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特許7670106冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-21
(45)【発行日】2025-04-30
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/41 20180101AFI20250422BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20250422BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20250422BHJP
   F25B 47/02 20060101ALI20250422BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20250422BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20250422BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20250422BHJP
【FI】
F24F11/41 210
F24F11/64
F24F11/74
F25B47/02 550F
F25B1/00 381D
F25B1/00 321C
F25B13/00 351
F25B13/00 K
F25B47/02 550R
F24F140:00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023196533
(22)【出願日】2023-11-20
【審査請求日】2024-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】前間 慶成
(72)【発明者】
【氏名】兼井 一樹
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-037456(JP,A)
【文献】特開昭63-180038(JP,A)
【文献】国際公開第2016/056078(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/41
F24F 11/64
F24F 11/74
F25B 47/02
F25B 1/00
F25B 13/00
F24F 140/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
室内の空気と前記冷媒とを熱交換する室内熱交換器と、
室外の空気と前記冷媒とを熱交換する室外熱交換器と、
蓄熱材と前記冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器と、
少なくとも前記室内熱交換器のみを凝縮器として機能させる暖房運転と、少なくとも前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる除霜運転とで前記冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁と、を有する冷媒回路と、
前記室内の空気を前記室内熱交換器に通過させる室内ファンと、
少なくとも、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を記憶する記憶部と、
前記室内ファン、前記切替弁を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記暖房運転と前記除霜運転との間で運転を切り替える際に、前記冷媒流路の内容積に関する情報を基に前記室内ファンの回転数を変化させることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、
前記記憶部に記憶されている前記冷媒流路の内容積に関する情報を基に、各運転態様において凝縮器として機能する熱交換器の全ての凝縮器冷媒流路の内容積の和を算出する算出部を備え、
前記算出部は、運転態様を切り替える前の切替前凝縮器冷媒流路の内容積に対する切り替え後の切替後凝縮器冷媒流路の内容積の変化率を算出し、
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行う際、前記変化率に基づいて前記運転態様を切り替えた後の前記室内ファンの回転数を設定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱利用暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器のみが蒸発器として機能する通常暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記蓄熱熱交換器の冷媒流路の内容積は、前記室外熱交換器の冷媒流路の内容積よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
冷媒を循環させる冷媒回路に、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
室内の空気と前記冷媒とを熱交換する室内熱交換器と、
室外の空気と前記冷媒とを熱交換する室外熱交換器と、
蓄熱材と前記冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器と、
少なくとも前記室内熱交換器のみを凝縮器として機能させる暖房運転と、少なくとも前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる除霜運転とで前記冷媒回路における前記冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁と、が接続され、
前記室内の空気を前記室内熱交換器に通過させる室内ファンと、
前記室内ファン、前記切替弁を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記暖房運転と前記除霜運転との間で運転態様を切り替えるか否かの判定を行うステップと、
前記運転態様を切り替えると判定した場合に、前記切替弁と切り替えるステップと、
前記室内ファンの回転数を切り替え後の前記運転態様に応じて前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップと、を備え
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップにおいて、
少なくとも、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を基に前記室内ファンの回転数を設定することを特徴とする冷凍サイクル装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップの前のステップにおいて、
前記冷媒流路の内容積に関する情報を基に、各運転態様において凝縮器として機能する熱交換器の全ての凝縮器冷媒流路の内容積の和を算出するステップと、
運転態様を切り替える前の切替前凝縮器冷媒流路の内容積に対する切り替え後の切替後凝縮器冷媒流路の内容積の変化率を算出するステップと、
前記変化率に基づいて前記運転態様を切り替えた後の前記室内ファンの回転数を設定するステップと、
を備えていることを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
【請求項9】
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップは、
前記制御装置が前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
【請求項10】
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップは、
前記制御装置が前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱利用暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
【請求項11】
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップは、
前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器のみが蒸発器として機能する通常暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、空気調和機において暖房運転が行われる際、室外熱交換器には低温の冷媒が流れる。このため、例えば、外気温が氷点下となるような状態の場合、冷媒の温度が外気の露点温度を下回ると、室外熱交換器に霜が付着して外気との間での熱交換がしにくくなる。そこで、暖房運転が行われている場合には、定期的に室外熱交換器から霜を取り除く除霜運転が行われる。
【0003】
このような除霜運転は空気調和機の運転を行う上で必要な運転であり、典型的には、除霜運転は暖房運転を中断して行われる。具体的には、除霜運転を開始するに当たって、圧縮機から吐出された冷媒が室外熱交換器に直接供給されるように冷媒回路を切り替えて、室外熱交換器を凝縮器として機能させることで霜を融かし除霜を行う。そして当該除霜運転の場合、除霜のために室外熱交換器に供給された高温の冷媒は、霜を融かすことにより低温となり、低温の冷媒が室内熱交換器へと流入する。
【0004】
このような除霜運転が行われる場合、除霜運転が行われる間、暖房運転が停止して室内の温度が徐々に低下するため、ユーザの快適性が低下する。そこで例えば、以下の特許文献1に示されているように、冷凍回路内に室内熱交換器とは別に蓄熱装置を配置し、暖房運転中に当該蓄熱装置に蓄熱する(以下、このような運転態様を、適宜「蓄熱暖房運転」と表す)。
【0005】
そして、除霜運転の際には蓄熱装置に蓄えられた熱を除霜に用いることで除霜運転中においても暖房運転を継続させる方法が考えられる(以下、このような運転態様を、適宜「除霜暖房運転」と表す)。この方法によって、除霜運転のために暖房運転が一時的に停止することによる室内温度の低下を防止し、ユーザの快適性の維持を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-017738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような蓄熱装置を備える空気調和機において、例えば、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に移行すると、凝縮器の役割を果たす熱交換器が一部変更となる。すなわち、蓄熱暖房運転の場合、室内熱交換器、及び、蓄熱装置の熱交換器が凝縮器であり、室外熱交換器は蒸発器の役割を担う。これに対して除霜暖房運転の場合、室内熱交換器、及び、室外熱交換器が凝縮器、蓄熱装置の熱交換器は蒸発器の役割を担う。
【0008】
そのため蓄熱暖房運転から除霜蓄熱運転へと移行した場合、凝縮器の役割を担う熱交換器の冷媒流路の内容積は、増大することになる。このことを図11を用いて説明する。図11は、冷凍サイクル装置において運転態様を変化させた場合における熱交換器の冷媒流路の内容積の変化の一例を示す説明図である。
【0009】
図11では、図面中央の大きな下向きの矢印を挟んで、上側と下側とに2つのグラフが示されている。上側のグラフには、蓄熱暖房運転時における凝縮器、蒸発器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積の大きさが示されている。一方下側のグラフには、除霜暖房運転時における凝縮器、蒸発器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積の大きさが示されている。
【0010】
またいずれのグラフにおいても、縦軸には、それぞれの場合における「凝縮器の役割を果たす熱交換器」が上段に、「蒸発器の役割を果たす熱交換器」が下段に示されている。一方横軸には、「冷媒流路の内容積」が示されている。
【0011】
さらにそれぞれのグラフにおいては、空気調和機を構成する「室内熱交換器」、「室外熱交換器」、及び、「蓄熱装置の熱交換器(図11においては「蓄熱熱交換器」と表している)」の3種類の熱交換器の冷媒流路の内容積が示されている。
【0012】
上述したように、グラフの横軸は冷媒流路の内容積を示していることから、グラフにおいて左側から右側に伸びるように各熱交換器の冷媒流路の内容積が示されている。例えば、図11の上側には、蓄熱暖房運転時における各熱交換器における冷媒流路の内容積が示されている。蓄熱暖房運転時には、「室内熱交換器」と「蓄熱熱交換器」とが凝縮器の役割を果たす。一方、「室外熱交換器」が蒸発器の役割を果たす。
【0013】
そのため、当該図11の上側に示すグラフにおいて、「凝縮器の役割を果たす熱交換器」の部分には、「室内熱交換器」と「蓄熱熱交換器」の冷媒流路の内容積が示されている。これに対して、「蒸発器の役割を果たす熱交換器」の部分には、「室外熱交換器」の冷媒流路の内容積が示されている。
【0014】
図11の上側に示すグラフを見ると、凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積は、室内熱交換器の冷媒流路の内容積に蓄熱熱交換器の冷媒流路の内容積と加えた量であることがわかる。一方、蒸発器の役割を果たす熱交換器は室外熱交換器のみであることから、蒸発器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積は室外熱交換器の冷媒流路の内容積と等しい。
【0015】
そして凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積と蒸発器の役割を果たす熱交換器との冷媒流路の内容積を比べてみると、蒸発器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積よりも凝縮器の役割を果たす冷媒流路の内容積の方が大きいことが分かる。このような状態で、空気調和機が蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に移行すると、蓄熱暖房運転時とは凝縮器の役割を果たす熱交換器が変更となるため、凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積と蒸発器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積とに変化が生ずる。
【0016】
図11の下側のグラフは、上述したように、除霜暖房運転時における各熱交換器の冷媒流路の内容積を示すグラフである。除霜暖房運転が行われる場合、凝縮器の役割を果たす熱交換器は、室内熱交換器と室外熱交換器である。一方、蒸発器の役割を果たす熱交換器は、蓄熱熱交換器のみとなる。この場合におけるそれぞれの場合における冷媒流路の内容積を見ると、凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積の方が蒸発器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積よりも大分大きいことがわかる。
【0017】
そして蓄熱暖房運転時において凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積と除霜暖房運転時において凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積とを比較してみると、矢印Aの量だけ前者よりも後者の方が凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積が大きい。
【0018】
このように、例えば図11に示すように蓄熱暖房運転から除霜暖房運転へと移行することで急激に凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積が増加することになる。このように運転態様の変化によって冷媒流路の内容積が増加すると、凝縮器内における高密度の液相冷媒の量が増加するため、冷媒の体積の減少に伴い冷媒回路の内部を流れる冷媒の圧力が低下する。そして冷媒の圧力が低下すると、凝縮器における凝縮温度も下がる。
【0019】
このことを図12を用いて説明する。図12は、従来の冷凍サイクル装置において運転態様を変化させた際に室内ファンの制御を行った場合の室内ファンの回転数と凝縮温度との関係を示すグラフである。
【0020】
図12において横軸は時間を示しており、横軸のある時刻において運転態様が切り替えられる。ここでは切り替え前の運転態様は蓄熱暖房運転であり、切り替え後の運転態様は除霜暖房運転である。また、時間の経過に沿ってグラフの左側から右側に伸びる線のうち、上側の実線は室内機に設けられている室内ファンの回転数(風量)を示している。一方下側の破線は、凝縮温度を示している。
【0021】
運転態様が蓄熱暖房運転から除霜暖房運転へと切り替わることによって、図11において示したように、凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積は増大する。そのため、冷媒回路内を流れる冷媒の圧力が低下し、凝縮温度も低下する。図12において破線で示す凝縮温度が運転態様が切り替わったことを境に低下しているのは、このことを示している。
【0022】
一方で、リモコンなどを介して入力される設定情報、または吸込み温度に基づき、室内ファンの回転数を制御するため、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転へと運転態様が切り替わってもすぐには室内ファンの回転数は変化しない。具体的には、凝縮温度が冷風感を感じる凝縮温度所定値以下になるまで室内ファンの回転数は低下しないため、室内ファンの回転数が凝縮温度の低下に追随しない。そのためしばらくは蓄熱暖房運転時の回転数のままで室内ファンが回転してしまうことになり、冷風が室内に提供される状態となる。
【0023】
蓄熱暖房運転であっても除霜暖房運転であっても、室内熱交換器が凝縮器の役割を果たすことに変わりはなく、このように運転態様が切り替わって凝縮温度が下がることで、暖房している室内に冷風が供給されてしまうことになる。このような室内への冷風の供給は、暖房運転時において特に、ユーザの快適性を低下させかねない。
【0024】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、運転態様が切り替わったとしてもユーザに対する快適性の低下を抑制することができる冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一態様に係る冷凍サイクル装置は、冷媒を循環させる冷媒回路に、冷媒を圧縮する圧縮機と、室内の空気と冷媒とを熱交換する室内熱交換器と、室内の空気を室内熱交換器に通過させる室内ファンと、室外の空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器と、蓄熱材と冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器と、少なくとも室内熱交換器のみを凝縮器として機能させる暖房運転と、少なくとも室外熱交換器を凝縮器として機能させる除霜運転とで冷媒回路における冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁と、が接続され、少なくとも、室内熱交換器、室外熱交換器のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を記憶する記憶部と、室内ファン、切替弁を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、暖房運転と除霜運転との間で運転を切り替える際に、冷媒流路の内容積に関する情報を基に室内ファンの回転数を変化させる。
【0026】
また、本発明の一態様に係る冷凍サイクル装置の制御方法は、冷媒を循環させる冷媒回路に、冷媒を圧縮する圧縮機と、室内の空気と冷媒とを熱交換する室内熱交換器と、室内の空気を室内熱交換器に通過させる室内ファンと、室外の空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器と、蓄熱材と冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器と、少なくとも室内熱交換器のみを凝縮器として機能させる暖房運転と、少なくとも室外熱交換器を凝縮器として機能させる除霜運転とで冷媒回路における冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁と、が接続され、室内ファン、切替弁を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、暖房運転と除霜運転との間で運転態様を切り替えるか否かの判定を行うステップと、運転態様を切り替えると判定した場合に、切替弁と切り替えるステップと、室内ファンの回転数を切り替え後の運転態様に応じて室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップと、を備え、少なくとも、室内熱交換器、室外熱交換器のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を基に室内ファンの回転数を設定する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、運転態様が切り替わったとしてもユーザに対する快適性の低下を抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
図2】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置における制御装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置において運転態様を変化させた際に室内ファンの制御を行った場合の室内ファンの回転数と凝縮温度との関係を示すグラフである。
図4】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が冷房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図5】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が蓄熱暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図6】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が除霜暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図7】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が蓄熱利用暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図8】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置が通常暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図9】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置において運転態様が変化した際の制御の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置において運転態様が変化した際の制御の流れを示すフローチャートである。
図11】冷凍サイクル装置において運転態様を変化させた場合における熱交換器の冷媒流路の内容積の変化の一例を示す説明図である。
図12】従来の冷凍サイクル装置におい運転態様を変化させた際にて室内ファンの制御を行った場合の室内ファンの回転数と凝縮温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの構造を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの冷媒回路図である。冷凍サイクル装置Sは、圧縮機1と、室内熱交換器2と、室外熱交換器3と、蓄熱熱交換器4と、膨張弁5(51、52、53)と、切替弁6(61、62)と、が接続され、冷媒を循環させる冷媒回路Cを備えている。また、膨張弁5、及び、切替弁6を制御する制御装置7と、を備えている。
【0030】
ここで、図1を用いて本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sの冷媒回路Cについて説明する。冷媒回路Cは上述した圧縮機1等の各機器と、これらの機器とをつなぐ冷媒が流れる流路から構成される。例えば、冷凍サイクル装置Sが後述する通常暖房運転を行う際、圧縮機1から吐出された冷媒は、室内熱交換器2、室外熱交換器3の順に流れて、その後圧縮機1に吸入される。暖房運転時における圧縮機1と室内熱交換器2とをつなぐ流路には第1の切替弁61が設けられており、室内熱交換器2と室外熱交換器3とをつなぐ流路には第3の膨張弁53が設けられている。
【0031】
また、蓄熱暖房運転時における圧縮機1と蓄熱熱交換器4とをつなぐ流路には、第1の膨張弁51と第2の切替弁62とが順に設けられている。また、蓄熱熱交換器4と合流点C1とをつなぐ流路には第2の膨張弁52が設けられている。そのため、例えば、冷凍サイクル装置Sが後述する蓄熱暖房運転を行う場合、圧縮機1から吐出された冷媒は、室内熱交換器2と蓄熱熱交換器4にそれぞれ流入する。蓄熱熱交換器4から流出した冷媒は、第2の膨張弁52と、第2の膨張弁52と室外熱交換器3の間の流路に設けられた合流点C1を介して室外熱交換器3へ流れて、その後圧縮機1に吸入される。
【0032】
第1の切替弁61は、後述する制御装置7によって制御されることで、圧縮機1から吐出された冷媒を室内熱交換器2に流す場合と、第1の膨張弁51と第2の切替弁62の間の流路に接続するバイパス回路B1に流す場合とに切り替える。バイパス回路B1は、第1の切替弁61と第2の切替弁62との間に設けられている。バイパス回路B1は、図1に示すような矢印の方向にのみ冷媒が流れるように逆止弁等が設けられている。
【0033】
なお、図1に示す冷媒回路Cにおけるバイパス回路B1は、上述したように逆止弁が設けられて矢印の方向にのみ冷媒が流れるようにされている。但しバイパス回路B1において当該逆止弁を設けず、例えば、電磁弁等の開閉弁とすることも可能である。このように開閉弁を採用することによって、後述する蓄熱利用暖房運転のように、冷媒を第2の切替弁62から第1の切替弁61に向けて流すことが可能となる。
【0034】
圧縮機1から吐出された冷媒が室内熱交換器2に流れる場合は、バイパス回路B1と圧縮機1の吸入側とが接続される。一方、圧縮機1から吐出された冷媒が第1の膨張弁51と第2の切替弁62の間の流路に接続するバイパス回路B1に流れる場合は、蓄熱利用暖房運転の場合を除き、室内熱交換器2と圧縮機1の吸入側とが接続される。
【0035】
第2の切替弁62は、制御装置7によって制御されることで、圧縮機1から吐出された冷媒を蓄熱熱交換器4に流す場合と、室外熱交換器3に流す場合とに切り替える。圧縮機1から吐出された冷媒が蓄熱熱交換器4に流れる場合は、室外熱交換器3と圧縮機1の吸入側とが接続される。一方、圧縮機1から吐出された冷媒が室外熱交換器3に流れる場合は、蓄熱熱交換器4と圧縮機1の吸入側とが接続される。
【0036】
圧縮機1は、冷媒回路Cを循環する冷媒を圧縮する。室内熱交換器2は、室内の空気と冷媒とを熱交換する。室外熱交換器3は、室外の空気と冷媒とを熱交換する。圧縮機1、室内熱交換器2、室外熱交換器3のそれぞれの種類については、ここでは説明を省略するが、様々な種類の機器を採用することができる。
【0037】
なお、本発明の実施の形態における室内熱交換器2には、室内の空気を室内熱交換器2に通過させる室内ファン21が設けられている。また、室外熱交換器3には、外気を室外熱交換器3に通過させる室外ファン31が設けられている。
【0038】
蓄熱熱交換器4は、蓄熱材と蓄熱熱交換器4を通過する冷媒とが熱交換を行う熱交換器である。蓄熱熱交換器4は、例えば、フィンアンドチューブ型の熱交換器である。そしてこの蓄熱熱交換器4が、内部に蓄熱材が充填された蓄熱容器の中に配置されている。
【0039】
蓄熱材としては、例えば、液体、固体を問わず、蓄熱熱交換器4の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行い蓄熱することができれば足りる。従って、例えば蓄熱材が液体の場合には、蓄熱熱交換器4は、蓄熱容器の中に充填された蓄熱材の中に浸漬されることになる。すなわち、蓄熱熱交換器4の周囲が蓄熱材で覆われている。この蓄熱材には、冷媒から供給された熱が蓄えられ、蓄えられた熱は、後述するように例えば、除霜暖房運転や蓄熱利用暖房運転に用いられる。
【0040】
なお、熱交換器において冷媒が流通する伝熱管(入口から出口まで)の容積を「冷媒流路の内容積」と表すが、蓄熱熱交換器4の冷媒流路の内容積は、室外熱交換器3の冷媒流路の内容積よりも小さい。これは、蓄熱熱交換器4では冷媒は蓄熱材と熱交換を行い、室外熱交換器3では、冷媒は外気と熱交換を行うからである。
【0041】
すなわち、冷媒との熱交換が行われる対象において、空気よりも蓄熱材の方が比熱が大きい。また、温度差が大きければより熱交換量が多くなるというように、熱交換量は温度差に比例する。そのため、温度差を確保しやすい蓄熱熱交換器4の方が室外熱交換器3よりも小さくても熱交換の性能を維持できることから、蓄熱熱交換器4の冷媒流路の内容積は、室外熱交換器3の冷媒流路の内容積よりも小さい。
【0042】
膨張弁5は、本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sでは複数設けられている。具体的には、3つの膨張弁が設けられており、第1の膨張弁51は、蓄熱熱交換器4が凝縮器として機能する場合における、冷媒が流れる方向の上流側に設けられる。
【0043】
また、第2の膨張弁52は、蓄熱熱交換器4と冷媒回路Cにおける上述した合流点C1との間に設けられている。つまり、蓄熱熱交換器4が凝縮器として機能する場合における、冷媒が流れる方向の下流側に設けられる。そして第3の膨張弁53は、室内熱交換器2と室外熱交換器3とをつなぐ流路に設けられている。つまり、室内熱交換器2が凝縮器として機能する場合における、冷媒が流れる方向の下流側に設けられる。
【0044】
切替弁6は、上述したように、第1の切替弁61と第2の切替弁62とからなる。第1の切替弁61は、圧縮機1と室内熱交換器2との間に設けられている。また、第2の切替弁62は、圧縮機1と室外熱交換器3、或いは、蓄熱熱交換器4との間に設けられている。
【0045】
また、第1の切替弁61は、冷媒を室内熱交換器2に流す場合とバイパス回路B1に流す場合とに切り換える。一方、第2の切替弁62は、冷媒を蓄熱熱交換器4に流す場合と室外熱交換器3に流す場合とに切り換える。
【0046】
なお、以下においては、これら3つの膨張弁51,52,53についてまとめて説明する場合には、「膨張弁5」と表し、個々の膨張弁について説明を行う場合には、それぞれの名称で表す。また切替弁6についても、これら2つの切替弁61,62についてまとめて説明する場合には、「切替弁6」と表し、個々の切替弁について説明を行う場合には、それぞれの名称で表す。
【0047】
また、本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sでは、室外熱交換器3に対する除霜運転が行われる際においても暖房運転は停止されず、除霜運転と並行して暖房運転も行う除霜暖房運転が実行される。
【0048】
制御装置7は、複数の膨張弁5の開度を制御する。そして制御装置7が各膨張弁の開度を制御することによって、冷媒回路Cを流れる冷媒の流量を調整することができる。また上述したように、複数の切替弁6を切り替えて、冷媒回路Cを循環する冷媒の流れを切り替える。
【0049】
このように複数の膨張弁5、複数の切替弁6を制御することによって、制御装置7は、例えば、暖房運転と蓄熱運転を並行して行う暖房蓄熱運転を行う。また、例えば、暖房運転と平行して行われる室外熱交換器3に対する除霜運転の制御についても制御装置7が行う。
【0050】
また、例えば、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転へと運転の切替が行われる場合、上述した複数の膨張弁5や切替弁6の制御を行うとともに、制御装置7は室内ファン21の回転数を変化させる制御を行う。
【0051】
次に、制御装置7による制御内容について、さらに詳細に説明する。上述したように、例えば、運転態様が蓄熱暖房運転から除霜暖房運転へと切り替わることによって、凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積は増大する。そのため、冷媒回路内を流れる冷媒の圧力が低下し、凝縮温度も低下する。但しこれまでの室内ファン21の制御の方法の場合、凝縮温度が冷風感を感じる凝縮温度所定値以下になるまで室内ファン21の回転数が低下しない。
【0052】
このように、低下した凝縮温度に合わせて室内ファン21の回転数を変化させなかったことから室内ファンの回転数が凝縮温度の低下に追随しない。そのため、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わっても、しばらくの間室内ファンが蓄熱暖房運転時の回転数のままで回転してしまい、冷風が室内に供給されてしまう状態が続く。
【0053】
そこで、本発明の実施の形態における制御装置7では、冷凍サイクル装置Sにおいて蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転状態が切り替えられる際に、適切な回転数となるように室内ファン21の回転数を制御する。
【0054】
図2は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sにおける制御装置7の内部構成を示すブロック図である。制御装置7は、判定部71と、記憶部72と、算出部73と、切替制御部74と、を備えている。
【0055】
判定部71は、冷房運転、蓄熱暖房運転、除霜暖房運転等の各種運転態様を切り替える際に、その切り替えを行うか否かの判定を行う。また、例えば、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替えられた場合に、室内ファン21の回転数の制御を行う。
【0056】
記憶部72は、少なくとも、室内熱交換器2、室外熱交換器3、及び、蓄熱熱交換器4のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を記憶する。記憶部72に記憶されている冷媒流路の内容積に関する情報については、例えば、テーブルに各熱交換器とそれぞれの冷媒流路の内容積とが紐付けて格納されている等、どのような方法で記憶部72に記憶されていても良い。
【0057】
算出部73は、記憶部72に記憶されている上述した冷媒流路の内容積に関する情報を基に、各運転態様において凝縮器として機能する熱交換器の全ての凝縮器冷媒流路の内容積の和を算出する。なお、凝縮器冷媒流路の内容積の和は予め記憶部72に記憶していても良い。切替制御部74は、運転態様が切り替えられる場合に、膨張弁5の開度や切替弁6の制御を判定部71からの指示に基づき実行する。また、運転態様の切り替えに伴う室内ファン21の回転数の切り替えも行う。
【0058】
次に、本発明の実施の形態におけるこれら制御装置7の各部の働きについて、さらに詳しく説明する。除霜暖房運転に運転態様が切り替わる場合、その前の運転態様としては、後述するように、蓄熱暖房運転、蓄熱利用暖房運転、或いは、通常暖房運転の各暖房運転を挙げることができる。そこでここでは、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わる場合を例に挙げて、以下説明する。
【0059】
判定部71は、冷凍サイクル装置Sが蓄熱暖房運転を実行している際に、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転状態を切り替えるか否かの判定を行う。すなわち、例えば、蓄熱暖房運転が行われている際に、除霜暖房運転が必要と判断される、除霜暖房運転開始の条件が満たされたか否かの判定を実行する。
【0060】
ここで、除霜暖房運転の開始の条件としては、例えば、室外熱交換器3における冷媒の蒸発温度を挙げることができる。すなわち、当該蒸発温度が予め設定されている温度以下の場合には、室外熱交換器3に対して着霜の可能性がある。そこで、蓄熱暖房運転時における室外熱交換器3の蒸発温度を基に判定部71が除霜暖房運転の開始を判定する。
【0061】
判定部71が除霜暖房運転の開始条件が満たされていると判定した場合には、切替制御部74に対して切替弁6を切り替える指示を出す。すなわち、室内熱交換器2、及び、蓄熱熱交換器4が凝縮器として機能し、室外熱交換器3が蒸発器として機能する蓄熱暖房運転から、室内熱交換器2、及び、室外熱交換器3が凝縮器として機能し、蓄熱熱交換器4が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと運転態様を切り替えるべく、第2の切替弁62を切り替える。
【0062】
また併せて、判定部71は、室内ファン21の回転数を変化させる制御を行うために蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替えられた後における室内ファン21の回転数を設定する。
【0063】
図11を用いて説明した通り、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替えられると、凝縮器の役割を担う熱交換器が、蓄熱熱交換器4から室外熱交換器3に変わるため(室内熱交換器2はそのまま凝縮器として働く)、凝縮器内における高密度の液相冷媒の量が増加する。そのため、冷媒の体積の減少に伴い冷媒回路の内部を流れる冷媒の圧力が低下する。そして冷媒の圧力が低下すると、凝縮器における凝縮温度も下がる。
【0064】
この場合に、凝縮温度が低下したことに追随できず蓄熱暖房運転時における室内ファン21の回転数のままで室内に送風してしまうと、暖房している室内に冷風が供給されてしまう。そこでユーザの快適性を維持する観点からこのような室内への冷風の供給を回避するべく、次に説明するような方法で室内ファン21の回転数を設定する。
【0065】
まず判定部71から算出部73に対して運転態様が除霜暖房運転に切り換えられた後における室内ファン21の回転数を算出するよう指示が出される。算出部73は、判定部71からの指示に基づいて、記憶部72に記憶されている冷媒流路の内容積に関する情報を基に、各運転態様において凝縮器として機能する熱交換器の冷媒流路の内容積を算出する。
【0066】
ここで「冷媒流路の内容積に関する情報」とは、例えば、室内熱交換器2、室外熱交換器3、及び、蓄熱熱交換器4それぞれの冷媒流路の内容積の情報を挙げることができる。また、各運転態様において凝縮器の役割を果たす熱交換器の組み合わせにおける凝縮器全体の冷媒流路の内容積についての情報や当該熱交換器の組み合わせ(運転態様)に紐付けられた室内ファン21の回転数等の情報が含まれていても良い。
【0067】
例えば、蓄熱暖房運転の場合における凝縮器は、室内熱交換器2と蓄熱熱交換器4である。従って、算出部73は、まず蓄熱暖房運転において凝縮器の役割を果たすこれらの熱交換器の冷媒流路の内容積を算出する。
【0068】
併せて、切り替えられた後の運転態様である除霜暖房運転において凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積を算出する。除霜暖房運転においては、室内熱交換器2、及び、室外熱交換器3が凝縮器となるので、これらそれぞれの冷媒流路の内容積の和を算出する。
【0069】
その上で算出部73は、運転態様を切り替える前の切替前凝縮器冷媒流路の内容積(室内熱交換器2の冷媒流路の内容積と蓄熱熱交換器4の冷媒流路の内容積との和)に対する切り替え後の切替後凝縮器冷媒流路の内容積(室内熱交換器2の冷媒流路の内容積と室外熱交換器3の冷媒流路の内容積との和)の変化率を算出する。
【0070】
そして算出部73が、算出された当該変化率を、運転態様を切り替える前の運転態様(ここでは除霜暖房運転)における室内ファン21の回転数に乗じた値に基づいて切り替え後の運転態様(ここでは除霜暖房運転)における室内ファン21の回転数を設定する。
【0071】
このように判定部71が、算出部73によって求められる変化率を基に運転態様が切り換えられた後における室内ファン21の回転数を設定する方法の他、例えば、以下のような方法も採用することができる。
【0072】
すなわち、判定部71が除霜暖房運転の開始条件が満たされていると判定すると、判定部71は、記憶部72にアクセスして記憶部72に記憶されている各熱交換器の冷媒流路の内容積に関する情報を取得する。
【0073】
上述したように、記憶部72には、各運転態様において凝縮器の役割を果たす熱交換器の組み合わせにおける凝縮器全体の冷媒流路の内容積についての情報が記憶されている。判定部71は、記憶部72にアクセスして記憶部72から冷媒流路の内容積に関する情報を取得し、当該冷媒流路の内容積に関する情報を基に室内ファン21の回転数を設定する。
【0074】
上述したような方法を用いて、判定部71は、新たな室内ファン21の回転数を設定する。そして、当該設定に基づいて切替制御部74に対して室内ファン21の回転数を切り替えるよう指示する。
【0075】
切替制御部74は、判定部71からの運転態様の切り替えの指示に基づき、例えば、切替弁6の切り替えを実行する。具体的には、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わる場合には、切替制御部74は、蓄熱暖房運転において蓄熱熱交換器4に流れていた圧縮機1から吐出された冷媒を室外熱交換器3に流すように、第2の切替弁62を切り替える。
【0076】
図3は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sにおいて運転態様を変化させた際に室内ファン21の制御を行った場合の室内ファン21の回転数と凝縮温度との関係を示すグラフである。
【0077】
図3において横軸は時間を示しており、横軸のある時刻において運転態様が切り替えられる。ここでは切り替え前の運転態様は蓄熱暖房運転であり、切り替え後の運転態様は除霜暖房運転である。また、時間の経過に沿ってグラフの左側から右側に伸びる線のうち、上側の実線は室内機に設けられている室内ファンの回転数(風量)を示している。一方下側の破線は、凝縮温度を示している。
【0078】
運転態様が蓄熱暖房運転から除霜暖房運転へと切り替わることによって、これまで説明してきたように、凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積は増大する。そのため、従来の制御方法では、例えば、図12に示すように、冷媒回路内を流れる冷媒の圧力が低下し、凝縮温度も低下する。
【0079】
一方で、本実施形態においては、上述したように蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わるとともに、室内ファン21の回転数を変更、すなわち、室内ファン21の回転数を低下させる制御を行う。図3の縦軸に平行な点線で示されている切替制御部74による第2の切替弁62の切替制御に伴って、室内ファン21の回転数が低下するように示されているのは、この制御を示している。
【0080】
このように運転態様の切り替えに伴って室内ファン21の回転数を変更することによって、凝縮温度の大きな低下を防ぎ、また、室内への冷風の供給を回避することができる。そのため、ユーザの快適性を維持することができる。
【0081】
一方、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わった後、除霜暖房運転における凝縮温度は、蓄熱暖房運転における凝縮温度から若干低下しただけで概ね一定の値を示している。このように、運転態様が切り換えられた時と概ね同じ時に室内ファン21の回転数を低下させる処理を行うことによって、凝縮温度については、少なくとも図12に示すように、運転態様が切り替わってからしばらく時間が経過した後に室内ファン21の回転数が低下する場合に比べて凝縮温度の低下は小さくなる。
【0082】
なお、これまでは、除霜暖房運転が開始される前に行われている運転態様として、蓄熱暖房運転が行われていることを前提に説明してきた。しかし、例えば、暖房運転の態様としては、当該蓄熱暖房運転の他、蓄熱利用暖房運転や通常暖房運転も考えられる。
【0083】
これまで説明してきた通り、蓄熱暖房運転で蓄熱熱交換器4に蓄えられた熱は、室外熱交換器3に対する除霜運転の際に用いられていた。これに対して蓄熱利用暖房運転は、蓄熱熱交換器4に蓄えられた熱を暖房運転に利用する運転態様である。
【0084】
蓄熱利用暖房運転は、例えば、外気温が低くて室外熱交換器3において熱が取り込めないような場合に、蓄熱熱交換器4に蓄えられた熱を用いて要求された暖房能力を満たすべく行われる運転態様である。この運転態様の場合、後述する図7に示すように、室内熱交換器2のみが凝縮器となり、蓄熱熱交換器4及び室外熱交換器3はいずれも蒸発器となる。
【0085】
次に、通常暖房運転は、暖房運転が行われる場合に、蓄熱熱交換器4に冷媒を流さない運転態様である。蓄熱熱交換器4に貯めることができる熱量は蓄熱材の種類や容量によって決まっている。そのため、例えば、蓄熱暖房運転が行われることによって蓄熱熱交換器4に熱が蓄えられた際に、蓄熱材にこれ以上熱を貯めることができない状態となる場合が考えられる。
【0086】
蓄熱熱交換器4がこのような状態にある時に、冷媒を蓄熱熱交換器4に流入させて熱交換を行わせようとしても蓄熱の効果は望めず、蓄熱熱交換器4に冷媒を流入させることは不要である。そこでこのような場合に暖房運転を行う時には、蓄熱熱交換器4に冷媒を流入させず室外熱交換器3にのみ流入させるようにした運転態様が通常暖房運転である。
【0087】
従って、通常暖房運転においては、室内熱交換器2のみが凝縮器としての役割を果たす。一方、室外熱交換器3は蒸発器として働く。また蓄熱熱交換器4については、後述する図8に示すように、蓄熱熱交換器4には冷媒は流入しない。
【0088】
このような蓄熱利用暖房運転から、或いは、通常暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わった場合においても、上述したような制御装置7によって凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積に関する情報を基に室内ファン21の回転数が設定される。
【0089】
なお、上述した各種暖房運転から運転態様が切り替えられるのは、除霜暖房運転であることを前提とする。暖房運転を行わない除霜運転の場合、室内ファン21によって室内に冷風が供給される可能性がない。そのため、たとえ凝縮温度が低下した際に室内ファン21の回転数を変化させる制御を行わないとしてもユーザが感じる快適性の低下は、除霜暖房運転の場合よりも低いと考えられるからである。
【0090】
以上で本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sの制御装置7の各部について、それらの機能について説明した。そこで次に、冷凍サイクル装置Sにおいて行われる運転態様について、図4ないし図8に示す本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sの回路図を用いて順に説明する。
【0091】
なお、図4ないし図8に示す回路図においては、実際に冷媒が流れる冷媒回路Cを実線で示している。一方、冷媒回路Cを構成するが冷媒が流れていない冷媒回路Cについては破線で示している。また、冷媒回路C内を流れる冷媒の向きを矢印で示している。
【0092】
まず冷房運転について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sが冷房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。冷房運転の場合、室内熱交換器2は蒸発器、室外熱交換器3は凝縮器として機能する。一方、蓄熱熱交換器4には冷媒は流入しない。
【0093】
すなわち、圧縮機1において圧縮されて高温高圧の状態で吐出された冷媒は、図4の矢印に示すように、第1の膨張弁51、第2の切替弁62を介して室外熱交換器3に流入する。なお、このとき第1の膨張弁51の開度は全開となっている。また、圧縮機1から吐出された冷媒は、第1の切替弁61にも流れるが、バイパス回路B1を通って第2の切替弁62から室外熱交換器3へと流入する。
【0094】
室外熱交換器3に流入した冷媒は、室外ファン31が回転することで供給される外気によって冷却され、外気に放熱する。そして、冷媒の一部、或いはその全部が凝縮する。
【0095】
このように外気に放熱した冷媒は室外熱交換器3から流出して第3の膨張弁53を通過することで減圧され低温低圧の冷媒となる。その後、低温低圧になった冷媒は、室内熱交換器2に流入し、室内熱交換器2で室内空気との間で熱交換が行われる。
【0096】
室内熱交換器2による熱交換によって、冷媒は室内空気から吸熱し蒸発するとともに、室内熱交換器2に吸い込まれた室内空気は冷却され、室内ファン21によって室内に供給されて室内が冷房される。そして熱交換により吸熱した冷媒は、第1の切替弁61を介して圧縮機1に流入する。
【0097】
一方、冷凍サイクル装置Sが蓄熱暖房運転を行う場合の冷媒の流れは図5に示される通りである。図5は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sが蓄熱暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【0098】
図5に示す通り、圧縮機1から吐出された冷媒は、第1の切替弁61を介して室内熱交換器2に流入する。そして室内熱交換器2において冷媒と室内機に流入する空気との間で熱交換を行い室内空間に冷媒から吸熱して暖められた空気を供給する。従って、室内熱交換器2は凝縮器として機能する。
【0099】
室内熱交換器2から流出した冷媒は、第3の膨張弁53を経由して室外熱交換器3に流入する。室外熱交換器3は蒸発器として機能し、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器3から流出した冷媒は、第2の切替弁62を介して圧縮機1に流入する。
【0100】
本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sには、上述したように、室内熱交換器2、及び、室外熱交換器3に加えて蓄熱熱交換器4が設けられている。蓄熱暖房運転が実行される場合には、圧縮機1から吐出された冷媒は、上述したように室内熱交換器2に流入するだけではなく、第1の切替弁61に至る前に分岐して第1の膨張弁51、第2の切替弁62を介して蓄熱熱交換器4にも流入する。
【0101】
蓄熱熱交換器4では流入した冷媒が蓄熱材との間で熱交換を行うことによって、冷媒の熱が蓄熱材に蓄熱される。蓄熱熱交換器4から流出した冷媒は、第2の膨張弁52を介して室外熱交換器3に流入し、さらに室外熱交換器3から流出して第2の切替弁62を介して圧縮機1に流入する。
【0102】
図6は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sが除霜暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。圧縮機1から吐出された冷媒は、第1の切替弁61を介して室内熱交換器2に流入する。ここでは暖房運転であることから、室内熱交換器2は凝縮器として機能し、室内熱交換器2において冷媒と室内機に流入する空気との間で熱交換を行い冷媒から吸熱して暖められた空気を室内空間に供給する。
【0103】
また、圧縮機1から吐出された冷媒は、第1の切替弁61に至る前に分岐して第1の膨張弁51、及び、第2の切替弁62を介して室外熱交換器3へと流入する。室外熱交換器3に圧縮機1からの高温の冷媒が流入することで、室外熱交換器3に付着した霜を溶かす除霜運転が実行される。
【0104】
室内熱交換器2から流出した冷媒は、第3の膨張弁53、第2の膨張弁52を介して蓄熱熱交換器4に流入する。なお、このとき第3の膨張弁53および第2の膨張弁52の開度は全開となっている。また、室外熱交換器3から流出した冷媒は、第2の膨張弁52を介して蓄熱熱交換器4に流入する。蓄熱熱交換器4では、流入した冷媒と蓄熱材との間で熱交換が行われる。蓄熱熱交換器4から流出した冷媒は、第2の切替弁62を介して圧縮機1に流入する。
【0105】
次に、冷凍サイクル装置Sが蓄熱利用暖房運転を行う場合の冷媒の流れについて説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sが蓄熱利用暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【0106】
図7に示す通り、圧縮機1から吐出された冷媒は、第1の切替弁61を介して室内熱交換器2に流入する。ここで蓄熱利用暖房運転の場合、圧縮機1から吐出された冷媒の全てが室内熱交換器2に流入する。従って、第1の切替弁61に至る前に分岐する第1の回路に設けられている膨張弁51は全閉となるように切替制御部74によって制御される。
【0107】
そして室内熱交換器2に流入した冷媒は、室内熱交換器2において室内機に流入する空気との間で熱交換が行われ、室内空間に冷媒から吸熱して暖められた空気が供給される。従って、室内熱交換器2は凝縮器として機能する。
【0108】
室内熱交換器2から流出した冷媒は、第2の膨張弁52と室外熱交換器3の間の流路に設けられた合流点C1を介して蓄熱熱交換器4に流入する。蓄熱熱交換器4は蒸発器として機能し、蓄熱熱交換器4では流入した低温低圧の冷媒が蓄熱材との間で熱交換が行われる。蓄熱熱交換器4から流出した冷媒は、第2の切替弁62を介して圧縮機1に流入する。
【0109】
また、室内熱交換器2から流出した冷媒は、第3の膨張弁53を経由して室外熱交換器3に流入する。室外熱交換器3は蒸発器として機能し、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器3から流出した冷媒は、第2の切替弁62、バイパス回路B2、第1の切替弁61を介して圧縮機1に流入する。
【0110】
なお、蓄熱利用暖房運転の場合、上述したようにバイパス回路B2は、これまでのバイパス回路B1のように逆止弁ではなく開閉弁が採用されている。この開閉弁によって、室外熱交換器3から流出した冷媒を第2の切替弁62から第1の切替弁61に向けて流すことができ、圧縮機1に戻すことが可能となる。
【0111】
最後に、冷凍サイクル装置Sが通常暖房運転を行う場合の冷媒の流れについて説明する。図8は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sが通常暖房運転を行う際の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【0112】
図8に示す通り、圧縮機1から吐出された冷媒は、第1の切替弁61を介して室内熱交換器2に流入する。そして室内熱交換器2において冷媒と室内機に流入する空気との間で熱交換を行い室内空間に冷媒から吸熱して暖められた空気を供給する。従って、室内熱交換器2は凝縮器として機能する。
【0113】
室内熱交換器2から流出した冷媒は、第3の膨張弁53を経由して室外熱交換器3に流入する。室外熱交換器3は蒸発器として機能し、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器3から流出した冷媒は、第2の切替弁62を介して圧縮機1に流入する。
【0114】
一方上述したように、通常暖房運転においては、蓄熱熱交換器4に冷媒を流入させる必要がないことから、第1の膨張弁51については全閉とする制御を行って、圧縮機1から吐出された冷媒が蓄熱熱交換器4に流入しないようにしている。従って、蓄熱熱交換器4においても蓄熱材と冷媒との間で熱交換が行われることがない。また、第2の膨張弁52についても全閉とする制御が行われる。
【0115】
[動作]
次に、上述した蓄熱暖房運転、蓄熱利用暖房運転、或いは、通常暖房運転の各暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わる場合における制御装置7による冷凍サイクル装置Sの制御の流れについて、図9、及び、図10を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sにおいて運転態様が変化した際の制御の流れを示すフローチャートである。
【0116】
なお、暖房運転の形態については上述したように種々の形態があるが、これまで通り蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わる例を挙げて、以下説明する。
【0117】
まず冷凍サイクル装置Sにおいて、蓄熱暖房運転が開始される(ST1)。ここで蓄熱暖房運転が開始される条件については予め設定されており、制御装置7において当該条件が満たされたか否かが判定される。蓄熱暖房運転が開始される条件として、例えば蓄熱材温度と外気温度との差が所定値未満という条件が設定される。これにより、蓄熱された熱量が不足しているときに蓄熱暖房運転を実行できる。
【0118】
蓄熱暖房運転が開始されると、上述したように第1の切替弁61を介して圧縮機1から吐出された冷媒が室内熱交換器2に流入するとともに、第1の膨張弁51、第2の切替弁62を介して蓄熱熱交換器4に流入する。
【0119】
蓄熱暖房運転が行われている間、制御装置7では室外熱交換器3に対する除霜運転が必要か否か、予め設定されている除霜運転への移行条件に従って判定する(ST2)。除霜運転が不要な場合は(ST2のNO)は、引き続き蓄熱暖房運転が行われる。
【0120】
一方、除霜暖房運転開始の条件が満たされたと制御装置7(判定部71)が判定した場合には(ST2のYES)、蓄熱暖房運転から除霜暖房運転に運転態様を切り替えるための切替処理が実行される(ST3)。
【0121】
具体的には、判定部71が切替制御部74に対して、第2の切替弁62を切り替えるように指示する。当該指示に基づいて切替制御部74は、圧縮機1から吐出された冷媒が蓄熱熱交換器4ではなく室外熱交換器3に流入するように第2の切替弁62を切り替える。
【0122】
そして判定部71は、運転態様が切り換えられた後における室内ファン21の回転数を設定する(ST5)。当該室内ファン21の回転数の設定に当たって算出部73を用いた処理の詳細な流れについては、図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sにおいて運転態様が変化した際の制御の流れを示すフローチャートである。
【0123】
判定部71から蓄熱暖房運転から除霜暖房運転への運転態様の切り替えについての指示を受けた算出部73では、まず、記憶部72にアクセスして、蓄熱暖房運転において凝縮器の役割を果たす全ての熱交換器の冷媒流路の内容積の和を算出する(ST51)。蓄熱暖房運転における凝縮器は、室内熱交換器2、及び、蓄熱熱交換器4であることから、これらの各熱交換器における冷媒流路の内容積の和を算出する。
【0124】
次に、算出部73は、除霜暖房運転において凝縮器の役割を果たす全ての熱交換器の冷媒流路の内容積の和を算出する(ST52)。除霜暖房運転における凝縮器は、室内熱交換器2、及び、室外熱交換器3であることから、これらの各熱交換器における冷媒流路の内容積の和を算出する。
【0125】
算出部73は、運転態様を切り替える前の蓄熱暖房運転時における熱交換器の冷媒流路の内容積(切替前凝縮器冷媒流路の内容積)に対する切り替え後の除霜暖房運転における熱交換器の冷媒流路の内容積(切替後凝縮器冷媒流路の内容積)の変化率を算出する(ST53)。そして、算出部73は、算出された変化率を用いて、運転態様を切り替える前の運転態様(ここでは除霜暖房運転)における室内ファン21の回転数に乗じた値に基づいて運転態様を除霜暖房運転に切り換えた後の室内ファン21の回転数を設定する(ST54)。
【0126】
判定部71は、算出部73において算出された室内ファン21の回転数を切替後の運転態様における室内ファン21の回転数として設定する。そして、設定された室内ファン21の回転数に基づいて室内ファン21を駆動するように、切替制御部74を介して室内機に指示する。
【0127】
なお、室内ファン21の回転数の設定に当たっては、このような方法ではなく、判定部71は、除霜暖房運転を開始するに当たって、除霜暖房運転の前に行われていた暖房運転の種類に基づいて、記憶部72から冷媒流路の内容積に関する情報を取得し、室内ファン21の回転数を設定する方法を採用しても良い。
【0128】
そして、これらの除霜暖房運転への運転態様の切替処理が完了すると除霜暖房運転が開始される(図9のST6)。これまで説明してきた通り、除霜暖房運転においては、暖房運転が行われるとともに、蓄熱熱交換器4に蓄えられた熱を用いて除霜運転が行われる。
【0129】
そして除霜暖房運転が実行されている間、制御装置7では除霜暖房運転を終了するか否か、予め設定されている終了条件を基に判定する(ST7)。
【0130】
制御装置7の判定によって、除霜暖房運転を終了しないと判定された場合には(ST7のNO)、実行中の除霜暖房運転が継続される。一方、判定の結果、除霜暖房運転を終了すると判定した場合には(ST7のYES)、除霜暖房運転を終了する(ST8)。
【0131】
制御装置7では、除霜暖房運転が終了したので、改めて運転態様の切替処理を実行する(ST9)。除霜暖房運転から切り替えられる運転態様については、ここでは特定しないが、改めて蓄熱暖房運転を行っても良い。或いは、ユーザによる設定等に基づいて、蓄熱利用暖房運転、或いは、通常暖房運転に切り替えられても良い。
【0132】
制御装置7では、切替制御部74を介して切替弁6の制御を行う(ST10)とともに、暖房運転の態様に応じた室内ファン21の回転数を設定する(ST11)。
【0133】
すなわち、これまでは運転態様が切り替わり凝縮器の役割を果たす熱交換器が変わることによって凝縮器の冷媒流路の内容積が増加する場合を説明してきた。この場合は上述したように室内ファン21の回転数を低下させる制御を行う。反対に、運転態様が切り替わり凝縮器の役割を果たす熱交換器が変わることによって凝縮器の冷媒流路の内容積が減少し、凝縮温度が上昇する場合には、室内ファン21の回転数を増加させる制御を行う。
【0134】
このような制御は、例えば、除霜暖房運転から蓄熱暖房運転に運転態様が切り替わるような状態において行われる。従って、上述した冷凍サイクル装置Sの動作において、除霜暖房運転から暖房運転に切り替わる際の切替処理では、室内ファン21の回転数を増加する設定がされる。
【0135】
なお、ここでの説明においては、切替弁6の制御と室内ファン21の回転数の設定については、前者を先に、後者を後に説明した。但し、この順序はあくまでも説明の便宜上この順序で説明したに過ぎず、切替弁6の制御と室内ファン21の回転数の設定は、先後が逆であっても、或いは、両者が同時に行われても良い。
【0136】
以上説明した通り、暖房運転から除霜暖房運転に運転態様が切り替わる際に、凝縮温度の低下に合わせて室内ファン21の回転数を制御することによって、室内機からの一時的な吹出温度の急低下や急上昇を防止することができる。従って、運転態様が切り替わったとしてもユーザに対する快適性の低下を抑制することができる。
【0137】
特に凝縮温度の低下によって室内へ冷風が供給される場合に、ユーザに対する快適性の低下が顕著になることから、このような場合に凝縮器の役割を果たす熱交換器の冷媒流路の内容積に基づいて室内ファン21の回転数を低下させる制御が行われることは非常に有効である。
【0138】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、本発明の一例を示したものである。実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施の形態には種々の変更又は改良を加えることが可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
【0139】
例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよく、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0140】
例えば、上述した運転態様の切り替えについての処理の流れでは、判定部71が除霜暖房運転開始の条件が満たされたと判定した場合に、切替弁6を切り替えるとともに、室内ファン21の回転数を設定して設定された室内ファン21の回転数をもって室内ファン21を回転するように室内機に指示していた。
【0141】
但しこのような処理ではなく、例えば、判定部71が除霜暖房運転の開始条件が満たされたと判定した場合に、まず判定部71は、室内ファン21の回転数の設定を行い設定された回転数を室内機に指示する。
【0142】
この場合、当該処理の次に、切替弁6の制御が行われるが、この切替弁6の制御が実行される前に、室内ファン21の回転数を徐々に低下させる。そして、実際に切替弁6が切り替えられて除霜暖房運転が開始された時には既に室内ファン21の回転数は設定された回転数に低下している、という処理を行っても良い。
【0143】
このような処理を行うことによって、運転態様の切り替えのタイミングと室内ファン21の回転数を変更する処理のタイミングとをより合わせることができ、より一層ユーザに対する快適性の維持に資する。
【0144】
また、これまでは、室内ファン21の回転数を設定するに当たって、算出部73が運転態様を切り替える前の切替前凝縮器冷媒流路の内容積に対する切り替え後の切替後凝縮器冷媒流路の内容積の変化率を算出することについて説明した。但し、算出部73による変化率の算出に際して、例えば、運転態様の切り替え前の室内機における設定温度と切り替え後の現在の室温とを用いても良い。
【0145】
さらに、本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sにおいては、室内熱交換器2、室外熱交換器3、及び、蓄熱熱交換器4が並列に接続されている冷媒回路Cを備えていることを前提として種々説明を行った。但し、これらの各熱交換器が直列に接続された冷媒回路を備える冷凍サイクル装置の場合にも上述した説明は当てはまる。
【0146】
また、上述した蓄熱利用暖房運転の説明においては、蓄熱熱交換器の他、室外熱交換器が蒸発器として機能する場合を例に挙げて説明した。但し、蓄熱利用暖房運転においては、必ずしも室外熱交換器を蒸発器として機能させず、蓄熱熱交換器のみを蒸発器としてえ機能させることも可能である。
【0147】
なお、本発明の実施の形態において説明した技術については、以下のような構成を採用することもできる。
(1)冷媒を圧縮する圧縮機と、
室内の空気と前記冷媒とを熱交換する室内熱交換器と、
室外の空気と前記冷媒とを熱交換する室外熱交換器と、
蓄熱材と前記冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器と、
少なくとも前記室内熱交換器を凝縮器として機能させ、且つ、前記室外熱交換器を蒸発器として機能させる暖房運転と、少なくとも前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる除霜運転とで前記冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁と、を有する冷媒回路と、
前記室内の空気を前記室内熱交換器に通過させる室内ファンと、
前記室内ファン、前記切替弁を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記暖房運転と前記除霜運転との間で運転を切り替える際に、前記室内ファンの回転数を変化させることを特徴とする冷凍サイクル装置。
(2)前記制御装置は、
少なくとも、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行う際、前記冷媒流路の内容積に関する情報を基に前記室内ファンの回転数を設定することを特徴とする上記(1)に記載の冷凍サイクル装置。
(3)前記制御装置は、さらに、
前記記憶部に記憶されている前記冷媒流路の内容積に関する情報を基に、各運転態様において凝縮器として機能する熱交換器の全ての凝縮器冷媒流路の内容積の和を算出する算出部を備え、
前記算出部は、運転態様を切り替える前の切替前凝縮器冷媒流路の内容積に対する切り替え後の切替後凝縮器冷媒流路の内容積の変化率を算出し、
前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行う際、前記変化率に基づいて前記運転態様を切り替えた後の前記室内ファンの回転数を設定することを特徴とする上記(2)に記載の冷凍サイクル装置。
(4)前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
(5)前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱利用暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
(6)前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器のみが蒸発器として機能する通常暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
(7)前記蓄熱熱交換器の冷媒流路の内容積は、前記室外熱交換器の冷媒流路の内容積よりも小さいことを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
(8)冷媒を循環させる冷媒回路に、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
室内の空気と前記冷媒とを熱交換する室内熱交換器と、
室外の空気と前記冷媒とを熱交換する室外熱交換器と、
蓄熱材と前記冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器と、
少なくとも前記室内熱交換器を凝縮器として機能させる暖房運転と、少なくとも前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる除霜運転とで前記冷媒回路における前記冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁と、が接続され、
前記室内の空気を前記室内熱交換器に通過させる室内ファンと、
前記室内ファン、前記切替弁を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記暖房運転と前記除霜運転との間で運転態様を切り替えるか否かの判定を行うステップと、
前記運転態様を切り替えると判定した場合に、前記切替弁と切り替えるステップと、
前記室内ファンの回転数を切り替え後の前記運転態様に応じて前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップと、
を備えることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御方法。
(9)前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップにおいて、
少なくとも、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器のそれぞれの冷媒流路の内容積に関する情報を基に前記室内ファンの回転数を設定することを特徴とする上記(8)に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
(10)前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップの前のステップにおいて、
前記冷媒流路の内容積に関する情報を基に、各運転態様において凝縮器として機能する熱交換器の全ての凝縮器冷媒流路の内容積の和を算出するステップと、
運転態様を切り替える前の切替前凝縮器冷媒流路の内容積に対する切り替え後の切替後凝縮器冷媒流路の内容積の変化率を算出するステップと、
前記変化率に基づいて前記運転態様を切り替えた後の前記室内ファンの回転数を設定するステップと、
を備えていることを特徴とする上記(9)に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
(11)前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップは、
前記制御装置が前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うステップであることを特徴とする上記(8)ないし(10)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
(12)前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップは、
前記制御装置が前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器、及び、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する蓄熱利用暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うステップであることを特徴とする上記(8ないし(10)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
(13)前記制御装置が前記室内ファンの回転数を変化させる制御を行うステップは、
前記制御装置は、前記切替弁を切り替えることで、前記室内熱交換器が凝縮器として機能し、前記室外熱交換器のみが蒸発器として機能する通常暖房運転から、前記室内熱交換器、及び、前記室外熱交換器が凝縮器として機能し、前記蓄熱熱交換器が蒸発器として機能する除霜暖房運転へと切り替える場合に、前記室内ファンの回転数を低下させる制御を行うステップであることを特徴とする上記(8)に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
【符号の説明】
【0148】
1・・・圧縮機、2・・・室内熱交換器、3・・・室外熱交換器、31・・・室外ファン、4・・・蓄熱熱交換器、5・・・膨張弁、51・・・第1の膨張弁、52・・・第2の膨張弁、53・・・第3の膨張弁、6・・・切替弁、61・・・第1の切替弁、62・・・第2の切替弁、7・・・制御装置、71・・・判定部、72・・・記憶部、73・・・算出部、74・・・切替制御部、C・・・冷媒回路、S・・・冷凍サイクル装置
【要約】
【課題】運転態様が切り替わったとしてもユーザに対する快適性の低下を抑制することができる冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル装置の制御方法を提供する。
【解決手段】冷媒を循環させる冷媒回路Cに、冷媒を圧縮する圧縮機1と、室内の空気と冷媒とを熱交換する室内熱交換器2と、室内の空気を室内熱交換器2に通過させる室内ファン21と、室外の空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器3と、蓄熱材と冷媒とを熱交換する蓄熱熱交換器4と、少なくとも室内熱交換器2を凝縮器として機能させる暖房運転と、少なくとも室外熱交換器3を凝縮器として機能させる除霜運転とで冷媒回路Cにおける冷媒の循環経路を切り替える複数の切替弁6と、が接続され、室内ファン21、切替弁6を制御する制御装置7と、を備え、制御装置7は、暖房運転と除霜運転との間で運転を切り替えるとともに、室内ファンの回転数を変化させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12