(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-18
(45)【発行日】2025-04-28
(54)【発明の名称】電極シートスキュー補正方法、装置、機器、記憶媒体及び製品
(51)【国際特許分類】
H01M 4/04 20060101AFI20250421BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20250421BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20250421BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20250421BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01M4/139
H01M10/058
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
(21)【出願番号】P 2023552313
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2022071853
(87)【国際公開番号】W WO2023133765
(87)【国際公開日】2023-07-20
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】13/F., LKF29, 29 Wyndham Street, Central, Hong Kong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】盧浩冉
(72)【発明者】
【氏名】馮仕平
(72)【発明者】
【氏名】常文
(72)【発明者】
【氏名】鄭秋輝
(72)【発明者】
【氏名】陳燦斌
(72)【発明者】
【氏名】呉卿
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-128280(JP,A)
【文献】中国実用新案第214086920(CN,U)
【文献】中国実用新案第214864886(CN,U)
【文献】特開2002-265098(JP,A)
【文献】中国実用新案第207490048(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/02-62
H01M 10/04-0587
B65H
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集することと、
前記スキューデータに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定することと、
前記予め設定された境界に対する前記電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、前記スキュー補正変位に基づいて前記電極シートの繰出装置を制御して前記電極シートの位置を調整することととを含
み、
前記センサの数は、少なくとも2つであり、前記スキューデータは、複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含み、
前記センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集することは、
少なくとも1つの前記センサにより、第1の予め設定された境界に対する前記電極シートの第1のエッジの複数の前記第1のスキューデータを収集することと、
その他の少なくとも1つの前記センサにより、第2の予め設定された境界に対する前記電極シートの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集することと、を含み、
前記電極シートの第2のエッジは、タブを含み、
前記タブの幅に基づいて、前記複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、前記複数の第2のスキューデータを得、
前記タブの幅に基づいて、前記複数の第3のスキューデータをスクリーニングして、前記複数の第2のスキューデータを得ることは、
前記タブの幅に基づいて、目標スキュー範囲を特定することと、
前記目標スキュー範囲内にある第3のスキューデータを除去して、前記複数の第2のスキューデータを得ることと、を含む、
ことを特徴とする電極シートスキュー補正方法。
【請求項2】
前記スキューデータに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定することは、
予め設定された比例積分微分関数と前記スキューデータとに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電極シートスキュー補正方法。
【請求項3】
センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集する収集モジュールと、
前記スキューデータに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定する処理モジュールと、
前記予め設定された境界に対する前記電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、前記スキュー補正変位に基づいて前記電極シートの繰出装置を制御して前記電極シートの位置を調整する制御モジュールと、を含
み、
前記センサの数は、少なくとも2つであり、前記スキューデータは、複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含み、
前記収集モジュールは、更に、少なくとも1つの前記センサにより、第1の予め設定された境界に対する前記電極シートの第1のエッジの複数の前記第1のスキューデータを収集し、
前記収集モジュールは、更に、その他の少なくとも1つの前記センサにより、第2の予め設定された境界に対する前記電極シートの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集し、
前記電極シートの第2のエッジは、タブを含み、
前記処理モジュールは、更に、前記タブの幅に基づいて、前記複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、前記複数の第2のスキューデータを得、
前記収集モジュールは、更に、前記タブの幅に基づいて、目標スキュー範囲を特定し、
前記収集モジュールは、更に、前記目標スキュー範囲内にある第3のスキューデータを除去して、前記複数の第2のスキューデータを得る、
ことを特徴とする電極シートスキュー補正装置。
【請求項4】
前記処理モジュールは、更に、予め設定された比例積分微分関数と前記スキューデータとに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定する、
ことを特徴とする請求項
3に記載の電極シートスキュー補正装
置。
【請求項5】
プロセッサと、コンピュータプログラム指令を記憶したメモリと、を含み、
前記プロセッサは、請求項1
又は2に記載の電極シートスキュー補正方法を実現するように、前記コンピュータプログラム指令を読み取って実行する、
ことを特徴とする電極シートスキュー補正機器。
【請求項6】
コンピュータプログラム指令が記憶されており、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサによって実行されると、請求項1
又は2に記載の電極シートスキュー補正方法が実現される、
ことを特徴とする読み取り可能な記憶媒体。
【請求項7】
コンピュータプログラム製品における指令が電子機器のプロセッサによって実行されると、前記電子機器に請求項1
又は2に記載の電極シートスキュー補正方法を実行させる、
ことを特徴とする前記コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池製造技術分野に関し、特に電極シートスキュー補正方法、装置、機器、記憶媒体及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、日常の生産生活における電池の応用がますます広くなっている。電池の生産過程において、巻回された電極シートを繰り出すことにより、電極シートを下流の電池の加工機器に搬送することができる。
【0003】
しかしながら、繰出過程において、電極シートにスキューが発生しやすい場合が多く、電極シートの搬送位置を適時に補正しないと、電極シートのしわや破損が発生しやすく、電池の製品品質に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
上記の問題に鑑みて、本願は、電極シートのスキューを適時に補正できず、ひいては電池製品の品質に影響を与える問題を解決できる電極シートスキュー補正方法、装置、機器、記憶媒体及び製品を提供する。
【0005】
第1の態様において、本願は、電極シートスキュー補正方法を提供し、当該方法は、
センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集することと、
前記スキューデータに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定することと、
前記予め設定された境界に対する前記電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、前記スキュー補正変位に基づいて前記電極シートの繰出装置を制御して前記電極シートの位置を調整することとを含む。
【0006】
本願の実施例において、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集した後、続いて、スキューデータに対し、対応するデータ処理を行うことで、電極シートのスキュー補正変位を迅速に特定し、適時にスキュー補正変位に基づいて、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内するように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整し、電極シートの搬送中に電極シートのしわが発生したり、電極シートが破損したりすることを回避することができる。
【0007】
いくつかの実施例において、センサの数は、少なくとも2つであり、スキューデータは、複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含み、センサにより、予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集することは、
少なくとも1つのセンサにより、第1の予め設定された境界に対する電極シートの第1のエッジの複数の第1のスキューデータを収集することと、
少なくとも他のセンサにより、第2の予め設定された境界に対する電極シートの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集することと、を含み、電極シートの第2のエッジは、タブを含み、
タブの幅に基づいて、複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、複数の第2のスキューデータを得る。
【0008】
本願の実施例において、少なくとも2つのセンサにより、それぞれ電極シートのエッジのスキューデータを取得することで、スキュー補正変位の正確性を向上させることができる。各センサはスライドレールに取り付けることが可能であるため、異なる電極シート原反の幅のニーズに応じてセンサの位置を容易に調整し、利便性を向上させることができる。センサによって収集されたデータがタブを含む場合、タブの幅に基づいて、収集された第3のスキューデータをスクリーニングし、第2のスキューデータを得て、スキュー補正変位を算出するためのデータの信頼性を向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例において、タブの幅に基づいて、複数の第3のスキューデータをスクリーニングして、複数の第2のスキューデータを得ることは、
タブの幅に基づいて、目標スキュー範囲を特定することと、
目標スキュー範囲内にある第3のスキューデータを除去して、複数の第2のスキューデータを得ることと、を含む。
【0010】
本願の実施例において、タブの幅により目標スキュー範囲を特定することにより、データスクリーニングの正確性を向上させ、スキュー補正変位の算出精度を向上させ、電極アセンブリの電気性能に影響を与えることを回避することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、スキューデータに基づいて、電極シートのスキュー補正変位を特定することは、
予め設定された比例積分微分関数とスキューデータとに基づいて、電極シートのスキュー補正変位を特定する。
【0012】
本願の実施例において、収集周期内に収集されたスキューデータに対し、予め設定された比例積分微分関数を入力することにより、スキュー補正変位を迅速に算出し、繰出装置の移動を容易に制御し、電極シートのしわや破損を回避することができる。
【0013】
第2の態様において、本願は、電極シートスキュー補正装置を提供し、当該装置は、
センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集する収集モジュールと、
スキューデータに基づいて、電極シートのスキュー補正変位を特定する処理モジュールと、
スキュー補正変位に基づいて、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整する制御モジュールと、を含む。
【0014】
本願の実施例において、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集した後、続いて、スキューデータに対し、対応するデータ処理を行うことで、電極シートのスキュー補正変位を迅速に特定し、適時にスキュー補正変位に基づいて、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内するように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整し、電極シートの搬送中に電極シートのしわが発生したり、電極シートが破損したりすることを回避することができる。
【0015】
いくつかの実施例において、センサの数は、少なくとも2つであり、スキューデータは、複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含み、
前記収集モジュールは、更に、少なくとも1つのセンサにより、第1の予め設定された境界に対する電極シートの第1のエッジの複数の第1のスキューデータを収集し、
前記収集モジュールは、更に、少なくとも他の前記センサにより、第2の予め設定された境界に対する電極シートの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集し、電極シートの第2のエッジは、タブを含み、
処理モジュールは、更に、タブの幅に基づいて、複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、複数の第2のスキューデータを得る。
【0016】
本願の実施例において、少なくとも2つのセンサにより、それぞれ電極シートのエッジのスキューデータを取得することで、スキュー補正変位の正確性を向上させることができる。各センサはスライドレールに取り付けることが可能であるため、異なる電極シート原反の幅のニーズに応じてセンサの位置を容易に調整し、利便性を向上させることができる。センサによって収集されたデータがタブを含む場合、タブの幅に基づいて、収集された第3のスキューデータをスクリーニングし、第2のスキューデータを得て、スキュー補正変位を算出するためのデータの信頼性を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例において、収集モジュールは、更に、タブの幅に基づいて、目標スキュー範囲を特定し、
収集モジュールは、更に、目標スキュー範囲内にある第3のスキューデータを除去して、複数の第2のスキューデータを得る。
【0018】
本願の実施例において、タブの幅により目標スキュー範囲を特定することにより、データスクリーニングの正確性を向上させ、スキュー補正変位の算出精度を向上させ、電極アセンブリの電気性能に影響を与えることを回避することができる。
【0019】
いくつかの実施例において、処理モジュールは、更に、予め設定された比例積分微分関数及びスキューデータに基づいて、電極シートのスキュー補正変位を特定する。
【0020】
本願の実施例において、収集周期内に収集されたスキューデータに対し、予め設定された比例積分微分関数を入力することにより、スキュー補正変位を迅速に算出し、繰出装置の移動を容易に制御し、電極シートのしわや破損を回避することができる。
【0021】
第3の態様において、本願の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なプログラム又は指令とを含む電極シートスキュー補正機器を提供し、前記プログラム又は指令が前記プロセッサによって実行されると、第1の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0022】
第4の態様において、本願の実施例は、プログラム又は指令を記憶した読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記プログラム又は指令がプロセッサによって実行されると、第1の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0023】
第5の態様において、本願の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品における指令が電子機器のプロセッサによって実行されると、前記電子機器に、第1の態様に記載の方法のステップを実行させる。
【0024】
上記説明は、本願の技術案の概要に過ぎず、本願の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、また本願の上記および他の目的、特徴および利点をより明確に理解するために、以下、本願の具体的な実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことによって、様々な他の利点が当業者に明らかになる。図面は、好ましい実施形態を示すためのものであり、本願を限定するものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付している。図面において、
【0026】
【
図1】本願の一実施例に係る電池検出における電極シートスキュー補正方法のフローチャートである。
【0027】
【
図2】本願の一実施例に係る電極シート原反の模式図である。
【0028】
【
図3】本願の一実施例に係る電極シートスキュー補正システムの模式図である。
【0029】
【
図4】本願の一実施例に係る電極シートスキュー補正装置の構造模式図である。
【0030】
【
図5】本願の一実施例に係る電極シートスキュー補正機器のハードウェア構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本願の技術案の実施形態について詳細に説明する。以下の実施例は、本願の技術案をより明確に説明するためのものに過ぎず、従って、単なる例として、本願の保護範囲を制限することはできない。
【0032】
本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、特に定義されない限り、当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本明細書において使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲および上述の図面の説明における「含む」および「有する」という用語ならびにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0033】
本願の実施例の説明において、「第1の」「第2の」等の技術用語は、異なる対象を区別するためにのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示する、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序又は主従関係を暗黙的に示すと理解してはならない。本願の実施例の説明において、「複数」は、特に明記しない限り、2つ以上の意味である。
【0034】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各位置に出現するフレーズは、必ずしも同一の実施例であるとは限らず、他の実施例との排他的な独立または代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載された実施形態を他の実施形態と組み合わせることができる。本明細書で説明する実施例が、他の実施例と組み合わせることが可能であることを、当業者は明示的および闇示的に理解することができる。
【0035】
本願の実施例の説明において、「及び/又は」という用語は、関連オブジェクトを記述する関連関係であり、3種類の関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する状況、同時にA及びBが存在する状況、Bが単独で存在する状況の3つの状況を示してもよい。また、本明細書において「/」という符号は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0036】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数組」は2組以上(2組を含む)を指し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0037】
現在、科学技術の発展に伴い、日常の生産生活における電池の応用がますます広くなっている。例えば、電池は、水力、火力、風力、太陽光発電所などのエネルギー貯蔵電源システムだけでなく、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動モビリティ、および軍事装備や航空宇宙などの複数の分野に広く応用されている。電池の応用分野の拡大に伴い、市場の需要量も拡大し続けている。
【0038】
本願の実施例に言及される電池とは、より高い電圧及び容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本願において言及される電池は、電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は、一般的に、1または複数の電池セルを封止するための筐体を含む。筐体は、液体や他の異物が電池セルの充電や放電に影響を与えることを回避することができる。
【0039】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セルやマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよく、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などとすることができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0040】
電池セルは、電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは正極シート、負極シート及びセパレータを含む。ここで、電極アセンブリは、例えば、巻回型、積層型電極アセンブリなどを含む。
【0041】
例えば、巻回型電極アセンブリの製造過程において、電極シート原反は、正極シートの原反と負極シートの原反とを含み、ここで、正極シートの原反と負極シートの原反とが互いに整列され、電極アセンブリとして巻回される。正極シートと負極シートとが互いに整列されていないと、外観に影響を与えるだけでなく、巻回型電極アセンブリの品質にも影響を与える。また、例えば、積層型電極アセンブリの製造過程において、重ね合わせて積層型を容易に形成するために、電極シート原反を単一のユニット片に分割する必要があるが、電極シート原反は、繰り出された後、裁断及び作製するように裁断機構に進入する必要がある。電極シート原反の繰出過程において、スキューが発生しやすく、これにより、裁断機構による裁断後の電極シートの精度が保証されにくくなり、後続の完成品の積層型リチウム電池の品質に影響を与える。
【0042】
本発明者は、電極シート原反の繰出過程において、電極シートにスキューが発生しやすい場合が多く、電極シートの搬送位置を適時に補正しないと、電極シートのしわや破損が発生しやすく、電池の製品品質に影響を与えることに気付いた。
【0043】
電極シートのスキュー補正を適時に行い、電池の品質に影響を与えることを回避するために、本願の実施例は、電極シートスキュー補正方法を提供する。当該方法では、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集した後、続いてスキューデータに対し対応するデータ処理を行うことで、電極シートのスキュー補正変位を迅速に特定し、スキュー補正変位に基づいて、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内するように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整し、電極シートの搬送中に電極シートのしわが発生したり、電極シートが破損したりすることを回避することができる。
【0044】
以下、図面を参照して、具体的な実施例及びその応用シーンにより、本願の実施例に係る電極シートスキュー補正方法を詳細に説明する。
【0045】
図1に示すように、本願の実施例は、電極シートスキュー補正方法のフローチャートを提供し、
図1に示すように、上記方法は、以下のステップ110~ステップ130を含むことができる。
【0046】
ステップ110において、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集する。
【0047】
ステップ120において、前記スキューデータに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定する。
【0048】
ステップ130において、前記スキュー補正変位に基づいて、前記予め設定された境界に対する前記電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、前記電極シートの繰出装置を制御して前記電極シートの位置を調整する。
【0049】
上記ステップ110において、電極アセンブリは、電池セルにおける重要な構成部分である。電極アセンブリは、電極シート及びセパレータなどを含んでもよい。具体的には、電極シートは、正極シート及び負極シートを含んでもよく、セパレータは、正極シートと負極シートとの間に介在する絶縁体である。
【0050】
電極アセンブリの製造過程において、電極シートの原反は、通常、ロールの形態で存在する。例えば、繰出装置により、電極シートの原反を巻き戻し及び繰出して、電極シートを下流の加工機器に搬送することができる。ここで、繰出装置は、電池の加工機器の構成部分であってもよく、電池の加工機器とは別体であってもよい。繰出装置はローラシャフトを備えてもよく、電極シートの原反はローラシャフトに取り付けられてもよく、ローラシャフトの回転を制御することで、電極シート原反の繰り出し及び下流の電池の加工機器への搬送を実現することができる。ここで、電池の加工機器は、例えば、巻回型電極アセンブリを作製するための巻回装置であってもよく、電池の加工機器は、例えば、積層型電池を作製するための裁断装置であってもよく、ここでは特に限定されない。
【0051】
いくつかの実施例において、センサの数は、1つであっても複数であってもよく、センサは、電極シートの原反のエッジに位置してもよく、電極シート原反の走行する過程において、センサは、原反のエッジのスキューデータを検出してもよい。センサはスライドレールに取り付けられてもよく、センサはスライドレール上を移動してもよい。例示的に、センサの移動方向は、電極シート原反の走行方向に垂直な方向であってもよい。これにより、異なる電池アセンブリの異なる電極シートの幅要求に対し、センサの位置を適応的に調整して、様々な異なる仕様の電極シート原反に適応することができる。
【0052】
具体的な一例として、センサは、例えば、光ファイバーセンサであってもよく、光ファイバーセンサによって、電極シート原反のエッジの位置を迅速に検出することを実現することができる。具体的には、センサは、予め設定された周期内に複数回の収集を行い、複数の電極シート原反のエッジの位置の収集データを得ることで、シート原反の走行過程におけるスキューデータを特定することができる。例示的に、センサの収集周期は、例えば、2msであってもよい。
【0053】
センサによるデータの収集過程において、収集のたびに電極シート原反のエッジの位置を得ることができる。本願の実施例において、予め設定された境界は、例えば、一回のデータ収集周期内に、最初に収集された電極シートのエッジの位置であってもよく、また、例えば、予め設定された境界は、繰出装置において予め設定された参照エッジであってもよく、また、例えば、予め設定された境界は、前回に収集された電極シート原反のエッジの位置などであってもよく、予め設定された境界は、実際の使用ニーズに応じて具体的に設定されてもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0054】
上記ステップ120において、スキューデータの数は、1つであってもよく、複数であってもよく、例えば、センサは、予め設定された周期内に複数回のデータ収集を行い、毎回の収集では、何れも電極シート原反のエッジの位置を得ることができる。予め設定された境界が、1回のデータ収集周期内に、1回目に収集された電極シートのエッジの位置を例として、1回のデータ収集周期内に、1回目に収集された電極シートのエッジの位置と収集周期内のリアルタイムに収集された電極シートのエッジの位置とに基づいて、シート原反のスキューデータを特定することができる。予め設定された境界を前回収集されたシート原反のエッジの位置とし、隣接する2回のデータ収集によって、シート原反のスキューデータを特定することができる。
【0055】
本願の実施例において、スキューデータを得た後、予め設定されたアルゴリズムに基づいてデータ算出を行うことで、スキュー補正変位を得ることができる。予め設定されたアルゴリズムは、スキューデータのデータ量、及び具体的な応用における実際の使用ニーズに応じて具体的に設定されてもよい。
【0056】
スキュー補正変位は、具体的に、電極シート原反が移動する必要がある方向の距離を含んでもよく、例えば、電極シートの原反は、原反の走行方向に垂直な第1の方向又は第2の方向に沿って移動することができ、第1の方向及び第2の方向は逆である。
【0057】
スキュー補正変位を得た後、本願の実施例は、ステップ130を実行することができる。
【0058】
ステップ130において、前記スキュー補正変位に基づいて、前記予め設定された境界に対する前記電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、前記電極シートの繰出装置を制御して前記電極シートの位置を調整する。
【0059】
上記ステップ130において、電極シートの繰出装置は、スキュー補正変位に基づいて移動することで、電極シートの位置の調整を実現することができる。例示的に、繰出装置はスライドテーブルモジュールに接続されてもよく、スライドテーブルモジュールにはスライドレールが含まれ、繰出装置はスライドレールに沿って移動することができる。このように、スキュー補正変位に基づいて繰出装置を制御することで、電極シートの位置を調整することができる。
【0060】
本願の実施例において、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集した後、続いて、スキューデータに対し対応するデータ処理を行うことにより、電極シートのスキュー補正変位を迅速に特定し、適時にスキュー補正変位に基づいて、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内するように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整し、電極シートの搬送中に電極シートのしわが発生したり、電極シートが破損したりすることを回避することができる。
【0061】
本願のいくつかの実施例において、センサの数は少なくとも2つであり、スキューデータは、複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含み、上記ステップ120は、少なくとも1つのセンサにより、第1の予め設定された境界に対する電極シートの第1のエッジの複数の第1のスキューデータを収集するステップと、少なくとも他のセンサにより、第2の予め設定された境界に対する電極シートの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集するステップと、を含んでもよく、ここで、電極シートの第2のエッジは、タブを含み、タブの幅に基づいて、複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、複数の第2のスキューデータを得る。
【0062】
具体的には、センサの数が少なくとも2つである場合、電極シート原反の両辺にそれぞれ少なくとも1つのセンサが設けられてもよい。センサの数が2つの場合、2つのセンサは、同一のスライドレールに取り付けられてもよく、それぞれ異なるスライドレールに取り付けられてもよい。具体に応用する時、電池アセンブリの電極シート原反の幅に対する要求に応じて、2つのセンサの位置をそれぞれ特定することができ、様々な異なる仕様の電極シート原反に容易に適応することができる。
【0063】
本願の実施例では、少なくとも2つのセンサに対応して、スキューデータは、複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含んでもよい。例示的に、電極シートの原反の第1のエッジは平坦なエッジであり、第2のエッジは通常、タブを含む。少なくとも1つのセンサにより、第1の予め設定された境界に対する電極シートの第1のエッジの複数の第1のスキューデータを収集し、少なくとも他のセンサにより、第2の予め設定された境界に対する電極シートの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集する。
【0064】
いくつかの実施例において、第1の予め設定された境界は、例えば、1回のデータ収集周期内に、1回目に収集された電極シートの第1のエッジの位置であってもよく、また、例えば、第1の予め設定された境界は、繰出装置において予め設定された参照エッジであってもよく、また、例えば、予め設定された境界は、前回収集された電極シート原反のエッジの位置などであってもよく、第1の予め設定された境界は、実際の使用ニーズに応じて具体的に設定されてもよく、ここでは具体的に限定されない。第2の予め設定された境界は、例えば、1回のデータ収集周期内に、1回目に収集された電極シートの第2のエッジの位置であってもよく、また、例えば、第2の予め設定された境界は、繰出装置において予め設定された参照エッジであってもよく、また、例えば、予め設定された境界は、前回収集された電極シート原反のエッジのある位置などであってもよく、第2の予め設定された境界は、実際の使用ニーズに応じて具体的に設定されてもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0065】
具体的には、センサによって収集されたデータがタブを含む場合、タブの幅に基づいて、第3のスキューデータをスクリーニングして、スキュー補正変位を算出するための第2のスキューデータを得るために、スクリーニング条件を設定する。
【0066】
本願の実施例によれば、少なくとも2つのセンサがそれぞれ電極シートのエッジのスキューデータを取得することにより、スキュー補正変位の正確性を向上させることができる。各センサはスライドレールに取り付けられてもよいため、異なる電極シート原反の幅のニーズに応じてセンサの位置を容易に調整し、利便性を向上させることができる。センサによって収集されたデータがタブを含む場合、タブの幅に基づいて、収集された第3のスキューデータをスクリーニングし、第2のスキューデータを得て、スキュー補正変位を算出するためのデータの信頼性を向上させることができる。
【0067】
本願の実施例において、タブの幅に基づいて、複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、複数の第2のスキューデータを得ることは、タブの幅に基づいて、目標スキュー範囲を特定することと、目標スキュー範囲内にある第3のスキューデータを除去し、複数の第2のスキューデータを得ることとを含む。
【0068】
具体的には、目標スキュー範囲は、電極シートが走行中に合理的なスキュー範囲である。目標スキュー範囲をスクリーニング条件としてもよく、第3のスキューデータが目標スキュー範囲を超えた場合、タブによるものと考えられるため、目標スキュー範囲により第3のスキューデータをスクリーニングすることができる。
【0069】
図2は、本願の実施例に係る電極シート原反の模式図である。タブが存在するため、センサによって収集されたデータがタブを含む場合、収集された第3のスキューデータには突然変異が存在する可能性があり、突然変異データがスキュー補正データの正確性に影響を与えることを避けるために、タブの幅に応じてスクリーニング条件を設定する。例えば、スクリーニング条件は、第3のスキューデータの数値が目標スキュー範囲内であれば、当該第3のスキューデータをスクリーニングすることであってもよく、ここで、目標スキュー範囲は、例えば、タブの幅±1mmであってもよい。スクリーニング条件によって収集された第3のスキューデータに対するスクリーニングが完了した後、スキュー補正変位を算出するための第2のスキューデータを得ることができる。
【0070】
本願の実施例によれば、タブの幅により目標スキュー範囲を特定することにより、データスクリーニングの正確性を向上させ、スキュー補正変位の算出精度を向上させ、電極アセンブリの電気性能に影響を与えることを回避することができる。
【0071】
別の具体的な実施例として、第3のスキューデータを収集した過程において、現在検出された第3のスキューデータと前の収集時点で収集された第3のスキューデータとの差分が目標スキュー範囲を超えた場合、現在検出された第3のスキューデータがタブの第1のエッジであると特定することができ、タブの第1のエッジは
図2に示すようになる。次に、タブの長さに基づいて、タブの長さの範囲内で収集された第3のスキューデータを除去することもできる。例示的に、電極シートの走行速度に基づいて、タブがセンサを通過するために必要な時間を特定し、当該時間範囲内でセンサによって収集された第3のスキューデータを除去し、残りの第3のスキューデータを、スキュー補正変位を算出するための第2のスキューデータとして特定してもよい。このように、データスクリーニングの正確性を向上させると共に、センサの収集頻度を調整する必要とせず、収集データの安定出力を確保することができる。
【0072】
本願のいくつかの実施例において、スキュー補正変位を算出することは、具体的に、予め設定された比例積分微分関数及び前記スキューデータに基づいて、前記電極シートのスキュー補正変位を特定するステップを含むことができる。
【0073】
例示的に、予め設定された比例積分微分関数は、例えば、式(1)を参照することができる。
【0074】
【0075】
ただし、xはスキュー補正変位であり、e(t)はt時刻で収集されたスキューデータであり、
【数2】
はe(t)に対する時間積分部分であり、
【数3】
はe(t)に対する時間微分部分であり、t0-t1は収集周期であり、Kは比例係数であり、Ttは積分時間定数であり、TDは微分時間定数である。
【0076】
具体的には、予め設定された比例積分微分関数の閉ループ調整機能を結合し、電極シートの原反のスキューデータに基づいて、スキュー補正変位を出力することができる。ここで、実際の応用における電極シートの原反の走行速度、及び電極シートの原反の幅などのデータに応じて、予め設定された比例積分微分関数における算出パラメータを設定することができる。
【0077】
本願の実施例において、収集周期内に収集されたスキューデータに対し、予め設定された比例積分微分関数を入力することにより、スキュー補正変位を迅速に算出し、繰出装置の移動を容易に制御し、電極シートのしわや破損を回避することができる。
【0078】
本願の実施例に係る電極シートスキュー補正方法をより良く理解するために、ここで、上記電極シートスキュー補正方法の実際の応用における実施例を説明する。
図3は、本願の実施例に係る電極シートスキュー補正システムの模式図であり、
図3に示すように、電極シートロール301、電極シート原反302、スライドテーブルモジュール303、タブ304、センサ305、スライドレール306、ローラ307、底板308、電極シート原反の走行方向309を含み、電極シート原反は、基本的に水平面に沿って走行する。L1は、第1のエッジの水平方向における底板308からの距離であり、L2は、電極シート原反の幅である。ここで、電極シートロール301、スライドレール306及びローラ307は、底板308に取り付けられてもよい。電極シート原反は、電極シートロール301に載置されてもよく、電極シートロール301は、更にスライドテーブルモジュール303に接続され、スライドテーブルモジュール303に基づいて、電極シートロール301がシート原反に垂直する進行方向309に沿って移動するように制御することができる。引き続き
図3に示すように、2つのセンサ305は、光ファイバセンサであってもよく、他のタイプのセンサであってもよく、原反エッジと底板エッジとの水平方向の距離を検出できればよく、ここではセンサのタイプは限定されない。2つのセンサ305はスライドレール306に取り付けられてもよく、2つのセンサ305の位置は電極シートの原反の幅に応じて適応的に調整されてもよい。電極シートの原反は、ローラ307により電池の加工機器に搬送されてもよい。
【0079】
電極シート原反の載置が完了した後、電極シートロール301を回転させるように制御して、電極シート原反の巻き戻し及び繰出を実現し、2つのセンサ305をそれぞれ制御して収集周期に基づいてリアルタイムにデータ収集を行い、第1のスキューデータ及び第3のスキューデータを得ることができる。第3のスキューデータが第2のエッジに対して収集されたデータである場合、第2のエッジは、タブ304を含むので、有効なスキューデータを取得するために、タブの幅に応じて特定された目標スキュー範囲に基づき、第3のスキューデータをスクリーニングして、第2のスキューデータを得ることができる。第1のスキューデータ及び第2のスキューデータを得た後、予め設定された比例積分微分関数に基づいて算出し、スキュー補正変位を得ることができる。続いて、スライドテーブルモジュール303によりスキュー補正変位に基づいて電極シートロール301を移動させることにより、元からオフセットした電極シート原反をスキュー補正することを実現することができる。本願の実施例において、電極シート原反をスキュー補正することで、電極シート原反を適切な範囲で走行させるように効果的に制御することができる。例示的に、底板308が基準面として、電極シート原反をスキュー補正することにより、電極シートの第1のエッジと底板のエッジとの水平方向における距離L1が適切な範囲内に保たれる。
【0080】
以下、図面を組み合わせて、本願の実施例に係る電極シートスキュー補正装置について詳細に説明する。
【0081】
図4は、本願の実施例に係る電極シートスキュー補正装置の構造模式図である。
図4に示すように、電極シートスキュー補正装置400は、収集モジュール410、処理モジュール420及び制御モジュール430を含む。
【0082】
収集モジュール410は、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集する。
【0083】
処理モジュール420は、スキューデータに基づいて、電極シートのスキュー補正変位を特定する。
【0084】
制御モジュール430は、スキュー補正変位に基づいて、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整する。
【0085】
本願の実施例によれば、センサにより予め設定された境界に対する電極シートのエッジのスキューデータを収集した後、続いて、スキューデータに対し、対応するデータ処理を行うことで、電極シートのスキュー補正変位を迅速に特定し、適時にスキュー補正変位に基づき、予め設定された境界に対する電極シートのスキューデータを目標範囲内にするように、電極シートの繰出装置を制御して電極シートの位置を調整し、電極シートの搬送中に電極シートのしわが発生したり、電極シートが破損したりすることを回避することができる。
【0086】
いくつかの実施例において、センサの数は少なくとも2つであり、スキューデータは複数の第1のスキューデータ及び複数の第2のスキューデータを含む。
【0087】
収集モジュール410は、更に、少なくとも1つのセンサにより、第1の予め設定された境界に対する電極シートの第1のエッジの複数の第1のスキューデータを収集する。
【0088】
収集モジュール410は、更に、少なくとも他のセンサにより、第2の予め設定された境界に対するタブの第2のエッジの複数の第3のスキューデータを収集する。ここで、電極シートの第2のエッジは、タブを含む。
【0089】
処理モジュール420は、更に、タブの幅に基づいて、複数の第3のスキューデータをスクリーニングし、複数の第2のスキューデータを得る。
【0090】
本願の実施例によれば、少なくとも2つのセンサによりそれぞれ電極シートのエッジのスキューデータを取得することで、スキュー補正変位の正確性を向上させることができる。各センサはスライドレールに取り付けることが可能であるため、異なる電極シート原反の幅のニーズに応じてセンサの位置を容易に調整し、利便性を向上させることができる。センサによって収集されたデータがタブを含む場合、タブの幅に基づいて、収集された第3のスキューデータをスクリーニングし、第2のスキューデータを得て、スキュー補正変位を算出するためのデータの信頼性を向上させることができる。
【0091】
いくつかの実施例において、収集モジュール410は、更に、タブの幅に基づいて、目標スキュー範囲を特定する。
【0092】
収集モジュール410は、更に、目標スキュー範囲内にある第3のスキューデータを除去して、複数の第2のスキューデータを得る。
【0093】
本願の実施例によれば、タブの幅に応じて目標スキュー範囲を特定することにより、データスクリーニングの正確性を向上させ、スキュー補正変位の算出精度を向上させ、電極アセンブリの電気性能に影響を与えることを回避することができる。
【0094】
いくつかの実施例において、処理モジュール420は、更に、予め設定された比例積分微分関数とスキューデータとに基づいて、電極シートのスキュー補正変位を特定する。
【0095】
本願の実施例において、収集周期内に収集されたスキューデータに対し、予め設定された比例積分微分関数を入力することにより、スキュー補正変位を迅速に算出し、繰出装置の移動を容易に制御し、電極シートのしわや破損を回避することができる。
【0096】
本願の実施例に係る電極シートスキュー補正装置の他の詳細については、上述した
図1~
図3に示す例を参照して説明した電極シートスキュー補正方法と類似し、それに対応する技術的効果を奏することができ、説明を簡潔にするために、ここでは説明を省略する。
【0097】
図5は、本願の実施例に係る電極シートスキュー補正機器のハードウェア構成模式図を示す。
【0098】
電極シートスキュー補正機器は、プロセッサ501と、コンピュータプログラム指令を記憶したメモリ502とを含んでもよい。
【0099】
具体的には、上記プロセッサ501は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、又は特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)を含むことができ、又は本願の実施例の一つ又は複数の集積回路を実施するように構成されてもよい。
【0100】
メモリ502は、データや指令に用いられる大容量のメモリを含んでもよい。例えば、メモリ502は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ドライブ又は二つ以上の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、メモリ502は、取り外し可能又は取り外し不可能(又は固定)の媒体を含むことができ、又は、メモリ502は、不揮発性ソリッドステートメモリであってもよい。いくつかの実施例において、メモリ502は、電池装置の内部又は外部に設けられてもよい。
【0101】
いくつかの例において、メモリ502は、リードオンリーメモリ(Read Only Memory、ROM)であってもよい。一例において、該ROMは、マスクプログラムされたROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的に書き換え可能ROM(EAROM)又はフラッシュメモリ又は2つ以上のこれらの組み合わせであってもよい。
【0102】
メモリ502は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体装置、光記憶媒体装置、フラッシュメモリ装置、電気、光学又は他の物理/有形のメモリ記憶装置を含むことができる。したがって、一般的に、メモリは、コンピュータ実行可能な指令を含むソフトウェアをコードする一つ以上の有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリデバイス)を含み、かつ当該ソフトウェアが実行される(例えば、一つ又は複数のプロセッサにより)場合、それは本開示の一態様に係る方法で説明された操作を操作して実行することができる。
【0103】
プロセッサ501は、メモリ502に記憶されたコンピュータプログラム指令を読み出して実行することにより、
図1~
図3に示す実施例における方法を実現し、
図1~
図3に示す例においてその方法/ステップを実行して達成する相応の技術効果を実現するが、簡潔に説明するために、ここでは説明を省略する。
【0104】
一例において、電極シートスキュー補正機器は更に通信インタフェース503及びバス504を含むことができる。ここで、
図5に示すように、プロセッサ501、メモリ502、通信インタフェース503は、バス504により接続されかつ相互間の通信を完了する。
【0105】
通信インタフェース503は、主に本願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又は機器の間の通信を実現するために用いられる。
【0106】
バス504は、ハードウェア、ソフトウェア又は両者を含み、オンラインデータトラフィック課金デバイスの構成要素を互いに結合する。例えば、バスは、アクセラブルグラフィーポート(Acerated Graphics Port、AGP)又は他のグラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バス、フロントサイドバス(Front Side Bus、FSB)、ハイパートランスポート(Hyper Transport、HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISA)バス、無限帯域幅相互接続、低ピンイン数(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺機器コンポーネント相互接続(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、シリアル高度な技術アクセサリ(SATA)バス、ビデオ電子標準協会ローカル(VLB)バス又は他の適切なバス又は二つ以上のこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。適切な状況で、バス504は、一つ又は複数のバスを含むことができる。本願の実施例は、特定のバスを説明して示したが、本願は任意の適切なバス又は相互接続を考慮する。
【0107】
このロールプレス機は、本願の実施例における電極シートスキュー補正方法を実行して、
図1~
図3を参照して説明した電極シートスキュー補正方法及びその装置を実現することができる。
【0108】
また、上記実施例における電極シートスキュー補正方法及びその装置を参照して、本願の実施例は、読み取り可能な記憶媒体を提供して実現することができる。該読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラム指令が記憶され、該コンピュータプログラム指令がプロセッサによって実行されると、上記実施例のいずれか1つの電極シートスキュー補正方法が実現される。
【0109】
また、上記実施例における電極シートスキュー補正方法及びその装置、読み取り可能な記憶媒体を参照して、本願の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供して実現することができる。前記コンピュータプログラム製品における指令が電子機器のプロセッサによって実行されると、前記電子機器に上記実施例のいずれか1つの電極シートスキュー補正方法を実行させる。
【0110】
なお、本願は上記説明した且つ図に示された特定の構成及び処理に限定されるものではない。簡略化のために、ここで既知の方法の詳細な説明を省略する。上記実施例において、いくつかの具体的なステップを例として説明して示す。しかしながら、本願の方法過程は記述及び示された具体的なステップに限定されず、当業者は本願の精神を理解した後に、様々な変更、補正及び追加を行い、又はステップの間の順序を変更することができる。
【0111】
以上に述べた構成ブロック図に示された機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせとして実現することができる。ハードウェア方式で実現する場合、それは例えば電子回路、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カード等であってもよい。ソフトウェア方式で実現する場合、本願の要素は必要なタスクを実行するためのプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、機器可読媒体に記憶されてもよく、又は搬送波に搬送されたデータ信号により伝送媒体又は通信リンクに伝送されてもよい。「機器可読媒体」には、情報を記憶または送信可能な任意の媒体が含まれ得る。機器可読媒体の例は、電子回路、半導体メモリ装置、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フレキシブルディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波数(Radio Frequency、RF)リンク等を含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネット等のコンピュータネットワークを介してダウンロードされてもよい。
【0112】
なお、本願で言及した例示的な実施例は、一連のステップ又は装置に基づいていくつかの方法又はシステムを説明する。しかしながら、本願は上記ステップの順序に限定されず、即ち、実施例に言及された順序に応じてステップを実行することができ、実施例における順序と異なり、又は若干のステップを同時に実行することもできる。
【0113】
以上本開示の実施例に係る方法、装置、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して本開示の各態様を説明する。フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における各ブロックの組み合わせはコンピュータプログラム指令によって実現されてもよいと理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令は汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルなデータ処理装置のプロセッサに提供され、それにより機器を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行されたこれらの指令はフローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実現する。このようなプロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特殊アプリケーションプロセッサ又はフィールドプログラマブルロジック回路であってもよいが、これらに限定されない。理解されるように、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ指令の組み合わせで実現されてもよい。
【0114】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術案を説明するためのものであり、これらに対し限定されない。前記各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、依然として、前記各実施例に記載された技術案を補正し、又はその中の一部又は全部の技術的特徴に対し同等の置き換えを行うことができ、これらの補正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではなく、いずれも本願の特許請求の範囲及び明細書の範囲に含まれると理解すべきである。特に、構造的な矛盾がない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。本願は、以上に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。