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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】リフト組立体による患者支持装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/018 20060101AFI20250418BHJP
   A61G 7/012 20060101ALI20250418BHJP
   A47C 3/20 20060101ALI20250418BHJP
【FI】
A61G7/018
A61G7/012
A47C3/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022536743
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020064212
(87)【国際公開番号】W WO2021126654
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】62/948,540
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】1941 Stryker Way, Portage, Michigan 49002, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】コナー フェルドパウシュ エスティー.ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ドワイト チャイルズ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー エル.バートリー
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0302985(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02777672(EP,A1)
【文献】特許第6329336(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288655(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0172829(US,A1)
【文献】国際公開第2011/021002(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0258655(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0021144(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0094747(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0322502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者支持装置において、
前記患者支持装置は、
基部と、
前記基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、
前記フレームを前記基部に対して上昇又は下降させ、その上側端部で前記フレームに回動自在に連結されかつその下側端部で前記基部に回動自在に連結されているリフト組立体であって、前記リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、前記第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分において前記第1の脚部に回動自在に取り付けられた、リフト組立体であって、前記リフト組立体は、前記リフト組立体がその最下構成から上昇した後に前記フレームを前記基部に対して上昇させるときに最大力F1よりも小さな始動力SFによってその最下構成から上昇させられるように構成されている、リフト組立体と、
前記リフト組立体がその最下構成から上昇した後に前記フレームを上昇させるときに生じる前記最大力F1を発生させ、かつ、前記リフト組立体がその最下構成から上昇した後に前記フレームを下降又は上昇させるときに最小の力F2を発生させ、かつ、その最下構成において前記最大力F1よりも小さな前記始動力SFを発生させる取付構成を有する、前記リフト組立体内に取り付けられたアクチュエータであって、前記最小の力F2は前記前記最大力F1の50%~70%の範囲である、アクチュエータとを備える、患者支持装置。
【請求項2】
前記最大力F1は、前記リフト組立体の中間ストロークの下で生じる、請求項1に記載の患者支持装置。
【請求項3】
前記アクチュエータが、前記最大力F1の96%~98%の範囲内にある前記始動力SFを発生させる取付構成で前記リフト組立体内に取り付けられている、請求項1又は2に記載の患者支持装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記最大力F1の約97%である前記始動力SFを発生させる取付構成で前記リフト組立体内に取り付けられている、請求項1又は2に記載の患者支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年12月16日に出願された、発明の名称「リフト組立体を有する適合支持体」と題する米国仮出願第62/948,540号(P-600)の利益を主張するものであり、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本開示は、患者支持装置デッキを床面に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体を備えた患者支持装置に関する。より具体的には、本開示は、介護者が患者にアクセスできる高さまで完全な動作範囲を提供しつつ、患者支持装置のデッキを非常に低い高さまで下降させることができる、リフト組立体を備えた患者支持装置に関する。
【発明の概要】
【0003】
患者支持装置のデッキを介護者に適した高さまで上昇させるために長い移動範囲を依然として提供しつつ、非常に低い高さでコンパクトである、リフト機構が記載されている。さらに、リフト機構は、トレンデンブルグ体位又は逆トレンデンブルグ体位に患者を向けるために患者支持デッキの一端部を上昇又は下降させることができるように構成されている。
【0004】
一形態では、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持されるフレームとを有し、フレームは、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されている。患者支持装置は、フレームを基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体をさらに有する。リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、第1の脚部は、その上側端部でフレームに回動自在に連結されかつその下側端部で基部に回動自在かつ摺動自在に連結されている。第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その上側端部において第1の脚部にその中央部分で回動自在に取り付けられている。リフト組立体は、さらに、リフト組立体がその最下構成から上昇した後に生じるフレームを上昇させるときに最大力F1を発生させる取付構成で脚部組立体内に取り付けられたアクチュエータを有する。例えば、最大力F1は、リフト組立体のほぼ中間ストロークで発生し得る。
【0005】
一実施形態では、アクチュエータは、最大力F1の95%~99%、又は、96%~98%、又は、約97%の範囲内にある始動力SFを発生させる取付構成で脚部組立体内に取り付けられている。
【0006】
一態様では、アクチュエータは、フレームを上昇又は下降させるときに、最大力F1の50%~70%、選択的に最大力F1の約60%の範囲である、最小の力F2を発生させるように取付構成で取り付けられている。
【0007】
別の実施形態では、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、フレームを基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体とを有する。リフト組立体は、その上側端部でフレームに回動自在に連結されかつその下側端部で基部に回動自在に連結されている。リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分で第1の脚部に回動自在に取り付けられている。アクチュエータは、フレームを上昇又は下降させるときに最大力F1及び最小力F2を発生させるように取付構成で脚部組立体内に取り付けられており、最小力F2は、最大力F1の55%~65%の範囲である。例えば、最小力F2は、リフト組立体の最大高さで発生し得る。
【0008】
一態様では、アクチュエータは、始動力SFを発生させる取付構成で脚部組立体内に取り付けられており、最小力F2は、始動力SFの55%~65%の範囲内にある。
【0009】
別の実施形態では、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、フレームを基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体とを有する。リフト組立体は、その上側端部でフレームに回動自在に連結されかつその下側端部で基部に回動自在に連結されている。リフト組立体は、アクチュエータと、第1の脚部と第2の脚部とを有し、第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分で第1の脚部に回動自在に取り付けられている。アクチュエータは、脚部組立体内で、一端部で第1の接続部によって第1の脚部に取り付けられ、その反対端部で第1の脚部への第2の摺動回動接続部によって取り付けられている。
【0010】
一態様では、第2の摺動回動接続部は、第2の脚部に連結されており、アクチュエータが伸縮すると、第1の脚部と第2の脚部は、互いに対して展開又は折り曲げられる。
【0011】
さらなる態様では、第1の脚部は、フレームへの上側回動接続部と、基部への下側回動接続部とを有し、さらに、一端部でアクチュエータに連結されておりかつその反対端部で摺動リンク回動接続部によって第1の脚部に連結された駆動リンクを備える。駆動リンクは、第2の脚部に偏心して連結されている。
【0012】
一態様では、駆動リンクと第1の脚部との間の摺動リンク回動接続部は、非線形摺動回動接続部を備える。
【0013】
別の態様では、駆動リンクと第1の脚部との間の摺動リンク回動接続部は、リフト組立体が最下位置にあるときに、第1の脚部の下側回動接続部よりも下側に延びる。
【0014】
さらに別の実施形態では、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、フレームを基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体とを有する。リフト組立体は、その上側端部でフレームに回動自在に連結され、その下側端部で基部に回動自在に連結されている。リフト組立体は、アクチュエータと、第1の脚部と第2の脚部とを有し、第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分で第1の脚部に回動自在に取り付けられている。第2の脚部はクランクアームを有する。リフト組立体は、さらに、第1の端部及び第2の端部を有する駆動リンクを有し、駆動リンクの第1の端部は、アクチュエータに回動自在に取り付けられ、駆動リンクの第2の端部は、クランクアームに連結され、非線形経路で移動するように構成されており、それによって、一定の角度範囲からクランクアームを押したり引いたりすることができ、それによって、第1の脚部と第2の脚部を互いに対して展開又は折り曲げて、リフト組立体を縮めたり延ばしたりする。
【0015】
一態様では、第1の脚部は、フレームとの上側回動接続部と、基部との下側回動接続部とを有し、駆動リンクは、摺動回動接続部によって第1の脚部に摺動自在に連結され、クランクアームに偏心して連結されている。
【0016】
別の態様では、摺動回動接続部は、非線形摺動回動接続部を備える。
【0017】
さらに別の実施形態によれば、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持された、フレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されている、フレームと、ヘッドエンドアクチュエータと、フットエンドアクチュエータとを有する。患者支持体は、フレームを基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体をさらに有し、このリフト組立体は、ヘッドエンド脚部組立体及びフットエンド脚部組立体を有する。脚部組立体の各々は、一対の脚部を有し、各対の脚部は、第1の脚部と、フレームを上昇させるときに逆Y字形の構成を形成しかつフレームを下降させるときにほぼ扁平状折り曲げられる、第2の脚部とを有する。第1の脚部は、その上側端部においてフレームに回動自在に取り付けられかつその下側端部において基部に回動自在に取り付けられている。各対の脚部は、折り曲げ回動軸線を有し、ヘッドエンドアクチュエータ及びフットエンドアクチュエータの各々は、それぞれの第1の脚部との第1の接続部と、それぞれの第1の脚部との摺動下側回動接続部とを有し、各脚部組立体の第1の脚部及び第2の脚部は、それぞれのアクチュエータの伸張及び収縮によって脚部組立体を展開又は折り曲げてフレームを上昇又は下降させるように連結されている。
【0018】
一態様では、第1の脚部の各々は、それぞれの第2の脚部に偏心して取り付けられている駆動リンクによって、それぞれの第2の脚部に連結されている。
【0019】
さらなる態様では、複数の駆動リンクの各々の一端部は、孤状経路を有する摺動回動接続部によって、それぞれの第1の脚部に連結されている。
【0020】
別の態様では、アクチュエータの第1の脚部への摺動回動接続部は、線形経路を有する。
【0021】
別の態様によれば、ヘッドエッド端部脚部組立体は、フットエッド脚部組立体から独立している。
【0022】
さらに別の実施形態では、ヘッドエンド脚部組立体のリフティング脚部は、フレームのヘッドエンド回動接続部で又はその近くで回動自在に取り付けられており、フットエンド脚部組立体のリフティング脚部は、フレームのフットエンド回動接続部で又はその近くで回動自在に取り付けられている。
【0023】
さらなる態様では、ヘッドエンド回動接続部及びフットエンド回動接続部は、フレームの下方にオフセットされている。
【0024】
別の実施形態では、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持される支持フレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されている支持フレームと、リフト組立体とを有する。リフト組立体は、ヘッドエンド脚部組立体と、フットエンド脚部組立体とを有する。脚部組立体の各々は、アクチュエータを有し、脚部組立体と基部との間に回動接続部を挿入して脚部組立体と支持フレームとの間に回動接続部を連結するだけの組立られたユニットとして、基部と支持フレームとの間に取り付けることができる独立した組立体を形成している。
【0025】
例えば、一態様では、ヘッドエンド脚部組立体及びフットエンド脚部組立体は、各々、リフト組立体が支持フレームを上昇位置に移動させるとき、反転したY字形状を有する。
【0026】
さらに別の態様では、複数の脚部組立体の内の少なくとも1つは、第1及び第2のリフティング脚部を有する。選択的に、第1のリフティング脚部は、逆U字形のフレームを備える。同様に、第2のリフティング脚部は、第2の逆U字形のフレームを備えうる。別の実施形態では、1つ又は両方のリフティング脚部は、L字形としうる。
【0027】
別の実施形態では、第2のリフティング脚部は、リフト組立体が最下構成に折り曲げられると、第1のリフティング脚部用の停止部を形成する。
【0028】
さらに別の実施形態によれば、患者支持装置は、基部と、基部に対して支持されたフレームと、その上で患者を支持するためのクッションを支持するように構成されたフレームと、フレームを基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体とを有する。リフト組立体は、第1のリフティング脚部と第2のリフティング脚部とを有する。線形アクチュエータは、第1の脚部に対する線形移動のために、一方の端部で第1のリフティング脚部に取り付けられ、他方の端部で第1のリフティング脚部に取り付けられている。第2のリフティング脚部は、リニアアクチュエータが伸張又は収縮されるときに、第2のリフティング脚部を第1のリフティング脚部の周りで回動させるようにアクチュエータに連結されている。
【0029】
さらに別の態様では、第2のリフティング脚部は、アクチュエータの伸張又は収縮が第2のリフティング脚部の回転を誘発するように、リンクによってアクチュエータに連結されているクランクアームを有する。
【0030】
本開示のこれら及び他の目的、利点及び特徴は、現在の実施形態及び図面の説明を参照することによって、より完全に理解され、認識されるであろう。
【0031】
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される又は図面に図示される、動作の詳細、又は、構成の詳細及び構成要素の配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、様々な実施形態で実施することができ、本明細書において明示的に開示されていない代替的な方法で実行することができる又は実施することができる。さらに、本明細書で使用される表現及び用語は、説明の目的のためのものであり、限定的なものとみなすべきではないことを理解すべきである。「有する(including)」及び「備える(comprising)」という用語及びその変形例の使用は、それ以降に列挙される項目及びその均等物、並びに、付加的な項目及びその均等物を包含することを意味する。さらに、様々な実施形態の説明において列挙が使用されうる。特に明記されていない限り、この列挙の使用は、本開示を構成要素のいかなる特定の順序又は数にも限定するものと解釈すべきではない。また、列挙の使用は、列挙されたステップ又は構成要素と組み合わせることができるか又はそれらに組み合わされる可能性のある、任意の追加のステップ又は構成要素を本開示の範囲から除外するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、患者支持装置の側面立面図である。
図1A図1Aは、リフト組立体の取付配置を示すためにデッキ、ヘッドボード及びフットボードを取り外した、図1の患者支持装置の斜視図である。
図1B図1Bは、リフト組立体の取付配置を示すためにデッキ、ヘッドボード及びフットボードを取り外した、図1の患者支持装置の側面立面図である。
図1C図1Cは、リフト組立体の完全に下降した位置での取付配置を示すためにデッキ、ヘッドボード、及びフットボードを取り外した、図1の患者支持装置の平面図である。
図2図2は、リフト組立体を全高位置に示すためにデッキ、フレーム、ヘッドボード及びフットボードを取り外した、図1の患者支持装置の斜視図である。
図2A図2Aは、図2のリフト組立体のフットエンド脚部組立体の拡大図である。
図3図3は、リフト組立体を中間高さ位置で示す、図2と同様の患者支持装置の別の斜視図である。
図3A図3Aは、図3のリフト組立体のフットエンド脚部組立体の拡大図である。
図4図4は、リフト組立体を最下位置で示す、図2と同様の患者支持装置の別の斜視図である。
図4A図4Aは、図4のリフト組立体のフットエンド脚部組立体の拡大図である。
図5図5は、トレンデレンブルグ体位におけるリフト組立体を示す、図2と同様の患者支持装置の別の斜視図である。
図6図6は、リフト組立体をその全高構成で示すためにデッキ、フレーム、ヘッドボード及びフットボードを取り外した、患者支持装置の側面立面図である。
図6A図6Aは、図6のリフト組立体のフットエンド脚部組立体の拡大図である。
図7図7は、リフト組立体がその中間高さ位置にある、図6と同様の側面立面図である。
図7A図7Aは、図7のリフト組立体のフットエンド脚部組立体の拡大図である。
図8図8は、リフト組立体が最下位置にある、図6と同様の側面立面図である。
図8A図8Aは、図8のリフト組立体のフットエンド脚部組立体の拡大図である。
図9図9は、リフト組立体がそのトレンデレンブルグ体位にある、図6に類似した側面立面図である。
図9A図9Aは、リフト組立体の拡大斜視図である。
図9B図9Bは、リフト組立体の拡大斜視図である。
図9C図9Cは、アクチュエータを取り外したリフト組立体の拡大斜視図である。
図9D図9Dは、アクチュエータを取り外したリフト組立体の拡大斜視図である。
図9E図9Eは、アクチュエータを取り外したリフト組立体の拡大斜視図である。
図9F図9Fは、アクチュエータを取り外したリフト組立体の拡大斜視図である。
図9G図9Gは、アクチュエータを取り外したリフト組立体の拡大斜視図である。
図9H図9Hは、力及び力の限度対アクチュエータのストロークのグラフである。
図10図10は、患者支持装置の基部へのリフト組立体のいくつかの脚部組立体の内の1つの取付配置の拡大断片的外側立面図である。
図10A図10Aは、リフティング組立体の摺動ブロックを示す基部フレーム部材の拡大断面図である。
図10B図10Bは、図10Aの摺動ブロックの拡大斜視図である。
図10C図10Cは、取付ブロックの拡大立面図である。
図11図11は、患者支持装置の基部への複数の脚部組立体の内の1つの取付配置の拡大断片的内部立面図である。
図12図12は、リフト組立体の脚部組立体及びアクチュエータの内の1つの拡大斜視図である。
図12A図12Aは、リフト組立体のリフティング脚部の内の1つの拡大斜視図である。
図12B図12Bは、図12Aのリフティング脚部の第2の拡大斜視図である。
図12C図12Cは、リフト組立体の他方のリフティング脚部の斜視図である。
図12D図12Dは、リフト組立体の複数のリンクの内の1つの拡大斜視図である。
図12E図12Eは、リフト組立体の別のリンクの拡大斜視図である。
図12F図12Fは、リフト組立体の例示的な回動接続部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1を参照すると、参照番号10は、概略的に患者支持装置を示す。図示の実施形態では、患者支持装置10は、ヘッドボード10aと、フットボード10bと、側レール(図示せず)と、関節式デッキ16とを備えた、病院ベッドなどのベッドとして構成されている。しかしながら、患者支持装置10は、ストレッチャや折畳式ベッド等を含む他の形態をとりうることを理解すべきである。一般に、患者支持装置10は、患者が支持されるべき場合にはいつでも使用され、床面又は他の支持面に対して患者を上昇及び下降させることが望ましい。後述するように、患者支持装置10は、患者をその上に支持する、例えばマットレス又は他のクッション装置などの患者支持装置表面を、完全に上昇した位置と最下位置との間で上昇又は下降させるためのリフト組立体であって、オーバーベッドテーブル又は患者リフト上の基部を患者支持装置の下に伸張することができるのに十分なクリアランスを残す、リフト組立体を有する。
【0034】
図2に最もよく示されるように、患者支持装置10は、基部12と、デッキ16(図1)を支持するための支持フレーム14と、支持フレーム14(及びデッキ16、図1参照)を基部12に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体18とを有する。フレーム14は、また、デッキ16の下にある負荷フレームを支持することができ、この負荷フレームは、デッキ上に支持された患者の重量を測定するために、ロードセルなどのセンサを取り付けるために使用されることが理解されるべきである。ただし、負荷フレームが不要になる場合がある。その代わりに、力の減少、特にフレーム14上のトルクの減少のために、ロードセルをフレーム14内に配置することができ、これは、後でさらに完全に説明するリフト組立体の構成要素の配置によって達成される。
【0035】
図2に最もよく示されているように、基部12は、床面を横切るベッドの移動を容易にするために複数のキャスターホイール15を備えた車輪付き基部である。図示の実施形態では、再び図1を参照すると、デッキ16は、複数の関節式デッキ部分16a、16b、16c、16d及び16eを有する。しかしながら、デッキ部分の数は異なる場合があることを理解すべきである。例えば、デッキ部を平坦な構成又は椅子構成(及びその間にある様々な他の構成)で配向させるように、デッキ部を上昇又は下降させるように、各デッキ部をアクチュエータ(図示せず)によって関節式で連結することができる。基部12、支持フレーム14、ヘッドボード10a、フットボード10b及び/又は側レールのいずれかの構造は、例えば、その完全な開示が本明細書においてその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる、発明の名称が「病院ベッド」と題された、Lemire氏らに発行された、同一出願人の米国特許第7,690,059号や、その完全な開示が本明細書においてその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる、局所状態表示、ワンタッチ・ファウラー角度調節及び電源オン警報構成を有する、患者取り扱い装置と題する、同一出願人のストライカー社の米国特許第8,689,376号に開示されている構造などの任意の公知の設計をとることができる。基部12、支持フレーム14、ヘッドボード10a、フットボード10b及び/又は側レールのいずれの構成も、前述の特許及び特許公報に開示されているものとは異なる形態をとることができる。
【0036】
以下にさらに完全に説明するように、リフト組立体18は、より短いストローク及び一貫した力の限度(「加えられた力よりも小さいアクチュエータの能力」)を有するアクチュエータを使用することができつつ、床から28cm(11インチ)離れたような低い高さ位置、及び、床から66cm(26インチ)~86cm(34インチ)離れた範囲などの全高位置まで、デッキを下降させることができるように構成されている。言い換えれば、力曲線をより良く最適化することによって、同じエネルギーを加えることができる。このようにして、脚部組立体を形成する溶接物などの、下側最大負荷を構成要素に加えることができる。さらに、これにより、コストを低減し、より軽いアクチュエータの使用が可能となる。
【0037】
選択的に、アクチュエータは、アクチュエータ取付配置に十分な遊びを与えることによって、リフティング脚部への何らかの側方負荷を排除することはできないとしても低減し、ロッド取付位置で側方負荷を誘発するほどの遊びを生じさせないように、取り付けられうる。さらに、上述したように、アクチュエータはフレームに取り付けられておらず、代わりに、以下に説明するように、アクチュエータは脚部組立体内に完全に収容されかつ取り付けられており、これにより、フレームにかかる力を低減し、その結果、患者の体重、並びに移動及び患者のバイオメトリクスを測定するようにロードセルをフレームに取り付けることができる。
【0038】
加えて、リフト組立体18が、図4及び図8に示すような最下構成に移動させられるとき、リフト組立体18は、例えば、(ストライカー社が販売するZoomシステムなどの)駆動輪及び車輪駆動システムのための制御装置を取り付けるために必要となり得る、基部の下の中央空間Sと干渉することなく、基部12内に実質的に収容することができる。このように、例えば、下降させた場合、患者支持装置10は、基部の下の中央空間Sが、少なくとも約46cm(約18インチ)の長さS1にわたって空であるように構成することができる。このようにして、患者支持装置10は、非常に低い高さの患者支持装置を提供することができ、これにより、基部の下の利用可能なスペースを排除することなく、患者が転倒する機会を低減することができる。
【0039】
再び図2を参照すると、リフト組立体18は、ヘッドエンドリフト組立体18aと、フットエンドリフト組立体18bとを有し、これらの組立体は、互いの実質的に鏡像とすることができ、フレーム14のそれぞれのヘッドエンド及びフットエンドに隣接して取り付けられうる。説明を容易にするために、以下の詳細の多くは、ヘッドエンドリフト組立体18aを参照してなされるが、図示のフットエンドリフト組立体18bにも同様の詳細が適用されると理解されるべきであり、図示のフットエンドリフト組立体は、鏡像として示され、ヘッドエンドリフト組立体と同じ番号で番号が付けられている。しかしながら、ヘッドエンドリフト組立体とフットエンドリフト組立体は、異なる構成を有し得ることを理解すべきである。
【0040】
図1Aに最もよく示されるように、フレーム14は、一対の長手フレーム部材14aと、長手フレーム部材14aを連結してフレームを形成する、一対の横断フレーム部材14bとを有する。図2図2A図3図3A図4及び図4Aを参照すると、ヘッドエンドリフト組立体18aは、第1のリフティング脚部20及び第2のリフティング脚部22を有し、これらは回動接続部30(図3Aに最もよく見られる)によって回動自在に接合され、折り曲げ脚部組立体21を形成する。回動接続部30は、それぞれの脚部20、22に形成された開口部30b、30c(図12A及び図12C参照)を介して、第1のリフティング脚部20と第2のリフティング脚部22とを回動自在に接合するピン30a(図9F)によって形成される。
【0041】
第1のリフティング脚部20は、回動ブロック14dなどによってフレーム14に回動自在に取り付けられている一対のピンによって形成される回動接続部24(図1A)において、その上側端部において支持フレーム14に回動自在に取り付けられており、これら回動ブロック14dは、ブラケット14cを介してフレーム14の横断フレーム部材14bに取り付けられている。選択的に、回動接続部24は、上側横断フレーム部材44(後述)の下方で横断方向に延びかつ脚部20の上側端部に延びて回動ブロック14dを通って延びる単一の回動ロッド24a(図2Aではファントムで示されている)によって形成することができ、この回動ロッドは、リフト組立体が下降させられて折り曲げられると、脚部20の上側端部に入れ子式に入る。選択的に、ロッド26aは、フレーム部材44の下面に取り付けられた中間ブラケット24b(図2A)によって支持されうる。
【0042】
リフティング脚部20は、回動ブロック60(以下にさらに完全に説明する)によるように、摺動回動接続部26において、その下側端部で基部12に回動自在に取り付けられている。第2のリフティング脚部22は、その下側端部において、回動接続部28で基部12に回動自在に取り付けられており、その上側端部に隣接して、回動接続部30によってリフティング脚部20の中央部に回動自在に取り付けられている。このようにして、脚部20及び22が回動接続部30の周りで展開されると、脚部20及び22は逆Y字形のフレームを形成し、脚部20及び22は、折り曲げられると、概ね平坦な構成で配置される(図4参照)。さらに、以下にさらに完全に説明するように、脚部20及び22は折り曲げられると、脚部20及び22は、デッキ16が基部が支持される表面から30cm(12インチ)未満の高さHまで下がるように基部12内に配置することができる。選択的に、また、以下でさらに完全に説明すると、第2のリフティング脚部22は、折り曲げたときに、例えば、リフティング脚部20のための停止部22a(図1参照)の形態の当接面を提供し、フレーム及びデッキの負荷が回動接続部26及び28を介して基部12に直接的に伝達されうる。
【0043】
以下にさらに完全に説明するように、リフト組立体18a(及びリフト組立体18b)は、空気圧式、電気式又は油圧式のアクチュエータなどの線形アクチュエータの形態のアクチュエータ36を有する。以下にさらに完全に説明するように、ヘッドエンドアクチュエータ36の上側端部(固定基部36d、例えば図2A及び図3参照)は、例えば回動接続部37a及びブラケット37bによって第1のリフティング脚部20の上側端部に取り付けられ、さらに、摺動回動接続部37cを介してその反対端部で第1のリフティング脚部20に取り付けられている。このようにして、延長可能なロッド36aが伸張すると、延長可能なロッド36aは、第1のリフティング脚部20に対して固定されている軸線36bに沿って伸張させられる(更なる詳細は後述する)。言い換えると、アクチュエータは、第1のリフティング脚部20に対して回動せず、代わりに、選択的に、リフティング脚部20に対して概ね平行に延びる(例えば、第1のリフティング脚部20の選択的な構造の詳細については、後述する、脚部20の少なくとも上側線形部分を参照)。
【0044】
アクチュエータ36の線形運動を第2のリフティング脚部22の回動運動(従って、リフト組立体18aの上昇運動)に変換するために、リフティング脚部22は、リンク及びクランクアーム配置を介してアクチュエータに連結されている。さらに、以下により完全に説明されるように、リンク及びクランク配置は、リフト組立体の力曲線を、アクチュエータの許容力に密接に適合するように調整するように構成されうる。
【0045】
例えば、一実施形態では、リフト組立体内のアクチュエータ及びリンク及びクランクアーム配置は、リフト組立体18が最下構成から上昇した後にフレーム14を上昇させるときに生じる最大力F1を発生させるように構成されている。図9Hを参照すると、最大力F1は、リフト組立体のほぼ中間ストロークで発生し得る。さらに、アクチュエータ、リンク及びクランクアームは、脚部組立体21内で、最大力F1の95%~99%、96%~98%、又は約97%の範囲内にある始動力SFを発生させる取付構成で取り付けられている(図9H参照)。その結果、アクチュエータは、通常使用されるであろうよりも短いストロークサイズを有することができ、力の限度は、約1500ニュートンから約3000ニュートンまで変化する、一貫した力の限度を有しうる(図9H参照)。
【0046】
さらに、そうすることにより、デッキの上昇の速度は、その可動範囲全体にわたってより均一であり、これは、その上に支持された患者にとってより快適である。例えば、その全可動範囲にわたるアクチュエータの速度は、より一貫性があり、約0.7~1.3距離/時間の範囲とし得る。この速度は、その上に支持される患者の重量及び選択されたアクチュエータの能力によって変化することが理解されるべきである。
【0047】
図示の実施形態において、かつ図9A図9Gを参照すると、第2のリフティング脚部22は、一対のクランクアーム32を介して、かつリンク38、40を介して、アクチュエータ36に連結されている。各クランクアーム32は、その上側端部で第2のリフティングアーム22に固定的に取り付けられされ、その下側端部で回動接続部32aによってそれぞれのリンク40に回動自在に連結されている。次に、各リンク40は、回動接続部40aを介してリンク38に回動自在に連結されている。加えて、リンク38は、その反対端部において、アクチュエータ36のロッド36aの遠位端部に取り付けられた横断ピン36cを介して、アクチュエータ36にピン止めされる。したがって、リンク38の遠位端部は、ロッド36aが軸線36bに沿って伸張又は収縮するときに、軸線36bに沿って伸張させられる。加えて、ピン36c及びリンク38の遠位端部は、より完全に後述する線形経路P1内を移動する。選択的に、リンク38の遠位端部は、停止部22aを参照してより完全に後述するように、低い高さでアクチュエータに力を負荷解除するのを助けるようにピン36cを受け入れるためにその中に形成されたスロット付き開口部38aを有しうる。
【0048】
図9A図9Cに最もよく見られるように、リンク38は、ピン36cからアクチュエータ36の固定基部36dに向かって後方に延びている。さらに、リンク38は、後述するように、その全可動範囲を通じてロッド36aに対して鋭角を形成しつつ、遠位端部は経路P1に沿って移動する。リンク38の反対の近位端部は、(回動接続部40aにおいて)少なくとも最初にピン36cの線形経路P1から離れて、言い換えれば軸線36bから離れて分岐する非線形経路P2(図9E図9G及び1A参照)に沿って案内される。上述したように、アクチュエータのロッド36aは、リフティング脚部20の少なくとも線形部分に固定されかつ略平行である軸線36bに沿って延びる。このように、ロッド36aが伸張させられると、リンク38は、回動接続部40aのピン40a’を経路P2に沿って引っ張る引張ドライバリンクとなり、回動リンク40を押す。リンク40はクランクアーム32を押し、第2のリフト脚部22にモーメントをかけ、第2のリフト脚部22を回動接続部30の回りで(図9Aで見るように)反時計回りに回転させ、回動接続部40aの40a’が経路P2の端部に到達するまで、脚部組立体21を展開する。逆に、理解されるように、ロッド36aが収縮させられると、リンク38は、経路P2に沿って(アクチュエータ36の固定基部36dに向かって)ピン40a’を押す圧縮ドライバリンクになり、リンク40を引っ張る。次に、リンク40は、クランクアーム32を引っ張り、第2のリフト脚部22にモーメントをかけ、第2のリフト脚部22を回動接続部30の回りで(図9Eで見るように)時計回りに回転させ、ピン接続部40aが経路P2の他端に到達するまで、脚部組立体21を折り曲げる。理解されるように、経路P2は、回動接続部40aの経路を越えて延びることができ、その結果、回動接続部40aの経路の端部は、経路P2の両端部上の硬い停止部ではなく、アクチュエータ36によって規定される。
【0049】
アクチュエータ36のロッド36aをその固定された線形経路に沿って保持するために、第1のリフティングアーム20は、そこから軸線36bに沿って延びるトラック42を有し、このトラック42は、伸張又は収縮するときにアクチュエータ36のロッド36aを案内する。図示の実施形態では、トラック42は、プレス加工されたプレートなどの一対の対向するプレート48を形成し、軸線36bに沿ったその線形経路P1に沿ってロッド36のピン36cを案内するための細長いスロット48aを有する。選択的に、以下にさらに完全に説明するように、プレート48は、スロップ及び遊びを低減してより緊密な組立体を提供するために、ピン36cのためのスロット48aの縁部に沿った当接面48bを提供するように構成することができる。例えば、当接面48bは、スロット48aの少なくとも下側縁部に沿ってプレート48内に形成されたリップによって提供されうるが、スロット位置でプレートを補強するためにスロットの全周囲に延びうる。
【0050】
図示の実施形態では、図9Aを参照すると、第1のリフティング脚部20は、上側横断フレーム部材44と2つの垂直フレーム部材46とを備えた逆U字形のフレームから形成されており、これらのフレーム部材は、溶接などによって互いに接合されている。アクチュエータ36は、その上側端部が回動接続部37aによって横断フレーム部材44に取り付けられた状態で、複数のフレーム部材46の間のリフティング脚部20に取り付けられている。回動接続部37aは、例えば溶接によって、横断フレーム部材44に取り付けられた一対のプレートブラケットなどのブラケット37bによって形成されうる。
【0051】
(注記されているように、軸線36bに沿ったロッド端部36aの伸張を案内する)トラック42は、上側横断フレーム部材44から延びており、一端部において横断フレーム部材44(図9A及び図2A参照)に支持され且つ(例えば、溶接によって)堅固に取り付けられている。トラック42も、第2横断フレーム部材50に支持されかつ取り付けられている。横断フレーム部材50は、横断フレーム部材44から離間されており、フレーム部材46同士の間で例えば溶接によって堅固に取り付けられ、トラック42への支持を提供することに加えて、フレーム部材46に剛性を提供する。
【0052】
図示の実施形態では、第2のリフティング脚部22は、また、例えば溶接によって互いに接合された、上側横断部材56と2つの垂直フレーム部材58を備えた、逆U字形のフレームから形成されうる。複数のフレーム部材58は、第1のリフティング脚部20のフレーム部材46をまたいでおり、各々が回動接続部30によってそれに回動自在に取り付けられている。横断フレーム部材56は、横断フレーム部材56に例えば溶接によって堅固に取り付けられ、かつトラック42を跨ぐクランクアーム32のためのマウントを支持しかつ提供する。
【0053】
図9A図9Gに最もよく示されるように、トラック42を形成する各プレート48は、例えば溶接によって、横断部材44及び横断部材50に支持及び取り付けられている。図示の実施形態では、横断部材50は、プレート48に形成された開口部48cを通過し、横断部材50にサイズが整合する開口部48cの周りのプレート48に溶接される。同様に、プレート48の上側端部は、横断部材44を受け入れるような大きさに形成された切り欠き部48d(図12B)を有し、横断部材44がそれぞれの切り欠き部の周りでそれぞれのプレート48に溶接され得る。選択的に、プレート48の端部は、ブラケット37bを形成するように延びうる。
【0054】
経路P2は、回動接続部40aを案内するために一対のスロット48eによって形成することもできる。スロット48eは、また、プレート48内に形成することができ、回動接続部40aのピン40a’のための当接面48fを有し、それによって、たるみを低減し、従って、リフト組立体の動きの緊密さを増す。当接面48bと同様に、当接面48fは、スロット48eの少なくとも下側縁部に沿ってプレート48内に形成されたリップによって提供することができるが、これは、スロット位置でプレート48を補強するためにスロット48eの全周囲に延びることができる。
【0055】
図9Eに最もよく示されているように、当接面48b及び48fを形成するリップは、互いに反対方向に延びることができ、すなわち、当接面48bが、プレート48の内側から延びるリップ上に形成され、当接面48fは、プレート48の外側から延びるリップ上に形成されている。
【0056】
回動接続部40a及びリンク38、従ってクランクアーム32を所望の経路で案内するために、各スロット48eは非線形としうる。各スロット48eは、ロッド36の端部に最も近いスロット48eの遠位端部にほぼ位置する第1の湾曲部分を有する。第1の湾曲部分は、最初に経路P1から離れて分岐する(したがって、軸線36bから離れて分岐する)、経路P2の部分を形成する。スロット48eの第2の部分は、線形としうるが、軸線36bに向かって上方に角度を付けられ、第1の湾曲部分からスロット48eの近位端部(アクチュエータ36の固定本体36cに最も近い端部)に向かって延びる。
【0057】
このようにして、ロッド36aが完全に伸張させられ、脚部組立体21が完全に上昇し、次いでアクチュエータ36が収縮させられると、今度は圧縮リンクとして作用するリンク38により、経路P2の第1の湾曲部に沿って回動接続部40aを押し、これによりリンク40を引っ張り、クランクアーム32を引っ張りつつリンク40をそれぞれのクランクアーム32との角度を増す。クランクアーム32に対するそれらのてこの作用を増す、経路P1からの経路P2の分岐角度に起因して、回動接続部40aが曲線部分に沿って移動するときに、上記の角度が増す。ロッド36aが収縮し続けると、回動接続部40aは経路P2に沿って移動し続け、リンク40及びクランクアーム32がそれらの角度分離を増す。この角度分離の増大により、リンク40のてこの作用を増し、脚部が完全に折り曲げられ、リンク40が最大のてこの作用を発揮できる最下位置になるまで、クランクアーム32を引っ張る。最下位置では、これは、通常、回動接続部26、28の最大分離に起因しても最大トルクが要求されるところである。しかしながら、現在の構成では、この地点では、第2の脚部22を移動させるためにアクチュエータ36が必要とする力は最大ではなく、代わりに、リフト組立体18aの最下位置に対応するそれらの向きにあるとき、リンク40の増大したてこの作用に起因する最大力よりも小さい。したがって、経路P2の形状は、通常、脚部組立体21が、第1の脚部20及び第2の脚部22の回動接続部26、28が最も離れている最低の高さにある場合のように、脚部組立体を持ち上げるために最大力が通常必要とされるところで最大のてこの作用が生じるようなものである。しかしながら、ここでは、上述したように、クランクアーム32上のリンク40によるてこの作用の増大に起因して、必要な力は最大力ではない。代わりに、脚部組立体21が、第1の脚部及び第2の脚部の回動接続部26、28が依然として著しく離れているが、リンク40がクランクアーム32上のてこの作用を低減している、途中まで上げられるときに、最大力が必要とされる。
【0058】
換言すると、脚部組立体21が完全に下降し(図9G及び図8A参照)、回動接続部40aが経路P2の近位端部にあるときに、リンク40はクランクアーム32に対して実質的に垂直であり、従って、上述したように、最大のてこの作用を有する。加えて、上述したように、てこの作用が増すことにより、力の量は、脚部組立体21を上昇又は下降させる間に必要とされる最大力よりも少ない。しかしながら、ロッド36が伸張させられるにつれて、脚部組立体が最下位置から、回動接続部40aが経路P1(又は軸線36b)から最も遠い距離に達する、中央位置であって、リンク40が鋭角を形成する位置に対応し、従って、クランクアーム32により近い角度に角度が付けられる、中央位置に移動させられるにつれて、アクチュエータが必要とする力は増す。この向きでは、リンク40は、最下位置にあるときよりも、より小さなてこの作用を有する。しかしながら、ロッドが伸張し続けるにつれて、第1の脚部及び第2の脚部の回動接続部26、28は、第1の脚部20及び第2の脚部22の継続的な展開に必要なトルクの量を低減するために、互いに近づけられ、経路P2の遠位端部に近づくにつれて、リンク40の低減されたてこの作用が、第2の脚部22を脚部組立体21の完全に上昇した高さに近づくように移動させるのに必要なトルクの減少量と一致するようになる。その結果、図9Hを参照すると、アクチュエータの力の限度が低減される。
【0059】
摺動回動接続部として記載されているが、回動接続部40aは、リンク40とプレート48との間に延びる単一のピン又はロッド40a’から形成することができる。
【0060】
選択的に、トラック42に付加的な支持を提供するために、クランクアーム32は、プレート48から上方に延びる開口部フランジ48g(図9B及び12A)を通過するピン又はロッド58aによって、トラック42に回動自在に連結されうる。
【0061】
図示の実施形態では、リフティング脚部20、22の剛性及びねじり抵抗を増すために、それぞれのリフティング脚部を形成する各フレーム部材は、鋼などの金属から形成されるような、1つ以上の閉断面部材から形成されうる。代替的に、各リフティング脚部20、22は、鋼製のバー又はプレートなどの中実部材から形成されうる。同様に、横断フレーム部材50及び56も、管状部材から形成され、それぞれの脚部20、22に形成された1つ又は複数の横断開口部内に延び、1つ又は両方の開口部の周囲に内に溶接され、それによって、剛性フレームを形成することができる。
【0062】
例えば、垂直部材46及び58は、閉鎖された管状部材又は中実プレートから形成することができる。閉鎖された管状部材は、例えば溶接などによって互いに接合される、2つの構造的なチャネル部材又はプレス加工されたプレートから形成されうる。例えば、各プレートは、チャネル形状の断面にプレス加工することができ、次いで、対向関係(クラムシェル(貝殻)配置のように、開いた側面が互いに対向する)で共に接合される。選択的に、2つのプレートは、一方のチャネル形部材のフランジを他方のチャネル形プレートの開口部面に挿入し、次いで、それらの長さに沿ってスポット溶接又は連続溶接で適所に溶接できるように、わずかに入れ子式に入れられうる。代替的に、プレートは、それらのフランジが互いに当接し、また、例えば、スポット溶接又はそれらの長さに沿った連続溶接によって、互いに溶接されるように寸法決めすることができる。
【0063】
リフティング脚部の強度とねじり抵抗を高めることに加え、その構造によって、脚部の形状を調整することができる。例えば、脚部20と基部(12)との間の空間に及ぶ、回動接続部26上の比較的に長いピン26bを有さなければならないのではなく、図9Aに見られるように、脚部20の下側部分(例えば、垂直部材46)は、それらが外方にオフセット又は角度付けされるように形成することができる。例えば、回動接続部30の下から始まって、脚部20の下側部分(例えば垂直部材46)は、脚部20上の回動接続部26のためのマウント26aが外方にオフセットされて回動接続部28のためのマウント28aと同じ平面内に位置合わせできるように、それらがオフセットされるか又は外方に角度をつけられるように形成され得る。このようにして、回動接続部26及び28は、同じチャネル(フレーム部材12aのチャネル12c)内に取り付けることができる。したがって、基部12を形成するために単一のチューブ溶接物を使用することができる。
【0064】
一方、横断部材44は、プレス加工されたプレートから形成されたチャネル又は構造的なチャネル部材を有する、チャネル形状部材などの開いた区分化された部材から形成されうる。
【0065】
トラック42は、上述したように、ブレース48hで補強することができるプレートから形成することができる(図9A)。同様に、リンク38、40及びクランクアーム32も、プレートから形成することができ、必要に応じて、それらの取付開口部の周囲にエンボス又はボスを設けて、それらの強度を高めることができる。例えば、図12Eを参照すると、各リンク40は、プレートを補強するためにエンボス40bを備えた細長い矩形のプレートから形成されうる。同様に、クランクアーム32(図12C)は、ほぼ三角形状のプレートから形成され、クランクアームを補強するエンボス32bを有しうる。
【0066】
図12Bを参照すると、複数のリンク38は、それらの(例えば下側の)縁部で横断プレート38cによって接合した2つのプレート38bから形成され、それが、プレート38bに溶接されるか又はプレート38bによって形成されてU字形リンク組立体を形成することができる。開口部38aは、周囲開口部38aを包囲しかつアクチュエータ36のピン36cのための当接面をも形成する、ボス又はリップ38a’によって補強されうる。上述のように、開口部38aは、また、例えばリフト組立体18aが完全に下降したときに、アクチュエータ36からの負荷解除を可能にするように細長くされうる。
【0067】
さらに、図示された実施形態に示されるように、リフト組立体のいくつかの構成要素の断面は、必要に応じて、増した強度を提供するために、それらの長さに沿って変化しうるが、リフト組立体への負荷が低減される断面において低減され、それによって、よりコンパクトで軽量の組立体が提供される。さらに、断面を変化させることによって、リフト組立体の構成要素は、折り曲げられたときにより良好な入れ子式配置を提供することができる。図示の実施形態では、フレーム部材46は、3つの異なる立面において3つの異なる断面を有して形成されており、これにより、リフティング脚部20は、その全可動域で揺動するにつれて、脚部22を含む、ベッドの他の構成要素との干渉を回避することができる。
【0068】
例えば、図9Aを参照すると、脚部20の上側端部、例えば、垂直フレーム部材46は、フレーム14を上昇又は下降させる力が脚部20の上側端部で最大であるという条件で、最大の断面を有し得る。さらに、断面が増すと、フレーム部材46の一部分は、リフト組立体を通るケーブルの経路を提供し、さらに、より良好な入れ子を提供するために、それらの上側端部に開放した部分を有しうる。図1Aから最もよく理解されるように、リフト組立体を完全に折り曲げてフレーム14を下降させると、取付ブラケット14c及び取付ブロック14dは、フレーム部材46の側部分の開放した部分の中に延びかつ入れ子とすることができ、これは、リフト組立体がその最下構成にあるときにデッキの全高を低減するのを再び補助する。
【0069】
上述のように、リフティング脚部20、22の下側端部は、回動接続部26、28によって基部12に取り付けられている。図9に見られるように、回動接続部26は、複数のピン26bによってリフティング脚部20の下側端部の各々に回転可能に取り付けられた摺動ブロック60によって形成することができる。複数のブロック60は、上側フランジと下側フランジ12bの間で基部フレーム部材12a(図2及び4)に形成されたチャネル12c内で案内される。同様に、回動接続部28は、ピン28bによってリフティング脚部20の下側端部の各々に回転可能に取り付けられたブロック64によって形成することができる。ブロック64は、フレーム部材12aの上側フランジ12cの開口部を通って延びる締結具65によってチャネル12c内に位置決めされかつ固定されている。
【0070】
リフト組立体をよりコンパクトにするために、ブロック60及び64は、締結具又はスプリングクリップを使用することなく、図10図10A図10B及び図10Cを参照して後述する、ブロック60及び64を有するタブ及びスロット配置をそれぞれ用いて、ピン26b、28bに取り付けることができ、代わりにピン26b及び28b上に保持されうる。また、ブロック60、64がピン26b、28bから回転して外れるのを避けるために、各ブロックは、ピン26b、28bをブロックに取り付けるためのタブ付き接続部を有している。各ピン26b、28bは、ブロックを取り付けるため又はブロックをピンから取り外すために、ブロック取付用開口部60b、64bに設けられた対応する切り欠き部と位置合わせさせなければならない1つ又は複数のタブを有する。さらに、図3及び図10を参照すると、各取付ブロックは正方形又は矩形であり、それにより、ピン26b及び28bはブロック内で自由に回転するが、フレーム部材12aの上側フランジと下側フランジ12bの間に保持することができかつ回転しない。ピン上のタブ(及び対応する切り欠き部)は、それらがリフト機構の通常の移動中に位置合わせされないように配置されており、従って、通常の動作中にピン(26b 28b)上のそれぞれのブロックを保持する。
【0071】
図10A及び図10Bに最もよく見られるように、ブロック60は、1つ又は複数の切り欠き部60cを有する中央横断開口部60bを有する矩形の本体60aを有する。図示の実施形態では、開口部60bは、一対の対向する切り欠き部を有する。同様に、ピン26bは、切り欠き部と位置合わせするための1つ又は複数のタブ26cを有する。そのように位置合わせさせると、ピン26bをブロック60の開口部60bに挿入することができれ、その後、ブロック60がピンの回りを回転して、それによってピンをブロック上に保持することができる。次いで、このブロックは、(以下に説明するカットアウト部又は切り欠き部12eを介して)挿入フレーム部材12a内にされ、上側フランジと下側フランジとの間に捕捉される。選択的に、上側フランジ及び下側フランジは、ブロック60及び64をチャネル12c内に保持するのをさらに助けるために、それぞれ下向き及び上向きに延びるリップ12b' (図10及び10A)を有しうる。
【0072】
図10Cに最もよく示されるように、ブロック64は、同様に、1つ又は複数の切り欠き部64cを有する中央横断開口部64bを有する矩形本体64aを有する。図示の実施形態では、開口部64bは、一対の対向する切り欠き部64cを有する。同様に、ピン28bは、切り欠き部と位置合わせするための1つ又は複数のタブ28cを有する。そのように位置合わせさせると、ピン28bがブロック64の開口部64b内に挿入され、その後、ブロック64がピンの回りを回転し、それによってピンをブロック上に保持することができる。次いで、ブロックは(後述するカットアウト部又は切り欠き部12eを介して)フレーム部材12a内に挿入され、上側フランジと下側フランジ12bの間に捕捉される。ブロック64を固定位置に固定するために、ブロック64は、本体64aを通る横断開口部と、湾曲しておりかつ本体64aを通る締結具65を受け入れるために横断開口部と位置合わせし、それによって基部12のフレーム部材12aに沿って回動接続部28の位置を固定するオフセット部64dとを有する。
【0073】
図3及び図10を参照すると、ブロック60及び64は、フレーム部材12aの上側フランジに形成された切り欠き部12eを介して、フレーム部材12aのチャネル12c内に挿入される。複数の切り欠き部12eは、回動接続部28からオフセットして配置されており、これらは、設置すると、フレーム部材12aの長手軸線に沿って締結具65を介して固定され、摺動回動接続部26の通常の移動から外れる。ブロック60、64は、その中に挿入されると、それらの使用位置に移動させられ、次いで、フレーム部材12aの上側フランジと下側フランジ12b及び選択的なリップ12b’によってその中に保持される。したがって、基部12は、その使用位置からオフセットされた回動接続部のための複数の設置位置を有する。
【0074】
全体的な構造に加えて、この設置配置及び取付構成により、リフト組立体18a(及び18b)を(ユニット内で既に組み立てられている状態でアクチュエータ及びライン(例えば、電源及び/又は油圧ライン及び/又は空気圧ライン)を有する)ユニットとして設置することを可能にし、単に、リフト組立体を基部内に挿入し、その上側端部において、取り付けのための追加のブラケット及び締結具を必要とせずに取付ブロック14dに接続することを必要とするだけである。
【0075】
さらに、図1C及び図4を再度参照すると、フレーム14が最下位置にあるとき、フレーム14のフレーム部材14aは基部12上に当接し、すなわち、複数の基部材12a同士の間に当接しうる。さらに、リフティング脚部20、22及びクランクアーム32は、それらが複数の基部材12aの間に画定された空間内に折り曲げられ、その大部分は、脚部20及びアクチュエータ36の全てではないとしても大部分が基部材12aの上側フランジにおいて又はその下方にあるように配置されている(図8)。さらに、上述したように、回動接続部26及び28は、それぞれの基部フレーム部材12aに沿って位置合わせされかつ同一平面内にあり、複数の回動接続部30は、それぞれのフレーム部材12aの上側フランジに又はその直下に位置合わせされている。
【0076】
このように、リフト組立体18がその最下構成にあるとき、リフト組立体の構成要素(リフティング脚部、クランクアーム)の内の多くは、上述したように、複数の基部フレーム部材12aの間又はわずかに下方に画定された空間内に下降されるが、空間Sの間には残される。さらに、リフト組立体18が最下構成にあるとき、デッキの頂部から床までの距離は、36cm(14インチ)未満であり、33cm(13インチ)未満であり、選択的に、30cm(12インチ)未満であり得る。さらに、基部材12aの下の空間は、オーバーベッドテーブル又はリフト組立体の基部が基部の下で延びることを可能にするのに十分である。例えば、基部材12aの下面から床までの距離は、少なくとも10.2cm(4インチ)、少なくとも12.7cm(5インチ)又は約12.7cm(5インチ)~15.2cm(6インチ)である。
【0077】
前述したように、第2のリフティング脚部22は、脚部組立体21が完全に折り曲げられたときに、脚部20の上側部分のための停止部を提供するために、1つ又は複数の停止部22aを有する。停止部22aは、第1のリフティング脚部20が完全に折り曲げられたときに、第1のリフティング脚部20の垂直フレーム部材46の支持面を提供するように、脚部22の内方に延びるように取り付けられかつ配置されている。
【0078】
図示の実施形態では、停止部22aは、リフティング脚部22の内側面22cに溶接などによって取り付けられたL字形ブラケット22bによって形成されている。ブラケット22bは、脚部20が折り曲げられたときに脚部20の下方に面する側面に接触するように脚部22の内方に向いている側面22dから内方に延びている。ブラケット22bは、それに取り付けられたゴム製バンパー22c(図11)を有し、ノイズを低減し、ある程度の振動を吸収することができる。停止部が回動接続部28に隣接して配置されているため、折り曲げられると、デッキ及びフレームの重量は、本質的に、脚部22を通って基部12まで直接的に通過する。
【0079】
図9Aを参照すると、上述したように、アクチュエータ36は、リフト組立体の構成要素への側方負荷を低減するために取り付けられうる。例えば、アクチュエータ36のピン36cは、複数のリンク38同士の間及び一対のブッシュ37e同士の間でプレート48のスロット48a内に取り付けることができる(図9D)。選択的に、複数のブッシュ37e、例えばプラスチックブッシュとロッド36aの間(又は、ブッシュとリンク48との間)に間隙又は空間が設けられ、連結を回避するのに十分な遊びを提供するが、例えば、リフト組立体上、より具体的にはトラック42上での側方負荷を誘発するのを回避する(アクチュエータが経路P1に対する角度付けから回避するため)のに十分に小さい遊びも提供する。例えば、両側の間隙は、12.7mm(1/2インチ)~25.4μm(1/1000インチ)の範囲に収まりうる。さらに、ピンをスロット48a内で保持するのを助けるために、ピン36cのそれぞれの対向する端部は、それらがプレート48の外面に乗るように、スロット48aの高さよりも高い矩形のブッシュ37fによって案内され得る。選択的に、ばねは、経路P1に沿ったロッド36aの位置合わせを維持するのを助けるために、ブッシュ37eの代わりに又はブッシュに加えて提供されうる。
【0080】
図1A及び図3を参照すると、選択的に、リフト組立体の構成要素の内の1つ以上は、例えばプラスチックから形成された保護及び/又は美的カバーを有しうる。例えば、カバーC1及びC2を設け、基部12のヘッドエンド及びフットエンドを覆い、選択的に保護することができる。同様に、少なくともアクチュエータのロッド及びトラックは、カバーC3によって覆われうる。カバーC4は、また、脚部22にわたって延びるように設けられうる。しかしながら、リフト組立体の構成要素の多くが閉じた構造であると理解されるべきであり、リフト組立体の脚部組立体にカバーを設ける必要はない。
【0081】
各例で具体的には説明しないが、リフト組立体の構造的な負荷支持部材は、全て、鋼を含む金属から形成することができ、さらに、プレス加工部材、成形部材、鋳造部材又は鍛造部材とし、溶接によって組み立てられうることを理解すべきである。取付ブロック又はカバーなどの他の部材は、プラスチック又は他の低摩擦材料から形成することができ、これは成形することができる。
【0082】
選択的に、回動接続部の全てではないとしても少なくとも一部は、回動接続部に異物混入防止性を付与し、場合によって、サービス不能とするリテーナ70(図12F)を組み込むことができる。また、これにより、リフト組立体の接続部が点検しやすくなる。リンク40の回動接続部40aについて詳述するが、同じ又は同様の詳細が他の回動接続部にも当てはまることが理解されるべきである。
【0083】
図12Fに最もよく示されているように、回動接続部(40a)のピン40a’の端部は、リンク40に設けられた開口部を介して突出している。選択的に、開口部は、隆起したボス40cによって補強されうる。ピン40a’上には、開口部の周りにリテーナ70が取り付けられている。リテーナ70は、標準的なポップリベット72を介してピン40a’の遠位端部に取り付けられており、このリベットは、リテーナ70を介して、また、ピン40a’の遠位端部に設けられた横断開口部を介して延びている。
【0084】
図示の実施形態では、リテーナ70は、ピン40a’の遠位端部に対して当接する、閉鎖端部70bを有する筒状本体70aを有する。本体70aの筒状壁70cは、ピン40a’の端部への設置を容易にするために分岐されており、これにより、工具も同様に使用できるが、ピン40a’の遠位端部に手動で取り付けることができる。選択的に、本体70aは、環状の当接面70eを形成するフランジ状端部70dを有し、これは、例えば、図12Fの図のようにピン40a’がワッシャWを内方に引っ張ってワッシャWと係合するときにある程度のスラスト荷重を与えることができる。従って、リテーナ70は、異物混入防止性であり、さらに、元の製造設備における正しい組立を保証するために修理不能である、容易に検査できる接続部を提供する。
【0085】
理解されるように、ヘッドエンドリフティング組立体とフットエンドリフティング組立体は独立しているので、これらを独立して移動させ、支持フレームのヘッドエンド又はフットエンドを上昇又は下降させ、デッキをトレンデレンブルグ体位又は逆トレンデレンブルグ体位に移動させることができる(図1A及び図5参照)。さらに、各アクチュエータの速度を独立して制御することができる。例えば、適切なアクチュエータは、モデル番号LA40などのLinak社のアクチュエータ、又は、Ilcon社のアクチュエータを有する。例えば、アクチュエータは、上記のように、各アクチュエータの作動及び速度が独立して制御され得るように、アクチュエータの速度を測定するためのセンサ又は磁石を有しうる。
【0086】
図9Hを参照すると、一実施形態の標準的な病院ベッドのでは、アクチュエータの力は、最下位置にあるときには約5300N~5400Nの範囲であり、最下位置の間の約中間位置にあるときには約5700N~5800Nの範囲であり、次いで、最上位置にあるときには約3200N~3300Nの範囲で戻ることができる。通常理解されるように、リフト組立体が最もコンパクトで最下位置にあるときには、最大力が必要である。しかしながら、リンク及びクランクアームの現在の配置により、脚部組立体が最下位置にあるときにモーメントアームを最大にし、上述のように、初期始動力(SF)は、最大力F1未満である。リフティング脚部が基部に対して上昇するにつれて、クランクアームによって提供されるてこの作用は、リフト組立体が床から約48cm(19インチ)~61cm(24インチ)離れた中間領域に到達するまで低減し、したがって、必要な力が増す。リフト組立体が上昇し続けると、リフト組立体が最上構成になるまで、図9Hに示すように、クランクアームによって提供されるてこの作用は、低減した速度であるがさらに低減する。
【0087】
上記構成により、リフト組立体18がその最下位置にあるとき、リターデッキの頂部(図30にファントムで示される)から床までの距離は、36cm(14インチ)未満、33cm(13インチ)未満、選択的に30cm(12インチ)未満とすることができ、基部フレーム部材12aの下の空間により、オーバーベッドテーブル又はリフト組立体の基部が基部の下に延びることを可能にするように妨げられない。例えば、基部フレーム部材12aの下面から床までの距離は、少なくとも10cm(4インチ)、少なくとも12.7cm(5インチ)、又は、約12.7cm(5インチ)~約15.2cm(6インチ)の間であり、患者支持の最下部材の下方の約5.1cm(2インチ)~7.6cm(3インチ)又は約6.1cm(約2.4インチ)の最小クリアランスを提供する。さらに、リフト組立体がその上昇位置にあるとき、リフティング脚部は、フレームの端部に向かって外方に移動し、それによって、X線透視装置がフレームと基部との間に延びうるのに十分な空間を残す。
【0088】
各例では説明されていないが、フレーム、デッキ及びリフト組立体の構造的な構成要素は、鋼などの金属構造部材から形成することができ、(いくつかの場合において記載されているように)溶接されるか、又は、例えばボルト、リベット、ピン、又はねじ等によって共に締結される、又は、(ブラケットのいくつかに関連して上述されているように)単に機械的に連結されることが理解されるべきである。さらに、一実施形態上の特徴は、別の実施形態の特徴と組み合わせることができる。加えて、例えば、患者支持装置の一端部を上昇又は下降させて、トレンデレンブルグ体位又は逆トレンデレンブルグ体位で患者支持装置デッキを方向付けることができるように、アクチュエータは、独立して伸張又は収縮するように制御されうることを理解されたい。
【0089】
「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「上(top)」、「下(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「内側(inner)」、「内方に(inwardly)」、「外側(outer)」及び「外方に(outwardly)」などの方向を示す用語は、図に示される実施形態の向きに基づいて本開示を説明するのを補助するために使用される。方向を示す用語の使用は、本開示を任意の特定の方向に限定するために解釈されるべきではない。
【0090】
添付の特許請求の範囲に規定した開示の技術的思想及びより広い態様から逸脱せずに、上述の実施形態に対し、様々な代替と変更を行うことができ、これらは、均等を含む特許法の原理に則って解釈されるべきである。本開示は、例示目的のために提示されたものであり、本発明の全ての実施形態の網羅的な説明として解釈されるべきではなく、また、特許請求の範囲を、これらの実施形態に関連して図示され又は説明された特定の要素に限定するように解釈されるべきではない。例えば、これに限定されないが、本明細書に記載した発明の任意の個々の要素は、実質的に類似した機能を提供するか、さもなければ適切な動作を提供する代替要素に置き換えることができる。これには、例えば、当業者に現在知られている代替要素などの現在知られている代替要素と、当業者が開発時に代替要素として認識することができるような、将来的に開発される可能性のある代替要素が含まれる。さらに、開示された実施形態は、同時に説明され、かつ、協調的に多くの便益を提供し得る複数の特徴を有している。本発明は、公開された請求項に明記された範囲を除いて、これらの特徴の全てを有している、又は、いくつかの記載された利益の全てを提供する実施形態のみに限定されるものではない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を使用して、請求項中の要素を単数形で言及していても、その要素を単数に限定するものと解釈されるべきではない。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
患者支持装置において、
前記患者支持装置は、
基部と、
前記基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、
前記フレームを前記基部に対して上昇又は下降させ、その上側端部で前記フレームに回動自在に連結されかつその下側端部で前記基部に回動自在に連結されているリフト組立体であって、前記リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、前記第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分において前記第1の脚部に回動自在に取り付けられた、リフト組立体と、
前記リフト組立体がその最下構成から上昇した後に生じる前記フレームを上昇させるときに最大力F1を発生させる取付構成を有する、前記脚部組立体内に取り付けられたアクチュエータとを備える、患者支持装置である。
第2の態様は、
前記最大力F1は、前記リフト組立体のほぼ中間ストロークで生じる、第1の態様における患者支持装置である。
第3の態様は、
前記アクチュエータが、前記最大力F1の96%~98%の範囲内にある始動力SFを発生させる取付構成で前記脚部組立体内に取り付けられている、第1の態様又は第2の態様における患者支持装置である。
第4の態様は、
前記アクチュエータは、前記最大力F1の約97%である始動力SFを発生させる取付構成で前記脚部組立体内に取り付けられている、第1の態様又は第2の態様における患者支持装置である。
第5の態様は、
前記アクチュエータは、前記フレームを上昇又は下降させるときに最小の力F2を発生させる構成で取り付けられており、前記最小の力F2は、前記最大力F1の50%~70%の範囲である、第1の態様又は第2の態様における患者支持装置である。
第6の態様は、
前記アクチュエータは、前記フレームを上昇又は下降させるときに最小の力F2を発生させる構成で取り付けられており、前記最小の力F2は、前記最大力F1の約60%である、第1の態様又は第2の態様における患者支持装置である。
第7の態様は、
患者支持装置において、
前記患者支持装置は、
基部と、
前記基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、
前記フレームを前記基部に対して上昇又は下降させ、その上側端部で前記フレームに回動自在に連結されかつその下側端部で前記基部に回動自在に連結されている、リフト組立体であって、前記リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、前記第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分において前記第1の脚部に回動自在に取り付けられた、リフト組立体と、
前記フレームを上昇又は下降させるときに最大力F1及び最小力F2を発生させる取付構成で前記脚部組立体内に取り付けられたアクチュエータであって、前記最小力F2は、前記最大力F1の55%~65%の範囲である、アクチュエータとを備える、患者支持装置である。
第8の態様は、
前記最小力F2は、前記リフト組立体の最大高さで生じる、第7の態様における患者支持装置である。
第9の態様は、
前記アクチュエータが、始動力SFを発生させる取付構成で前記脚部組立体内に取り付けられており、前記最小力F2は、前記始動力SFの55%~65%の範囲内にある、第7の態様又は第8の態様における患者支持装置である。
第10の態様は、
患者支持装置において、
前記患者支持装置は、
基部と、
前記基部に対して支持されるフレームであって、前記フレームは、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、
前記フレームを前記基部に対して上昇又は下降させ、その上側端部で前記フレームに回動自在に連結されかつその下側端部で前記基部に回動自在に連結されているリフト組立体と、
アクチュエータとを備え、
前記リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、前記第2の脚部は、展開されるとY字形の脚部組立体を形成するように、折り曲げ回動軸線を中心として、その中央部分において前記第1の脚部に回動自在に取り付けられており、
前記アクチュエータは、前記第1の脚部との第1の回動接続部と、前記第1の脚部との第2の摺動回動接続部との間で前記脚部組立体内に取り付けられており、前記第2の摺動回動接続部は前記第2の脚部に連結されており、前記アクチュエータが伸縮すると、前記第1の脚部と前記第2の脚部が互いに対して展開又は折り曲げられる、患者支持装置である。
第11の態様は、
前記第1の脚部は、前記フレームとの上側回動接続部と、前記基部との下側回動接続部とを有し、前記患者支持装置は、さらに、摺動リンク回動接続部によって前記第1の脚部に摺動自在に連結されておりかつ前記第2の脚部に偏心して連結されている、駆動リンクを備える、第10の態様における患者支持装置である。
第12の態様は、
前記駆動リンクと前記第1の脚部との間の前記摺動リンク回動接続部は、非線形摺動回動接続部を備える、第11の態様における患者支持装置である。
第13の態様は、
前記リフト組立体が最下位置にあるとき、前記駆動リンクと前記第1の脚部との間の前記摺動リンク回動接続部は、前記第1の脚部の前記下側回動接続部の下側に延びる、第11の態様における患者支持装置である。
第14の態様は、
患者支持装置において、
前記患者支持装置は、
基部と、
前記基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、
前記フレームを前記基部に対して上昇又は下降させ、その上側端部で前記フレームに回動自在に連結されかつその下側端部で前記基部に回動自在に連結されている、リフト組立体と、
アクチュエータとを備え、
前記リフト組立体は、第1の脚部と第2の脚部とを有し、前記第2の脚部は、展開されると逆Y字形の脚部組立体を形成するように、その中央部分において前記第1の脚部に回動自在に取り付けられており、
前記第2の脚部は、クランクアームを有し、
前記患者支持装置は第1の端部及び第2の端部を有する駆動リンクをさらに備え、
、前記駆動リンクの前記第1の端部は、前記アクチュエータに回動自在に連結されており、
前記駆動リンクの前記第2の端部は、前記クランクアームに連結され、非線形経路を移動して、それによって、一定の角度範囲から前記クランクアームを押したり引いたりし、それによって、前記第1の脚部及び前記第2の脚部を互いに対して展開又は折り曲げたり、前記リフト組立体を収縮又は伸長させたりするように構成されている、患者支持装置である。
第15の態様は、
前記第1の脚部は、前記フレームとの上側回動接続部と、前記基部との下側回動接続部とを有し、前記駆動リンクは、摺動回動接続部によって前記第1の脚部に摺動可能に連結されておりかつ前記クランクアームに偏心して連結されている、第14の態様における患者支持装置である。
第16の態様は、
前記摺動回動接続部は、非線形摺動回動接続部を備える、第15の態様における患者支持装置である。
第17の態様は、
患者支持装置において、
前記患者支持装置は、
基部と、
前記基部に対して支持されるフレームであって、その上で患者を支持するためのデッキを支持するように構成されているフレームと、
ヘッドエンドアクチュエータと、
フットエンドアクチュエータと、
前記フレームを前記基部に対して上昇又は下降させるためのリフト組立体であって、前記リフト組立体は、ヘッドエンド脚部組立体及びフットエンド脚部組立体を有し、前記リフト組立体の各々は、一対の脚部を有し、前記ヘッドエンド脚部組立体及び前記フットエンド脚部組立体は、一対の脚部を有し、各対の脚部は、前記フレームを上昇させるときに反転したY字形構成を形成しかつ前記フレームを下降させるときに折り曲げられる、第1の脚部及び第2の脚部を有し、前記第1の脚部は、その上側端部で前記フレームに回動自在に取り付けられかつその下側端部で前記基部に回動自在に取り付けられており、各対の脚部は、折り曲げ回動軸線を有し、前記ヘッドエンドアクチュエータ及びフットエンドアクチュエータの各々は、それぞれの第1の脚部への回動接続部を有し、それぞれの第1の脚部に連結された摺動下側回動接続部を有し、前記ヘッドエンド脚部組立体及び前記フットエンド脚部組立体の各々の前記第1の脚部及び第2の脚部は、それぞれのアクチュエータの伸縮によって前記前記ヘッドエンド脚部組立体及び前記フットエンド脚部組立体の各々を展開し又は折り曲げて前記フレームを上昇又は下降させるように連結されている、リフト組立体とを備える、患者支持装置である。
第18の態様は、
前記第1の脚部の各々は、駆動リンクによってそれぞれの第2の脚部に連結されており、前記駆動リンクは、それらのそれぞれの第2の脚部に偏心して取り付けられている、第17の態様における患者支持装置である。
第19の態様は、
前記駆動リンクの各々の一端部は、孤状経路を有する摺動回動接続部によって、それぞれの第1の脚部に連結されている、第18の態様における患者支持装置である。
第20の態様は、
前記アクチュエータの前記第1の脚部への前記摺動回動接続部は、線形経路を有する、第19の態様における患者支持装置である。
図1
図1A
図1B
図1C
図2
図2A
図3
図3A
図4
図4A
図5
図6
図6A
図7
図7A
図8
図8A
図9
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F