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特許7668899喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システム{Smoking article and aerosol-generating systems comprising thereof}
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  • 特許-喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システム{Smoking  article  and  aerosol-generating  systems  comprising  thereof} 図1
  • 特許-喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システム{Smoking  article  and  aerosol-generating  systems  comprising  thereof} 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システム{Smoking article and aerosol-generating systems comprising thereof}
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20250418BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20250418BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20250418BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20250418BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20250418BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20250418BHJP
   A24B 15/32 20060101ALI20250418BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20250418BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24D3/04
A24D1/02
A24B3/14
A24B15/16
A24B15/32
A24F40/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023564215
(86)(22)【出願日】2023-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 KR2023002631
(87)【国際公開番号】W WO2023167468
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0028304
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ、チョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、タ ピン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ヨン リム
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-511798(JP,A)
【文献】国際公開第2021/123843(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/045518(WO,A1)
【文献】特公昭48-010560(JP,B1)
【文献】特表2021-505126(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0017523(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第03586649(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第112617269(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24D 1/00- 3/18
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタバコシートによって充填される媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含み、
前記タバコシートは、坪量が20~50gsmであり、
前記媒質収容部の吸引抵抗が前記保湿剤収容部の吸引抵抗よりも低いことを特徴とする、喫煙物品。
【請求項2】
前記タバコシートは、厚さが50~100μmであることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記タバコシートは、紙幅が200~250mmであることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記媒質収容部の吸引抵抗が前記保湿剤収容部の吸引抵抗の1/4であることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記タバコシートは、タバコ媒質が塗布された平面シートが複数回折れて構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記タバコ媒質は、グリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるいずれか1つ以上を含む、請求項5に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記タバコ媒質は、媒質収容部の長さ1mmを基準として0.08~2.5mgのグリセリンを含む、請求項6に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記エアロゾル生成物質は、グリセリン及びプロピレングリコールを含み、ニコチンを選択的に含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部と、
濾過物質で内部が充填された第2のフィルタ部と、を含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記媒質収容部、保湿剤収容部、及びフィルタ部からなる群より選ばれるいずれか1つ以上のセグメントは、セグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記セグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれた複数のセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)によって包まれることを特徴とする、請求項10に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記媒質収容部の吸引抵抗は50~70mmHOであることを特徴とする、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項13】
請求項1に記載の喫煙物品が脱着可能に設置され、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置は、
前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、
少なくとも前記喫煙物品の前記媒質収容部及び前記保湿剤収容部の全部又は一部を加熱
するヒーターと、
前記ヒーターと電気的に連結される制御部と、を含む、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項1に記載の喫煙物品と、
請求項13に記載のエアロゾル発生装置と、を含む、エアロゾル発生システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品及びそれを含むエアロゾル発生システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が高まっている。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル発生物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法に関する需要が高まっている。
【0003】
これにより、本発明者は、既存原紙よりも坪量が下向した原紙を用いてタバコシートを製造し、前記タバコシートで充填された媒質収容部を含む喫煙物品を開発し、前記媒質収容部の吸引抵抗が減少することを確認することで本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が達成しようとする技術的課題は、既存原紙よりも坪量が下向した原紙を用いて製造されたタバコシートによって充填される媒質収容部を含む喫煙物品を提供することである。
【0005】
また、本発明は、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生装置を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、前記喫煙物品と前記エアロゾル発生装置とを含む、エアロゾル発生システムを提供する。
【0007】
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当該技術分野における通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、既存原紙よりも坪量が下向した原紙を用いて製造されたタバコシートによって充填される媒質収容部を含む喫煙物品を提供する。
【0009】
本発明の一実施例として、前記喫煙物品は、複数のタバコシートによって充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、を含むことができる。
【0010】
本発明の他の実施例として、前記タバコシートは、坪量が20~50gsm、好ましくは35gsmであることができる。
【0011】
本発明のさらに他の実施例として、前記タバコシートは、紙幅が200~250mm、好ましくは220mmであることができる。
【0012】
本発明のさらに他の実施例として、前記タバコシートは、厚さが50~100μm、85μmであることができる。
【0013】
本発明の他の実施例として、前記喫煙物品は、前記媒質収容部の吸引抵抗が前記保湿剤収容部の吸引抵抗の1/4であることができる。
【0014】
本発明の他の実施例として、前記タバコシートは、タバコ媒質が塗布された平面シートが複数回折れて構成されることができる。
【0015】
本発明のさらに他の実施例として、前記タバコ媒質は、グリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるいずれか1つ以上を含むことができる。
【0016】
本発明のさらに他の実施例として、前記タバコ媒質は、媒質収容部の長さ1mmを基準として0.08~2.5mgのグリセリン、好ましくは1.6mg/mmのグリセリンを含むことができる。
【0017】
本発明の他の実施例として、前記エアロゾル生成物質は、グリセリン(glycerin、Gly)及びプロピレングリコール(propylene glycol、PG)を含み、ニコチンを選択的に含むことができる。
【0018】
本発明の他の実施例として、前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部と、濾過物質で内部が充填された第2のフィルタ部と、を含むことができる。
【0019】
本発明の他の実施例として、前記媒質収容部、保湿剤収容部、及びフィルタ部からなる群より選ばれるいずれか1つ以上のセグメントは、セグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれることができる。
【0020】
本発明のさらに他の実施例として、前記セグメントラッパーによって包まれた複数のセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)によって包まれることができる。
【0021】
本発明の他の実施例として、前記媒質収容部の吸引抵抗は、50~70mmHOであることができ、より具体的にEPD(encapsulated pressure drop)は、喫煙物品製造直後58mmHO、調和後60mmHOであることができる。
【0022】
本発明の他の実施例として、前記喫煙物品のEPD(encapsulated pressure drop)は90~110mmHO、好ましくは103.8mmHOであり、UPD(unencapsulated pressure drop)は40~55mmHO、好ましくは53.4mmHOであることができる。
【0023】
また、本発明は、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱してユーザが吸引可能なエアロゾルをユーザに提供される、エアロゾル発生装置を提供する。
【0024】
本発明の一実施例として、前記喫煙物品が脱着可能に設置されることができる。
【0025】
本発明の他の実施例として、前記エアロゾル発生装置は、前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、少なくとも前記喫煙物品の前記媒質収容部及び前記保湿剤収容部の全部又は一部を加熱するヒーターと、前記ヒーターと電気的に連結される制御部と、を含むことができる。
【0026】
さらに、本発明は、前記喫煙物品と前記エアロゾル発生装置とを含む、エアロゾル発生システムを提供する。
【発明の効果】
【0027】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、既存原紙よりも坪量が下向した原紙を用いて製造されたタバコシートを含む媒質収容部を含むことによって、既存の喫煙物品よりも減少した吸引抵抗を有することができる。
【0028】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、ニコチン、グリセリン、又はメンソールの移行量を増進させることができる。
【0029】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、霧化量を増加させることができる。
【0030】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、消費者が容易に吸引可能であり、優れた喫味を有することができる。
【0031】
一実施例に係る喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムの効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施例に係る喫煙物品を示す図である。
図2】一実施例に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
図3】一実施例に係る喫煙物品とエアロゾル発生装置とが結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲はこれらの実施例によって制限又は限定されない。実施例に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0034】
実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0035】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0036】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0037】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間に他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0038】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0039】
図1は、一実施例に係る喫煙物品を示す図である。
【0040】
図1を参照すると、一実施例に係る喫煙物品100は、媒質収容部110、媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部120、媒質収容部の他側に位置するフィルタ部130を含むことができ、喫煙物品100のセグメント、すなわち、媒質収容部110、保湿剤収容部120、及びフィルタ部130は、それぞれセグメントラッパー(segment wrapper)140によって包まれる、又は包まれないことができ、セグメントラッパー(segment wrapper)140によって包まれたセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)150によって包まれて1つの喫煙物品が構成されることができる。
【0041】
本発明において「媒質」は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質及び/又はグリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、メンソール、カフェイン、GABA、タウリン、ビタミン、又は様々な香味剤に基づく液状組成物を含むことができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0042】
本発明において「媒質収容部110」は、複数のタバコシート112によって満たされることができ、前記複数のタバコシート112は、既存喫煙物品の媒質収容部で使用される原紙に比べて紙幅が広く、坪量が低く、厚さが薄い原紙を用いてタバコシートを製造することによって、吸引抵抗がはるかに減少した喫煙物品を提供することができる。
【0043】
より具体的には、本発明のタバコシートは、坪量が20~50gsm、好ましくは35gsmであることができ、これよりも坪量が高すぎると紙厚さが大きくてクリンピング形状が不充分であり、坪量が低すぎると紙厚さが薄くて紙が破れやすいので、フィルタロッドの形成が難しいという問題がある。また、本発明のタバコシートは、厚さが50~100μm、好ましくは85μmであることができる。
【0044】
本発明のタバコシートは、紙幅が200~250mm、好ましくは220mmであることができ、これよりも紙幅が広すぎると、ボビンの大きさ、クリンピング装置及び全体製造設備などのフィルタ設備改善が必要であり、紙幅が狭すぎると、フィルタ円周内に一定量の紙を充填する必要があるため、フィルタロッドの形成が非常に困難である。
【0045】
本発明で使用されたタバコシート原紙の物理的特性を下記表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
複数のタバコシート112は、タバコ媒質が塗布された平面シートが複数回折れて構成されることができる。このとき、前記タバコ媒質は液状タイプであることができる。
【0048】
前記媒質収容部110の長さは10~14mm、好ましくは12mmであることができ、前記タバコシートは1~30mg/12mmのグリセリン、好ましくは20mg/12mmのグリセリンを含有することができる。グリセリンがこれよりも過度に少ないと霧化量が不足であり、過度に多いとフィルタフロック濡れ現象が発生して製造作業性が不充分であり、吸引抵抗がターゲットレベルに比べて多く上向する問題がある。
【0049】
また、媒質収容部110は、追加保湿剤、風味剤、及び/又は有機酸などの他の添加物質をさらに含有することができる。前記追加保湿剤は、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、又はオレイルアルコールなどであることができ、前記風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモム、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、ケラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メンソール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コリアンダー又はコーヒーなどであることができるが、これらに制限されない。
【0050】
本発明において「保湿剤収容部120」は保湿剤を含有することができる。前記保湿剤としてはグリセリン及びプロピレングリコールを含むことができ、さらにエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オレイルアルコール、及び水のうち少なくとも1つを含むことができる。また、保湿剤収容部は、さらにニコチンを含むことができる。しかし、保湿剤収容部120に含まれる物質はこれらに限定されない。前記保湿剤は、喫煙物品加熱時に発生するエアロゾル内の水分を適正レベルに維持してタバコ固有の味を柔らかくし、霧化量を豊かにすることができる。
【0051】
本発明において「フィルタ部130」は、少なくとも1つ以上のセグメントで構成され、チューブフィルタ、冷却構造物及びリセスフィルタのうち少なくとも1つを含むことができ、好ましくは、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部132及び濾過物質で内部が充填された第2のフィルタ部134を含むことができる。前記濾過物質は、セルロース系列の物質(例えば、アセテート、紙など)を含むことができる。
【0052】
本発明の一実施例に係る喫煙物品の吸引抵抗測定、エアロゾル成分分析、及び官能評価を行うために、下記表2のように喫煙物品を製造した。
【0053】
【表2】
【0054】
[実験例1.吸引抵抗測定]
まず、坪量下向原紙で製造した媒質収容部の吸引抵抗を測定した結果を表3に示した。
【0055】
【表3】
【0056】
クリップ紙で製造した媒質収容部を対照群とし、EPD(encapsulated pressure drop)を比較した結果、対照群は、製造直後EPDが93mmHO、調和後EPDが95mmHOであるのに対し、実験群は、それぞれこれよりも約40%減少した58mmHO、60mmHOと測定された。
【0057】
前記媒質収容部を含む喫煙物品の吸引抵抗を測定した結果を表4に示した。
【0058】
【表4】
【0059】
クリップ紙で製造した媒質収容部を含む喫煙物品を対照群とし、UPD(unencapsulated pressure drop)とEPD(encapsulated pressure drop)とを比較した結果、対照群はUPDが58.5mmHO、EPDが114.6mmHOであるのに対し、実験群はそれぞれ53.4mmHO、103.8mmHOであって、はるかに減少した数値を示した。
【0060】
[実験例2.エアロゾル成分分析]
一般タバコの国際公認分析法であるHC(Health Canada)法を用いて、9puff、パック調和条件でエアロゾルの成分を分析した結果を下記表5に示した。
【0061】
【表5】
【0062】
媒質収容部の吸引抵抗を下向設計した結果、実験群のエアロゾルが対照群に比べてはるかに多い量の総粒子状物質(total particulate matter、TPM)、タール(total aerosol residue、TAR)、ニコチン(nicotine)、プロピレングリコール(propylene glycol)、グリセリン(glycerin)、水(water)、及びメンソール(menthol)を含んでいることを確認した。特に、ニコチンは11%、グリセリンは16%、メンソールは26%向上した移行量を示した。これは、本発明の喫煙物品が減少した吸引抵抗に基づいて、霧化量が豊富であり、味と香りに優れていることを示唆する。
【0063】
一方、喫煙物品において媒質収容部のタバコ媒質にメンソールなどがノズルなどによる噴射方式(transfer jet nozzle system、TJNS)で加香処理された場合、フィルタロッドのEPD吸引抵抗が200mmHOレベルに高くなり、グリセリン移行量が急激に減少した。
【0064】
[実験例3.官能評価]
対照群(クリップ紙)又は実験群(坪量下向原紙)を含む喫煙物品の霧化量、吸引性、喫味強度、メンソール強度、メンソール刺激性、調和味、及び全体的な満足度を評価した。官能評価は、喫煙物品分野で官能評価の経歴を持つ専門家を対象として約10~14puff程度吸引後、7点評点法で測定し、その結果を下記表6に示した。
【0065】
【表6】
【0066】
その結果、喫煙物品の霧化量、吸引性、メンソール強度、メンソール刺激性、調和味、及び全体的な満足度がいずれも向上し、特に、霧化量、メンソール強度、調和味、及び全体的な満足度の場合、両群間で統計的に有意な差があることを確認した。
【0067】
図2及び図3は、既存原紙よりも坪量が下向した原紙で製造された媒質収容部110を含む喫煙物品100が使用される態様に関するものである。
【0068】
図2は、一実施例に係るエアロゾル発生装置200を概略的に示す図である。
【0069】
図2を参照すると、エアロゾル発生装置200は、喫煙物品100を収容する細長型空洞210、ヒーター220、及び制御部230を含む。制御部230は、ヒーター220と電気的に連結され喫煙物品100を加熱するための温度を制御することができる。エアロゾル発生装置200は、エアロゾルを発生させる工程において電源を供給するバッテリ240をさらに含むことができる。
【0070】
図3は、一実施例に係る喫煙物品100とエアロゾル発生装置200とが結合された状態のエアロゾル発生システム10を概略的に示す図である。
【0071】
図3を参照すると、エアロゾル発生システム10は、喫煙物品100及びエアロゾル発生装置200を含むことができる。喫煙物品100は、エアロゾル発生装置200の細長型空洞210内にぴったり結合でき、喫煙物品100がエアロゾル発生装置200に結合された状態でヒーター220は少なくとも喫煙物品100の媒質収容部110及び保湿剤収容部120の全部又は一部を加熱することができる。
【0072】
以上のように、実施例がたとえ限られた図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で行われるか、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられるか、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても、適切な結果を達成することができる。
【0073】
したがって、他の実施形態、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0074】
100:喫煙物品
110:媒質収容部
112:タバコシート
120:保湿剤収容部
130:フィルタ部
132:第1のフィルタ部
134:第2のフィルタ部
140:セグメントラッパー
150:総括ラッパー
200:エアロゾル発生装置
210:細長型空洞
220:ヒーター
230:制御部
240:バッテリ
10:エアロゾル発生システム
図1
図2
図3