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7668870バッテリがフィードバック制御される並列充電器回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】バッテリがフィードバック制御される並列充電器回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20250418BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250418BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/00 L
H02J7/00 301D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023513789
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 US2020048802
(87)【国際公開番号】W WO2022046117
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】オスターハウト,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミカンタン,スリカンス
(72)【発明者】
【氏名】ジア,リアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リ
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0266674(US,A1)
【文献】特開2018-011470(JP,A)
【文献】特開2016-131458(JP,A)
【文献】特開2010-231926(JP,A)
【文献】特開2008-301672(JP,A)
【文献】特開2019-193344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
蓄電装置と、
電気負荷と、
第1の安定型電力変換器とを備え、前記第1の安定型電力変換器は、第1の期間中に、前記デバイスの外部にある電源から受取った電気エネルギを用いて、前記蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するように構成された構成要素を含み、前記デバイスはさらに、
第2の安定型電力変換器を備え、前記第2の安定型電力変換器は、
前記蓄電装置を充電する充電電流を決定するように構成された構成要素と、
前記蓄電装置に流れる総電流量を決定するように構成された構成要素とを含み、前記総電流量は、前記第2の安定型電力変換器によって供給される電流から前記電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、前記第2の安定型電力変換器はさらに、
前記第1の期間と重ならない第2の期間中に、前記電源から受取った電気エネルギを用いて、前記決定された総電流量に基づいて、前記決定された充電電流で前記蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するように構成された構成要素を含み、
前記第2の電力信号は、前記電気負荷の動的電力使用量を補償するように、前記電気負荷によって低減される電流が増大すると前記第2の安定型電力変換器によって供給される電流を増加させる一方で、前記電気負荷によって低減される電流が減少すると前記第2の安定型電力変換器によって供給される電流を減少させるように生成される、デバイス。
【請求項2】
前記第2の安定型電力変換器は、双方向安定型電力変換器を含み、前記双方向安定型電力変換器の構成要素はさらに、前記第2の期間と重ならない第3の期間中に、前記蓄電装置から供給された電気エネルギを用いて、前記デバイスに結合された外部デバイスに電力供給するための第3の電力信号を生成するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第2の安定型電力変換器はさらに、
前記電源から受取った前記電気エネルギを用いて、前記蓄電装置を充電するための前記第2の電力信号を生成するように構成されたバックコンバータと、
前記バックコンバータに電気的に結合されたコントローラとを備え、前記コントローラは、前記バックコンバータが、前記決定された充電電流及び前記電気負荷によって低減された前記電流に等しい電流の量で前記第2の電力信号を生成するように、前記決定された総電流量に基づいて前記バックコンバータのデューティサイクルを制御する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記蓄電装置に流れる前記総電流量を表わす信号を生成するように構成された電流センサをさらに備え、前記コントローラは、前記電流センサによって生成される前記信号に基づいて、前記蓄電装置に流れる前記総電流量を決定するように構成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、1Hz~100KHzの周波数で前記バックコンバータの前記デューティサイクルを更新する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2の安定型電力変換器と前記電源との間に電気的に結合される1つ以上の負荷スイッチの第1のセットと、
前記第2の安定型電力変換器と前記外部デバイスとの間に電気的に結合される1つ以上の負荷スイッチの第2のセットとをさらに備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記負荷スイッチの第1のセットは、前記電源から受取った前記電気エネルギを前記第2の安定型電力変換器に方向付けるように構成され、
前記負荷スイッチの第2のセットは、前記第3の電力信号を前記第2の安定型電力変換器から前記外部デバイスに方向付けるように構成される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記負荷スイッチの第1のセットのうちの特定のスイッチは、過電圧保護スイッチとして動作するように構成され、前記第1の電力信号を生成するために前記第1の安定型電力変換器によって用いられる前記電気エネルギは、前記特定のスイッチを通って流れる、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスはさらに、
有線電力インターフェイスを備え、前記第1の電力信号を生成するために前記第1の安定型電力変換器によって用いられる前記電気エネルギは、前記有線電力インターフェイスを通って流れ、前記デバイスはさらに、
無線電力モジュールを備え、前記第3の電力信号は、前記無線電力モジュールを介して前記外部デバイスに出力される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項10】
前記電気負荷は、処理回路及びディスプレイのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記蓄電装置は、第1の蓄電装置と、前記第1の蓄電装置と電気的に並列に結合された第2の蓄電装置とを含み、前記第2の蓄電装置は前記第1の蓄電装置とは異なる蓄電容量を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
方法であって、
第1の安定型電力変換器によって、第1の期間中に、電源から受取った電気エネルギを用いて、蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するステップと、
第2の安定型電力変換器によって、前記蓄電装置を充電する充電電流を決定するステップと、
前記第2の安定型電力変換器によって、前記蓄電装置に流れる総電流量を決定するステップとを含み、前記総電流量は、前記第2の安定型電力変換器によって供給される電流から電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、前記方法はさらに、
前記第2の安定型電力変換器によって、前記第1の期間と重ならない第2の期間中に、前記電源から受取った電気エネルギを用いて、前記決定された総電流量に基づいて、前記決定された充電電流で前記蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するステップを含み、
前記第2の電力信号は、前記電気負荷の動的電力使用量を補償するように、前記電気負荷によって低減される電流が増大すると前記第2の安定型電力変換器によって供給される電流を増加させる一方で、前記電気負荷によって低減される電流が減少すると前記第2の安定型電力変換器によって供給される電流を減少させるように生成される、方法。
【請求項13】
双方向安定型電力変換器を含む前記第2の安定型電力変換器によって、前記第2の期間と重ならない第3の期間中に、前記蓄電装置から供給される電気エネルギを用いて、前記蓄電装置、前記第1の安定型電力変換器、および、前記第2の安定型電力変換器を含むデバイスに結合された外部デバイスに電力供給するための第3の電力信号を生成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の安定型電力変換器は、前記電源から受取った前記電気エネルギを用いて前記蓄電装置を充電するための前記第2の電力信号を生成するバックコンバータをさらに備え、前記方法はさらに、
前記バックコンバータが、前記決定された充電電流及び前記電気負荷によって低減された前記電流に等しい電流の量で前記第2の電力信号を生成するように、前記バックコンバータに電気的に結合されたコントローラによって、前記決定された総電流量に基づいて前記バックコンバータのデューティサイクルを制御するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記蓄電装置に流れる前記総電流量を表わす信号を電流センサによって生成するステップをさらに含み、前記コントローラは、前記電流センサによって生成される前記信号に基づいて、前記蓄電装置に流れる前記総電流量を決定するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラによって、前記バックコンバータのデューティサイクルを1Hz~100KHzの周波数で更新するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の安定型電力変換器と前記電源との間に電気的に結合された1つ以上の負荷スイッチの第1のセットによって、前記第2の安定型電力変換器の外部にある前記電源から受取った前記電気エネルギを方向付けるステップと、
前記第2の安定型電力変換器と1つ以上の外部デバイスとの間に電気的に結合された1つ以上の負荷スイッチの第2のセットによって、前記第3の電力信号を前記蓄電装置から前記1つ以上の外部デバイスに方向付けるステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
デバイスであって、
蓄電装置と、
電気負荷と、
第1の期間中に、前記デバイスの外部にある電源から受取った電気エネルギを用いて、前記蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するための第1の回路と、
第2の回路とを備え、前記第2の回路は、
前記蓄電装置を充電する充電電流を決定し、
前記蓄電装置に流れる総電流量を決定するためのものであり、前記総電流量は、前記第2の回路によって供給される電流から前記電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、前記第2の回路はさらに、
前記第1の期間と重ならない第2の期間中に、前記電源から受取った電気エネルギを用いて、前記決定された総電流量に基づいて、前記決定された充電電流で前記蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するためのものであり、
前記第2の電力信号は、前記電気負荷の動的電力使用量を補償するように、前記電気負荷によって低減される電流が増大すると前記第2の回路によって供給される電流を増加させる一方で、前記電気負荷によって低減される電流が減少すると前記第2の回路によって供給される電流を減少させるように生成される、デバイス。
【請求項19】
前記第2の回路は、前記第2の期間と重ならない第3の期間中に、前記蓄電装置から供給される電気エネルギを用いて、前記デバイスに結合された外部デバイスに電力供給するための第3の電力信号を生成するための第3の回路を備える、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第2の回路はさらに、
前記電源から受取った前記電気エネルギを用いて、前記蓄電装置を充電するための前記第2の電力信号を生成するための第3の回路と、
前記第3の回路に電気的に結合された第4の回路とを備え、前記第4の回路は、前記第3の回路が、前記決定された充電電流及び前記電気負荷によって低減された電流に等しい電流の量で前記第2の電力信号を生成するように、前記決定された総電流量に基づいて前記第3の回路のデューティサイクルを制御するためのものである、請求項18に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
デバイスは、各々が外部ソースから受取った電力を用いて当該デバイスの1つ以上の電源(例えば、バッテリ)を充電することができる複数の内蔵型充電器を含み得る。内蔵型充電器は、それぞれが異なる特性を有する主充電器及び並列充電器を含み得る。当該デバイスのコントローラは、充電状況に応じて、主充電器又は並列充電器を利用して、外部電源から受取った電力を用いて1つ以上の電源を充電し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
概要
概して、本開示は、デュアル式の内蔵型の安定型(regulated)充電器を含むデバイスを対象とする。安定型の主充電器及び非安定型(unregulated)の並列充電器を備えたデバイスのコントローラは、当該デバイスに電力を供給している外部電源によって提供される電力の量を調節することによって、非安定型の並列充電器が提供する電力の量を調整し得る。例えば、コントローラは、並列充電器の入力電流を測定し、測定された入力電流に基づいて、デバイスに提供される電流の量を増加又は低減させるための要求を外部電源に出力してもよい。しかしながら、このような手法は1つ以上の不利点を引起こす可能性がある。一例として、外部電源との通信によりレイテンシが生じる可能性がある。別の例として、並列充電器の入力電流は、(例えば、並列充電器によって提供される電流のうちいくらかが他のシステム構成要素を含む電気負荷によって用いられる可能性があるため)1つ以上の蓄電装置に実際に提供されている電流の量を正確に表わさない可能性がある。これらの不利点により、結果として、1つ以上の蓄電装置に提供される電力の量にむらが生じる可能性があり、このことは望ましくない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の1つ以上の技術に従うと、デバイスは、安定型の並列充電器と、1つ以上の蓄電装置に実際に提供されている電流の量に基づいて並列充電器の動作を調整するコントローラとを含み得る。このようにして、コントローラは、レイテンシを低減してもよく、及び/又は、1つ以上の蓄電装置に提供されている電力の量を平滑化してもよい。
【0004】
一例では、デバイスは、蓄電装置と、電気負荷と、第1の安定型電力変換器とを含む。当該第1の安定型電力変換器は、第1の期間中に、当該デバイスの外部にある電源から受取った電気エネルギを用いて、当該蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するように構成された構成要素を含む。当該デバイスはさらに第2の安定型電力変換器を備え、当該第2の安定型電力変換器は、当該蓄電装置を充電する充電電流を決定するように構成された構成要素と、当該蓄電装置に流れる総電流量を決定するように構成された構成要素とを含み、当該総電流量は、当該第2の電力変換器によって供給される電流から当該電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、当該第2の安定型電力変換器はさらに、当該第1の期間と重ならない第2の期間中に、当該電源から受取った電気エネルギを用いて、当該決定された総電流量に基づいて、当該決定された充電電流で当該蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するように構成された構成要素を含む。
【0005】
別の例では、方法は、第1の安定型電力変換器によって、第1の期間中に、電源から受取った電気エネルギを用いて、蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するステップを含む。当該方法は、第2の安定型電力変換器によって、当該蓄電装置を充電する充電電流を決定するステップと、当該第2の安定型電力変換器によって、当該蓄電装置に流れる総電流量を決定するステップとを含み、当該総電流量は、当該第2の電力変換器によって供給される電流から電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、当該方法はさらに、当該第2の安定型電力変換器によって、当該第1の期間と重ならない第2の期間中に、当該電源から受取った電気エネルギを用いて、当該決定された総電流量に基づいて、当該決定された充電電流で当該蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するステップを含む。
【0006】
別の例では、システムは、蓄電装置と、電気負荷と、第1の期間中に、当該デバイスの外部にある電源から受取った電気エネルギを用いて、当該蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するための第1の回路とを含む。当該デバイスはまた、当該蓄電装置を充電する充電電流を決定するための第2の回路を含む。当該第2の回路はさらに、当該蓄電装置に流れる総電流量を決定し、当該総電流量は、当該第2の電力変換器によって供給される電流から当該電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含む。当該第2の回路はさらに、当該第1の期間と重ならない第2の期間中に、当該電源から受取った電気エネルギを用いて、当該決定された総電流量に基づいて、当該決定された充電電流で当該蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成する。
【0007】
開示される主題の付加的な特徴、利点及び実施形態は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲を考察することで説明され得るか又は明らかとなり得る。さらに、上述の概要及び以下の詳細な説明はともに例示的なものであり、添付の特許請求の範囲を限定することなくさらなる説明を提供すよう意図されたものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の様々な局面に従った、モバイルデバイス及び電源アダプタを含むシステムの一例を示すブロック図である。
図2】本開示の例に従った、モバイルデバイス及び電源アダプタを含むシステムの一例を概略的に示す図である。
図3】本開示の例に従った、モバイルデバイス及び電源アダプタを含むシステムの一例を概略的に示す図である。
図4】本開示の例に従った、1つ以上の蓄電装置に電荷を供給する並列充電器回路の例示的な動作を示すフロー図である。
図5】本開示の例に従った、モバイルデバイス及び電源アダプタの一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
図1は、本開示の様々な局面に従った、モバイルデバイス102及び電源アダプタ110を含むシステム100の一例を示すブロック図である。電源アダプタ110は、ACアダプタ、AC/DCアダプタ又はAC/DCコンバータであり得る。電源アダプタ110は、ケース(例えば、ACプラグ)内に封入された外部電源の一種であってもよい。電源アダプタ110はまた、プラグパック、プラグインアダプタ、アダプタブロック、家庭用電源アダプタ、ライン電源アダプタ、電源ACアダプタ、パワーブリック、及び電源アダプタであってもよい。電源アダプタ110は、主電源電圧をより低い電圧に変換するための変圧器を含み得る。図1に示すように、電源アダプタ110は、電圧レベルVBUS_IN及び電流レベルIBUS_INを有する直流(direct current:DC)電力信号をモバイルデバイス102に出力し得る。
【0010】
モバイルデバイス102は、電源アダプタ110等の外部電源アダプタによって再充電可能な蓄電装置を含む任意のデバイスを表わし得る。モバイルデバイス102の例として、携帯電話(いわゆる「スマートフォン」を含む)、スマートグラス、スマートウォッチ、携帯型スピーカ(携帯型スマートスピーカを含む)、ラップトップコンピュータ、携帯型ゲームシステム、無線ゲームシステムコントローラ等を含むがこれらに限定されない。いくつかの例では、モバイルデバイス102は、モバイルデバイス102の構成要素が蝶番によって接合された2つのハウジングにわたって分散され得るという点で、折り畳み可能なデバイスであり得る。図1の例に示すように、モバイルデバイス102は、主充電器112、並列充電器118、処理回路108、及び蓄電装置124を含み得る。
【0011】
処理回路108は、モバイルデバイス102の動作をサポートするように構成された回路を表わし得るとともに、ユーザによって使用される様々な機能を提示するための階層型ソフトウェア層の実行を可能にし得るソフトウェア(又は言い換えれば、命令のセット)を実行し得る。処理回路108は、例えば、オペレーティングシステムがカメラ、マイクロフォン、センサ等の他の様々な処理ユニットとインターフェイスを取り得るためのベース層を形成するカーネルを実行し得る。処理回路108はまた、ユーザと対話するためのグラフィカルユーザインターフェイスを提示するために1つ以上のアプリケーション(例えば、第一者及び/又は第三者のアプリケーション)が実行され得るアプリケーション空間を提示するオペレーティングシステムを実行し得る。
【0012】
処理回路108は、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、加速処理ユニット(accelerated processing unit:APU)、アプリケーションプロセッサ(application processor:AP)、中央処理装置(central processing unit:CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit:GPU)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array:FPGA)、又は、同等のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの1つ以上を含み得る。本開示における処理回路108に起因する機能は、(上述したように)ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの組合せとして具現化され得る。図1の例示的なモバイルデバイス102は1つの処理回路108を含むものとして示されているが、本開示に従った他の例示的なモバイルデバイスは、モバイルデバイス102の処理回路108に起因する1つ以上の機能を個々に又は様々な協働的な組合せで実行するように構成された複数のプロセッサ(又は、複数のいわゆる「コア」(これは、まとめてパッケージ化された場合のプロセッサを指す別の言い方である))を含み得る。
【0013】
蓄電装置124は、モバイルデバイス102の構成要素によって使用される電気エネルギを貯蔵するように構成され得る。蓄電装置124の例として、二次電池、再充電可能なバッテリ等のバッテリが挙げられる。電池のいくつかの例には、リチウムイオンバッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、又は、ニッケル水素、鉛酸もしくはリチウムイオンポリマー等の他の任意のタイプの再充電可能なバッテリが含まれる。いくつかの例では、蓄電装置124は蓄電装置の配列を表わし得る。例えば、モバイルデバイス102が折り畳み可能なデバイスである場合、蓄電装置124は、折り畳み可能なデバイスの第1のハウジング内に第1のバッテリを含み、折り畳み可能なデバイスの第2のハウジング内に第2のバッテリを含み得る。
【0014】
主充電器112は、蓄電装置124を充電するための、及び/又は、モバイルデバイス102の他の構成要素に電力を供給するための、電力信号を生成するように構成された回路を表わし得る。例えば、主充電器112はDC/DC電力変換器として動作し得る。主充電器112は、主充電器112によって出力される電力信号の電圧及び/又は電流が、主充電器112の構成要素の動作によって調節され得るという点で、安定型(regulated)の電力変換器であり得る。このような電力変換器の例として、バックコンバータ、ブーストコンバータ、バック・ブーストコンバータ、Cuk(2-インダクタ反転コンバータとしても公知である)、フライバックコンバータ、又は他の任意のタイプの安定型のDC/DCコンバータ等のDC/DCコンバータを含む。
【0015】
動作時に、主充電器112は、電力変換プロセスの副産物として熱を生成し得る。例えば、主充電器112がバックタイプの電力変換器である場合、主充電器112によって生成される熱の量は、電源アダプタ110から受取った入力電力信号の電圧と正の相関性を有し得る(例えば、電圧が高いほど熱量がより多くなり得る)。主充電器112の構成要素は、入力電力信号の特定の電圧(例えば、5ボルト)で許容可能な量の熱を生成するように選択され得る。しかしながら、いくつかの充電規格は、例えば、充電時間を短縮するために入力電力信号の電圧レベルを高めることを可能にし得る。モバイルデバイス102がこのような高い電圧レベルを利用できるようにするために、モバイルデバイス102は、主充電器112よりも高い電圧レベルの入力電力信号でも生じる熱がより少なくなり得る並列充電器118等の第2の充電器回路を含み得る。
【0016】
並列充電器118及び主充電器112は、並列充電器118及び主充電器112のうち一方だけが任意の所与の時間に蓄電装置124を充電するための電力信号を提供するように構成され得る。例えば、主充電器112は、第1の期間中に、デバイスの外部にある電源(例えば、電源アダプタ110)から受取った電気エネルギを用いて、蓄電装置124を充電するための第1の電力信号を生成し得る。並列充電器118は、第1の期間と重ならない第2の期間中に、電源から受取った電気エネルギを用いて、蓄電装置124を充電するための第2の電力信号を生成し得る。以下でさらに詳細に説明するように、いくつかの例では、並列充電器118及び主充電器112は、異なるタスクを達成するために同じ時間に(例えば、同時に)動作してもよい。例えば、特定の時間に、並列充電器118が、蓄電装置124を充電するために電源アダプタ110から受取った電力信号を変換し得る一方で、主充電器112は、(例えば、モバイルデバイス102が同時に、蓄電装置124を充電し、かつ、無線伝送により別のデバイスに電力を提供し得るように)別のデバイスを充電するための電力信号を生成する。
【0017】
いくつかの例では、並列充電器118は非安定型(unregulated)の電力変換器であり得る。例えば、並列充電器118は、入力電力信号を、半分の電圧および2倍の電流の出力電力信号(例えば、VBUS_OUT=VBUS_IN/2及びIBUS_OUT=2 IBUS_IN)に変換する2:1スイッチ・キャパシタ電力変換器であってもよい。並列充電器118が非安定型の電力変換器である例においては、処理回路108は、電源アダプタ110との通信により蓄電装置124に提供される電流の量を調整し得る。例えば、並列充電器118は、並列充電器118を通って流れる電流の量の表示を出力してもよい。処理回路108は、並列充電器118を流れる電流の量に基づいて、電源アダプタ110によって提供される電力信号の電圧(VBUS_IN)を変更するための要求を電源アダプタ110に出力し得る。この制御ループは、いくつかの調整を可能にするものの、1つ以上の不利点を含む可能性がある。一例として、フィードバック及び制御コマンドのレイテンシは非常に大きい可能性があり、このため、制御スキーム全体の帯域幅が0.1Hzを下回ることとなる。別の例として、並列充電器118を通って流れる電流の量は、(例えば、並列充電器によって提供される電流のうちいくらかが、処理回路108等の他のシステム構成要素を含む電気負荷によって用いられる可能性があるため)蓄電装置124に実際に提供されている電流の量を正確に表わしていない可能性もある。これらの不利点により、結果として、蓄電装置124に提供される電力の量にむらが生じる可能性があり、このことは望ましくない可能性がある。同様に、電気負荷が電力を吸取ってしまう場合、蓄電装置124の充電速度が低下する可能性がある。
【0018】
本開示の1つ以上の技術に従うと、並列充電器118は、蓄電装置124に実際に提供されている電流の量に基づいて(例えば、IPSDに基づいて)、並列充電器118の動作を調整するように構成されたコントローラを含む安定型の電力変換器であり得る。例えば、並列充電器118のコントローラは、蓄電装置124を充電する充電電流を決定し得る(例えば、蓄電装置124が2400mAhの容量を有する場合、コントローラは、1Cの充電レートを達成するために2400mAの充電電流で蓄電装置124を充電することを決定し得る)。並列充電器118のコントローラは、検知抵抗器等の任意の電流レベルセンサを用いて、蓄電装置124に流れる総電流量(例えば、IPSD)を決定し得る。蓄電装置124に流れる総電流量は、並列充電器118によって供給される電流(例えば、IPC)から電気負荷(例えば、ILOAD)によって低減される電流を減じた電流を含み得る。コントローラは、蓄電装置124に実際に提供されている電流の量(例えば、IPSD)が当該決定された充電電流にほぼ等しくなるように、並列充電器118の動作を調節し得る。このようにして、コントローラは、レイテンシを低減してもよく、及び/又は、蓄電装置124に提供されている電力の量を平滑化してもよい。また、このようにして、並列充電器118は、蓄電装置124を充電するために必要な時間の量を減らし得る。
【0019】
図2は、本開示の1つ以上の局面に従った、モバイルデバイス202と電源アダプタ210とを含むシステム200の一例を示す概略図である。いくつかの例では、システム200は図1のシステム100の一例と見なされ得る。図2に示すように、モバイルデバイス202は、処理回路208と、主充電器212と、並列充電器218と、電流センサ222と、蓄電装置224とを含み得る。処理回路208、主充電器212、並列充電器218、及び蓄電装置224は、それぞれ、図1の処理回路108、主充電器112、並列充電器118、及び蓄電装置124と同様の動作を実行し得る。
【0020】
図2の例では、並列充電器218は、コントローラ220及び安定型の電力変換器226を含み得る。安定型の電力変換器226は、安定化された出力電力信号を生成することができる任意のタイプの電力変換器であり得る。いくつかの例では、安定型の電力変換器226はスイッチモード電力変換器であり得る。例えば、安定型の電力変換器226は、バックコンバータ、ブーストコンバータ、バック・ブーストコンバータ、Cuk(2-インダクタ反転コンバータとしても公知である)、フライバックコンバータ、又は他の任意のタイプの安定型のDC/DCコンバータであってもよい。
【0021】
コントローラ220は、安定型の電力変換器226等の並列充電器218の1つ以上の構成要素の動作を制御するように構成され得る。例えば、コントローラ220は、安定型の電力変換器226によって供給される電流の量(例えば、IPC)を調整する安定型の電力変換器226のスイッチに1つ以上の信号(例えば、信号228)を出力してもよい。コントローラ220はアナログコントローラとデジタルコントローラとの任意の組合わせであってもよい。コントローラ220の例として、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル論理アレイ(FPGA)、システムオンチップ(systems on a chip:SoC)、又は他の同等の集積回路もしくはディスクリート論理回路が含まれるがこれらに限定されない。1つの具体例として、コントローラ220はアナログ補償器を含んでもよい。
【0022】
上述したように、本開示の1つ以上の局面に従うと、コントローラ220は、蓄電装置224に流れる電流の量(例えば、IPSD)に基づいて、安定型の電力変換器226の動作を制御し得る。例えば、コントローラ220は、安定型の電力変換器226によって供給される電流の量が他の電気負荷によって低減される(例えば、処理回路208によってILOADとして低減される)にかかわらず、蓄電装置224に流れる電流の量を指定された充電電流で維持するように、安定型の電力変換器226の電流出力を調整し得る。こうして、コントローラ220は、安定型の電力変換器226に、蓄電装置224に流れる総電流量に基づいて、決定された充電電流で蓄電装置224を充電するための電力信号を生成させ得る。
【0023】
上述したように、コントローラ220は、蓄電装置224に流れる電流の量に基づいて動作を実行し得る。コントローラ220は、蓄電装置224に流れる総電流量(例えばIPSD)を表わす電流センサ222から受取った信号に基づいて、蓄電装置224に流れる電流の量を決定し得る。例えば、図2に示すように、電流センサ222は、(例えば、蓄電装置224に流れる電流が電流センサ222にも流れるように)蓄電装置224と直列の検知抵抗器を含み得るとともに、コントローラ220は、検知抵抗器にわたる電圧降下の表示を受信し得る。電流センサ222の検知抵抗器にわたる電圧降下は、検知抵抗器の抵抗によって検知抵抗器を通って流れる電流の量に比例しているので、コントローラ220は、検知抵抗器にわたる電圧降下と検知抵抗器の抵抗とに基づいて、蓄電装置224に流れる総電流量を決定し得る。電流センサ222の検知抵抗器の抵抗は、コントローラ220のメモリに記憶され得るか、又はコントローラ220にとって利用可能であり得る。
【0024】
上述したように、コントローラ220は、安定型の電力変換器226の動作を制御し得る。例えば、コントローラ220は、安定型の電力変換器226のスイッチの動作を制御する信号228を出力してもよい。いくつかの例では、信号228はパルス幅変調(width modulated:PWM)信号であってもよく、コントローラ220は、安定型の電力変換器226によって出力される電流の量を制御する(例えば、デューティサイクルを調節してIPCを調節する)ように信号228のデューティサイクルを調節してもよい。
【0025】
動作中、モバイルデバイス202の電気負荷は、並列充電器218によって供給される電流のいくらかを低減させ得る。例えば、処理回路208は、ILOADとして示される電流の量を低減させ得る。したがって、安定型の電力変換器226によって生成される電流のすべてが蓄電装置224に流れない可能性がある(すなわち、IPCがIPSDに等しくならない可能性がある)。したがって、コントローラ220が、仮に、蓄電装置224の所望の充電電流に等しくなるようにIPCを生成するよう安定型の電力変換器226を制御する場合、当該蓄電装置224が常に所望の充電電流で充電されなくなる可能性がある。これは、上述したような様々な問題(例えば、蓄電装置224の摩耗の増加、充電時間の増加など)をもたらし得る。
【0026】
上述したように、本開示の1つ以上の技術に従うと、コントローラ220は、蓄電装置224に流れる電力の量が比較的均一であり、所望の充電電流にほぼ等しくなるように、電気負荷の動的電力使用量を補償するように安定型の電力変換器226の動作を制御し得る。例えば、コントローラ220は、電流センサ222によって生成される信号に基づいて、蓄電装置224に流れる電流の量を連続的又は定期的に監視してもよい。場合によっては、モバイルデバイス202のディスプレイが使用されていること、又は、充電中に処理回路208によって追加の計算が実行されていることに起因して、ILOADが増加する場合、IPSDは所望の充電電流から減少し始める可能性がある。コントローラ220は、ILOADの増加をIPSDの減少として検知し得る。コントローラ220は、信号228のデューティサイクル又は他のパラメータを調節して、安定型の電源226にILOADの変化を補償させてもよい。一例では、IPSDが減少すると(例えば、ILOADが増加する場合)、コントローラ220は、IPCを増加させ、これに応じてIPSDを増加させるように信号228のデューティサイクルを増加させてもよい。別の例として、IPSDが増加すると(例えば、ILOADが減少する場合)、コントローラ220は、IPDを減少させ、これに応じてIPSDを減少させるように信号228のデューティサイクルを減少させてもよい。コントローラ220は、この制御ループを任意の充分な周波数で実現し得る。1つの特別な例として、コントローラ220は、100kHzで制御ループを実現(すなわち、IPSDに基づいて安定型の電力変換器226の動作を調節)してもよい。
【0027】
図3は、本開示の例に従った、モバイルデバイス302と電源アダプタ310とを含むシステム300の一例を示す概略図である。いくつかの例では、システム300は、図1のシステム100及び/又は図2のシステム200の例と見なされてもよい。図3に示すように、モバイルデバイス302は、処理回路308と、主充電器312と、並列充電器318と、電流センサ322と、蓄電装置324と、無線電力モジュール336と、スイッチ338とを含み得る。処理回路308、主充電器312、並列充電器318、電流センサ322、及び蓄電装置324はそれぞれ、少なくとも、図2の処理回路208、主充電器212、並列充電器218、電流センサ222、及び蓄電装置224と同様の動作を実行し得る。
【0028】
図3に示すように、モバイルデバイス302は、無線電力モジュール336と有線電力インターフェイス340とを含み得る。無線電力モジュール336は、無線電力モジュール336からの給電または無線電力モジュール336への給電のために誘導電力伝送を利用する誘導電力インターフェイス等の無線電力インターフェイスであり得る。無線電力モジュール336は、誘導結合、共振誘導結合、容量結合、磁気力学的結合、マイクロ波結合、又は光波結合を用い得る。無線電力モジュール336は、外部デバイス342との間で電力をやり取りするために用いられ得る。有線電力インターフェイスは、モバイルデバイス302との間で電力がやり取りされ得る任意の有線接続であり得る。有線電力インターフェイス340の例として、USBポート(例えば、マイクロUSB、USB-C(登録商標)、サンダーボルト(Thunderbolt(登録商標))等)、専用コネクタ、先端ポート及びスリーブポートなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
モバイルデバイス302は外部デバイス342と結合し得る。外部デバイス342は、(例えば、電源アダプタ310の代わりに)有線電力インターフェイス340に接続され得るか、又は無線電力モジュール336に無線で結合され得る。外部デバイス342は、USBケーブル充電のためのUSB充電器、例えば、コンピュータに結合されるUSBケーブル等、又は、プログラム可能な電源でのUSBケーブル充電のためのパワーブリック、例えば、有線電力インターフェイス340を介する電源アダプタ310等を含み得る。外部デバイス342は、ヘッドセット、フラッシュサムドライブ等のオンザゴー(on-the-go)USB負荷など、又は、ヘッドセットもしくは無線充電器等の無線デバイス上にあってもよい。
【0030】
図3の例では、並列充電器318は、図2の並列充電器218の例と比較して、追加の構成要素及び/又は機能を含み得る。例えば、図3の例では、並列充電器318は、双方向の安定型電力変換器として動作するように構成され得る。したがって、並列充電器318は、外部電源から供給される(例えば、有線電力インターフェイス340を介して電源アダプタ310から供給される)電力を用いて蓄電装置324を充電するための第1の電力信号を選択的に生成するように構成されてもよく、及び/又は、(例えば、蓄電装置324から供給される電気エネルギを用いて)モバイルデバイス302に結合された外部デバイス342に電力を提供するための第2の電力信号を生成するように構成されてもよい。
【0031】
並列充電器318は、並列充電器318と外部構成要素との間で電気エネルギの流れを方向付けるように構成された構成要素を含み得る。例えば、並列充電器318は電源スイッチ構造330を含んでもよい。図3の例に示すように、電源スイッチ構造330は、2つのバックトゥバック(back-to-back)接続型の負荷スイッチ332及びバックトゥバック接続型の負荷スイッチ334を含み得る。負荷スイッチ332及び334は、安定型の電力変換器326によって生成された電力信号を様々な宛先(例えば、無線電力モジュール336又は有線電力インターフェイス340を介して蓄電装置324及び外部デバイス342)を選択的に経由させることを可能にするとともに、安定型の電力変換器326が様々なソース(例えば、電源アダプタ310及び外部デバイス342)から受取った電気エネルギを用いて上記電力信号を生成することを可能にする、マルチプレクサとして機能し得る。一例として、負荷スイッチ332は、安定型の電力変換器326が有線電力インターフェイス340を介して電源アダプタ310から電気エネルギを選択的に得ることを可能にし得る。別の例として、負荷スイッチ334は、安定型の電力変換器326が外部デバイス342から電気エネルギを選択的に得ること又は外部デバイスに電気エネルギを選択的に供給することを可能にし得る。負荷スイッチ332及び334の例として、トランジスタ(例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal oxide semiconductor field effect transistor:MOSFET)等)、真空管、論理ゲート、又はネットワークスイッチが含まれる。負荷スイッチ332及び334は、各々が2つのスイッチを含むものとして示されているが、いくつかの例では、負荷スイッチ332及び334の各々がスイッチを1つしか含まない場合もある。
【0032】
モバイルデバイス302を以下の多種多様な充電シナリオで動作させることが望ましいだろう。具体的には、当該充電シナリオは、モバイルデバイス302が外部ソースから(例えば、有線電力インターフェイス340を介して電源アダプタ310から)電力を受取っているシナリオと、モバイルデバイス302が外部デバイスに電力を供給しているシナリオと、モバイルデバイス302が外部ソースから電力を受取り、同時に外部デバイスに電力を提供しているシナリオとを含む。このようなシナリオにおける電力伝送は、無線リンク(例えば、Qi規格を用いた無線充電を含む誘導無線充電)と有線リンク(例えば、USB電力供給(USB-PD)を含むユニバーサルシリアルバス(universal serial bus:USB(登録商標)))との両方を含む種々の接続タイプにわたって行なわれ得る。主充電器312及び並列充電器318はともに、双方向への電力伝送が可能であり得る。以下で説明するように、モバイルデバイス302は、各充電シナリオに最も効率的に対処するために主充電器312及び並列充電器318に動作を割り振ってもよい。
【0033】
図3に示すように、モバイルデバイス302のスイッチ338は、主充電器312を無線電力モジュール336に選択的に接続することを可能にし得る。主充電器312及び並列充電器318は、共存する使用事例においても、ケーブル充電、USB OTG/ヘッドセット、無線充電、逆無線充電、及び蓄電装置324の充電等の外部デバイス342の充電に対処し得る。主充電器312はまた、スイッチ338を介して外部デバイスを充電してもよく、又は、並列充電器318は、電源スイッチ構造330の負荷スイッチ334を介して外部デバイス342を充電してもよい。一例では、主充電器312は、蓄電装置324の標準ケーブル充電及び無線充電に対応し得るとともに、並列充電器318は、蓄電装置324の高速ケーブル充電と、電源スイッチ構造330を介した外部デバイス(例えば、USB OTG/ヘッドセット又は逆無線充電)への電力供給とに対応し得る。図3の例では、内部充電、外部充電及び使用事例をすべて多重化するために3つの負荷スイッチ(332、334及び338)が存在する。
【0034】
表1は、主充電器312及び並列充電器318の実現可能な充電シナリオ及び対応する動作のリストを示す。以下の説明では、頭字語USB CHGは、コンピュータ又はパワーブリックに結合されたUSBケーブル等のUSBケーブル充電のための主充電器を使用していることを表わす。パラレルCHGは、電源アダプタ310等のプログラマブル電源によるUSBケーブル充電のためにパラレル充電器318を使用していることを表わす。OTGは、ヘッドセット、フラッシュサムドライブ等のオンザゴーUSB負荷を表わす。WLC Rxは、通常の無線充電のための無線受信機を表わす。WTxは、逆無線充電のための無線送信機を表わす。
【0035】
USB充電器がモバイルデバイス302に結合されており、蓄電装置324が「バッテリ切れ」(例えば、<~2.6V)であるシナリオ1では、並列充電器318は、有線電力インターフェイス340等のUSB充電により蓄電装置324を充電するために用いられる。蓄電装置の電圧が低いので外部デバイス342の充電は行なわれない。
【0036】
USB充電器がモバイルデバイス302に結合されており、ユーザが逆無線充電の使用を望んでいるシナリオ2では、主充電器312は、蓄電装置324を充電するために使用され得るとともに、並列充電器318は、無線電力モジュール336を介する逆無線充電のために使用され得る。
【0037】
無線充電器がモバイルデバイス302に結合されているシナリオ3では、主充電器312は、無線電力モジュール336及びスイッチ338を介して蓄電装置324を充電するために使用され得る。
【0038】
無線充電器がモバイルデバイス302ならびにUSBオンザゴー(OTG)外部デバイスに結合されているシナリオ4では、主充電器312は、無線電力モジュール336及びスイッチ338を介して無線充電し得るとともに、並列充電器318は、スイッチ338を介してOTGデバイスに電力供給する。
【0039】
USB OTGデバイスがモバイルデバイス302に結合されているシナリオ5-1では、並列充電器318がOTGデバイスに電力供給し得る。しかしながら、主充電器312は、シナリオ5-2に示すように、並列充電器318と交互でOTGデバイスに電力供給してもよい。
【0040】
逆無線充電器デバイスがモバイルデバイス302に結合されているシナリオ6-1では、主充電器312は逆無線充電器に電力供給し得る。しかしながら、並列充電器318は、シナリオ6-2に示すように、主充電器312と交互で逆無線充電器に電力供給してもよい。
【0041】
逆無線充電器デバイス及びUSB OTGデバイスがモバイルデバイス302に結合されているシナリオ7-1では、主充電器312は逆無線充電器に電力供給し得るとともに、並列充電器318はOTGデバイスに電力供給し得る。しかしながら、並列充電器318は、シナリオ7-2に示すように、主充電器312と交互で、逆無線充電器および主充電器に電力供給して、USB OTGデバイスに電力供給してもよい。
【0042】
シナリオ8は、電源アダプタ310を含むデバイスがいずれも結合されていないシナリオを示す。
【0043】
【表1】
【0044】
図4は、本開示の例に従った、1つ以上の蓄電装置に電荷を提供する並列充電器回路の例示的な動作を示すフロー図である。図4に示される動作は、説明のために、図3のモバイルデバイス302の文脈で記載される。しかしながら、他のモバイルデバイスが図4の動作を実行してもよい。
【0045】
第1の期間中、モバイルデバイス302の主充電器312は、電源310から受取った電気エネルギを用いて蓄電装置324を充電するための第1の電力信号を生成し得る(402)。例えば、USB充電器がモバイルデバイス302に結合されており、ユーザが逆無線充電を使用することを望む場合、蓄電装置324を充電するために主充電器312が用いられ得るとともに、無線電力モジュール336を介する逆無線充電のために並列充電器318が用いられ得、主充電器312は、有線電力インターフェイス340を介して電源アダプタ310から受取った電気エネルギを用いて蓄電装置324を充電するための電力信号を生成し得る。
【0046】
(例えば、第1の期間とは異なっており、第1の期間とは重ならない)第2の期間中、モバイルデバイス302の並列充電器318が蓄電装置324を充電するための電力信号を生成することが望ましい場合がある。例えば、USB充電器がモバイルデバイス302に結合されており、蓄電装置324が「バッテリ切れ」であり、有線電力インターフェイス340等のUSB充電により蓄電装置324を充電するために並列充電器318が使用され得る場合、モバイルデバイス302の並列充電器318が蓄電装置324を充電するための第2の電力信号を生成することが望ましい可能性がある。第2の電力信号を生成するために、並列充電器318は、蓄電装置324を充電する充電電流を決定し得る(404)。例えば、並列充電器318のコントローラ320は、IPSDについて所望の値を決定し得る。一例として、コントローラ320は、上述のように1C充電レート等の蓄電装置324の容量に基づいて充電電流を決定してもよい。いくつかの例では、コントローラ320によって決定される充電電流は、第1の期間中に主充電器312によって提供される充電電流と同じであり得る。いくつかの例では、コントローラ320によって決定される充電電流は、第1の期間中に主充電器312によって提供される充電電流とは異なっている可能性もある。
【0047】
並列充電器318は、蓄電装置324に流れる総電流量を決定し得る(406)。当該総電流量は、並列充電器318によって供給される電流から電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含む。例えば、コントローラ320は、蓄電装置324に流れる総電流量(例えば、IPSD)を表わす電流センサ322から受信した信号に基づいて、蓄電装置324に流れる電流の量を決定してもよい。
【0048】
並列充電器318は、第1の期間と重ならない第2の期間中に、電源310から受取った電気エネルギを用いて、決定された総電流量に基づいて、決定された充電電流で蓄電装置324を充電するための第2の電力信号を生成し得る(408)。例えば、コントローラ320は、IPSDを当該決定された充電電流に近づけるために、IPCを増加又は減少させるように、並列充電器318の安定型の電力変換器326の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを調整してもよい。
【0049】
(例えば、第2の期間とは異なっており、第2の期間と重ならない)第3の期間中に、モバイルデバイス302の並列充電器318が、外部デバイス(例えば、図3の外部デバイス342)に提供されるべき電力信号を生成することが望ましい場合もある。例えば、無線充電器がモバイルデバイス302ならびにUSBオンザゴー(OTG)外部デバイスに結合されており、主充電器312が無線電力モジュール336及びスイッチ338を介して無線充電し得るとともに、並列充電器318がスイッチ338を介してOTGデバイスに電力供給し得る場合、モバイルデバイス302の並列充電器318が、外部デバイス342(例えば、OTGデバイス)に出力されるべき第3の電力信号を生成することが望ましい可能性がある。したがって、並列充電器318は、第2の期間と重ならない第3の期間中に、蓄電装置324から供給される電気エネルギを用いて、デバイスに結合されている外部デバイスに電力供給するための第3の電力信号を生成し得る(410)。
【0050】
図5は、本開示の例に従ったモバイルデバイス及び電源アダプタの例を概略的に示す図である。いくつかの例では、システム500は、図1のシステム100及び/又は図2のシステム200及び/又は図3のシステム300の例と見なされ得る。図5に示すように、モバイルデバイス502は、処理回路508と、主充電器512と、並列充電器518と、電流センサ522と、蓄電装置524と、無線電力モジュール536と、スイッチ538とを含み得る。処理回路508、主充電器512、並列充電器518、電流センサ522、及び蓄電装置524はそれぞれ、少なくとも、図2の処理回路208、主充電器212、並列充電器218、電流センサ222、及び蓄電装置224、ならびに図3の処理回路308、主充電器312、並列充電器318、電流センサ322、及び蓄電装置324と同様の動作を実行し得る。モバイルデバイス502は外部デバイス542と結合し得る。
【0051】
モバイルデバイスでは、特に充電中等のUSB経路において過電圧保護(over voltage protection:OVP)が有用であり得る。したがって、いくつかのモバイルデバイスは、OVPスイッチ等のOVP保護構成要素をUSB経路に含み得る。このようなOVPスイッチを含めることにより、部品数の増加及び基板面積の使用等の1つ以上の不利点が生じる可能性がある。本開示の1つ以上の技術に従うと、モバイルデバイス502を通る電力フローは、負荷スイッチ532/534のうちのあるスイッチがOVP保護をもたらし得るように構成され得る。したがって、モバイルデバイス502は、追加のOVP保護構成要素を含める必要なしにOVP保護を組込み得る。図5に示すように、負荷スイッチ532のスイッチ544はOVP機能を提供し得る。
【0052】
図5の例では、電源アダプタ510とモバイルデバイス502との間で有線電力インターフェイス540を介して受取られる電力についての電力の流れ全体が、ここで並列充電器518を通過する。電源アダプタ510から有線電力インターフェイス540を通過する電流はOVPスイッチ54を通過する。無線充電器がモバイルデバイス502に結合されている上述のシナリオ3と同様の例示的な状況では、無線電力モジュール536及びスイッチ538を介して蓄電装置524を充電するために主充電器512が使用され得る。USB充電器がモバイルデバイス502に結合されており、ユーザが外部デバイス542のために逆無線充電を使用することを望む上述のシナリオ2のような例示的な状況では、電力を有線電力インターフェイス540からOVPスイッチ544を介して主充電器512に、さらには蓄電装置524に送ることによって蓄電装置524を充電するために、主充電器512が使用され得る。また、負荷スイッチ534を介して無線電力モジュール336に、さらには無線で外部デバイス542に逆無線充電するために、並列充電器518が使用され得る。
【0053】
電源アダプタ510は、第1の対の負荷スイッチ532内のOVPスイッチ544において並列充電器518に直接結合され得る。OVPスイッチ540を通過した後、IBUS_INは、安定型の電力変換器526を通過し、蓄電装置524に到達し得る。又は、IBUS_INは、蓄電装置524及び外部デバイス542の充電に関して上述したシナリオに応じて、並列充電器518を通って主充電器512に到達し得る。
【0054】
以下の番号付けされた例は本開示の1つ以上の局面を例示し得る。
例1:デバイスは、蓄電装置と、電気負荷と、第1の安定型電力変換器とを備え、当該第1の安定型電力変換器は、第1の期間中に、当該デバイスの外部にある電源から受取った電気エネルギを用いて、当該蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するように構成された構成要素を含み、当該デバイスはさらに、第2の安定型電力変換器を備え、当該第2の安定型電力変換器は、当該蓄電装置を充電する充電電流を決定するように構成された構成要素と、当該蓄電装置に流れる総電流量を決定するように構成された構成要素とを含み、当該総電流量は、当該第2の安定型電力変換器によって供給される電流から当該電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、当該第2の安定型電力変換器はさらに、当該第1の期間と重ならない第2の期間中に、当該電源から受取った電気エネルギを用いて、当該決定された総電流量に基づいて、当該決定された充電電流で当該蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するように構成された構成要素を含む。
【0055】
例2:例1のデバイスにおいては、当該第2の安定型電力変換器は、双方向安定型電力変換器を含み、当該双方向安定型電力変換器の構成要素はさらに、当該第2の期間と重ならない第3の期間中に、当該蓄電装置から供給された電気エネルギを用いて、当該デバイスに結合された外部デバイスに電力供給するための第3の電力信号を生成するように構成される。
【0056】
例3:例1又は例2のデバイスにおいては、当該第2の安定型電力変換器はさらに、当該電源から受取った当該電気エネルギを用いて、当該蓄電装置を充電するための当該第2の電力信号を生成するように構成されたバックコンバータと、当該バックコンバータに電気的に結合されたコントローラとを備え、当該コントローラは、当該バックコンバータが、当該決定された充電電流及び当該電気負荷によって低減された当該電流に等しい電流の量で当該第2の電力信号を生成するように、当該決定された総電流量に基づいて当該バックコンバータのデューティサイクルを制御する。
【0057】
例4:例3のデバイスは、当該蓄電装置に流れる当該総電流量を表わす信号を生成するように構成された電流センサをさらに備え、当該コントローラは、当該電流センサによって生成される当該信号に基づいて、当該蓄電装置に流れる当該総電流量を決定するように構成される。
【0058】
例5:例3又は例4のデバイスにおいては、当該コントローラは、1Hz~100KHzの周波数で当該バックコンバータの当該デューティサイクルを更新する。
【0059】
例6:例2から例5のいずれか1つのデバイスは、当該第2の安定型電力変換器と当該電源との間に電気的に結合される1つ以上の負荷スイッチの第1のセットと、当該第2の安定型電力変換器と当該外部デバイスとの間に電気的に結合される1つ以上の負荷スイッチの第2のセットとをさらに備える。
【0060】
例7:例6のデバイスにおいては、当該負荷スイッチの第1のセットは、当該電源から受取った当該電気エネルギを当該第2の安定型電力変換器に方向付けるように構成され、当該負荷スイッチの第2のセットは、当該第3の電力信号を当該第2の安定型電力変換器から当該外部デバイスに方向付けるように構成される。
【0061】
例8:例6のデバイスにおいては、当該負荷スイッチの第1のセットのうちの特定のスイッチは、過電圧保護スイッチとして動作するように構成され、当該第1の電力信号を生成するために当該第1の安定型電力変換器によって用いられる当該電気エネルギは、当該特定のスイッチを通って流れる。
【0062】
例9:例2~例8のいずれか1つのデバイスはさらに、有線電力インターフェイスを備え、当該第1の電力信号を生成するために当該第1の安定型電力変換器によって用いられる当該電気エネルギは、当該有線電力インターフェイスを通って流れ、当該デバイスはさらに、無線電力モジュールを備え、当該第3の電力信号は、当該無線電力モジュールを介して当該外部デバイスに出力される。
【0063】
例10:例1~例9のいずれか1つのデバイスにおいては、当該電気負荷は、処理回路及びディスプレイのうちの1つ以上を含む。
【0064】
例11:例1~例10のいずれか1つのデバイスにおいては、当該蓄電装置は、第1の蓄電装置と、当該第1の蓄電装置と電気的に並列に結合された第2の蓄電装置とを含み、当該第2の蓄電装置は当該第1の蓄電装置とは異なる蓄電容量を有する。
【0065】
例12:方法は、第1の安定型電力変換器によって、第1の期間中に、電源から受取った電気エネルギを用いて、蓄電装置を充電するための第1の電力信号を生成するステップと、第2の安定型電力変換器によって、当該蓄電装置を充電する充電電流を決定するステップと、当該第2の安定型電力変換器によって、当該蓄電装置に流れる総電流量を決定するステップとを含み、当該総電流量は、当該第2の安定型電力変換器によって供給される電流から電気負荷によって低減される電流を減じた電流を含み、当該方法はさらに、当該第2の安定型電力変換器によって、当該第1の期間と重ならない第2の期間中に、当該電源から受取った電気エネルギを用いて、当該決定された総電流量に基づいて、当該決定された充電電流で当該蓄電装置を充電するための第2の電力信号を生成するステップを含む。
【0066】
例13:例12の方法はさらに、双方向安定型電力変換器を含む当該第2の安定型電力変換器によって、当該第2の期間と重ならない第3の期間中に、当該蓄電装置から供給される電気エネルギを用いて、蓄電装置、第1の安定型電力変換器、および、第2の安定型電力変換器を含むデバイスに結合された外部デバイスに電力供給するための第3の電力信号を生成するステップをさらに含む。
【0067】
例14:例12又は例13の方法においては、当該第2の安定型電力変換器は、当該電源から受取った当該電気エネルギを用いて当該蓄電装置を充電するための当該第2の電力信号を生成するバックコンバータをさらに備え、当該方法はさらに、当該バックコンバータが、当該決定された充電電流及び当該電気負荷によって低減された当該電流に等しい電流の量で当該第2の電力信号を生成するように、当該バックコンバータに電気的に結合されたコントローラによって、当該決定された総電流量に基づいて当該バックコンバータのデューティサイクルを制御するステップを含む。
【0068】
例15:例14の方法はさらに、当該蓄電装置に流れる当該総電流量を表わす信号を電流センサによって生成するステップをさらに含み、当該コントローラは、当該電流センサによって生成される当該信号に基づいて、当該蓄電装置に流れる当該総電流量を決定するように構成される。
【0069】
例16:例14又は例15の方法はさらに、当該コントローラによって、当該バックコンバータのデューティサイクルを1Hz~100KHzの周波数で更新するステップをさらに含む。
【0070】
例17:例13の方法はさらに、当該第2の安定型電力変換器と当該電源との間に電気的に結合された1つ以上の負荷スイッチの第1のセットによって、当該第2の安定型電力変換器の外部にある当該電源から受取った当該電気エネルギを方向付けるステップと、当該第2の安定型電力変換器と1つ以上の外部デバイスとの間に電気的に結合された1つ以上の負荷スイッチの第2のセットによって、当該第3の電力信号を当該蓄電装置から当該1つ以上の外部デバイスに方向付けるステップとをさらに含む。
【0071】
例18:例1~例17のいずれかの組合わせである。
上述の記載は、説明の目的で、特定の実現例を参照しながら説明されてきた。しかしながら、上述の例示的な説明は、網羅的であること、又は開示される主題の実現例を開示される厳密な形態に限定することを意図するものではない。上述の教示を考慮して多くの変更及び変形が可能である。実現例は、開示される主題の実現例の原理及びそれらの実際の適用例を説明するために選択及び記載されたものであり、これにより、他の当業者が、それらの実現例と、企図される特定の用途に適し得るように様々に変更が加えられた様々な実現例とを利用することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5