(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】人工擁壁の施工工法
(51)【国際特許分類】
E02D 29/02 20060101AFI20250418BHJP
E02D 17/20 20060101ALI20250418BHJP
【FI】
E02D29/02 302
E02D17/20 103E
(21)【出願番号】P 2024201912
(22)【出願日】2024-10-31
【審査請求日】2024-10-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524426751
【氏名又は名称】株式会社トーラス
(72)【発明者】
【氏名】茂▲崎▼ 隆一
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/046142(WO,A1)
【文献】特開2020-197059(JP,A)
【文献】特開2020-070705(JP,A)
【文献】特許第7341579(JP,B1)
【文献】登録実用新案第3197401(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/02
E02D 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工擁壁用資材を使用して、新規に人工擁壁を施工する人工擁壁の施工工法であって、
前記人工擁壁用資材又は前記人工擁壁用資材を連結した資材に、繊維素材で形成された長手状の連結部材の一端を固定し、前記連結部材の他端を地盤又は地盤に設置された支持材に固定
し、充填部材及び裏込め材を打設、締結固定する擁壁施工を多段で積み重ねて行い、最上段の前記人工擁壁用資材では必ず繊維素材を設置することを特徴とする人工擁壁の施工工法。
【請求項3】
前記人工擁壁用資材の後方に充填部材を打設し、前記充填部材の凝固により、前記人工擁壁用資材と前記繊維ロープを一体化させる請求項2に記載の人工擁壁の施工工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な人工擁壁の施工工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の間知ブロックを使用した人工擁壁を施工する場合、擁壁を支える基礎を作るため、地盤を掘り下げ、擁壁の基礎部分にコンクリートを打設し、擁壁を乗せる基礎を築造する。コンクリートブロック擁壁の場合、下段から順次積み上げる際に一定間隔でコンクリートを流し込むための型枠を背面に設置し、コンクリートブロックを配置する。設置後、型枠にコンクリートを流し込み、均等に密実化する。コンクリートが十分に固まった後、型枠を取り外し、表面処理を施す。高さに応じて必要な段数の工程を繰り返し、擁壁の背面に粗骨材や土で戻し固める。
【0003】
軽量盛土擁壁構造物の構築方法として、法面の一部の範囲に壁面支持用アンカーを打設し、ベース基礎上に壁面パネルを積上げて壁面を形成し、壁面パネルには、転倒防止鉄筋を取付け、さらに壁面の一部の範囲の壁面パネルには、壁面転倒防止用チェーンを取付けて、前記壁面支持用アンカーの頭部と前記壁面パネルの背面とを水平に連結する、壁面と法面の間に充填部材を打設する工程と充填部材の積層の一部にコンクリート層を設ける工程とを有することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、多数の孔が長手方向に形成されると共に一端が開放端とされた剛体からなる排水パイプを有し、水抜き穴が設けられた擁壁部に対し、前記開放端が擁壁部から突出するように排水パイプを水抜き穴から地盤に打ち込み、そして、円筒部を形成するように一対の湾曲状部材を対向状に配した支持部材を設け、排水パイプを円筒部に挿通させると共に、一対の湾曲状部材同士を六角穴付きボルトで締結し、支持部材一方の湾曲状部材を擁壁部に当接させ、擁壁部の転倒を防止する工法が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
擁壁に埋設され、多角形状に形成された上端部を有する本体部と、本体部に連設され、土中に埋設される控部とから構成される間知ブロックにおいて、控部には円筒状に穿設された控部接続孔部が設けられ、控部接続孔部と他の間知ブロックの控部接続孔部との間に、金属製であって、全体略コ字状の控部連結具を架設した場合には、控部と他の間知ブロックの控部とを控部連結具の架設方向に固定しうるように構成され、間知ブロック間のズレを確実に防止することができると共に、耐用年数に優れる間知ブロックが提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-70705号公報
【文献】特許第7341579号公報
【文献】実登3197401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1記載の先行技術には、「管状部材を前記水抜き穴から地盤に打ち込むことにより前記地盤を締め固める」ことが記載されているが、地盤に対して有効性は認められるが、擁壁に対して直接的な影響が少ないという課題があった。
【0008】
また、前記特許文献2記載の先行技術には、壁面と法面の間に充填部材を積層させてなる軽量盛土擁壁構造物を構築するに際し、法面の少なくとも一部の範囲に壁面支持用アンカーを打設する工程と、ベース基礎の上に壁面パネルを積上げて壁面を形成する工程と、前記壁面支持用アンカーと壁面の少なくとも一部の範囲の前記壁面パネルの背面とを壁面転倒防止用チェーンで連結する工程と、前記壁面と前記法面の間に充填部材を打設する工程と前記充填部材の積層の一部にコンクリート層を設ける工程とを有することが記載されているが、工程が多く複雑化し、また充填剤を含めた擁壁の重量増加による沈下、転倒防止措置として金属チェーンを使用している為、経年後、腐食し断裂する可能性があるという課題があった。
【0009】
前記特許文献3記載の先行技術には、特定の間知ブロックを使用することによって、間知ブロックの積み上げ作業時に加えて、経年時や、特に、地震が発生した場合に間知ブロックの上端部の斜辺方向に生じるズレを効果的に防止することができることが記載されているが、擁壁全体の強度を高める効果は無く、補強及び転倒防止には効果は低いという課題があった。
【0010】
本発明は前記のような従来の問題を解決するために、簡単な工法で人工擁壁用資材を用いた擁壁の強度を高め、地盤と連結することで擁壁の転倒を防止することができることで、前記先行技術の課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は前記目的を達成するため、本発明の人工擁壁の施工工法は、人工擁壁用資材を使用して、新規に人工擁壁を施工する人工擁壁の施工工法であって、前記人工擁壁用資材又は前記人工擁壁用資材を連結した資材に、繊維素材で形成された長手状の連結部材の一端を固定し、前記連結部材の他端を地盤又は地盤に設置された支持材に固定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の人工擁壁の施工工法は、前記人工擁壁用資材として、上下に穿孔された孔と、左右に穿孔された孔を有する人工擁壁用資材を使用し、複数の前記人工擁壁用資材について、前記上下に穿孔された孔に繊維ロープを縦方向に貫通させ、前記左右に穿孔された孔に繊維ロープを横方向に貫通させて、前記人工擁壁用資材同士を連結し、前記縦方向に貫通させた繊維ロープ又は前記横方向に貫通させた繊維ロープに、前記連結部材の一端を固定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の人工擁壁の施工工法は、前記人工擁壁用資材の後方に充填部材を打設し、前記充填部材の凝固により、前記人工擁壁用資材と前記繊維ロープを一体化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の擁壁施工工法では、従来の擁壁工法にある充填部材のみの施工に合わせ、人口擁壁用資材を加工し繊維ロープで連結させることにより擁壁部分を面として強度を高めると共に、繊維素材を使用し地盤と連結させることで擁壁の転倒を抑止する効果を持たせ、簡易な工夫を用いて低コストで施工性の良好な工法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ベース基礎となる基礎コンクリートと矢板を用いた擁壁施工の一段目を示した側面図である。
【
図2】矢板を用いた複数段の擁壁ブロックからなる擁壁施工の完成図を示した側面図である。
【
図3】ベース基礎となる基礎コンクリートと矢板を用いた擁壁施工の一段目を示した側面図である。
【
図4】矢板を用いた複数段の擁壁ブロックからなる擁壁施工の完成図を示した側面図である。
【
図5】ベース基礎となる基礎コンクリートからなる擁壁施工の一段目を示した側面図である。
【
図6】複数段の擁壁ブロックからなる擁壁施工の完成図を示した側面図である。
【
図7】繊維ロープ及び繊維素材と擁壁ブロックの構成を示した斜視図である。
【
図8】繊維ロープ及び繊維素材と擁壁ブロックの構成を示した斜視図である。
【
図9】繊維ロープと擁壁ブロックの構成の設置状態を示した概略図(背面図)である。
【
図10】矢板の設置状態を示した概略図(背面図)である。
【
図11】矢板を用いた繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維素材を接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。
【
図12】矢板を用いた繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。
【
図13】矢板を用いた繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。
【
図14】繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維素材を接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。
【
図15】繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。
【
図16】繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0017】
図1は、本発明の人工擁壁の施工工法のベース基礎となる基礎コンクリートと矢板を用いた擁壁施工の一段目を示した側面図である。一般的な人工擁壁施工工法を基準とし、掘削した後に矢板13を打ち込み、次いで基礎コンクリート12の打設に合わせて擁壁ブロック1の擁壁ブロック縦孔2Bに貫通した繊維ロープ3及び前記繊維ロープ3の先端に接続した繊維ロープ部アンカー8を埋設し、繊維ロープ3に取り付けた接続器具4から伸びた繊維素材5の他端に接続した繊維素材部アンカー9を前記矢板13に取付けた後、張りを持たせた状態にし、充填部材10及び裏込め材11を打設、締結固定して一段目の擁壁施工を完了する。
【0018】
繊維ロープ及び繊維素材おいては、従来用いられる鉄鋼及びパイプ等の地盤支持部材とは異なり、より軽量且つ自然(土壌)環境に影響の少ない素材を使用する事で、施工後の地盤、土壌に対する負荷を軽減させる事を特徴とする人工擁壁の施工工法になる。多様な規格・仕様の人工擁壁資材において、繊維ロープ3または繊維素材5は、特に限定されるものではなく、素材の種類、短繊維の繊度や強度、伸度、弾性率等及びロープや素材の太さ、構造、組成等は公知のもの全て使用することができる。引張強度(材料強度)は750MPa以上の短繊維で形成されている繊維ロープ及び繊維素材が安定した強度を保持する点から好ましく、800MPa以上の短繊維の引張強度が更に好ましい。
【0019】
図2は、本発明の人工擁壁の施工工法における矢板を用いた複数段の擁壁ブロックからなる擁壁施工の完成図を示した側面図である。
図2では、八段の擁壁ブロック1からなる擁壁施工例を示す。二段目以後の施工は、前記
図1で説明した一段目の擁壁施工における基礎工事を除く他は同様にして施工を行う。繊維素材5は全ての段の擁壁ブロックにおいて設置しても構わないが、必要な強度に合わせて設置数を設定すればよいが、最上段の擁壁ブロックでは必ず繊維素材5を設置する必要がある。
【0020】
図3は、ベース基礎となる基礎コンクリートと矢板を用いた擁壁施工の一段目を示した側面図である。
図1で説明した擁壁施工工法で擁壁ブロック1に貫通した繊維ロープ3を基礎コンクリート12に繊維ロープ部アンカー8を埋設して固定するのではなく、終端止め17を使用して固定する工法以外は
図1で説明した擁壁施工工法と同様にして一段目の擁壁施工を行う。この工法は矢板の有無に関わらず採用することができる。
【0021】
図4は、
図3の工法を用いて矢板を用いた複数段の擁壁ブロックからなる擁壁施工の完成図を示した側面図である。
図3で説明した擁壁施工工法で、繊維ロープ部アンカー8を使用せず終端止め17で繊維ロープ3と擁壁ブロック1を接続する以外は、
図2で説明した擁壁施工工法と同様にして擁壁施工を行う。
【0022】
図5は、ベース基礎となる基礎コンクリートと擁壁施工の一段目を示した側面図である。
図1で説明した擁壁施工工法で矢板を使用せず、繊維素材部アンカー9を直接地盤部14に打ち込むことと以外は
図1で説明した擁壁施工工法と同様にして一段目の擁壁施工を行う。
【0023】
図6は、本発明の人工擁壁の施工工法における複数段の擁壁ブロックからなる擁壁施工の完成図を示した側面図である。
図2で説明した擁壁施工工法で矢板を使用せず、繊維素材部アンカー9を直接地盤部14に打ち込むこと以外は
図2で説明した擁壁施工工法と同様にして擁壁施工を行う。
【0024】
図7は、繊維ロープ及び繊維素材と擁壁ブロックの構成を示した斜視図である。基礎工事後、擁壁ブロック1の擁壁ブロック裏面突起部6Bの縦・横に加工された孔2A並びに2Bに繊維ロープ3を貫通させる。続いて、繊維ロープ3を任意の間隔で長手状の繊維素材5に連結器具4を使用して連結する。
【0025】
図8は、繊維ロープ及び繊維素材と擁壁ブロックの構成を示した斜視図であって、
図7で示した連結器具4で繊維ロープと繊維素材を連結する工法に変えて、繊維ロープ3に繊維素材5を直接縛り付ける工法である。
図5に示した連結器具4の使用と
図8に示した繊維ロープ3に繊維素材5を直接縛り付ける接続方法は適宜組み合わせて施工することが可能である。
【0026】
図9は、繊維ロープと擁壁ブロックの構成の設置状態を示した概略図(背面図)である。基礎コンクリート12に固定された繊維ロープ3は、擁壁ブロック本体裏面突起部6Bにある擁壁ブロック横孔2A及び縦孔2Bに貫通させて、繊維ロープ3が格子状(または網目状)に任意の間隔で接続、配置されて、擁壁ブロック1が繊維ロープ3で連結された状態が出来上がる。
【0027】
図10は、矢板の設置状態を示した概略図(背面図)である。一般的な人工擁壁施工工法を基準とし、掘削、基礎工事の実施に合わせて、矢板13を切削された地盤に対し設置して地面部7に打ち込む。必要に応じて矢板13は横にも入れることができ、縦の矢板との接続部にて固定する。また、矢板13の枚数には制限はなく、必要に応じて使用される。
【0028】
図11は、矢板を用いた繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維素材を接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。繊維ロープ3に取り付けた繊維素材5の他端に接続器具4で接続した繊維素材部アンカー9を矢板13に打ち込み、張りを持たせた状態で充填部材10を打設し、その後方には裏込め材11を入れ、この充填部材10が凝固し、裏込め材11と合わせ締固め作業を行うことで、擁壁ブロックに接続されている繊維ロープ3並びに繊維素材5が擁壁内でしっかりと固定され一体化する。
【0029】
そうすることによって、矢板13に繋がれた繊維素材5を緊張させる事で引張モーメントが有利に働き、擁壁が後方からの支持を受ける状態を作ることができる。それにより擁壁の転倒防止効果が向上する。
【0030】
図12は、矢板を用いた繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。繊維ロープ3に取り付ける素材を繊維シート15の他端に接続器具4で接続する以外は、
図11で説明した擁壁施工工法と同様にして擁壁施工を行う。
【0031】
図13は、矢板を用いた繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合した地盤支持部の構成を上面より示した概略図(平面図)である。繊維ロープ3に取り付ける素材を繊維シート15の他端に接続器具4を用いず繊維シート15を直接結束する以外は、
図11で説明した擁壁施工工法と同様にして擁壁施工を行う。
【0032】
図14は、繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維素材を接合し直接地盤部14に接続し固定する構成を上面より示した概略図(平面図)である。繊維ロープ3に取り付けた繊維素材5の他端に接続器具4で接続した繊維素材部アンカー9を地盤部14に打ち込み、張りを持たせた状態で充填部材10を打設し、その後方には裏込め材11を入れ、この充填部材10が凝固し、裏込め材11と締固め作業を行うことで、擁壁ブロックを固定している繊維ロープ3並びに繊維素材5が擁壁内でしっかりと固定され一体化する。
【0033】
図15は、繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合し直接地盤部14に接続し固定する構成を上面より示した概略図(平面図)である。繊維ロープ3に取り付ける素材を繊維シート15の他端に接続器具4で接続する以外は、
図14で説明した擁壁施工工法と同様にして擁壁施工を行う。
【0034】
図16は、繊維ロープ及び擁壁ブロック並びに繊維シートを接合し直接地盤部14に接続し固定する構成を上面より示した概略図(平面図)である。繊維ロープ3に取り付ける素材を繊維シート15の他端に直接接続する以外は、
図14で説明した擁壁施工工法と同様にして擁壁施工を行う。
【0035】
本発明の人工擁壁の施工工法は、従来の人工擁壁施工に加え、擁壁ブロックの連結固定による支持地盤への安定化を図るため、大雨等による擁壁内部に溜まる雨水の影響によるハラミ出しや倒壊、地震による地盤の変動に対する耐震性が向上し、人工擁壁の安全性が高まる工法である。また、繊維素材は安価かつ高耐久性のため耐久性に対して低コストで施工できるメリットも有している。
【符号の説明】
【0036】
1 擁壁ブロック
2A 擁壁ブロック横孔
2B 擁壁ブロック縦孔
3 繊維ロープ
4 接続器具
5 繊維素材
6A 擁壁ブロック裏面
6B 擁壁ブロック裏面突起部
7 地面部
8 繊維ロープ部アンカー
9 繊維素材部アンカー
10 充填部材
11 裏込め材
12 基礎コンクリート
13 矢板(支持部)
14 地盤部(支持部)
15 繊維シート
16 繊維シート接続器具
17 終端止め部
18 グラウンドレベル(GL)
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、簡単な工法で人工擁壁用資材を用いた施工工法を用いて擁壁の強度を高め、支持部と連結することで擁壁の転倒を防止することができる施工工法を提供することができる。
【要約】 (修正有)
【課題】人工擁壁の強度課題を解決するために、簡単な工法で人工擁壁用資材を用いた施工工法を用いて擁壁の強度を高め、支持部と連結することで擁壁の転倒を防止することができる施工工法を提供する。
【解決手段】一般的な人工擁壁施工工法に従い、掘削、基礎施工を実施した後に、上下左右に穿孔された擁壁用資材孔内に繊維ロープを横や縦に貫通させ、資材同士を連結させる。擁壁用資材に連結された繊維ロープを長手状の連結部材と接続し、擁壁背面にある支持材(例:地盤、矢板など)に設置して固定する。支持材に繋いだ連結部材を締結固定し緊張させる事で引張力を発生させ、前方にかかる圧力に抵抗させる施工工法である。任意の間隔で複数連結された繊維ロープに接続された擁壁用資材には、一般的な擁壁工法と同様に充填部材を打設し経過と共に擁壁資材と繊維素材が凝固し定着させる。
【選択図】
図2