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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-18
(45)【発行日】2025-04-28
(54)【発明の名称】段取りステーションおよび工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/157 20060101AFI20250421BHJP
【FI】
B23Q3/157 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024066600
(22)【出願日】2024-04-17
【審査請求日】2024-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境田 幸和
(72)【発明者】
【氏名】森川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】河野 智之
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-047141(JP,U)
【文献】特開2023-141843(JP,A)
【文献】実開昭59-078035(JP,U)
【文献】特開平02-065938(JP,A)
【文献】特開2002-219627(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112643378(CN,A)
【文献】特開平11-033865(JP,A)
【文献】特開2006-224300(JP,A)
【文献】実開昭58-196039(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第111356555(CN,A)
【文献】特開平03-081608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/155 - 3/157
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具マガジンに格納される工具の段取りを行なうための段取りステーションであって、
上下方向に延びる所定軸を中心に旋回可能な旋回体と、
前記所定軸の半径方向外側における前記旋回体の端部に設けられる段取りユニットとを備え、
前記旋回体は、上下方向に延びる柱からなり、前記端部で前記旋回体の骨格をなすベース部材を含み、
前記段取りユニットは、
第1方向において前記ベース部材と対向する対向部と、前記対向部から、前記第1方向と直交する第2方向に延出し、工具が前記第2方向に沿って挿抜される切り欠きが設けられる延出部とを有し、前記第1方向が厚み方向に対応するプレートからなる工具ラックと、
前記第1方向において前記延出部と対向するとともに、前記工具ラックと当接し、前記ベース部材に取り付けられるブロックと、
前記対向部に螺合され、前記第1方向に延びるとともに、その先端で前記ベース部材と当接し、前記対向部から前記ベース部材に向けて突出する長さを変化させることが可能であるネジ部材と、
前記ブロックに設けられ、前記ベース部材に対する前記ブロックの取り付け位置を前記第1方向に調整可能な第1位置調整機構とを含み、
前記第1方向が、前記所定軸の半径方向に対応し、前記第2方向が、前記所定軸を中心とする円周の接線方向に対応する、段取りステーション。
【請求項2】
前記延出部には、前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に間隔を開けて並ぶ複数の前記切り欠きが設けられ、
前記旋回体は、前記第3方向において間隔を開けて並ぶ複数の前記ブロックを含み、
前記段取りユニットは、
前記第3方向において間隔を開けて並び、前記第1方向に見た場合に、複数の前記ブロックから前記第2方向にずれた位置にそれぞれ設けられる複数の前記ネジ部材と、
複数の前記ブロックにそれぞれ設けられる複数の前記第1位置調整機構とを含む、請求項1に記載の段取りステーション。
【請求項3】
前記工具ラックは、複数の前記ブロックに取り付けられ、
前記段取りユニットは、
前記第3方向に間隔を開けて前記工具ラックに設けられ、各々が前記ブロックに対する前記工具ラックの取り付け位置を前記第2方向に調整可能な複数の第2位置調整機構をさらに含む、請求項2に記載の段取りステーション。
【請求項4】
前記段取りステーションは、前記段取りユニットとして、
前記所定軸の半径方向外側における前記旋回体の一方端部に設けられる第1段取りユニットと、
前記第1段取りユニットから前記所定軸を中心に180°ずれた位置であって、前記所定軸の半径方向外側における前記旋回体の他方端部に設けられる第2段取りユニットとを有する、請求項1または2に記載の段取りステーション。
【請求項5】
請求項1または2に記載の段取りステーションを有し、複数の工具を格納する工具マガジンと、
工具主軸と、
前記工具主軸に保持される工具と、前記工具マガジンに格納される工具とを交換可能な自動工具交換装置とを備える、工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段取りステーションおよび工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2023-141843号公報(特許文献1)には、工具マガジン内の旧工具と、工具マガジン外の新工具とを入れ替える工具入れ替え装置を備えた工具マガジンが開示されている。工具入れ替え装置は、工具マガジンの所定位置に設けられる開口部に設置される固定枠と、鉛直方向の旋回軸を中心に旋回可能なように固定枠内に配された旋回枠と、旋回枠に固定された入れ替え用工具ラックとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-141843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示される工具マガジンにおいて、入れ替え用工具ラックには、工具が一方向に沿って挿抜される複数の切り欠きが設けられている。このような構成において、工具マガジン内における入れ替え用工具ラックに対する工具の受け渡しは、ロボットである工具搬送装置により行なわれるため、入れ替え用工具ラックが適正な姿勢で取り付けられていないと、工具の受け渡しが円滑に実行されない可能性がある。したがって、工具マガジンの組み立て時に、工具ラックの取り付け姿勢を容易に調整する手段が必要とされている。
【0005】
この発明の目的は、工具ラックの取り付け姿勢を容易に調整することが可能な工具マガジンと、そのような工具マガジンを備える工作機械とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った工具マガジンは、ベース部材と、第1方向においてベース部材と対向する対向部と、対向部から、第1方向と直交する第2方向に延出し、工具が第2方向に沿って挿抜される切り欠きが設けられる延出部とを有し、第1方向が厚み方向に対応するプレートからなる工具ラックと、第1方向において延出部と対向し、ベース部材に取り付けられるブロックと、対向部に螺合され、第1方向に延びるネジ部材と、ベース部材に対するブロックの取り付け位置を第1方向に調整可能な第1位置調整機構とを備える。
【0007】
この発明に従った工作機械は、上記の工具マガジンと、工具主軸と、工具主軸に保持される工具と、工具マガジンに格納される工具とを交換可能な自動工具交換装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明に従えば、工具ラックの取り付け姿勢を容易に調整することが可能な工具マガジンと、そのような工具マガジンを備える工作機械とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】工作機械を示す上面図である。
図2図1中の工具マガジンにおける段取りステーションを示す斜視図である。
図3図2中の矢印IIIに示される方向に見た工具マガジンを示す側面図である。
図4図3中のIV-IV線上の矢視方向に見た工具マガジンを示す断面図である。
図5図4中に示す工具マガジンを示す斜視図である。
図6】第1位置調整機構を示す分解組み立て図である。
図7図3中の2点鎖線VIIで囲まれた範囲の工具マガジンを示す側面図である。
図8】工具主軸および工具マガジン間における工具搬送および工具交換の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0011】
図1は、工作機械を示す上面図である。図1を参照して、工作機械10は、ワークに回転する工具を接触させることによって、ワーク加工を行なうマシニングセンタである。工作機械10は、工具の回転軸が水平方向に延びる横形マシニングセンタである。
【0012】
工作機械10は、コンピュータによる数値制御によって、ワーク加工のための各種動作が自動化されたNC(Numerically Controlled)工作機械である。
【0013】
工作機械10は、カバー体80と、工具主軸30と、自動工具交換装置40(ATC:Automatic Tool Changer)と、工具マガジン100とを有する。
【0014】
カバー体80は、加工エリア20を区画形成している。工具主軸30は、加工エリア20に設けられている。加工エリア20は、ワークの加工が行なわれる空間であり、ワーク加工に伴う切屑または切削油等の異物が加工エリアの外側に漏出しないようにカバー体80により密閉されている。
【0015】
工具主軸30は、クランプ機構を内蔵しており、そのクランプ機構により、工具を着脱可能に保持するように構成されている。工具主軸30は、モータ駆動により、工具を水平方向に延びる回転中心軸50を中心に回転させることが可能である。工具主軸30は、各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどによって、加工エリア20で移動が可能である。
【0016】
自動工具交換装置40は、工具主軸30に保持された工具を自動交換するための装置である。工具マガジン100は、加工目的に応じて工具を順次、加工エリア20に供給するため、複数の工具を格納する装置である。
【0017】
自動工具交換装置40による工具の自動交換時、工具主軸30は、加工エリア20において、図1中に示される工具交換位置Jに位置決めされる。加工エリア20の外部であって、自動工具交換装置40を挟んで工具主軸30と対向する工具待機位置Kには、工具を保持する工具ポット120が配置されている。自動工具交換装置40は、工具主軸30の回転中心軸50と平行な旋回中心軸45を中心に旋回可能で、かつ、工具を把持可能な旋回アーム(不図示)を有する。その旋回アームが、工具主軸30に保持された工具と、工具ポット120に保持された工具とを把持しながら、旋回中心軸45を中心に180°旋回することによって、工具主軸30と、工具待機位置Kにおける工具ポット120との間で工具交換が行なわれる。
【0018】
図2は、図1中の工具マガジンにおける段取りステーションを示す斜視図である。図1および図2、ならびに、後出の図3から図7中には、工具マガジン100における座標系であるX軸、Y軸およびZ軸が示されている。
【0019】
X軸は、水平方向に延びている。Y軸は、上下方向に延びている。Z軸は、X軸方向と直交する水平方向に延びている。X軸方向は、工具マガジン100の横方向に対応し、Y軸方向は、工具マガジン100の縦方向に対応し、Z軸方向は、工具マガジン100の奥行き方向に対応している。以下、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を参照しながら、工具マガジン100の構造を説明する。
【0020】
図1および図2を参照して、工具マガジン100は、工具格納部110と、マガジンカバー140と、工具搬送装置130とを有する。
【0021】
工具格納部110は、複数の工具を格納可能である。工具は、工具ポット120に保持された状態で工具格納部110に格納されている。工具格納部110は、ラック式であり、複数の工具を、水平方向に延びるX軸と、上下方向に延びるY軸とに平行なX軸-Y軸平面内に並べて格納している。
【0022】
工具格納部110は、工具ラック115を有する。工具ラック115は、Z軸方向が厚み方向に対応するプレートからなる。工具ラック115には、X軸方向およびY軸方向に並んで複数の切り欠きが設けられており、その切り欠きに対して、工具を保持する工具ポット120が挿抜される。
【0023】
マガジンカバー140は、マガジン内空間145を区画形成している。マガジンカバー140は、マガジン内空間145への作業者の不用意な進入を防ぐように設けられている。工具格納部110は、マガジン内空間145に設けられている。
【0024】
工具搬送装置130は、工具ポット120を把持可能な把持部(不図示)を有する。工具搬送装置130は、各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどによって、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三方向に移動が可能であり、さらに、工具待機位置Kと隣り合う旋回位置Lにおいて、Y軸方向(上下方向)に延びる旋回中心軸135を中心に90°旋回可能である。
【0025】
工具待機位置Kには、工具保持装置60が設置されている。工具保持装置60は、工具の回転軸がX軸と平行となる姿勢で、工具を保持可能である。工具搬送装置130は、工具格納部110および工具保持装置60の間で、工具を搬送する。
【0026】
代表的に、工具格納部110から工具保持装置60に向けて工具を搬送する場合の、工具搬送装置130の動作を説明する。工具搬送装置130は、X軸方向において搬送対象となる工具と対向する位置に移動する。工具搬送装置130は、X軸方向に沿った一方方向にスライド移動することによって、工具ポット120を把持し、さらに、X軸方向に沿った他方方向にスライド移動することによって、工具ラック115から工具ポット120を抜き出す。工具搬送装置130は、旋回位置Lに移動するとともに、旋回位置Lにおいて、図1中において反時計回り方向に90°旋回する。工具搬送装置130は、工具を工具保持装置60に受け渡す。
【0027】
工具マガジン100は、段取りステーション200をさらに有する。段取りステーション200は、工具マガジン100(工具格納部110)に格納される工具Tの段取りを行なうための装置である。
【0028】
工具マガジン100(段取りステーション200)は、旋回体230を有する。旋回体230は、Y軸方向(上下方向)に延びる所定軸510を中心に旋回可能である。旋回体230は、手動により、所定軸510を中心に旋回する。
【0029】
旋回体230は、シャフト220と、ベース部材310(310A,310B)と、旋回カバー231(231A,231B)とを有する。
【0030】
シャフト220は、所定軸510に沿ってY軸方向に延びている。シャフト220は、所定軸510を中心に回転可能に支持されている。
【0031】
ベース部材310は、Y軸方向に延びる柱からなる。ベース部材310は、X軸-Z軸平面により切断された場合に、矩形形状の断面をなしている。ベース部材310は、所定軸510(シャフト220)から、所定軸510の半径方向外側に離れた位置に設けられている。
【0032】
ベース部材310Aは、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の一方端部に設けられている。ベース部材310Bは、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の他方端部に設けられている。所定軸510の半径方向における所定軸510およびベース部材310Aの間の距離は、所定軸510の半径方向における所定軸510およびベース部材310Bの間の距離と同じである。ベース部材310Aおよびベース部材310Bは、それぞれ、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の一方端部および他方端部において、旋回体230の骨格をなしている。
【0033】
旋回カバー231は、Y軸方向と平行に配置されるカバー体からなる。旋回カバー231は、ベース部材310に取り付けられている。旋回カバー231Aおよび旋回カバー231Bは、シャフト220を挟んで互いに対向している。旋回カバー231Aおよび旋回カバー231Bは、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の一方端部において、ベース部材310Aに取り付けられている。旋回カバー231Aおよび旋回カバー231Bは、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の他方端部において、ベース部材310Bに取り付けられている。
【0034】
旋回カバー231は、後述する第1段取りユニット260Aに保持される工具Tが配置される空間と、後述する第2段取りユニット260Bに保持される工具Tが配置される空間とを区画している。
【0035】
旋回体230は、第1段取りユニット260Aと、第2段取りユニット260Bとをさらに有する。第1段取りユニット260Aおよび第2段取りユニット260Bの各段取りユニット260は、複数の工具Tを保持可能である。
【0036】
第1段取りユニット260Aは、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の一方端部に設けられている。第1段取りユニット260Aに保持される工具Tは、旋回カバー231Aと対向している。
【0037】
第2段取りユニット260Bは、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の他方端部にもうけられている。第2段取りユニット260Bは、第1段取りユニット260Aから、所定軸510を中心に180°ずれた位置に設けられている。第2段取りユニット260Bに保持される工具Tは、旋回カバー231Bと対向している。
【0038】
段取りステーション200は、ロックピン240と、検知部245とをさらに有する。ロックピン240は、エアシリンダー等のアクチュエータによって、旋回体230に対して挿抜可能に設けられている。旋回体230に対してロックピン240が挿入されることによって、所定軸510を中心とする旋回体230の旋回動作が規制され、旋回体230からロックピン240が抜かれることによって、所定軸510を中心とする旋回体230の旋回動作が許容される。
【0039】
検知部245は、旋回体230に対するロックピン240の挿抜を検知可能に構成されている。工作機械10は、検知部245により旋回体230に対するロックピン240の挿入が検知された場合に、工具搬送装置130の動作を許容し、検知部245により旋回体230に対するロックピン240の抜き出しが検知された場合に工具搬送装置130の動作を規制する。
【0040】
図1中では、第1段取りユニット260Aがマガジン内空間145の外側の空間に配置され、第2段取りユニット260Bがマガジン内空間145に配置されている。旋回カバー231は、マガジンカバー140とともに、マガジン内空間145を区画形成している。第2段取りユニット260Bでは、後述の工具ラック320が、工具格納部110における工具ラック115と、同一のX軸-Y軸平面に配置されている。ロックピン240は、旋回体230に対して挿入されている。
【0041】
この場合に、マガジン内空間145の外側では、作業者が、第1段取りユニット260Aから使用済みの工具Tを取り外したり、第1段取りユニット260Aに新たな工具Tを装着したりする段取り作業を行なう。一方、マガジン内空間145では、工具搬送装置130が、新たな工具Tが装着された第2段取りユニット260Bと、工具格納部110との間で工具を入れ替える。
【0042】
作業者は、図示しない操作ボタン等の操作部を操作することによって、旋回体230からロックピン240を抜く。作業者は、旋回体230に対して所定軸510の周方向の力を加えることによって、旋回体230を所定軸510を中心に180°旋回させる。作業者は、図示しない操作ボタン等の操作部を操作することによって、ロックピン240を旋回体230に挿入する。これにより、第1段取りユニット260Aがマガジン内空間145に配置され、第2段取りユニット260Bがマガジン内空間145の外側の空間に配置される。作業者は、第2段取りユニット260Bにおいて、工具Tの段取り作業が可能となる。
【0043】
図1に示されるように、工作機械10は、ATCシャッター70をさらに有する。加工エリア20を区画形成するカバー体80には、開口部82が設けられている。開口部82は、工具待機位置Kに設置される工具保持装置60と、工具交換位置Jに位置決めされる工具主軸30との間で開口している。ATCシャッター70は、開口部82に設けられている。ATCシャッター70は、図示しないエアシリンダー等のアクチュエータによって、開口部82を開口させる開位置と、開口部82を閉塞する閉位置との間で動作可能である。
【0044】
ATCシャッター70は、自動工具交換装置40による工具交換の開始時に、閉位置から開位置に動作され、自動工具交換装置40による工具交換の完了時に、開位置から閉位置に動作される。工作機械10は、自動工具交換装置40による工具交換の開始時、検知部245により旋回体230に対するロックピン240の挿入が検知されている場合に、ATCシャッター70の動作を許容し、検知部245により旋回体230に対するロックピン240の抜き出しが検知されている場合にATCシャッター70の動作を規制する。
【0045】
このような構成により、第1段取りユニット260Aおよび第2段取りユニット260Bの各段取りユニット260が、マガジン内空間145の内外の所定位置に配置されないと、ATCシャッター70の開動作が許容されない。また、第1段取りユニット260Aおよび第2段取りユニット260Bの各段取りユニット260が、所定軸510を中心に旋回する途中であったり、旋回途中で停止している場合には、ATCシャッター70の開動作が許容されない。
【0046】
図3は、図2中の矢印IIIに示される方向に見た工具マガジン(段取りステーション)を示す側面図である。図4は、図3中のIV-IV線上の矢視方向に見た工具マガジン(段取りステーション)を示す断面図である。図5は、図4中に示す工具マガジン(段取りステーション)を示す斜視図である。図6は、第1位置調整機構を示す分解組み立て図である。図7は、図3中の2点鎖線VIIで囲まれた範囲の工具マガジン(段取りステーション)を示す側面図である。
【0047】
続いて、段取りユニット260の構造について詳細に説明する。第1段取りユニット260Aおよび第2段取りユニット260Bは、互いに同一の構造を有する。図3から図7中には、代表的に、第1段取りユニット260Aが示されている。
【0048】
図2から図7を参照して、段取りユニット260は、工具ラック320を有する。工具ラック320は、Y軸方向に平行に配置されている。工具ラック320は、X軸方向が厚み方向に対応し、Y軸-Z軸平面に平行に配置されるプレートからなる。工具ラック320は、Y軸方向が長手方向となり、Z軸方向が短手方向となる長尺形状を有する。X軸方向(本発明における「第1方向」)は、所定軸510の半径方向に対応している。Y軸方向(本発明における「第3方向」)は、所定軸510の軸方向に対応している。Z軸方向(本発明における「第2方向」)は、所定軸510を中心とする円周の接線方向に対応している。
【0049】
図3および図4に示されるように、工具ラック320は、対向部322と、延出部323とを有する。対向部322は、X軸方向において、ベース部材310と対向している。対向部322は、X軸方向において、ベース部材310に重ね合わされている。延出部323は、対向部322からZ軸方向に延出している。延出部323は、X軸方向において、ベース部材310と対向していない。
【0050】
延出部323には、切り欠き321が設けられている。切り欠き321は、X軸方向において延出部323を貫通し、Z軸方向における一方方向を向いて開放された切り欠き形状を有する。切り欠き321は、工具ポット120を受け入れ可能な切り欠き形状を有する。切り欠き321には、Z軸方向に沿って工具(工具ポット120)が挿抜される。工具は、工具ポット120が切り欠き321に挿入されることによって、工具ラック320に保持される。
【0051】
延出部323には、複数の切り欠き321(本実施の形態では、7つの切り欠き321)が設けられている。複数の切り欠き321は、Y軸方向において、互いに間隔を開けて並んでいる。
【0052】
Z軸方向における延出部323の長さは、Z軸方向における対向部322の長さよりも大きい。Z軸方向における対向部322および切り欠き321の間の長さは、Z軸方向における対向部322の長さよりも大きい。
【0053】
段取りユニット260は、ブロック330をさらに有する。ブロック330は、X軸-Z軸平面により切断された場合に矩形形状の断面を有しながら、Y軸方向に延びている。Y軸方向におけるブロック330の長さは、Y軸方向におけるベース部材310の長さよりも小さい。X軸-Z軸平面により切断された場合のブロック330の断面積は、X軸-Z軸平面により切断された場合のベース部材310の断面積よりも小さい。Z軸方向におけるブロック330の長さは、Z軸方向におけるベース部材310の長さよりも小さい。Z軸方向におけるブロック330の長さは、X軸方向におけるブロック330の長さよりも小さい。
【0054】
ブロック330は、X軸方向において延出部323と対向している。ブロック330は、Z軸方向においてベース部材310と対向している。ブロック330は、ベース部材310に取り付けられている。
【0055】
段取りユニット260は、複数のブロック330(本実施の形態では、3つのブロック330)を有する。複数のブロック330は、Y軸方向において、互いに間隔を開けて並んでいる。Y軸方向において工具ラック320を3等分することにより、工具ラック320の上段領域、中段領域および下段領域を規定した場合に、複数のブロック330は、上段領域、中段領域および下段領域における延出部323とそれぞれ対向するように設けられている。
【0056】
段取りユニット260は、ネジ部材340をさらに有する。ネジ部材340は、対向部322に螺合されている。ネジ部材340は、X軸方向に延びている。
【0057】
ネジ部材340は、ホロセット(頭部に六角形の穴が設けられたネジ)からなる。対向部322には、雌ねじ326が設けられている。雌ねじ326は、X軸方向において、対向部322を貫通している。雌ねじ326は、X軸方向において、ベース部材310と対向して開口している。ネジ部材340は、雌ねじ326に螺合されている。
【0058】
図3に示されるように、X軸方向に見た場合に、ネジ部材340は、ブロック330からZ軸方向にずれた位置に設けられている。ブロック330は、Y軸方向における高さ領域Hに設けられている。ネジ部材340は、Y軸方向において、高さ領域Hに設けられている。図4に示されるように、Z軸方向におけるネジ部材340およびブロック330の間の長さは、Z軸方向におけるブロック330および切り欠き321の間の長さよりも小さい。
【0059】
段取りユニット260は、複数のネジ部材340を有する。複数のネジ部材340は、Y軸方向において、互いに間隔を開けて設けられている。複数のネジ部材340は、それぞれ、複数のブロック330に対応して設けられている。
【0060】
このような構成において、ネジ部材340の頭部に設けられた六角穴にレンチ等の工具を差し込み、その工具を回すことによって、対向部322からベース部材310に向けて突出するネジ部材340の長さを自在に変化させることができる。
【0061】
段取りユニット260は、第1位置調整機構350をさらに有する。第1位置調整機構350は、ブロック330に設けられている。第1位置調整機構350は、ベース部材310に対するブロック330の取り付け位置をX軸方向に調整可能である。
【0062】
図4から図6に示されるように、ベース部材310には、雌ねじ316が設けられている。雌ねじ316は、Z軸方向に延び、ブロック330と対向して開口している。第1位置調整機構350は、ボルト331と、長孔336とから構成されている。長孔336は、ブロック330に設けられている。長孔336は、X軸方向が長手方向となり、Y軸方向が短手方向となる長孔形状(トラック形状)の開口をなしながら、Z軸方向に延びている。ボルト331が、長孔336に挿入され、雌ねじ316に螺合されることによって、ブロック330がベース部材310に取り付けられている。
【0063】
段取りユニット260は、複数の第1位置調整機構350を有する。複数の第1位置調整機構350は、それぞれ、複数のブロック330に対応して設けられている。本実施の形態では、各ブロック330に対して、ボルト331および長孔336が対になった組が、Y軸方向において間隔を開けて2つずつ設けられている。
【0064】
このような構成において、ボルト331が挿入される長孔336の位置をX軸方向にシフトさせることによって、ベース部材310に対するブロック330の取り付け位置をX軸方向に自在に変化させることができる。
【0065】
段取りユニット260は、複数の第2位置調整機構360をさらに有する。複数の第2位置調整機構360は、工具ラック320(延出部323)に設けられている。複数の第2位置調整機構360は、Y軸方向に間隔を開けて設けられている。第2位置調整機構360は、ブロック330に対する工具ラック320の取り付け位置をZ軸方向に調整可能である。
【0066】
図3図4および図7に示されるように、ベース部材310には、雌ねじ317が設けられている。雌ねじ317は、X軸方向に延び、工具ラック320と対向して開口している。第2位置調整機構360は、ボルト327と、長孔328とから構成されている。長孔328は、工具ラック320に設けられている。長孔328は、Z軸方向が長手方向となり、Y軸方向が短手方向となる長孔形状(トラック形状)の開口をなしながら、X軸方向に延びている。ボルト327が、長孔328に挿入され、雌ねじ317に螺合されることによって、工具ラック320がブロック330に取り付けられている。
【0067】
複数の第2位置調整機構360は、それぞれ、複数のブロック330に対応して設けられている。本実施の形態では、各ブロック330に対して、ボルト327および長孔328が対になった組が、Y軸方向において間隔を開けて2つずつ設けられている。
【0068】
このような構成において、ボルト327が挿入される長孔328の位置をZ軸方向にシフトさせることによって、ブロック330に対する工具ラック320の取り付け位置をZ軸方向に自在に変化させることができる。
【0069】
以上に説明した、この発明の実施の形態における工具マガジン100の構成をまとめると、本実施の形態における工具マガジン100は、ベース部材310と、第1方向(X軸方向)においてベース部材310と対向する対向部322と、対向部322から、第1方向(X軸方向)と直交する第2方向(Z軸方向)に延出し、工具が第2方向(Z軸方向)に沿って挿抜される切り欠き321が設けられる延出部323とを有し、第1方向(X軸方向)が厚み方向に対応するプレートからなる工具ラック320と、第1方向(X軸方向)において延出部323と対向し、ベース部材310に取り付けられるブロック330と、対向部322に螺合され、第1方向(X軸方向)に延びるネジ部材340と、ベース部材310に対するブロック330の取り付け位置を第1方向(X軸方向)に調整可能な第1位置調整機構350とを備える。
段取りステーション200は、上下方向に延びる所定軸510を中心に旋回可能な旋回体230と、所定軸510の半径方向外側における旋回体230の端部に設けられる段取りユニット260とを備える。旋回体230は、上下方向に延びる柱からなり、旋回体230の上記端部で旋回体230の骨格をなすベース部材310を含む。段取りユニット260は、第1方向(X軸方向)においてベース部材310と対向する対向部322と、対向部322から、第1方向(X軸方向)と直交する第2方向(Z軸方向)に延出し、工具が第2方向(Z軸方向)に沿って挿抜される切り欠き321が設けられる延出部323とを有し、第1方向(X軸方向)が厚み方向に対応するプレートからなる工具ラック320と、第1方向(X軸方向)において延出部323と対向するとともに、工具ラック320と当接し、ベース部材310に取り付けられるブロック330と、対向部322に螺合され、第1方向(X軸方向)に延びるとともに、その先端でベース部材310と当接し、対向部322からベース部材310に向けて突出する長さを変化させることが可能であるネジ部材340と、ブロック330に設けられ、ベース部材310に対するブロック330の取り付け位置を第1方向(X軸方向)に調整可能な第1位置調整機構350とを含む。第1方向(X軸方向)が、所定軸510の半径方向に対応し、第2方向(Z軸方向)が、所定軸510を中心とする円周の接線方向に対応する。
【0070】
このような構成によれば、ネジ部材340を回転させることにより、対向部322からのネジ部材340の突出長さを変化させつつ、第1位置調整機構350により、ベース部材310に対するブロック330の取り付け位置をX軸方向に調整して、ブロック330に対する工具ラック320の当接位置をX軸方向に変化させることによって、工具ラック320の傾き(Y軸方向に見た場合のZ軸に対する工具ラック320の傾き)を、Z軸方向に沿った工具の挿抜方向に合うように調整することができる。これにより、工具ラック320の取り付け姿勢を容易に調整して、切り欠き321に対する工具の挿抜を円滑にできる。
【0071】
また、延出部323には、第1方向(X軸方向)および第2方向(Z軸方向)と直交する第3方向(Y軸方向)に間隔を開けて並ぶ複数の切り欠き321が設けられている。工具マガジン100は、第3方向(Y軸方向)において間隔を開けて並ぶ複数のブロック330と、第3方向(Y軸方向)において間隔を開けて並び、第1方向(X軸方向)に見た場合に、複数のブロック330から第2方向(Z軸方向)にずれた位置にそれぞれ設けられる複数のネジ部材340と、複数のブロック330にそれぞれ設けられる複数の第1位置調整機構350とを備える。
【0072】
このような構成によれば、ネジ部材340および第1位置調整機構350が設けられたY軸方向における各位置において、工具ラック320の傾きを調整することができる。これにより、Y軸方向に間隔を開けて並ぶ複数の切り欠き321の各々において、工具の挿抜を円滑にできる。
【0073】
また、工具ラック320は、複数のブロック330に取り付けられている。工具マガジン100は、第3方向(Y軸方向)に間隔を開けて工具ラック320に設けられ、各々がブロック330に対する工具ラック320の取り付け位置を第2方向(Z軸方向)に調整可能な複数の第2位置調整機構360を備える。
【0074】
このような構成によれば、第2位置調整機構360が設けられたY軸方向における各位置において、ブロック330に対する工具ラック320の取り付け位置をZ軸方向に変化させることにより、工具ラック320の傾き(X軸方向に見た場合のY軸に対する工具ラック320の傾き)を、Z軸方向に沿った工具の挿抜方向に合うように調整することができる。これにより、工具の挿抜をさらに円滑にできる。
【0075】
なお、本実施の形態では、本発明が段取りステーション200に備わった工具ラック320の取り付けに適用された場合を説明したが、これに限られず、本発明は、工具格納部110に備わった工具ラック115の取り付けに適用されてもよい。本発明において、工具は、工具ポットを介さずに、直接工具ラックに保持されるものであってもよい。本発明における工具マガジンが適用される工作機械は、横形マシニングセンタに限られず、たとえば、立形マシニングセンタであってもよいし、旋削機能と、ミーリング機能とを有する複合加工機であってもよい。
【0076】
図8は、工具主軸および工具マガジン間における工具搬送および工具交換の流れの一例を示す図である。
【0077】
図1および図8を参照して、初期状態として、工具主軸30に対する自動工具交換が実行されたあと、ATCシャッター70が閉動作する(S201)。工具主軸30には、工具Aが保持され、工具保持装置60には、使用済みの工具Bが保持されている。
【0078】
ATCシャッター70が閉状態とされたあと、加工エリア20では、工具主軸30が、工具Aを用いたワーク加工を開始し(S101)、加工エリア20の外部の工具待機位置Kでは、工具保持装置60から工具搬送装置130に工具Bが受け渡される(S301)。S301のステップでは、工具搬送装置130が、把持部により工具保持装置60に保持された工具Bを把持するとともに、工具保持装置60が、工具Bの保持を解除する。
【0079】
次に、工具搬送装置130は、工具待機位置Kから、工具Bを格納すべき工具ラック115に移動する(S302)。次に、工具搬送装置130は、工具Bを工具ラック115に搬入する(S303)。本ステップでは、工具搬送装置130が、把持部により把持された工具Bを工具ラック115に進入させ、把持部による工具Bの把持を解除する。次に、工具搬送装置130は、次工程で用いられる工具Cを格納する工具ラック115に移動する(S304)。次に、工具搬送装置130は、工具ラック115から工具Cを搬出する(S305)。本ステップでは、工具搬送装置130が、把持部を工具ラック115に向けて進入させ、把持部により工具Cを把持する。
【0080】
次に、工具搬送装置130は、工具ラック115から工具待機位置Kに向けて移動する(S306)。次に、工具搬送装置130は、工具保持装置60に工具Cを受け渡す(S307)。本ステップでは、工具搬送装置130が、把持部により把持された工具Cを工具保持装置60に進入させ、把持部による工具Cの把持を解除するとともに、工具保持装置60が、工具Cを保持する。
【0081】
工具主軸30は、工具Aを用いたワーク加工を完了させる(S102)。工具主軸30は、加工エリア20における工具交換位置Jに移動する。典型的には、S102のステップの前に、S307のステップが完了する。S102のステップのあと、ATCシャッター70が開動作する(S202)。次に、自動工具交換装置40は、工具主軸30および工具保持装置60の間で工具を交換する(S203)。本ステップにより、工具主軸30には、工具Cが保持され、工具保持装置60には、使用済みの工具Aが保持される。次に、ATCシャッター70が閉動作する(S204)。ATCシャッター70が閉状態とされたあと、工具主軸30は、工具Cを用いたワーク加工を開始する(S103)。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
10 工作機械、20 加工エリア、30 工具主軸、40 自動工具交換装置、45,135 旋回中心軸、50 回転中心軸、60 工具保持装置、100 工具マガジン、110 工具格納部、115,320 工具ラック、120 工具ポット、130 工具搬送装置、140 マガジンカバー、145 マガジン内空間、200 段取りステーション、220 シャフト、230 旋回体、231,231A,231B 旋回カバー、240 ロックピン、245 検知部、260 段取りユニット、260A 第1段取りユニット、260B 第2段取りユニット、310,310A,310B ベース部材、316,317,326 雌ねじ、322 対向部、323 延出部、327,331 ボルト、328,336 長孔、330 ブロック、340 ネジ部材、350 第1位置調整機構、360 第2位置調整機構、510 所定軸、H 高さ領域、J 工具交換位置、K 工具待機位置、L 旋回位置、T 工具。
【要約】
【課題】工具ラックの取り付け姿勢を容易に調整することが可能な工具マガジンと、そのような工具マガジンを備える工作機械と、を提供する。
【解決手段】工具マガジンは、ベース部材(310)と、第1方向(X軸方向)においてベース部材(310)と対向する対向部(322)と、対向部(322)から、第1方向(X軸方向)と直交する第2方向(Z軸方向)に延出し、工具が第2方向(Z軸方向)に沿って挿抜される切り欠き321が設けられる延出部323とを有する工具ラック320と、第1方向(X軸方向)において延出部(323)と対向し、ベース部材(310)に取り付けられるブロック(330)と、対向部(322)に螺合され、第1方向(X軸方向)に延びるネジ部材(340)と、ベース部材(310)に対するブロック(330)の取り付け位置を第1方向(X軸方向)に調整可能な第1位置調整機構(350)とを備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8