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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20250418BHJP
   A61B 18/00 20060101ALI20250418BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20250418BHJP
【FI】
A61B17/32 510
A61B18/00
A61B17/00
A61B17/00 700
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023529519
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2022008045
(87)【国際公開番号】W WO2022270011
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】63/214,193
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 宏一郎
(72)【発明者】
【氏名】木本 宏治
(72)【発明者】
【氏名】山田 順久
(72)【発明者】
【氏名】一方井 真倫
(72)【発明者】
【氏名】吉嶺 英人
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 健
(72)【発明者】
【氏名】目黒 親芳
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/171413(WO,A1)
【文献】特表2001-522256(JP,A)
【文献】特開2005-13612(JP,A)
【文献】特開2018-8027(JP,A)
【文献】中国実用新案第212547964(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0362828(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 - 18/28
34/00 - 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装を形成する筐体と、
画像を表示するとともにユーザ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルを駆動する駆動基板と、
外部のエネルギ処置具と電気的に接続する処置具コネクタと、を備え、
前記タッチパネル及び前記処置具コネクタは、
前記筐体の前面を構成する前面部から外部に露出した状態でそれぞれ設けられ、
前記前面部は、
前記タッチパネル及び前記駆動基板を支持するフロントパネルと、
前記フロントパネルの前面側を覆うフロントパネルカバーと、を備え、
前記タッチパネル及び前記駆動基板は、
前記駆動基板が前記タッチパネルの背面側に位置し、互いの間に隙間が設けられた状態で前記フロントパネルに対して支持され、
前記タッチパネルの前面と前記フロントパネルカバーの背面との間には、
枠状の防水フィルムが設けられている駆動装置。
【請求項2】
前記タッチパネルを支持しつつ、前記フロントパネルに対して固定される支持部材をさらに備え、
前記フロントパネル及び前記支持部材は、
金属材料によってそれぞれ構成され、互いに当接した状態で固定される請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記タッチパネルを支持しつつ、前記フロントパネルに対して固定される支持部材をさらに備え、
前記支持部材は、
下方に向かうにしたがって前面に向けて傾斜した姿勢で前記タッチパネルを支持する請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記タッチパネル及び前記駆動基板は、
前記タッチパネルの下端位置が前記駆動基板の下端位置よりも下方に位置する状態で前記フロントパネルに対して支持される請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記タッチパネルの前面には、
前記タッチパネルの左右端縁に沿ってそれぞれ延在する一対の堰止部材が配置されている請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記筐体の上面を構成する上面部と前記フロントパネルとの間には、
ガスケットが設けられている請求項1に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波等を利用した医療機器において、筐体の外部に露出した状態でタッチパネルを設けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-142399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネルと筐体との間からの当該筐体の内部への不意の漏水に対して、当該筐体の内部に設けられた当該タッチパネルを駆動する駆動基板等の電子部品の機能若しくは性能を万全に確保することへの必要性が望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タッチパネルと筐体との間からの当該筐体の内部への漏水対策を十分に施した構造を実現することができる駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る駆動装置は、外装を形成する筐体と、画像を表示するとともにユーザ操作を受け付けるタッチパネルと、前記タッチパネルを駆動する駆動基板と、外部のエネルギ処置具と電気的に接続する処置具コネクタと、を備え、前記タッチパネル及び前記処置具コネクタは、前記筐体の前面を構成する前面部から外部に露出した状態でそれぞれ設けられ、前記前面部は、前記タッチパネル及び前記駆動基板を支持するフロントパネルと、前記フロントパネルの前面側を覆うフロントパネルカバーと、を備え、前記タッチパネル及び前記駆動基板は、前記駆動基板が前記タッチパネルの背面側に位置し、互いの間に隙間が設けられた状態で前記フロントパネルに対して支持され、前記タッチパネルの前面と前記フロントパネルカバーの背面との間には、枠状の防水フィルムが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る駆動装置によれば、タッチパネルと筐体との間からの当該筐体の内部への漏水対策を十分に施した構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る処置システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、超音波処置具を示す図である。
図3図3は、筐体の構成を説明する図である。
図4図4は、筐体の構成を説明する図である。
図5図5は、フロントパネルに対するタッチパネルの支持構造を説明する図である。
図6図6は、フロントパネルに対するタッチパネルの支持構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0010】
〔処置システムの概略構成〕
図1は、実施の形態に係る処置システム1の概略構成を示す図である。
処置システム1は、骨等の生体組織に対して超音波振動を付与することによって、当該生体組織を処置する。ここで、当該処置とは、例えば、骨等の生体組織の除去や切削を意味する。なお、図1では、当該処置システム1として、前十字靭帯再建術を行う処置システムを例示している。
この処置システム1は、図1に示すように、内視鏡装置2と、処置装置3と、ガイディングデバイス4と、灌流装置5とを備える。
【0011】
内視鏡装置2は、図1に示すように、内視鏡21と、制御装置22とを備える。
内視鏡21は、図1に示すように、膝関節J1の関節腔C1の内部と皮膚外とを連通する第1のポータルP1を通して、挿入部211の先端部分が当該関節腔C1の内部に挿通される。そして、内視鏡21は、関節腔C1の内部に照射し、当該関節腔C1の内部で反射された照明光(被写体像)を取り込み、当該被写体像を撮像する。
制御装置22は、内視鏡21によって撮像された撮像画像に対して種々の画像処理を実行するとともに、当該画像処理後の撮像画像を表示装置(図示略)に表示させる。
【0012】
処置装置3は、図1に示すように、超音波処置具31と、駆動装置6と、フットスイッチ32とを備える。
図2は、超音波処置具31を示す図である。
超音波処置具31は、本発明に係るエネルギ処置具に相当する。この超音波処置具31は、図1及び図2に示すように、処置具本体311と、ブレード312(図2)と、シース313と、ケーブル314と、コネクタ315(図1)とを備える。
処置具本体311は、全体略円筒状に形成されている。そして、処置具本体311の内部には、ボルト締めランジュバン型振動子(Bolt-clamped Langevin-type transducer)によって構成され、供給された駆動電力に応じて超音波振動を発生する超音波トランスデューサ3111(図1図2)が収納されている。
【0013】
ここで、駆動装置6において、当該駆動装置6の外装を形成する筐体60(図1)の内部には、術者によるフットスイッチ32への操作に応じて、超音波トランスデューサ3111に対して当該駆動電力を供給する駆動回路(図示略)が設けられている。当該駆動電力の供給については、フットスイッチ32への操作に限らず、例えば、超音波処置具31に設けられた操作部(図示略)への操作に応じて行われても構わない。
なお、筐体60の構成については、後述する「筐体の構成」において説明する。
【0014】
ブレード312は、例えばチタン合金等によって構成され、略円柱形状を有する。このブレード312の基端部は、処置具本体311の内部において、超音波トランスデューサ3111に対して接続されている。そして、ブレード312は、超音波トランスデューサ3111が発生させた超音波振動を基端から先端まで伝達する。本実施の形態では、当該超音波振動は、ブレード312の長手方向に沿う縦振動である。また、ブレード312の先端部には、図2に示すように、先端処置部3121が設けられている。
【0015】
シース313は、処置具本体311よりも細長い円筒状に形成され、当該処置具本体311から任意の長さまでブレード312の外周の一部を覆っている。
ケーブル314の基端部は、処置具本体311の内部において、駆動エネルギ入力部3112と電気的に接続されている。また、ケーブル314の先端部には、コネクタ315が接続されている。
【0016】
以上説明した超音波処置具31の先端部分は、関節腔C1の内部と皮膚外とを連通する第2のポータルP2を通して当該関節腔C1の内部に挿通されたガイディングデバイス4によって案内されつつ、当該関節腔C1の内部に挿通される。そして、骨の処置対象部位に対して超音波処置具31の先端部分である先端処置部3121を接触させた状態で超音波振動を発生させると、ハンマーリング作用によって、当該先端処置部3121と機械的に衝突した骨の部分が微細な粒状に粉砕される。また、術者によって先端処置部3121が処置対象部位に対して押し込まれると、当該先端処置部3121は、骨を粉砕しながら当該処置対象部位の内部に進入していく。これによって、処置対象部位には、当該先端処置部3121の断面形状に応じた断面形状の骨孔が形成される。
【0017】
ガイディングデバイス4は、第2のポータルP2を通して関節腔C1の内部に挿通され、超音波処置具31における先端部分の当該関節腔C1の内部への挿通を案内する。
【0018】
ここで、関節腔C1の内部は、生理食塩水等の灌流液によって満たされている。そして、当該灌流液は、灌流装置5によって、関節腔C1の内部に送出されるとともに、当該関節腔C1の外部に排出される。この灌流装置5は、図1に示すように、液体源51と、送液チューブ52と、送液ポンプ53と、排液ボトル54と、排液チューブ55と、排液ポンプ56とを備える。
液体源51は、灌流液を収容する。
送液チューブ52は、一端が液体源51に対して接続され、他端が内視鏡21に対して接続されている。
送液ポンプ53は、送液チューブ52を通して、液体源51から内視鏡21に向けて灌流液を送出する。そして、内視鏡21に送出された灌流液は、挿入部211の先端部分に形成された送液孔(図示略)から関節腔C1の内部に送出される。
【0019】
排液ボトル54は、関節腔C1の外部に排出された灌流液を収容する。
排液チューブ55は、一端がガイディングデバイス4に対して接続され、他端が排液ボトル54に対して接続されている。
排液ポンプ56は、関節腔C1の内部に挿通されたガイディングデバイス4から排液チューブ55に至る流路を辿って、当該関節腔C1の内部の灌流液を排液ボトル54に排出する。
【0020】
〔筐体の構成〕
次に、筐体60の構成について説明する。
図3及び図4は、筐体60の構成を説明する図である。具体的に、図3は、駆動装置6を前面側から見た斜視図である。図4は、図3に示した筐体60を分解した分解斜視図である。
筐体60は、図3及び図4に示すように、前面部61と、背面部(図示略)と、底面部62と、トップカバー63とを有し、全体略直方体状に形成されている。具体的に、前面部61は、筐体60の前面を構成する部分である。また、背面部(図示略)は、筐体60の背面を構成する部分である。さらに、底面部62は、筐体60の底面を構成する部分である。また、トップカバー63は、筐体60の上面を構成する上面部64と、当該筐体60の一対の側面をそれぞれ構成する一対の側面部65とを有するU字状に形成された部分である。
【0021】
前面部61には、図3に示すように、処置具コネクタ61Aと、電源スイッチ61Bと、複数(本実施の形態では2つ)の操作スイッチ61Cと、タッチパネル61Dとが外部に露出した状態で設けられている。
処置具コネクタ61Aには、超音波処置具31のコネクタ315が着脱可能に接続される。そして、超音波処置具31と駆動装置6との間では、コネクタ315と処置具コネクタ61Aとが接続すると、ケーブル314を経由することによって、駆動電力の供給、及び制御信号の通信等が行われる。
電源スイッチ61Bは、駆動装置6の電源をオンするスイッチである。
2つの操作スイッチ61Cは、術者等のユーザによる各種の操作を受け付けるスイッチである。
タッチパネル61Dは、各種の画像を表示する表示パネル(図示略)と、当該表示パネルの表面に設けられ、ユーザ操作を受け付けるタッチパッド等の位置入力装置(図示略)とが組み合わされたパネルである。
【0022】
そして、前面部61は、図3及び図4に示すように、フロントパネル611(図4)と、フロントパネルカバー612とを備える。
フロントパネル611は、金属材料によって構成され、前面側から見て矩形状の板体である。
このフロントパネル611の上端部には、図4に示すように、当該上端部の全長に亘ってガスケット6111が取り付けられている。このガスケット6111は、フロントパネル611に対して、トップカバー63が組み付けられた際に、上面部64の内面に対して当接する。
【0023】
ここで、タッチパネル61Dと、当該タッチパネル61Dを駆動する駆動基板61E(図6参照)とは、フロントパネル611に対して支持される。
図5及び図6は、フロントパネル611に対するタッチパネル61Dの支持構造を説明する図である。具体的に、図5は、フロントパネル611に対するタッチパネル61Dの支持構造を前面側から見た斜視図である。図6は、フロントパネル611に対するタッチパネル61Dの支持構造を側方から見た図である。
具体的に、駆動基板61Eは、図6に示すように、当該駆動基板61Eの両面がフロントパネル611の前面と平行となる姿勢で当該フロントパネル611の前面に対して固定されている。また、タッチパネル61Dは、支持部材66によって支持された状態で、駆動基板61Eに対して隙間が設けられた状態で当該駆動基板61Eの前面側に配置されている。
【0024】
支持部材66は、金属材料によって構成されている。この支持部材66は、図5及び図6に示すように、第1の枠体661と、4つの脚部662とを備える。
第1の枠体661は、第1の開口部6611(図5)を有する矩形枠状に形成されている。そして、タッチパネル61Dは、第1の開口部6611に嵌め込まれた状態で、第1の枠体661に対して支持される。
また、第1の枠体661の前面には、図5及び図6に示すように、第1の開口部6611よりも小さい(タッチパネル61Dの外形サイズよりも小さい)第2の開口部6631(図5)を有し、金属材料によって構成された矩形枠状の板体である第2の枠体663が取り付けられている。すなわち、第2の枠体663は、タッチパネル61Dの前面側に配置されている。
なお、第2の枠体663において、上下方向にそれぞれ延在する左右の部分は、タッチパネル61Dの左右端縁に沿ってそれぞれ延在し、本発明に係る一対の堰止部材6632(図5)に相当する。
【0025】
4つの脚部662は、第1の枠体661の四隅から背面側に向けてそれぞれ突出し、フロントパネル611の前面に対して当接した状態で固定される部分である。なお、図11では、説明の便宜上、4つの脚部662のうち、下方に位置する2つの脚部662Dについては、1つのみを図示している。
【0026】
ここで、4つの脚部662のうち、上方に位置する2つの脚部662Uは、下方に位置する2つの脚部662Dよりも突出長さが短い。すなわち、支持部材66をフロントパネル611の前面に対して固定した場合には、タッチパネル61Dは、下方に向かうにしたがって前面に向けて傾斜した姿勢となる。また、当該場合には、図6に示すように、タッチパネル61Dの下端位置は、駆動基板61Eの下端位置よりも高さ寸法D1だけ下方に位置する。
【0027】
フロントパネルカバー612は、樹脂材料によって構成され、前面から見て矩形状の板体であり、フロントパネル611の前面を覆う。そして、フロントパネルカバー612には、図4に示すように、処置具コネクタ61A、電源スイッチ61B、複数の操作スイッチ61C、及びタッチパネル61Dを外部にそれぞれ露出するための開口部6121~6124が設けられている。
そして、フロントパネルカバー612の背面とタッチパネル61Dの前面との間には、それぞれ矩形枠状の第1,第2の防水フィルム(テープ)6125,6126(図4図6)が設けられている。これら第1,第2の防水フィルム6125,6126は、本発明に係る防水フィルムに相当する。
【0028】
第1の防水フィルム6125は、フロントパネルカバー612の背面において、タッチパネル61Dを外部に露出するための開口部6124の周囲に取り付けられている。この第1の防水フィルム6125は、フロントパネル611に対してフロントパネルカバー612が組み付けられた際に、第2の枠体663の前面に対して当接する。
第2の防水フィルム6126は、第2の枠体663の背面において、第2の開口部6631の周囲に取り付けられ、第1の枠体661に対して当該第2の枠体663が組み付けられた際に、タッチパネル61Dの前面に対して当接する。
【0029】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る駆動装置6では、当該駆動装置6の筐体60の前面を構成する前面部61は、タッチパネル61D及び駆動基板61Eを支持するフロントパネル611と、当該フロントパネル611の前面側を覆うフロントパネルカバー612とを備える。ここで、タッチパネル61D及び駆動基板61Eは、当該駆動基板61Eが当該タッチパネル61Dの背面側に位置し、互いの間に隙間が設けられた状態でフロントパネル611に対して支持される。また、タッチパネル61Dの前面とフロントパネルカバー612の背面との間には、枠状の第1,第2の防水フィルム6125,6126が設けられている。
このため、当該第1,第2の防水フィルム6125,6126によって、開口部6124の周縁部とタッチパネル61Dとの間の隙間をなくし、防水性を向上させることができる。また、タッチパネル61Dと駆動基板61Eとの間に隙間が設けられているため、仮に開口部6124から筐体60の内部に灌流液等の液体が浸入した場合であっても、駆動基板61Eの機能若しくは性能を万全に確保することができる。
したがって、本実施の形態に係る駆動装置6によれば、タッチパネル61Dと筐体60との間からの当該筐体60の内部への漏水対策を十分に施した構造を実現することができる。
【0030】
特に、樹脂材料によって構成されたフロントパネルカバー612と、金属材料によって構成された第2の枠体663とは、熱膨張係数が異なる。ここで、フロントパネルカバー612と第2の枠体663との間は、接着剤や封止材で完全に封止しているわけではなく、当該フロントパネルカバー612に取り付けられた第1の防水フィルム6125を当該第2の枠体663に当接させた構成としている。このため、フロントパネルカバー612に取り付けられた第1の防水フィルム6125と第2の枠体663との当接状態を維持しつつ、上述した熱膨張係数の差によって、当該フロントパネルカバー612が変形することを防止することができる。
【0031】
また、本実施の形態に係る駆動装置6では、フロントパネル611及び支持部材66は、金属材料によってそれぞれ構成され、互いに当接した状態で固定される。
このため、温度変化の影響によりフロントパネル611及び支持部材66がそれぞれ熱膨張及び熱収縮したとしても、当該フロントパネル611及び当該支持部材66の熱膨脹係数が近い構成となるため、当該フロントパネル611及び当該支持部材66間を互いに当接した固定状態を安定に維持することができる。したがって、開口部6124の周縁部とタッチパネル61Dとの間に不要に隙間が生じることがなく、筐体60の内部への漏水対策をさらに十分に施した構造を実現することができる。
【0032】
また、本実施の形態に係る駆動装置6では、支持部材66は、下方に向かうにしたがって前面に向けて傾斜した姿勢でタッチパネル61Dを支持する。
このため、タッチパネル61Dの前面に沿って流れる灌流液等の液体を一定の方向(筐体60の底面部62側)にのみ流す構造を実現することができる。すなわち、駆動基板61Eがタッチパネル61Dの背面側に配置しているため、タッチパネル61Dの前面に沿って流れる灌流液等の液体の流れる先には、駆動基板61Eが設置されていない。このため、仮に防水フィルム6125が破損し、タッチパネル61Dの前面に沿って灌流液等の液体が流れることによって筐体60の内部に浸入した場合であっても、当該液体による駆動基板61Eの不具合の発生を回避することができる。また、タッチパネル61Dの下端位置と駆動基板61Eの下端位置との隙間を大きくすることができるため、当該タッチパネル61Dの下端位置に留まった灌流液等の液体が筐体60の内部に向かう空気とともに背面側に飛び散った場合であっても、当該液体が駆動基板61Eに降り掛かることを回避することができる。
【0033】
また、本実施の形態に係る駆動装置6では、タッチパネル61D及び駆動基板61Eは、当該タッチパネル61Dの下端位置が当該駆動基板61Eの下端位置よりも下方に位置する状態でフロントパネル611に対して支持されている。
このため、仮に防水フィルム6125が破損し、タッチパネル61Dの下端位置に留まった灌流液等の液体が筐体60の内部に向かう空気とともに背面側に飛び散った場合であっても、当該液体が駆動基板61Eに降り掛かることを回避することができる。また、駆動基板61Eの下端位置を底面部62の上方に位置付けることができるため、仮に筐体60の内部に灌流液等の液体が浸入し、当該液体が底面部62に溜まった場合であっても、駆動基板61Eが当該液体中に入り込むことを回避することができる。
【0034】
また、本実施の形態に係る駆動装置6では、タッチパネル61Dの前面には、当該タッチパネル61Dの左右端縁に沿ってそれぞれ延在する一対の堰止部材6632が配置されている。
このため、タッチパネル61Dの前面に沿って流れる灌流液等の液体を一定の方向(筐体60の底面部62側)にのみ流す構造を実現することができる。すなわち、駆動基板61Eがタッチパネル61Dの背面側に配置しているため、タッチパネル61Dの前面に沿って流れる灌流液等の液体の流れる先には、駆動基板61Eが設置されていない。このため、仮に防水フィルム6125が破損し、タッチパネル61Dの前面に沿って灌流液等の液体が流れることによって筐体60の内部に浸入した場合であっても、当該液体による駆動基板61Eの不具合の発生を回避することができる。
【0035】
また、本実施の形態に係る駆動装置6では、上面部64とフロントパネル611との間には、ガスケット6111が設けられている。
このため、フロントパネル611と上面部64との間の隙間をなくし、防水性をさらに向上させることができる。
【0036】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態では、本発明に係るエネルギ処置具として、骨等の生体組織の除去や切削を行う超音波処置具31を例示したが、これに限らない。本発明に係るエネルギ処置具としては、血管等の生体組織の封止や切開を行う超音波処置具、高周波エネルギを生体組織に対して付与することによって当該生体組織を処置するエネルギ処置具、また、熱エネルギを生体組織に対して付与することによって当該生体組織を処置するエネルギ処置具を採用しても構わない。ここで、「高周波エネルギを生体組織に対して付与する」とは、高周波電流を生体組織に対して流すことを意味する。また、「熱エネルギを生体組織に対して付与する」とは、ヒータ等が発生した熱を生体組織に対して伝達することを意味する。
【符号の説明】
【0037】
1 処置システム
2 内視鏡装置
3 処置装置
4 ガイディングデバイス
5 灌流装置
6 駆動装置
21 内視鏡
22 制御装置
31 超音波処置具
32 フットスイッチ
51 液体源
52 送液チューブ
53 送液ポンプ
54 排液ボトル
55 排液チューブ
56 排液ポンプ
60 筐体
61 前面部
61A 処置具コネクタ
61B 電源スイッチ
61C 操作スイッチ
61D タッチパネル
61E 駆動基板
62 底面部
63 トップカバー
64 上面部
65 側面部
211 挿入部
311 処置具本体
312 ブレード
313 シース
314 ケーブル
315 コネクタ
611 フロントパネル
612 フロントパネルカバー
661 第1の枠体
662,662D,662U 脚部
663 第2の枠体
3111 超音波トランスデューサ
3121 先端処置部
6111 ガスケット
6121~6124 開口部
6125 第1の防水フィルム
6126 第2の防水フィルム
6611 第1の開口部
6631 第2の開口部
6632 堰止部材
C1 関節腔
D1 高さ寸法
J1 膝関節
P1 第1のポータル
P2 第2のポータル
図1
図2
図3
図4
図5
図6