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特許7668975空気調和システム、冷媒センサ装置、及び誤接続防止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】空気調和システム、冷媒センサ装置、及び誤接続防止方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/30 20180101AFI20250418BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20250418BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20250418BHJP
【FI】
F24F11/30
F24F11/89
F25B49/02 520M
F25B49/02 570Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024576957
(86)(22)【出願日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2024009219
【審査請求日】2024-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 和樹
(72)【発明者】
【氏名】植田 隼治
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/045298(WO,A1)
【文献】特開2020-197350(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110173814(CN,A)
【文献】特開2020-134126(JP,A)
【文献】特開2017-36890(JP,A)
【文献】国際公開第2020/217380(WO,A1)
【文献】特開2018-132292(JP,A)
【文献】国際公開第2020/110424(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機と、
室内機と、
前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、
前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を出力する冷媒センサ装置と、
前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、
を備え、
前記冷媒センサ装置は、起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力する
空気調和システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記冷媒センサ装置から前記識別信号を受信し、前記識別信号に対応する前記可燃性の冷媒の種類である第1冷媒種類と、予め設定されている前記冷媒回路に使用されている前記可燃性の冷媒の種類である第2冷媒種類とが一致しない場合に、前記冷媒センサの誤接続を示す通知情報を出力部に出力させる
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記制御部に前記冷媒回路の動作を指示する操作情報を送信するリモートコントローラが有する表示部であり、
前記制御部は、前記第1冷媒種類と、前記第2冷媒種類とが一致しない場合に、前記通知情報を前記表示部に表示させる
請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記識別信号は、パルス信号であり、前記可燃性の冷媒の種類に応じて、前記パルス信号のパルス幅が異なり、
前記制御部は、前記識別信号の前記パルス幅に基づいて、記可燃性の冷媒の種類を識別する
請求項1記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記監視信号、前記識別信号、及び前記漏洩信号のそれぞれは、互いにパルス幅が異なるパルス信号であり、
前記制御部は、前記パルス幅に基づいて、前記監視信号、前記識別信号、及び前記漏洩信号のいずれかであるか識別する
請求項1記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記冷媒センサ装置は、使用期間が、予め設定された設定期間に達した場合に、前記冷媒センサ装置の交換を提案する情報を示す寿命信号を、前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記冷媒センサ装置から前記寿命信号を受信した場合に、前記冷媒センサ装置の交換を提案する通知情報を前記出力部に出力させる
請求項2又は請求項3に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記冷媒センサ装置は、前記監視信号、前記識別信号、及び前記漏洩信号を前記制御部に出力する通信ケーブルが接続されるコネクタ部を備え、
前記コネクタ部は、前記可燃性の冷媒の種類に応じて、形状が異なる
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記冷媒センサ装置は、前記監視信号、前記識別信号、及び前記漏洩信号を前記制御部に出力する通信ケーブルが接続されるコネクタ部を備え、
前記コネクタ部には、前記可燃性の冷媒の種類に応じて異なる識別マークが付加されている
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項9】
室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、を備える空気調和システムの冷媒センサ装置であって、
前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、
通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記漏洩信号を前記制御部に出力し、
自装置の起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力する
冷媒センサ装置。
【請求項10】
室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を出力する冷媒センサ装置と、前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、を備える空気調和システムの誤接続抑制方法であって、
前記冷媒センサ装置が、起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力し、
前記制御部が、前記冷媒センサ装置から受信した前記識別信号に基づいて、前記冷媒センサの誤接続を検出し、前記冷媒センサの誤接続を検出した場合に、前記冷媒センサの誤接続を示す通知情報を出力部に出力させる
誤接続防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システム、冷媒センサ装置、及び誤接続防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の冷媒回路を循環する冷媒として、可燃性冷媒が封入されている空気調和システムには、冷媒回路から漏洩した可燃性冷媒を検知する冷媒センサが設けられている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-53517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、冷媒回路に封入される可燃性冷媒は、複数の種類が存在するため、可燃性冷媒の種類に応じて、複数種類の冷媒センサが存在する。従来の空気調和システムでは、冷媒回路に封入される可燃性冷媒と異なる種類の冷媒センサが誤って接続された場合に、冷媒センサの誤接続を検出することが困難であり、漏洩を検出するまでに時間がかかったり、誤検知したりしてしまう可能性があった。
【0005】
本開示は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、冷媒漏洩を迅速に検出し、誤検出を低減することができる空気調和システム、冷媒センサ装置、及び誤接続防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本開示の一態様は、室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を出力する冷媒センサ装置と、前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、を備え、前記冷媒センサ装置は、起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力する空気調和システムである。
【0007】
また、本開示の一態様は、室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、を備える空気調和システムの冷媒センサ装置であって、前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記漏洩信号を前記制御部に出力し、自装置の起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力する冷媒センサ装置である。
【0008】
また、本開示の一態様は、室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を出力する冷媒センサ装置と、前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、を備える空気調和システムの誤接続抑制方法であって、前記冷媒センサ装置が、起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力し、前記制御部が、前記冷媒センサ装置から受信した前記識別信号に基づいて、前記冷媒センサの誤接続を検出し、前記冷媒センサの誤接続を検出した場合に、前記冷媒センサの誤接続を示す通知情報を出力部に出力させる誤接続防止方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、冷媒漏洩を迅速に検出し、誤検出を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態による空気調和システムの一例を示す構成図である。
図2】本実施形態による空気調和システムの主要な構成例を示す機能ブロック図である。
図3】本実施形態における冷媒センサ装置の出力信号とパルス信号パターンとを説明する図である。
図4】本実施形態における冷媒センサ装置のパルス信号の波形例を説明する図である。
図5】本実施形態による空気調和システムの冷媒センサの語接続を検出した場合のリモコン表示画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態による空気調和システムの冷媒センサの語接続を検出した場合のリモコン表示画面の別の一例を示す図である。
図7】本実施形態における冷媒センサ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態における室内機制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部の形状例を示す第1の図である。
図10】本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部の形状例を示す第2の図である。
図11】本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部の形状例を示す第3の図である。
図12】本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部の識別ラベルの一例を示す第1の図である。
図13】本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部の識別ラベルの一例を示す第2の図である。
図14】本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部の識別ラベルの一例を示す第3の図である。
図15】本開示の空気調整システムの各制御装置のハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態による空気調和システム、冷媒センサ装置、及び誤接続防止方法について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態による空気調和システム100の一例を示す構成図である。
図1に示すように、空気調和システム100は、室外機10と、室内機20と、冷媒センサ装置30と、リモコン40とを備える。また、空気調和システム100は、室外機10と室内機20とを冷媒配管(50a、50b)で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路RCを備える。
【0013】
なお、冷媒回路RCには、後述する圧縮機12、室外熱交換器13、減圧機構14、四方弁16、遮断弁(18a、18b)、及び室内熱交換器22が接続されている。また、本実施形態において、冷媒回路RCを循環する冷媒は、可燃性の冷媒であり、例えば、R32、R454B(R32とR1234yfとの混合冷媒)、R290(プロパン)などである。
【0014】
室外機10は、室外に配置され、冷媒配管(50a、50b)により、室内機20と接続される。室外機10は、室内機20に供給する熱を生成する熱源機である。また、室外機10は、圧縮機12と、室外熱交換器13と、減圧機構14と、四方弁16と、遮断弁(18a、18b)と、室外ファン15と、室外機制御装置17とを備える。
【0015】
圧縮機12は、冷媒を圧縮する装置であり、運転容量が可変である。圧縮機12は、冷媒を吸入、圧縮して高温高圧の状態にする。なお、冷媒は、冷媒回路RCにより、室外機10と室内機20との間を、熱交換を行って循環する。
【0016】
四方弁16は、冷媒の流れの方向を切り替えるための弁であり、空気調和システム100の暖房運転と、冷房運転とで、冷媒回路RCを循環する冷媒の方向を切り替える、図1に示す例では、四方弁16の実線で示す方向が、冷房運転の方向であり、破線で示す方向が、暖房運転の方向である。
【0017】
室外熱交換器13は、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、外気と冷媒とで熱交換を行い、排熱をする。
【0018】
減圧機構14は、冷媒回路RC上に配置され、冷媒を減圧して膨張させる。
室外ファン15は、例えば、プロペラファンであり、室外熱交換器13に空気を送風する送風装置である。
【0019】
遮断弁18aは、冷媒回路RC上の減圧機構14と室内機20との間の配管に接続される。また、遮断弁18bは、冷媒回路RC上の四方弁16と室内機20との間の配管に接続される。
遮断弁18a及び遮断弁18bは、冷媒が漏洩した際に、室外機10から室内機20に冷媒が流入するのを抑制する。
【0020】
室外機制御装置17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサなどで構成され、室外機10を制御する。室外機制御装置17は、室外機10の各部を制御するとともに、室内機20と相互に通信可能である。
【0021】
室内機20は、空調対象空間に、冷媒の熱交換により、冷熱又は温熱を供給する。なお、空調対象空間は、例えば、利用者の部屋などの空間である。室内機20は、室内熱交換器22と、室内ファン23と、室内機制御装置24とを備える。
【0022】
室内熱交換器22は、空調対象空間に、冷媒の熱交換により、冷熱又は温熱を供給する。室内熱交換器22は、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器22は、冷媒回路RC上に配置され、室内空気と冷媒との熱交換を行う。
【0023】
室内ファン23は、例えば、シロッコファン、等であり、室内熱交換器22に空気を送風する送風装置である。
【0024】
室内機制御装置24は、例えば、CPUを含むプロセッサなどで構成され、室内機20を制御する。室内機制御装置24は、冷媒回路RCの動作(空気調和システム100の運転動作)を制御する制御部の一例である。
【0025】
室内機制御装置24は、後述するリモコン40からの運転指示(運転指令)に応じて、室外機制御装置17と通信を行い、室外機制御装置17とともに、冷媒回路RCの制御を行う。
【0026】
また、室内機制御装置24は、後述する冷媒センサ装置30から、冷媒が空調対象空間に漏洩したことを示す漏洩パルスを受信した場合に、冷媒漏洩の異常処理を実行する。室内機制御装置24は、漏洩パルスを受信した場合に、冷媒漏洩の異常処理として、例えば、冷媒が漏洩したことを示す警報を出力するとともに、遮断弁18a及び遮断弁18bを閉じて、室外機10から室内機20に冷媒が流入するのを抑制する。
【0027】
また、室内機制御装置24は、冷媒センサ装置30から識別パルスを受信し、識別パルスに対応する冷媒の種類(第1冷媒種類)と、室内機制御装置24に予め設定されている冷媒の種類(第2冷媒種類)とが一致しない場合に、後述する冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を出力部(例えば、図2に示すリモコン40の表示部43、等)に出力させる。なお、室内機制御装置24の詳細については、図2を参照して後述する。
【0028】
冷媒センサ装置30は、冷媒回路RCからの可燃性の冷媒の漏洩を検出するセンサ装置であり、例えば、空調対象空間又は室内機制御装置24の内部に設置される。冷媒センサ装置30は、冷媒回路RCからの可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサ31を有し、通常時に冷媒センサ31が冷媒の漏洩を監視していることを示す監視パルス(監視信号)を出力し、冷媒センサ31が冷媒の漏洩を検出した場合に、冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩パルス(漏洩信号)を出力する。
また、冷媒センサ装置30は、空気調和システム100の起動(例えば、空気調和システム100の最初の電源投入)から一定の期間(例えば、1分間、等)、可燃性の冷媒の種類に応じた識別パルス(識別信号)を、室内機制御装置24に出力する。
なお、冷媒センサ装置30の詳細については、図2を参照して後述する。
【0029】
リモコン40(リモートコントローラ)は、利用者が空気調和システム100に対して、運転操作を行う外部端末である。リモコン40は、例えば、冷媒センサ31が冷媒漏洩を検出した場合に、アラーム(警報)を出力することで、利用者に対して、冷媒漏洩が発生したことを報知することができる。なお、リモコン40の詳細については、図2を参照して後述する。
【0030】
次に、図2を参照して、本実施形態による空気調和システム100の室内機制御装置24、冷媒センサ装置30、及びリモコン40の詳細について説明する。
図2は、本実施形態による空気調和システム100の主要な構成例を示す機能ブロック図である。
【0031】
図2に示すように、空気調和システム100は、室内機制御装置24と、冷媒センサ装置30と、リモコン40とを備える。
冷媒センサ装置30は、冷媒センサ31と、センサ記憶部32と、センサ制御部33とを備える。なお、冷媒センサ装置30は、不図示の基板上に、冷媒センサ31、センサ記憶部32、及びセンサ制御部33が実装されており、不図示のコネクタ部を介して、室内機制御装置24と通信ケーブルにより接続されている。
【0032】
冷媒センサ31は、例えば、可燃性の冷媒の漏洩を検出する半導体ガスセンサである。冷媒回路RCに使用される冷媒には、複数の種類があり、冷媒センサ31には、冷媒回路RCに使用される冷媒の種類に対応したものを用いる必要がある。
【0033】
センサ記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びフラッシュメモリなどであり、冷媒センサ装置30が利用する各種情報を記憶する。
【0034】
センサ記憶部32は、例えば、室内機制御装置24に出力する出力信号の信号パターンと、冷媒センサ装置30に搭載されている冷媒センサ31が検出可能な冷媒の種類を示す冷媒種類情報と、等を記憶する。
ここで、冷媒センサ装置30が出力する出力信号の種類及び信号パターンについて説明する。
【0035】
図3は、本実施形態における冷媒センサ装置30の出力信号とパルス信号パターンとを説明する図である。
また、図4は、実施形態における冷媒センサ装置30のパルス信号の波形例を説明する図である。
なお、本実施形態において、冷媒センサ装置30は、信号線を用いて、出力信号として、パルス信号を、室内機制御装置24に出力する。
【0036】
図3に示すように、冷媒センサ装置30は、監視パルス(監視信号)、漏洩パルス(漏洩信号)、故障パルス(故障信号)、寿命パルス(寿命信号)、及び識別パルス(識別信号)の5種類のパルス信号を、出力信号として、出力する。
監視パルス、漏洩パルス、故障パルス、寿命パルス、及び識別パルスは、信号パターン(例えば、パルス幅)が異なっており、受信側で、出力信号の信号パターン(例えば、パルス幅)を確認することで、出力信号を判別可能である。
【0037】
ここで、パルス幅には、パルス信号のH(High:ハイ)区間のパルス幅であるHパルス幅DH(ハイパルス幅)、パルス信号のL(Low:ロウ)区間のパルス幅であるLパルス幅DL(ロウパルス幅)、及びHパルス幅DHとLパルス幅DLとを合算した信号幅SDが含まれる。
【0038】
監視パルスは、冷媒センサ31が冷媒の漏洩を監視していることを示す出力信号である。監視パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“DH1”であり、Lパルス幅DLが“DL1”であり、信号幅SDが“SD1”である(図4の波形W1を参照)。
【0039】
また、漏洩パルスは、冷媒センサ31が冷媒の漏洩を検出した場合に、出力される信号であり、冷媒の漏洩を検出したことを示す出力信号である。漏洩パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“DH2”であり、Lパルス幅DLが“DL2”であり、信号幅SDが“SD1”である(図4の波形W2を参照)。
【0040】
また、故障パルスは、冷媒センサ装置30に何らかの故障が発生した場合に出力される信号であり、冷媒センサ装置30に故障が発生したことを示す出力信号である。故障パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“DH3”であり、Lパルス幅DLが“DL3”であり、信号幅SDが“SD1”である(図4の波形W3を参照)。
【0041】
また、寿命パルスは、冷媒センサ装置30が稼働してから製品寿命となる設定期間に達した場合に出力される信号であり、冷媒センサ装置30が寿命に達したことを示す出力信号である。寿命パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“DH4”であり、Lパルス幅DLが“DL4”であり、信号幅SDが“SD1”である(図4の波形W4を参照)。
【0042】
監視パルス、漏洩パルス、故障パルス、及び寿命パルスは、信号幅SDが“SD1”で同一であり、Hパルス幅DH及びLパルス幅DLが異なっている。
【0043】
また、識別パルスは、冷媒センサ装置30が検出可能な冷媒の種類を識別するための出力信号であり、冷媒センサ装置30に電源が投入されて起動してから一定の期間(例えば、1分間、等)、出力される。識別パルスのパルス信号パターンは、上述した監視パルス、漏洩パルス、故障パルス、及び寿命パルスと異なるとともに、冷媒の種類に応じて、異なる信号パターンになっている。
【0044】
図3及び図4に示す例では、冷媒A、冷媒B、冷媒Cの3種類の冷媒があり、冷媒Aに対応する識別パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“RH1”であり、Lパルス幅DLが“RL1”であり、信号幅SDが“SD2”である(図4の波形W5を参照)。
【0045】
また、冷媒Bに対応する識別パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“RH2”であり、Lパルス幅DLが“RL2”であり、信号幅SDが“SD2”である(図4の波形W6を参照)。
【0046】
また、冷媒Cに対応する識別パルスのパルス信号パターンは、Hパルス幅DHが“RH3”であり、Lパルス幅DLが“RL3”であり、信号幅SDが“SD2”である(図4の波形W7を参照)。
【0047】
なお、冷媒A、冷媒B、及び冷媒Cに対応する識別パルスは、信号幅SDが“SD2”で同一であり、Hパルス幅DH及びLパルス幅DLが異なっている。また、識別パルスの信号幅SD(=SD2)は、監視パルス、漏洩パルス、故障パルス及び寿命パルスの信号幅SD(=SD1)とは異なっている。
【0048】
図2の説明に戻り、センサ記憶部32は、上述した図3及び図4に示す出力信号(監視パルス、漏洩パルス、故障パルス、及び寿命パルスの信号パターンを記憶するとともに、図3及び図4において示した複数の識別パルスのうちの1つの識別パルス(空気調和システム100が使用している冷媒に対応する識別パルス)の信号パターンを記憶する。
【0049】
センサ制御部33は、例えば、CPUを含むプロセッサなどで構成され、冷媒センサ装置30を制御する。センサ制御部33は、冷媒センサ装置30の起動から一定の期間(例えば、1分間、等)、冷媒(可燃性の冷媒)の種類に応じた識別パルスを、室内機制御装置24に出力する。
【0050】
すなわち、センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する識別パルスのパルス信号パターンのうちから、予め設定されている冷媒の種類を示す情報に基づいて、当該冷媒センサ装置30の冷媒に対応した識別パルスのパルス信号パターンを取得する。センサ制御部33は、取得したパルス信号パターンの識別パルス(例えば、図4の波形W5~波形W7のいずれか)を、室内機制御装置24に出力する。
【0051】
また、センサ制御部33は、上述した一定の期間(例えば、1分間、等)経過後に、監視パルスを、室内機制御装置24に出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する監視パルスのパルス波形パターンに基づいて、監視パルス(例えば、図4の波形W1)を、室内機制御装置24に出力する。
【0052】
また、センサ制御部33は、冷媒センサ31が冷媒の漏洩を検出した場合に、漏洩パルスを室内機制御装置24に出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する漏洩パルスのパルス波形パターンに基づいて、漏洩パルス(例えば、図4の波形W2)を、室内機制御装置24に出力する。
【0053】
また、センサ制御部33は、冷媒センサ装置30の故障を検出した場合に、故障パルスを室内機制御装置24に出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する故障パルスのパルス波形パターンに基づいて、故障パルス(例えば、図4の波形W3)を、室内機制御装置24に出力する。
【0054】
また、センサ制御部33は、不図示のタイマー等により、起動からの期間をカウントし、予め設定された設定期間(例えば、10年、15年、等)に達した場合に、寿命パルスを室内機制御装置24に出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する寿命パルスのパルス波形パターンに基づいて、寿命パルス(例えば、図4の波形W5)を、室内機制御装置24に出力する。
【0055】
なお、センサ記憶部32には、複数の冷媒に対応した複数の識別パルスのパルス信号パターンを記憶しており、センサ制御部33は、識別パルスを出力する際に、センサ記憶部32に記憶されている複数の識別パルスのパルス信号パターンのうちから、予め設定されている識別パルスのパルス信号パターンを選択して、冷媒の種類に対応した識別パルスを出力するようにしてもよい。
【0056】
リモコン40は、外部通信部41と、入力部42と、表示部43と、リモコン制御部44とを備える。
外部通信部41は、例えば、赤外線通信、無線通信などの通信手段により、リモコン40と、室内機制御装置24との間の通信を行う。外部通信部41は、リモコン40による運転操作の指令情報、等を、室内機制御装置24に送信する。また、外部通信部41は、室内機制御装置24から各種通知情報、警報情報、等を受信する。
【0057】
入力部42は、例えば、操作ボタン、タッチパネル、等の入力装置である。入力部42は、利用者の操作に応じて、空気調和システム100の各種運転指令を受け付ける。
【0058】
表示部43(出力部の一例)は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置である。表示部43は、例えば、空気調和システム100の運転状態を表示する。表示部43は、冷媒センサ31が冷媒漏洩を検出した場合に、例えば、空調対象空間の換気を促す表示、又は、空調対象空間からの退避を促す情報、等を表示する。
【0059】
また、表示部43は、例えば、室内機制御装置24からの指示に応じて、冷媒センサ31(冷媒センサ装置30)の語接続があった場合に、誤接続を検出したことを示す通知情報、又は冷媒センサ31(冷媒センサ装置30)の交換を促す通知情報、等を表示する。
【0060】
リモコン制御部44は、例えば、CPUを含むプロセッサなどで構成され、不図示のCPUに、制御プログラムを実行させることで実現される機能部である。リモコン制御部44は、リモコン40の各種処理を実行する。リモコン制御部44は、例えば、入力部42からの各種運転指令の受付、外部通信部41を介した各種運転指令の送信、運転状態の表示部43への表示、等の制御を実行する。
【0061】
室内機制御装置24は、室内機通信部241と、室内機記憶部242と、室内機制御部243とを備える。
室内機通信部241は、例えば、赤外線通信、無線通信、有線通信などの通信手段により、リモコン40又は室外機制御装置17との間の通信を行う。
【0062】
室内機記憶部242は、室内機20を制御するための各種情報を記憶する。室内機記憶部242は、例えば、空気調和システム100の冷媒回路RCに使用されている冷媒(可燃性の冷媒)の種類を示す情報を予め記憶している。
また、室内機記憶部242は、上述した図3に示すような出力信号と、パルス信号パターンとを対応付けた情報を記憶する。
【0063】
室内機制御部243は、例えば、不図示のCPUに、制御プログラムを実行させることで実現される機能部である。室内機制御部243は、室内機20の各種処理を実行する。
【0064】
室内機制御部243は、室内機通信部241を介して、室外機制御装置17と通信を行い、室外機制御装置17とともに、冷媒回路RCを含む空気調和システム100の各種制御を実行する。
【0065】
また、室内機制御部243は、冷媒センサ装置30から出力信号(パルス信号)を受信した場合に、室内機記憶部242が記憶する出力信号とパルス信号パターンとを対応付けた情報に基づいて、パルス信号パターンから対応する出力信号(パルス信号)を判定する。
【0066】
室内機制御部243は、上述した識別パルスを、冷媒センサ装置30から受信した場合に、識別パルスに対応する可燃性の冷媒の種類である第1冷媒種類と、予め設定されている冷媒回路RCに使用されている可燃性の冷媒の種類である第2冷媒種類とが一致しない場合に、冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を出力部(例えば、リモコン40の表示部43)に出力させる。ここで、第1冷媒種類は、識別パルスのパルス信号パターンにより判別した冷媒の種別であり、第2冷媒種類は、室内機記憶部242に記憶されている冷媒の種別である。
【0067】
なお、室内機記憶部242には、空気調和システム100の冷媒の種類を判別可能な製品番号が記憶されていて、室内機制御部243は、製品番号に基づいて、第2冷媒種類を判別してもよい。
【0068】
また、室内機制御部243は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致しない場合に、例えば、図5に示すような通知情報を表示部43に表示させる。
図5は、本実施形態による空気調和システム100の冷媒センサ31の語接続を検出した場合のリモコン表示画面の一例を示す図である。
【0069】
図5において、表示画面は、リモコン40の表示部43に表示されているリモコン表示画面G1を示している。図5に示すように、室内機制御部243は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致しない場合に、“冷媒センサー交換”というメッセージM1を出力(表示)させる。
【0070】
また、室内機制御部243は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致しない場合に、図6に示すように、冷媒センサ31の語接続を示すエラーコード(例えば、“FH”)を表示させるようにしてもよい。
【0071】
図6は、本実施形態による空気調和システム100の冷媒センサ31の語接続を検出した場合のリモコン表示画面の別の一例を示す図である。図6のリモコン表示画面G2に示すように、室内機制御部243は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致しない場合に、“FH”というエラーコードを示すメッセージM2を出力(表示)させてもよい。
【0072】
また、室内機制御部243は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致しない場合に、図5に示す“冷媒センサー交換”というメッセージM1と、図6に示す“FH”というエラーコードを示すメッセージM2とを交互に表示部43に表示させるようにしてもよい。
【0073】
また、室内機制御部243は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致した場合、冷媒センサ31が正常に接続されていると判定し、通常の制御処理を継続する。また、室内機制御部243は、監視パルスを受信した場合に、同様に、通常の制御処理を実行する。
【0074】
また、室内機制御部243は、漏洩パルスを受信した場合に、冷媒漏洩の異常処理を実行する。室内機制御部243は、冷媒漏洩の異常処理として、例えば、冷媒が漏洩したことを示す警報を出力するとともに、遮断弁18a及び遮断弁18bを閉じて、室外機10から室内機20に冷媒が流入するのを抑制する。
【0075】
また、室内機制御部243は、故障パルスを受信した場合に、故障の異常処理を実行する。室内機制御部243は、冷媒漏洩の異常処理として、例えば、リモコン40の表示部43に、故障を通知する通知情報を表示させるとともに、空気調和システム100の運転を制限する処理を実行する。
【0076】
また、室内機制御部243は、寿命パルスを受信した場合に、リモコン40の表示部43に、冷媒センサ装置30の交換を促す通知情報を表示させる。
【0077】
次に、図面を参照して、本実施形態による空気調和システムの動作について説明する。まず、図7を参照して、本実施形態における冷媒センサ装置30の動作について説明する。
【0078】
図7は、本実施形態における冷媒センサ装置30の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、冷媒センサ装置30のセンサ制御部33は、まず、起動から一定期間経過したか否かを判定する(ステップS101)。センサ制御部33は、例えば、不図示のタイマー等を用いて、冷媒センサ装置30が起動してから、一定期間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定する。センサ制御部33は、まず、起動から一定期間経過した場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS103に進める。また、センサ制御部33は、まず、起動から一定期間経過していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS102に進める。
【0079】
ステップS102において、センサ制御部33は、設定されている冷媒の種類に応じた識別パルスを出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する識別パルスのパルス信号パターンに基づいて、識別パルスの出力信号を、室内機制御装置24に出力する。ステップS102の処理後、センサ制御部33は、処理をステップS101に進める。
【0080】
また、ステップS103において、センサ制御部33は、監視パルスを出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する監視パルスのパルス信号パターンに基づいて、監視パルスの出力信号を、室内機制御装置24に出力する。
【0081】
次に、センサ制御部33は、冷媒センサ31が冷媒漏洩を検出したか否かを判定する(ステップS104)。センサ制御部33は、冷媒センサ31が冷媒漏洩を検出した場合(ステップS104:YES)に、処理をステップS105に進める。センサ制御部33は、冷媒センサ31が冷媒漏洩を検出していない場合(ステップS104:NO)に、処理をステップS106に進める。
【0082】
ステップS105において、センサ制御部33は、漏洩パルスを出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する漏洩パルスのパルス信号パターンに基づいて、漏洩パルスの出力信号を、室内機制御装置24に出力する。ステップS105の処理後、センサ制御部33は、処理を終了する。
【0083】
また、ステップS106において、センサ制御部33は、故障が検出されたか否かを判定する。センサ制御部33は、故障が検出された場合(ステップS106:YES)に、処理をステップS107に進める。センサ制御部33は、故障が検出されていない場合(ステップS106:NO)に、処理をステップS108に進める。
【0084】
ステップS107において、センサ制御部33は、故障パルスを出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する故障パルスのパルス信号パターンに基づいて、故障パルスの出力信号を、室内機制御装置24に出力する。ステップS107の処理後、センサ制御部33は、処理を終了する。
【0085】
また、ステップS108において、センサ制御部33は、寿命の設定期間に達したか否かを判定する。センサ制御部33は、寿命の設定期間に達した場合(ステップS108:YES)に、処理をステップS109に進める。センサ制御部33は、寿命の設定期間に達していない場合(ステップS108:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0086】
ステップS109において、センサ制御部33は、寿命パルスを出力する。センサ制御部33は、センサ記憶部32が記憶する寿命パルスのパルス信号パターンに基づいて、寿命パルスの出力信号を、室内機制御装置24に出力する。ステップS109の処理後、センサ制御部33は、処理を終了する。
【0087】
次に、図8を参照して、本実施形態における室内機制御装置24の動作について説明する。
図8は、本実施形態における室内機制御装置24の動作の一例を示すフローチャートである。
【0088】
図8に示すように、室内機制御装置24の室内機制御部243は、冷媒センサ装置30が接続されているか否かを判定する(ステップS201)。室内機制御部243は、冷媒センサ装置30が接続されている場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS203に進める。室内機制御部243は、冷媒センサ装置30が接続されていない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS202に進める。
【0089】
ステップS202において、室内機制御部243は、センサなしの異常処理を実行する。室内機制御部243は、例えば、リモコン40の表示部43に、冷媒センサ装置30が接続されていないことを示す通知情報を表示させるとともに、空気調和システム100の運転を制限する。ステップS202の処理後に、室内機制御部243は、処理を終了する。
【0090】
また、ステップS203において、室内機制御部243は、識別パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、室内機記憶部242が記憶する識別パルスのパルス信号パターンにより、識別パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、識別パルスを受信したか場合(ステップS203:YES)に、処理をステップS204に進める。また、室内機制御部243は、故障パルスを受信していない場合(ステップS203:NO)に、処理をステップS206に進める。
【0091】
ステップS204において、室内機制御部243は、識別パルスに対応する冷媒(第1冷媒種類)と、使用されている冷媒(第2冷媒種類)とが一致するか否かを判定する。室内機制御部243は、受信した識別パルスに対応する冷媒種類(第1冷媒種類)と、室内機記憶部242が記憶する冷媒種類(第2冷媒種類)とが一致するか否かを判定する。室内機制御部243は、冷媒種類が一致したか場合(ステップS204:YES)に、処理をステップS206に進める。また、室内機制御部243は、冷媒種類が逸しない場合(ステップS204:NO)に、処理をステップS205に進める。
【0092】
ステップS205において、室内機制御部243は、冷媒センサ31の誤接続の異常処理を実行する。室内機制御部243は、誤接続の異常処理として、例えば、リモコン40の表示部43に、例えば、図5又は図6に示すような、冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を表示させる。ステップS205の処理後に、室内機制御部243は、処理を終了する。
【0093】
また、ステップS206において、室内機制御部243は、監視パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、室内機記憶部242が記憶する監視パルスのパルス信号パターンにより、監視パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、監視パルスを受信したか場合(ステップS206:YES)に、処理をステップS206に戻す。また、室内機制御部243は、監視パルスを受信していない場合(ステップS206:NO)に、処理をステップS207に進める。
【0094】
ステップS207において、室内機制御部243は、漏洩パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、室内機記憶部242が記憶する漏洩パルスのパルス信号パターンにより、漏洩パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、漏洩パルスを受信したか場合(ステップS207:YES)に、処理をステップS208に進める。また、室内機制御部243は、漏洩パルスを受信していない場合(ステップS207:NO)に、処理をステップS209に進める。
【0095】
ステップS208において、室内機制御部243は、冷媒漏洩の異常処理を実行する。室内機制御部243は、冷媒漏洩の異常処理として、例えば、冷媒が漏洩したことを示す警報を出力するとともに、遮断弁18a及び遮断弁18bを閉じて、室外機10から室内機20に冷媒が流入するのを抑制する。ステップS208の処理後に、室内機制御部243は、処理を終了する。
【0096】
また、ステップS209において、室内機制御部243は、故障パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、室内機記憶部242が記憶する故障パルスのパルス信号パターンにより、故障パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、故障パルスを受信したか場合(ステップS209:YES)に、処理をステップS210に進める。また、室内機制御部243は、故障パルスを受信していない場合(ステップS209:NO)に、処理をステップS211に進める。
【0097】
ステップS210において、室内機制御部243は、故障の異常処理を実行する。室内機制御部243は、故障の異常処理として、例えば、リモコン40の表示部43に、冷媒センサ装置30の故障を通知する通知情報を表示させるとともに、空気調和システム100の運転を制限する処理を実行する。ステップS210の処理後に、室内機制御部243は、処理を終了する。
【0098】
また、ステップS211において、室内機制御部243は、寿命パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、室内機記憶部242が記憶する寿命パルスのパルス信号パターンにより、寿命パルスを受信したか否かを判定する。室内機制御部243は、寿命パルスを受信したか場合(ステップS211:YES)に、処理をステップS212に進める。また、室内機制御部243は、寿命パルスを受信していない場合(ステップS211:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0099】
ステップS212において、室内機制御部243は、リモコン40に、冷媒センサ装置30の交換を促す通知情報を表示させる。ステップS212の処理後に、室内機制御部243は、処理をステップS201に戻す。
【0100】
次に、図面を参照して、本実施形態による空気調和システム100の変形例について説明する。
【0101】
<第1の変形例>
図9図11を参照して、冷媒センサ装置30のコネクタ部34の形状を冷媒の種類に応じて変更する変形例について説明する。
【0102】
図9図11は、本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部34の形状例を示す図である。ここで、コネクタ部34は、出力信号(監視パルス、識別パルス、故障パルス、及び漏洩パルス、等)を室内機制御装置24に出力する通信ケーブルが接続されるコネクタである。
【0103】
図9に示すように、冷媒Aに対応する冷媒センサ装置30には、冷媒センサ装置30の基板PB上に、コネクタ部34A(34)が設置されている。
また、図10に示すように、冷媒Bに対応する冷媒センサ装置30には、冷媒センサ装置30の基板PB上に、コネクタ部34B(34)が設置されている。
また、図11に示すように、冷媒Cに対応する冷媒センサ装置30には、冷媒センサ装置30の基板PB上に、コネクタ部34C(34)が設置されている。
【0104】
コネクタ部34A、コネクタ部34B、及びコネクタ部34Cは、形状が異なっており、誤って異なる冷媒の種類の通信ケーブルを接続できない形状になっている。
このように、冷媒センサ装置30は、出力信号を室内機制御装置24に出力する通信ケーブルが接続されるコネクタ部34(34A、34B、34C)を備えるようにしてもよい。
【0105】
<第2の変形例>
次に、図12図14を参照して、冷媒センサ装置30のコネクタ部34に、冷媒の種類に応じて識別ラベルを付加する変形例について説明する。
図12図14は、本実施形態における冷媒センサ装置のコネクタ部34の識別ラベルの一例を示す図である。
【0106】
図12において、冷媒センサ装置30は、基板PB上に、冷媒センサ31A(31)と、コネクタ部34とが実装されており、コネクタ部34には、識別ラベルLBAが付加されている。ここで、冷媒センサ31Aは、冷媒A用の冷媒センサ31であり、識別ラベルLBAは、冷媒Aに対応した識別ラベルである。
【0107】
また、図13において、冷媒センサ装置30は、基板PB上に、冷媒センサ31B(31)と、コネクタ部34とが実装されており、コネクタ部34には、識別ラベルLBBが付加されている。ここで、冷媒センサ31Bは、冷媒B用の冷媒センサ31であり、識別ラベルLBBは、冷媒Bに対応した識別ラベルである。
また、図14に示す識別ラベルLBCは、冷媒Bに対応した識別ラベルである。
【0108】
また、図14において、冷媒センサ装置30は、基板PB上に、冷媒センサ31C(31)と、コネクタ部34とが実装されており、コネクタ部34には、識別ラベルLBCが付加されている。ここで、冷媒センサ31Cは、冷媒B用の冷媒センサ31であり、識別ラベルLBCは、冷媒Bに対応した識別ラベルである。
【0109】
識別ラベルLBA、識別ラベルLBB、及び識別ラベルLBCのそれぞれは、例えば、識別シールであり、冷媒の種類に応じて、色、模様、印刷パターン、等が異なっている。また、冷媒センサ装置30は、識別ラベルの代わりに、コネクタ部34に直接、識別マークを印刷してもよい。なお、識別ラベルは、識別マークの一例である。
【0110】
このように、コネクタ部34には、可燃性の冷媒の種類に応じて異なる識別マーク(識別ラベルLBA、識別ラベルLBB、及び識別ラベルLBC)が付加されていてもよい。
【0111】
以上説明したように、本実施形態による空気調和システム100は、室外機10と、室内機20と、冷媒回路RCと、冷媒センサ装置30と、室内機制御装置24(制御部)と、を備える。冷媒回路RCは、室外機10と室内機20とを冷媒配管(50a、50b)で接続し、可燃性の冷媒が循環する。冷媒センサ装置30は、冷媒回路RCからの可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサ31を有し、通常時に冷媒センサ31が冷媒の漏洩を監視していることを示す監視パルス(監視信号)を出力し、冷媒センサ31が冷媒の漏洩を検出した場合に、冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩パルス(漏洩信号)を出力する。室内機制御装置24(制御部)は、冷媒回路RCの動作を制御するとともに、漏洩パルスを受信した場合に、冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する。冷媒センサ装置30は、起動から一定の期間(例えば、1分間)、可燃性の冷媒の種類に応じた識別パルス(識別信号)を、室内機制御装置24に出力する。
【0112】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、冷媒センサ装置30が起動から一定の期間(例えば、1分間)、可燃性の冷媒の種類に応じた識別パルス(識別信号)を出力するようにしたため、室内機制御装置24が、接続されている冷媒センサ31に対応する冷媒の種類を検知することができる。よって、本実施形態による空気調和システム100は、冷媒センサ31の誤接続を検知することができ、冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。
【0113】
冷媒の種類によって、LFL(Lower Flammability Limit,燃焼下限界;冷媒と空気を均一に混合させた状態で火炎を伝播することが可能な冷媒の最低濃度)が異なる。そのため、冷媒センサ31には、それぞれが対応する冷媒のLFLよりも低い冷媒濃度閾値が設定されており、冷媒センサ装置30は、検出した冷媒濃度が、冷媒濃度閾値以上になった場合に、漏洩パルスを出力する。冷媒の種類によって、LFLが異なるため、冷媒漏洩検知を判定する冷媒濃度閾値も異なる。そのため、従来の空気調和システムでは、誤った冷媒の種類に対応した冷媒センサ31が接続されると、漏洩検知と判定するまでに時間がかかったり、誤検知(漏洩してないのに漏洩検知と判定)したりする可能性があった。これに対して、本実施形態による空気調和システム100では、上述したように、冷媒センサ31の誤接続を検知することができるため、冷媒漏洩を迅速に検出し、誤検出を低減することができる。よって、本実施形態による空気調和システム100は、安全性を高めることができる。
【0114】
また、本実施形態では、室内機制御装置24は、冷媒センサ装置30から識別パルスを受信し、識別パルスに対応する可燃性の冷媒の種類である第1冷媒種類と、予め設定されている冷媒回路RCに使用されている可燃性の冷媒の種類である第2冷媒種類とが一致しない場合に、冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を出力部(例えば、表示部43)に出力させる。
【0115】
これにより、本実施形態による空気調和システム100では、室内機制御装置24が、冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を出力部(例えば、表示部43)に出力させるため、利用者(又は空気調和システム100の設置者)が冷媒センサ31の誤接続を適切に認識することでき、冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。
【0116】
また、本実施形態では、出力部は、室内機制御装置24に冷媒回路RCの動作(空気調和システム100の運転)を指示する操作情報を送信するリモートコントローラ(リモコン40)が有する表示部43である。室内機制御装置24は、第1冷媒種類と、第2冷媒種類とが一致しない場合に、通知情報を表示部43に表示させる(図5、及び図6を参照)。
【0117】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、リモートコントローラ(リモコン40)が有する表示部43に通知情報を表示するため、より確度よく利用者(又は空気調和システム100の設置者)に冷媒センサ31の誤接続を知らせることができ、より確度よく冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。
【0118】
また、本実施形態では、識別パルス(識別信号)は、パルス信号であり、可燃性の冷媒の種類に応じて、パルス信号のパルス幅(例えば、Hパルス幅DH、Lパルス幅DL、又は信号幅SD)が異なる。室内機制御装置24は、識別パルスのパルス幅に基づいて、監視パルス、識別パルス、及び可燃性の冷媒の種類を識別する。
【0119】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、パルス信号のパルス幅により、容易に可燃性の冷媒の種類を識別することができる。よって、本実施形態による空気調和システム100は、簡易な手段により確度よく、冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。
【0120】
また、本実施形態では、監視パルス、識別パルス、及び漏洩パルスのそれぞれは、互いにパルス幅(例えば、Hパルス幅DH、Lパルス幅DL、又は信号幅SD)が異なるパルス信号である。室内機制御装置24は、パルス幅に基づいて、監視パルス、識別パルス、及び漏洩パルスのいずれかであるか識別する。
【0121】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、パルス信号のパルス幅により、容易にパルス信号の種類を識別することができる。
【0122】
また、本実施形態では、冷媒センサ装置30は、使用期間が、予め設定された設定期間に達した場合に、冷媒センサ装置30の交換を提案する情報を示す寿命信号を、室内機制御装置24に出力する。室内機制御装置24は、冷媒センサ装置30から寿命信号を受信した場合に、冷媒センサ装置30の交換を提案する通知情報を出力部(表示部43)に出力させる。
【0123】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、冷媒センサ装置30(冷媒センサ31)の寿命を利用者が知ることができ、適切に冷媒センサ装置30(冷媒センサ31)を交換することができる。よって、本実施形態による空気調和システム100は、冷媒センサ装置30(冷媒センサ31)の寿命により、冷媒漏洩が検出されない危険性を低減することができる。
【0124】
また、本実施形態では、冷媒センサ装置30は、監視パルス、識別パルス、及び漏洩パルスを室内機制御装置24に出力する通信ケーブルが接続されるコネクタ部34(34A、34B、34C)を備える。コネクタ部34は、可燃性の冷媒の種類に応じて、形状が異なる(図12図14を参照)。
【0125】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、可燃性の冷媒の種類に応じて、コネクタ部34の形状が異なり、物理的にご接続がされ難いため、冷媒センサ装置30(冷媒センサ31)の誤接続を低減することができる。
【0126】
また、本実施形態では、冷媒センサ装置30は、監視パルス、識別パルス、及び漏洩パルスを室内機制御装置24に出力する通信ケーブルが接続されるコネクタ部34を備える。コネクタ部34には、可燃性の冷媒の種類に応じて異なる識別マーク(例えば、識別ラベルLBA、識別ラベルLBB、又は識別ラベルLBC)が付加されている。
【0127】
これにより、本実施形態による空気調和システム100は、識別マーク(例えば、識別ラベルLBA、識別ラベルLBB、又は識別ラベルLBC)の違いにより、冷媒センサ装置30(冷媒センサ31)の誤接続を低減することができる。
【0128】
また、本実施形態による冷媒センサ装置30は、室外機10と、室内機20と、室外機10と室内機20とを冷媒配管(50a、50b)で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路RCと、冷媒回路RCの動作を制御するとともに、冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩パルスを受信した場合に、冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する室内機制御装置24と、を備える空気調和システム100の冷媒センサ装置30である。冷媒センサ装置30は、冷媒回路RCからの可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサ31を有する。冷媒センサ装置30は、通常時に冷媒センサ31が冷媒の漏洩を監視していることを示す監視パルスを出力し、冷媒センサ31が冷媒の漏洩を検出した場合に、漏洩パルスを室内機制御装置24に出力し、自装置の起動から一定の期間、可燃性の冷媒の種類に応じた識別パルスを、室内機制御装置24に出力する。
【0129】
これにより、本実施形態による冷媒センサ装置30は、上述した空気調和システム100と同様の効果を奏し、冷媒センサ31の誤接続を検知することができ、冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。また、本実施形態による冷媒センサ装置30は、冷媒漏洩を迅速に検出し、誤検出を低減することができる。
【0130】
また、本実施形態による誤接続防止方法は、空気調和システム100の誤接続抑制方法であって、第1ステップと、第2ステップとを含む。なお、空気調和システム100は、上述した室外機10と、室内機20と、冷媒回路RCと、冷媒センサ装置30と、室内機制御装置24と、を備える。第1ステップにおいて、冷媒センサ装置30が、起動から一定の期間、可燃性の冷媒の種類に応じた識別パルスを、室内機制御装置24に出力する。第2ステップにおいて、室内機制御装置24が、冷媒センサ装置30から識別パルスに基づいて、冷媒センサ31の誤接続を検出し、冷媒センサ31の誤接続を検出した場合に、冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を出力部に出力させる。
【0131】
これにより、本実施形態による誤接続防止方法は、上述した空気調和システム100と同様の効果を奏し、冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。本実施形態による誤接続防止方法は、冷媒センサ31の誤接続を検知することができるとともに、冷媒センサ31の誤接続を示す通知情報を出力部(例えば、表示部43)に出力させるため、冷媒センサ31の誤接続を低減することができる。それにより、利用者(又は空気調和システム100の設置者)が冷媒センサ31の誤接続を適切に認識することできる。また、本実施形態による誤接続防止方法は、冷媒漏洩を迅速に検出し、誤検出を低減することができる。
【0132】
また、本実施形態による空気調和システム100、冷媒センサ装置30、及び誤接続防止方法は、製品の出荷前検査において冷媒センサ31の誤接続を検知することができる。
【0133】
図15は、空気調和システム100の各制御装置のハードウェア構成を説明する図である。
図15に示す装置は、空気調和システム100の各制御装置(室外機制御装置17、室内機制御装置24)のハードウェア構成を示している。
【0134】
図15に示すように空気調和システム100の各制御装置(室外機制御装置17、室内機制御装置24)は、通信デバイスH11と、メモリH12と、プロセッサH13とを備える。
【0135】
通信デバイスH11は、例えば、LANカード、等のネットワークNW1に接続可能な通信装置である。
メモリH12は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、HDD、等の記憶装置であり、各制御装置(室外機制御装置17、室内機制御装置24)が利用する各種情報、及びプログラムを記憶する。
【0136】
プロセッサH13は、例えば、CPUなどを含む処理回路である。プロセッサH13は、メモリH12に記憶されているプログラムを実行させることで、各制御装置(室外機制御装置17、室内機制御装置24)の各種処理を実行する。
【0137】
また、本実施形態におけるリモコン40は、図15に示すハードウェア構成と同様の構成に、さらに、入力部42に対応する入力装置、及び表示部43に対応するディスプレイデバイス(表示装置)を備えたものである。
【0138】
なお、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、冷媒センサ装置30が、室内機20の外部の空調対象空間に設置される例を説明したが、これに限定されるものではなく、室内機20の内部に設置されてもよい。
【0139】
また、上記の実施形態において、冷媒センサ装置30が、故障パルス、及び寿命パルスを出力する例を説明したが、冷媒センサ装置30が、故障パルス、及び寿命パルスのいずれか又は両方を出力しない形態であってもよい。
【0140】
また、上記の実施形態において、識別信号、監視信号、漏洩信号、故障信号、及び寿命信号が、パルス信号である例を説明したが、これに限定されるものではなく、正弦波信号等のアナログ信号であってもよいし、他の方式の信号であってもよい。
また、識別信号、監視信号、漏洩信号、故障信号、及び寿命信号は、例えば、周波数、振幅、等に基づいて、識別されてもよい。
【0141】
また、上記の実施形態において、識別パルスの信号幅SD(=SD2)が、監視パルス、漏洩パルス、故障パルス及び寿命パルスの信号幅SD(=SD1)とは異なっている例を説明したが、同一の信号幅SDを用いるようにしてもよい。
【0142】
また、上記の実施形態において、第1の変形例と、第2の変形例とをそれぞれ単独で実施する例を説明したが、これに限定されるものではなく、2つの変形例を組み合わせて実施してもよい。また、上記の実施形態において、空気調和システム100は、第1の変形例と、第2の変形例とをいずれも用いない形態であってもよい。
【0143】
また、上記の実施形態において、本実施形態による空気調和システム100は、従来からある信号線を用いて、識別パルス(識別信号)を出力することができ、識別パルスを出力するための信号線を新たに追加する必要はない。よって、本実施形態による空気調和システム100は、従来の冷媒センサ装置30に対する制御を維持(互換性を維持)しつつ、冷媒センサ31の誤接続を検知することができる。また、信号線の数は、1本でも複数本であってもよい。1本の信号線が複数のパルス信号を出力することで信号線の増加を回避できる。
【0144】
また、上記の実施形態において、冷媒センサ装置30は、1つの冷媒に対応して、1つの識別パルスを出力する例を説明したが、これに限定されるものではない。冷媒センサ装置30は、例えば、LFLが近い複数の種類の冷媒に対して検出可能であり、複数の種類の冷媒に対して共通の識別パルスを出力するようにしてもよい。すなわち、冷媒センサ装置30は、例えば、R32とR454Bについては、濃度閾値を共通にして、これら2種の冷媒に対して、1つの冷媒センサ31で共有するようにしてもよい。
【0145】
なお、上述した空気調和システム100が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した空気調和システム100が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した空気調和システム100が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS及び周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0146】
また、「コンピュータシステム」は、インターネット、WAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0147】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に空気調和システム100が備える各構成で合体される構成、又は分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバ又はクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0148】
10…室外機、12…圧縮機、13…室外熱交換器、14…減圧機構、15…室外ファン、16…四方弁、17…室外機制御装置、18a,18b…遮断弁、20…室内機、22…室内熱交換器、23…室内ファン、24…室内機制御装置、30…冷媒センサ装置、31…冷媒センサ、32…センサ記憶部、33…センサ制御部、34,34A,34B,34C…コネクタ部、40…リモコン、41…外部通信部、42…入力部、43…表示部、44…リモコン制御部、50a,50b…冷媒配管、100…空気調和システム、241…室内機通信部、242…室内機記憶部、243…室内機制御部、LBA,LBB,LBC…識別ラベル、PB…基板、RC…冷媒回路
【要約】
空気調和システムは、室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機とを冷媒配管で接続し、可燃性の冷媒が循環する冷媒回路と、前記冷媒回路からの前記可燃性の冷媒の漏洩を検出する冷媒センサを有し、通常時に前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を監視していることを示す監視信号を出力し、前記冷媒センサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記冷媒の漏洩を検出したことを示す漏洩信号を出力する冷媒センサ装置と、前記冷媒回路の動作を制御するとともに、前記漏洩信号を受信した場合に、前記冷媒が漏洩したことを示す警報を出力する制御部と、を備え、前記冷媒センサ装置は、起動から一定の期間、前記可燃性の冷媒の種類に応じた識別信号を、前記制御部に出力する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15