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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-21
(45)【発行日】2025-04-30
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/48 20060101AFI20250422BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20250422BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20250422BHJP
【FI】
H01L23/48 P
H01L25/04 C
H01L23/48 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021188330
(22)【出願日】2021-11-19
(65)【公開番号】P2023075428
(43)【公開日】2023-05-31
【審査請求日】2024-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(74)【代理人】
【識別番号】100187908
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 康平
(72)【発明者】
【氏名】谷山 昌喜
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/121899(WO,A1)
【文献】特開2001-102519(JP,A)
【文献】特開2000-138341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/48
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路板と、第1の方向において前記第1回路板と離隔して配置される第2回路板と、を含む回路パターンと、
前記回路パターン上に配置され、前記回路パターンと電気的に接続される半導体チップと、
前記第1回路板と電気的に接続される第1電極板と、
前記第2回路板と電気的に接続される第2電極板と、を備え、
前記第1電極板は、
前記第1回路板と接合される第1部分と、
前記第1の方向における前記第1部分の一方側の第1端部と連なって配置され、前記回路パターンの厚さ方向である第2の方向に延びる第2部分と、
前記第2の方向における前記第2部分の一方側の第2端部と連なり、前記第2の方向において前記第1部分と間隔をあけて配置される第3部分と、を含み、
前記第2電極板は、
前記第2回路板と接合される第4部分と、
前記第1の方向における前記第4部分の一方側の第3端部と連なって配置され、前記第2の方向に延びる第5部分と、
前記第2の方向における前記第5部分の一方側の第4端部と連なり、前記第2の方向において前記第4部分と間隔をあけて配置される第6部分と、を含み、
前記第2部分と前記第5部分とは、前記第1の方向において間隔をあけて配置されており、
前記第3部分と前記第6部分とは前記第2の方向において間隔をあけて平行に配置されており、
前記第3部分は、前記第1の方向において前記第2端部よりも前記第5部分側に突出する突出領域を含む、半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極板は、P型バスバーであり、
前記第2電極板は、N型バスバーである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1部分と前記第1回路板とは、超音波接合されており、
前記第4部分と前記第2回路板とは、超音波接合されている、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1電極板は、板状の部材を折り曲げて形成される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の方向において前記第5部分に対向する前記突出領域の端面は、前記第1電極板の側面に相当する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記突出領域の端面と第5部分との間隔は、1mm以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1部分は、前記第2の方向に見て、前記第1の方向に直交する第3の方向に間隔をあけて対称となるよう一対設けられている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記突出領域と前記第5部分との間隔は、前記第3部分と前記第6部分との間隔の80%以下である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの電極板が平行に配置された半導体モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の半導体モジュールには、正の電極パッドと、正の電極パッドと電気的に接続され、平板部を有する第1の電極板と、負の電極パッドと、負の電極パッドと電気的に接続され、平板部を有する第2の電極板とが設けられている。特許文献1によると、第1の電極板と第2の電極板とは、平行平板に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/035931号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、電極板は、1枚の板状の部材を折り曲げて形成されている。そして、電極板の折り曲げられた一部が、回路基板上の電極パッドに取り付けられている。この時、インダクタンスの低減を図るべく、2枚の平行平板の距離を近づけて取り付けられる。
【0005】
ここで、2枚の電極板を近づけようとすると、電極板の間隔が小さくなりすぎて、電極板同士が接触してショートしてしまうおそれがある。このような半導体装置は、信頼性の向上を図ることができない。特に、板状の部材を折り曲げて電極板を形成する場合、折り曲げの精度が低いため、傾斜した部分が接触するおそれが高い。また、電極板を取り付ける際に、超音波接合を利用する場合がある。そうすると、超音波接合時において振動する方向が、電極板の厚さ方向と垂直になるため、電極板が傾斜して変形しやすい。そうすると、電極板同士が接触してショートするおそれがさらに高くなってしまう。
【0006】
そこで、インダクタンスの低減を図りながら、信頼性の向上を図ることができる半導体装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従った半導体装置は、第1回路板と、第1の方向において第1回路板と離隔して配置される第2回路板と、を含む回路パターンと、回路パターン上に配置され、回路パターンと電気的に接続される半導体チップと、第1回路板と電気的に接続される第1電極板と、第2回路板と電気的に接続される第2電極板と、を備える。第1電極板は、第1回路板と接合される第1部分と、第1の方向における第1部分の一方側の第1端部と連なって配置され、回路パターンの厚さ方向である第2の方向に延びる第2部分と、第2の方向における第2部分の一方側の第2端部と連なり、第2の方向において第1部分と間隔をあけて配置される第3部分と、を含む。第2電極板は、第2回路板と接合される第4部分と、第1の方向における第4部分の一方側の第3端部と連なって配置され、第2の方向に延びる第5部分と、第2の方向における第5部分の一方側の第4端部と連なり、第2の方向において第4部分と間隔をあけて配置される第6部分と、を含む。第2部分と第5部分とは、第1の方向において間隔をあけて配置されている。第3部分と第6部分とは第2の方向において間隔をあけて平行に配置されている。第3部分は、第1の方向において第2端部よりも第5部分側に突出する突出領域を含む。
【発明の効果】
【0008】
上記半導体装置によれば、インダクタンスの低減を図りながら、信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1における半導体装置の概略平面図である。
図2図2は、図1に示す半導体装置において、枠体の図示を省略した場合の概略側面図である。
図3図3は、図1に示す半導体装置において、第2電極板の図示を省略した場合の概略平面図である。
図4図4は、図1に示す半導体装置において、第1電極板、第2電極板および第3電極板の図示を省略した場合の概略平面図である。
図5図5は、図1に示す半導体装置に含まれる第1電極板の一部および第2電極板の一部を拡大して示す概略斜視図である。
図6図6は、第2電極板の概略平面図である。
図7図7は、第2電極板の概略側面図である。
図8図8は、第2電極板の概略側面図である。
図9図9は、折り曲げられる前の第2電極板の概略平面図である。
図10図10は、第1電極板の概略平面図である。
図11図11は、第1電極板の概略側面図である。
図12図12は、第1電極板の概略側面図である。
図13図13は、折り曲げられる前の第1電極板の概略平面図である。
図14図14は、超音波接合前の半導体装置の一部を示す概略側面図である。
図15図15は、超音波接合後の半導体装置の一部を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係る半導体装置は、第1回路板と、第1の方向において第1回路板と離隔して配置される第2回路板と、を含む回路パターンと、回路パターン上に配置され、回路パターンと電気的に接続される半導体チップと、第1回路板と電気的に接続される第1電極板と、第2回路板と電気的に接続される第2電極板と、を備える。第1電極板は、第1回路板と接合される第1部分と、第1の方向における第1部分の一方側の第1端部と連なって配置され、回路パターンの厚さ方向である第2の方向に延びる第2部分と、第2の方向における第2部分の一方側の第2端部と連なり、第2の方向において第1部分と間隔をあけて配置される第3部分と、を含む。第2電極板は、第2回路板と接合される第4部分と、第1の方向における第4部分の一方側の第3端部と連なって配置され、第2の方向に延びる第5部分と、第2の方向における第5部分の一方側の第4端部と連なり、第2の方向において第4部分と間隔をあけて配置される第6部分と、を含む。第2部分と第5部分とは、第1の方向において間隔をあけて配置されている。第3部分と第6部分とは第2の方向において間隔をあけて平行に配置されている。第3部分は、第1の方向において第2端部よりも第5部分側に突出する突出領域を含む。
【0011】
第1電極板および第2電極板を含む半導体装置においては、インダクタンスの低減を図るため、半導体装置内において平行平板を構成するように配置される。ここで、第1電極板および第2電極板については、それぞれ板状の部材を折り曲げて形成される場合がある。この場合、回路パターンに接合される部分と、回路パターンの厚さ方向に立ち上がる部分と、枠体内において回路パターンと平行に配置され、平行平板を構成する部分とが形成される。ここで、インダクタンスの低減の効果をより効率よく得ようとすると、できるだけ平行平板を構成する領域を広く確保すると共に、間隔を小さくする必要がある。ここで、折り曲げられた部分が近接すると、回路パターンへの接合時に第1電極板と第2電極板とが接触し、ショートするおそれがある。特に、超音波接合により接合する場合に、超音波振動させる方向に起因して、ショートするおそれが高くなる。なお、ショートするおそれの低減を図るべく、接合する部分を第1の方向において引き離そうとすると、平行平板を構成する領域が小さくなってしまうため、インダクタンスの低減の効果が小さくなってしまう。
【0012】
本開示の半導体装置によると、第3部分が第2端部よりも第5部分側に突出する突出領域を含むため、平行平板を構成する領域を広く確保して、インダクタンスの低減の効果を大きくすることができる。この場合、第2端部よりも第5部分側に突出する突出領域を含むため、第2端部が第5部分に近接するおそれを低減することができる。したがって、第2端部を含む領域において、第2電極板と接触してショートするおそれを低減することができる。以上より、このような半導体装置によると、インダクタンスの低減を図りながら、信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
上記半導体装置において、第1電極板は、P型バスバーであってもよい。第2電極板は、N型バスバーであってもよい。このような半導体装置は、第1電極板の第3部分を流れる電流の向きと、第2電極板の第6部分を流れる電流の向きを逆向きとして、大きなインダクタンスの低減を得ることができる。
【0014】
上記半導体装置において、第1部分と第1回路板とは、超音波接合されていてもよい。第4部分と第2回路板とは、超音波接合されていてもよい。このようにすることにより、接合材を用いることなく、第1部分と第1回路板および第4部分と第2回路板を接合することができる。この場合、突出領域の厚さ方向は、超音波接合時において振動する方向と垂直であるため、振動する方向には機械的に変形しづらい。このため、第1電極板と、第2電極板とを超音波接合しても、互いに接触してショートするおそれが低くなる。よって、信頼性の向上を図ることができる。
【0015】
上記半導体装置において、第1電極板は、板状の部材を折り曲げて形成されてもよい。このようにすることにより、所定の形状に素材となる板状の部材を打ち抜き、折り曲げて第1電極板を製造することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0016】
上記半導体装置において、第1の方向において第5部分に対向する突出領域の端面は、第1電極板の側面に相当してもよい。このようにすることにより、板状の部材を折り曲げて第1電極板を形成する際に折り曲げ部分に相当する第2端部が第2電極板に近接するおそれを低減することができる。したがって、折り曲げの精度が低かった場合でも、接合時における傾きに起因して接触してショートするおそれを低減することができる。
【0017】
上記半導体装置において、突出領域の端面と第5部分との間隔は、1mm以下であってもよい。このようにすることにより、平行平板を構成する領域を広く確保して、よりインダクタンスの低減を図ることができる。
【0018】
上記半導体装置において、第1部分は、第2の方向に見て、第1の方向に直交する第3の方向に間隔をあけて対称となるよう一対設けられていてもよい。このようにすることにより、第1部分から第2部分を通り第3部分へ効率的に電流を流すことができ、よりインダクタンスの低減を図ることができる。
【0019】
上記半導体装置において、突出領域と第5部分との間隔は、第3部分と第6部分との間隔の80%以下であってもよい。このようにすることにより、平行平板を構成する領域を広く確保して、よりインダクタンスの低減を図ることができる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の半導体装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0021】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1における半導体装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1における半導体装置の概略平面図である。理解を容易にする観点から、図1以下に示す図面において、半導体装置に含まれる封止樹脂の図示を省略している。図2は、図1に示す半導体装置において、後述する枠体の図示を省略した場合の概略側面図である。図3は、図1に示す半導体装置において、後述する第2電極板の図示を省略した場合の概略平面図である。図4は、図1に示す半導体装置において、後述する第1電極板、第2電極板および第3電極板の図示を省略した場合の概略平面図である。図5は、図1に示す半導体装置に含まれる第1電極板の一部および第2電極板の一部を拡大して示す概略斜視図である。
【0022】
図1図2図3図4および図5を参照して、実施の形態1における半導体装置11は、ベース板12と、枠体13と、基板14と、半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dと、ワイヤ23a,23b,23c,23d,24a,24b,24c,24d,25a,25b,25c,25d,26a,26b,26c,26dと、プレスフィットピン27a,27b,27c,27dと、第1電極板31と、第2電極板32と、第3電極板33と、を備える。第1電極板31は、P端子であり、P型バスバーとも呼ばれる。第2電極板32は、N端子であり、N型バスバーとも呼ばれる。第3電極板33は、O端子であり、O型バスバーとも呼ばれる。第1電極板31、第2電極板32および第3電極板33はそれぞれ、導電性を有する部材、例えば銅板から構成されている。半導体装置11の駆動時において、第1電極板31内を流れる電流の向きと第2電極板32内を流れる電流の向きとは、逆になる。
【0023】
ベース板12は、厚さ方向に見て矩形状の板状である。本実施形態においては、ベース板12の長手方向をX方向とし、ベース板12の短手方向をY方向とし、ベース板12の厚さ方向をZ方向とする。また、本実施形態においては、X方向を第1の方向とし、Z方向を第2の方向とし、Y方向を第3の方向とする。ベース板12は、厚さ方向の一方に位置する主面12aと、厚さ方向の他方に位置する主12b面と、を含む。ベース板12の四つの角部領域には、厚さ方向に貫通する四つの貫通孔12c,12d,12e,12fが形成されている。すなわち、貫通孔12c,12d,12e,12fは、ベース板12の一方の主面12aから他方の主面12bに至っている。貫通孔12c,12d,12e,12fは、半導体装置11を所定の箇所に取り付ける際に利用される。
【0024】
枠体13は、ベース板12上に配置される。枠体13は、ベース板12上において、基板14を取り囲むように配置される。枠体13は、Y方向において対向する第1壁部13aおよび第2壁部13bと、X方向において対向する第3壁部13cおよび第4壁部13dと、を含む。ベース板12および枠体13によって取り囲まれた空間19に、図示しない封止樹脂が充填される。封止樹脂の種類としては、たとえばエポキシ樹脂やシリコーンゲル、ウレタン樹脂が選択される。
【0025】
ベース板12の一方の主面12a上に基板14が配置される。基板14は、金属板15と、絶縁板16と、回路パターン17と、を含む。絶縁板16は、金属板15と、回路パターン17とによって挟まれている。基板14は、金属板15と、絶縁板16と、回路パターン17と、を積層した構造を有する。金属板15が、ベース板12の一方の主面12aに接合される。このようにして、基板14は、ベース板12に取り付けられる。
【0026】
回路パターン17は、第1回路板18a、第2回路板18b、第3回路板18c、第4回路板18d、第5回路板18e、第6回路板18fおよび第7回路板18gを含む。第1回路板18a、第4回路板18d、第5回路板18e、第6回路板18fおよび第7回路板18gはそれぞれY方向に延びる帯状である。第4回路板18d、第5回路板18e、第6回路板18fおよび第7回路板18gのX方向の幅はそれぞれ等しい。第1回路板18aのX方向の幅は、第4回路板18dのX方向の幅よりも広い。第3回路板18cは、Y方向に帯状に延びる領域を有する。X方向において、第3壁部13cに近い順から第4回路板18d、第5回路板18e、第1回路板18a、第2回路板18b、第6回路板18f、第7回路板18gが配置される。第2回路板18bは、Y方向に間隔をあけて一対形成されている。一対の第2回路板18bは、Y方向において、第3回路板18cのうちのY方向の幅が狭い領域において隣り合って配置されている。第4回路板18dおよび第7回路板18gはそれぞれ、いわゆる補助ソース配線パターンを構成する。第5回路板18eおよび第6回路板18fはそれぞれ、いわゆるゲート配線パターンを構成する。
【0027】
半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dは、縦型、すなわち、厚さ方向に電流が流れる半導体チップである。半導体チップ21a,21b,21c,21dは、Y方向に間隔をあけて第1回路板18a上に配置される。半導体チップ22a,22b,22c,22dは、Y方向に間隔をあけて第3回路板18cの帯状に延びる領域上に配置される。半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dは、ワイドバンドギャップ半導体チップである。ワイドバンドギャップ半導体チップとは、バンドギャップがシリコンよりも大きい材質から構成される半導体層を動作層として有する半導体チップをいう。ワイドバンドギャップ半導体チップは、たとえば、炭化ケイ素、窒化ガリウムまたは酸化ガリウムから構成される半導体層を動作層として有する。このようなワイドバンドギャップ半導体チップは、絶縁破壊電圧が高く、ドリフト層の抵抗を小さくできることからオン抵抗を小さくすることができる。半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dは、例えば金属-酸化物-半導体電界効果型トランジスタ(MOSFET)である。なお、半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dについては、シリコンから構成される半導体層を動作層として有していてもよい。
【0028】
半導体チップ21a,21b,21c,21dのソースパッドと第4回路板18dとは、ワイヤ23a,23b,23c,23dによりそれぞれ接続されている。半導体チップ21a,21b,21c,21dのゲートパッドと第5回路板18eとは、ワイヤ24a,24b,24c,24dによりそれぞれ接続されている。半導体チップ21a,21b,21c,21dのソースパッドと第3回路板18cとは、ワイヤ25a,25b,25c,25d,26a,26b,26c,26dによりそれぞれ接続されている。半導体チップ22a,22b,22c,22dのソースパッドと第7回路板18gとは、ワイヤ23e,23f,23g,23hによりそれぞれ接続されている。半導体チップ22a,22b,22c,22dのゲートパッドと第6回路板18fとは、ワイヤ24e,24f,24g,24hによりそれぞれ接続されている。半導体チップ22a,22bのソースパッドと一方の第2回路板18bとは、ワイヤ25e,25f,26e,26fにより接続されている。半導体チップ22c,22dのソースパッドと他方の第2回路板18bとは、ワイヤ25g,25h,26g,26hにより接続されている。
【0029】
プレスフィットピン27a,27b,27c,27dはそれぞれ、Z方向に延びるように第4回路板18d、第5回路板18e、第6回路板18fおよび第7回路板18g上に配置される。プレスフィットピン27aのZ方向における一方の端部は、第4回路板18d上において第2壁部13b側の端部に接続されている。プレスフィットピン27bのZ方向における一方の端部は、第5回路板18e上において第2壁部13b側の端部に接続されている。プレスフィットピン27cのZ方向における一方の端部は、第6回路板18f上において第1壁部13a側の端部に接続されている。プレスフィットピン27dのZ方向における一方の端部は、第7回路板18g上において第1壁部13a側の端部に接続されている。プレスフィットピン27a,27b,27c,27dのZ方向における他方の端部はそれぞれ、半導体装置11の外部に突出している。プレスフィットピン27a,27b,27c,27dを通じて、半導体装置11の外部と半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dとの電気的な接続が確保される。
【0030】
次にまず、第3電極板33の構成について説明する。O端子、すなわち、O型バスバーである第3電極板33は、一枚の板状の部材を折り曲げて形成される。第3電極板33は、第7部分47a,47bと、第8部分48と、第9部分49と、を含む。
【0031】
第7部分47a,47bは、回路パターン17と電気的に接続される部分であり、Y方向に間隔をあけて2つ形成されている。第7部分47a,47bはそれぞれ、ベース板12の厚さ方向(Z方向)に見て矩形状に形成されている。第7部分47a,47bはそれぞれ、X-Y平面に平行である。第7部分47a,47bはそれぞれ、Z方向に見て半導体チップ22a,22b,22c,22dを避けた位置において第3回路板18cに接合されている。本実施形態においては、第7部分47a,47bは、超音波接合により第3回路板18cに接合されている。
【0032】
第8部分48は、第7部分47a,47bのそれぞれから連なって、第3回路板18cから立ち上がるように形成されている。第8部分48は、X方向に見て矩形状に形成されている。第8部分48は、Y-Z平面に平行である。
【0033】
第9部分49は、第8部分48から連なって形成される。第9部分49は、X-Y平面に平行である。すなわち、第7部分47a,47bのそれぞれと第9部分49とは、平行である。第9部分49は、第4壁部13dをX方向に貫通するようにして配置される。第9部分49は、第8部分48から連なり、厚さ方向(Z方向)に見て矩形状の第7領域57と、第7領域57からX方向に突出するように形成される第8領域58と、を含む。第8領域58には、厚さ方向に貫通する貫通孔36が形成されている。第3電極板33は、第7領域57および第8領域58の一部が空間19内に位置し、第8領域58の残部および貫通孔36が半導体装置11外に位置するよう配置される。第3部分43の第8領域58および貫通孔36を利用して、第3電極板33における外部との電気的な接続が確保される。
【0034】
次に、第2電極板32の構成について説明する。N端子、すなわち、N型バスバーである第2電極板32は、一枚の板状の部材を折り曲げて形成される。図6は、第2電極板32の概略平面図である。図7および図8は、第2電極板32の概略側面図である。図7は、第2電極板32をY方向に見た場合を示し、図8は、第2電極板32をX方向に見た場合を示す。図9は、折り曲げられる前の第2電極板32の概略平面図である。
【0035】
図6図9を併せて参照して、第2電極板32は、第4部分44a,44bと、第5部分45a,45bと、第6部分46と、を含む。特に図9を参照して、第2電極板32は、破線37a,37b部分を90度に折り曲げ、破線38a,38b部分を90度に折り曲げて、図6図8に示す形状とすることにより形成される。
【0036】
第4部分44a,44bは、回路パターン17と電気的に接続される部分であり、Y方向に間隔をあけて2つ形成されている。具体的には、第4部分44a,44bは、第2の方向(Z方向)に見て、第1の方向(X方向)に直交する第3の方向(Y方向)に間隔をあけて対称となるよう一対設けられている。第4部分44a,44bはそれぞれ、ベース板12の厚さ方向(Z方向)に見て矩形状に形成されている。第4部分44a,44bはそれぞれ、X-Y平面に平行である。第4部分44aは、一方の第2回路板18bと接合されている。第4部分44bは、他方の第2回路板18bと接合されている。本実施形態においては、第4部分44aは、超音波接合により一方の第2回路板18bに接合されている。また、第4部分44bは、超音波接合により他方の第2回路板18bに接合されている。
【0037】
第5部分45a,45bは、Y方向に間隔をあけて2つ形成されている。第5部分45a,45bはそれぞれ、X方向に見て矩形状に形成されている。第5部分45a,45bは、第1の方向(X方向)における第4部分44a,44bの一方側の第3端部63aと連なって配置される。具体的には、第5部分45aは、第4部分44aから連なって、一方の第2回路板18bから立ち上がるように形成されている。第5部分45bは、第4部分44bから連なって、他方の第2回路板18bから立ち上がるように形成されている。第5部分45a,45bはそれぞれ、Y-Z平面に平行である。第5部分45a,45bは、第2の方向に延びる形状である。
【0038】
第6部分46は、第5部分45a,45bのそれぞれから連なって形成される。具体的には、第6部分46は、第2の方向(Z方向)における第5部分45a,45bの一方側の第4端部64aと連なっている。第6部分46は、第2の方向において第4部分44a,44bと間隔をあけて配置される。第6部分46は、X-Y平面に平行である。すなわち、第4部分44a,44bのそれぞれと第6部分46とは、平行である。第6部分46は、第3壁部13cをX方向に貫通するようにして配置される。第6部分46は、第5部分45a,45bから連なる第4領域54と、厚さ方向(Z方向)に見て矩形状の第5領域55と、第5領域55からX方向に突出するように形成される第6領域56と、を含む。第4領域54、第5領域55および第6領域56のそれぞれの境界を図6中の一点鎖線で示す。第6領域56には、厚さ方向に貫通する貫通孔35が形成されている。第2電極板32は、第4領域54、第5領域55および第6領域56の一部が空間19内に位置し、第6領域56の残部および貫通孔35が半導体装置11外に位置するよう配置される。第2電極板32のうちの第6部分46が主に、第1電極板31との平行平板を構成する領域となる。第6部分46の第6領域56および貫通孔35を利用して、第2電極板32における外部との電気的な接続が確保される。
【0039】
次に、第1電極板31の構成について説明する。P端子、すなわち、P型バスバーである第1電極板31は、一枚の板状の部材を折り曲げて形成される。図10は、第1電極板31の概略平面図である。図11および図12は、第1電極板31の概略側面図である。図11は、第1電極板31をY方向に見た場合を示し、図12は、第1電極板31をX方向に見た場合を示す。図13は、折り曲げられる前の第1電極板31の概略平面図である。
【0040】
図10図13を併せて参照して、第1電極板31は、第1部分41a,41bと、第2部分42a,42bと、第3部分43と、を含む。特に図13を参照して、第1電極板31は、破線39a,39b部分を90度に折り曲げ、破線40a,40b部分を90度に折り曲げて、図10図12に示す形状とすることにより形成される。
【0041】
第1部分41a,41bは、回路パターン17と電気的に接続される部分であり、Y方向に間隔をあけて2つ形成されている。具体的には、第1部分41a,41bは、第2の方向(Z方向)に見て、第1の方向(X方向)に直交する第3の方向(Y方向)に間隔をあけて対称となるよう一対設けられている。第1部分41a,41bはそれぞれ、ベース板12の厚さ方向(Z方向)に見て矩形状に形成されている。第1部分41a,41bはそれぞれ、X-Y平面に平行である。第1部分41a,41bはそれぞれ、Z方向に見て半導体チップ21a,21b,21c,21dを避けた位置において第1回路板18aと接合されている。本実施形態においては、第1部分41a,41bは、超音波接合により第1回路板18aに接合されている。これについては、後述する。
【0042】
第2部分42a,42bは、Y方向に間隔をあけて2つ形成されている。第2部分42a,42bはそれぞれ、X方向に見て矩形状に形成されている。第2部分42a,42bは。第1の方向における第1部分41a,41bの一方側の第1端部61aと連なって配置される。具体的には、第2部分42a,42bは、第1部分41a,41bのそれぞれから連なって、第3回路板18cから立ち上がるように形成されている。第2部分42a,42bはそれぞれ、Y-Z平面に平行である。第2部分42a,42bは、回路パターン17の厚さ方向である第2の方向(Z方向)に延びる形状である。
【0043】
第3部分43は、第2部分42a,42bのそれぞれから連なって形成される。具体的には、第3部分43は、第2の方向における第2部分42a,42bの一方側の第2端部62aと連なっている。第3部分43は、第2の方向(Z方向)において第1部分41a,41bと間隔をあけて配置される。第3部分43は、X-Y平面に平行である。すなわち、第1部分41a,41bのそれぞれと第3部分43とは、平行である。第3部分43は、第3壁部13cをX方向に貫通するようにして配置される。第3部分43は、第2部分42a,42bから連なる第1領域51と、厚さ方向(Z方向)に見て矩形状の第2領域52と、第2領域52からX方向に突出するように形成される第3領域53と、を含む。第1領域51、第2領域52および第3領域53のそれぞれの境界を図10中の一点鎖線で示す。第3領域53には、厚さ方向に貫通する貫通孔34が形成されている。第1電極板31は、第1領域51、第2領域52および第3領域53の一部が空間19内に位置し、第3領域53の残部および貫通孔34が半導体装置11外に位置するよう配置される。なお、Z方向において、第3部分43は、第6部分46よりも基板14に近い位置に配置される。すなわち、Z方向において、基板14と第2電極板32の第6部分46との間に、第1電極板31の第3部分43がそれぞれと間隔をあけて配置される。第1電極板31の第3部分43が主に、第2電極板32との平行平板を構成する領域となる。第3部分43の第3領域53および貫通孔34を利用して、第1電極板31における外部との電気的な接続が確保される。また、第3部分43の第3領域53と第6部分46の第6領域56とは、Y方向の位置をずらして配置される。具体的には、第3領域53は、Y方向において、第1壁部13aに近い位置に配置され、第6領域56は、Y方向において、第2壁部13bに近い位置に配置される。
【0044】
ここで、第3部分43に含まれる第1領域51は、第1の方向であるX方向において、第2端部62aよりも第5部分45a,45b側に突出する突出領域である。すなわち、突出領域である第1領域51においても、第6部分46との間において、図2等における破線で囲う空間29で示す領域において、平行平板を構成している。第1の方向において第5部分45a,45bに対向する突出領域である第1領域51の端面65は、第1電極板31の側面に相当する。また、図2中の間隔Dで示す突出領域である第1領域51と第5部分45a,45bとの間隔は、図2中の間隔Dで示す第3部分43と第6部分46との間隔の80%以下である。
【0045】
次に、上記構成の半導体装置11の製造方法の一例について簡単に説明する。まず、ベース板12上に、基板14を接合すると共に、半導体チップ21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22dを回路パターン17に接合する。この時、例えば、はんだを用いたリフローはんだ付けにより接合する。そして、例えばステッチボンディングを利用して各部材をワイヤ23a~23h,24a~24h,25a~25h,26a~26hにより接続する。また、第1電極板31、第2電極板32および第3電極板33は、1枚の板状の部材を所定の形状に打ち抜いた後、折り曲げて形成しておく。そして、インサート成形により枠体13と一体化させる。その後、第1電極板31、第2電極板32および第3電極板33と一体化された枠体13をベース板12上に接着して取り付ける。
【0046】
その後、第1部分41a,41b、第4部分44a,44bおよび第7部分47a,47bを超音波接合により回路パターン17に接合する。図14は、超音波接合前の半導体装置11の一部を示す概略側面図である。図15は、超音波接合後の半導体装置11の一部を示す概略側面図である。なお、図15においては、理解を容易にする観点から第2部分42aおよび第5部分45aを誇張して大きく傾斜させて図示している。
【0047】
図14および図15を参照して、折り曲げの精度が低く、第1部分41aと第2部分42aとのなす角度が90度に至っていない場合、第2部分42aが近付いてしまう。しかし、折り曲げ部分である第2端部62aは、突出領域である第1領域51よりも第5部分45aから遠い位置にあるため、接触してショートするおそれを低減することができる。このようにして、第1電極板31および第2電極板32を超音波接合により接合する。
【0048】
そして、空間19内に封止樹脂を充填する。その後、図示しない蓋を取り付けて半導体装置11を製造する。
【0049】
このような半導体装置11によると、第3部分43が第2端部62aよりも第5部分45a側に突出する突出領域である第1領域51を含むため、平行平板を構成する領域を広く確保して、インダクタンスの低減の効果を大きくすることができる。この場合、第2端部62aよりも第5部分45a側に突出する突出領域である第1領域51を含むため、第2端部62aが第5部分45aに近接するおそれを低減することができる。したがって、第2端部62aを含む領域において、第2電極板32と接触してショートするおそれを低減することができる。以上より、このような半導体装置11によると、インダクタンスの低減を図りながら、信頼性の向上を図ることができる。
【0050】
本実施形態においては、第1電極板31は、P型バスバーであり、第2電極板32は、N型バスバーである。このような半導体装置11は、第1電極板31の第3部分43を流れる電流の向きと、第2電極板32の第6部分46を流れる電流の向きを逆向きとして、大きなインダクタンスの低減を得ることができる。
【0051】
本実施形態においては、第1部分41a,41bと第1回路板18aとは、超音波接合されており、第4部分44a,44bと第2回路板18bとは、超音波接合されている。よって、接合材を用いることなく、第1部分41a,41bと第1回路板18aおよび第4部分44a,44bと第2回路板18bを接合することができる。この場合、突出領域である第1領域51の厚さ方向は、超音波接合時において振動する方向と垂直であるため、振動する方向には機械的に変形しづらい。このため、第1電極板31と、第2電極板32とを超音波接合しても、互いに接触してショートするおそれが低くなる。よって、信頼性の向上を図ることができる。
【0052】
本実施形態においては、第1電極板31は、板状の部材を折り曲げて形成されている。よって、所定の形状に素材となる板状の部材を打ち抜き、折り曲げて第1電極板31を製造することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0053】
本実施形態においては、第1の方向において第5部分45a,45bに対向する突出領域である第1領域51の端面65は、第1電極板31の側面に相当する。このようにすることにより、板状の部材を折り曲げて第1電極板31を形成する際に折り曲げ部分に相当する第2端部62aが第2電極板32に近接するおそれを低減することができる。したがって、折り曲げの精度が低かった場合でも、接合時における傾きに起因して接触してショートするおそれを低減することができる。
【0054】
本実施形態においては、突出領域である第1領域51の端面65と第5部分45a,45bとの間隔は、1mm以下である。よって、平行平板を構成する領域を広く確保して、よりインダクタンスの低減を図ることができる。
【0055】
本実施形態においては、第1部分41a,41bは、第2の方向に見て、第1の方向に直交する第3の方向に間隔をあけて対称となるよう一対設けられている。よって、第1部分から第2部分を通り第3部分へ効率的に電流を流すことができ、よりインダクタンスの低減を図ることができる。
【0056】
本実施形態においては、突出領域である第1領域51と第5部分45a,45bとの間隔は、第3部分43と第6部分46との間隔の80%以下である。よって、平行平板を構成する領域を広く確保して、よりインダクタンスの低減を図ることができる。
【0057】
(他の実施の形態)
なお、上記の実施の形態においては、第1電極板は、1枚の板状の部材を折り曲げて形成することとしたが、これに限らず、第1電極板は、例えば、第1部分に対応する板状部材、第2部分に対応する板状部材および第3部分に対応する板状部材を繋ぎ合わせて形成する等、複数の板状部材を繋ぎ合わせて形成することにしてもよい。第2電極板および第3電極板についても同様である。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、超音波接合により第1電極板が第1回路板に接合されることとしたが、これに限らず、第1電極板は、接合材、例えばはんだや導電性世着剤により第1回路板に接合されていてもよい。第2電極板および第3電極板についても同様である。
【0059】
なお、上記の実施の形態においては、半導体装置は、P型バスバーである第1電極板と、N型バスバーである第2電極板と、O型バスバーである第3電極板とを備える構成としたが、これに限らず、第3電極板を備えず2枚の電極板を備え、これらが平行平板を構成を半導体装置であってもよい。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示の半導体装置は、インダクタンスの低減および信頼性の向上が求められる場合に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0062】
11 半導体装置
12 ベース板
12a,12b 主面
12c,12d,12e,12f,34,35,36 貫通孔
13 枠体
13a 第1壁部
13b 第2壁部
13c 第3壁部
13d 第4壁部
14 基板
15 金属板
16 絶縁板
17 回路パターン
18a 第1回路板
18b 第2回路板
18c 第3回路板
18d 第4回路板
18e 第5回路板
18f 第6回路板
18g 第7回路板
19 空間
21a,21b,21c,21d,22a,22b,22c,22d 半導体チップ
23a,23b,23c,23d,23e,23f,23g,23h,24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24h,25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h,26a,26b,26c,26d,26e,26f,26g,26h ワイヤ
27a,27b,27c,27d プレスフィットピン
31 第1電極板
32 第2電極板
33 第3電極板
37a,37b,38a,38b,39a,39b,40a,40b 破線
41a,41b 第1部分
42a,42b 第2部分
43 第3部分
44a,44b 第4部分
45a,45b 第5部分
46 第6部分
47a,47b 第7部分
48 第8部分
49 第9部分
51 第1領域(突出領域)
52 第2領域
53 第3領域
54 第4領域
55 第5領域
56 第6領域
57 第7領域
58 第8領域
61a 第1端部
62a 第2端部
63a 第3端部
64a 第4端部
65 端面
66
,D 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15