(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-18
(45)【発行日】2025-04-28
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
E02F 3/342 20060101AFI20250421BHJP
【FI】
E02F3/342
(21)【出願番号】P 2022011088
(22)【出願日】2022-01-27
【審査請求日】2024-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【氏名又は名称】森 昌康
(74)【代理人】
【識別番号】100175628
【氏名又は名称】仁野 裕一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 聡
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 雄大
【審査官】田所 彩花
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0305895(US,A1)
【文献】特開2017-089364(JP,A)
【文献】特開2016-70003(JP,A)
【文献】特開2010-065482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 1/00-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向、前記前後方向と垂直な左右方向、及び、前記前後方向と前記左右方向とに垂直な高さ方向を有する車体フレームと、
前記左右方向に延びる第1回転軸周りに回動自在に前記車体フレームに取り付けられるアーム組立体と、
前記第1回転軸に実質的に平行な第2回転軸周りに回動自在に前記車体フレームに取り付けられ、前記アーム組立体の前記高さ方向における昇降を制御するように構成されるアームシリンダと、
前記アームシリンダの前記前後方向の前側において前記車体フレームに取り付けられる前プレートと、
前記アームシリンダの前記前後方向の後側において前記車体フレームに取り付けられる後プレートと、
前記アームシリンダに対して前記車体フレームと前記左右方向の反対側において前記前プレートと前記後プレートとに取り付けられるサイドプレートと、
前記アームシリンダの前記高さ方向の下側において前記車体フレームと前記サイドプレートとに取り付けられる下プレートと、
を備え、
前記車体フレーム、前記前プレート、前記後プレート、及び、前記サイドプレートは、前記アームシリンダを取り囲み、
前記前プレートは、前記アーム組立体に取り付けられる作業具が接地するときにアームシリンダが向く基準方向に沿って延び、
前記下プレートは、前記第2回転軸よりも前記高さ方向の下方において前記基準方向に沿って延びる下方延伸部を有し、
前記下方延伸部、前記前プレート、前記サイドプレート、及び、前記車体フレームが前記アームシリンダの前記下方において開口を形成する、
作業車両。
【請求項2】
前記アームシリンダが前記基準方向を向いているときに、前記高さ方向の複数の高さに対応する前記アームシリンダの複数の前端を結んで形成される直線を前記基準方向に沿って延ばした直線を第1直線とし、
前記アームシリンダが前記基準方向を向いているときに、前記複数の高さに対応する前記アームシリンダの複数の後端を結んで形成される直線を前記基準方向に沿って延ばした直線を第2直線とし、
前記左右方向に見て、前記下方延伸部は、前記基準方向及び前記左右方向に垂直なシリンダ幅方向において前記第1直線と前記第2直線との間に位置する、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前後方向、前記前後方向と垂直な左右方向、及び、前記前後方向と前記左右方向とに垂直な高さ方向を有する車体フレームと、
前記左右方向に延びる第1回転軸周りに回動自在に前記車体フレームに取り付けられたアーム組立体と、
前記第1回転軸に実質的に平行な第2回転軸周りに回動自在に前記車体フレームに取り付けられ、前記アーム組立体の前記高さ方向における昇降を制御するように構成されるアームシリンダと、
前記アームシリンダの前記前後方向の前側において前記車体フレームに取り付けられる前プレートと、
前記アームシリンダの前記前後方向の後側において前記車体フレームに取り付けられる後プレートと、
前記アームシリンダに対して前記車体フレームと前記左右方向の反対側において前記前プレートと前記後プレートとに取り付けられるサイドプレートと、
前記アームシリンダの前記高さ方向の下側において前記車体フレームと前記サイドプレートとに取り付けられる下プレートと、
を備え、
前記車体フレーム、前記前プレート、前記後プレート、及び、前記サイドプレートは、前記アームシリンダを取り囲み、
前記前プレートは、前記アーム組立体に取り付けられる作業具が接地するときにアームシリンダが向く基準方向に沿って延び、
前記アームシリンダが前記基準方向を向いているときに、前記高さ方向の複数の高さに対応する前記アームシリンダの複数の前端を結んで形成される直線を前記基準方向に沿って延ばした直線を第1直線とし、
前記アームシリンダが前記基準方向を向いているときに、前記複数の高さに対応する前記アームシリンダの複数の後端を結んで形成される直線を前記基準方向に沿って延ばした直線を第2直線とし、
前記左右方向に見て、前記下プレートの前記前後方向の前端は、前記基準方向及び前記左右方向に垂直なシリンダ幅方向において前記第1直線と前記第2直線との間に位置し、
前記下プレートの前記前端、前記前プレート、前記サイドプレート、及び、前記車体フレームが前記アームシリンダの前記下方において開口を形成する、
作業車両。
【請求項4】
前記前後方向における前記第2回転軸と前記前プレートとの間の第1距離は、前記前後方向における前記第2回転軸と前記
後プレートとの間の第2距離よりも短い、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項5】
前記前後方向における前記第2回転軸と前記前プレートとの間の第1距離は、前記前後方向における前記第2回転軸と前記後プレートとの間の第2距離よりも短い、
請求項2に記載の作業車両。
【請求項6】
前記前後方向における前記第2回転軸と前記前プレートとの間の第1距離は、前記前後方向における前記第2回転軸と前記後プレートとの間の第2距離よりも短い、
請求項3に記載の作業車両。
【請求項7】
前記前プレートと前記第1直線との間の前記シリンダ幅方向の最小距離は、前記シリンダ幅方向における前記アームシリンダの幅よりも短い、
請求項2に記載の作業車両。
【請求項8】
前記前プレートと前記第1直線との間の前記シリンダ幅方向の最小距離は、前記シリンダ幅方向における前記アームシリンダの幅よりも短い、
請求項3に記載の作業車両。
【請求項9】
前記下方延伸部と前記前プレートとの間の前記シリンダ幅方向の最小距離は、前記前プレートと前記第1直線との間の前記シリンダ幅方向の前記最小距離よりも長い、
請求項7に記載の作業車両。
【請求項10】
前記下プレートの前端と前記前プレートとの間の前記シリンダ幅方向の距離は、前記前プレートと前記第1直線との間の前記シリンダ幅方向の前記最小距離よりも長い、
請求項8に記載の作業車両。
【請求項11】
前記下プレートは、前記サイドプレート及び前記車体フレームに対して着脱可能である、請求項1から10のいずれかに記載の作業車両。
【請求項12】
前記車体フレームに接続される平板状の取付プレートをさらに備え、
前記下プレートは、前記取付プレートに取り付けられるように構成され、
前記取付プレートは、前記前後方向の前方に傾斜する、
請求項11に記載の作業車両。
【請求項13】
前記下プレートよりも前記高さ方向の上側において、前記車体フレーム、前記前プレート、前記後プレート、及び、前記サイドプレートに接続するカバーをさらに備え、
前記カバーは、前記アームシリンダが貫通する貫通孔を有する、
請求項1から12に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、アームシリンダを機体フレームの外側壁、内側壁、後部の連結壁、及び取付板とで囲まれた下方閉塞空間に載置する作業車両を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業車両では、上方はアームシリンダを通すために開口しているが、その開口からダストが侵入し、蓄積すると、アームシリンダが損傷される恐れがある。
【0005】
本願に開示される技術は、アームシリンダが損傷されることを抑止しつつ、上述する下方閉塞空間に下方からダストが侵入することを抑止する作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様に係る作業車両は、車体フレームと、アーム組立体と、アームシリンダと、前プレートと、後プレートと、サイドプレートと、下プレートと、を備える。車体フレームは、前後方向、前後方向と垂直な左右方向、及び、前後方向と左右方向とに垂直な高さ方向を有する。アーム組立体は、左右方向に延びる第1回転軸周りに回動自在に前記車体フレームに取り付けられる。アームシリンダは、第1回転軸に実質的に平行な第2回転軸周りに回動自在に車体フレームに取り付けられ、アーム組立体の高さ方向における昇降を制御するように構成される。前プレートは、アームシリンダの前後方向の前側において車体フレームに取り付けられる。後プレートは、アームシリンダの前後方向の後側において車体フレームに取り付けられる。サイドプレートは、アームシリンダに対して車体フレームと左右方向の反対側において前プレートと後プレートとに取り付けられる。下プレートは、アームシリンダの高さ方向の下側において車体フレームとサイドフレームとに取り付けられる。車体フレーム、前プレート、後プレート、及び、サイドプレートは、アームシリンダを取り囲む。前プレートは、アーム組立体に取り付けられる作業具が接地するときにアームシリンダが向く基準方向に沿って延びる。下プレートは、第2回転軸よりも高さ方向の下方において基準方向に沿って延びる下方延伸部を有する。下方延伸部、前プレート、サイドプレート、及び、車体フレームがアームシリンダの下方において開口を形成する。
【0007】
本開示の第2態様に係る作業車両は、車体フレームと、アーム組立体と、アームシリンダと、前プレートと、後プレートと、サイドプレートと、下プレートと、を備える。車体フレームは、前後方向、前後方向と垂直な左右方向、及び、前後方向と左右方向とに垂直な高さ方向を有する。アーム組立体は、左右方向に延びる第1回転軸周りに回動自在に前記車体フレームに取り付けられる。アームシリンダは、第1回転軸に実質的に平行な第2回転軸周りに回動自在に車体フレームに取り付けられ、アーム組立体の高さ方向における昇降を制御するように構成される。前プレートは、アームシリンダの前後方向の前側において車体フレームに取り付けられる。後プレートは、アームシリンダの前後方向の後側において車体フレームに取り付けられる。サイドプレートは、アームシリンダに対して車体フレームと左右方向の反対側において前プレートと後プレートとに取り付けられる。下プレートは、アームシリンダの高さ方向の下側において車体フレームとサイドフレームとに取り付けられる。車体フレーム、前プレート、後プレート、及び、サイドプレートは、アームシリンダを取り囲む。前プレートは、アーム組立体に取り付けられる作業具が接地するときにアームシリンダが向く基準方向に沿って延びる。アームシリンダが基準方向を向いているときに、高さ方向の複数の高さに対応するアームシリンダの複数の前端を結んで形成される直線を基準方向に沿って延ばした直線を第1直線とする。アームシリンダが基準方向を向いているときに、複数の高さに対応するアームシリンダの複数の後端を結んで形成される直線を基準方向に沿って延ばした直線を第2直線とする。左右方向に見て、下プレートの前後方向の前端は、基準方向及び左右方向に垂直なシリンダ幅方向において第1直線と第2直線との間に位置する。下プレートの前端、前プレート、サイドプレート、及び、車体フレームがアームシリンダの下方において開口を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本願に開示される技術によれば、例えば、アームシリンダが損傷されることを抑止しつつ、アームシリンダを収容する下方閉塞空間に下方からダストが侵入することを抑止する作業車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】
図3は、上方から見たアームシリンダ周辺の拡大図である。
【
図4】
図4は、
図3の切断面線IV-IV'線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、図中において同じ符号は、対応するまたは実質的に同一の構成を示している。
<実施形態>
<全体構成>
【0011】
図1及び
図2を参照すると、作業車両1、例えばコンパクトトラックローダは、車体フレーム2と、走行装置3と、作業装置4と、キャビン5とを備えている。車体フレーム2は、走行装置3、作業装置4、及び、キャビン5を支持する。図示の実施形態では、走行装置3は、履帯式の走行装置である。このため、走行装置3は、駆動輪31、従動輪32、33、及び、転輪34を含む。ただし、走行装置3は、履帯式走行装置に限定されない。走行装置3は、例えば、前輪/後輪走行装置であってもよいし、前輪と後部クローラとを有する走行装置であってもよい。作業装置4は、作業装置4の末端(distal end)に作業具(work equipment)(バケット)41を含む。作業装置4の基端(proximal end)は、車体フレーム2の後部に取り付けられている。作業装置4は、バケットピボット軸43を介してバケット41を回転可能に支持するための一対のアーム組立体(arm assembly)42を含む。一対のアーム組立体42のそれぞれは、リフトリンク44とアーム45を含む。
【0012】
リフトリンク44は、支点軸(fulcrum shaft)46の周りで車体フレーム2に対して回転可能である。以降の実施形態では、支点軸46の中心軸を第1回転軸Ax1と呼ぶ。アーム組立体42は、第1回転軸Ax1周りに回動自在に車体フレーム2に取り付けられる。アーム45は、ジョイント軸(joint shaft)47の周りでリフトリンク44に対して回転可能である。作業装置4は、複数のアームシリンダ48と少なくとも1つの器具シリンダ(equipment cylinder)49とをさらに含む。複数のアームシリンダ48のそれぞれは、車体フレーム2およびアーム45に第2回転軸周りに回動自在に接続され、リフトリンク44およびアーム45を移動させて、後述する高さ方向D
Hにおいてアーム組立体42及びバケット41を昇降させるように構成される。少なくとも1つの器具シリンダ49は、バケット41を傾けるように構成される。キャビン5は、車体フレーム2の前部に取り付けられている。作業車両1は、キャビン5の前方に窓5Aを備え、キャビン5内に運転席5Bおよび操作装置(図示せず)を備えている。キャビン5の外郭を形成する
図1に示されるキャビンフレーム5Cは、
図2に示される車体フレーム2上の回動軸(rotational shaft)RSL及びRSR周りに回転可能である。
図1及び
図2では、回動軸RSL及びRSRによって規定される共通の回転軸線(rotational axis)A
XCを図示している。
【0013】
なお、本願に係る実施形態において、前後方向DFB(前方向DF/後方向DB)とは、キャビン5の運転席5Bに着座したオペレータから見て前後方向(前方向/後方向)を意味する。左右方向DW(左方向DL/右方向DR)とは、当該オペレータから見てそれぞれ、左右方向(左方向/右方向)を意味する。高さ方向DH(上方向DU/下方向DD)とは、当該オペレータから見て高さ方向(上方向/下方向)を意味する。作業車両1の前後/左右/上下(高さ)方向とは、それぞれ、当該オペレータから見た前後/左右/上下(高さ)方向と一致するものとする。別の言い方をすれば、車体フレーム2は、前後方向DFB、前後方向DFBと垂直な左右方向DW、及び、前後方向DFBと左右方向DWとに垂直な高さ方向DHを有する。
【0014】
図1は、作業車両1の左側を示している。
図2に示すように、車体フレーム2は、車体中央面Mに対して概ね面対称であり、一対のアーム組立体42のうち、車体中央面Mに対して左側に設けられるアーム組立体42が第1アーム組立体42Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられるアーム組立体42が第2アーム組立体42Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられるリフトリンク44が第1リンク44Lとして示されている。車体中央面Mに対して右側に設けられるリフトリンク44が第2リンク44Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられるアーム45が第1アーム45Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられるアーム45が第2アーム45Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられる支点軸46が第1支点軸46Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられる支点軸46が第2支点軸46Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられるジョイント軸47が第1ジョイント軸47Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられるジョイント軸47が第2ジョイント軸47Rとして示されている。
【0015】
図1及び
図2を参照すると、作業車両1は、車体フレーム2の後部に設けられたエンジン6をさらに備える。エンジン6は、走行装置3および作業装置4に駆動力を提供するように構成されている。エンジン6は、作業車両1の左右方向D
Wにおいて、一対のアーム組立体42の間に設けられている。作業車両1は、エンジン6を覆うためのボンネットカバー8をさらに備える。作業車両1は、車体フレーム2の後端に設けられている後ボンネットカバー9をさらに備える。後ボンネットカバー9は、開閉可能であり、保守員がエンジン6などの保守作業を行うことができる。
【0016】
図1を参照すると、エンジン6には、エンジン6によって駆動され、作動油を供給する油圧ポンプ7が接続される。油圧ポンプ7は、駆動輪31を駆動する油圧モータに作動油を供給する走行用油圧ポンプと、複数のアームシリンダ48や少なくとも1つの器具シリンダ49に作動油を供給する作業用油圧ポンプとを含む。
【0017】
図3は、上方から見たアームシリンダ48周辺の拡大図である。
図3は、車体中央面Mに対して左側に設けられるアームシリンダ48を図示しているが、車体中央面Mに対して右側に設けられるアームシリンダ48の周辺の構造は、車体中央面Mに対して
図3に図示した構造と実質的に対称である。
図3では、アームシリンダ48の周辺の構造の説明の便宜上、アームシリンダ48よりも上方のアーム組立体42の図示が省略されている。ただし、支点軸46(第1支点軸46L)は、二点鎖線で図示されている。
図3を参照すると、第1回転軸Ax1は、左右方向D
Wに延びる。第2回転軸Ax2は、第1回転軸Ax1に実質的に平行である。
図4は、
図3の切断面線IV-IV'線による断面図である。
図4では、アームシリンダ48よりも上方のアーム組立体42も表示されている。
図4では、サイドプレート13の図示が省略されている。
【0018】
図1、
図3、及び、
図4を参照すると、作業車両1は、前プレート11と、後プレート12と、サイドプレート13と、下プレート14と、カバー15とを備える。前プレート11は、アームシリンダ48の前後方向D
FBの前側D
Fにおいて車体フレーム2に取り付けられる。後プレート12は、アームシリンダ48の前後方向D
FBの後側D
Bにおいて車体フレーム2に取り付けられる。サイドプレート13は、アームシリンダ48に対して車体フレーム2と左右方向D
Wの反対側において前プレート11と後プレート12とに取り付けられる。下プレート14は、アームシリンダ48の高さ方向D
Hの下側D
Dにおいて車体フレーム2とサイドプレート13とに取り付けられる。車体フレーム2、前プレート11、後プレート12、サイドプレート13、及び、下プレート14は、アームシリンダ48を取り囲み、アームシリンダ48を収容する収容空間を形成する。カバー15は、下プレート14よりも高さ方向D
Hの上側D
Uにおいて、車体フレーム2、前プレート11、後プレート12、及び、サイドプレート13に接続する。カバー15は、アームシリンダ48が貫通する貫通孔15hを有する。貫通孔15hは、アームシリンダ48の動きを干渉しないような形状及び大きさを有している。カバー15は、上方からダストが収容空間に侵入することを抑止する。
【0019】
図4を参照すると、前プレート11は、アーム組立体42に取り付けられる作業具(バケット41)が接地するときにアームシリンダ48が向く基準方向D
REFに沿って延びる。前後方向D
FBにおける第2回転軸Ax2と前プレート11との間の第1距離D1は、前後方向D
FBにおける第2回転軸Ax2と後プレート12との間の第2距離D2よりも短い。より具体的には、アームシリンダ48が基準方向D
REFを向いているときに、高さ方向D
Hの複数の高さに対応するアームシリンダ48の複数の前端(例えば、F1、F2)を結んで形成される直線を基準方向D
REFに沿って延ばした直線を第1直線L1とする。アームシリンダ48が基準方向D
REFを向いているときに、複数の高さに対応するアームシリンダ48の複数の後端(例えば、R1、R2)を結んで形成される直線を基準方向D
REFに沿って延ばした直線を第2直線L2とする。前プレート11と第1直線L1との間の基準方向D
REF及び左右方向D
Wに垂直なシリンダ幅方向D
CWの最小距離L
MINは、短い。このため、アームシリンダ48と前プレート11との間の隙間Gには、貫通孔15hを介して侵入したダストが詰まりやすい。なお、最小距離L
MINはシリンダ幅方向D
CWにおけるアームシリンダ48の幅W
Cよりも短い。
【0020】
しかし、下プレート14の前後方向DFBの前端14t、前プレート11、サイドプレート13、及び、車体フレーム2がアームシリンダ48の下方において開口APを形成する。なお、左右方向DWに見て、下プレート14の前端14tは、基準方向DREF及び左右方向DWに垂直なシリンダ幅方向DCWにおいて第1直線L1と第2直線L2との間に位置する。下プレート14の前端14tと前プレート11との間のシリンダ幅方向DCWの距離LFは、前プレート11と第1直線L1との間のシリンダ幅方向DCWの最小距離LMINよりも長い。これにより、隙間Gに詰まったダストが開口APから排出されやすい。
【0021】
さらに、
図4を参照すると、下プレート14は、第2回転軸Ax2よりも高さ方向D
Hの下方D
Dにおいて基準方向D
REFに沿って延びる下方延伸部14eを有する。左右方向D
Wに見て、下方延伸部14eは、基準方向D
REF及び左右方向D
Wに垂直なシリンダ幅方向D
CWにおいて第1直線L1と第2直線L2との間に位置する。下方延伸部14e、前プレート11、サイドプレート13、及び、車体フレーム2がアームシリンダ48の下方D
Dにおいて開口APを形成する。下方延伸部14eと前プレート11との間のシリンダ幅方向D
CWの最小距離L
Fは、前プレート11と第1直線L1との間のシリンダ幅方向D
CWの最小距離L
MINよりも長い。これにより、隙間Gに詰まったダストが開口APから排出されやすい。さらに、開口APは、互いに後方に傾斜するプレートに囲まれた空間として形成されることによって、開口APの下方D
Dから低木や草などが収容空間から侵入することが抑止される。
【0022】
下プレート14は、サイドプレート13及び車体フレーム2に対して着脱可能である。具体的には、作業車両1は、車体フレーム2に接続される平板状の取付プレート16をさらに備える。下プレート14は、取付プレート16に取り付けられるように構成される。取付プレート16は、前後方向DFBの前方DFに傾斜する。具体的には、取付プレート16は車体フレーム2に溶接によって取り付けられており、下プレート14は、取付プレート16にボルトB1に取り付けられる。なお、作業車両1は、サイドプレート13に接続される取付プレート16と同様の取付プレートを備えてもよい。これによって、下プレート14上に沈積されたダストは、下プレート14の取り外しによって除去することができるため、清掃が容易となる。さらに、取付プレート16は、前後方向DFBの前方DFに傾斜するため、下プレート14の取り外しとともに取付プレート16上のダストも除去されるため、清掃が容易となる。
<実施形態の作用及び効果>
【0023】
作業車両1では、アームシリンダ48の下方DDにおいて、下方延伸部14e(下プレート14の前端14t)、前プレート11、サイドプレート13、及び、車体フレーム2によって形成された開口APを有する。これにより、アームシリンダ48が損傷されることが抑止されつつ、アームシリンダ48を収容する収容空間に下方DDからダストが侵入することが抑止される。
<変形例>
【0024】
上述の実施形態では、アーム組立体42は、リフトリンク44とアーム45との2つの部材を含む。しかし、アーム組立体42は、1つの部材のみ、もしくは3つ以上のリンクから構成されてもよい。
【0025】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0026】
「~部材」、「~部」、「~要素」、「~体」、および「~構造」という文言は、単一の部分や複数の部分といった複数の意味を有し得る。
【0027】
「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在することを暗に意味するわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在することを暗に意味するわけではない。
【0028】
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、実施形態に特段の説明がない限りにおいて、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
【0029】
本願において「A及びBの少なくとも一方」という文言は、Aだけ、Bだけ、及びAとBの両方を含むように解釈されるべきである。
【0030】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。