(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-21
(45)【発行日】2025-04-30
(54)【発明の名称】加熱調理器及び加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
H05B 6/12 20060101AFI20250422BHJP
F24C 15/00 20060101ALN20250422BHJP
【FI】
H05B6/12 313
F24C15/00 D
F24C15/00 M
(21)【出願番号】P 2022055199
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2023-11-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】倉本 康司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 匡薫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 理佳
(72)【発明者】
【氏名】若月 芳紀
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046163(JP,A)
【文献】特開2015-158344(JP,A)
【文献】特開2008-057872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C1/00-15/36
H05B6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱部と、
該加熱部の加熱条件の設定を行う操作部と、
外部通信機器との間で通信を行う通信部と、を備える加熱調理器と、
前記加熱部の加熱条件を設定する情報の入出力が可能な前記外部通信機器と、
前記加熱調理器と前記外部通信機器を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部の加熱条件として前記操作部から入力且つ設定可能な第1の数値N1と、該第1の数値N1の次に大きい入力且つ設定可能な第2の数値N2があり、さらに前記第1の数値N1と前記第2の数値N2の間に、前記外部通信機器から入力可能であるが設定できない複数の数値があり、
前記制御部は、前記外部通信機器から入力された前記加熱部の加熱条件の数値が、入力可能であるが設定できない前記複数の数値の内で前記第1の数値N1に近い数値であったときは、前記加熱部の加熱条件の数値を前記第1の数値N1に設定して前記通信部へ送信し、設定した前記第1の数値N1を、前記加熱調理器の表示部に表示するようにし、前記第2の数値N2に近い数値であったときは、前記加熱部の加熱条件の数値を前記第2の数値N2に設定して前記通信部へ送信し、設定した前記第2の数値N2を、前記加熱調理器の表示部に表示する加熱調理システム。
【請求項2】
被加熱物を加熱する加熱部と、
該加熱部の加熱条件の設定を行う操作部と、
前記加熱部の加熱条件を設定する情報の入出力が可能な外部通信機器である外部通信機器との間で通信を行う通信部と、
前記加熱部と前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記外部通信機器から前記通信部が受信した前記加熱部の加熱条件の設定情報により加熱部を制御することが可能であり、
前記加熱部の加熱条件として前記操作部から入力且つ設定可能な第1の数値N1と、該第1の数値N1の次に大きい入力且つ設定可能な第2の数値N2があり、さらに前記第1の数値N1と前記第2の数値N2の間に、前記外部通信機器から入力可能であるが、前記操作部から設定できない複数の数値と、前記操作部からの入力及び設定は可能ではないが、前記外部通信機器からの入力及び設定は可能可能である前記第1の数値N1と前記第2の数値N2の中間値Nmがあり、
前記制御部は、前記外部通信機器から入力された前記加熱部の加熱条件の数値が、前記第1の数値N1と前記中間値Nmまでの間にある音声入力は可能であるが設定できない前記第1の数値N1より大きく前記中間値Nmより小さい、前記第1の数値N1に近い数値であったときは、前記加熱部の加熱条件の数値を前記第1の数値N1に設定し、
前記外部通信機器から入力された前記加熱部の加熱条件の数値が、前記中間値Nmから前記第2の数値N2までの間にある音声入力は可能であるが設定できない前記中間値Nmより大きく前記第2の数値N2より小さい、前記第2の数値N2に近い数値であったときは、前記加熱部の加熱条件の数値を前記第2の数値N2に設定し、
前記外部通信機器から入力された前記加熱部の加熱条件の数値が、前記操作部からの入力及び設定は可能ではないが、前記外部通信機器からの入力及び設定は可能である前記第1の数値N1と前記第2の数値N2の前記中間値Nmであったときは、前記加熱部の加熱条件の数値を前記中間値Nmに設定する加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外部通信機器から加熱条件の設定入力を受付けることができる加熱調理器及び加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、加熱調理を行うための設定条件を、外部通信機器より入力することが可能な加熱調理器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-158344号公報(第4頁、
図15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の加熱調理器のように、あらかじめ用意されている使用できる数値での入力では問題なく入力することは可能であるが、このような加熱調理器では用意されていない数値は入力の対象とならない。
【0005】
そこで、あらかじめ用意されている使用できる数値を正確に入力しなければ設定が完了しないのであるが、設定できる数値は加熱調理器によって異なり、10の次は20となっているような場合、使用者が使用できない数値であると理解しておらず、10から20の間の数値で設定しようとする可能性がある。
【0006】
その場合、使用者が使用できると思っているが、使用できない数値での入力を行って設定が完了しないことから、使用できない数値の入力を繰り返してしまう可能性があり、使用者が使いにくいと感じてしまう虞がある。
【0007】
本開示の加熱調理器及び加熱調理システムは、上述の課題を解決するものであり、使用できない数値で入力が行われた場合、その使用できない数値の前後いずれかの使用可能な数値で設定を行うことにより、使用者が加熱条件の入力に戸惑うことなく、使用者の利便性を損なわない加熱調理器及び加熱調理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る加熱調理システムは、被加熱物を加熱する加熱部と、加熱部の加熱条件の設定を行う操作部と、外部通信機器との間で通信を行う通信部と、を備える加熱調理器と、加熱部の加熱条件を設定する情報の入出力が可能な外部通信機器と、加熱調理器と外部通信機器を制御する制御部と、を備え、加熱部の加熱条件として操作部から入力且つ設定可能な第1の数値N1と、第1の数値N1の次に大きい入力且つ設定可能な第2の数値N2があり、さらに第1の数値N1と第2の数値N2の間に、外部通信機器から入力可能であるが設定できない複数の数値があり、制御部は、外部通信機器から入力された加熱部の加熱条件の数値が、入力可能であるが設定できない複数の数値の内で第1の数値N1に近い数値であったときは、加熱部の加熱条件の数値を第1の数値N1に設定して通信部へ送信し、設定した第1の数値N1を、加熱調理器の表示部に表示するようにし、第2の数値N2に近い数値であったときは、加熱部の加熱条件の数値を第2の数値N2に設定して通信部へ送信し、設定した第2の数値N2を、加熱調理器の表示部に表示するものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、加熱部の加熱条件として入力且つ設定可能な第1の数値N1と、第1の数値N1の次に大きい入力且つ設定可能な第2の数値N2があり、さらに第1の数値N1と第2の数値N2の間に、入力可能であるが設定できない複数の数値があるとき、制御部は、外部通信機器から入力された加熱部の加熱条件の数値が、入力可能であるが設定できない複数の数値の内の何れかであったときは、加熱部の加熱条件の数値を第1の数値N1に設定して通信部へ送信するようにしたので、使用者が設定できない加熱条件を入力しても設定できないとするのではなく、入力された加熱条件に近い設定可能な加熱条件で設定することで、加熱条件で決められている数値を使用者が正しく把握していなくても、加熱条件の入力に戸惑うことなく、使用者の利便性を損なわない使いやすい加熱調理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムを示す模式図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器が収容されたキッチン家具を示す斜視図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器を示す側面図である。
【
図4】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器を示す上面図である。
【
図5】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の中央操作部を示す模式図である。
【
図6】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の左表示部、左火力表示部及び左操作部を示す模式図である。
【
図7】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の右表示部、右火力表示部及び右操作部を示す模式図である。
【
図8】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の加熱調理器制御部を示す機能ブロック図である 。
【
図9】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の中央操作部を示す模式図である。
【
図10】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の中央操作部の操作手順の一例を示す模式図である。
【
図11】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の中央操作部の操作手順の他の一例を示す模式図である。
【
図12】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの設定条件の設定範囲を示す表である。
【
図13】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの加熱メニューに対応する設定条件と設定条件の初期値の一覧である。
【
図14】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムに接続される他の加熱調理器の設定条件の設定範囲を示す表である。
【
図15】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートの前半である。
【
図16】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートの後半である。
【
図17】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器のメニューボタンの操作からスタンバイ状態に移行し、音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図18】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図19】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器のスタンバイボタンを操作してから、音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図20】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器のオーブン調理を手動操作で選択してから、音声入力操作でオーブン調理を設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図21】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図22】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図23】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【
図24】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの他の一例を示す模式図である。
【
図25】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの他の一例を示すタイミングチャートである。
【
図26】本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の他の一例を示すフローチャートである。
【
図27】本開示の実施の形態2に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図28】本開示の実施の形態2に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図29】本開示の実施の形態2に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【
図30】本開示の実施の形態3に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図31】本開示の実施の形態3に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図32】本開示の実施の形態3に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【
図33】本開示の実施の形態4に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図34】本開示の実施の形態4に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図35】本開示の実施の形態4に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【
図36】本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図37】本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図38】本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図39】本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図40】本開示の実施の形態5に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【
図41】本開示の実施の形態6に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能あるいは不可能であるときの一例を示す模式図である。
【
図42】本開示の実施の形態6に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能あるいは不可能であるときの一例を示すタイミングチャートである。
【
図43】本開示の実施の形態6に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能あるいは不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る加熱調理器及び加熱調理システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。なお、加熱調理器は、複数種類の加熱手段を有する複合加熱調理器を含む。
【0012】
実施の形態1.
本実施の形態1において、「第1の加熱手段」HM1とは、後述するトッププレート3上にある被加熱物を加熱するための加熱源である。第1の加熱手段HM1として代表的には誘導加熱コイルがある。誘導加熱コイル(IHコイル)の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線又はアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある。また、誘導加熱コイルとして、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。また、誘導加熱コイルとして、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体で構成する提案もある。これらのいずれの形態も、誘導加熱源9の主要部となる「IHコイル」に相当する。
【0013】
本実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室6の内部に収容した被加熱物を加熱するための加熱源をいう。第2の加熱手段HM2は、高温の蒸気、例えば過加熱蒸気等を供給する蒸気発生器、即ち、ボイラーでも良い。本実施の形態1では、マイクロ波加熱源にはマグネトロンが使用されているが、マイクロ波発振器等、マイクロ波発振原理又は方式に制限はない。また、加熱調理器1は、加熱源を複数個備えても良い。
【0014】
本実施の形態1において「第3の加熱手段」HM3とは、第2の加熱手段HM2との差異を示すために「第3」と称しているが、優劣関係を意味していない。また、本実施の形態1では、輻射式電熱源、例えばシーズヒーター、マイカヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター又はラジアントヒータ等を用いた加熱源を使用しているが、他の形態又は方式で発熱する加熱源を使用してもよい。第3の加熱手段HM3は、1つの加熱室6において加熱調理ができるものをいう。
【0015】
電気ヒーター等から構成した加熱源及びガス燃焼器(バーナー)のように、異なる加熱原理を有する複数の加熱源を併用する形態でも良い。また、加熱室6を加熱する加熱源として、誘導加熱源9を使用しても良い。また、加熱源は、高温の蒸気、例えば過加熱蒸気等を供給する蒸気発生器、即ちボイラーでも良い。更に、第3の加熱手段HM3は、加熱室6の壁面を、外側から加熱する加熱源でもよいし、加熱室6の内部空間に設置し、当該内部空間の雰囲気を高温にする加熱源でも良い。また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を加熱室6に配置し、この発熱部材で加熱室6の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室6内部の空気を加熱したりする形態であっても良い。
【0016】
(システム構成)
図1は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aを示す模式図である。加熱調理システム1aは、加熱調理器1と、加熱調理器1との間で無線通信を行う機能を有するスマートフォン等の外部通信機器200(以降、第1の通信機器200と称する場合もある)と、制御装置100とを備えている。制御装置100はクラウドサーバ300(以降、第2の通信機器300と称する場合もある)からの通信や情報の管理や使用者からの入力された音声をクラウドサーバ300へ通知するためのデータ変換などを行っている。また、外部通信機器200には使用者の音声の入力するための音声入力部211(図示せず)と音声を出力するための音声出力部212(図示せず)を備えている。なお、外部通信機器200は、例えば情報処理端末器であり、スマートフォン以外に、通信機能付きタブレット端末器又はスマートスピーカ等でも良い。
【0017】
外部通信機器200とレシピ情報提供サーバ301とは、インターネット回線等のネットワーク202で接続される。ここで、レシピ情報提供サーバ301には、レシピ提供サイトが含まれる。なお、レシピ提供サイトには、レシピデータベース302が含まれる。また、レシピ情報提供サーバ301と加熱調理器1とは、インターネット回線等のネットワーク203で接続される。なお、外部通信機器200と、クラウドサーバ300との間には、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。同様に、加熱調理器1とクラウドサーバ300との間には、無線ルーター(図示せず)を介在させても良い。レシピ情報提供サーバ301には加熱調理器1の加熱設定データも含まれており、後述する、外部通信機器200から加熱調理器1へ設定可能な加熱条件などが記録されている。設定可能な加熱条件は
図13の加熱メニューと設定条件一覧のようなデータなどである。
【0018】
加熱調理システム1aは、外部通信機器200において使用者が作成したレシピに対応した調理条件データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に送信して、レシピデータベース302に一旦格納させ、加熱調理器1向けに提供することができる。即ち、加熱調理器1が設置された家屋から遠く離れた外出先等の場所に外部通信機器200が存在している場合、外部通信機器200の調理条件データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に保存しておくことができるため、利便性が高い。
【0019】
加熱調理器1は、レシピ情報提供サーバ301との間のネットワーク203を通じて、レシピ情報提供サーバ301に蓄積されている特定のレシピに対応した調理条件データCD4をダウンロードする。
【0020】
使用者は、初期設定として加熱調理器1の機種名等といった識別情報を登録する操作を行う。この登録によって、使用者は、各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等といった加熱調理器1の仕様に対応した調理条件データを、レシピ情報提供サーバ301から取得することができる。クラウドサーバ300には、ネットワーク203を用いた通信の制御や加熱調理器1や外部通信機器200がレシピ情報提供サーバ301にアクセスする際の管理などを行うクラウド制御部303がある。
【0021】
図2は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1が収容されたキッチン家具600を示す斜視図であり、
図3は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1を示す側面図である。
図2及び
図3に示すように、加熱調理器1は、加熱部HMとして、第1の加熱手段HM1と、第2の加熱手段HM2と、第3の加熱手段HM3とを有している。第1の加熱手段HM1は、加熱調理器1の上面を覆うトッププレート3の下方に配置されたものである。第2の加熱手段HM2は、加熱調理器1の内部に形成された加熱室6内部にマイクロ波を供給するものである。第3の加熱手段HM3は、加熱室6の内部又は外部にあって、加熱室6の内部空間の温度を上げて加熱するものである。
【0022】
加熱調理器1は、上部に調理台を備えたキッチン家具600、即ち厨房家具に組み込まれて使用されるビルトイン型である組込み型のIHクッキングヒータである。加熱調理器1は、本体2と、本体2の上に設置されたトッププレート3とを有する。トッププレート3は、キッチン家具600の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。トッププレート3は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とによって構成される。トッププレート3の上面には、左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cとの3つの加熱口4が設けられている。
【0023】
左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cとは、鍋又はフライパン等の金属製調理容器が載置される領域を示すものである。金属製調理容器は、第1の加熱手段HM1に関する「被加熱物」ともいう。左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cとには、それぞれに被加熱物を載置するための目安となる案内マーク(図示せず)が、トッププレート3の上面に印刷で描かれている。
【0024】
トッププレート3の奥側である後方側には、排気口カバー5が設けられている。排気口カバー5は、小さな貫通孔を無数に形成したパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて、全体に亘って通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器1の内部から放出される排気は、排気口カバー5を通過して加熱調理器1の外へ出る。加熱調理器1の本体2の前面には、本体2の内部に配置される加熱室6の前面を開閉するドア7である加熱扉が設けられている。ドア7には、開閉するための取っ手8が設けられている。
【0025】
図3に示すように、左加熱口4Lの下方には、左誘導加熱手段としての誘導加熱コイル(以下、「左IHコイル9L」という)が設けられている。同様に、右加熱口4Rの下方には、右誘導加熱手段としての誘導加熱コイル(以下、「右IHコイル9R」という)が、また、中央加熱口4Cの下方には、中央誘導加熱手段としての誘導加熱コイル(以下、「中央IHコイル9C」という)が、設けられている。左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cは、例えば銅線又はアルミ線等の細い導線を巻回してなる円形の加熱コイルであり、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。これにより、左加熱口4L、右加熱口4R及び中央加熱口4C上に配置された調理容器である被加熱物が誘導加熱される。
【0026】
左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cと、これを駆動するインバーター回路等の高周波電源供給回路である駆動回路(図示せず)とを含めた加熱手段を、誘導加熱源9又は第1の加熱手段HM1と呼ぶ場合がある。以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、第1の加熱手段HM1を使用する。左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cの近傍にはトッププレート3又は被加熱物の温度を検知するために、複数個の温度センサーからなる温度センサー群30(
図8参照)が搭載されている。1つの温度センサー(図示せず)は、温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。
【0027】
本体2の内部であって、左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cの下方には、加熱室6が設けられている。加熱室6は、周囲がステンレス等の金属壁で構成されており、加熱室6内に収容される被調理物である食品及び食材等を加熱するための空間である。被調理物は、耐熱性プラスチック容器の中に入れられて加熱室6に置かれたり、磁器製の皿又は耐熱ガラス製の皿に載せられたりする。この場合、皿又は容器を「被加熱容器」と呼ぶ場合がある。なお、容器は左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cでは誘導加熱されないので、仮にトッププレート3の加熱口4に置かれても、左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cの「被加熱物」とは呼ばない。
【0028】
加熱室6の前面には、被調理物を出し入れするための開口が形成されている。加熱室6の前面にある開口は、ドア7により開閉自在に覆われている。ドア7は、本体2によってヒンジ(図示せず)及びアーム(図示せず)を介して回動自在に支持されている。これにより、ドア7は、下端部を支点、即ち回動中心として前方に水平位置まで開く構成となっている。なお、ドア7は、スライドレール(図示せず)によって、被加熱容器を下方から支持する支持部材(図示せず)と一体的に前方へ引き出されてもよい。支持部材は、例えば棚等の構造物をいう。
【0029】
ドア7には、ドア7の開閉を検知するための開閉検知部10が設けられている。開閉検知部10は、例えばマイクロスイッチ又は赤外線センサーである。加熱室6の後方には、加熱室6内に収容される被調理物を加熱するマイクロ波発振器11が設けられている。マイクロ波発振器11は、例えばマグネトロンから構成されており、加熱室6内にマイクロ波を照射することで、加熱室6の中に置かれた被調理物を加熱するレンジ加熱を行う。マイクロ波発振器11と、これを駆動するインバーター回路等の高周波電源供給回路である駆動回路(図示せず)とを含めた加熱手段は、第2の加熱手段HM2と呼ぶ場合がある。
【0030】
また、加熱室6には、被調理物を上下からヒーター加熱する上側輻射熱加熱手段12a、及び、下側輻射熱加熱手段12bが設けられている。なお、上側輻射熱加熱手段12aは、加熱室6の外側又は内側の天井壁面に配置されており、また、下側輻射熱加熱手段12bは加熱室6の内側又は外側壁面に配置されており、共に、シーズヒーターである。他の種類の輻射熱加熱手段として、例えば、マイカヒーター又はカーボンヒーター等が加熱室6の外側に設置されても良い。
図3では、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bとが、いずれも加熱室6の外側壁面に密着するように設置した例を示している。
【0031】
上側輻射熱加熱手段12aと、下側輻射熱加熱手段12bと、これらを駆動するインバーター回路等の高周波電源供給回路である駆動回路(図示せず)とを含めた加熱手段を、第3の加熱手段HM3と呼ぶ場合がある。なお、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bとを総称して「輻射熱加熱手段」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は12を使用する。
【0032】
また、加熱室6には、加熱室6内の被調理物の温度を非接触で検知するため、非接触式温度センサーである赤外線センサー13が設けられている。赤外線センサー13によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~100℃に設定される。これにより、被調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。赤外線センサー13も、温度センサー群30(
図8参照)の中の1つのセンサーを構成している。
【0033】
加熱室6には、加熱室6内部の雰囲気温度又は加熱室6の壁面温度を検知する室内温度センサーである接触式温度センサー、例えば、サーミスタセンサー14も設けられている。サーミスタセンサー14は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知することができる温度の上限値は、250℃程度である。サーミスタセンサー14も、温度センサー群30(
図8参照)の中の1つのセンサーを構成している。なお、サーミスタセンサー14は、
図3に示すように、加熱室6の底面近傍と天井面近傍との2個所に設置されてもよい。
【0034】
図4は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1を示す上面図である。
図4に示すように、加熱調理器1のトッププレート3の上面の手前側には、左操作部15L、中央操作部15M及び右操作部15Rが設けられている。これらを総称して「操作部」又は「入力操作部」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は15を用いる。左操作部15L、中央操作部15M及び右操作部15Rの奥側である後方側には、左火力表示部17L、中央表示部16M及び右火力表示部17Rと、左表示部16L及び右表示部16Rと、が設けられている。
【0035】
左表示部16L、中央表示部16M及び右表示部16Rの3つを総称して「表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は16を用いる。なお、中央表示部16Mは、横方向に長い液晶表示画面を有している。左火力表示部17Lと右火力表示部17Rとは、発光素子(LED等)によって火力レベルを表示するものであり、表示画面は備えていない。
【0036】
また、右操作部15Rに隣接して、主電源スイッチ20の操作用ボタン20Aが設けられている。主電源スイッチ20は、加熱調理器1の主電源をON又はOFFする。そのON-OFFの際に押下げされるボタンが操作用ボタン20Aである。加熱調理器1の主電源がOFFの状態で、操作用ボタン20Aが例えば数秒間押されることにより、主電源がONとなる。また、加熱調理器1の主電源がONの状態で、操作用ボタン20Aが例えば数秒間押されることにより、主電源がOFFとなる。
【0037】
中央表示部16Mは、加熱調理器1全体の情報及び警報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。中央表示部16Mの表示画面には、誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2又は輻射熱加熱手段(第3の加熱手段)HM3の選択結果が表示される。更に、中央表示部16Mの表示画面には、各加熱手段の動作状態、各加熱手段による加熱調理に対する注意情報、又は警告情報が表示される。中央表示部16Mは、ハードウエア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、左側の第1表示エリア22、左右中央の第2表示エリア23および右側の第3表示エリア24の3つの表示エリアを有し、表示エリア毎に異なる表示を行うこともできる(
図5参照)。
【0038】
また、3つの表示エリア22~24は、表示の場面に応じて適宜連携して1つの広い面積の表示エリアになり、1つの目的の表示を行う場合もある。なお、以下では、第1表示エリア22を第1エリア22、第2表示エリア23を第2エリア23、および第3表示エリア24を第3エリア24と略称する場合がある。中央操作部15Mは、主に加熱室6における加熱調理と中央加熱口4Cによる加熱調理に関する操作を入力するものである。
図5に示すように、中央操作部15Mは、9個の入力ボタン151M、152M、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mを備える。9個の入力ボタン151M~159Mは、静電容量方式のタッチ式ボタンである。また、これら入力ボタン151M~159Mの近傍には、それぞれ個別発光部21Mが設けられている。機能設定に用いられる入力ボタン159Mは、加熱調理器1全体の各種動作及び表示等を、使用者の希望通りに設定できるようにするためのものである。
【0039】
機能設定する入力ボタン159Mが押下されると、後述する加熱調理器制御部40は「機能モード」に切り替わり、中央表示部16Mの表示画面に以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力ボタンの操作無効化設定)。
(2)換気扇連動モード設定。
(3)お掃除ガイド設定(加熱室6及び排気口カバー5の清掃時期自動報知機能設定)。
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)。
(5)音声ガイドの音声設定。
(6)音声ガイドの音量設定。
(7)加熱室6からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声報知部50及び中央表示部16Mでの警報の要否)。
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)。
以上のような設定について、中央操作部15Mを操作することによって各種設定を変更することができる。
【0040】
図5は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の中央操作部15Mを示す模式図である。
図5に示すように、入力操作部15の中央操作部15Mには、個別発光部21Mと入力ボタン群で構成されている。個別発光部21Mは、それぞれの入力ボタンの入力機能が有効である場合に発光し、入力機能が無効になるまでの期間中、発光を継続する。中央操作部15Mにおいて、入力ボタン153Mの左に隣接した位置には、機能設定用の入力ボタン157Mが配置されている。
【0041】
本実施の形態1では、使用者が指先等で押す操作(軽く接触する程度を含む)によって、加熱調理器1の制御を行う入力形態を「タッチ入力モード」TMと呼ぶ。このため、後述する各種入力ボタン151M~159M、151R~155R、151L~155Lは、「タッチ入力モード選択部」TMCと呼ぶ場合がある。なお、静電容量変化を利用したタッチ入力ボタンだけでなく、押しボタン式の機械的スイッチを用いた入力ボタンも、タッチ入力モード選択部TMCの1種である。
【0042】
図6は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の左表示部16L、左火力表示部17L及び左操作部15Lを示す模式図である。
図6に示すように、左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。左表示部16Lは、左加熱口4L上に載置された被加熱物に対するタイマー調理の設定時間、左加熱口4Lでの加熱動作を開始してからの経過時間、又はタイマー設定時間が終了するまでの残時間等を表示する。
【0043】
左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける予熱調理が選択された場合には、自動的に設定された温度であるデフォルト温度、又は現在の温度等を表示する。自動的に設定された温度であるデフォルト温度とは、左加熱口4Lにおいて被加熱物、例えば、金属製鍋を加熱したときにおける被加熱物の底面の目標の温度をいう。デフォルト温度は、使用者によって一定の範囲内で任意に変更することができる。
【0044】
左火力表示部17Lは、横一直線上に配置した複数の発光素子であるLEDから構成され、左加熱口4Lの火力を複数段階に表示するものである。左火力表示部17Lは、複数のLEDの点灯状態、例えば点灯、消灯、又は点滅を切り替えたり、点灯色を切り替えたりすることにより、火力を表現する。これにより、使用者に直感的で分かりやすい火力の報知を行うことができる。
【0045】
左操作部15Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。
図6に示すように、左操作部15Lは、5つの入力ボタン151L、152L、153L、154L及び155Lを備える。入力ボタン151L、152L、153L、154L及び155Lは、例えば使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力することができる静電容量方式のタッチセンサであるタッチ式スイッチである。
【0046】
入力ボタン151L、152L、153L、154L及び155Lに対応して、個別発光部21Lが設けられる。個別発光部21Lは、複数の発光素子であるLEDで構成され、入力ボタン151L、152L、153L、154L及び155Lの操作に応じて発光する。なお、隣接している2つの入力ボタン154Lと155Lとは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの個別発光部21Lを共用している。
【0047】
入力ボタン151Lは、左加熱口4Lにおけるタイマー調理を選択する際に押下げられるボタンである。タイマー調理は、使用者が調理時間を設定し、設定された時間の間だけ加熱動作を行う調理方法である。入力ボタン152Lは、左加熱口4Lで実施する制御メニューを選択する際に押下げられるボタンである。入力ボタン152Lが押される毎に、複数の制御メニューの中から1つを選択することができる。ここでいう「制御メニュー」とは、例えば、湯沸し、煮込み及び揚げ物(自動調理)である。制御メニュー毎に、左加熱口4Lの駆動時間、火力又は駆動パターン等が異なる。
【0048】
左加熱口4Lと右加熱口4Rとを、左操作部15L又は右操作部15Rを操作し、中央操作部15Mを操作しない状態で使用する制御メニューは、全て誘導加熱で行う「単独調理モード」KM1の制御メニューである。「単独調理モード」KM1については後述する。入力ボタン153Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理を開始又は停止するために押下げられるボタンである。即ち、入力ボタン153Lが押されることにより、左加熱口4Lの下方に配置されている左IHコイル9Lが駆動される。左IHコイル9Lが駆動されている状態で、再度入力ボタン153Lが押されると、左IHコイル9Lの駆動が停止され、誘導加熱動作が即時停止される。
【0049】
入力ボタン154L及び155Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるボタンである。左側にある入力ボタン154Lを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。逆に、右側にある入力ボタン155Lを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、左加熱口4Lにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1:150W)~定格最大火力(火力レベル9:3200W)まで、9段階になっている。
【0050】
図7は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の右表示部16R、右火力表示部17R及び右操作部15Rを示す模式図である。
図7に示すように、右表示部16Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。
【0051】
右表示部16Rに表示される右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報は、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報と同じである。右火力表示部17Rは、複数の発光素子であるLEDから構成され、右加熱口4Rの火力を複数段階に表示するものである。右火力表示部17Rは、左火力表示部17Lと同様に複数の発光素子であるLEDの点灯状態、例えば点灯、消灯又は点滅を切り替えたり、点灯色を切り替えたりすることにより、火力を表現する。
【0052】
右操作部15Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。
図7に示すように、右操作部15Rは、5つの入力ボタン151R、152R、153R、154R及び155Rを備える。入力ボタン151R、152R、153R、154R及び155Rは、例えば使用者が指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力することができる静電容量方式のタッチ式ボタンである。入力ボタン151R、152R、153R、154R及び155Rに対応して、個別発光部21Rがそれぞれ設けられる。
【0053】
個別発光部21Rは発光素子であるLEDであり、入力ボタン151R、152R、153R、154R及び155Rの操作に応じて、入力ボタンにそれぞれ対応した個別発光部21Rが、発光する。但し、隣接している2つの入力ボタン154R及び155Rは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの個別発光部21Rを共用している。
【0054】
入力ボタン151Rは、右加熱口4Rにおけるタイマー調理を選択する際に押下げられるボタンである。入力ボタン152Rは、右加熱口4Rで実施する制御メニューを選択する際に押下げられるボタンである。入力ボタン153Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理を開始又は停止するために押下げられるボタンである。入力ボタン154R及び155Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるボタンである。左側の入力ボタン154Rを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。逆に、右側の入力ボタン155Rを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、右加熱口4Rにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1)150W~定格最大火力(火力レベル9)3200Wまで、9段階になっている。
【0055】
図8は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の加熱調理器制御部40を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、加熱調理器1は、加熱調理器1の全体を統合制御する加熱調理器制御部40を備える。
【0056】
加熱調理器制御部40は、加熱調理器1を構成する各部の動作を制御する制御回路等の電子部品が実装された電子回路基板である。加熱調理器制御部40は、左操作部15L、右操作部15Rの操作、及びトッププレート3上の被加熱物の温度に基づき、左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9C(図示せず)の駆動を制御する。
【0057】
加熱調理器制御部40は、中央操作部15Mの操作、トッププレート3上の被加熱物の温度、赤外線センサー13の検出結果、及びサーミスタセンサー14の検出結果に基づいて、以下の駆動を制御する。例えば、中央IHコイル9C、マイクロ波発振器11、上側輻射熱加熱手段12a及び下側輻射熱加熱手段12bの駆動である。
【0058】
また、加熱調理器制御部40は、左操作部15L及び右操作部15Rの操作に基づき、左表示部16L、右表示部16R、左火力表示部17L及び右火力表示部17Rの表示を制御する。更に、加熱調理器制御部40は、開閉検知部10からの開放信号、左操作部15L、右操作部15R及び中央操作部15Mの操作に基づき、中央表示部16Mの表示を制御する。
【0059】
加熱調理器制御部40は、加熱調理器1の制御に用いられる各種プログラム及びパラメータ等のデータと、各表示部16L、16R、16M、17L及び17Rに表示される表示画面のデータとを記憶する記憶装置41を有する。各種プログラム及びパラメータ等のデータを総称して「制御データ」と呼ぶ。表示部16L、16R、16M、17L及び17Rに表示される表示画面のデータを総称して「表示条件データ」と呼ぶ。
【0060】
また、加熱調理器制御部40は、音声報知部50を必要に応じて起動し、使用者に対して加熱調理器1の動作状況を音声で伝える。前述の如く、左操作部15L、右操作部15R及び中央操作部15Mを、操作部15と呼称する場合がある。操作部15は、後述する外部通信機器200からの第1の加熱条件及び第2の加熱条件の入力を受け付けるスタンバイ状態に移行するボタンを有している。
【0061】
スタンバイ状態に移行するボタンとは、本開示の実施の形態1においては、例えば、後述する
図9に示す、メニューを選択するメニューボタンである入力ボタン153M及び154Mがその一例であり、電源がONした後の入力ボタン153M及び154Mの最初の操作でスタンバイ状態に移行するようになっている。
【0062】
加熱調理器制御部40は、加熱制御部43の加熱調理制御に用いられる各種プログラム及びパラメータ等の情報を一定のフォーマットに纏めたデータを、記憶装置41の調理条件データ記憶部42に記憶させている。このデータが、前述した調理条件データCDである。「調理条件データ」と「表示条件データ」とは、通信端末器等の外部通信機器200から、加熱調理器1が個々の調理メニュー毎に取得することができる。
【0063】
調理条件データ記憶部42は、「調理条件データ」と「表示条件データ」とを記憶する。なお、調理条件データ記憶部42は、記憶装置41の中の1つの区画、即ちエリアを構成するものでも良く、ハードウエア上は記憶装置41と別体に構成されても良い。
【0064】
加熱制御部43は、加熱調理器1の全体の加熱動作を統合制御するものであり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。データ取得部53は、通信部51を介して、外部通信機器200又はクラウドサーバ300から、「調理条件データ」を取得する。また、データ取得部53は、通信部51を介して、外部通信機器200又はクラウドサーバ300から、「表示条件データ」を取得する場合もある。通信部51は、外部と無線で通信を行うものであり、
図1に示したように外部通信機器200又はクラウドサーバ300と無線通信を行う機能を有している。
【0065】
電源回路57は、加熱調理器制御部40に対して一定電圧の電力を供給する。主電源スイッチ20は、電源回路57に挿入された主電源のスイッチである。
【0066】
図9は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の中央操作部15Mを示す模式図である。
図9に示すように、メニューボタン153M及び154Mがメニュー選択の下降上昇の機能を有する。また、火力ボタン155M及び156Mが火力選択の下降上昇の機能を有する。更に、時間ボタン157M及び158Mが時間選択の下降上昇の機能を有する。
【0067】
図10は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の中央操作部15Mの操作手順の一例を示す模式図である。
図10(a)に示すように、電源がONされている状態の場合、中央表示部16Mに「電源が入っています」と表示される。そして、
図10(b)に示すように、メニューボタン153Mあるいは154Mを押下すると初期メニュー選択としてスタンバイ状態となり、中央表示部16Mに加熱メニュー及び設定範囲が表示される。
【0068】
メニューボタン153Mあるいは154Mが押下されて「切り身」が選択されると、
図10(c)に示すように、中央表示部16Mに切り身及び切り身に対応する設定範囲が表示される。火力ボタン155Mあるいは156Mが押下されて「やや強め」が選択されると、
図10(d)に示すように、中央表示部16Mに切り身及びやや強めが表示される。その後、スタートボタン151Mが押下されると、調理が開始される。
【0069】
図11は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1の中央操作部15Mの手動での操作手順を示す模式図である。
図11(a)に示すように、初期メニュー選択としてスタンバイ状態となり、中央表示部16Mに加熱メニュー及び設定範囲が表示される。メニューボタン153Mあるいは154Mが押下されて「レンジ手動」が選択されると、
図11(b)に示すように、中央表示部16Mにレンジ手動及びレンジ手動に対応する設定範囲が表示される。
【0070】
火力ボタン155Mあるいは156Mが押下されて「200W」が選択されると、
図11(c)に示すように、中央表示部16Mにレンジ手動及び200Wが表示される。時間ボタン157Mあるいは158Mが押下されて「5分00秒」が選択されると、
図11(d)に示すように、中央表示部16Mにレンジ手動、200W及び5分00秒が表示される。その後、スタートボタン151Mが押下されると、調理が開始される。
【0071】
図12は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aの設定条件の設定範囲を示す表である。
図12に示すように、加熱調理器1のモードの一例として、加熱メニュー、設定条件及び設定範囲が存在する。加熱メニューには、「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「姿焼き」、「切り身」、「グリル」及び「オーブン」が用意されている。「あたため」の設定条件は温度であり、設定範囲は0℃~90℃:5℃刻みである。「レンジ手動」の設定条件は電力及び時間であり、設定範囲は100W:10秒~60分、200W:10秒~60分、500W:10秒~15分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻みである。
【0072】
「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「姿焼き」、「切り身」の設定条件は火加減であり、設定範囲は弱め、やや弱め、標準、やや強め、強めである。「グリル」の設定条件は時間であり、10秒~30分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~120分:5分刻みである。「オーブン」の設定条件は温度及び時間である。温度の設定範囲は、30℃、40℃、80℃~250℃:10℃刻みであり、時間の設定範囲は、10秒~120分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~120分:5分刻みである。
【0073】
加熱メニュー、設定条件及び設定範囲は、上記に限らず、そのほかの加熱メニュー、設定条件及び設定範囲とされてもよい。
【0074】
図13は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aの加熱メニューに対応する設定条件と設定条件の初期値の一覧である。
図13に示すように、加熱メニューの設定条件には、それぞれ初期値が設定されている。なお、初期値は、対象の加熱メニューにおいて前回使用された値でも良い。設定条件の報知の種類としては、「温度を入力下さい」、「電力を入力下さい」、「火加減を入力下さい」、「火力を入力下さい」及び「時間を入力下さい」が挙げられる。
【0075】
図14は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aに接続される他の加熱調理器の設定条件の設定範囲を示す表である。本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムでは設定条件の異なる加熱調理器に対しても入力可能である。
図14はその一例を示している。
【0076】
図14に示すように、他の加熱調理器のモードの一例として、加熱メニュー、設定条件及び設定範囲が存在する。加熱メニューには、「レンジ手動」、「グリル」及び「オーブン」が用意されている。「レンジ手動」の設定条件は電力及び時間であり、設定範囲は200W:10秒~60分、500W:10秒~15分、800W:10秒~15分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻みである。
【0077】
「グリル」の設定条件は時間であり、10秒~30分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~100分:5分刻みである。「オーブン」の設定条件は温度及び時間である。温度の設定範囲は、30℃、40℃、80℃~250℃:10℃刻みであり、時間の設定範囲は、10秒~120分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~100分:5分刻みである。
【0078】
(制御、動作)
次に、クラウド制御部303の機能について詳細に説明する。加熱メニューによっては、複数の設定条件を入力する必要がある場合がある。以下の説明では、加熱メニューを第1の加熱条件とし、設定条件(1)を第2の加熱条件、設定条件(2)を第3の加熱条件とする。
【0079】
クラウド制御部303は、使用者が加熱調理器1の音声入力をスタンバイ状態にするための特定の操作を行った旨の通知を受信すると、外部通信機器200に対して、まず、加熱メニューである第1の加熱条件の入力案内の報知の通知を行う。外部通信機器200から第1の加熱条件の入力情報を受信したのち、第2の加熱条件の入力案内の報知の通知を行う。クラウド制御部303の処理は加熱調理器制御部40又は制御装置100で行ってもよい。
【0080】
なお、加熱調理器1の第1の加熱条件は、加熱の種類を表す加熱メニューであり、前述のように「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「姿焼き」、「切り身」、「グリル」及び「オーブン」である。また、第2の加熱条件及び第3の加熱条件は、それぞれ火力、電力、温度、時間及び火加減のうちいずれか1つである。
【0081】
図15は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートの前半、
図16は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートの後半である。
図17は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択したときの一例を示す模式図、
図18は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択したときの一例を示すタイミングチャートである。
【0082】
先ず、加熱調理器1の操作用ボタン20A(
図4、
図7参照)が操作されたか否かで、
図15に示すように、主電源スイッチ20がONしたか否かが判断される(ステップS1)。操作用ボタン20Aが操作され主電源スイッチ20が入って電源がONした、と判断されると加熱調理器1の操作待機状態となる(ステップS2)。このとき電源がONしていることは、
図10(a)に示すように加熱調理器1の中央表示部16Mに文字で表示される。
【0083】
操作待機状態(ステップS2)となってから、ステップS3で、
図17(a)に示す、メニューボタン153Mあるいは154Mが操作されたか否かにより、スタンバイ状態となったか否かの判断を行う。ステップS3でスタンバイ状態になったと判断されると、外部通信機器200からの音声入力が受付可能な状態となる(ステップS4)。
【0084】
このときの動作を
図17と
図18(タイミングチャート)で説明すると、使用者の手動操作によりメニューボタン153Mあるいは154Mが押下、操作(
図18の(A1))されると加熱調理器1のグリル部に加熱メニュー、この例では「オーブン」が表示されているが、これに限らず何かしらの加熱メニューが表示されてスタンバイ状態となる。なお、ここで言う操作には、使用者が手動で行う操作と、使用者による音声入力操作が含まれる。
【0085】
スタンバイ状態にするためにメニューボタン153Mあるいは154Mを操作するので、メニューボタン153Mあるいは154Mが操作された時点で、第1の加熱条件である加熱メニューの、予め設定された既定の加熱メニューが第1表示エリア22に表示され、第2、第3の加熱条件が第2表示エリア23、第3表示エリア24にそれぞれ表示される。
【0086】
なお、ここでは、メニューボタン153Mあるいは154Mが操作されるか否かにより、スタンバイ状態となる例を示し説明しているが、
図19(a)に示すように、メニューボタン153Mあるいは154Mの他にスタンバイボタン160を設け、スタンバイボタン160を操作することによりスタンバイ状態になるようにしてもよい。この場合、予め設定された既定の加熱メニュー、加熱条件を表示しても表示しなくても何れでもよく、適宜選択可能である。
【0087】
スタンバイ状態となった加熱調理器1は、スタンバイ状態となったことを情報として通信部51(
図8参照)から第2の通信機器(クラウドサーバ)300に送信(
図18の(A2))する。第2の通信機器(クラウドサーバ)300は受信した情報についてクラウド制御部303で判断し、レシピ情報提供サーバ301から第1の通信機器(外部通信機器)200に、加熱メニューの入力を促す報知を行うための情報を送信(
図18の(A3))する。ここで言う加熱メニューの入力を促す報知を行うための情報は、報知する音声データそのものでもよいし、報知する音声に変換できる信号でもよい。
【0088】
加熱メニューの入力を促す報知を行うための情報を受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、この事例では制御装置100を内蔵する音声の入出力が可能なスマートスピーカであり、制御装置100が第1の通信機器(外部通信機器)200から使用者に対し「加熱メニューを選択して、加熱条件を設定してください。」、あるいは「加熱メニューは何にしますか?加熱条件はどうしますか?」などの入力を促す音声による報知(
図18の(A4))を行うように制御する(
図15のステップS5)。なお、この事例では第1の通信機器(外部通信機器)200は音声の入出力が可能なスマートスピーカとしているが、これに限定されるものではなく、音声の入出力が可能な例えばスマートフォンのような携帯端末でもよい。
【0089】
音声による報知に促され、使用者は第1の通信機器(外部通信機器)200に第1の加熱条件である加熱メニュー(この例では「オーブン」を加熱メニューとして設定している。)である「オーブン」を音声で入力する。なお、この一例では第1の加熱条件である加熱メニューも音声で入力する例で説明しているが、音声による操作入力を受付できる状態のときも加熱調理器1の入力操作部15からの手動操作も受付できるので、音声による操作入力、手動操作による入力を併用することができるので、
図20(b)に示すように、メニューボタン153Mあるいは154Mを手動で操作して第1の加熱条件である加熱メニューを選択、設定してもよい。
【0090】
第1の加熱条件である加熱メニューに続けて第2の加熱条件(この例では「温度」である。)である「90℃」、第3の加熱条件(この例では「時間」である。)である「15分」を音声で入力(
図18の(A5))する。
【0091】
第1の通信機器(外部通信機器)200に入力された第1から第3の加熱条件、「オーブン」、「90℃」、「15分」は、音声情報のまま、あるいは信号に変換されて第2の通信機器(クラウドサーバ)300に送信(
図18の(A6))される。
【0092】
第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、クラウド制御部303で受信(
図15のステップS6)した音声情報、あるいは信号を分析し、まず、第1の加熱条件が設定可能な調理メニューであるか判断する(
図15のステップS7)。設定できない調理メニューであったときは、受信した設定条件をクリア(
図15のステップS8)し、受付できない旨を第1の通信機器(外部通信機器)200に報知(
図15のステップS9)させてステップS5に戻る。ここでの設定できるか否かの判断は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で行うことにしているが、これに限定されるものではなく、第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100で行ってもよい。
【0093】
ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図16のステップS10)。ここで言う補正とは、音声入力された加熱条件が設定できない加熱条件であったとき、設定できる加熱条件に変更することである。どのように補正するかについては後段で説明する。
【0094】
音声入力された加熱条件が、補正が不要、つまり設定可能な加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱調理器1の通信部51(
図8参照)に、加熱調理器1で設定可能な加熱条件の情報を送信(
図18の(A8))する。加熱調理器1は通信部51で受信した設定可能な加熱条件の情報をデータ取得部53で取得し、加熱制御部43が行う加熱調理制御の加熱条件として設定する(
図16のステップS11)。
【0095】
なお、この事例では第1の通信機器(外部通信機器)200に音声入力された加熱条件が、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第2の通信機器(クラウドサーバ)300で行い、加熱調理器1で設定可能な条件を加熱調理器1に送信するようにしているが、これに限定されるものではなく、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100でおこなってもよいし、加熱調理器1の加熱調理器制御部40で行ってもよい。
【0096】
加熱調理器1の加熱調理器制御部40が、通信部51(
図8参照)で受信し、データ取得部53で取得した設定可能な条件を設定すると、
図17(c)に示すように加熱調理器1の中央表示部16Mに設定された加熱条件を表示、詳しくは第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間がそれぞれ表示される。
【0097】
設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図18の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図18の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図18の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0098】
ここでの音声報知の例としては「加熱の設定が完了しました、スタートボタンを操作してください。」、「オーブン、温度90℃、調理時間15分で加熱の設定が完了しました、間違いがなければスタートボタンを操作してください。」のように、次の操作を促す内容を含むようにして使用者に使いやすくすることができる。使用者がスタートボタン151Mを操作する(
図16のステップS14)と、「調理メニュー オーブン」、「温度90℃」、「調理時間15分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0099】
このように、使用者が音声で入力した加熱条件が設定可能である加熱条件であれば、そのまま設定して加熱を行うことができ、使用者の利便性を損なうことのない加熱調理器及びシステムとすることができる。
【0100】
次に、ステップS10で、第2の通信機器(クラウドサーバ)300はラウド制御部303で受信した加熱条件が補正の必要な設定できない加熱条件であると判断したとき、ステップS12へ進み、設定できない加熱条件を設定できる加熱条件に補正するが、その動作について
図21から
図23により説明する。
図21は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図、
図22は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図23は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0101】
図23に示すように、ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図23のステップS10)。
【0102】
音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図22の(A7)、
図23のステップS12)。
【0103】
本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくN2より小さい数値n1からnnが音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な小さい方の数値N1に補正するように決められている。なお、この条件は、
図12、
図14に示すような設定範囲の異なる加熱調理器が加熱調理システムに接続されても反映されるものである。
【0104】
第2の加熱条件である温度について、設定可能な温度N1を例えば80℃とすると、その次に大きい設定可能な温度N2は90℃となる。設定可能な温度80℃(N1)と90℃(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない温度n1からn9がある。n1からn9は、例えばn1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃のN1より大きくN2より小さい数値である。
【0105】
よって、n1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃の何れかの温度が音声入力されたときは設定可能な温度80℃(N1)に補正される。例えば、この事例では
図21(b)、
図22の(A5)に示すように、第2の加熱条件である温度86℃と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である温度90℃に補正される。
【0106】
同様に、第3の加熱条件である時間について、設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい設定可能な時間N2は15分となる。設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない時間n1からn5がある。n1からn5は、例えばn1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒のN1より大きくN2より小さい数値である。
【0107】
よって、n1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒の何れかの時間が音声入力されたときは設定可能な時間14分(N1)に補正される。例えば、この事例では
図27(b)、
図28の(A5)に示すように、第3の加熱条件である時間14分40秒と音声入力されたので、設定可能な第3の加熱条件である時間14分に補正される。
【0108】
補正された第2の加熱条件である温度80℃と、第3の加熱条件である時間14分は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図22の(A8))され、
図21(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の補正された「80℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の補正された「14分」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0109】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図22の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図22の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図22の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0110】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度80℃、調理時間14分で加熱の設定が完了しました、温度、調理時間は設定できない内容でしたので、設定できる内容に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が入力した加熱条件では設定できなかったので補正をしたことを使用者に報知することで、使用者が理解しやすくなる。また、この補正した内容でよければ次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0111】
設定が完了した後、
図21(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図22の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度80℃」、「調理時間14分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0112】
ここまでは音声入力された第2の加熱条件と第3の加熱条件が、何れも補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合の事例について説明したが、第2の加熱条件と第3の加熱条件の一方が設定できない加熱条件であったときも、設定できない加熱条件は設定できる加熱条件に補正して設定するようになる。その場合の一例の動作を
図24から
図26により説明する。
図24は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの他の一例を示す模式図、
図25は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの他の一例を示すタイミングチャート、
図26は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の他の一例を示すフローチャートである。
【0113】
図26に示すようにステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図26のステップS10)。
【0114】
音声入力された第2の加熱条件、第3の加熱条件の内、何れかの加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図25の(A7)、
図26のステップS12)。
【0115】
第2の加熱条件である温度について、音声入力された温度が
図25の(A5)、
図24(b)に示すように80℃であれば、設定可能な数値であるので補正せず、そのまま80℃で設定される。
【0116】
前述のように本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できない数値n1からnnが音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な小さい方の数値N1に補正するように決められている。
【0117】
第3の加熱条件である時間について、設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい設定可能な時間N2は15分となる。設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない時間n1からn5がある。n1からn5は、例えばn1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒のN1より大きくN2より小さい数値である。
【0118】
よって、n1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒の何れかの時間が音声入力されたときは設定可能な時間14分(N1)に補正される。ここでは、
図25の(A5)、
図24(b)に示すように音声入力された時間は、設定できないn4=14分40秒であったので設定可能な時間14分(N1)に補正される。
【0119】
補正されない第2の加熱条件である温度80℃と、補正された第3の加熱条件である時間14分は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図25の(A8))され、
図24(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の補正されない「80℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の補正された「14分」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0120】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図25の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図25の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図25の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0121】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度80℃、調理時間14分で加熱の設定が完了しました、調理時間は設定できない時間でしたので、設定できる時間に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が入力した加熱条件では設定できなかったので補正をしたことを使用者に報知することで、使用者が理解しやすくなる。また、この補正した内容でよければ次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0122】
設定が完了した後、
図24(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図25の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度80℃」、「調理時間14分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0123】
以上のように、本開示の実施の形態1の加熱調理システム及び加熱調理器においては、使用者が設定できない加熱条件を音声で入力したとしても、入力の受付をしないということはせず、設定可能な加熱条件に補正して設定するようにしたので、使用者が不便に感じることがなく使いやすい加熱調理システム及び加熱調理器を提供できる。
【0124】
また、加熱条件において設定可能な数値N1と、その次に大きい設定可能な数値N2があり、その間のN1より大きくN2より小さい数値の内の何れかの数値が音声入力されたときに、設定可能な数値の内の小さい方の数値のN1に補正することで、使用者の意図よりも過剰に加熱されることがなく料理が不出来となることを抑制できる。さらに、使用者の意図よりも過剰に加熱されることがないので安全性も確保できる。
【0125】
なお、本開示の実施の形態1では、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で数値の補正を実行するようにしているが、これに限定されるものではなく、外部通信機器(第1の通信機器)200の制御装置100、あるいは加熱調理器1の加熱調理器制御部40で数値の補正を実行するようにしてもよい。
【0126】
実施の形態2.
本開示の実施の形態2は、音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合に設定可能な加熱条件に補正するときの補正の条件が本開示の実施の形態1と相違する。本開示の実施の形態2では、本開示の実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、
図27から
図29により本開示の実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0127】
図27は、本開示の実施の形態2に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図、
図28は、本開示の実施の形態2に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図29は、本開示の実施の形態2に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0128】
図29に示すように、ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図29のステップS10)。
【0129】
音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図28の(A7)、
図29のステップS12)。
【0130】
本開示の実施の形態2に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくN2より小さい数値n1からnnが音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な大きい方の数値N2に補正するように決められている。
【0131】
第2の加熱条件である温度について、設定可能な温度N1を例えば80℃とすると、その次に大きい設定可能な温度N2は90℃となる。設定可能な温度80℃(N1)と90℃(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない温度n1からn9がある。n1からn9は、例えばn1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃のN1より大きくN2より小さい数値である。
【0132】
よって、n1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃の何れかの温度が音声入力されたときは設定可能な温度90℃(N2)に補正される。例えば、この事例では
図27(b)、
図28の(A5)に示すように、第2の加熱条件である温度86℃と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である温度90℃に補正される。
【0133】
同様に、第3の加熱条件である時間について、設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい設定可能な時間N2は15分となる。設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない時間n1からn5がある。n1からn5は、例えばn1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒のN1より大きくN2より小さい数値である。
【0134】
よって、n1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒の何れかの時間が音声入力されたときは設定可能な時間15分(N2)に補正される。例えば、この事例では
図27(b)、
図28の(A5)に示すように、第3の加熱条件である時間14分40秒と音声入力されたので、設定可能な第3の加熱条件である時間15分に補正される。
【0135】
補正された第2の加熱条件である温度90℃と、第3の加熱条件である時間15分は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図28の(A8))され、
図27(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の補正された「90℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の補正された「15分」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0136】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図28の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図28の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図28の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0137】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度90℃、調理時間15分で加熱の設定が完了しました、温度、調理時間は設定できない内容でしたので、設定できる内容に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が入力した加熱条件では設定できなかったので補正をしたことを使用者に報知することで、使用者が理解しやすくなる。また、この補正した内容でよければ次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0138】
設定が完了した後、
図27(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図28の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度90℃」、「調理時間15分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0139】
以上のように、本開示の実施の形態2の加熱調理システム及び加熱調理器においては、使用者が設定できない加熱条件を音声で入力したとしても、入力の受付をしないということはせず、設定可能な加熱条件に補正して設定するようにしたので、使用者が不便に感じることがなく使いやすい加熱調理システム及び加熱調理器を提供できる。
【0140】
また、加熱条件において設定可能な数値N1と、その次に大きい設定可能な数値N2があり、その間のN1より大きくN2より小さい数値の内の何れかの数値が音声入力されたときに、設定可能な数値の内の大きい方の数値のN2に補正することで、使用者の意図よりも加熱が不足することがなく料理が不出来となることを抑制できる。
【0141】
なお、本開示の実施の形態2では、本開示の実施の形態1と同様、第1の通信機器(外部通信機器)200に音声入力された加熱条件が、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第2の通信機器(クラウドサーバ)300で行い、加熱調理器1で設定可能な条件を加熱調理器1に送信するようにしているが、これに限定されるものではなく、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100でおこなってもよいし、加熱調理器1の加熱調理器制御部40で行ってもよい。
【0142】
また、本開示の実施の形態2では、本開示の実施の形態1と同様、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で数値の補正を実行するようにしているが、これに限定されるものではなく、外部通信機器(第1の通信機器)200の制御装置100、あるいは加熱調理器1の加熱調理器制御部40で数値の補正を実行するようにしてもよい。
【0143】
実施の形態3.
本開示の実施の形態3は、音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合に設定可能な加熱条件に補正するときの補正の条件が本開示の実施の形態1、2と相違する。本開示の実施の形態3では、本開示の実施の形態1、2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、
図30から
図32により本開示の実施の形態1、2との相違点を中心に説明する。
【0144】
図30は、本開示の実施の形態3に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図、
図31は、本開示の実施の形態3に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図32は、本開示の実施の形態3に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0145】
図32に示すように、ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図32のステップS10)。
【0146】
音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図31の(A7)、
図32のステップS12)。
【0147】
本開示の実施の形態3に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくN2より小さい数値n1からnnの内、N1とN2の中間値が音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な小さい方の数値N1に補正するように決められている。
【0148】
第2の加熱条件である温度について、設定可能な温度N1を例えば80℃とすると、その次に大きい設定可能な温度N2は90℃となる。設定可能な温度80℃(N1)と90℃(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない温度n1からn9がある。n1からn9は、例えばn1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃で、n5=85℃はN1とN2の中間の数値(中間値)である。
【0149】
よって、n5=85℃が音声入力されたときは設定可能な温度80℃(N1)に補正される。例えば、この事例では
図30(b)、
図31の(A5)に示すように、第2の加熱条件である温度85℃と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である温度80℃に補正される。
【0150】
同様に、第3の加熱条件である時間について、設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい設定可能な時間N2は15分となる。設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない時間n1からn5がある。n1からn5は、例えばn1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒で、n3=14分30秒はN1とN2の中間の数値(中間値)である。
【0151】
よって、n3=14分30秒が音声入力されたときは設定可能な時間14分(N1)に補正される。例えば、この事例では
図30(b)、
図31の(A5)に示すように、第3の加熱条件である時間14分30秒と音声入力されたので、設定可能な第3の加熱条件である時間14分に補正される。
【0152】
補正された第2の加熱条件である温度80℃と、第3の加熱条件である時間14分は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図31の(A8))され、
図30(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の補正された「80℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の補正された「14分」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0153】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図31の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図31の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図31の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0154】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度80℃、調理時間14分で加熱の設定が完了しました、温度、調理時間は設定できない内容でしたので、設定できる内容に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が入力した加熱条件では設定できなかったので補正をしたことを使用者に報知することで、使用者が理解しやすくなる。また、この補正した内容でよければ次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0155】
設定が完了した後、
図30(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図31の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度80℃」、「調理時間14分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0156】
以上のように、本開示の実施の形態3の加熱調理システム及び加熱調理器においては、使用者が設定できない加熱条件を音声で入力したとしても、入力の受付をしないということはせず、設定可能な加熱条件に補正して設定するようにしたので、使用者が不便に感じることがなく使いやすい加熱調理システム及び加熱調理器を提供できる。
【0157】
また、加熱条件において設定可能な数値N1と、その次に大きい設定可能な数値N2があり、その間のN1より大きくN2より小さい数値の内、N1とN2の中間の数値(中間値)が音声入力されたときに、設定可能な数値の内の小さい方の数値のN1に補正することで、使用者の意図よりも過剰に加熱されることがなく料理が不出来となることを抑制できる。さらに、使用者の意図よりも過剰に加熱されることがないので安全性も確保できる。
【0158】
なお、本開示の実施の形態3では、本開示の実施の形態1及び2と同様、第1の通信機器(外部通信機器)200に音声入力された加熱条件が、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第2の通信機器(クラウドサーバ)300で行い、加熱調理器1で設定可能な条件を加熱調理器1に送信するようにしているが、これに限定されるものではなく、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100でおこなってもよいし、加熱調理器1の加熱調理器制御部40で行ってもよい。
【0159】
また、本開示の実施の形態3では、本開示の実施の形態1及び2と同様、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で数値の補正を実行するようにしているが、これに限定されるものではなく、外部通信機器(第1の通信機器)200の制御装置100、あるいは加熱調理器1の加熱調理器制御部40で数値の補正を実行するようにしてもよい。
【0160】
実施の形態4.
本開示の実施の形4は、音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合に設定可能な加熱条件に補正するときの補正の条件が本開示の実施の形態1から3と相違する。本開示の実施の形態4では、本開示の実施の形態1から3と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、
図33から
図35により本開示の実施の形態1から3との相違点を中心に説明する。
【0161】
図33は、本開示の実施の形態4に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図、
図34は、本開示の実施の形態4に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図35は、本開示の実施の形態4に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0162】
図33に示すように、ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図35のステップS10)。
【0163】
音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図34の(A7)、
図35のステップS12)。
【0164】
本開示の実施の形態4に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくN2より小さい数値n1からnnの内、N1とN2の中間値が音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な大きい方の数値N2に補正するように決められている。
【0165】
第2の加熱条件である温度について、設定可能な温度N1を例えば80℃とすると、その次に大きい設定可能な温度N2は90℃となる。設定可能な温度80℃(N1)と90℃(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない温度n1からn9がある。n1からn9は、例えばn1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃で、n5=85℃はN1とN2の中間の数値(中間値)である。
【0166】
よって、n5=85℃が音声入力されたときは設定可能な温度90℃(N2)に補正される。例えば、この事例では
図33(b)、
図34の(A5)に示すように、第2の加熱条件である温度85℃と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である温度90℃に補正される。
【0167】
同様に、第3の加熱条件である時間について、設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい設定可能な時間N2は15分となる。設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない時間n1からn5がある。n1からn5は、例えばn1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒で、n3=14分30秒はN1とN2の中間の数値(中間値)である。
【0168】
よって、n3=14分30秒が音声入力されたときは設定可能な時間15分(N2)に補正される。例えば、この事例では
図33(b)、
図32の(A5)に示すように、第3の加熱条件である時間14分30秒と音声入力されたので、設定可能な第3の加熱条件である時間15分に補正される。
【0169】
補正された第2の加熱条件である温度90℃と、第3の加熱条件である時間15分は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図34の(A8))され、
図33(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の補正された「90℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の補正された「15分」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0170】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図34の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図34の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図34の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0171】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度90℃、調理時間15分で加熱の設定が完了しました、温度、調理時間は設定できない内容でしたので、設定できる内容に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が入力した加熱条件では設定できなかったので補正をしたことを使用者に報知することで、使用者が理解しやすくなる。また、この補正した内容でよければ次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0172】
設定が完了した後、
図33(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図34の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度90℃」、「調理時間15分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0173】
以上のように、本開示の実施の形態4の加熱調理システム及び加熱調理器においては、使用者が設定できない加熱条件を音声で入力したとしても、入力の受付をしないということはせず、設定可能な加熱条件に補正して設定するようにしたので、使用者が不便に感じることがなく使いやすい加熱調理システム及び加熱調理器を提供できる。
【0174】
また、加熱条件において設定可能な数値N1と、その次に大きい設定可能な数値N2があり、その間のN1より大きくN2より小さい数値の内、N1とN2の中間の数値(中間値)が音声入力されたときに、設定可能な数値の内の大きい方の数値のN2に補正することで、使用者の意図よりも加熱が不足することがなく料理が不出来となることを抑制できる。
【0175】
なお、本開示の実施の形態4では、本開示の実施の形態1から3と同様、第1の通信機器(外部通信機器)200に音声入力された加熱条件が、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第2の通信機器(クラウドサーバ)300で行い、加熱調理器1で設定可能な条件を加熱調理器1に送信するようにしているが、これに限定されるものではなく、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100でおこなってもよいし、加熱調理器1の加熱調理器制御部40で行ってもよい。
【0176】
また、本開示の実施の形態4では、本開示の実施の形態1から3と同様、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で数値の補正を実行するようにしているが、これに限定されるものではなく、外部通信機器(第1の通信機器)200の制御装置100、あるいは加熱調理器1の加熱調理器制御部40で数値の補正を実行するようにしてもよい。
【0177】
実施の形態5.
本開示の実施の形態5は、音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合に設定可能な加熱条件に補正するときの補正の条件が本開示の実施の形態1から4と相違する。本開示の実施の形態5では、本開示の実施の形態1から4と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、
図36から
図40により本開示の実施の形態1から4との相違点を中心に説明する。
【0178】
図36は、本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図、
図37は、本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図38は、本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示す模式図、
図39は、本開示の実施の形態5に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図40は、本開示の実施の形態5に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0179】
図40に示すように、ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図32のステップS10)。
【0180】
音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図37、
図39の(A7)、
図40のステップS12)。
【0181】
本開示の実施の形態5に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくN2より小さい数値n1からnnの内、N1とN2の中間値より小さくN1に近い(N1寄りの)数値が音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な小さい方の数値N1に補正し、N1とN2の中間値より大きくN2に近い(N2寄りの)数値が音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な大きい方の数値N2に補正するように決められている。
【0182】
第2の加熱条件である温度について、設定可能な温度N1を例えば80℃とすると、その次に大きい設定可能な温度N2は90℃となる。設定可能な温度80℃(N1)と90℃(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない温度n1からn9がある。
【0183】
n1からn9は、例えばn1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃、n5=85℃、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃で、n5=85℃はN1とN2の中間の数値(中間値)であり、n1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃はN1とN2の中間値より小さくN1に近い(N1寄りの)数値であり、n6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃はN1とN2の中間値より大きくN2に近い(N2寄りの)数値である。
【0184】
よって、N1とN2の中間値より小さくN1に近い(N1寄りの)数値であるn1=81℃、n2=82℃、n3=83℃、n4=84℃の何れかが音声入力されたときは設定可能な温度80℃(N1)に補正される。例えば、この事例では
図36(b)、
図37の(A5)に示すように、第2の加熱条件である温度84℃と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である温度80℃に補正される。
【0185】
また、N1とN2の中間値より大きくN2に近い(N2寄りの)数値であるn6=86℃、n7=87℃、n8=88℃、n9=89℃の何れかが音声入力されたときは設定可能な温度90℃(N2)に補正される。例えば、この事例では
図38(b)、
図39の(A5)に示すように、第2の加熱条件である温度86℃と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である温度90℃に補正される。
【0186】
同様に、第3の加熱条件である時間について、設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい設定可能な時間N2は15分となる。設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の間には、第1の通信機器(外部通信機器)200からの音声入力は可能であるが設定できない時間n1からn5がある。n1からn5は、例えばn1=14分10秒、n2=14分20秒、n3=14分30秒、n4=14分40秒、n5=14分50秒で、n3=14分30秒はN1とN2の中間の数値(中間値)であり、n1=14分10秒、n2=14分20秒はN1とN2の中間値より小さくN1に近い(N1寄りの)数値であり、n4=14分40秒、n5=14分50秒はN1とN2の中間値より大きくN2に近い(N2寄りの)数値である。
【0187】
よって、N1とN2の中間値より小さくN1に近い(N1寄りの)数値であるn1=14分10秒、n2=14分20秒の何れかが音声入力されたときは、設定可能な時間14分(N1)に補正される。例えば、この事例では
図36(b)、
図37の(A5)に示すように、第3の加熱条件である時間14分20秒と音声入力されたので、設定可能な第3の加熱条件である時間14分に補正される。
【0188】
また、N1とN2の中間値より大きくN2に近い(N2寄りの)数値であるn4=14分40秒、n5=14分50秒の何れかが音声入力されたときは、設定可能な時間15分(N2)に補正される。例えば、この事例では
図38(b)、
図39の(A5)に示すように、第2の加熱条件である時間14分40秒と音声入力されたので、設定可能な第2の加熱条件である時間15分に補正される。
【0189】
補正された第2の加熱条件である温度80℃、あるいは90℃と、第3の加熱条件である時間14分、あるいは15分は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図37、あるいは
図39の(A8))され、
図36(c)、あるいは
図38(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の補正された「80℃」、あるいは「90℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の補正された「14分」あるいは「15分」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0190】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図37、あるいは
図39の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図37、あるいは
図39の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図37、あるいは
図39の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0191】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度80℃、調理時間14分で加熱の設定が完了しました、温度、調理時間は設定できない内容でしたので、設定できる内容に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」、あるいは「オーブン、温度90℃、調理時間15分で加熱の設定が完了しました、温度、調理時間は設定できない内容でしたので、設定できる内容に補正しています。この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が入力した加熱条件では設定できなかったので補正をしたことを使用者に報知することで、使用者が理解しやすくなる。また、この補正した内容でよければ次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0192】
設定が完了した後、
図36(c)、あるいは
図38(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図37、あるいは
図39の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度80℃」、「調理時間14分」、あるいは「調理メニュー オーブン」、「温度90℃」、「調理時間15分」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0193】
以上のように、使用者が設定できない加熱条件を音声で入力したとしても、入力の受付をしないということはせず、設定可能な加熱条件に補正して設定するようにしたので、使用者が不便に感じることがなく使いやすい加熱調理システム及び加熱調理器を提供できる。
【0194】
また、加熱条件において設定可能な数値であるN1とN2の間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくN2より小さい数値n1からnnの内、N1とN2の中間値より小さくN1に近い(N1寄りの)数値が音声入力されたときは、設定可能な小さい方の数値N1に補正し、N1とN2の中間値より大きくN2に近い(N2寄りの)数値が音声入力されたときは、設定可能な大きい方の数値N2に補正することで、使用者の意図する加熱条件により近い加熱条件で加熱することができ、使用者が不満に思うことなく調理を行うことができる。
【0195】
なお、本開示の実施の形態5では、本開示の実施の形態1から4と同様、第1の通信機器(外部通信機器)200に音声入力された加熱条件が、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第2の通信機器(クラウドサーバ)300で行い、加熱調理器1で設定可能な条件を加熱調理器1に送信するようにしているが、これに限定されるものではなく、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100でおこなってもよいし、加熱調理器1の加熱調理器制御部40で行ってもよい。
【0196】
また、本開示の実施の形態5では、本開示の実施の形態1から4と同様、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で数値の補正を実行するようにしているが、これに限定されるものではなく、外部通信機器(第1の通信機器)200の制御装置100、あるいは加熱調理器1の加熱調理器制御部40で数値の補正を実行するようにしてもよい。
【0197】
実施の形態6.
本開示の実施の形6は、音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合に設定可能な加熱条件に補正するときの補正の条件、及び設定の条件と、手動での入力操作で設定ができるN1とN2の中間値は設定できないが、音声入力では中間値の設定ができる点が本開示の実施の形態1から5と相違する。本開示の実施の形態6では、本開示の実施の形態1から5と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、
図42から
図43により本開示の実施の形態1から5との相違点を中心に説明する。
【0198】
図41は、本開示の実施の形態6に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能あるいは不可能であるときの一例を示す模式図、
図42は、本開示の実施の形態6に係る加熱調理器の音声入力操作でオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能あるいは不可能であるときの一例を示すタイミングチャート、
図43は、本開示の実施の形態6に係る加熱調理システムの基本的な動作を示すフローチャートにおいてオーブン調理を選択、設定するときに、音声入力された設定条件が設定可能あるいは不可能であるときのステップS7からステップS12の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0199】
図43に示すように、ステップ7で第1の加熱条件が設定可能な調理メニューと判断したときは、ステップ10に進み、第2の加熱条件、第3の加熱条件が補正の不要な設定可能な加熱条件であるか、補正が必要な設定できない加熱条件であるか判断する(
図43のステップS10)。
【0200】
音声入力された加熱条件が、補正が必要、つまり設定可能ではない加熱条件であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な加熱条件に補正する(
図42の(A7)、
図43のステップS12)。
【0201】
本開示の実施の形態6に係る加熱調理システム及び加熱調理器における補正の条件は、手動操作入力及び音声入力で設定可能な数値であるN1とN2、及び手動操作入力では設定不可能であるが、音声入力では設定可能なN1とN2の中間値Nmが音声入力されたときは、その音声入力の通り設定し、N1から中間値までの間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きくNmより小さい、N1に近い数値n1からn1mの数値(N1寄りの数値という)が音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な小さい方の数値N1に補正し、中間値からN2までの間にある音声入力は可能であるが設定できないNmより大きくN2より小さい、N2に近い数値n2mからnnの数値(N2寄りの数値という)が音声入力されたときは、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303が設定可能な大きい方の数値N2に補正するように決められている。
【0202】
第2の加熱条件である温度について、手動操作入力及び音声入力で設定可能な温度N1を例えば80℃とすると、その次に大きい手動操作入力及び音声入力で設定可能な温度N2は90℃となる。手動操作入力及び音声入力で設定可能な温度80℃(N1)と90℃(N2)の中間には、前述の通り、手動操作入力では設定不可能であるが、音声入力では設定可能なN1とN2の中間値Nmがあり、例えばNm=85℃である。
【0203】
また、N1から中間値Nmまでの間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きく中間値Nmより小さい、N1に近い数値n1からn1mの数値(N1寄りの数値という)は、例えば81℃、82℃、83℃、84℃の何れかである。
【0204】
さらに、中間値NmからN2までの間にある音声入力は可能であるが設定できない中間値Nmより大きくN2より小さい、N2に近い数値n2mからnnの数値(N2寄りの数値という)は、例えば86℃、87℃、88℃、89℃の何れかである。
【0205】
よって、
図43のステップS12に示すように、N1から中間値Nmまでの間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きく中間値Nmより小さい、N1に近い数値n1からn1mの数値(N1寄りの数値という)、81℃、82℃、83℃、84℃の何れかが音声入力されたときは設定可能な温度80℃(N1)に補正される。
【0206】
また、中間値NmからN2までの間にある音声入力は可能であるが設定できない中間値Nmより大きくN2より小さい、N2に近い数値n2mからnnの数値(N2寄りの数値という)、86℃、87℃、88℃、89℃の何れかが音声入力されたときは設定可能な温度90℃(N2)に補正される。
【0207】
同様に、第3の加熱条件である時間について、手動操作入力及び音声入力で設定可能な時間N1を例えば14分とすると、その次に大きい手動操作入力及び音声入力で設定可能な時間N2は15分となる。手動操作入力及び音声入力で設定可能な時間14分(N1)と15分(N2)の中間には、前述の通り、手動操作入力では設定不可能であるが、音声入力では設定可能なN1とN2の中間値Nmがあり、例えばNm=14分30秒である。
【0208】
また、N1から中間値Nmまでの間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きく中間値Nmより小さい、N1に近い数値n1からn1mの数値(N1寄りの数値という)は、例えば14分10秒、14分20秒の何れかである。
【0209】
さらに、中間値NmからN2までの間にある音声入力は可能であるが設定できない中間値Nmより大きくN2より小さい、N2に近い数値n2mからnnの数値(N2寄りの数値という)は、例えば14分40秒、14分50秒の何れかである。
【0210】
よって、
図43のステップS12に示すように、N1から中間値Nmまでの間にある音声入力は可能であるが設定できないN1より大きく中間値Nmより小さい、N1に近い数値n1からn1mの数値(N1寄りの数値という)、14分10秒、14分20秒の何れかが音声入力されたときは設定可能な時間14分(N1)に補正される。
【0211】
また、中間値NmからN2までの間にある音声入力は可能であるが設定できない中間値Nmより大きくN2より小さい、N2に近い数値n2mからnnの数値(N2寄りの数値という)、14分40秒、14分50秒の何れかが音声入力されたときは設定可能な時間15分(N2)に補正される。
【0212】
前述の通り、中間値Nmは手動操作入力では設定不可能であるが、音声入力では設定可能である。例えば、
図41(b)に示す火力ボタン156Mを指で(手動)操作入力する場合、第2の加熱条件である温度について設定可能な温度は80℃の次は90℃となり、第3の加熱条件である時間について時間ボタン158Mを指で(手動)操作入力する場合、設定可能な時間は14分の次は15分となる。
【0213】
しかし、音声入力の場合、第2の加熱条件である温度について設定可能な温度は80℃の次は中間値である85℃が設定でき、その次が90℃となり、第3の加熱条件である時間について設定可能な時間は14分の次は中間値である14分30秒が設定でき、その次が15分となる。
【0214】
よって、音声入力された第2の加熱条件が中間値である85℃、第3の加熱条件が中間値である14分30秒であった場合は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303は、補正は不要と判断する(
図42の(A7)、
図43のステップS12)。
【0215】
そして補正されない第2の加熱条件である温度85℃と、第3の加熱条件である時間14分30秒は、第2の通信機器(クラウドサーバ)300から加熱調理器1の通信部51(
図8参照)へ送信(
図42の(A8))され、
図41(c)に示すように、加熱調理器1の中央表示部16Mの第1表示エリア22に第1の加熱条件である加熱メニュー「オーブン」、第2表示エリア23に第2の加熱条件である温度の音声入力された中間値「85℃」、第3表示エリア24に第3の加熱条件である時間の音声入力された中間値「14分30秒」がそれぞれ表示されて設定が完了する。
【0216】
設定が完了すると、設定が完了した加熱条件の情報は、加熱調理器1の通信部51から第2の通信機器(クラウドサーバ)300へ送信(
図42の(A9))される。設定が完了した加熱条件の情報を受信した第2の通信機器(クラウドサーバ)300は、加熱条件の設定が完了したことを第1の通信機器(外部通信機器)200に送信(
図42の(A10))、加熱条件の設定が完了したことを受信した第1の通信機器(外部通信機器)200は、使用者に対し設定が完了したことを音声で報知(
図42の(A11))する(
図16のステップS13)。
【0217】
ここでの音声報知の例としては「オーブン、温度85℃、調理時間14分30秒で加熱の設定が完了しました、この設定でよければスタートボタンを操作してください。」のように、使用者が音声で入力した通りの加熱条件で設定したことを使用者に報知することで、使用者が設定内容を確認できる。また、次の操作を促すように報知しているので使用者が使いやすい。
【0218】
設定が完了した後、
図41(c)に示すように、使用者がスタートボタン151Mを操作(
図42の(A12)、
図16のステップS14)すると、「調理メニュー オーブン」、「温度85℃」、「調理時間14分30秒」で加熱調理器1の加熱が開始される(
図16のステップS15)。
【0219】
以上のように、使用者が設定できない加熱条件を音声で入力したとしても、入力の受付をしないということはせず、設定可能な加熱条件に補正して設定し、手動操作では設定できない中間値を音声入力では設定できるようにしたので、使用者が不便に感じることがなく使いやすい加熱調理システム及び加熱調理器を提供できる。
【0220】
また、手動操作では設定できない中間値を音声入力では設定できるようにしたので、使用者の意図する加熱条件で加熱することができ、使用者が不満に思うことなく調理を行うことができる。
【0221】
なお、本開示の実施の形態6では、本開示の実施の形態1から5と同様、第1の通信機器(外部通信機器)200に音声入力された加熱条件が、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第2の通信機器(クラウドサーバ)300で行い、加熱調理器1で設定可能な条件を加熱調理器1に送信するようにしているが、これに限定されるものではなく、加熱調理器1で設定可能な条件であるか否かの判断を第1の通信機器(外部通信機器)200の制御装置100でおこなってもよいし、加熱調理器1の加熱調理器制御部40で行ってもよい。
【0222】
また、本開示の実施の形態6では、本開示の実施の形態1から5と同様、第2の通信機器(クラウドサーバ)300のクラウド制御部303で数値の補正を実行するようにしているが、これに限定されるものではなく、外部通信機器(第1の通信機器)200の制御装置100、あるいは加熱調理器1の加熱調理器制御部40で数値の補正を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0223】
1 加熱調理器、1a 加熱調理システム、2 本体、3 トッププレート、4 加熱口、4C 中央加熱口、4L 左加熱口、4R 右加熱口、5 排気口カバー、6 加熱室、7 ドア、8 取っ手、9 誘導加熱コイル,誘導加熱源、9C 中央IHコイル、9L 左IHコイル、9R 右IHコイル、10 開閉検知部、11 マイクロ波発信器、12 輻射熱加熱手段、12a 上部輻射熱加熱手段、12b 下部輻射熱加熱手段、13 赤外線センサー、14 サーミスタセンサー、15 入力操作部、15L 左操作部、15M 中央操作部、15R 右操作部、16 表示部、16L 左表示部、16M 中央表示部、16R 右表示部、17 火力表示部、17L 左火力表示部、17R 右火力表示部、20 主電源スイッチ、20A 操作用ボタン、21M,21L,21R 個別発光部、22 第1表示エリア、23 第2表示エリア、24 第3表示エリア、30 温度センサー群、40 加熱調理器制御部、41 記憶装置、42 調理条件データ記憶部、43 加熱制御部、50 音声報知部、51 通信部、53 データ取得部、57 電源回路、100 制御装置、151L、152L、153L、154L、155L 入力ボタン、151M スタートボタン、152M とりけしボタン、153M メニューボタン、154M メニューボタン、155M 火力ボタン、156M 火力ボタン、157M 時間ボタン、158M 時間ボタン、159M 入力ボタン、151R、152R、153R、154R、155R 入力ボタン、160 スタンバイボタン、200 外部通信機器(第1の通信機器)、202 ネットワーク、203 ネットワーク、300 クラウドサーバ(第2の通信機器)、301 レシピ情報提供サーバ、302 レシピデータベース、303 クラウド制御部、CD3 調理条件データ、CD4 調理条件データ、600 キッチン家具、HM 加熱部、HM1 第1の加熱手段、HM2 第2の加熱手段、HM3 第3の加熱手段。