205の反射ファセットの各々の反射性の変動によって引き起こされ得、それによって、撮像ターゲット11を横切って走査される光の強度に周期的な変動を引き起こし得る。
【0033】
データ処理ハードウェア18は、光検出器16から検出信号Sdを受け取り、撮像ターゲット11の像を生成する。データ処理ハードウェア18によって生成された画像は、画像の質から損なわれる多角形走査ミラー205によって収集された光Lcに導入された、光学収差または帯状アーティファクトを含む未補正画像22である。データ処理ハードウェア18は、生成された未補正画像22の収差または帯状アーティファクトの量を除去または低減するために、データ処理ハードウェア18によって実行可能な画像補正アルゴリズム20を備える。一旦、画像補正アルゴリズム20が未補正画像22に適用されると、データ処理ハードウェア18は、未補正画像22よりも帯状アーティファクトが少ない補正画像24を出力するように構成される。補正画像24に存在する帯状アーティファクトのレベルは、人間の目では検出不可能である。
【0034】
次に図2を参照すると、撮像システム10によって撮影され、データ処理ハードウェア18によって生成される、一例の未補正画像22が示される。未補正画像22は、帯状アーティファクト25の一例である垂直帯を含んでいる。帯状アーティファクト25は、例えば、未補正画像22の一組の規則的に隔置された線形特徴(バンド)の形態で、周期的な光学収差又は周期的なラインアーティファクトとすることができる。未補正画像22の例は、撮像ターゲット11が目である撮像システム10によって撮像された網膜の眼科画像である。未補正画像22の例に示されている垂直帯の形態の帯状アーティファクト25は、水平方向に16画素間隔で間隔を置いて周期的に発生する。隣接するバンド間の16画素の間隔は、少なくとも部分的には、多角形走査ミラー205の16個の反射ファセットの各々の反射率の変動によって引き起こされ得る。多角形走査ミラー205が異なる数の反射ファセットを有する別の例示的な実施形態では、隣接するバンド間の間隔はそれに応じて変わってもよい。未補正画像22に示されている帯状アーティファクト25は、全体的な画像品質を損なうものであり、従って、撮像ターゲット11の画像の品質を損なうことなく、未補正画像22から垂直帯を除去することが望ましい。
【0035】
データ処理ハードウェア18は、データ処理ハードウェア18によって実行されるとき、未補正画像22に存在する帯状アーティファクト25を除去又は抑制するように構成される画像補正アルゴリズム20を備える。データ処理ハードウェア18は、未補正画像22を2Dの部分的に重なったセグメントにセグメント化するように構成されている。図3は、9つの部分的に重なり合うセグメント30にセグメント化された未補正画像22の例を示している。未補正画像22は、明瞭にするために、図3において9つの部分的に重なり合うセグメント30にセグメント化されているが、当業者は、更なる実施形態において、画像をより小さい重なり合うセグメントにセグメント化することができることを理解するであろう。例えば、画像は、帯状アーティファクト25の重大度及び/又は未補正画像22のサイズに依存して、10×10グリッド、100×100グリッド又はそれより大きいグリッドにセグメント化することが可能である。
【0036】
図3の部分的に重なり合うセグメント30は、部分的に隣接するセグメント30に重なる等しいサイズの矩形セグメントである。隣接するセグメント30間のオーバーラップのレベルは、データ処理ハードウェア18によって変えることができる。特に厳しい帯状アーティファクト25を有するケースは、補正アルゴリズム20の適用が、各セグメント30の中心に向かってさらに侵入する激しいエッジ効果またはエッジアーティファクトを導入する可能性があるので、セグメント30のオーバーラップが増加した可能性があり、したがって、補正画像24を生成するために、補正されたセグメント30を再結合する前に、エッジ効果またはアーティファクトを除去するために、各セグメント30のより多くを除去しなければならない。図3に示す例では、セグメント30は、水平方向および垂直方向の両方に重なっている。別の実施形態では、セグメント30は、例えば、水平方向または垂直方向にのみ重なってもよい。
【0037】
一旦、データ処理ハードウェア18が未補正画像22を部分的に重なり合ったセグメント30にセグメント化すると、画像補正アルゴリズム20がデータ処理ハードウェア18によって実行され、その結果、画像補正アルゴリズム20が部分的に重なり合ったセグメント30の各々に適用されて、以下にさらに詳細に説明するように、未補正画像22の各セグメント30で図4に概説される方法を実行することによって、セグメント30の各々に存在する帯状アーティファクト25を個別に補正する。
【0038】
図4は、未補正画像22の重なり合うセグメント30の各々に存在する帯状アーティファクト25を抑制する方法を示すフローチャートである。図4に概説される方法は、図4に概説される方法が未補正画像22のセグメント30の各々に適用されるように、未補正画像22の重なり合うセグメント30の各々に補正アルゴリズム20を適用することによって実行されてもよい。当業者は、図4に図示された方法が単一の部分的に重なり合ったセグメント30に関連して説明されているが、本実施形態のように、本方法は、未補正画像22に存在するすべての部分的に重なり合ったセグメント30ごとに実行され、各々の部分的に重なり合ったセグメント30に存在する帯状アーティファクト25を除去又は抑制し得ることを理解する。
【0039】
ステップ401で、所与の部分的に重複するセグメント30の離散コサイン変換(DCT)が計算される。セグメント30に離散コサイン変換を適用することは、セグメント30に含まれる画像を、画像の周波数に対応する異なる周波数を各々有する一連のコサイン関数として画像を定義することにより、空間領域から周波数領域に変換する。離散コサイン変換を用いて、例えば離散フーリエ変換のような別の変換とは対照的に画像を周波数領域に変換することは、離散フーリエ変換に比べて離散コサイン変換の方が少ないエッジ効果を各セグメント30に導入するので有益である。さらに、離散コサイン変換における各周波数ビンは、対応する離散フーリエ変換における周波数ビンよりも広い範囲の周波数に対応する。これは、画像補正アルゴリズム20によって抑制されるべき帯状アーティファクト25が、通常、正弦波信号であり、及び/又は、帯状アーティファクト信号のピーク及び/又は谷が、離散コサイン変換において単一の周波数ビンに適合し、それによって、帯状アーティファクト25が、例えば、離散フーリエ変換において可能であるよりも離散コサイン変換においてより容易に減衰又は抑制されることを可能にするので、有益である。
【0040】
ステップ402で、セグメント30の離散コサイン変換の高周波および低周波を除去して、セグメント30の修正された離散コサイン変換を作成する。例えば、しきい値が例えば2に等しいかそれ以上の絶対値を有する離散コサイン変換係数は除去される。高い及び/又は低い周波数を除去することは、閾値と等しいか又はそれを上回る絶対値を有する離散コサイン変換係数をゼロに設定することを含むことができる。セグメント30の離散コサイン変換の高周波及び低周波を除去することは、バックグラウンドノイズ及び信号のより高い周波数成分が、画像補正アルゴリズム20による画像補正処理における将来のステップで増幅されるのを防止する。さらに、周波数領域の各セグメント30から高周波および低周波を除去することにより、一旦離散コサイン変換が計算されると、各セグメント30の離散コサイン変換を計算する前に、空間領域で除去されていた周波数がそうでなければ可能であった場合よりも、高信号および低信号をより効果的に除去することが可能になる。高周波および低周波を除去することは、バックグラウンドノイズを除去することによって画像を平坦化する効果を有し、それによって、得られた補正画像24の品質が改善される。
【0041】
ステップ403で、部分的に重なり合うセグメント30に含まれる帯状アーティファクト25を減衰させる。セグメント30に含まれる帯状アーティファクト25を減衰させることは、ハニングウィンドウのようなウィンドウ関数を用いて行うことが可能である。ウィンドウ関数は、そのセグメント30に含まれる帯状アーティファクト25の周波数に対応する周波数周波数ビンに中心が置かれる。帯状アーティファクト25の空間周波数に対応する各セグメントの離散コサイン変換において周波数ビンをウィンドウするためにウィンドウ関数を適用することができる。例えば、ハニングウィンドウは、16画素毎に発生する帯状アーティファクト25に関連する周波数に対応する周波数ビンの中心に置くことができる。ウィンドウ関数のパラメータを変更して、ターゲット周波数に適用する減衰レベルを選択できる。一例では、ウィンドウ関数は、部分的に重なり合うセグメント30に存在する帯状アーティファクト25に関連する周波数に、-10dbの減衰を適用することができる。ハニングウィンドウを使用して、ブリックウォールフィルタのようなバンドパスフィルタに対向して、帯状アーティファクト25に関連する周波数を減衰させることは、ハニングウィンドウがブリックウォールフィルタよりも少ない環状アーティファクトを信号に導入するので有益である。
【0042】
ステップ403において垂直帯を減衰させるために使用されるウィンドウ関数は、多段ウィンドウ関数であってもよい。例えば、セグメント30の垂直帯を減衰させるために、2段又は3段のハニングウィンドウを使用することができる。ハニングウィンドウの主要構成要素は、セグメント30に収容された帯状アーティファクト25の周波数に対応する周波数ビンの中心に配置することができる。ウィンドウ関数は、ウィンドウ関数によってフィルタリングされている帯状アーティファクト25に関連する第1の周波数の高調波に対応する周波数ビンに配置された1つ又は複数の第2の成分を含み得、セグメント30の帯状アーティファクト25の存在に寄与するセグメント30の高調波がウィンドウ関数によって減衰され得る。
【0043】
ステップ404で、セグメント30で逆離散コサイン変換(IDCT)を計算して、セグメント30に含まれる画像を再構成し、補正されたセグメントを生成する。未補正セグメントに補正アルゴリズム20を適用する前に、未補正画像22のセグメント30に存在する帯状アーティファクト25のレベルと比較して、補正されたセグメントの再構成された画像の帯状アーティファクト25が抑制される。セグメント30に逆離散コサイン変換を適用することにより、セグメント30を周波数領域から空間領域に逆変換し、それにより、補正アルゴリズム20の適用前にセグメント30に存在していたよりも少ない数の帯状アーティファクト25を含む補正されたセグメントを生成する。
【0044】
ここで、図5及び図6を参照すると、補正アルゴリズム20の適用前後における未補正画像22からのセグメント30の例が示されている。図5は、未補正セグメントの一例である補正アルゴリズム20の適用前のセグメント30を示している。図5に示されるセグメント30は、セグメント30の隣接するバンド間の実質的に均一な間隔で、セグメント30の幅にまたがる垂直帯を含む。図の例では、帯は周期的に現れており、周期は16画素である。図6は、補正アルゴリズム20がセグメント30に適用された後のセグメント30を示す。図6に示すように、帯状アーティファクト25は、補正されたセグメント30の中央部60において、画像にもはや見えなくなるように十分に抑制されている。しかしながら、補正アルゴリズム20の適用は、エッジ効果68の結果として帯が依然として見えるセグメント30の周辺領域62におけるエッジ効果68の顕在化をもたらした。
【0045】
図3に例示されているように、セグメント30は、各セグメント30のエッジが重なるような寸法にされる。補正アルゴリズム20がセグメント30に適用されるとき、所与のセグメント30の周辺領域62に含まれる結果として生じるエッジ効果68は、セグメント30の重複部分に対応する。そのように、各セグメント30の周辺領域62は、エッジ効果68の結果として、帯状アーティファクトを含む周辺領域62が破棄され得るように、除去され又は切り取られることが可能である。各セグメント30の残りの中央部60は、補正画像24を生成するために、データ処理ハードウェア18によって一緒に再結合または寄せ合わされ得る。中央部60は、補正されたセグメントの一例である。図3のセグメント30のオーバーラップの寸法および量は、エッジ効果68からの帯を含むセグメント30の周辺領域62が、隣接するセグメント30のオーバーラップ領域に完全に含まれるように選択することができる。
【0046】
図7は、補正アルゴリズム20を適用することにより生成された補正されたセグメントを未補正画像22のセグメント30に組み合わせることにより生成された補正画像24の一例を示している。データ処理ハードウェア18は、補正されたセグメント64を合成して、隣接するセグメント30間の接合部が人間の目では見えないか知覚可能でないように、補正画像24を生成するように配置される。補正画像24の帯は、補正画像24にもはや見えなくなるほど十分に(または完全に排除されて)抑制されている。
【0047】
次に図8を参照すると、撮像ターゲット11の画像の帯状アーティファクト25を抑制する方法を示すフローチャートが示されている。図8に示される方法は、撮像システム10のデータ処理ハードウェア18によって実行されてもよい。この方法は、未補正画像22ごとに実行することができ、補正画像24を生成する。
【0048】
ステップ801では、未補正画像22が、少なくとも部分的に重なり合う2Dセグメントに分割される。セグメント30の数及び寸法(サイズ)は、未補正画像22に存在する帯状アーティファクト25の重大度、未補正画像22の解像度、及びデータ処理ハードウェア18の処理能力のうちの1つ又は複数のようなパラメータに基づいて選択することができる。セグメントは、典型的には長方形であり、サイズが等しい。さらに、隣接するセグメント間の重なりの量は、通常、等しい。未補正画像22に存在する帯状アーティファクト25がひどい場合、未補正画像22は、例えば、未補正画像22が1000×1000の重なり合うセグメントまたはそれより大きいセグメントに分割されるように、より小さいセグメントに分割され得る。未補正画像22が一般に分割されるセグメント30の数を増やすことは、画像補正アルゴリズム20の適用の有効性を高める。しかし、未補正画像が分割されるセグメント30の数を増やすと、未補正画像22の帯状アーティファクト25を抑制する方法を実行するための計算時間も長くなる。
【0049】
次に、ステップ802で、未補正画像22のセグメント30の各々に画像補正アルゴリズム20を適用することによって、重なり合うセグメント30の各々において、帯状アーティファクト25が補正または抑制される。部分的に重なり合うセグメント30の各々に存在する帯状アーティファクト25を補正または抑制することは、上述のように図4に概説される方法を実行することによって行うことができる。部分的に重なり合ったセグメント30の各々に画像補正アルゴリズム20を適用することにより、各々の部分的に重なり合ったセグメント30に存在する帯状アーティファクト25が抑制される。画像補正アルゴリズム20を各セグメント30に適用することは、部分的に重なり合うセグメント30の各々について離散コサイン変換を計算することを含む。
【0050】
ステップ803では、重なり合う領域62の少なくとも一部をセグメント30の各々から除去して、エッジ効果68を除去するか、またはステップ802で画像補正アルゴリズム20によって各々のセグメント30に導入されるアーティファクトを除去する。重なり合う領域62の少なくとも一部を除去することは、画像補正アルゴリズム20によってセグメント30の各々に導入されたアーティファクト又はエッジ効果68を除去するために、各セグメント30から周辺領域62の少なくとも一部を切り取ることを含むことができる。セグメント30から周辺領域62をトリミングすることは、画像補正アルゴリズム20によって各セグメント30に導入されたアーティファクト及び/又はエッジ効果68を有益に除去する。重なり合うセグメント30の各々から重なり合う領域62の少なくとも一部を除去することにより、補正されたセグメントが生成される。重なり合う領域62の少なくとも一部を除去することは、画像補正アルゴリズム20がセグメント30に適用された後に行うことができる。
【0051】
ステップ804で、処理されたセグメント30の各々が、補正画像24を生成するために再結合される。トリミングされたセグメント30を再結合することは、モザイク化を含み得、任意にセグメント30を合成して、補正画像24を生成する。補正画像24を生成するためにセグメント30を再結合するときに隣接するセグメント30を合成することは、再結合したセグメント30の位置ずれによるアーティファクトが補正画像24に導入されるのを防止する。補正されたセグメント30の各々を結合して補正画像24を生成することは、隣接するセグメント30の周辺領域をブレンディング及び/又はアライメントして、隣接するセグメント30間の結合が補正画像24では知覚できないように補正画像24を生成することを含むことができる。隣接するセグメントを整列させることは、隣接するセグメント30に存在する共通の特徴を識別することと、隣接するセグメント30の共通の特徴を重ね合わせて、補正画像24の隣接するセグメント30を整列させることとを含むことができる。
【0052】
図9は、撮像システム10によって撮像される画像の帯状アーティファクト25を除去または抑制するように構成される、プログラム可能な信号処理ハードウェア600の概略図である。プログラム可能な信号処理ハードウェア600は、撮像システム10のデータ処理ハードウェア18の機能性の少なくとも一部を実行することができ、本明細書の一実施形態では、ハードウェア600の少なくとも一部がデータ処理ハードウェア18に含まれる。プログラム可能な信号処理装置600は、光検出器16から検出信号Sdを受け取るため、及び/又は補正画像24を出力するための通信インターフェース610を備えている。本明細書の一実施形態では、通信インターフェース(I/F)610は、本明細書に記載する方法の一部として得られる任意の情報を入力/出力することができる。
【0053】
信号処理装置600は、さらに、プロセッサ(例えば、中央処理装置、CPU、および/またはグラフィック処理装置、GPU)620と、ワーキングメモリ630(例えば、ランダムアクセスメモリ)と、プロセッサ620によって実行されると、プロセッサ620に、図1のプロセッサ18のものを含む様々な機能、および/または本明細書に記載された方法の機能を実行させる、コンピュータ読み取り可能な命令を含むコンピュータプログラム645を記憶する命令ストア640とを含む。本明細書の一実施形態では、プロセッサ620のみがデータ処理ハードウェア18に含まれるが、ハードウェア600の1つ以上の追加コンポーネントも、データ処理ハードウェア18に含まれる。
【0054】
ワーキングメモリ630は、コンピュータプログラム645の実行中にプロセッサ620によって使用される情報を記憶する。命令ストア640は、例えば、コンピュータ読み取り可能な命令が予めロードされたROM (例えば、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)又はフラッシュメモリの形成)を含む。あるいは、命令ストア640はRAM又は同様のタイプのメモリを含み、コンピュータプログラム645のコンピュータ読み取り可能な命令は、CD-ROM、DVDROM等の形態の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体650又はコンピュータ読み取り可能な命令を伝送するコンピュータ読み取り可能な信号660のようなコンピュータプログラム製品から、それに入力することができる。いずれの場合においても、コンピュータプログラム645は、プロセッサ620によって実行されると、プロセッサ620に、上述したような眼科画像における帯状アーティファクトを抑制する方法を例として含むがこれに限定されない、本明細書に記載した方法を実行させる。
【0055】
本明細書の一実施形態において、上述した例示的な実施形態のデータ処理ハードウェア18は、コンピュータプロセッサ620と、コンピュータ読み取り可能な命令を格納するメモリ640とを備え、該命令は、コンピュータプロセッサ620によって実行されると、コンピュータプロセッサ620に、本明細書に記載するように、撮像システム10によって取得された眼科画像の帯状アーティファクトを、例示的かつ限定的ではないが、抑制する方法を含めて、本明細書に記載する方法を実行させる。しかしながら、データ処理ハードウェア18は、代わりに、前述のデータ処理ハードウェア18の機能を実行する専用のASIC、FPGAまたは他の集積回路、あるいは、図9を参照して前述したようなこのようなプログラム不可能なハードウェアおよびプログラム可能なハードウェアの組み合わせのような、プログラム不可能なハードウェアで実施されてもよいことに留意されたい。
【0056】
前述の説明において、例示的な態様は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。したがって、明細書は限定的ではなく例示的であるとみなされるべきである。同様に、例示的な実施形態の機能性および利点を強調する図面において図示される図は、例示的な目的のためにのみ提示される。例示的実施形態のアーキテクチャは、それが付属の図に示される方法以外の方法で利用され得るように、十分に柔軟性があり、構成可能である。
【0057】
本明細書に提示される実施例のソフトウェア実施形態は、コンピュータプログラム、または命令または命令列を有する1つ以上のプログラムなどのソフトウェアとして提供されてもよく、一実施形態では、各々が非一時的であってもよい、機械アクセス可能または機械読み取り可能媒体、命令ストア、またはコンピュータ読み取り可能記憶装置などの製造物品に含まれるかまたは記憶される。一時的でない機械アクセス可能媒体、機械読み取り可能媒体、命令格納、またはコンピュータ読み取り可能記憶装置のプログラムまたは命令は、コンピュータシステムまたは他の電子装置をプログラムするために使用することができる。機械読み取り可能媒体、命令格納、および格納装置は、フロッピー(登録商標)ディスケット、光ディスク、および光磁気ディスク、または電子命令を格納または伝送するのに適した他のタイプの媒体/機械読み取り可能媒体/命令格納/格納装置を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書に記載する技術は、任意の特定のソフトウェア構成に限定されない。彼らは、あらゆる計算処理環境において適用可能性を見出す可能性がある。本明細書に用いる用語「コンピュータ読み取り可能である」、「機械アクセス可能な媒体」、「機械読み取り可能な媒体」、「命令ストア」、及び「コンピュータ読み取り可能な記憶装置」は、機械、コンピュータ、又はコンピュータプロセッサによって実行するための命令又は命令のシーケンスを記憶、符号化、又は伝送することができ、かつ機械/コンピュータ/コンピュータプロセッサに本明細書に記載する方法のいずれか1つを実行させる任意の媒体を含むものとする。さらに、1つの形態または別の形態(例えば、プログラム、手順、プロセス、アプリケーション、モジュール、ユニット、論理など)において、動作をとるまたは結果を起こすように、ソフトウェアで話すことが当技術分野では一般的である。このような表現は、処理システムによるソフトウェアの実行により、プロセッサが結果を生成するための動作を実行させることを記載する簡単な方法に過ぎない。
【0058】
いくつかの実施形態はまた、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイの調製によって、または従来の構成要素回路の適切なネットワークを相互接続することによって実施されてもよい。
【0059】
一部の実施形態は、コンピュータプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品は、記憶媒体または媒体、命令ストア、または記憶装置であって、その上またはその中に記憶された命令を有し、それを制御するために使用することができ、またはコンピュータまたはコンピュータプロセッサに、本明細書に記載する例示的な実施形態の手順のいずれかを実行させることができる。記憶媒体/記憶装置は、限定としてではなく例として、光ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ、フラッシュカード、磁気カード、光カード、ナノシステム、分子メモリ集積回路、RAID、遠隔データ記憶/アーカイブ/ウェアハウジング、および/または命令および/またはデータを記憶するのに適した任意の他のタイプの装置を含むことができる。
【0060】
コンピュータ読み取り可能媒体または媒体、命令格納装置、または記憶装置のいずれかに格納されている一部の実施形態は、システムのハードウェアの両方を制御し、システムまたはマイクロプロセッサが、本明細書に記載する実施形態の結果を利用して、人間のユーザまたは他のメカニズムと対話することを可能にするためのソフトウェアを含む。かかるソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、およびユーザアプリケーションを含むことができるが、これらに限定されない。最終的には、このようなコンピュータ読み取り可能媒体又は記憶装置は、上述したように、本発明の例示の態様を実行するためのソフトウェアをさらに含む。
【0061】
本システムのプログラミングおよび/またはソフトウェアに含まれるのは、本明細書に記載される手順を実施するためのソフトウェアモジュールである。本明細書のいくつかの実施形態において、モジュールはソフトウェアを含むが、本明細書の他の実施形態において、モジュールはハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含む。
【0062】
本発明の様々な例示的な実施形態を上述したが、それらは限定ではなく例として提示されたものであることを理解すべきである。その中で種々の形態および詳細の変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、上述した実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の請求の範囲およびそれらの同等物に従ってのみ規定されるべきである。
【0063】
また、特許請求の範囲に記載された手順は提示された順番で実行される必要はないことを理解されたい。
【0064】
本明細書は、多くの特定の実施形態の詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲または請求項化され得るものの限定と解釈すべきではなく、むしろ、本明細書に記載する特定の実施形態に特有の特徴の説明と解釈すべきである。個別の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、そのようなものとして最初に請求項化されたものでさえも説明され得るが、いくつかの場合には、請求項化された組み合わせから1つ以上の特徴は、組み合わせから除外されることができ、請求項化された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けることができる。
【0065】
特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。さらに、上述の実施形態における種々の構成要素の分離は、全ての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一体化され得るか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
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