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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-18
(45)【発行日】2025-04-28
(54)【発明の名称】ネットワークアクセス装置及び機器
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20250421BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20250421BHJP
【FI】
H04B1/38
H05K7/20 G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024105044
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-06-28
(31)【優先権主張番号】202322967243.X
(32)【優先日】2023-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523394723
【氏名又は名称】ルイジェ ネットワークス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホー ジァンミン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ジビン
(72)【発明者】
【氏名】フー ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ユウ フイフイ
(72)【発明者】
【氏名】モン チンバオ
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-183375(JP,U)
【文献】登録実用新案第3179075(JP,U)
【文献】特開2023-107309(JP,A)
【文献】特表2020-532830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークアクセス装置であって、
壁体内に取り付けることができるように構成されるターミナルブロックと、
前記ターミナルブロックに取り外し可能に接続される装置本体と、を備え、
前記ターミナルブロックが前記壁体内に取り付けられるとき、前記ターミナルブロックは、前記壁体内のケーブルに電気的に接続され、
前記装置本体内に回路基板アセンブリがあり、前記回路基板アセンブリは、電源基板を含み、前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続されるとき、前記ケーブルは、前記ターミナルブロックを介して前記電源基板に電気的に接続され、
前記ターミナルブロック内に、前記電源基板に挿着されるターミナルボードがあり、前記電源基板上に電源モジュールがあり、前記電源モジュールは、前記ターミナルボードを介して前記ケーブルにおける電源ケーブルに電気的に接続されて、前記電源ケーブルから入力される強電を直流弱電にするように構成される、ネットワークアクセス装置。
【請求項2】
前記装置本体上に放熱孔があり、
前記装置本体が取り外し可能に前記ターミナルブロックに取り付けられるとき、前記放熱孔は、前記ターミナルブロックの外部に位置する、
請求項1に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項3】
前記ターミナルブロックの少なくとも一部は、前記壁体内に嵌設され、前記ターミナルブロックには第1の回避口が設けられる、
請求項に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項4】
前記ネットワークアクセス装置は、少なくとも一つのアダプタアセンブリをさらに含み、前記アダプタアセンブリは、第1のアダプタと第2のアダプタとを含み、
前記第1のアダプタは、前記電源基板に設置され、前記装置本体の表面に露出し、
前記第2のアダプタは、前記ターミナルボードに設置され、前記ターミナルブロックの表面に露出し、
前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続されるとき、前記第1のアダプタと前記第2のアダプタとは、互いに挿着されて、前記ターミナルボードと前記電源基板とを導通させる、
請求項に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項5】
前記強電は、動力を提供するためのものであるように構成され、且つ電圧が36Vよりも大きい、
請求項1に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項6】
前記強電は、交流強電及びイーサネット給電を含む、
請求項1に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項7】
前記ターミナルブロックは、第1の磁石を含み、前記装置本体は、第2の磁石を含み、
前記装置本体と前記ターミナルブロックとは、前記第2の磁石と前記第1の磁石との嵌合により取り外し可能に接続される、
請求項1~のいずれか1項に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項8】
前記装置本体の前記ターミナルブロックに向く側に、突出する取り付け部があり、前記電源基板の部分は、前記取り付け部の表面に露出し、前記ターミナルブロックに向き、
前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続されるとき、前記取り付け部は、前記ターミナルブロックの内部に位置し、前記ターミナルブロックに取り外し可能に接続される、
請求項1~のいずれか1項に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項9】
前記取り付け部の側壁にカンチレバーが接続され、前記カンチレバー上に第1の係止部が設置され、前記ターミナルブロックは、前記第1の係止部に対応する位置に第1の係合部を有し、
前記取り付け部が前記ターミナルブロック内に位置するとき、前記第1の係止部は、前記第1の係合部に弾性的に係止される、
請求項に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項10】
前記カンチレバーの前記第1の係止部から離れた端は、付勢端であり、前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続されるとき、前記付勢端は、前記ネットワークアクセス装置の外部に露出し、前記付勢端は、前記ネットワークアクセス装置に向く圧力を受けるときに前記第1の係止部と前記第1の係合部との弾性的係止を解除するように構成される、
請求項に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項11】
前記カンチレバーは、屈曲アームであり、前記屈曲アームは、第1の延在部と、第2の延在部と、第3の延在部とを含み、前記第1の延在部は、前記取り付け部の側壁に沿って前記ターミナルブロックから離れる方向に向かって延在し、前記第2の延在部は、前記取り付け部から離れる方向に向かって延在し、前記第3の延在部は、前記装置本体の側面上において前記ターミナルブロックから離れる方向に沿って延在する、
請求項10に記載のネットワークアクセス装置。
【請求項12】
ネットワークアクセス機器であって、
ターミナルボックスと、
請求項1~のいずれか1項に記載のネットワークアクセス装置とを含み、
前記ターミナルボックスは、前記壁体内に取り付けられるように構成され、
前記ネットワークアクセス装置の前記ターミナルブロックは、前記ターミナルボックス内に取り付け、前記ターミナルボックス内のケーブルに電気的に接続できるように構成される、ネットワークアクセス機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術分野に関し、特にネットワークアクセス装置及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線アクセスポイント(英語:Access Point、APと略す)装置は、一種のネットワークアクセス装置として、ワイアレスローカルエリアネットワークを構築する時に最も一般的に使われる装置であり、携帯電話、タブレットパソコン、コンピュータなどの電子機器のネットワークのアクセスを満たすことができ、人々の日常生活及び仕事中に重要な役割を果たしている。
【0003】
現在、組み込み式無線AP装置は、無線AP装置の一つとして、一般的に壁体内に嵌設されて、壁体内に予め埋設されたターミナルボックスに電気的に接続され、ターミナルボックスから入力される交流強電を直流弱電に変換することができ、人々に電子機器の通信需要を提供する。組み込み式無線AP装置は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有するため、人々の日常生活及び仕事に広く応用されている。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、ネットワークアクセス装置及び機器を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、ネットワークアクセス装置を提供し、この装置は、壁体内に取り付けることができるように構成されるターミナルブロックであって、前記ターミナルブロックが前記壁体内に取り付けられる時、前記ターミナルブロックが前記壁体内のケーブルに電気的に接続されるターミナルブロックと、前記ターミナルブロックに取り外し可能に接続される装置本体であって、前記装置本体内に回路基板アセンブリがあり、前記回路基板アセンブリが電源基板を含み、前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続される時、前記ケーブルが前記ターミナルブロックを介して前記電源基板に電気的に接続される装置本体とを含む。
【0006】
本出願は、ネットワークアクセス装置を提供し、ネットワークアクセス装置は、ターミナルブロックと装置本体とを含み、ターミナルブロックは、壁体内に取り付けられ、壁体内のケーブルに電気的に接続されるように構成され、
装置本体内に回路基板アセンブリがあり、回路基板アセンブリは、電源基板を含み、装置本体は、ターミナルブロックに挿着されて、電源基板とケーブルとを導通させる。
【0007】
本出願の実施例のネットワークアクセス装置は、ターミナルブロックと装置本体が設置され、ターミナルブロックが壁体内に取り付けられ、壁体内のケーブルに電気的に接続されるように構成され、且つ装置本体がターミナルブロックに挿着されるため、装置本体は、ターミナルブロックを介して壁体上に取り付けることができ、ターミナルブロックの設置により、ネットワークアクセス装置は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有するとともに、装置本体内の回路基板アセンブリの設置により、装置本体は、ネットワークアクセス装置の機能を有する。
【0008】
その上で、従来の組み込み式無線AP装置に比べて、本出願は、回路基板アセンブリ内の電源基板を設置し、且つ装置本体とターミナルブロックを挿着する時に電源基板とケーブルとを導通させることによって、ケーブルから入力される強電を装置本体の電源基板上に中継して、電源基板による回路基板アセンブリの他の部分への電気エネルギーの供給を満たすことができる。それとともに、装置本体がターミナルブロックに挿着されるため、装置本体に強電故障が発生し、運用保守を必要とする時、ユーザは、ターミナルブロック内から装置本体を引き抜くだけで、装置本体とターミナルブロックの取り外しを完了でき、装置本体をネットワークアクセス装置のメーカーに郵送して修理を依頼すればよい。ユーザは、修理後の装置本体又は新しい装置本体を受け取ると、自分でそれをターミナルブロックに挿着するだけで継続して使用可能になり、専門運用保守員の訪問修理を必要とせず、ネットワークアクセス装置の運用保守難易度を低下させることができる。
【0009】
一可能な実施形態では、前記装置本体上に放熱孔があり、
前記装置本体が取り外し可能に前記ターミナルブロックに取り付けられる際、前記放熱孔は、前記ターミナルブロックの外部に位置する。一可能な実施形態では、ターミナルブロック内に、電源基板に挿着されるターミナルボードがあり、ターミナルボード上に、ターミナルブロックの表面に露出する電気コネクタがあり、
電気コネクタは、電源ケーブルコネクタを含み、電源ケーブルコネクタは、ケーブルにおける電源ケーブルに電気的に接続されるように構成される。電源ケーブルコネクタは、ケーブルにおける電源ケーブルに電気的に接続され、それにより装置本体がターミナルブロックに挿着される時、電源ケーブルから出力される交流強電(例えば220Vの交流電力)を、電源ケーブルコネクタを介して電源基板上に中継することができる。
【0010】
一可能な実施形態では、電源基板上に電源モジュールがあり、電源基板がターミナルボードに挿着される時、電源モジュールは、電源ケーブルコネクタを介して電源ケーブルに導通して、電源ケーブルから入力される交流強電を直流弱電にするように構成されて、メインボード上の電子デバイスの電力消費需要を満たす。
【0011】
一可能な実施形態では、電源モジュールは、電源ケーブルコネクタに導通する正極と負極とを有し、正極と負極との間の距離は、正極と負極との間の規制距離以上であり、それにより電源モジュールに交流強電の入力がある時の規制距離の要件を満たし、電源モジュール及びネットワークアクセス装置の作動信頼性と安全性を向上させる。
【0012】
一可能な実施形態では、電気コネクタは、通信ケーブルコネクタをさらに含み、通信ケーブルコネクタは、ターミナルボックス内の通信ケーブルに電気的に接続されるように構成される。該実施形態では、装置本体がターミナルブロックに挿着される時、通信ケーブルコネクタ及び電源基板を介してメインボードのためにネットワーク入力信号を提供することができ、メインボードがネットワーク入力信号を処理した後にネットワーク信号を出力することができ、電子機器の使用に供するとともに、通信ケーブルコネクタと電源ケーブルコネクタをターミナルブロック上に保持して、装置本体をターミナルブロック上から引き抜きやすくすることができる。
【0013】
一可能な実施形態では、ターミナルブロックの少なくとも一部は、壁体内に嵌設され、電気コネクタは、ターミナルブロックのケーブルに向く側に露出する。該実施形態では、電気コネクタがケーブルに電気的に接続されるとともに、ターミナルブロックの少なくとも一部を壁体内に隠すことができ、それによりネットワークアクセス装置は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有する。
【0014】
一可能な実施形態では、ターミナルブロックの電気コネクタには第1の回避口が設けられ、電気コネクタは、第1の回避口に露出する。該実施形態では、回避口を設置することで電気コネクタとターミナルボックスとの電気的接続を容易にする。
【0015】
一可能な実施形態では、ネットワークアクセス装置は、少なくとも一つのアダプタアセンブリをさらに含み、アダプタアセンブリは、第1のアダプタと第2のアダプタとを含み、
第1のアダプタは、電源基板上に位置し、装置本体の表面に露出し、第2のアダプタは、ターミナルボード上に位置し、ターミナルブロックの表面に露出し、第1のアダプタと第2のアダプタとは、互いに挿着されて、ターミナルボードと電源基板とを導通させる。このように、装置本体とターミナルブロックとの挿着を実現するとともに、ターミナルボックス内の電源ケーブルから入力される交流強電を、ターミナルボード及びアダプタアセンブリを介して電源基板上に中継することができ、それにより装置本体に強電故障が発生する時の運用保守を容易にする。
【0016】
一可能な実施形態では、第2のアダプタ上に挿着部があり、第1のアダプタは、挿着部に対応する位置にソケットを有し、
挿着部の少なくとも一部は、ソケット内に挿着され、ソケットに導通して、第1のアダプタと第2のアダプタとの相互挿着を実現するとともに、ターミナルボードと電源基板とを導通させることができる。
【0017】
一可能な実施形態では、電気コネクタは、少なくとも一つの挿着部に電気的に接続され、アダプタアセンブリにおける挿着部の数は、電気コネクタを電気的に接続する時に必要な挿着部の総数よりも大きい。このように、異なる電気コネクタが対応する挿着部にそれぞれ電気的に接続されることを満たすとともに、余分な挿着部とソケットを保留することができ、それにより電源モジュールの正極と負極との間の距離が、電源モジュールに交流強電の入力がある時の規制距離の要件を満たすことができることを確保する。
【0018】
一可能な実施形態では、前記ターミナルブロックは、第1の磁石を含み、前記装置本体は、第2の磁石を含み、
前記装置本体と前記ターミナルブロックとは、前記第2の磁石と前記第1の磁石との嵌合により取り外し可能に接続される。
【0019】
磁石によって取り外し可能な接続を行うことで、取り付けと取り外しの利便性を向上させることができ、特に操作スペースが小さい場合に対して、性能の向上は明らかである。
【0020】
一可能な実施形態では、装置本体のターミナルブロックに向く側に、突出する取り付け部があり、電源基板の部分は、取り付け部の表面に露出し且つ前記ターミナルブロックに向き、
前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続される時、取り付け部は、ターミナルブロック内に位置し、ターミナルブロックに取り外し可能に接続される。
【0021】
該実施形態では、ターミナルブロック及び壁体上での装置本体の取り付けを実現するとともに、ターミナルブロック上での装置本体の着脱を容易にすることができる。
【0022】
一可能な実施形態では、取り付け部の側壁にカンチレバーが接続され、カンチレバー上に第1の係止部があり、ターミナルブロックは、第1の係止部に対応する位置に第1の係合部を有し、取り付け部がターミナルブロック内に位置する時、第1の係止部は、第1の係合部に弾性的に係止される。該実施形態では、装置本体とターミナルブロックとを取り外し可能に接続するとともに、装置本体の着脱を容易にすることができる。
【0023】
一可能な実施形態では、前記カンチレバーの前記第1の係止部から離れた端は、付勢端であり、前記装置本体が前記ターミナルブロックに接続される時、前記付勢端は、前記ネットワークアクセス装置の外部に露出し、前記付勢端は、前記ネットワークアクセス装置に向く圧力を受ける時に前記第1の係止部と前記第1の係合部との弾性的係止を解除するように構成される。該実施形態では、ユーザは、付勢端を押圧することで、ターミナルブロック内での装置本体の迅速な取り外しを実現することができ、着脱工具を要さず、ユーザによる装置本体の着脱を容易にすることができる。
【0024】
一可能な実施形態では、前記カンチレバーは、屈曲アームであり、前記屈曲アームは、第1の延在部と、第2の延在部と、第3の延在部とを含み、前記第1の延在部は、前記取り付け部の側壁に沿って前記ターミナルブロックから離れる方向に向かって延在し、前記第2の延在部は、前記取り付け部から離れる方向に向かって延在し、前記第3の延在部は、前記装置本体の側面上において前記ターミナルブロックから離れる方向に沿って延在する。
【0025】
一可能な実施形態では、回路基板アセンブリは、メインボードをさらに含み、メインボードは、電源基板に導通し、それにより電源基板は、メインボード上に搭載される電子デバイスに電気エネルギーを提供することができる。
【0026】
第2の態様によれば、本出願は、ネットワークアクセス機器を提供し、ネットワークアクセス機器は、ターミナルボックスと、以上のいずれか1項のネットワークアクセス装置とを含み、ターミナルボックスは、壁体内に取り付けられるように構成され、
ネットワークアクセス装置のターミナルブロックは、ターミナルボックス内に取り付けられ、ターミナルボックス内の電力ケーブルに電気的に接続されるように構成される。
【0027】
装置本体とターミナルブロックとの挿着により、装置本体は、壁体の表面に露出することができ、装置本体の体積を大きくすることができ、それにより回路基板アセンブリの放熱を容易にし、ネットワークアクセス装置の放熱性能及び機器全体の性能を向上させる。
【0028】
なお、本出願のネットワークアクセス機器は、上記ネットワークアクセス装置の有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0029】
一可能な実施形態では、ネットワークアクセス装置のターミナルブロックは、ターミナルボックスに取り外し可能に接続されて、ターミナルブロックの交換を容易にする。
【0030】
一可能な実施形態では、ターミナルブロック上に第2の係止部があり、第2の係止部は、ターミナルボックスの内壁上の第2の係合部に係止されるように構成されて、ターミナルブロックとターミナルボックスとの取り外し可能な接続を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本出願の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下の記述における図面は、本出願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願の実施例によるネットワークアクセス装置のターミナルボックス上での組み立て概略図のその一である。
図2】本出願の実施例によるネットワークアクセス装置のターミナルボックス上での組み立て概略図のその二である。
図3】本出願の実施例によるネットワークアクセス装置の分解図である。
図4】本出願の実施例によるターミナルブロックの構造概略図である。
図5】本出願の実施例による第1のアダプタの構造概略図である。
図6】本出願の実施例による第2のアダプタの構造概略図である。
図7】本出願の実施例によるネットワークアクセス機器の内部概略図である。
図8】本出願の実施例によるネットワークアクセス機器の構造概略図である。
図9】本出願の実施例によるネットワークアクセス装置における装置本体とターミナルブロックの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願の実施例の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、自明なことに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0033】
本出願の実施形態の部分に使用される用語は、出願の具体的な実施例を解釈するためにのみ用いられ、本出願を限定するためのものではない。
【0034】
理解しやすくするために、まず本出願の実施例に係る関連技術用語について解釈し説明する。
【0035】
強電は、主に動力を提供するためのものであり、強電により提供される動力については、家庭内の電気機器に発光、発熱、運動などをさせ得る電力として理解されてもよい。例えば、電球、温水器、モータなど、いずれも強電を必要とする。
【0036】
弱電は、主に信号を提供するためのものであり、弱電により提供される信号については、音声、データ、画面などの情報として理解されてもよい。例えば、家庭内の無線AP装置は、ネットワークを介して信号を伝送でき、家庭内のドアベルは、音声を伝送でき、テレビは、画面を伝送できるなどである。
【0037】
ここで、強電は、独立して運行できるが、弱電は、一般的に独立して運行することができず、強電により動力を提供する必要があり、例えば、電球は、通電すると発光できるが、無線AP装置は、通信ケーブル(例えばランケーブル)だけで正常に作動することができず、通電して使用しなければならない。
【0038】
強電と弱電の区別は、電圧の大きさだけでなく、用途に基づいて判別する必要もある。無線AP装置などのネットワークアクセス装置にとって、電圧が36Vよりも大きいものは、強電と呼ばれてもよく、電圧が12V以下のものは、弱電と呼ばれてもよい。本出願の実施例における強電は、交流強電、例えば220Vの交流電力を含んでもよく、イーサネット給電(英語:Power over Ethernet、PoEと略す)、例えばPoE給電による48Vの直流電力をも含む。
【0039】
説明すべきこととして、メーカーによって、無線AP装置などのネットワークアクセス装置に対する弱電の区分に一定の偏差があってもよく、例えば、電圧が24V以下のものは、弱電と呼ばれてもよい。本出願では、無線AP装置などのネットワークアクセス装置の弱電の区分に対して特に限定しない。
【0040】
ジャンクション温度とは、電子機器におけるチップ(ウェハ、ダイ)の実際の温度を指し、Tjで表されてもよい。一般的に、チップのパッケージングケースの温度よりも高い。チップのパッケージングケースの温度は、Tcで表されてもよい。ジャンクション温度は、チップからデバイスのパッケージングケースまでの放熱に必要とされる時間及び熱抵抗を評価することができ、チップのジャンクション温度は、低ければ低いほど良い。
【0041】
電子機器におけるチップ(ウェハ、ダイ)が運行して熱が発生した後に、電子機器においてチップの位置する環境温度は、Taで表されてもよい。
【0042】
背景技術に記述されているように、組み込み式無線AP装置は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有するため、人々の日常生活及び仕事に広く応用されている。
【0043】
従来の組み込み式無線AP装置に対するユーザの痛点は、主に機器全体の性能と運用保守の点にある。従来の組み込み式無線AP装置は、一体型の構造であり、該組み込み式無線AP装置は、全体的に壁体のターミナルボックス内に嵌設される。壁体の厚さ及びターミナルボックスのサイズによる制限を受けて、従来の組み込み式無線AP装置の体積が小さく、それにより組み込み式無線AP装置が動作する時に、内部の回路基板アセンブリから発生した熱は、排出されにくくなり、従来の組み込み式無線AP装置の放熱性能に深刻な影響を与える。
【0044】
理解すべきこととして、組み込み式無線AP装置にとって、同等なハードウェアを配置した場合に、放熱性能が高いほど、機器全体の性能が高くなる。それに応じて、放熱性能が低い時、回路基板アセンブリの耐えられる最高温度に基づいて温度制御ポリシーを策定し、組み込み式無線AP装置全体に対して速度を制限して使用する。この時、従来の組み込み式無線AP装置の機器全体の性能が影響を受け、機能をより良く発揮することができなくなる。
【0045】
それに加えて、従来の組み込み式無線AP装置に強電故障が発生する(例えば回路基板アセンブリの電源モジュールの損傷により、強電を弱電にする機能に故障が発生する)時に、従来の組み込み式無線AP装置を全体的にターミナルボックス内から撤去する必要がある。従来の組み込み式無線AP装置は、ターミナルボックス内の電源ケーブル及び通信ケーブルといずれも電気的接続を採用しているため、従来の組み込み式無線AP装置を全体的に撤去するというプロセスが複雑で、専門運用保守員の訪問修理が必要とされ、それにより従来の組み込み式無線AP装置の運用保守難易度は高い。
【0046】
従って、関連技術では、従来の組み込み式無線AP装置の運用保守難易度が高いという問題を解決するために、分離型の組み込み式無線AP装置の設置を提案し、分離型の組み込み式無線AP装置分離型の組み込み式無線AP装置のメイン機器と取り付けブラケットとは、分離して設置され、且つ取り付けブラケットは、壁体内に取り付けられる。分離型の組み込み式無線AP装置の電源モジュールは、取り付けブラケット内に位置し、ターミナルボックス内の電源ケーブル(例えば中性線と活線)に電気的に接続され、取り付けブラケットは、Type-Cインターフェースを介してメイン機器に挿着される。
【0047】
しかしながら、以上に言及した分離型の組み込み式無線AP装置は、運用保守の点で依然として一定の欠陥が存在し、以下は、具体的に説明する。
【0048】
分離型の組み込み式無線AP装置にとって、電源モジュールは、取り付けブラケット内に位置し、主に電源ケーブルから入力される交流強電(例えば220Vの交流電力)を直流弱電(例えば12Vの直流電力)に変換し、さらにType-Cインターフェースを介してメイン機器内に伝送するために用いられる。取り付けブラケットに強電故障(例えば電源モジュールの損傷)が発生すると、専門運用保守員の訪問修理が必要とされ、それにより分離型の組み込み式無線AP装置の運用保守難易度は高い。
【0049】
それに加えて、関連技術における分離型の組み込み式無線AP装置の電源モジュールが動作する時に、多くの熱が発生し、それにより取り付けブラケットの発熱量は、多くなる。取り付けブラケットが壁体内に取り付けられるため、取り付けブラケットの熱が放出しにくく、分離型の組み込み式無線AP装置機器全体の放熱性能に影響を与え、組み込み式無線AP装置の機器全体の性能が制限されるようになる。
【0050】
そのため、本出願の実施例は、ネットワークアクセス装置を提供し、ネットワークアクセス装置の構造を改良することによって、ネットワークアクセス装置の運用保守難易度を低下させることができ、専門運用保守員の訪問修理を必要とせず、それによって従来の組み込み式無線AP装置に存在する欠陥を解決するだけでなく、ネットワークアクセス装置の放熱性能を向上させることもできる。
【0051】
ネットワークアクセス装置は、無線ネットワークアクセス装置又は有線ネットワークアクセス装置を含んでもよい。ここで、無線ネットワークアクセス装置は、無線AP装置、又は以上に言及した電子機器にネットワーク信号を提供できる他の無線装置を含んでもよい。
【0052】
以下、無線AP装置を例に、図面を結び付けながら本出願のネットワークアクセス装置の構造についてさらに説明する。
【0053】
図1図2は、異なる角度からの、ネットワークアクセス装置100の壁体上での組み立て概略図を示している。ここで、ネットワークアクセス装置100のターミナルボックス200上での組み立てを観察しやすくするために、図2は、図1におけるターミナルボックス200のA-A方向の断面図を示している。
【0054】
図1図2を参照すると、ネットワークアクセス装置100は、ターミナルブロック1と装置本体2とを含み、ターミナルブロック1は、壁体内に取り付けられ、壁体内のケーブルに電気的に接続されるように構成され、それにより装置本体2の壁体内での取り付けを実現する。壁体内のケーブルは、電源ケーブルと通信ケーブルとを含んでもよい。通信ケーブルは、ランケーブルを含んでもよい。ターミナルブロック1は、締め具、係止又は他の方式によって壁体内に固定されてもよい。締め具は、ネジ、ボルトなどを含んでもよいが、それらに限らない。
【0055】
図1図2は、異なる角度からの、壁体上のターミナルボックス200上でのネットワークアクセス装置100の組み立て概略図を示している。ここで、ネットワークアクセス装置100のターミナルボックス200上での組み立てを観察しやすくするために、図2は、図1におけるターミナルボックス200のA-A方向の断面図を示している。
【0056】
図1図2を参照すると、ターミナルブロック1はさらに、壁体内のターミナルボックス200内に取り付けられ、ターミナルボックス200内のケーブルに電気的に接続されるように構成されてもよく、それにより装置本体2の壁体内での取り付けを実現するとともに、ターミナルブロック1とケーブルとの電気的接続を実現することができる。ターミナルボックス200は、内装工事を行う時、壁体内に予め埋設した隠れ箱として理解されてもよく、ネットワークアクセス装置100のために必要なケーブルを電気的に接続することができる。
【0057】
図3は、ネットワークアクセス装置100の分解図を示している。図3を参照すると、装置本体2は、ネットワークアクセス装置100の、ターミナルブロック1以外の部分として理解されてもよい。装置本体2内に回路基板アセンブリ(図示せず)があり、回路基板アセンブリは、電源基板(図示せず)を含む。装置本体2は、ターミナルブロック1に挿着されて、電源基板とケーブルとを導通させる。ターミナルブロック1は、壁体内に取り付けられ、ケーブルに電気的に接続され、装置本体2がターミナルブロック1に挿着される時、装置本体2は、ターミナルブロック1を介して壁体上に取り付けることができ、それによりネットワークアクセス装置100の壁体上での組み立てを実現する。
【0058】
ターミナルブロック1が壁体(例えばターミナルボックス200)内に取り付けられ、ターミナルブロック1を壁体内に隠すことができるため、ターミナルブロック1とケーブルとの電気的接続を容易にするとともに、ネットワークアクセス装置100全体の外観が簡潔で、室内環境との高い統合性を有することを確保することができる。そのため、ネットワークアクセス装置100は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有する。
【0059】
それとともに、装置本体2内に回路基板アセンブリが設置され、それにより装置本体2は、ネットワークアクセス装置100の機能を有する。装置本体2がターミナルブロック1に挿着されると、アクセス装置100は、携帯電話、タブレットパソコン、スマートウェアラブルデバイス及びコンピュータなどの電子機器に無線ネットワーク信号を提供し、これらの電子機器の正常な使用を確保することができる。スマートウェアラブルデバイスは、スマートウォッチ、仮想現実デバイス(英語:Virtual Reality、VRと略す)を含んでもよりが、それらに限らない。
【0060】
以上に言及した分離型の組み込み式無線AP装置に比べて、本出願の実施例は、回路基板アセンブリ内に電源基板を設置し、且つ装置本体2とターミナルブロック1を挿着する時に電源基板とケーブルとを導通させることによって、ケーブルから入力される強電を装置本体2の電源基板上に中継することができ、それにより電源基板は、回路基板アセンブリの他の部分に電気エネルギーを提供することができる。
【0061】
それとともに、電源基板が装置本体2内に設置されるため、強電故障が発生し、運用保守を必要とする時、ユーザは、ターミナルブロック1内から装置本体2を引き抜くだけで、装置本体2とターミナルブロック1の取り外しを完了でき、装置本体2をネットワークアクセス装置100のメーカーに郵送して修理を依頼する。ユーザは、修理後の装置本体2又は新しい装置本体2を受け取ると、自分で交換することができ、直接にターミナルブロック1に挿着するだけで継続して使用可能になる。
【0062】
以上に言及した組み込み式無線AP装置及び分離型の組み込み式無線AP装置に比べて、本出願のネットワークアクセス装置100は、強電故障が発生する時、専門運用保守員の訪問修理を必要とせず、ネットワークアクセス装置100の運用保守難易度を低下させて、ネットワークアクセス装置100のアフターサービスの利便性を向上させることができ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0063】
そして、以上に言及した分離型の組み込み式無線AP装置に比べて、回路基板アセンブリがネットワークアクセス装置100の主な発熱源であるため、本出願は、回路基板アセンブリが装置自体内に位置するという設置によって、ネットワークアクセス装置100の熱源を装置本体2内に集中させて、ターミナルブロック1が運行する時の過大な熱の発生を回避することができる。そのため、本出願の実施例は、ネットワークアクセス装置100の放熱性能及び機器全体の性能を向上させることができ、それによりネットワークアクセス装置100は、放熱性が高く、機器全体の性能が優れているという特徴を有する。
【0064】
それに加えて、ターミナルブロック1が壁体内に取り付けられるが、装置本体2をターミナルブロック1に挿着する時、装置本体2が壁体の表面に露出できるため、装置本体2の体積は、壁体の厚さ及びターミナルボックス200のサイズの制限を受けない。そのため、装置本体2の体積及び回路基板アセンブリの装置本体2内での利用可能なスペースについては、設計中に実際の必要に応じて増加してもよく、それにより回路基板アセンブリの放熱に役立つ。以上に言及した従来の組み込み式無線AP装置に比べて、本出願の実施例におけるネットワークアクセス装置100は、より優れた放熱性能を有する。
【0065】
装置本体2上に放熱孔21があり、放熱孔21は、ターミナルブロック1の外部に位置し、それにより回路基板アセンブリの熱は、放熱孔21を介して装置本体2の外部へ排出することができ、ネットワークアクセス装置100の放熱性能及び機器全体の性能をさらに向上させる。
【0066】
引き続き図3を参照すると、放熱孔21の数は、複数であってもよく、複数の放熱孔21は、装置本体2の頂部22及び/又は少なくとも一側の側壁において均一に分布してもよく、それにより装置本体2内の空気は、複数の放熱孔21を介して装置本体2外部の空気との対流を実現することができ、ネットワークアクセス装置100の放熱性能及び機器全体の性能をさらに向上させる。
【0067】
説明すべきこととして、いくつかの実施例では、装置本体2の頂部22及び/又は側壁以外に、放熱孔21はさらに、装置本体2の底部23に分布してもよく、それによりネットワークアクセス装置100の放熱性能及び機器全体の性能をさらに向上させる。放熱孔21は、円形孔、細長い孔、方形孔又は他の形状の開孔であってもよく、本出願では、放熱孔21の形状及び設置位置に対して特に限定しない。
【0068】
図4を参照すると、ターミナルブロック1内に、電源基板に挿着されるターミナルボード(図示せず)があり、ターミナルボード上に、ターミナルブロック1の表面に露出する電気コネクタ11がある。ここで、電気コネクタ11は、電源ケーブルコネクタ111を含み、電源ケーブルコネクタ111は、ケーブルにおける電源ケーブルに電気的に接続されるように構成される。装置本体2がターミナルブロック1に挿着される時、電源ケーブルコネクタ111を介して電源基板と電源ケーブルとを導通させることによって、電源ケーブルから出力される交流強電(例えば220Vの交流電力)を、電源ケーブルコネクタ111を介して電源基板上に中継し、それにより電源基板は、回路基板アセンブリにおける電源基板以外の他のデバイスの給電需要を満たすことができる。
【0069】
ここで、回路基板アセンブリは、メインボード(図示せず)をさらに含んでもよく、メインボードは、装置本体2における、ネットワークアクセス装置100のそれぞれの機能を担当し制御するための制御回路基板として理解されてもよい。メインボードに多くの電子デバイスを搭載することができ、電子デバイスは、チップと電子素子とを含んでもよい。例示的に、メインボード上に搭載されるチップは、中央プロセッサ(英語:Central Processing Unit、CPUと略す)、データ伝送の物理層チップ(英語:Physical Layer Chip、PHYと略す)、ダブルデータレート(Double Data Rate、DDRと略す)メモリ、フラッシュメモリ(英語:flash)チップ、イーサネット(英語:Media Access Control、MACと略す)チップなどを含んでもよいが、それらに限らない。電子素子は、コンデンサやレジスタなどを含んでもよいが、それらに限らない。コンデンサは、電解コンデンサ(CDと略す)を含んでもよいが、それに限らない。これらの電子デバイスのメインボード上での機能及び接続については、従来の無線AP装置の関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0070】
説明すべきこととして、メインボードは、一層の回路基板であってもよく、積層した二層又は複数層の回路基板であってもよく、本出願では、メインボードの構造に対して特に限定しない。
【0071】
メインボードを電源基板に導通させることで、電源基板をメインボード上に搭載される電子デバイスに導通させることができ、それによってメインボード上に搭載される電子デバイスに電気エネルギーを提供して、メインボード上の電子デバイスの電力消費需要を満たし、それによって装置本体2にネットワークアクセス装置100の機能を備えさせる。
【0072】
いくつかの実施形態では、メインボードは、フレキシブル回路基板、表面にパッドがあり且つ内部に金属ビアホールがあるフレーム状回路基板、又は他の方式によって電源基板に導通してもよく、本出願では、メインボードと電源基板との導通方式に対して特に限定しない。
【0073】
いくつかの実施形態では、メインボードがフレーム状回路基板を介して電源基板に導通する時、メインボードは、電源基板のターミナルブロック1から離れた面上に積層されて、少なくとも二層を有する回路基板アセンブリを形成してもよく、それにより装置本体2の壁体上での投影面積を節約し、装置本体2の壁体上での取り付けスペースを縮小する。
【0074】
いくつかの実施形態では、装置本体2の壁体上での取り付けスペースに対して特に要件がない場合、メインボードはさらに、電源基板と一つの回路基板に集積されて、回路基板アセンブリを形成してもよい。本出願の実施例では、回路基板アセンブリの構造に対して特に限定しない。
【0075】
以下、メインボードを回路基板上に積層したものを例に、ネットワークアクセス装置100の構造についてさらに説明する。
【0076】
引き続き図3を参照すると、電源基板上に電源モジュール(図示せず)があり、電源基板がターミナルボードに挿着される時、電源モジュールは、電源ケーブルコネクタ111を介して電源ケーブルに導通し、電源ケーブルから入力される交流強電を直流弱電にするように構成されて、メインボード上の電子デバイスの電力消費需要を満たす。ここで、電源ケーブルから入力される交流強電は、220Vの交流電力であってもよい。電源モジュールは、220Vの交流強電を12V又は他の直流弱電に変換して、メインボード上の様々な電子デバイスの電力消費需要を満たすことができる。本出願の実施例では、電源モジュールにより変換される直流弱電の電圧に対して特に限定しない。
【0077】
ここで、電源モジュールは、電源ケーブルコネクタ111に導通する正極と負極とを有し、それにより電源モジュールは、電源ケーブルコネクタ111を介して電源ケーブルの中性線及び活線に電気的に接続することができ、それによって電源ケーブルから入力される交流強電を受け入れる。
【0078】
図4は、ターミナルブロック1の構造概略図を示している。図4を参照すると、電源ケーブルコネクタ111は、二つであってもよく、そのうちの一つは、正極コネクタであり、もう一つは、負極コネクタである。電源モジュールの正極は、正極コネクタを介して電源ケーブルの活線に電気的に接続されてもよく、電源モジュールの負極は、負極コネクタを介して電源ケーブルの中性線に電気的に接続されてもよく、それにより電源モジュールと電源ケーブルとの導通を実現する。
【0079】
いくつかの実施形態では、電源モジュールに交流強電を入力する時、電源モジュールの正極と負極との間の距離は、安全規範距離(規制距離と略す)の要件に合致する。規制距離は、電源モジュールの正極と負極との間の最小安全規範距離として理解されてもよい。いくつかの規範では、電源モジュールに交流強電の入力がある時、電源モジュールの正極と負極との間の規制距離が3.6mmであると規定する。正極と負極との間の距離測定基準は、従来の規制距離に規定される測定基準を参照してもよく、ここでは説明を省略する。本出願の実施形態における電源モジュールの正極と負極との間の距離は、正極と負極との間の規制距離以上であり、それにより電源モジュール及びネットワークアクセス装置100の作動中に信頼性と安全性を有する。例えば、電源モジュールの正極と負極との間の距離は、3.6mm、3.7mm、3.8mmなどであってもよく、本出願では、電源モジュールの正極と負極との間の距離に対して特に限定せず、電源モジュールの正極と負極との間の距離は、正極と負極との間の規制距離以上であればよい。
【0080】
引き続き図4を参照すると、電気コネクタ11は、通信ケーブルコネクタ112をさらに含んでもよく、通信ケーブルコネクタ112は、ケーブルにおける通信ケーブルに電気的に接続されるように構成され、それにより装置本体2がターミナルブロック1に挿着される時、通信ケーブルコネクタ112を介して通信ケーブルのネットワーク入力信号を電源基板に中継し、さらに電源基板を介してメインボードに中継することができ、それによりメインボードは、ネットワーク入力信号を処理した後にネットワーク信号を出力して、電子機器の使用に供することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111は、ターミナルブロック1上に保持される。通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111をターミナルブロック1上に保持することで、装置本体2の、通信ケーブルコネクタ112及び電源ケーブルコネクタ111を介した直接的な電気的接続を回避することができる。装置本体2を取り外す必要がある時、直接的にターミナルブロック1上から引き抜いてもよく、通信ケーブルコネクタ112及び電源ケーブルコネクタ111を操作する必要はない。
【0082】
引き続き図4を参照すると、通信ケーブルコネクタ112は、ターミナルブロック1の頂面に露出してもよく、電源ケーブルコネクタ111は、ターミナルブロック1の側方に露出してもよい。又は、通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111とは、同時にターミナルブロック1の側方又は他の位置に露出してもよい。本出願では、通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111とのターミナルブロック1上での露出位置に対して特に限定しない。
【0083】
また図1を参照すると、ターミナルブロック1の少なくとも一部は、壁体内に嵌設され、電気コネクタ11は、ターミナルブロック1のケーブルに向く側に露出して、電気コネクタ11とケーブルにおける電源ケーブル及び通信ケーブルとを電気的に接続するとともに、ターミナルブロック1の少なくとも一部を壁体(例えば壁体のターミナルボックス200)内に隠すことができ、それによりネットワークアクセス装置100は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有する。
【0084】
図1は、ターミナルブロック1を全体的に壁体内のターミナルボックス200内に嵌設した構造を示している。別のいくつかの実施形態では、ターミナルブロック1はさらに、電気コネクタ11を設けた部分のみがターミナルボックス200内に嵌設されてもよく、この時、ターミナルブロック1の部分は、壁体内に嵌設されてもよい。ターミナルブロック1の電気コネクタ11の部分のみがターミナルボックス200内に嵌設される方式に比べて、ターミナルブロック1が全体的にターミナルボックス200内に嵌設される時、ターミナルブロック1を完全にターミナルボックス200内に隠し、壁体表面外に露出するネットワークアクセス装置100の厚さを減らすことができ、それによりネットワークアクセス装置100は、より軽薄で美観である。
【0085】
以下、ターミナルブロック1を全体的にターミナルボックス200内に嵌設したものを例に、ネットワークアクセス装置100の構造についてさらに説明する。
【0086】
引き続き図4を参照すると、ターミナルブロック1の電気コネクタ11には第1の回避口12が設けられ、電気コネクタ11は、第1の回避口12に露出して、電気コネクタ11とターミナルボックス200との電気的接続を容易にする。
【0087】
通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111がターミナルブロック1において遠く離れている時、ターミナルブロック1の通信ケーブルコネクタ112及び電源ケーブルコネクタ111に対応する箇所に、それぞれ一つの第1の回避口12を設置してもよい。第1の回避口12の形状は、対応する通信ケーブルコネクタ112又は電源ケーブルコネクタ111の形状に適応し(同じであるか又は近似する)、それにより通信ケーブルコネクタ112又は電源ケーブルコネクタ111は、対応する第1の回避口12を介してターミナルブロック1の表面に露出することができる。
【0088】
ターミナルブロック1の正極コネクタ及び負極コネクタに対応する位置に、それぞれ一つの第1の回避口12が設置されて、正極コネクタ及び負極コネクタがいずれもターミナルブロック1の表面に露出することを確保するとともに、ターミナルブロック1上の開口の数を減らすことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111が近い時、通信ケーブルコネクタ112と電源ケーブルコネクタ111のうちの一部は、一つの第1の回避口12を共有してもよい。本出願の実施形態では、第1の回避口12の形状及び設置位置に対して特に限定しない。
【0090】
図5は、二つの第1のアダプタ3の構造概略図を示している。図6は、二つの第2のアダプタ4の構造概略図を示している。図5図6及び図4を合わせて参照すると、ネットワークアクセス装置100は、少なくとも一つのアダプタアセンブリ(図示せず)をさらに含み、アダプタアセンブリは、第1のアダプタ3と第2のアダプタ4とを含む。アダプタアセンブリの数は、一つ又は図5図6に形成される二つ以上であってもよく、本出願の実施形態では、アダプタアセンブリの数に対して特に限定しない。
【0091】
図5図6及び図3を合わせて参照すると、第1のアダプタ3は、電源基板上に位置し、装置本体2の表面に露出する。例示的に、第1のアダプタ3と電源モジュールは、いずれも電源基板の第2のアダプタ4に向く面に位置してもよい。第2のアダプタ4は、ターミナルボード上に位置し、ターミナルブロック1の表面に露出する。第1のアダプタ3と第2のアダプタ4とは、互いに挿着されて、ターミナルボードと電源基板とを導通させ、装置本体2とターミナルブロック1との挿着を実現するとともに、電源基板は、アダプタアセンブリ及びターミナルボードを介してケーブルに導通することができ、それによりケーブルにおける電源ケーブルから入力される交流強電は、ターミナルボード及びアダプタアセンブリを介して電源基板上に中継することができる。アダプタアセンブリによって、装置本体2とターミナルブロック1との接続を実現することができる。
【0092】
引き続き図6図5を合わせて参照すると、第2のアダプタ4上に挿着部41があり、第1のアダプタ3は、挿着部41に対応する位置にソケット31を有する。挿着部41の少なくとも一部は、ソケット31内に挿着され、ソケット31に導通して、第1のアダプタ3と第2のアダプタ4との相互挿着を実現するとともに、挿着部41とソケット31との間での交流電力及びネットワーク入力信号の伝送を実現することができ、それによってターミナルボードと電源基板とを導通させる。挿着部41とソケット31の構造及び導通原理については、従来の挿抜式のアダプタの関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0093】
電気コネクタ11は、少なくとも一つの挿着部41に電気的に接続される。例えば、正極コネクタと負極コネクタは、それぞれ一つの挿着部41に電気的に接続されてもよい。通信ケーブルコネクタ112は、8個の挿着部41に電気的に接続されてもよく、それにより入力信号の伝送を満たす。アダプタアセンブリにおける挿着部41の数は、電気コネクタ11を電気的に接続する時に必要な挿着部41の総数を超えてもよい。例示的に、アダプタアセンブリが同時に正極コネクタ、負極コネクタ及び通信ケーブルコネクタ112に電気的に接続される時、電気コネクタ11を電気的に接続する時に必要な挿着部41は、10個であり、この時、アダプタアセンブリにおける挿着部41の数は、10個を超えてもよい。例えば、アダプタアセンブリにおける挿着部41の数は、図6に示す12個であってもよく、この時、アダプタアセンブリにおいて6個の挿着部41を有する第2のアダプタ4を二つ選択してもよい。又は、アダプタアセンブリには、11個又は10よりも大きい他の数の挿着部41があってもよい。挿着部41の数を余分に設置する時、異なる電気コネクタ11がそれぞれ対応する挿着部41に電気的に接続されることを満たすとともに、余分な挿着部41とソケット31を保留することができ、それによりアダプタアセンブリ上での正極コネクタ及び負極コネクタの対応する電気的接続位置の調整を容易にし、電源モジュールの正極と負極との間の距離が、電源モジュールに交流強電の入力がある時の規制距離の要件を満たすことができることを確保する。
【0094】
Type-Cインターフェースに比べて、本出願の実施例では、第2のアダプタ4における隣接する二つの挿着部41の間の間隔は、比較的大きく、交流強電又は他の強電(例えば48Vの直流電力)に対するアダプタアセンブリの中継要件を満たすことができ、電源ケーブルから入力される交流強電を、アダプタアセンブリを介して電源モジュールに伝送できることを確保する。
【0095】
また図3を参照すると、装置本体2は、第1のアダプタ3に対応する位置に第2の回避口241を有し、第2の回避口241の形状は、第1のアダプタ3の形状に適応する(同じであるか又は近似する)。例示的に、第2の回避口241の形状は、矩形を含んでもよいが、それに限らない。第2の回避口241を設置することにより、第1のアダプタ3は、第2の回避口241を介して装置本体2の表面に露出できるとともに、装置本体2上の開口面積を減らすことができる。
【0096】
ターミナルブロック1は、第2のアダプタ4に対応する位置に第3の回避口13を有し、第3の回避口13のサイズは、第2のアダプタ4のサイズ以上であってもよく、それにより第3の回避口13を介して第2のアダプタ4をターミナルブロック1の表面に露出させるとともに、第2のアダプタ4と第1のアダプタ3との挿着の実現を容易にすることができる。
【0097】
また図3を参照すると、装置本体2のターミナルブロック1に向く側に、突出する取り付け部24があり、電源基板の部分は、取り付け部24の表面に露出して、電源基板とターミナルボードとの挿着を容易にする。取り付け部24は、ターミナルブロック1内に取り外し可能に取り付けられる。ネットワークアクセス装置100が作動状態にある時、取り付け部24は、ターミナルブロック1内に取り付けられ、ネットワークアクセス装置100に故障が発生する時、例えば強電変換故障、通信本体故障又は制御回路などの故障が発生する時、取り付け部24をターミナルブロック1上から取り外してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、第2の回避口241は、取り付け部24の第2のアダプタ4に向く対応位置に設置されてもよく、このように第1のアダプタ3は、第2の回避口241を介して取り付け部24の第2のアダプタ4に向く側に露出することができ、それにより第1のアダプタ3と第2のアダプタ4との挿着を容易にする。
【0099】
いくつかの実施形態では、第3の回避口13の形状は、取り付け部24の外輪郭で囲まれた形状よりも大きく、取り付け部24の外輪郭で囲まれた形状に適応(同じであるか又は近似する)してもよい。例示的に、取り付け部24の外輪郭で囲まれた形状は、矩形を含んでもよいが、それに限らず、この時、第3の回避口13の形状も、矩形であってもよい。第3の回避口13の輪郭を設置することにより、取り付け部24は、第3の回避口13を介してターミナルブロック1内に取り付けることができ、取り付け部24とターミナルブロック1との取り外し可能な接続を実現する。
【0100】
ターミナルブロック1の装置本体2に向く端は、開放端であってもよく、該開放端は、第3の回避口13を形成することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、取り付け部24は、係止、締め具又は他の方式によってターミナルブロック1との取り外し可能な接続を実現することができる。例示的に、締め具は、ネジ、ボルト、又は接続機能を有する他の構造部材を含んでもよいが、それらに限らない。本出願の実施形態では、取り付け部24とターミナルブロック1との取り外し可能な接続に対して特に限定しない。
【0102】
以下、係止を例に、取り付け部24とターミナルブロック1との取り外し可能な接続についてさらに説明する。
【0103】
また図3を参照すると、取り付け部24の側壁にカンチレバー25が接続され、カンチレバー25上に第1の係止部251があり、ターミナルブロック1は、第1の係止部251に対応する位置に第1の係合部15を有する。取り付け部24がターミナルブロック1内に位置する時、第1の係止部251は、第1の係合部15に弾性的に係止される。第1の係止部251と第1の係合部15との弾性的係止によって、装置本体2とターミナルブロック1との接続状態での安定性をさらに向上させる。
【0104】
いくつかの実施形態では、第1の係止部251は、突起であり、第1の係合部15は、突起と係止できる係止溝である。取り付け部24がターミナルブロック1内に取り付けられる時、突起は、係止溝内に係止されて、第1の係止部251と第1の係合部15との係止を実現することができる。カンチレバー25は、取り付け部24に近づくか又は離れる側に向かって弾性的に変形できるため、カンチレバー25が外力の作用を受けて弾性的に変形する時、第1の係止部251と第1の係合部15との弾性的係止を実現することができる。
【0105】
別のいくつかの実施形態では、第1の係止部251は、係止溝であり、第1の係合部15は、突起である。本出願の実施例では、第1の係止部251と第1の係合部15の構造に対して特に限定しない。
【0106】
以下、第1の係止部251が突起で、第1の係合部15が係止溝であることを例に、ネットワークアクセス装置100の構造についてさらに説明する。
【0107】
また図3を参照すると、カンチレバー25のターミナルブロック1から離れた端は、ターミナルブロック1の外面に露出して、付勢端252を形成する。付勢端252は、第1の係止部251と第1の係合部15との弾性的係止を解除するように構成され、それによりユーザは、着脱工具を必要とせずに、付勢端252を押圧することで、ターミナルブロック1内での装置本体2の迅速な取り外しを実現することができる。
【0108】
ユーザは、装置本体2をターミナルブロック1内から引き抜く必要がある時、付勢端252の箇所を押圧してもよく、それによりカンチレバー25は、取り付け部24に向かって弾性的に変形し、弾性的に変形中に、第1の係止部251は、第1の係合部15内から抜け出る。この時、第1の係止部251と第1の係合部15との弾性的係止が解除され、ユーザは、装置本体2をターミナルブロック1内から引き抜くことができる。
【0109】
ユーザは、装置本体2をターミナルブロック1内に取り付ける必要がある時、取り付け部24を第3の回避口13に位置合わせしてもよく、それにより取り付け部24は、第3の回避口13を介してターミナルブロック1内に取り付けることができる。取り付け部24をターミナルブロック1内に取り付ける過程において、ターミナルブロック1の側壁は、カンチレバー25を押し付けることにより、カンチレバー25は、まず取り付け部24の側に向かって弾性的に変形して、第1の係止部251と第1の係合部15との係止を回避し、取り付け部24をターミナルブロック1内に取り付けできることを確保する。取り付け部24がターミナルブロック1内に取り付けられると、カンチレバー25は、反発力の作用により、取り付け部24から離れる側に向かって弾性的に変形し、第1の係止部251が第1の係合部15に係止されるまで、ターミナルブロック1内での装置本体2の取り付けを完了する。
【0110】
いくつかの実施形態では、カンチレバー25の、第1の係止部251が設けられていない端は、装置本体2の側壁に沿ってターミナルブロック1から離れる側に向かって延在することによって、付勢端252を形成してもよい。この時、付勢端252を形成するように、カンチレバー25は、装置本体2の形状に適応する屈曲アームである。装置本体2の形状に適応する屈曲アームを設置することによって、装置本体2とターミナルブロック1を取り付ける過程における干渉を減少させることができ、取り付けをより容易にする。
【0111】
付勢端252は、装置本体2から離れる側に押圧突起253をさらに有し、それによりユーザは、より良く付勢端252を識別し、押圧突起253を押圧することで、第1の係止部251と第1の係合部15との弾性的係止を解除する。
【0112】
また図3を参照すると、カンチレバー25の数は、二つであってもよく、二つのカンチレバー25は、対称に装置本体2の対向する両側の側面に分布する。それに応じて、ターミナルブロック1は、二つのカンチレバー25の第1の係止部251に対応する位置に、二つの第1の係合部15が対称に設置される。対称に設置される1対の第1の係止部251と第1の係合部15によって、装置本体2とターミナルブロック1との接続状態での安定性を向上させることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、取り付け部24の頂部の表面にガイド溝242がさらにあってもよい。ターミナルブロック1の内壁は、ガイド溝242に対応する位置にガイド突起14が設置されてもよく、ガイド突起14の形状は、ガイド溝242の形状に適応する。取り付け部24をターミナルブロック1内に取り付ける過程において、ガイド溝242は、ガイド溝242の方向に沿って取り付けられ、ガイド突起14とガイド溝242との嵌合は、ターミナルブロック1内での取り付け部24の取り付け方向をガイドし、取り付けの利便性を向上させることができる。
【0114】
別のいくつかの実施形態では、ガイド溝242はさらに、ターミナルブロック1の内壁に位置してもよく、ガイド突起14はさらに、取り付け部24の表面に位置してもよく、同様にターミナルブロック1内での取り付け部24の取り付け方向をガイドすることができる。
【0115】
以下、ガイド溝242が取り付け部24に位置し且つガイド突起14がターミナルブロック1に位置するものを例に、ネットワークアクセス装置100の構造についてさらに説明する。
【0116】
図3は、ガイド溝242が取り付け部24の頂面及び底面に位置する構造を示しているが、装置自体の構造を限定するものではない。いくつかの実施例では、ガイド溝242はさらに、取り付け部24の側壁上に位置してもよい。
【0117】
以下、ガイド溝242が取り付け部24の頂面及び底面に位置するものを例に、ネットワークアクセス装置100の構造についてさらに説明する。
【0118】
ガイド溝242の数は、一つ、二つ又は複数(二つ以上)であってもよく、ガイド溝242の数が二つ以上である時、ガイド溝242は、取り付け部24の頂面及び底面に均一に分布してもよい。本出願の実施例では、ガイド溝242の数に対して特に限定しない。
【0119】
ターミナルブロック1は、ターミナルボックス200に取り外し可能に接続されて、ターミナルブロック1の交換を容易にする。ターミナルブロック1は、係止、締め具又は他の方式によってターミナルボックス200との取り外し可能な接続を実現することができる。本出願では、ターミナルブロック1とターミナルボックス200との取り外し可能な接続に対して特に限定しない。
【0120】
以下、係止を例に、ターミナルブロック1とターミナルボックス200との取り外し可能な接続についてさらに説明する。
【0121】
また図3図4を参照すると、ターミナルブロック1上に第2の係止部16があってもよく、第2の係止部16は、ターミナルボックス200の内壁上の第2の係合部(図示せず)に係止されるように構成されて、ターミナルブロック1とターミナルボックス200との取り外し可能な接続を実現する。いくつかの実施形態では、第2の係止部16は、ターミナルブロック1上の突起であり、第2の係合部は、突起の形状に適応する係止溝であってもよい。第2の係止部16が第2の係合部内に取り付けられる時、ターミナルブロック1とターミナルボックス200との係止を実現する。
【0122】
いくつかの実施形態では、第2の係止部16は、弾性的に変形できる突起である。ターミナルブロック1を着脱する過程において、第2の係止部16は、外力の作用を受けて弾性的に変形することができ、ターミナルブロック1の迅速な着脱を実現する。
【0123】
ネットワークアクセス装置100の放熱性能及び機器全体の性能の向上を検証するために、本出願の実施例は、比較例をさらに提供し、ここで、比較例は、以上に言及した従来の組み込み式無線AP装置を採用している。以下、比較例を結び付けて本出願のネットワークアクセス装置100の放熱性能及び機器全体の性能をテストする。
【0124】
まず、40℃@1800m(海抜1800mの地域、環境温度は40℃)のテスト条件下で、比較例の組み込み式無線AP装置とネットワークアクセス装置100における主なチップ(例えばCPU、PHY、DDR、FLASH)及びいくつかの電子素子(例えばCD)の放熱性能に対してシミュレーションテストを行い、結果は表1に示すとおりである。説明すべきこととして、ここの40℃で表される環境温度は、以上に言及したTaとは異なり、比較例の組み込み式無線AP装置とネットワークアクセス装置100が存在する環境温度として理解されてもよい。
【0125】
【表1】
【0126】
説明すべきこととして、CPU-OSCは、CPUのOSCピンを表し、該ピンは、CPUの入力ピン及び出力ピンと見なされてもよい。同様に、PHY-OSCは、PHYのOSCピンを表し、該ピンは、PHYの入力ピン及び出力ピンと見なされてもよい。
【0127】
表1から分かるように、本出願のネットワークアクセス装置100における主なチップ(例えば)及び電子素子のTj、Tc及びTaは、いずれも比較例における従来の組み込み式無線AP装置よりも小さく、それによって従来の組み込み式無線AP装置に比べて本出願のネットワークアクセス装置100の放熱性能が大幅に向上していることが分かる。
【0128】
次に、インターネットスピードテストウェアを採用してそれぞれ2.4Gネットのスピードと5Gネットのスピードで、比較例の組み込み式無線AP装置とネットワークアクセス装置100に対してそれぞれインターネットスピードテストを行って、機器全体の性能を特徴付け、テスト結果は表2に示すとおりである。インターネットスピードテストのテスト方法は、当業者の公知の技術であり、ここでは説明を省略する。
【0129】
【表2】
【0130】
説明すべきこととして、比較例における従来の組み込み式無線AP装置が採用したチップ及び電子素子の配置は、本出願のネットワークアクセス装置100の配置と同じである。ここで、2.4Gインターネットスピードは、2.4Gネットのスピードでのインターネットスピードテストと理解されてもよく、5Gインターネットスピードは、5Gネットのスピードでのインターネットスピードテストと理解されてもよい。
【0131】
表2から分かるように、配置が同じである場合、本出願のネットワークアクセス装置100は、2.4Gインターネットスピードでも5Gインターネットスピードでも、ネットのスピードがいずれも比較例に採用される従来の組み込み式無線AP装置よりも大きい。そのため、本出願のネットワークアクセス装置100は、従来の組み込み式無線AP装置に比べて、機器全体の性能が大幅に向上している。
【0132】
上記を基礎として、本出願の実施例は、ネットワークアクセス機器をさらに提供する。以下、図面と実施例を結び付けてネットワークアクセス機器の構造についてさらに説明する。
【0133】
ここで、図7は、ネットワークアクセス機器の内部概略図を示しており、図8は、ネットワークアクセス機器の構造概略図を示している。ここで、図7のネットワークアクセス機器において示される位置について、図1におけるA-A方向を参照してもよい。
【0134】
図7図8を参照すると、ネットワークアクセス機器は、ターミナルボックス200と、ネットワークアクセス装置100とを含み、ターミナルボックス200は、壁体内に取り付けられるように構成される。ターミナルボックス200は、家屋建築工事又は内装工事をする時に、直接に壁体内に予め埋設され、且つターミナルボックス200内に電源ケーブルと通信ケーブルとがある。ターミナルボックス200の壁体上に露出する側は、開放して設置される。
【0135】
ネットワークアクセス装置100のターミナルブロック1は、ターミナルボックス200内に取り付けられ、ターミナルボックス200内の電力ケーブルに電気的に接続されるように構成され、それによりターミナルボックス200の電力ケーブルを介してネットワークアクセス装置100のために交流強電を提供することができ、ネットワークアクセス装置100の通電を実現し、ターミナルボックス200内の通信ケーブルは、ネットワークアクセス装置100のためにネットワーク入力信号を提供して、ネットワークアクセス装置100の機能を実現し、携帯電話、タブレットパソコン、スマートウェアラブルデバイス及びコンピュータなどにネットワーク信号を提供することができる。
【0136】
説明すべきこととして、ネットワークアクセス機器がネットワークアクセス装置100を含むため、ネットワークアクセス機器は、同様に良好な放熱性能及び優れた機器全体の性能を有する。
【0137】
ネットワークアクセス装置100のターミナルブロック1は、ターミナルボックス200に取り外し可能に接続されて、ターミナルブロック1の交換を容易にする。ターミナルブロック1とターミナルボックス200との取り外し可能な接続については、以上の関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0138】
また図7図8を参照すると、いくつかの実施例では、ターミナルボックス200上に複数のターミナルキャビティがある時、ターミナルブロック1は、そのうちの、電源ケーブルと通信ケーブルを有する一つのターミナルキャビティ(図示せず)に位置してもよく、ターミナルボックス200の内壁に取り外し可能に接続されて、ターミナルブロック1のターミナルボックス200内での取り付けを実現する。この時、ネットワークアクセス機器は、スイッチパネル300をさらに含んでもよく、スイッチパネル300は、ターミナルボックス200の他のターミナルキャビティに対応する位置に取り付けられてもよく、それによりユーザの電力消費需要を満たす。
【0139】
いくつかの実施例では、スイッチパネル300は、ターミナルボックス200のすべてのターミナルキャビティを覆ってもよく、ターミナルブロック1に対応する位置に、ターミナルブロック1の形状に適応する開口(図示せず)がさらに設置されてもよく、それによりターミナルブロック1を、開口を通って対応するターミナルキャビティ内に組み立てることができるとともに、ネットワークアクセス装置100をスイッチパネル300上に統合することができ、それによりネットワークアクセス装置100は、美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有する。
【0140】
図9を参照すると、図9は、本出願の実施例によるネットワークアクセス装置における装置本体とターミナルブロックの分解図である。ターミナルブロック1は、ターミナルブロック正面ケース17と、ターミナルブロック底部ケース18と、第1の磁石19とをさらに含み、ここで、第1の磁石19は、ターミナルブロック正面ケース17とターミナルブロック底部ケース18からなる収容スペース内に取り付けられる。装置本体2は、装置本体正面ケース26と、装置本体底部ケース27と、第2の磁石28とをさらに含み、ここで、第2の磁石28は、装置本体正面ケース26と装置本体底部ケース27からなる収容スペース内に取り付けられる。取り付けを行う時、第1の磁石19のターミナルブロック正面ケース17に近い第1の面の極性は、第1の極であり、第1の磁石19のターミナルブロック底部ケース18に近い第2の面は、第2の極であり、第1の極と第2の極とは、極性が反対である。それに応じて、第2の磁石28の装置本体底部ケース27に近い第3の面の極性は、第2の極であり、第2の磁石28の装置本体正面ケース26に近い第4の面の極性は、第1の極である。例示的に、第1の極は、N極で、第2の極は、S極であり、又は第1の極は、S極で、第2の極は、N極である。第1の磁石19の第1の面と第2の磁石28の第3の面を反対の極性に設置することにより、ターミナルブロック1と装置本体2との接続安定性を向上させることができ、使用中に脱落しにくい。
【0141】
いくつかの実施形態では、図3に示す、係止構造を設置したネットワークアクセス装置100において、ターミナルブロック1と装置本体2に、図9に示すような第1の磁石19と第2の磁石28とをさらに設置してもよい。該実施形態では、第1の磁石19と第2の磁石28を追加することで、接続時の安定性をさらに向上させることができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、ネットワークアクセス装置100に第1の磁石19と第2の磁石28のみが設置されるが、係止構造を設置しない。いくつかの応用シナリオでは、特に電源タップにおいて、異なる差込口間の隙間が小さいため、係止構造を採用場合、側面が隣接機器の干渉を受ける可能性があり、押圧しにくく、取り外しが困難になる。第1の磁石19と第2の磁石28との間の磁気的接続によって、直接に取り付けと取り外しを行うことができ、取り付けと取り外しの利便性を向上させる。
【0143】
本出願の説明において、理解すべきこととして、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で示される方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本出願を容易且つ簡単に説明するためのものに過ぎず、示される装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願に対する制限として理解されるべきではない。
【0144】
本出願の記述において、理解すべきこととして、「含む」と「有する」という本明細書において使用される用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明瞭にリストアップされているそれらのステップ又はユニットに限らず、明瞭にリストアップされていない又はそれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0145】
特に断らない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であるか又は一体になってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介する間接的な接続であってもよく、二つの素子の内部連通であるか又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。なお、「第1の」、「第2の」などの用語は、説明するためのものになど過ぎず、相対的な重要性を明示又は示唆するもの、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解してはならない。
【0146】
最後に説明すべきこととして、以上の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前述した各実施例を参照しながら本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、それは依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正し、又はその一部又は全部の技術的特徴に対して等価置き換えを行うことができるが、これらの修正又は置き換えは、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0147】
100-ネットワークアクセス装置、
1-ターミナルブロック、11-電気コネクタ、111-電源ケーブルコネクタ、112-通信ケーブルコネクタ、12-第1の回避口、13-第3の回避口、14-ガイド突起、15-第1の係合部、16-第2の係止部、17-ターミナルブロック正面ケース、18-ターミナルブロック底部ケース、19-第1の磁石、
2-装置本体、21-放熱孔、22-頂部、23-底部、24-取り付け部、241-第2の回避口、242-ガイド溝、25-カンチレバー、251-第1の係止部、252-付勢端、253-押圧突起、26-装置本体正面ケース、27-装置本体底部ケース、28-第2の磁石、
3-第1のアダプタ、31-ソケット、
4-第2のアダプタ、41-挿着部、
200-ターミナルボックス、
300-スイッチパネル。
【要約】      (修正有)
【課題】美しく取り付けられ、スペースを取らないという利点を有するネットワークアクセス装置及び機器を提供する。
【解決手段】ネットワークアクセス装置100は、ターミナルブロック1と装置本体2とを含み、ターミナルブロック1は、壁体内に取り付けられ、壁体内のケーブルに電気的に接続される。装置本体2内は、回路基板アセンブリを有し、回路基板アセンブリは、電源基板を含み、装置本体2は、ターミナルブロック1に挿着されて、電源基板とケーブルとを導通させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9