(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-18
(45)【発行日】2025-04-28
(54)【発明の名称】高度かつ急速に変化する燃料ガス組成のためのバーナに対する能動的及び受動的燃焼安定化
(51)【国際特許分類】
F23G 7/06 20060101AFI20250421BHJP
F23D 14/22 20060101ALI20250421BHJP
【FI】
F23G7/06 101B
F23D14/22 E
(21)【出願番号】P 2023560081
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022071387
(87)【国際公開番号】W WO2022213055
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-10-27
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、カート
(72)【発明者】
【氏名】ビエット、ステファノ
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-032381(JP,A)
【文献】特開2001-182935(JP,A)
【文献】特開平02-163422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 7/06
F23D 14/00-14/84
F23K 5/00-5/22
F23N 1/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ(10)であって、
プレナムと、
バーナタイル(30、130、230)であって、前記プレナムからの燃焼用空気が前記プレナムから前記バーナタイルを通って燃焼ゾーン(101、201)に流れるように配置されており、上流部分(132、232)と、スロート(134、234)と、下流部分(135)と、を有し、前記下流部分(135)は壁を有し、前記バーナタイルは、前記壁に配置された複数のキャビティ(44、144a、144b、244a~244e)を更に備える、バーナタイルと、
燃料ガスを含む第1の燃料ストリームを前記燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップ(142a~142c、242a~242c)を有する少なくとも1つの一次導管(140、240)と、
第2の燃料ストリームを注入するように構成された複数の二次チップ(150a~150c、250a~250c)を有する少なくとも1つの二次導管(141、248)と、
前記燃焼ゾーンの1つ以上の態様を感知するように構成された少なくとも1つのセンサ(180、182)と、
前記一次導管及び前記二次導管と流体連通する弁(208)と、
前記少なくとも1つのセンサ(180、182)から入力を受信するコントローラ(190)であって、前記燃焼ゾーンの前記1つ以上の態様を制御するために前記弁を動作させるように構成されたコントローラと、を備え
、
前記複数のキャビティの各々は、異なる直径を有し、前記バーナタイルの前記スロートに対して異なる距離に配置されている、バーナ(10)。
【請求項2】
前記バーナタイル(30、130、230)の前記壁は内壁である、請求項1に記載のバーナ(10)。
【請求項3】
前記弁(208)は、前記少なくとも1つの一次導管を通る前記第1の燃料ストリームの割合及び記少なくとも1つの二次導管を通る前記第2の燃料ストリームの割合を制御する三方向制御弁である、請求項1又は2に記載のバーナ(10)。
【請求項4】
バーナを動作させるプロセスであって、
バーナタイル(30、130、230)に関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、前記バーナタイル(30、130、230)は、上流部分(132、232)と、スロート(134、234)と、下流部分(135)と、を有し、前記下流部分は壁を有し、前記バーナタイルは、前記壁に配置された複数のキャビティ(44、144a、144b、244a~244e)を更に備え
、前記複数のキャビティの各々は、異なる直径を有し、前記バーナタイルの前記スロートに対して異なる距離に配置されている、注入することと、
複数の一次チップ(142a~142c、242a~242c)を通して前記燃焼ゾーン内に燃料ガスの第1の部分を注入することであって、前記燃焼用空気及び前記燃料ガスの前記第1の部分が前記燃焼ゾーン内で火炎を生成する、注入することと、
複数の二次チップ(150a~150c、250a~250c)を通して燃料ガスの第2の部分を注入することと、を含む、プロセス。
【請求項5】
前記複数の一次チップを通る前記燃料ガスの前記第1の部分の割合及び前記複数の二次チップを通る前記燃料ガスの前記第2の部分の割合を、三方向制御弁を用いて制御することを更に含む、請求項4に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、2021年03月29日に出願された米国仮特許出願第63/167,286号の利益を主張するものであり、当該仮特許出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、混合燃料ガスバーナの特徴に関し、より詳細には、受動的又は能動的バーナ制御システムにおいて使用される、広範囲の燃料ガス組成で安定した燃焼を可能にするキャビティを有するバーナ、並びにそのようなバーナを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
廃ガスバーナシステムは、化学処理施設における様々なプロセスによって生成される低BTU混合ガスストリームを燃焼させるために使用される。このようなプロセスは、燃料を燃焼させて熱を生成する多くのバーナを有する炉を含む。高BTU燃料ガスの使用を最小限に抑えながら、様々な含有量を有する混合ガスストリームの効率的かつ安定した燃焼を達成することが重要である。
【0004】
将来、大気に排出されるガスストリームの規制の強化が予想され得る。更に、天然ガスストリームのための現在及び将来の二酸化炭素(CO2)除去技術は、様々な燃料含有量の廃ガスストリームをもたらす。低炭素及び炭素捕捉プロセスのためのプロセスヒータ及び炉は、高度かつ急速に変動する燃料ガスに対応し、シームレスに動作しなければならない。例えば、燃料ガス組成物は、パージガス中にCO2を含んでも含まなくても、例えば100%メタンから100%水素まで、あるいは100%天然ガスから100%PSAパージガスまで幅広く急速に変動し得る。また、利用可能な燃料圧力は、1又は2psigから約30psig(0.07から2.07barg)まで変化し得る。
【0005】
操業会社は、炉、ヒータ、及びそれらのバーナが、利用可能な燃料ガスにかかわらず、連続的に、安定して、効率的に、かつ低NOx排出で動作することを要求している。現在のバーナは、低炭素又は炭素隔離動作に必要とされ得るような高度に変動する燃料に対応することができないが、本開示は、これらの高度に変動する燃料ガスを促進するものである。
【0006】
したがって、既存の分離システムと共に動作し、それらと統合され得るバーナシステムが必要とされている。また、広範囲の動作条件にわたってバーナの安定性を高め、それによってNOxの生成を最小限に抑えるように設計されたバーナシステムも必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、プレナムと、バーナタイルであって、プレナムからバーナタイルを通して燃焼ゾーンに燃焼用空気を提供するように構成されており、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は、壁及び壁に配置された複数のキャビティを有する、バーナタイルと、燃料ガスを含む燃料ストリームを燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップを有する少なくとも1つの一次導管であって、一次チップの各々が複数のポートを含む、少なくとも1つの一次導管と、を備えるバーナを提供する。
【0008】
本発明の第2の態様は、プレナムと、バーナタイルであって、プレナムからの燃焼用空気がプレナムからバーナタイルを通って燃焼ゾーンに流れるように配置されており、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に備える、バーナタイルと、燃料ガスを含む燃料ストリームを燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップを有する少なくとも1つの一次導管と、第2の燃料ストリームを注入するように構成された複数の二次チップを有する少なくとも1つの二次導管と、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を感知するように構成された少なくとも1つのセンサと、一次導管及び二次導管と流体連通する弁と、少なくとも1つのセンサから入力を受信するコントローラであって、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を制御するために弁を動作させるように構成されたコントローラと、を備えるバーナである。
【0009】
本発明の第3の態様は、バーナを動作させるプロセスであって、バーナタイルに関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、バーナタイルは、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に備える、注入することと、複数の一次チップを通して燃焼ゾーンに燃料ガスの第1の部分を注入することであって、燃焼用空気及び燃料ガスの第1の部分が燃焼ゾーン内に火炎を生成する、注入することと、を含むプロセスである。
【0010】
本発明の第4の態様は、バーナを制御するプロセスであって、バーナタイルに関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、バーナタイルは、上流部分と、スロートと、下流部分とを有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に含む、注入することと、一次導管から複数の一次チップを通して燃焼ゾーン内に燃料ガスの第1の部分を注入することであって、燃料ガスの第1の部分及び燃焼用空気が燃焼ゾーン内で火炎を生成する、注入することと、二次導管から複数の二次チップを通して燃料ガスの第2の部分を注入することと、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を検出することと、一次導管及び二次導管と流体連通する弁を使用して、燃料ガスの第1の部分の、燃料ガスの第2の部分に対する割合を制御することと、を含むプロセスである。
【0011】
それらの全てが任意の方式で組み合わせ可能となり得る、本発明の更なる態様、実施形態、及び詳細が、以下の本発明の詳細な説明に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態について、以下の図面の各図と併せて以下に説明する。
【
図2】更なるバーナシステムの詳細な断面図である。
【
図3】本バーナシステムの一実施形態の詳細な断面図である。
【
図4】本バーナシステムの一実施形態の断面図である。
【
図5】本バーナシステムの一実施形態の端面図である。
【
図6A】本バーナシステムの一実施形態の斜視図である。
【
図6B】本バーナシステムの一実施形態の断面図である。
【
図7A】本バーナシステムの更なる実施形態の斜視図である。
【
図7B】本発明のバーナシステムの更なる実施形態の断面図である。
【
図8】本発明のバーナシステムの更なる実施形態の断面図である。
【
図9A】本発明のバーナシステムの実施形態の断面図である。
【
図9B】本発明のバーナシステムの実施形態の断面図である。
【
図9C】本発明のバーナシステムの実施形態の断面図である。
【
図9D】本発明のバーナシステムの実施形態の断面図である。
【
図9E】本発明のバーナシステムの実施形態の断面図である。
【
図9F】本発明のバーナシステムの実施形態の断面図である。
【
図10A】例示的なプロセスにおける本バーナシステムの実施形態を示す図である。
【
図10B】例示的なプロセスにおける本バーナシステムの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述したように、本開示のバーナシステムは、バーナ火炎安定化のための複数のキャビティを含む。
【0014】
これらの一般原理を念頭に置いて、本発明の1つ以上の実施形態について、以下の説明が限定することを意図するものではないという理解の下で説明する。
【0015】
安定化キャビティは、過度の全圧損失なしに燃焼を安定化させる優れた潜在能力のために、超音速燃焼器における保炎器として使用することができ、程度は低くなるが、亜音速バーナにおいても使用することができる。安定化キャビティは、燃焼動作条件の所与の組に対して妥当な動作範囲にわたって安定した連続的に動作可能な火炎前面を確立するための環境を作り出す。動作条件は変化する可能性があり、変動するものには、燃料ガスの組成、利用可能な圧力、及び発熱量を挙げることができる。更に、燃焼用空気又は酸化剤の酸素含有量、温度、圧力が変化し得る。例として、燃料ガス組成物は、0体積%~100体積%のメタン、0体積%~100体積%の水素、0体積%~100体積%のC02又はN2、0体積%~100体積%のプロパンなどから構成され、残りは様々な可燃性ガス及び不燃性ガスから構成されるように変化し得る。更に、バーナに利用可能な燃料圧力は、0psig付近から100psig超まで(0~6.9barg)変化し得る。一方、バーナに利用可能な空気圧は、0psig付近から100psig超まで(0~6.9barg)変化し得る。そして、変数の変化は、数秒の間に起こり得る。燃焼用空気又は酸化剤の酸素含有量は、100体積%酸素から5体積%未満まで変化し得、温度は、-50~1,200°F(-45.5~649℃)まで変化し得る。
【0016】
安定化のためにキャビティを利用するバーナは、通常、動作条件の比較的狭い変動性に対して最適化され、例えば、100%天然ガス(ほぼ100%メタン、すなわち、
図1の燃料ガス「A」)は、周囲大気条件で1~20psig(0.07~1.38barg)、利用可能な大気圧を超えるW.C.1.27cm(0.5インチ)での-20~120°F(-29~49℃)の温度における21%酸素でバーナに利用可能にされ得る。単一のキャビティ44を有するバーナタイル30を有するバーナ10の詳細図が
図1に示されている。キャビティ44は、寸法L×Dを有し、燃料ガス注入ポート40から距離Mだけ下流に位置決めされ、燃焼用空気ストリーム内に位置決めされて、動作条件の範囲にわたって安定した火炎前面50を確立(点火)及び維持(燃焼)するように最適化することができる。バーナシステム10は、キャビティ40の両側に上流壁32及び下流壁33を有するバーナタイル30を有する。燃料チップ42は、燃焼ゾーン56内の遠位端付近に燃料ガス注入ポート40を有する。
【0017】
別の場合、例えば、圧力スイング吸着装置(PSA:Pressure Swing Absorber)オフガスを燃焼させるバーナの場合、燃料は、20%~25%の水素、10%~15%のメタン、40%~60%のCO
2、残りは他の可燃性ガス及び不燃性ガスから構成されていてもよく、上記と同じ天然ガスバーナに利用可能であるが、3psig未満~ほぼ0psig(0.21~0barg)の圧力で利用可能である(
図2、燃料ガス「B」)。この代替燃料は、バーナの熱入力、燃焼デューティの0%~100%を構成することができる。
【0018】
NOx生成の制御は、PSAテールガスなどのNOx還元媒体を提供することによって達成され得ることが発見されている。NOx還元流体は、燃焼室からの煙道ガス、炉のヒータ、すなわちボイラの排気からの煙道ガス、蒸気(水蒸気)、窒素、二酸化炭素、更にはメタンなどの燃料ガスを含み得るが、これらに限定されない。バーナの燃料ガス又は空気ストリーム中に注入される水蒸気、窒素及び二酸化炭素などの不活性ガスは、燃料と空気の両方の反応物の分圧を低下させ、冷却することによって、また燃焼ゾーンの燃焼セクションから熱を移動させることによって、NOx排出を低減するのを支援し得ることが知られている。更に、水蒸気及び水蒸気を含有する煙道ガスは、燃焼反応を触媒及び溶媒和する水性ガスシフト反応(WGSR)機構を促進する。したがって、本開示の様々な構成では、NOx還元媒体の一部又は全部が一次チップ及び/又は二次チップのポートを通過して、燃焼ゾーン(複数可)内の火炎150を安定させるために最適な位置(複数可)でのNOx還元媒体の選択的かつ計画的な配分を容易にする。
図3を参照されたい。
【0019】
図2のバーナシステム20は、上流壁32、中間壁35、及び下流壁33に平坦な連続した表面を有するバーナタイルを有する。キャビティ44は、
図1のキャビティに対して下流の位置に設けられている。100%PSAオフガスを燃焼させる場合、
図2に示すように、燃料ガス注入点から下流に距離mを置いて燃焼用空気ストリーム内に配置された寸法l×dのキャビティ44は、動作条件の範囲にわたって安定した火炎前面50を確立(点火)及び維持(燃焼)するように最適化することができる。
【0020】
既存のほとんどの二元燃料バーナ設計において、すなわち天然ガスとPSAオフガスの両方で動作するように設計されたバーナにおいて、いくらかの割合の天然ガス(アシストガス)は、安定した火炎前面を提供するために常に存在しなければならず、火炎前面は、続いて注入されるPSAオフガスを安定させるために利用される。着火から通常運転までの全ての条件においてPSAオフガスの100%燃焼を安定させるためのキャビティは、単に存在しない。
【0021】
場合によっては、精油所燃料ガス、すなわち精油所燃料ガスRFGの一部として合成された燃料ガスが、アシストガスとして天然ガスの代わりに使用される。これらの場合、
図1のキャビティは、RFGサービスのために最適化することができる。
【0022】
図3に示す構成は、燃焼ゾーン101に近接している複数のキャビティ144a~144bを有するバーナシステム60を備える。任意の割合の別々の燃料ストリーム又は組み合わされた燃料ストリームのいずれかが、複数の注入位置及び複数のキャビティ形状(D×L’又はd×l’)のキャビティからの複数の距離(m、M、m’)で注入され得る。最適性能のために、幾何形状は修正され、m、M、d、D、l、又はLの単一燃料最適寸法からm’、M’、d’、D’、l’、又はL’に更に最適化される。そうすることで、バーナは連続的かつ安定的に動作することができ、燃料が100%天然ガスから100%PSAオフガスまで変化するとき、ヒータ若しくは炉の燃焼プロセス又は石油化学若しくは精製プロセスにおける中断又は不安定性なしに、設計された効率的な過剰空気レベル(効率)で、また例えば一酸化窒素(NOx)形成の要求された煙道ガス排気エミッションで、設計されたプロセス要求熱(燃料ガス流量)を放出する。
【0023】
受動的な場合、バーナシステム60のチップ142は、
図3に示すように、予混合された燃料の一方又は両方を注入するために使用される1組のマニホールド式燃料ガス送出パイプである。図示された実施形態では、アシストガス(メタン)を含む燃料ガスAと、NOx還元媒体(CO
2など)を含むPSAテールガスとしての燃料ガスBと、が予混合される。受動的な場合には、バーナに供給される燃料ガスの割合にかかわらず、安定した火炎前面を維持するために、燃料組成又は品質に関する情報は必要ない。受動的な場合には、バーナは燃料ガス流量及び組成の変化に瞬時に応答する。
【0024】
バーナタイル130は、
図3に示すように、チップ142に近接している第1の部分131と、第1のキャビティ144aと、中間部分133と、第2のキャビティ144bと、下流部分135と、を有する実質的に平坦な内壁を有する。第1のキャビティは、深さD’及び長さLを有し、実質的に平坦な側壁と丸みを帯びた角を有する。図示の実施形態では、安定した火炎前面150は、第1のキャビティ及び第2のキャビティ144bに及ぶ。
【0025】
チップ142(一次チップでも又は二次チップでもよい)は、側方ポート154及び端部ポート156を備える。側方ポート154は、一次チップの側部に配置され、バーナタイル130の内壁の第1の部分131に向かって角度を付けられている。端部ポート156もまた、バーナタイル130の内壁に向かって角度を付けられている。
【0026】
チップ142が二次チップ(
図4参照)である場合、二次チップの側部に配置された側方ポートは、バーナタイル130の外壁160に向かって角度を付けられており、二次チップの遠位端に配置された端部ポートもまた、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられている。
【0027】
能動的な場合には、バーナシステムは、
図1及び
図2に別々に示されているように、別々に配管され弁を設けられた注入ジェットを使用する。この能動的な場合には、バーナに供給される燃料ガスの組成及び流量に関する情報は、任意の瞬間にどのインジェクタ位置(複数可)が利用されるかを決定するために使用されてもよい。能動的な場合、火炎前面の条件及び状態は、AI対応カメラ又は高速圧力センサのいずれかで感知され、コンピュータ論理を介して、任意の瞬間にどの注入位置が使用され得るかを決定することを支援する。
図9C~
図9Fを参照されたい。
【0028】
図示の実施形態では、燃料ガスチップ142の数は3~24であるが、燃料ガス注入器の数は1~100の範囲とすることができる。キャビティ144は、非常に多様な形状をなしてもよく、湾曲した起伏のある表面を有してもよい。これは、事実上、広範囲で非常に変化しやすい燃料ガス組成及び圧力に対応するために、キャビティが無制限の形状及び有効量のものとなり得ることを意味する。キャビティは、長さが1インチから10フィートの範囲の長さの平坦な表面、平坦火炎バーナに適用されてもよい。キャビティはまた、1インチから10フィート、又はそれより大きい内径の丸いバーナに適用されてもよい。キャビティは、空気流ストリームにおいてバーナの内部にあってもよく、あるいはバーナの外部にあってもよい。
【0029】
煙道ガス又は他の不活性ガス媒体は、燃料ガスのように供給される複数のガスのうちの1つであってもよく、NOx低減又は火炎温度制御の目的で、
図1、
図2及び
図3に示されるように、予混合及びマニホールド化されるか、あるいは別々に注入される。
【0030】
このバーナシステムの特徴は、バーナの一次、二次、又は三次燃料ガス注入位置に適用することができる。
【0031】
二元燃料構成を説明してきたが、これは決して限定的なものではなく、CO2が除去されており(おそらくCO2隔離のために)、燃料ガス組成が40%~70%のメタン及び5%~30%の水素又はCO含有量の範囲に及び、残りが他の可燃性及び不燃性ガスから構成されているPSAパージガスを含むがこれに限定されない、非常に変化の大きい燃料組成、圧力及び品質を有する多数の燃料ガスが、本発明を使用してバーナに送達されてもよい。
【0032】
更に、本バーナシステムは、燃料ガスが100%天然ガス(大部分はメタン)又は液化石油ガス(LPG)から100%水素燃焼まで変化し得る用途に特によく適している。
【0033】
より一般的な場合では、本開示のバーナシステムは、無制限の多様な燃料ガス及び燃焼用空気組成物を受け入れるように設計されたバーナで使用されてもよい。
【0034】
燃焼用空気は、500~1,500°F(260~816℃)で5%~25%酸素のタービン排気ガスであってもよい。
【0035】
図示された実施形態では、変数M、m、L、l、Dは、0.64~61cm(1/4~24インチ)程度の距離である。
【0036】
本発明は、キャビティ安定化の性質を詳細に説明するが、この考えは、文献においてブラフボディ安定化と呼ばれる燃焼安定化の別の一般的な形態にも拡張することができる。キャビティ安定化燃焼デバイス、バーナの構成及び特定の幾何学的形状に関する議論は、ブラフボディ安定化バーナ、及びブラフボディとキャビティ安定化との組み合わせを有するバーナを説明するように拡張及び適合させることができ、これは、全ての低圧力降下の亜音速バーナの大部分を含む。
【0037】
図4に示すように、本開示のバーナシステム100は、空気入口部分102及び上流本体105を含む。入口ダンパ109は、空気入口流れを調整するために設けられている。バーナタイル130の上流端からバーナを監視するために複数のノズル112が設けられている。アクセスポート114は、バーナの上流部分にアクセスするために設けられている。
【0038】
プレナムチャンバ124がバーナタイルの上流に設けられている。バーナタイル130は、耐火材料128で作られており、上流ゾーン内の上流壁132と、スロート134と、スロート134の下流の内壁と、スロート134の下流の外壁と、を有する。図示の実施形態では、内壁138及び外壁160は、バーナタイル出口170に向かって収束している。
【0039】
第1の燃料ガス104及び第2の燃料ガス106(それぞれメタン及びPSAテールガスであってもよい)は、混合デバイス108内で混合されて混合燃料ガス110を提供する。混合燃料ガス110の第1の部分118は、複数の燃料ガスチップ142a~142cを有する一次導管140を通って流れる。ブラフボディ143の取り付けブラケットが、バーナタイルのスロート134に近接して設けられている。混合燃料ガス110の第2の部分120は、複数の二次チップ150a~150cを有する二次導管141を通って流れる。
【0040】
センサ180は、カメラであってもよく、バーナタイル出口170の下流に設けられ、燃焼ゾーン101に向けられている。1つ以上のセンサ180、182は、火炎安定性を決定及び制御するために火炎の1つ以上のパラメータを検出するために使用される。マイクロプロセッサを有するコントローラ190は、センサ180及び182と通信する。燃料ガス流の制御は、能動的モードに関連して本明細書で更に説明される。
【0041】
図5に示すように、バーナタイルの端面図は、一次チップ及び二次チップを示している。更なる二次チップ(
図8参照)のためのポート152a~152cが、二次チップ150a~150cの間に設けられている。
【0042】
図6Aに示すように、バーナタイル130の斜視図は、正方形のベースセクションを示す。バーナタイルの下流部分は環状断面を有し、2つのキャビティが下流部分の内壁に配置されている。バーナタイルは、下流部分の外壁の近くに二次チップ(図示せず)のためのポート149a~149cを有する。更なる二次チップ(図示せず)のための更なるポート152a~152cが設けられている。
【0043】
図6Bは、バーナタイルの断面を示す。図示の実施形態では、上流部分132、スロート134、及び下流部分は、バーナタイルの長手方向軸Aに対して対称である。内壁は、スロートの下流端に肩部を備える。キャビティ144a~144bは、スロート134の下流に配置され、各々が円形断面を有する。図示の実施形態では、内壁138は傾斜しており、上流キャビティ144aは、下流キャビティ144bの直径Dbよりも小さい直径Daを有する。内壁138の中間部分133は、キャビティ144a~144bの間に配置され、平坦である。図示された実施形態は、円形断面を有するバーナタイル130を示しており、他の実施形態では、バーナタイルは、好ましくは正方形断面を形成する1つ以上の平坦な壁を有し得ることが企図される。
【0044】
バーナタイルの外側部分は、二次チップ(図示せず)用のポート149と、更なるチップ(図示せず)用の更なるポート152と、を備える。バーナタイルの外壁160は、環状断面を有する出口部分170に向かって内向きに先細になっている。図示の実施形態では、キャビティが内側表面に設けられている。しかしながら、別の実施形態では、キャビティは、二次チップに近接しているバーナタイルの外側表面上に配置される。
【0045】
図7A及び
図7Bに示すように、バーナタイル230の更なる実施形態は、5つのキャビティ244a~244eを有する。上流部分232は傾斜しており、スロート234は平坦である。複数のキャビティ244a~244eの各々は、燃焼ゾーン201内のタイル230のスロート234に対して異なる距離に配置されている。複数のキャビティ244a~244eの各々の直径Da~Deは、下流方向に増大する。
図7Bに示すように、上流キャビティ244aは最小直径Daを有し、下流キャビティ244eは最大直径Deを有する。キャビティ244a~244eの間に配置された内壁238の中間部分233は平坦である。
【0046】
図8に示すように、バーナシステム200の第2の実施形態が示されている。本バーナシステムは、更なる一次導管240内にある燃料ガスの更なる第1の部分218と、更なる二次導管248内にある燃料ガスの更なる第2の部分220と、を有する。更なる燃料ガスストリーム204も含まれる。更なる燃料ガスストリームは、NOx還元媒体、好ましくはPSAテールガスを含む。更なる一次導管は更なる一次チップ242a~242cを備え、更なる二次導管は更なる二次チップ250a~250cを備える。
【0047】
図9A~
図9Fに示すように、バーナシステム100、200のための様々な受動的バーナ方式及び能動的バーナ方式が提供される。
【0048】
受動的モード
図9Aは、受動的動作モードを示す。この図は、受動的動作モードのためのバーナシステム100を円筒形断面で示している。これは混合燃料ガスであり、燃料流Cは天然ガストリム燃料104とPSAテールガス106との予混合物である。より小さい内部ガスノズル(一次チップ142a~142c)すなわち一次燃料ガスの、外側のより大きい燃料ガスノズル(二次チップ150a~150c)すなわち段付き燃料ガスに対する割合は、各ガスノズルの端部におけるガスジェット又はオリフィスの比例的なサイジングによって固定される。3つの一次(中央)ガスチップ及び3つ段付き又は二次(周辺)ガスチップのみが示されているが、所与のバーナ上に複数の各チップがあってもよい。ほとんどの場合、所与の炉サービスにおいて多数の同様のバーナが存在する。
【0049】
この受動的な実施形態では、燃料ガスは、一次ガス注入ノズル(一次チップ142a~142c)のすぐ下流に配置された適切な1つ又は複数のキャビティ144a、144b内で自然に火炎安定性を見出す。燃料ガス組成、流量、及び圧力が変化し、バーナの全体的な化学量論が変化すると、燃料ガス安定化の1つ又は複数の位置は、安定化を求めてキャビティ144a、144bを利用して自然に移動する。
【0050】
図9Bは、2つの燃料ストリームを有する更なる受動的モードを示す。このスキームは、一次チップ(一次チップ142a~142c及び更なる一次チップ242a~242c)と二次燃料ガスノズル(二次チップ150a~150c及び更なる二次チップ250a~250c)の2つの別個の組への2つの別個の燃料ガスストリーム104、106を示す。この配置は、燃料流BがPSAテールガスである場合、プロセスユニットからの全てのガスストリームがバーナ(複数可)によって受け取られるという点で受動的である。燃料流Aは、プロセス出口温度要件を達成するように調節されるトリム燃料、天然ガス、又は精油所ガスを表すことができる。
【0051】
このスキームは、スキームAと同じ理由で受動的である。スキームA又はBのいずれかにおいて、燃料又は任意の燃料ガスストリームのいずれかの一次燃料の二次燃料に対する割合は、0%から100%まで変化し得る。例えば、燃料流Aは、バーナ一次側に対して100%の大きさであってもよく、燃料流Bは、100%二次側又は段付きであってもよい。これらの比率は、受動的な場合には設計によって固定される。
【0052】
能動的モード
図9Cは、能動的モードを示す。能動的な場合には、1つ以上のセンサ又は動作データを使用して、火炎の状態、火炎安定性及び形状、並びにNOx及び他のエミッションレベルを監視又は予測することができる。能動的な場合、センサは単独で、あるいは他のセンサと協調して使用されてもよい。マイクロプロセッサ又は同様のデバイスが、一次ガスストリームと二次ガスストリームとの間の燃料流ストリームに配置された弁を調整する。図示の実施形態では、弁208は、1つ以上の制御弁、好ましくは三方制御弁であってもよい。
【0053】
プロポーショニングバルブの調整のためのセンサは、流量計、圧力センサ、熱電対、クロマトグラフ、熱量計、酸素センサ、カメラ、フレームイオン化検出器、光イオン化検出器、赤外線及び紫外線フレームスキャナを含むマルチスペクトルフレーム検出器、並びに組み合わせUV/IR検出器を含んでもよいが、これらに限定されない。カメラには、視野カメラ、赤外線カメラ、及びフルスペクトルカメラが含まれる。
【0054】
燃料ガス流量は、第1の導管及び/又は第2の導管において測定され、バーナシステムが燃料供給条件の変化を感知することを可能にする。バーナ(複数可)への燃料圧力及び温度の変化も、第1及び第2の導管で測定することができる。
【0055】
燃料組成はオンラインガスクロマトグラフから確認することができる。オンライン熱量計からの燃料発熱量も同様である。
【0056】
バーナの動作状態を反映するために、他の下流パラメータを測定することができる。炉運転パラメータには、火室及び燃焼用空気ダクト圧力、煙道ガス酸素、一酸化窒素、一酸化炭素、未燃焼炭化水素、並びに煙道ガス中の揮発性有機化合物排出濃度;放射セクション煙道ガス温度;プロセス入口及び出口温度が含まれる。
【0057】
図示される実施形態のセンサ180は、人工知能撮像(
図4に描写される)のための視野又はマルチスペクトル(IR又はUVスペクトルへ)カメラである。カメラ180は、燃焼ゾーン101内のバーナタイル壁の複数のキャビティ144a~144b上に存在する火炎を視野に入れることができるように配置されることが重要である。
【0058】
更なるセンサ182は、高速炉燃焼室圧力トランスミッタ(
図4に示される)である。追加のUV及び/又はIR火炎検出器は示されていない。
【0059】
したがって、本明細書に記載のセンサから得られるパラメータと併せて、更なる炉又はプロセスユニットの動作履歴又は予測データを使用して、火炎の安定性を制御することができる。動作データは、燃料ガス圧力に関連する予測燃料ガス組成;様々な燃焼ケース又は動作条件の組に対するバーナ安定性予測;NOx、CO、酸素、未燃焼炭化水素及び揮発性有機化合物の排出を含むことができるが、これに限定されない。
【0060】
バーナシステムは、センサ180及び182を介して一連の動作条件を監視することによって能動的モードで動作される。コントローラ190は、入力信号を受信し、1つ以上の弁を制御するための出力信号を生成する。したがって、火炎安定性が最適化される。
【0061】
例えば、着火又は始動時には、火室温度は低温であり、周囲温度に近く、1,400°F(760℃)よりもはるかに低く、燃料の実質的に全て又はより大きな割合を内側一次ガスチップに向けることができ、これにより、COエミッションを最小限に抑えながら火炎安定性を確保することができる。このモードでは、マルチスペクトルカメラは火炎検出器として機能することができる。次いで、火室温度が1,400°F(760℃)付近又はそれを超えて上昇すると、一部の燃料を段ガス(stage gas)ノズルに向けることができ、COエミッションはゼロになるはずであり、NOxエミッションは上昇することになる。火室温度が更に上昇すると、一次チップを通る燃料ガス流を完全に遮断して、NOx形成を最小限に抑えることができる。
【0062】
AIカメラ画像が、不安定な動作又は基準画像許容差外の動作を示す場合、燃料は、一次ガスチップに向かってより多く方向転換され、二次ガスチップに向かってより少なく方向転換され得る。
【0063】
更に、高速圧力トランスミッタデータは、基準安定/不安定圧力変動シグネチャと比較され、一次燃料ガスは、不安定性の開始に達するまで低減させることができ、一次割合は、所与の燃料ガスに対して最低NOxを伴う動作安定性を達成するようにわずかに増加させることができる。
【0064】
この高速圧力トランスミッタ182は、主に、アラーム又はシャットダウンセンサではなく制御センサである。圧力センサデータは、一次/二次の燃料分割又は割合を調整するために使用される。
【0065】
バーナ10が最も高い割合のNOx還元媒体を受けているときに、最も低いNOxエミッションが生成され得るが、これは、バーナ不安定性の初期点でもあり得る。しかしながら、この初期不安定性は、Johnsonらの米国特許第7,950,919号に記載されているものと同様の高速圧力トランスミッタ及び関連する不安定性検出ソフトウェアによって検出することができる。しかしながら、主に燃焼室酸素が不安定性に反応するように制御及び調整される米国特許第7,950,919号とは異なり、本開示では、NOx還元媒体の速度及び位置を制御することができる。
【0066】
一般に、ヒータからのNOxエミッションは、スタック酸素及び燃焼室圧力又はドラフトと共に監視することができる。供給されるNOx還元媒体の速度、量は、必要なNOx還元が達成されるまで、火炎ゾーン内の所望の位置で増加される。所望のNOxレベルが達成されると、追加のNOx還元媒体を導入することはできない。バーナが不安定になった場合、バーナの安定性が達成されるまで、米国特許第7,950,919号に示唆されているように、NOx還元媒体の速度及び/又は位置を制御することができ、あるいは過剰空気、酸素レベルを調整することができる。
【0067】
更に、米国特許出願公開第2020/0386404号に記載されているように人工知能(AI)を使用して火炎安定性及び品質態様を監視するために、視野カメラ又は赤外線カメラを使用してもよいことが企図される。火炎画像における不安定性又は他の異常がAIによって検出された場合、NOx還元媒体の量及び位置並びに/又は過剰酸素などのヒータ制御システムの他の制御態様は、良好なバーナ火炎安定性と同時に最低レベル(又は少なくとも必要なレベル)のNOxを送達するように調整及び制御することができる。
【0068】
任意の時間又は任意の瞬間にNOx還元媒体の損失があっても、本発明のバーナ10は従来の低NOxバーナとして安全に作動する。NOx排出量は増加する可能性があるが、そうでなければバーナ10は安定したままであり、ヒータ、ボイラ、又は炉におけるプロセスに確実に熱を供給し続ける。更に、バーナ10は、バーナオペレータの観点から、特別な動作上の問題なしに従来のバーナが動作するのと全く同様に動作する。
【0069】
NOx還元媒体の導入は、固定された静的制御デバイスによるか、あるいは自動コンピュータ制御による。したがって、バーナは、オペレーターの観点から、API Recommended Practice 535,Third Edition,May 2014,Burners for Fired Heaters in General Refinery Serviceに規定されているようなドラフト及び酸素管理で従来通りに操作される。すなわち、ドラフト及び酸素は、スタックダンパ及びバーナ空気入口レジスタ及び/又は誘引ドラフトファン及び強制ドラフトファン制御設定によって制御される。
【0070】
弁、ポンプ、フィルタ、冷却器などの様々な他の構成要素は、それらの詳細が当業者の知識の範囲内であり、また、それらの説明は本発明の実施形態を実施又は理解するうえで必要でないと考えられるため、図示されない場合もあることは当業者には認識及び理解されるはずである。
【0071】
上記のライン、導管、ユニット、デバイス、容器、周囲環境、ゾーン、又は同様のもののいずれも、センサ、測定デバイス、データ捕捉デバイス、又はデータ送信デバイスを含む1つ以上の監視構成要素で装備されてもよい。監視構成要素からの信号、プロセス、又は状態測定値、並びにデータを使用して、プロセス機器内、その周囲、及びその上の状況を監視することができる。監視構成要素によって生成又は記録された信号、測定値、及び/又はデータは、プライベート若しくはパブリック、一般的若しくは特定的、直接若しくは間接的、有線若しくは無線、暗号化若しくは非暗号化、及び/又はそれらの組み合わせ(複数可)であってもよい1つ以上のネットワーク又は接続を介して収集、処理、及び/又は送信されてもよい。本明細書は、この点において限定することを意図するものではない。
【0072】
監視構成要素によって生成又は記録された信号、測定値、及び/又はデータは、1つ以上のコンピューティングデバイス又はシステムに送信されてもよい。コンピューティングデバイス又はシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると1つ以上のコンピューティングデバイスに1つ以上の工程を含み得るプロセスを実施させる、コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を含み得る。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイスは、1つ以上の監視構成要素から、プロセスと関連付けられた機器の少なくとも一部品に関連するデータを受信するように構成されてもよい。1つ以上のコンピューティングデバイス又はシステムは、データを分析するように構成されてもよい。データの分析に基づいて、1つ以上のコンピューティングデバイス又はシステムは、本明細書に記載される1つ以上のプロセスの1つ以上のパラメータに対する1つ以上の推奨される調整を決定するように構成されてもよい。1つ以上のコンピューティングデバイス又はシステムは、本明細書に記載される1つ以上のプロセスの1つ以上のパラメータに対する1つ以上の推奨される調整を含む暗号化又は非暗号化データを送信するように構成されてもよい。
【0073】
システムユニットのコンピューティングデバイスは、例えば、任意のタイプの汎用マイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、中央処理装置(CPU)、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、再構成可能プロセッサ、他の適切にプログラムされた若しくはプログラム可能な論理回路、又はそれらの任意の組み合わせを備え得る。
【0074】
メモリは、任意の適切な既知の又は他の機械可読記憶媒体であってよい。メモリは、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、若しくは半導体システム、装置、若しくはデバイス、又は前述のものの任意の好適な組み合わせ等であるが、それらに限定されない、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、及び電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、強誘電体RAM(FRAM)など、デバイスの内部又は外部のいずれかに位置する任意のタイプのコンピュータメモリの適切な組み合わせを含むことができる。メモリは、コントローラ又はコンピューティングデバイスによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を取り出し可能に記憶するのに適した任意の記憶手段(例えば、デバイス)を含むことができる。
【0075】
本明細書で説明される方法及び工程は、コントローラ又はコンピューティングデバイスと通信するか、あるいはその動作を支援するために、高レベル手続き型又はオブジェクト指向プログラミング若しくはスクリプト言語、又はそれらの組み合わせで実装され得る。それに代わって、本明細書に記載される方法及びシステムは、アセンブリ言語又は機械語で実装されてもよい。言語は、コンパイラ型又はインタープリタ型言語であってもよい。本明細書で説明されるバーナへのガス流を制御するための方法及びシステムを実装するためのプログラムコードは、記憶媒体又はデバイス、例えば、ROM、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュドライブ、又は任意の他の好適な記憶媒体若しくはデバイス上に記憶されてもよい。プログラムコードは、本明細書で説明される手順を実行するよう記憶媒体又はデバイスがコンピュータによって読み取られるときにコンピュータを構成及び動作させるために、汎用又は専用プログラマブルコンピュータによって読み取り可能であり得る。
【0076】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールを含む多くの形態をなし得る。一般に、プログラムモジュールとしては、特定のタスクを実施するかあるいは特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などが挙げられる。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように組み合わせられてもよく、又は分散されてもよい。
【0077】
図9Dは、更なる能動的モードを示す。スキームCが一次及び二次チップの単一の組への単一の燃料流ストリームに対処するのに対し、スキームDは、一次及び二次チップの複数の組に対処するために使用することができる。1組の注入ノズル(一次チップ142a~142c及び二次チップ150a~150c)は、高圧天然ガス又は製油所ガスノズル用に設計され、更なる組(更なる一次チップ242a~242c及び別の二次チップ250a~250c)は、14.5~29psig(1~2barg)用に設計される。チップの第2の組(更なる一次チップ242a~242c及び更なる二次チップ250a~250c)は、好ましくは、約2~5psig(0.14~0.34barg)の低圧のプロセスオフガス又はテールガスで設計される。燃料組成及び圧力に関する入力データが変化し、センサデータが変化するにつれて、ガスチップの各組に対する割合は、制御弁208を介して、一方の組が100%から他方の組が100%へと比例的に変更され、2つの間の割合が変更され得る。
【0078】
スキームCにおける一次チップ142a~142c及び二次チップ150a~150cに送られる燃料ガスの割合、又はスキームDにおける高圧/低圧を変更することにより、1組のガスノズルが安定した火炎を供給及び生成するように最適化される安定化キャビティ(複数可)が変更される。
【0079】
図9Eは、更なる能動的モードを示す。スキームEを用いて、バーナシステム200は、2つ以上の非常に変化の大きい燃料源104、106、及び組成と圧力の両方が変化する更なる燃料ガスストリーム111に能動的に対処することができる。複数の制御弁208a、208bを使用して、可変一次/二次ガス比を有する別個の組のガスノズルへの混合燃料ガス流を別個に変化させ、様々な場合に最適化されるようにガスを特定の安定化キャビティに向ける。
【0080】
図9Fは、更なる能動的モードを示す。スキームFでは、非常に変化の大きい混合又は単一の燃料源に能動的に対処することができる。3つの制御弁208a~208cは、1つの組から別の組に完全に切り替える能力を有するガスチップの2つ以上の別個の組の一次/二次分割を別個に変化させることによって、組成と圧力の両方を変化させるために使用される。一方の組のノズル(一次チップ142a~142c及び二次チップ150a~150c)は、14.5psig(1barg)超の設計圧力の高圧燃料ガス用に最適化され、他方の組(更なる一次チップ242a~242c及び更なる二次チップ250a~250c)は、3psig(0.2barg)未満の設計圧力の低圧燃料ガス用に設計される。
【実施例】
【0081】
図10A及び
図10Bに示すように、例示的なプロセス300、400においてバーナシステム100(又はバーナシステム200)に入る燃料ストリームは、CO
2捕捉モード及びバイパスモードを有して示されている。図示の実施形態では、バーナシステム100は、水蒸気メタン改質ユニット(SMR)に取り付けられている。第1の燃料源は天然ガスであり、第2の燃料ガスストリームはPSAテールガスストリームである。
【0082】
更に、燃料ガスストリームは、混合されているか分離されているかにかかわらず、100%天然ガス(大部分はメタン)から100%純粋水素、精製燃料ガスブレンド(様々な量のメタン、水素、及びより重いガス状炭化水素から構成される)へと、組成において更に変動し得る。
【0083】
これらのバーナに供給される1つ、2つ、3つ又はそれ以上の急速に変化する燃料ガスストリームが存在してもよい。
【0084】
化学処理ユニットがPSAテールガスを生成し、全ての生成されたPSAテールガスがバーナに送られ、バーナによって消費されなければならないことに留意されたい。しかしながら、このPSAテールガスは、プロセス出口温度要件を維持するのに十分ではなく、したがって、所望のプロセス温度を達成するために追加の「トリム」ガスが使用される。
【0085】
以下の表は、例示的な実施形態を示す。燃料ガスが予混合される実施形態では、混合燃料カラムは、混合燃料ストリームの成分を示す。第1の燃料ガスがPSAテールガス(1つ以上のNOx還元媒体を含有する燃料ストリーム)であり、第2の燃料ガスが天然ガス(NG)である実施形態において、以下の表は、燃料ストリームの組成を示す。
【0086】
【0087】
【0088】
上記の表において、受動的モードで動作する場合、混合燃料は、一次チップ及び二次チップに送られる共通の燃料ガスストリームの含有量を表す。上記の表は、システムがバイパスモードから二酸化炭素捕捉モードに変化するときに、Cl含有量がいかに劇的に増加し、CO2が減少するかを示す。
【0089】
能動的モードでは、NG(天然ガス)ストリーム104は、一次チップに送られる燃料ガスであり、PSAテールガス106は、二次チップに送られる二次燃料ストリームである。
図14Bに示すバイパスモードでは、PSAテールガスは水素PSAシステムから受け取られる。
図14Aに示すCO
2捕捉モードでは、PSAテールガスは、更なるPSAシステムから生成される。
【0090】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、本明細書は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲を例解するものであり、限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0091】
本発明の第1の実施形態は、プレナムと、バーナタイルであって、プレナムからバーナタイルを通して燃焼ゾーンに燃焼用空気を提供するように構成されており、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は、壁及び壁に配置された複数のキャビティを有する、バーナタイルと、燃料ガスを含む燃料ストリームを燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップを有する少なくとも1つの一次導管であって、一次チップの各々が複数のポートを含む、少なくとも1つの一次導管と、を備えるバーナである。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第2の燃料ストリームの第2の部分を一次チップの下流に注入するように構成された複数の二次チップを有する少なくとも1つの二次導管を更に備える。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、二次チップは、一次チップに対して半径方向外向きに配置され、また二次チップは、バーナタイルの外壁に沿って配置される。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルの壁は、湾曲した肩部及び平面部分を備える内壁であり、複数のキャビティの各々は、平面部分上に配置される。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルは、環状断面を有し、複数のキャビティの各々は、湾曲断面によって画定されている。本発明の実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、複数のキャビティの各々は異なる直径を有し、バーナタイルのスロートに対して異なる距離に配置されている。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各一次チップは、側方ポート及び端部ポートを備え、側方ポートは、一次チップの側部に配置され、バーナタイルの内壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各端部ポートは一次チップの遠位端に配置され、バーナタイルの壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各二次チップは、側方ポート及び端部ポートを備え、各二次チップの側方ポートは、二次チップの側部に配置され、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられており、各二次チップの端部ポートは、二次チップの遠位端に配置され、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第1の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の導管は複数の更なる二次チップを備え、第2の導管は複数の更なる一次チップを備える。
【0092】
本発明の第2の実施形態は、プレナムと、バーナタイルであって、プレナムからの燃焼用空気がプレナムからバーナタイルを通って燃焼ゾーンに流れるように配置されており、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に備える、バーナタイルと、燃料ガスを含む燃料ストリームを燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップを有する少なくとも1つの一次導管と、第2の燃料ストリームを注入するように構成された複数の二次チップを有する少なくとも1つの二次導管と、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を感知するように構成された少なくとも1つのセンサと、一次導管及び二次導管と流体連通する弁と、少なくとも1つのセンサから入力を受信するコントローラであって、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を制御するために弁を動作させるように構成されたコントローラと、を備えるバーナである。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、燃料ガスの第2の部分は、第1の部分の燃料ガスに対して下流に注入される。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルの壁は内壁である。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、センサは、カメラ、圧力センサ、熱電対、火炎検出器、熱量計、又はクロマトグラフのうちの1つである。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、弁は、一次導管内の燃料ガス流の割合及び二次導管内の燃料ガス流の割合を制御するように構成された三方制御弁である。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の導管は複数の更なる二次チップを備え、第2の導管は複数の更なる一次チップを備える。本発明の実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、弁は、一次導管内の燃料ガス流の割合及び二次導管内の燃料ガス流の割合を制御するように構成された三方制御弁であり、更なる制御弁は、複数の更なる二次チップ及び複数の更なる一次チップ内の燃料ガス流の割合を制御するように構成されている。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、又は全てであり、弁は、一次導管内の燃料ガス流の割合及び二次導管内の燃料ガス流の割合を制御するように構成された三方制御弁であり、更なる三方制御弁は、複数の更なる二次チップ及び複数の更なる一次チップ内の燃料ガス流の割合を制御するように構成され、また混合ガス源と連通する主弁が設けられ、三方制御弁及び更なる制御弁への混合ガスの割合を制御する。本発明の一実施形態は、この段落の第2の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルは、環状断面を有し、複数のキャビティの各々は、湾曲壁によって画定されている。
【0093】
本発明の第3の実施形態は、バーナを動作させるプロセスであって、バーナタイルに関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、バーナタイルは、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に備える、注入することと、複数の一次チップを通して燃焼ゾーンに燃料ガスの第1の部分を注入することであって、燃焼用空気及び燃料ガスの第1の部分が燃焼ゾーン内に火炎を生成する、注入することと、を含むプロセスである。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、複数の二次チップを通して燃料ガスの第2の部分を注入することであって、燃料ガスの第2の部分はNOx還元媒体を含む、注入することである。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、燃料ガスの第2の部分は、燃料ガスの第1の部分に対して下流に注入される。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、一次チップの各々は、側方ポート及び端部ポートを通して燃料ガスの第1の部分を注入する。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、側方ポートは、チップの側部に配置され、バーナタイルの内壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各端部ポートは一次チップの遠位端に配置され、バーナタイルの内壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各二次チップは、側方ポート及び端部ポートを備え、各二次チップの側方ポートは、チップの側部に配置され、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第3の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各二次チップの端部ポートは、二次チップの遠位端に配置され、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられている。
【0094】
本発明の第4の実施形態は、バーナを制御するプロセスであって、バーナタイルに関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、バーナタイルは、上流部分と、スロートと、下流部分とを有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に含む、注入することと、一次導管から複数の一次チップを通して燃焼ゾーン内に燃料ガスの第1の部分を注入することであって、燃料ガスの第1の部分及び燃焼用空気が燃焼ゾーン内で火炎を生成する、注入することと、二次導管から複数の二次チップを通して燃料ガスの第2の部分を注入することと、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を検出することと、一次導管及び二次導管と流体連通する弁を使用して、燃料ガスの第1の部分の、燃料ガスの第2の部分に対する割合を制御することと、を含むプロセスである。本発明の一実施形態は、この段落の第4の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、燃料ガスの第2の部分は、燃料ガスの第1の部分に対して下流に注入される。本発明の一実施形態は、この段落の第4の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、燃料ガスの第2の部分は圧力スイング吸収容器から提供されることを更に含む。本発明の一実施形態は、この段落の第4の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、圧力スイング吸収容器を迂回する燃料ガスの第2の部分を提供することを更に含む。本発明の一実施形態は、この段落の第4の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、火炎の少なくとも1つのNOx値を監視することと、少なくとも1つのNOx値に基づいて煙道ガスの流量を調整することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、この段落の第4の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の導管は、複数の更なる二次チップを備え、第2の導管は、複数の更なる一次チップを備え、弁は、一次導管内の燃料ガス流の割合及び二次導管内の燃料ガス流の割合を制御するように構成された三方制御弁であり、更なる三方制御弁は、複数の更なる二次チップ及び複数の更なる一次チップ内の燃料ガス流の割合を制御するように構成されている。本発明の実施形態は、この段落の第4の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、又は全てであり、弁は、一次導管内の燃料ガス流の割合及び二次導管内の燃料ガス流の割合を制御するように構成された制御弁であり、更なる制御弁は、複数の更なる二次チップ及び複数の更なる一次チップ内の燃料ガス流の割合を制御するように構成され、また混合ガス源と連通する主弁が設けられ、制御弁及び更なる制御弁への混合ガスの割合を制御する。本発明の一実施形態は、この段落の第4の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、燃料ガスの第2の部分はNOx還元媒体を含む。
【0095】
本発明の第5の実施形態は、プレナムと、バーナタイルであって、プレナムからバーナタイルを通して燃焼ゾーンに燃焼用空気を提供するように構成されており、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は、壁及び壁に配置された複数のキャビティを有する、バーナタイルと、燃料ガスを含む燃料ストリームを燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップを有する少なくとも1つの一次導管であって、一次チップの各々が複数のポートを含む、少なくとも1つの一次導管と、を備えるバーナである。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第2の燃料ストリームの第2の部分を一次チップの下流に注入するように構成された複数の二次チップを有する少なくとも1つの二次導管を更に備える。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、二次チップは、一次チップに対して半径方向外向きに配置され、また二次チップは、バーナタイルの外壁に沿って配置される。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各二次チップは、側方ポート及び端部ポートを備え、各二次チップの側方ポートは、二次チップの側部に配置され、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられており、各二次チップの端部ポートは、二次チップの遠位端に配置され、バーナタイルの外壁に向かって角度を付けられている。本発明の実施形態は、この段落の第5の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つの一次導管は複数の更なる二次チップを備え、少なくとも1つの二次導管は複数の更なる一次チップを備える。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルの壁は、湾曲した肩部及び平面部分を備える内壁であり、複数のキャビティの各々は、平面部分上に配置される。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各一次チップは、側方ポート及び端部ポートを備え、側方ポートは、一次チップの側部に配置され、バーナタイルの内壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、各端部ポートは一次チップの遠位端に配置され、バーナタイルの壁に向かって角度を付けられている。本発明の一実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルは、環状断面を有し、複数のキャビティの各々は、湾曲断面によって画定されている。本発明の実施形態は、この段落の第5の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、複数のキャビティの各々は異なる直径を有し、バーナタイルのスロートに対して異なる距離に配置されている。
【0096】
本発明の第6の実施形態は、プレナムと、バーナタイルであって、プレナムからの燃焼用空気がプレナムからバーナタイルを通って燃焼ゾーンに流れるように配置されており、上流部分と、スロートと、下流部分と、を有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に備える、バーナタイルと、燃料ガスを含む第1の燃料ストリームを燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップを有する少なくとも1つの一次導管と、第2の燃料ストリームを注入するように構成された複数の二次チップを有する少なくとも1つの二次導管と、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を感知するように構成された少なくとも1つのセンサと、一次導管及び二次導管と流体連通する弁と、少なくとも1つのセンサから入力を受信するコントローラであって、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を制御するために弁を動作させるように構成されたコントローラと、を備えるバーナである。本発明の一実施形態は、この段落の第6の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第2の燃料ストリームは、第1の燃料ストリームに対して下流に注入される。本発明の一実施形態は、この段落の第6の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルの壁は内壁である。本発明の一実施形態は、この段落の第6の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つのセンサは、カメラ、圧力センサ、熱電対、火炎検出器、熱量計、又はクロマトグラフのうちの1つである。本発明の一実施形態は、この段落の第6の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、弁は、少なくとも1つの一次導管内の第1の燃料ストリームの流量の割合及び少なくとも1つの二次導管内の第2の燃料ストリームの流量の割合を制御するように構成された三方制御弁である。本発明の実施形態は、この段落の第6の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つの一次導管は複数の更なる二次チップを備え、少なくとも1つの二次導管は複数の更なる一次チップを備える。本発明の実施形態は、この段落の第6の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、弁は、少なくとも1つの導管内の第1の燃料ストリームの流量の割合及び少なくとも1つの二次導管内の第2の燃料ストリームの流量の割合を制御するように構成された三方制御弁であり、複数の更なる二次チップ内の第1の燃料ストリームの流量の割合及び複数の更なる一次チップ内の第2の燃料ストリームの流量の割合を制御するように構成された更なる制御弁を更に備える。本発明の一実施形態は、この段落の第6の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、バーナタイルは、環状断面を有し、複数のキャビティの各々は、湾曲壁によって画定されている。
【0097】
本発明の第7の実施形態は、バーナを動作させるプロセスであって、バーナタイルに関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、バーナタイルは、上流部分と、スロートと、下流部分とを有し、下流部分は壁を有し、バーナタイルは、壁に配置された複数のキャビティを更に含む、注入することと、複数の一次チップを通して燃焼ゾーンに燃料ガスの第1の部分を注入することであって、燃焼用空気及び燃料ガスの第1の部分は燃焼ゾーン内に火炎を生成する、注入することと、複数の二次チップを通して燃料ガスの第2の部分を注入することと、を含むプロセスである。本発明の一実施形態は、この段落の第7の実施形態までのこの段落のこれまでの実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、燃焼ゾーンの1つ以上の態様を検出することと、一次チップ及び二次チップと流体連通する弁を使用して、燃料ガスの第1の部分の、燃料ガスの第2の部分に対する割合を制御することと、を更に含む。
【0098】
更に詳述することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0099】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。
【0100】
上記の本発明の詳細な説明において、少なくとも1つの例示的な実施形態を提示してきたが、膨大な数の変形例が存在する点を理解されたい。例示的な実施形態は、あくまで実例にすぎず、いかなる意味でも発明の範囲、適用可能性、又は構成の限定を目的としていない点もまた理解されるはずである。むしろ、上記の詳細な説明は、発明の例示的な実施形態を実施するうえで便利な指針を当業者に提供するものであり、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載される機能及び要素の配置に様々な変更がなされ得る点は理解されよう。
<付記>
[形態1]
バーナ(10)であって、
プレナムと、
バーナタイル(30、130、230)であって、前記プレナムからの燃焼用空気が前記プレナムから前記バーナタイルを通って燃焼ゾーン(101、201)に流れるように配置されており、上流部分(132、232)と、スロート(134、234)と、下流部分(135)と、を有し、前記下流部分(135)は壁を有し、前記バーナタイルは、前記壁に配置された複数のキャビティ(44、144a、144b、244a~244e)を更に備える、バーナタイルと、
燃料ガスを含む第1の燃料ストリームを前記燃焼ゾーン内に注入するように構成された複数の一次チップ(142a~142c、242a~242c)を有する少なくとも1つの一次導管(140、240)と、
第2の燃料ストリームを注入するように構成された複数の二次チップ(150a~150c、250a~250c)を有する少なくとも1つの二次導管(141、248)と、
前記燃焼ゾーンの1つ以上の態様を感知するように構成された少なくとも1つのセンサ(180、182)と、
前記一次導管及び前記二次導管と流体連通する弁(208)と、
前記少なくとも1つのセンサ(180、182)から入力を受信するコントローラ(190)であって、前記燃焼ゾーンの前記1つ以上の態様を制御するために前記弁を動作させるように構成されたコントローラと、を備える、バーナ(10)。
[形態2]
前記第2の燃料ストリームは、前記第1の燃料ストリームに対して下流に注入される、形態1に記載のバーナ(10)。
[形態3]
前記バーナタイル(30、130、230)の前記壁は内壁である、形態1に記載のバーナ(10)。
[形態4]
前記少なくとも1つのセンサ(180、182)は、カメラ、圧力センサ、熱電対、火炎検出器、熱量計、又はクロマトグラフのうちの1つである、形態1に記載のバーナ(10)。
[形態5]
前記弁(208)は、前記少なくとも1つの一次導管内の第1の燃料ストリームの流量の割合及び前記少なくとも1つの二次導管内の第2の燃料ストリームの流量の割合を制御するように構成された三方制御弁である、形態1~4のいずれか一項に記載のバーナ(10)。
[形態6]
前記少なくとも1つの一次導管は、複数の更なる二次チップ(150a~150c、250a~250c)を備え、前記少なくとも1つの二次導管は、複数の更なる一次チップ(142a~142c、242a~242c)を備える、形態1~4のいずれか一項に記載のバーナ(10)。
[形態7]
前記弁(208)は、前記少なくとも1つの導管内の前記第1の燃料ストリームの流量の割合及び前記少なくとも1つの二次導管内の前記第2の燃料ストリームの流量の割合を制御するように構成された三方制御弁であり、
前記複数の更なる二次チップ内の前記第1の燃料ストリームの流量の割合及び前記複数の更なる一次チップ内の前記第2の燃料ストリームの流量の割合を制御するように構成された更なる制御弁(208a~208c)を更に含む、形態6に記載のバーナ(10)。
[形態8]
前記バーナタイル(30、130、230)は環状断面を有し、前記複数のキャビティ(44、144a、144b、244a~244e)の各々は湾曲壁によって画定されている、形態1~4のいずれか一項に記載のバーナ(10)。
[形態9]
バーナを動作させるプロセスであって、
バーナタイル(30、130、230)に関連付けられた燃焼ゾーンに燃焼用空気を注入することであって、前記バーナタイル(30、130、230)は、上流部分(132、232)と、スロート(134、234)と、下流部分(135)と、を有し、前記下流部分は壁を有し、前記バーナタイルは、前記壁に配置された複数のキャビティ(44、144a、144b、244a~244e)を更に備える、注入することと、
複数の一次チップ(142a~142c、242a~242c)を通して前記燃焼ゾーン内に燃料ガスの第1の部分を注入することであって、前記燃焼用空気及び前記燃料ガスの前記第1の部分が前記燃焼ゾーン内で火炎を生成する、注入することと、
複数の二次チップ(150a~150c、250a~250c)を通して燃料ガスの第2の部分を注入することと、を含む、プロセス。
[形態10]
前記燃焼ゾーンの1つ以上の態様を検出することと、
前記一次チップ(142a~142c、242a~242c)及び前記二次チップ(150a~150c、250a~250c)と流体連通する弁(208)を使用して、前記燃料ガスの前記第1の部分の、前記燃料ガスの前記第2の部分に対する割合を制御することと、を更に含む、形態9に記載のプロセス。