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特許7668548ハーモニックドライブアクチュエータギアヘッド
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  • 特許-ハーモニックドライブアクチュエータギアヘッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】ハーモニックドライブアクチュエータギアヘッド
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20250418BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20250418BHJP
   H02K 7/08 20060101ALI20250418BHJP
【FI】
H02K7/116
F16H1/32 B
H02K7/08 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022525949
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2020058545
(87)【国際公開番号】W WO2021087457
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】62/928,710
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501335771
【氏名又は名称】ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ダン ストヤノヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】ドル ペトリソル
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-004582(JP,A)
【文献】特開2016-029877(JP,A)
【文献】独国特許発明第102017109307(DE,B3)
【文献】実開昭61-177243(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0107188(US,A1)
【文献】実開平01-098354(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/116
F16H 1/32
H02K 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
静的コンポーネント及び出力コンポーネントを含むギアヘッドアクチュエータアセンブリと、
ウエーブジェネレータシャフトと、
を備えるデバイスアセンブリであって、
前記ギアヘッドアクチュエータアセンブリは、前記モータが前記ギアヘッドアクチュエータアセンブリ内に前記静的コンポーネント及び前記出力コンポーネントによって画定される空間に位置するように構成され
前記ウエーブジェネレータシャフトは前記モータ上に細い管状の形状を含む、
デバイスアセンブリ。
【請求項2】
前記ウエーブジェネレータシャフトがベル形状である、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項3】
ベル形状のモータマウントを更に備える、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項4】
前記モータが円柱形状である、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項5】
前記モータが電気モータである、請求項4に記載のデバイスアセンブリ
【請求項6】
前記モータがギアヘッドを含む、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項7】
静的および動的サーキュラスプラインを備えたハーモニックドライブを更に含む、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項8】
ベアリングが前記ハーモニックドライブ上に位置し、前記出力コンポーネント及び前記静的コンポーネントへの接続によって前記ハーモニックドライブのウエーブジェネレータシャフトおよび前記デバイスアセンブリのメインベアリングの兼用を可能にする、請求項に記載のデバイスアセンブリ
【請求項9】
フレクスプラインを更に備える、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項10】
出力シャフトを更に備える、請求項1に記載のデバイスアセンブリ
【請求項11】
モータと、
静的コンポーネントと、
前記モータの動作が出力コンポーネントの対応する動作を生成するように、前記モータに動作可能に結合される出力コンポーネントと、
ウエーブジェネレータシャフトと、
を備えるハーモニックギアヘッドアセンブリであって、
前記静的コンポーネントおよび前記出力コンポーネントは、前記モータが配置されるスペースを画定するように置かれ
前記ウエーブジェネレータシャフトは前記モータ上に細い管状の形状を含む、ハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項12】
ベル形状のハーモニックドライブウエーブジェネレータを更に備える、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項13】
ベル形状のモータマウントを更に備える、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項14】
前記モータが円柱形状である、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項15】
前記モータが電気モータである、請求項14に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項16】
前記モータがギアヘッドを含む、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項17】
静的および動的サーキュラスプラインを備えるハーモニックドライブを更に備え、前記静的サーキュラスプラインが前記静的コンポーネントに結合されており、前記動的サーキュラスプラインが前記出力コンポーネントに結合されている、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項18】
ベアリングが前記ハーモニックドライブ上に位置し、前記静的コンポーネント及び前記出力コンポーネントへの接続によって前記ウエーブジェネレータシャフトおよび前記ハーモニックギアヘッドアセンブリのメインベアリングの兼用を可能にする、請求項17に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項19】
フレクスプラインを更に備える、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【請求項20】
前記モータがモータマウントに取り付けられている、請求項11に記載のハーモニックギアヘッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/928710号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、モータに関する。より具体的には、本発明は、ハーモニックドライブアクチュエータギアヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ制御運動の精度は、モータを被駆動要素/エンドエフェクタにリンクする運動連鎖におけるバックラッシュが小さい機械式トランスミッションを必要とする。バックラッシュ(機械的たるみ、遊び)が存在する場合、被駆動要素はモータの運動に正確に追従せず、運動学的エラーおよび動的効果をもたらし得る。機械的バックラッシュは、医療用ロボットを含むロボットの運動学的性能に影響を与える。しかしながら、ほとんどの機械式トランスミッションがギアをベースにしており、ギアを使用するとバックラッシュの制御が困難となる。ボールネジ、ボールワーム、ケーブル、およびハーモニックドライブを含む、最小限のバックラッシュまたはバックラッシュのない機械式トランスミッションはほとんどない。
【0004】
ギアヘッドは、一般的なアクチュエータアセンブリ内のモータに取り付けられる機械式トランスミッションであり、通常、伝達比によって速度を低下させ、トルクを増加させる。モータおよびギアヘッドは、通常、エンドツーエンドで取り付けられている故、全長はコンポーネントの長さの合計になる。サイズの増加により、適用範囲が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、ハーモニックドライブアクチュエータギアヘッドを提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述のニーズは、本発明によって大部分が満たされ、一態様では、デバイスアセンブリは、モータおよびギアヘッドアクチュエータアセンブリを含む。ギアヘッドは、モータがギアヘッドアクチュエータアセンブリ内で定義されたスペースに配置されるように構成されている。
【0007】
本発明の一態様によれば、デバイスは、ベル形状のハーモニックドライブウエーブジェネレータを含む。デバイスには、ベル形状のモータマウントを含めることができる。モータは円筒形状である。モータは電気モータである。ベアリングは横方向に配置されており、ハーモニックドライブおよびデバイスのメインベアリングの兼用を可能にする。モータは、ギアヘッドを含む。デバイスには、静的および動的サーキュラスプラインを備えたハーモニックドライブが含まれる。デバイスには、フレクスプラインおよび出力シャフトが含まれる。
【0008】
本発明の別の態様によれば、ハーモニックギアヘッドアセンブリは、モータを含む。ハーモニックギアヘッドアセンブリには、静的コンポーネントおよび出力コンポーネントが含まれる。出力コンポーネントは、モータの動作が出力コンポーネントの対応する動作を生成するように、モータに動作可能に結合されている。静的コンポーネントおよび出力コンポーネントは、モータが配置されるスペースを定義するように配置される。
【0009】
本発明の更に別の態様によれば、ハーモニックギアヘッドアセンブリは、更に、ベル形状のハーモニックドライブウエーブジェネレータを含む。ハーモニックギアヘッドアセンブリには、ベル形状のモータマウントが含まれる。モータは円筒形状である。モータは電気モータである。ベアリングは横方向に配置されており、ハーモニックドライブおよびデバイスのメインベアリングの兼用を可能にする。モータには、ギアヘッドが含まれている。ハーモニックギアヘッドアセンブリには、静的および動的なサーキュラスプラインを備えたハーモニックドライブも含めることができる。静的なサーキュラスプラインは、静的コンポーネントに結合されており、動的なサーキュラスプラインは、出力コンポーネントに結合されている。ハーモニックギアヘッドアセンブリには、フレクスプラインを含めることができる。モータは、モータの先端から取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】冗長モータ減速機ドライブの部分断面図である。
図2A】本発明の一実施形態による、ハーモニックギアヘッドの図である。
図2B】本発明の一実施形態による、ハーモニックギアヘッドの図である。
図2C】本発明の一実施形態による、ハーモニックギアヘッドの図である。
図2D】本発明の一実施形態による、ハーモニックギアヘッドの図である。
図2E】本発明の一実施形態による、ハーモニックギアヘッドの図である。
図3】ストレインウエーブギアモデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面は、本明細書に開示される代表的な実施形態をより完全に説明するために使用され、それらおよびそれら固有の利点をよりよく理解するために当業者によって使用され得る視覚的表現を提供する。これらの図面では、同様の参照番号は、対応する要素を識別するものとする。
【0012】
次に、本発明の全てではないが一部の実施形態を示す添付の図面を参照して、現在開示されている主題を以下により完全に説明する。本明細書全体を通して、同様の数字は、同様の要素を指す。現在開示されている主題は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供されている。実際、本明細書に記載の現在開示されている主題の多くの修正および他の実施形態が当業者に思い浮かぶであろう。これらの多くの修正および他の実施形態は、現在開示されている主題が前述の説明および関連する図面に提示されている教示の利益を有することに関係している。従って、現在開示されている主題は、開示されている特定の実施形態に限定されるものではなく、修正および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。
【0013】
本発明は、アクチュエータアセンブリの全体的なサイズを縮小する、円筒形状のモータにハーモニックドライブ(登録商標)ギアヘッドを取り付ける新しい方法に関する。具体的には、モータは、ハーモニックドライブおよびそのベアリング内に、即ち、通常は、ハーモニックドライブコンポーネントによって占められている空間内に取り付ける。これは、モータを包囲し、アクチュエータアセンブリのコンパクトな設置面積を提供することができるように、ハーモニックドライブを再設計することによって可能となる。
【0014】
実際、本発明によれば、アクチュエータアセンブリの全体的なサイズは、ハーモニックドライブおよびベアリングのみの全体的なサイズに匹敵する。更に、この配置により、ベアリングがペイロードを支えることができる故、追加のベアリングを必要とせずに、アクチュエータをジョイントとして直接使用することができる。ハーモニックドライブを使用するために、アクチュエータは、バックラッシュのない高い伝達比の性能も継承している。エンコーダは、通常、モータに含まれている。モータは、通常、電気モータであるが、他の円筒形状のモータも使用可能である。本発明は、ロボット回転関節に直接的に適用可能なコンパクトなバックラッシュのないアクチュエータを含む。
【0015】
ハーモニックドライブは、以前はモータギアヘッドとして使用されてきた。しかしながら、アプローチは、それらを一般的なギアヘッドとしてエンドツーエンドで接続し、ギアヘッドをモータの端部に取り付けることであった。例えば、冗長モータ減速機ドライブでは、2つのモータ、2つのハーモニックドライブ、およびそれらのサポートベアリングが、図1に示すように、このエンドツーエンド構成で取り付けられている。
【0016】
図1は、冗長モータ減速機ドライブの部分断面図を示している。図1に関して、モータ24および26は、それぞれ、ハーモニックドライブコンポーネント30および56の側面に取り付けられている。次に、ベアリング54がハーモニックドライブ上に配置されており、アセンブリ全体の長さおよび直径の両方が大きくなっている。実際、この設計には2つのモータが含まれているが、両側にてサイズの増加が見られる。例えば、左側では、ハーモニックドライブの中央部分がコンポーネント30で占められている。それ故、長さを短くするために、モータ24をハーモニックドライブコンポーネント32内に配置することができず、側面に配置した。ハーモニックドライブギアヘッド(精密ジョイントアクチュエータ用のモータアセンブリ)の全体的なサイズを縮小するために、モータをその中に収容するようにその中央コンポーネントを再設計することによって、ハーモニックドライブの中央の空間を確保することができる。
【0017】
本発明の新しいギアヘッドの設計が図2A図2Eに示されている。図2A図2Dは、本発明の一実施形態による、ハーモニックギアヘッドの図を示す。ハーモニックギアヘッド100は、モータ106と、静的コンポーネント102および出力コンポーネント104を有するギアヘッドアクチュエータアセンブリとを含む。図示するように、モータ106は、静的コンポーネント102および出力コンポーネント104によって定義される開口部内の中央に配置されており、アセンブリ全体を短縮している。ギアヘッドアクチュエータアセンブリのベースは静的コンポーネント102であり、出力は出力コンポーネント104である。モータ106は、ネジ110によって静的コンポーネント102に取り付けられている、ベル形状の、細い管状フランジ、またはモータマウント、108上の頭部に取り付けられている。事実上、このフランジにより、モータの取り付け場所を頭部から尾部に移動することで、他のコンポーネント内に配置しつつ、モータを後方から支持することが可能となる。静的および動的サーキュラスプライン122、130を備えたハーモニックドライブを使用する。ハーモニックドライブの中央部分は、通常、ウエーブジェネレータシャフト112によって占められており、これはその入力でもある。モータの使用のためにこのスペースを確保するために、ウエーブジェネレータシャフト112をモータ上にて細い管状の形状、即ち、ベル型構造で設計した。一方では、シャフト112は、モータ106および出力コンポーネント104に接続されている。他方では、シャフト112は、変形可能な楕円形のウエーブジェネレータシャフト114を呈している。ベアリング116は、114の楕円形に変形するための薄い弾性レースを呈することで、通常どおり波を伝播する。次に、楕円形ベアリング116は、動的なフレクスプライン118を変形させる。動的なフレクスプライン118の歯120は、静的なサーキュラスプライン122の歯124と係合する。同様に、動的なフレクスプライン118の129もまた、動的なサーキュラスプライン130の歯132と係合する。モータが回転するとき、これらのギアの歯の数の差により、動的なサーキュラスプライン130が静的スプライン118に対してゆっくりと回転する。
【0018】
図2Dに関して、静的スプライン122は、ネジ110によって静的コンポーネント102に取り付けられている。動的スプライン130は、ネジ136により出力コンポーネント104に取り付けられている。従って、モータ106の回転により、出力コンポーネント104は、バックラッシュのない、高い伝達比で、静的コンポーネント102に対して回転する。トウベアリング138、スペーサ140、およびリングナット142、144を、静的コンポーネント102内にシャフト2を支持するために使用する。図示するように、これらは、アセンブリの直径を増加させるためではなく、モータによって利用可能な軸方向スペースを使用するために、ハーモニックドライブの横方向に配置され、サーキュラスプライン122および130と同様の寸法を有する。潜在的に、アセンブリは、必要に応じて、利用可能なスペース146内でベアリングをモータにより近接するよう下げることによって、直径をより小さくすることができる。しかしながら、これにより出力シャフトの直径も小さくなる故、構造上の剛性が低下する。静的コンポーネント102は、シングルピースまたはマルチピース設計であり得ることにも留意されたい。出力コンポーネント104はまた、シングルピースまたはマルチピース設計であり得る。これは、少なくとも部分的には、製造上のニーズおよび特定のハーモニックギアヘッド100の使用目的によって決定される。
【0019】
ハーモニックドライブの伝達比よりも高い伝達比が必要な場合、モータ106はまた、ギアヘッドも含み得る。更に、モータ106はまた、運動制御および安全のために必要に応じて、エンコーダも含み得る。用途に応じて、モータ106は、それ自体が一般的なギアヘッド・モータ・エンコーダアセンブリであり得る。
【0020】
概して、ハーモニックドライブウエーブジェネレータシャフト112を再設計し、フランジモータマウントを設計することにより、モータをハーモニックドライブ内に配置することが可能になった。更に、図示するように、ベアリングを横方向に配置することにより、ハーモニックドライブと、静的コンポーネント102と出力コンポーネント104との間のアクチュエータのメインベアリングとのベアリングの兼用が可能となった。図2Dおよび図2Eに示されるように、これらは、ハーモニックドライブとほぼ同じ大きさかつモータとほぼ同じ長さのコンパクトなアセンブリを提供する。
【0021】
図2Eは、本発明の設計の変形例の断面図を示している。図2Eに関して、ハーモニックギアヘッド200は、モータ206を含む。モータ206は、静的コンポーネント204および出力コンポーネント202によって規定される開口部内の中央に配置されることで、アセンブリ全体を短縮している。アクチュエータアセンブリのベースは静的コンポーネント204であり、出力は出力コンポーネント202を介して行われる。これは、ベースが静的コンポーネント204であり、出力が出力コンポーネント202を介する、図2Dに記載の実施形態とは反対である。モータ206は、静的コンポーネント204に取り付けられる、ベル形状の、薄い管状フランジ、またはモータマウント、208上の頭部207に取り付けられている。静的スプライン222および動的サーキュラスプライン230を備えたハーモニックドライブを使用する。更に、図2Eに関して、静的スプライン222は、静的コンポーネント204に取り付けられている。動的スプライン230は、出力コンポーネント202に取り付けられている。従って、モータ206の回転により、出力コンポーネント202は、バックラッシュのない、高い伝達比で、静的コンポーネント204に対して回転する。出力コンポーネント202は、シングルピースまたはマルチピース設計であり得ることにも留意されたい。静的コンポーネント204もまた、シングルピースまたはマルチピース設計であり得る。これは、少なくとも部分的に、製造上のニーズおよび特定のハーモニックギアヘッド200の使用目的によって決定される。
【0022】
ベル形状のコンポーネントを含むハーモニックドライブが存在する。例えば、Harmonic Drive(登録商標) LLCによって製造されるストレインウエーブギアモデルが図3に示されている。このデバイス300は、3つのコンポーネント、即ち、ウエーブジェネレータ302、フレクスプライン304、およびサーキュラスプライン306のみを使用する。図示するように、フレクスプライン304は、ベル形状を有する。本発明のウエーブジェネレータシャフト302はまた、図2A図2Eに示されるように、ベル形状を有するが、図3に示される設計と容易に区別することができる。しかしながら、違いは、2つのコンポーネントがハーモニックドライブにおいて異なる機能を果たすことにある。更に、図3に示すストレインウエーブギアモデルの構成では、モータを中に配置することができず、なぜなら、図3に示されているように、中央スペースが依然としてウエーブジェネレータ302によって占められているからである。本発明のウエーブジェネレータおよびモータマウントは、モータをウエーブジェネレータ内に配置することを可能にする、それらの構造および配置自体が新規であり、実質的に、アクチュエータをコンパクト化することを可能にする。
【0023】
本発明の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、従って、本発明の真の精神および範囲内に含まれる、本発明のそのような全ての特徴および利点を網羅することが添付の特許請求の範囲によって意図されている。更に、当業者は多くの修正および変形を容易に行うことができる故、本発明を図示および説明された正にその構造および操作に限定することは望ましくなく、従って、全ての適切な修正および同等物は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3