(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】ゲート・カット・トレンチ内のデカップリング・キャパシタ
(51)【国際特許分類】
H10D 1/68 20250101AFI20250418BHJP
H10B 10/00 20230101ALI20250418BHJP
H10D 89/00 20250101ALI20250418BHJP
H10D 89/60 20250101ALI20250418BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20250418BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20250418BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20250418BHJP
H10D 89/10 20250101ALI20250418BHJP
H10D 84/80 20250101ALI20250418BHJP
H10D 84/85 20250101ALI20250418BHJP
【FI】
H10D1/68
H10B10/00
H10D89/00 101D
H10D89/60
H01L21/90 A
H01L21/88 Z
H01L21/88 J
H10D89/10 W
H10D84/80 101A
H10D84/85 F
H10D84/85 D
(21)【出願番号】P 2023530219
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2021083573
(87)【国際公開番号】W WO2022117565
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2024-05-16
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェガ、レイナルド
(72)【発明者】
【氏名】ウォルパート、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】安藤 崇志
(72)【発明者】
【氏名】アドゥスミッリ、プラニート
(72)【発明者】
【氏名】チー、チェン
【審査官】石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0005087(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358852(US,A1)
【文献】特開2009-088052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0006334(US,A1)
【文献】特表2009-500824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10D 1/68
H10B 10/00
H10D 89/00
H10D 89/60
H01L 21/768
H01L 21/3205
H10D 89/10
H10D 84/80
H10D 84/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造体であって、
第1のパワー・レールと、
前記第1のパワー・レールを第1のデカップリング・キャパシタの一部に接続する1つまたは複数の垂直積層コンタクト・ビアであって、前記第1のデカップリング・キャパシタが、第1のゲート・カット・トレンチ内の半導体基板の第1の部分にある、前記1つまたは複数の垂直積層コンタクト・ビアと
を備える半導体構造体。
【請求項2】
前記第1のゲート・カット・トレンチ内の前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1のデカップリング・キャパシタが、前記第1のゲート・カット・トレンチ内の前記半導体基板の前記第1の部分に第1の誘電体層を含む、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記第1のゲート・カット・トレンチ内の前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1のデカップリング・キャパシタが、前記第1のゲート・カット・トレンチ内の前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1の誘電体層上および分離トレンチの一部上に強誘電体材料の層を含む、請求項2に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記第1のデカップリング・キャパシタが、前記強誘電体材料と前記第1の誘電体層とを含む、請求項3に記載の半導体構造体。
【請求項5】
前記第1のゲート・カット・トレンチ内の半導体基板の前記第1の部分における前記第1のデカップリング・キャパシタが、前記第1のパワー・レールの下にあり、前記第1のパワー・レールに平行である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項6】
金属が強誘電体層に電気的に接触する、請求項3に記載の半導体構造体。
【請求項7】
前記第1のパワー・レールを接続する前記1つまたは複数の垂直積層コンタクト・ビアが、前記強誘電体層に電気的に接触する前記金属の上面に接続する、請求項6に記載の半導体構造体。
【請求項8】
前記強誘電体層に電気的に接触する前記金属が、前記第1のゲート・カット・トレンチ内の前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1のデカップリング・キャパシタを、前記第1のパワー・レールに電気的に接続する、請求項6に記載の半導体構造体。
【請求項9】
前記強誘電体材料に電気的に接触する前記金属の上面が、前記半導体基板の上面よりも上方にあり、前記半導体基板上にある分離トレンチの上面よりも下方にある、請求項6に記載の半導体構造体。
【請求項10】
前記
第1の誘電体層が二酸化ケイ素の層である、請求項3に記載の半導体構造体。
【請求項11】
第2のパワー・レールと、
前記第2のパワー・レールを第2のデカップリング・キャパシタの一部に接続する1つまたは複数の垂直積層コンタクト・ビアであって、前記第2のデカップリング・キャパシタが、第2のゲート・カット・トレンチ内の半導体基板の第2の部分にあり、前記第2のゲート・カット・トレンチが、前記半導体基板の1つまたは複数の部分における分離トレンチを通り、前記半導体基板の前記1つまたは複数の部分における前記分離トレンチ上にあるゲートを通り
、第2の分離トレンチが、前記半導体基板の前記第2の部分内に延びる、前記1つまたは複数の垂直積層コンタクト・ビアと、
前記半導体基板の前記第1の部分に隣接する前記半導体基板の第3の部分および前記半導体基板の前記第2の部分に隣接する前記半導体基板の第4の部分における1つまたは複数の活性デバイス領域であって、前記半導体基板の前記第2の部分と前記半導体基板の前記第2の部分に隣接する前記半導体基板の第4の部分とが、n型ドーパントまたはp型ドーパントのうちの一方でドープされる、前記活性デバイス領域と
をさらに備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項12】
半導体構造体であって、
第1のパワー・レールの下の半導体基板の第1の部分における第1のゲート・カット・トレンチと、
前記半導体基板の前記第1の部分における第1の金属層と、
前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1の金属層上の第1の誘電体層と、
前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1の金属層上の前記第1の誘電体層上、前記半導体基板の上方の分離トレンチの底部上、および前記第1のゲート・カット・トレンチの一部内の強誘電体層と
を備える、半導体構造体。
【請求項13】
前記強誘電体層に電気的に接触する第2の金属と、
前記強誘電体層に電気的に接触する前記第2の金属の第1の部分上の第3の金属材料であって、前記第1のパワー・レールの下にある前記第3の金属材料と、
前記強誘電体層に電気的に接触する前記第2の金属の第2の部分上の第2の誘電体材料であって、前記強誘電体層に電気的に接触する前記第2の金属の露出部分を覆い、前記強誘電体層の露出部分を覆う、前記第2の誘電体材料と、
前記強誘電体層に電気的に接触する前記第2の金属の前記第1の部分上の前記第3の金属材料と、前記
第1のパワー・レールとの電気接続部と
をさらに備える、請求項12に記載の半導体構造体。
【請求項14】
前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1の金属層と、前記第1の金属層上の前記
第1の誘電体層と、前記第1のゲート・カット・トレンチ内で前記半導体基板の前記第1の部分の上方に延びる、前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1の金属層上の前記
第1の誘電体層上の前記強誘電体層とが、デカップリング・キャパシタを形成する、請求項12に記載の半導体構造体。
【請求項15】
前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1の金属層と、前記第1の金属層上の前記
第1の誘電体層と、前記強誘電体層と、前記強誘電体層に電気的に接触する前記第2の金属とが、金属-強誘電体-絶縁体-金属積層体を形成する、請求項13に記載の半導体構造体。
【請求項16】
前記半導体基板の前記第1の部分における前記第1のゲート・カット・トレンチの上部が、ゲートの上部と同じ高さであり、前記ゲートの1つまたは複数の部分が、前記半導体基板の1つまたは複数の第2の部分における1つまたは複数の活性デバイス領域を含む、請求項12に記載の半導体構造体。
【請求項17】
前記1つまたは複数の活性デバイス領域の下にある前記半導体基板の1つまたは複数の第2の部分のうちの少なくとも一部が、n型ドーパントまたはp型ドーパントのうちの少なくとも一方でドープされる、請求項16に記載の半導体構造体。
【請求項18】
第2のパワー・レールの下の半導体基板の第2の部分における第2のゲート・カット・トレンチと、
前記半導体基板の前記第2の部分における第1の金属層と、
前記半導体基板の前記第2の部分における前記第1の金属層上の誘電体層と、
前記半導体基板の前記第2の部分における前記第1の金属層上の前記誘電体層上、および前記第2のゲート・カット・トレンチの一部内の分離トレンチの底部上の強誘電体層であって、前記分離トレンチが、前記第2のゲート・カット・トレンチに隣接する前記半導体基板の上方にある、前記強誘電体層と
をさらに備える、請求項12に記載の半導体構造体。
【請求項19】
半導体構造体であって、
パワー・レールと
前記パワー・レールの下のゲート・カット・トレンチと、
前記ゲート・カット・トレンチ内の半導体基板の一部上の誘電体層と、
前記誘電体層上および前記半導体基板の上方の前記ゲート・カット・トレンチの垂直面上の強誘電体層と、
前記強誘電体層に電気的に接触する金属と
を備える半導体構造体。
【請求項20】
前記強誘電体層に電気的に接触する前記金属と前記パワー・レールとの電気接続部であって、前記接続部が、前記強誘電体層に電気的に接触する前記金属と前記パワー・レールとの間に1つまたは複数のコンタクト・ビアを含む、前記電気接続部をさらに備える、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項21】
前記パワー・レールの下の前記ゲート・カット・トレンチが、ゲートを通り、前記半導体基板上の分離トレンチを通り、前記半導体基板の上部を通り、中間層誘電体材料の下にある、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項22】
デカップリング・キャパシタを半導体基板に形成する方法であって、
1つまたは複数の第1のエッチング・プロセスを実行して、半導体基板上の分離トレンチ上にある第1の中間層誘電体の一部を除去し、前記除去された第1の中間層誘電体の下にある分離トレンチの一部を除去し、ゲート・カット・トレンチを形成する前記分離トレンチの除去部分の下の半導体基板の上部を除去することと、
前記ゲート・カット・トレンチを形成する前記除去された分離トレンチの下の前記半導体基板の残りの上部に誘電体材料の層を堆積させることと、
前記誘電体材料上および前記半導体基板の上方の前記分離トレンチの残りの部分上に強誘電体材料の層を堆積させることと、
強誘電体層に第1の金属を堆積させることと
を含む方法。
【請求項23】
前記強誘電体層の上部および前記強誘電体層上の前記第1の金属の上部をエッチングすることであって、前記強誘電体層の表面および前記第1の金属の表面が、前記半導体基板よりも上方かつ前記分離トレンチの上面よりも下方にある、前記エッチングすることと、
誘電体キャップを第2の金属層および第1の中間層誘電体材料に堆積させることと、
第1の化学機械研磨を実行して、前記第1の中間層誘電体材料上の前記誘電体キャップの一部を除去することと、
1つまたは複数の第2のエッチング・プロセスを実行して、前記第1の金属上の前記誘電体キャップの少なくとも一部を除去し、前記第1の金属の一部を露出させ、コンタクト・ビア開口部を形成することと、
前記コンタクト・ビア開口部内、前記強誘電体層上の前記第1の金属の露出部分、および前記第1の中間層誘電体材料上に、前記第2の金属層を堆積させることと、
第2の化学機械研磨を実行して、前記第1の中間層誘電体材料上の前記第2の金属層の一部を除去することと、
前記第1の中間層誘電体材料および前記第2の金属層の残りの部分上に第2の中間層誘電体材料の層を堆積させることと、
前記第2の中間層誘電体材料の一部を選択的にエッチングすることと、
前記第2の中間層誘電体材料および前記第2の金属層上に第3の金属層を堆積させることと、
前記第2の中間層誘電体材料上にある前記第3の金属層を除去してビア・コンタクトを形成することと、
第4の金属層を堆積させることと、
前記第4の金属層をエッチングして、前記ビア・コンタクトの各々の上にパワー・レールを形成することと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
デバイス回路であって、
少なくとも1つのパワー・レールと、
半導体基板の一部内に延びる、前記少なくとも1つのパワー・レールの各々の下のゲート・カット・トレンチであって、前記少なくとも1つのパワー・レールのうちの1つの下の前記ゲート・カット・トレンチが、ウェルを形成する前記半導体基板のドープ領域内に延びる、前記ゲート・カット・トレンチと、
前記半導体基板の前記一部上の絶縁層と、
前記半導体基板の前記一部上の前記絶縁層および前記ゲート・カット・トレンチの底部の側面上の強誘電体層と
を備えるデバイス回路。
【請求項25】
前記強誘電体層上の第1の金属層と、
第1の金属層を前記少なくとも1つのパワー・レールに接続する1つまたは複数の垂直積層コンタクトであって、前記絶縁層と前記強誘電体層とが、前記少なくとも1つのパワー・レールの各々の下の前記ゲート・カット・トレンチ内にデカップリング・キャパシタを形成する、前記垂直積層コンタクトと、
前記半導体基板のドープ領域および前記絶縁層の下面に直接接触する下部金属電極と、
前記強誘電体層および前記パワー・レールに電気的に接続された上部金属電極と
をさらに備える、請求項24に記載のデバイス回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体メモリ・デバイス技術の分野に関し、より詳細には、半導体回路のパワー・レールの下のゲート・カット・トレンチ内にデカップリング・キャパシタを形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造および設計は、半導体デバイス性能の向上に向けてさらに努力しながら、線幅およびデバイス要素間の間隔が小さくなるにつれて、絶えずより多くの回路を半導体チップにパッケージ化している。従来、トランジスタは、半導体基板に形成され、トランジスタの上方に形成された相互接続部の層およびパワー構造体によって互いに接続されている。一般にスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)などのメモリ・デバイスと共に使用される従来のパワー・レールは、通常、トランジスタの上方の相互接続層に存在する。相互接続層内の従来のパワー・レールは、かなり大きい面積を使い、半導体性能要件を満たすために、通常、大きい電源ガードバンドを使用してパワー・レール・ノイズに対処する。パワー・レール・ノイズを低減させ、半導体デバイス性能を向上させるために、相互接続層に形成された金属-絶縁体-金属キャパシタ(MIMCAP)、またはシリコン・オン・インシュレータ半導体基板の絶縁層に形成されたディープ・トレンチ・キャパシタなどのデカップリング・キャパシタを使用して、パワー・レール・ノイズを低減させ、半導体デバイス性能を向上させる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、半導体デバイスの半導体構造体および半導体構造体を形成する方法を提供し、半導体構造体は、第1のパワー・レールと、第1のパワー・レールを第1のデカップリング・キャパシタの一部に電気的に接続する1つまたは複数の垂直積層コンタクト・ビアとを備える。半導体構造体は、第1のゲート・カット・トレンチ内の半導体基板の第1の部分に第1のデカップリング・キャパシタを備える。
【0004】
本発明の実施形態は、半導体デバイスの半導体構造体および半導体構造体を形成する方法を提供し、半導体構造体は、第1のパワー・レールの下の半導体基板の第1の部分における第1のゲート・カット・トレンチと、半導体基板の第1の部分における第1の金属層とを備える。半導体構造体は、半導体基板の第1の部分における第1の金属層上の誘電体層と、半導体基板の第1の部分における誘電体層上、半導体基板の上方の浅い分離トレンチの底部上、およびゲート・カット・トレンチの一部内の強誘電体層とを備える。
【0005】
本発明の実施形態は、半導体デバイスの半導体構造体および半導体構造体を形成する方法を提供し、半導体構造体は、パワー・レールと、パワー・レールの下のゲート・カット・トレンチとを備える。半導体構造体は、ゲート・カット・トレンチ内の半導体基板の一部上の誘電体層を備える。さらに、半導体構造体は、誘電体層上および半導体基板の上方のゲート・カット・トレンチの垂直面上の強誘電体層と、強誘電体層内の金属とを備える。
【0006】
本発明の様々な実施形態の上記その他の態様、特徴、および利点は、添付図面と併せた以下の説明からより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による、2つのパワー・レールを有する半導体回路の配置を上から見た図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面A-A’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面B-B’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面C-C’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面A-A’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面B-B’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図5C】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面C-C’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図6A】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面A-A’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図6B】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面B-B’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図6C】本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面A-A’を通る半導体構造体の断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による、ゲート・カット・トレンチがないときの、強誘電体材料上に配置された4.4eV仕事関数金属と強誘電体材料上に配置された4.9eV仕事関数金属との技術コンピュータ支援設計(TCAD)解析の結果を示すグラフである。
【
図8】本発明の第2の実施形態による、ゲート・カット・トレンチ深さが20nmのときの、強誘電体材料上に配置された4.4eV仕事関数金属と強誘電体材料上に配置された4.9eV仕事関数金属とのTCAD解析の結果を示すグラフである。
【
図9】本発明の第2の実施形態による、ゲート・カット・トレンチ深さが20nmであり、二酸化ケイ素層が半導体基板に隣接していないときの、強誘電体材料上に配置された4.4eV仕事関数金属と強誘電体材料上に配置された4.9eV仕事関数金属とのTCAD解析の結果を示すグラフである。
【
図10】本発明の第2の実施形態による、様々な材料および様々なゲート・カット・トレンチ深さについてのピーク静電容量対残留分極を示すグラフである。
【
図11】本発明の一実施形態による、ゲート堆積後の半導体構造体を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、中間層誘電体(ILD)、STI層、および半導体基板の上部を通るゲート・カット・トレンチのエッチング後の半導体構造体を形成する、
図1のA-A’を通る断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態による、半導体基板上への誘電体材料層の形成後の半導体構造体を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態による、ゲート・カット・トレンチ内における強誘電体材料および金属材料の堆積およびエッチング後の半導体構造体を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態による、半導体構造体上への誘電体キャップ材料の堆積および半導体構造体の上面の平坦化後の半導体構造体を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、コンタクト・ビアの形成後の半導体構造体を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、パワー・レールが、通常、トランジスタの上方の相互接続層に存在することを認識する。本発明の実施形態は、パワー・レール・ノイズがシステム性能に悪影響を与えることを認識する。パワー・レール・ノイズは、瞬間的なピーク・ドレイン電圧供給を増加させ、またはノイズ・サイクル全体を通してVddを増加させる。パワー・レール・ノイズの増加は、Vddガードバンドの必要性を高め、これにより公称電圧を低下させる。本発明の実施形態は、ガードバンドが大きいほど、半導体回路の公称動作電圧が低下し、したがって、所与の半導体回路設計の性能が低下することを認識する。本発明の実施形態は、パワー・レール・ノイズを低減させることにより、半導体回路設計の公称動作電圧を増加させることができ、したがって、半導体回路設計の性能が向上することを認識する。
【0009】
本発明の実施形態は、デカップリング・キャパシタがパワー・レール・ノイズを低減させることを認識する。場合によっては、バック・エンド・オブ・ライン(BEOL)におけるディープ・トレンチ・キャパシタまたはMIMCAPをデカップリング・キャパシタとして使用して、ノイズを低減させる。本発明の実施形態は、バック・エンド・オブ・ライン(BEOL)半導体プロセスにおいて形成された金属-絶縁体-金属キャパシタ(MIMCAP)が、BEOL配線の抵抗回路網に起因して、より低い静電容量密度と限られた周波数応答とを提供することを認識する。本発明の実施形態は、高い静電容量密度を有するデカップリング・キャパシタをパワー・レールにできるだけ近接して配置することが、半導体チップおよびシステムの性能を向上させることを認識する。
【0010】
本発明の実施形態は、半導体基板のゲート・カット・トレンチ内にデカップリング・キャパシタを形成する方法を提供する。ゲート・カット・トレンチ内のデカップリング・キャパシタは、パワー・レールに平行にパワー・レールの下方で延びる。デカップリング・キャパシタをパワー・レールの下方で半導体基板に形成するために、ゲート・カット・トレンチは、従来のゲート・カット・トレンチよりも深くカットされまたはエッチングされる。本発明の実施形態は、ゲートの一部、ゲートの除去部分の下の浅いトレンチ分離(STI)の一部、および半導体基板の上部を除去する1回または複数回のエッチングを実行することにより、半導体基板の上部にデカップリング・キャパシタを形成する方法を含む。ゲート・カット・トレンチは、通常、ゲートの端部を通ってエッチングされ、STIの上面まで下方に延びるが、本発明の実施形態は、ゲート・カット・トレンチをより深くエッチングして、ゲート・カット・トレンチが半導体基板の上部内に延びるようにする。ゲート・カット・トレンチが半導体基板内に延びることにより、半導体基板のゲート・カット・トレンチ内にデカップリング・キャパシタ材料を堆積させることができる。パワー・レールのすぐ下方で半導体基板のディープ・ゲート・カット・トレンチ内に形成されたデカップリング・キャパシタは、従来のMIMCAPまたは従来のディープ・トレンチ・デカップリング・キャパシタよりもパワー・レールに近接している。
【0011】
本発明の実施形態は、パワー・レール・ノイズを低減させる、より深いゲート・カット・トレンチを使用する、半導体基板内のデカップリング・キャパシタを提供し、MIMCAPまたは従来のディープ・トレンチ・キャパシタよりもパワー・レールに近接させる。デカップリング・キャパシタをパワー・レールに近接させて配置することにより、デカップリング・キャパシタとパワー・レールとの間のレジスタ-キャパシタ(RC)回路遅延が低減し、周波数応答が向上する。さらに、半導体基板に埋め込まれたデカップリング・キャパシタは、半導体回路性能を向上させるために、より小さいパワー・レール・ガードバンドおよびより高い公称電圧を可能にする。
【0012】
本発明の実施形態は、ゲート・カット・トレンチ内のデカップリング・キャパシタのいくつかの異なる材料の組合せおよび半導体構造体を提供して、デカップリング・キャパシタの異なるレベルの性能をもたらすプロセスおよび材料の設計トレードオフを可能にする。本発明の実施形態は、デカップリング・キャパシタの異なる電気的性能をもたらす、誘電体材料、強誘電体材料、および金属の異なる積層体の組合せを有する、半導体基板内のデカップリング・キャパシタを提供する。本発明の実施形態は、デカップリング・キャパシタを形成する誘電体材料と強誘電体材料とを提供する。本発明の実施形態はまた、別のデカップリング・キャパシタを形成する金属-強誘電体-絶縁体-金属(MFIM)積層体の金属材料、高k誘電体材料、および強誘電体材料を提供する。本発明の実施形態は、半導体基板のゲート・カット・トレンチの深さを増加させることにより、半導体基板内により大きいデカップリング・キャパシタを形成して、デカップリング・キャパシタの静電容量密度を向上させる方法を提供する。
【0013】
本発明の実施形態は、半導体基板内にデカップリング・キャパシタを形成する方法を提供する。方法は、1つまたは複数のエッチング・プロセスおよび単一のゲート・カット・エッチング・マスクを使用して、ゲート・カット・トレンチのエッチング深さを増加させることを含む。方法は、標準的なゲート・カット・トレンチ・エッチングを、例えばSTIの上部まで実行することと、次に、STIを通ってエッチングし、半導体基板内へのエッチングを続けることにより、標準的なゲート・カット・トレンチを深くすることとを含む。1つまたは複数のエッチング・プロセスを使用して、ゲート・カット・トレンチを半導体基板内に延ばすように、エッチングされるゲート・カット・トレンチの深さを増加させる。方法は、後のステップでパワー・レールが形成される箇所の下方でこれに平行に、ゲート・カット・トレンチをエッチングすることを含む。
【0014】
方法は、より深いゲート・カット・トレンチ内の半導体基板表面に誘電体材料の層を形成することをさらに含む。誘電体材料の層の形成後、ゲート・カット・トレンチ内に強誘電体材料を堆積させる。第1の金属材料は、ゲート・カット・トレンチの凹部内(例えば、デカップリング・キャパシタ上)に堆積される。強誘電体材料および第1の金属材料は、STIの上面よりも下方の高さまでエッチングされる。この方法では、誘電体材料は、ゲート・カット・トレンチ内で金属材料上および強誘電体材料上に堆積される。ゲート・カット・トレンチの一端部における誘電体材料の選択的エッチングを、ゲートの上面に接触するゲート・カット・トレンチの中央部上の誘電体材料の選択的エッチングと共に行うことができる。別の金属層が、半導体基板上および誘電体材料が除去されたゲート・カット・トレンチの部分内に堆積されて、デカップリング・キャパシタに接続するコンタクト・ビアを形成し、ゲートとのコンタクトを形成する。
【0015】
本発明の実施形態は、パワー・レール・ノイズを低減させ、チップ性能を向上させるために、パワー・レールの一端部に接続し、かつ半導体基板内でパワー・レールに平行にパワー・レールの下に延びるデカップリング・キャパシタを形成する方法を提供する。
【0016】
図1~
図6Cおよび
図11~
図16は、2つのデカップリング・キャパシタを含む例示的な半導体構造体を示し、各デカップリング・キャパシタは、パワー・レールの下にあり、一端部でパワー・レールに接続されている。本発明の実施形態において、
図2~
図5Cに示す半導体構造体は、ゲート・カット・トレンチ内の金属-強誘電体-絶縁体-半導体(MFIS)積層体を示す。本発明の実施形態において、
図6A~
図6Cの半導体構造体は、ゲート・カット・トレンチ内の金属-強誘電体-絶縁体-金属(MFIM)積層体を示す。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による、パワー・レール3Aおよび3Bを有する半導体回路の配置100を上から見た図である。配置100は、活性領域7のフィンを使用する論理セルまたはデバイス回路としてのインバータに関するが、半導体回路は、フィンを有するインバータの配置100に限定されない。例えば、配置100は、NOT-AND(NAND)ゲートまたはNOT-OR(NOR)ゲートなどの論理セルまたは論理ゲートを表していてもよい。NANDゲートは、すべての入力が真である場合のみ、偽である出力を生じさせる論理ゲートである。論理ゲートまたはデバイス回路としてのNORゲートは、両方の入力が負であるときに正の出力を生じさせる。他の実施形態において、平面構造体(例えば、フィン型電界効果トランジスタではなく平面型電界効果トランジスタ)またはナノシート構造体などの別のタイプの半導体構造体を使用して、別のタイプのデバイス回路を形成してもよい。
【0018】
図1は2つのパワー・レールを示すが、他の実施形態において、3つ以上のパワー・レールが配置100の半導体回路または論理セルに存在する。図示するように、
図1は、ゲート・カット・マスク1、ゲート2A、補助ゲート2B、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、トレンチ・コンタクト・ビア5、ゲート・コンタクト・ビア8、ビア・コンタクト4の下に延びるソース/ドレイン・コンタクト6、活性領域7、第1の金属層(M1)の線11、ならびに配置100の半導体回路を通る断面A-A’、B-B’、およびC-C’の図を含む。
図1に示すように、対のトレンチ・コンタクト・ビア5の各コンタクトは、パワー・レール3Aまたはパワー・レール3Bのうちの一方に接続する。
図4の断面C-C’は、トレンチ・コンタクト・ビア5の各々をさらに示し、トレンチ・コンタクト・ビア5は、ゲート・カット・トレンチ内に形成されたデカップリング・キャパシタに接続し、ビア・コンタクト4によってパワー・レール3Aまたは3Bのうちの一方に接続している。このようにして、パワー・レール3Aおよび3Bの各々は、トレンチ・コンタクト・ビア5のうちの一方によって、パワー・レール3Aおよび3Bの下のゲート・カット・トレンチ内のデカップリング・キャパシタに直接接続する(
図4に示す)。
【0019】
パワー・レール3Aおよび3Bは、少なくとも第1の金属層、すなわちM1に存在し、当業者に知られているように、パワー・レール3Aおよび3Bは、M1の上方の1つまたは複数の金属層(図示せず)に存在してもよい。本発明の様々な実施形態において、パワー・レール3Aおよび3Bは、トレンチ・コンタクト・ビア5、ビア・コンタクト4、および金属材料(例えば、
図4の金属20)を含むものと考えられ、これらはパワー・レール3Aおよび3Bの下方にあり、パワー・レール3Aおよび3Bに電気的に接続されている。様々な実施形態において、パワー・レール3Aは接地パワー・レールである。様々な実施形態において、パワー・レール3Bは、nウェルに関連付けられた直流電源(VDD)パワー・レールである。nウェルは、n型材料でドープされた半導体基板の一部である(例えば、p型電界効果トランジスタ(PFET)の一部であり得る)。他の例では、パワー・レール3Aおよび3Bの接地機能およびVDD機能を入れ替えてもよい(例えば、パワー・レール3AがVDDパワー・レールである)。
【0020】
様々な実施形態において、ゲート・カット・マスク1は、
図2で示すようにゲート2Aの一部が除去される位置を示す。当業者に知られているように、ゲート・カット・マスク1を使用して、ゲート2Aの方向に垂直なカットまたはエッチングを規定することができる(例えば、ゲート2Aをエッチングするために使用するとき、ゲート・マスク1はゲート2Aの端部を規定する)。このようにして、ゲート2Aの縁部または端部が、ゲート・カット・マスク1を使用するゲート2Aのエッチングによって形成されるとき、ゲート・カット・マスク1を使用して形成されていないゲートと比較して、縁部はゲート2Aに高い電気的性能をもたらす。補助ゲート2B上のゲート・カット・マスク1は存在しなくてもよいが、他の例では、補助ゲート2B上のゲート・カット・マスク1の考えられる位置として示されている。
図1では、1つのゲート・カット・マスク1がパワー・レール3Aおよび3Bの各々の下にあり、パワー・レール3Aおよび3Bのそれぞれに平行に延びる。
【0021】
図示するように、配置100の左側の線11は、配置100に示す半導体回路への入力であってよく、配置100の右側の線11は、半導体回路の出力であってよい。様々な実施形態において、配置100の下部の活性領域7は、nウェルに関連付けられて、p型電界効果トランジスタ(PFET)を形成する。一部の実施形態において、配置100の下部の活性領域7は、pウェルに関連付けられて、NFETを形成する。インバータに関する配置100として示されているが、他の実施形態において、
図4に示すようなパワー・レール3Aおよび3Bの下のデカップリング・キャパシタは、NANDゲート、NORゲート、またはバッファ論理ゲートなどの別のタイプの回路デバイスに関連付けられ、ただし、これらのタイプの半導体デバイス回路または論理セルに限定されない。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態による、
図1に示す配置100の断面A-A’を通る半導体構造体200の断面図である。断面A-A’は、ゲート2Aに平行で、ゲート・カット・トレンチ10の各々がゲート2Aに垂直でありゲート2Aを貫通するように、ゲートを通る(例えば、A-A’は、ゲート2Aの長さまたは長さ寸法に平行に延びるゲート2A内にある)。ゲート・カット・トレンチ10内の誘電体キャップ23の一側に中間層誘電体材料(ILD)29が示されているが、他の実施形態において、ゲート2Aは、STI27の上方で誘電体キャップ23の両側に存在する。
【0023】
図示するように、パワー・レール3Aおよび3Bの各々の下のゲート・カット・トレンチ10は、ゲート2Aの上部から半導体基板26およびnウェル25の上部内に延びる。ゲート・カット・トレンチ10は、誘電体層22、強誘電体層21、強誘電体層21内の金属20、ならびに金属20および強誘電体層21の一部上の誘電体キャップ23を含む。強誘電体層21と誘電体層22とは、ゲート・カット・トレンチ10内のデカップリング・キャパシタを形成する。デカップリング・キャパシタは、半導体基板26およびnウェル25内に深さdを有する。パワー・レール3Aおよび3Bは各々、強誘電体層21と誘電体層22とから形成されたデカップリング・キャパシタの上方にあり、これに平行である。
【0024】
図示するように、
図2はゲート・コンタクト・ビア8も含み、このゲート・コンタクト・ビア8は、ビア・コンタクト4の下に垂直に積層され、M1金属層の一部から形成された線11にゲート2Aを接続する。フィン24が、nウェル25の一部および半導体基板26の一部上にある。当業者に知られているように、フィン24は活性領域7(
図1に示す)にあってよい。浅いトレンチ分離(STI)27が、半導体基板26およびnウェル25の一部の上方にある。ILD29が、ゲート2A上、STI27の一部上、誘電体キャップ23の上および周囲、ならびにゲート・コンタクト・ビア8、ビア・コンタクト4、線11、パワー・レール3Aおよび3Bの周囲にある。図示するように、強誘電体層21と誘電体層22とにより形成されたデカップリング・キャパシタは、半導体基板26およびnウェル25内への深さdと幅wとを有することができる。
【0025】
誘電体層22は、ゲート・カット・トレンチ10内で半導体基板26およびnウェル25の表面上にあってよい。強誘電体層21は、ゲート・カット・トレンチ10内で、誘電体層22上およびSTI27の一部内にあってよい。強誘電体層21の上面は、ゲート2Aの下面よりも下方にある。ゲート・カット・トレンチ10の中央部に、金属20が充填されていてよい。金属20は、強誘電体層21によって(例えば、金属20の側面および下部の周囲で)囲まれ、ゲート・カット・トレンチ10の残りの部分を充填する誘電体キャップ23によって覆われていてよい。ゲート・カット・トレンチ10は、ゲート2Aの各端部に当接する。デカップリング・キャパシタは、ゲート2A内に幅wでエッチングされたゲート・カット・トレンチ10内と、半導体基板26およびnウェル25につながるILD29の一部とに、半導体基板26およびnウェル25内への深さdで形成される。他の実施形態において、半導体基板26は、パワー・レール3Aに関連付けられたフィン24の下のp-ウェルも含む。
【0026】
図2のゲート・カット・トレンチ10は、ゲート2Aの上面から半導体基板26およびnウェル25内に深さdまで延びる。一実施形態において、ゲート・カット・トレンチ10は、半導体基板25およびnウェル26の上面に接触するが、半導体基板26およびnウェル25内には入らない。詳細に後述するように、ゲート・カット・トレンチ10の深さdは、デカップリング・キャパシタの静電容量を変化させる(例えば、より大きい深さdでより深くエッチングされたゲート・カット・トレンチは、より多くの静電容量を提供することができる)。
【0027】
誘電体層22は、ゲート・カット・トレンチ10内にある(例えば、ゲート・カット・トレンチ10を覆う)。誘電体層22は、ゲート・カット・トレンチ10内の半導体基板26およびnウェル25の一部の表面上にある。図示するように、誘電体層22は、強誘電体層21の一部の下にある。様々な実施形態において、誘電体層22は、二酸化ケイ素の薄層である。他の実施形態において、誘電体層22は、ゲート積層体で一般に使用される誘電体材料(例えば、二酸化ケイ素(SiO2)、または二酸化ハフニウム(HfO2)と酸化ケイ素(SiOx)との複合積層体、または酸化アルミニウム(Al2O5))である。
【0028】
図示するように、強誘電体層21と誘電体層22とは、基板26およびnウェル25内にエッチングされたゲート・トレンチ内に存在する。金属20、強誘電体層21、および誘電体層22などの誘電体材料についての材料の選択は、少なくとも部分的に、強誘電体層21と誘電体層22とにより形成されるデカップリング・キャパシタによってもたらされる静電容量または静電容量密度を決定する。様々な実施形態において、強誘電体層21は、ハフニウム・ジルコニウム酸化物(HZO)である。他の実施形態において、強誘電体層21は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、シリコン・ドープ酸化ハフニウム(Si:HfO2)、またはチタン酸バリウムのうちの1つである。しかしながら、強誘電体層21は、これらの材料に限定されず、別の適切な強誘電体材料であってもよい。
【0029】
金属20は、強誘電体層21内および強誘電体層21の上面に存在する。金属20の上部は、STI27の上面よりも下方、ゲート2Aの下面よりも下方、かつ半導体基板26およびnウェル26の上面よりも上方であってよい。図示するように、金属20の上面は、STI27の略中央部にある。様々な実施形態において、金属20は、金属材料のうちの1つまたは複数から構成されている。当業者に知られているように、金属の仕事関数は、仕事関数金属と誘電体層または強誘電体層との境界面における結晶面などの金属の構造、および金属の化学組成に応じて決まる。例えば、仕事関数金属(WFM)の薄層は、WFM上のバルク金属と共に強誘電体層21上に存在し得る。この場合、金属20は、タングステン金属と窒化チタンまたはドープ・アルミニウムなどのWFMとから構成され得る。金属20は、これらの材料に限定されず、例えば、置換金属ゲート・プロセスで使用される金属であってもよい。
【0030】
様々な実施形態において、強誘電体層21および誘電体層22の材料の選択、ならびにゲート・カット・トレンチ10の深さdおよび幅wは、各々、デカップリング・キャパシタの静電容量に影響を与える。ゲート2A、STI27、およびnウェル25を含む半導体基板26のエッチング中のゲート・カット・トレンチ10の深さdは、強誘電体層21と誘電体層22とにより提供される静電容量に影響を与え得る。様々な実施形態において、半導体基板26およびnウェル25内のゲート・カット・トレンチ10の深さdを増加させると、ゲート・カット・トレンチ10内に形成されたデカップリング・キャパシタにより発生する静電容量が増加する(例えば、強誘電体層21と誘電体層22とが同じ材料から構成されているとき)。
図7および
図8は、ゲート・カット・トレンチ10の深さdの変化がゲート・カット・トレンチ10内のデカップリング・キャパシタの静電容量密度に与える影響を示す。
【0031】
誘電体キャップ23は、金属20の上面、およびゲート・カット・トレンチ10内の金属20の垂直面を囲む強誘電体層21の上面よりも上方に存在する。図示するように、STI27は、誘電体キャップ23の一側の下部を囲み、ILD29は、強誘電体層21の上部の外側および強誘電体層21の上部を囲む。様々な実施形態において、ゲート2Aは、強誘電体層21の内側上部に隣接する。図示するように、一部の実施形態において、ILD29は、誘電体キャップ23の外側(例えば、左右)部分の上部に隣接し、ゲート2Aは、誘電体キャップ23の内側部分の上部に隣接する(
図1に示す)。一実施形態(図示せず)において、誘電体キャップ23の両側がゲート2Aによって囲まれている。
【0032】
様々な実施形態において、半導体基板26は、半導体基板26の一部にnウェル25を含む。半導体基板26(例えば、nウェル25を含む)は、シリコン基板、IV族半導体材料、III-V族半導体材料、II-VI族半導体材料、または半導体回路で使用される他の既知の半導体材料から構成され得る。様々な実施形態において、基板26は、ウエハまたはウエハの一部である。一部の実施形態において、半導体基板26は、ドープ領域、非ドープ領域のうちの1つもしくは複数を含み、または、ドープ領域、非ドープ領域、応力領域、もしくは欠陥の多い領域を含む。図示するように、
図2は、既知の半導体プロセスを使用してn型材料でドープされた半導体基板26の一部であるnウェル25を含む。一部の実施形態において、p-ウェル(図示せず)の場合、STI27の一部のうちの最も左側の誘電体層22および最も左側のフィン24の下にある半導体基板26の一部が、ドープされる。様々な実施形態において、半導体基板26の1つまたは複数の部分が、p型ドーパントでドープされ、n型ドーパントでドープされ、またはドープされない。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置100の断面B-B’を通る半導体構造体300の断面図である。断面B-B’は、活性領域7の一部上にある
図1の配置100の領域を二分する。半導体構造体300は、ソース/ドレイン・コンタクト6およびビア・コンタクト4を介してパワー・レール3Aまたは3Bのうちの一方に接続する、活性領域のフィン24を示す。図示するように、強誘電体層21と誘電体層22とにより形成されるデカップリング・キャパシタは、活性領域7の外側にあり、STI27の一部によって分離されている。
【0034】
図示するように、
図3は、強誘電体層21の上および内部の金属20よりも上方にある、ゲート・カット・トレンチ10の上部において、キャパシタ誘電体キャップ23が充填された、ゲート・カット・トレンチ10も含む。誘電体層22は、強誘電体層21の下、ならびに半導体基板26およびnウェル25の一部の表面上にある。フィン24が、nウェル25および基板26の一部上にあり、浅いトレンチ分離(STI)27が、nウェル25および基板26の一部上にある。ILD29が、線11を囲み、パワー・レール3Aおよび3Bの一部を囲み、ビア・コンタクト4を囲み、活性領域7の一部を囲み、誘電体キャップ23の一部を囲む。パワー・レール3Aおよび3Bは、ビア・コンタクト4およびソース/ドレイン・コンタクト6を介して活性領域7のフィン24に供給電圧(例えば、VDDまたは接地)を提供することができる。
【0035】
一部の実施形態において、活性領域7はPFETの一部である。例えば、図示するように、活性領域7の下の半導体基板26の一部が、ソース/ドレイン・コンタクト6およびビア・コンタクト4によってパワー・レール3Bに接続するnウェルであるとき、PFETであってよい。
【0036】
強誘電体層21と誘電体層22とから構成される2つのデカップリング・キャパシタは、
図2を参照して詳細に前述した2つのデカップリング・キャパシタと本質的に同じである。
図3の誘電体キャップ23は、ソース/ドレイン・コンタクト6の下に示されているため、
図2の誘電体キャップ23よりも短い。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置100の断面C-C’を通る半導体構造体400の断面図である。配置100の断面C-C’は、活性領域7の外側にあるパワー・レール3Aおよび3Bの一端部を通る。図示するように、
図4は、ビア・コンタクト4およびトレンチ・コンタクト・ビア5を介して、強誘電体層21と誘電体層22とにより形成されたデカップリング・キャパシタの一部内の金属20に接続するパワー・レール3Aおよび3Bを含む。ゲート・カット・トレンチ10の上部には、金属20の上面上および強誘電体層21の上面の一部上にトレンチ・コンタクト・ビア5が充填されている。ゲート・カット・トレンチ10の底部は、半導体基板26およびnウェル25の内面を覆う誘電体層22を含み、誘電体層22は、STI27の一部に沿ってゲート・カット・トレンチ10内に延びる強誘電体層21によって覆われる。ゲート・カット・トレンチ10内の金属20は、強誘電体層21の一部上にあり、金属20の垂直面が強誘電体層21に当接している(例えば、金属20は、強誘電体層21内にあり、トレンチ・コンタクト・ビア5によって覆われている)。
【0038】
図示するように、
図4はまた、半導体基板26およびnウェル25の露出部分上のSTI27と、トレンチ・コンタクト・ビア5、ビア・コンタクト4、パワー・レール3Aおよび3B、および線11の一部を囲む、STI27上のILD29とを含む。ビア・コンタクト4は、トレンチ・コンタクト・ビア5に垂直に積層されて、パワー・レール3Aおよび3Bの各々の一端部を、金属20と、強誘電体層21と誘電体層22とにより形成されたデカップリング・キャパシタとに接続することができる。
【0039】
図5Aは、本発明の一実施形態による、
図1のインバータの配置の断面A-A’を通る半導体構造体500Aの断面図である。
図5Aは、本発明の第2の実施形態を示す。
【0040】
図示するように、
図5Aは、強誘電体層21が誘電体キャップ23の上面の高さまで延びることを除いて、
図2を参照して詳細に前述したものと本質的に同じ要素(例えば、ゲート2A、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、線11、金属20、強誘電体層21、誘電体層22、キャパシタ誘電体キャップ23、フィン24、nウェル25、基板26、STI27、ゲート・コンタクト・ビア8、およびILD29)を本質的に同じ位置に含む。この場合、ゲート・カット・トレンチ10の上部に堆積された強誘電体層21の一部は、(例えば、強誘電体層21の上部のエッチングによって)除去されず、強誘電体層21は、誘電体キャップ23の上面まで延びる。
図5Aに示すように、強誘電体層21は、ゲート・カット・トレンチ10の垂直壁と、ゲート・カット・トレンチ10の底部とを覆う。誘電体キャップ23は、ゲート2Aからゲート・カット・トレンチ10の上部のILD29までゲート・カット・トレンチ10にわたって延びるのではなく、強誘電体層21に包まれている(例えば、誘電体キャップ23は、強誘電体層21の垂直面内にある)。ゲート・カット・トレンチ10内の強誘電体層21の上部を除去するための1つまたは複数のエッチング・プロセスを省くことにより、半導体構造体500Aの製造をより容易にすることができ、省かれたエッチング・プロセスにより歩留まり損失を低減させることができる。
図2の半導体構造体200を形成するのに使用する製造プロセスよりも容易な半導体製造プロセスを使用して、半導体構造体500Aを形成することができる。
【0041】
図5Bは、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面B-B’を通る半導体構造体500Bの断面図である。図示するように、
図5Bは、強誘電体層21が誘電体キャップ23の上面の高さまで延びることを除いて、
図2を参照して詳細に前述したものと本質的に同じ要素(例えば、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、ソース/ドレイン・コンタクト6、活性領域7、線11、金属20、強誘電体層21、誘電体層22、キャパシタ誘電体キャップ23、フィン24、nウェル25、基板26、STI27、ビア・コンタクト4、およびILD29)を同じ位置に含む。この場合、
図5Aを参照して前述したように、ゲート・カット・トレンチ10の上部に堆積された強誘電体層21の一部は、(例えば、強誘電体層21の上部のエッチングによって)除去されない。図示するように、誘電体キャップ23はわずかに小さい(例えば、幅が小さい)。ゲート・カット・トレンチ10内の強誘電体層21の上部を除去するための1つまたは複数のエッチング・プロセスを省くことにより、1つまたは複数のエッチング・プロセスを省くことができ、より容易な半導体製造プロセスを使用して半導体構造体500A、500Bを形成することができる。
【0042】
図5Cは、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面C-C’を通る半導体構造体500Cの断面図である。
図5Cは、トレンチ・コンタクト・ビア5およびビア・コンタクト4を介した、パワー・レール3Aおよび3Bの各々と単一のデカップリング・キャパシタ(例えば、強誘電体層21および誘電体層22)との電気接続部を示す。図示するように、
図5Cは、強誘電体層21が誘電体キャップ23の上面の高さまで延びることを除いて、
図2を参照して詳細に前述したものと本質的に同じ要素(例えば、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、金属20とビア・コンタクト4とを接続するトレンチ・コンタクト・ビア5、線11、強誘電体層21、誘電体層22、nウェル25を含む半導体基板26、STI27、ならびにILD29)を同じ位置に含む。この場合、
図5Aを参照して前述したように、ゲート・カット・トレンチ10の上部に堆積された強誘電体層21の一部は、(例えば、強誘電体層21の上部のエッチングによって)除去されない。図示するように、誘電体キャップ23はわずかに小さい(例えば、幅が小さい)。ゲート・カット・トレンチ10内の強誘電体層21の上部を除去するための1つまたは複数のエッチング・プロセスを省くことにより、1つまたは複数のエッチング・プロセスを省くことができ、より容易な半導体製造プロセスを使用して半導体構造体500A、500B、および500Cを形成することができる。
図5Cは、強誘電体層21がビア・コンタクト4に接触するために誘電体キャップ23の周囲に延びることを除いて、
図4と本質的に同じである。
【0043】
図6Aは、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面A-A’を通る半導体構造体600Aの断面図である。図示するように、ゲート・カット・トレンチ10内の材料は、金属-強誘電体-絶縁体-金属(MFIM)積層体を形成することができる。
図6Aは、本発明の第3の実施形態である。
【0044】
図示するように、
図6Aは、金属層66がゲート・カット・トレンチ10内の半導体基板26およびnウェル25の内面を覆い、別の誘電体材料(例えば、誘電体材料62)が誘電体層22に置き換わることができることを除いて、
図4と本質的に同じである。図示するように、
図6Aは、金属層66が半導体基板26およびnウェル25上の誘電体層22に置き換わり、新しい誘電体材料である誘電体材料62が、強誘電体層21の下で金属層66上にあることを除いて、
図2と本質的に同じ要素(例えば、ゲート2A、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、線11、金属20、強誘電体層21、キャパシタ誘電体キャップ23、フィン24、nウェル25、基板26、浅いトレンチ分離(STI)27、ゲート・コンタクト・ビア8、およびILD29)を同じ位置に含む。図示するように、ゲート・カット・トレンチ10の底部は、誘電体材料62の下の金属層66、強誘電体層21、および強誘電体層21内の金属20を含む。
【0045】
様々な実施形態において、金属層66は、チタン・ニッケル(TiN)、チタン・アルミニウム炭素(TiAlC)、タングステン(W)、タングステン・ニッケル(WN)、またはタンタル・ニッケル(TaN)のうちの1つである。金属層66は、これらの金属に限定されず、別の材料であってもよい。金属層66の厚さは、3nmから10nmの範囲であってよいが、これらの厚さに限定されない。図示するように、金属層66の上面は、半導体基板26およびnウェル25の上面に平行である。
【0046】
ゲート・カット・トレンチ10内に金属層66を堆積させることにより、半導体基板26上への二酸化ケイ素層の形成を防ぐ。金属ライナである金属層66を含むMFIM積層体は、ゲート・カット・トレンチ10内の半導体基板26またはnウェル25の表面のSiO2中間層なしで、3.9よりも高い誘電率を有する高k材料を誘電体材料62として使用することを可能にする。誘電体材料62の材料の例は、Al2O3などの酸化アルミニウム、ZrO2などの酸化ジルコニウム、TiO2などの酸化チタン、Ta2O5などの酸化タンタルを含むことができるが、これらの高k誘電体材料に限定されない。
【0047】
様々な実施形態において、誘電体材料62は、任意の非二酸化ケイ素誘電体材料である。例えば、誘電体材料62は、二酸化ケイ素のQmaxよりも大きいQmaxを示すTa2O5またはTiO2誘電体材料のうちの一方であってよく、ここでQmaxは、破壊前に誘電体に加えることのできる最大電荷である。一部の実施形態において、誘電体材料62は高k誘電体材料である。誘電体材料62の厚さは、3nmから10nmの範囲であってよいが、これらの厚さに限定されない。図示するように、誘電体材料62の上面は、金属層66の上面およびnウェル25を含む半導体基板26の上面に平行である。誘電体材料62は、(例えば、高k誘電体材料を使用することによって)より高いQmaxを提供し、それにより、強誘電体層21の材料のより高い残留分極を可能にするように選択されてよい。
【0048】
様々な実施形態において、金属層66と誘電体層62との組合せは、半導体基板26およびnウェル25内のゲート・カット・トレンチ10の同じ深さdで、デカップリング・キャパシタの電気的性能を向上させる能力を提供する。金属層66および誘電体材料62による電気的性能の向上(例えば、静電容量密度の向上)の例は、
図9を参照して示し後述する。金属層66と誘電体材料62とを追加することにより、20nmのゲート・カット・トレンチ深さについての予測静電容量密度を、2から3倍も高い予測静電容量密度に向上させることができる。一部の実施形態において、ゲート・カット・トレンチ10の開口部内にn+および/またはp+領域を注入して、nウェル25などのウェルから下部電極としての金属層66までの接触抵抗を向上させる。
【0049】
図6Bは、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面B-B’を通る半導体構造体600Bの断面図である。図示するように、
図6Bは、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、ソース/ドレイン・コンタクト6、活性領域7、線11、金属20、金属層66、強誘電体層21、誘電体材料62、キャパシタ誘電体キャップ23、フィン24、nウェル25、基板26、浅いトレンチ分離(STI)27、ビア・コンタクト4、および中間層誘電体材料(ILD)29を含む。
図6Bは、金属層66が誘電体層22に置き換わり、誘電体材料62がゲート・カット・トレンチ10の下部内で金属層66内に追加されていることを除いて、
図3と本質的に同じである。金属層66は、半導体基板26およびnウェル25を分離する金属ライナとして作用して、ゲート・カット・トレンチ10内の半導体基板26上への二酸化ケイ素の形成を防ぐ。半導体構造体600Bは、金属20が強誘電体層21内にあり、誘電体キャップ23で覆われ、強誘電体層21の下の誘電体材料62が、半導体基板26およびnウェル25の一部内の金属層66上にある、ゲート・カット・トレンチ10の底部を示す。
【0050】
図6Cは、本発明の一実施形態による、
図1の半導体回路の配置の断面A-A’を通る半導体構造体600Cの断面図である。図示するように、
図6Cは、パワー・レール3Aおよび3B、ビア・コンタクト4、金属層66とビア・コンタクト4とを接続するトレンチ・コンタクト・ビア5、線11、強誘電体層21、誘電体材料62、nウェル25を含む半導体基板26、STI27、およびILD29を含む。
図6Cは、金属層66がライナとして半導体基板26内に追加され、誘電体材料62がゲート・カット・トレンチ10の底部で金属層66上に追加され得ることを除いて、
図4と本質的に同じである。金属層66は、誘電体材料62を半導体基板26およびnウェル25から分離する。図示するように、金属層66は、トレンチ・コンタクト・ビア5まで延びていない。強誘電体層21の一部が、金属層66と、ビア・コンタクト4を介してパワー・レール3Aまたは3Bのうちの一方に電気的に接続するトレンチ・コンタクト・ビア5とを分離する。
【0051】
図7は、本発明の第2の実施形態による、ゲート・カット・トレンチがないときの、強誘電体層21上に配置された4.4eV仕事関数金属(WFM)と強誘電体層21上に配置された4.9eV仕事関数金属とのTCAD解析の結果を示すグラフである。様々な実施形態において、仕事関数金属は、
図2~
図4の金属20である。技術コンピュータ支援設計(TCAD)は、半導体作製および半導体回路動作をモデル化する電子設計自動化の分岐である。
図7~
図9に示すように、TCAD解析は、静電容量対電圧(C-V)曲線として示される特定のVddパワー・レール電圧の静電容量密度を予測する。TCAD解析は、強誘電体層21の厚さ4nmと誘電体層22(例えば、二酸化ケイ素)の厚さ1nmとを仮定する。TCAD解析は、約2.85μC/cm
2の強誘電体残留分極および約3.45μC/cm
2の誘電体Qmaxを使用し、ここでQmaxは、誘電体の破壊前に誘電体に加えることのできる最大量の電荷である。1本の下方の線は、4.4eV仕事関数金属、1nmの二酸化ケイ素誘電体、および同様にシミュレートされる強誘電体/誘電体キャパシタと同じ幾何形状を含む金属酸化物半導体(MOS)デカップリング・キャパシタについての予測の基準線である。
【0052】
通常、4.4eV WFMは一般にNFET動作に関連付けられ、4.9eV WFMは一般にPFET動作に関連付けられる。
図7で、解析は、ゲート・カット・トレンチ10の深さdがゼロであり、残留分極が2.85μC/cm
2(例えば、二酸化ケイ素より小さい)、Qmaxが約3.45μC/cm
2であると仮定する。
【0053】
強誘電体材料(例えば、強誘電体層21)上の4.4eV仕事関数金属についての線1a、1b、1c、および1dの各々は、特定の考えられる負の静電容量勾配に関連付けられた予測静電容量密度を表し、特定の負の静電容量勾配は、例えば
図2、
図3、および
図4に示すデカップリング・キャパシタを形成する、特定の材料の選択(例えば、強誘電体層21について)または異なる材料の厚さに関連付けられてよい。線1a、1b、1c、および1dの各々は、予測静電容量密度(平方ミクロン(μm
2)当たりのフェムトファラド(fF))対電圧(V)を表し、ここで電圧はVDDパワー・レール電圧(例えば、
図1のパワー・レール3A)である。線1a、1b、1c、および1dの曲線のピークは、VDDパワー・レールの電圧0.3から0.4Vを表す。線1a、1b、1c、および1dに示す矢印は、静電容量整合の増加を示す。線1dから1aに逆行して、連続誘電体の正の静電容量に近い絶対値勾配を実現するために、強誘電体の負の静電容量勾配が減少し、線1aは、これら2つの勾配間の最も近い整合を表す。静電容量整合の増加によりdQ/dVが増加し、これにより、強誘電体/誘電体の連続積層体の全静電容量が増加する。
【0054】
同様に、強誘電体材料(例えば、強誘電体層21)上の4.9eV仕事関数金属についての線2a、2b、2c、および2dの各々は、特定の考えられる負の静電容量勾配に関連付けられた予測静電容量密度を表し、特定の負の静電容量勾配は、例えば
図2、
図3、および
図4に示すデカップリング・キャパシタを形成する、特定の材料の選択(例えば、強誘電体層21について)または異なる材料の厚さに関連付けられてよい。線2a、2b、2c、および2dの曲線のピークは、VDDパワー・レールの電圧0.8から0.9Vを表す。
【0055】
図8は、本発明の第2の実施形態による、ゲート・カット・トレンチ10の深さが20nmのときの、強誘電体材料上に配置された4.4eV仕事関数金属と強誘電体材料上に配置された4.9eV仕事関数金属とのTCAD解析の結果を示すグラフである。
図8は、ゲート・カット・トレンチ10の深さdが0nmから20nmに増加していることを除いて、
図7と同様である。
図8に示すように、ゲート・カット・トレンチ10の追加の深さは、4.4eV WFMについての線3a、3b、3c、および3dならびに4.9eV WFMついての線4a、4b、4c、および4dの各々のピーク静電容量密度を、同じ材料についての
図7の予測ピーク静電容量密度の約2倍以上に増加させる。
図8に示すTCAD解析によれば、半導体基板のゲート・カット・トレンチの深さを20nmに増加させることにより、静電容量密度の著しい向上を実現することができる。
【0056】
図9は、本発明の第3の実施形態による、ゲート・カット・トレンチ10の深さが20nmであり、二酸化ケイ素層が半導体基板に隣接していないときの、強誘電体材料上に配置された4.4eV仕事関数金属と強誘電体材料上に配置された4.9eV仕事関数金属とのTCAD解析の結果を示すグラフである。
図9は、誘電体材料62および強誘電体層21の前に金属層66がゲート・カット・トレンチ内に堆積されるMFIM積層体を含む、
図6A、
図6B、および
図6Cに示す構造体の電気解析に関連する。この場合、誘電体材料62は半導体基板に接触しないため、二酸化ケイ素層は半導体基板に形成されない。加えて、金属層66が半導体基板26に堆積されると、より高い誘電率を有する誘電体材料を誘電体材料62に使用することができる(例えば、TaO
2またはTiO
2)が、誘電体材料62はこれらの材料またはより高い誘電率を有する材料に限定されない。
【0057】
4.4eV WFMについての線5a、5b、5c、および5dの各々は、強誘電体層21の特定の考えられる残留分極に関連付けられた予測静電容量密度を表し、特定の残留分極は、例えば
図2、
図3、および
図4に示すデカップリング・キャパシタを形成する、特定の材料の選択(例えば、強誘電体層21について)または異なる材料の厚さに関連付けられてよい。各曲線は、同じ負の静電容量勾配を呈する。残留分極は線5dから線5aに増加し、これに従ってピーク静電容量が増加する。強誘電体層21のより高い残留分極は、誘電体材料62のより大きいQmaxを必要とし、これは、通常、より高いk誘電体層を必要とすることおよび二酸化ケイ素の中間層がないことに相当する。
【0058】
同様に、4.9eV WFMについての線6a、6b、6c、および6dは、強誘電体層21の特定の残留分極に関連付けられた予測静電容量密度を表し、特定の残留分極は、デカップリング・キャパシタの特定の材料の選択(例えば、強誘電体層21について)または異なる材料の厚さに関連付けられてよい。
図9のゲート・カット・トレンチ10の深さdは、
図8のゲート・カットの深さと同じである(例えば、20nm)。SiO
2のない、ゲート・カット・トレンチ10内の材料のMFIM積層体(例えば、金属20、強誘電体層21、誘電体材料62、および金属層66など)は、線5a、5b、5c、5dおよび線6a、6b、6c、6dのセットの各々について、
図8の対応する線のセットと比較して(例えば、線3a、3b、3c、3dおよび線4a、4b、4c、4dのそれぞれと比較して)著しく高い最大ピーク静電容量密度を提供することに留意することが重要である。例えば、
図9に示すように、線6aに関連付けられたピーク静電容量密度は、
図8の線4aのピーク静電容量密度の2倍以上のピーク静電容量密度である。
【0059】
図10は、本発明の第2の実施形態による、様々な材料および様々なゲート・カット・トレンチ深さについてのピーク静電容量対残留分極を示すグラフである。図示するように、
図10は、様々なゲート・カット・トレンチ深さ(例えば、0nmから40nmの範囲)における予測ピーク静電容量(fF/μm
2)と様々な強誘電体残留分極(Pr)(μC/cm
2)とを示す。
図10には、SiO
2、Ta
2O
5、およびTiO
2などのいくつかの材料についての誘電体分極限界(Qmax)も示されている。
図10は、ゲート・カット・トレンチ10の深さを増加させることにより、またはより高いQmaxを提供可能な材料を使用することにより、ピーク静電容量密度を材料によって増加させる理論的潜在能力を示すことに留意することが重要である。
【0060】
図7、
図8、
図9、および
図10に示すピーク静電容量密度を比較すると、0nmのゲート・カット・トレンチを有する
図7のピーク静電容量密度は、より深いゲート・カット・トレンチ(例えば、より大きいd)を有する
図8~
図10において大幅に向上し、誘電体層の下の金属層またはライナ(例えば、誘電体材料62の下の金属層66)を追加することにより、ピーク静電容量密度をさらに向上させて、ゲート・カット・トレンチ10を形成する半導体材料上へのSiO
2の形成を防ぐことが容易に判定される。
【0061】
さらに、
図10を見ると、場合によっては、金属ライナ(例えば、金属層66)が存在するとき、TiO
2などの異なる誘電体材料は、より高いPrに適合し、理論的には、SiO
2などの誘電体材料よりも、40nmの深さのゲート・カット・トレンチ10ではるかに高いピーク静電容量密度を提供する。
【0062】
図7~
図10に示すように、本発明の実施形態は、
図1~
図6Cを参照して説明した様々な半導体構造体を含むデカップリング・キャパシタを使用して、ピーク静電容量密度を大幅に向上させる能力を提供する。本発明の実施形態は、デカップリング・キャパシタによりパワー・レールに提供されるピーク静電容量密度に影響を与えて向上させ得るいくつかの設計トレードオフおよび材料選択を示す。パワー・レールに提供される静電容量の増加により、パワー・レール・ノイズを低減させることができ、したがって、デバイス性能を向上させることができる。
【0063】
図11~
図16は、
図1の配置100に示す半導体回路を形成する1つの方法を示す。詳細には、
図11~
図16に関して説明する方法は、パワー・レール3Aおよび3Bが、ゲート・カット・トレンチ10内の強誘電体層21および誘電体層22により形成されたデカップリング・キャパシタに電気的に接続する、
図4に示す半導体構造体400に関連する。
【0064】
図11は、本発明の一実施形態による、ILD29の層の堆積後の半導体構造体1100を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。図示するように、
図11は、半導体基板26および半導体基板26内のnウェル25上にあるSTI27の上にILD29を含む。半導体構造体1100は、半導体基板26の一部のn型ドープ、半導体基板26およびnウェル25上へのSTI27の堆積を含む既知の半導体プロセスにより形成される。原子層堆積(ALD)またはCVDなどの堆積方法は、ILD29の層をSTI27上に堆積させて半導体構造体1100を形成する。場合によっては、ILD29の化学機械研磨(CMP)を行ってもよい。
【0065】
図12は、本発明の一実施形態による、ILD29の一部、STI27の一部、ならびに半導体基板26およびnウェル25の上部を通るゲート・カット・トレンチ10のエッチング後の半導体構造体1200を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。
【0066】
ILD29、STI27の一部、ならびに半導体基板26およびnウェル25の上部の選択的エッチングのために、
図1に示すゲート・カット・マスク1を用いる1つまたは複数のフォトリソグラフィ・プロセスと、既知のゲート・カット・エッチング・プロセスとを使用して、ゲート・カット・トレンチ10が形成される。例えば、1つまたは複数の反応性イオン・エッチング(RIE)を使用して、半導体基板26およびnウェル25の一部が、図示の深さdおよび幅wまでエッチングされる。例えば、ゲート・カット・マスク1を用いる1回のRIEまたは複数回のRIEエッチングを使用して、ILD29、STI27、半導体基板26およびn-ウェル25の上部を通るゲート・トレンチ10をエッチングすることができる。
図10に示すように、半導体基板26およびnウェル25内のゲート・カット・トレンチ10の深さdは、結果として得られる静電容量密度に影響を与える。
【0067】
図12に示すように、選択的RIEエッチングは、ILD29の2つの規定部分、ILD29の除去部分の下のSTI27の2つの部分、ILD29の除去部分の下の半導体基板26の一部およびnウェル25の一部を除去することができる。従来のゲート・カット・トレンチは、通常、STI27をエッチング止めとして使用する(すなわち、従来のゲート・カット・トレンチは、半導体基板26またはnウェル25の一部内にエッチングされない)。本発明の実施形態において、ゲート・カット・トレンチ10は、従来のゲート・カット・トレンチよりも深い高さまでエッチングされる。通常のゲート・カット・トレンチは、ゲート2Aなどのゲートを、STI27の上またはSTI27の上部まで貫通するが、様々な本発明の実施形態において、ゲート・カット・トレンチ10を形成するエッチング・プロセスは、
図1のエッチング・マスク1により規定されるように、半導体基板26およびnウェル25の一部と、STI27の一部およびILD29の一部とを除去する。
【0068】
図13は、本発明の一実施形態による、ゲート・カット・トレンチ10内の半導体基板26およびnウェル25上への誘電体層22の形成後の半導体構造体1300を形成する、
図1のA-A’を通る断面図である。図示するように、誘電体層22は、ゲート・カット・トレンチ10内の半導体基板26およびnウェル25の露出面を覆う。誘電体層22は、例えば酸化または原子層堆積(ALD)などの既知の半導体製造プロセスにより堆積され、または成長する。誘電体層22の厚さは、1nmから4nmの範囲であってよいが、これらの厚さに限定されない。
【0069】
図14は、本発明の一実施形態による、ゲート・カット・トレンチ10内における強誘電体層21および金属20の堆積およびエッチング後の半導体構造体1400を形成する、
図1のA-A’を通る断面図である。強誘電体層21は、原子層堆積(ALD)または別のコンフォーマル堆積プロセスなどの既知の半導体製造プロセスにより、ゲート・カット・トレンチ10内で、誘電体層22、STI27、およびゲート2Aの露出面上に堆積される。強誘電体層21の厚さは、2nmから5nmの範囲であってよいが、これらの厚さに限定されない。
【0070】
金属20は、ゲート・カット・トレンチ10内で強誘電体層21上に堆積されてよい。例えば、金属20は、1つまたは複数の既知の堆積プロセス(例えば、ALD、CVDなど)により堆積されてよい。前述したように、一部の実施形態において、金属20は、仕事関数金属およびバルク金属(例えば、窒化チタンおよびタングステン)の薄層から構成される。この場合、2つの堆積プロセスを行うことができる。
【0071】
金属20の堆積後、例えば、RIEまたはウェット・エッチングを使用する別の選択的エッチング・プロセスを行って、ゲート・カット・トレンチ10の上部の強誘電体層21および金属20の一部を選択的に除去する。
図14に示すように、このエッチング・プロセス後、強誘電体層21および金属20の上面は、STI27の下面よりも下方にあり、半導体基板26およびnウェル25の上面よりも上方にある。例えば、エッチング後、強誘電体層21および金属20の上面は、STI27の下面と半導体基板26およびnウェル25の上面との間の略中間にあってよい。
【0072】
図15は、本発明の一実施形態による、半導体構造体1500上へのコンタクト材料の堆積および半導体構造体1500の上面の平坦化後の半導体構造体1500を形成する、
図1のA-A’を通る断面図である。ALDまたはCVDなどの既知の堆積プロセスを使用して、最初に、ゲート・カット・トレンチ10に、ゲート・カット・トレンチ10の全長に延びる誘電体キャップ23が充填される。次に、パターニング・ステップを実行して、誘電体キャップ23を通るコンタクト・ビア開口部を形成し、金属20の上面を露出させる。ALDまたはCVDなどの既知の堆積プロセスを使用して、コンタクト材料(例えば、タングステン、チタンなど)の層を、半導体構造体1500上(例えば、ゲート・カット・トレンチ10内のILD29、STI27、強誘電体層21、および金属20の露出面上)に堆積させることができる。金属堆積物は、ゲート・カット・トレンチ10を完全に充填し、半導体構造体1500の上面を覆う。
【0073】
半導体構造体1500上にトレンチ・コンタクト・ビア5のためのコンタクト材料の層を堆積させた後、化学機械研磨(CMP)などの平坦化プロセスを行うことができる。CMPは、ILD29の上面からコンタクト材料を除去し、ILD29の上部を除去することができる。ゲート・カット・トレンチ10内の残りのコンタクト材料が、トレンチ・コンタクト・ビア5を形成する。
【0074】
図16は、本発明の一実施形態による、ビア・コンタクト4およびパワー・レール3Aおよび3Bの形成後の半導体構造体1600を形成する、
図1のC-C’を通る断面図である。既知のコンタクト・ビア形成プロセスを使用して、半導体構造体1600上にILD29の別の層を堆積させることができる。フォトリソグラフィ、およびRIE、ウェット化学エッチングなどの従来のエッチング・プロセス、または他のエッチング・プロセスを使用して、ILD29の選択的エッチングは、トレンチ・コンタクト・ビア5上に存在するILD29の一部を除去する。ILD29の一部を除去することによって形成された領域またはビア・ホールを充填するコンタクト材料を、半導体構造体1600上に堆積させて、ビア・コンタクト4を形成する。半導体構造体1600のCMPは、コンタクト材料をILD29の上面から除去して、ビア・コンタクト4を完成させる。
【0075】
バック・エンド・オブ・ライン(BEOL)・プロセスを使用して、パワー・レール3Aおよび3Bをビア・コンタクト4上に形成することができる。例えば、ビア・コンタクト4およびILD29の上部に、ILD29の別の堆積を行うことができる。別のCMPを行って、堆積されたILD29の上面を平坦化することができる。第1の金属層(M1)の堆積を、既知のBEOL堆積プロセスを使用して行うことができ、続いて、M1の選択的エッチングにより、パワー・レール3Aおよびパワー・レール3Bを形成する。
【0076】
半導体構造体1600内に示すように、誘電体層22および強誘電体層21によりゲート・カット・トレンチ10内に形成されたデカップリング・キャパシタは、金属20、トレンチ・コンタクト・ビア5、およびビア・コンタクト4を介して、パワー・レール3Aおよび3Bの各々の一端部に接続する。パワー・レール3Aおよび3Bは各々、ビア・コンタクト4、トレンチ・コンタクト・ビア5、および金属20を含むものと考えられる。一部の実施形態において、nウェル25の上方にあるパワー・レール3Bは、PFETの上部電極であってよく、nウェル25はPFETの下部電極であってよい。他の実施形態において、パワー・レール3BはPFETに限定されない(例えば、nウェル25は、NFETを形成するp-ウェルであってもよい)。
【0077】
当業者に知られているように、半導体構造体1600を実現するために、
図11~
図16に関連する方法のステップのうちのいくつかの変形または異なる順序が可能である(例えば、ILD層が生じるときおよびエッチングが行われるときの違いなど)。加えて、当業者に知られているように、半導体構造体1600を形成するために説明したものと同様のプロセスを使用して、半導体構造体200、300、500A、500B、および500Cを形成することができる。加えて、当業者に知られているように、いくつかの新しい材料(例えば、金属層66および誘電体材料62)および
図11~
図16に関して説明したプロセスに対するわずかな変更により、半導体構造体600A、600B、および600Cを形成することができる。
【0078】
本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であることも、開示された実施形態に限定することも意図していない。記載された実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術と比べた実際の応用もしくは技術的改良を最も良く説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。