(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-17
(45)【発行日】2025-04-25
(54)【発明の名称】高速投入器、電力変換装置、及び受配電設備
(51)【国際特許分類】
H01H 33/00 20060101AFI20250418BHJP
【FI】
H01H33/00 B
(21)【出願番号】P 2025508744
(86)(22)【出願日】2024-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2024034456
【審査請求日】2025-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】西尾 悠
(72)【発明者】
【氏名】竹松 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴志
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0033796(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0108091(US,A1)
【文献】国際公開第2015/178160(WO,A1)
【文献】特許第7150876(JP,B2)
【文献】特公昭46-042808(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/30 - 9/52
33/00 - 33/26
33/60 - 33/68
37/58 - 37/74
39/00
H02B 1/00 - 99/00
H02H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定電極と、
前記固定電極に向かって第1方向に移動可能である可動電極と、
前記可動電極の前記第1方向への移動をガイドするガイド部と、
前記固定電極から離間されている前記可動電極を前記ガイド部に対して保持可能である保持部と、
前記保持部によって保持されている前記可動電極を前記固定電極に向けて押圧可能である駆動部とを備え、
前記保持部によって保持されている前記可動電極と前記固定電極との間の最短距離は、前記固定電極と前記ガイド部との間の最短距離よりも長
く、
前記ガイド部は、外部機器に電気的に接続される端子部分と、前記第1方向において前記端子部分から前記固定電極側に延びる直管部分を有し、
前記端子部分は、前記第1方向において前記固定電極側に位置する前記直管部分の一端から、前記第1方向に直交する第2方向の外側に延びており、
前記固定電極と前記ガイド部との間の最短距離は、前記固定電極と前記直管部分の前記一端との間の距離である、高速投入器。
【請求項2】
固定電極と、
前記固定電極に向かって第1方向に移動可能である可動電極と、
前記可動電極の前記第1方向への移動をガイドするガイド部と、
前記固定電極から離間されている前記可動電極を前記ガイド部に対して保持可能である保持部と、
前記保持部によって保持されている前記可動電極を前記固定電極に向けて押圧可能である駆動部とを備え、
前記保持部によって保持されている前記可動電極と前記固定電極との間の最短距離は、前記固定電極と前記ガイド部との間の最短距離よりも長く、
前記ガイド部は、外部機器に電気的に接続される端子部分と、前記第1方向において前記端子部分から前記固定電極側に延びる第1ガイド部分を有
し、
前記第1方向において前記固定電極の側に位置する前記第1ガイド部分の端部は、前記第1方向に直交する第2方向において前記固定電極と対向するように配置されている、高速投入器。
【請求項3】
固定電極と、
前記固定電極に向かって第1方向に移動可能である可動電極と、
前記可動電極の前記第1方向への移動をガイドするガイド部と、
前記固定電極から離間されている前記可動電極を前記ガイド部に対して保持可能である保持部と、
前記保持部によって保持されている前記可動電極を前記固定電極に向けて押圧可能である駆動部とを備え、
前記保持部によって保持されている前記可動電極と前記固定電極との間の最短距離は、前記固定電極と前記ガイド部との間の最短距離よりも長く、
前記ガイド部は、外部機器に電気的に接続される端子部分と、前記第1方向において前記端子部分から前記固定電極側に延びる第1ガイド部分を有し、
前記ガイド部は、
前記第1方向において前記第1ガイド部分から前記固定電極とは反対側に延びている第2ガイド部分をさらに有し、
前記保持部は、前記可動電極が前記駆動部により押圧されていないときに、前記可動電極を前記第1ガイド部分及び前記第2ガイド部分のいずれかに対して保持可能であり、前記駆動部により前記固定電極に向けて押圧された前記可動電極が前記第1方向に移動するときに、前記可動電極及び前記ガイド部の少なくともいずれかと摺動し、かつ、前記可動電極が前記固定電極に接触しているときに、前記可動電極を前記第1ガイド部分に対して保持可能である、高速投入器。
【請求項4】
前記ガイド部は、
前記第1方向において前記第1ガイド部分から前記固定電極とは反対側に延びている第2ガイド部分をさらに有し、
前記保持部は、前記可動電極が前記駆動部により押圧されていないときに、前記可動電極を前記第1ガイド部分及び前記第2ガイド部分のいずれかに対して保持可能であり、前記駆動部により前記固定電極に向けて押圧された前記可動電極が前記第1方向に移動するときに、前記可動電極及び前記ガイド部の少なくともいずれかと摺動し、かつ、前記可動電極が前記固定電極に接触しているときに、前記可動電極を前記第1ガイド部分に対して保持可能である、請求項2
に記載の高速投入器。
【請求項5】
前記第2ガイド部分は、前記端子部分及び前記第1ガイド部分とは別部材である、請求項
3に記載の高速投入器。
【請求項6】
前記可動電極は、前記第1方向において前記固定電極から離間されている第1の位置から、前記固定電極に接触している第2の位置まで、移動可能であり、
前記ガイド部の前記第1ガイド部分及び前記第2ガイド部分は、前記可動電極が前記第1の位置から前記第2の位置まで移動するときに前記保持部を案内する案内面を有する、請求項
3に記載の高速投入器。
【請求項7】
固定電極と、
前記固定電極に向かって第1方向に移動可能である可動電極と、
前記可動電極の前記第1方向への移動をガイドするガイド部と、
前記固定電極から離間されている前記可動電極を前記ガイド部に対して保持可能である保持部と、
前記保持部によって保持されている前記可動電極を前記固定電極に向けて押圧可能である駆動部とを備え、
前記保持部によって保持されている前記可動電極と前記固定電極との間の最短距離は、前記固定電極と前記ガイド部との間の最短距離よりも長く、
前記可動電極と前記固定電極との間に放電を誘起する放電誘起機構をさらに備え、
前記放電誘起機構は、前記可動電極とともに移動可能であるトリガ電極を含む、高速投入器。
【請求項8】
前記可動電極を前記固定電極に向けて付勢するバネをさらに備え、
前記保持部は、前記バネによって付勢されている前記可動電極が前記駆動部に押圧されたときに、前記可動電極が前記固定電極に向けて移動することを許容する、請求項1~
7のいずれか1項に記載の高速投入器。
【請求項9】
前記バネは、前記固定電極に接触している前記可動電極を前記固定電極に向けて付勢可能である、請求項
8に記載の高速投入器。
【請求項10】
内部に絶縁空間が形成される容器を備え、
前記固定電極及び前記ガイド部は、前記容器の一部を構成しており、
前記可動電極と、前記保持部と、前記駆動部の少なくとも一部とは、前記容器内に配置されている、請求項1~
7のいずれか1項に記載の高速投入器。
【請求項11】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の高速投入器と、
モジュール回路とを備え、
前記高速投入器は、前記モジュール回路に電気的に並列に接続されている、電力変換装置。
【請求項12】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の高速投入器と、
遮断器と、
接地導体とを備え、
前記高速投入器の前記固定電極及び前記可動電極の一方は、前記遮断器の一方の極に電気的に接続されており、前記高速投入器の前記固定電極及び前記可動電極の他方は、前記接地導体に電気的に接続されている、受配電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高速投入器、並びに高速投入器を備える電力変換装置及び受配電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/031327号(特許文献1)は、固定接触子と、可動接触子と、可動接触子の投入をガイドする摺動ガイド部とを備える高速投入器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記高速投入器では、可動接触子が投入されていない状態において、可動接触子が摺動ガイド部よりも固定接触子側に突出しており、可動接触子と固定接触子との間の距離が固定接触子と摺動ガイド部との間の距離よりも短い。このような高速投入器では、可動接触子が投入されていない状態における可動接触子と固定接触子との間の耐圧性能を向上させることは困難である。
【0005】
上記高速投入器の耐圧性能を向上するには、可動接触子及び摺動ガイド部を固定接触子からさらに離間させる必要がある。この場合、可動接触子が摺動ガイド部によって適切に案内されずに固定接触子に対して傾き、可動接触子が固定接触子に適切に接触できないリスクがある。このような高速投入器は、可動電極と固定電極との間に高い耐圧性能が要求され、かつ可動電極が固定電極に接触して両者が通電している状態を保持することが要求される高速投入器に不適である。
【0006】
本開示の主たる目的は、可動電極と固定電極との間の耐圧性能を向上可能であり、かつ可動電極が固定電極に接触している状態を保持可能である、高速投入器、電力変換装置、及び受配電設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る高速投入器は、固定電極と、固定電極に向かって第1方向に移動可能である可動電極と、可動電極の第1方向への移動をガイドするガイド部と、固定電極から離間されている可動電極をガイド部に対して保持可能である保持部と、保持部によって保持されている可動電極を固定電極に向けて押圧可能である駆動部とを備える。保持部によって保持されている可動電極と固定電極との間の最短距離は、固定電極とガイド部との間の最短距離よりも長い。
【発明の効果】
【0008】
本開示にしたがえば、可動電極と固定電極との間の耐圧性能を向上可能であり、かつ可動電極が固定電極に接触している状態を保持可能である、高速投入器、電力変換装置、及び受配電設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る高速投入器を示す断面図である。
【
図2】実施の形態1に係る高速投入器において、可動電極が固定電極に投入されている状態を示す断面図である。
【
図3】実施の形態1に係る高速投入器の第1保持部の一例を説明するための平面図である。
【
図4】実施の形態2に係る高速投入器を示す断面図である。
【
図5】実施の形態2に係る高速投入器において、可動電極が固定電極に投入されている状態を示す断面図である。
【
図6】実施の形態3に係る高速投入器を示す断面図である。
【
図7】実施の形態3に係る高速投入器において、可動電極が固定電極に投入されている状態を示す断面図である。
【
図8】実施の形態4に係る高速投入器を示す断面図である。
【
図9】実施の形態4に係る高速投入器において、可動電極が固定電極に投入されている状態を示す断面図である。
【
図10】実施の形態4に係る高速投入器の第2保持部の一例を説明するための平面図である。
【
図11】実施の形態4に係る高速投入器の第2保持部の第1変形例を説明するための平面図である。
【
図13】実施の形態4に係る高速投入器の第2保持部の第2変形例を説明するための断面図である。
【
図14】実施の形態4に係る高速投入器の変形例を説明するための平面図である。
【
図15】実施の形態5に係る高速投入器を示す断面図である。
【
図16】実施の形態6に係る高速投入器を示す断面図である。
【
図17】実施の形態6に係る高速投入器において、投入動作中に実現される動作状態を示す断面図である。
【
図18】実施の形態6に係る高速投入器において、第2電極が第1電極に投入されている状態を示す断面図である。
【
図19】実施の形態7に係る電力用変換装置に含まれる、電力制御回路の一例を示す図である。
【
図20】実施の形態8に係る受配電設備に含まれる、受配電回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0011】
本実施の形態に係る高速投入器は、複数のモジュール回路を備える電気装置において、1つのモジュール回路に電気的に並列接続される。高速投入器は、当該1つのモジュール回路が故障したときに、当該1つのモジュール回路の両端を短絡させてこれを無効化し、故障の影響が他のモジュール回路に波及することを防止する。本開示に係る高速投入器は、任意の電気装置に適用可能である。一例として、本開示に係る高速投入器は、電力変換装置に適用可能である。本開示に係る高速投入器は、電力変換装置において複数のモジュール回路(単位変換器)の各々を保護対象として、各モジュール回路に並列に接続される。他の例として、本開示に係る高速投入器は、受配電設備に適用可能である。本開示に係る高速投入器は、受配電設備において複数のモジュール回路(スイッチギア)を保護対象として、各スイッチギアの遮断器の一方の極と接地導体との間に接続される。
【0012】
実施の形態1.
<高速投入器の構成>
図1及び
図2に示されるように、実施の形態1の高速投入器101は、固定電極10と、可動電極20と、ガイド部30と、第1保持部41と、駆動部50とを備える。
【0013】
固定電極10は、1つのモジュール回路に電気的に並列に接続される高速投入器101の2つの主電極のうちの一方の主電極(第1主電極)である。ガイド部30は、高速投入器101において、1つのモジュール回路に電気的に並列に接続される高速投入器101の2つの主電極のうちの他方の主電極(第2主電極)である。可動電極20は、ガイド部30に電気的に接続されており、かつ固定電極10及びガイド部30に対して相対的に移動可能である。ガイド部30は、可動電極20の移動をガイドする。
【0014】
可動電極20は、固定電極10から離間されている第1の位置から、固定電極10に接触している第2の位置まで、移動可能である。本明細書では、可動電極20が上記第1の位置にある状態を第1状態、可動電極20が上記第2の位置にある状態を第2状態、と記載する。
【0015】
図1は、高速投入器101の第1状態を示している。第1状態は、高速投入器101に電気的に並列に接続されているモジュール回路が通常運転しているときに実現される。第1状態において、固定電極10と第1保持部41によって保持されている可動電極20との間の第1方向DR1の最短距離L
1は、固定電極10と可動電極20との間の絶縁距離以上である。高速投入器101が第1状態から第2状態に切り替えられる際には、固定電極10と可動電極20との間の最短距離は、最短距離L
1よりも漸次短くなり、最終的にゼロになる。最短距離L
1は、高速投入器101の通常運転時において実現される固定電極10と可動電極20との間の最短距離のうち、最も短い距離である。第1状態では、高速投入器101に電気的に並列に接続されているモジュール回路は通常運転している。第1状態では、高速投入器101に電気的に並列に接続されているモジュール回路に印加される電圧が、固定電極10と可動電極20との間に印加されている。第1状態では、固定電極10と可動電極20とは電気的に絶縁されているため、モジュール回路には、通常の電流が流れる。
【0016】
図2は、高速投入器101の第2状態を示している。第2状態は、高速投入器101に電気的に並列に接続されているモジュール回路が故障したときに実現される。第2状態では、高速投入器101において、可動電極20が固定電極10に電気的に接続される。高速投入器101の第2状態では、電流経路I
1が形成される。高速投入器101に電気的に並列に接続されているモジュール回路は、バイパスされ、無効化される。
【0017】
本明細書では、可動電極20の移動方向を、第1方向DR1と記載する。第1方向DR1は、上下方向に沿っていてもよい。この場合、可動電極20は、固定電極10よりも上方に配置されていてもよいし、固定電極10よりも下方に配置されていてもよい。第1方向DR1は、水平方向に沿っていてもよい。第1方向DR1から視て可動電極20の中心を通りかつ第1方向DR1に沿って延びる中心軸を、中心軸CAと記載する。中心軸CAに対する径方向を、第2方向DR2と記載する。
【0018】
ガイド部30は、第1方向DR1に沿って延びている案内面30Aを有している。案内面30Aは、例えば中心軸CAに対する周方向に連なる内径面である。第1状態において、固定電極10と可動電極20との間の最短距離L1は、固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2よりも長い。最短距離L2は、第1方向DR1と交差する方向における固定電極10とガイド部30との間の距離である。最短距離L2は、高速投入器101の動作時に変化しない。ガイド部30において固定電極10と最短距離L2を隔てた位置にある部分は、例えば、第1方向DR1において固定電極10側に位置するガイド部30の端部である。最短距離L1及び最短距離L2は、高速投入器101において要求される耐圧性能を実現可能な距離として設定される。
【0019】
第1保持部41は、固定電極10から離間されている可動電極20をガイド部30に対して保持可能である。駆動部50は、第1保持部41によって保持されている可動電極20を固定電極10に向けて押圧して移動させ得る。
【0020】
高速投入器101において、第1保持部41は、可動電極20が駆動部50に押圧されて第1方向DR1に移動するときに、ガイド部30の案内面30Aと摺動するように設けられている。
【0021】
第1保持部41は、例えば、導電性を有しており、可動電極20とガイド部30との間を電気的に接続している。なお、第1保持部41は、電気的絶縁性を有していてもよい。この場合、高速投入器101は、可動電極20とガイド部30との間を電気的に接続する接続部材をさらに備えていればよい。接続部材は、可動電極20が駆動部50に押圧されて第1方向DR1に移動するときに、伸縮するように設けられていてもよいし、可動電極20及びガイド部30の少なくともいずれかと摺動するように設けられていてもよい。
【0022】
高速投入器101は、容器1を備えていてもよい。容器1は、例えば、第1蓋部2と、第1管部3と、第2管部4と、第2蓋部5とを有する。第1蓋部2及び第2管部4の各々は、導電性を有する。第1管部3及び第2蓋部5の各々は、電気的絶縁性を有する。第1管部3と第2管部4とは、第1方向DR1に沿って延びておりかつ第1方向DR1において互いに並んで配置されている。第1管部3の第1方向DR1の一方の開口端は、第1蓋部2によって塞がれている。第1管部3の第1方向DR1の他方の開口端は、第2管部4の第1方向DR1の一方の開口端に接続されている。第2管部4の第1方向DR1の他方の開口端は、第2蓋部5によって塞がれている。容器1の内部には、第1蓋部2、第1管部3、第2管部4、及び第2蓋部5によって囲まれている空間が形成されている。
【0023】
固定電極10は、例えば第1蓋部2と同一の部材として設けられている。固定電極10のうち後述する底部11は、第1蓋部2として設けられている。ガイド部30は、例えば第2管部4と同一の部材として設けられている。可動電極20、第1保持部41、及び駆動部50の少なくとも一部は、容器1の内部空間に収容されている。可動電極20及び第1保持部41は、容器1に対して相対的に移動可能である。可動電極20は、第1管部3及び第2管部4の内側を移動可能である。第1保持部41は、第2管部4の内側を移動可能である。駆動部50は、容器1に固定されている。駆動部50は、例えば第2蓋部5に固定されている。
【0024】
容器1の内部空間は、例えば、空気または六フッ化硫黄などのような絶縁性ガスによって満たされている。容器1の内部空間は、真空であってもよい。
【0025】
なお、第1蓋部2は、例えば固定電極10とは別の部材として設けられていてもよい。第1蓋部2の一部のみが、固定電極10に電気的に接続されており、固定電極10とともに第1主電極を成していてもよい。第1蓋部2の残部は、電気的絶縁性を有していてもよい。第2管部4は、例えばガイド部30とは別の部材として設けられていてもよい。第2管部4の一部のみが、ガイド部30に電気的に接続されており、ガイド部30とともに第2主電極を成していてもよい。第2管部4の残部は、電気的絶縁性を有していてもよい。
【0026】
高速投入器101は、容器1を備えていなくてもよい。
以下では、高速投入器101の具体例の詳細について説明する。
【0027】
<高速投入器の具体例>
図1及び
図2に示されるように、固定電極10は、底部11と、第1突出部12とを有する。底部11は、高速投入器101において外部に表出している。底部11は、第1蓋部2として設けられている。底部11は、第1方向DR1から視て、中央部と、中央部を囲む外縁部とを有している。底部11の外縁部は、第1管部3の第1方向DR1の一方の開口端に接続されている。第1突出部12は、底部11の中央部から可動電極20側に向かって突出している。第1突出部12は、第1方向DR1において可動電極20側を向いている頂面10Aを有している。頂面10Aは、例えば、第1方向DR1に直交する平面である。なお、頂面10Aは、曲面であってもよい。頂面10Aは、凸面であってもよい。頂面10Aは、凹面であってもよい。底部11は、高速投入器101において、モジュール回路等の外部機器に電気的に接続される第1の端子を構成する。
【0028】
固定電極10において、第1突出部12は、例えば底部11と同一の部材として設けられている。なお、第1突出部12は、底部11と別の部材として設けられていてもよい。
【0029】
可動電極20は、固定電極10に向かって第1方向DR1に移動可能である。可動電極20は、本体部21と、第2突出部22とを有する。本体部21は、第1方向DR1において、第2突出部22に対して固定電極10とは反対側に配置されている。本体部21は、第1方向DR1から視て、中央部と、中央部を囲む外縁部とを有している。本体部21の外縁部は、第2方向DR2において後述するガイド部30の案内面30Aと対向している。第2突出部22は、本体部21の中央部から固定電極10側に向かって突出している。第2突出部22の第2方向DR2の外径は、本体部21の第2方向DR2の外径よりも小さい。
【0030】
第2突出部22は、第1方向DR1において固定電極10側を向いている頂面20Aを有している。第1状態において、頂面20Aは、固定電極10の頂面10Aと対向する。第2状態において、頂面20Aは頂面10Aに接触する。頂面20Aは、例えば、第1方向DR1に直交する平面である。なお、頂面20Aは、曲面であってもよい。頂面20Aは、凸面であってもよい。この場合、頂面10Aは、凹面であることが好ましい。
【0031】
本体部21の外縁部は、第2方向DR2において外側を向いている側面20Bを有している。側面20Bは、第1の位置及び第2の位置のそれぞれにおいて、ガイド部30の案内面30Aと第2方向DR2に対向する。異なる観点から言えば、ガイド部30の案内面30Aは、可動電極20が第1の位置から第2の位置まで移動するときに、可動電極20及び第1保持部41を案内する。
【0032】
可動電極20の外縁部の側面20Bには、第1溝部23が設けられている。第1溝部23は、第2方向DR2において側面20Bよりも内側に凹んでおり、中心軸CAに対する周方向に沿って延びている。第1溝部23は、例えば中心軸CAに対する周方向に連なる環状溝である。第1溝部23は、第1保持部41の一部を収容するように設けられている。
【0033】
第1溝部23は、第1方向DR1において互いに対向する1対の内壁面と、1対の内壁面の内周端同士を接続する底面とを有している。第1溝部23の底面は、第2方向DR2においてガイド部30の案内面30Aと対向する。
【0034】
ガイド部30は、例えば直管部分31と、端子部分32とを有する。直管部分31は、第1方向DR1に沿って延びている。直管部分31の内周面が、案内面30Aを成している。案内面30Aの第1方向DR1の長さは、可動電極20の第1の位置と第2の位置との間の移動距離以上である。
【0035】
端子部分32は、高速投入器101において、モジュール回路等の外部機器に電気的に接続される第2の端子を構成する。端子部分32は、例えば、第1方向DR1において固定電極10側に位置する直管部分31の一端から、第2方向DR2の外側に延びている。端子部分32の第2方向DR2の外縁は、第1方向DR1において固定電極10とは反対側に位置する第1管部3の開口端に接続されている。第1方向DR1において固定電極10側に位置する直管部分31の他端は、第2蓋部5の第2方向DR2の外縁に接続されている。
【0036】
直管部分31の内径は、第1管部3の内径よりも小さい。可動電極20の側面20Bとガイド部30の案内面30Aとの間の第2方向DR2の距離は、固定電極10の側面と第1管部3の内周面との間の第2方向DR2の距離よりも短い。
【0037】
第1保持部41は、第2方向DR2において弾性変形可能な弾性体である。第1保持部41は、例えば環状の弾性体である。第1保持部41は、第1溝部23の底面及び案内面30Aの各々に接触している。第1保持部41は、第1溝部23の底面と案内面30Aとに挟まれて第2方向DR2に圧縮されている。第1保持部41は、第1溝部23の底面及び案内面30Aの各々に反力(弾性力)を付与している。
【0038】
第1保持部41は、第1溝部23の一対の内壁面のうちの少なくともいずれかに接触している。第1保持部41は、例えば第1溝部23の一対の内壁面の各々に接触している。
【0039】
図3は、第1保持部41の一例を示す平面図である。
図3に示されるように、第1保持部41は、例えばスプリングコイルである。第1保持部41は、第1方向DR1から視て可動電極20の第1溝部23の底面を囲むように環状に曲げられている。第1保持部41の周方向の一端は、例えば第1保持部41の周方向の他端に接続されている。
【0040】
図1~
図3を参照して、第1保持部41は、第2方向DR2において圧縮されている。第1保持部41が第1溝部23の底面と案内面30Aとの間に挟まれているときの、第1保持部41の上記周方向における一部分の幅W
1(
図1参照)は、第1溝部23の底面と案内面30Aとの間の第2方向DR2の距離に等しい。幅W
1は、第1保持部41が第1溝部23の底面と案内面30Aとに挟まれていない自然状態にあるときの、第1保持部41の上記周方向における一部分の幅W
0(
図3参照)よりも小さい。
【0041】
駆動部50は、例えばシリンダである。駆動部50は、例えばシリンダチューブ51と、ロッド52とを有する。シリンダチューブ51は、第2蓋部5に固定されている。ロッド52は、第1方向DR1においてシリンダチューブ51に対して相対的に移動可能である。ロッド52は、可動電極20を固定電極10に向けて押圧可能である。第1状態において、ロッド52は、例えば可動電極20から離間されている。第1状態において、ロッド52は、可動電極20と接触していてもよい。第2状態において、ロッド52は、例えば可動電極20を固定電極10に向けて押圧している。第2状態において、固定電極10に接触している可動電極20は、例えば、駆動部50と後述するバネ60とによって保持されている。
【0042】
なお、第2状態において、ロッド52は、可動電極20から離間されていてもよい。固定電極10に接触している可動電極20は、後述するバネ60のみによって保持されていてもよい。駆動部50は、電動アクチュエータであってもよい。
【0043】
高速投入器101は、バネ60をさらに備えていてもよい。バネ60は、少なくとも固定電極10から離間されている可動電極20を固定電極10に向けて付勢する。バネ60は、少なくとも第1状態において、可動電極20を固定電極10に向けて付勢する。好ましくは、バネ60は、固定電極10に接触している可動電極20を固定電極10に向けて付勢可能である。好ましくは、バネ60は、第1状態及び第2状態において、可動電極20を固定電極10に向けて付勢する。
【0044】
バネ60は、第1方向DR1において、可動電極20に対して固定電極10とは反対側に配置されている。バネ60の第1方向DR1の一端は、可動電極20の本体部21に接続されている。好ましくは、バネ60の第1方向DR1の一端は、絶縁部材24を介して可動電極20の本体部21に接続されている。バネ60の第1方向DR1の他端は、例えば第2蓋部5に接続されている。
【0045】
バネ60は、第1方向DR1に伸縮可能である。バネ60の第1方向DR1の自然長は、第1状態における可動電極20と第2蓋部5との間の第1方向DR1の距離よりも短い。好ましくは、バネ60の第1方向DR1の自然長は、第2状態における可動電極20と第2蓋部5との間の第1方向DR1の距離よりも短い。
【0046】
バネ60の第2方向DR2の内径は、例えば駆動部50の第2方向DR2の最大幅よりも大きい。バネ60は、例えば第2方向DR2において駆動部50を囲むように配置されている。バネ60の第2方向DR2の外径は、可動電極20の第2方向DR2の外径よりも小さい。
【0047】
高速投入器101では、モジュール回路の異常が検出されるなどにより投入動作が開始されるまで、
図1に示される第1状態に保持される。第1状態において、第1保持部41は、幅W
0と幅W
1との差分だけ第2方向DR2に圧縮されている。第1状態において第1保持部41とガイド部30との間に生じる摩擦力は、蓄勢されたバネ60によって第1保持部41に付与される付勢力よりも大きい。第1状態において、第1保持部41は、バネ60の付勢力に抗して、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを阻止する。
【0048】
高速投入器101では、投入動作が開始されると、上記第1状態から
図2に示される第2状態に切り替えられる。切り替え時には、第1状態において第1保持部41とガイド部30との間に生じる摩擦力よりも大きな力が、駆動部50とバネ60とによって可動電極20を介して第1保持部41に付与される。第1保持部41は、上記のように駆動部50に押圧されたときに、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを許容する。これにより、可動電極20は、第1保持部41とともにガイド部30に案内されて第1方向DR1に移動し、第2の位置に到達する。
【0049】
高速投入器101では、第1状態において、固定電極10と可動電極20との間の最短距離L1は、固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2よりも長い。最短距離L1及び最短距離L2は、高速投入器101において要求される耐圧性能を実現可能な距離として設定され得る。さらに最短距離L2が最短距離L1よりも短いため、第1状態における可動電極20よりも固定電極10の近くに配置されているガイド部30が、第1状態から第2状態への切り替え時に可動電極20を適切にガイドでき、さらに、第2状態における可動電極20を適切に保持できる。高速投入器101によれば、可動電極20と固定電極10との間の耐圧性能を向上可能であり、かつ可動電極20が固定電極10に接触している状態を保持可能である。
【0050】
特に、最短距離L1が、固定されている固定電極10と第1状態と第2状態との切り替え時に移動する可動電極20との間の距離であるのに対し、最短距離L2は、第1状態と第2状態との切り替え時に移動しない固定電極10とガイド部30との間の距離である。そのため、最短距離L2については、最短距離L1と比べて、製造上のばらつきが生じにくい。したがって、高速投入器101では、最短距離L1及び最短距離L2の製造上のばらつきに起因した耐圧性能の低下を抑制可能である。
【0051】
高速投入器101では、第1保持部41は、駆動部50により固定電極10に向けて押圧された可動電極20が第1方向DR1に移動するときに、ガイド部30と摺動するように設けられている。
【0052】
このような第1保持部41は、駆動部50により可動電極20を介して第1方向DR1に押圧されると、可動電極20の移動を阻止し得なくなり、可動電極20とともに固定電極10に向けて移動し、ガイド部30に対して摺動する。可動電極20を固定電極10に投入するために可動電極20及び第1保持部41に付与される押圧力の向きは、可動電極20の移動方向と同じである。このような高速投入器101では、可動電極20を固定電極10に投入する投入動作が1段階動作として実行され得るため、上述した従来の高速投入器と比べて、投入動作の高速化が可能である。
【0053】
高速投入器101は、可動電極20を固定電極10に向けて付勢するバネ60をさらに備える。第1保持部41は、バネ60によって付勢されている可動電極20が駆動部50に押圧されたときに、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを許容する。
【0054】
このような高速投入器101では、駆動部50の押圧力とバネ60の付勢力とが可動電極20及び第1保持部41に付与されるため、駆動部50の押圧力のみが可動電極20及び第1保持部41に付与される場合と比べて、投入速度(第1状態から第2状態への切り替えの速さ)を速めることができる。
【0055】
高速投入器101において、バネ60は、固定電極10に接触している可動電極20を固定電極10に向けて付勢可能である。これにより、可動電極20と固定電極10との間に生じる接触圧力は、バネ60が固定電極10に接触している可動電極20を固定電極10に向けて付勢しない場合と比べて、大きくなる。このような高速投入器101では、可動電極20が固定電極10に通電している状態がより確実に保持され得る。さらに、高速投入器101では、互いに接触している可動電極20及び固定電極10に大電流が流れて、両者に電磁反発力が印加される場合にも、バネ60は、可動電極20がこの電磁反発力によって固定電極10から離間することを防止できる。その結果、高速投入器101では、可動電極20が固定電極10に通電している状態がより確実に保持され得る。
【0056】
高速投入器101は、内部に絶縁空間が形成される容器1を備える。固定電極10及びガイド部30は、容器1の一部を構成している。可動電極20と、第1保持部41と、駆動部50の少なくとも一部とは、容器1内に配置されている。このような高速投入器101では、第1の位置にある可動電極20と固定電極10との間に存在する導電性ガスを介して可動電極20と固定電極10とが電気的に接続されることを防止できる。
【0057】
高速投入器101において、第1保持部41は、可動電極20に対して位置決めされており、可動電極20の移動に伴いガイド部30に対して摺動する。このような第1保持部41とガイド部30とは、第1の位置から第2の位置に移動する可動電極20を適切にガイドできる。可動電極20が第2の位置にあるときにも、第1保持部41とガイド部30との間に摩擦力が生じ得る。この摩擦力は、バネ60による上記接触圧力とともに、可動電極20が固定電極10から離れる方向に移動することを抑制する。
【0058】
高速投入器101では、第1保持部41が導電性を有している。このような第1保持部41は、可動電極20と第2主電極としてのガイド部30とを電気的に接続する接続部材を兼ねることができる。そのため、高速投入器101では、可動電極20と第2主電極としてのガイド部30とを電気的に接続するための接続部材を、第1保持部41とは別に設ける必要がなく、上記接続部材が第1保持部41とは別に設けられている高速投入器と比べて部品点数を削減できる。
【0059】
可動電極20の側面20Bには、第1溝部23が設けられている。第1保持部41は、案内面30A及び第1溝部23の底面の各々に接触している。第1溝部23は、可動電極20に対して第1保持部41を位置決めできる。
【0060】
高速投入器101において、第1保持部41は、スプリングコイルである。第1保持部41は、第1方向DR1から視て、可動電極20を囲むように環状に曲げられており、かつ第2方向DR2において圧縮されている。このような第1保持部41の保持力、すなわち第1保持部41によって第1溝部23の底面及び案内面30Aの各々に付与される反力、は比較的安定しており、その調整は容易である。そのため、第1保持部41の保持力とバネ60の付勢力とのバランスの調整も、容易である。そのため、高速投入器101では、従来の高速投入器と比べて、投入動作が安定する。例えば、可動電極と容器との間に渡された保持部に切り込みを設け、保持部を押圧して切り込みにて保持部を切断することにより可動電極を固定電極に投入する方式の高速投入器と比べて、高速投入器101の投入動作は安定する。
【0061】
実施の形態2.
図4及び
図5に示されるように、実施の形態2に係る高速投入器102は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0062】
高速投入器102において、ガイド部30は、第1ガイド部分31Aと、第2ガイド部分31Bと、端子部分32とを有する。第1ガイド部分31A及び第2ガイド部分31Bの各々は、直管部分31に含まれる。
【0063】
第1ガイド部分31Aは、第1方向DR1において端子部分32から固定電極10側に延びている。第1ガイド部分31Aは、第2方向DR2において端子部分32に接続されている部分と、当該部分から固定電極10側に延びている部分とを有している。第1方向DR1において固定電極10の側に位置する第1ガイド部分31Aの端部は、第2方向DR2において固定電極10と対向するように配置されている。第1ガイド部分31Aは、第2方向DR2において第1管部3よりも内側に配置されている。
【0064】
高速投入器102では、固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2は、固定電極10と第1ガイド部分31Aの上記端部との間の距離である。高速投入器102においても、第1状態において、固定電極10と可動電極20との間の最短距離L1は、固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2よりも長い。
【0065】
第2ガイド部分31Bは、第1方向DR1において第1ガイド部分31Aから固定電極とは反対側に延びている。
【0066】
第2ガイド部分31Bは、端子部分32及び第1ガイド部分31Aと同一の部材として構成されていてもよい。なお、第2ガイド部分31Bは、端子部分32及び第1ガイド部分31Aと別の部材であってもよい。
【0067】
第1保持部41は、第1状態において、可動電極20を第1ガイド部分31A及び第2ガイド部分31Bのいずれかに対して保持可能であればよい。例えば、第1保持部41は、第1状態において、可動電極20を第1ガイド部分31Aに対して保持可能である。第1保持部41は、駆動部50により固定電極10に向けて押圧された可動電極20が第1方向DR1に移動するときに、第1ガイド部分31Aと摺動するように設けられていてもよい。第1保持部41は、第2状態において、可動電極20を第1ガイド部分31Aに対して保持可能である。
【0068】
高速投入器102では、ガイド部30が第1ガイド部分31Aを有するため、第2状態では、端子部分32、第1ガイド部分31A、第1保持部41、可動電極20、及び固定電極10を順に通る電流経路I
2が形成される。このような電流経路I
2では、
図2に示される電流経路I
1と比べて、可動電極20とガイド部30との接触部分において、第1方向DR1の電流経路P1(
図5参照)が長くなるため、電極間の電磁反発力を打ち消す方向の電磁力が発生し、可動電極20を固定電極10から離間させるような電磁反発力が生じにくい。そのため、高速投入器102では、高速投入器101と比べて、可動電極20が固定電極10に通電している状態がより確実に保持され得る。
【0069】
なお、高速投入器102において、第1保持部41は、第1状態において、可動電極20を第2ガイド部分31Bに対して保持可能であってもよい。
【0070】
実施の形態3.
図6及び
図7に示されるように、実施の形態3に係る高速投入器103は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0071】
高速投入器103において、ガイド部30の案内面30Aは、第1案内面33Aと、第2案内面34Aと、第3案内面35Aとを有する。第1案内面33Aは、第1の位置にある可動電極20の側面20Bと第2方向DR2に対向する。第2案内面34Aは、第2の位置にある可動電極20の側面20Bと第2方向DR2に対向する。第2案内面34Aは、第1方向DR1において第1案内面33Aよりも固定電極10側に配置されている。
【0072】
高速投入器103において、第2案内面34Aは、第2方向DR2において、第1案内面33Aよりも可動電極20側に突出している。第2案内面34Aと可動電極20の側面20Bとの間の第2方向DR2の距離L
4は、第1案内面33Aと可動電極20の側面20Bとの間の第2方向DR2の距離L
3よりも短い。上記距離L
3と上記距離L
4とは、第1保持部41の上記幅W
0(
図3参照)よりも小さい。
【0073】
第3案内面35Aは、第1案内面33Aと第2案内面34Aとの間を接続する。第3案内面35Aは、第1方向DR1に対して傾斜している。好ましくは、第3案内面35Aは、第1方向DR1において第2案内面34Aに向かうにつれて、第2方向DR2において可動電極20に近づくように、第1案内面33A及び第2案内面34Aの各々に対して傾斜している。
【0074】
ガイド部30は、第1案内面33Aから第2方向DR2において内側に突出している凸部36を有している。凸部36は、中心軸CAに対する周方向に連なっている。第2案内面34Aは、凸部36の内径面である。第3案内面35Aは、凸部36の側面である。凸部36は、例えば第1ガイド部分31Aに含まれる。なお、凸部36は、第2ガイド部分31Bに含まれていてもよい。
【0075】
高速投入器103では、モジュール回路の異常が検出されるなどにより投入動作が開始されるまで、
図6に示される第1状態に保持される。第1状態において、第1保持部41は、幅W
0と幅W
1との差分だけ第2方向DR2に圧縮されている。第1状態において第1保持部41とガイド部30との間に生じる摩擦力は、蓄勢されたバネ60によって第1保持部41に付与される付勢力よりも大きい。第1状態において、第1保持部41は、バネ60の付勢力に抗して、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを阻止する。
【0076】
高速投入器103では、投入動作が開始されると、上記第1状態から
図7に示される第2状態に切り替えられる。切り替え時に、第1保持部41には、第1状態において第1保持部41とガイド部30との間に生じる摩擦力よりも大きくかつ第1保持部41を距離L
3と距離L
4との差分だけ第2方向DR2に圧縮させ得る力が、駆動部50とバネ60とから付与される。これにより、第1保持部41は、可動電極20とともに第1方向DR1に移動し、第3案内面35Aに対して摺動して、距離L
3と距離L
4との差分だけ第2方向DR2にさらに圧縮される。さらに第1保持部41は、第2方向DR2に圧縮された状態で、第2案内面34Aに対して摺動する。これにより、可動電極20は、第1保持部41とともにガイド部30に案内されて第1方向DR1に移動し、第2の位置に到達する。
【0077】
第1状態において、第1保持部41の上記周方向における一部分の幅は、第1案内面33Aと可動電極20の側面20Bとの間の第2方向DR2の距離L3に等しい。第2状態において、第1保持部41の上記周方向における一部分の幅は、第2案内面34Aと可動電極20の側面20Bとの間の第2方向DR2の距離L4に等しい。
【0078】
高速投入器103において、案内面30Aは、第1の位置にある可動電極20の側面20Bと第2方向DR2に対向する第1案内面33Aと、第2の位置にある可動電極20の側面20Bと第2方向DR2に対向する第2案内面34Aとを有する。第2案内面34Aは、第2方向DR2において、第1案内面33Aよりも可動電極20側に突出している。
【0079】
高速投入器103では、可動電極20が第1の位置から第2の位置に移動するときに、第1保持部41が第2方向DR2において圧縮される必要がある。そのため、高速投入器103では、高速投入器101と比べて、第1の位置にある可動電極20をより確実に保持できる。
【0080】
高速投入器103において、第3案内面35Aは、第1方向DR1において第2案内面34Aに向かうにつれて、第2方向DR2において可動電極20に近づくように、第1案内面33A及び第2案内面34Aの各々に対して傾斜している。駆動部50及びバネ60によって可動電極20及び第1保持部41に第1方向DR1への力が付与されると、第1保持部41に第3案内面35Aに沿った分力が生じるため、第1保持部41の第2方向DR2への圧縮がスムーズに行われ得る。
【0081】
実施の形態4.
図8~
図10に示されるように、実施の形態4に係る高速投入器104は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0082】
高速投入器104は、保持部として、第1保持部41に代えて、第2保持部42を備える。第2保持部42は、可動電極20が駆動部50に押圧されて第1方向DR1に移動するときに、可動電極20と摺動するように設けられている。
【0083】
第2保持部42は、ガイド部30に対して位置決めされており、可動電極20に対して摺動するように設けられている。第2保持部42は、例えば第1ガイド部分31Aに位置決めされている。第2保持部42は、第2ガイド部分31Bに位置決めされていてもよい。
【0084】
第2保持部42は、ガイド部30に固定されている第1部分42Aと、可動電極20に接触している第2部分42Bとを有している。
【0085】
第2保持部42は、例えば、第2方向DR2に延びる板状部材である。第2保持部42は、例えば、第1方向DR1から視て、環形状を有している。第1方向DR1から視て、第1部分42Aは第2保持部42の外周部分であり、第2部分42Bは第2保持部42の内周部分である。
【0086】
第2保持部42は、例えば、可動電極20が第1の位置から第2の位置に向けて移動するときに、第1状態時の形状に対して変形するように設けられている。第2保持部42は、第1状態においては、バネ60の付勢力に抗して可動電極20が固定電極10に向けて移動することを阻止する。第2保持部42は、第2状態においては、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを許容する。
【0087】
ガイド部30は、第2保持部42の第1部分42Aを固定している固定部分38を有している。固定部分38は、例えば、第1方向DR1において第2保持部42の第1部分42Aを挟み込み、かつ第2方向DR2において第2保持部42が外側に移動することを阻止するように設けられている。固定部分38は、導電性を有している。固定部分38は、例えばガイド部30の一部分として設けられている。第2保持部42の第1部分42Aは、導電性接着剤等を用いて、固定部分38に固定されていてもよい。
【0088】
ガイド部30には、第1方向DR1において固定部分38よりも固定電極10側に、第2溝部39が設けられている。第2溝部39は、第1部分42Aに対して固定電極10側に折り曲げられた第2部分42Bの少なくとも一部を収容可能である。固定部分38及び第2溝部39は、ガイド部30の直管部分31に設けられている。固定部分38及び第2溝部39は、第1ガイド部分31A及び第2ガイド部分31Bの少なくともいずれかに設けられている。固定部分38及び第2溝部39は、例えば第1ガイド部分31Aに設けられている。なお、固定部分38及び第2溝部39は、第2ガイド部分31Bに設けられていてもよいし、第1ガイド部分31Aと第2ガイド部分31Bとの間をまたぐように設けられていてもよい。
【0089】
可動電極20の外縁部の側面20Bには、第3溝部25が設けられている。第3溝部25は、第2方向DR2において側面20Bよりも内側に凹んでおり、中心軸CAに対する周方向に沿って延びている。第3溝部25は、例えば中心軸CAに対する周方向に連なる環状溝である。第3溝部25は、第2保持部42の第2部分42Bを収容するように設けられている。第3溝部25は、第1方向DR1において互いに対向する1対の内壁面と、1対の内壁面の内周端同士を接続する底面とを有している。第1状態において、第3溝部25の底面は、第2方向DR2において第2溝部39の底面と対向する。
【0090】
第2保持部42の第2部分42Bは、第1状態において、第3溝部25の1対の内壁面のうち固定電極10側を向いている内壁面と接触するように設けられている。
【0091】
高速投入器104では、モジュール回路の異常が検出されるなどにより投入動作が開始されるまで、
図7に示される第1状態に保持される。第1状態において、第2保持部42は、バネ60の付勢力に抗して、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを阻止する。
【0092】
高速投入器104では、投入動作が開始されると、上記第1状態から
図8に示される第2状態に切り替えられる。切り替え時には、第2保持部42の第2部分42Bを第1部分42Aに対して固定電極10側に折り曲げ得る力が、駆動部50とバネ60とによって可動電極20を介して第2保持部42に付与される。これにより、第2保持部42の第2部分42Bが第1部分42Aに対して固定電極10側に折り曲げられる。その結果、第2保持部42は、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを許容する。これにより、可動電極20は、ガイド部30に案内されて第1方向DR1に移動し、第2の位置に到達する。
【0093】
高速投入器104において、第2保持部42は、ガイド部30に対して位置決めされており、可動電極20に対して摺動する。可動電極20が第1の位置から第2の位置に向けて移動するときに、第2保持部42の第2部分42Bは、第1部分42Aよりも固定電極10側に曲げられる。第2保持部42は、駆動部50により可動電極20を介して第1方向DR1に押圧されると、可動電極20の移動を阻止し得なくなり、第2部分42Bが第1部分42Aに対して固定電極10側に曲げられて、可動電極20の側面20Bに対して摺動する。高速投入器104において、可動電極20を固定電極10に投入するために可動電極20及び第2保持部42に付与される押圧力の向きは、可動電極20の移動方向と同じである。そのため、高速投入器104も、高速投入器101と同様に、可動電極20を固定電極10に投入する投入動作が1段階動作として実行され得るため、上述した従来の高速投入器と比べて、投入動作の高速化が可能である。
【0094】
高速投入器104では、ガイド部30のうち固定部分38よりも固定電極10側に、第2保持部42の第2部分42Bの少なくとも一部を収容可能である第2溝部39が設けられている。これにより、上記変形に伴う第2保持部42の第2部分42Bとガイド部30との干渉を抑制できる。第2保持部42の上記変形は、ガイド部30に妨げられることなく、円滑にかつ高速に行われ得る。
【0095】
第2保持部42は、第2方向DR2に延びる板状部材である。第2保持部42は、第1方向DR1から視て、環形状を有している。第1方向DR1から視て、第1部分42Aは第2保持部42の外周部分であり、第2部分42Bは第2保持部42の内周部分である。このような第2保持部42の強度の調整は容易であるため、高速投入器104においても、従来の高速投入器と比べて、投入動作が安定する。また、第2保持部42の保持力は、第1保持部41の保持力よりも大きく設定され得る。そのため、高速投入器104では、高速投入器101と比べて、バネ60の付勢力を大きくすることができ、投入速度を速めることができる。
【0096】
高速投入器104において、第2保持部42は、
図8~
図10に示される構造に制限されない。
【0097】
図11に示されるように、第2保持部42は、第1方向DR1から視て、環形状を有する環状部分43と、環状部分43から内側に突出する複数の突出部分44とを有していてもよい。環状部分43が第1部分42Aである。複数の突出部分44の各々が第2部分42Bである。
【0098】
図12に示されるように、複数の突出部分44の第1方向DR1の寸法T(厚さ)は、例えば、環状部分43の第1方向DR1の寸法(厚さ)に等しい。
【0099】
図13に示されるように、複数の突出部分44の第1方向DR1の寸法T(厚さ)は、例えば、環状部分43の第1方向DR1の寸法(厚さ)よりも薄くてもよい。
【0100】
図11~
図13に示される第2保持部42によれば、第2保持部42の保持力の調整が
図8~10に示される第2保持部42よりもさらに容易になる。
【0101】
図14に示されるように、ガイド部30の固定部分38は、ガイド部30とは別の部材として設けられていてもよい。固定部分38は、複数の部材によって構成されていてもよい。固定部分38は、第2溝部39の一部を構成していてもよい。このようなガイド部30及び第2保持部42は、容易に組み立てられ得る。
【0102】
実施の形態5.
図15に示されるように、実施の形態5に係る高速投入器105は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2及び実施の形態4と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2及び実施の形態4と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0103】
高速投入器105は、第1保持部41と第2保持部42とを備えている。第1保持部41は、高速投入器101~103の第1保持部41と同様の構成を有している。第2保持部42は、高速投入器104の第2保持部42と同様の構成を有している。
【0104】
第1保持部41は、第1方向DR1において第2保持部42よりも固定電極10側に配置されている。高速投入器105において、可動電極20には、第1溝部23と第3溝部25とが設けられている。ガイド部30は、第1方向DR1において第2溝部39よりも固定電極10側に案内面30Aを有している。
【0105】
高速投入器105では、モジュール回路の異常が検出されるなどにより投入動作が開始されるまで、
図15に示される第1状態に保持される。第1状態において、第1保持部41及び第2保持部42は、バネ60の付勢力に抗して、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを阻止する。
【0106】
高速投入器105では、投入動作が開始されると、上記第1状態から第2状態に切り替えられる。切り替え時には、第1状態において第1保持部41とガイド部30との間に生じる摩擦力よりも大きな力が、駆動部50とバネ60とによって可動電極20を介して第1保持部41に付与される。さらに、第2保持部42の第2部分42Bを第1部分42Aに対して固定電極10側に折り曲げ得る力が、駆動部50とバネ60とによって可動電極20を介して第2保持部42に付与される。これにより、第1保持部41及び第2保持部42は、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを許容する。その結果、可動電極20は、第1保持部41とともにガイド部30に案内されて第1方向DR1に移動し、第2の位置に到達する。
【0107】
高速投入器105は、高速投入器101及び高速投入器104と同様の構成を備えるため、高速投入器101及び高速投入器104のそれぞれと同様の効果を有する。
【0108】
実施の形態6.
図16~
図18に示されるように、実施の形態6に係る高速投入器106は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0109】
図16~
図18に示されるように、実施の形態6の高速投入器106は、放電誘起機構70をさらに備える。
【0110】
図16は、高速投入器106の第1状態を示している。
図17は、可動電極20が第1の位置から第2の位置に移動開始後に実現される動作状態を示している。
図18は、高速投入器106の第2状態を示している。
【0111】
固定電極10は、第1方向DR1において可動電極20と対向する端面10Aを有している。可動電極20は、第1方向DR1において固定電極10の端面10Aと対向する前端面20Aと、第2方向DR2においてガイド部30と対向する側面20Bと、前端面20Aとは反対側に位置する後端面20Cとを有する。可動電極20には、前端面20Aに開口するテーパ孔20Hが設けられている。テーパ孔20Hの孔径は、前端面20Aから離れるにつれて小さくなる。テーパ孔20Hの孔軸は、中心軸CAと一致している。
【0112】
前端面20Aは、側面20Bよりも固定電極10の近くに配置されている。好ましくは、前端面20Aは、第2方向DR2においてテーパ孔20Hの孔軸(中心軸CA)に近づくにつれて固定電極10側に突出する凸面である。なお、前端面20Aは、中心軸CAに直交する平面であってもよい。
【0113】
第1の位置にある可動電極20の前端面20Aは、固定電極10の端面10Aと間隔を空けて対向する。第2の位置にある可動電極20の前端面20Aは、固定電極10の端面10Aに接触する。
【0114】
可動電極20には、テーパ孔20Hと連通する貫通孔20Iがさらに設けられている。貫通孔20Iの孔径の最小値は、テーパ孔20Hの孔径の最小値よりも大きい。貫通孔20Iの孔軸は、中心軸CAと一致している。
【0115】
ガイド部30は、第1方向DR1に沿って延びている案内面30Aを有している。案内面30Aは、例えば中心軸CAに対する周方向に連なる内径面である。案内面30Aは、第2方向DR2において可動電極20の側面20Bと対向する。
【0116】
保持部41は、固定電極10から離間されている可動電極20をガイド部30に対して保持可能である。保持部41は、可動電極20が駆動部50に押圧されて第1方向DR1に移動するときに、ガイド部30の案内面30Aと摺動するように設けられている。
【0117】
駆動部50は、保持部41によって保持されている可動電極20を固定電極10に向けて押圧して移動させ得る。
【0118】
放電誘起機構70は、固定電極10と、可動電極20との間に放電を誘起する。放電誘起機構70は、トリガ電極71を含む。トリガ電極71は、可動電極20とともに第1方向DR1に移動可能である。
【0119】
トリガ電極71は、可動電極20から電気的に絶縁されている。トリガ電極71は、先端部71Aと、第1方向DR1において先端部71Aとは反対側に位置する後端部とを有する。先端部71Aは、第1方向DR1において固定電極10の最も近くに配置されるトリガ電極71の前端部である。先端部71Aは、可動電極20のテーパ孔20Hの内部に配置されている。先端部71Aは、可動電極20の前端面20Aよりも固定電極10側に突出していない。好ましくは、トリガ電極71の先端部71Aは、前端面20Aよりも固定電極10から離間されている。なお、先端部71Aの端面は、可動電極20の前端面20Aと同一面上に配置されていてもよい。
【0120】
放電誘起機構70は、電圧発生素子73をさらに含む。電圧発生素子73は、可動電極20及びトリガ電極71とともに第1方向DR1に移動可能である。電圧発生素子73は、トリガ電極71にトリガ電圧を出力する。好ましくは、電圧発生素子73は、
図1に示される第1状態では上記トリガ電圧を出力せずに、
図4に示される動作状態に達したときに上記トリガ電圧を出力するように設けられている。
【0121】
電圧発生素子73は、トリガ電極71の後端部に電気的に接続されている第1端部73Aと、第1方向DR1において第1端部73Aとは反対側に位置する第2端部73Bとを有する。電圧発生素子73は、第1端部73Aと第2端部73Bとの間に電位差を発生させるように設けられている。第1端部73Aは、可動電極20から電気的に絶縁されている。第2端部73Bは、可動電極20に電気的に接続されている。第2端部73Bは、例えば、後述する接続部74,75を介して可動電極20に電気的に接続されている。
【0122】
電圧発生素子73は、第1方向DR1においてトリガ電極71に対して固定電極10とは反対側に配置されている。第1方向DR1から視て、電圧発生素子73は、トリガ電極71と重なるように配置されている。
【0123】
電圧発生素子73は、例えば圧電素子である。電圧発生素子73は、機械的エネルギー(非電気的エネルギー)が印加されたときに第1端部73Aと73Bとの間に電位差を発生させるように設けられている。駆動部50は、可動電極20及び電圧発生素子73を同時に押圧するように設けられている。
【0124】
なお、電圧発生素子73は、熱エネルギーまたは磁気エネルギーのような非電気的エネルギーが印加されたときに、第1端部73Aと73Bとの間に電位差を発生させるように設けられていてもよい。電圧発生素子73は、誘導コイルを有していてもよい。
【0125】
放電誘起機構70は、絶縁部材72と、接続部74,75とをさらに含んでいてもよい。
【0126】
絶縁部材72は、可動電極20から、トリガ電極71及び電圧発生素子73の第1端部73Aを電気的に絶縁している。絶縁部材72は、可動電極20の貫通孔20I内に配置されている前方部分と、可動電極20の後端面20C上に配置されている後方部分とを有する。
【0127】
絶縁部材72には、第1貫通孔72Hと、第1貫通孔72Hと連通する第2貫通孔72Iとが設けられている。第1貫通孔72Hは、絶縁部材72の上記前方部分を貫通している。第2貫通孔72Iは、絶縁部材72の後方部分を貫通している。第1貫通孔72Hには、トリガ電極71が挿通されている。第2貫通孔72Iには、電圧発生素子73が収容されている。
【0128】
接続部74,75は、電圧発生素子73の第2端部73Bと可動電極20とを電気的に接続する。接続部74,75は、導電板74と、導電柱75とを有する。
【0129】
導電板74は、電圧発生素子73の第2端部73Bに接触している。導電板74は、例えば、第1方向DR1において電圧発生素子73に対してトリガ電極71とは反対側に配置されている。導電板74は、絶縁部材72の上記後方部分の後端面上に配置されている。第1方向DR1から視て、導電板74は、電圧発生素子73と重なる中央部分と、第2方向DR2において中央部分よりも外側に位置しており絶縁部材72と重なる外側部分とを有している。
【0130】
導電柱75は、導電板74の上記外側部分と可動電極20とを電気的に接続する。接続部74,75は、少なくとも1つの導電柱75を有していればよいが、好ましくは複数の導電柱75を有している。複数の導電柱75は、中心軸CAに対する周方向においてトリガ電極71及び電圧発生素子73を囲むように互いに間隔を空けて配置される。
【0131】
接続部74,75は、トリガ電極71、絶縁部材72、及び電圧発生素子73を、可動電極20に一体的に固定するように設けられていてもよい。導電柱75は、可動電極20に固定可能な固定部材であってもよい。導電柱75は、例えばネジである。可動電極20と、放電誘起機構70のトリガ電極71、絶縁部材72、電圧発生素子73、及び接続部74,75とは、一体として第1方向DR1に移動可能である。駆動部50は、導電板74の上記中央部分を押圧するように設けられていてもよい。
【0132】
駆動部50は、例えばシリンダである。駆動部50は、例えばシリンダチューブ51と、ロッド52と、直動機構53とを有する。シリンダチューブ51は、第2蓋部5に固定されている。ロッド52は、第1方向DR1においてシリンダチューブ51に対して相対的に移動可能である。ロッド52は、可動電極20を固定電極10に向けて押圧可能である。直動機構53は、例えばモータとボールねじとを有し、モータの回転に応じてロッド52を第1方向DR1に移動させる。
【0133】
ロッド52は、例えば、第1状態において導電板74と接触している。なお、ロッド52は、第1状態において導電板74から離間されていてもよい。ロッド52は、例えば、第2状態において可動電極20を固定電極10に向けて押圧している。第2状態において、固定電極10に接触している可動電極20は、例えば、駆動部50と後述するバネ60とによって保持されている。
【0134】
なお、第2状態において、ロッド52は、導電板74から離間されていてもよい。固定電極10に接触している可動電極20は、バネ60のみによって保持されていてもよい。
【0135】
バネ60は、導電板74及び駆動部50から離間されている。バネ60の第2方向DR2の内径は、導電板74の第2方向DR2の最大幅及び駆動部50の第2方向DR2の最大幅よりも大きい。バネ60は、例えば第2方向DR2において導電板74及び駆動部50を囲むように配置されている。バネ60の第2方向DR2の外径は、可動電極20の第2方向DR2の外径よりも小さい。バネ60の第2方向DR2の外径は、凹部72Jの第2方向DR2の内径よりも小さい。
【0136】
高速投入器106では、モジュール回路の異常が検出されるなどにより投入動作が開始されるまで、
図16に示される第1状態に保持される。第1状態において、固定電極10と可動電極20との間の最短距離L
1は、固定電極10とガイド部30との間の最短距離L
2よりも長い。最短距離L
1及び最短距離L
2は、固定電極10と可動電極20との間の絶縁距離以上である。第1状態では、高速投入器106に電気的に並列に接続されているモジュール回路は通常運転している。第1状態では、高速投入器106に電気的に並列に接続されているモジュール回路に印加される電圧が、固定電極10と可動電極20との間に印加されている。第1状態では、固定電極10と可動電極20とは電気的に絶縁されているため、モジュール回路には、通常の電流が流れる。
【0137】
第1状態において、放電誘起機構70は、固定電極10と可動電極20との間に放電を誘起しない。電圧発生素子73は、トリガ電圧を出力しない。
【0138】
第1状態において、保持部41は、第2方向DR2に圧縮されている。第1状態において保持部41とガイド部30との間に生じる摩擦力は、蓄勢されたバネ60によって保持部41に付与される付勢力よりも大きい。第1状態において、保持部41は、バネ60の付勢力に抗して、可動電極20が固定電極10に向けて移動することを阻止する。
【0139】
高速投入器106では、モジュール回路の異常が検出されると、投入指令信号が駆動部50に入力される。駆動部50は、導電板74を介して、可動電極20と、電圧発生素子73と、保持部41とを固定電極10側に押圧する。これにより、可動電極20と、電圧発生素子73と、保持部41とは、第1方向DR1において固定電極10側に移動を開始する。電圧発生素子73の第1端部73Aと第2端部73Bとの間には、電位差が生じる。トリガ電極71は第1端部73Aに電気的に接続されており、かつ可動電極20は第2端部73Bに電気的に接続されているため、トリガ電極71と可動電極20との間にも、電位差が生じる。
【0140】
図17に示されるように、可動電極20が第2の位置に到達する前に、電圧発生素子73は、第1端部73Aと第2端部73Bとの間にトリガ電圧を発生させる。トリガ電圧は、トリガ電極71と可動電極20との間にある媒質の絶縁破壊電圧より大きな電圧である。トリガ電極71の先端部71Aと可動電極20との間にトリガ放電が発生する。
図17に示される動作状態においても、トリガ電極71の先端部71Aと可動電極20との間の間隔は、固定電極10と可動電極20との間の間隔よりも小さい。
【0141】
電圧発生素子73がトリガ電圧を発生させるタイミングは、特に制限されない。電圧発生素子73は、可動電極20の移動開始直後にトリガ電圧を発生させるように設けられていてもよい。電圧発生素子73は、可動電極20の移動開始時にトリガ電圧を発生させるように設けられていてもよい。電圧発生素子73がトリガ電圧を発生させるときの、固定電極10と可動電極20との間の間隔L6と固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2との大小関係は、特に制限されない。電圧発生素子73は、固定電極10と可動電極20との間の間隔L6が固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2と同等あるいはそれよりも長いときに、トリガ電圧を発生させるように設けられていてもよい。電圧発生素子73は、固定電極10と可動電極20との間の間隔L6が固定電極10とガイド部30との間の最短距離L2よりも短くなったときあるいは短いときに、トリガ電圧を発生させるように設けられていてもよい。後者の場合には、固定電極10と可動電極20との間でトリガ放電が誘発されやすい。
【0142】
トリガ放電に起因して、固定電極10と可動電極20との間に荷電粒子が発生する。荷電粒子は、固定電極10と可動電極20との間にある媒質の絶縁破壊電圧を減少させる。固定電極10と可動電極20との間にある媒質の絶縁破壊電圧は、固定電極10と可動電極20との間に印加されている電圧よりも小さくなる。これにより、
図17に示されるように、固定電極10と可動電極20との間に放電DCが発生して、可動電極20が固定電極10に導通する。その結果、可動電極20が固定電極10に接触する前に、事故電流の経路は、高速投入器106に電気的に並列に接続されているモジュール回路から、高速投入器106に切り替わる。高速投入器106に電気的に並列に接続されているモジュール回路は、バイパスされ、無効化される。
【0143】
なお、電圧発生素子73は、可動電極20の移動開始直後にトリガ電圧を発生させるように設けられていてもよい。電圧発生素子73は、可動電極20が第1の位置から移動開始時にトリガ電圧を発生させるように設けられていてもよい。
【0144】
可動電極20は、駆動部50及びバネ60によって固定電極10側にさらに押圧される。その結果、
図18に示されるように、可動電極20は、固定電極10に接触する。可動電極20は、放電を介さずに、固定電極10に導通する。事故電流は、引き続き、高速投入器106を流れる。可動電極20が固定電極10に接触している第2状態は、駆動部50及びバネ60の少なくともいずれかによって維持され得る。このようにして、高速投入器106は、
図17に示される動作状態以後、可動電極20が固定電極10に接触している間、無効化されたモジュール回路をバイパスする経路として作用し得る。
【0145】
高速投入器106では、トリガ電極71が可動電極20とともに移動可能であるため、トリガ放電に起因して可動電極20と固定電極10とを短絡させた後に、可動電極20を固定電極10に速やかに接触させることができる。そのため、トリガ電極71の損耗を防止しながらも、可動電極20と固定電極10とが短絡している状態を長時間保持することができる。このような高速投入器106は、電力変換装置に好適である。
【0146】
高速投入器106では、前端面20Aは、テーパ孔20Hの孔軸に対する径方向(第2方向DR2)において孔軸(中心軸CA)に近づくにつれて固定電極10側に突出する凸面である。このようすれば、トリガ放電に起因した絶縁破壊をテーパ孔20Hの近くで発生させることができ、意図していない場所にて絶縁破壊が生じることを抑制できる。例えば、絶縁破壊が前端面20Aの外縁において生じることを抑制できる。
【0147】
高速投入器106において、放電誘起機構70のトリガ電極71、絶縁部材72及び電圧発生素子73は、接続部74,75によって可動電極20に一体的に固定されていてもよい。トリガ電極71、絶縁部材72及び電圧発生素子73は、複雑な構造によらずに、可動電極20と一体として第1方向DR1に移動可能である。また、トリガ電極71にトリガ電圧を出力するための高電圧回路と、高電圧回路を制御する制御回路と、これらの回路とトリガ電極71とを電気的に接続する配線とが不要となる。
【0148】
高速投入器106において、電圧発生素子73は圧電素子であってもよい。この場合、駆動部50は、可動電極20及び電圧発生素子73を同時に押圧するように設けられていてもよい。このようにすれば、トリガ電圧を発生させるための高電圧回路と、高電圧回路を制御する制御回路とが不要になる。
【0149】
実施の形態3~6において、ガイド部30は、実施の形態1に係る高速投入器101のガイド部30と同様の構成を有していてもよい。実施の形態3~6において、ガイド部30は、第1ガイド部分31Aを有していなくてもよい。
【0150】
上述のように、実施の形態1~6に係る高速投入器101~106は、任意の電気装置に適用可能である。以下では、実施の形態1~6に係る高速投入器101~106の適用例として、電力変換装置及び受配電設備について説明する。
【0151】
実施の形態7.
実施の形態7に係る電力変換装置は、
図19に示される複数の電力制御回路200を備える。複数の電力制御回路200は、互いに直列に接続されている。各電力制御回路200は、端子A,Bと、モジュール回路210と、高速投入器100とを備える。
【0152】
端子A,Bは、電力変換装置の上位系統(例えば、交流電力系統)に接続されている。モジュール回路210は、スイッチング素子211と、電気エネルギー蓄積器212とを有する。スイッチング素子211は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)またはサイリスタを有する。電気エネルギー蓄積器212は、例えばコンデンサを有する。
【0153】
高速投入器100は、高速投入器101~106のいずれかである。高速投入器100は、モジュール回路210に電気的に並列に接続されている。高速投入器100の固定電極(第1主電極)は、モジュール回路210の入力端子及び出力端子の一方に接続されている。高速投入器100のガイド部(第2主電極)は、モジュール回路210の入力端子及び出力端子の他方に接続されている。
【0154】
モジュール回路210が正常に動作しているとき、電流は、モジュール回路210を流れ、高速投入器100には流れない。モジュール回路210が故障したとき、高速投入器100が動作し、端子A,Bが短絡する。高速投入器100では、上述した投入動作が行われる。その結果、電力制御回路200において、電流は、高速投入器100を流れ、故障したモジュール回路210を迂回する。電流の経路から故障したモジュール回路210を除外することができるため、故障したモジュール回路210の影響が他の電力制御回路200及び電力制御回路200の上位系統に波及することを防止することができる。そのため、本実施の形態に係る電力変換装置では、故障したモジュール回路210の影響を受けることなく、残りの電力制御回路200及びそれらの上位系統は運転を継続できる。さらに、電力変換装置において電力制御回路200の個数が冗長性を有している場合には、電力変換装置は通常運転を継続できる。
【0155】
また、モジュール回路210が故障した時、モジュール回路210にアークが発生する場合がある。アークの発生時間が長くなると、モジュール回路210の周辺部品が破損する、あるいは爆発を伴って破壊される可能性が高まる。本実施の形態に係る電力変換装置では、高速投入器100が高速に動作するため、アークの発生時間を短縮でき、周辺部品の破損及び爆発を伴う破壊を防止することができる。本実施の形態に係る電力変換装置は、高い防爆性能を有する。
【0156】
実施の形態8.
図20は、実施の形態8に係る受配電設備220の変圧器の二次側の一例を示す単線接続図である。受配電設備220は、送電系統から供給される交流電力を、エレベータ、空調機、照明などの負荷側回路228に配電する。
【0157】
図20に示されるように、実施の形態8に係る受配電設備220は、変圧器221と、複数のスイッチギア222,223とを備える。
【0158】
変圧器221は、送電系統から受電した高電圧の電力を降圧する。
複数のスイッチギア222は、変圧器221と母線226との間に設置されている。各スイッチギア222は、高速投入器100と、遮断器224とを含む。高速投入器100は、高速投入器101~106のいずれかである。高速投入器100の固定電極10及び可動電極20の一方は、遮断器224の受電側の極(送電系統側に接続されている一方の極)に電気的に接続されている。高速投入器100の固定電極10及び可動電極20の他方は、接地導体に電気的に接続されている。
【0159】
複数のスイッチギア223は、母線に設置されているスイッチギア223と、母線226と複数の負荷側回路228の各々との間に設置されている複数のスイッチギア223とを含む。各スイッチギア223は、例えば高速投入器100を含まない。
【0160】
複数のスイッチギア222及び複数のスイッチギア223の各々において地絡又は短絡等のアーク事故(内部アーク事故)が発生していないとき、電流は、スイッチギア222において遮断器224を流れ、高速投入器100には流れない。複数のスイッチギア222のいずれかにおいてアーク事故が発生したとき、事故が発生したスイッチギア222内の高速投入器100では、上述した投入動作が行われ、アーク電流は高速投入器100を流れ、アークが消滅する。さらに、受配電設備220の電流の経路から、事故が発生したスイッチギア222及び当該スイッチギア222の下位系統が除外される。複数のスイッチギア223のいずれかにおいてアーク事故が発生したとき、事故が発生したスイッチギア223の上位系統のスイッチギア222内の高速投入器100では、上述した投入動作が行われ、アーク電流は高速投入器100を流れ、アークが消滅する。さらに、受配電設備220の電流の経路から、投入動作が行われたスイッチギア222の下位系統(事故が発生したスイッチギア223を含む)が除外される。その結果、受配電設備220では、事故が発生したスイッチギア222,223の影響が当該スイッチギア222,223を含まない健全な電流経路に波及することを防止することができ、健全な電流経路及び健全な電流経路から配電される負荷側回路228の運転を継続できる。
【0161】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0162】
1 容器、2 第1蓋部、3 第1管部、4 第2管部、5 第2蓋部、10 固定電極、10A 頂面、11 底部、12 第1突出部、20 可動電極、20A 頂面、20B 側面、21 本体部、22 第2突出部、23 第1溝部、24 絶縁部材、25 第3溝部、30 ガイド部、30A 案内面、31 直管部分、32 フランジ部、33A 第1案内面、34A 第2案内面、35A 第3案内面、35A1 第1傾斜部分、35A2 第2傾斜部分、35A3 接続部分、36,37 凸部、38 固定部分、39 第2溝部、41 第1保持部、42 第2保持部、42A 第1部分、42B 第2部分、43 環状部分、44 突出部分、50 駆動部、51 シリンダチューブ、52 ロッド、53 直動機構、60 バネ、70 放電誘起機構、71 トリガ電極、71A 先端部、72 絶縁部材、72A 前端面、72B 側面、72H 第1貫通孔、72H1 第3開口端、72I 第2貫通孔、72J 凹部、73 電圧発生素子、73A 第1端部、73B 第2端部、74,75 接続部、100,101,102,103,104,105,106 高速投入器、200 電力制御回路、201 スイッチング素子、202 電気エネルギー蓄積器、210 モジュール回路、221 変圧器、222,223 スイッチギア、224 遮断器、226 母線、228 負荷側回路。
【要約】
高速投入器(101)は、固定電極(10)と、固定電極に向かって第1方向(DR1)に移動可能である可動電極(20)と、可動電極の第1方向への移動をガイドするガイド部(30)と、固定電極から離間されている可動電極をガイド部に対して保持可能である保持部(41)と、保持部によって保持されている可動電極を固定電極に向けて押圧可能である駆動部(50)とを備える。保持部によって保持されている可動電極と固定電極との間の最短距離(L1)は、固定電極とガイド部との間の最短距離(L2)よりも長い。